説明

セメント状組成物のワーカビリティ保持のためのダイナミックコポリマー

水硬性セメント、骨材、水、およびスランプ保持性混和材を混合することを含む、高い初期強度のセメント状組成物の製造方法であって、該スランプ保持性混和材が少なくとも1つの以下のモノマー:
A) エチレン性不飽和ジカルボン酸、
B) 約1〜25単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有する、エチレン性不飽和アルケニルエーテル、
C) 26〜約300単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有するエチレン性不飽和アルケニルエーテル、および
D) セメント状組成物中で加水分解性の成分を含むエチレン性不飽和モノマー
の残基を含有するダイナミックコポリマーであり、該モノマー残基は加水分解されたときにセメント状組成物の成分に対して活性な結合部位を含む、製造方法。本方法は、プレキャスト、レディミックス、および/または高充填セメント状組成物の製造において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細書:
セメント状組成物のための通常の分散剤は、典型的には良好な減水を達成するが、しかしながら、それらは長期間にわたってワーカビリティを保持する能力において制限される。ワーカビリティ保持性を延ばすための代替的な方法は、遅延剤の使用である。この筋書きにおいて、ワーカビリティ保持の利点は、しばしば、硬化時間および初期強度を犠牲にして達成される。この分散剤の有用性は従って、分子構造におけるその固有の制限によって制限される。
【0002】
通常の分散剤は、それらの化学構造において、セメント状系の中で経時的に変化がない。それらの性能は、ポリマー分子内で固定されるモノマーのモル比によって調節される。減水効果または分散効果は、セメント表面上への分散剤の吸着において観察される。削摩および水和物の形成(それはより多くの表面積を創出する)のために、分散剤の需要が経時的に増加するので、それらの通常の分散剤は応えることができず、且つワーカビリティが損失する。本ダイナミックポリマーは、初めは、初期のワーカビリティ目標を達成するために必要な吸着量に対して本質的に"過量な"、より低い結合親和性の分子である。この過剰なポリマーは溶液中に残留し、将来的に使用されるために溶液中でポリマーの貯蔵庫としてはたらく。経時的に、分散剤の需要が増加するので、それらの分子は、ポリマー主鎖に沿って塩基促進される鹸化反応を受け、それがさらなる活性結合部位を生成し、且つ、ポリマーの結合親和性を増加させる。
【0003】
本ダイナミックポリマーの分散剤としてのセメント状組成物中での使用は、スタティックポリマーを用いて従来達成されているものを超えて延長されたワーカビリティ保持を提供する。典型的には、延長されるワーカビリティの課題は、ワーカビリティを復元する打設点でのコンクリートへの練返し(さらに水を添加すること)、またはさらに高い範囲の減水剤の添加のいずれかによって解決される。水の添加はより低い強度のコンクリートをもたらし、従って、セメントの文脈で言うところの"割り増し設計された"配合物の必要性が生じる。本ダイナミックポリマーの使用は、練り返しの必要性を軽減し、且つ、製造者が配合設計においてセメント含有率(従ってコスト)を低減することを可能にする。高い範囲の減水剤の現場添加は、トラックに搭載されたディスペンサーを必要とし、それは費用がかかり、維持が困難であり、且つ調節が困難である。ダイナミックポリマーの使用は、より長期にわたるコンクリートのワーカビリティのより良好な調節、さらなる均質性、およびコンクリート製造者にとって、よりきっちりした品質の調節を可能にする。
【0004】
提供されるのは、高い初期強度および延長されたワーカビリティを達成できるポリマー組成物を含む混和材を使用して、スランプ保持性、およびさらに高い初期強度のセメント状組成物の製造を達成するための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本方法において本ダイナミックポリマーと通常のポリカルボキシレート分散剤との使用を比較した、コンクリートのスランプ対時間のグラフ表示である。
【図2】図2は、本方法において本ダイナミックポリマーと通常のポリカルボキシレート分散剤との使用を比較した、コンクリートのスランプ対時間のグラフ表示である。
【図3】図3は、本方法において本ダイナミックポリマーと通常のポリカルボキシレート分散剤との使用を比較した、コンクリートのスランプ対時間のグラフ表示である。
【図4】図4は、本方法において本ダイナミックポリマーと通常のポリカルボキシレート分散剤との使用を比較した、コンクリートのスランプ対時間のグラフ表示である。
【図5】図5は、本方法において本ダイナミックポリマーと通常のポリカルボキシレート分散剤との使用を比較した、コンクリートのスランプフロー対時間のグラフ表示である。
【0006】
詳細な説明
スランプ保持性、および高い初期強度のスランプ保持性セメント状組成物の製造のための当該の方法は、水硬性セメント、骨材、水、およびスランプ保持性混和材を混合することを含み、該スランプ保持性混和材は、少なくとも1つの以下のモノマー:
A) 不飽和ジカルボン酸、
B) 約1〜25単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有する、少なくとも1つのエチレン性不飽和アルケニルエーテル、
C) 26〜約300単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有する、少なくとも1つのエチレン性不飽和アルケニルエーテル、および
D) セメント状組成物中で加水分解性の成分を含むエチレン性不飽和モノマー
の残基を含むダイナミックポリカルボキシレートコポリマーを含み、該エチレン性不飽和モノマー残基は加水分解されたときにセメント状組成物の成分に対して活性な結合部位を含む。
【0007】
ここで使用される際、用語"(メタ)アクリル"および"(メタ)アクリレート"は、アクリルおよびメタクリル酸およびそれらの誘導体の両方を含むことを意味する。便宜上、任意の成分のモノマーについての言及は、ここで、コポリマー中のそれらの残留単位についての言及を含む。
【0008】
水硬性セメントは、ポルトランドセメント、アルミン酸カルシウムセメント、リン酸マグネシウムセメント、リン酸マグネシウムカリウムセメント、スルホアルミン酸カルシウムセメント、ポゾランセメント、スラグセメントまたは任意の他の適した水硬性結合剤であってよい。該セメント状組成物中に、骨材が含まれていてもよい。骨材は、シリカ、石英、砂、破砕された大理石、ガラス球、花崗岩、石灰岩、方解石、長石、沖積砂、任意の他の耐久性のある骨材およびそれらの混合物であってよい。
【0009】
本ダイナミックポリマーは、貯蔵および配合条件に対して安定な基でブロックされた、一部の結合部位を有しているが、しかし、それらの潜在性の結合部位はポリマーがセメント状組成物中で見出される高アルカリ性環境に入った時に脱保護が開始される。
【0010】
ジカルボン酸(成分A)は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、3−メチルグルタコン酸、メサコン酸、ムコン酸、トラウマチン酸またはそれらの塩の少なくとも1つを含む。適した塩は、一価の金属、例えばアルカリ金属、二価の金属、例えばアルカリ土類金属、アンモニウムイオンまたは有機アミン残基を含む。有機アミンは、第一級、第二級または第三級C1〜C20−アルキルアミン、C1〜C20−アルカノールアミン、C5〜C8−シクロアルキルアミンまたはC6〜C14−アルールアミンから誘導される、置換されたアンモニウム基であってよい。
【0011】
特定の実施態様において、エチレン性不飽和アルケニルエーテル(成分B)および(成分C)の少なくとも1つは、C1〜C8−アルケニル基を含む。特別な実施態様において、アルケニルエーテルはビニル、アリルまたは(メタ)アリルエーテルであり、および/またはC2〜C8−不飽和アルコールから誘導されてもよい。特定の実施態様において、C2〜C8−不飽和アルコールは、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノールまたはメチルブテノールの少なくとも1つである。
【0012】
エチレン性不飽和アルケニルエーテルはさらに、様々な長さの、即ち様々な数のオキシアルキレン単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を含む。しかしながら、一部の側鎖は比較的短い長さ(より低い分子量)を有し、質量効率の改善に寄与し、且つ、一部の側鎖は比較的長い長さ(より大きい分子量)を有し、より高い分散効果、より高い初期強度の発生、および硬化時間の改善に寄与する。特定の実施態様において、オキシアルキレン単位はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。オキシアルキレン単位は、ホモポリマーまたはランダムコポリマーまたはブロックコポリマーの形態で存在してよい。特定の実施態様において、少なくとも1つのアルケニルエーテル側鎖は、少なくとも1つのC4オキシアルキレン単位を含有する。特定の実施態様において、1つより多くの成分B型のモノマーおよび/または1つより多くの成分C型のモノマーの残基が、本ダイナミックポリマー分子中に存在してよい。
【0013】
限定のためではなく説明として、加水分解性の成分はC1〜C20−アルキルエステル、C1〜C20−アミノアルキルエステル、C2〜C20−アルコール、C2〜C20−アミノアルコールまたはアミドの少なくとも1つを含んでよい。加水分解性の成分は、限定されずに、それらをコンクリートの混合および打設の時間尺度について適切に、特定の実施態様においては約2〜約4時間までにする、加水分解速度を有する様々な群のアクリレートまたはメタクリレートエステルを含んでもよい。例えば、1つの実施態様において、成分Dのエチレン性不飽和モノマーは、加水分解性の成分を含むエステル官能性を有するアクリル酸エステルを含んでよい。特定の実施態様において、潜在性の結合部位はヒドロキシアルカノール加水分解性の成分または官能性、例えばヒドロキシエタノールまたはヒドロキシプロピルアルコールを有するカルボン酸エステル残基を含んでよい。従って、該エステル官能性は、ヒドロキシプロピルまたはヒドロキシエチルの少なくとも1つを含む。他の実施態様においては、様々な鹸化率を有する他の種の潜在性の結合部位が提供され、例えば、アクリルアミドまたはメタクリルアミド誘導体である。特定の実施態様において、成分Dのエチレン性不飽和モノマーは、無水物またはイミドの少なくとも1つを含んでよく、随意にマレイン酸無水物またはマレイミドの少なくとも1つを含む。
【0014】
当然、本コポリマーは、加水分解性の成分を含む1つより多くの成分Dのエチレン性不飽和モノマーの残基を含んでよい。例えば、加水分解性の成分を含む1つより多くの成分Dのエチレン性不飽和モノマーは、
a) 1つより多くの種類のエチレン性不飽和モノマー;
b) 1つより多くの加水分解性の成分;または
c) 1つより多くのエチレン性不飽和モノマーと1つより多くの加水分解性の成分との組み合わせ、
の残基を含んでよい。限定のためではなく説明として、加水分解性の成分は少なくとも1つまたはそれより多くのC2〜C20−アルコール官能性を含んでよい。
【0015】
コポリマー鎖中に組み込まれるエチレン性不飽和モノマー残基単位、および加水分解性の成分の誘導体、または該残基に結合している加水分解性の側基の種類、並びに結合の種類のいずれかまたは両方の選択は、使用される潜在性の結合部位の加水分解速度、従って該ダイナミックポリマーを含むセメント状組成物のワーカビリティの持続性に影響する。
【0016】
ダイナミックポリマーは、他の結合、例えばエステル、アミドおよびその種のものを有するモノマー残基を含んでよい。例えば、コポリマーはさらに、エステル、アミド、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの結合を有する、オキシアルキレン側鎖置換されたモノマー残基を含んでよい。特定の実施態様において、ダイナミックポリマーは、他の非加水分解性のエチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、エチレン、プロピレン、イソブテン、アルファ−メチルスチレン、メチルビニルエーテルおよびその種のものから誘導される成分Eのモノマー残基を含んでよい。
【0017】
特定の実施態様において、酸性モノマー(A)とアルケニルエーテル(B)および(C)とのモル比、即ち(A):(B+C)は、約1:2〜約2:1であり、特定の実施態様においては0.8:1〜約1.5:1である。特定の実施態様において、(B):(C)のモル比は、約0.95:0.05〜約05:0.95である。他の実施態様において、(B):(C)のモル比は、約0.85:0.15〜約0.15:0.85である。同様に、特定の実施態様において、酸性モノマー(A)と、加水分解性の成分(D)を含むモノマーとの比は、約16:1〜1:16であり、いくつかの実施態様においては約4:1〜1:4であり、他の実施態様においては約3:1〜約1:3である。
【0018】
特定の実施態様において、ダイナミックポリマーは、以下の一般式Iによって表されるコポリマーである:
【化1】

[式中、
10は(Ca2a)を含み、且つ、aは2〜約8の数であり、ここで同一のポリマー分子中でR10の混合物が可能である;
11は(Cb2b)を含み、且つ、bは2〜約8の数であり、ここで同一のポリマー分子中でR11の混合物が可能である;
1およびR2は、互いに独立して、少なくとも1つのC2〜C8−直鎖または分枝鎖のアルキルを含む;
3は、(CHR9−CHR9cを含み、ここでc=1〜約3、且つR9は少なくとも1つのH、メチル、エチル、またはフェニルを含み、且つ、ここで同一のポリマー分子中でR3の混合物が可能である;
個々のR5はH、C1〜C20−(直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和)脂肪族炭化水素基、C5〜C8−脂環式炭化水素基、または置換または非置換のC6〜C14−アリール基の少なくとも1つを含む;
m=1〜25、n=26〜約300、w=約0.125〜約8、特定の実施態様においては約0.5〜約2、いくつかの実施態様においては約0.8〜約1.5、x=約0.5〜約2、特定の実施態様においては約0.8〜1.5、y=約0.05〜約0.95、特定の実施態様においては約0.15〜約0.85、且つ、z=約0.05〜約0.95、特定の実施態様においては約0.15〜約0.85;
y+z=1;
個々のGは少なくとも1つの
【化2】

[式中、
Rは独立してHまたはCH3を含む;
個々のMは独立してH、一価の金属カチオン、例えばアルカリ金属、または(1/2)の二価の金属カチオン、例えばアルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機アミン残基を含む;
個々のR6は独立して少なくとも1つのHまたはC1〜C3−アルキルを含む;
個々のR7は独立して結合、C1〜C4−アルキレンを含む;
個々のQは、加水分解性の成分を含む成分Dのエチレン性不飽和モノマーである]
によって表される]。加水分解性の成分を含むエチレン性不飽和モノマーの例は、上記で述べられている。
【0019】
アリール基は、例えば−CN、−COOR8、−R8、−OR8、ヒドロキシ、カルボキシまたはスルホン酸基の基によって置換されてもよく、ここでR8は水素またはC1〜C20−脂肪族炭化水素基である。特定の実施態様において、アミドは−NH−R5であってよく、ここでR5は上記で定義された通りである。
【0020】
特定の実施態様において、加水分解性の成分を含む、成分Dのエチレン性不飽和モノマーは、式IIによって表される:
【化3】

[式中、
個々のRは独立してHまたはCH3を含む;且つ
Xは加水分解性の成分を含む]。特定の実施態様において、加水分解性の成分は、アルキルエステル、アミノアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アミノヒドロキシアルキルエステル、またはアミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの誘導体の少なくとも1つを含む。
【0021】
特定の実施態様において、加水分解性の成分を含む、成分Dのエチレン性不飽和モノマーは、式IIIによって表される:
【化4】

[式中、
個々のRは独立して少なくとも1つのHまたはCH3を含む;且つ
4はC1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−ヒドロキシアルキルの少なくとも1つを含む]。
【0022】
本ダイナミックポリマーを、置換されたモノマーを共重合すること、非置換のモノマーを共重合した後、ポリマー主鎖を誘導すること、またはそれらの方法の組み合わせを含む公知の方法によって製造できる。
【0023】
ダイナミックコポリマーを、重合開始の間に、線形の供与法によって、または段階的もしくは連続的に、前の速度と比較してより高いおよび/または低い供与速度の両方で供与量を変化させる傾斜させた供与法によって成分を導入することを含む、バッチ式の、半バッチ式の、半連続の、または連続した手順によって製造できる。
【0024】
加水分解性または非加水分解性の、共重合され得る成分Bおよび/またはCを含むモノマー残基を形成できるエチレン性不飽和モノマーの例は、以下を含む:
ビニルアルコール誘導体、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ビニルエーテル、およびその種のもの;
(メタ)アリルアルコール誘導体、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、およびその種のもの;
1〜350モルのアルキレンオキシドと不飽和アルコール、例えば3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、および2−メチル−3−ブテン−1−オール(それぞれ単独または互いの組み合わせのいずれか)との付加物であり、限定されずに以下を含む:
ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−オクチル(ocyl)オキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ノニルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ラウリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ステアリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、およびフェノキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、およびその種のもの。
【0025】
共重合され得る成分Dを含む加水分解性のモノマー残基を形成できるエチレン性不飽和モノマーの例は、限定されずに以下を含む:
不飽和モノカルボン酸エステル誘導体、例えばアルキルアクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、およびブチルアクリレート; アルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、およびブチルメタクリレート; ヒドロキシアルキルアクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシブチルアクリレート; ヒドロキシアルキルメタクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびヒドロキシブチルメタクリレート; アクリルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの誘導体; マレイン酸アルキルまたはヒドロキシアルキルモノエステルまたはジエステル; および、コポリマーを乾燥相中で貯蔵するためのマレイン酸無水物またはマレイミド。
【0026】
本ダイナミックコポリマーは、質量平均分子量(MW)約5,000〜約150,000、特定の実施態様においては約10,000〜約50,000を有してよい。
【0027】
本ダイナミックコポリマーの混和材を、初期バッチの水と共に、または遅らせた添加として、セメント状材料の質量に対して供与量範囲約0.01〜約2パーセントの活性ポリマー、特定の実施態様においては0.05〜1質量パーセントの活性ポリマーで、セメント状混合物に添加できる。
【0028】
本ダイナミックコポリマーを使用する当該の方法を、レディミックスまたはプレキャストの用途において使用して、区別し得るワーカビリティ保持性およびそれに関連する全ての利点を提供できる。適した用途は、平面加工、舗装(それは典型的には通常の手段によって空気連行するのは困難である)、垂直の用途、およびプレキャスト物品を含む。さらには、本ダイナミックコポリマーは、高充填セメント状混合物、例えば、限定されずに石灰石粉末を含む、多量の不活性充填材を含有するもののワーカビリティ保持性において特定の値を示す。"高充填"によって、充填材(以下により詳細に述べられる)が、セメント状材料(水硬性セメント)の質量に対して約10質量%より多くを構成することを意味する。
【0029】
ここで記載されるセメント状組成物は、他の添加剤または成分を含有してもよく、且つ、述べられた、または例示された配合に限定されないものとする。添加され得るセメント混和材または添加剤は、限定されずに以下を含む:
空気連行剤、骨材、ポゾラン、他の充填材、分散剤、硬化促進剤/硬化増強剤および強度促進剤/強度増強剤、硬化遅延剤、減水剤、腐食防止剤、湿潤剤、水溶性ポリマー、流動改質剤、撥水剤、繊維、防湿混和材、透過低減剤、ポンピング助剤、抗真菌混和材、殺菌混和材、殺虫混和材、微粒に分割された鉱物混和材、アルカリ反応性低減剤、結合混和材、収縮低減混和材、およびセメント状組成物の特性に悪影響しない任意の他の混和材または添加剤。該セメント状組成物は、個々の前記の混和材または添加剤の1つを含有しなければならないわけではない。
【0030】
骨材をセメント状配合物中に含ませて、細骨材を含むモルタル、および粗骨材をも含むコンクリートのために提供できる。この細骨材は、No.4のふるい(ASTM C125およびASTM C33)をほとんど完全に通過する材料、例えばシリカ砂である。粗骨材は、No.4のふるい(ASTM C125およびASTM C33)上に大部分が保持される材料、例えばシリカ、石英、破砕された大理石、ガラス球、花崗岩、石灰岩、方解石、長石、沖積砂、砂、または任意の他の耐久性のある骨材、およびそれらの混合物である。
【0031】
セメント状組成物のための充填材は、意図されている用途に依存して、骨材、砂、石、砂利、ポゾラン、微細分割された材料、例えば未処理の石英、石灰石粉末、繊維、およびその種のものを含んでよい。限定されない例として、石は、川石、石灰石、花崗岩、砂岩、褐色砂岩、礫岩、方解石、ドロマイト、大理石、蛇絞石、トラバーチン、粘板岩、青石、片麻岩、ケイ岩質砂岩、ケイ岩およびそれらの組み合わせを含んでよい。
【0032】
ポゾランは、セメントの有用性をほとんど有しないか、または有しないケイ酸質材料またはアルミノケイ酸質材料であるが、しかし、水の存在下で且つ微細に分割された形態で、ポルトランドセメントの水和の間に形成される水酸化カルシウムと化学的に反応し、セメント状の特性を有する材料を形成する。珪藻土、オパールチャート、クレー、頁岩、フライアッシュ、スラグ、シリカフューム、凝灰岩および軽石は、公知のポゾランのいくつかである。特定の、粉砕され粒状化された高炉スラグおよび高カルシウムフライアッシュは、ポゾランの特性とセメントの特性との両方を有する。天然のポゾランは、天然で産出されるポゾラン、例えば凝灰岩、軽石、火山土、珪藻土、オパール、チャートおよびいくつかの頁岩を定義するために使用される1つの技術用語である。フライアッシュは、ASTM C618に定義されている。
【0033】
使用される場合、シリカフュームは、圧縮されていなくても、または部分的に圧縮されていても、またはスラリーとして添加されてもよい。シリカフュームは、さらにセメント結合剤の水和副生成物と反応し、それが最終物品の向上した強度を提供し、且つ、最終物品の透過性を減少させる。シリカフュームまたは他のポゾラン、例えばフライアッシュまたは焼成クレー、例えばメタカオリンを、セメント状材料の質量に対して約5%〜約70%の量でセメント状混合物に添加してよい。
【0034】
本方法は、プレキャスト、レディミックス、および/または高充填セメント状組成物の製造において有用である。
【0035】
プレキャストセメント状組成物:
用語"プレキャスト"セメント状組成物またはプレキャストコンクリートは、水硬性セメント状結合材、例えばポルトランドセメント、および骨材、例えば細砂または粗砂を鋳型内に入れ、そして硬化後に取り出して、そのユニットが建設現場に配達される前に製造されるような製造方法を示す。
【0036】
プレキャストの用途は、限定されずに、プレキャストセメント部材または部品、例えば梁、ダブルT、管、断熱壁、プレストレスコンクリート製品、およびセメント状組成物が直接的に型内に注入され、最終部品が現場に輸送される他の製品を含む。
【0037】
プレキャストセメント部材の製造は通常、スチール補強材の組み込みを必要とする。該補強材は、それが含まれる該部材の設計されている用途に基づき、構造補強材として存在するか、または該スチールは単に部材(例えばカーテンウォール用パネル)をその鋳型からひび割れずにはがすことを可能にするために存在してもよい。
【0038】
ここで使用される際、"プレストレスト"コンクリートは、張力に耐える能力が、引っ張り応力を相殺する圧縮強度をもたらす締め付け荷重を提供するために使用される(そうでなければ該引っ張り応力をコンクリート部材は曲げ荷重によって経験することがある)プレストレス緊張材(例えばスチールケーブル、またはロッド)を使用することによって改善されているコンクリートを示す。当該技術分野で公知の任意の適した方法をプレストレスコンクリートに使用できる。適した方法は、限定されずに、プレテンションコンクリート(コンクリートが既に張られた緊張材の周りにキャストされる)、およびポストテンションコンクリート(注入および硬化工程完了後、該コンクリート部材に圧縮が加えられる)を含む。
【0039】
特定のプレキャストの用途においては、セメント状組成物混合物は、もしあれば強化構造物中および周辺を流れて鋳型を満たし、鋳型の一番上で平らになり、且つ振動を使用せずに固まる、充分な流動性を有することが望ましい。この技術は通常、自己充填コンクリート(SSC)として示される。他の実施態様において、例えば振動鋳型および遠心鋳型によって、鋳型を揺り動かして混合物の平滑化を容易にしなければならないことがある。ワーカビリティ保持のための要請に加えて、セメント状組成物について、速い硬化時間および高い初期強度を達成するための要請がある。
【0040】
プレキャストの用途に関して、用語"高い初期強度"は、鋳型に注入された後、所定の時間内でのセメント状の塊の圧縮強度を示す。従って、セメント状組成物混合物が初期流動性を有し、且つ打設まで流動性を維持するが、しかし、プレキャストコンクリートユニットが鋳型から取り出される前またはその時に高い初期強度も有していることが望ましい。
【0041】
水硬性セメント、ポリカルボキシレート分散剤、および構造合成繊維を含む、金属バーまたは金属繊維または金属ロッド補強材を用いずに製造された高い初期強度で補強されたプレキャストまたは現場打ちコンクリート部材が、共同所有されているUSPN6942727号内に開示されており、ここで参照をもって開示される。
【0042】
高い強度のプレキャストセメント状組成物を達成するために、非常に低い水とセメントとの比を使用する。これは、加工可能な混合物を製造するために著しい量の高度減水剤(HRWR)を必要とする。従来のHRWRの化学物質、例えばナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物は高い供与量で、場合によっては硬化を遅らせることがあり、従って鋳型からの部材の引き出しのために必要な高い初期強度の発生を阻害する。
【0043】
典型的には初期強度の発生とは、圧縮強度が未硬化のセメント状組成物を鋳型に入れた後、12〜18時間で達成されることを示す。
【0044】
プレキャストセメント部材の形成において、外的な熱源を用いずに素早い水準の強度の発生を達成するために、従来の分散剤の化学物質では、それらのセメントの水和における過剰な遅延効果のせいで成功しないことがある。
【0045】
プレキャストの用途において、水とセメントとの比は典型的には約0.2より高いが、約0.45以下である。
【0046】
現場打ちおよびプレキャストセメント部材を製造するための方法が提供される。該方法は、水硬性セメント、例えばポルトランドセメントを含むセメント状組成物および上述のダイナミックコポリマー分散剤と、水、および随意に粗骨材、細骨材、構造合成繊維、または他の添加剤、例えば過剰な収縮および/またはアルカリ−シリカ反応を制御するための添加剤とを混合し、その後、該混合物から部材を成形することを含む。成形は、混合物を鋳型内に入れて硬化または養生し、且つ、鋳型から引き出すことを含む、任意の通常の手段であってよい。
【0047】
上記の方法によって成形されたプレキャストセメント部材または物品を、任意の用途に使用できるが、しかし、建築、構造、および非構造の用途に有用である。限定されない例として、プレキャスト物品を、壁パネル、梁、円柱、管、マンホール(傾斜壁)、セグメント、プレキャスト板、ボックスカルバート、ポンツーン、ダブルT、U字管、L型擁壁、梁、クロス梁、道路または橋の部品、および様々なブロックおよびその種のものとして成形できる。しかしながら、プレキャストコンクリート物品はかかる特定の例に限定されない。
【0048】
レディミックスおよび高充填セメント状組成物:
ここで使用される際、用語、"レディミックス"は、バッチ式で混合された、または現場で混合される代わりに中央のプラントから配達するために"バッチ化された"セメント状組成物を示す。典型的には、レディミックスコンクリートは、特定の建設事業の特性に従って特注され、且つ、"レディミックスコンクリートトラック"中で理想的には必要とされるワーカビリティで配達される。
【0049】
何年にもわたって、コンクリート中でのポルトランドセメントのための部分的な補強材としての、充填材および/またはポゾラン材料の使用は、次第に、単独のポルトランドセメントの魅力的な代替品になってきている。不活性充填材および/またはフライアッシュ、高炉スラグ、および天然ポゾランセメントの、コンクリート混合物中での使用を増加する要請は、いくつかの要因に帰する。それらは、セメント不足、ポルトランドセメントの置き換えの経済的な利点、コンクリート製品の透過性の改善、およびより低い水和熱を含む。
【0050】
コンクリート中でのポルトランドセメントの部分的な置き換えとして、不活性またはポゾラン材料を使用することの費用および性能の利点にもかかわらず、それらをセメント状混合物中で使用できる量には実際的な制限がある。それらの材料のより高い水準、例えば、ポルトランドセメントの質量に対して約10質量%より上での使用は、数時間まで、または場合によっては周囲温度に依存してそれより長くまで、コンクリートの硬化時間を遅らせることがある。この不適合性はエンドユーザーに費用および時間の増加の負担を課し、そのことは許容されない。
【0051】
コンクリート混合物中での硬化時間促進剤の使用が公知である一方で、それらの促進剤混和材は、特に減水剤混和材と共に使用される際に問題が多く、そのため硬化時間を許容可能な水準まで減少できない。促進剤と減水剤、例えばナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、リグニンおよび置換リグニン、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合物、およびその種のものとの使用は、通常の硬化特性および許容可能な得られるコンクリートを有する水硬性セメントベースのセメント状混合物を含有する、許容可能な高充填またはポゾランの代替品を製造するためには非効率的である。
【0052】
セメント状組成物中での本ダイナミックコポリマーは、単独または他の減水剤組成物、例えば従来の分散剤または通常のポリカルボキシレート分散剤と組み合わせて、より優れたワーカビリティ保持を遅延なく示し、製造の間、および現場でのスランプの調整の必要性を最小化し、混合物の割り増し設計の要請を最小化し、現場での高度減水剤の再計量供給を減少し、且つ、高い流動性および増加した安定性および持続性を提供する。
【0053】
スランプは、コンクリートの軟度の尺度であり、且つ、現場でのコンクリートの均一性を確認する単純な手段である。スランプを測定するために、標準的なサイズのスランプコーンを新しいコンクリートで満たす。その後、コーンを除去し、且つ"スランプ"は、コーンの高さと、スランプコーンの除去直後に崩壊したコンクリートとの間の測定された差異である。
【0054】
従って本方法は、セメント状組成物にさらなる減水剤組成物をダイナミックコポリマー混和材の成分として、または別途、添加することを含んでもよい。減水剤組成物は、従来の減水剤、通常のポリカルボキシレート分散剤、ポリアスパルテート分散剤またはオリゴマー分散剤の少なくとも1つを含んでよい。
【0055】
限定のためではなく説明として、従来の減水剤はリグノスルホネート、メラミンスルホネート樹脂、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合物、またはスルホン化メラミンスルホネート縮合物の塩の少なくとも1つを含んでよい。
【0056】
通常のポリカーボネート分散剤は、典型的にはカルボン酸のコポリマー、誘導されたカルボン酸エステル、および/または誘導されたアルケニルエーテルを含む。該誘導体または側鎖は一般に長く(約500MWより大きい)、且つ、セメント状組成物中でポリマー主鎖からすぐに加水分解されない。
【0057】
限定のためではなく説明として、ポリカルボキシレート分散剤の例は、米国公開第2008/0300343号A1、米国公開第2002/0019459号A1、米国公開第2006/0247402号A1、米国特許第6267814号、米国特許第6290770号、米国特許第6310143号、米国特許第6187841号、米国特許第5158996号、米国特許第6008275号、米国特許第6136950号、米国特許第6284867号、米国特許第5609681号、米国特許第5494516号、米国特許第5674929号、米国特許第5660626号、米国特許第5668195号、米国特許第5661206号、米国特許第5358566号、米国特許第5162402号、米国特許第5798425号、米国特許第5612396号、米国特許第6063184号、米国特許第5912284号、米国特許第5840114号、米国特許第5753744号、米国特許第5728207号、米国特許第5725657号、米国特許第5703174号、米国特許第5665158号、米国特許第5643978号、米国特許第5633298号、米国特許第5583183号、米国特許第6777517号、米国特許第6762220号、米国特許第5798425号、および米国特許第5393343号内に見出され、その全てはここで、参照をもって以下で完全に書き記されているとして開示されるものとする。
【0058】
限定のためではなく説明として、ポリアスパルテート分散剤の例は、米国特許第6429266号; 米国特許第6284867号; 米国特許第6136950号; および米国特許第5908885号内に見出され、その全てはここで、参照をもって以下で完全に書き記されているとして開示されるものとする。
【0059】
限定のためではなく説明として、オリゴマー分散剤の例は、米国特許第6133347号; 米国特許第6451881号; 米国特許第6492461号; 米国特許第6861459号; および米国特許第6908955号内に見出され、その全てはここで、参照をもって以下で完全に書き記されているとして開示されるものとする。
【0060】
所望の初期スランプを提供し、且つ、特定の用途のためにセメント状混合物のワーカビリティを整えるために、従来の減水分散剤または通常のポリカルボキシレート、ポリアスパルテート、またはオリゴマー分散剤と組み合わせて使用される場合、本ダイナミックコポリマーをセメント状組成物に、初期バッチの水と共に、または遅れた添加として、セメント状材料の質量に対して約0.01〜約1質量%のダイナミックコポリマーの供与量範囲で、且つ、特定の実施態様においては約0.02〜約0.5質量%のコポリマーを添加でき、且つ、従来の減水分散剤または通常の分散剤を、セメント状混合物に、初期バッチ水と共に、または遅れた添加として、セメント状混合物に、セメント状材料の質量に対して約0.01〜約1質量%の分散剤、且つ、特定の実施態様においては約0.02〜約0.5質量%の分散剤の供与量範囲で添加できる。
【0061】
実施例
ダイナミックコポリマーの特定の実施態様を、以下に示される実施例によって試験し、且つ、通常の"スタティック"ポリカルボキシレート分散剤と比較した。
【0062】
合成例A
マルチネック、機械式攪拌機、pHメーター、および計量供給装置(例えばシリンジポンプ)を装備したガラス製反応器を420gの水、172gの溶融ビニル−PEG1100および255gの溶融ビニル−PEG5800(溶液A)で満たした。該反応器内の温度を13℃に調整した。
【0063】
151.2gの水、19.6gのマレイン酸無水物、31.2kgのKOH(40%)および32.5gのヒドロキシプロピルアクリレート(HPA、96%)からなる予め調製された第二の溶液(溶液B)の一部(74.8g)を、反応容器に10分にわたって、緩やかに攪拌しながら滴下した。反応器内で得られる溶液について、3.6gのH2SO4(20%)を添加することによって、pH5.8に調整した。残留溶液Bに、3.69gの3−メルカプトプロピオン酸(3−MPA)を添加した。さらなる量の0.92gの3−MPAを、重合の開始直前に反応器にゆっくりと添加した。3gのナトリウムヒドロキシメタンスルフィネート二水和物を47gの水中に含有する第三の溶液(溶液C)が調製された。
【0064】
数ミリリットルの水中に溶解した32mgのFeSO4×7H2Oと、3gのH22(30%)溶液とを反応容器に添加することによって、重合を開始した。同時に、溶液BおよびCの重合容器への計量供給を開始した。溶液Bを30分間にわたって、以下の表に記載される可変の添加速度を使用して計量供給した。溶液Cを、30g/時間の一定の速度で30分にわたって、その後、より速い計量供給速度の75g/時間でさらに25分間にわたって計量供給した。溶液Bの30分間の計量供給時間の間、5gのKOH40%水溶液の添加によって、反応器内のpHを5.8で維持した。溶液Cの添加後のポリマー溶液のpHを、8.9gのKOH溶液(40%)を用いてpH7に調整した。共重合されたマレイン酸の残基、および2つのアルケニルポリエチレンオキシドエーテルを含むダイナミックコポリマーの水溶液が、収率95%、質量平均分子量31,000g/モル、SECによって測定された多分散指数(PDI)1.47、および固体含有率44.1%で得られた。
【0065】
【表1】

【0066】
実施例1〜10
試料のセメント状組成物を、セメント、砂、石および水を、回転ドラムミキサー中で、表1Aおよび1Bに列記される量で存在する添加剤と共に混合することによって製造した。実施例1〜5が、実施例Aのダイナミックコポリマーを含む本ダイナミックコポリマー混和材を含む一方、比較例6〜10は通常のポリカルボキシレート分散剤を含んだ。
【0067】
ワーカビリティの尺度でもあるスランプを、ASTM C143に従って測定した。個々の組成物の空気含有率(ASTM C231)、硬化時間(ASTM C403)、および圧縮強度(ASTM C39)も測定し、表1Aおよび1Bに報告した。表1Aおよび1Bおよび図1に示される通り、実施例1〜5において使用された本ダイナミックコポリマーはセメント状組成物のワーカビリティを、比較例6〜10において使用されたポリマーより長く維持する一方で、空気含有率、硬化時間または圧縮強度に著しく影響しない。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
個々の実施例におけるポリマー分散剤の吸着を5分後および65分後に測定した。水溶液をサンプリングし、そして試験してコポリマーの初期濃度を測定した。該混合物の少しの部分を、混合5分および65分で取り出し、加圧ろ過して単離し、存在する液相およびろ液溶液中のコポリマー濃度を測定した。結果を以下の表1Cに示す。表1Cに示される通り、本ダイナミックコポリマーは、どの種類のセメントが使用されたかにかかわらず、通常のポリカルボキシレート分散剤よりも非常にゆっくりとセメント粒子上に吸着する。この結果は、追加的な結合部位が経時的に、潜在的な結合部位がセメント状組成物中で加水分解されるのを保護またはブロックする成分として発生され、セメント状組成物混合物のワーカビリティを延長することを示す。
【0071】
【表4】

【0072】
実施例11〜15
試料の高アルカリ性セメント状組成物を、セメント、砂、石および水を回転ドラムミキサー内で、下記の表2に示される通りに存在する添加剤と共に混合することによって製造した。実施例12〜15は、本ダイナミックコポリマー混和材を含んだ一方、比較例11は通常のポリカルボキシレート分散剤を含んだ。実施例12、13、14および15のダイナミックコポリマーは、マレイン酸、およびヒドロキシプロピルアクリレート、および成分BおよびCのビニルエーテル(それぞれ、MW500および3000、1100および5800、500および5800、および1100および3000のポリエチレングリコール側基を有する)の残基を含んだ。
【0073】
ワーカビリティの尺度でもあるスランプを、ASTM C143に従って測定した。個々の組成物の空気含有率(ASTM C231)、硬化時間(ASTM C403)、および圧縮強度(ASTM C39)も測定し、表2に報告した。表2および図2に示される通り、実施例12〜15において使用された本ダイナミックコポリマーはセメント状組成物のワーカビリティを、比較例11において使用されたポリマーより長く維持する一方で、空気含有率、硬化時間または圧縮強度に著しく影響しない。
【0074】
【表5】

【0075】
実施例16〜21
試料の高アルカリ性セメント状組成物を、セメント、砂、石および水を回転ドラムミキサー内で、下記の表3に示される通りに存在する添加剤と共に混合することによって製造した。実施例17〜21は、本ダイナミックコポリマー混和材を含んだ一方、比較例16は通常のポリカルボキシレート分散剤を含んだ。実施例17〜21のダイナミックコポリマーは、マレイン酸およびヒドロキシプロピルアクリレート、および成分BおよびCのビニルエーテル(MW1100および5800のポリエチレングリコール側基を有する)の残基を含んだ。
【0076】
ワーカビリティの尺度でもあるスランプを、ASTM C143に従って測定した。個々の組成物の空気含有率(ASTM C231)、硬化時間(ASTM C403)、および圧縮強度(ASTM C39)も測定し、表3に報告した。表3および図3に示される通り、実施例17〜21において使用された本ダイナミックコポリマーはセメント状組成物のワーカビリティを、比較例16において使用されたポリマーより長く維持する一方で、空気含有率、硬化時間または圧縮強度に悪影響しない。
【0077】
【表6】

【0078】
実施例22〜24
試料のセメント状組成物を、セメント、砂、石および水を回転ドラムミキサー内で、下記の表4に示される通りに存在する添加剤と共に混合することによって製造した。実施例23および24は、本ダイナミックコポリマー混和材を含んだ一方、比較例22は通常のポリカルボキシレート分散剤を含んだ。実施例23および24のダイナミックコポリマーは、マレイン酸およびヒドロキシプロピルアクリレート、および成分BおよびCのビニルエーテル(MW1100および5800のポリエチレングリコール側基を有する)の残基を含んだ。
【0079】
ワーカビリティの尺度でもあるスランプを、ASTM C143に従って測定した。個々の組成物の空気含有率(ASTM C231)、硬化時間(ASTM C403)、および圧縮強度(ASTM C39)も測定し、表4に報告した。表4および図4に示される通り、実施例23および24において使用された本ダイナミックコポリマーはセメント状組成物のワーカビリティを、比較例22において使用されたポリマーより長く維持する一方で、空気含有率、硬化時間または圧縮強度に悪影響しない。
【0080】
【表7】

【0081】
実施例25〜29
試料の自己充填コンクリート(SSC)組成物を、セメント、砂、石および水を回転ドラムミキサー内で、下記の表2に示される通りに存在する添加剤と共に混合することによって製造した。実施例26〜29は、本ダイナミックコポリマー混和材を含んだ一方、比較例25は通常のポリカルボキシレート分散剤を含んだ。実施例26、27、28および29のダイナミックコポリマーは、マレイン酸、およびヒドロキシプロピルアクリレート、および成分BおよびCのビニルエーテル(それぞれ、MW500および3000、1100および5800、500および5800、および1100および3000のポリエチレングリコール側基を有する)の残基を含んだ。
【0082】
スランプフロー直径によって表される個々のセメント状組成物のワーカビリティは、ASTM C143スランプ試験に基づいた。コーンをセメント状組成物で、示された間隔で満たし、即座に除去し、そして組成物の広がりを測定した。SCC組成物混合設計のためのセメント状組成物の目標とされるスランプフローは25±2インチであった。個々の組成物の空気含有率、硬化時間(ASTM C403)、および圧縮強度(ASTM C39)も測定し、表5に報告した。表5および図5に示される通り、実施例26〜29において使用された本ダイナミックコポリマーはセメント状組成物のワーカビリティを、比較例25において使用されたポリマーより長く維持し、空気含有率、硬化時間または圧縮強度に悪影響しない。
【0083】
【表8】

【0084】
ここに記載された実施態様は、単に例示的なものであり、且つ、当業者は本発明の意図および範疇を逸脱することなく変法および変更を行なうことができると理解されるであろう。かかる全ての変法および変更は、上述の本発明の範疇に含まれることが意図されている。さらに、本発明の種々の実施態様が組み合わされて所望の結果を提供できるので、開示された全ての実施態様が代替において必要なわけではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スランプ保持性、または高い初期強度のスランプ保持性セメント状組成物の製造方法であって、水硬性セメント、骨材、水、およびスランプ保持性混和材を混合することを含み、該スランプ保持性混和材は、少なくとも以下のモノマー:
A) 不飽和ジカルボン酸、
B) 約1〜25単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有する、少なくとも1つのエチレン性不飽和アルケニルエーテル、
C) 26〜約300単位のC2〜C4−オキシアルキレン鎖を有する、少なくとも1つのエチレン性不飽和アルケニルエーテル、および
D) セメント状組成物中で加水分解性の成分を含むエチレン性不飽和モノマー
の残基を含むダイナミックポリカルボキシレートコポリマーを含み、該エチレン性不飽和モノマー残基は、加水分解されたときにセメント状組成物の成分に対して活性な結合部位を含む、製造方法。
【請求項2】
ジカルボン酸が、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、3−メチルグルタコン酸、メサコン酸、ムコン酸、トラウマチン酸またはそれらの塩の少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
成分Bまたは成分Cのエチレン性不飽和モノマーの少なくとも1つが、C2〜C8−アルケニルエーテル基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
成分Bまたは成分Cのアルケニルエーテルの少なくとも1つが、ビニル、アリルまたは(メタ)アリルエーテルを含むか、またはC2〜C8−不飽和アルコールから誘導される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
2〜C8−不飽和アルコールが、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノールまたはメチルブテノールの少なくとも1つである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
成分BまたはCの少なくとも1つのアルケニルエーテル側基が、少なくとも1つのC4−オキシアルキレン単位を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
オキシアルキレンが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
加水分解性の成分が、C1〜C20−アルキルエステル、C1〜C20−アミノアルキルエステル、C2〜C20−アルコール、C2〜C20−アミノアルコールまたはアミドの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成分Dのエチレン性不飽和モノマーが、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、マレイン酸アルキルモノエステルまたはジエステル、またはマレイン酸ヒドロキシアルキルモノエステルまたはジエステルまたはそれらの混合物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
成分Dのエチレン性不飽和モノマーが、無水物またはイミドの少なくとも1つを含み、随意にマレイン酸無水物またはマレイミドの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
成分Dのエチレン性不飽和モノマーが、加水分解性の成分を含むエステル官能性を有するアクリル酸エステルを含み、随意に該エステル官能性がヒドロキシプロピルまたはヒドロキシエチルの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コポリマーが、加水分解性の成分を含む1つより多くの成分Dのエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
加水分解性の成分を含む、1つより多くの成分Dのエチレン性不飽和モノマーが、
a) 1つより多くの種類のエチレン性不飽和モノマー;
b) 1つより多くの加水分解性の成分;または
c) a)とb)との組み合わせ
の残基を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つより多くの加水分解性の成分が、少なくとも1つのC1〜C20−アルコール官能性を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
成分Aの酸性モノマーと成分B+成分Cのアルケニルエーテルとの比 (A):(B+C)が、約1:2〜約2:1、随意に約0.8:1〜約1.5:1であり、且つ(B):(C)のモル比が約0.95:0.05〜約05:0.95、随意に約0.85:0.15〜約0.15:0.85である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
成分Aの酸性モノマーと、加水分解性の成分を含む成分Dのエチレン性不飽和モノマーとの比が、約16:1〜約1:16、随意に約4:1〜約1:4、さらに随意に約3:1〜約1:3である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
コポリマーがさらに、非加水分解性の非イオン性エチレン性不飽和モノマー残基; またはエステル、アミドまたはそれらの混合物の少なくとも1つの結合を有するオキシアルキレン置換モノマー残基; またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
コポリマーが、以下の一般式I
【化1】

[式中、
10は(Ca2a)を含み、且つ、aは2〜約8の数であり、ここで同一のポリマー分子中でR10の混合物が可能である;
11は(Cb2b)を含み、且つ、bは2〜約8の数であり、ここで同一のポリマー分子中でR11の混合物が可能である;
1およびR2は、互いに独立して、少なくとも1つのC2〜C8−直鎖または分枝鎖のアルキルを含む;
3は、(CHR9−CHR9cを含み、ここでc=1〜約3、且つR9は少なくとも1つのH、メチル、エチル、またはフェニルを含み、且つ、ここで同一のポリマー分子中でR3の混合物が可能である;
個々のR5はH、C1〜C20−(直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和)脂肪族炭化水素基、C5〜C8−脂環式炭化水素基、または置換または非置換のC6〜C14−アリール基の少なくとも1つを含む;
m=1〜25、n=26〜約300、w=約0.125〜約8、随意に約0.5〜約2、さらに随意に約0.8〜約1.5、x=約0.5〜約2、随意に約0.8〜約1.5、y=約0.05〜約0.95、随意に約0.15〜約0.85、且つ、z=約0.05〜約0.95、随意に約0.15〜約0.85;
y+z=1;
個々のGは少なくとも1つの
【化2】

[式中、
個々のRは独立してHまたはCH3を含む;
個々のMは独立してH、一価の金属カチオン、例えばアルカリ金属、または(1/2)の二価の金属カチオン、例えばアルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機アミン残基を含む;且つ、
個々のR6は独立してHまたはC1〜C3−アルキルの少なくとも1つを含む;
個々のR7は独立して結合、C1〜C4−アルキレンを含む;且つ、
個々のQは、加水分解性の成分を含む、少なくとも1つの前記の成分Dのエチレン性不飽和モノマーである]によって表される]
によって表される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
加水分解性の成分を含む成分Dのエチレン性不飽和モノマーが、以下の一般式II
【化3】

[式中、
個々のRは独立してHまたはCH3の少なくとも1つを含む;且つ、
Xはアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アルキルアミノエステル、アミノヒドロキシアルキルエステル、またはアミド、随意に少なくとも1つのアクリルアミド、メタクリルアミド、またはそれらの誘導体の、少なくとも1つを含む]
によって表される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
エチレン性不飽和モノマーが、以下の一般式III
【化4】

[式中、
個々のRは独立してHまたはCH3の少なくとも1つを含む;且つ
4はC1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−ヒドロキシアルキルの少なくとも1つを含む]
によって表される加水分解性の成分を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
置換されたアリール基が、−CN、−COOR8、−R8、−OR8、ヒドロキシ、カルボキシまたはスルホン酸基の少なくとも1つを含み、前記R8は水素またはC1〜C20−脂肪族炭化水素基である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
アミドが−NH−R5
[式中、
5は、H、C1〜C20−(直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和)脂肪族炭化水素基、C5〜C8−脂環式炭化水素基、または置換または非置換C6〜C14−アリール基の少なくとも1つを含む;
随意に、置換アリール基は、−CN、−COOR8、−R8、−OR8、ヒドロキシル、カルボキシルまたはスルホン酸基の少なくとも1つを含み、R8は水素またはC1〜C20−脂肪族炭化水素基である]
によって表される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
セメント状組成物がさらに、通常のポリカルボキシレートコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
セメント状組成物がプレキャストセメント状組成物を含む、請求項1に記載の方法であって、該方法がさらに、現場打ちまたはプレキャストセメント部材を混合物から形成することを含む方法。
【請求項25】
セメント状組成物が、レディミックスセメント状組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
セメント状組成物が、少なくとも10質量パーセントのポゾラン、微細に分割された鉱物充填材、不活性充填材、またはそれらの混合物の少なくとも1つを含む高充填セメント状組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
セメント状組成物にさらなる減水剤組成物を混和材の成分として、または別途、添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
減水剤組成物が、従来の減水剤、通常のポリカルボキシレート分散剤、ポリアスパルテート分散剤またはオリゴマー分散剤の少なくとも1つを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
従来の減水剤が、リグノスルホネート、メラミンスルホネート樹脂、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合物、またはスルホン化メラミンスルホネート縮合物の塩の少なくとも1つを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
空気連行剤、骨材、ポゾラン、充填材、硬化促進剤/硬化増強剤および強度促進剤/強度増強剤、硬化遅延剤、腐食防止剤、湿潤剤、水溶性ポリマー、流動改質剤、撥水剤、繊維、防湿混和材、透過低減剤、ポンピング助剤、抗真菌混和材、殺菌混和材、殺虫混和材、微細に分割された鉱物混和材、アルカリ反応性低減剤、着色剤、結合混和材、収縮低減混和材、またはそれらの混合物の少なくとも1つのさらなる混和材または添加剤を導入することを含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−505812(P2012−505812A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526486(P2011−526486)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061728
【国際公開番号】WO2010/029117
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】