説明

セグメントの連結装置及びセグメント

【課題】従来、セグメントのセグメント継手面同士の連結部分においていわゆる目開きや目違いを生じ、シールドトンネルのトンネル壁体内に地下水や泥水が流入するという課題があった。
【解決手段】一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8に設けられた雄継手20と、他方のセグメント2Bの他方のセグメント継手面9に設けられた雌継手30とによりに形成され、雄継手20が、雌ねじ孔21と有頭ボルト22とを備え、雌継手30が雄ねじ部挿入溝31と頭部収容部32とを備え、頭部収容部32が、頭部収容部32内に収容された有頭ボルト22を一方のセグメントの内部の方向に進入させて有頭ボルト22の頭部25を雄ねじ部挿入溝31の周りに押し付けて係合させることのできるように、他方のセグメント2Bの他方のリング継手面11の外側から頭部収容部32内に差し込まれる工具の操作可能な大きさに形成された空間37を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントのセグメント継手面同士の連結部分でのいわゆる目違いや目開きを防止できるセグメントの連結装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルのトンネル壁体を形成するセグメントは、トンネル壁体の内側面を形成する弧状内面と、トンネル壁体の外側面を形成する弧状外面と、シールドトンネルの延長する方向の前後で相対峙する一対のリング継手面と、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面とを備える。シールドトンネルを構築する工事において、一方のセグメントのセグメント継手面と他方のセグメントのセグメント継手面とをシールドトンネルの周方向で互いに向かい合わせて連結するセグメントの連結装置として、一方のセグメントのセグメント継手面に設けられた雄継手と、他方のセグメントのセグメント継手面に設けられた雌継手とを備えた連結装置が知られている。雄継手は、雌ねじ孔と有頭ボルトとワッシャとばねとにより形成される。雌ねじ孔は、一方のセグメントのセグメント継手面から一方のセグメントの内部に開口する孔の内側に設けられる。有頭ボルトは、雄ねじ部がセグメント継手面の外側から雌ねじ部にねじ嵌合される。有頭ボルトは、一方のセグメントのセグメント継手面にセグメント継手面と直交する方向に進退自在に設けられる。さらに、ワッシャが雄ねじ部に挿入され、ワッシャと有頭ボルトの頭部とがばねにより連結された構成である。雌継手は、他方のセグメントのセグメント継手面から他方のセグメントの内部に開口する雄継手収容部により形成される。雄継手収容部は、雄継手挿入部、雄ねじ部挿入溝、頭側収容部により形成される。雄継手挿入部は、雄継手を他方のセグメントのセグメント継手面に直交する方向の外側から他方のセグメントの内部に挿入できるようにセグメント継手面から内部に開口する凹部により形成される。雄ねじ部挿入溝は、有頭ボルトの雄ねじ部を雄継手挿入部から挿入し得るように雄継手挿入部に繋がりかつ他方のセグメントのセグメント継手面からセグメントの内部に開口する溝である。頭側収容部は、有頭ボルトの頭部とワッシャとを雄継手挿入部から挿入し得るように雄継手挿入部及び雄ねじ部挿入溝に繋がる溝である。以上の構成において、雄継手が、他方のセグメントのセグメント継手面と直交する方向から雄継手挿入部に挿入された後に、雄ねじ部挿入溝及び頭側収容部の方向に移動される。これにより、雄継手の雄ねじ部が雄ねじ部挿入溝に挿入されかつ雄継手の頭部とワッシャとが頭側収容部に収容されることによって、一方のセグメントのセグメント継手面と他方のセグメントのセグメント継手面とが互いに連結される。
【特許文献1】特開2000−54795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のセグメントの連結装置は、一方のセグメントのセグメント継手面と他方のセグメントのセグメント継手面とが有頭ボルトの締結力によって連結された構造ではない。したがって、連結装置によって互いに連結されたセグメントの切羽側のリング継手面にシールドマシンの掘進推力が加わった場合に、雄継手のワッシャと有頭ボルトの頭部とを連結しているばねが縮むことによって、一方のセグメントの弧状内面と他方のセグメントの弧状内面との位置がずれて段差を生じたり(以下、目違いという)、一方のセグメントのセグメント継手面と他方のセグメントのセグメント継手面との間に隙間が生じ(以下、目開きという)、目違いや目開きによって生じる一方のセグメントのセグメント継手面と他方のセグメントのセグメント継手面との間の隙間からシールドトンネルのトンネル壁体内に地下水や泥水が流入するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、セグメントが、シールドトンネルの延長する方向の前後で相対峙する一対のリング継手面と、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面とを備え、シールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされた状態の2個のセグメントのセグメント継手面同士を連結するセグメントの連結装置において、連結装置が、一方のセグメントの一方のセグメント継手面に設けられた雄継手と、他方のセグメントの他方のセグメント継手面と当該セグメント継手面に隣接する他方のリング継手面とに連続して設けられた雌継手とにより形成され、雄継手が、一方のセグメントの一方のセグメント継手面から一方のセグメントの内部に延長するように設けられた雌ねじ孔と、雄ねじ部が雌ねじ孔にねじ嵌合された有頭ボルトとを備え、雌継手が、有頭ボルトの雄ねじ部を他方のセグメントにおける他方のリング継手面から他方のセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された雄ねじ部挿入溝と、有頭ボルトの頭部を他方のセグメントにおける他方のリング継手面から他方のセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された頭部収容部とを備え、頭部収容部が、頭部収容部内に収容された有頭ボルトを一方のセグメントの内部の方向に進入させて有頭ボルトの頭部を雄ねじ部挿入溝の周りに押し付けて係合させることのできるように、他方のセグメントの他方のリング継手面の外側から頭部収容部内に差し込まれる工具の操作可能な大きさに形成された空間を備えたことを特徴とする。上記構成の雄継手に変えて、雄継手が、一方のセグメントの一方のセグメント継手面から突出する雄ねじ部と、雄ねじ部にねじ嵌合されたナットとを備えた構成とされたことも特徴とする。雌ねじ孔が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサートナットにより形成されたことも特徴とする。雌継手が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサート金物により形成されたことも特徴とする。
本発明のセグメントは、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面のいずれか一方に上記記載の雄継手を備え、他方のセグメント継手面に上記記載の雌継手を備えたことを特徴とする。シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面の両方に、上記記載の雄継手、あるいは、上記記載の雌継手を備えたことも特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のセグメントの連結装置によれば、一方のセグメントの一方のセグメント継手面と他方のセグメントの他方のセグメント継手面とがシールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされた状態で雄継手の有頭ボルトあるいはナットによる締結力で互いに連結されるので、セグメントのセグメント継手面同士の連結部分でのいわゆる目違いや目開きを防止でき、シールドトンネルのトンネル壁体内への地下水や泥水の流入を防止できる。雌ねじ孔が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサートナットにより形成されたことによって、有頭ボルトの雄ねじ部が雌ねじ孔に対して着脱可能となる。よって、セグメントの運搬の際などには有頭ボルトを雌ねじ孔から取り外しておけば邪魔になることもなくなる。また、有頭ボルトに加わる力をインサートナットで受けることができ、セグメントのコンクリートのひび割れや破損を防止できる。雌継手が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサート金物により形成されたことで、コンクリートのひび割れや破損を防止できる。本発明のセグメントによれば、上記連結装置を形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態1
図1乃至図5は最良の形態1を示し、図1はセグメントの連結装置の雄継手と雌継手とを分解して示し、図2は連結装置による連結構造をシールドトンネルの延長方向に沿った断面で示し、図3は連結装置による連結構造をシールドトンネルの径方向に沿った断面で示し、図4はセグメントの組立要領を示し、図5はシールドトンネルの構築方法を示す。
【0007】
図5に示すように、シールド工事は、シールドマシン1の後方に複数のセグメント2を接合していって円筒壁体3を組立て、組立てた円筒壁体3の前面4でシールドマシン1の推進ジャッキ5の反力をとってシールドマシン1を推進させて地山100を掘進してから上記円筒壁体3の前面4に新しい円筒壁体3を組立て、以後、シールドマシン1の推進と円筒壁体3の組立てとを繰り返してトンネル壁体50を構築する。1つ1つのセグメント2は、上記円筒壁体3の中心線を基準として所定の角度間隔で分割した円筒周面の一部に相当する弧形状に形成された板状の所定厚さのコンクリート板材により形成される。すなわち、図4に示すように、セグメント2は、トンネル壁体50の内側面を形成する弧状内面6と、トンネル壁体50の外側面を形成する弧状外面7と、相対峙する一対のセグメント継手面8;9と、相対峙する一対のリング継手面10;11とを備える。セグメント継手面8;9は、シールドトンネルの延長する方向に沿った端面により形成されシールドトンネルの延長する方向、つまり、シールドマシン1の掘進方向Aの前後で相対峙する。リング継手面10;11は、シールドトンネルの周方向に沿った端面により形成されシールドトンネルの周方向で相対峙する。ここでは、1つ1つのセグメント2が、トンネル壁体50の組み立ての際に切羽側に位置される他方のリング継手面11側から近い位置の一方のセグメント継手面8に雄継手20を備え、かつ、トンネル壁体50の組み立ての際に切羽側に位置される他方のリング継手面11側から近い位置の他方のセグメント継手面9に雌継手30を備える場合を例にして説明する。つまり、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面8;9のうちの一方のセグメント継手面8に雄継手20を備え、他方のセグメント継手面9に雌継手30を備えたセグメント2を用いることによって、セグメント2;2のセグメント継手面8;9同士を連結装置15で連結する場合を説明する。
【0008】
図1に示すように、最良の形態1によるセグメントの連結装置15は、シールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされて連結される一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8に設けられた雄継手20と、他方のセグメント2Bの他方のセグメント継手面9及び当該セグメント継手面9と隣接する他方のリング継手面11に設けられた雌継手30とにより形成される。
【0009】
雄継手20は、雌ねじ孔21と有頭ボルト22とにより形成される。雌ねじ孔21は、一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8から一方のセグメント2Aの内部に延長するように設けられる。有頭ボルト22の雄ねじ部23がセグメント継手面8の外側から雌ねじ孔21にねじ嵌合されることで雄継手20が形成される。雌ねじ孔21は、外周に螺旋状に形成されたコンクリートに対する定着凹凸部28(図2参照)を有した鉄筋棒24の端面から鉄筋棒24の中心軸に沿って内側に延長するように形成される。雌ねじ孔21は、雌ねじ孔21の形成された鉄筋棒24を図外の型枠に設置して型枠内に生コンクリートを流し込んでコンクリートを固まらせることによって一方のセグメント2Aのセグメント継手面8から一方のセグメント2Aの内部に延長するよう一方のセグメント2Aの内部に埋設されたいわゆるインサートナット26により形成される。インサートナット26は定着凹凸部28によりコンクリートから脱落しない。インサートナット26を備えたので、有頭ボルト22の雄ねじ部23が雌ねじ孔21に対して着脱可能となり、セグメント2の運搬の際などには有頭ボルト22を雌ねじ孔21から取り外しておけば邪魔になることもない。また、有頭ボルト22に加わる力をインサートナット26で受けることができるので、セグメント2のコンクリートのひび割れや破損を防止できる。
【0010】
雌継手30は、雄ねじ部挿入溝31と頭部収容部32とにより形成される。雄ねじ部挿入溝31は、セグメント継手面8より外方に突出する有頭ボルト22の雄ねじ部23を他方のセグメント2Bにおける他方のリング継手面11から他方のセグメント2Bの内部に挿入し得るように有頭ボルト22の雄ねじ部23の直径より大きくかつ有頭ボルト22の頭部25の直径より小さい溝幅H1を有しかつ他方のセグメント2Bの他方のセグメント継手面9及び他方のリング継手面11から他方のセグメント2Bの内部に開口する構成である。頭部収容部32は、有頭ボルト22の頭部25を他方のセグメント2Bにおける他方のリング継手面11から他方のセグメント2Bの内部に挿入し得るように有頭ボルト22の頭部25の直径より大きい溝幅H2を有しかつ他方のセグメント2Bにおける他方のリング継手面11から他方のセグメント2Bの内部に開口するとともに雄ねじ部挿入溝31に繋がる構成である。雄ねじ部挿入溝31及び頭部収容部32は、他方のセグメント2Bにおける他方のリング継手面11から一方のリング継手面10の方向に所定の長さだけ延長する。頭部収容部32の空間37は、有頭ボルト22を一方のセグメント2Aの内部の方向に進入させて有頭ボルト22の頭部25を頭部収容部32側から雄ねじ部挿入溝31の周り、つまり、雄ねじ部挿入溝31と連続する頭部収容部32の内面である受圧面33に押し付けて係合させることができるように、他方のセグメント2Bの他方のリング継手面11に繋がる頭部収容部32の開口から差し込まれるラチェットレンチやスパナのようなねじ回しのための工具34(図2参照)を他方のリング継手面11の外側から操作可能な大きさに形成される。雌継手30は、雄ねじ部挿入溝31と頭部収容部32と定着凹凸部38とを備えた金物を図外の型枠に設置して型枠内に生コンクリートを流し込んでコンクリートを固まらせることによって他方のセグメント2Bのコンクリート内に埋設されたいわゆるインサート金物35により形成される。インサート金物35はコンクリートに対する定着凹凸部38を備えるのでコンクリートから脱落しない。雄ねじ部挿入溝31と頭部収容部32とがインサート金物35により形成されたことで、セグメント2のコンクリートに直接的に雄ねじ部挿入溝と頭部収容部とを形成した場合に比べてセグメント2のコンクリートのひび割れや破損を防止できる。
【0011】
シールドトンネルの構築方法を説明する。既に組立てた円筒壁体3(図4;5参照)の前面4で推進ジャッキ5の反力をとってシールドマシン1を推進させて地山100を掘進し、そして、シールドマシン1の後方に新たな円筒壁体3を組み立てて行く。この際、既に組立てた円筒壁体3の切羽側に新たにセグメント2を連結していく場合において、まず、他方のセグメント2Bの一方のリング継手面10より突出するピン40を円筒壁体3のセグメント2の他方のリング継手面11に形成されたピン受孔41内に入れて他方のセグメント2Bの一方のリング継手面10と円筒壁体3のセグメント2の他方のリング継手面11とを突き合わせる。そして、図1の矢示Bで示すように、一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8より突出する有頭ボルト22の頭部25と雄ねじ部23とを、他方のセグメント2Bの他方のリング継手面11に繋がる雄ねじ部挿入溝31と頭部収容部32との開口から雄ねじ部挿入溝31内と頭部収容部32内に挿入して一方のセグメント2Aを円筒壁体3の他方のリング継手面11の方向に移動させ、一方のセグメント2Aの一方のリング継手面10より突出するように設けられたピン40を円筒壁体3のセグメント2のリング継手面11に形成されたピン受孔41内に入れて一方のセグメント2Aのリング継手面10と円筒壁体3のセグメント2のリング継手面11とを突き合わせる。その後、図2のように、一方のセグメント2Aの他方のリング継手面11の開口から頭部収容部32内に工具34を差し込んで、この工具34のボルト頭掴み部36を有頭ボルト22の頭部25に装着し、他方のセグメント2Bのリング継手面11よりも外側、つまり、人が切羽側から工具34を操作して有頭ボルト22を一方のセグメント2Aの内部の方向に進入させることによって、有頭ボルト22の頭部25を頭部収容部32側から雄ねじ部挿入溝31の周りの受圧面33に押し付けるように係合させる。つまり、頭部25が受圧面33を押圧した状態に有頭ボルト22が雌ねじ孔21に締結されることによって、一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8と他方のセグメント2Bの他方のセグメント継手面9とがシールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされて連結される。以後、上記と同様にして、セグメント2を周方向に順次連結していくことで円筒壁体3を形成する。そして、完成した円筒壁体3の切羽側のリング継手面11により形成される円筒壁体3の前面4でシールドマシン1の推進ジャッキ5の反力をとってシールドマシン1を推進させる。この際、円筒壁体3を形成する複数のセグメント2は、セグメント継手面8;9同士が連結装置15の有頭ボルト22の締め付けによって互いに強く連結されているので、シールドマシン1による反力が円筒壁体3の前面4にかかった場合に、目違いや目開きを防止できる。つまり、一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8と他方のセグメント2Bの他方のセグメント継手面9とがシールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされた状態で有頭ボルト22の締結力によって強固に連結されるので、目違いや目開きを防止でき、シールドトンネルのトンネル壁体50内への地下水や泥水の流入を防止できる。
【0012】
最良の形態2
図6に示すように、雄継手20を、一方のセグメント2Aの一方のセグメント継手面8から突出する雄ねじ部51と、雄ねじ部51にねじ嵌合されたナット52とにより形成し、頭部収容部32をナット収容部として機能させてもよい。最良の形態2の構成の連結装置であっても最良の形態1と同じ効果が得られることは容易に理解できるであろう。この場合、雄ねじ部51がインサートナット26による雌ねじ孔21にねじ嵌合された構成とすれば、セグメント2の運搬の際などには雄ねじ部51を雌ねじ孔21から取り外しておけば邪魔になることもない。
【産業上の利用可能性】
【0013】
セグメント2のコンクリートに直接的に雌継手30を形成してもよい。最良の形態2の雄ねじ部51をセグメント2を形成するコンクリートに直接的に埋め込むようにして設けてもよい。シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面8:9の両方に雄継手20;20を設けたセグメント2と、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面8;9の両方に雌継手30;30を設けたセグメント2とを用いて、シールドトンネルの周方向にこれらを交互に配置して連結装置15で連結していくことも可能である。有頭ボルト22としては、六角柱状の頭部25を有した通常の六角ボルトの他に、頭部の下部が頭部の上部より大径のフランジに形成されたフランジ付きボルトや、六角柱状の頭部25の上面に六角柱状の六角レンチ挿入用の凹部の形成された六角凹部付きボルトなどを使用してもよい。フランジ付きボルトを使用すればフランジが受圧面33と接触することで頭部と受圧面33との接触面積が多くなって締結力を高めることができる。六角凹部付きボルトを使用すれば六角レンチのような小さな工具を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】セグメントの連結装置の雄継手と雌継手とを分解した分解斜視図(最良の形態1)。
【図2】連結装置による連結構造をシールドトンネルの延長方向に沿った断面で示す断面図(最良の形態1)。
【図3】連結装置による連結構造をシールドトンネルの径方向に沿った断面で示す断面図(最良の形態1)。
【図4】セグメントの組立要領を示す斜視図(最良の形態1)。
【図5】シールドトンネルの構築方法を示す断面図(最良の形態1)。
【図6】連結装置による連結構造をシールドトンネルの延長方向に沿った断面で示す断面図(最良の形態2)。
【符号の説明】
【0015】
2 セグメント、2A 一方のセグメント、2B 他方のセグメント、
8;9 セグメント継手面、10;11 リング継手面、
15 連結装置、20 雄継手、21 雌ねじ孔、22 有頭ボルト、
23 雄ねじ部、25 頭部、26 インサートナット、30 雌継手、
31 雄ねじ部挿入溝、32 頭部収容部開口、34 工具、
35 インサート金物、37 空間、51 雄ねじ部、52 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメントが、シールドトンネルの延長する方向の前後で相対峙する一対のリング継手面と、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面とを備え、シールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされた状態の2個のセグメントのセグメント継手面同士を連結するセグメントの連結装置において、連結装置が、一方のセグメントのセグメント継手面に設けられた雄継手と、他方のセグメントのセグメント継手面と当該セグメント継手面に隣接するリング継手面とに連続して設けられた雌継手とにより形成され、雄継手が、一方のセグメントのセグメント継手面からセグメントの内部に延長するように設けられた雌ねじ孔と、雄ねじ部が雌ねじ孔にねじ嵌合された有頭ボルトとを備え、雌継手が、有頭ボルトの雄ねじ部をリング継手面からセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された雄ねじ部挿入溝と、有頭ボルトの頭部をリング継手面から他方のセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された頭部収容部とを備え、頭部収容部が、頭部収容部内に収容された有頭ボルトを一方のセグメントの内部の方向に進入させて有頭ボルトの頭部を雄ねじ部挿入溝の周りに押し付けて係合させることのできるように、他方のセグメントのリング継手面の外側から頭部収容部内に差し込まれる工具の操作可能な大きさに形成された空間を備えたことを特徴とするセグメントの連結装置。
【請求項2】
セグメントが、シールドトンネルの延長する方向の前後で相対峙する一対のリング継手面と、シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面とを備え、シールドトンネルの周方向で互いに向かい合わされた状態の2個のセグメントのセグメント継手面同士を連結するセグメントの連結装置において、連結装置が、一方のセグメントのセグメント継手面に設けられた雄継手と、他方のセグメントのセグメント継手面と当該セグメント継手面に隣接するリング継手面とに連続して設けられた雌継手とにより形成され、雄継手が、一方のセグメントのセグメント継手面から突出する雄ねじ部と、雄ねじ部にねじ嵌合されたナットとを備え、雌継手が、有頭ボルトの雄ねじ部をリング継手面からセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された雄ねじ部挿入溝と、有頭ボルトの頭部をリング継手面から他方のセグメントの内部に挿入し得るように他方のセグメントに形成された頭部収容部とを備え、頭部収容部が、頭部収容部内に収容された有頭ボルトを一方のセグメントの内部の方向に進入させて有頭ボルトの頭部を雄ねじ部挿入溝の周りに押し付けて係合させることのできるように、他方のセグメントのリング継手面の外側から頭部収容部内に差し込まれる工具の操作可能な大きさに形成された空間を備えたことを特徴とするセグメントの連結装置。
【請求項3】
雌ねじ孔が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサートナットにより形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセグメントの連結装置。
【請求項4】
雌継手が、セグメントを形成するコンクリートに埋設されたインサート金物により形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセグメントの連結装置。
【請求項5】
シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面のいずれか一方に請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雄継手を備え、他方のセグメント継手面に請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雌継手を備えたことを特徴とするセグメント。
【請求項6】
シールドトンネルの周方向で相対峙する一対のセグメント継手面の両方に、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雄継手、あるいは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雌継手を備えたことを特徴とするセグメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−146379(P2007−146379A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338737(P2005−338737)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】