説明

セグメントの連結構造

【課題】施工期間の短縮化を図りつつ、トンネル双方の組立施工誤差を吸収可能としたセグメントの連結構造を提供する。
【解決手段】
一のセグメント2には、箱抜き部21を有する雌構造部材20が形成されているとともに、他のセグメント3には、箱抜き部21に対して施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌可能な雄構造部材30が形成され、雌構造部材20は、雄構造部材30の遊嵌時において第1のエンドプレート35と対面可能な箱抜き部21側壁面において第2のエンドプレート25が形成され、また箱抜き部21側壁面と対向する側には、雄構造部材20における突出部と互いに係止可能なコ字状溝部27が設けられ、雄構造部材30と雌構造部材20とは、少なくとも2本に亘り応力伝達桁26、36がトンネル軸方向へそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するセグメントを互いに周方向へ連結してトンネルを構成する際に用いられるセグメントの連結構造に関し、特に2本のトンネルが分岐又は合流するトンネル分岐合流部の外周を構成する際に好適なセグメントの連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド工法に基づいて構築されるいわゆるシールドトンネルは、構造的に安定した円形断面のトンネルが主流である。しかし、近年における都市部の地下道路網の整備が進展するにつれて、2本のトンネルが分岐又は合流するトンネル分岐合流部が必要となるケースが増加している。特にこのトンネル分岐合流部は、1本の本線トンネルに対して1本のランプトンネルを連結させるケースにおいて頻繁に利用されている。
【0003】
従来においてトンネル分岐合流部は、地表から地面を掘り下げて施工を行う開削工法が主流であった。この開削工法では、トンネル間の地盤を取り除くために施工時にトンネルに作用する土水圧を比較的小さくすることができるという利点はある。
【0004】
しかしながら、この開削工法では、トンネル分岐合流部の施工箇所が地表からの開削工事ができる場所に限定されてしまう。即ち、開削工法に基づいて施工を行う場合には、トンネル分岐合流部を構築するための用地を確保しなければならないという問題点があった。また大深度地下においてこのようなトンネル分岐合流部を施工しなければならないときには、かかる開削の掘削労力が過大となり、地下水対策も含めて工費が割高になるという問題点があった。
【0005】
このため、用地節約の問題や、大深度のトンネル施工に適するという観点から、特に近年におけるトンネル分岐合流部の構築方法は、上述した開削工法からいわゆる非開削工法へと移行しつつある。
【0006】
この非開削工法は、図30に示すように、地表から地盤を掘削することなく、あくまで地中に開けた横穴201を利用して本線トンネル202とランプトンネル203を連結するためのトンネル分岐合流部を構築する。このとき、トンネル202、203上部の地盤204からの上載荷重が作用するために、トンネル分岐合流部の施工時に各トンネル202、203に作用する土水圧が大きく発生する。なお、この非開削工法に基づいてトンネル分岐合流部を構築する方法は、限られたスペースの中で確実にセグメント同士を現場接続可能な高耐力の連結構造が必要とされていた。
【0007】
図31(a)は、この非開削工法に基づいて構築された、本線トンネル202とランプトンネル203とが分岐又は合流するためのトンネル分岐合流部206の完成図を示している。このトンネル分岐合流部206が、地盤204における土被りが50mを超える大深度トンネルに適用される場合には、土圧に加えて0.5MPa以上の大きな地下水圧が作用することになる。図31(b)は、トンネル分岐合流部206に作用する曲げモーメントの分布を示している。トンネル分岐合流部206は、本線トンネル202並びにランプトンネル203を包含する横長形状のトンネル断面として構成されるところ、当該横長形部に大きな正曲げが発生する。この正曲げはトンネル内空面側へ引張力が負荷される形で作用することになる。このため、トンネル分岐合流部206では、このような大きな正曲げに対抗し得る、高耐力、高剛性のセグメント間連結構造を確立する必要があり、更には高止水性能をも兼ね備えたセグメント間連結構造とする必要もあった。
【0008】
従来においては、鉄筋コンクリート(RC)部材からなるセグメントにより、トンネル分岐合流部206を構成する方法が提案されている。しかしながら、このRC部材により高剛性のセグメント構造を構成するためには、RC部材の桁高さを2〜3m程度としなければならず、トンネル内空の建築限界を侵す虞があった。
【0009】
また従来においては、例えば図32に示すような本線トンネル101とランプトンネル103の接続構造119も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。本線トンネル101とランプトンネル103との間隔は、徐々に変化することになるが、この本線トンネル101を構成するセグメント125とランプトンネル103を構成するセグメント131間を、この接続構造119を介して連結していくことになる。
【0010】
図33(a)は、この図32における接合構造119のA部分の水平方向の断面図を、また図33(b)は、接合構造119のB部分の水平方向の断面図を示している。
【0011】
この接続構造119では、本線トンネル101のセグメント125の端面126と、ランプトンネル103のセグメント131の端面128との間に設置されるものである。また、この接続構造119は、一端がセグメント125の端面126に固定されたコマ材127を備え、このコマ材127は、セグメント125のリング間の継手面の延長上に固定される。また、このコマ材127は、例えばH形鋼の両端に継手板133を固定したものである。
【0012】
ちなみに、図33(a)に示すA部分では、本線トンネル101とランプトンネル103の間隔は一定であるため、長方形状のコマ材127を介装することになる。これに対して、図33(b)に示すB部分では、本線トンネル101とランプトンネル103の間隔が拡大又は縮小することから、コマ材127を台形状に構成する。そして、コマ材127の継手板133とH形鋼129の継手板との間には、誤差吸収プレート141を挟み込む。
【特許文献1】特開平2006−283285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、シールド工法に基づいて構築されるシールドトンネルのセグメントの連結構造は、例えばシールドマシンの姿勢制御時やセグメントリングを組み立てる際の組立施工誤差が発生する場合が多い。この組立施工誤差は、トンネル軸方向、トンネル周方向に対して最大40〜50mm程度の範囲内で管理される場合が多い。特に、2本のトンネルが分岐又は合流される場合には、本線トンネル、ランプトンネルの双方に組立施工誤差が既に生じている。このため、これらを互いに分岐合流させるトンネル分岐合流部を構成するセグメントにおいては、これら本線トンネル、ランプトンネル双方の組立施工誤差を吸収する必要が出てくる。
【0014】
しかしながら、上述した従来の特許文献1の開示技術では、このような組立施工誤差を吸収するためには、接続部材としてのH形鋼129やコマ材127を、現場接続に必要な所定の寸法に切り込み、さらに接続時における部材同士の位置合わせを行うために誤差吸収プレート141を挟み込む必要がある。特にこの特許文献1の開示技術では、実際に現場において配設されたトンネル分岐合流部を構成するセグメントにおいて、現場測量に基づき組立施工誤差の詳細な寸法を調査した上で、これに見合ったコマ材127等を製作し、これを現場搬入してセグメント125のリング間の継手面の延長上に固定する必要がある。
【0015】
即ち、この特許文献1の開示技術では、このトンネル分岐合流部付近の土砂を排除し、現場測量、コマ材127等の製作に長期間を要し、その間工事を中断しなければならないという問題点があった。従って、特に近年において高まりつつある施工期間を短縮化の要請に応えることができなかった。また誤差吸収プレート141を挟む界面では、せん断伝達性能に乏しいことから、構造力学的観点から不都合が生じる可能性も高かった。
【0016】
また特にトンネル軸方向に直交する主桁を有するセグメントにより、本線トンネルとランプトンネルを構成する際において、上述したB部分に示すような本線トンネルとランプトンネルの間隔が拡大又は縮小する区間では、図34に示すように、本線トンネル側から延長されてくる主桁151と、ランプトンネル側から延長されてくる主桁152間で互いに異なる角度で交差することになる。このような主桁151、152間における角度のズレを解消するためには、上述の如きコマ材等を現場測量結果に基づいてその都度製作するステップを排除し、あくまで組めば即座に上記角度のズレを解消しつつ互いのセグメントを強固に連結可能な構成とすることにより、施工期間の短縮化を図る必要性もあった。
【0017】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、2本のトンネルが分岐又は合流するトンネル分岐合流部の外周を構成するセグメントの連結構造において、施工期間の短縮化を図りつつ、トンネル双方の組立施工誤差を吸収可能としたセグメントの連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明に係るセグメントの連結構造は、トンネル軸方向に直交する複数の主桁を有するセグメントの端部を互いに連結する際に適用されるトンネル用のセグメントの連結構造において、互いに連結すべき一のセグメントには、矩形凹部が形成されるように開削された箱抜き部を有する雌構造部材が形成されているとともに、他のセグメントには、上記箱抜き部に対して施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌可能な雄構造部材が形成され、上記雄構造部材は、第1のエンドプレートが先端に形成され、さらに後端に向けて突出された突出部が設けられ、上記雌構造部材は、上記雄構造部材の遊嵌時において上記第1のエンドプレートと対面可能な箱抜き部側壁面において第2のエンドプレートが形成され、また上記箱抜き部側壁面と対向する側には、上記雄構造部材における突出部と互いに係止可能なコ字状溝部が設けられ、上記雄構造部材と上記雌構造部材には、少なくとも2本の応力伝達桁がトンネル軸方向に沿って上記主桁間にそれぞれ設けられ、そのうち一対の応力伝達桁は、上記雄構造部材の突出部と上記雌構造部材のコ字状溝部周囲にそれぞれ設けられてなり、さらに互いに遊嵌された上記雌構造部材と上記雄構造部材との間隙には、充填材が充填されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上述した構成からなる本発明では、雌構造部材と雄構造部材とを互いに遊嵌させることにより、トンネル分岐合流部を構成する2本のトンネル双方の組立施工誤差を吸収することが可能となる。
【0020】
また、上述した構成からなる本発明では、負荷された軸力、曲げモーメントやせん断力を応力伝達桁や、エンドプレート等を介して伝達させることができることから、応力の伝達性能を向上させることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明では、セグメントを互いに連結する際においても、従来技術の如きコマ材等を現場測量結果に基づいてその都度製作するステップを排除し、あくまで組めば即座に施工誤差を解消しつつ互いのセグメントを強固に連結することが可能となる。このため、施工期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0022】
特に、本発明では、トンネル軸方向に対する施工誤差吸収性能に優れる。ちなみに曲げモーメントやせん断力の伝達可能な性能は、主桁全強度の60%程度である。また、本発明では、主桁同士を嵌め合わせる必要が無いため、連結すべきセグメントの主桁の数に支配されることなく接続を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、2本のトンネルが分岐又は合流するトンネル分岐合流部の外周を構成するセグメントの連結構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
本発明を適用したセグメントの連結構造が適用されるトンネル分岐合流部1は、例えば図1に示すように、本線トンネル11とランプトンネル12とが合流して1本のトンネル13へと連結する。換言すれば、1本のトンネル13から本線トンネル11とランプトンネル12へ分岐する部分である。因みに、この図1(a)は、1本のトンネル13から、本線トンネル11並びにランプトンネル12へと2本に分岐するまでの構成を示しており、図1(b)は、この図1(a)におけるA−A断面図、図1(c)は、B−B断面図、図1(d)は、C−C断面図、図1(e)は、D−D断面図である。
【0025】
ここで、本線トンネル11とランプトンネル12とが合流して1本のトンネル13へと連結する場合を例に挙げて説明をする。本線トンネル11とランプトンネル12は、D−D断面図で示されるように、円形筒状のセグメントリングをトンネル軸方向に連続させる形で地中に埋設されている。ここで図1(a)に示す対象区間k1は、本線トンネル11並びにランプトンネル12が合流する区間である。対象区間k1に入り、トンネル11、12を互いに合流させる場合には、例えばC−C断面図(図1(d))に示すように、本線トンネル11の外周を構成していたセグメントの残置部11aと、ランプトンネル12の外周を構成していたセグメントの残置部12aとの間に、新たにセグメントを新設し、さらに仕切壁15を設けていくことになる。この新設されたセグメントが連続する領域を新設部14という。
【0026】
この対象区間k1においては、本線トンネル11とランプトンネル12の各中心軸が徐々に接近してゆき、これに伴って新設部14の長さは、B−B断面図(図1(c))に示すように徐々に短縮化され、また仕切壁15も取り外される。そして、最終的にA−A断面図(図1(b))に示されるような1本の円形筒状のトンネル13へと連結され、対象区間k1は終了することになる。
【0027】
本発明を適用したセグメントの連結構造は、この新設部14を構成するセグメントと、
本線トンネル11、ランプトンネル12を構成するセグメントの残置部11a、12aとの間で互いに隣接するセグメント周方向へ連結する際に用いられる。
【0028】
図2は、残置部11a、12aにおけるセグメント2と、新設部14におけるセグメント3との連結構造を例示したものである。セグメント2、3は、それぞれ鋼殻の内部にコンクリートを充填した合成セグメントである。また、このセグメント2は、残置部11a、12aにおける上端、下端に位置するものであり、新設部14との連結箇所に位置するセグメントである。またセグメント3は、新設部14の両端部に位置するものであり、残置部11a、12aとの連結箇所に位置するセグメントである。
【0029】
セグメント2(一のセグメント)には、矩形凹部が形成されるように開削された箱抜き部21を有する雌構造部材20が形成されている。また、セグメント2の連結すべきセグメント3(他のセグメント)には、箱抜き部21に対して施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌可能な雄構造部材30が形成されている。
【0030】
図3は、雌構造部材20が形成されているセグメント2の拡大斜視図を示している。ちなみに、この図3に示すセグメント2は、図2におけるH部分を構成するセグメント2を例に挙げているが、他のI,J、K部分を構成するセグメント2も同様の構成により具体化されるものとする。但し、下側のJ、K部分においては、通常のRCセグメントを用いるようにしてもよい。セグメント2は、トンネルの軸方向に直交する主桁22と、周方向に隣接する残置部11aにおけるセグメントと連結可能とするための図示しないセグメントボルト孔が穿設された継手板23と、主桁22を被覆するスキンプレート24と、箱抜き部21側壁面に形成された第2のエンドプレート25と、2本の応力伝達桁26a、26bとを備えている。
【0031】
主桁22は、セグメント2におけるトンネル軸方向両端に形成された外主桁22a、22cと、この外主桁22a、22cの中間に配設された中主桁22bの3枚で構成されるが、これに限定されるものではなく、いかなる枚数で構成されていてもよいが、通常は2枚乃至4枚で構成される。各主桁22a〜22cは、互いに同一形状となるように成形、加工が施された鋼板で構成される。この主桁22a〜22cは、箱抜き部21の形状に応じた矩形凹部を有する形状とされる。これら各主桁22a〜22cは、箱抜き部21を包囲するようにした鍵型状の形状からなる。また、この主桁22の板厚は30〜100mm程度で構成されている。
【0032】
スキンプレート24は、それぞれ主桁22の地山側表面を被覆するためのスキンプレート24aと、箱抜き部21の底面を被覆するためのスキンプレート24bとを有する。このスキンプレート24は、地山側から浸透してくる雨水等の水分が内空面側へ漏洩するのを防止すべく配設されるものである。また、このスキンプレート24bの存在により後述する充填材41が雌構造部材20内に漏洩してしまうのを防止することができる。このスキンプレート24は、例えば、厚さ3〜10mm程度の鋼板で構成される。
【0033】
箱抜き部21側壁面に位置する第2のエンドプレート25は、主桁22a〜22c並びにスキンプレート24aに取り付けられ、その板厚は30〜100mm程度で構成される。また、この第2のエンドプレート25が設けられている箱抜き部21側壁面と対向する側は、コ字状溝部27が設けられている。このコ字状溝部27は、深さ方向がトンネル周方向となるように延長されている。このようなコ字状溝部27は、鍵型状の形状からなる主桁22a〜22cにより、その周が形成されることになる。また、このコ字状溝部27から地山側には、先細状の形状からなるとともに、第2のエンドプレート25側に突出された突出部28が形成されている。この突出部28は、その地山側においてさらにスキンプレート24cが配設されている。
【0034】
応力伝達桁26a、26bは、上下フランジとウェブとからなるH形鋼で構成される。このうち、応力伝達桁26aは、コ字状溝部27の周囲に配設されてなり、具体的には、コ字状溝部27周囲の突出部28においてトンネル軸方向に向けて延長される形で配設されている。もう一方の応力伝達桁26bは、箱抜き部21の底面を被覆するスキンプレート24b底部において、トンネル軸方向に向けて延長される形で配設されている。
【0035】
図4は、雄構造部材30が形成されているセグメント3の拡大斜視図を示している。ちなみに、この図4に示すセグメント3は、図2におけるH部分を構成するセグメント3を例に挙げているが、他のI,J、K部分を構成するセグメント3も同様の構成により具体化されるものとする。但し、下側のJ、K部分においては、通常のRCセグメントを用いるようにしてもよい。セグメント3は、トンネルの軸方向に直交する主桁32と、主桁32を被覆するスキンプレート34と、雄構造部材30の先端に形成された第1のエンドプレート35と、この雄構造部材30の後端に向けて突出された突出部37と、2本の応力伝達桁36a、36bとを備えている。
【0036】
主桁32は、セグメント3におけるトンネル軸方向両端に形成された外主桁32a、32cと、この外主桁32a、32cの中間に配設された中主桁32bの3枚で構成されるが、これに限定されるものではなく、いかなる枚数で構成されていてもよい。通常、この主桁32は、2枚乃至4枚で構成される。各主桁32a〜32cは、互いに同一形状となるように成形、加工が施された鋼板で構成される。この主桁32a〜32cは、箱抜き部21の形状に応じた矩形を有する形状とされる。また、この主桁32の板厚は30〜100mm程度で構成されている。
【0037】
スキンプレート34は、それぞれ主桁32の地山側表面を被覆することにより、地山側から浸透してくる雨水等の水分が内空面側へ漏洩するのを防止する。第1のエンドプレート35は、主桁32a〜32c並びにスキンプレート34に取り付けられる。
【0038】
第1のエンドプレート35は、主桁32a〜32cに溶接等により固着され、その板厚は30〜100mm程度で構成される。
【0039】
突出部37は、トンネル周方向に向けて延長される形で突出されてなる。この突出部37は、主桁32a〜32cにより、その周が形成されることになる。突出部37は、雌構造部材20におけるコ字状溝部27と互いに係止可能な形状となるように構成されている。また、この突出部37を形成させることにより、その上方には凹部39が形成されることになる。
【0040】
応力伝達桁36a、36bは、上下フランジとウェブとからなるH形鋼で構成される。このうち、応力伝達桁36aは、各主桁32a〜32cにおける突出部37間においてトンネル軸方向に向けて架設されてなる。もう一方の応力伝達桁36bは、その下フランジ底面が雄構造部材30の底部と面一となる位置において、トンネル軸方向に向けて延長される形で配設されている。
【0041】
なお、応力伝達桁26、36は、曲げ剛性に優れる断面H形状或いは断面箱型形状で構成されていてもよいが、さらに断面T型、C型、L型で構成されていてもよい。
【0042】
上述の如き構成からなるセグメント2と、セグメント3を連結する際には、雌構造部材20と雄構造部材30とを互いに遊嵌させることにより行う。具体的には、図5に示すように、雌構造部材20における箱抜き部21に対して雄構造部材30を互いに間隙が形成される状態で、遊びを持った状態で嵌められる。このとき、雌構造部材20における箱抜き部21に対して雄構造部材30とが互いに動くことができる程度の間隙が形成されていることが必要となる。この間隙を設ける理由は、互いの施工誤差を吸収するためである。
【0043】
図5の例では、少なくとも第1のエンドプレート35と第2のエンドプレート25との間に間隙が形成されるように調整されているとともに、雄構造部材30の底部と箱抜き部21底面(スキンプレート24b)との間に間隙が形成されるように調整がなされているものである。このような間隙が形成されることにより、セグメント2とセグメント3は、互いにトンネル軸方向、トンネル周方向、更には、内空面側から地山側へと、水平移動又は垂直移動することができる。また、特にこのような間隙が形成されていることにより、セグメント2を構成する主桁22とセグメント3を構成する主桁32が互いに斜めに角度を持たせて配置することも可能となる。
【0044】
なお、互いに遊嵌された雌構造部材20と雄構造部材30との間隙には、充填材41が充填されている。この充填材41の材料としては、例えば高強度モルタルやコンクリート等の経時固化材等が適用される。ちなみに、充填性を良好にするためには、例えば、AE(Air Entrain)減水剤等の流動化剤を添加したスランプフロー50cm以上の高流動タイプのものを適用するようにしてもよい。この充填材41を充填する際には、例えば現場で型枠を設置して充填されることになる。箱抜き部21にスキンプレートを設置する際には、当該型枠を兼用させることも可能となる。
【0045】
ちなみに、このセグメント2とセグメント3との連結時においては、雄構造部材30の先端に形成された第1のエンドプレート35が、雌構造部材20の側壁面に形成されている第2のエンドプレート25と間隙を介して対面することになり、当該間隙には、充填材41が充填されることから、この第1のエンドプレート35と第2のエンドプレート25とは互いに充填材41を介して対面することになる。また、雄構造部材30に形成された応力伝達桁36aと、雌構造部材20に形成された応力伝達桁26aとが上下方向に並ぶことになり、また雄構造部材30に形成された応力伝達桁36bと、雌構造部材20に形成された応力伝達桁26bとが上下方向に並ぶことになる。また、このセグメント2とセグメント3との連結時には、雌構造部材20の後端に形成されたコ字状溝部27に対して雄構造部材30における突出部37が互いに係止されることになる。これにより、セグメント2とセグメント3とは、互いに主桁22、33同士斜めに角度を持った状態で配置すると共に互いに離脱しないように強固に係止させることが可能となる。
【0046】
なお、コ字状溝部27に対する突出部37の係止ととともに、凹部39に対して突出部28を係止させることもできる。但し、この凹部39に対する突出部28の係止は、セグメント2、3を互いに離脱不能に固定する上で必須とはならない。
【0047】
上述の如く連結されるセグメント2、3において例えば図6(a)に示すような方向で軸力Dが主桁22、32を介して伝わってきた場合には、第1のエンドプレート35と第2のエンドプレート25とを互いに向かい合わせに配置し、その間隙には充填材41を介装していることから、当該軸力Dを第1のエンドプレート35(第2のエンドプレート25)、充填材41、第2のエンドプレート25(第1のエンドプレート35)の順で伝達させることが可能となる。そして、この伝達させた軸力は、相手側のセグメント2、3の主桁22、32を介して伝達されていくことになる。
【0048】
また、上述の如く連結されるセグメント2、3において例えば図6(b)に示すような方向で曲げモーメントEが加わった場合には、偶力が形成されてこれに基づく伝達力Fが負荷されることになる。同様にせん断力Gが加わった場合にもこれに基づく伝達力Fが負荷される。
【0049】
しかし、本発明では、セグメント2、3の連結時において応力伝達桁36aと応力伝達桁26aとが上下方向に並び、また応力伝達桁36bと、応力伝達桁26bとが上下方向に並ぶことになるため、内空面側から地山側、或いは地山側から内空面側へと伝達してくる伝達力Fは、この上下方向に配列した応力伝達桁36a、26a、応力伝達桁36b、26bを介してそれぞれ上下方向へと伝達させることが可能となる。
【0050】
特に本発明においては、この雄構造部材30と雌構造部材20には、少なくとも2本に亘り応力伝達桁36、26をトンネル軸方向へそれぞれ設けている。そして、一対の応力伝達桁36a、26aは、雄構造部材30の突出部37と雌構造部材20のコ字状溝部27周囲にそれぞれ設けられている。即ち、この一対の応力伝達桁36a、26aは、雄構造部材30、雌構造部材20の右端部近傍に設けられている。従って、もう一対の応力伝達桁36b、26bと、この応力伝達桁36a、26aとの距離を極力離間させることが可能となり、曲げモーメントEやせん断力Gに基づく伝達力Fをより効果的に伝達させることが可能となる。
【0051】
本発明を適用したセグメントの連結構造は、例えば図7に示すような形態に適用することも可能である。
【0052】
この図7に示す形態において上述した図3〜5に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0053】
セグメント2における第2のエンドプレート25には、さらにトンネル周方向に向けて延長されている補剛プレート43が形成されている。この補剛プレート43は、トンネル周方向に向けて複数枚に亘り形成されていてもよい。また、このセグメント2には、地山側から内空面側にかけて縦リブ46が所定の間隔をおいて設けられている。
【0054】
セグメント3における第1のエンドプレート35には、さらにトンネル周方向に向けて延長されている補剛プレート44が形成されている。この補剛プレート44は、トンネル周方向に向けて複数枚に亘り形成されていてもよい。また、このセグメント3には、地山側から内空面側にかけて縦リブ47が所定の間隔をおいて設けられている。
【0055】
ちなみに、これら補剛プレート43、44はそれぞれ主桁22、32に溶接により固着され、主桁22、32における応力伝達を補完する上でも機能を発揮させることが可能となる。補剛プレート43、44の板厚は30〜100mm程度である。
【0056】
なお、セグメント2、3においては、図中紙面奥行き方向に相当するトンネル軸方向に向けてリングボルト孔45がそれぞれ縦リブ46、47の間に設けられている。このリングボルト孔45はトンネル軸方向に隣接する他のセグメントと連結する際に用いられるものである。
【0057】
このような図7に示す形態においては、軸力Dを第1のエンドプレート35(第2のエンドプレート25)、充填材41、第2のエンドプレート25(第1のエンドプレート35)の順で伝達させる際において、第1のエンドプレート35、第2のエンドプレート25の剛性を補うことが可能となる。
【0058】
本発明を適用したセグメントの連結構造は、例えば図8(a)に示すような形態に適用することも可能である。
【0059】
この図8(a)に示す形態において上述した図3〜5、7に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0060】
セグメント2には、さらに応力伝達桁26c、26dが、またセグメント3には、さらに応力伝達桁36c、36dが設けられている。
【0061】
応力伝達桁26c、26dは、上下フランジとウェブとからなるH形鋼で構成される。このうち応力伝達桁26cは、コ字状溝部27の底部に配設され、応力伝達桁26dは、その上フランジが突出部28の上面と面一となる位置に配設されている。
【0062】
また、応力伝達桁36c、36dは、上下フランジとウェブとからなるH形鋼で構成される。このうち応力伝達桁36cは、突出部37の底部に設けられ、応力伝達桁36dは、応力伝達桁26dと対向する位置に配設されている。
【0063】
これにより、応力伝達桁26cと応力伝達桁36cが上下方向に近接する形となり、また応力伝達桁26dと応力伝達桁36dが互いに近接する形となる。そして、上述の如く曲げモーメントEやせん断力Gが負荷された場合に、これに基づく伝達力Fが作用しても、これを一対の応力伝達桁36c、26c、一対の応力伝達桁36d、26dを介して伝達させることが可能となる。特にこのような応力伝達桁26、36の本数を増加させることにより伝達力Fの伝達性能を向上させることが可能となる。特にこの図8(a)の形態では、応力伝達桁36、26を4ペア形成させることにより、正負交番の曲げ伝達にも対応可能となる。
【0064】
なお、図8(b)は、図8(a)の形態からセグメント2とセグメント3の位置を入れ替えたものである。このように雌構造部材20と雄構造部材30とを入れ替えても同様の機能を発揮させることができるのは勿論である。但し、図8(b)の形態では、周囲の地盤凍結等による干渉を受けやすいことから、図8(a)の形態で具体化されることが望ましい。
【0065】
本発明を適用したセグメントの連結構造は、例えば図9に示すような形態に適用することも可能である。
【0066】
この図9に示す形態において上述した図3〜5、7、8に示す形態と同一の構成要素、
部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0067】
セグメント3における雄構造部材30の周囲は、スキンプレート48により被覆されている構成としている。具体的には、このスキンプレート48は、雄構造部材30の底面、突出部37の周囲、凹部39の周囲に配設されている。これにより、充填材41が雄構造部材30内に入り込むのを防止することが可能となり、ひいては充填材41の充填量を減らすことによる材料費の低減を図ることが可能となる。
【0068】
本発明を適用したセグメントの連結構造は、例えば図10に示すような形態に適用することも可能である。
【0069】
この図10に示す形態において上述した図9に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0070】
第1のエンドプレート35はトンネル内空面側を突出するように傾斜して形成され、第2のエンドプレート25はトンネル地山側を突出するように傾斜して形成されている。但し、この傾斜角θは、15〜45°で構成されていることが望ましい。トンネル周方向から軸力が加わった場合において傾斜角θがセグメントの板厚方向(θ=0°)で構成されている場合には、充填材41に対して第1のエンドプレート35、第2のエンドプレート25が両側から平行に押圧力が負荷されることになり、その結果当該充填材41が押圧方向に対する垂直方向としての地山側へと飛び出してしまう虞が出てくる。しかし、この図10の構成を採用することにより、充填材41に対して負荷される応力のベクトル方向を変えることができることから、当該充填材41が地山側へと飛び出してしまうのを防止することが可能となる。
【0071】
次に、本発明を適用したセグメント連結構造の施工方法について図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0072】
先ず、図11に示すように、トンネル分岐合流部1を構成する本線トンネル11とランプトンネル12について、残置部11a、12aにおいて雌構造部材20を有するセグメント2を予め設けておく。この段階においては、本線トンネル11、ランプトンネル12において、今後撤去すべき撤去部5を構成するセグメントが連結されたままの状態にある。また、この段階におけるセグメント2は、図12(a),(b)に示すように接続部保護部材51が装着されている。
【0073】
接続部保護部材51は、セグメント2における箱抜き部21に対して嵌合可能な形状とされている。接続部保護部材51は、図12(b)に示すようにスキンプレート52により表面が被覆されてなるとともに、縦リブ53が板厚方向へ設けられている。この接続部保護部材51は、セグメント2に対してセグメント3を連結するまでの間、シールドマシンのジャッキ反力の伝達と、この箱抜き部21内に地中の土砂が入り込むのを防止するべく、配設されるものである。
【0074】
次に、図13(a)に示すように接続部保護部材51を撤去する。ちなみに、この接続部保護部材51の装着並びに撤去は、トンネル軸方向へ当該接続部保護部材51を押圧することにより実行するようにしてもよい。なお、この接続部保護部材51を撤去する段階においては、トンネル周囲の地盤等を凍結させる等して補強しておくことが望ましい。その理由としては、接続部保護部材51を撤去した後に、この箱抜き部21内に地中の土砂が入り込むのを防止するためである。
【0075】
次に、図13(b)に示すように、セグメント2における雌構造部材20に対して、新設部14を構成するセグメント3の雄構造部材30を徐々に接近させる。この段階においては、セグメント2に対してセグメント3を鉛直方向にスライドさせることにより、雌構造部材20における箱抜き部21底面近傍まで雄構造部材3を近接させることになる。
【0076】
次に、図13(c)に示すように、雄構造部材3を水平方向へスライドさせる。このとき、上記雄構造部材30の突出部37が、雌構造部材20におけるコ字状溝部27と互いに係止可能な状態になるまで当該雄構造部材3をスライドさせることになる。その結果、雌構造部材20と雄構造部材30とは互いに遊嵌された状態となる。このため、セグメント2とセグメント3における施工誤差を吸収するように、雌構造部材20と雄構造部材30の位置合わせを行うことが可能となる。
【0077】
次に、図13(d)に示すように、互いに遊嵌された雌構造部材20と雄構造部材30との間隙に、充填材41を充填する。上述の如くセグメント2とセグメント3とは互いに施工誤差が吸収された状態にあり、かかる状態においてこれらを固定するために充填材41を充填することになる。この充填材41を隙間なく充填させることにより、止水性をも確保することが可能となる。
【0078】
なお、図13(c)における、施工誤差吸収のための位置合わせは、図14(a)に示すように、新設部14を構成するセグメントを連結している段階、或いは図14(b)に示すように、新設部14を構成するセグメントを介して本線トンネル11、ランプトンネル12が連結された段階の何れにおいても実施するようにしてもよい。ちなみに、この新設部14のセグメントを構成する際には、重機を用いて実行することになるが、かかる段階において施工誤差が具体的にどれくらい発生しているかが比較的明るみに出てくる場合もあるため、雌構造部材20と雄構造部材30の位置合わせをその段階において実行することが望ましい。
【0079】
また、図14(a)の段階においては、ランプトンネル12側のセグメント2とセグメント3とをボルトにより仮固定しておき、続けて新設部14を構成するセグメントを順次連結してゆき、図14(b)の段階における本線トンネル11側のセグメント2、3において互いに施工誤差を吸収できるように雌構造部材20と雄構造部材30の位置合わせを行い、また、これに引き続いてランプトンネル12側において仮固定したあるセグメント2、3間で位置合
わせを再度実行するようにしてもよい。
【0080】
なお、充填材41を充填する段階と前後して、図14(c)に示すように、撤去部5を構成するセグメントを撤去することになる。
【0081】
上述の如き本発明を適用したセグメント連結構造の施工方法では、従来技術の如きコマ材等を現場測量結果に基づいてその都度製作するステップを排除し、あくまで組めば即座に施工誤差を解消しつつ互いのセグメントを強固に連結することが可能となる。このため、施工期間の短縮化を図ることが可能となる。また、誤差吸収プレートを配設する必要性も無くなることから、工期をさらに短縮化することができる。
【0082】
ちなみに本発明を適用したセグメントの連結構造は、この新設部14を構成するセグメントと、本線トンネル11、ランプトンネル12を構成するセグメントの残置部11a、12aとの間で互いに周方向へ連結する際に用いられる場合に限定されるものではなく、例えば図15に示すように、新設部14を構成するセグメント間においても適用可能である。
【0083】
この図15に示す形態では、ランプトンネル12側から延長されてきた新設部14においてセグメント2を設け、また本線トンネル11側から延長されてきた新設部14においてセグメント3を設ける。そして、このセグメント2、3を上述した方法と同様に連結させる。このとき、この新設部14の中央付近にこのセグメント2、3の連結構造を1箇所設けることが望ましい。その理由として、ランプトンネル12側から延長されてきた新設部14のセグメントを構成する主桁と、本線トンネル11側から延長されてきた新設部14のセグメントを構成する主桁は、特に本線トンネル11とランプトンネル12の間隔が拡大又は縮小する区間において互いに異なる角度で交差することになる。このような主桁間の角度のズレを解消するためには、角度のズレを解消しつつ互いのセグメントを強固に連結可能な本発明をこの新設部の中央付近に設けることにより対処することが可能となるためである。
【0084】
図16は、この新設部14の中央において適用される本発明の拡大断面図を示している。この図16に示す形態において上述した図3〜5、7に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0085】
セグメント2には段差61が新たに形成されている。そして、この段差表面からさらに内空面側において箱抜き部21が形成されている。
【0086】
セグメント3における雄構造部材30は、平面状に形成された本体の途中から内空面側に分岐された分岐部62が形成されている。この分岐部62は、箱抜き部21に対して遊嵌可能な形状、サイズで構成されている。ちなみに、分岐部の先端には、応力伝達桁36aが配設される。
【0087】
実際にセグメント2、3を連結させる際には、このセグメント2における段差61上に雄構造部材30を載せる。このとき、上述の如く第1のエンドプレート35と、第2のエンドプレート25とが互いに対面するように位置制御を行う。次に、箱抜き部21に分岐部62を遊嵌させる。この段階において、間隙は、第1のエンドプレート35と第2のエンドプレート間、並びに箱抜き部21と分岐部62間に少なくとも形成されていることから、互いの施工誤差を吸収可能なように位置合わせを自在に行うことも可能となる。最後に、この間隙に充填材41を充填させる。
【0088】
また、図17は、応力伝達桁26、36の本数を増加させた例である。これにより曲げモーメントEやせん断力Gに基づく伝達力の伝達性能をより向上させることが可能となる。
【0089】
また、図18は、さらにセグメント3における雄構造部材30の周囲を、スキンプレート48により被覆した例である。これにより、充填材41が雄構造部材30内に入り込むのを防止することが可能となり、ひいては充填材41の充填量を減らすことによる材料費の低減を図ることが可能となる。
【0090】
更に、図19は、地山側が引張となる負曲げの伝達に対応する例を示している。コの字形状と応力伝達桁の配置位置を変更することで対応できる。
【0091】
なお、本発明を適用したセグメント2、3をセグメントの連結構造に適用する際に、図20に示すように他のセグメント7も併用するようにしてもよい。
【0092】
この図20に示す形態では、ランプトンネル12側から延長されてきた新設部14においてセグメント2を設け、また本線トンネル11側から延長されてきた新設部14においてセグメント3を設ける。また、新設部14と残置部11a、12aとの連結部位においては、セグメント7を適用する。即ち、新設部14から延長されてきたセグメント7と、残置部11a、12aから延長されてきたセグメント7を互いに連結することにより連結構造を構成するものである。セグメント2は、例えば図16〜19において説明した実施の形態を適用するようにしてもよい。
【0093】
図21、22は、セグメント7の拡大斜視図を示している。この図21、22に示すセグメント7は、トンネルの軸方向に直交する主桁72と、主桁72先端に設けられた支圧プレート74と、トンネル軸方向に隣接する主桁72間を連結するエンドプレート75と、エンドプレート75と支圧プレート74との中間に設けられた2本の応力伝達桁76とを備えている。
【0094】
主桁72は、図21に示す形態においては2枚で構成されており、図22に示す形態では、トンネル軸方向両端に形成された外主桁と、この外主桁の中間に配設された中主桁の3枚で構成される場合を示しているが、これに限定されるものではなく、いかなる枚数で構成されていてもよい。通常、この主桁22は、2枚乃至4枚で構成される。各主桁72は、互いに同一形状となるように成形、加工が施された鋼板で構成される。この主桁72は、先端の桁高縮小区間k2において桁高さが小さくなるように設定されている。この桁高縮小区間k2よりも後端側は、桁高さが大きく設定されている。また、この主桁72の板厚は30〜100mm程度で構成されている。ちなみに、この主桁72には、所定の間隔をおいて開口孔77が形成されていてもよい。
【0095】
支圧プレート74は、主桁に対して溶接等の手段により固着されるものであり、その板厚は30〜100mm程度である。支圧プレート74からトンネル周方向に向けて主桁72側面に補剛プレート78が取り付けられている。この補剛プレート78の板厚も30〜100mm程度であり、主桁72並びに支圧プレート74に対して溶接等により固着されている。
【0096】
エンドプレート75は、主桁72に対して直交する方向、換言すればトンネル軸方向に向けて延長される形で配設され、その板厚は30〜100mm程度で構成される。また、このエンドプレート75は、主桁72間を架設するように配設され、これに溶接等により固着されている。また、エンドプレート75から後端側へ向けて主桁72側面に補剛プレート79が取り付けられている。この補剛プレート79の板厚も30〜100mm程度であり、主桁72並びに支圧プレート74に対して互いに直交する向きで溶接等により固着されている。
【0097】
応力伝達桁76a、76bは、上下フランジとウェブとからなるH形鋼で構成される。ちなみに、この応力伝達桁76a、76bは、エンドプレート75と支圧プレート74との中間において配設されていればよいが、桁高縮小区間k2よりも後端側において配設されていることが必須となる。応力伝達桁76a、76bは、主桁72側面を架設するように配設され、溶接等の手段により固着されている。応力伝達桁76a、76bは、曲げ剛性に優れる断面H形状或いは断面箱型形状で構成されていてもよいが、さらに断面T型、C型、L型で構成されていてもよい。また、応力伝達桁76a、76bは、2本に亘って設けられる場合に限定されるものではなく、少なくとも1本以上で構成されていればよい。
【0098】
上述の如き構成からなるセグメント7を連結する際には、互いに連結すべき一方のセグメント7を構成する主桁72間に、他方のセグメント7の主桁72が施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌させることにより行う。具体的には、図23に示すように、一方のセグメント7を構成する主桁72と、他方のセグメント7の主桁72との間で互いに間隙が形成される状態で、遊びを持った状態で嵌められる。このとき、一方のセグメント7を構成する主桁72と、他方のセグメント7の主桁72との間で互いに動くことができる程度の間隙が形成されていることが必要となる。この間隙を設ける理由は、互いの施工誤差を吸収するためである。
【0099】
図23の例では、一方のセグメント7の主桁72間のエンドプレート75が他方のセグメント7の主桁72先端の支圧プレート74に対面する形とされている。このとき、エンドプレート75と支圧プレート74との間に間隙が形成されるように調整されている。同様に、一方のセグメント7の主桁72と、他方のセグメント7の主桁72とは互いに間隙が形成されるように調整されている。このような間隙が形成されることにより、セグメント7間同士で、互いにトンネル軸方向、トンネル周方向、更には、内空面側から地山側へと、水平移動又は垂直移動することができる。また、とくにこのような間隙が形成されていることにより、一方のセグメント7を構成する主桁72と、他方のセグメント7を構成する主桁72とを互いに斜めに角度を持たせて配置することも可能となる。
【0100】
このようにして連結されるセグメント7において例えば軸力が主桁72を介して伝わってきた場合には、支圧プレート74とエンドプレート75とを互いに向かい合わせに配置し、その間隙には充填材71を介装していることから、当該軸力Dを支圧プレート74(エンドプレート75)、充填材71、エンドプレート75(支圧プレート74)の順で伝達させることが可能となる。そして、この伝達させた軸力は、相手側のセグメント7の主桁72を介して伝達されていくことになる。
【0101】
また、上述の如く連結されるセグメント7において例えば曲げモーメントが加わった場合には、これに基づく伝達力が負荷されることになるが、これらも応力伝達桁76を介してそれぞれ上下方向へと伝達させることが可能となる。
【0102】
さらに、このセグメント7を互いに連結する際においても、従来技術の如きコマ材等を現場測量結果に基づいてその都度製作するステップを排除し、あくまで組めば即座に施工誤差を解消しつつ互いのセグメントを強固に連結することが可能となる。このため、施工期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0103】
特に、このセグメント7は、簡易な応力伝達構造により曲げモーメントやせん断力の伝達を可能とするものである。ちなみに曲げモーメントやせん断力の伝達可能な性能は、主桁全強度の70%程度である。
【0104】
またセグメント7の代替として、例えば図24、25に示すようなセグメント8、9を用いるようにしてもよい。
【0105】
セグメント8は、いわゆる雄構造部材として構成されるものであって、トンネルの軸方向に直交する主桁82と、主桁82先端に設けられた支圧プレート84と、トンネル軸方向に隣接する主桁82間を連結するエンドプレート85とを備えている。
【0106】
主桁82は、図24に示す形態においては2枚で構成されているが、これに限定されるものではなく、いかなる枚数で構成されていてもよい。この主桁82の上下には、支圧フランジ83a、83bが設けられている。支圧フランジ83a、83bは、主桁82に対して溶接等の手段により固着されている。ちなみに、この主桁22には、所定の間隔をおいて開口孔87が形成されていてもよい。
【0107】
支圧プレート84は、主桁に対して溶接等の手段により固着されるものであり、その板厚は30〜100mm程度である。支圧プレート84からトンネル周方向に向けて主桁82側面に補剛プレート88が取り付けられている。
【0108】
エンドプレート85は、主桁82に対して直交する方向、換言すればトンネル軸方向に向けて延長される形で配設される。また、このエンドプレート85は、主桁82間を架設するように配設され、これに溶接等により固着されている。また、エンドプレート85から後端側へ向けて主桁82側面に補剛プレート89が取り付けられている。
【0109】
図25は、セグメント9の拡大斜視図を示している。セグメント9は、いわゆる雌構造部材として構成されるものである。セグメント9は、トンネルの軸方向に直交する主桁82と、主桁82先端に設けられた支圧プレート84と、トンネル軸方向に隣接する主桁82間を連結するエンドプレート85とを備えている。上述したセグメント8と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
【0110】
主桁82は、図25に示す形態においては、トンネル軸方向両端に形成された外主桁と、この外主桁の中間に配設された中主桁の3枚で構成される場合を示しているが、これに限定されるものではなく、いかなる枚数で構成されていてもよい。この主桁82の上下には、当該主桁82の上下を連続するようにフランジ鋼板91が設けられている。フランジ鋼板91は、主桁82に対して溶接等の手段により固着されている。即ち、このセグメント3は、主桁82間の上下を連続するようにフランジ鋼板91が配設されて中空閉断面が形成されていることになる。フランジ鋼板91が配設されることにより、曲げモーメント並びにせん断力の伝達性能を向上させることが可能となる。
【0111】
上述の如き構成からなるセグメント8、9を連結する際には、互いに連結すべき一方のセグメント8を構成する主桁22間に、他方のセグメント9の主桁22が施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌させることにより行う。具体的には、図26に示すように、セグメント8を構成する主桁22と、他方のセグメント9の主桁22との間で互いに間隙が形成される状態で、遊びを持った状態で嵌められる。
【0112】
図26の例では、一方のセグメント8の主桁82間のエンドプレート85が他方のセグメント9の主桁82先端の支圧プレート84に対面する形とされている。このとき、エンドプレート85と支圧プレート84との間に間隙が形成されるように調整されている。同様に、一方のセグメント8の主桁82と、他方のセグメント9の主桁82とは互いに間隙が形成されるように調整されている。このような間隙が形成されることにより、セグメント8、9間同士で、互いにトンネル軸方向、トンネル周方向、更には、内空面側から地山側へと、水平移動又は垂直移動することができる。また、とくにこのような間隙が形成されていることにより、一方のセグメント8を構成する主桁82と、他方のセグメント9を構成する主桁82とを互いに斜めに角度を持たせて配置することも可能となる。
【0113】
なお、互いに遊嵌された主桁82、並びにエンドプレート85、支圧プレート84との間隙には、充填材41が同様に充填される。
【0114】
このようにして連結されるセグメント8、9において例えば軸力が主桁82を介して伝わってきた場合には、支圧プレート84とエンドプレート85とを互いに向かい合わせに配置し、その間隙には充填材を介装していることから、当該軸力を支圧プレート84(エンドプレート85)、充填材、エンドプレート85(支圧プレート84)の順で伝達させることが可能となる。そして、この伝達させた軸力は、相手側のセグメント8、9の主桁82を介して伝達されていくことになる。
【0115】
また、上述の如く連結されるセグメント8、9において例えば曲げモーメントが加わった場合には、これに基づく伝達力が負荷されることになるが、これらも応力伝達桁86を介してそれぞれ上下方向へと伝達させることが可能となる。
【0116】
さらに、このセグメント8、9を互いに連結する際においても、従来技術の如きコマ材等を現場測量結果に基づいてその都度製作するステップを排除し、あくまで組めば即座に施工誤差を解消しつつ互いのセグメントを強固に連結することが可能となる。このため、施工期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0117】
特に、このセグメント8、9は、閉断面構造により曲げモーメントやせん断力の伝達性能に優れるものである。ちなみに曲げモーメントやせん断力の伝達可能な性能は、主桁全強度の100%程度である。
【0118】
上述の如き構成からなる、セグメント7又はセグメント8、9を新設部14と残置部11a、12aとの連結部位に設けるとともに、新設部14においてセグメント2、3を設けることにより、施工誤差吸収をより効果的に行うことが可能となる。
【0119】
なお、図27(a)に示すように、セグメント7又はセグメント8、9を新設部14において設けるとともに、セグメント2、3を新設部14と残置部11a、12aとの連結部位に設けることにより、同様の効果を得ることが可能となる。
【0120】
図27(b)は、新設部14において鋼製部材の周囲を鉄筋コンクリート121で覆い鉄骨鉄筋コンクリート構造断面を構成する例を示している。本構成は新設部14を構成する鋼製部材の現場組立が完了した後に、その周囲に図示しない鉄筋および型枠を設置し型枠の内部にコンクリートを充填することで完成させることができる。この鉄筋コンクリート121で覆う構成により新設部14の部材耐力および剛性が高められ、トンネル分岐合流部断面の変形抑制などの効果を得ることが可能となる。なお、この鉄筋コンクリート121で覆う構成は連結部の構成には拘わらないため、本発明の効果とするところの連結構造の性能には影響はない。
【0121】
図28は、新設部14においてセグメント2、3を設けるとともに、新設部14と残置部11a、12aとの連結部位において、ボルト接合によりセグメントを互いに固定したボルト接合連結部201により構成する例を示している。この構成によっても上述と同様の効果を得ることができる。
【実施例1】
【0122】
トンネル分岐合流部1の仕様としては、本線トンネル11の外径が12.3m、ランプトンネル12の外径が9.9m、双方のトンネル11、12の中心間の距離が9.4m、セグメント2、3を構成する主桁22、32の設計断面力は、軸力が8391kN、曲げが1800kNmである。
【0123】
本発明を適用した場合に、本線トンネル11、ランプトンネル12のセグメントの桁高は700mm、接続部材の桁高が600mmであるのに対して、接続部材をRC構造とした場合に、本線トンネル11、ランプトンネル12のセグメントの桁高は700mm、接続部材の桁高が4000mmとなり、トンネル必要内空を侵すことが判明した。
【0124】
また、セグメント2における箱抜き部21に対する、セグメント3における雄構造部材20の間隙を図29(a)に示すサイズで設定をする。即ち、図中に示す座標系においてZ方向には±50mm移動可能とし、また、X方向にも±50mm移動可能とし、さらに紙面奥行き方向(トンネル軸方向)には、セグメント2、3の幅を超える距離を移動可能としている。また、図29(b)に示すように角度θyは、+2.7°、−4.2°変動可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明を適用したセグメントの連結構造が適用されるトンネル分岐合流部を示す図である。
【図2】残置部におけるセグメントと、新設部におけるセグメントとの連結構造を例示した図である。
【図3】雌構造部材が形成されているセグメントの拡大斜視図である。
【図4】雄構造部材が形成されているセグメントの拡大斜視図である。
【図5】雌構造部材と雄構造部材とを互いに遊嵌させることにより、セグメントを連結する例を示す図である。
【図6】各応力の伝達メカニズムについて説明するための図である。
【図7】さらに補剛プレートや縦リブを設けたセグメントの連結構造を示す図である。
【図8】応力伝達桁の本数を増加させたセグメントの連結構造を示す図である。
【図9】セグメントにおける雄構造部材の周囲にスキンプレートを被覆した構成について説明するための図である。
【図10】第1のエンドプレート並びに第2のエンドプレートは、互いにセグメントの板厚方向に対して傾斜させた例を示す図である。
【図11】接続部保護部材が装着されたセグメントを最初に敷設する例を示す図である。
【図12】接続部保護部材の構成図である。
【図13】接続部保護部材を撤去後、雄構造部材を雌構造部材内に遊嵌させるまでの工程について説明するための図である。
【図14】本発明を適用したセグメントの連結構造の施工方法について説明するための図である。
【図15】新設部を構成するセグメント間において本発明を適用する例を示す図である。
【図16】新設部の中央において適用される本発明の拡大断面図である。
【図17】新設部の中央において適用される本発明の他の拡大断面図である。
【図18】新設部の中央において適用される本発明の更なる他の拡大断面図である。
【図19】負曲げに対応する例を示す図である。
【図20】他のセグメントも併用して構築したセグメントの連結構造を示す図である。
【図21】図20における他のセグメントの拡大斜視図である。
【図22】図20における他のセグメントの異なる方向からの拡大斜視図である。
【図23】図21、22に示す他のセグメントの接合形態を示す図である。
【図24】支圧フランジとフランジ鋼板をさらに備えた他のセグメントの拡大斜視図である。
【図25】図24における他のセグメントの異なる方向からの拡大斜視図である。
【図26】図24、25に示す他のセグメントの接合形態を示す図である。
【図27】(a)は、他のセグメントも併用して構築したセグメントの連結構造の他の構成例を示す図であり、(b)は、新設部を鉄骨鉄筋コンクリート部材として構成した例を示す図である。
【図28】新設部と残置部との連結部位において、ボルト接合によりセグメントを互いに固定する例を示す図である。
【図29】本発明を適用したセグメントの連結構造の実施例について示す図である。
【図30】非開削工法の従来例について説明するための図である。
【図31】非開削工法に基づいて構築された本線トンネルとランプトンネルとのトンネル分岐合流部の完成図を示す図である。
【図32】従来における本線トンネルとランプトンネルの接続構造を示す図である。
【図33】(a)は、図32における接合構造のA部分の水平方向の断面図であり、(b)は、接合構造のB部分の水平方向の断面図である。
【図34】本線トンネル側から延長されてくる主桁と、ランプトンネル側から延長されてくる主桁間で互いに異なる角度で交差する例を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1 トンネル分岐合流部
2、3、7〜9 セグメント
5 撤去部
11 本線トンネル
12 ランプトンネル
13 トンネル
14 新設部
15 仕切壁
20 雌構造部材
30 雄構造部材
21 箱抜き部
22 主桁
23 継手板
24 スキンプレート
25 第2のエンドプレート
26a、26b 応力伝達桁
27 コ字状溝部
28 突出部
32 主桁
34 スキンプレート
35 第1のエンドプレート
36a、36b 応力伝達桁
37 突出部
41 充填材
43、44 補剛プレート
45 リングボルト孔
46、47、53 縦リブ
48、52 スキンプレート
51 接続部保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル軸方向に直交する複数の主桁を有するセグメントの端部を互いに連結する際に適用されるトンネル用のセグメントの連結構造において、
互いに連結すべき一のセグメントには、矩形凹部が形成されるように開削された箱抜き部を有する雌構造部材が形成されているとともに、他のセグメントには、上記箱抜き部に対して施工誤差を吸収可能な間隙をもって遊嵌可能な雄構造部材が形成され、
上記雄構造部材は、第1のエンドプレートが先端に形成され、さらに後端に向けて突出された突出部が設けられ、
上記雌構造部材は、上記雄構造部材の遊嵌時において上記第1のエンドプレートと対面可能な箱抜き部側壁面において第2のエンドプレートが形成され、また上記箱抜き部側壁面と対向する側には、上記雄構造部材における突出部と互いに係止可能なコ字状溝部が設けられ、
上記雄構造部材と上記雌構造部材には、少なくとも2本の応力伝達桁がトンネル軸方向に沿って上記主桁間にそれぞれ設けられ、そのうち一対の応力伝達桁は、上記雄構造部材の突出部と上記雌構造部材のコ字状溝部周囲にそれぞれ設けられてなり、
さらに互いに遊嵌された上記雌構造部材と上記雄構造部材との間隙には、充填材が充填されていること
を特徴とするセグメントの連結構造。
【請求項2】
上記雄構造部材は、上記第1のエンドプレートの背面において補剛プレートが配設され、
更に上記雌構造部材は、上記第2のエンドプレートの背面において補剛プレートが配設されていること
を特徴とする請求項1記載のセグメントの連結構造。
【請求項3】
上記第1のエンドプレートがトンネル内空面側を突出するように傾斜して形成され、並びに上記第2のエンドプレートがトンネル地山側を突出するように傾斜して形成されていること
を特徴とする請求項1又は2記載のセグメントの連結構造。
【請求項4】
上記雌構造部材は、その箱抜き部の底面並びに側壁面がスキンプレートにより被覆されていること
を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載のセグメントの連結構造。
【請求項5】
上記雄構造部材は、スキンプレートにより被覆されていること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載のセグメントの連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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