説明

セフェム化合物

【課題】
【解決手段】本発明は、式[I]:


(式中、
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素もしくはアミノ保護基、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、−A−R
(式中、Aは、結合、−NHCO−(CHCO)−、低級アルキレン、−NH−CO−CO−等、
は、


(式中、R、R、R及びR10は、独立して、アミノ、グアニジノ、アミジノ等である)である);
は、カルボキシ又は保護されたカルボキシ;及び
は、アミノ又は保護されたアミノである)
の化合物又は医薬として許容されるその塩、式[I]の化合物の製造方法、及び医薬として許容される担体と共に、式[I]の化合物を含有する医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規セフェム化合物及び医薬として許容されるその塩に関する。より詳細には、抗菌活性を有する新規セフェム化合物及び医薬として許容されるその塩、その製造方法、それを含有する医薬組成物、並びにヒトと動物における感染症の治療方法に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明の開示
本発明の1つの目的は、多数の病原菌に対し非常に活性のある新規セフェム化合物及び医薬として許容されるその塩を提供することである。
本発明の別の目的は、該セフェム化合物及びその塩の製造方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、活性成分として、該セフェム化合物又は医薬として許容されるその塩を含有する医薬組成物を提供することである。
本発明のまた更なる目的は、病原菌によって引き起こされる感染症の治療方法であって、感染したヒトもしくは動物に該セフェム化合物を投与することを含む方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の目的セフェム化合物は新規であり、以下の式[I]:
【0004】
【化1】

【0005】
(式中、
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素もしくは保護されたアミノ基、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、−A−R
(式中、
Aは、結合、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、低級アルキレン、−NH−CO−CO−、又は
【0006】
【化2】

【0007】
であり、
6は、
【0008】
【化3】

【0009】
【化4】

【0010】
(式中、
及びZは、独立して、−NHCO−又は−CONH−、
k、q及びrは、独立して、0又は1、
s及びtは、独立して、0〜6の整数、
m及びpは、独立して、0〜6の整数、及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、保護されたアミノ、グアニジノ、保護されたグアニジノ、アミジノ又は保護されたアミジノである)である);
は、カルボキシ又は保護されたカルボキシ;及び
は、アミノ又は保護されたアミノである)
によって表すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
目的化合物[I]に関し、以下の点に注意すべきである。
即ち、目的化合物[I]は、シン異性体(Z体)、アンチ異性体(E体)、及びそれらの混合物を含む。シン異性体(Z体)は、以下の式:
【0012】
【化5】

【0013】
(式中、R及びRは、各々上記の通りである)によって表される部分構造を有する1つの幾何異性体を意味し、アンチ異性体(E体)は、以下の式:
【0014】
【化6】

【0015】
(式中、R4及びR5は、各々上記の通りである)によって表される部分構造を有する他方の幾何異性体を意味し、このような幾何異性体及びそれらの混合物の全ては、本発明の範囲内に包含される。
【0016】
本明細書及び請求の範囲において、これらの幾何異性体及びそれらの混合物の部分構造は、便宜上、以下の式:
【0017】
【化7】

【0018】
(式中、R4及びR5は、各々上記の通りである)によって表される。
【0019】
注意すべき別の点は、化合物[I]のピラゾリオ部分は互変異性の形で存在することもでき、このような互変異性平衡は、以下の式
【0020】
【化8】

【0021】
(式中、R、R及びRは、各々上記の通りである)によって表すことができる。
上記互変異性体の両方が、本発明の範囲内に包含されるが、本明細書と請求の範囲では、目的化合物[I]は、便宜上、式(A)のピラゾリオ基の1つの表現によって表される。
【0022】
本発明のセフェム化合物[I]は、以下に示されるように、以下の製造法によって製造することができる。
製造法1
【0023】
【化9】

【0024】
製造法2
【0025】
【化10】

【0026】
製造法3
【0027】
【化11】

【0028】
製造法4
【0029】
【化12】

【0030】
(式中、R、R、R、R及びRは、各々上記の通りであり、
11は、保護されたカルボキシ、
Yは、脱離基、
【0031】
【化13】

【0032】
は、アニオン、
aは、
【0033】
【化14】

【0034】
【化15】

【0035】
(式中、Z、Z、k、q、r、s、t、m及びpは、各々上記の通りであり、
a、Ra、Ra及びR10aは、独立して、保護されたアミノ、保護されたグアニジノ又は保護されたアミジノである)、
bは、
【0036】
【化16】

【0037】
【化17】

【0038】
(式中、Z、Z、k、q、r、s、t、m及びpは、各々上記の通りであり、
b、Rb、Rb及びR10bは、独立して、アミノ、グアニジノ又はアミジノである)、
aは、保護されたヒドロキシ(低級)アルキル、及び
bは、ヒドロキシ(低級)アルキルである)
【0039】
出発化合物[II]及び[VI]は、以下の製造法によって製造することができる。
製造法A
【0040】
【化18】

【0041】
製造法B
【0042】
【化19】

【0043】
(式中、R、R、R、R、R、R11、Y及び
【0044】
【化20】

【0045】
は、各々上記の通りであり、
12は、保護されたアミノ、
13は、保護されたカルボキシ、及び
14は、アミノ保護基である)
【0046】
出発化合物[VII]及び[XI]又はそれらの塩は、後記の製造例2〜65で開示される方法又はそれと類似した方法によって製造することができる。
【0047】
本明細書の上記及び下記の記載において、種々の定義の適切な例は、以下のように詳細に説明される。
用語「低級」は、特に断りのない限り、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する基を意味するように用いられる。
【0048】
適切な「低級アルキル」並びに「ヒドロキシ(低級)アルキル」、「保護されたヒドロキシ(低級)アルキル」及び「アリール(低級)アルキル」の適切な「低級アルキル」部分としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、tert-ペンチル及びヘキシルなどの1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルが挙げられ、より好適なものは、C−Cアルキルである。
【0049】
適切な「ヒドロキシ(低級)アルキル」として、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル及び6−ヒドロキシヘキシルなどのヒドロキシ(C−C)アルキルが挙げられ、より好適なものは、ヒドロキシ(C−C)アルキルである。
【0050】
とRによって形成される適切な「低級アルキレン」として、メチレン、エチレン、トリメチレン及びテトラメチレンなどの、1〜6個、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキレンが挙げられ、より好適なものは、2又は3個の炭素原子を有する直鎖アルキレンである。
【0051】
Aによって表される適切な「低級アルキレン」として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン及びプロプレンなどの、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンが挙げられ、より好適なものは1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルキレンであり、最も好適なものはメチレンである。
【0052】
「アリール(低級)アルキル」の適切な「アリール」部分として、フェニル及びナフチルなどのC−C12アリールが挙げられ、より好適なものはフェニルである。
【0053】
適切な「アリール(低級)アルキル」として、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル及びトリチルなどの、モノ−、ジ−又はトリフェニル(低級)アルキルが挙げられる。
【0054】
適切な「低級アルカノイル」及び「低級アルカノイルアミノ」の適切な「低級アルカノイル」部分として、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル及びヘキサノイルなどの、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルカノイルが挙げられ、より好適なものは、C−Cアルカノイルである。
【0055】
「低級アルコキシカルボニル」及び「低級アルコキシカルボニルアミノ」の適切な「低級アルコキシ」部分として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、tert-ペンチルオキシ及びヘキシルオキシなどの、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルコキシが挙げられ、より好適なものは、C−Cアルコキシである。
【0056】
「保護されたアミノ」の適切な「アミノ保護基」として、下記のアシル基、置換された、もしくは非置換のアリール(低級)アルキリデン[例えば、ベンジリデン、ヒドロキシベンジリデンなど]、モノ−、ジ−又はトリフェニル(低級)アルキルなどのアリール(低級)アルキル[例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、トリチルなど]などが挙げられる。
【0057】
適切な「アシル」として、低級アルカノイル[例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ヘキサノイル、ピバロイルなど]、モノ(又はジ又はトリ)ハロ(低級)アルカノイル[例えば、クロロアセチル、トリフルオロアセチルなど]、低級アルコキシカルボニル[例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、tert-ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなど]、カルバモイル、アロイル[例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイルなど]、アリール(低級)アルカノイル[例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルなど]、アリールオキシカルボニル[例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなど]、アリールオキシ(低級)アルカノイル[例えば、フェノキシアセチル、フェノキシプロピオニルなど]、アリールグリオキシロイル[例えば、フェニルグリオキシロイル、ナフチルグリオキシロイルなど]、適切な置換基で置換されていてもよいアリール(低級)アルコキシカルボニル[例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルなど]などが挙げられる。
【0058】
「アミノ保護基」の好適な例として、アリール(低級)アルキル及びアシルが挙げられ、より好適なものは、アリール(低級)アルキル、低級アルカノイル及び低級アルコキシカルボニルであり、特に好適なものは、モノ−、ジ−又はトリフェニル(C−C)アルキル、C−Cアルカノイル及び(C−C)アルコキシカルボニルである。
【0059】
「保護されたアミノ」の好適な例として、アリール(低級)アルキルアミノ及びアシルアミノが挙げられ、より好適なものは、アリール(低級)アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ及び低級アルコキシカルボニルアミノであり、特に好適なものは、モノ−、ジ−又はトリフェニル(C−C)アルキルアミノ、C−Cアルカノイルアミノ及び(C−C)アルコキシカルボニルアミノである。
【0060】
「保護されたグアニジノ」及び「保護されたアミジノ」の適切な「保護基」として、前記で例示された「保護されたアミノ」の「アミノ保護基」が挙げられる。
【0061】
「保護されたグアニジノ」の好適な例として、2,3−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]グアニジノ[例えば、2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ]などのアシルグアニジノ(モノアシルグアニジノ及びジアシルグアニジノ)が挙げられ、より好適なものは、2,3−ビス[(C−C)アルコキシカルボニル]グアニジノである。
【0062】
「保護されたアミジノ」の好適な例として、N,N−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]アミジノ[例えば、N,N−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノ]などのアシルアミジノ(モノアシルアミジノ及びジアシルアミジノ)が挙げられ、より好適なものは、N,N−ビス[(C−C)アルコキシカルボニル]アミジノである。
【0063】
「保護されたヒドロキシ(低級)アルキル」の適切な「保護されたヒドロキシ」として、アシルオキシ基、アリール(低級)アルキルオキシ基などが挙げられる。「アシルオキシ」の適切な「アシル」部分として、低級アルカノイル[例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ヘキサノイル、ピバロイルなど]、モノ(又はジ又はトリ)ハロ(低級)アルカノイル[例えば、クロロアセチル、トリフルオロアセチルなど]、低級アルコキシカルボニル[例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、tert-ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなど]、カルバモイルなどが挙げられる。「アリール(低級)アルキルオキシ」の適切な「アリール(低級)アルキル」部分として、モノ−、ジ−又はトリフェニル(低級)アルキル[例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、トリチルなど]などが挙げられる。
【0064】
適切な「保護されたカルボキシ」として、エステル化されたカルボキシなどが挙げられ、当該エステル化されたカルボキシの具体例として、低級アルコキシカルボニル[例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、1−シクロプロピルエトキシカルボニルなど]、(それらは適切な置換基を有してもよい、例えば、低級アルカノイルオキシ(低級)アルコキシカルボニル[例えば、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニルオキシメトキシカルボニル、ブチリルオキシメトキシカルボニル、バレリルオキシメトキシカルボニル、ピバロイルオキシメトキシカルボニル、1−アセトキシエトキシカルボニル、1−プロピオニルオキシエトキシカルボニル、2−プロピオニルオキシエトキシカルボニル、ヘキサノイルオキシメトキシカルボニルなど]、低級アルカンスルホニル(低級)アルコキシカルボニル[例えば、2−メシルエトキシカルボニルなど]、又はモノ(又はジ又はトリ)ハロ(低級)アルコキシカルボニル[例えば、2−ヨードエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルなど]);低級アルケニルオキシカルボニル[例えば、ビニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルなど];低級アルキニルオキシカルボニル[例えば、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニルなど];適切な置換基を有してもよいアリール(低級)アルコキシカルボニル[例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、トリチルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、ビス(メトキシフェニル)メトキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシカルボニルなど];適切な置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル[例えば、フェノキシカルボニル、4−クロロフェノキシカルボニル、トリルオキシカルボニル、4−tert−ブチルフェノキシカルボニル、キシリルオキシカルボニル、メシチルオキシカルボニル、クメニルオキシカルボニルなど]などが挙げられる。
【0065】
「保護されたカルボキシ」の好適な例として、低級アルコキシカルボニル及び適当な置換基を有してもよいアリール(低級)アルコキシカルボニルが挙げられ、より好適なものは、(C−C)アルコキシカルボニルである。
【0066】
適切な「脱離基」として、ハロゲン[例えば、塩素、臭素、ヨウ素など]、又は、アリールスルホニルオキシ[例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシなど]、低級アルキルスルホニルオキシ[例えば、メシルオキシなど]、低級アルカノイルオキシ[例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシなど]などのアシルオキシなどが挙げられる。
【0067】
適切な「アニオン」として、ギ酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどが挙げられる。
【0068】
目的化合物[I]の適切な医薬として許容される塩は、通常の非毒性塩であり、例えば、無機塩基との塩、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩;有機塩基との塩、例えば、有機アミン塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩など);無機酸付加塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩など);有機カルボン酸付加塩又は有機スルホン酸付加塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩など);塩基性又は酸性アミノ酸(例えば、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸など)との塩のような塩基との塩又は酸付加塩が挙げられる。
【0069】
一般式[I]によって表される本発明のセフェム化合物の好適な実施態様は以下の通りである。
【0070】
(1)Rは、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素、アリール(低級)アルキルもしくはアシル、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、カルボキシ又はエステル化されたカルボキシ;
は、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ又はアシルアミノ;及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、アシルアミノ、グアニジノ、アシルグアニジノ、アミジノ又はアシルアミジノである、式[I]の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0071】
(2)Rは、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は水素、アリール(低級)アルキル、低級アルカノイルもしくは低級アルコキシカルボニル、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
はカルボキシ又は低級アルコキシカルボニル;
はアミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ又は低級アルコキシカルボニルアミノ;及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、グアニジノ、2,3−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]グアニジノ、アミジノ又はN,N−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]アミジノである、上記(1)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0072】
(3)Rは、C−Cアルキル又はヒドロキシ(C−C)アルキル、及び
は、水素、モノ−、ジ−もしくはトリフェニル(C−C)アルキル、C−Cアルカノイル又は(C−C)アルコキシカルボニル、或いは
とRは、一緒に結合してC−Cアルキレンを形成する;
は、カルボキシ又は(C−C)アルコキシカルボニル;
はアミノ、モノ−、ジ−もしくはトリフェニル(C−C)アルキルアミノ、C−Cアルカノイルアミノ又は(C−C)アルコキシカルボニルアミノ;
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、モノ−、ジ−もしくはトリフェニル(C−C)アルキルアミノ、C−Cアルカノイルアミノ、(C−C)アルコキシカルボニルアミノ、グアニジノ、2,3−ビス[(C−C)アルコキシカルボニル]グアニジノ、アミジノ又はN,N−ビス[(C−C)アルコキシカルボニル]アミジノである、上記(2)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0073】
(4)Rは、低級アルキル;
は、水素;
は、カルボキシ;
は、アミノ;及び
、R、R及びR10は、アミノである、上記(2)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0074】
(5)Rは、C−Cアルキル;
は、水素;
は、カルボキシ;
は、アミノ;及び
、R、R及びR10は、アミノである、上記(4)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0075】
(6)Aは、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)であり、
は、
【0076】
【化21】

【0077】
【化22】

【0078】
(式中、m及びpは、独立して、1〜3の整数であり、R、R、R及びR10は、独立して、アミノ又は保護されたアミノである)
である、式[I]の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0079】
(7)Aは、−NHCO−であり、
、R、R及びR10は、アミノである、上記(6)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0080】
(8)Aは、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、−NH−CO−CO−、又は
【0081】
【化23】

【0082】
であり、
は、
【0083】
【化24】

【0084】
【化25】

【0085】
(式中、s、t、m及びpは、独立して、1〜6の整数であり、R、R、R及びR10は、アミノ又は保護されたアミノである)
である、式[I]の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0086】
(9)Aは、結合又は−NHCO−であり、
は、
【0087】
【化26】

【0088】
(式中、s及びtは、独立して、0〜6の整数であり、R及びRは、独立して、アミノ、保護されたアミノ、グアニジノ、保護されたグアニジノ、アミジノ又は保護されたアミジノである)
である、式[I]の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0089】
(10)Aは、−NHCO−であり、
及びRは、独立して、アミノ又はグアニジノである、上記(9)の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0090】
(11)Aは、低級アルキレンであり、
は、
【0091】
【化27】

【0092】
(式中、m及びpは、独立して、0〜6の整数であり、R及びR10は、独立して、アミノ又はアミジノである)
である上記化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0093】
(12)Aは、−NHCO−であり、
は、
【0094】
【化28】

【0095】
(式中、Z及びZは、独立して、−NHCO−又は−CONH−であり、k、q及びrは、独立して、0又は1であり、s及びtは、独立して、1〜6の整数であり、R及びRは、アミノである)
である上記化合物又は医薬として許容されるその塩。
【0096】
Aは、好ましくは、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、−NH−CO−CO−、又は
【0097】
【化29】

【0098】
であり、より好ましくは、−NHCO−(CHCO)−である。
nは、好ましくは、0である。
は、好ましくは、
【0099】
【化30】

【0100】
【化31】

【0101】
【化32】

【0102】
【化33】

【0103】
【化34】

【0104】
【化35】

【0105】
から選択される。
より好ましくは、Rは、
【0106】
【化36】

【0107】
【化37】

【0108】
【化38】

【0109】
である。
特に好ましくは、Rは、
【0110】
【化39】

【0111】
【化40】

【0112】
である。
kは、好ましくは1である。
q及びrは、好ましくは0である。
s及びtは、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
或いは、s及びtのいずれか一方が0である場合、もう一方は、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
qが1である場合、sは好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
rが1である場合、tは好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
m及びpは、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、特に好ましくは1〜3の整数である。
及びRは、好ましくは独立して、アミノ又はグアニジノであり、より好ましくはアミノである。
及びR10は、好ましくは独立して、アミノ又はアミジノであり、より好ましくはアミノである。
は、好ましくはカルボキシである。
は、好ましくはアミノである。
【0113】
式[I]の化合物の好適な態様は、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({[N-(2-アミノエチル)-N-(3-アミノプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{3-[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]ウレイド}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-[(3-{[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[4-アミノ-2-(2-アミノエチル)ブタノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、及び
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[3-アミノ-2-(アミノメチル)プロパノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート
からなる群から選択される化合物又は医薬として許容されるその塩である。
【0114】
本発明の目的化合物の製造法を以下に詳細に説明する。
製造法1
化合物[I]又はその塩は、化合物[II]もしくはアミノ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩を、化合物[III]もしくはカルボキシ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩と反応させることにより製造することができる。
【0115】
化合物[II]のアミノ基における適切な反応性誘導体としては、化合物[II]と、アルデヒド、ケトンなどのカルボニル化合物との反応によって形成されるシッフ塩基型イミノ又はその互変異性のエナミン型異性体;化合物[II]と、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセトアミド[例えば、N−(トリメチルシリル)アセトアミド]、ビス(トリメチルシリル)ウレアなどのシリル化合物との反応によって形成されるシリル誘導体;化合物[II]と、三塩化リン又はホスゲンとの反応によって形成される誘導体が挙げられる。
【0116】
化合物[II]及びその反応性誘導体の適切な塩は、化合物[I]の適切な塩として例示したものを挙げることができる。
【0117】
化合物[III]のカルボキシ基における適切な反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミド及び活性化エステルが挙げられる。反応性誘導体の適切な例は、酸塩化物;酸アジド;置換されているリン酸(例えば、ジアルキルリン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン化リン酸など)、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、アルカンスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸など)、脂肪族カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪酸、トリクロロ酢酸など)、及び芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸など)などの酸との混合酸無水物;対称酸無水物;イミダゾール、4−置換イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾール又はテトラゾールとの活性化アミド;活性化エステル(例えば、シアノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミノメチル[(CH3)=CH−]エステル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレシルチオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジルエステル、ピペリジルエステル、8−キノリルチオエステルなど);又は、N−ヒドロキシ化合物(例えば、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールなど)とのエステルであってよい。これらの反応性誘導体は、使用する化合物[III]の種類により、上記のものから随意に選択できる。
【0118】
化合物[III]及びその反応性誘導体の適切な塩は、化合物[I]の適切な塩として例示したものを挙げることができる。
【0119】
反応は通常、水、アルコール[例えば、メタノール、エタノールなど]、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、もしくは反応に有害な影響を与えない任意の他の有機溶媒などの通常の溶媒中で行う。これらの通常の溶媒は、水との混合物中でも使用できる。
【0120】
この反応で、化合物[III]を遊離酸形態又はその塩形態で使用する場合、反応は好ましくは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド;N,N’−ジエチルカルボジイミド;N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;N,N’−カルボニル−ビス−(2−メチルイミダゾール);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイミン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン;エトキシアセチレン;1−アルコキシ−1−クロロエチレン;トリアルキルホスファイト;ポリリン酸エチル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リン(塩化ホスホリル);三塩化リン;塩化チオニル;塩化オキサリル;ハロギ酸低級アルキル[例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピルなど];トリフェニルホスフィン;2−エチル−7−ヒドロキシベンゾイソオキサゾリウム塩;2−エチル−5−(m−スルホフェニル)イソオキサゾリウム ヒドロキシド分子内塩;1−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール;N,N−ジメチルホルムアミドと、塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リンなどとの反応によって製造されるいわゆるビルスマイヤー試薬などの通常の縮合剤の存在下で行う。
【0121】
反応はまた、アルカリ金属重炭酸塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミンなどの無機又は有機の塩基の存在下でも行うことができる。
反応温度は特に限定されず、反応は通常、冷却下乃至加温下で行う。
【0122】
製造法2
化合物[Ib]又はその塩は、化合物[Ia]又はその塩を、アミノ保護基の脱離反応に付すことにより製造することができる。
脱離反応は、加水分解などの通常の方法により行う。
加水分解は好ましくは、塩基、又はルイス酸を含む酸の存在下で行う。
適切な塩基として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウムなど)、それらの水酸化物又は炭酸塩又は炭酸水素塩、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの無機塩基及び有機塩基が挙げられる。
適切な酸として、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など)、及び無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素、臭化水素など)が挙げられる。
トリハロ酢酸(例えば、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など)などのルイス酸を用いる脱離は好ましくは、カチオン捕捉剤(例えば、アニソール、フェノールなど)の存在下で行う。
【0123】
反応は通常、水、アルコール[例えば、メタノール、エタノールなど]、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、それらの混合物、又は反応に有害な影響を与えない任意の他の溶媒などの溶媒中で行う。液体の塩基又は酸はまた、溶媒として使用できる。
反応温度は特に限定されず、反応は通常、冷却下乃至加温下で行う。
【0124】
製造法3−(i)
化合物[VIII]又はその塩は、化合物[VI]又はその塩を、化合物[VII]又はその塩と反応させることにより製造することができる。
化合物[VI]、[VII]及び[VIII]の適切な塩は、化合物[I]の適切な塩として例示したものを挙げることができる。
本反応は、水、リン酸緩衝液、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、ニトロベンゼン、塩化メチレン、塩化エチレン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、又は反応に有害な影響を与えない任意の他の有機溶媒などの溶媒中で、好ましくは強い極性を有する溶媒中で行いうる。溶媒のうち、親水性溶媒は、水との混合物中で使用できる。化合物[VII]が液体であるとき、それはまた、溶媒として使用できる。
【0125】
反応は好ましくは、塩基の存在下、例えば、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩などの無機塩基、トリアルキルアミンなどの有機塩基などの存在下で行う。
反応温度は特に限定されず、反応は通常、室温、加温下又は加熱下で行う。本反応は好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属(例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなど)、アルカリ金属チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムなど)などの存在下で行う。
アニオン
【0126】
【化41】

【0127】
は、脱離基Y由来のものであってよく、それは、通常の方法によって他のアニオンに変換することができる。
【0128】
製造法3−(ii)
化合物[I]又はその塩は、化合物[VIII]又はその塩を、カルボキシ保護基の脱離反応に付すことにより製造することができる。
脱離反応は、上記製造法2の反応と同様に行われ、従って、使用する試薬及び反応条件(例えば、溶媒、反応温度など)は、製造法2のものを参照することができる。
【0129】
製造法4
化合物[If]又はその塩は、化合物[Ie]又はその塩を、ヒドロキシ保護基の脱離反応に付すことにより製造することができる。
この脱離反応の適切な方法として、加水分解、還元などの通常のものが挙げられる。
(i)加水分解の場合:
加水分解は好ましくは、塩基、又はルイス酸を含む酸の存在下で行う。
適切な塩基として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウムなど)、それらの水酸化物又は炭酸塩又は炭酸水素塩、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの無機塩基及び有機塩基が挙げられる。
適切な酸として、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など)、及び無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素、臭化水素など)が挙げられる。
トリハロ酢酸(例えば、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など)などのルイス酸を用いる脱離は好ましくは、カチオン捕捉剤(例えば、アニソール、フェノールなど)の存在下で行う。
【0130】
反応は通常、水、アルコール[例えば、メタノール、エタノールなど]、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、それらの混合物、又は反応に有害な影響を与えない任意の他の溶媒などの溶媒中で行う。液体の塩基又は酸はまた、溶媒として使用できる。
反応温度は特に限定されず、反応は通常、冷却下乃至加温下で行う。
【0131】
(ii)還元の場合:
還元は、化学的還元及び接触還元を含む通常の方法で行う。
化学的還元で使用する適切な還元試薬は、金属(例えば、スズ、亜鉛、鉄など)もしくは金属化合物(例えば、塩化クロム、酢酸クロムなど)と、有機酸もしくは無機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸など)との組み合わせである。
接触還元で使用する適切な触媒は、白金触媒(例えば、白金板、白金海綿、白金黒、白金コロイド、酸化白金、白金線など)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム炭素、パラジウムコロイド、パラジウム硫酸バリウム、パラジウム炭酸バリウムなど)、ニッケル触媒(例えば、還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケルなど)、コバルト触媒(例えば、還元コバルト、ラネーコバルトなど)、鉄触媒(例えば、還元鉄、ラネー鉄など)、銅触媒(例えば、還元銅、ラネー銅、ウルマン銅など)などの通常の触媒である。
【0132】
還元は通常、水、メタノール、エタノール、プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、又はそれらの混合物などの反応に有害な影響を及ぼさない通常の溶媒中で行う。
更に、化学的還元で使用する上記酸が液体である場合、酸はまた、溶媒として使用できる。
更に、接触還元で使用する適切な溶媒は、上記溶媒、及びジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの他の通常の溶媒、又はそれらの混合物であってよい。
この還元の反応温度は特に限定されず、反応は通常、冷却下乃至加温下で行う。
【0133】
が保護されたアミノであるとき、Rのアミノ保護基は、加水分解などの通常の方法によって除去できる。
【0134】
出発化合物の製造のための製造法A及びBを以下に詳細に説明する。
製造法A−(i)
化合物[XII]又はその塩は、化合物[X]又はその塩を、化合物[XI]又はその塩と反応させることにより製造することができる。
この反応は、上記製造法3−(i)の反応と同様に行うことができ、従って、使用する試薬及び反応条件(例えば、溶媒、反応温度など)は、製造法3−(i)のものを参照することができる。
【0135】
製造法A−(ii)
化合物[II]又はその塩は、化合物[XII]又はその塩を、R12及びR14のアミノ保護基の脱離反応及びR13のカルボキシ保護基の脱離反応に付すことにより製造することができる。
この反応は、上記製造法2の反応と同様に行うことができ、従って、使用する試薬及び反応条件(例えば、溶媒、反応温度など)は、製造法2のものを参照することができる。
【0136】
製造法B
化合物[VI]又はその塩は、化合物[XIII]もしくはアミノ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩を、化合物[XIV]もしくはカルボキシ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩と反応させることにより製造することができる。
この反応は、上記製造法1の反応と同様に行うことができ、従って、使用する試薬及び反応条件(例えば、溶媒、反応温度など)は、製造法1のものを参照することができる。
【0137】
上記製造法によって得られる化合物は、粉末化、再結晶、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などの通常の方法によって単離精製できる。
化合物[I]及びその他の化合物は、不斉炭素原子、二重結合に基づく光学異性体、幾何異性体などの立体異性体を1個以上含み得ることに注意すべきである。このような異性体の全てとそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。
目的化合物[I]及び医薬として許容されるその塩は、溶媒和化合物[例えば、包接化合物(例えば、水和物など)]を含む。
【0138】
目的化合物[I]及び医薬として許容されるその塩は、新規であり、高い抗菌活性を示し、グラム陽性菌とグラム陰性菌を含む種々の病原菌の増殖を阻害し、抗菌薬として有用である。
目的化合物[I]の有用性を示すために、本発明の代表的化合物のMIC(最小発育阻止濃度)に関する試験データを以下に示す。
【0139】
試験方法
インビトロ抗菌活性を、下記のように2倍寒天プレート希釈法によって測定した。
各試験菌株をトリプチケース−ソイブロス中で一晩培養して、その1白金耳(生菌数10個/ml)を、各濃度段階の代表的試験化合物を含有するハートインフュージョン寒天(HI−寒天)に接種し、37℃で20時間インキュベーションした後、最小発育阻止濃度(MIC)をμg/mlで表した。
【0140】
試験化合物
化合物(a): 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(実施例1)
化合物(b): 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(実施例2)
化合物(c): 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({[N-(2-アミノエチル)-N-(3-アミノプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(実施例3)
化合物(d): 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{3-[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]ウレイド}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(実施例4)
化合物(e): 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-[(3-{[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(実施例5)
セフタジジム(Ceftazidime)
試験結果
【0141】
【表1】

【0142】
治療投与のために、本発明の目的化合物[I]及び医薬として許容されるその塩は、経口、非経口又は外用投与に適した有機もしくは無機の固体もしくは液体の賦形剤などの医薬として許容される担体と混合して、活性成分として該化合物を含有する通常の医薬製剤の形態で使用される。医薬製剤は、錠剤、顆粒、粉末、カプセルなどの固体形態、又は溶液、懸濁液、シロップ、エマルション、リモナーデなどの液体形態などであってよい。
【0143】
必要に応じて、上記製剤に、補助物質、安定化剤、湿潤剤、並びに、ラクトース、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、白土、ショ糖、コーンスターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、ピーナッツ油、オリーブ油、カカオバター、エチレングリコールなどの他の通常使用される添加剤を含めてもよい。
【0144】
化合物[I]の投与量は、患者の年齢、状態、疾患の種類、適用される化合物[I]の種類などによって変化し、また、それらに依存しうる。一般的に、1日につき1〜4,000mg、又はそれ以上の量を患者に投与してもよい。本発明の目的化合物[I]の平均1回投与量約50mg、100mg、250mg、500mg、1000mg又は2000mgを、病原菌による感染症の治療に使用しうる。
【実施例】
【0145】
以下の製造例及び実施例を、本発明をより詳細に説明するために記載する。
【0146】
製造例1
(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)酢酸(319 g)のN,N-ジメチルアセトアミド(1.5 L)溶液に、氷冷下、炭酸カリウム(113 g)及びメタンスルホニルクロリド(126 ml)を加えた。混合物を10℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水の混合物に加えた。有機層を水と食塩水で洗浄して、活性化した酸溶液を得た。一方、水(1 L)と酢酸エチル(1 L)中の4-メトキシベンジル 7β-アミノ-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート 塩酸塩(300 g)の懸濁液を、氷冷下、トリエチルアミンでpH 6に調整した。得られた混合物に、10℃で攪拌しながら、上記で得られた活性化した酸溶液を滴下した。トリエチルアミンで反応混合物のpHを6に維持しながら、5〜10℃で1.5時間攪拌を続けた。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、減圧留去した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(15 L)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、乾燥して、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(495.7 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.39 (9H, s), 1.44 (6H, s), 3.45-3.70 (2H, m), 3.76 (3H, s), 4.46 及び 4.54 (1H, ABq, J = 16 Hz), 5.10-5.28 (2H+1H, m), 5.90 (1H, dd, J = 4.9 Hz, 8.5 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.18 (2H, brs), 9.52 (1H, d, J = 8.5 Hz)
【0147】
製造例2
5-アミノ-1-メチルピラゾール(100 g)の水(700 ml)溶液に、濃塩酸(86 ml)及び亜硝酸ナトリウム(63.9 g)の水(200 ml)溶液を、10℃以下で加えた。反応混合物を5℃で30分間攪拌した。析出した固体を濾取し、乾燥して、5-アミノ-1-メチル-4-ニトロソピラゾール(117 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 3.52 及び 3.59 (3H, s), 7.22 及び 8.51 (1H, s), 8.17 及び 8.51 (1H, brs)
【0148】
製造例3
5-アミノ-1-メチル-4-ニトロソピラゾール(117 g)の懸濁液に硫酸(91 g)及び10%パラジウム炭素(58 g)を加えた。混合物をバルーン圧下で10時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮物にイソプロピルアルコール(2.3 L)を加え、混合物を1時間攪拌した。析出した固体を濾取し、乾燥して、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール硫酸塩(158 g)を得た。
1H-NMR(D2O) δ 3.74 (3H, s), 7.80 (1H, s)
【0149】
製造例4
4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール硫酸塩(158 g)の水(1.1 L)溶液を4 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液でpH 6.9に中和し、この溶液にジオキサン(474 ml)を加えた。得られた混合物にクロロギ酸フェニル(124 g)を、4 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液で混合物のpHを6.9に維持しながら、10℃以下で滴下した。反応混合物を1時間攪拌した。析出した固体を濾取し、乾燥して、5-アミノ-1-メチル-4-フェノキシカルボニルアミノピラゾール(155 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 3.52 (3H, s), 5.00 (2H, brs), 7.10-7.50 (6H, m), 8.93 (1H, brs)
【0150】
製造例5
5-アミノ-1-メチル-4-フェノキシカルボニルアミノピラゾール(153.8 g)のテトラヒドロフラン(1 L)懸濁液に、トリエチルアミン(67 g)及び塩化トリフェニルメタン(185 g)を、室温で加えた。混合物を6.5時間攪拌した。反応混合物にヘプタン(2.6 L)を加え、混合物を1時間攪拌した。析出した固体を濾取し、ヘプタン−ジイソプロピルエーテル(1:1)で洗浄した。粗製の固体を水(3 L)に懸濁させ、懸濁液を1時間攪拌した。固体を濾取し、乾燥して、1-メチル-4-フェノキシカルボニルアミノ-5-トリフェニルメチルアミノピラゾール(253.6 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 2.74 (3H, s), 5.57 (1H, brs), 7.00-7.50 (21H, m), 8.12 (1H, brs)
【0151】
製造例6
tert-ブチル 2-アミノエチルカルバマート(4.81 g)の脱水クロロホルム(10 ml)溶液に、炭酸ナトリウム(1.06 g)及びN-(2-ブロモエチル)トリチルアミン(3.66 g)を加え、混合物を還流下、3時間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテル及びヘキサンを加え、この溶液を水で洗浄した。混合物を5%クエン酸水溶液で抽出し、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水層を炭酸水素ナトリウムでアルカリ性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル 2-{[2-(トリチルアミノ)エチル]アミノ}エチルカルバマート(1.86 g)を粘性油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.43 (9H, s), 1.77 (2H, br), 2.27 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.64 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.70 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.13-3.23 (2H, m), 4.93 (1H, br), 7.13-7.32 (9H, m), 7.43-7.51 (6H, m)
【0152】
製造例7
フェニル [1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]カルバマート(712 mg)及びtert-ブチル 2-{[2-(トリチルアミノ)エチル]アミノ}エチルカルバマート(668 mg)の脱水クロロホルム(4 ml)懸濁液に、N-エチルジイソプロピルアミン(0.257 ml)を加え、混合物を還流下、16時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、この溶液を、水、5%クエン酸水溶液、1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を5%メタノール/塩化メチレンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (2-{N-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]アミノ}エチル)カルバマート(1.15 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.29 (9H, s), 2.07 (1H, br), 2.37-2.47 (2H, m), 2.80 (3H, s), 2.89-2.92 (2H, m), 3.10-3.20 (2H, m), 3.21-3.32 (2H, m), 5.09 (1H, brs), 5.39 (1H, br), 6.97 (1H, s), 7.15-7.35 (30H, m), 7.81 (1H, br)
【0153】
製造例8
フェニル [1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]カルバマート(949 mg)及びジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(693 mg)の脱水クロロホルム(4.5 ml)懸濁液に、N-エチルジイソプロピルアミン(0.342 ml)を加え、混合物を還流下、18.5時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、この溶液を、5%クエン酸水溶液、1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、ジイソプロピルエーテルとジエチルエーテルとヘキサンの混合溶媒で粉末化して、ジ-tert-ブチル [[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(1.17 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.39 (18H, s), 2.85 (3H, s), 3.05-3.17 (4H, m), 3.03-3.24 (4H, m), 5.04 (2H, br), 5.09 (1H, brs), 7.13-7.26 (15H, m), 7.17 (1H, s)
【0154】
製造例9
tert-ブチル 2-アミノエチルカルバマート(481 mg)の脱水クロロホルム(3 ml)溶液に、炭酸ナトリウム(212 mg)及び(3-ブロモプロピル)トリチルアミン(694 mg)を加え、混合物を還流下、3.5時間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテル及びヘキサンを加え、この溶液を水で洗浄した。混合物を5%クエン酸水溶液で抽出し、水層をジエチルエーテルで洗浄した。この水溶液を炭酸水素ナトリウムでアルカリ性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル 2-{[3-(トリチルアミノ)プロピル]アミノ}エチルカルバマート(410 mg)を粘性油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.43 (9H, s), 1.60-1.80 (2H, br), 1.65 (2H, quint, J= 6.9 Hz), 2.19 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.67 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.69 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.11-3.22 (2H, m), 4.95 (1H, br), 7.10-7.30 (9H, m), 7.40-7.50 (6H, m)
【0155】
製造例10
フェニル [1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]カルバマート(423 mg)及びtert-ブチル 2-{[3-(トリチルアミノ)プロピル]アミノ}エチルカルバマート(410 mg)の脱水クロロホルム(2.5 ml)懸濁液に、N-エチルジイソプロピルアミン(0.152 ml)を加え、混合物を還流下、16時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、この溶液を、水、5%クエン酸水溶液、1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を5%メタノール/塩化メチレンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (2-{N-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-N-[3-(トリチルアミノ)プロピル]アミノ}エチル)カルバマート(657 mg)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.22 (9H, s), 1.55-1.65 (3H, m), 2.08-2.18 (2H, m), 2.85 (3H, s), 3.05-3.18 (4H, m), 3.12-3.23 (2H, m), 5.01 (1H, br), 5.07 (1H, brs), 6.24 (1H, br), 7.04 (1H, s), 7.15-7.30 (24H, m), 7.37-7.45 (6H, m)
【0156】
実施例1
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(838 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.0 ml)溶液に、1,3-ビス(トリメチルシリル)尿素(1.26 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液に、ヨウ化カリウム(286 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に、tert-ブチル (2-{N-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]アミノ}エチル)カルバマート(1.17 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(3 ml)溶液を加え、全混合物を45〜50℃で2.5時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(60 ml)を加え、水(50 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml x 2)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約8 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(100 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.7 ml)溶液に、アニソール(1.6 ml)及びトリフルオロ酢酸(4.7 ml)を加えた。
得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(100 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.26 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。所望の生成物を含む溶出液を約30 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を濃塩酸で約pH 3に調整し、30% 2-プロパノール水溶液で溶出するダイヤイオン(登録商標)HP-20(三菱化学株式会社)上のクロマトグラフィーを行った。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(58 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.52 (6H, s), 3.20 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.26 (4H, t, J = 6.0 Hz), 3.51 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.62-3.74 (4H, m), 3.74 (3H, s), 4.95 (1H, d, J = 14.9 Hz), 5.27 (1H, d, J = 14.9 Hz), 5.27 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.85 (1H, s)
【0157】
実施例2
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(889 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.0 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(856 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(303 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に、ジ-tert-ブチル [[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(1.03 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液を加え、全混合物を45〜55℃で2.75時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(20 ml)を加え、この溶液を、水(20 ml x 2)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(10 ml x 2)及び食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約9 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(45 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.7 ml)溶液にアニソール(1.6 ml)及びトリフルオロ酢酸(4.7 ml)を加えた。
得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(80 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.18 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。所望の生成物を含む溶出液を約30 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を濃塩酸で約pH 3に調整し、40% 2-プロパノール水溶液で溶出するセパビーズ(登録商標)SP207(三菱化学株式会社)上のクロマトグラフィーを行った。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、1 mol/l 硫酸(0.24 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(81 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.59 (3H, s), 1.59 (3H, s), 3.24 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.26 (4H, t, J = 6.5 Hz), 3.46 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.70 (4H, t, J = 6.5 Hz), 3.70 (3H, s), 5.06 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.23 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.24 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.85 (1H, d, J = 5.0 Hz), 7.91 (1H, s)
【0158】
実施例3
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(647 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.5 ml)溶液に1,3-ビス(トリメチルシリル)尿素(971 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(221 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に、tert-ブチル (2-{N-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-N-[3-(トリチルアミノ)プロピル]アミノ}エチル)カルバマート(918 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液を加え、全混合物を45〜50℃で2.5時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(50 ml)を加え、この溶液を、水(50 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml x 2)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約8 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(60 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3.7 ml)溶液に、アニソール(1.3 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.7 ml)を加えた。
得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(60 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(995 mg)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。所望の生成物を含む溶出液を約30 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を濃塩酸で約pH 3に調整し、30% 2-プロパノール水溶液で溶出するダイヤイオン(登録商標)HP-20(三菱化学株式会社)上のクロマトグラフィーを行った。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({[N-(2-アミノエチル)-N-(3-アミノプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(62 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.52 (6H, s), 1.95-2.10 (2H, m), 3.04 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.15-3.29 (2H, m), 3.21 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.39-3.50 (2H, m), 3.52 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.59-3.70 (2H, m), 3.74 (3H, s), 4.95 (1H, d, J = 15.1 Hz), 5.09 (1H, d, J = 15.1 Hz), 5.27 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.82 (1H, d, J = 5.0 Hz), 7.83 (1H, s)
【0159】
製造例11
水(370 ml)及びテトラヒドロフラン(500 ml)中の1,3-ジアミノ-2-プロパノール(75 g)の懸濁液に、攪拌下、トリエチルアミン(290 ml)を滴下した。混合物に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート(381 g)のテトラヒドロフラン(250 ml)溶液を、氷水浴で25℃以下に冷却しながら40分かけて滴下し、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を1 mol/l 塩酸で酸性(pH=3)にし、酢酸エチル(1 L)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより残渣を得て、これを酢酸エチル(150 ml)-ヘキサン(700 ml)で粉末化することにより、ジ-tert-ブチル (2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(164 g)を白色固体として得た。
ESI Mass: 313.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.44 (18H, s), 3.0-3.4 (4H, m), 3.6-3.9 (2H, m), 5.1-5.2 (2H, m)
【0160】
製造例12
ジ-tert-ブチル (2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(200 g)の塩化メチレン(1.2 L)溶液に、氷水浴で冷却下、トリエチルアミン(384 ml)を加え、メタンスルホニルクロリド(64 ml)の塩化メチレン(300 ml)溶液を15℃以下で滴下した。混合物を同温で1.5時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 ml)で反応を停止させた。有機層を希塩酸で酸性(pH=3)にし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより残渣を得て、これを酢酸エチル(100 ml)-ヘキサン(500 ml)で粉末化することにより、2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}エチル メタンスルホナート(202 g)を白色固体として得た。
ESI Mass: 391.1 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.45 (18H, s), 3.09 (3H, s), 3.2-3.4 (2H, m), 3.4-3.6 (2H, m), 4.6-4.8 (1H, m), 5.0-5.3 (2H, m)
【0161】
製造例13
2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}エチル メタンスルホナート(200 g)の溶液に、フタルイミドカリウム塩(101 g)を加え、混合物を75℃で一晩攪拌した。反応混合物に水(6 L)を加え、混合物を酢酸エチル(6 L)で抽出した。有機層を水(1.5 L×3)及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより残渣を得て、これをヘキサン(500 ml)で粉末化した。集めた結晶をヘキサン(100 ml×3)で洗浄し、母液をヘキサン(300 ml)から再結晶し、先の結晶と合わせて、ジ-tert-ブチル [2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,3-プロパンジイル]ビスカルバマート(168 g)を得た。
ESI Mass: 442.1 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.32 (18H, s), 3.4-3.6 (2H, m), 3.6-3.9 (2H, m), 4.4-4.6 (1H, m), 4.8-5.2 (2H, m), 7.6-7.9 (4H, m)
【0162】
製造例14
ジ-tert-ブチル [2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,3-プロパンジイル]ビスカルバマート(144 g)をエタノール(1.5 L)に懸濁させ、氷水浴で冷却下、この懸濁液にヒドラジン一水和物(19.8 ml)を滴下した。混合物を5時間還流し、氷水浴で5℃まで冷却した。析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮し、ヘキサン(500 ml)-酢酸エチル(100 ml)から再結晶して、ジ-tert-ブチル (2-アミノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(44.1 g)を結晶として得た。薄層クロマトグラフィーによって充分に精製されていることが確認された母液(31.3 g)も次反応に用いた。
ESI Mass: 290.4 [M+H]+ (ポジティブ)
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.44 (18H, s), 2.8-3.3 (5H, m), 4.8-5.3 (4H, m)
【0163】
製造例15
クロロホルムの代わりにN,N-ジメチルホルムアミドを用いる以外は製造例7と同様の方法で、フェニル [1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]カルバマートとジ-tert-ブチル (2-アミノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマートから、ジ-tert-ブチル {2-[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマートを得た。
ESI Mass: 692.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.37 (18H, s), 2.69 (3H, s), 2.8-3.1 (4H, m), 3.5-3.7 (1H, m), 5.72 (1H, s), 5.83 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.6-6.8 (2H, m)
【0164】
実施例4
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{3-[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]ウレイド}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
ダイヤイオン(登録商標)HP20上のクロマトグラフィー及び減圧濃縮後、凍結乾燥前に当量の硫酸を加える以外は実施例1と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル {2-[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
ESI Mass: 696.1 [M(free)+H]+ (ポジティブ)
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, s), 3.0-3.6 (6H, m), 3.71 (3H, s), 4.2-4.5 (1H, m), 5.04 及び 5.24 (2H, ABq, J = 15.8 Hz), 5.26 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.87 (1H, d, J = 4.7 Hz), 7.96 (1H, s)
【0165】
製造例16
塩化メチレン(10 ml)及びテトラヒドロフラン(10 ml)中の1-メチルピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(2.1 g)及び3-エトキシ-3-オキソプロパン酸(1.32 g)の攪拌溶液にN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(3.83 g)及び N-エチルジイソプロピルアミン(6.96 ml)を加え、混合物を一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、エチル 3-[(5-アミノ-1-メチルピラゾール-4-イル)アミノ]-3-オキソプロパノアートを含んだ残渣を、更に精製することなく次反応で用いた。
【0166】
製造例17
製造例16で得られたエチル 3-[(5-アミノ-1-メチルピラゾール-4-イル)アミノ]-3-オキソプロパノアートの粗生成物をN,N-ジメチルホルムアミド(20 ml)に溶解し、攪拌下、塩化トリチル(5.52 g)及びトリエチルアミン(4.14 ml)を加えた。混合物を一晩攪拌し、水(10 ml)で反応を停止させた。全混合物を酢酸エチルで抽出し、水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより、残渣の油状物を得て、これを塩化メチレン/酢酸エチル(2:3)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、エチル 3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパノアート(1.23 g)を得た。
ESI Mass: 491.2 [M+Na]+ (ポジティブ), 467.3 [M-H]- (ネガティブ)
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.18 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.75 (3H, s), 3.04 (2H, s), 4.07 (2H, q, J = 7.1 Hz)
【0167】
製造例18
エチル 3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパノアート(1.3 g)のテトラヒドロフラン(30 ml)攪拌溶液に1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液(3.1 ml)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。テトラヒドロフランを減圧留去し、残渣を希クエン酸水溶液で酸性にした。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥して、3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパン酸(1.22 g)を得た。
ESI Mass: 463.2 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(DMSO-d6) δ 2.74 (3H, s), 2.95 (2H, s), 5.56 (1H, s), 7.0-7.4 (16H, m), 8.54 (1H, s), 12.0-13.0 (1H, brs)
【0168】
製造例19
テトラヒドロフラン(12 ml)及び塩化メチレン(6 ml)中の3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパン酸(600 mg)、ジ-tert-ブチル (2-アミノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(434 mg)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(522 mg)の混合物を室温で一晩攪拌した。水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することによって残渣を得て、これをジイソプロピルエーテル-酢酸エチル(2:1)で粉末化して、ジ-tert-ブチル {2-[(3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマート(699 mg)を白色固体として得た。
ESI Mass: 733.9 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.37 (18H, s), 2.73 (3H, s), 2.83 (2H, s), 2.8-3.2 (4H, m), 3.6-3.9 (1H, m), 5.60 (1H, s), 6.6-6.8 (2H, m), 7.1-7.4 (16H, m), 7.80 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.69 (1H, s)
【0169】
実施例5
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-[(3-{[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート
実施例1と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル {2-[(3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.54 (6H, s), 3.0-3.7 (8H, m), 3.78 (3H, s), 4.4-4.7 (1H, m), 4.9-5.2 (2H, m), 5.27 (1H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, d, J = 4.7 Hz), 8.03 (1H, s)
【0170】
製造例20
(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン酸(1.695 g)及び1-メチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(1.05 g)の水(16 ml)懸濁液に、トリエチルアミン(1.4 ml)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.73 g)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。得られた懸濁液を酢酸エチルとテトラヒドロフランの混合溶媒で抽出した。抽出液を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、2-ベンジル 1-tert-ブチル {(2S)-3-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-3-オキソ-1,2-プロパンジイル}ビスカルバマート(1.78 g)を固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.36 (9H, s), 3.20-3.35 (2H, m), 3.50 (3H, s), 4.10-4.25 (1H, m), 4.92 (2H, brs), 5.00 及び 5.08 (2H, ABq, J = 12.7 Hz), 6.84 (1H, t, J = 5.5 Hz), 7.15 (1H, s), 7.26 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.27-7.37 (5H, m), 9.20 (1H, brs)
【0171】
製造例21
2-ベンジル 1-tert-ブチル {(2S)-3-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-3-オキソ-1,2-プロパンジイル}ビスカルバマート(1.58 g)のテトラヒドロフラン(28 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で2時間、10%パラジウム炭素(0.75 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮し、粗製の油状物を得て、これをテトラヒドロフラン(28 ml)に溶解した。この溶液にトリエチルアミン(2.04 ml)及びジ-tert-ブチル ({[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミノ}メチレン)ビスカルバマート(2.86 g)を室温で順次加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物に水を加え、反応を停止させた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル {[((1S)-2-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-オキソエチル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバマート(1.53 g)を無定形固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.36 (9H, s), 1.40 (9H, s), 1.48 (9H, s), 3.25-3.60 (3H, m), 3.51 (3H, s), 4.60-4.75 (1H, m), 4.96 (2H, brs), 7.05 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.11 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 7.5 Hz), 11.47 (1H, brs)
【0172】
製造例22
ジ-tert-ブチル {[((1S)-2-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-オキソエチル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバマート(1.72 g)のジクロロメタン(17 ml)溶液に、塩化トリチル(931 mg)を加えた。混合物にトリエチルアミン(0.53 ml)を滴下した。混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルに溶解した。この溶液を水及び食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル {(Z)-[((1S)-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-2-オキソエチル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバマート(2.25 g)を得た。
ESI Mass: 783 [M+H]+
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.35 (9H, s), 1.42 (9H, s), 1.47 (9H, s), 2.75 (3H, s), 2.90-3.40 (3H, m), 4.35-4.50 (1H, m), 5.65 (1H, s), 6.92 (1H, t, J = 5.8 Hz), 7.14-7.31 (16H, m), 8.48 (1H, s), 8.56 (1H, d, J = 7.6 Hz)
【0173】
実施例6
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(681 mg)のN-メチルモルホリン(2 ml)溶液に、1,3-ビス(トリメチルシリル)尿素(1.02 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(183 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル {(Z)-[((1S)-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-2-オキソエチル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバマート(939 mg)を加え、全混合物を35℃で一晩攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(1.7 L)を加え、混合物を水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約1 Lまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテルに注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3.6 ml)溶液にアニソール(1.2 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.6 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテルに注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物を、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約30 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を濃塩酸で約pH 3に調整し、30% 2-プロパノール水溶液で溶出するダイヤイオン(登録商標)HP-20上のクロマトグラフィーを行った。溶出液を約30 mlまで減圧濃縮し、1当量の0.1 mol/l 硫酸水溶液を加えた。混合物を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{[(2S)-3-アミノ-2-(グアニジノ)プロパノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(115 mg)を無定形固体として得た。
ESI Mass: 729.8 [M+Na]+
IR(KBr) 1778, 1664, 1527, 1155, 1109 cm-1
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.61 (6H, s), 3.20 及び 3.43 (2H, ABq, J = 17.8 Hz), 3.72 (3H, s), 4.55-4.80 (3H, m), 5.00 及び 5.25 (1H, ABq, J = 15.8 Hz), 5.24 (1H, d, J = 4.9 Hz), 5.87 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.97 (1H, s)
【0174】
製造例23
フェニル (4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)カルバマート(5 g)の塩化メチレン(150 ml)懸濁液に、ジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(8.81 g)及びトリエチルアミン(1.96 g)を室温で加え、混合物を還流下、19時間攪拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル [{[(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)カルボニル]イミノ}ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(7 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.37 (18H, s), 1.94-1.99 (2H, m), 2.94-3.32 (10H, m), 3.90-3.96 (2H, m), 5.38 (1H, brs), 6.83-6.92 (1H, m), 6.98 (1H, s), 7.49 (1H, s)
【0175】
実施例7
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル [{[(4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)カルボニル]イミノ}ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.61 (6H, s), 2.04-2.22 (2H, m), 3.19-3.56 (10H, m), 3.65-3.78 (2H, m), 4.04-4.18 (2H, m), 4.88-5.22 (2H, m), 5.24 (1H, d, J = 4.7 Hz), 5.86 (1H, d, J = 4.7 Hz), 7.85 (1H, s)
【0176】
製造例24
フェニル [1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマート(9 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(63 ml)攪拌溶液に、ジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(5.95 g)及びトリエチルアミン(2.74 ml)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより粗生成物を得て、これを酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル(1:3)で粉末化した。得られた固体を濾取して、ジ-tert-ブチル [[({[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(11.7 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.36 (18H, s), 2.9-3.0 (4H, m), 3.0-3.15 (4H, m), 3.30-3.45 (4H, m), 4.70-4.78 (1H, m), 5.54 (1H, brs), 6.70-6.85 (1H, m), 7.04 (1H, s), 7.00-7.35 (16H, m)
【0177】
実施例8
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル [[({[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.61 (6H, s), 3.22 及び 3.51 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 3.18-3.35 (4H, m), 3.65-3.80 (4H, m), 3.80-3.95 (2H, m), 4.32-4.47 (2H, m), 5.09 及び 5.19 (2H, ABq, J = 15.2 Hz), 5.26 (1H, d, J = 4.9 Hz), 5.86 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.97 (1H, s)
【0178】
製造例25
酢酸(20 ml)中の1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(2 g)及びジ-tert-ブチル (2-オキソ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(5.9 g)の混合物を70℃で8時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル〜酢酸エチル:エタノール=10:1)で精製して、所望の生成物(1 g)を得た。得られた化合物をメタノール(20 ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(0.5 g)を加え、混合物を、バルーン圧下で5時間水素化した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、ジ-tert-ブチル [2-(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3-プロパンジイル]ビスカルバマート(1 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.36 (18H, s), 2.55-2.75 (1H, m), 2.85-3.10 (4H, m), 3.48 (3H, s), 4.82 (2H, brs), 6.50-6.70 (2H, m), 6.90 (1H, s)
【0179】
製造例26
ジ-tert-ブチル [2-(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3-プロパンジイル]ビスカルバマート(1.27 g)の塩化メチレン(10 ml)溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.05 g)及び塩化トリチル(1.44 g)を室温で加えた。混合物を2時間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、ジ-tert-ブチル {2-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマート(1.7 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.36 (18H, s), 2.4-2.75 (5H, m), 2.61 (3H, s), 5.70 (1H, brs), 6.05-6.20 (2H, m), 6.99 (1H, s), 7.05-7.30 (15H, m)
【0180】
実施例9
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル {2-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, s), 3.15-3.70 (7H, m), 3.72 (3H, s), 4,99 (1H, d, J = 16.2 Hz), 5.22 (1H, d, J = 16.2 Hz), 5.27 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.86 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.03 (1H, s)
【0181】
製造例27
(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン酸(6.0 g)及び1-メチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(3.57 g)の水(60 ml)懸濁液に、トリエチルアミン(4.75 ml)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.88 g)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。得られた懸濁液を酢酸エチルとテトラヒドロフランの混合溶媒で抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣のジクロロメタン(60 ml)溶液に塩化トリチル(4.74 g)を加えた。混合物にトリエチルアミン(4.75 ml)を滴下した。混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルに溶解した。この溶液を水及び食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ベンジル [(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(5.55 g)を得た。
ESI Mass: 689.31 [M+H]+
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.39 (9H, s), 1.40-1.75 (2H, m), 2.81 (3H, s), 2.82-3.00 (3H, m), 3.70-3.90 (1H, m), 5.00 及び 5.08 (2H, ABq, J = 12.6 Hz), 5.77 (1H, s), 6.72 (1H, t-like), 7.15-7.47 (22H, m), 8.25 (1H, brs)
【0182】
製造例28
ベンジル [(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(1.38 g)及びジ-tert-ブチル ジカルボナート(0.87 g)のテトラヒドロフラン(28 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で3時間、10%パラジウム炭素(0.70 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮して、粗製の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル [(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(1.00 g)を無定形固体として得た。
ESI Mass: 655.34 [M+H]+
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.39 (18H, s), 2.80-2.95 (3H, m), 2.83 (3H, s), 3.65-3.85 (1H, m), 5.78 (1H, brs), 6.69 (1H, t-like), 6.89 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.15-7.32 (16H, m), 8.20 (1H, brs)
【0183】
実施例10
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[(2S)-2,4-ジアミノブタノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとtert-ブチル [(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマートから、標記化合物を得た。
ESI Mass: 681.2 [M+H]+
IR(KBr) 1772, 1527, 1402, 1109 cm-1
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.57 (6H, s), 2.30-2.50 (2H, m), 3.20 (2H, t, J = 8.4 Hz), 3.20 及び 3.48 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.73 (3H, s), 4.35 (1H, t, J = 6.7 Hz), 4.98 及び 5.21 (1H, ABq, J = 15.3 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.85 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.14 (1H, s)
【0184】
製造例29
tert-ブチル ((3S)-4-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル)カルバマート
製造例20と同様の方法により、(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン酸から、標記化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.37 (9H, s), 1.55-1.90 (2H, m), 2.85-3.08 (2H, m), 3.51 (3H, s), 4.00-4.18 (1H, m), 4.91 (1H, brs), 5.03 (2H, s), 6.77 (1H, t-like), 7.18 (1H, s), 7.25-7.40 (5H, m), 7.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 9.22 (1H, brs)
【0185】
製造例30
tert-ブチル ((3S)-4-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル)カルバマート(1.51 g)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で2時間、10%パラジウム炭素(0.75 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮し、粗製の油状物を得て、これをテトラヒドロフラン(30 ml)に溶解した。この溶液にトリエチルアミン(1.94 ml)及び ジ-tert-ブチル ({[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミノ}メチレン)ビスカルバマート(2.64 g)を室温で順次加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物に水を加え、反応を停止させた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣のジクロロメタン(30 ml)溶液に塩化トリチル(942 mg)を加えた。この混合物にトリエチルアミン(1.9 ml)を滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルに溶解した。この溶液を水及び食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル ((Z)-{[(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]アミノ}メチルイリデン)ビスカルバマート(1.95 g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.38 (9H, s), 1.42 (9H, s), 1.48 (9H, s), 1.50-1.85 (2H, m), 2.75-3.12 (2H, m), 2.79 (3H, s), 4.30-4.48 (1H, m), 5.62 (1H, s), 6.67 (1H, t-like), 7.14-7.29 (16H, m), 8.54 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.61 (1H, brs)
【0186】
実施例11
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{[(2S)-4-アミノ-2-(グアニジノ)ブタノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル ((Z)-{[(1S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)プロピル]アミノ}メチルイリデン)ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
ESI Mass: 691.11 [M+H]+
IR(KBr) 1776, 1668, 1525, 1111 cm-1
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.60 (6H, s), 1.75-2.50 (2H, m), 3.19 及び 3.41 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 3.70 (3H, s), 4.96 及び 5.22 (2H, ABq, J = 15.5 Hz), 5.23 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.86 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.89 (1H, s)
【0187】
製造例31
Dess-Martinペルヨージナン(periodinane)(4.2 g)を塩化メチレン(75 ml)に溶解し、この溶液にtert-ブチル ((3S)-3-ヒドロキシ-4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-4-オキソブチル)カルバマート(5 g)を加えた。全混合物を室温で30分間攪拌し、1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液(70 ml)を30分間攪拌しながら加え、反応を停止させた。全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン = 1:4)で精製して、tert-ブチル (4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソブチル)カルバマート(3.4 g)を得た。
ESI Mass: 576.2 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.39 (9H, s), 2.7-2.9 (2H, m), 2.72 (3H, s), 3.1-3.3 (2H, m), 5.89 (1H, s), 6.7-7.0 (1H, m), 7.0-7.3 (15H, m), 7.39 (1H, s), 8.93 (1H, s)
【0188】
製造例32
ジエチル (シアノメチル)ホスホナート(704 mg)のテトラヒドロフラン(20 ml)攪拌溶液に、水素化ナトリウム(159 mg, 60% 油性懸濁液)を氷冷下で加えた。混合物を室温まで加温しながら45分間攪拌した。tert-ブチル (4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソブチル)カルバマート(2 g)を混合物に加え、全混合物を室温で2時間攪拌した。水を混合物に加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の油状物を得て、これを少量の酢酸エチルで粉末化し、ジイソプロピルエーテルで希釈した。生じた析出物を濾取して、tert-ブチル [(3E)-4-シアノ-3-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-3-ブテン-1-イル]カルバマート(1.41 g)を得た。
ESI Mass: 599.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.37 (9H, s), 2.4-2.6 (2H, m), 2.77 (3H, s), 2.9-3.1 (2H, m), 5.52 (1H, s), 5.82 (1H, s), 6.8-7.0 (1H, m), 7.0-7.4 (16H, m), 8.75 (1H, s)
【0189】
製造例33
tert-ブチル [(3E)-4-シアノ-3-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-3-ブテン-1-イル]カルバマート(1.4 g)及びジ-tert-ブチル ジカルボナート(795 mg)のテトラヒドロフラン(10 ml)攪拌溶液に酸化白金(110 mg)を加え、混合物を水素雰囲気下で5日間攪拌した。不溶性の酸化白金を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン = 1:1)で精製して、ジ-tert-ブチル [3-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-1,5-ペンタンジイル]ビスカルバマート(1.04 g)を得た。
ESI Mass: 705.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.38 (18H, s), 1.4-1.6 (4H, m), 1.8-2.0 (1H, m), 2.6-2.8 (4H, m), 2.78 (3H, s), 5.86 (1H, s), 6.6-6.8 (2H, m), 7.1-7.4 (16H, m), 7.81 (1H, s)
【0190】
実施例12
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[4-アミノ-2-(2-アミノエチル)ブタノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル [3-({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)-1,5-ペンタンジイル]ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
ESI Mass: 740.3 [M+H]+ (ポジティブ)
1H-NMR(D2O) δ 1.54 (6H, s), 1.8-2.2 (4H, m), 2.6-2.9 (1H, m), 2.9-3.2 (4H, m), 3.18 及び 3.57 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.8-4.0 (2H, m), 4.3-4.5 (2H, m), 4.8-5.2 (2H, m), 5.30 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.85 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.14 (1H, s)
【0191】
製造例34
2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-1-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}エチル メタンスルホナート(10 g)のジメチルスルホキシド(100 ml)攪拌溶液に、シアン化ナトリウム(2 g)を室温で加え、全混合物を室温で一晩攪拌した。水を反応混合物に加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン = 1:5)で精製して、ジ-tert-ブチル (2-シアノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(4.04 g)を得た。
ESI Mass: 322.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.44 (18H, s), 2.6-2.7 (2H, m), 3.2-3.6 (4H, m), 3.8-4.0 (1H, m)
【0192】
製造例35
ジ-tert-ブチル (2-シアノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマートを濃塩酸(13 ml)及び酢酸(13 ml)に溶解し、混合物を5時間還流させた。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧留去した。テトラヒドロフラン(20 ml)及び水(20 ml)を残渣の油状物に加え、全混合物を1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液で中和した。ジ-tert-ブチル ジカルボナート(6.12 g)及びトリエチルアミン(9.31 ml)を混合物に加えた。全混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、水層を1 mol/l 塩酸水溶液で酸性(pH=2)にした。全混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}プロパン酸(480 mg)を得た。
ESI Mass: 341.2 [M+Na]+ (ポジティブ)
【0193】
製造例36
3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}プロパン酸(476 mg)の塩化メチレン(6 ml)溶液に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(222 mg)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(573 mg)を加え、混合物を10分間攪拌した。1-メチル-N5-トリチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン(530 mg)を上記混合物に加え、全混合物を室温で1時間攪拌した。混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、tert-ブチル (2-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロピル)カルバマート(270 mg)を得た。
ESI Mass: 677.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
【0194】
実施例13
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[3-アミノ-2-(アミノメチル)プロパノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとtert-ブチル (2-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-3-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-オキソプロピル)カルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.56 (6H, s), 3.0-3.1 (2H, m), 3.20 及び 3.48 (2H, ABq, J = 17.8 Hz), 3.4-3.5 (2H, m), 4.0-4.2 (1H, m), 4.8-5.3 (2H, m), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.84 (1H, d, J = 4.7 Hz), 8.0-8.1 (1H, m)
【0195】
製造例37
2-(4,5-ジアミノ-1H-ピラゾール-1-イル)エタノール硫酸塩(2 g)及び(2S)-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシブタン酸(1.92 g)の水(8 ml)溶液に、トリエチルアミン(2.32 ml)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.76 g)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。全混合物を酢酸エチル-テトラヒドロフラン(1:1)で抽出し、溶媒を減圧留去して、tert-ブチル ((3S)-4-{[5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-ヒドロキシ-4-オキソブチル)カルバマートの粗生成物を得た。得られた粗生成物は、更に精製することなく、製造例38で用いた。
【0196】
製造例38
tert-ブチル ((3S)-4-{[5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-ヒドロキシ-4-オキソブチル)カルバマート(2.86 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(30 ml)溶液に、塩化トリチル(3.48 g)及びトリエチルアミン(3.48 ml)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、粗結晶を得て、これを酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル(2:1)で洗浄し、濾取して、tert-ブチル ((3S)-3-ヒドロキシ-4-{[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-4-オキソブチル)カルバマート(3.5 g)を得た。
ESI Mass: 608.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.2-1.5 (1H, m), 1.39 (9H, s), 1.5-1.8 (1H, m), 2.8-3.1 (2H, m), 3.2-3.4 (2H, m), 3.4-3.6 (2H, m), 3.6-3.8 (1H, m), 4.92 (1H, t, J = 5.0 Hz), 5.51 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6.07 (1H, s), 6.6-6.8 (1H, m), 7.0-7.4 (15H, m), 7.43 (1H, s), 8.02 (1H, s)
【0197】
製造例39
tert-ブチル ((3S)-3-ヒドロキシ-4-{[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-4-オキソブチル)カルバマート(2.5 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(25 ml)溶液に、塩化トリチル(1.25 g)、トリエチルアミン(1.78 ml)及び4-ジメチルアミノピリジン(52.1 mg)を加え、混合物を1時間攪拌した。反応混合物を60℃まで加熱し、同温で2日間攪拌した。混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより油状物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:酢酸エチル = 5:1)で精製して、tert-ブチル [(3S)-3-ヒドロキシ-4-オキソ-4-({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)ブチル]カルバマート(1.5 g)を得た。
ESI Mass: 851.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.2-1.5 (1H, m), 1.39 (9H, s), 1.5-1.8 (1H, m), 2.8-3.1 (4H, m), 3.3-3.5 (2H, m), 3.6-3.8 (1H, m), 5.59 (1H, d, J = 5.2 Hz), 5.95 (1H, s), 6.6-6.8 (1H, m), 7.1-7.4 (30H, m), 7.43 (1H, s), 8.32 (1H, s)
【0198】
製造例40
Dess-Martin試薬(845 mg)の塩化メチレン(15 ml)攪拌懸濁液にtert-ブチル [(3S)-3-ヒドロキシ-4-オキソ-4-({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)ブチル]カルバマート(1.5 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。混合物に1 mol/l 水酸化ナトリウム水溶液(8 ml)を30分間攪拌しながら加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより油状物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:塩化メチレン = 1:4)で精製して、tert-ブチル [3,4-ジオキソ-4-({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)ブチル]カルバマート(1.33 g)を得た。
ESI Mass: 848.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.38 (9H, s), 2.7-2.9 (2H, m), 2.9-3.0 (2H, m), 3.1-3.4 (4H, m), 5.90 (1H, s), 6.8-6.9 (1H, m), 7.1-7.4 (30H, m), 7.45 (1H, s), 8.99 (1H, s)
【0199】
製造例41
ジエチル (シアノメチル)ホスホナート(311 mg)のテトラヒドロフラン(13 ml)攪拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、水素化ナトリウム(70.3 mg, 60%油性懸濁液)を加え、混合物を室温まで加温しながら45分間攪拌した。tert-ブチル [3,4-ジオキソ-4-({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)ブチル]カルバマート(1.32 g)を混合物に加え、30分間攪拌を続けた。反応混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより、tert-ブチル {(3E)-4-シアノ-3-[({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)カルボニル]-3-ブテン-1-イル}カルバマート(1.13 g)を得た。
ESI Mass: 872.3 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.36 (9H, s), 2.4-2.6 (2H, m), 2.8-3.1 (4H, m), 3.2-3.4 (2H, m), 5.54 (1H, s), 5.80 (1H, s), 6.8-7.0 (1H, m), 7.0-7.5 (31H, m), 8.87 (1H, s)
【0200】
製造例42
tert-ブチル {(3E)-4-シアノ-3-[({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)カルボニル]-3-ブテン-1-イル}カルバマート(1.1 g)のエタノール(10 ml)溶液に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート(297 mg)及び酸化白金(59 mg)を加え、混合物を水素雰囲気下、5日間攪拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮し、油状物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:酢酸エチル = 5:1→1:1)で精製することにより、ジ-tert-ブチル {3-[({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)カルボニル]-1,5-ペンタンジイル}ビスカルバマート(570 mg)を得た。
ESI Mass: 978.4 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 1.37 (18H, s), 1.7-2.0 (1H, m), 2.6-2.8 (4H, m), 2.8-3.0 (2H, m), 3.3-3.5 (2H, m), 5.87 (1H, s), 6.6-6.8 (2H, m), 7.1-7.4 (31H, m), 7.92 (1H, s)
【0201】
実施例14
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[4-アミノ-2-(2-アミノエチル)ブタノイル]アミノ}-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル {3-[({5-(トリチルアミノ)-1-[2-(トリチルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}アミノ)カルボニル]-1,5-ペンタンジイル}ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.54 (6H, s), 1.8-2.2 (4H, m), 2.6-2.9 (1H, m), 2.9-3.2 (4H, m), 3.18 及び 3.57 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.8-4.0 (2H, m), 4.3-4.5 (2H, m), 4.8-5.2 (2H, m), 5.30 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.85 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.14 (1H, s)
【0202】
製造例43
2-(4,5-ジアミノ-1H-ピラゾール-1-イル)エタノール硫酸塩(5 g)の水(30 ml)及びジオキサン(15 ml)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を氷冷下で加え、混合物をpH 7に調整した。混合物に、pHを7にコントロールしながら、クロロギ酸フェニル(3.42 g)を加え、全混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル-テトラヒドロフラン(1:1)で抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去することにより、フェニル [5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマートの粗生成物を油状物として得て、これは更に精製することなく製造例44で用いた。
【0203】
製造例44
フェニル [5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマート(5.45 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(55 ml)攪拌溶液に、トリエチルアミン(8.69 ml)及び塩化トリチル(6.37 g)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより粗生成物を得て、これを酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル(1:2)で粉末化した。得られた固体を濾取して、フェニル [1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマート(3.5 g)を得た。
ESI Mass: 527.2 [M+Na]+ (ポジティブ)
1H-NMR(CDCl3) δ 3.12 (2H, t, J = 5.9 Hz), 3.3-3.5 (2H, m), 4.92 (1H, t, J = 5.1 Hz), 5.79 (1H, s), 6.9-7.5 (21H, m), 7.77 (1H, s)
【0204】
製造例45
フェニル [1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマート(1 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(10 ml)攪拌溶液にジ-tert-ブチル (2-アミノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(631 mg)及びトリエチルアミン(0.83 ml)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、全混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮することにより粗生成物を得て、これを酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル(1:3)で粉末化した。得られた固体を濾取して、ジ-tert-ブチル {2-[({[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマート(435 mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.38 (18H, s), 2.8-3.0 (4H, m), 3.0-3.1 (2H, m), 3.3-3.5 (2H, m), 3.4-3.6 (1H, m), 4.78 (1H, t, J = 5.1 Hz), 5.73 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.80 (1H, s), 6.50 (1H, s), 6.5-6.8 (2H, m), 7.0-7.4 (16H, m)
【0205】
実施例15
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-[({[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート
実施例6と同様の方法により、4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラートとジ-tert-ブチル {2-[({[1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマートから、標記化合物を得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.54 (6H, s), 3.0-3.3 (5H, m), 3.4-3.7 (2H, m), 3.8-4.0 (2H, m), 4.2-4.5 (2H, m), 4.8-5.2 (2H, m), 5.28 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.86 (1H, d, J = 4.6 Hz), 8.00 (1H, s)
【0206】
製造例46
1-メチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(2.10 g)、(2S)-2-[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ペンタン酸(3.66 g)及びトリエチルアミン(3.04 g)のクロロホルム(50 ml)懸濁液にN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.91 g)を加え、混合物を室温で15時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、1-ベンジル 4-tert-ブチル {(1S)-1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]テトラメチレン}ビスカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく、次工程に直接用いた。
1-ベンジル 4-tert-ブチル {(1S)-1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]テトラメチレン}ビスカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(1.01 g)のクロロホルム(50 ml)溶液に、塩化トリフェニルメタン(2.78 g)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、2%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1-ベンジル 4-tert-ブチル ((1S)-1-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル}テトラメチレン)ビスカルバマート(720 mg)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.41 (9H, s), 1.42-1.60 (4H, m), 2.90 (3H, s), 3.02-3.04 (1H, m), 3.23-3.25 (1H, m), 3.93-3.95 (1H, m), 4.62 (1H, br), 4.66 (1H, s), 5.10 (2H, s), 5.36 (1H, br), 6.98 (1H, br), 7.20-7.36 (20H, m), 7.52 (1H, s)
【0207】
製造例47
1-ベンジル 4-tert-ブチル ((1S)-1-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル}テトラメチレン)ビスカルバマート(6.4 g)のメタノール(100 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で6日間、10%パラジウム炭素(1.0 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテルで粉末化し、減圧乾燥して、tert-ブチル (4S)-4-アミノ-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(2.2 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.42 (9H, s), 1.50-1.74 (4H, m), 2.94 (3H, s), 3.08-3.12 (2H, m), 3.17-3.19 (1H, m), 4.67 (1H, br), 4.83 (1H, s), 7.20-7.26 (15H, m), 7.37 (1H, s), 8.03 (1H, s)
【0208】
製造例48
tert-ブチル (4S)-4-アミノ-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(1.71 g)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液に、N-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトキシ]スクシンイミド(820 mg)を加えた。混合物を室温で6時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(50 ml)を加えた。混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (4S)-4-{[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ}-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(2.1 g)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.41 (9H, s), 1.43 (9H, s), 1.42-1.64 (4H, m), 2.87 (3H, s), 3.01-3.19 (2H, m), 3.71-3.80 (2H, m), 4.18-4.20 (1H, m), 4.75 (1H, br), 4.78 (1H, br), 5.27 (1H, br), 6.76 (1H, d, J = 7 Hz), 7.18 (1H, br), 7.19-7.32 (15H, m), 7.52 (1H, s)
【0209】
実施例16
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.0 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(3 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(965 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液に、ヨウ化カリウム(341 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にtert-ブチル (4S)-4-{[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ}-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(1.27 g)を加え、全混合物を40℃で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル(100 ml)を加え、混合物を食塩水(50 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約5 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(120 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.5 ml)溶液に、アニソール(1.5 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.0 ml)を加えた。得られた溶液を室温で16時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(120 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.42 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、8%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮した。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({(2S)-5-アミノ-2-[(アミノアセチル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(46.3 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.52 (6H, s), 1.69-2.02 (4H, m), 3.03 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.19 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.49 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.74 (3H, s), 3.90 (2H, s), 4.49 (1H, m), 4.97 (1H, d, J = 14.7 Hz), 5.12 (1H, d, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.6 Hz), 8.00 (1H, s)
【0210】
製造例49
(2S)-2-[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ペンタン酸(22.0 g)及びトリエチルアミン(6.7 g)のテトラヒドロフラン(240 ml)溶液に、クロロギ酸メチル(6.2 g)を加え、氷冷下30分間攪拌した。反応混合物に、1-メチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(12.6 g)及びトリエチルアミン(13.4 g)の水(50 ml)溶液を同温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(240 ml)を加え、層を分けた。有機層を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、1-ベンジル 4-tert-ブチル {(1S)-1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]テトラメチレン}ビスカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく次工程に直接用いた。
1-ベンジル 4-tert-ブチル {(1S)-1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]テトラメチレン}ビスカルバマートの粗生成物のメタノール(200 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で6日間、10%パラジウム炭素(1.0 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテルで粉末化し、減圧乾燥して、tert-ブチル (4S)-4-アミノ-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-5-オキソペンチルカルバマート(5.5 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.40 (9H, s), 1.41 (9H, s), 1.42-1.44 (4H, m), 2.33-2.44 (2H, m), 2.85 (3H, s), 3.02-3.40 (2H, m), 3.38-3.39 (2H, m), 4.18-4.20 (1H, m), 4.74 (1H, br), 4.76 (1H, s), 5.24 (1H, br), 6.39 (1H, d, J = 7 Hz), 7.17 (1H, br), 7.18-7.30 (15H, m), 7.52 (1H, s)
【0211】
製造例50
tert-ブチル (4S)-4-アミノ-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-5-オキソペンチルカルバマート(4.90 g)及びトリエチルアミン(1.52 g)のクロロホルム(100 ml)溶液に、N-[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルオキシ]スクシンイミド(4.26 g)を加えた。混合物を室温で17時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (4S)-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-4-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は、更に精製することなく次工程に直接用いた。
tert-ブチル (4S)-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-4-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(1.52 g)のクロロホルム(100 ml)溶液に塩化トリフェニルメタン(4.20 g)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (4S)-4-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(7.20 g)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.40 (9H, s), 1.41 (9H, s), 1.42-1.44 (4H, m), 2.33-2.44 (2H, m), 2.85 (3H, s), 3.02-3.40 (2H, m), 3.38-3.39 (2H, m), 4.18-4.20 (1H, m), 4.74 (1H, br), 4.76 (1H, s), 5.24 (1H, br), 6.39 (1H, d, J = 7 Hz), 7.17 (1H, br), 7.18-7.30 (15H, m), 7.52 (1H, s)
【0212】
実施例17
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(6.63 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(20 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(6.39 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(2.26 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にtert-ブチル (4S)-4-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(7.20 g)を加え、全混合物を40℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(600 ml)を加え、この溶液を食塩水(300 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(300 ml)及び食塩水(300 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約30 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(700 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(30 ml)溶液にアニソール(10 ml)及びトリフルオロ酢酸(30 ml)を加えた。得られた溶液を室温で5時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(850 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(9.50 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、20%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、1.0 mol/l 硫酸(1.42 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({(2S)-5-アミノ-2-[(3-アミノプロピオニル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(1.29 g)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, s), 1.73-2.03 (4H, m), 2.80 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.05 (1H, t, J = 7.3 Hz), 3.24 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.28 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.47 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.74 (3H, s), 4.45 (1H, m), 5.07 (1H, d, J = 16.5 Hz), 5.26 (1H, d, J = 16.5 Hz), 5.26 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.88 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.07 (1H, s)
【0213】
製造例51
tert-ブチル (4S)-4-アミノ-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-5-オキソペンチルカルバマート(560 mg)及びトリエチルアミン(170 mg)のクロロホルム(30 ml)溶液に、ジ-tert-ブチル ({[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミノ}メチレン)ビスカルバマート(660 mg)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (4S)-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-4-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-5-オキソペンチルカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく次工程に直接用いた。
tert-ブチル (4S)-5-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-4-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-5-オキソペンチルカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(170 mg)のクロロホルム(30 ml)溶液に塩化トリフェニルメタン(470 mg)を加え、混合物を室温で6時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (4S)-4-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(850 mg)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.39 (9H, s), 1.44 (9H, s), 1.49 (9H, s), 1.57-1.79 (4H, m), 2.88 (3H, s), 3.05-3.16 (2H, m), 4.23-4.24 (1H, m), 4.63 (1H, s), 4.65 (1H, br), 7.22-7.33 (15H, m), 7.54 (1H, brs), 7.60 (1H, s), 8.57 (1H, d, J = 7 Hz), 11.28 (1H, s)
【0214】
実施例18
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(680 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液に、N-(トリメチルシリル)アセトアミド(660 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(232 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にtert-ブチル (4S)-4-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-5-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-5-オキソペンチルカルバマート(810 mg)を加え、全混合物を40℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(100 ml)を加え、この溶液を食塩水(50 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約5 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(120 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3.0 ml)溶液にアニソール(1.0 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.0 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(120 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(0.54 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、15%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(0.924 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[(2S)-5-アミノ-2-(グアニジノ)ペンタノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(61.0 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.58 (6H, s), 1.76-1.84 (2H, m), 1.86-1.96 (1H, m), 2.04-2.13 (1H, m), 3.04 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.21 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.46 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.73 (3H, s), 4.36-4.42 (1H, m), 4.98 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.20 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.24 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.84 (1H, d, J = 4.6 Hz), 8.06 (1H, s)
【0215】
製造例52
(2S)-2-[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]-6-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸(19.02 g)及びトリエチルアミン(5.56 g)のテトラヒドロフラン(200 ml)溶液に、クロロギ酸メチル(4.21 ml)を加え、氷冷下、30分間攪拌した。反応混合物に1-メチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン硫酸塩(15.75 g)及びトリエチルアミン(15.2 g)の水(50 ml)溶液を同温で加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(300 ml)を加え、層を分けた。有機層を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、1-ベンジル 5-tert-ブチル (1S)-{1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]ペンタメチレン}ビスカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく次工程に直接用いた。
1-ベンジル 5-tert-ブチル (1S)-{1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]ペンタメチレン}ビスカルバマートの粗生成物のメタノール(350 ml)溶液を、水素雰囲気下、室温で6日間、10%パラジウム炭素(2.0 g)で処理した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉末化し、減圧乾燥して、tert-ブチル (5S)-5-アミノ-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマート(12.1 g)を固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.24-1.40 (4H, m), 1.36 (9H, s), 1.70-1.77 (2H, m), 2.88-2.91 (2H, m), 3.51 (3H, s), 3.80-3.82 (1H, m), 5.15 (2H, s), 6.77 (1H, br), 7.27 (1H, s), 10.05 (1H, br)
【0216】
製造例53
tert-ブチル (5S)-5-アミノ-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマート(1.60 g)及びトリエチルアミン(0.47 g)のクロロホルム(100 ml)溶液にN-[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルオキシ]スクシンイミド(1.34 g)を加えた。混合物を室温で15時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (5S)-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-5-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマート(2.09 g)の粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく、次工程に直接用いた。
tert-ブチル (5S)-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-5-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(0.50 g)のクロロホルム(30 ml)溶液に、塩化トリフェニルメタン(1.37 g)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧乾燥した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (5S)-5-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-6-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマート(1.62 g)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.24-1.70 (6H, m), 1.42 (18H, s), 2.30-2.44 (2H, m), 2.91 (3H, s), 3.06-3.10 (2H, m), 3.35-3.39 (2H, m), 4.01-4.05 (1H, m), 4.58 (1H, s), 4.66 (1H, br), 5.23 (1H, br), 6.21 (1H, br), 6.78 (1H, br), 7.12-7.32 (15H, m), 7.58 (1H, s)
【0217】
実施例19
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.36 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(4 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(1.31 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(465 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にtert-ブチル (5S)-5-{[3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニル]アミノ}-6-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマート(1.87 g)を加え、全混合物を室温で22時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(150 ml)を加え、この溶液を食塩水(80 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(80 ml)及び食塩水(80 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約5 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(120 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(6.0 ml)溶液にアニソール(2.0 ml)及びトリフルオロ酢酸(6.0 ml)を加えた。得られた溶液を室温で6時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(120 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.62 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、20%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(6.96 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({(2S)-6-アミノ-2-[(3-アミノプロピオニル)アミノ]ヘキサノイル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(286.7 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.42-1.57 (2H, m), 1.61 (6H, d, J = 3.2 Hz), 1.67-1.75 (2H, m), 1.78-1.96 (2H, m), 2.78 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.00 (2H, t, J = 7.8 Hz), 3.23 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.27 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.46 (2H, d, J = 17.9 Hz), 3.73 (3H, s), 4.37-4.42 (1H, m), 5.04 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.25 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.25 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.87 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.05 (1H, s)
【0218】
製造例54
tert-ブチル (5S)-5-アミノ-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマート(3.4 g)及びトリエチルアミン(1.21 g)のクロロホルム(100 ml)溶液に、ジ-tert-ブチル ({[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミノ}メチレン)ビスカルバマート(4.70 g)を加えた。混合物を室温で15時間攪拌した。反応混合物を食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル (5S)-5-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく、次工程に直接用いた。
tert-ブチル (5S)-5-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(1.01 g)のクロロホルム(100 ml)溶液に、塩化トリフェニルメタン(2.78 g)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (5S)-5-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-6-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマート(5.60 g)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.21-1.79 (6H, m), 1.37 (9H, s), 1.44 (9H, s), 1.49 (9H, s), 2.88 (3H, s), 3.02-3.11 (2H, m), 4.14-4.19 (1H, m), 4.55 (1H, s), 4.58 (1H, br), 7.16-7.31 (15H, m), 7.53 (1H, br), 7.62 (1H, s), 8.52 (1H, d, J = 7 Hz), 11.30 (1H, s)
【0219】
実施例20
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.02 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(3.0 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(980 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(350 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にtert-ブチル (5S)-5-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノ]-6-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-6-オキソヘキシルカルバマート(1.48 g)を加え、全混合物を40℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(150 ml)を加え、この溶液を食塩水(75 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(75 ml)及び食塩水(75 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約5 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(150 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3.0 ml)溶液にアニソール(1.0 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.0 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(150 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(0.92 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、15%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮して、0.05 mol/l 硫酸(2.07 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[(2S)-6-アミノ-2-(グアニジノ)ヘキサノイル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(94.6 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.45-1.56 (2H, m), 1.60 (6H, d, J = 3.2 Hz), 1.66-1.75 (2H, m), 1.83-1.93 (1H, m), 1.98-2.08 (1H, m), 3.00 (2H, t, J = 7.8 Hz), 3.22 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.45 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.72 (3H, s), 4.32-4.38 (1H, m), 5.00 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.23 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.24 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.85 (1H, d, J = 4.6 Hz), 8.07 (1H, s)
【0220】
製造例55
tert-ブチル (5S)-5-アミノ-6-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-6-オキソヘキシルカルバマート(3.06 g)及びトリエチルアミン(1.09 g)のクロロホルム(30 ml)溶液に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート(2.36 g)を加えた。混合物を室温で14時間攪拌した。反応混合物を食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、ジ-tert-ブチル (1S)-{1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]ペンタメチレン}ビスカルバマートの粗生成物を油状物として得た。粗生成物は更に精製することなく次工程に直接用いた。
ジ-tert-ブチル (1S)-{1-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバモイル]ペンタメチレン}ビスカルバマートの粗生成物及びトリエチルアミン(0.91 g)のクロロホルム(30 ml)溶液に塩化トリフェニルメタン(2.51 g)を加え、混合物を室温で6時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル (1S)-(1-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル}ペンタメチレン)ビスカルバマート(4.23 g)を油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.27-1.32 (2H, m), 1.42 (9H, s), 1.44 (9H, s), 1.46-1.63 (4H, m), 2.94 (3H, s), 3.09-3.10 (2H, m), 3.74-3.76 (1H, m), 4.56 (1H, br), 4.58 (1H, br), 4.97 (1H, br), 6.73 (1H, br), 7.20-7.31 (15H, m), 7.54 (1H, s)
【0221】
実施例21
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.36 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.0 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(1.31 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(465 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル (1S)-(1-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル}ペンタメチレン)ビスカルバマート(1.37 g)を加え、全混合物を40℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(150 ml)を加え、この溶液を食塩水(80 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(80 ml)及び食塩水(80 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約10 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(150 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.5 ml)溶液にアニソール(1.5 ml)及びトリフルオロ酢酸(4.5 ml)を加えた。得られた溶液を室温で6時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(150 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.27 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、15%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(3.64 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-[(2S)-(2,6-ジアミノヘキサノイル)アミノ]-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(166.4 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.49-1.57 (2H, m), 1.61 (6H, d, J = 3.2 Hz), 1.71-1.78 (2H, m), 1.95-2.09 (2H, m), 3.02 (2H, t, J = 7.8 Hz), 3.23 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.47 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.74 (3H, s), 4.23 (1H, t, J = 6.4 Hz), 5.01 (1H, d, J = 16.0 Hz), 5.25 (1H, d, J = 16.0 Hz), 5.25 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.86 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.13 (1H, s)
【0222】
製造例56
5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(7.1 g)、N-(2-アミノエチル)トリチルアミン(15.1 g)及びトリエチルアミン(10.1 g)のクロロホルム(200 ml)溶液に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(9.6 g)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉末化し、減圧乾燥して、5-アミノ-1-メチル-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(11.4 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 2.35-2.38 (2H, m), 3.45-3.49 (2H, m), 3.63 (3H, s), 5.15 (1H, br), 5.91 (1H, br), 7.17-7.49 (16H, m)
【0223】
製造例57
水素化アルミニウムリチウム(3.78 g)のテトラヒドロフラン(150 ml)懸濁液に5-アミノ-1-メチル-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (10.64 g)を室温で加えた。混合物を還流下、18時間攪拌した。氷浴で冷却後、反応混合物に、フッ化ナトリウム(20 g)及びテトラヒドロフラン水溶液(10 ml)を加えた。不溶性物質を濾過により取り除いた。得られた濾液を減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解した。この溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。油性残渣を酢酸エチルで粉末化し、減圧乾燥して、N-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル]-N'-トリチルエタン-1,2-ジアミン(3.2 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 2.45 (2H, br), 2.68 (2H, br), 3.34 (3H, s), 3.71 (2H, s), 6.94 (1H, br), 7.09-7.40 (16H, m)
【0224】
製造例58
N-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル]-N'-トリチルエタン-1,2-ジアミン(7.50 g)及びトリエチルアミン(2.86 g)のクロロホルム(100 ml)溶液にジ-tert-ブチル ({[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミノ}メチレン)ビスカルバマート(11.05 g)を加えた。混合物を室温で4日間攪拌した。反応混合物を、10%クエン酸水溶液及び食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、N-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル]-N',N''-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]グアニジン(3.00 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.42 (9H, brs), 1.51 (9H, brs), 2.42-2.46 (2H, m), 3.30-3.34 (2H, m), 3.57 (3H, s), 4.08 (2H, s), 5.34 (1H, brs), 6.96 (1H, s), 7.21-7.41 (15H, m), 10.54 (1H, br)
【0225】
製造例59
N-[(5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル]-N',N''-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]グアニジン(1.84 g)のピリジン(10 ml)溶液に塩化トリフェニルメタン(0.94 g)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(50 ml)を加えた。混合物を10%クエン酸水溶液、食塩水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を3%メタノール/クロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、N',N''-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-N-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]グアニジン(1.60 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.32 (9H, s), 1.41 (9H, s), 2.25-2.45 (4H, m), 2.71 (3H, s), 3.35 (1H, brs), 3.59 (2H, s), 5.97 (1H, br), 7.06 (1H, s), 7.18-7.41 (30H, m), 10.21 (1H, br)
【0226】
実施例22
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.36 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.0 ml)溶液に、N-(トリメチルシリル)アセトアミド(1.31 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(465 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物にN',N''-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-N-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}-N-[2-(トリチルアミノ)エチル]グアニジン(1.60 g)を加え、全混合物を40℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(150 ml)を加え、この溶液を食塩水(80 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(80 ml)及び食塩水(80 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を約10 mlまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(150 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(6.0 ml)溶液にアニソール(2.0 ml)及びトリフルオロ酢酸(6.0 ml)を加えた。得られた溶液を室温で6時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(200 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.40 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、15%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(2.0 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[1-(2-アミノエチル)グアニジノ]メチル}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(61.9 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, d, J = 3.2 Hz), 3.26 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.33 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.54 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.61 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.72 (3H, s), 4.19 (2H, s), 5.01 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.23 (1H, d, J = 15.6 Hz), 5.27 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.86 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.09 (1H, s)
【0227】
製造例60
2-アミノマロン酸ジエチル(1.68 g)及びtert-ブチル (2-アミノエチル)カルバマート(3.20 g)の脱水クロロホルム(5 ml)溶液を還流下、攪拌した。7時間後、追加のtert-ブチル (2-アミノエチル)カルバマート(3.20 g)を反応混合物に加え、混合物を還流下、2日間攪拌した。反応混合物に水を加え、この溶液をヘキサンとジイソプロピルエーテル(1:1)の混合溶媒で洗浄した。水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、5%クエン酸水溶液で抽出した。水層をジエチルエーテルで洗浄し、水酸化ナトリウムで塩基性にした。この水溶液を塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル及びジエチルエーテルの混合溶媒で粉末化して、ジ-tert-ブチル 7-アミノ-6,8-ジオキソ-2,5,9,12-テトラアザトリデカンジオアート(1.87 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.44 (18H, s), 2.19 (2H, br), 3.1-3.5 (8H, m), 4.00 (1H, s), 4.94 (2H, br), 8.01 (2H, br)
【0228】
製造例61
フェニル N-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]カルバマート(949 mg)及びジ-tert-ブチル 7-アミノ-6,8-ジオキソ-2,5,9,12-テトラアザトリデカンジオアート(968 mg)の脱水クロロホルム(4 ml)懸濁液にN-エチルジイソプロピルアミン(0.342 ml)を加え、混合物を還流下、5時間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加えた。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥して、ジ-tert-ブチル 7-[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-6,8-ジオキソ-2,5,9,12-テトラアザトリデカンジオアート(1.38 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.42 (18H, s), 2.93 (3H, s), 3.2-3.3 (4H, m), 3.3-3.4 (4H, m), 4.68 (1H, d, J = 4.1 Hz), 5.63 (1H, br), 7.1-7.4 (15H, m), 7.36 (1H, br), 7.43 (1H, brs)
【0229】
実施例23
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(681 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(656 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(232 mg)を加え、混合物を室温で55分間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル 7-[({[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}カルボニル)アミノ]-6,8-ジオキソ-2,5,9,12-テトラアザトリデカンジオアート(784 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液を加え、全混合物を45-50℃で3時間、50-55℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(50 ml)を加え、この溶液を水(50 ml x 2)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約5.5 gまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(80 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3 ml)溶液にアニソール(1 ml)及びトリフルオロ酢酸(3 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(80 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(810 mg)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、12%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(2.28 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[({1,3-ビス[(2-アミノエチル)アミノ]-1,3-ジオキソプロパン-2-イル}アミノ)カルボニル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(98 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.61 (3H, s), 1.61 (3H, s), 3.18 (4H, t, J = 5.7 Hz), 3.22 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.49 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.4-3.7 (4H, m), 3.72 (3H, s), 5.02 (1H, s), 5.08 (1H, d, J = 16.0 Hz), 5.23 (1H, d, J = 16.0 Hz), 5.26 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.87 (1H, d, J = 5.0 Hz), 7.95 (1H, s)
【0230】
製造例62
1-メチル-N5-トリチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン(1.60 g)のエタノール(50 ml)懸濁液に、トリエチルアミン(0.627 ml)及びジエチル スクアラート(0.858 ml)を加え、混合物を室温で22時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル(200 ml)及びヘキサン(100 ml)を加え、この溶液を水、5%クエン酸水溶液及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。結晶性残渣をジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥して、3-エトキシ-4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-シクロブテン-1,2-ジオン(1.45 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.42 (3H, br), 2.99 (3H, s), 4.41 (1H, brs), 4.69 (2H, q, J=7.2Hz), 6.40 (1H, br), 7.13-7.35 (16H, m)
【0231】
製造例63
ジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(2.13 g)及び3-エトキシ-4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-シクロブテン-1,2-ジオン(1.91 g)のクロロホルム(10 ml)溶液に、トリエチルアミン(0.558 ml)を加え、混合物を還流下、攪拌した。9時間後、追加のジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(1.82 g)を反応混合物に加え、混合物を還流下、1日攪拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、この溶液を5%クエン酸水溶液、水及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣を塩化メチレン/メタノール(20:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、ジ-tert-ブチル {[(2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)}ビスカルバマート(1.84 g)を固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.39 (18H, s), 2.85 (3H, s), 3.0-3.2 (4H, m), 3.3-3.5 (2H, m), 3.7-3.9 (2H, m), 5.10 (1H, br), 5.16 (1H, br), 5.28 (1H, s), 7.1-7.4 (16H, m), 8.93 (1H, brs)
【0232】
実施例24
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(817 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.4 ml)溶液に、N-(トリメチルシリル)アセトアミド(788 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(279 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に、ジ-tert-ブチル {[(2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)イミノ]ビス(2,1-エタンジイル)}ビスカルバマート(883 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.8 ml)溶液を加え、全混合物を45-50℃で3時間、50-55℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(50 ml)を加え、この溶液を水(50 ml x 2)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約8 gまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(80 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.1 ml)溶液に、アニソール(1.36 ml)及びトリフルオロ酢酸(4.1 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(100 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.11 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、10%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液(265 ml)を約10 mlまで減圧濃縮し、凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({2-[ビス(2-アミノエチル)アミノ]-3,4-ジオキソ-1-シクロブテン-1-イル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩(26 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, s), 3.35 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.40 (4H, t, J = 6.0 Hz), 3.47 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.73 (3H, s), 3.73 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.9-4.1 (2H, m), 4.8-5.1 (1H, m), 5.12 (1H, d, J = 15.1 Hz), 5.31 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.97 (1H, s)
【0233】
製造例64
ジ-tert-ブチル (2-アミノ-1,3-プロパンジイル)ビスカルバマート(810 mg)及び3-エトキシ-4-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3-シクロブテン-1,2-ジオン(957 mg)のエタノール(10 ml)懸濁液に、トリエチルアミン (0.279 ml)を加え、混合物を還流下、1日攪拌した。反応混合物を約5 mlまで減圧濃縮した。濃縮物にジイソプロピルエーテルを加えた。析出した結晶を濾取し、減圧乾燥して、ジ-tert-ブチル {2-[(2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマート(1.22 g)を固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.37 (18H, s), 2.73 (3H, s), 2.9-3.3 (4H, m), 3.9-4.1 (1H, m), 5.84 (1H, br), 6.85 (2H, br), 7.07 (1H, brs), 7.1-7.3 (15H, m), 8.05 (1H, br)
【0234】
実施例25
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(817 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.4 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(788 mg)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(279 mg)を加え、混合物を室温で55分間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル {2-[(2-{[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ}-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ]-1,3-プロパンジイル}ビスカルバマート(866 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(6.4 ml)溶液を加え、全混合物を45-50℃で2.5時間、50-55℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(50 ml)及び水(50 ml)を加えた。析出物を濾別した後、濾液を分けた。有機層を水(50 ml)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(50 ml)及び食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約7 gまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(80 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(3.4 ml)溶液にアニソール(1.13 ml)及びトリフルオロ酢酸(3.4 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(100 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(902 mg)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、8%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液(280 ml)を約10 mlまで減圧濃縮し、凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-{[2-(1,3-ジアミノプロパン-2-イル)アミノ-3,4-ジオキソ-1-シクロブテン-1-イル]アミノ}-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩(8.3 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.62 (6H, s), 3.2-3.5 (5H, m), 3.6-3.8 (1H, m), 3.72 (3H, s), 4.6-5.0 (2H, m), 5.12 (1H, d, J = 13.3 Hz), 5.31 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.6 Hz), 8.04 (1H, s)
【0235】
製造例65
1,1'-オキサリルジイミダゾール(1.52 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(16 ml)溶液に1-メチル-N5-トリチル-1H-ピラゾール-4,5-ジアミン(1.42 g)を氷冷下で加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル [イミノビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(4.55 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(4 ml)溶液を氷冷下で加え、混合物を室温で1日攪拌し、その後、室温で9日間放置した。反応混合物に酢酸エチル(50 ml)及び塩化メチレン(20 ml)を加えた。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥して、ジ-tert-ブチル [({2-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]-2-オキソアセチル}イミノ)ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(1.79 g)を固体として得た。母液を水、5%クエン酸水溶液及び食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。結晶性残渣を塩化メチレン及びジエチルエーテルの混合溶媒で洗浄し、減圧乾燥し、先の固体と合わせて、ジ-tert-ブチル [({2-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]-2-オキソアセチル}イミノ)ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(2.44 g)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.37 (9H, s), 1.45 (9H, s), 2.97 (3H, s), 3.2-3.4 (4H, m), 3.4-3.6 (2H, m), 3.78 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.53 (1H, brs), 5.09 (1H, br), 5.34 (1H, br), 7.1-7.4 (15H, m), 7.49 (1H, s), 8.13 (1H, brs)
【0236】
実施例26
4-メトキシベンジル 7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボキシラート(1.36 g, 2.00 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4 ml)溶液にN-(トリメチルシリル)アセトアミド(1.31 g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。この溶液にヨウ化カリウム(465 mg)を加え、混合物を室温で40分間攪拌した。反応混合物にジ-tert-ブチル [({2-[1-メチル-5-(トリチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-イル]-2-オキソアセチル}イミノ)ビス(2,1-エタンジイル)]ビスカルバマート(1.42 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(6 ml)溶液を加え、全混合物を45-50℃で3時間、50℃-55℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物に酢酸エチル(100 ml)を加え、この溶液を水(100 ml x 2)、10%トリフルオロ酢酸ナトリウム水溶液(100 ml) 及び 食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を約9 gまで減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(150 ml)に注ぎ、生じた析出物を濾取し、減圧乾燥した。この固体の塩化メチレン(4.8 ml)溶液にアニソール(1.6 ml)及びトリフルオロ酢酸(4.8 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(150 ml)に注いだ。生じた析出物を濾取し、減圧乾燥し、粗生成物(1.24 g)を得て、これを、ODSカラムを用いる分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む溶出液を約20 mlまで減圧濃縮した。濃縮物を、30%アセトニトリル/水で溶出するODSカラムを用いる分取HPLCで更に精製した。溶出液を約10 mlまで減圧濃縮し、0.05 mol/l 硫酸(0.77 ml)を加えた。得られた溶液を凍結乾燥して、7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({2-[ビス(2-アミノエチル)アミノ]-2-オキソアセチル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩(30 mg)を無定形固体として得た。
1H-NMR(D2O) δ 1.61 (6H, s), 3.24 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.38 (2H, t, J = 5.7 Hz), 3.41 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.47 (1H, d, J = 17.9 Hz), 3.48 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.72 (2H, t, J = 5.7 Hz), 3.75 (3H, s), 5.10 (1H, d, J = 15.4 Hz), 5.26 (1H, d, J = 5.0 Hz), 5.27 (1H, d, J = 15.4 Hz), 5.87 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.15 (1H, s)
【0237】
本出願は、2003年9月18日にオーストラリアで出願した出願番号2003905084に基づくものであり、該オーストラリア出願の内容は、引用により本明細書に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式[I]:
【化1】


(式中、
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素もしくはアミノ保護基、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、−A−R
(式中、
Aは、結合、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、低級アルキレン、−NH−CO−CO−、又は
【化2】


であり、
は、
【化3】


【化4】


(式中、
及びZは、独立して、−NHCO−又は−CONH−、
k、q及びrは、独立して、0又は1、
s及びtは、独立して、0〜6の整数、
m及びpは、独立して、0〜6の整数、及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、保護されたアミノ、グアニジノ、保護されたグアニジノ、アミジノ又は保護されたアミジノである)である);
は、カルボキシ又は保護されたカルボキシ;及び
は、アミノ又は保護されたアミノである)
の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素、アリール(低級)アルキルもしくはアシル、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、カルボキシ又はエステル化されたカルボキシ;
は、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ又はアシルアミノ;及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、アシルアミノ、グアニジノ、アシルグアニジノ、アミジノ又はアシルアミジノである請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項3】
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素、アリール(低級)アルキル、低級アルカノイルもしくは低級アルコキシカルボニル、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、カルボキシ又は低級アルコキシカルボニル;
は、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ又は低級アルコキシカルボニルアミノ;及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、アリール(低級)アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、グアニジノ、2,3−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]グアニジノ、アミジノ又はN,N−ビス[(低級)アルコキシカルボニル]アミジノである請求項2に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項4】
は、低級アルキル;
は、水素;
は、カルボキシ;
は、アミノ;及び
、R、R及びR10は、アミノである請求項3に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項5】
Aは、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)であり、
は、
【化5】


【化6】


(式中、m及びpは、独立して、1〜3の整数であり、R、R、R及びR10は、独立して、アミノ又は保護されたアミノである)である請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項6】
Aは、−NHCO−であり、
、R、R及びR10は、アミノである請求項5に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項7】
Aは、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、−NH−CO−CO−、又は
【化7】


であり、
は、
【化8】


【化9】


(式中、s、t、m及びpは、独立して、1〜6の整数であり、R、R、R及びR10は、アミノ又は保護されたアミノである)である請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項8】
Aは、結合又は−NHCO−であり、
は、
【化10】


(式中、s、t、R及びRは、各々請求項1に記載の通りである)である請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項9】
Aは、−NHCO−であり、
及びRは、独立して、アミノ又はグアニジノである請求項8に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項10】
Aは、低級アルキレンであり、
は、
【化11】


(式中、m及びpは、各々請求項1に記載の通りであり、R及びR10は、独立して、アミノ又はアミジノである)である請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項11】
Aは、−NHCO−であり、
は、
【化12】


(式中、Z、Z、k、q及びrは、各々請求項1に記載の通りであり、s及びtは、独立して、1〜6の整数であり、R及びRは、アミノである)である請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項12】
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-({[ビス(2-アミノエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-[3-アミノ-4-({[N-(2-アミノエチル)-N-(3-アミノプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1-ピラゾリオ]メチル-3-セフェム-4-カルボキシラート、
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-(3-アミノ-4-{3-[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]ウレイド}-2-メチル-1-ピラゾリオ)メチル-3-セフェム-4-カルボン酸 硫酸水素塩、及び
7β-[(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-(1-カルボキシ-1-メチルエトキシイミノ)アセトアミド]-3-{3-アミノ-4-[(3-{[2-アミノ-1-(アミノメチル)エチル]アミノ}-3-オキソプロパノイル)アミノ]-2-メチル-1-ピラゾリオ}メチル-3-セフェム-4-カルボキシラートからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項13】
式[I]:
【化13】


(式中、
は、低級アルキルもしくはヒドロキシ(低級)アルキル、及び
は、水素もしくはアミノ保護基、又は
とRは、一緒に結合して低級アルキレンを形成する;
は、−A−R
(式中、
Aは、結合、−NHCO−(CHCO)−(式中、nは、0又は1である)、低級アルキレン、−NH−CO−CO−、又は
【化14】


であり、
は、
【化15】


【化16】


(式中、
及びZは、独立して、−NHCO−又は−CONH−、
k、q及びrは、独立して、0又は1、
s及びtは、独立して、0〜6の整数、
m及びpは、独立して、0〜6の整数、及び
、R、R及びR10は、独立して、アミノ、保護されたアミノ、グアニジノ、保護されたグアニジノ、アミジノ又は保護されたアミジノである)である)である)
の化合物又はその塩の製造方法であって、
(1)式[II]:
【化17】


(式中、R、R及びRは、各々上記の通りである)
の化合物もしくはアミノ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩を、式[III]:
【化18】


(式中、R及びRは、各々上記の通りである)
の化合物もしくはカルボキシ基におけるその反応性誘導体又はそれらの塩と反応させ、式[I]:
【化19】


(式中、R、R、R、R及びRは、各々上記の通りである)
の化合物又はその塩を得る、又は
(2)式[Ia]:
【化20】


(式中、R、R、R、R及びAは、各々上記の通りであり、
aは、
【化21】


【化22】


(式中、Z、Z、k、q、r、s、t、m及びpは、各々上記の通りであり、Ra、Ra、Ra及びR10aは、独立して、保護されたアミノ、保護されたグアニジノ又は保護されたアミジノである)である)
の化合物又はその塩を、アミノ保護基の脱離反応に付して、式[Ib]:
【化23】


(式中、R、R、R、R及びAは、各々上記の通りであり、
bは、
【化24】


【化25】


(式中、Z、Z、k、q、r、s、t、m及びpは、各々上記の通りであり、Rb、Rb、Rb及びR10bは、独立して、アミノ、グアニジノ又はアミジノである)である)
の化合物又はその塩を得る、又は
(3)式[VI]:
【化26】


(式中、R及びRは、各々上記の通りであり、R11は保護されたカルボキシであり、Yは脱離基である)
の化合物又はその塩を、式[VII]:
【化27】


(式中、R、R及びRは、各々上記の通りである)
の化合物又はその塩と反応させて、式[VIII]:
【化28】


(式中、R、R、R、R、R及びR11は、各々上記の通りであり、
【化29】


はアニオンである)
の化合物又はその塩を得て、
式[VIII]の化合物又はその塩を、カルボキシ保護基の脱離反応に付して、式[I]
【化30】


(式中、R、R、R、R及びRは、各々上記の通りである)
の化合物又はその塩を得ることを含む方法。
【請求項14】
医薬として許容される担体と共に、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を含有する医薬組成物。
【請求項15】
医薬として使用される、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項16】
抗菌薬として使用される、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項17】
感染症の治療用医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩の使用。
【請求項18】
ヒト又は動物に請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を投与することを含む感染症の治療方法。

【公表番号】特表2007−505895(P2007−505895A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526812(P2006−526812)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014018
【国際公開番号】WO2005/027909
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(000250100)湧永製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】