説明

セキュリティ装置およびセキュリティシステム

【課題】ユーザが防犯の処置を行わずに外出した場合にも、ユーザ宅の防犯を行うことが可能で、かつ、防犯状態になったことをユーザが外出中に認識することが可能なセキュリティ装置セキュリティ装置を提供する。
【解決手段】このセキュリティ装置(セキュリティ端末10および送受信機20)は、異常を検知した際に報知するセキュリティモードと、セキュリティモードが解除された通常モードとを切替可能に構成されたセキュリティ端末10を備えている。セキュリティ端末10は、ユーザの携帯端末30と通信可能な通信制御部14と、通常モードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、通常モードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを通信制御部14を介してユーザの携帯端末30に通知するように制御する制御部13とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、セキュリティ装置およびセキュリティシステムに関し、特に、ユーザ宅などの防火および防犯などを行うセキュリティ装置およびセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ宅などの防火および防犯などを行うセキュリティ装置およびセキュリティシステムが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ドアまたは窓が閉まってから所定の時間が経過した場合に、ドアまたは窓が施錠されていないと判断された場合に、ドアまたは窓が施錠されていないことをユーザの携帯端末に通知するセキュリティシステムが開示されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、人感センサと、人感センサの検知に基づいて運転手が車両から所定の距離遠ざかったと判断した場合に、ドアをロックする車載電子機器とを備えた車両の防犯を行う車載電子制御システム(セキュリティシステム)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305344号公報
【特許文献2】特開2003−78593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1によるセキュリティシステムでは、ユーザの携帯端末に施錠されていないことを通知するだけであるので、ユーザがドアまたは窓の施錠を行うためにユーザ宅に戻るまでの間は、ユーザ宅のドアまたは窓は施錠されていない。このため、ユーザの外出中は、ユーザ宅の防犯を行うことが困難であるという問題点がある。
【0007】
また、上記特許文献2による車載電子制御システムでは、ドアが本当にロックされているか否かが車両から離れた運転手にはわからないので、車両が防犯状態になったことをユーザが確認することができないという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ユーザが防犯の処置を行わずに外出した場合にも、ユーザ宅の防犯を行うことが可能で、かつ、防犯状態になったことをユーザが外出中に認識することが可能なセキュリティ装置およびセキュリティシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
この発明の第1の局面によるセキュリティ装置は、異常を検知した際に報知するセキュリティモードと、セキュリティモードが解除されたセキュリティモード以外のモードとを切替可能に構成されたセキュリティ端末を備え、セキュリティ端末は、ユーザの携帯端末と通信可能な通信部と、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知するように制御する制御部とを含む。
【0010】
この第1の局面によるセキュリティ装置では、上記のように、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えることによって、ユーザがセキュリティモードに切り替えずに外出した場合にも、セキュリティ端末がセキュリティモードに自動的に切り替わるので、ユーザが防犯の処置を行わずに外出した場合にも、セキュリティモードによりユーザ宅の防犯を行うことができる。また、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知することによって、ユーザが外出する際にセキュリティモードに設定するのを忘れた場合にも、ユーザ宅が防犯状態に切り替えられたことをユーザが外出中に認識することができる。
【0011】
上記第1の局面によるセキュリティ装置において、好ましくは、ユーザにより携帯可能に構成されているとともに、セキュリティ端末から所定の距離内においてセキュリティ端末と通信可能に構成された送受信機をさらに備え、セキュリティ端末の制御部は、セキュリティモード以外のモードの状態で、送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断してセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザがセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動した場合に、送受信機により容易にユーザが外出したと判断することができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、セキュリティモード以外のモードの状態で、ユーザ宅の出入口の開閉を検知可能な出入口センサ部によりユーザ宅の出入口が開閉されたことが検知された後に送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断してセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたことと、出入口の開閉の検知との両方によりユーザが外出したか否かを判断することができるので、ユーザが外出したか否かをより正確に判断することができる。
【0013】
上記第1の局面によるセキュリティ装置において、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介して電子メールにより携帯端末に通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、通常携帯端末が備えている電子メール機能により、セキュリティ端末からのセキュリティモードへの切替の通知を容易に受けることができる。
【0014】
上記第1の局面によるセキュリティ装置において、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した際に、検知された異常の情報を、通信部を介して、携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、待受画面上に異常の情報を表示するとともに異常の情報を更新するアプリケーションソフトであるいわゆるウィジェットエンジン機能を有する携帯端末をユーザが用いている場合に、ユーザの携帯端末の待受画面に異常の状態が表示されるので、異常の状態が電子メールによって通知される場合と異なり、ユーザは異常の状態を確認するために電子メールソフトなど携帯端末のアプリケーションソフトを立ち上げることなく、携帯端末の表示部の待受画面を視認するだけで異常の状態を確認することができる。
【0015】
上記検知された異常の情報を携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末に送信する制御部を有するセキュリティ端末を備えるセキュリティ装置において、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した場合に、通信部を介して、異常が重大であると判断した場合には、重大な異常情報を少なくとも電子メールにより携帯端末に送信するとともに、異常が重大ではないと判断した場合には、重大ではない異常情報を携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、異常が重大ではない場合には、携帯端末の待受画面を視認するだけで異常を認識することができるので、ユーザの操作負担なしに異常を認識することができる。また、異常が重大な場合には電子メールにより異常情報を携帯端末に通知することにより、一般的に電子メールが携帯端末により受信された場合には、受信音などにより電子メールを受信したことをユーザに認識させることができるので、ユーザに通知された異常の情報の通知が重大であることをユーザに確実に認識させることができる。また、異常が重大な場合に、電子メールのみならず、ウィジェットエンジンを用いて異常の情報を携帯端末の待受画面に表示させてもよい。
【0016】
この場合において、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態でユーザ宅の室内に設置される室内センサにより室内に不審者がいるという異常が検知された場合に、検知した異常が重大であると判断するとともに、ユーザ宅の室内に不審者がいることを電子メールによって携帯端末に報知し、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態でユーザ宅の室外に設置される室外センサにより室外に不審者がいるという異常が検知された場合に、検知した異常が重大ではないと判断するとともに、室外に不審者がいることをユーザの携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザ宅の室外に不審者がいるという重大ではない異常が発生した場合には、携帯端末の待受画面を視認するだけで異常を認識することができるので、ユーザの操作負担なしに異常を認識することができる。また、ユーザ宅の室内に不審者がいるという重大な異常が発生した場合には電子メールにより異常情報を携帯端末に通知することにより、一般的に電子メールが携帯端末により受信された場合には、受信音などにより電子メールを受信したことをユーザに認識させることができるので、通知された異常の情報の通知が重大であることをユーザに確実に認識させることができる。
【0017】
上記第1の局面によるセキュリティ装置において、好ましくは、セキュリティ端末は、写真画像を表示可能なフォトフレームとしての表示部をさらに備える。このように構成すれば、セキュリティ端末を電気的なフォトフレームとしても用いることができる。
【0018】
この発明の第2の局面によるセキュリティシステムは、異常を検知した際に報知するセキュリティモードと、セキュリティモードが解除されたセキュリティモード以外のモードとを切替可能に構成されたセキュリティ端末と、ユーザにより携帯可能に構成されているとともに、セキュリティ端末から所定の距離内においてセキュリティ端末と通信可能に構成された送受信機とを含むセキュリティ装置と、ユーザにより携帯可能に構成されているとともに、セキュリティ端末と通信可能な携帯端末とを備え、セキュリティ装置のセキュリティ端末は、携帯端末と通信可能な通信部と、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介して携帯端末に通知するように制御する制御部とを有する。
【0019】
この第2の局面によるセキュリティシステムでは、上記のように、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えることによって、ユーザがセキュリティモードに切り替えずに外出した場合にも、セキュリティ端末がセキュリティモードに自動的に切り替わるので、ユーザが防犯の処置を行わずに外出した場合にも、セキュリティモードによりユーザ宅の防犯を行うことができる。また、セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知することによって、ユーザが外出する際にセキュリティモードに設定するのを忘れた場合にも、ユーザ宅が防犯状態に切り替えられたことをユーザが外出中に認識することができる。
【0020】
上記第2の局面によるセキュリティシステムにおいて、好ましくは、セキュリティ端末と通信可能に構成されているとともに、ユーザ宅の出入口の開閉を検知可能な出入口センサ部をさらに備え、セキュリティ端末の制御部は、セキュリティモード以外のモードの状態で、出入口センサ部によりユーザ宅の出入口が開閉されたことが検知された後に送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断してセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末側でセキュリティモード以外のモードからセキュリティモードに切り替えたことを通信部を介してユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたことと、出入口の開閉とを合わせてユーザが外出したか否かを判断することができるので、ユーザが外出したか否かをより正確に判断することができる。また、送受信機がセキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたことと、出入口の開閉の検知との両方によりユーザが外出したか否かを判断することができるので、ユーザが外出したか否かをより正確に判断することができる。
【0021】
上記第2の局面によるセキュリティシステムにおいて、好ましくは、セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した際に、検知された異常の情報を、通信部を介して、携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、待受画面上に異常の情報を表示するとともに異常の情報を更新するアプリケーションソフトであるいわゆるウィジェットエンジン機能を有する携帯端末をユーザが用いている場合に、ユーザの携帯端末の待受画面に異常の状態が表示されるので、異常の状態が電子メールによってのみ通知される場合と異なり、ユーザは異常の状態を確認するために電子メールソフトなど携帯端末のアプリケーションソフトを立ち上げることなく、携帯端末の表示部の待受画面を視認するだけで異常の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を説明するためのシステム図である。
【図2】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示したセキュリティシステムの携帯端末の待受画面上で文字データが表示された状態を示した斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムのセキュリティ端末の制御部および携帯端末の制御部の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態によるセキュリティシステム1の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、セキュリティシステム1(ホームセキュリティシステム)は、ユーザ宅の異常を検知した際に報知するセキュリティ端末10と、ユーザにより携帯可能に構成され、微弱電波によりセキュリティ端末10と通信可能な送受信機20と、ユーザにより携帯可能に構成され、外部の通信基地局100を利用してセキュリティ端末10と通信可能な携帯端末30と、微弱電波によりセキュリティ端末10と通信可能なドアセンサ40、室内センサ50、室外センサ60、火災センサ70およびその他センサ類80とにより構成されている。なお、ドアセンサ40は、本発明の「出入口センサ部」の一例であり、室内センサ50、室外センサ60および火災センサ70は、本発明の「異常検知センサ」の一例である。また、セキュリティ端末10および送受信機20は、本発明の「セキュリティ装置」の一例である。
【0026】
セキュリティ端末10は、画像データを表示部11に表示可能なフォトフレーム機能を有するセキュリティ端末である。このセキュリティ端末10は、図2に示すように、電源部12と、セキュリティ端末10の制御を司る制御部13と、通信制御部14と、WAN(Wide Area Network)に対応する外部ネットワークインターフェース15と、特定小電力無線モジュール16と、アンテナ17とにより構成されている。なお、通信制御部14は、本発明の「通信部」の一例である。
【0027】
電源部12は、セキュリティ端末10の各部に電力を供給する機能を有する。通信制御部14は、後述するセキュリティモードの場合において何らかの異常を検知した際に、ユーザの携帯端末30に電子メールなどを送信する制御を行う機能を有する。また、外部ネットワークインターフェース15は、通信制御部14により情報処理がされた電子メールなどを送信処理する機能を有する。この場合、セキュリティ端末10は、通信制御部14および外部ネットワークインターフェース15によって、外部の通信基地局100などを利用してユーザの携帯端末30と通信可能に構成されている。特定小電力無線モジュール16は、発信する電波の最大電力強さが所定の大きさ(0.01W)以下の無線通信モジュールであり、近距離の機器間の通信で用いられる。この場合、セキュリティ端末10は、特定小電力無線モジュール16によって、アンテナ17を介して微弱電波を発信することにより、送受信機20、ドアセンサ40、室内センサ50、室外センサ60、火災センサ70およびその他センサ類80と通信可能に構成されている。また、セキュリティ端末10の特定小電力無線モジュール16は、後述する送受信機20の特定小電力無線モジュール23と所定の時間間隔で通信を行うように構成されている。
【0028】
ここで、本実施形態では、セキュリティ端末10の制御部13は、室内センサ50および室外センサ60により異常が検知された際に、異常を報知するセキュリティモードと、セキュリティモードが解除された通常モードとのいずれか一方のモードにより制御されるように構成されている。なお、通常モードは、本発明の「セキュリティモード以外のモード」の一例である。また、制御部13は、通常モードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、通常モードからセキュリティモードに切り替える制御を行うように構成されている。また、制御部13は、送受信機20がセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)よりも遠くに移動された場合に、送受信機20と定期的に行っている電波の送受信が行えなくなるので、この場合に、送受信機20との交信が途切れたことを判断するように構成されている。また、制御部13は、通常モードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを通信制御部14および外部ネットワークインターフェース15を介して携帯端末30に通知する制御を行うように構成されている。また、制御部13は、セキュリティモードの場合に、後述する携帯端末30の待受画面(デスクトップ画面)に異常の状態を表示可能なアプリケーションソフト(ウィジェットエンジン)用の文字データとして、検知された異常の情報を携帯端末30に送信するように構成されている。
【0029】
また、送受信機20は、上記のようにユーザにより携帯可能に構成されているとともに、セキュリティ端末10から所定の距離内においてセキュリティ端末10と通信可能に構成されている。具体的には、図2に示すように、送受信機20は、電源部21と、送受信機20の制御を司る制御部22と、特定小電力無線モジュール23と、アンテナ24とにより構成されている。電源部21は、送受信機20の各部に電力を供給する機能を有する。特定小電力無線モジュール23は、上記セキュリティ端末10の特定小電力無線モジュール16と同様に、発信する電波の最大電力強さが所定の大きさ(0.01W)以下の無線通信モジュールである。この場合、送受信機20は、特定小電力無線モジュール23によって、アンテナ24を介して微弱電波を発信することにより、セキュリティ端末10と通信可能に構成されている。また、送受信機20は、特定小電力無線モジュール23を用いることにより、セキュリティ端末10と定期的に電波の送受信を行うように構成されている。そして、送受信機20は、ユーザにより携帯可能であるため、セキュリティ端末10から所定の距離(約50m)よりも遠くに移動された場合には、セキュリティ端末10との通信が途絶える。
【0030】
携帯端末30は、外部の通信基地局100を利用してインターネット通信可能に構成されている。具体的には、携帯端末30は、電源部31と、携帯端末30の制御を司る制御部32と、通信制御部33と、WAN(Wide Area Network)に対応する外部ネットワークインターフェース34と、アンテナ35と、LCDディスプレイからなる表示部36と、スピーカ37と、振動部38とにより構成されている。電源部31は、携帯端末30の各部に電力を供給する機能を有する。通信制御部33は、セキュリティ端末10から送信された電子メールなどの受信処理を行うとともに、携帯端末30から送信する電子メールなどの送信処理を行う機能を有する。また、外部ネットワークインターフェース34は、通信基地局100(図1参照)から送信される電子メールなどをアンテナ35を介して受信するとともにアンテナ35を介して電子メールなどを送信する窓口機能を有している。また、表示部36は、携帯端末30を操作する際の操作画面を表示するとともに、受信した電子メールなどを表示する機能を有する。スピーカ37は、電話の着呼があった場合や電子メールなどが受信された際に、受信音を発する機能を有する。また、振動部38は、図示しない振動モータを有しており、携帯端末30に電子メールなどが受信された際に、振動モータ(図示せず)が回転されるのに伴って振動するように構成されている。これらスピーカ37または振動部38によって、ユーザは電子メールが受信されたことを容易に認識することが可能となる。
【0031】
また、携帯端末30の制御部32は、電子メールが受信された場合に、スピーカ37または振動部38により、ユーザに電子メールを受信したことを知らせる制御を行うように構成されている。また、制御部32は、予めインストールされている電子メールソフトを用いて受信された電子メールを表示部36に表示させる機能を有する。また、制御部32は、図3に示すように、携帯端末30の表示部36に表示されている待受画面に随時更新される文字情報を表示可能なアプリケーションソフト(ウィジェットエンジン)を実行可能に構成されている。この制御部32により実行可能なウィジェットエンジンは、セキュリティモードのセキュリティ端末10(図1参照)から送信されたアプリケーションソフト(ウィジェットエンジン)用の異常の情報に対応する文字データが送信された場合に、待受画面上で異常の情報に対応する文字データを表示することが可能なアプリケーションである。そして、ウィジェットエンジンは、セキュリティ端末10(図1参照)から随時送信される文字データを、随時新しく更新して待受画面に表示するように構成されている。後述する携帯端末30の待受画面(デスクトップ画面)に異常の状態を表示可能なアプリケーションソフト(ウィジェットエンジン)用の文字データとして、検知された異常の情報を携帯端末30に送信するように構成されている。
【0032】
ドアセンサ40は、図1に示すように、ユーザ宅の出入口のドア(図示せず)に設置されており、ドアの開閉を検知する機能を有する。そして、ドアセンサ40は、ドアの開閉状況をセキュリティ端末10に通知するように構成されている。具体的には、ドアセンサ40は、図2に示すように、電源部41と、ドアセンサ40の制御を司る制御部42と、特定小電力無線モジュール43と、アンテナ44と、ドアの開閉を検知する検知部45とにより構成されている。電源部41は、ドアセンサ40の各部に電力を供給する機能を有する。特定小電力無線モジュール43は、上記セキュリティ端末10の特定小電力無線モジュール16と同様に、発信する電波の最大電力強さが所定の大きさ(0.01W)以下の無線通信モジュールである。この場合、ドアセンサ40は、特定小電力無線モジュール43によって、アンテナ44を介して微弱電波を発信することにより、セキュリティ端末10と通信可能に構成されている。また、検知部45は、図示しない一対のマグネットを有しており、一対のマグネット(図示せず)の位置関係が離間状態と接近状態との間で変化することを検知するように構成されている。そして、制御部42は、セキュリティ端末10からの要求により、特定小電力無線モジュール43およびアンテナ44を介して、検知部45により開閉が検知されたか否かの情報を送信する制御を行うように構成されている。なお、ユーザ宅のドアは、本発明の「ユーザ宅の出入口」の一例である。
【0033】
室内センサ50および室外センサ60は、図1に示すように、それぞれ、ユーザ宅の室内(図示せず)および室外に設置されており、室内および室外に人間が存在するか否かを検知する人感センサである。また、室内センサ50および室外センサ60は、それぞれ、室内に人間が存在するか否かをセキュリティ端末10に通知するように構成されている。具体的には、室内センサ50は、図2に示すように、電源部51と、室内センサ50の制御を司る制御部52と、特定小電力無線モジュール53と、アンテナ54と、人間の存在を検知する検知部55とにより構成されている。また、室外センサ60は、室内センサ50と同様に、電源部61、制御部62、特定小電力無線モジュール63、アンテナ64および検知部65によって構成されている。電源部51および61は、それぞれ、室内センサ50および室外センサ60の各部に電力を供給する機能を有する。特定小電力無線モジュール53および63は、それぞれ、上記セキュリティ端末10の特定小電力無線モジュール16と同様に、発信する電波の最大電力強さが所定の大きさ(0.01W)以下の無線通信モジュールである。この場合、室内センサ50および室外センサ60は、それぞれ、特定小電力無線モジュール53および63によって、アンテナ54および64を介して微弱電波を発信することにより、セキュリティ端末10と通信可能に構成されている。また、検知部55および65は、それぞれ、人間が発する赤外線などを検知するように構成されている。そして、制御部52および62は、それぞれ、セキュリティ端末10からの要求により、検知部55および65により室内および室外に人間がいることを検知したか否かの情報を特定小電力無線により送信する制御を行うように構成されている。
【0034】
火災センサ70は、図1に示すように、ユーザ宅の室内(図示せず)に設置されており、室内において火が発生しているか否かを検知する機能を有する。また、火災センサ70は、室内において火が発生しているか否かをセキュリティ端末10に特定小電力無線により通知するように構成されている。なお、火災センサ70およびその他センサ類80のそれぞれは、上記室内センサ50および室外センサ60と同様に、図2に示すように、電源部71および81、制御部72および82、特定小電力無線モジュール73および83、アンテナ74および84および検知部75および85によって構成されている。
【0035】
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態によるセキュリティシステム1のセキュリティ端末10の制御部13および携帯端末30の制御部32の制御フローについて説明する。具体的には、本実施形態では、ユーザがユーザ宅内におり、セキュリティ端末10の制御部13が通常モードで制御されている状態を起点として、セキュリティ端末10の制御部13および携帯端末30の制御部32の制御フローを以下に説明する。
【0036】
まず、図4に示すように、ステップS1において、制御部13(図2参照)により、ユーザ宅のドアの開閉があったか否かが判断される。つまり、ステップS1において、ユーザがユーザ宅のドアを開閉することによりユーザが外出したか否かが予測される。具体的には、ドアセンサ40の検知部45により、ドアの開閉状態が検知され、特定小電力無線モジュール43およびアンテナ44を介して、ドアの開閉状態がセキュリティ端末10の制御部13に伝達される。そして、ステップS1において、ドアが開閉されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。
【0037】
その後、ステップS2において、所定時間内にセキュリティ端末10と定期的に行っている電波の送受信において、送受信機20からの応答が「有り」から「無し」に切り替わったか否か(送受信機20との通信が途切れたか否か)が判断される。具体的には、ユーザが送受信機20を所持して外出した場合に、送受信機20は、セキュリティ端末10から所定の距離(約50m)よりも遠くに移動される場合がある。そして、送受信機20がセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)よりも遠くに移動された場合に、送受信機20は、セキュリティ端末10と定期的に行っている電波の送受信が行えなくなる。このような場合において、セキュリティ端末10の特定小電力無線モジュール16およびアンテナ17を介して送受信機20に電波を送信した場合にも、セキュリティ端末10は送受信機20からの応答を受信することができない。そして、セキュリティ端末10が送受信機20からの応答を受信できなくなった場合に、送受信機20からの応答が「有り」から「無し」に切り替わった(送受信機20との通信が途切れた)と判断される。
【0038】
そして、ステップS2において、所定時間内に送受信機20からの応答が「有り」から「無し」に切り替わったと判断されなかった場合には、セキュリティ端末10の制御部13の制御フローが終了される。また、所定時間内に送受信機20からの応答が「有り」から「無し」に切り替わったと判断された場合には、ステップS3に進む。
【0039】
その後、ステップS3において、上記ステップS1によるドアが開閉されたという判断と送受信機20からの応答が「無し」に切り替わったという判断とによって、ユーザがユーザ宅から外出したと判断され、ステップS4に進む。
【0040】
そして、ステップS4において、セキュリティ端末10がセキュリティモードであるか否かが判断される。そして、ステップS4において、セキュリティモードであると判断された場合には、後述するステップS7に進む。また、ステップS4において、セキュリティモードではないと判断された場合には、ステップS5に進み、ステップS5において、制御部13は、通常モードからセキュリティモードに切り替える。この場合において、たとえば、ユーザ宅のドアが施錠されていない場合には、セキュリティモードによりユーザ宅が無防備になるのを抑制することが可能であるので、防犯に有効である。
【0041】
その後、本実施形態では、ステップS6において、電子メールにより、通信制御部14および外部ネットワークインターフェース15を介して、セキュリティ端末10が通常モードからセキュリティモードに切り替わったことが携帯端末30に送信される。これにより、ステップS20において、携帯端末30のアンテナ35、外部ネットワークインターフェース34および通信制御部33を介して、セキュリティ端末10から送信された電子メールが制御部32により受信処理される。その後、ステップS21において、携帯端末30の制御部32により、スピーカ37に受信音を発生させ、または、振動部38に振動を発生させることによって、電子メールが受信されたことがユーザに報知される。
【0042】
その後、ステップS7において、セキュリティ端末10の制御部13は、特定小電力無線を用いることによって、室内センサ50、室外センサ60、火災センサ70およびその他センサ80に異常検知の情報をセキュリティ端末10側に送信するように要求する。そして、各センサの異常検知の有無を確認する。その後、ステップS8に進む。
【0043】
そして、ステップS8において、制御部13により、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えられている状態で、室内センサ50、室外センサ60、火災センサ70およびその他センサ80のいずれかのセンサで異常があったか否かが判断される。そして、ステップS8において、上記各センサのいずれかにおいて異常があると判断されるまで、この判断は繰り返される。また、ステップS8において、上記各センサのいずれかにおいて異常があると判断された場合には、ステップS9に進む。
【0044】
そして、ステップS9において、上記ステップS8において判断された異常が重大な異常であるか否かが判断される。具体的には、たとえば、室内センサ50により異常が検知された場合には、ユーザ宅内に不審者がいると考えられるので、重大な異常が発生したと判断される。また、火災センサ70により検知された場合には、ユーザ宅内で不審火が発生したと考えられるので、この場合にも重大な異常が発生したと判断される。その一方で、室外センサ60により異常が検知された場合には、ユーザ宅への訪問者などの可能性があるので、上記ステップS8において判断された異常は重大ではないと判断される。
【0045】
そして、ステップS9において、上記ステップS8において判断された異常が重大であると判断された場合には、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、ユーザ宅内において重大な異常が検知されたことについて携帯端末30に電子メールが送信されるとともに、ウィジェットエンジン用の文字データが携帯端末30に送信される。これにより、携帯端末30では、ステップS30において、制御部32により、ステップS10において送信されたウィジェット更新データが受信されたか否かが判断される。そして、ステップS30において、ウィジェット更新データが受信されたと判断された場合には、ステップS31に進む。そして、ステップS30において、図3に示すように、携帯端末30の表示部36の待受画面にウィジェットエンジン用に送信された文字データが更新表示される。また、携帯端末30では、ステップS40において、アンテナ35、外部ネットワークインターフェース34および通信制御部33を介して、セキュリティ端末10から送信された電子メールが制御部32により受信処理される。その後、ステップS41において、携帯端末30の制御部32により、スピーカ37に受信音を発生させるか、または、振動部38に振動を発生させることによって、電子メールが受信されたことがユーザに報知される。その後、セキュリティ端末10の制御部13では、後述するステップS12に進む。
【0046】
また、図4に示すように、ステップS9において、上記ステップS8において判断された異常が重大ではないと判断された場合には、ステップS11に進む。そして、ステップS11において、ウィジェットエンジン用の文字データが携帯端末30に送信される。これにより、本実施形態では、ステップS30において、図3に示すように、携帯端末30のアンテナ35、外部ネットワークインターフェース34および通信制御部33を介してウィジェットエンジン用に送信された文字データが携帯端末30の表示部36の待受画面に更新表示される。すなわち、ステップS10およびS11では、重大な異常の情報がウィジェットエンジンと電子メールとの両方を用いることにより携帯端末30に送信される一方で、重大ではない異常の情報がウィジェットエンジンのみにより携帯端末30に送信される。これにより、重大ではない異常の情報の場合に、ウィジェットエンジンにより更新される重大ではない異常の情報を、携帯端末30の待受画面を視認するだけで、容易に認識することが可能となる。また、全ての異常の情報が電子メールにより送信される場合と異なり、重大な異常の情報が重大ではない異常の情報に埋もれてしまうことに起因して、重大な異常をユーザが確認し難くなることを抑制することが可能となる。その後、後述するステップS12に進む。
【0047】
その後、図4に示すように、ステップS12において、セキュリティ端末10(図2参照)と定期的に行っている電波の送受信において、送受信機20からの応答が「無し」から「有り」に切り替わったか否かが判断される。つまり、ユーザがセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)以内に近づいたか否かが判断される。そして、送受信機20からの応答が「無し」から「有り」に切り替わっていないと判断された場合には、ステップS7に戻り、ステップS7〜S11の異常の検知および携帯端末30への報知を継続する。また、送受信機20からの応答が「無し」から「有り」に切り替わったと判断された場合には、ステップS13に進む。
【0048】
その後、ステップS13において、ユーザ宅のドアの開閉があったか否かが判断される。つまり、ステップS13において、ユーザがユーザ宅のドアを開閉することによりユーザが帰宅したか否かが予測される。そして、ユーザ宅のドアの開閉がなかったと判断された場合には、ステップS7に戻る。また、ユーザ宅のドアの開閉があったと判断された場合には、ステップS14に進み、ステップS14において、ユーザが帰宅したと判断され、セキュリティ端末10の制御部13の制御フローが終了される。
【0049】
本実施形態では、上記のように、通常モードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、通常モードからセキュリティモードに切り替えることによって、ユーザがセキュリティモードに切り替えずに外出した場合にも、セキュリティ端末10がセキュリティモードに自動的に切り替わるので、ユーザが防犯の処置を行わずに外出した場合にも、セキュリティモードによりユーザ宅の防犯を行うことができる。また、通常モードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを通信制御部14を介してユーザの携帯端末30に通知することによって、ユーザが外出する際にセキュリティモードに設定するのを忘れた場合にも、ユーザ宅が防犯状態に切り替えられたことをユーザが外出中に認識することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、通常モードの状態で、送受信機20がセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)以上遠くに移動された場合に、ユーザが外出したと判断して通常モードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを通信制御部14を介してユーザの携帯端末30に通知する制御を行うように、セキュリティ端末10の制御部13を構成することによって、ユーザがセキュリティ端末10から所定の距離以上遠くに移動した場合に、送受信機20により容易にユーザが外出したと判断することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、通常モードの状態で、ユーザ宅のドアの開閉を検知可能なドアセンサ40によりユーザ宅のドアが開閉されたことが検知された後に送受信機20がセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断して通常モードからセキュリティモードに切り替えるとともに、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを通信制御部14を介してユーザの携帯端末30に通知する制御を行うように、セキュリティ端末10の制御部13を構成することによって、送受信機20がセキュリティ端末10から所定の距離(約50m)以上遠くに移動されたことと、ドアの開閉の検知との両方によりユーザが外出したか否かを判断することができるので、ユーザが外出したか否かをより正確に判断することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、セキュリティ端末10の制御部13を、ユーザが外出したことを検知した場合に、セキュリティ端末10側で通常モードからセキュリティモードに切り替えたことを電子メールにより携帯端末30に通知する制御を行うように構成することによって、通常携帯端末30が備えている電子メール機能により、セキュリティ端末10からのセキュリティモードへの切替の通知を容易に受けることができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した際に、検知された異常の情報を、携帯端末の待受画面に表示するように携帯端末30に送信する制御を行うことによって、待受画面上に異常の情報を表示するとともに異常の情報を更新するアプリケーションソフトであるいわゆるウィジェットエンジン機能を有する携帯端末30をユーザが用いている場合に、ユーザの携帯端末30の待受画面に異常の状態が表示されるので、異常の状態が電子メールによって通知される場合と異なり、ユーザは異常の状態を確認するために電子メールソフトなど携帯端末30のアプリケーションソフトを立ち上げることなく、携帯端末30の表示部36の待受画面を視認するだけで異常の状態を確認することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザが外出中で、かつ、セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した場合に、異常が重大であると判断した場合には、重大な異常情報を少なくとも電子メールにより携帯端末30に送信するとともに、異常が重大ではないと判断した場合には、異常情報を携帯端末30の待受画面に表示するように携帯端末30に送信する制御を行うことによって、異常が重大ではない場合には、携帯端末30の待受画面を視認するだけで異常を認識することができるので、ユーザの操作負担なしに異常を認識することができる。また、異常が重大な場合には電子メールにより異常情報を携帯端末30に通知することにより、一般的に電子メールが携帯端末30により受信された場合には、受信音などにより電子メールを受信したことをユーザに認識させることができるので、ユーザに通知された異常の情報の通知が重大であることをユーザに確実に認識させることができる。
【0055】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0056】
たとえば、上記実施形態では、電気的に写真画像を表示するフォトフレームにセキュリティ機能を搭載した(フォトフレーム型の)セキュリティ装置を本発明に適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、テレビジョン装置およびルータなどにセキュリティ機能を搭載したセキュリティ装置など、電気的なフォトフレーム以外の機器にセキュリティ機能を搭載したセキュリティ装置を本発明に適用してもよい。また、他の機器の機能を統合させることなく、セキュリティ機能のみの機能を有するセキュリティ装置を本発明に適用してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、送受信機を単体の機器として設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、送受信機の機能を携帯端末に統合させることにより、送受信機と携帯端末とを一体的に設けるようにしてもよい。また、ユーザ宅のドアの鍵に送受信機の機能を持たせることにより、送受信機とドアの鍵とを一体的に設けるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、ユーザが外出中に、室内センサ、室外センサおよび火災センサの異常が検知された場合に、携帯端末に異常の状態を送信する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザが外出中に、ユーザ宅内の照明がオンされた場合に、携帯端末に異常の状態を送信するなど、ユーザ宅内の家電の使用状況が変更された際に、その使用状況の変更を異常として携帯端末に異常の状態を送信するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、通常モードからセキュリティモードに変更したことを電子メールによりユーザに通知した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電話による音声通知など、電子メール以外の方法により通常モードからセキュリティモードに変更したことをユーザに通知するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、送受信機とセキュリティ端末とを特定小電力無線により通信するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、Bluetooth、赤外線通信および無線LANなど、特定小電力無線以外の無線により送受信機とセキュリティ端末とを通信するように構成してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、送受信機とセキュリティ端末との特定小電力無線通信が途切れたことを、ユーザが外出したと判断する基準にした例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、GPS機能などを用いることによって、セキュリティ端末からユーザが離れたことを検知した場合に、ユーザが外出したと判断するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、セキュリティ端末を、セキュリティモードと、セキュリティモード以外の通常モードとの2つのモードにより制御される例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、セキュリティモード以外にセキュリティシステムの設定を行う設定モードを設けるなど、セキュリティモード以外のモードに通常モード以外のモードを設けるようにしてもよい。また、ユーザが外出したことを検知した場合に、通常モードからセキュリティモードに切り替えられる例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザが外出したことを検知した場合に、上記設定モードからセキュリティモードに切り替えるなど、通常モード以外のモードからセキュリティモードに切り替えるようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ユーザが外出したことをセンサなどを用いて検知する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザが外出した後に、外出したことを携帯端末を介してセキュリティ端末に通知した場合に、セキュリティ端末がユーザの外出を検知するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、重大な異常をメールおよびウィジェットエンジンで、かつ、重大ではない異常をウィジェットエンジンのみで携帯端末に通信するようにした例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、重大な異常をメールのみで、かつ、重大ではない異常をウィジェットエンジンのみで携帯端末に通信するようにしてもよいし、重大な異常および重大ではない異常の両方をウィジェットエンジンにより携帯端末に通信するようにしてもよい。つまり、上記実施形態の通知手段の組み合わせ以外の組み合わせで重大な異常および重大ではない異常を携帯端末に通信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 セキュリティシステム
10 セキュリティ端末(セキュリティ装置)
13 制御部
14 通信制御部(通信部)
20 送受信機(セキュリティ装置)
30 携帯端末
36 表示部
40 ドアセンサ(出入口センサ部)
50 室内センサ
60 室外センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常を検知した際に報知するセキュリティモードと、前記セキュリティモード以外のモードとを切替可能に構成されたセキュリティ端末を備え、
前記セキュリティ端末は、
ユーザの携帯端末と通信可能な通信部と、
前記セキュリティモード以外のモードの状態でユーザが外出したことを検知した場合に、前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えるとともに、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して前記ユーザの携帯端末に通知するように制御する制御部とを含む、セキュリティ装置。
【請求項2】
ユーザにより携帯可能に構成されているとともに、前記セキュリティ端末から所定の距離内において前記セキュリティ端末と通信可能に構成された送受信機をさらに備え、
前記セキュリティ端末の制御部は、前記セキュリティモード以外のモードの状態で、前記送受信機が前記セキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断して前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えるとともに、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して前記ユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のセキュリティ装置。
【請求項3】
前記セキュリティ端末の制御部は、前記セキュリティモード以外のモードの状態で、ユーザ宅の出入口の開閉を検知可能な出入口センサ部によりユーザ宅の出入口が開閉されたことが検知された後に前記送受信機が前記セキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動された場合に、ユーザが外出したと判断して前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えるとともに、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して前記ユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている、請求項2に記載のセキュリティ装置。
【請求項4】
前記セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出したことを検知した場合に、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して電子メールにより前記携帯端末に通知する制御を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセキュリティ装置。
【請求項5】
前記セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、前記セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した際に、検知された異常の情報を、前記通信部を介して、前記携帯端末の待受画面に表示するように前記携帯端末に送信する制御を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセキュリティ装置。
【請求項6】
前記セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、前記セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した場合に、前記通信部を介して、前記異常が重大であると判断した場合には、重大な前記異常情報を少なくとも電子メールにより前記携帯端末に送信するとともに、前記異常が重大ではないと判断した場合には、重大ではない前記異常情報を前記携帯端末の待受画面に表示するように前記携帯端末に送信する制御を行うように構成されている、請求項5に記載のセキュリティ装置。
【請求項7】
前記セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、前記セキュリティモードに切り替えた状態でユーザ宅の室内に設置される室内センサにより前記室内に不審者がいるという異常が検知された場合に、検知した異常が重大であると判断するとともに、ユーザ宅の室内に不審者がいることを電子メールによって前記携帯端末に報知し、ユーザが外出中で、かつ、前記セキュリティモードに切り替えた状態でユーザ宅の室外に設置される室外センサにより前記室外に不審者がいるという異常が検知された場合に、検知した異常が重大ではないと判断するとともに、前記室外に不審者がいることを前記ユーザの携帯端末の待受画面に表示するように前記携帯端末に送信する制御を行うように構成されている、請求項6に記載のセキュリティ装置。
【請求項8】
前記セキュリティ端末は、写真画像を表示可能なフォトフレームとしての表示部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセキュリティ装置。
【請求項9】
異常を検知した際に報知するセキュリティモードと、前記セキュリティモード以外のモードとを切替可能に構成されたセキュリティ端末と、
ユーザにより携帯可能に構成されているとともに、前記セキュリティ端末から所定の距離内において前記セキュリティ端末と通信可能に構成された送受信機とを備え、
前記セキュリティ端末は、
ユーザにより携帯可能な携帯端末と通信するための通信部と、
前記セキュリティモード以外のモードの状態で前記ユーザが外出したことを検知した場合に、前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えるとともに、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して前記携帯端末に通知するように制御する制御部とを含む、セキュリティシステム。
【請求項10】
前記セキュリティ端末と通信可能に構成されているとともに、ユーザ宅の出入口の開閉を検知可能な出入口センサ部をさらに備え、
前記セキュリティ端末の制御部は、前記セキュリティモード以外のモードの状態で、前記出入口センサ部によりユーザ宅の出入口が開閉されたことが検知された後に前記送受信機が前記セキュリティ端末から所定の距離以上遠くに移動されたと判断した場合に、ユーザが外出したと判断して前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えるとともに、前記セキュリティ端末側で前記セキュリティモード以外のモードから前記セキュリティモードに切り替えたことを前記通信部を介して前記ユーザの携帯端末に通知する制御を行うように構成されている、請求項9に記載のセキュリティシステム。
【請求項11】
前記セキュリティ端末の制御部は、ユーザが外出中で、かつ、前記セキュリティモードに切り替えた状態で異常を検知した際に、検知された異常の情報を、前記通信部を介して、前記携帯端末の待受画面に表示するように前記携帯端末に送信する制御を行うように構成されている、請求項9または10に記載のセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−76196(P2011−76196A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224426(P2009−224426)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】