説明

ズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置

【課題】作業者が行なうズボン類の取り付け及び取り外し作業を著しく軽減する。
【解決手段】ハンガー横軸13に掛けたズボン類を押さえるために、ハンガー横軸に対して接近、離間可能なズボンの押さえ部材28及び上記押さえ部材をハンガー横軸に押し付ける方向に付勢する弾性部材31、32をハンガー本体11に設け、押さえ部材による押さえが解除部材18の作動により解除されたときに、上記解除部材と係合してその戻り動作を阻止するために、解除部材のロック機構40をハンガー本体に設け、ハンガー本体によるズボン類の搬送経路の末端側において、ズボン類を次工程へ預け渡すときに、上記押さえ部材による押さえを解除するために、解除部材とロック機構の係合を外す操作部材43を上記末端側に近接配置して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部に吊り下げ用のフックを有し、下部にズボン類を掛けるハンガー横軸を有するハンガー本体を具備し、上記ズボン類を搬送して工程に投入するズボンハンガーにおける押さえ部材の開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リネンサプライ業と呼ばれる分野では、様々な衣類や布類を回収して洗濯し、配送するサイクルが繰り返される。取り扱う衣類の内、ズボン型のものは上着型のものよりも少数であり、かつ形状も単純であるため取り扱い上の困難性もそれほど大きいものとは考えられていなかった。取扱量や、仕上がり品質の均一性などを考慮すると、上着と同じように自動的に処理することが望ましい。しかし、衣類を投入するために使用された従来の装置は、上着型構造を有するものが主な対象であったため、ズボン類の整形、投入には適当ではない。例えば、特開平10−67413号に見られる搬送用ハンガーの発明は、上着型の衣類を対象とするだけである。一方、米国特許第5964354号はパンツ型の衣類を掛けて搬送することも対象とするが、ハンガーは針金を曲げたような形状に図示され、またリネンサプライ業用でもなく、ズボン類を扱うために特に工夫されてもいない。
【0003】
このため本発明者は、先にズボン専用のハンガーを開発し、その成果の一部について特許出願をした(特開2008−194155)。同発明はズボンの裾を挟み込むもので、裾の開口部分の両側をつまむようにして取り付ける構造であり、そのため取り付け作業において、作業者は、ズボンの裾を両手で持ち、片方ずつ固定する方法が取られることになる。従って、両手を使いながらズボンを取り付ける必要があり、このことは、その間他の作業を全くすることができなくなるという不利な状況を生じる。リネンサプライ業では洗濯済みの衣類、特にこの場合にはズボン類を次から次へと能率良くハンガーに取り付けることができなければならないが、そのような要求に応じられるズボンハンガーの類は提案されていない。
【0004】
また上記発明は、クランプ爪によって、点接触的にズボン類を挟み込む構成を取っているため、スポット状の接触痕がズボン類に残り、処理品質の評価を低下させるという問題があった。このため、ズボン類を線状に押さえ込む方式のワンタッチ開閉式ズボンハンガーが開発された。同発明は押さえ部材によってズボンを押さえ込むことと、押さえ込んだ状態から解除することを切り換えるために、その都度、解除部材を押し直さなければならない構造であった。ズボン類をハンガーに取り付けのために掛けるときは、ハンガーの本体側に対して押さえ部材を開いておく必要があるので取り付けの都度解除部材を操作しなければならず、一日に何千枚ものズボン類を掛けるとなるとその回数は膨大であり、軽作業であるとしても作業者の負担は少なくない。
【0005】
【特許文献1】特開平10−67413号
【特許文献2】米国特許第5964354号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、ズボン類の取り付け及び取り外し作業の負担を軽減することであり、具体的には、作業者が行なうズボン類の取り付け及び取り外し作業を半減することができるズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置を提供することである。また本発明の他の課題は、操作性に優れ、実際に省力化された以上の負担軽減効果を発揮するズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、上部に吊り下げ用のフックを有し、下部にズボン類を掛けるハンガー横軸を有するハンガー本体を具備し、上記ズボン類を搬送して工程に投入するズボンハンガーにおいて、ハンガー横軸に掛けたズボン類を押さえるために、ハンガー横軸に対して接近、離間可能なズボンの押さえ部材及び上記押さえ部材をハンガー横軸に押し付ける方向に付勢する弾性部材をハンガー本体に設け、押さえ部材による押さえが解除部材の作動により解除されたときに、上記解除部材と係合してその戻り動作を阻止するために、解除部材のロック機構をハンガー本体に設け、ハンガー本体によるズボン類の搬送経路の末端側において、ズボン類を次工程へ預け渡すときに、上記押さえ部材による押さえを解除するために、解除部材とロック機構の係合を外す操作部材を上記末端側に近接して配置した構成とするという手段を講じたものである。
【0008】
本発明におけるズボンハンガーはハンガー本体を有し、ハンガー本体は吊り下げるためのフックを上部に有し、搬送はこのフックを利用して行なう。また、ハンガー本体は、ズボンを掛けるハンガー横軸を下部に有している。なお、ハンガー横軸は端部の開放した構造を有していることが望ましい。また、ズボン類は二つ折りし、その折り曲げ部にてハンガー横軸にかけることができる。
【0009】
またハンガー本体には、ハンガー横軸に掛けたズボン類を押さえるために、ハンガー横軸に対して接近、離間可能にズボンの押さえ部材及び上記押さえ部材をハンガー横軸に固定する方向に付勢する弾性部材を設ける。押さえ部材はハンガー横軸に対して接しまた離れるように、本体に移動可能に設けられており、離れているときにハンガー横軸にズボン類の取り付け及び取り外しが行なわれる。弾性部材は、ハンガー横軸に接する方向へ押さえ部材を付勢しているものとする。従って、押さえ部材に対する操作は弾性部材の付勢力に抗して押さえ部材をハンガー横軸から離す方向になされることになる。
【0010】
本発明では、押さえ部材による押さえが解除部材の作動により解除されたときに、上記解除部材と係合してその戻り動作を阻止するために、ハンガー本体に解除部材のロック機構を設ける。本発明におけるズボンハンガーでは、ハンガーからズボン類を外すときに押さえ部材によるズボン類に対する押さえが解除されていなくてはならないが、これは解除部材を操作することで機械的に行うことが可能である。しかし、押さえ部材は弾性部材により付勢されているから、押さえを解除したままではハンガー横軸に押し付ける状態に戻ってしまい、再度開くためには解除部材を押し直さなければならず、従来から作業上の負担となっていたものである。本発明は、この問題の解決のためにロック部材を用いて解除部材の戻りを阻止し、以って、押さえ部材をハンガー横軸に対して開いた状態に保つものである。
【0011】
上記ハンガー本体によるズボン類の搬送経路の末端側において、ズボン類を次工程へ預け渡すときに、上記押さえ部材による押さえを解除するために、解除部材とロック機構の係合を外すべく上記末端側に操作部材を配置した構成とする。操作部材は、上記解除部材を操作することで機械的に行うための手段であり、これによって、ハンガーからズボン類を外すときに押さえ部材によるズボン類に対する押さえを自動で解除することができる。
【0012】
本発明において、ハンガー本体は、さらに、押さえ部材による押さえを解除するため、ハンガー本体に設けられた解除部材による解除動作を押さえ部材に伝達する伝達機構を具備することができる。上記解除部材はこれに加えられる操作力で伝達機構を介して押さえ部材を駆動し、押さえ部材をハンガー横軸から離すように構成される。伝達機構は、従って、その一方において解除部材と連絡し、また他方において押さえ部材に連絡する。
【0013】
解除部材については、その下部に接触端部を有し、上記接触端部はハンガー本体の内部に設けられた動作空間の天面を上方移動限界として移動可能であり、かつ、係合端部の下端部にて伝達機構を構成する部材の上端部と接触し、解除部材の解除動作によりその接触端部が上記天面から離れたときに、係合端部と天面との間の空所にロック機構のロック部材が入り込み、解除部材の戻り動作を阻止して、ハンガー横軸に掛けたズボン類に対する押さえの解除状態を維持するように構成することが望ましい。
【0014】
ハンガー横軸は一端部が開放して、ズボン類を抜き差し可能に構成されており、その一端部側に、ロック部材を配置して構成することも望ましいことである。即ち、作業者の手はハンガー横軸の開放した一端部にあるので、ズボン類の抜き差しと、ロック部材の解除の操作を、手を必要以上にのばしたり姿勢を変えたりすることが必要なく、最小の作業によって行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、押さえ部材は、ハンガー横軸に対して開いたまま取り付け作業を行う位置にあるので、ズボン類の取り付けの際に作業者が押さえ部材をハンガー横軸から離す解除操作は必要なくなり、ズボン類を取り付けたときに、1度、ロック機構を操作して、押さえ部材でズボン類をハンガー横軸に固定すれば良いから、作業の負担が著しく軽減される。また本発明によれば、操作性がよいので、実際に省力化された以上の負担軽減効果を発揮するズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図示の実施形態を参照して本発明に係るズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置についてより詳細に説明する。図1は本発明に係るズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置10を示しており、11はズボン類を工程に投入するハンガー本体であって、上部に吊り下げ用のフック12を有し、下部にズボン類を掛けるハンガー横軸13を有し、ズボン類を搬送して工程に投入するという基本構成を有している。
【0017】
ハンガー本体11は、前後2部分11a、11bから成り(図2参照)、後述する解除部材18を上下動可能に配置する移動口14を内部の上部の中央に有しており、その下部に後述する伝達機構20などの動作空間15が設けられている。また、移動口14の左右には、逆J字型をした上記フック12の取り付け軸部16と、ハンガー横軸13をそのアーム上端部にて吊り下げる取り付け軸部17が設けられている。解除部材18は、後述する押さえ部材28による固定を解除するもので、下端の係合端部18bにて動作空間15の天面に係止するもので、逆T字型のような形状を有し、上端はハンガー本体11の上部に突き出して操作端部18aとなる。
【0018】
動作空間15の部分において、解除部材18の直下の位置には、解除部材18による解除動作を押さえ部材28に伝達する伝達機構20が設けられている。図示の伝達機構20は、ハンガー本体11に固定支軸21により回転可能に取り付けられ、交差状に配置された1対のリンクアーム22、23を具備している。リンクアーム22、23はその固定支軸21から解除部材側で短く、固定支軸21から押さえ部材側で長く形成されたアーム構造を有するとともに、長い方の押さえ部材側アーム端に係合軸24、25を設け、その係合軸24、25と係合する横方向の長溝26、27を、押さえ部材28に設けた構造を有している。上記伝達機構20は、交差支軸21から押さえ部材側で長く形成され、係合軸24、25と横方向の長溝26、27にて係合しているので、解除部材18の押し下げストロークに対して押さえ部材28の上下ストロークを増幅する。
【0019】
上述の押さえ部材28は、左右2部分28l、28rから成る横長の部材で構成されており、一端部19にて開放したハンガー横軸13にズボン類を固定するために、ハンガー横軸に13対して接近、接触し、また、離間するように移動可能に設けられており、かつまた、押さえ部材28をハンガー横軸13に固定する方向に付勢する弾性部材31、32の作用を受けている。さらに、押さえ部材28は、本体中央部に形成された凹部30aと係合する凸部30bより成る嵌合構造によって、上下方向へ摺動可能に設けられている。このように、ハンガー本体11に移動可能に設けられている押さえ部材28は、ハンガー横軸13から離間することによって、ズボン類の取り付け及び取り外しを可能にする隙間33を生じる(図4参照)。
【0020】
なお、ハンガー横軸13は、押さえ部材28により押さえ付けられる部分に設けた滑り止め部材34を有している。例示の滑り止め部材34はO−リングから成り、変形を生じ易い開放した一端部19の側により多くが配置されている。他方の押さえ部材28の側には、ハンガー横軸13の横断面形状と係合可能な横断面形状の凹溝35が設けられている(図2参照)。上記解除部材18の上下方向の線上の下部には上下移動案内を兼ねた下方移動時のためにストッパー36が配置されており、上方移動時については下端部18bが動作空間15の天面に当たることで抜け止めになっている。さらに、ズボン類の側面の縫い目との抵触を回避するためにハンガー横軸13と押さえ部材28の中央部分に、凹部36、37が形成されている。
【0021】
上記解除部材18の作動により、押さえ部材28によるズボン類の押さえが解除されたときに、解除部材18と係合して解除部材18の戻り動作を阻止するロック機構40をハンガー本体11に設けている。ロック機構40は、解除部材18の解除動作によりその係合端部18bが上記天面から離れたときに、係合端部18bと動作空間の天面との間の空所に入り込んで解除部材18の戻り動作を阻止するロック部材38を有し、ハンガー横軸13に掛けたズボン類に対する押さえの解除状態を維持するように構成されている。39はロック保持ばねを示しており、ロック方向へロック部材38を付勢する。41はロック解除用の操作片であり、ロック部材38の外方の端部に設けられている。
【0022】
本発明の装置10は、さらに、ズボンハンガーによるズボン類の搬送経路の末端側において、ズボン類を次工程へ預け渡すときに、押さえ部材28による押さえを解除するために、解除部材18との係合を外す操作部材43を上記末端側に近接して配置した構成を有している。図5に示す符号42は折り畳み機の一部であるベルトコンベアから成る投入部のコンベアであり、また、操作部材43は作動用シリンダー44のアクチュエータに取り付けられている(図2参照)。作動用シリンダー44はキャリッジ45に搭載され、キャリッジ45にはハンガー側のフック12を掛ける係止部46が備えられている。上記係止部46にはズボンハンガーのフック12が掛けられ、その状態で、投入コンベア42の搬送軌道とほぼ平行する延長線上に設定された、レール48を車輪47により移動するように設けられている。
【0023】
なお、ズボン類は図5において左方から右方へ搬送される。58は切り出しゲートなどとも呼ばれる送り制御部であり、接続レール60に沿って移動して来るズボンハンガーを1個ずつ供給するように制御する。上記ズボンハンガーはそのフック12にて、吊り下げ状態で接続レール60を搬送され、投入部の上方に設置された搬送レール59に乗り移らされることになる。ズボン類Wは、整姿状態でズボンハンガーに掛けて搬送され、折り畳み機の投入部にハンガー移動手段の一部として設けられている、搬送レール59にズボンハンガーによって進入し、投入コンベア42に投入される(図5、図6参照)。上記搬送装置59の上部に、シリンダー装置から成る搬送機構59aが平行に設置されており、その移動子59bをハンガーのフック12と係合させることで、ズボンハンガーを移動させる構成である。
【0024】
本発明のズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置10は、このように構成されているが、その作用を説明すると以下のとおりである。ズボン類Wはズボンハンガーに掛けられ、移動子59bに係合した状態で搬送機構59aによって、1個ずつ搬送レール59に沿って搬送される。ズボン類Wがその末端側の工程に投入すべき位置近くに接近した状態に移動し(図2、図5参照)、それがセンサー49により検出されると、操作部材43が作動して解除部材18が押し込まれ、伝達機構20を介して押さえ部材28に作用し、ハンガー横軸13に押し付けた状態から離すように作動する(図6参照)。同時に、係合端部18bと動作空間15の天面との間に空所50が形成され、かつ、その空所50にロック機構40のロック部材38が入り込むことで解除部材18の戻り動作が阻止され、ハンガー横軸13に掛けたズボン類Wに対する押さえ部材28の解除状態が維持され、ハンガー横軸13と押さえ部材28の間に、ズボン類Wの取り外しを可能にする隙間33を生じる(図4)。こうして押さえ部材28をハンガー横軸13から離間させる作業は、操作部材43によって、自動で進行するから作業者が行なう必要はない。
【0025】
その結果、ズボン類Wはハンガー横軸13に掛けてある押さえ部材28による固定から解放されているので、キャリッジ45の移動に伴いハンガー横軸13から外れ、ズボン類Wの搬送方向先端側が折り畳み機の一部である搬送コンベア57の上に落され、ズボン類Wの先端側を除く主要部分は投入コンベア42に接触して、ここに折り畳み機への投入が行われるものである(図7参照)。ズボン類Wの外れた後、ズボンハンガーは投入コンベア42の上部に設置されているキャリッジ45によって、図示していないリターンレールに預けられ、ズボン掛け位置に移動して、そこでズボン類Wをハンガーに取り付ける作業が繰り返される。ズボン類Wを取り付ける作業の段階では、ハンガー横軸13と押さえ部材28との間に生じているから、作業者は上記隙間33にズボン類Wを難なく差し込むことができる。従って、ズボン類Wをズボンハンガーに取り付ける作業において、作業者に従来かかっていた、解除部材18を繰り返し押し続ける作業の負担は解消されたことになる。この後、作業者が行なうことは、ロック機構40のロック部材38をロック保持ばね39に抗して引き出すことであり、この操作によって、空所50に入り込んだロック部材38により、動作空間の天面から離されていた係合端部18bが弾性部材31、32の付勢力によって天面に当たるまで移動するので(図3参照)、ハンガー横軸13に掛けたズボン類Wは押さえ部材28によってしっかりと押さえ付けられる。
【0026】
なお、上記キャリッジ45は、ハンガー搬送機構56によって、ズボンハンガーを投入コンベア42による搬送経路の延長方向へ搬送する。この状態は図5に示されているとおりであり、キャリッジ45の前側に取り付けた接続部材52と、その前端に取り付けた上下回転する長アーム53と、長アームと一体に回転する短アーム54及びシリンダー装置55から成るハンガー搬送機構56によって行われる。即ち、キャリッジ45はシリンダー装置55が伸長することにより長アーム53が緩やかなカーブで回転し、それに伴い、ズボンハンガーを軌跡29の方向へ移動させ、リターンレールに預ける作用を行うものである。
【0027】
本発明に係るズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置は以上のような構成を有しており、例えば、折り畳み機の投入部においてズボン類からズボンハンガーを抜き取るときに、解除部材18を機械的に自動で操作し、解除部材18がロック機構40によってロックされるようにしたものであるので、ズボンハンガーはズボン類Wの受け入れ状態を保持したまま折り畳み機から排出し、次工程への搬送を行えるようになった。作業者が行なうことは、空のハンガーにズボン類Wを掛け、ロック解除用の操作片41を操作するだけであり、解除部材18の操作を繰り返す必要はないので、負担を著しく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置の一例を示す正面図である。
【図2】同上の開閉装置の側面図である。
【図3】同じく押さえ部材がハンガー横軸に接触した状態の正面図である。
【図4】同じく押さえ部材がハンガー横軸から離れ隙間を生じた状態の正面図である。
【図5】ズボン類の移動状態を示す全体的な説明図である。
【図6】ズボン類を取り付けたハンガーが搬送手段の末端に移動した状態を示す説明図である。
【図7】図5に続く説明図で、解除部材が操作され、ズボン類が先端側から次工程のコンベア上へ移載される状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 ズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置
11 ハンガー本体
12 フック
13 ハンガー横軸
14 移動口
15 動作空間
16、17 取り付け軸部
18 解除部材
19 一端部
20 伝達機構
21 固定支軸
22、23 リンクアーム
24、25 係合軸
26、27 長溝
28 押さえ部材
29 リターンレールへの軌跡
30a 凹部、30b 凸部
31、32 弾性部材
33 隙間
38 ロック部材
39 ロック保持ばね
40 ロック機構
41 ロック解除用の操作片
42 投入コンベア
43 操作部材
44 作動用シリンダー
45 キャリッジ
46 係止部
47 車輪
48 レール
49 センサー
50 空所
52 接続部材
55 シリンダー装置
53 長アーム
54 短アーム
56 ハンガー搬送機構
57 搬送コンベア
58 送り制御部
59 搬送レール
60 接続レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に吊り下げ用のフックを有し、下部にズボン類を掛けるハンガー横軸を有するハンガー本体を具備し、上記ズボン類を搬送して工程に投入するズボンハンガーにおいて、
ハンガー横軸に掛けたズボン類を押さえるために、ハンガー横軸に対して接近、離間可能なズボンの押さえ部材及び上記押さえ部材をハンガー横軸に押し付ける方向に付勢する弾性部材をハンガー本体に設け、
押さえ部材による押さえが解除部材の作動により解除されたときに、上記解除部材と係合してその戻り動作を阻止するために、解除部材のロック機構をハンガー本体に設け、
ハンガー本体によるズボン類の搬送経路の末端側において、ズボン類を次工程へ預け渡すときに、上記押さえ部材による押さえを解除するために、解除部材とロック機構の係合を外す操作部材を上記末端側に近接して配置した構成を有する
ズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置。
【請求項2】
ハンガー本体は、解除部材による解除動作を押さえ部材に伝達する伝達機構を有し、
上記伝達機構はその上端部にて解除部材の接触端部に連絡する一方、その下端部にて押さえ部材と連絡し、
上記解除部材はその接触端部がハンガー本体の内部に設けられた動作空間の天面を上方移動限界として移動可能であり、かつ、解除部材の解除動作によりその接触端部が上記天面から離れたときに、係合端部と天面との間の空所にロック機構のロック部材が入り込み、解除部材の戻り動作を阻止して、ハンガー横軸に掛けたズボン類に対する押さえの解除状態を維持するように構成されている
請求項1記載のズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置。
【請求項3】
ハンガー横軸は一端部が開放して、ズボン類を抜き差し可能に構成されており、その一端部側に、ロック部材を配置して構成されている
請求項1記載のズボンハンガーにおける押さえ部材開閉装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−100878(P2012−100878A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252144(P2010−252144)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000201548)
【Fターム(参考)】