セグメントを製作するための型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法
【課題】高流動コンクリートを使用してセグメントを製作する際に、型枠に接する表面部の気泡を容易に抜き取ることが可能な型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法を提供する。
【解決手段】型枠3における外周面型枠板3dは、蓋型枠として周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上に設置される。外周面型枠板3dの縁部には、高流動コンクリート9内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具6を挿通可能な開口部3fが複数設けられており、コンクリート打設に伴い、この開口部3fから気泡抜き取り具6を抜き差しすることができる。
【解決手段】型枠3における外周面型枠板3dは、蓋型枠として周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上に設置される。外周面型枠板3dの縁部には、高流動コンクリート9内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具6を挿通可能な開口部3fが複数設けられており、コンクリート打設に伴い、この開口部3fから気泡抜き取り具6を抜き差しすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントを製作するための型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートを型枠内に充填してコンクリート構造物を製作する際は、テーブルバイブレーターによって振動を与えることにより、コンクリート内の気泡を抜いてセグメントの表面にあばた(凹凸)が生じることを防止していたが、テーブルバイブレーターで振動を与えても破損しない頑丈な型枠の作成に費用がかかり、また、テーブルバイブレーターのメンテナンス等も必要になるため、近年、高流動コンクリートを型枠内に充填する方法が採用されている。この高流動コンクリートを型枠内に充填してコンクリート構造物を製作する際は、コンクリート内の気泡を抜くために、以下のような対策方法が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、高流動コンクリートと接する型枠の表面に、気泡の表面張力を低下させて気泡を消去する消泡剤を塗布する方法が開示されている。この方法は、消泡剤が塗布された型枠内に高流動コンクリートを充填し、型枠近傍の高流動コンクリート内の気泡を消去することによって、セグメントの表面にあばたが生じることを防止するものである。
【0004】
また、擁壁等のコンクリート構造物のコンクリート打設時においては、コンクリートの表面部の気泡を抜き取るために気泡抜き取り具が考案され、特許文献2等に開示されている。この気泡抜き取り具は、作業員が把持する棒状の柄部と、柄部の先端に取り付けられ、複数のピアノ線を所定の間隔で櫛状に配置して形成される帯部とからなり、上方が開放された型枠内にコンクリートを充填しながら、型枠とコンクリートとの境界部分に上方からその帯部を挿入し、帯部を型枠の表面に当接させながらコンクリート内より上方に引き抜くことにより、セグメントの表面部の気泡を抜き取るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−137101号公報
【特許文献2】特許第3768188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、セグメントを1つ製作する毎に消泡剤の濃度を調整するとともに、その消泡剤を型枠の表面に塗布しなければならないので、手間がかかるという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の方法では、高流動コンクリートを使用して断面弧状のセグメントを製作する際には、セグメントの側面を形成するための型枠の上方を完全に覆う外周面型枠板を設けて、その中にコンクリートを充填するので、コンクリートを充填しながら気泡抜き取り具を型枠内に中に挿入することができないという問題点があった。さらに、コンクリートがある程度硬化した状態で上蓋を取り外して、気泡抜き取り具をコンクリート内に挿入して気泡を抜き取ってもあまり効果が得られないという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、高流動コンクリートを使用してセグメントを製作する際に、型枠に接する表面部の気泡を容易に抜き取ることが可能な型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明は、環状の覆工体を構成するコンクリート製のセグメントを製作するための型枠であって、前記セグメントの外周面を形成する外周面型枠板の周方向両側及び軸方向両側の縁部に、前記型枠内に充填されるコンクリート内の気泡を抜き取るための開口部を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、外周面型枠板の縁部に開口部が設けられているので、外周面型枠板を型枠から取り外すこと無く、高流動コンクリートを充填しながら、高流動コンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を開口部から挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具を用いて高流動コンクリート内の側部の気泡を抜き取ることにより、セグメントの側面にあばたが生じることを防止できる。
【0011】
また、セグメント組立の際に互いの接触面となる端面は、表面を綺麗に仕上げる必要があり、従来は、表面仕上げ作業が必須であったが、本発明の手法を用いると、型枠を取り外した後のセグメントの表面に生じるあばたが低減し、この作業を省力化することができる。
【0012】
本発明の型枠は、前記セグメントの軸方向両側面を形成する軸方向端面型枠板又は周方向両側面を形成する周方向端面型枠板の少なくとも何れかの上端面に、前記外周面型枠板との間に隙間を形成するためのスペーサを設けることとしてもよい。
【0013】
本発明によれば、気泡抜き取り具により上面に引き出された気泡が、この隙間から外部に流出するので、高流動コンクリート内に気泡が残留することを抑制できる。
【0014】
本発明の型枠は、前記軸方向端面型枠板又は前記周方向端面型枠板の少なくとも何れかの縁部に開口部を設けることとすれば、型枠内に充填された高流動コンクリート内に気泡抜き取り具をその開口部から挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具を用いて高流動コンクリート内の気泡を抜き取ることにより、外周面型枠板に接するセグメントの表面にあばたが生じることを抑制できる。
【0015】
本発明の型枠は、前記開口部に開閉可能な蓋を備えることとすれば、高流動コンクリートが開口部から外部へ流出することを防止できる。
【0016】
本発明は、上述した外周面型枠板の縁部にのみ開口部が設けられた型枠を用いたセグメントの製作方法において、前記型枠内に充填したコンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を、充填した前記コンクリートと前記型枠との境界部分に前記開口部から挿入した後、前記気泡抜き取り具を前記型枠の側面に当接させながら引き抜くことにより、前記コンクリート内の気泡を抜き取ることを特徴とする。
この方法において、前記気泡抜き取り具は、起振装置と、この起振装置により起振される振動板とを備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、高流動コンクリートを使用してセグメントを製作する際に、型枠に接する表面部の気泡を容易に抜き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す平面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す側面図である。
【図4】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図5】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図6】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る型枠を示す斜視図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る型枠を示す側面図である。
【図9】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図10】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す水平断面図である。
【図11】気泡抜き取り具の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係る型枠3を示し、それぞれ斜視図、平面図、側面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、型枠3は、セグメント1の周方向端面を形成するための一対の周方向端面型枠板3aと、軸方向端面を形成するための一対の軸方向端面型枠板3bと、内周面を形成するための内周面型枠板3cと、外周面を形成するための外周面型枠板3dとから構成され、外周面型枠板3dは、蓋型枠として周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上に設置される。
【0022】
周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bは、セグメント1の側面に沿うように、例えば、鉄板を成形することにより製作される。また、内周面型枠板3c及び外周面型枠板3dは、セグメント1の曲率半径に沿うように、例えば、鉄板を円弧状に湾曲させることにより製作される。
【0023】
周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面には、スペーサ4が複数、所定の間隔で設置されている。なお、スペーサ4を磁石で構成すれば、外周面型枠板3dを容易に脱着することができる。スペーサ4の厚さは、例えば、2mmであって(図1及び図3では、スペーサ4を誇張して示している。)、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bと外周面型枠板3dとの間には隙間5が形成されているが、後述するように高流動コンクリート9を型枠3内に充填しても、2mm程度の大きさの隙間5であれば、そこから高流動コンクリート9が流出することはない。
【0024】
外周面型枠板3dの中央部には、コンクリートを注入するための注入孔3eが設けられている。また、外周面型枠板3dの縁部には、高流動コンクリート9内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具6(後述の図5及び図6を参照)を挿通可能な開口部3fが複数設けられている。本実施形態においては、気泡抜き取り具6として、幅、厚さがそれぞれ、例えば、240mm、3.5mmのピカコン(登録商標:株式会社山全製)を用いたので、開口部3fは、これよりもやや大きく、幅、奥行きをそれぞれ300mm、10mmとした。なお、開口部3fは、この大きさに限定されるものではなく、気泡抜き取り具6の大きさに応じた大きさとする。
【0025】
これらの開口部3fから高流動コンクリート9が外部に流出しないように、外周面型枠板3dの表面の開口部3fに開閉可能な蓋7を設置してもよい。
【0026】
以下に、本実施形態に係るセグメント1の製作方法を施工手順に従って説明する。
図4〜図6は、本実施形態に係るセグメント1の製造工程を示す正断面図である。
【0027】
まず、図4に示すように、高流動コンクリート9を注入するための注入管8を注入孔3eに挿通して、型枠3内に高流動コンクリート9を充填する。高流動コンクリート9を充填するとともに、図5及び図6に示すように、型枠3に充填された高流動コンクリート9と型枠3との境界部分に、気泡抜き取り具6を外周面型枠板3dの開口部3fから挿入し、小さく上下にゆすりながらゆっくり引き抜いて高流動コンクリート9内の空気を抜き取る。気泡抜き取り具6を引き抜く際は、気泡抜き取り具6を周方向端面型枠板3a又は軸方向端面型枠板3bに当接させながら行う。コンクリート充填中は、気泡抜き取り具6を挿入し、ゆっくり引き抜く作業を繰り返し行う。
【0028】
気泡抜き取り具6により上面付近まで引き出された気泡は、上記隙間5から外方に自然に抜け出す。
【0029】
その後、外周面型枠板3dの注入孔3eに蓋7をして所定の温度で高流動コンクリート9が適宜硬化するまで養生する。養生後、型枠3を脱型することにより、セグメント1が製造される。
【0030】
以上説明した本実施形態における型枠3によれば、外周面型枠板3dの縁部に開口部3fが設けられているので、外周面型枠板3dを型枠3から取り外すこと無く、型枠3内に充填された高流動コンクリート9内に気泡抜き取り具6を挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具6を用いて高流動コンクリート9内の側部の気泡を抜き取ることにより、セグメント1の側面にあばたが生じるのを抑制し、脱型後の側面仕上げの手間を大きく省力化できる。
【0031】
また、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面と外周面型枠板3dとの間にスペーサ4が設けられているので、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面と外周面型枠板3dとの間に隙間5が形成される。気泡抜き取り具6により上面付近まで引き出された気泡は、この隙間5から型枠3外に流出するので、内部に残留してしまった気泡を排出し易くすることができる。
【0032】
また、外周面型枠板3dの開口部3fに蓋7が設けられた場合には、高流動コンクリート9が開口部3fから外部へ流出するのを防止できる。
【0033】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。以下の説明において、第一実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第二実施形態における型枠13は、スペーサ4の代わりに、軸方向端面型枠板3bの外周縁部に開口部3gを設けたものである。
【0034】
図7及び図8は、本発明の第二実施形態に係る型枠13を示し、それぞれ斜視図、側面図である。
【0035】
図7及び図8に示すように、外周面型枠板3dと接する軸方向端面型枠板3bの外周縁部には、開口部3gが複数設けられている。また、これらの開口部3gから高流動コンクリート9が外部に流出しないように、軸方向端面型枠板3bの表面に開閉可能な蓋7を設置してもよい。本実施形態においては、第一実施形態と同じ大きさの開口部3gを設けたが、これに限定されるものではない。
【0036】
以下に、本実施形態に係るセグメント1の製作方法を施工手順に従って説明する。
【0037】
図9及び図10は、本実施形態に係るセグメント1の製造工程を示す正断面図、水平断面図である。
【0038】
まず、図9に示すように、第一実施形態と同様に、型枠13内に高流動コンクリート9を充填するとともに、気泡抜き取り具6を外周面型枠板3dの開口部3fから高流動コンクリート9と型枠3との境界部分に挿入し、引き抜いてセグメント1側部にあたる高流動コンクリート9の表面の空気を抜き取る。そして、高流動コンクリート9を所定の量だけ充填した後も10分程度、その作業を継続する。
【0039】
さらに、高流動コンクリート9を所定の量だけ充填した後は、図10に示すように、他の気泡抜き取り具6を軸方向端面型枠板3bの開口部3gから挿入し、引き抜いてセグメント1の外周面にあたる高流動コンクリート9の上面側の空気を抜き取る。
【0040】
その後、第一実施形態と同様に、外周面型枠板3dの注入孔3eに蓋7をして所定の温度で高流動コンクリート9が適宜硬化するまで養生する。
【0041】
以上説明した本実施形態における型枠13によれば、第一実施形態と同様に、側面仕上げの手間を省力化できるだけでなく、気泡抜き取り具6を用いて高流動コンクリート9内の外周面側の気泡を抜き取ることにより、セグメント1の表面にあばたが生じることを防止でき、脱型後の表面仕上げ作業を大きく省力化することができる。
【0042】
そして、軸方向端面型枠板3bの開口部3gに蓋7を設けた場合には、型枠13内に充填された高流動コンクリート9が開口部3gから外部へ流出するのを防止できる。
【0043】
なお、上述した各実施形態においては、気泡抜き取り具6として、ピカコン(登録商標)を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、棒状の振動体11aを備える起振装置11と、振動体11aの先端に取り付けられ、スリット13を有する振動板12とを備えた気泡抜き取り具10を用いてもよい。起振装置11は、例えば、その内部に偏心した錘を有する回転軸を有し、この回転軸の回転により振動体11aを振動させるように構成されており、その振動が振動板12に伝達されて振動板12が起振されるようになっている。
【0044】
図11に示す気泡抜き取り具10を用いる場合は、振動板12を、起振装置11により振動させた状態で、高流動コンクリート9と型枠3、13との境界部分に、開口部3f、3gから挿入し、ゆっくり引き抜く。振動板12を振動させながら高流動コンクリート9内に挿入すると、振動板12に接触する部分の気泡が付着するのみならず、振動板12の近傍の高流動コンクリート9内の気泡が振動によって移動して振動板12に付着し、この振動板12が引き抜かれことにより、気泡が型枠3、13の外へ抜け出すこととなる。その際、振動板12が板状であって一定の面積を有しているため、棒状の振動体を高流動コンクリート9内に挿入する場合に比べて、より広い範囲の気泡を振動板12に付着させて抜き取ることが可能である。また、振動板12にスリット13が設けられているので、気泡がこのスリット13の部分に付着し易くなっている。
【0045】
このように、振動板12を備えた気泡抜き取り具10によれば、高流動コンクリート9内の気泡をより効率的に抜き取ることができる。このため、必ずしも、同じ場所で振動板12の挿入、引抜きを繰り返す必要はないので、気泡抜き取り作業の効率を向上させることができる。ただし、例えば、気泡の量が多く、振動板12の挿入、引抜きを一度行っただけでは十分に気泡が抜き取れないおそれがある場合には、挿入、引抜きを繰り返して行うこととしてもよい。
【0046】
以上のとおり、気泡抜き取り具10を用いることによっても、上記第一及び第二の実施形態の場合と同様に、高流動コンクリート9内の側部あるいは外周面の気泡を抜き取ることができる。
【0047】
なお、振動板12は振動体11aの先端に例えばボルト締め等により着脱可能に取り付けられており、開口部3f、3gの寸法や型枠3,13の寸法等に応じた適切な形状寸法の振動板12を選んで用いることができる。また、図11には、振動板12にスリット13が設けられた場合を示したが、これに限らず、丸穴等、適宜な形状の開口が設けられてもよい。また、開口部に限らず、気泡が付着しやすいような細かな凹凸が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 セグメント
3、13 型枠
3a 周方向端面型枠板
3b 軸方向端面型枠板
3c 内周面型枠板
3d 外周面型枠板
3e 注入孔
3f 開口部
3g 開口部
4 スペーサ
5 隙間
6 気泡抜き取り具
7 蓋
8 注入管
9 高流動コンクリート
10 気泡抜き取り具
11 起振装置
11a 振動体
12 振動板
13 スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントを製作するための型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートを型枠内に充填してコンクリート構造物を製作する際は、テーブルバイブレーターによって振動を与えることにより、コンクリート内の気泡を抜いてセグメントの表面にあばた(凹凸)が生じることを防止していたが、テーブルバイブレーターで振動を与えても破損しない頑丈な型枠の作成に費用がかかり、また、テーブルバイブレーターのメンテナンス等も必要になるため、近年、高流動コンクリートを型枠内に充填する方法が採用されている。この高流動コンクリートを型枠内に充填してコンクリート構造物を製作する際は、コンクリート内の気泡を抜くために、以下のような対策方法が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、高流動コンクリートと接する型枠の表面に、気泡の表面張力を低下させて気泡を消去する消泡剤を塗布する方法が開示されている。この方法は、消泡剤が塗布された型枠内に高流動コンクリートを充填し、型枠近傍の高流動コンクリート内の気泡を消去することによって、セグメントの表面にあばたが生じることを防止するものである。
【0004】
また、擁壁等のコンクリート構造物のコンクリート打設時においては、コンクリートの表面部の気泡を抜き取るために気泡抜き取り具が考案され、特許文献2等に開示されている。この気泡抜き取り具は、作業員が把持する棒状の柄部と、柄部の先端に取り付けられ、複数のピアノ線を所定の間隔で櫛状に配置して形成される帯部とからなり、上方が開放された型枠内にコンクリートを充填しながら、型枠とコンクリートとの境界部分に上方からその帯部を挿入し、帯部を型枠の表面に当接させながらコンクリート内より上方に引き抜くことにより、セグメントの表面部の気泡を抜き取るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−137101号公報
【特許文献2】特許第3768188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、セグメントを1つ製作する毎に消泡剤の濃度を調整するとともに、その消泡剤を型枠の表面に塗布しなければならないので、手間がかかるという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の方法では、高流動コンクリートを使用して断面弧状のセグメントを製作する際には、セグメントの側面を形成するための型枠の上方を完全に覆う外周面型枠板を設けて、その中にコンクリートを充填するので、コンクリートを充填しながら気泡抜き取り具を型枠内に中に挿入することができないという問題点があった。さらに、コンクリートがある程度硬化した状態で上蓋を取り外して、気泡抜き取り具をコンクリート内に挿入して気泡を抜き取ってもあまり効果が得られないという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、高流動コンクリートを使用してセグメントを製作する際に、型枠に接する表面部の気泡を容易に抜き取ることが可能な型枠及びその型枠を用いたセグメントの製作方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明は、環状の覆工体を構成するコンクリート製のセグメントを製作するための型枠であって、前記セグメントの外周面を形成する外周面型枠板の周方向両側及び軸方向両側の縁部に、前記型枠内に充填されるコンクリート内の気泡を抜き取るための開口部を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、外周面型枠板の縁部に開口部が設けられているので、外周面型枠板を型枠から取り外すこと無く、高流動コンクリートを充填しながら、高流動コンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を開口部から挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具を用いて高流動コンクリート内の側部の気泡を抜き取ることにより、セグメントの側面にあばたが生じることを防止できる。
【0011】
また、セグメント組立の際に互いの接触面となる端面は、表面を綺麗に仕上げる必要があり、従来は、表面仕上げ作業が必須であったが、本発明の手法を用いると、型枠を取り外した後のセグメントの表面に生じるあばたが低減し、この作業を省力化することができる。
【0012】
本発明の型枠は、前記セグメントの軸方向両側面を形成する軸方向端面型枠板又は周方向両側面を形成する周方向端面型枠板の少なくとも何れかの上端面に、前記外周面型枠板との間に隙間を形成するためのスペーサを設けることとしてもよい。
【0013】
本発明によれば、気泡抜き取り具により上面に引き出された気泡が、この隙間から外部に流出するので、高流動コンクリート内に気泡が残留することを抑制できる。
【0014】
本発明の型枠は、前記軸方向端面型枠板又は前記周方向端面型枠板の少なくとも何れかの縁部に開口部を設けることとすれば、型枠内に充填された高流動コンクリート内に気泡抜き取り具をその開口部から挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具を用いて高流動コンクリート内の気泡を抜き取ることにより、外周面型枠板に接するセグメントの表面にあばたが生じることを抑制できる。
【0015】
本発明の型枠は、前記開口部に開閉可能な蓋を備えることとすれば、高流動コンクリートが開口部から外部へ流出することを防止できる。
【0016】
本発明は、上述した外周面型枠板の縁部にのみ開口部が設けられた型枠を用いたセグメントの製作方法において、前記型枠内に充填したコンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を、充填した前記コンクリートと前記型枠との境界部分に前記開口部から挿入した後、前記気泡抜き取り具を前記型枠の側面に当接させながら引き抜くことにより、前記コンクリート内の気泡を抜き取ることを特徴とする。
この方法において、前記気泡抜き取り具は、起振装置と、この起振装置により起振される振動板とを備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、高流動コンクリートを使用してセグメントを製作する際に、型枠に接する表面部の気泡を容易に抜き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す平面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る型枠を示す側面図である。
【図4】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図5】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図6】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る型枠を示す斜視図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る型枠を示す側面図である。
【図9】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す正断面図である。
【図10】本実施形態に係るセグメントの製造工程を示す水平断面図である。
【図11】気泡抜き取り具の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係る型枠3を示し、それぞれ斜視図、平面図、側面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、型枠3は、セグメント1の周方向端面を形成するための一対の周方向端面型枠板3aと、軸方向端面を形成するための一対の軸方向端面型枠板3bと、内周面を形成するための内周面型枠板3cと、外周面を形成するための外周面型枠板3dとから構成され、外周面型枠板3dは、蓋型枠として周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上に設置される。
【0022】
周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bは、セグメント1の側面に沿うように、例えば、鉄板を成形することにより製作される。また、内周面型枠板3c及び外周面型枠板3dは、セグメント1の曲率半径に沿うように、例えば、鉄板を円弧状に湾曲させることにより製作される。
【0023】
周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面には、スペーサ4が複数、所定の間隔で設置されている。なお、スペーサ4を磁石で構成すれば、外周面型枠板3dを容易に脱着することができる。スペーサ4の厚さは、例えば、2mmであって(図1及び図3では、スペーサ4を誇張して示している。)、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bと外周面型枠板3dとの間には隙間5が形成されているが、後述するように高流動コンクリート9を型枠3内に充填しても、2mm程度の大きさの隙間5であれば、そこから高流動コンクリート9が流出することはない。
【0024】
外周面型枠板3dの中央部には、コンクリートを注入するための注入孔3eが設けられている。また、外周面型枠板3dの縁部には、高流動コンクリート9内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具6(後述の図5及び図6を参照)を挿通可能な開口部3fが複数設けられている。本実施形態においては、気泡抜き取り具6として、幅、厚さがそれぞれ、例えば、240mm、3.5mmのピカコン(登録商標:株式会社山全製)を用いたので、開口部3fは、これよりもやや大きく、幅、奥行きをそれぞれ300mm、10mmとした。なお、開口部3fは、この大きさに限定されるものではなく、気泡抜き取り具6の大きさに応じた大きさとする。
【0025】
これらの開口部3fから高流動コンクリート9が外部に流出しないように、外周面型枠板3dの表面の開口部3fに開閉可能な蓋7を設置してもよい。
【0026】
以下に、本実施形態に係るセグメント1の製作方法を施工手順に従って説明する。
図4〜図6は、本実施形態に係るセグメント1の製造工程を示す正断面図である。
【0027】
まず、図4に示すように、高流動コンクリート9を注入するための注入管8を注入孔3eに挿通して、型枠3内に高流動コンクリート9を充填する。高流動コンクリート9を充填するとともに、図5及び図6に示すように、型枠3に充填された高流動コンクリート9と型枠3との境界部分に、気泡抜き取り具6を外周面型枠板3dの開口部3fから挿入し、小さく上下にゆすりながらゆっくり引き抜いて高流動コンクリート9内の空気を抜き取る。気泡抜き取り具6を引き抜く際は、気泡抜き取り具6を周方向端面型枠板3a又は軸方向端面型枠板3bに当接させながら行う。コンクリート充填中は、気泡抜き取り具6を挿入し、ゆっくり引き抜く作業を繰り返し行う。
【0028】
気泡抜き取り具6により上面付近まで引き出された気泡は、上記隙間5から外方に自然に抜け出す。
【0029】
その後、外周面型枠板3dの注入孔3eに蓋7をして所定の温度で高流動コンクリート9が適宜硬化するまで養生する。養生後、型枠3を脱型することにより、セグメント1が製造される。
【0030】
以上説明した本実施形態における型枠3によれば、外周面型枠板3dの縁部に開口部3fが設けられているので、外周面型枠板3dを型枠3から取り外すこと無く、型枠3内に充填された高流動コンクリート9内に気泡抜き取り具6を挿入することが可能となる。そして、この気泡抜き取り具6を用いて高流動コンクリート9内の側部の気泡を抜き取ることにより、セグメント1の側面にあばたが生じるのを抑制し、脱型後の側面仕上げの手間を大きく省力化できる。
【0031】
また、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面と外周面型枠板3dとの間にスペーサ4が設けられているので、周方向端面型枠板3a及び軸方向端面型枠板3bの上面と外周面型枠板3dとの間に隙間5が形成される。気泡抜き取り具6により上面付近まで引き出された気泡は、この隙間5から型枠3外に流出するので、内部に残留してしまった気泡を排出し易くすることができる。
【0032】
また、外周面型枠板3dの開口部3fに蓋7が設けられた場合には、高流動コンクリート9が開口部3fから外部へ流出するのを防止できる。
【0033】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。以下の説明において、第一実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第二実施形態における型枠13は、スペーサ4の代わりに、軸方向端面型枠板3bの外周縁部に開口部3gを設けたものである。
【0034】
図7及び図8は、本発明の第二実施形態に係る型枠13を示し、それぞれ斜視図、側面図である。
【0035】
図7及び図8に示すように、外周面型枠板3dと接する軸方向端面型枠板3bの外周縁部には、開口部3gが複数設けられている。また、これらの開口部3gから高流動コンクリート9が外部に流出しないように、軸方向端面型枠板3bの表面に開閉可能な蓋7を設置してもよい。本実施形態においては、第一実施形態と同じ大きさの開口部3gを設けたが、これに限定されるものではない。
【0036】
以下に、本実施形態に係るセグメント1の製作方法を施工手順に従って説明する。
【0037】
図9及び図10は、本実施形態に係るセグメント1の製造工程を示す正断面図、水平断面図である。
【0038】
まず、図9に示すように、第一実施形態と同様に、型枠13内に高流動コンクリート9を充填するとともに、気泡抜き取り具6を外周面型枠板3dの開口部3fから高流動コンクリート9と型枠3との境界部分に挿入し、引き抜いてセグメント1側部にあたる高流動コンクリート9の表面の空気を抜き取る。そして、高流動コンクリート9を所定の量だけ充填した後も10分程度、その作業を継続する。
【0039】
さらに、高流動コンクリート9を所定の量だけ充填した後は、図10に示すように、他の気泡抜き取り具6を軸方向端面型枠板3bの開口部3gから挿入し、引き抜いてセグメント1の外周面にあたる高流動コンクリート9の上面側の空気を抜き取る。
【0040】
その後、第一実施形態と同様に、外周面型枠板3dの注入孔3eに蓋7をして所定の温度で高流動コンクリート9が適宜硬化するまで養生する。
【0041】
以上説明した本実施形態における型枠13によれば、第一実施形態と同様に、側面仕上げの手間を省力化できるだけでなく、気泡抜き取り具6を用いて高流動コンクリート9内の外周面側の気泡を抜き取ることにより、セグメント1の表面にあばたが生じることを防止でき、脱型後の表面仕上げ作業を大きく省力化することができる。
【0042】
そして、軸方向端面型枠板3bの開口部3gに蓋7を設けた場合には、型枠13内に充填された高流動コンクリート9が開口部3gから外部へ流出するのを防止できる。
【0043】
なお、上述した各実施形態においては、気泡抜き取り具6として、ピカコン(登録商標)を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、棒状の振動体11aを備える起振装置11と、振動体11aの先端に取り付けられ、スリット13を有する振動板12とを備えた気泡抜き取り具10を用いてもよい。起振装置11は、例えば、その内部に偏心した錘を有する回転軸を有し、この回転軸の回転により振動体11aを振動させるように構成されており、その振動が振動板12に伝達されて振動板12が起振されるようになっている。
【0044】
図11に示す気泡抜き取り具10を用いる場合は、振動板12を、起振装置11により振動させた状態で、高流動コンクリート9と型枠3、13との境界部分に、開口部3f、3gから挿入し、ゆっくり引き抜く。振動板12を振動させながら高流動コンクリート9内に挿入すると、振動板12に接触する部分の気泡が付着するのみならず、振動板12の近傍の高流動コンクリート9内の気泡が振動によって移動して振動板12に付着し、この振動板12が引き抜かれことにより、気泡が型枠3、13の外へ抜け出すこととなる。その際、振動板12が板状であって一定の面積を有しているため、棒状の振動体を高流動コンクリート9内に挿入する場合に比べて、より広い範囲の気泡を振動板12に付着させて抜き取ることが可能である。また、振動板12にスリット13が設けられているので、気泡がこのスリット13の部分に付着し易くなっている。
【0045】
このように、振動板12を備えた気泡抜き取り具10によれば、高流動コンクリート9内の気泡をより効率的に抜き取ることができる。このため、必ずしも、同じ場所で振動板12の挿入、引抜きを繰り返す必要はないので、気泡抜き取り作業の効率を向上させることができる。ただし、例えば、気泡の量が多く、振動板12の挿入、引抜きを一度行っただけでは十分に気泡が抜き取れないおそれがある場合には、挿入、引抜きを繰り返して行うこととしてもよい。
【0046】
以上のとおり、気泡抜き取り具10を用いることによっても、上記第一及び第二の実施形態の場合と同様に、高流動コンクリート9内の側部あるいは外周面の気泡を抜き取ることができる。
【0047】
なお、振動板12は振動体11aの先端に例えばボルト締め等により着脱可能に取り付けられており、開口部3f、3gの寸法や型枠3,13の寸法等に応じた適切な形状寸法の振動板12を選んで用いることができる。また、図11には、振動板12にスリット13が設けられた場合を示したが、これに限らず、丸穴等、適宜な形状の開口が設けられてもよい。また、開口部に限らず、気泡が付着しやすいような細かな凹凸が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 セグメント
3、13 型枠
3a 周方向端面型枠板
3b 軸方向端面型枠板
3c 内周面型枠板
3d 外周面型枠板
3e 注入孔
3f 開口部
3g 開口部
4 スペーサ
5 隙間
6 気泡抜き取り具
7 蓋
8 注入管
9 高流動コンクリート
10 気泡抜き取り具
11 起振装置
11a 振動体
12 振動板
13 スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の覆工体を構成するコンクリート製のセグメントを製作するための型枠であって、
前記セグメントの外周面を形成する外周面型枠板の周方向両側及び軸方向両側の縁部に、前記型枠内に充填されるコンクリート内の気泡を抜き取るための開口部を設けたことを特徴とする型枠。
【請求項2】
前記セグメントの軸方向両側面を形成する軸方向端面型枠板又は周方向両側面を形成する周方向端面型枠板の少なくとも何れかの上端面に、前記外周面型枠板との間に隙間を形成するためのスペーサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の型枠。
【請求項3】
前記軸方向端面型枠板又は前記周方向端面型枠板の少なくとも何れかの縁部に開口部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の型枠。
【請求項4】
前記開口部に開閉可能な蓋を備えることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の型枠。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の型枠を用いるセグメントの製作方法において、
前記型枠内に充填したコンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を、充填した前記コンクリートと前記型枠との境界部分に前記開口部から挿入した後、前記気泡抜き取り具を前記型枠の側面に当接させながら引き抜くことにより、前記コンクリート内の気泡を抜き取ることを特徴とするセグメントの製作方法。
【請求項6】
前記気泡抜き取り具は、起振装置と、この起振装置により起振される振動板とを備えることを特徴とする請求項5に記載のセグメントの製作方法。
【請求項1】
環状の覆工体を構成するコンクリート製のセグメントを製作するための型枠であって、
前記セグメントの外周面を形成する外周面型枠板の周方向両側及び軸方向両側の縁部に、前記型枠内に充填されるコンクリート内の気泡を抜き取るための開口部を設けたことを特徴とする型枠。
【請求項2】
前記セグメントの軸方向両側面を形成する軸方向端面型枠板又は周方向両側面を形成する周方向端面型枠板の少なくとも何れかの上端面に、前記外周面型枠板との間に隙間を形成するためのスペーサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の型枠。
【請求項3】
前記軸方向端面型枠板又は前記周方向端面型枠板の少なくとも何れかの縁部に開口部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の型枠。
【請求項4】
前記開口部に開閉可能な蓋を備えることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の型枠。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の型枠を用いるセグメントの製作方法において、
前記型枠内に充填したコンクリート内の気泡を抜き取るための気泡抜き取り具を、充填した前記コンクリートと前記型枠との境界部分に前記開口部から挿入した後、前記気泡抜き取り具を前記型枠の側面に当接させながら引き抜くことにより、前記コンクリート内の気泡を抜き取ることを特徴とするセグメントの製作方法。
【請求項6】
前記気泡抜き取り具は、起振装置と、この起振装置により起振される振動板とを備えることを特徴とする請求項5に記載のセグメントの製作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−201915(P2010−201915A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243647(P2009−243647)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000198307)石川島建材工業株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000198307)石川島建材工業株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
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