説明

セキュリティ要素が設けられてなる重要文書、およびそのような重要文書の製造方法

【課題】
自動化された評価方法が使用される場合であっても、きわめて高い安全上の基準を満足する重要文書を提供する。
【解決手段】
本発明は、エレクトロルミネセント色素(10)を含んでいるマーキング層(8)をマーキング領域(4)に配置しかつ基板(2)に塗布して有しているセキュリティ要素(6)が少なくとも1つ設けられている重要文書(1)に関する。本発明の重要文書においては、エレクトロルミネセント色素(19)のそれぞれが、エレクトロルミネセント材料で作られた色素コア(20)を光学活性層(24)で囲んで有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのセキュリティ要素を備える重要文書であって、当該セキュリティ要素がエレクトロルミネセント色素を含み、担体紙へと塗布されるマーカ層をマーカ領域に有する重要文書に関する。さらに本発明は、上記の重要文書において使用するために適したエレクトロルミネセント色素、上記の重要文書の製造方法、および上記エレクトロルミネセント色素の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
偽造または模造に対する保護のため、例えば紙幣、身分証明書、またはICカードなどの重要文書または機密文書には、例えばとりわけ紙の形態の重要文書において、カラー・コピーを行なうことによる模造を確実に排除するため、いわゆるセキュリティ構造またはセキュリティ要素が備えられている。セキュリティ要素は、特には例えばホログラムまたは干渉層要素などの光学的可変要素として設計され、それらは、視野角に応じてさまざまな模様の印象を示すが、複写のプロセスにおいて複写物へと転写されることはない。しかしながら、このようなセキュリティ要素は、機械による読み取りまたは分析が困難または不可能であり、当該重要文書のセキュリティ・チェックの自動化は、限られた範囲でしか可能ではなく、高度に複雑な技術を必要とする。
【0003】
しかしながら、独国特許出願第19708543号明細書には、特にセキュリティ要素の自動評価にも適した重要文書が開示されている。この目的のため、当該先行発明の重要文書には、マーキング領域において、セキュリティ要素として、エレクトロルミネセント色素が混合されてなるマーカ層が、例えば紙幣の用紙である担体へと塗布されている。このセキュリティ要素がチェックされ、あるいは認証されるとき、エレクトロルミネセント色素を含んでいるマーカ層が、これに合わせて設計された検査装置によって、非接触な方式で交流電界にさらされる。
【0004】
交流電界が、まずマーカ層に含まれているエレクトロルミネセント色素を励起して電磁波を放射させ、これを適切な受信器に直接的または間接的に記録することができる。このような構造を備える重要文書は、特に対応する検査装置との組み合わせにおいて、技術的な複雑さを抑えつつ評価を自動化された、すなわちきわめて確実な評価を可能にするために、特に適している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、きわめて高いセキュリティ基準を有する上記形式の重要文書を提供するという目的にもとづいている。また、そのような重要文書において使用するために適したエレクトロルミネセント色素、そのような重要文書の製造方法、およびそのような色素の製造方法も、開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本願発明の重要文書においては、エレクトロルミネセント色素のそれぞれが、エレクトロルミネセント材料で形成され光学的活性被覆材によって囲まれた色素コアを有する。
【0007】
本発明は、重要文書がきわめて高いセキュリティ基準のために、エレクトロルミネセント色素を備えていなければならないという考慮にもとづいている。
【0008】
エレクトロルミネセント色素からの放射光の分析においては、通常は使用される検査装置の受光器部分が、エレクトロルミネセント色素の発光スペクトルに合わせて調整される。したがって、相互に区別可能なスペクトルを有するエレクトロルミネセント色素を意図的に使用すれば、セキュリティ構造の識別特性をきわめて明確に構成することができ、したがって認証の質を改善することができる。認証という意味では、検査の際に受光したスペクトルを予想されるスペクトルと比較し、相関の度合いを判断することができる。これにより、分析におけるより高い精度、すなわち重要文書について当該セキュリティ構造のより高いセキュリティ機能が実現されが、エレクトロルミネセント色素によって放射されるスペクトルの設定がより特定的になるほど、よりシャープで明確なスペクトルによって、よりブロードなスペクトルに比べてより高い選択性および精度が可能になる。しかしながら、既知のエレクトロルミネセント色素の発光スペクトルは比較的ブロードであり、より適切なドーピングの追加によっても、相互に明確に区別できるスペクトルの数は、限られた数にまでしか広げることができない。
【0009】
上記の重要文書は、きわめて高いセキュリティ基準用の設計のために、特に特徴的で選択的に特定可能なスペクトルを発光するように設計されたエレクトロルミネセント色素を備えるべきである。そのような選択的に特定可能なスペクトルは、波長検出による評価において、放射された信号をきわめて高い信頼性で個々の色素のグループまたは種類に対応付けることができるよう、特には比較的狭い帯域幅を有するべきである。認証は、特には特定の色素のグループまたは種類が存在するということにもとづいて行なうことができる。放射されるスペクトルの帯域幅を比較的狭くするためには、エレクトロルミネセント材料によって放射される実際のスペクトルが波長に応じて部分的に「フィルタ処理」されるよう、エレクトロルミネセント色素のコアが被覆されているべきである。この目的のため、被覆材が、光学的に活性な被覆材として設計される。例えば、単層の被覆材において、非線形吸収性被覆材を使用することによって、波長選択性の透過が行われる。このような非線形吸収性の被覆材においては、例えば被覆材を金属イオン(Fe3+、Co3+、Ni3+)等によって意図的にドーピングすることによって、被覆材の結晶格子に適切なエネルギー準位を生み出すことができ、これを適切な光強度によって励起させて、非線形性を実現することができる。被覆材は、発光スペクトルの所定の部分を除去するように設計することができる。
【0010】
きわめて好都合な光学的特性を、干渉作用を意図的に利用することによって適切に実現することができ、放射されるスペクトルを個々の波長または波長範囲において意図的なやり方で除去または減衰させることができる。そのような干渉作用の利用は、エレクトロルミネセント色素のコアを好ましくは屈折率の相違する少なくとも2つの層で被覆材することによって、実現される。
【0011】
屈折率の異なる一連の薄い層による色素の被覆は、原理的には、欧州特許出願公開第1138743号明細書または欧州特許出願公開第0852977号明細書から知られている。しかしながら、それらにおいて示されている考え方は、磁気色素コアの被覆を意図したものであり、その場合に被覆材は、屈折率の増加を確実にし、したがって色素の大きな反射率および明るい色を確保しなければならない。色素コアへの被覆材の塗布に関しては、これらの文献に記載されている方法は、本発明の考え方においても使用可能である。
【0012】
好都合なことに、重要文書は、印刷技術、好ましくはスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、オフセット印刷、レターセット印刷、または転写プロセスによるセキュリティ要素の担体への塗布に適している。この目的のため、色素の平均寸法は、約1μm〜50μmが適当であるが、好ましくは約3μm〜8μmであり、この場合は特にセキュリティ印刷プロセスにおける使用に適している。
【0013】
きわめて微細粒子化された色素が入手可能であって、必然的に印刷プロセスにおける使用に特に適している。ここで当該色素コアを形成しているエレクトロルミネセント材料は、好ましくは立方結晶構造を有していると好都合である。
【0014】
各色素コアを形成するエレクトロルミネセント材料は、適切には、II−VI族化合物、好都合には、(共)ドーピングされたZnS(硫化亜鉛)、ZnSe(セレン化亜鉛)、SrS(硫化ストロンチウム)、CaS(硫化カルシウム)、またはCdS(硫化カドミウム)からなり、さらに好ましい実施形態においては、ドーピングが、活性剤としてCu(銅)および/またはAu(金)および/またはMn(マンガン)を含むとともに、さらなる活性体としてハロゲン化物イオンまたは3価のカチオンを含んでいる。代替あるいは追加の好都合なドーピング材は、Ag(銀)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、および/または特にはTm(ツリウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd(ガドリニウム)、Yb(イッテルビウム)、Sm(サマリウム)、およびEu(ユウロビウム)などの希土類であってよい。
【0015】
マイクロカプセル化方式で色素コアを囲んでいる被覆材は、無機材料からなる少なくとも1つの層を有しており、この無機材料は、好ましくは金属または半金属の酸化物、窒化物、酸硫化物、硫化物であり、適用可能である場合には、金属または半金属で(共)ドーピングされている。さらに好都合な実施形態においては、適切な無機材料が、SiO、SiO、TiO、NiO、Ni、CoO、Co、Y、またはZrOである。代替あるいは追加の好都合な実施形態においては、無機材料が金属、好ましくはFeおよび/またはCoおよび/またはNiおよび/またはCr(クロム)および/またはMo(モリブデン)および/またはW(タングステン)および/またはV(バナジウム)および/またはNb(ニオブ)を含んでいる。
【0016】
被覆材の導電性によっては、ファラデー箱方式で被覆材が色素コアをカプセル状に包むことによって、色素コアが外部から加えられる電界から完全に遮蔽される可能性がある。これは、重要文書の認証において、電界特には交流電界による色素コアの励起を困難にし、あるいは完全に不可能にしてしまうかもしれない。したがって、さらに好都合な実施形態においては、被覆材が色素コアの表面を部分的にのみ覆っている。
【0017】
好都合には、被覆材が、特定の範囲で当該色素コアの発光スペクトルプロファイルを示し、これを特定の識別特性に合わせて修正するように設計される。この意味において、色素の発光スペクトルが比較的狭い帯域幅を持つように、特に好都合な実施形態においては、被覆材は、その層の屈折率またはその被覆材厚さに関して、所定の波長、好ましくはエレクトロルミネセント材料の天然の発光スペクトルが特に強調される波長に対して、被覆材のスペクトル透過率が最大値を示すように選択される。屈折率および/または層の厚さという材料パラメータは、被覆材における干渉作用を利用することによって色素の発光スペクトルに所望の選別効果が生じるように意図的された方法で決定される。あらかじめ対応する値に設定することで、被覆材が、例えば帯域フィルタあるいは高域フィルタまたは低域フィルタと同じように機能でき、発光スペクトルにおいて最大値の位置を移動させたり、追加の最大値を発生させたりすることができる。
【0018】
エレクトロルミネセント色素に関して、前記の目的は、エレクトロルミネセント材料で形成された色素コアが、非線形な透過および/または吸収の作用を有する被覆材によって囲まれることで達成される。エレクトロルミネセント色素および被覆材の特に好都合な製法は、重要文書について提示される実施形態に対応するものとなる。
【0019】
そのようなエレクトロルミネセント色素は、好ましくは、LED、表示装置、またはバックライトの発光素子として発光装置において使用することができる。被覆材が、エレクトロルミネセント色素を、特には水蒸気の侵入など環境の影響から適切に保護する。
【0020】
前記重要文書の製造方法に関して前記目的を達成するため、個々に適用できる、あるいは組み合わせて適用できる2つの変形例が提案される。第1の変形例においては、マーカ層を製造するため、樹脂を担体に塗布して軟化させ、軟化状態の樹脂に色素コアを塗布して、色素コアが少なくとも部分的に樹脂に沈み込んで色素コアの表面の一部のみが前記樹脂から突き出すようにし、続いてそこに被覆材が、物理気相成長法(PVD)および/または化学気相成長法(CVD)によって適用される。これにより、被覆材において、表面を被覆材が完全に囲むことによって色素コアが励起のための電界から遮蔽されてしまうことが決してないよう、確実に色素コアの表面の一部にのみ被覆材が与えられる。
【0021】
好都合には、アクリレート系の樹脂が使用され、代替あるいは追加の好都合な製法として、色素コアが篩によって前記樹脂上に散布される。篩を使用することによって、きわめて簡潔な方法で高い均一性を有する色素コアを表面全体にわたって一様に分布させることが可能になる。
【0022】
第2の変形例においては、マーカ層が担体へと、印刷プロセス、好ましくはスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、オフセット印刷、レターセット印刷、または転写印刷プロセスによって塗布される。このようなプロセスは、比較的簡潔な手段による大量生産に特に適している。
【0023】
ここで、好都合には、マーカ層の塗布において、エレクトロルミネセント色素と共に溶媒および/または結合剤を含んでいる印刷インクが使用される。適切には、印刷インクは、その組成および成分は、印刷プロセスにおいて使用しやすいように設計される。この目的のため、印刷インクの色素含有率は、好都合には30%未満、さらに好都合には25%未である。
【0024】
重要文書における使用に特に適したエレクトロルミネセント色素の製造方法に関しては、色素コアに被覆材が、物理気相成長法(PVD)および/または化学気相成長法(CVD)および/またはプラズマ・プロセスおよび/またはゾル−ゲル・プロセスおよび/または重合および/または電気化学的すなわち電着被覆および/またはエディ(eddy)被覆プロセスおよび/または自己組織化および/またはハイブリッド形成によって備えられることで、前記目的が達成される。色素コアを加えられる電界から遮蔽してしまうことがないよう、確実に色素コアの被覆材が色素コアを部分的にのみ囲むようにするため、好ましくは色素コアが、被覆の後で粉砕プロセスにかけられ、被覆材の一部が剥離されて結果として当該色素コアの表面のうち、最大でも一部分だけが被覆材で覆われる。
【0025】
粉砕プロセスは、適切にはボールミルにおいて実行され、粉砕の開始前または最中に粉砕助剤が供給される。適切な粉砕助剤は、特にはアセチルコリンおよび/または油および/または水性懸濁液である。
【0026】
製造コストを特に低くするため、好都合には、粉砕プロセスを、インクの製造工程に取り込むことができる。この目的のため、被覆された色素がインクの一部である場合には、粉砕プロセスは、好都合には、3ローラ式インク機械でのインク製造の際に実行できる。好都合には、インクのさらなる成分は、インク結合剤およびインク色素である。色素に所望の比較的微粒化された構造を確保するため、好都合には、3ローラ式インク製造装置のローラ表面の間隔の最大値が、色素の平均直径値に設定される。
【0027】
好都合な実施形態において、粉砕プロセスは、被覆材が色素コアから再び完全に剥離されることがないよう、最長でも2時間までの範囲で行われる。
【0028】
本発明によって得られる利点は、特には、色素コアの光学的活性被覆材による波長選択性の透過による。これは、例えば単層の被覆材において、例えば金属イオン(Fe3+、Co3+、Ni3+)による意図的なドーピングをされた非線形吸収特性を有する被覆材によって達成される。さらには、色素コアの被覆を、完全にあるいは部分的に異なる屈折率を有している2層、3層、またはそれ以上の被覆材層とすることができる。多層の被覆材とすることにより、干渉作用によって、エレクトロルミネセント色素コアから放射されるスペクトルに意図する変更を行うことができる。このスペクトルは、特には比較的狭い帯域幅であるように構成でき、きわめて特徴的で特定しやすい発光スペクトルを得ることができる。したがって、エレクトロルミネセント色素コアについて適切に材料を選択し、適切に選択され、設定された被覆材パラメータ、すなわち、特には適切に選択された被覆材層の屈折率および層厚さの指定と組み合わせることで、色素のグループまたは種類をそれらの発光スペクトルによって互いに区別できるように設定でき、したがってそれらの特徴的な発光波長に関して、相互に区別可能なセキュリティ構造を設けることができる。
【0029】
結果として、セキュリティ構造の発光特性に高度な柔軟性をもたらすことができるため、当該機密文書においてきわめて高度なセキュリティ基準が達成できる。重要文書または機密文書の機械による検証のために重要である色素の分類のために、色素被覆材の特性を意図的に使用できる可能性が、今や現実になる。
【0030】
さらに、特に好まし方法において、被覆材が少なくとも1つの層において特定の導電性を有している場合に、励起用の電界の局所的な増幅が達成できる。このとき、当該被覆材層が、エレクトロルミネセント材料の物理的近傍において、いわば局所的な「浮遊」電極のように機能し、エレクトロルミネセント材料の直ぐ周囲で、外部から非接触で加えられる電界の圧縮および集中を引き起こす。これは、たとえ外部から加えられる電界の強度が比較的低くても、エレクトロルミネセント材料の励起のための電界を局所的に超えることができ、したがって外部から加えられる電界の強度が比較的低くても、ルミネセンス現象の励起を確実に達成できることを意味している。このように、これら作用の特に好都合な組み合わせによって、評価の際に使用される検査用電界の強度が比較的低くても、きわめて明瞭な狭い帯域幅のスペクトルを生み出すことができる。
【0031】
本発明の実施形態の例を、図面を参照しつつ以下でさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
すべての図を通して、同一の部品には同一の参照番号が付されている。
【0033】
図1の重要文書1は、例えば紙幣、身分証明書、ICカード、あるいは偽造または模造に対して保護される他の任意のセキュリティ文書または製品であってよいが、基体要素として担体2を有しており、担体2は、重要文書1の用途に応じ、紙、プラスチック、ラミネート加工されたプラスチック層、または他の適切に選択された材料で構成できる。マーカ領域1において、担体2にセキュリティ要素6が塗布されている。セキュリティ要素6およびセキュリティ要素6によって覆われるマーカ領域4は、用途に合わせて決められる任意の基準に従った寸法および設計とすることができ、特に例えば数値などの印刷画像の視覚的表示のために設計することができる。
【0034】
セキュリティ要素6は、重要文書1が本物であるか否かを識別するためのセキュリティ構造として機能する。この目的のため、セキュリティ構造の特有の化学的または物理的特性をチェックする検証または認証プロセスが適用され、セキュリティ構造作が予想されるものと一致するか否かが検出される。
【0035】
セキュリティ要素6は、そのセキュリティ機能の自動評価のために特に設計されている。この目的のため、図2の実施形態の例の断面図に示されているセキュリティ要素6は、マーカ領域4において、担体2に塗布されたマーカ層8を有している。マーカ層8は、エレクトロルミネセント色素10に基づく自動評価を確実に行なうことができるように構成されている。すなわち、セキュリティ要素6の認証または分析のため、例えば独国特許出願第19708543号明細書に開示されているとおり、適切に選択された検査装置によって、電磁波のマーカ層8への照射が非接触に行われる。マーカ層8へと照射された電磁波によって、色素10にエレクトロルミネセンス現象が引き起こされ、これによって生じる電磁波放射を適切なセンサによって検出し、自動的に評価することができる。
【0036】
図3aに示すとおり、マーカ層8は印刷プロセス、特にはスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、オフセット印刷、またはレターセット印刷によって担体2へと塗布できる。ここで、マーカ層8は、第1にエレクトロルミネセント色素10からなり、第2に例えばインク色素および/またはインク結合剤12など印刷インクのさらなる成分からなる。印刷プロセスの代わりに、例えば塗装など他のコーティング技術も使用可能である。一方、図3bによる実施形態の例においては、セキュリティ要素が、基板14および被覆材16からなる。基板14は、紙、プラスチック、あるいはラミネート加工された材料であってよい。この場合には、被覆材16として、エレクトロルミネセント色素10を含む粉末、または図3aに示した種類の混合物を使用することができる。図3bに示した構造を有するセキュリティ要素6は、例えば接着または積層によって重要文書1に結合させることができる。
【0037】
セキュリティ要素6または重要文書1の製造のためのさらなる実施形態の例においては、エレクトロルミネセント色素10を含む粉末を、プラスチック粒子またはプラスチックの前駆体粒子と混合し、カレンダ加工、押し出し加工、またはフィルム・キャスティングによって膜へと加工することができる。この膜自体だけで、重要文書1またはセキュリティ要素6を構成してもよく、あるいは1つ以上の積層または接着ステップによって、担体に結合させてもよい。
【0038】
セキュリティ要素6は、特に高度な安全性の基準を満足するように設計される。この目的のため、セキュリティ要素6のエレクトロルミネセント色素10は、照射される交流電界に反応して特に狭い帯域の発光スペクトルを有しており、検査装置を適切に調整することによって、特定のグループまたは種類のエレクトロルミネセント色素10を個別に検出および位置特定することが可能である。これを確実にするため、エレクトロルミネセント色素10はそれぞれ、図4に一例として示すとおり、その表面22を境界とする色素コア20を有している。色素コア20は、エレクトロルミネセント材料、すなわち交流電界の印加に応じて電磁波を放射する材料からなる。典型的なエレクトロルミネセント材料は、例えば硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化カルシウム(CaS)、または硫化カドミウム(CdS)などのII−VI族化合物のホスト格子からなる。そのような材料は活性剤を有しており、この活性剤が、ホスト格子中のドーピングとして設けられている。そのようなドーピングは、銅(Cu)、金(Au)またはマンガン(Mn)を含むことができる。
【0039】
さらに、エレクトロルミネセント材料は、やはりホスト格子のドーピングを構成する共活性剤を有している。このドーピングは、まずハロゲン化物イオン(塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I))、または3価のカチオン(アルミニウムイオン(Al3+)、ガリウムイオン(Ga3+)、インジウムイオン(In3+)、ユーロピウムイオン(Eu3+)、プロメチウムイオン(Pm3+)、プラセオジムイオン(Pr3+))として形成することができる。一般的なエレクトロルミネセント材料は、例えば、マンガンおよび塩素のドーピングを有する硫化亜鉛のホスト格子(ZnS:Mn,Cl)からなり、好ましくは立方結晶格子を有している。代替、あるいは追加として、ドーピングは、銀(Ag)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および/またはツリウム(Tm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ガドリニウム(Gd)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)などの選択された希土類であってよい。
【0040】
交流電界によって励起されてエレクトロルミネセント色素20から放射される電磁波は、200nmと3μmとの間の波長範囲にある。この実施形態の例において、このような色素コア20の平均直径(いわゆる、D50)は、最大30μmであり、好ましくは25μm未満であり、特に好都合には1μm〜15μm前後である。
【0041】
所望の光学的特性を保証するため、当該色素コア20が、実際の色素10を形成すべく少なくとも単層の光学的活性被覆材24によって囲まれる。ここで、例えば単層の被覆材において、意図的なドーピングすなわち金属イオン(Fe3+、Co3+、Ni3+)のドーピングによる非線形吸収被覆材によって、波長選択性の透過が生じる。図5に示す実施形態の例では、さらに干渉効果を意図的に利用するため、光学的活性被覆材24が3つの層26、28、30として示されている。しかしながら、2層または4層以上など、適切に選択された他の数の被覆材層にしてもよい。
【0042】
この被覆材24を形成している層26、28、30は、この実施形態の例では無機材料からなる。しかしながら、それらが、例えばPETおよび/またはPMMAなどのポリマー系の有機材料であってもよい。適切な無機材料は金属であり、特には鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、またはニオブ(Nb)である。金属酸化物層が、好ましくは二酸化ケイ素(SiO)、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)、酸化イットリウム(Y)、または二酸化ジルコニウム(ZrO)として形成される。このような層26、28、30の厚さは、最大でも1μmであるべきであるが、好ましくは50〜200nmである。
【0043】
光学的活性被覆材24は、干渉を適切に利用することによって色素コア20のエレクトロルミネセント材料の発光スペクトルを適切な方法で補正し、特にはこの比較的狭い帯域を生み出すことを目的として、当該色素コアに設けられる。この目的のため、この実施形態の例における被覆材24の層26、28、30は、屈折率が隣接する層26、28、30間で大きく異なるように選択される。これにより、色素コア20を形成しているエレクトロルミネセント材料が、交流電界によって励起されたときに電磁波を放射し、次いで被覆材24の干渉効果が発揮されることが保証される。
【0044】
層26、28、30は、色素コア20のエレクトロルミネセント材料から放射された電磁波が、波長スペクトルの特定の領域においてのみこれらの層を通過するように層の厚さおよび屈折率に関して構成される。該当する波長領域において増幅または減衰のいずれを実現しようとするのかに応じて、以下の既知の法則
【0045】
【数1】

【0046】
または
【0047】
【数2】

【0048】
が適用される。ここで、mは整数であり、λは増幅または減衰させようとする電磁波の波長である。このため、層26、28、30は、いわゆるλ/2層またはλ/4層として表記される。
【0049】
色素コア20にこのような被覆材24を使用することで、例えば図6(a)〜(g)のスペクトルを参照して説明されるとおり、色素コア20の発光スペクトルが大きく変化する。図6(a)には、被覆なしの色素コア20のスペクトルを強度(I)−波長(λ)の形式で定性的に示しており、このエレクトロルミネセント材料は、λの波長に最大値を有する比較的広帯域の発光スペクトルを有している一方で、このスペクトルの幅を、被覆材24によって大きく減らすことができる。この一例が、図6(b)に、やはり強度(I)−波長(λ)スペクトルとして示されている。このスペクトルは、被覆材24を設けた色素コア20で形成されたエレクトロルミネセント色素10の特徴であるが、図6(a)に示したスペクトルと比べてはるかに小さい帯域幅Δλを有している。図6(b)および(c)に示した実施形態の例においては、被覆材24が、波長λ(またはλおよびλ)を下回る波長および波長λ(またはλおよびλ)を上回る波長の両方について、放射された光のフィルタ処理すなわち減衰が実行されるように選択されており、したがってこの場合には、被覆材24が帯域フィルタとして機能し、1つの極大値(図6(b))、あるいは複数の、例えば2つの極大値が得られる(図6(c))。さらに、エレクトロルミネセント色素10のスペクトルについての所望の仕様に応じて、被覆材24を、のうち波長λよりも長い波長の放射された光を特に減衰させる高域遮断フィルタ(図6(d))として設計でき、あるいは波長λよりも短い波長の光を特に減衰させる低域遮断フィルタ(図6(e))として設計できる。さらには、対応する設定によって、追加の極大値(図6(f))を生成することができ、あるいは図6(g)に両矢印で示されているように、発光スペクトルにおいて極大値の位置をずらすことができる。
【0050】
ファラデー効果の結果として色素コア20が印加される交流電界から選択した材料、特に被覆材24内の金属成分によって完全に遮蔽されてしまうことがないよう、図7の実施形態の例においては、被覆材24が当該色素コア20に、色素コア20の表面22の一部のみを覆うように塗布されている。これを確実にするため、重要文書1の製造において、図8に示す中間製品を経由するようなプロセスを適用することができる。この実施形態の例においては、セキュリティ要素6を製造するため、セキュリティ要素6が基板14を有する。基板14に樹脂32が塗布され、この樹脂32が、塗布の後または前あるいは最中に、熱の伝達によって軟化される。次いで、エレクトロルミネセント材料の色素コア20が、樹脂32の表面へと散布される。これは、色素コア20の特に均一な分布が保証されるよう、好ましくは篩を用いて行なわれる。樹脂32の軟化は、色素コア20が樹脂32へと完全には沈み込まずに、ほぼすべてのコアが、その表面の一部を樹脂32から突き出す程度に設定される。次いで、例えばPVDまたはCVDプロセスによって被覆材が塗布されることにより、色素コア20が部分的にのみ被覆される。
【0051】
あるいは別の方法として、色素10を生成するため、第1の作業ステップにおいて、図5に示すとおり完全な被覆材24を設けてもよい。そのとき、被覆材24による色素コア20の被覆は、特には物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、またはゾル−ゲル・プロセスによって実施できる。そのように用意された色素10から出発し、確実に色素20の表面22の一部のみを被覆するため、被覆形成ステップののちに、粉砕プロセスが実行される。粉砕によって、初期の完全に被覆された色素コア20から、被覆の一部が剥離する。この粉砕プロセスは、例えばボールミルにて実行され、粉砕の前または最中に粉砕助剤が粉末へと添加される。適切な粉砕助剤は、アセチルコリン([N(CH(CO)]COO)、油、または水性懸濁液であってよい。
【0052】
あるいは、粉砕プロセスを、印刷インクの製造の一部として行えば、全体として必要な製造の複雑さを特に低く保つことができる。この目的のため、エレクトロルミネセント色素10が印刷インクに加えられ、次いでこのインクによって重要文書1を印刷して、セキュリティ要素6およびそのマーカ層8を製造することができる。一般に結合剤およびインク色素で構成されているインクが、この場合には、完全な光学的活性被覆材24を有するエレクトロルミネセント色素10を、追加で含んでいる。このインクが、今や通常のインク製造において通常である3ローラ式のインク機械にセットされ、この3ローラ式インク機械のローラの表面間の間隔が、粉末粒子の平均直径よりもわずかに小さく、あるいは最大でも粉末粒子の平均直径に相当するように設定された場合、完全な被覆を有している粉末粒子コアが粉砕プロセスを通ることになり、その結果、インクと色素コア20の表面22が部分的にのみ被覆されているエレクトロルミネセント色素10とからなる混合物が得られる。
【0053】
ボールミル、または3ローラ式インク機械における粉砕プロセスの粉砕時間は、好ましくは30分から2時間である。この時間ののち、充分な均一化が達成され、粉砕による色素コア20の破壊が安全に回避される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】重要文書を示す上面図である。
【図2】図1の重要文書のマーカ領域を示す断面図である。
【図3a】図1の重要文書のセキュリティ要素の模式的な断面図である。
【図3b】図1の重要文書のセキュリティ要素の模式的な断面図である。
【図4】エレクトロルミネセント色素の断面図である。
【図5】エレクトロルミネセント色素の断面図である。
【図6】被覆なし(a)および被覆付き(b〜g)のエレクトロルミネセント色素について、色素の発光スペクトルを示す模式図。
【図7a】エレクトロルミネセント色素の一例を示す断面図である。
【図7b】エレクトロルミネセント色素の別の例を示す断面図である。
【図8】セキュリティ要素の製造の際のセキュリティ要素の一部を模式的に示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーカ領域(4)において担体(2)に塗布されたマーカ層(8)を有するセキュリティ要素(6)を少なくとも1つ備え、或る発光スペクトル(図6a)を有するエレクトロルミネセント材料で形成された色素コア(20)をそれぞれ有するエレクトロルミネセント色素(10)を含んでいる重要文書(1)であって、
前記色素コア(20)が、前記発光スペクトル(図6a)を波長に応じて光学的にフィルタ処理する被覆材(24)によって囲まれており、
前記各色素コア(20)を形成している前記エレクトロルミネセント材料が、ドーピング又は共ドーピングされたZnS、ZnSe、CaS、またはCdSからなり、該ドーピング材が、活性剤としてCuおよび/またはAuおよび/またはMnを含むとともに、共活性剤としてハロゲン化物イオンまたは3価のカチオンを含んでおり、
前記被覆材(24)のうちの少なくとも1つの層(26、28、30)が、Feおよび/またはCoおよび/またはNiおよび/またはCrおよび/またはMoおよび/またはWおよび/またはVおよび/またはNbの金属である無機材料で形成されている、重要文書(1)。
【請求項2】
請求項1において、前記被覆材(24)が干渉被覆材を形成するとともに、屈折率が異なる少なくとも2つの層(26、28、30)を有しており、各層が、最大1μm、好ましくは約50〜200nmの厚さを有している重要文書(1)。
【請求項3】
請求項1または2において、前記色素(10)が、約1μm〜50μm、好ましくは約3μm〜8μmの平均色素サイズを有している重要文書(1)。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項において、エレクトロルミネセント材料からなる色素コア(20)を有しており、前記被覆材(24)を金属イオンでドーピングすることによって、前記被覆材(24)が非線形な透過特性および/または吸収特性を有している重要文書(1)。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項において、当該色素コア(20)を形成している前記エレクトロルミネセント材料が、立方晶構造を有している重要文書(1)。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項において、無機材料からなる前記被覆材(24)の少なくとも1つの層(26、28、30)が、金属の、または半金属の酸化物、窒化物、酸硫化物もしくは硫化物、またはこれらを金属で、もしくは半金属でドーピングもしくは共ドーピングしたものである重要文書(1)。
【請求項7】
請求項6において、前記無機材料が、SiO、SiO、TiO、NiO、Ni、CoO、Co、Y、またはZrOから形成されている重要文書(1)。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項において、前記被覆材(24)が、当該色素コア(20)の表面を部分的にのみ覆っている重要文書(1)。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項において、前記被覆材(24)が、あらかじめ指定された波長に極大値(図6a)を有するスペクトル透過特性を有している重要文書(1)。
【請求項10】
請求項9において、前記被覆材(24)が、前記発光スペクトル(図6a)に追加の極大値(図6f)を生成する手段を有している重要文書(1)。
【請求項11】
請求項9において、前記被覆材(24)が、前記発光スペクトル(図6a)において最大値を移動させる(図6g)手段を有している重要文書(1)。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項において、前記被覆材(24)が、さらに、外部から加えられた電界の圧縮および集中を前記エレクトロルミネセント材料の近傍において生じさせる層を有している重要文書(1)。
【請求項13】
前記担体(2)に樹脂(32)を塗布し軟化させて前記マーカ層(8)を製造することを含む請求項1〜12の何れか一項に記載の重要文書(1)の製造方法であって、
軟化状態の前記樹脂(32)に、前記色素コア(20)が少なくとも部分的に前記樹脂(32)中に沈み込んで前記色素コア(20)の表面の一部のみが前記樹脂(32)から突き出すように色素コア(20)を配置し、
次いでそこに前記被覆材(24)を、物理気相成長法(PVD)および/または化学気相成長法(CVD)によって設ける
ことを含む方法。
【請求項14】
請求項13において、アクリレート系の樹脂(32)を使用する重要文書(1)の製造方法。
【請求項15】
請求項13または14において、前記色素コア(20)を、篩を介して前記樹脂(32)上に散布する重要文書(1)の製造方法。
【請求項16】
請求項13〜15の何れか一項において、前記マーカ層(8)を、転写プロセスによって前記担体(2)に塗布する重要文書(1)の製造方法。
【請求項17】
前記エレクトロルミネセント色素(10)の製造のための前記色素コア(20)に、物理気相成長法(PVD)および/または化学気相成長(CVD)および/またはプラズマ・プロセスおよび/またはゾル−ゲル・プロセスおよび/または重合および/または電気化学的すなわち電着被覆および/またはエディ被覆プロセスおよび/または自己組織化および/またはハイブリッド形成によって前記被覆材(24)が備えられる請求項1〜12の何れか一項に記載の重要文書(1)の製造方法であって、
被覆材(24)で被覆したのち、前記色素コア(24)を粉砕プロセスを通して前記被覆材(24)の一部を剥離させて、各色素コア(20)の表面のうち最大でも一部分を前記被覆材(24)で覆う方法。
【請求項18】
請求項17において、前記粉砕プロセスをボールミルにおいて実行し、粉砕の開始前または最中に粉砕助剤を添加する重要文書(1)の製造方法。
【請求項19】
請求項17または18において、前記粉砕助剤がアセチルコリンおよび/または油および/または水性懸濁液である重要文書(1)の製造方法。
【請求項20】
請求項17〜19の何れか一項において、前記被覆された色素(10)をインクの一部として含ませた状態で、前記粉砕プロセスを3ローラ式インク機械でのインク製造において実行する、重要文書(1)の製造方法。
【請求項21】
請求項20において、さらに、インク結合剤およびインク色素を、前記インクの成分として添加する重要文書(1)の製造方法。
【請求項22】
請求項20または21において、前記3ローラ式インク機械のローラの表面間の間隔の最大値を、前記色素(10)の平均直径値に設定する重要文書(1)の製造方法。
【請求項23】
請求項17〜22の何れか一項において、前記粉砕プロセスを実行する時間が、最大2時間である重要文書(1)の製造方法。
【請求項24】
請求項17〜23の何れか一項において、前記マーカ層(8)を、印刷プロセスによって、好ましくはスクリーン印刷、輪転グラビア、オフセット印刷、レターセット印刷、または転写プロセスによって、前記担体(2)に添着する重要文書(1)の製造方法。
【請求項25】
請求項17〜24の何れか一項において、前記マーカ層(8)の添着において印刷インクを使用し、該印刷インクが、エレクトロルミネセント色素(10)の他に溶媒および/または結合剤を含んでいる重要文書(1)の製造方法。
【請求項26】
請求項17〜25のいずれか一項において、前記印刷インクの総色素含有割合が、30%未満、好ましくは25%未満である重要文書(1)の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−527104(P2006−527104A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515769(P2006−515769)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005093
【国際公開番号】WO2004/109014
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(599147447)ブンデスドルケライ ゲーエムベーハー (21)
【氏名又は名称原語表記】BUNDESDRUKEREI GMBH
【Fターム(参考)】