セキュリティ装置の読取ユニット保持装置
【課題】ケーシングの従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けが容易なセキュリティ装置の読取ユニット保持装置を提供する。
【解決手段】読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31を傾斜案内部35に沿わせることにより読取ユニット21の位置が概略的に決定される。これとともに、ピン部33が突出鍔部31の孔43に挿入されるので、さらに読取ユニット21をケーシング13側に押し込むとき、読取ユニット12はピン部33に案内される。そして、ケーシング13側へ押し込まれた読取ユニット21の突出鍔部31が移動規制部36を乗り越えると、突出鍔部31と移動規制部36を形成する爪部34とは噛み合った状態となり、読取ユニット21はケーシング13に保持される。
【解決手段】読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31を傾斜案内部35に沿わせることにより読取ユニット21の位置が概略的に決定される。これとともに、ピン部33が突出鍔部31の孔43に挿入されるので、さらに読取ユニット21をケーシング13側に押し込むとき、読取ユニット12はピン部33に案内される。そして、ケーシング13側へ押し込まれた読取ユニット21の突出鍔部31が移動規制部36を乗り越えると、突出鍔部31と移動規制部36を形成する爪部34とは噛み合った状態となり、読取ユニット21はケーシング13に保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ装置の読取ユニット保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ装置は、所定区域への進入の可否を判断するために、所定区域への許可者が所有している外部記憶媒体の読み取りを行う。この外部記憶媒体は、ケーシングの挿入口に表面側から挿入され、ケーシングの裏面側に設けられている読取ユニットにおいて読み取られる。読取ユニットは、専用の回路基板などとともにケーシングとは別体に構成されている。そのため、セキュリティ装置の組み付け時において、読取ユニットは、ケーシングに取り付けられる。
【0003】
従来、セキュリティ装置のケーシングは、裏面から表面と反対側に突出する筒部を有している。この筒部は、内側に雌ねじ部を有している。一方、読取ユニットは、外部記憶媒体の挿入方向に対し概ね垂直に突出する突出鍔部を有している。この突出鍔部は、ねじ部材を挿入可能な孔を有している。このような構成により、読取ユニットの突出鍔部を筒部に重ね、孔に挿入したねじ部材を筒部の雌ねじ部に締め付けることにより、読取ユニットはケーシングと一体に保持されている。この場合、読取ユニットには、挿入口を経由して外部記憶装置が挿入される。読取ユニットには外部記憶装置を押し込む力が加わるため、ケーシングに対する確実な保持が要求される。そのため、従来のセキュリティ装置の場合、ケーシングと読取ユニットとは二本のねじ部材によって保持されている。
【0004】
しかしながら、従来のセキュリティ装置の場合、二本のねじ部材の締め付けを必要とするため、組み立て時の作業が煩雑となり工数の増大を招くという問題がある。一方、ケーシングと読取ユニットとの組付けを容易にするためのケーシングの形状の大幅な変更は、ケーシングの金型を含めたセキュリティ装置全体の設計変更などを招くという問題がある。
また、特許文献1に開示されているように、二つの部品をいわゆるスナップフィットによって保持することも考えられる。しかし、特許文献1の場合、一方のピンは他方の位置決め孔に挿入する必要があるため、煩雑な位置合わせ作業が必要となる。その結果、特許文献1の場合、従来のねじによる保持に対し、ねじを締め込む作業を削減できるにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−281727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケーシングの従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けが容易なセキュリティ装置の読取ユニット保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明では、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットから突出する突出鍔部はケーシングの傾斜案内部に接する。傾斜案内部は、ケーシングの裏面側から立ち上がる柱部と一体の爪部において、ケーシングとは反対側に設けられている。傾斜案内部は、ケーシングに近い側ほど対向する爪部との間隔が縮小するように傾斜している。すなわち、対向する傾斜案内部の間隔は、ケーシング側ほど小さくなっている。そのため、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部に接することにより、突出鍔部が設けられている読取ユニットは、ケーシング側へ押し付けられ、傾斜案内部によってケーシング側へ滑らかに案内される。また、このように傾斜案内部に突出鍔部が接したとき、ケーシングから立ち上がるピン部は、その先端が突出鍔部のケーシング側の端面と接する、またはわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、読取ユニットは、突出鍔部を傾斜案内部に接触させることにより、概略的な位置が決定されると同時に、突出鍔部の孔にピン部の先端が挿入された状態、またはわずかな移動で挿入される状態となる。これにより、そのまま読取ユニットをケーシング側へ押し込むことにより、読取ユニットは孔に挿入されたピン部によって位置が決定されつつケーシング側へ移動する。柱部は、弾性変形可能であるため、突出鍔部がケーシング側へ移動することにより間隔が拡大する。そして、突出鍔部が傾斜案内部を乗り越えると、爪部の先端に設けられた移動規制部が突出鍔部のケーシングと反対側の面に接する。その結果、読取ユニットの突出鍔部は、ケーシングの柱部に設けられている爪部に引っ掛かり、ケーシングと反対側への移動が規制される。このように、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットの突出鍔部を傾斜案内部にあわせることにより読取ユニットの位置が決定され、さらに読取ユニットを押し込むことによりピン部は突出鍔部の孔に挿入される。これとともに、突出鍔部と移動規制部とは噛み合った状態となり、読取ユニットはケーシングに保持される。したがって、ケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。これとともに、挿入口を経由して挿入された外部記憶媒体によって読取ユニットに力が加わっても、読取ユニットをケーシングに対し強固に保持することができる。
【0008】
さらに、請求項1記載の発明では、ケーシングの従来の構成が利用可能である。具体的には、従来のケーシングは、読取ユニットの突出鍔部を貫くねじ部材が取り付けられる筒部を有している。筒部は、ケーシングの裏面側から立ち上がっている。請求項1記載の発明では、この筒部の構成を利用してピン部を形成し、さらにピン部の外側に一体の柱部、爪部、傾斜案内部および移動規制部を形成する。そのため、請求項1記載の発明は、ケーシングおよび挿入口の位置に設計の変更を加える必要がない。したがって、ケーシングの従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。
【0009】
請求項2記載の発明では、爪部は、ケーシング側の移動規制部と柱部との間に隙間を形成している。これにより、傾斜案内部に案内されつつケーシング側へ移動した突出鍔部は、柱部から離れた移動規制部と接する。そのため、突出鍔部は、移動規制部と噛み合った状態となり、ケーシングと反対側への移動が規制される。すなわち、突出鍔部は、移動規制部にいわゆるはめ殺し状態で組み付けられる。さらに、このとき、突出鍔部にケーシングから遠ざかる方向に力が加わると、爪部には柱部との間の隙間を拡大する方向のモーメントが生じる。この爪部に生じるモーメントにより、ケーシングとは反対側の先端に爪部を一体に有する柱部は、対向する柱部間の間隔が縮小する方向のモーメントが生じる。その結果、読取ユニットへ外部記憶媒体が押し込まれると、柱部は互いの間隔が縮小し、移動規制部は突出鍔部にケーシング側の力を加える。これにより、外部記憶媒体の挿入によって読取ユニットにケーシングから遠ざかる方向の力が加わっても、読取ユニットはケーシングから遠ざかる移動が規制される。したがって、読取ユニットとケーシングとを強固に保持することができる。また、この場合でも、ケーシングの大幅な設計の変更は必要としない。
【0010】
請求項3記載の発明では、突出鍔部は、孔のケーシング側の端部に円錐台孔を有している。円錐台孔は、突出鍔部の孔のケーシング側に接続している。これにより、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、ケーシングから立ち上がるピン部は、突出鍔部の円錐台孔に案内されて孔へ挿入される。そのため、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、突出鍔部とケーシングとの位置を大まかに決定する場合でも、ピン部は孔へ滑らかに案内される。したがって、ケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】セキュリティ装置の概略を示す模式的な断面図
【図2】図1の矢印II方向から見た矢視図
【図3】図1の矢印III方向からケーシングを見た矢視図
【図4】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略斜視図
【図5】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図
【図6】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットとケーシングとが離れている状態を示す図
【図7】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部の一方に接した状態を示す図
【図8】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部の双方に接した状態を示す図
【図9】第2実施形態による読取ユニット保持装置を示す図5に相当する図
【図10】第2実施形態による読取ユニット保持装置における柱部および爪部の変形を説明するための概略図
【図11】第3実施形態による読取ユニット保持装置の突出鍔部を示す模式的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、複数の実施形態の読取ユニット保持装置を適用したセキュリティ装置を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(セキュリティ装置)
まず、複数の実施形態について共通のセキュリティ装置の概略について説明する。図1に示すようにセキュリティ装置10は、本体11を備えている。セキュリティ装置10は、例えば家屋の壁12や扉などに埋め込まれ、一部が外部に露出している。本体11は、家屋の壁12や扉に露出するケーシング13と、ケーシング13から奥側に伸びる収容ケース14を有している。ケーシング13は、板状に形成され、表面16側が壁12や扉から露出している。収容ケース14は、ケーシング13の裏面17側から壁12や扉の内側に伸びる容器状に形成されている。収容ケース14は、ケーシング13と接続しており、ケーシング13との間に収容室18を形成している。セキュリティ装置10は、読取ユニット21および回路基板22を備えている。読取ユニット21および回路基板22は、収容室18に収容されている。ケーシング13は、収容ケース14の端部に例えば嵌合などによって一体に取り付けられている。
【0013】
ケーシング13は、図1および図2に示すように挿入口23を有している。挿入口23は、ケーシング13を板厚方向に貫いている。すなわち、挿入口23は、ケーシング13を表面16側から裏面17側へ貫いている。この挿入口23においてケーシング13の裏面17側には、読取ユニット21が配置されている。読取ユニット21は、図1に示すように例えばスティックキーなどの外部記憶媒体24との間でデータの読み取り、またはデータの書き込みを行う。読取ユニット21は、収容室18の回路基板22と電気的に接続されており、外部記憶媒体24から読み取ったデータを回路基板22に出力する。
【0014】
挿入口23の形状は、外部記憶媒体24の断面よりもやや大きく形成されている。これにより、外部記憶媒体24は、ケーシング13の挿入口23を経由して読取ユニット21に挿入される。挿入された外部記憶媒体24は、読取ユニット21によってデータの読み取りが行われる。ケーシング13は、例えば図2に示すように正面視において挿入口23の上方に入力キー25と、挿入口23の左方にスピーカ穴26を有している。図2に示すように、入力キー25の裏面17側には、回路基板22が設けられている。これにより、表面16側から入力キー25を操作すると、その操作は回路基板22の図示しないスイッチに入力される。また、スピーカ穴26の裏面17側には、図3に示すようにスピーカ27が設けられている。スピーカ27から発生した音声は、スピーカ穴26を経由してケーシング13の外部へ放出される。
【0015】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態による読取ユニット保持装置30について説明する。
読取ユニット保持装置30は、ケーシング13と読取ユニット21とを保持する。読取ユニット保持装置30は、図3および図4に示すように突出鍔部31、柱部32、ピン部33、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36を備えている。突出鍔部31は、図4に示すように読取ユニット21に設けられている。この突出鍔部31は、読取ユニット21への外部記憶媒体24の挿入方向に対し、読取ユニット21から垂直に突出している。突出鍔部31は、挿入方向に対し直角に交差する長方形の板状に形成されている。突出鍔部31は、図5に示すようにケーシング13側の端面41と、収容室18側の端面42とを有している。また、突出鍔部31は、外部記憶媒体24の挿入方向と平行に貫く孔43を有している。この孔43は、板状の突出鍔部31を板厚方向へ貫いている。すなわち、孔43は、突出鍔部31の端面41と端面42とを接続している。孔43は、長方形の板状に形成された突出鍔部31において長手方向の各端部の近傍に設けられている。なお、突出鍔部31は、長方形状に限らず、例えば円環板状に形成してもよい。
【0016】
柱部32、ピン部33、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36は、ケーシング13と樹脂で一体に成形されている。また、柱部32、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36も、樹脂で一体に成形されている。柱部32は、ケーシング13の裏面17側から表面16とは反対側すなわち収容室18側へ概ね垂直に立ち上がっている。ここで、本明細書および請求の範囲における垂直とは、厳密な垂直ではなく、通常許容できる程度の誤差を含むものとする。柱部32は、挿入口23を挟んで一対設けられている。これにより、柱部32は、外部記憶媒体24の挿入方向に対して垂直な方向において挿入口23の両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、柱部32は、挿入口23の端部にそれぞれ一本ずつ設けられている。柱部32は、ケーシング13と樹脂で一体に成形されており、対向する間隔が可変な程度に弾性変形可能である。そのため、柱部32は、挿入口23側すなわち内側から力が加わると外側へ変形し、内側からの力が解除されると元の位置に復帰する。
【0017】
ピン部33は、柱部32と同様にケーシング13の裏面17側から表面16とは反対側すなわち収容室18側へ概ね垂直に立ち上がっている。ピン部33は、柱部32よりも挿入口23に近い側において挿入口23を挟んで一対設けられている。これにより、ピン部33は、柱部32よりも挿入口23に近い内側において、挿入口23の両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、ピン部33は、挿入口23の端部において柱部32よりも内側にそれぞれ一本ずつ設けられている。このピン部33は、突出鍔部31に設けられている孔43に挿入される。
【0018】
爪部34は、柱部32と一体に設けられている。爪部34は、一対の柱部32のそれぞれに設けられている。爪部34は、柱部32のケーシング13とは反対側の端部からピン部33側すなわち挿入口23側へ突出している。そして、傾斜案内部35は、この爪部34のケーシング13と反対側すなわち収容室18側に設けられている。傾斜案内部35も、各柱部32と一体の爪部34にそれぞれ設けられている。傾斜案内部35は、傾斜面状に形成されている。これにより、傾斜案内部35は、ケーシング13に近い側ほど対向する爪部34との間隔が縮小する。
【0019】
傾斜案内部35は、先端側ほど、すなわちケーシング13と反対側ほど対向する爪部34との間隔が大きくなる。この傾斜案内部35のケーシング13と反対側において対向する間隔は、読取ユニット21の突出鍔部31の長手方向の全長よりも大きい。一方、傾斜案内部35のケーシング13側において対向する間隔は、読取ユニット21の突出鍔部31の長手方向の全長よりも小さい。そのため、読取ユニット21の突出鍔部31を一対の傾斜案内部35に接触させると、突出鍔部31の端部はいずれも傾斜案内部35の途中に位置する。これにより、突出鍔部31と傾斜案内部35とが接した状態で読取ユニット21をケーシング13側に押し付けると、読取ユニット21は突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35に案内されながらケーシング13側へ移動する。
【0020】
移動規制部36は、爪部34と一体に設けられている。移動規制部36は、一対の爪部34のそれぞれに設けられている。移動規制部36は、爪部34においてケーシング13側の端部に設けられている。この移動規制部36は、読取ユニット21がケーシング13の裏面17に接しているとき、突出鍔部31のケーシング13と反対側すなわち収容室18側の端面42に接する。これにより、移動規制部36は、突出鍔部31をケーシング13側へ押し付け、読取ユニット21の収容室18側への移動を規制する。
【0021】
上述の構成による読取ユニット保持装置30による読取ユニット21の組み付けについて説明する。
上述のように傾斜案内部35は、ケーシング13側ほど対向する間隔が縮小している。そのため、図6に示すように読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31は、図7に示すように一対の傾斜案内部35の中間において傾斜案内部35に接する。このとき、突出鍔部31は、一対の傾斜案内部35のうち少なくともいずれか一方に接する。このように、突出鍔部31が一方の傾斜案内部35に接すると、突出鍔部31は一方の傾斜案内部35に沿って移動する。そして、図8に示すようにし、突出鍔部31は、両端部が一対の傾斜案内部35の双方に接するまでケーシング13側へ移動する。そして、図8に示す状態、すなわち突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35の双方に接すると、読取ユニット21はケーシング13側への移動が規制される。すなわち、読取ユニット21は、突出鍔部31が傾斜案内部35に接することにより、その取付位置が概略的に決定される。
【0022】
図8に示すように読取ユニット21の突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35に接しているとき、ピン部33は突出鍔部31の端面41に接する高さ、またはこの端面41との間にわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、ピン部33は、読取ユニット21の突出鍔部31が傾斜案内部35の双方に接しているとき、先端が突出鍔部31の孔43にわずかに挿入された状態、またはわずかな移動で挿入される状態となっている。
【0023】
この図8に示す状態のとき、読取ユニット21をさらにケーシング13側へ押し付けると、突出鍔部31から傾斜案内部35にケーシング13方向の力が加わる。傾斜案内部35は、突出鍔部31に加わる力の向きに対して傾斜している。そのため、突出鍔部31から力が加わると、外側すなわち互いの間隔が拡大する方向へ変形する。そして、突出鍔部31は、爪部34の間隔が拡大するように柱部32を変形させつつ、爪部34をケーシング13側へ乗り越える。このとき、ピン部33は、すでに突出鍔部31の孔43に挿入されている。そのため、読取ユニット21は、傾斜案内部35に加え、突出鍔部31の孔43に挿入されたピン部33に案内されつつケーシング13側へ移動する。
【0024】
読取ユニット21の突出鍔部31が爪部34のケーシング13側の端部を乗り越え、図5に示すように読取ユニット21がケーシング13の裏面17に接する位置に到達すると、爪部34のケーシング13側に位置している移動規制部36は突出鍔部31の端面42に接する。その結果、爪部34と突出鍔部31とが噛み合った状態となり、読取ユニット21は収容室18側への移動が規制される。
【0025】
以上説明した第1実施形態では、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21から突出する突出鍔部31はケーシング13の傾斜案内部35に接する。対向する傾斜案内部35の間隔は、ケーシング13側ほど小さくなっている。そのため、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31が傾斜案内部35に接することにより、突出鍔部31が設けられている読取ユニット21は、ケーシング13側へ押し付けられ、傾斜案内部35によってケーシング13側へ滑らかに案内される。また、このように傾斜案内部35に突出鍔部31が接したとき、ケーシング13から立ち上がるピン部33は、その先端が突出鍔部31のケーシング13側の端面41と接する高さ、またはわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、読取ユニット21は、突出鍔部31を傾斜案内部35に接触させることにより、概略的な位置が決定されると同時に、突出鍔部31の孔43にピン部33の先端がほぼ挿入された状態となる。これにより、そのまま読取ユニット21をケーシング13側へ押し込むことにより、読取ユニット21は孔43に挿入されたピン部33によって位置が決定されつつケーシング13側へ移動する。柱部32は、弾性変形可能であるため、突出鍔部31が傾斜案内部35に沿ってケーシング13側へ移動するとき、その間隔が拡大する。そして、突出鍔部31が傾斜案内部35を乗り越えると、爪部34の先端に設けられた移動規制部36が突出鍔部31のケーシング13と反対側の端面42に接する。その結果、読取ユニット21の突出鍔部31は、ケーシング13の柱部32に設けられている爪部34に引っ掛かり、ケーシング13と反対側への移動が規制される。このように、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31を傾斜案内部35に沿わせることにより読取ユニット21の位置が概略的に決定され、さらに読取ユニット21をケーシング13側へ押し込むことによりピン部33は突出鍔部31の孔43に挿入される。これとともに、突出鍔部31と移動規制部36を形成する爪部34とは噛み合った状態となり、読取ユニット21はケーシング13に保持される。したがって、ケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。これとともに、挿入口23を経由して挿入された外部記憶媒体24によって読取ユニット21に収容室18方向の力が加わっても、読取ユニット21はケーシング13に対し強固に保持することができる。
【0026】
さらに、第1実施形態では、ケーシング13の従来の構成が利用可能である。すなわち、第1実施形態では、従来ケーシング13をねじ止めするための雌ねじが設けられている筒部の構成を利用してピン部33を形成し、さらにピン部33の外側に一体の柱部32、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36を形成する。そのため、第1実施形態では、ケーシング13の設計および挿入口23の位置に大幅な変更を加える必要がない。したがって、ケーシング13の従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。
【0027】
(第2実施形態)
第2実施形態による読取ユニット保持装置を図9に示す。
第2実施形態の場合、図9に示すように爪部34は、ケーシング13側の端部に設けられている移動規制部36と柱部32との間に隙間を形成している。そのため、爪部34は、柱部32とは独立して変形可能である。このように、爪部34のケーシング13側の端部において柱部32との間に隙間を形成することにより、傾斜案内部35に案内されつつケーシング13側へ移動した突出鍔部31は、柱部32から離れた位置にある移動規制部36と接する。これにより、突出鍔部31は、移動規制部36が設けられた爪部34と噛み合った状態となり、ケーシング13と反対側への移動が規制される。すなわち、突出鍔部31は、移動規制部36が設けられた爪部34にいわゆるはめ殺し状態で組み付けられる。
【0028】
このように移動規制部36が設けられた爪部34と突出鍔部31とが噛み合った状態のとき、図10に示すように読取ユニット21にケーシング13から遠ざかる方向の力すなわち収容室18側へ押し込む力Faが加わると、爪部34には柱部32側の付け根を支点としたケーシング13から遠ざかる方向のモーメント、すなわち収容室18側へのモーメントMaが生じる。この爪部34に生じるモーメントMaにより、ケーシング13とは反対側の先端に爪部34を一体に有する柱部32は、ケーシング13側の付け根を支点として対向する柱部32間の間隔が縮小する方向のモーメントMbが生じる。その結果、読取ユニット21へ外部記憶媒体24が押し込まれると、柱部32には互いの間隔が縮小する方向の力Fbが加わる。これにより、読取ユニット21へ外部記憶媒体24が押し込まれると、爪部34は突出鍔部31をよりケーシング13側へ締め付け、読取ユニット21は収容室18側への移動がより大きな力で規制される。
【0029】
読取ユニット21は、ケーシング13の挿入口23を経由して外部記憶媒体24が挿入される。このとき、外部記憶媒体24から読取ユニット21には、読取ユニット21を収容室18側へ押し込む方向へ大きな力が加わる。一方、読取ユニット21と移動規制部36が設けられた爪部34とが噛み合う力が小さい場合、読取ユニット21へ外部記憶媒体24を挿入するとき、読取ユニット21は収容室18側へわずかに移動する。また、押し込まれた外部記憶媒体24を読取ユニット21から引き抜くときも、読取ユニット21はケーシング13側へわずかに移動する。そのため、外部記憶媒体24を扱うユーザは、読取ユニット21のわずかな移動をがたつきとして不快に感じるおそれがある。
【0030】
これに対し、第2実施形態のように移動規制部36と柱部32との間に隙間を形成することにより、外部記憶媒体24が読取ユニット21へ押し込まれたとき、柱部32は互いの間隔が縮小し、移動規制部36から突出鍔部31にはケーシング13側への力が加わる。これにより、外部記憶媒体24の挿入によって読取ユニット21にケーシング13から遠ざかる方向の力が加わっても、読取ユニット21はケーシング13から遠ざかる方向への移動が規制される。したがって、読取ユニット21とケーシング13とを強固に保持することができ、ユーザに与える不快な手応えも低減することができる。また、この場合でも、爪部34の形状をわずかに変更するだけであるので、ケーシング13の大幅な設計の変更は必要としない。
【0031】
(第3実施形態)
第3実施形態による読取ユニット保持装置を図11に示す。
第3実施形態の場合、図11に示すように突出鍔部31は、円錐台孔51を有している。円錐台孔51は、突出鍔部31の端面41側に位置している。具体的には、円錐台孔51は、孔43のケーシング13側の端部に接続している。そして、円錐台孔51は、ケーシング13側ほど内径が拡大している。
【0032】
第3実施形態では、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、ケーシング13から立ち上がるピン部33は、突出鍔部31の円錐台孔51に案内されて孔43へ挿入される。そのため、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、突出鍔部31とケーシング13との位置を大まかに決定する場合でも、ピン部33は孔43へ滑らかに案内される。したがって、ケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。
【0033】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
図面中、10はセキュリティ装置、13はケーシング、16は表面、17は裏面、21は読取ユニット、23は挿入口、24は外部記憶媒体、30は読取ユニット保持装置、31は突出鍔部、32は柱部、33はピン部、34は爪部、35は傾斜案内部、36は移動規制部、43は孔、51は円錐台孔を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ装置の読取ユニット保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ装置は、所定区域への進入の可否を判断するために、所定区域への許可者が所有している外部記憶媒体の読み取りを行う。この外部記憶媒体は、ケーシングの挿入口に表面側から挿入され、ケーシングの裏面側に設けられている読取ユニットにおいて読み取られる。読取ユニットは、専用の回路基板などとともにケーシングとは別体に構成されている。そのため、セキュリティ装置の組み付け時において、読取ユニットは、ケーシングに取り付けられる。
【0003】
従来、セキュリティ装置のケーシングは、裏面から表面と反対側に突出する筒部を有している。この筒部は、内側に雌ねじ部を有している。一方、読取ユニットは、外部記憶媒体の挿入方向に対し概ね垂直に突出する突出鍔部を有している。この突出鍔部は、ねじ部材を挿入可能な孔を有している。このような構成により、読取ユニットの突出鍔部を筒部に重ね、孔に挿入したねじ部材を筒部の雌ねじ部に締め付けることにより、読取ユニットはケーシングと一体に保持されている。この場合、読取ユニットには、挿入口を経由して外部記憶装置が挿入される。読取ユニットには外部記憶装置を押し込む力が加わるため、ケーシングに対する確実な保持が要求される。そのため、従来のセキュリティ装置の場合、ケーシングと読取ユニットとは二本のねじ部材によって保持されている。
【0004】
しかしながら、従来のセキュリティ装置の場合、二本のねじ部材の締め付けを必要とするため、組み立て時の作業が煩雑となり工数の増大を招くという問題がある。一方、ケーシングと読取ユニットとの組付けを容易にするためのケーシングの形状の大幅な変更は、ケーシングの金型を含めたセキュリティ装置全体の設計変更などを招くという問題がある。
また、特許文献1に開示されているように、二つの部品をいわゆるスナップフィットによって保持することも考えられる。しかし、特許文献1の場合、一方のピンは他方の位置決め孔に挿入する必要があるため、煩雑な位置合わせ作業が必要となる。その結果、特許文献1の場合、従来のねじによる保持に対し、ねじを締め込む作業を削減できるにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−281727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケーシングの従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けが容易なセキュリティ装置の読取ユニット保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明では、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットから突出する突出鍔部はケーシングの傾斜案内部に接する。傾斜案内部は、ケーシングの裏面側から立ち上がる柱部と一体の爪部において、ケーシングとは反対側に設けられている。傾斜案内部は、ケーシングに近い側ほど対向する爪部との間隔が縮小するように傾斜している。すなわち、対向する傾斜案内部の間隔は、ケーシング側ほど小さくなっている。そのため、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部に接することにより、突出鍔部が設けられている読取ユニットは、ケーシング側へ押し付けられ、傾斜案内部によってケーシング側へ滑らかに案内される。また、このように傾斜案内部に突出鍔部が接したとき、ケーシングから立ち上がるピン部は、その先端が突出鍔部のケーシング側の端面と接する、またはわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、読取ユニットは、突出鍔部を傾斜案内部に接触させることにより、概略的な位置が決定されると同時に、突出鍔部の孔にピン部の先端が挿入された状態、またはわずかな移動で挿入される状態となる。これにより、そのまま読取ユニットをケーシング側へ押し込むことにより、読取ユニットは孔に挿入されたピン部によって位置が決定されつつケーシング側へ移動する。柱部は、弾性変形可能であるため、突出鍔部がケーシング側へ移動することにより間隔が拡大する。そして、突出鍔部が傾斜案内部を乗り越えると、爪部の先端に設けられた移動規制部が突出鍔部のケーシングと反対側の面に接する。その結果、読取ユニットの突出鍔部は、ケーシングの柱部に設けられている爪部に引っ掛かり、ケーシングと反対側への移動が規制される。このように、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、読取ユニットの突出鍔部を傾斜案内部にあわせることにより読取ユニットの位置が決定され、さらに読取ユニットを押し込むことによりピン部は突出鍔部の孔に挿入される。これとともに、突出鍔部と移動規制部とは噛み合った状態となり、読取ユニットはケーシングに保持される。したがって、ケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。これとともに、挿入口を経由して挿入された外部記憶媒体によって読取ユニットに力が加わっても、読取ユニットをケーシングに対し強固に保持することができる。
【0008】
さらに、請求項1記載の発明では、ケーシングの従来の構成が利用可能である。具体的には、従来のケーシングは、読取ユニットの突出鍔部を貫くねじ部材が取り付けられる筒部を有している。筒部は、ケーシングの裏面側から立ち上がっている。請求項1記載の発明では、この筒部の構成を利用してピン部を形成し、さらにピン部の外側に一体の柱部、爪部、傾斜案内部および移動規制部を形成する。そのため、請求項1記載の発明は、ケーシングおよび挿入口の位置に設計の変更を加える必要がない。したがって、ケーシングの従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。
【0009】
請求項2記載の発明では、爪部は、ケーシング側の移動規制部と柱部との間に隙間を形成している。これにより、傾斜案内部に案内されつつケーシング側へ移動した突出鍔部は、柱部から離れた移動規制部と接する。そのため、突出鍔部は、移動規制部と噛み合った状態となり、ケーシングと反対側への移動が規制される。すなわち、突出鍔部は、移動規制部にいわゆるはめ殺し状態で組み付けられる。さらに、このとき、突出鍔部にケーシングから遠ざかる方向に力が加わると、爪部には柱部との間の隙間を拡大する方向のモーメントが生じる。この爪部に生じるモーメントにより、ケーシングとは反対側の先端に爪部を一体に有する柱部は、対向する柱部間の間隔が縮小する方向のモーメントが生じる。その結果、読取ユニットへ外部記憶媒体が押し込まれると、柱部は互いの間隔が縮小し、移動規制部は突出鍔部にケーシング側の力を加える。これにより、外部記憶媒体の挿入によって読取ユニットにケーシングから遠ざかる方向の力が加わっても、読取ユニットはケーシングから遠ざかる移動が規制される。したがって、読取ユニットとケーシングとを強固に保持することができる。また、この場合でも、ケーシングの大幅な設計の変更は必要としない。
【0010】
請求項3記載の発明では、突出鍔部は、孔のケーシング側の端部に円錐台孔を有している。円錐台孔は、突出鍔部の孔のケーシング側に接続している。これにより、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、ケーシングから立ち上がるピン部は、突出鍔部の円錐台孔に案内されて孔へ挿入される。そのため、読取ユニットをケーシングに取り付けるとき、突出鍔部とケーシングとの位置を大まかに決定する場合でも、ピン部は孔へ滑らかに案内される。したがって、ケーシングと読取ユニットとの位置の決定、およびケーシングと読取ユニットとの組み付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】セキュリティ装置の概略を示す模式的な断面図
【図2】図1の矢印II方向から見た矢視図
【図3】図1の矢印III方向からケーシングを見た矢視図
【図4】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略斜視図
【図5】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図
【図6】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットとケーシングとが離れている状態を示す図
【図7】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部の一方に接した状態を示す図
【図8】第1実施形態による読取ユニット保持装置を模式的に示す概略図であって、読取ユニットの突出鍔部が傾斜案内部の双方に接した状態を示す図
【図9】第2実施形態による読取ユニット保持装置を示す図5に相当する図
【図10】第2実施形態による読取ユニット保持装置における柱部および爪部の変形を説明するための概略図
【図11】第3実施形態による読取ユニット保持装置の突出鍔部を示す模式的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、複数の実施形態の読取ユニット保持装置を適用したセキュリティ装置を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(セキュリティ装置)
まず、複数の実施形態について共通のセキュリティ装置の概略について説明する。図1に示すようにセキュリティ装置10は、本体11を備えている。セキュリティ装置10は、例えば家屋の壁12や扉などに埋め込まれ、一部が外部に露出している。本体11は、家屋の壁12や扉に露出するケーシング13と、ケーシング13から奥側に伸びる収容ケース14を有している。ケーシング13は、板状に形成され、表面16側が壁12や扉から露出している。収容ケース14は、ケーシング13の裏面17側から壁12や扉の内側に伸びる容器状に形成されている。収容ケース14は、ケーシング13と接続しており、ケーシング13との間に収容室18を形成している。セキュリティ装置10は、読取ユニット21および回路基板22を備えている。読取ユニット21および回路基板22は、収容室18に収容されている。ケーシング13は、収容ケース14の端部に例えば嵌合などによって一体に取り付けられている。
【0013】
ケーシング13は、図1および図2に示すように挿入口23を有している。挿入口23は、ケーシング13を板厚方向に貫いている。すなわち、挿入口23は、ケーシング13を表面16側から裏面17側へ貫いている。この挿入口23においてケーシング13の裏面17側には、読取ユニット21が配置されている。読取ユニット21は、図1に示すように例えばスティックキーなどの外部記憶媒体24との間でデータの読み取り、またはデータの書き込みを行う。読取ユニット21は、収容室18の回路基板22と電気的に接続されており、外部記憶媒体24から読み取ったデータを回路基板22に出力する。
【0014】
挿入口23の形状は、外部記憶媒体24の断面よりもやや大きく形成されている。これにより、外部記憶媒体24は、ケーシング13の挿入口23を経由して読取ユニット21に挿入される。挿入された外部記憶媒体24は、読取ユニット21によってデータの読み取りが行われる。ケーシング13は、例えば図2に示すように正面視において挿入口23の上方に入力キー25と、挿入口23の左方にスピーカ穴26を有している。図2に示すように、入力キー25の裏面17側には、回路基板22が設けられている。これにより、表面16側から入力キー25を操作すると、その操作は回路基板22の図示しないスイッチに入力される。また、スピーカ穴26の裏面17側には、図3に示すようにスピーカ27が設けられている。スピーカ27から発生した音声は、スピーカ穴26を経由してケーシング13の外部へ放出される。
【0015】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態による読取ユニット保持装置30について説明する。
読取ユニット保持装置30は、ケーシング13と読取ユニット21とを保持する。読取ユニット保持装置30は、図3および図4に示すように突出鍔部31、柱部32、ピン部33、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36を備えている。突出鍔部31は、図4に示すように読取ユニット21に設けられている。この突出鍔部31は、読取ユニット21への外部記憶媒体24の挿入方向に対し、読取ユニット21から垂直に突出している。突出鍔部31は、挿入方向に対し直角に交差する長方形の板状に形成されている。突出鍔部31は、図5に示すようにケーシング13側の端面41と、収容室18側の端面42とを有している。また、突出鍔部31は、外部記憶媒体24の挿入方向と平行に貫く孔43を有している。この孔43は、板状の突出鍔部31を板厚方向へ貫いている。すなわち、孔43は、突出鍔部31の端面41と端面42とを接続している。孔43は、長方形の板状に形成された突出鍔部31において長手方向の各端部の近傍に設けられている。なお、突出鍔部31は、長方形状に限らず、例えば円環板状に形成してもよい。
【0016】
柱部32、ピン部33、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36は、ケーシング13と樹脂で一体に成形されている。また、柱部32、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36も、樹脂で一体に成形されている。柱部32は、ケーシング13の裏面17側から表面16とは反対側すなわち収容室18側へ概ね垂直に立ち上がっている。ここで、本明細書および請求の範囲における垂直とは、厳密な垂直ではなく、通常許容できる程度の誤差を含むものとする。柱部32は、挿入口23を挟んで一対設けられている。これにより、柱部32は、外部記憶媒体24の挿入方向に対して垂直な方向において挿入口23の両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、柱部32は、挿入口23の端部にそれぞれ一本ずつ設けられている。柱部32は、ケーシング13と樹脂で一体に成形されており、対向する間隔が可変な程度に弾性変形可能である。そのため、柱部32は、挿入口23側すなわち内側から力が加わると外側へ変形し、内側からの力が解除されると元の位置に復帰する。
【0017】
ピン部33は、柱部32と同様にケーシング13の裏面17側から表面16とは反対側すなわち収容室18側へ概ね垂直に立ち上がっている。ピン部33は、柱部32よりも挿入口23に近い側において挿入口23を挟んで一対設けられている。これにより、ピン部33は、柱部32よりも挿入口23に近い内側において、挿入口23の両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、ピン部33は、挿入口23の端部において柱部32よりも内側にそれぞれ一本ずつ設けられている。このピン部33は、突出鍔部31に設けられている孔43に挿入される。
【0018】
爪部34は、柱部32と一体に設けられている。爪部34は、一対の柱部32のそれぞれに設けられている。爪部34は、柱部32のケーシング13とは反対側の端部からピン部33側すなわち挿入口23側へ突出している。そして、傾斜案内部35は、この爪部34のケーシング13と反対側すなわち収容室18側に設けられている。傾斜案内部35も、各柱部32と一体の爪部34にそれぞれ設けられている。傾斜案内部35は、傾斜面状に形成されている。これにより、傾斜案内部35は、ケーシング13に近い側ほど対向する爪部34との間隔が縮小する。
【0019】
傾斜案内部35は、先端側ほど、すなわちケーシング13と反対側ほど対向する爪部34との間隔が大きくなる。この傾斜案内部35のケーシング13と反対側において対向する間隔は、読取ユニット21の突出鍔部31の長手方向の全長よりも大きい。一方、傾斜案内部35のケーシング13側において対向する間隔は、読取ユニット21の突出鍔部31の長手方向の全長よりも小さい。そのため、読取ユニット21の突出鍔部31を一対の傾斜案内部35に接触させると、突出鍔部31の端部はいずれも傾斜案内部35の途中に位置する。これにより、突出鍔部31と傾斜案内部35とが接した状態で読取ユニット21をケーシング13側に押し付けると、読取ユニット21は突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35に案内されながらケーシング13側へ移動する。
【0020】
移動規制部36は、爪部34と一体に設けられている。移動規制部36は、一対の爪部34のそれぞれに設けられている。移動規制部36は、爪部34においてケーシング13側の端部に設けられている。この移動規制部36は、読取ユニット21がケーシング13の裏面17に接しているとき、突出鍔部31のケーシング13と反対側すなわち収容室18側の端面42に接する。これにより、移動規制部36は、突出鍔部31をケーシング13側へ押し付け、読取ユニット21の収容室18側への移動を規制する。
【0021】
上述の構成による読取ユニット保持装置30による読取ユニット21の組み付けについて説明する。
上述のように傾斜案内部35は、ケーシング13側ほど対向する間隔が縮小している。そのため、図6に示すように読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31は、図7に示すように一対の傾斜案内部35の中間において傾斜案内部35に接する。このとき、突出鍔部31は、一対の傾斜案内部35のうち少なくともいずれか一方に接する。このように、突出鍔部31が一方の傾斜案内部35に接すると、突出鍔部31は一方の傾斜案内部35に沿って移動する。そして、図8に示すようにし、突出鍔部31は、両端部が一対の傾斜案内部35の双方に接するまでケーシング13側へ移動する。そして、図8に示す状態、すなわち突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35の双方に接すると、読取ユニット21はケーシング13側への移動が規制される。すなわち、読取ユニット21は、突出鍔部31が傾斜案内部35に接することにより、その取付位置が概略的に決定される。
【0022】
図8に示すように読取ユニット21の突出鍔部31の両端部が傾斜案内部35に接しているとき、ピン部33は突出鍔部31の端面41に接する高さ、またはこの端面41との間にわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、ピン部33は、読取ユニット21の突出鍔部31が傾斜案内部35の双方に接しているとき、先端が突出鍔部31の孔43にわずかに挿入された状態、またはわずかな移動で挿入される状態となっている。
【0023】
この図8に示す状態のとき、読取ユニット21をさらにケーシング13側へ押し付けると、突出鍔部31から傾斜案内部35にケーシング13方向の力が加わる。傾斜案内部35は、突出鍔部31に加わる力の向きに対して傾斜している。そのため、突出鍔部31から力が加わると、外側すなわち互いの間隔が拡大する方向へ変形する。そして、突出鍔部31は、爪部34の間隔が拡大するように柱部32を変形させつつ、爪部34をケーシング13側へ乗り越える。このとき、ピン部33は、すでに突出鍔部31の孔43に挿入されている。そのため、読取ユニット21は、傾斜案内部35に加え、突出鍔部31の孔43に挿入されたピン部33に案内されつつケーシング13側へ移動する。
【0024】
読取ユニット21の突出鍔部31が爪部34のケーシング13側の端部を乗り越え、図5に示すように読取ユニット21がケーシング13の裏面17に接する位置に到達すると、爪部34のケーシング13側に位置している移動規制部36は突出鍔部31の端面42に接する。その結果、爪部34と突出鍔部31とが噛み合った状態となり、読取ユニット21は収容室18側への移動が規制される。
【0025】
以上説明した第1実施形態では、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21から突出する突出鍔部31はケーシング13の傾斜案内部35に接する。対向する傾斜案内部35の間隔は、ケーシング13側ほど小さくなっている。そのため、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31が傾斜案内部35に接することにより、突出鍔部31が設けられている読取ユニット21は、ケーシング13側へ押し付けられ、傾斜案内部35によってケーシング13側へ滑らかに案内される。また、このように傾斜案内部35に突出鍔部31が接したとき、ケーシング13から立ち上がるピン部33は、その先端が突出鍔部31のケーシング13側の端面41と接する高さ、またはわずかな隙間を形成する高さに設定されている。そのため、読取ユニット21は、突出鍔部31を傾斜案内部35に接触させることにより、概略的な位置が決定されると同時に、突出鍔部31の孔43にピン部33の先端がほぼ挿入された状態となる。これにより、そのまま読取ユニット21をケーシング13側へ押し込むことにより、読取ユニット21は孔43に挿入されたピン部33によって位置が決定されつつケーシング13側へ移動する。柱部32は、弾性変形可能であるため、突出鍔部31が傾斜案内部35に沿ってケーシング13側へ移動するとき、その間隔が拡大する。そして、突出鍔部31が傾斜案内部35を乗り越えると、爪部34の先端に設けられた移動規制部36が突出鍔部31のケーシング13と反対側の端面42に接する。その結果、読取ユニット21の突出鍔部31は、ケーシング13の柱部32に設けられている爪部34に引っ掛かり、ケーシング13と反対側への移動が規制される。このように、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、読取ユニット21の突出鍔部31を傾斜案内部35に沿わせることにより読取ユニット21の位置が概略的に決定され、さらに読取ユニット21をケーシング13側へ押し込むことによりピン部33は突出鍔部31の孔43に挿入される。これとともに、突出鍔部31と移動規制部36を形成する爪部34とは噛み合った状態となり、読取ユニット21はケーシング13に保持される。したがって、ケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。これとともに、挿入口23を経由して挿入された外部記憶媒体24によって読取ユニット21に収容室18方向の力が加わっても、読取ユニット21はケーシング13に対し強固に保持することができる。
【0026】
さらに、第1実施形態では、ケーシング13の従来の構成が利用可能である。すなわち、第1実施形態では、従来ケーシング13をねじ止めするための雌ねじが設けられている筒部の構成を利用してピン部33を形成し、さらにピン部33の外側に一体の柱部32、爪部34、傾斜案内部35および移動規制部36を形成する。そのため、第1実施形態では、ケーシング13の設計および挿入口23の位置に大幅な変更を加える必要がない。したがって、ケーシング13の従来の構成を利用した簡単な設計の変更でケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。
【0027】
(第2実施形態)
第2実施形態による読取ユニット保持装置を図9に示す。
第2実施形態の場合、図9に示すように爪部34は、ケーシング13側の端部に設けられている移動規制部36と柱部32との間に隙間を形成している。そのため、爪部34は、柱部32とは独立して変形可能である。このように、爪部34のケーシング13側の端部において柱部32との間に隙間を形成することにより、傾斜案内部35に案内されつつケーシング13側へ移動した突出鍔部31は、柱部32から離れた位置にある移動規制部36と接する。これにより、突出鍔部31は、移動規制部36が設けられた爪部34と噛み合った状態となり、ケーシング13と反対側への移動が規制される。すなわち、突出鍔部31は、移動規制部36が設けられた爪部34にいわゆるはめ殺し状態で組み付けられる。
【0028】
このように移動規制部36が設けられた爪部34と突出鍔部31とが噛み合った状態のとき、図10に示すように読取ユニット21にケーシング13から遠ざかる方向の力すなわち収容室18側へ押し込む力Faが加わると、爪部34には柱部32側の付け根を支点としたケーシング13から遠ざかる方向のモーメント、すなわち収容室18側へのモーメントMaが生じる。この爪部34に生じるモーメントMaにより、ケーシング13とは反対側の先端に爪部34を一体に有する柱部32は、ケーシング13側の付け根を支点として対向する柱部32間の間隔が縮小する方向のモーメントMbが生じる。その結果、読取ユニット21へ外部記憶媒体24が押し込まれると、柱部32には互いの間隔が縮小する方向の力Fbが加わる。これにより、読取ユニット21へ外部記憶媒体24が押し込まれると、爪部34は突出鍔部31をよりケーシング13側へ締め付け、読取ユニット21は収容室18側への移動がより大きな力で規制される。
【0029】
読取ユニット21は、ケーシング13の挿入口23を経由して外部記憶媒体24が挿入される。このとき、外部記憶媒体24から読取ユニット21には、読取ユニット21を収容室18側へ押し込む方向へ大きな力が加わる。一方、読取ユニット21と移動規制部36が設けられた爪部34とが噛み合う力が小さい場合、読取ユニット21へ外部記憶媒体24を挿入するとき、読取ユニット21は収容室18側へわずかに移動する。また、押し込まれた外部記憶媒体24を読取ユニット21から引き抜くときも、読取ユニット21はケーシング13側へわずかに移動する。そのため、外部記憶媒体24を扱うユーザは、読取ユニット21のわずかな移動をがたつきとして不快に感じるおそれがある。
【0030】
これに対し、第2実施形態のように移動規制部36と柱部32との間に隙間を形成することにより、外部記憶媒体24が読取ユニット21へ押し込まれたとき、柱部32は互いの間隔が縮小し、移動規制部36から突出鍔部31にはケーシング13側への力が加わる。これにより、外部記憶媒体24の挿入によって読取ユニット21にケーシング13から遠ざかる方向の力が加わっても、読取ユニット21はケーシング13から遠ざかる方向への移動が規制される。したがって、読取ユニット21とケーシング13とを強固に保持することができ、ユーザに与える不快な手応えも低減することができる。また、この場合でも、爪部34の形状をわずかに変更するだけであるので、ケーシング13の大幅な設計の変更は必要としない。
【0031】
(第3実施形態)
第3実施形態による読取ユニット保持装置を図11に示す。
第3実施形態の場合、図11に示すように突出鍔部31は、円錐台孔51を有している。円錐台孔51は、突出鍔部31の端面41側に位置している。具体的には、円錐台孔51は、孔43のケーシング13側の端部に接続している。そして、円錐台孔51は、ケーシング13側ほど内径が拡大している。
【0032】
第3実施形態では、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、ケーシング13から立ち上がるピン部33は、突出鍔部31の円錐台孔51に案内されて孔43へ挿入される。そのため、読取ユニット21をケーシング13に取り付けるとき、突出鍔部31とケーシング13との位置を大まかに決定する場合でも、ピン部33は孔43へ滑らかに案内される。したがって、ケーシング13と読取ユニット21との位置の決定、およびケーシング13と読取ユニット21との組み付けを容易にすることができる。
【0033】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
図面中、10はセキュリティ装置、13はケーシング、16は表面、17は裏面、21は読取ユニット、23は挿入口、24は外部記憶媒体、30は読取ユニット保持装置、31は突出鍔部、32は柱部、33はピン部、34は爪部、35は傾斜案内部、36は移動規制部、43は孔、51は円錐台孔を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶媒体が挿入される挿入口を有し、表面側が外部に露出するケーシングと、
前記ケーシングの裏面側に設けられ、前記挿入口を貫いて挿入された外部記憶媒体からデータを読み取る読取ユニットと、
を備えるセキュリティ装置において、前記ケーシングと前記読取ユニットとを保持する読取ユニット保持装置であって、
前記読取ユニットから前記外部記憶媒体の挿入方向に対し垂直に突出し、各端部に前記外部記憶媒体の挿入方向と平行に貫く孔を有する突出鍔部と、
前記ケーシングの前記裏面側から前記表面とは反対側へ立ち上がり、前記挿入口を挟んで一対設けられ、弾性変形可能な柱部と、
前記ケーシングの前記裏面側から前記表面とは反対側へ立ち上がり、前記柱部よりも前記挿入口に近い側において前記挿入口を挟んで一対設けられ、先端が前記孔に挿入されるピン部と、
前記柱部にそれぞれ設けられ、前記柱部の前記ケーシングとは反対側の端部から前記ピン部側へ突出する爪部と、
前記爪部の前記ケーシングとは反対側に設けられ、前記ケーシングに近い側ほど対向する前記爪部との間隔が縮小する傾斜面状に形成され、前記突出鍔部と接することにより、前記読取ユニットの前記ケーシング側への移動を案内する傾斜案内部と、
前記爪部の前記柱部と反対側の端部において前記ケーシング側の端部に設けられ、前記読取ユニットが前記ケーシングの前記裏面に接しているとき前記突出鍔部の前記ケーシングと反対側の面と接することにより、前記読取ユニットの前記ケーシングとは反対側への移動を規制する移動規制部と、を備え、
前記ピン部は、前記読取ユニットの前記ケーシングへの取り付けに際して、前記突出鍔部が前記傾斜案内部に接したとき、前記突出鍔部の前記ケーシング側の端面に接する高さ、または前記端面との間にわずかな隙間を形成する高さに設定され、
前記突出鍔部は、前記傾斜案内部に案内されつつ前記爪部を乗り越えて前記ケーシング側に移動すると、前記移動規制部と接して前記ケーシングと反対側への移動が規制されるセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【請求項2】
前記爪部は、前記ケーシング側の端部に設けられている前記移動規制部と前記柱部との間に隙間を形成している請求項1記載のセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【請求項3】
前記突出鍔部は、前記孔の前記ケーシング側の端部に接続し、前記ケーシング側ほど内径が拡大する円錐台孔を有する請求項1または2記載のセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【請求項1】
外部記憶媒体が挿入される挿入口を有し、表面側が外部に露出するケーシングと、
前記ケーシングの裏面側に設けられ、前記挿入口を貫いて挿入された外部記憶媒体からデータを読み取る読取ユニットと、
を備えるセキュリティ装置において、前記ケーシングと前記読取ユニットとを保持する読取ユニット保持装置であって、
前記読取ユニットから前記外部記憶媒体の挿入方向に対し垂直に突出し、各端部に前記外部記憶媒体の挿入方向と平行に貫く孔を有する突出鍔部と、
前記ケーシングの前記裏面側から前記表面とは反対側へ立ち上がり、前記挿入口を挟んで一対設けられ、弾性変形可能な柱部と、
前記ケーシングの前記裏面側から前記表面とは反対側へ立ち上がり、前記柱部よりも前記挿入口に近い側において前記挿入口を挟んで一対設けられ、先端が前記孔に挿入されるピン部と、
前記柱部にそれぞれ設けられ、前記柱部の前記ケーシングとは反対側の端部から前記ピン部側へ突出する爪部と、
前記爪部の前記ケーシングとは反対側に設けられ、前記ケーシングに近い側ほど対向する前記爪部との間隔が縮小する傾斜面状に形成され、前記突出鍔部と接することにより、前記読取ユニットの前記ケーシング側への移動を案内する傾斜案内部と、
前記爪部の前記柱部と反対側の端部において前記ケーシング側の端部に設けられ、前記読取ユニットが前記ケーシングの前記裏面に接しているとき前記突出鍔部の前記ケーシングと反対側の面と接することにより、前記読取ユニットの前記ケーシングとは反対側への移動を規制する移動規制部と、を備え、
前記ピン部は、前記読取ユニットの前記ケーシングへの取り付けに際して、前記突出鍔部が前記傾斜案内部に接したとき、前記突出鍔部の前記ケーシング側の端面に接する高さ、または前記端面との間にわずかな隙間を形成する高さに設定され、
前記突出鍔部は、前記傾斜案内部に案内されつつ前記爪部を乗り越えて前記ケーシング側に移動すると、前記移動規制部と接して前記ケーシングと反対側への移動が規制されるセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【請求項2】
前記爪部は、前記ケーシング側の端部に設けられている前記移動規制部と前記柱部との間に隙間を形成している請求項1記載のセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【請求項3】
前記突出鍔部は、前記孔の前記ケーシング側の端部に接続し、前記ケーシング側ほど内径が拡大する円錐台孔を有する請求項1または2記載のセキュリティ装置の読取ユニット保持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−59935(P2012−59935A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201935(P2010−201935)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]