説明

セキュリティ装置

装置の第1の領域に、透明で、着色された要素(2)を含み、そして該装置の表面に第1の光学的に可変の効果を発生するレリーフ構造(21)が形成されたセキュリティ装置。反射促進層(30)が、該第1の光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造(21)の上に広がっており、そして該レリーフの輪郭に追従しており、該反射促進層はまた、該装置の第2の領域にも、該第1の領域から横方向にずれて与えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ装置、特には光学的に可変の効果を発生させる構造の組み込み、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的に可変の効果を発生させる構造、例えばホログラムおよび回折格子は、ここ数年に亘って、例えば銀行券、クレジットカードなどの貴重な書証に安全性を付与するために、広汎に用いられてきている。好都合にも、この構造は、転写箔上に与えられ、そして次いでこの転写箔から最終的な基材上にホットスタンプ加工される。この取り組みの初期の例が、米国特許第4728377号明細書中に記載されている。
【0003】
そのような装置の安全性の向上の必要性が存在し、そして1つの取り組みが欧州特許出願公開第1294576号明細書中に記載されている。この場合には、ホログラムまたは回折格子が、表面のレリーフと密接に接触して与えられた2種もしくは3種以上の金属によって、空間的に調製されている。これは、回折光の強度を、複製が、型にはまらないそして困難なように変化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、2種の金属の使用は、実際面では困難でありそして費用が掛かり、そして簡単な取り組みを与える必要性がある。更に、蒸気堆積された金属は、非常に限定された色の選択しか与えない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、セキュリティ装置は、透明で、着色された要素をその装置の第1の領域に含み、そしてその表面に第1の光学的に可変の効果を発生させるレリーフ構造が形成され、そして反射促進層が、第1の光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造の上に広がり、そしてこのレリーフの輪郭に追随しており、この反射促進層はまた、この装置の、第1の領域から横方向にずれた第2の領域にも与えられている。
【0006】
新規なセキュリティ装置が開発され、それは着色された要素から光学的に可変の効果を与え、そして第2の領域に反射促進層を与えることによって光学的に可変の効果を促進するために用いられる反射促進層を利用する。第2の領域では、反射促進層は、単に平坦な層であることができ、それは観察者に、特徴的で、単純な外観を与えるか、またはそれには表象、記号などを画定する模様を形成することができる。特に好ましい態様では、第2の領域は、第1の透明で着色された要素の色とは異なる、第2の透明で、着色された要素を含んでおり、第2の透明で、着色された要素の表面は、第2の光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造を与えられており、反射促進層は、第2の光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造の上に広がっており、そしてこのレリーフの輪郭に追随している。このことが、多色の装置を与え、そこでは両方の色が、反射促進層によって強められる。
【0007】
反射促進層は、金属層であることができ、これは純粋な金属または金属含有層、あるいは高屈折率層、例えばZnSなどであることができる。
【0008】
金属層もしくは金属質層が与えられた場合には、これは第1領域中の少なくとも透明で、着色された要素と組み合わされて、珍しい、着色された、金属効果を、観察者に与える。
【0009】
上記のように、反射促進層は、表面レリーフの輪郭に追随し、そして典型的には、反射促進金属質層は、ミクロ構造が形成されている要素の表面に接触している。しかしながら、反射促進層は、中間層が、繰り返しになるが、反射促進層が表面レリーフの外観に追随できるほどに、十分に薄い限りにおいて、中間透明層などによって、この要素から間隔を置くことができる。
【0010】
典型的には、第2の領域は、第1の領域を取り囲む、または完全に包み込むが、場合によっては、ただ1つの次元において、横方向にずれていることができる。
【0011】
反射促進層の1部もしくはそれ以上が、1つもしくは2つ以上の表象、記号、英数字、または他の図形として形成されれば、特に好都合である。このことが、種々の記号が、1方または両方の領域に与えられることを可能にし、そしてこれらを、セキュリティ装置が与えられる物品に関連付けることができる。
【0012】
第1および第2領域は、互いに空間を置く、または隣接することができる。前者の場合には、第1および第2の要素が与えられると、異なる光学的に可変の効果を発生する表面レリーフミクロ構造を、それぞれの要素上に与えることができ、一方で、後者の場合には、典型的にはこれらの要素の表面は、同一の光学的に可変の効果の表面レリーフミクロ構造の、異なる部分が形成される。
【0013】
本装置は、種々の異なる方法、例えば保護される物品上に直接に構築することができるが、しかしながら典型的には、最初は、転写構造の形態で提供される。他の態様では、本セキュリティ装置は、細片集合体を形成するように用いることができる。
【0014】
本装置を物品へと接着させるために、本装置は好ましくは、更に接着層、例えば感光性、または感熱性の接着層を、透明基材の上に含んでいる。あるいは、接着剤を、この物品自体の上に与えることができる。
【0015】
この、もしくはそれぞれの光学的に可変の効果を発生する表面レリーフミクロ構造は、いずれかの慣用の形態を有することができるが、しかしながら典型的には、ホログラム、回折格子、プリズム状の構造、およびマイクロレンズ・アレイの1種もしくは2種以上を含んでいる。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、セキュリティ装置の製造方法は、第1の領域に透明で、着色した要素を画定するように、担体上に硬化可能な材料を与えること;光学的に可変な効果の表面レリーフミクロ構造を備えた、要素の表面を形成すること;この材料を硬化させて、このミクロ構造を硬化させた材料によって保持させるようにすること;ならびに第1の光学的に可変な効果の表面レリーフミクロ構造の上に広がり、このレリーフの輪郭に追随する反射促進層を与えること、を含んでおり、この反射促進層はまた、第1の領域から横方向にずれた第2の領域にも与えられている。
【0017】
この方法で用いることができる技術としては、注型硬化、熱エンボス加工およびその場重合複製(ISPR)が挙げられる。この後者の技術の例としては、UVキャスティングがある。
【0018】
米国特許第4758296号明細書には、UVキャスティングによって生成されたホログラム箔の生成が記載されており、ホットスタンプ加工を用いて、パッチとして基材に転写することができる。ホットスタンプ加工を促進するために、脆くで、スタンピングダイによって接触された領域の端で割れることができる、UV硬化性ポリマーが選ばれる。この解決法は、可撓性の書証に関する用途には理想的ではない、何故ならば、脆い材料の使用は、特に、銀行券での場合のように、この書証が、流通の間に繰り返し折り曲げられるか、またはもみくちゃにされる場合には、最終的な装置の耐久性を低下させるからである。また、脆い材料の使用は、この装置がより厚くなればなるほど、より問題であり、従来技術の解決方法を、非ホロラムミクロ光学的装置の複製により好適でないものにする。
【0019】
好ましい態様では、本方法は、第2の、透明で着色された要素を担体上の第2の領域に与えること、この第2の要素は、第1の透明で、着色された要素の色とは異なる色を有しており、第2の、透明で、着色された要素の表面に、第2の、光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造を与えること、を更に含んでおり、この反射促進層は、第2の、透明で着色された要素の上に与えられ、このレリーフの輪郭に追随する。好ましくは、この2つの領域は、間隔を空けてあり、そしてそれぞれに反射促進層が形成されている。このことの利点は、硬化された材料は、ホットスタンプ加工の間に割れなくてよいこと、そして従って、ホットスタンピングの間に、またはラベルとして、物品上に容易に転写することができることである。同様の取り組みが米国特許第6,302,989号明細書中に記載されている。
【0020】
好ましくは、反射促進層はまた、硬化された要素の間、および/または硬化された要素の横方向の外側の領域にわたって広がる。
【0021】
光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造は、硬化された材料または硬化性材料中にエンボス加工することができ、あるいは他の知られている方法、例えば注型硬化によって与えることができる。
【0022】
典型的には、硬化性材料の別個の領域が、担体上に印刷されるが、しかしながら他の知られた堆積の形態も用いることができる。
【0023】
反射促進層は、要素および、硬化された材料、もしくは硬化性材料がない領域の両方の上に与えることができる。
【0024】
反射促進層は、純粋な金属、例えばアルミニウム、銅または金から形成することができ、あるいは1種もしくは2種以上の着色剤を含むことができる。
【0025】
本方法は、1つまたは2つ以上の表象、記号、英数字または他の図形として反射促進層の部分を形成すること、を更に含むことができる。この場合には、この形成工程は、金属質層を選択的に脱金属化することを含むことができる。
【0026】
本セキュリティ装置を物品上に固定するために、接着剤層を与えることが必要である。接着剤層は、物品上に与えることがで、そして次いでセキュリティ装置を、この接着剤に接触させるが、好ましくは、本方法は、接着剤層、例えば感光性または感熱性接着剤層を、硬化され、エンボス加工された材料の上に、そして、与えられるのであれば、反射促進層の供給の後に、与えることを更に含んでいる。
【0027】
本発明によるセキュリティ装置を与えることができるものの例としては、銀行券、小切手、パスポート、身分証明書、鑑定書、収入印紙および価値や個人の身元を保障する他の書証が挙げられる。
【0028】
本発明によるセキュリティ装置および製造方法のいくつかの例を、添付する図面を参照して、公知の例と対照してここに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、公知の製造装置の概略図である。
【図1A】図1Aは、図1と同様の図であるが、本発明による方法に用いられる装置である。
【図2】図2は、比較例を示している。
【図3A】図3Aおよび3Bは、本発明の例によって作られたセキュリティ装置の、縮尺無しの、それぞれ平面図および断面図である。
【図3B】図3Aおよび3Bは、本発明の例によって作られたセキュリティ装置の、縮尺無しの、それぞれ平面図および断面図である。
【図4A】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図4B】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図5A】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図5B】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図6A】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図6B】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図7A】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【図7B】図4A、4B、5A、5B、6A、6B、7Aおよび7Bは、それぞれ図3Aおよび3Bと同様の図であるが、本発明による異なる方法によって作られたセキュリティ装置の更なる例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、当技術分野で現在知られている連続現場重合複製プロセスの概略を示している。
【0031】
ポリマー材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)または二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)のウェブ2は、リール4から巻き戻され、そしてコーティング設備8中で、UV硬化性樹脂6でコーティングされる。任意の乾燥チャンバー10を、この樹脂から溶媒を除去するために用いることができる。ウェブ2上の樹脂6は、次いでこの樹脂中に、このローラーに浮き彫りされた、光学的に可変のミクロ構造を複製するために、エンボスローラー12と接触される。エンボス加工された6は、次いで硬化され(cured)、そして適切な輻射線、例えば紫外光14を用いて、エンボスローラー12と接触させながら、硬化される(hardened)。光学的に可変のミクロ構造を含む最終的なウェブは、次いでリール16上に巻き直される。
【0032】
樹脂6は、典型的には、精密ビードコーティング、直接および間接グラビアコーティング、マイヤーバーコーティングまたはスロットコーティングの1つを用いて、基材に適用される。輻射線硬化性材料は、好ましくは、典型的には下記の2つの種類であることができる樹脂を含む:
a)例えばビニルまたはアクリレート不飽和を含む、不飽和樹脂またはモノマー、プレポリマー、オリゴマーなどであり、そして用いられる輻射線源、例えばUVによって活性化される光開始剤の使用によって架橋される、フリーラジカル硬化樹脂。
【0033】
b)光開始剤、または用いられた輻射線源、例えばUVの下で、イオン性単位を発生する触媒を用いて、開環(例えばエポキシ型)がもたらされるカチオン性硬化樹脂。この開環は、次いで分子間の架橋が起こる。
【0034】
硬化を起こすために用いられる輻射線14は、典型的にはUV放射であるが、しかしながら材料、その吸光度および用いられるプロセスによって、電子線、可視、または更には赤外もしくは高波長輻射線を含むことができる。ウェブ2は、好ましくはポリマーフィルムであり、そして実質的に透明であるので、光学的に可変の効果の構造は、ウェブ上の透明樹脂6の表面上に与えることができ、それは使用においては外部に曝されず、一方で基材を通して光学的に可変の効果が見えることを可能にする。本発明に好適な可撓性のポリマーフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(塩化ビニリデン)(PVdC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリプロピレンが挙げられる。
【0035】
光学的に可変の構造は、ホログラムまたは回折格子または非ホログラムミクロ光学構造を含むことができる。プリズム状の構造は、ミクロ光学構造の好ましい様式である。この発明に好適なプリズム状構造の例としては、溝を付けられた表面を形成するように配置された平面の彫面を備えた一連の平行な線形プリズム、四面体の制御された配列、四角錐の配列、コーナーキューブ構造の配列、および六角形の面の(hexagonal-faced)コーナーキューブの配列が挙げられるが、しかしながらそれらには限定されない。ミクロ光学構造の第2の好ましい様式としては、マイクロレンズとして機能するもの、例えば均質な材料の好適に湾曲された表面で光を屈折させるもの、例えば平凸小型レンズ、両凸小型レンズ、平凹小型レンズ、および両凹小型レンズがある。他の好適なミクロ光学構造としては、ドーム、半球、六角形、正方形、錐、階段付き構造、立方体、またはそれらの組み合わせを基にした幾何学形状が挙げられる。この新規なプロセスでは、光学的に可変の構造を含む、より複雑で、安全な、そして審美的に満足のゆくセキュリティ装置が生成されることを可能にするように、既知のプロセスが修正されている。
【0036】
この新規なプロセス(図1Aおよび2)では、輻射線硬化性樹脂が、典型的には印刷設備7で、コーティング設備8の場所で、可撓性ポリマー基材ウェブ2上の剥離層3上に部分的にだけ印刷されることによって、そして、典型的にはエンボスローラー12上の光学的に可変のミクロ構造に見当を合わせて(in register with)適用される。少なくとも1つの着色された輻射線硬化性樹脂は、1つもしくは2つ以上の光学的に可変のミクロ構造のそれぞれに見当を合わせて用いられる。好適な印刷方法としては、直接および間接グラビア印刷、フレキソ印刷、平板印刷およびスクリーン印刷が挙げられる。
【0037】
従って、図1Aおよび2では、図1中のコーティング設備8は、輻射線硬化性樹脂を、局在化された領域またはパッチ20に適用できるように、典型的には印刷できるように、修正されている。このことは、樹脂6は、ウェブ2上の、最後にセキュリティ装置を形成する領域20に適用するのが必要なだけである、という利益を有している。輻射線硬化性樹脂6が局所的に適用された領域20は、好ましくは、図2中に概略的に示されているように、エンボスローラー12上の光学的に可変のミクロ構造22と見当を合わせされており、樹脂20の領域は、エンボスローラー12上のミクロ構造22のそれぞれの領域と位置を調整されている。このことの結果は、ポリマー担体ウェブ2の全域にわたる、所望の光学的に可変の効果を示す、一連のパッチまたは個別の装置である。
【0038】
硬化の後に、パッチまたは個別の装置20は、次いで慣用のホットスタンピング転写プロセスを用いて、保護書証、例えば銀行券に容易に転写することができる、何故ならば、スタンピング用具は、本質的に強い輻射線硬化された樹脂を切り裂く必要はなく、その代わりに、ポリマー担体基材上の剥離層に侵入することだけを必要とするからである。装置20の間の空間24は、装置の境界を画定している。
【0039】
光学的に可変の効果が、ホログラムを発生する構造である場合には、そしてこのことによって、我々は、光の回折のメカニズムにより図形画像を発生させる構造を意味しているが、その場合には、反射促進層が、通常は、この光学的に可変のミクロ構造の上に与えられる。ホログラム発生構造としては、以下の網羅的ではない技術のリスト、光干渉法ドットマトリックス干渉法、平板印刷干渉法またはe−ビーム食刻、によって形成されたものが挙げられる。反射促進層は、真空堆積金属質層、印刷された金属質層または実質的に透明な高屈折率層であることができる。蒸気堆積された金属質層が用いられる場合には、この装置が物品もしくは書証に固定された時に、これはエッチングなどによって選択的に脱金属して、下にある情報が見えるようにすることができる。
【0040】
図2中で生成されたセキュリティ装置の安全性は、着色された輻射線硬化性樹脂の使用によって増大する。樹脂6は、染料または顔料を用いることによって着色することができる。この樹脂は、最終的な回折要素が再現するためには、なお実質的に透明であることが必要とされるので、従って、顔料よりも染料が、好ましい着色方法である。このことは、着色されたホログラムまたは回折性のセキュリティ装置の作成を可能とさせる。従来は、異なる背景色の変化は、異なる色に着色された反射促進層を用いることによって、例えば、蒸気堆積アルミニウムを蒸気堆積された金もしくは銅によって置換することによって達成されたが、しかしながら、この場合には、利用できる色の選択は、費用効率の高い蒸気堆積に好適な比較的に少ない数の金属に限定される。
【0041】
図3は、本発明によるセキュリティ装置の第1の態様を、断面図(3B)および平面図(3A)で示しており、輻射線硬化性樹脂が、2色に着色された背景を備えた装置を生成するように着色されている。この例では、輻射線硬化性樹脂パッチまたは要素20は、染料もしくは顔料のいずれかを用いて緑色に着色されており、ポリマー担体ウェブ2上にコーティングまたは印刷されている。必要であれば、任意の剥離層3が、ポリマー担体基材の表面上に直接に用いられ、そして更に保護/支持層5を、この剥離層3の上に与えることができる。保護層5は、好ましくは、慣用のホットスタンプ加工された箔において、スカフ(scuff)コートとして通常用いられている型の慣用の熱的/化学的に架橋された層である。そのような層は、UV硬化層とは異なって、ホットスタンププロセスの間により容易に破壊される。この例では、輻射線硬化性樹脂は、別個の領域20に適用され、それはエンボスローラー(示されていない)上のホログラムの光学的に可変なミクロ構造が記録される。次いで、これは、21に示されているように、樹脂要素20へとエンボスまたは注型される。これは、次いで、21に示されるように、樹脂要素20中へと、エンボスされるか、または注型される。図3は、ホログラムの光学的に可変なミクロ構造21と輻射線硬化性樹脂要素20との間の正確な見当合わせ(registration)を示しているが、しかしながら実際には、製造ばらつきを許容するために、ホログラムの可変なミクロ構造は、少しだけ差し込み(inset)になっていてもよい。輻射線硬化性樹脂は、光学的に可変のミクロ構造が、輻射線硬化性樹脂によって取り囲まれているように見当合わせされるという主な要求を伴い、必ずしもホログラムの光学的に可変のミクロ構造と同じ輪郭に追随する必要はない。反射促進層30が、次いでセキュリティ装置の上に連続相として適用され、この場合には蒸気堆積アルミニウム層が用いられている。図面中には示されていなが、この金属層は、表面レリーフミクロ構造の輪郭に追随する。(同じことが、全ての他の態様でもその通りである。)好ましくは、反射促進層は、純粋な金属、例えばAl、CuまたはAuであるが、しかしながらこれは必須ではない。あるいは、反射促進層は、実質的に透明な高屈折率(hri)層であることができる。そのような材料、典型的には無機の材料は、当技術分野でよく知られており、そして米国特許第4856857号明細書中に記載されている。高屈折率層に好適な材料の典型的な例としては、硫化亜鉛、二酸化チタンおよび二酸化ジルコニウムが挙げられる。蒸気堆積金属反射促進層を、透明hri層で置き換えることは、本発明のセキュリティ装置が、保護書証の透明な領域(典型的には、開口部または窓として知られている)の上に適用される場合に、特に有益である。例えば、図3Aおよび3B中に示されたセキュリティ装置の反射促進層が、透明のhri層で置き換えられたならば、反射で見た場合には、ゾーンA中のホログラム画像は、反射による緑色の背景に照らして見え、そしてゾーンBは無色に見える。透過で見る場合には、ゾーンAは、透明な背景に照らして、緑色に見える。ホログラム画像は、透過で見る場合は容易には現れず、そして従って、反射と透過の見え方の状態の間の対照を、認証の方法として用いることができる。
【0042】
最後に、接着剤層32が反射促進層30に適用され、この装置を、貴重な書証に適用することを可能にする。このセキュリティ装置は、次いで、ホットスタンプ加工によって、保護書証に転写される。転写の後に、担体ウェブ1は、取り外すことができ、セキュリティ装置を暴露された層として残す。
【0043】
図3A中のセキュリティ装置を見ると、一旦保護書証に適用されると、光学的に可変なミクロ構造21によって画定されたホログラム画像は、金属質の反射促進層30と着色された輻射線硬化樹脂20との組み合わせの結果として、緑色の金属質の背景に照らして見えるゾーンA中に観察される。装置の残り(ゾーンB)は、蒸気堆積アルミニウム層30のために、金属銀のように見え、そして従って、二色のホログラムの光学的に可変な装置が生成される。
【0044】
図4Aと4Bは、図3Aと3B中のセキュリティ装置の更なる変更を示しており、蒸気堆積アルミニウム層30は、別個の星型の金属質画像40を生成するように脱金属されている。示されてはいないが、ホログラムの光学的に可変のミクロ構造と接触しているこのアルミニウム層はまた、ホログラム画像内部に小区域を生成するように脱金属されることができる。
【0045】
本発明の好ましい態様は、1つもしくは2つ以上のホログラム発生ミクロ構造の形態で光学的に可変なミクロ構造を含むセキュリティ装置であり、この1つもしくは2つ以上のホログラム発生ミクロ構造は、輻射線硬化性樹脂の層の少なくとも1つの領域中に形成され、この層は、少なくとも2つの異なるように着色された樹脂の見当合わせされた印刷によって与えられる。好ましくは、異なるように着色された樹脂は、1つもしくは2つ以上のホログラム発生ミクロ構造に見当合せされる。図5Aおよび5Bは、そのような装置の平面図および断面図をそれぞれ示している。図5から分かるように、緑色に着色された第1の輻射線硬化性樹脂要素50は、第1のホログラムミクロ構造52と見当合せされて、ゾーンA中に第1のホログラムが図を画定する。青に着色された、そして要素52から横方向にずらされた第2の輻射線硬化性樹脂要素54は、第2のホログラムミクロ構造と見当合されて、ゾーンB中に第2のホログラム画像を画定する。次いで、反射促進層30は、セキュリティ装置上に連続層として適用され、この場合には、蒸気堆積アルミニウム層が用いられている。最後に、接着剤層32が、反射促進層に適用されて、この装置が貴重な書証に適用されることを可能にする。保護装置を見ると、ゾーンA中のホログラム画像が、金属質の緑色背景に照らして見え、そしてゾーンB中のホログラム画像が、金属質の青色の背景に照らして見えるが、一方で、装置の残り(ゾーンC)は、蒸気堆積アルミニウム層30のために、金属銀のように見える。光学的に可変なセキュリティ装置が生成され、これは3つの異なる反射促進層を有するように見えるが、しかしながら2つの異なるように着色された輻射線硬化性樹脂を、ISPRプロセスの第1の段階として、見当合わせして印刷することによって生成されている。
【0046】
図5Aおよび5B中のセキュリティ装置の保護性は、異なるように着色された輻射線硬化性樹脂要素の数を増やすことによって更に高めることができ、そして好ましくは、それらは、更なるホログラム発生ミクロ構造と見当合せして印刷される。図6Aおよび6Bは、そのような構造の例を示している。緑色に着色された第1の輻射線硬化性樹脂要素50および黄色に着色された第2の輻射線硬化性樹脂要素54は、第1のホログラムミクロ構造52と見当合せして印刷されて、ゾーンA中に多色の背景とともに、第1のホログラム画像を画定する。青色に着色された第3の輻射線硬化性樹脂要素60は、第2のホログラムミクロ構造56と見当合せして印刷されて、ゾーンB中に、第2のホログラム画像を画定する。最後に、蒸気堆積アルミニウム層30が、次いでゾーンC中以外の、非ホログラム画像領域40中の金属を取り除くように脱金属され、平坦な金属質領域が、識別記号62を形成し、これは、この場合には保護しようとする保護書証の額面金額である。この例は、異なるように着色された輻射線硬化性樹脂要素が、単一のホログラムミクロ構造に、結果として得られるホログラム画像が、異なる背景色を有するような仕方で見当合わせされる。変形としては(示されてはいない)平坦な金属質領域62は、割愛することができる。
【0047】
図7Aおよび7Bは、2つの異なるように着色された輻射線硬化性樹脂要素を備えた着色されたホログラム細片の平面および断面図を示しており、反復するホログラムミクロ構造74に重ね合された緑色に着色された輻射線硬化性樹脂要素70および青色に着色された輻射線硬化性樹脂要素72である。この構造は、剥離および保護層3、5によって担体ウェブ上に支持されている。蒸気堆積されたアルミニウム層30は、装置上に適用され、そして次いで異なるように着色された輻射線硬化性樹脂70、72に見当を合わせて脱金属される。最終的な細片は、ホログラム画像の反復の意匠を有しており、これを、交互の緑色および青色の金属質の背景(それぞれゾーンAおよびB)上に見ることができる。この技術の1つの利点は、これを、連続した細片に沿って、一連の、異なるように着色された別個のホログラムパッチの幻影を与えるように用いることができることである。
【0048】
上記の例の全てにおいて、反射促進層は、蒸気堆積アルミニウム層30であった。また、異なる蒸気堆積された金属、例えば銅および金を用いることがもちろん可能であり、そして2種以上の金属を、単一の装置上に用いて、より以上に安全な装置を生成することができる。
【0049】
更なる態様では、蒸気堆積金属層は、印刷された金属質層によって置き換えることができる。蒸気堆積金属質層に比べて、金属質インキを用いることの利点の1つは、例えば顔料または染料を用いることによって、金属質インキに、着色剤を加える能力である。このことは、反射性層が、多色の金属質インクの見当を合せた印刷によって形成されるために、多色のホログラムの生成を可能にする。更に、インク中の金属フレークを、典型的にはアルミニウム(銀効果)、青銅(金効果)、鉄または亜鉛から、異なるように着色された効果を与えるように変更することができる。
【0050】
印刷された金属質インク層の明るさは、国際特許出願PCT/GB2008/003634号中に記載されているように、追加的な目視的には透明で、高屈折率の層をこの構造中に組み入れることによって高めることができる。高屈折率によって、我々は、エンボス加工された基層の屈折率よりも、数値で0.5以上大きい屈折率を意味している。エンボス加工された基層の屈折率は、典型的には1.45〜1.55の範囲に入るので、従って、高屈折率材料は、2.0以上の屈折率を有するものである。実際には、良好な視覚的に透明な透明性を備えた高屈折率材料は、2.0〜2.5の範囲の屈折率を有している。
【0051】
最適な明るさは、高屈折率層の第1および第2の表面から回折される2つの部分の大きさの間の干渉による強め合いを確実にするのに必要とされる高屈折率層の厚さを、注意深く決めることによって達成することができる。第1の表面は、エンボス加工された基層の表面レリーフとの界面を形成するものであり、一方で、第2の層は、金属質インクとの界面を形成するものである。2つの部分的な回折された大きさの間の干渉による強め合いを確実にするのに必要とされる高屈折率層の厚さは、2つの厳密に平坦な界面から反射される部分的な大きさの間の干渉による強め合いを確実にするのに必要とされるものとは異なり、そして、その正確な値は、光学的に可変のミクロ構造中に存在する周期性および大きさに依存するので、実際的な方法によって経験的に最もよく決定される。
【0052】
図1中に示したISPR法の変形(図1A)を、この新規な方法を用いてセキュリティ装置を形成するために用いることができる。
【0053】
第1の段階は、1つもしくは2つ以上の輻射線硬化性樹脂要素を、ポリマー担体フィルム上に印刷して、ここではそれぞれの樹脂要素は好ましくは染料または顔料によって着色されており、それによって、それらが、2種以上の基本色を備えた最終的な装置を与えるようにする。樹脂は、最終的な回折/ホログラム要素が再現するために、実質的に透明であることがなお必要であり、そして従って、顔料よりも、染料が、好ましい着色方法である。光学的に可変のミクロ構造が、次いで、例えば図1中に示されるようにエンボス加工ローラーを用いて、1つもしくは2つ以上の樹脂要素中に注型されて、基層の着色された模様に見当合せをされた意匠を生成する。
【0054】
反射促進層は、次いで、輻射線硬化性樹脂要素の上に、連続層または部分的な層のいずれかとして、好ましくは1つもしくは2つ以上の輻射線硬化性樹脂または光学的に可変のミクロ構造のいずれかに見当合せをして、適用される。反射促進層は、蒸気堆積または印刷によって適用することができ、そして2つ以上の反射促進層を適用して、更なる色彩効果を生み出すように適用することができる。
【0055】
完成した装置は、物品または書証に、種々の異なる方法で適用することができ、その内の幾つかを下記に説明する。セキュリティ装置は、細片もしくはパッチの場合のように、書証の表面全体に、または書証の表面の部分的にだけ見ることができるように、窓を開けたセキュリティースレッドの形態のいずれかで、配置することができる。
【0056】
セキュリティースレッドは、世界の通貨、ならびに証明書、パスポート、トラベラーズチェックおよび他の書証の多くに、現在存在している。多くの場合において、このスレッドは、部分的に埋め込まれた、または窓を開けた仕方で与えられており、このスレッドは、紙の中と外を行ったり来たりするように見える。いわゆる窓を開けたスレッドを備えた紙を生成するための1つの方法を、欧州特許第0059056号明細書中に見ることができる。欧州特許第0860298号明細書および国際公開第03095188号に、より幅広い、部分的に暴露されたスレッドを紙基材中に埋め込むための異なる取り組みが記載されている。典型的には2〜6mmの幅の、幅広のスレッドは、付加的に暴露された領域が、例えば本発明のような、光学的に可変の装置、のより良好な使用を可能にするので、特に有用である。
【0057】
本装置は、書証中に、その装置の領域が、その書証の両方の側から見ることができるように組み込むことができる。紙およびポリマー基材の両方に透明な領域を形成するための技術は、当技術分野において知られている。例えば、国際公開第8300659号には、基材の両面上に不透明化コーティングを含む、透明基材から形成されたポリマー銀行券が記載されている。この不透明化コーティングは、基材の両面上の局在化された領域では、削除されて、透明な領域を形成する。1つの態様では、ポリマー銀行券の透明の基材はまた、セキュリティ装置の担体基材を形成する。
【0058】
あるいは、本発明のセキュリティ装置は、それが基材の片側からだけ見えるように、ポリマー銀行券中に組み込むことができる。この場合には、セキュリティ装置は、透明のポリマー基材に適用され、そして基材の片側上では、不透明化コーティングは、セキュリティ装置が見ることができるように、削除され、一方で、基材の他の側では、不透明化コーティングは、それがセキュリティ装置を見えなくするように、セキュリティ装置の上に適用される。
【0059】
セキュリティ装置を、それが紙製書証の両側から見えるように組み込む方法が、欧州特許第1 141480号明細書および国際出願第03054297号中に記載されている。欧州特許第1141480号明細書中に記載されている方法では、装置の片側は、書証の片面に全体が暴露されていて、書証の中に装置が部分的に埋め込まれており、そして基材の他の面では、窓の中に、部分的に暴露されている。
【0060】
細片またはパッチの場合には、セキュリティ装置は、担体基材上に形成され、そして続く作業工程で、セキュリティ基材に転写される。本装置は、接着剤層を用いて、セキュリティ基材に適用することができる。この接着剤層は、本装置または本装置が適用されるセキュリティ基材の表面のいずれかに適用され、転写の後に、担体基材は、取り除くことができ、セキュリティ装置を暴露された層として残す。
【0061】
本セキュリティ装置の適用に続いて、本セキュリティ基材は、標準的なセキュリティ印刷プロセス、例えば、湿式もしくは乾式平板印刷、凹版印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、および/またはグラビア印刷の1つもしくは全てに掛けて、保護書証が生成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティ装置であって、該装置の第1の領域内に透明で、着色された要素を含み、かつ該装置の表面に、第1の光学的に可変な効果を発生するレリーフ構造が形成されており、そして反射促進層が、該第1の光学的に可変な効果を発生するレリーフミクロ構造の上に広がり、かつ該レリーフの輪郭に追随しており、該反射促進層はまた、該第1の領域から横方向にずれた、該装置の第2の領域にも与えられている、装置。
【請求項2】
前記反射促進層が、前記第1の領域から前記第2の領域に連続的に広がっている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記反射促進層が、前記第1の領域と前記第2の領域のそれぞれの、別個の部分に与えられている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第2の領域が、前記第1の領域に取り囲まれている、請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記第2の領域が、前記第1の透明で着色された要素の色と異なる色を有する第2の、透明で着色された要素を含んでおり、該第2の透明で着色された要素の表面が、第2の光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造を与えられており、前記反射促進層が、該第2の光学的に可変な効果を発生するレリーフミクロ構造の上に広がっており、かつ該レリーフの輪郭に追随している、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2の光学的に可変な効果を発生するレリーフミクロ構造が、それぞれに異なっている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記反射促進層が、金属層または高屈折率層の1つである、請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記反射促進層の1つもしくは2つ以上の部分が、1つもしくは2つ以上の表象、記号、英数字、または他の図形として形成された、請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の要素が、異なる形状を有している、請求項5記載の装置。
【請求項10】
前記透明基材の上に、接着剤層、例えば感光性または感熱性接着剤層を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記もしくはそれぞれの光学的に可変の効果を発生する表面レリーフミクロ構造が、ホログラム、回折格子、プリズム状構造およびマイクロレンズ・アレイの1種もしくは2種以上を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記第1の領域の連続した透明で着色された要素の色が、それぞれに異なっており、支持体に沿って間隔を置いて、請求項1〜11のいずれか1項記載のセキュリティ装置の配列を有する細片集合体。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載のセキュリティ装置を含む転写構造体であって、剥離層を介して担体上に支持されており、該担体から最も遠いその表面上に接着剤剤を有している転写構造体。
【請求項14】
セキュリティ装置の製造方法であって、
担体上に硬化性材料を与えて、第1の領域に、透明で、着色された要素を画定すること;
光学的に可変な効果の表面レリーフミクロ構造を備えた前記要素の表面を形成すること;
前記材料を硬化させて、前記ミクロ構造を該硬化された材料によって保持するようにすること;ならびに
該第1の光学的に可変な効果の表面レリーフミクロ構造の上に広がり、該レリーフの輪郭に追随する反射促進層を与えること;
を含んでなり、該反射促進層はまた、該第1の領域と横方向にずれた第2の領域にも与えられている、方法。
【請求項15】
前記反射促進層が、前記第1の領域から前記第2の領域に、連続して広がっている、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記反射促進層が、前記第1の領域および前記第2の領域それぞれに、別個の部分で与えられている、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記第2の領域が、前記第1の領域を取り囲んでいる、請求項14〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記担体上の前記第2の領域に、第2の、透明で、着色された要素を与えること、該第2の要素は、前記第1の、透明で、着色された要素の色とは異なる色を有している、
該第2の、透明で、着色された要素の表面に、第2の光学的に可変な効果を発生するレリーフミクロ構造を与えること、
を更に含んでなり、
前記反射促進層が、該第2の、透明で、着色された要素の上に提供され、該レリーフの輪郭に追随している、請求項14〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の光学的に可変の効果を発生するレリーフ構造が、それぞれ異なっている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記反射促進層が、金属層または高屈折率層を含む、請求項14〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造が、前記硬化性材料に注型またはエンボス加工される、請求項14〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
硬化性材料の前記要素もしくはそれぞれの要素が、前記担体上に印刷された、請求項14〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記反射促進層が、前記硬化された領域、および硬化された材料もしくは硬化性材料がない領域の両方に与えられた、請求項14〜22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記反射促進層が、真空堆積または印刷された、請求項14〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記反射促進層が、1種もしくは2種以上の着色剤を含む金属質インクを用いて印刷された、請求項14〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
1つもしくは2つ以上の表象、記号、英数字、または他の図形として、前記反射促進層の一部を形成することを更に含む、請求項14〜25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記の形成工程が、金属質層を選択的に脱金属することを含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
接着剤層、例えば感光性または感熱性接着剤層を、前記硬化された材料の上に、前記反射促進層の供給の後に、与えることを更に含む、請求項14〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記もしくはそれぞれの光学的に可変の効果を発生するレリーフミクロ構造が、ホログラム、回折格子、プリズム状構造およびマイクロレンズ・アレイの1種もしくは2種以上を含む、請求項14〜28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
請求項14〜29のいずれか1項によって製造されたセキュリティ装置。
【請求項31】
前記装置が、ラベルまたは細片を構成する、請求項30記載のセキュリティ装置。
【請求項32】
請求項14〜29のいずれか1項によって製造された担体ウェブ上のセキュリティ装置を物品上に、該物品上に該セキュリティ装置を接着剤で固定して、転写する方法であって、該方法が、感熱性接着剤を該セキュリティ装置と該物品の間に備えて、該セキュリティ装置を該物品上にホットスタンプ加工することを含む、方法。
【請求項33】
請求項1〜13、請求項30もしくは請求項31のいずれか1項記載のセキュリティ装置、または請求項14〜29のいずれか1項によって製造されたセキュリティ装置を与えられた物品。
【請求項34】
前記物品が、セキュリティ物品、例えばセキュリティ書証、例えば銀行券、小切手、パスポート、身分証明書、鑑定書、収入印紙および価値や個人の身元を保障する他の書証である、請求項33記載の物品。
【請求項35】
前記金属層が、金属、例えばアルミニウム、銅または金である、請求項1〜13のいずれか1項記載のセキュリティ装置、または請求項14〜29のいずれか1項記載のセキュリティ装置の製造方法によるセキュリティ装置。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2013−520336(P2013−520336A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554420(P2012−554420)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050362
【国際公開番号】WO2011/104551
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(598151304)ドゥ ラ リュ インターナショナル リミティド (20)
【Fターム(参考)】