説明

スーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤及びこの発現誘導剤を含有する飲食品

【課題】Mn−SODの遺伝子発現を有効に上昇させることができ、かつ飲食品に適用可能な素材を提供すること、さらにはこの素材を含有する飲食品を提供すること。
【解決手段】アントシアニン含有馬鈴薯由来の、酢酸に可溶性であり、かつ芳香族系合成吸着剤に吸着される性質を有する成分を含有するアントシアニン含有物を主成分として含有するスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。このスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤を含有する飲食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物を主成分として含有するスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤及びこの発現誘導剤を含有する飲食品に関する。なお、本発明におけるスーパーオキシドディスムターゼとは、Mn-SODを指し、これが発現するとはmRNAの上昇を意味する。
【背景技術】
【0002】
スーパーオキシドディスムターゼは、活性酸素の1種であるスーパーオキシド(・O2-)を消去する酵素として知られており、中でも、スーパーオキシドディスムターゼ(Mn−SOD)は、ミトコンドリアで発生する活性酸素を除去する酵素である。Mn-SODは、運動により活性化され、Mn-SODを活性化することにより、心臓動脈の疾患による病気や死の可能性を減らすことも報告されている(非特許文献1)。
【0003】
体内のMn-SODを、飲料や食品の摂取によって安全且つ容易に活性化できれば、かかる疾患の治療・予防に非常に有効と考えられ、こうした飲料・食品に対するニーズは極めて高いことが予測される。
【0004】
培養細胞などでMn−SODの遺伝子発現を上昇させるものとして、TNF(Tumor Necrosis Factor腫瘍壊死因子)、IL−1β(インターロイキン)、IL−6(インターロイキン)などのサイトカイン(免疫の反応などによって細胞から体液中に分泌されるタンパク質)や、TPA(フォルボールエステル)、LPS(lipopolysaccharide)などサイトカインの働きに関与する物質が知られている(非特許文献2〜4)。
【0005】
このほか、SODそのものを含む食品や、ビタミンなどの抗酸化素材を含有したものがSOD様食品として知られている(例えば、特許文献1〜3)。
【非特許文献1】Proc. Nat'l. Acad. Sci., U.S.A., VOL77, 2777; (1980)
【非特許文献2】現代医療 VOL. 26 NO. 5; PAGE. 1451-1455; (1994/05)
【非特許文献3】Biotherapy (Tokyo) VOL. 7 NO. 4; PAGE. 571-576; (1993/04)
【非特許文献4】Journal of Experimental Medicine. 189(19).1699-1706(1999)
【特許文献1】特開2006−160685号公報
【特許文献2】特開2005−213234号公報
【特許文献3】特開平10−234301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来から、Mn−SODの遺伝子発現を上昇させるものとして知られている成分は、いずれもサイトカイン等の特殊な成分であり、いずれも、一般食品に添加して使用できる物質ではなかった。また、一般食品でMn−SODの遺伝子発現を上昇させる成分を含むものを、本出願人は知らない。
【0007】
また、特許文献1〜3に記載されているようなSOD様食品は、これらを食した場合、食品に含まれるSODや抗酸化成分そのそのものが消化作用によって、分解されるという問題がある。仮に、一部でも消化作用を受けずに、体内に吸収されたとしても、その吸収率に問題があり、その有効性は明らかではない。
【0008】
サイトカイン等の特殊な成分は、飲食品の成分として利用することは現時点では困難であり、また、SOD様食品は、飲食品としての利用は可能であるが、その有効性が必ずしも明らかではなく、Mn−SODの遺伝子発現を有効に上昇させることができる飲食品がないという課題がある。
【0009】
このような状況下、本発明は、上記課題を解決するためのものであって、Mn−SODの遺伝子発現を有効に上昇させることができ、かつ飲食品に適用可能な素材を提供すること、さらにはこの素材を含有する飲食品を提供することを目的とする。この飲食品は、それを飲食することで、心臓動脈の疾患による病気や死の可能性を減らすことが可能になる飲食品である。
【0010】
こうした課題を解決できる手段として、本発明者らは、アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物が、Mn−SODの遺伝子発現を有効に上昇させることができることを見いだし、このアントシアニン含有物を主成分として含有するものは、スーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤として有効であることを見出し、さらに、このスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤を含有する飲食品は、種々の新たな用途があることを見いだして本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。
[1]アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物を主成分として含有するスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[2]前記アントシアニン含有物がアントシアニン含有馬鈴薯からの抽出物である[1]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[3]前記抽出物が、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶性の成分を含有する[2]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[4]前記抽出物が、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶性であり、かつ芳香族系合成吸着剤に吸着される性質を有する成分を含有する[2]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[5]前記抽出物に含まれるアントシアニン色素の主成分は、ペタニンまたはペラニンである[4]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[6]前記抽出物が、凍結乾燥品である[1]〜[5]のいずれかに記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[7]前記アントシアニン含有物がアントシアニン含有馬鈴薯の加工物である[1]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[8]前記加工物がフレーク、粉末、またはペーストである[7]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[9]前記フレークが、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮し、蒸煮処理し、乾燥して得られるものである[8]に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[10]前記アントシアニン含有馬鈴薯が、ノーザンルビー、シャドークイーンまたはキタムラサキである[1]〜[9]のいずれかに記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
[11][1]〜[10]のいずれかにスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤を含有する飲食品。
【発明の効果】
【0012】
アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物を経口摂取することで、体内におけるMn−SOD遺伝子の発現を上昇させることができる。馬鈴薯は、食経験が豊富で安全性が検証されている一般食品であり、アントシアニン含有馬鈴薯は、市場に出ている量は極わずかではあるが、一般食品としての安全性は既に確立されており、安全でしかも、大量に製造することも可能であり、日常的に飲食品として摂取が可能な優れた素材である。従って、本発明のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤は、上記効果を有し、かつ安全性と入手容易性を兼ね備えたものである。そして、前記スーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤は飲食品に含有させることができ、例えば、疲労回復用、筋肉保護用、抗ストレス用、老化防止用、スキンケア用、肝臓保護用の飲食品としての効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[Mn−SOD発現誘導剤]
本発明のスーパーオキシドディスムターゼ(Mn−SOD)発現誘導剤は、アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物を主成分として含有するものである。
【0014】
前記アントシアニン含有物は、例えば、アントシアニン含有馬鈴薯からの抽出物であることができる。アントシアニン含有馬鈴薯からの抽出物は、例えば、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶の成分を含有するものであることができる。さらに、前記抽出物が、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶であり、かつ芳香族系合成吸着剤に吸着される性質を有する成分を含有するものである。
【0015】
これらの抽出物の製造方法は、実施例において詳述するが、例えば、以下のように行うことができる。アントシアニン含有馬鈴薯の粉末を酢酸水溶液に加え、所定時間放置した後、アントシアニン含有馬鈴薯の粉末を酢酸水溶液から分離する。アントシアニン含有馬鈴薯の粉末は、生のアントシアニン含有馬鈴薯の粉末でもよいが、生のアントシアニン含有馬鈴薯を凍結乾燥して粉末化したものであることもできる。凍結乾燥して粉末化したものは、色素の色調保存性や腐敗しない保存性に優れており、飲食品への添加用途として、あるいは、錠剤、サプリメントの素材として有益であるという利点がある。
【0016】
アントシアニン含有馬鈴薯の粉末と酢酸水溶液との混合割合は、アントシアニン含有馬鈴薯の種類(含有成分)や酢酸水溶液の濃度等を考慮して、適宜決定できるが、例えば、アントシアニン含有馬鈴薯の粉末に対して酢酸水溶液を1〜5倍量(質量比)で用いることができる。アントシアニン含有馬鈴薯の粉末を酢酸水溶液に加えた後の放置時間は、アントシアニン含有馬鈴薯に含まれるアントシアニン含有物の抽出の程度を考慮して適宜決定できるが、例えば、1〜48時間とすることができる。また、上記の放置は、室温で実施することができる。本抽出には、酢酸水溶液に替えて、他の酸の水溶液を用いることもできるが、最終生成物が飲食品用であることを考慮すると、安全性の高い酢酸水溶液を用いることが好ましい。
【0017】
アントシアニン含有馬鈴薯の粉末から分離した抽出成分を含む酢酸水溶液は、芳香族系合成吸着剤に抽出成分の少なくとも一部を吸着させ、次いで、吸着成分を溶出させる。この吸着及び脱着工程は、主に炭水化物,その他にアントシアニン以外の不純物を取り除くことを目的として行うものである。吸着に使用する芳香族系合成吸着剤は、ペプチド,色素などの天然物の抽出分離ができる芳香族系で架橋スチレン系の多孔質重合体の性質を有するものであれば好ましく、例えば、Diaion HP-20、HP-21、SEPABEDAS SP25、SP850、SP70、SP700(いずれも商品名)等の芳香族系合成吸着剤を用いることができる。
【0018】
酢酸水溶液に含まれる抽出成分の芳香族系合成吸着剤への吸着は、室温で実施することができ、例えば、芳香族系合成吸着剤を充填したカラムに抽出成分を含む酢酸水溶液を流下させることで行うか、あるいは、抽出成分を含む酢酸水溶液を満たした容器に芳香族系合成吸着剤を添加し、抽出成分の芳香族系合成吸着剤への吸着が進むまで、必要により攪拌するなどしながら放置することで行うこともできる。抽出成分を芳香族系合成吸着剤に吸着させた後に芳香族系合成吸着剤を分離し、次いで、吸着した成分を溶出させる。溶出には、例えば、エタノール水溶液を用いることができる。溶出させた吸着成分を含有するエタノール水溶液は、エタノール及び水を除去して、所望の抽出物(固形物)を得ることができる。この抽出物(固形物)は、再度、水に溶解し、凍結乾燥して、凍結乾燥品とすることもできる。
【0019】
このようにして得られる抽出物は、少なくともアントシアニン色素、クロロゲン酸及びコーヒー酸を含有するものである。アントシアニン色素の主成分は、原料として用いるアントシアニン含有馬鈴薯の種類により異なるが、例えば、ペタニンまたはペラニンである。アントシアニン含有馬鈴薯としては、例えば、ノーザンルビー、シャドークイーンまたはキタムラサキを用いることができるが(これらに限定される意図ではないが)、アントシアニン含有馬鈴薯としてノーザンルビーを用いた場合に抽出物に含まれるアントシアニンは、ペラニンが約8割、残りの約2割は7種類ほどの色素である。アントシアニン含有馬鈴薯としてシャドークイーンを用いた場合に抽出物に含まれるアントシアニンは、約8割がペタニンであり、残りの約2割は約6種の色素から成る。アントシアニン含有馬鈴薯としてキタムラサキを用いた場合に抽出物に含まれるアントシアニンは、約8割がペタニンであり、残りの約2割は約6種の色素から成る。
【0020】
前記アントシアニン含有物は、アントシアニン含有馬鈴薯の加工物であることもできる。本発明において使用するアントシアニン含有馬鈴薯は、例えば、ノーザンルビー、シャドークイーンまたはキタムラサキであることができるが、これらの馬鈴薯に限定される意図はない。
【0021】
上記加工物としては、フレーク、粉末、またはペーストを挙げることができる。フレークは、例えば、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮し、蒸煮処理し、乾燥して得られるものであることができる。フレークは、馬鈴薯中の澱粉をα化したものであることが適当である。より具体的には、アントシアニン含有馬鈴薯を以下のように加工したものであることが適当である。すなわち、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮して1cm程度の厚さに切断したものを、約20分間蒸煮してからドラムドライヤー(ドラム表面温度約120〜140℃)で乾燥して得られる。
【0022】
粉末は、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮し、蒸煮処理し、乾燥後、ピンミル等の一般的な粉砕機で、用途に応じた粒度まで粉砕して得られるものであることができる。ペーストは、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮し、蒸煮処理または90℃前後の温度で約5〜10分ブランチング処理し、コミトロールなどで摩砕処理して得られるものであることができる。摩砕処理の前、または後、または前後に、冷凍して保管することができる。
【0023】
これら加工物には、上記抽出物に含まれる成分が含まれるが、さらには、上記抽出の工程で除去された物質も含まれることになる。
【0024】
本発明のスーパーオキシドディスムターゼ(Mn−SOD)発現誘導剤は、このMn−SOD発現誘導剤を摂取した動物の体内において、Mn−SODの発現を誘導する活性を有する。アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物が、このような活性を有することは、これまで知られていなかった。従って、本発明のMn−SOD発現誘導剤は、上記新たな活性を利用した新たな用途に適用できる。また、アントシアニン含有馬鈴薯は、食用としてその安全性は確立され、安定的にかつ大規模に生産することが可能であることから、飲食品の原料として実用上も十分に価値がある。
【0025】
そこで、本発明は、上記本発明のスーパーオキシドディスムターゼ(Mn−SOD)発現誘導剤を含有する飲食品を提供するが、それらの用途は新たな用途であり、例えば、疲労回復用、筋肉保護用、抗ストレス用、老化防止用、スキンケア用、肝臓保護用を挙げることができる。
【0026】
本発明の上記飲食品は、飲料・食品一般を意味し、特に飲料、タブレット、スナック、カレー・シチューなどの煮込み料理(またはその素となる固形ルウ)であることができる。また本発明のMn−SOD発現誘導剤は、粉末やフレーク等の加工品であることから、最終製品に含有させる際の加工適性は一段と高い。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0028】
実施例1
1. 実験食
実験対照として、コントロール(コーンスターチ)、キタムラサキ(KM)、およびシャドークイーン(SQ)の3種の馬鈴薯をポテトフレークに加工し、試験を行った。ポテトフレークは、以下の工程で製造した。生芋を剥皮し、約10mm幅にスライスし、市販の蒸し器で20分間蒸煮した後、マッシャーにかけてすりつぶした。その後ドラムドライヤー(クリアランス0.25〜0.35mm、回転速度1rpm、ドラム温度125〜135℃)に通して乾燥させフレークを得た。このフレークをピンミル(6000rpm)に通し粉末を得た。実験食はオリエンタル酵母株式会社 (Tokyo, Japan)にて調製し、その食餌組成はAIN93Gを基本とした。
【0029】
2. 実験動物および飼育条件
実験動物は7週齢のF344/DuCrj雄ラット15匹を日本チャールズリバー株式会社から購入した。飼育条件は、室温23±1℃ 湿度60±5%として明暗周期12時間(明07:00、暗19:00)とした。ラットは、プラスチックケース内で個別に飼育した。ラットの取り扱いについては、Guide of the Care and Use of Laboratory Animalsに従って行った。
【0030】
3. 投与実験
7週齢のラットF344/DuCrj雄15匹を1週間の市販粉末飼料による予備飼育後、各投与区で体重に有意差が出ないように3群5匹ずつに区分けを行った。投与区はAIN93G基準食投与区(CN)、キタムラサキ (KM)、シャドークイーン(SQ))添加食投与区とした(表1)。1匹のラットに1日25gの給餌を行い、食餌と水は自由摂取させた。実験期間は4週間とし、7日毎に体重および摂食量を計測した。摂食量は、給与量と残量の差から算出した。各週に計測した摂食量を7日分に換算した和を実験期間中の総摂食量とした。投与期間終了後、ラットをネンブタール麻酔により殺して、迅速に肝臓の摘出を行った 。摘出した肝臓は、冷生理食塩水 (9g NaCl / L)で洗浄し、乾燥した濾紙で水分を除去して重量を測定した後、−80℃で凍結保存した。
【0031】
【表1】

【0032】
4. 肝臓における抗酸化関連酵素mRNAの逆転写(RT)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびサザンブロッティングによる発現量の決定
4.1. 動物組織からのRNA抽出
acid guanidium thiocyanate-phenol-chloroform抽出法(Chomczynski, P. & Sacchi, N. (1987) Single step method of RNA isolation by acid guanidium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Anal. Biochem. 162:156-159)に従って行った。約100μgの肝臓にISOGEN (Nippon Gene, Tokyo, Japan)を1ml加え、1000rpmで氷中にて冷却しながらホモジナイズした。ホモジネートは、1.5mlの遠心チューブに移し、200μlのクロロホルムを加えて、約15秒間激しく混合してRNAの抽出を行った。これを4℃、15,000×gで15分間遠心分離し、水層を別のチューブに移し取った。移し取ったRNA溶液に500μlのイソプロパノールを加えて混合した後、4℃、15,000×gで15分間遠心分離をすることでRNAの沈殿を得た。上澄はアスピレーターにより除去し、チューブの壁面を洗浄するために80%エタノールを加えて、再び4℃、15,000×gで15分間の遠心分離を行った。同様に上澄を除去し、50μlの滅菌超純水を加えて常温で約20分間放置することで抽出したRNAを膨潤させ、ピペッティングにより完全に溶解して−80℃にて保存した。以上の操作に用いた器具はすべて滅菌処理したものを用いた。
【0033】
4.2. RNA溶液中の核酸およびタンパク質濃度の決定
50μlの滅菌超純水に溶解したRNA溶液の4μlを1.5mlの遠心チューブに移し取り、これに滅菌超純水を1ml加えて混合した。この全量を石英セルに移し、分光光度計 (UV-1600; Shimadzu) を用いて260nmにて核酸、280nmにてタンパク質の吸光度を測定した。ブランクには滅菌超純水を用いた。核酸およびタンパク質の濃度は、吸光度が1.0で40mg/mlとして算出した。また260nmと280nmにおける吸光度の比をとり、この値が1.6-1.8の範囲であることを確認してから以下の実験に用いた。
【0034】
4.3. RNA溶液中のDNA分解
4.2.にて濃度を決定したRNAの20μgを0.5mlの遠心チューブに移し取り、60mM MgCl2、100mM NaCl、100mM DTT、200mM Tris-HCl (pH7.5)のDNase bufferを5μl、RNase inhibitor (TaKaRa)を20UおよびRQ1 DNase (Promega,WI)を1U加え、滅菌超純水により50μlにメスアップした。これを37℃で45分間酵素反応させることでDNAを分解した。反応後、滅菌超純水50μlおよびフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール (25:24:1、v/v/v) 100μlを加え、15秒間激しく混合し、4℃で15,000×gの遠心分離を行った。上層を別のチューブに移し、再びフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール (25:24:1、v/v/v) 100μl加えて抽出および洗浄操作を繰り返した。移し取った水層に3M NaOAcを10μl、99.5%エタノールを300μlおよびペレットペイントを1μl加え、良く混合した後に4℃、15,000×gの遠心分離を行い、上澄をアスピレーターにより除去してチューブの壁を洗浄した。得られたRNAに28μlの滅菌超純水を加え、ピペッティングにより溶解した。以上の操作はすべて滅菌処理した器具を用いて行った。
【0035】
4.4. RT
DNAを分解、除去し、滅菌超純水に溶解したRNA試料の7μlを0.5mlの遠心チューブに移した。これにoligo (DT) primer (GIBCO,Gaithersburg,MD)を0.5μg加えて滅菌超純水で8μlにメスアップし、70℃で10分間培養した後に、氷中にて1分間急冷しRNAを直鎖状にした。その後に、375mM KCl、15mM MgCl2、250mM Tris-HCl (pH8.3)のstrand bufferを4μl、2.5mM dATP、2.5mM dTTP、2.5mM dGTP、2.5mM dCTPのdNTP mixture (TaKaRa)を4μl、0.1M DTTを2μlおよびRNase inhibitorを10U加え、42℃で5分間の前培養を行うことでRNAとプライマーをアニーリングさせた。その後に、Moloney murine leukemia virus reverse transcriptase (MMLV-RTase; GIBCO)を200U加え、滅菌超純水で20μlにメスアップし、42℃で50分間培養することでRTを行い、cDNAを合成した。続いて70℃で15分間培養し、氷中にて1分間急冷することでMMLV-RTaseの失活およびRNAとcDNAの解離を行った。これにRNase H (GIBCO)を2.2U加えて全量を21μlとし、37℃で20分間培養してRNAを分解した。得られたcDNAはPCRに供するまで−20℃で保存した。以上の操作は全て滅菌処理した器具を用いて行った。
【0036】
4.5. PCR
合成したcDNA溶液の1μlを0.5mlのPCRチューブに移し取り、500mM KCl、15mM MgCl2、100mM Tris-HCl (pH8.3)のPCR buffer を5μl、dNTP mixtureを4μl、EX-Taq polymerase (TaKaRa)を1.25Uと0.1mMのUpper primer、およびLower primerを0.25μlずつ加え、滅菌超純水で50μlにメスアップした。
プライマーは、
カタラーゼプライマー
(upstream primer, 5'-CTGGTTAATGCGAATGGAGAG-3'(配列番号1);
downstream primer, 5'-TGGGGTAGTAGTAGTTGGGAGCAC-3'(配列番号2))、
Cu/Zn-SOD プライマー
(upstream primer, 5'-GTCCGGTGCAGGGCGTCATTC-3'(配列番号3);
downstream primer, 5'-CAATCACACCACAAGCCAAGC-3'(配列番号4)),
Mn-SODプライマー
(upstream primer, 5'-CGCTGTCACTGTCATCATAAG-3'(配列番号5);
downstream primer, 5'-GTCCGGTGCAGGGCGTCATTC-3'(配列番号6)),
GSH-R プライマー
(upstream primer; 5'-GCCGCAGCGTTATTGTGGGTG-3'(配列番号7);
downstream primer, 5'-CGATAGGCGGGTGGCTGAAGAC-3'(配列番号8))
GSH-Px プライマー
(upstream primer; 5'-GCTGAAGGAGGCACTTGGTCA-3'(配列番号9);
downstream primer, 5'-TGATGTACTTGGGGTCGGTCA-3'(配列番号10))
の5種類を用いた。
【0037】
サーマルサイクラー (PTC-100 ; MJ Research INC.,
Watertown, MA)の温度条件は、最初のサイクルが94℃で3分間DNAの解離、60℃で1分間プライマーとのアニーリング、72℃で2分間DNA鎖の伸長を行った。2サイクル目以降は、DNAの解離を94℃で1分間とし、最後のサイクルはDNA鎖の伸長を72℃で10分間行った。Catalase、GSH-Reductase、GSH-Px、Mn-SOD、Cu,Zn-SOD、の増幅は30サイクル行い、増幅後に-20℃で保存した。
【0038】
4.6. 増幅したDNA断片のアガロースゲル電気泳動及びエチジウムブロマイド染色
電気泳動には40mM Tris、33mM NaOAc、2mM EDTA、0.17% AcOHとした1×TAEの2%アガロース (Seaken ME agarose, FMC Bio products, Rockland, ME)ゲルを用いた。PCR産物の10μlを0.5mlの遠心チューブに移し、これにdye solutionを2μl加え、ピペッティングにより混合した後に電気泳動に供した。泳動槽 (Mupid-2, Cosmobio, Tokyo, Japan)は1×TAEで満たし、1レーンに10μlの試料を供した。また、分子量マーカーとして100bp ladder (SIGMA genosis)も同様に泳動した。電圧は100Vとし、BPBがゲルの3分の2の位置に達するまで泳動した。電気泳動終了後に、暗所にてゲルをエチジウムブロマイド溶液に浸して30分間振とうすることで染色を行った。続いて滅菌蒸留水中で15分間振とうすることで余分なエチジウムブロマイドを除去した。これに256nmの紫外線を照射して、分子量マーカーの易動度から増幅したDNA断片を確認した。その後に、ゲルを0.5M NaOH、1.5M NaClのdenaturing buffer中で30分間振とうし、続いて3M NaCl、0.5M Tris-HCl (pH 7.5)のneutralization buffer中で30分間振とうしてエチジウムブロマイドを洗浄した。
【0039】
4.7. 増幅したDNA断片のナイロン膜への転写
電気泳動を終えたゲルを3M NaCl、0.3M Sodium citrateの20×SSC中で30分間振とうした。ナイロン膜 (Biodine B, Pall Bio-support, East Hills, NY)は滅菌蒸留水中で30分間振とうした後、20×SSC中で30分間振とうしたものを使用した。ナイロン膜への転写は20×SSCによる毛細管現象を用いた12時間のUpward transfer methodにより行った。転写終了後に、膜の電気泳動した原点に印を付け、室温に約20分間放置することで膜を乾燥させた。その後にUV cross linker (Funakoshi, Tokyo, Japan)を用いて膜上のRNAを紫外線固定した。以上の操作はすべて滅菌処理した器具を用いて行った。
【0040】
4.8. ハイブリダイゼーション
cDNAを紫外線固定した膜を2×SSC中にて約5分間振とうし、20×SSCを洗い落とした。50% Formamide、5×SSC、2% Blocking reagent (Boehringer)、0.1% Sarkosyl、0.02% SDSのhybridization bufferはハイブリダイゼーションオーブン(MICRO-4 HYBRIDIZATION OVEN; Hybaid, Teddington, U.K.)中にて42℃に暖めたものを使用した。このhybridization buffer中に膜を移し、42℃で約2時間のプレハイブリダイゼーションを行った。
プローブには、DIGにより3'-tailing labelしたCatalaseプローブ (5'-AGTTGGCCACGCGAGCACGGTAGGGACAGTTCACAGGTATCTGCAGATAGTTTG-3'(配列番号11))、
GSH-Reductaseプローブ(5'-ACCACATGGAGTTCCAAGCCCGATGAGGTCTTCTTTACTTCC
TTAACCTGTGAG-3'(配列番号12))、
GSH-Pxプローブ(5'-CCTTCTCACCATTCACCTGGCACTTCTCAAACAATGTAAAGTTGGGCTCGA
ACC-3'(配列番号13))
Mn-SODプローブ(5'-CAGTCAGGAGCCTAGCTTGGGTCTGTTGATTTGTTCAGTAGTGAGGTAGA
CCC-3'(配列番号14))、および
Cu/Zn-SODプローブ(5'-AGCAGCCACATTGCCCAGGTCTCCAACATGCCTCTCTTCATCCGCTGG
ACCGCC-3'(配列番号15))
を用い、ハイブリダイゼーションボトルに10pmol加え、良く混合して42℃で16−20時間のハイブリダイゼーションを行った。その後、膜を免疫検出に供した。以上の操作はすべて滅菌処理した器具を用いて行った。
【0041】
4.9. 免疫検出
膜を常温で2×SSC、0.1%SDS中にて15分間の振とうを3回、あらかじめ暖めておいた0.1×SSC、0.1%SDS中にて50℃、15分間の振とうによる洗浄操作を3回繰り返し行うことにより、膜に結合しなかったプローブを除去した。続いて、9.1% blocking reagent、92mM Maleic acid、137mM NaClのblocking buffer中に膜を移し、常温で30分間振とうすることで膜のブロッキングを行った。その後、anti-DIGとの結合、並びにCSPDとの酵素反応を行った。反応後、膜を5−60分間常温にてX線フィルムに露光し現像した。現像したX線フィルムは、スキャナーで取り込み、NIH-imageによるデンシトメトリーで発光の強さを測定した。
【0042】
5. 統計処理
それぞれのデータは、平均値±標準偏差で表示した。データ間の有意差検定は、Duncanの多重検定法にて行い、p<0.05を有意とした。
【0043】
結果を図1に示す。図1の結果をまとめると、以下の通りである。この結果から、シャドークイーン(SQ)のみが、GSH-R(グルタチオン・リダクターゼ)を除くすべての発現について効果が認められたことが分かる。
(1)Cu/Zn-SOD mRNAの発現・・・SQ、KMで有意差あり
(2)Mn-SOD mRNAの発現・・・SQ、KMで有意差あり
(3)GSH-Px(グルタチオン・ペルオキシダーゼ) mRNAの発現・・・SQで有意差あり、
KMで効果有り(有意差無し)
(4)GSH-R(グルタチオン・リダクターゼ) mRNAの発現・・・SQ、KMとも効果無し
(5)カタラーゼmRNAの発現・・・SQで効果有り(有意差無し)、
KM効果無し
【0044】
実施例2
実施例1の結果を踏まえ、ラットに強制的にストレスを与えた場合の傾向をみるために、上記ラットにアセトアミノフェン(AAP)を与えることを試みた。
投与区をAIN93G基準食投与区(CN)、AIN93G基準食に0.5%AAP添加食投与区 (ACN)、AAP添加食のそれぞれ約半分をそれぞれ3種類のポテトフレーク(キタムラサキ (KM)、ノーザンルビー (NR)、シャドークイーン(SQ))に置き換えた添加食投与区とした。実験方法は実施例1と同様の方法により行った。
【0045】
結果を以下の図2に示す。図2から明らかなように、キタムラサキ (KM)、ノーザンルビー (NR)、シャドークイーン(SQ)のすべてが、GSH-R(グルタチオン・リダクターゼ)を除くすべての発現について効果が認められた。
【0046】
(6)カタラーゼmRNAの発現・・・NR、SQ、KMで有意差あり
(7)Mn-SOD mRNAの発現・・・NR、SQで有意差あり、KMで効果有り(有意差無し)
(8)Cu/Zn-SOD mRNAの発現・・・NRで有意差あり、SQ、KMで効果有り(有意差無し)
(9)GSH-R(グルタチオン・リダクターゼ) mRNAの発現・・・NR、SQ、KMとも効果無し
【0047】
実施例3
ヒト肝臓培養細胞による実験を試みた。
細胞と培地はそれぞれ人肝臓由来のHepG2とDMEMを用い、培養条件は37℃、二酸化炭素濃度5%の条件下とした。
【0048】
細胞への刺激はシャドークイーン(SQ)またはノーザンルビー(NR)から以下の方法で得た抽出物の凍結乾燥粉末を用いた。すなわち、シャドークイーンまたはノーザンルビーの生食部分を凍結乾燥後に粉砕し、およそ4〜5倍量の5%酢酸を加えて一晩攪拌し、得られた懸濁液を遠心分離(6000rpm 15min)して、得られた色素画分をDiaion HP-20 resinに吸着させた後、1%酢酸で洗浄した。その後、70%エタノールで色素を溶出させ、エバポレーターにて乾固した。その後、超純水に再び溶かし、凍結乾燥を行い、色素粉末を得た。また、ポジティブコントロールとしてTNF-αを用いた。サブコンフルエントまで培養したHepG2に対しSQ又はNRを最終濃度0.1mg/ml(TNF-αは最終濃度1ng/ml)となるように培地に添加し、6〜24時間培養したものからRNAを回収し、分析に用いた。分析には以下の方法を用いた。
RNAはホルマリン変性ゲル(1%アガロース、16.7%ホルマリン、20mM MOPS、5mM NaOAc、1mM EDTA)とMOPS溶液(20mM MOPS、5mM NaOAc、1mM EDTA)による電気泳動に供し、実施例1と同様のナイロン膜への転写及び検出を行った。検出に用いたプローブ合成には以下のプライマーを用いて実施例1と同様のRTおよびPCR を行った。PCR時にDIG-DNA labeling mix(Roche)を用いることでDIG標識したものをプローブとした。
【0049】
プライマーとしては、以下の2種類を用いた。
GAPDHプライマー
(upstream primer, 5'-GGTCACCAGGGCTGCTTTTA-3'(配列番号16);
downstream primer, 5'-GCAACTGTGAGGAGGGGAGA-3'(配列番号17))、
Mn-SODプライマー
(upstream primer, 5'-AGCACCAGCACTAGCAGCAT-3'(配列番号18);
downstream primer, 5'-TGAAACCAAGCCAACCCCAA-3'(配列番号19))
結果を図3に示す。
【0050】
図3に示す結果をまとめと以下の通りである。
・抽出物を培養細胞に添加し0〜24時間培養した時のMn-SOD mRNAの発現レベルの変化
・12時間以降、SQで有意差あり
・24時間で、NRで有意差あり
【0051】
実施例4
ヒト肝臓培養細胞による実験を試みた。
細胞の刺激にSQ、NR以外に、アヤムラサキ、ブルーベリーおよびトヨシロの抽出物とポジティブコントロールとしてTNF-αを用いた。抽出法は実施例3と同様である。図 1の実験と同様に抽出物0.1mg/mlでHepG2を12時間刺激したものからRNAを抽出し、分析に用いた。RNAの分析方法は実施例3と同様の方法で行った。結果を図4に示す。図4に示す結果をまとめと以下の通りである。
・抽出物を培養細胞に添加し12時間後のMn-SOD mRNAの発現レベル
・SQ、NR、AMで有意差あり
・BBとTSは有意差無し
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、飲食品産業に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1で行った有色ポテトフレークを4週間投餌したラットの肝臓による実験の結果(活性酸素低減物質の遺伝子発現上昇効果)。
【図2】実施例2で行った有色ポテトフレーク+アセトアミノフェン(AAP)4週間投餌したラットの肝臓による実験結果。(薬物摂取による酸化ストレス存在下での実験)
【図3】実施例3(抽出物)で行ったMn-SOD mRNAレベルの時間的変化の測定結果。
【図4】実施例4(抽出物)で行ったMn-SOD mRNAレベル測定結果。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アントシアニン含有馬鈴薯由来のアントシアニン含有物を主成分として含有するスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項2】
前記アントシアニン含有物がアントシアニン含有馬鈴薯からの抽出物である請求項1に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項3】
前記抽出物が、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶性の成分を含有する請求項2に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項4】
前記抽出物が、アントシアニン含有馬鈴薯由来の成分であって、酢酸に可溶性であり、かつ芳香族系合成吸着剤に吸着される性質を有する成分を含有する請求項2に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項5】
前記抽出物に含まれるアントシアニン色素の主成分は、ペタニンまたはペラニンである請求項4に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項6】
前記抽出物が、凍結乾燥品である請求項1〜5のいずれか1項に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項7】
前記アントシアニン含有物がアントシアニン含有馬鈴薯の加工物である請求項1に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項8】
前記加工物がフレーク、粉末、またはペーストである請求項7に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項9】
前記フレークが、アントシアニン含有馬鈴薯を剥皮し、蒸煮処理し、乾燥して得られるものである請求項8に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項10】
前記アントシアニン含有馬鈴薯が、ノーザンルビー、シャドークイーンまたはキタムラサキである請求項1〜9のいずれか1項に記載のスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項にスーパーオキシドディスムターゼ発現誘導剤を含有する飲食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−120723(P2008−120723A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305746(P2006−305746)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【出願人】(504300088)国立大学法人帯広畜産大学 (96)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】