説明

セメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法

【課題】セメント含有スラリーの脱水成型を確実に、且、円滑に行うことができ、成型効率を向上し、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができる成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供する。
【解決手段】成型用型1を構成する基体部10は、内部空間100と、内部空間100を画定する内側壁面11とを有している。通水部材13は、薄板状であって、その一面と、内側壁面11との間に隙間g1が生じる関係で、内側壁面11と面対向している。成型空間14は、通水部材13の他面によって画定されている。排水路15は、通水部材13と内側壁面11との間の隙間g1であって、面対向部分の全長に渡って伸びている。本発明に係る成型装置は、成型用型1と、押し型3との組み合わせによって構成され、押し型3は、成型空間14に出し入れ可能に組み合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりセメントコンクリート製品の製造方法には、大きく分けて湿式工法と、乾式工法とが知られている。一般的な湿式工法では、セメントスラリーを型の成型空間に注入し、そのまま24時間程度の養生期間を経て乾燥させ、養生期間経過後に硬化した成型完成品を脱型する。このように湿式工法では、一つの型から得ることができる成型品は一日一個程度となり、成型効率が悪い。
【0003】
また、短期間で大量のコンクリート製品を製造しようとすると、型を大量に準備しなければならず、型の購入費や管理費、さらには養生期間中の型の保管場所を確保しなければならないなど、設備投資を強いられる。しかも、湿式工法では、完全に硬化した状態で成型品を脱型する必要がある。このような脱型作業には人手が必要であるから、人件費の分だけコスト高になる。
【0004】
そこで、現在、比較的単純な形状であるセメントコンクリート板などは、特許文献1乃至4に示されているような乾式工法で製造されることが多い。例えば、特許文献1は、繊維強化セメント板の製造方法における抄造法の一種について、吸引脱水装置を備えたフェルトベルト上にセメントスラリーを層状に供給し、吸引脱水して製板する一層フローオン成形法を開示している。
【0005】
特許文献2は、所定形状の成型空間が形成されるように相互に嵌合された下型と上型とを有しており、成型空間内に注入されたセメントスラリーを加圧して、下型に設けられた脱水孔を通してセメントスラリーを脱水する型を開示している。
【0006】
特許文献3は、メス形金型内のセメントスラリーにオス形金型を介して圧力を印加し、セメントスラリーを成型する方法を開示している。
【0007】
特許文献4は、内側面の少なくとも一面に余剰水脱水のためのフィルタを有する型内に供給したガラス繊維入りのセメントスラリーに対して型締めしたのち、セメントスラリーを加圧することにより、このセメントスラリー中の余剰水をフィルタを通して脱水し、セメントスラリーが所定形状を自己保持できる状態になった後、脱型し硬化養生することによってガラス繊維強化セメント製品を製造する方法を開示している。
【0008】
特許文献1乃至4に記載された発明では、セメントスラリーに圧力を印加して強制的に脱水させることにより、生乾きの状態の成型中間品を製造し、この成型中間品を乾燥炉などで乾燥させて成型完成品を製造するものである。乾式工法では、成型中間品まで製造した段階で即時に脱型することができるから、型の稼働率が向上するとともに、型に係る設備投資、脱型作業に要する人件費などを低減しうる点で、湿式工法よりも優れている。
【0009】
しかし、特許文献1乃至4に示されているような乾式工法では、製品各部で肉厚が異なる筒状、又は、リング状の立体物を作ることができない。特に、特許文献1乃至4に記載された脱水方式は、いずれも水圧や空気圧を利用した吸引脱水方式である。この吸引脱水方式では、吸引力に限界があることから成型完成品の肉厚が厚くなればなるほど、充分な脱水が困難になる。しかも、吸引脱水形式では、システム上、セメントスラリーに対して短時間で高圧力を加えることが困難であり、成型効率が悪い。
【0010】
これに対し、成型空間内のセメントスラリーに対し、押し型を用いて加圧して余剰水分を脱水させる成型方式を採ればよいとも考えられるが、その場合、加圧が集中しやすい部分から脱水が始まり、セメントスラリーの硬化タイミングに時間差が生じてしまうという特有の問題が生じる。具体的に、成型空間内のセメントスラリーは、押し型からの押し圧力を直接受ける被加圧部分と、印加された圧力、及び、材料自重が掛かる型の底面部分とが、両者の中間部分に先駆けて硬化してしまう傾向にある。その結果、中間部分のセメントスラリーが、被加圧部分と、底面部分とによって封栓された状態となり、充分な脱水ができなくなる。
【0011】
特に、この種の型の排水孔は、型の底面部分に配置されているから、底面部分のセメントスラリーが他の部分に先駆けて硬化してしまうと、排水孔がふさがれ、脱水が不可能になる。
【特許文献1】特開平11−077650号公報
【特許文献2】特開平08−072043号公報
【特許文献3】特開平02−208007号公報
【特許文献4】特開昭55−071508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、セメント含有スラリーの脱水成型を確実に、且、円滑に行うことができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することである。
【0013】
本発明のもう1つの課題は、成型効率を向上することができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらにもう1つの課題は、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するため、本発明に係るセメント含有スラリー成型用型は、基体部と、通水部材と、成型空間と、排水路とを含む。基体部は、内部空間と、内部空間を画定する側壁面とを有している。通水部材は、薄板状であって、その一面と、側壁面との間に隙間が生じる関係で、側壁面と面対向している。成型空間は、通水部材の他面によって画定されている。排水路は、通水部材の一面と、側壁面との間の隙間であって、面対向部分の全長に渡って伸びている。
【0016】
本発明に係る成型装置は、上述した成型用型と、押し型との組み合わせによって構成され、押し型は、前記成型空間に出し入れ可能に組み合わされる。
【0017】
上述したように、本願発明に係る成型装置を構成する成型用型において、基体部は、内部空間を画定する側壁面を有しており、通水部材は一面が側壁面と面対向し、他面が成型空間を画定している。ここで、通水部材は、薄板状であるから、成型空間に基体部の内部空間、及び、内部空間を画定する側壁面の構造を反映させることができるから、内部空間、及び、側壁面の構造次第で、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができる。
【0018】
また、成型空間は、通水部材の他面によって画定されているから、成型空間に注入されたセメント含有スラリーに対して押し型によって押し圧力を加えた場合、セメント含有スラリーを通じて伝わる押し圧力や、セメント含有スラリーの移動によって生じる磨耗から、基体部の側壁面を保護することができる。従って、型の維持管理が容易になり、成型効率を向上することができる。
【0019】
本願発明に係る成型装置を構成する成型用型の特徴の一つは、排水路を有する点にある。排水路は、通水部材の一面と、基体部の側壁面との面対向部分に生じる隙間である。この構造によると、成型空間に注入されたセメント含有スラリーを押し型により圧縮した場合、圧縮されたセメント含有スラリーが通水部材に押し付けられ、セメント含有スラリーに含まれる水分のみが通水部材の他面から一面に通過し、排水路に排出される。従って、セメント含有スラリーの脱水成型を確実に行うことができる。
【0020】
しかも、排水路は、面対向部分に沿って伸びているから、セメント含有スラリーが押し付けられる通水部材の全面に渡って、上述した脱水が行われる。従って、セメント含有スラリーの脱水成型を円滑に行うことができる。
【0021】
また、排水路は、面対向部分に沿って伸びており、セメント含有スラリーが押し付けられる通水部材の全面に渡って脱水可能である構造によると、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができる。
【0022】
様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができるとの利点について、本発明に係る成型装置は、筒状、又は、リング状の立体物を成型するための具体的な構成として、さらに中子を含むことができる。中子は、中子基体部を含み、成型用型の内部に配置されている。中子基体部は、外側壁面を有し、成型用型の内部に配置された状態で、外側壁面が通水部材の他面に間隙を隔てて向かい合っている。成型空間は、外側壁面と、通水部材の他面とによって間隙に画定されている、この構造によると、通水部材の他面と、中子基体部の外側壁面とが向かい合う部分の間隙に、筒状、又は、リング状の成型空間が形成される。押し型は、この成型空間に出し入れ可能に組み合わされるから、筒状、又は、リング状のセメントコンクリート製品を製造することができる。
【0023】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【発明の効果】
【0024】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0025】
(1)セメント含有スラリーの脱水成型を確実に、且、円滑に行うことができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することができる。
(2)成型効率を向上することができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することができる。
(3)様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができるセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明の一実施形態に係るセメント含有スラリー成型用型の斜視図、図2は図1の2−2線に沿った断面図、図3は図2の一部を拡大して示す正面断面面、図4は図1の成型用型について一部を破断し、拡大して示す平面図である。図1乃至図4の成型用型は、基体部10と、通水部材13と、成型空間14と、排水路15とを含む。
【0027】
基体部10は、内部空間100と、内部空間100を画定する内側壁面11とを有している。図1乃至図4の基体部10は、平面視四角形の角筒形状であって、内側壁面11と、外側壁面12とを有している。内部空間100は、基体部10を軸方向aに貫通している。もっとも、この種の成型用型において、内部空間100、及び、内側壁面11の形状は、成型完成品の形状を基に設定されるものであるから、角筒形状を円筒形状とし、又は、貫通構造を有底構造とするなどの変形態様を採り得る。
【0028】
内側壁面11は、複数の凸部111と、複数の凹部112とを有し、凸部111と、凹部112とが、内周に沿って交互に繰り返される凹凸面構造を有している。
【0029】
凹部112のそれぞれは、溝状であって、軸方向aに沿って伸びている。凹部112は、内側壁面11の面上に開口し、内側壁面11から肉厚方向Dに後退している。図4を参照すると、凹部112は、断面V字形状になっているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、凹部112は、断面円弧形状であってもよいし、断面四角形形状などであってもよい。
【0030】
複数の凹部112は、内側壁面11に沿って等配されており、隣接する凹部112の間に、凸部111が形成されている。図1乃至図4の凸部111は、内側壁面11において、凹部112の設けられていない部分である。この構造によると、内側壁面11には、凹部112が内側壁面11から肉厚方向Dに後退していることにより、凸部111の凸面と、凹部112の内面との間で、凹部112の深さに応じた高低差、又は、前後差が形成される。
【0031】
通水部材13は、薄板状であって、好ましくは耐腐食性、防錆性、耐圧性、耐衝撃性に優れた金属材料を用いて構成され、面内に直径1mm程度の貫通孔130が複数設けられている。通水部材13には、例えば、ステンレス鋼製パンチングプレートを用いることができる。
【0032】
通水部材13は、その一面と、内側壁面11との間に隙間g1が生じる関係で、内側壁面11と面対向している。通水部材13と、内側壁面11との面対向部分には、凹部112の内部に、凸部111と凹部112との高低差に応じた隙間g1が生じている。図1乃至図4の通水部材13は、内側壁面11の全面を覆うように配置され、好ましくは内側壁面11にネジ止めされている。
【0033】
成型空間14は、通水部材13の配置領域に応じて形成される内部空間100の一部であって、通水部材13の他面によって画定されている。成型空間14の内寸法D14は、基体部10の内寸法D10よりも、通水部材13の厚みの分だけ縮小されている。成型空間14は、通水部材13の厚みが薄くなればなるほど、内部空間100、及び、内側壁面11の構造がそのまま反映されることとなる。
【0034】
排水路15は、隙間g1であって、通水部材13と、内側壁面11との面対向部分の全長に渡って伸びている。排水路15は、それぞれの凹部112が有する隙間g1に応じた排水機能を有するとともに、全ての凹部112の隙間g1を一体的に考慮して得られる排水機能を有している。前者の観点からは、凹部112が深くなり、隙間g1が大きくなるに従って排水性が向上する。
【0035】
他方、後者の観点からは、凹部112の数が増えるに従って排水性が向上する。さらに、隣接する凹部112を、横溝で通水可能に結合することによりした場合、凹部112を流れる水の流動性が増すから、凹部112の深さを維持したままで排水機能を向上させることができる。
【0036】
図1乃至図4の成型用型は、さらにフィルタ16を有している。フィルタ16は、多孔質構造を有するシート、例えば不織布であって、通水性を有している。フィルタ16は、後述するセメント含有スラリーの成型工程において、通水部材13の貫通孔130を通過する程の微細な固形分を捕捉することにより、排水路15に目詰まりが生じる不具合を防止する。フィルタ16は、通水部材13と、内側壁面11との面対向部分に配置され、通水部材13によって、内側壁面11に押さえつけられている。
【0037】
図5は本発明の一実施形態に係る成型装置の正面断面図である。また、図6は図5の成型装置の一部を抜き出して示す正面断面図、図7は図6の一部を拡大して示す正面断面図、図8は図6の成型用型について一部を拡大して示す平面断面図である。図5乃至図8において、図1乃至図4に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0038】
図5の成型装置は、成型用型1と、中子2と、押し型3と含む。成型用型1は、図1乃至図4を参照して説明したものでなり、中子2に対する関係では主型として用いられ、押し型3に対する関係では受け型として用いられる。以下、中子2、及び、押し型3を中心に説明する。
【0039】
中子2は、成型用型1の内部(図1乃至図4の成型空間14)に筒状の加圧成型空間140を形成し、成型用型1と協働して押し型3のための受け型を構成する。図6乃至図8の中子2は、中子基体部20を含む。中子基体部20は、有蓋の角筒形状であって、内側壁面21と、外側壁面22とを有し、さらに内側壁面21によって画定される内部空間200を有している。
【0040】
中子基体部20は、内寸法D14より小さい外寸法D20を有している。中子基体部20の外形形状は、成型空間(14)を画定する通水部材13の他面と相似形となっており、外側壁面22は、通水部材13の他面に沿った形状となっている。もっとも、中子基体部20の外形状は、成型完成品の内部構造を基に設定されるものであるから、必ずしも外側壁面22が通水部材13の他面に沿った形状でなくともよい。
【0041】
中子2は、成型用型1の内部に配置され、成型用型1の内部に配置された状態で、外側壁面22が通水部材13の他面に間隙g2を隔てて向かい合っている。間隙g2は、内寸法D14と、外寸法D20との寸法差である。この構造によると、図1乃至図4を参照して説明した成型空間(14)から中子2の体積分の空間が排除され、成型空間が外側壁面22と、通水部材13の他面とによって間隙g2に画定されることにより、成型用型1の内部に筒状、又は、リング状の加圧成型空間140が形成される。
【0042】
再び図5乃至図8を参照して説明する。押し型3は、押し型基体部30を含む。押し型基体部30は、有蓋の角筒形状であって、内側壁面31と、外側壁面32とを有し、さらに内側壁面31によって画定される内部空間300を有している。内部空間300は、蓋を構成している一面と軸方向aで向かい合う他面に開口している。
【0043】
押し型基体部30は、内寸法D14と同程度の外寸法D30を有し、外側壁面32は、好ましくは通水部材13の他面に沿った形状を有する。さらに、押し型基体部30は、中子2の外寸法D20と同程度の外寸法D32を有し、内部空間300を画定する内側壁面31は、好ましくは、外側側面22に沿った形状を有する。
【0044】
押し型3は、内側壁面31と外側壁面32との間の肉厚が間隙g2と一致し、開口部分を通じて内部空間300に中子2が収納されることにより、押し型基体部30の先端面が間隙g2に出し入れ自在に組み合わされる。その結果、押し型基体部30の先端面は、押し圧面35として機能する。
【0045】
図5の成型装置において、成型用型1、中子2、及び、押し型3は、一点鎖線で示す作業台62上に載置されており、作業台62上に固定された状態で、間隙g2に対応する底面部分が環状パッキン63により止水されている。
【0046】
図5乃至図8を参照して説明した成型装置によると、成型用型1と、中子2との組み合わせにより、加圧成型空間140を画定する間隙g2が形成されるから、筒状、又は、リング状のセメントコンクリート製品を高精度で製造することができる。
【0047】
図5乃至図8の成型装置の利点について、さらに図9乃至図11を参照して説明する。図9は図5の成型装置を用いたセメント含有スラリーの成型方法の一工程を示す正面断面図、図10は図9に示した工程のあとの工程について、一部を拡大して示す正面断面図である。また、図11は図9及び図10を参照して示した成型方法により得られた完成品の斜視図である。図9乃至図11において、図1乃至図8に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0048】
図9及び図10に示したセメント含有スラリーの成型方法について、まず、図示しない材料供給装置において、予めセメント含有スラリー50を製造する。セメント含有スラリー50は、繊維強化セメント(FRC=Fiber Reinforced Cement)であって、水分が70〜90重量%、固形分が10〜30重量%で構成されることが好ましく、より好ましくは水が80重量%、固形分が20重量%で構成される。
【0049】
固形分は、セメントを主成分とし、さらに繊維成分を含む。繊維成分は、有機繊維であっても、無機繊維であってもよい。固形分の配合例として、セメントが94重量%、ビニロン繊維が1重量%、古紙や駅売りの新聞紙をパルパー(石臼)で磨り潰して得られたセルローズが4重量%、バージンパルプを用いたセルローズが1重量%で構成される。この構成によると成型後のセメントコンクリート製品の比重は、1.4〜1.7程度となり、軽量化が達成される。
【0050】
上述したスラリー50を用いた成型方法について、図9に示す工程では、成型用型1及び中子2と、押し型3とを分離した状態で現れる成型用型1の開口部分から、加圧成型空間140に所定の量のスラリー50を注入する。注入作業終了後、押し型3を軸方向aに沿って成型用型1に下降させ、押し圧面35を加圧成型空間140に案内することにより成型用型1及び中子2と、押し型3とを組み合わせる。
【0051】
図10に示す工程は、図9に示した工程のあとの工程であって、押し型3の下降に伴い、押し圧面35が加圧成型空間140を軸方向aに沿って下降し、所定の位置で下降が停止する。スラリー50は、押し圧面35の下降動作中に押し圧力Fが印加されることにより体積が圧縮され、通水部材13の他面、及び、外側壁面22に押し付けられて、スラリー50の水分が、貫通孔130を通じて排水路15に排出される。より詳細に説明すると、通水部材13に押し付けられたスラリー50は、貫通孔130を形成する周囲の面によって固形分の流出が阻害され、水分のみが貫通孔130の内部を通過し、さらに水分もフィルタ16によって濾過された上で排水路15に排出される。
【0052】
ここで、加圧成型空間140において、スラリー50が押し圧面35から直接押し圧力Fを受ける部分S1と、印加された圧力F、及び、材料の自重がかかる底面部分S2、さらにS1、S2に挟まれた中間部分S3に対応する全面には、通水部材13、及び、排水路15が設けられている。従って、加圧成型空間140内のスラリー50は、仮にS1、S2部分がS3部分に先駆けて硬化したとしも、中間部分S3で独立して脱水可能な状態に保たれている。排水路15に排出された水分は、スラリー50と、通水部材13との接触位置に応じて、矢印outで示す方向に流下され、図示しない浄水設備で中和され再利用される。
【0053】
図10に示す工程により、スラリー50の脱水成型が終了し、形状に変形が生じない程度に生乾きとなった状態(成型中間品51)となった段階で、成型中間品51を成型装置から脱型し、さらに成型中間品51を乾式乾燥炉に搬送して80℃の熱風で2時間ほど乾燥させる。この熱風乾燥により、成型中間品51に残存する水分も完全に乾燥され、図11に示した成型完成品52が得られる。
【0054】
図11の成型完成品52は、図9及び図10の成型方法によるものであるから、大量の繊維成分を含んでいる。その結果、物理的な衝撃に対する耐久性に優れ、高い曲げ強度を有しており、アスベストを全く含まない製品として、アスベスト製品の代替品として用いることができる。
【0055】
また、図11の成型完成品52は、物理的な衝撃に対する耐久性に優れ、高い曲げ強度を有しているから、自在に切断加工することができるとともに、地震によって脱落や破断事故が生じる不具合を回避することができる。
【0056】
図1乃至図11を参照して説明したように、本発明の一実施形態に係るセメント含有スラリー成型用型、これを用いた成型装置、及び、成型方法によると、以下の効果を得ることができる。
【0057】
成型用型1の基体部10は、内部空間100を画定する内側壁面11を有している。通水部材13は一面が内側壁面11と面対向し、他面が成型空間14を画定している。ここで、通水部材13は、薄板状であるから、成型空間14に内部空間100を画定する内側壁面11の構造を反映させることができる。従って、内部空間100、及び、内側壁面11の構造を適宜設定することにより、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができる。
【0058】
成型空間14は、通水部材13の他面によって画定されているから、脱水成型時にスラリー50を通じて伝達される押し圧力Fや、スラリー50の移動によって生じる磨耗から、内側壁面11、排水路15、及び、フィルタ16を保護することができる。従って、型の維持管理が容易になり、成型効率を向上することができる。もちろん通水部材13による保護機能は、通水部材13を耐圧性に優れた金属材料で構成することにより、向上することができる
本願発明に係る成型用型1の特徴の一つは、排水路15を有する点にある。排水路15は、通水部材13の一面と、基体部10の内側壁面11との面対向部分に生じる隙間g1である。この構造によると、加圧成型空間140に注入されたスラリー50を押し型3により圧縮した場合、圧縮されたスラリー50が通水部材13に押し付けられ、スラリー50に含まれる水分のみが通水部材13の他面から一面に通過し、排水路15に排出される。従って、スラリー50の脱水成型を確実に行うことができる。
【0059】
通水部材13は、面内に複数の貫通孔130を有しており、脱水成型時にスラリー50に含まれる固形分、例えばセメント成分や繊維成分は、貫通孔130を形成する周囲の面によって固形分の流出が阻害され、水分のみが貫通孔130の内部を通過する。従って、それら固形分により排水路15に目詰まりが生じる不具合を回避することができる。
【0060】
しかも、図1乃至図10に示した成型用型1は、通水部材13と、内側壁面11との面対向部分にフィルタ16を有し、貫通孔130を通過する程の微細な固形分に対してもフィルタ16で捕捉可能であるから、排水路15の目詰まりを完全に防止することができる。
【0061】
排水路15は、面対向部分に沿って伸びているから、スラリー50が押し付けられる通水部材13の全面に渡って、上述した固形分と水分の分離が行われる。従って、スラリー50の脱水成型を円滑に行うことができる。
【0062】
排水路15は、面対向部分に沿って伸びている。スラリー50が押し付けられる通水部材13の全面に渡って脱水可能である構造によると、様々な形状のセメントコンクリート製品を製造することができる。
【0063】
ところで、内側壁面11の凹凸形状は、通水部材13の一面と、基体部10の内側壁面11との面対向部分に隙間g1を生じさせるための構造であるから、隙間g1を確保可能な範囲で様々なバリエーションを採ることができる。例えば、排水の流動性を考慮して、凹部112を網目状に構成することもできる。
【0064】
また、内側壁面11を基準面として凸部111を形成することにより、内側壁面11と、凸部111との間の高低差を利用して隙間g1を生じさせることができる。
【0065】
さらに、通水部材13の一面に凸部を設け、通水部材13の凸部を、内側壁面11に接触する関係で組み合わせることにより、通水部材13の一面と、内側壁面11との面対向部分に、通水部材13の凸部の高さに応じた隙間g1を形成することもできる。
【0066】
加えて、部品点数の増加の問題、及び、固定強度の問題を考慮しなければ、通水部材13の一面と、内側壁面11との面対向部分に、凸部に対応するスペーサを配置してもよいこととなる。
【0067】
本発明に係る成型装置は、筒状、又は、リング状物を成型するための具体的構成として、さらに中子2を含むことができる。成型用型1は、中子2に対する関係では主型となり、押し型3に対する関係では受け型となる。中子2は、成型用型1の内部に、外側壁面22と、通水部材13の他面とによって画定された筒状、又は、リング状の加圧成型空間140を形成する。この構造によっても、加圧成型空間140は、通水部材13の他面によって画定されているから、上述した通水部材13による脱水効果を得ることができる。
【0068】
図9乃至図11を参照して説明した成型方法で用いられるスラリー50は、繊維成分を大量に含み、物理的な衝撃や曲げ強度に強く、生乾き状態の成型中間品51を直ちに脱型し、別途乾燥させることができる。その結果、従来の湿式工法とは異なり、3分に一個程度の成型スピードで次々に大量生産することが可能となり、成型効率、及び、量産性が向上する。
【0069】
また、成型中間品51を直ちに脱型し、別途乾燥させることにより、スラリー50を成型用型1ごと養生させる必要がなくなるから、成型用型1の稼働率が向上するとともに、成型用型1の管理費を低減することができる。
【0070】
しかも、脱型後の成型中間品51の脱型及び乾燥工程は、製造ライン上で自動に行うことが可能であり、具体的に、最少で作業員が1人いればライン製造することができるから、人件費を低減することができる。
【0071】
本発明の一実施形態に係る成型装置、及び、成型方法では、押し型3でスラリー50を加圧することにより脱水しているから、スラリー50に対して瞬間的に高圧力を加えることができる。
【0072】
従来、押し型3を用いた脱水成型装置では、押し圧力Fが集中しやすい部分で脱水が始まり、スラリー50の硬化タイミングに時間差が生じる傾向にある。その結果、成型空間14内のスラリー50のS1、S2部分が、S3部分に先駆けて硬化した場合、S3部分のスラリー50が封栓された状態となり、脱水不能になる。
【0073】
これに対し、本実施形態の成型用型1を構成する内側壁面11は、成型空間14内のスラリー50のS1〜S3部分に対応する全面に、通水部材13、及び、排水路15が設けられている。従って、スラリー50全体を同時に脱水することができる。さらに、仮にS1、S2部分がS3部分に先駆けて硬化しても、中間部分S3で個別に脱水処理を完遂することができる。
【0074】
図1乃至図4を参照して説明した成型用型1、及び、図5乃至図8を参照して説明した成型装置、さらに図9乃至図11を参照して説明した成型方法によると、従来の抄造法とは異なり、水処理施設が簡単になるから、設備コストを低減することができる。
【0075】
図12は本発明のさらにもう一つ実施形態に係る成型装置について、一部を破断して示す正面図である。図12において、図1乃至図11に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0076】
本発明の一実施形態に係る成型装置は、成型用型1と、中子2と、押し型3とを有している。成型用型1と、中子2とは、互いに組み合わされた状態で、作業台62上に載置されており、間隙g2の底面部分が環状パッキン63により止水されている。
【0077】
成型用型1は、第1の上下アーム65に固定されており、第1の上下アーム65は、ガイドレール67、68に従って上下動する。成型用型1の上部には、注入されるスラリー50が周囲に飛び散らないように、漏斗状部材17が着脱自在に取り付けられている。
【0078】
他方、中子2は、上下台69に載置されており、上下台69は、図示しない昇降装置の駆動に従って、作業台62の貫通孔64を通じて上下動される。中子2の上部には、注入されるスラリー50を円滑に間隙g2内へ案内するため、尖状部材27が着脱自在に取り付けられている。
【0079】
さらに、押し型3は、第2の上下アーム66に固定されており、第2の上下アーム66は、ガイドレール67、68に沿って上下動する。
【0080】
図12の成型装置は、バケット61を有し、バケット61は、図示しない材料供給装置と、作業台62の間で矢印M1で示す方向に反復移動することにより、材料供給装置から予め所定の量だけ供給されたスラリー50を加圧成型空間140に注入する。
【0081】
図12に示す状態では、バケット61によってスラリー50が、加圧成型空間140に投入されている。スラリー50を投入後、バケット61は矢印M1で示す方向に退避し、退避行動完了後に第1、第2の上下アーム65、66をガイドレール67、68に沿って矢印M2で示す方向に下降させ、押し圧面35を加圧成型空間140に案内する。図12の成型装置を用いた成型方法について、さらに図13乃至図17を参照して説明する。図13乃至図17において、図1乃至図12に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0082】
図13に示す工程は、図12に示した工程のあとの工程であって、押し圧面35がスラリー50の液面に接触する位置P1まで下降する。この状態で、押し圧面35が、加圧成型空間140に嵌合し、加圧成型空間140が押し圧面35によって塞がれる。この状態から、さらに押し型3を矢印M3で示す方向に下降させる。
【0083】
図14に示す工程は、図13に示した工程のあとの工程であって、押し型3は、所定の押し込み位置P2まで押し込むことにより、スラリー50には、軸方向aに押し圧力Fが加えられ、スラリー50に含まれる水分が、貫通孔130を通じて排水路15に排出される。図15を参照すると、スラリー50は、押し圧面35から押し圧力Fが印加されることにより体積が圧縮され、外側壁面22、及び、通水部材13に押し付けられる。ここで通水部材13に接触するスラリー50は、貫通孔130を形成する周囲の面によって固形分の流出が阻害され、水分のみが貫通孔130の内部を通過し、さらにフィルタ16によって濾過されて排水路15に排出される。
【0084】
加圧成型空間140は、スラリー50が押し圧面35から直接押し圧力Fを受ける部分S1と、印加された圧力F、及び、材料の自重がかかる型の底面部分S2、さらにS1、S2に挟まれた中間部分S3に対応する全面に、通水部材13、及び、排水路15が設けられており、仮にS1、S2部分のスラリー50がS3部分に先駆けて硬化しても、中間部分S3のスラリー50を個別に脱水処理を完遂することができる。
【0085】
排水路15に排出された水分は、スラリー50と、通水部材13との接触位置に応じて、矢印outで示す方向に流下され、図示しない浄水設備で中和され再利用される。
【0086】
図16に示す工程は、図14及び図15に示した工程のあとの工程であって、脱水成型処理を終了し、形状に変形が生じない程度に生乾きとなった状態の成型中間品51を製造した段階で、上下台69を矢印M5で示す方向に下降させて成型中間品51から中子2を抜き出すとともに、押し型3、及び、成型用型1を協働させて矢印M4に示す方向に上昇させる。成型中間品51は生乾き状態であるから、内側壁面11に付着した状態で作業台62から持ち上げられる。押し型3、及び、成型用型1が所定の高さ位置まで上昇したところで移動式ベルトコンベア7を作業台62上に案内する。
【0087】
図17に示す工程は、図16に示した工程のあとの工程であって、移動式ベルトコンベア7上に押し型3、及び、成型用型1を配置した後、さらに成型用型1だけを矢印M6で示す方向に上昇させることにより、成型用型1と、押し型3とが相対的に逆方向に移動し、且つ、内側壁面11に付着していた成型中間品51が押し圧面35によって移動が規制され、ところてん式にベルトコンベア7上に取り残される。
【0088】
図17に示した工程の後、成型中間品51はベルトコンベア7上を図示しない乾式乾燥炉に向かって搬送され、乾式乾燥炉において80℃の熱風で2時間ほど乾燥されることにより、完全に乾燥され、成型完成品となる。
【0089】
図12乃至図17を参照して説明した成型装置、及び、成型方法によっても、図1乃至図11を参照して説明した利点を全て有することができる。
【0090】
図18は、本発明のもう一つの実施形態に係るセメント含有スラリー成型用型の正面断面図である。図18において、図1乃至図17に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。図18の成型装置は、成型効率を向上させる観点から、中子2の外側側面22にも、通水部材23、及び、排水路25を設けた点に特徴がある。通水部材23、及び、排水路25は、通水部材13、及び、排水路15と同じ基本的構成を有する。
【0091】
図18を参照して説明した実施形態によっても、図1乃至図17を参照して説明した利点を全て有することは明白である。さらに、図18では、成型用型1と、中子2のそれぞれに、排水路15、25が設けられているから、脱水処理スピードが2倍になる。
【0092】
もっとも、図1乃至図17の成型装置において、成型用型1の側にのみ通水部材13が設けられているのは、成型完成品の用途を想定しているからである。例えば、図11に示した成型完成品の用途が地中に埋設される排水管やマンホールである場合、通常、この種の製品は内面の平滑性が問われるため、成型用型1の側にのみ通水部材13を設ける。これにより、通水部材13による圧着跡は、成型完成品の外面に付着し、成型完成品の内面を平坦することができる。成型完成品の外面を平坦にしたい場合には、中子2の外側壁面22の側に排水溝(22)に設ければよい。
【0093】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係るセメント含有スラリー成型用型の斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す正面断面面である。
【図4】図1の成型用型について一部を破断し、拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る成型装置の正面断面図である。
【図6】図5の成型装置の一部を抜き出して示す正面断面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図8】図6の成型用型について一部を破断し、拡大して示す平面図である。
【図9】図5の成型装置を用いたセメント含有スラリーの成型方法の一工程を示す正面断面図である。
【図10】図9に示した工程のあとの工程について、一部を拡大して示す正面断面図である。
【図11】図9及び図10を参照して示した成型方法により得られた完成品の斜視図である。
【図12】本発明のさらにもう一つ実施形態に係る成型装置について、一部を破断して示す正面図である。
【図13】図12に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図14】図13に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図15】図14に示した工程の一部を拡大して示す断面図である。
【図16】図14及び図15に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図17】図16に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図18】本発明のもう一つの実施形態に係るセメント含有スラリー成型用型の正面断面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 成型用型
10 基体部
11 内側面
111 凸部
112 凹部
100 内部空間
13 通水部材
14 成型空間
15 排水路
2 中子
20 中子基体部
22 外側面
23 通水部材
25 排水路
3 押し型
50 セメント含有スラリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体部と、通水部材と、成型空間と、排水路とを含むセメント含有スラリー成型用型であって、
前記基体部は、内部空間と、前記内部空間を画定する側壁面とを有しており、
前記通水部材は、薄板状であって、一面と、前記側壁面との間に隙間が生じる関係で、前記側壁面と面対向しており、
前記成型空間は、前記通水部材の他面によって画定されており、
前記排水路は、前記隙間であって、前記面対向部分の全長に渡って伸びている、
成型用型。
【請求項2】
請求項1に記載されたセメント含有スラリー成型用型であって、前記側壁面は、凸部と、凹部とを有しており、
前記凸部は、凸面を有し、前記凸面で前記通水部材を支持しており、
前記隙間は、前記凸部と前記凹部との高低差によって生じている、
成型用型。
【請求項3】
セメント含有スラリー成型用型と、押し型とを含む成型装置であって、
前記基体部は、内部空間と、前記内部空間を画定する側壁面とを有しており、
前記通水部材は、薄板状であって、一面と、前記側壁面との間に隙間が生じる関係で、前記側壁面と面対向しており、
前記成型空間は、前記通水部材の他面によって画定されており、
前記排水路は、前記隙間であって、前記面対向部分の全長に渡って伸びており、
前記押し型は、前記成型空間に出し入れ可能に組み合わされる
成型装置。
【請求項4】
請求項3に記載された成型装置であって、さらに中子を含み、
前記中子は、中子基体部を含み、前記成型用型の内部に配置されており、
前記中子基体部は、外側壁面を有し、前記成型用型の内部に配置された状態で、前記外側壁面が前記通水部材の他面に間隙を隔てて向かい合っており、
前記成型空間は、前記外側壁面と、前記通水部材の他面とによって前記間隙に画定されている、
成型装置。
【請求項5】
成型装置を用いたセメント含有スラリーの成型方法であって、
前記成型装置は、請求項3又は4に記載されたものでなり、
前記成型空間にセメント含有スラリーを注入し、
前記セメント含有スラリーに対し、前記押し型によって押し圧力を加える、
工程を含む成型方法。
【請求項6】
請求項5に記載された成型方法であって、
前記セメント含有スラリーは、水分が70〜90重量%、固形分が10〜30重量%で構成されており、
前記固形分は、セメントを主成分とし、さらに繊維成分を含む、
成型方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−292126(P2009−292126A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150739(P2008−150739)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(591084654)エバタ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】