説明

セメント組成物の製造方法

【課題】 産業廃棄物などの組成の一定しない原材料を常に多量に原材料として用いるために、得られるセメントクリンカー中のCA量を変動させなければならない場合でも、該CA量の変動がセメントペーストの流動性に与える影響を抑制し、流動性が低い値で安定したセメントを安定的に得られる製造方法を提供する。
【解決手段】 キルンでのクリンカー焼成後、最終的な出荷段階にあるセメントを得るまでのいずれかの段階で、クリンカー等の中のフリーライム(f−CaO)量を計測し、該計測の結果から、そのクリンカー等から得られるセメントが0.5質量%以下に定められた所定値を超えるf−CaOを含有すると予測される場合には、最終的なセメント組成物中のf−CaO量を前記所定値以下とするため、f−CaOの少ない他のクリンカーを混合する等の追加的な操作を該クリンカー等に対して行うことを、セメントの製造工程に組み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセメント組成物の製造方法に係る。より詳しくは、水と混練した状態での粘度が低いため流動性に優れ、よって施工性に優れるセメント組成物を安定的に製造できる製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
セメントクリンカーとセッコウを混和したセメント組成物(以下、単にセメントと称す場合がある)は、コンクリートやモルタルの原材料として建築や土木などの様々な用途で使用されている。このようなコンクリートはその目的に応じて必要十分な強度を有することが必須であるが、それと同時に、施工を容易にするために、セメントと水等とを混練した際に適切な流動性を有することも求められている。この流動性は、水の配合量以外にも、セメントの組成や用いる骨材、混和剤の種類や配合量等によって変化する。
【0003】
例えば、3CaO・Al(CA)は水和反応性が非常に高いため、その含有割合はセメントペーストの流動性に大きな影響を与えることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また骨材の影響も大きく、低品位の骨材を用いても高い流動性を有するコンクリートを得る技術としては、有効加水率が0.3〜1.0%で、かつフリーライム(遊離石灰、未反応石灰とも呼ばれる)量が1.0%以下のセメント組成物を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1にはフリーライム量が0.5%以上のセメントを用いた場合の実験結果が記載されているが、この範囲では有効加水率が0.3%を下回る場合には流動性の改善が見られていない。
【0005】
一方、キルンでの焼成が不十分でセメント中のフリーライム含有量が多すぎる場合には、コンクリートがひび割れることが知られており、そのためフリーライム含有量が1.0%以下程度になるように焼成条件を最適化することが行われている。
【0006】
さらにフリーライム含有量はクリンカーの粉砕特性にも影響を与えるため、セメントキルンの焼成条件を調整することによりフリーライム量を調整し、粉砕特性を改善することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【非特許文献1】山田ら、「Combined Effect of Cement Characteristics on the Performance of Superplasticizers」、An Investigation in Real Cement Plants, Eighth CEMENT/ACI Int'l Conf. On Superplasticizers and Other Chemical Admixtures in Concrete, Supplementary Papers、pp.159-174 (2006)
【特許文献1】特開平8−34653号公報
【特許文献2】特開平7−267699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の如く、コンクリート等の流動性はセメントの組成により影響を受ける。近年、原材料を高温で焼成してセメントクリンカーを製造するという特徴を利用し、様々な産業廃棄物をセメント製造の際の原材料として使用することが行われているが、このような産業廃棄物はその組成が多様であり、鉱物由来の原材料を用いた場合と異なって製造されるセメントの組成も変動する。
【0009】
前述のとおり、CA量はセメントペーストの流動性に多大な影響を与え、その含有割合が1〜3質量%程度変動しただけで、流動性が著しく変化してしまう場合がある。CA量が7〜11質量%程度の範囲とされる普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント等では、この範囲内でCA量が変化しても、セメント(を用いたコンクリート等)の基本的な物性に大きな問題を生じる可能性は少なく、この流動性の変化を抑制する(低い値で安定させる)ことがCA量を変動させる場合の実質的な課題である。
【0010】
廃棄物を原料とする場合、その廃棄物に含まれる成分にはばらつきがあり、アルミ成分の多い廃棄物を用いなくてはならない場合もあれば、少ない廃棄物を用いなくてはならない場合もある。よって流動性の一定なセメントを安定的に得るために、廃棄物に含まれるアルミ成分等の量に従って、廃棄物を原材料として使用する割合を変動させることが必要である。
【0011】
しかしながら、近年の廃棄物処理に対する要求の高まりにより、より多くの廃棄物を原材料として使用することが求められている。
【0012】
従って本発明は、産業廃棄物などの組成の一定しない原材料を常に多量に原材料として用いるために、得られるクリンカー中のCA量を変動させなければならない場合でも、該CA量の変動がセメントペーストの流動性に与える影響を抑制し、よって流動性が低い値で安定したセメントを安定的に得られるセメント組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、セメント組成物中に含まれるフリーライムの量を低減していくことにより、CA量が変化しても流動性の変化は小さくなってゆくことを見出し、さらに検討を進めた結果、本発明を完成した。
【0014】
即ち本発明は、セメントクリンカーとセッコウを含んでなるセメント組成物の製造方法であって、セメントキルンでセメントクリンカーを焼成した後、最終的なセメント組成物を得るまでのいずれかの段階で、セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物中のフリーライムの含有量を計測し、該計測の結果から、当該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物から得られるセメント組成物が、0.5質量%以下に定められた所定値を超えるフリーライムを含有すると予測される場合には、最終的なセメント組成物中のフリーライム含有量を前記所定値以下とするための追加的な操作を該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して行うことがその製造工程に組み込まれていることを特徴とするセメント組成物の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
セメント組成物中に含まれるフリーライム量を0.5質量%以下と少なくすることにより、CA量が変化しても流動性の変化は大幅に抑制される。そのため、産業廃棄物等を原材料としてセメント組成物を製造することにより、CA量が異なるセメントクリンカーが製造されるような場合でも、最終的なセメント組成物とするまでにフリーライムの量を計測・制御し、その量を0.5質量%もしくはそれよりも小さい所定の値以下とするだけという極めて簡便な方法で、ペーストとした際の流動性が同等のセメント組成物を安定して製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のセメント組成物の製造方法は、後述するフリーライム含有量の計測・制御工程を追加的に有する以外は、従来公知のセメント組成物の製造方法と特に変わるところはない。
【0017】
即ち、例えばJIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定されている各種ポルトランドセメントを製造するのであれば、石灰石、粘土、珪石等の鉱物性原材料や各種産業廃棄物等をセメントキルンにより焼成し、得られたセメントクリンカーとセッコウ等を混合、粉砕してセメント組成物とする。
【0018】
本発明の特徴は、このようなセメント組成物の製造工程において、クリンカーをキルンにより焼成してから、最終的なセメント組成物(即ち、出荷できる状態に調整されたセメント組成物)を得るまでに何れかの段階で、フリーライム量を計測し、該計測値からそのまま通常の操作によりセメント組成物とした場合に、該セメント組成物に含有されることになるフリーライム量を予測、該予測値が0.5質量%以下に定められた所定値を超える場合には、セメント組成物中に含まれるフリーライム量が該所定値以下となるように、追加的な操作を行う点にある。
【0019】
ここで、最終的なセメント組成物におけるフリーライム(f−CaO)量を0.5質量%もしくはそれよりも小さい値以下とするのは、図1として示した図から理解される以下のような理由がある。
【0020】
図1は、横軸にCA量、縦軸にセメントペーストの初期の見かけ粘度をプロットしたものである(実験条件は後述する)。
【0021】
□はセメント組成物中のフリーライム含有量が0.5質量%を超えている場合の結果、◆はフリーライム含有量が0.3〜0.5質量%の場合の結果、△はフリーライム含有量が0.3質量%未満の場合の結果である。
【0022】
この図1から明らかなように、セメント組成物中のCA量が増大すると、見かけ粘度も増大する傾向があるが、フリーライム含有量が0.5質量%を超えるものに比べて、0.5質量%以下のものは大幅にその増加の傾きが小さい。さらにフリーライム含有量が0.3質量%未満である場合には、見かけ粘度の変化は実質的に無いと言えるレベルである。
【0023】
特にCA量が7質量%を超える部分では、フリーライム含有量が0.5質量%を超えていると粘度増加率の傾きが大きいために見かけ粘度が著しく高く、実用性に劣るものとなってしまっているが、フリーライム含有量が少ない場合には傾きが小さいため、CA量が少ないものとの実質的な粘度の相違がほとんどなく、ほぼ同等のセメント組成物として扱える。
【0024】
図2に示すように、フリーライム含有量が0.5質量%を超える場合には、セメント組成物に含まれるカリウムやナトリウムといったアルカリ成分(水和反応に影響を与える)のかなりの部分(Kで100%、Naで40%程度)が溶出してしまう。一方、0.5質量%を境界として、それよりもフリーライム含有量が少なくなると、これらアルカリ成分の溶出割合が急速に低下していくという相関関係がある。このような理由により、フリーライム含有量を制御することにより、流動性の変化が抑制できるのではないかと推測している。
【実施例】
【0025】
本発明における特徴的部分であるフリーライム含有量を前記所定値以下とするための追加的な操作は特に限定されず如何なる方法によってもよいが、代表的な2つの方法を以下、実施例として説明する。なお簡便のため以下では、セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物中のフリーライムの含有量を計測し、該計測の結果から、当該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物から得られるセメント組成物が、0.5質量%以下に定められた所定値を超えるフリーライムを含有すると予測されるものである場合、該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物を「規格外」であると称する。
【0026】
本発明における追加的な操作としての第一の方法は、規格外のセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して、フリーライム含有量の少ない他のセメントクリンカーや、セメントクリンカーとセッコウとの混合物などのセメントクリンカーを含む組成物を添加・混合する方法である。
【0027】
この方法においては、セメントキルンで焼成、取り出した後、セッコウ等と混合する前のセメントクリンカーに対して、添加・混合してもよいし、セッコウ等と混合した後でもよい。セッコウ等と混合した後に添加する場合には、粉砕等の操作を行う前後のいずれでもよく、袋詰め等をして出荷できる状態とするよりも前の段階であれば特に限定されない。
【0028】
規格外のセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して添加・混合するセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物としては、フリーライム含有量が所定値未満のものであれば特に限定されない。この添加・混合の割合は、最終的なセメント組成物のフリーライム含有量が所定量以下になればよく、このような値になるように双方のフリーライム含有量から必要量を計算して決定すればよい。
【0029】
規格外のセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して添加・混合するセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物としては、セメント組成物の組成の調整の容易さから、同様の段階にあるものであることが好ましい。即ち、セッコウ等と混合する前のセメントクリンカーに対しては、やはりセッコウ等と混合されていないセメントクリンカーを添加・混合することが好ましく、セッコウ等と混合した後のものに対しては、同様の種類及び量のセッコウ等を混合したセメントクリンカーを含む組成物を添加することが好ましい。また組成のみならず、セッコウ等と混合した後の粉砕工程を経ているか否かなどの物理的形態に関しても同様である。
【0030】
特に好ましくは、セッコウ等の他の成分と混合する前のセメントクリンカーだけの状態のものに対して、やはりセメントクリンカーのみを添加・混合する方法である。
【0031】
当該方法を図3を参照してより詳しく説明する(なおフリーライム含有量の所定値を0.5質量%とした場合で説明する)。原材料をセメントキルンに投入、焼成を行った後、キルンから取り出されたセメントクリンカーに含まれるフリーライム(f−CaO)量を計測する。この計測の結果、フリーライム量が十分に少なく、そのままセッコウ等と混合、粉砕を行っても最終的なセメント組成物におけるフリーライム含有量が0.5質量%以下となる予測される場合には、そのまま通常の操作を行ってセメント組成物とする。一方、計測の結果から0.5質量%を超えてしまうと予測される場合には、フリーライム含有量の少ない他のセメントクリンカーを混合する。
【0032】
なお最終的なセメント組成物にけるフリーライム含有量が0.5質量%(所定値)以下になればよいのであるから、上記のセメントクリンカー中のフリーライム含有量の計測において、追加的な操作を行うか否かを決定するための基準値を、セメントクリンカー(被計測対象)中0.5質量%以下とする必要はない。セメントクリンカーはセッコウ等を混合してセメント組成物となるため、通常は、セメントクリンカー中のフリーライム含有量よりも、得られたセメント組成物中のフリーライム含有量の方が少なくなる。従って、その減少分を見込んで規格外か否かを決定するための基準値を決定しておけばよい。
【0033】
例えば、セメント組成物中のフリーライム含有量が、セメントクリンカー中のフリーライム含有量の9割程度になるのであれば、追加的な操作を行うか否かを決定するための基準値を(0.5/0.9)質量%以下とすればよい。
【0034】
図示はしていないが、必要に応じてフリーライム含有量の少ない他のセメントクリンカーを混合した後や、セッコウ等と混合、粉砕した後に再度フリーライム含有量を計測し、その結果フリーライム含有量が十分に低下していない場合には、再度、他のセメントクリンカーやセメントクリンカーを含む組成物を加えてもよい。このような再計測、再添加の必要性を減ずるため、最初に追加で加えるセメントクリンカーは、これを加えることにより予測される最終セメント組成物のフリーライム含有量が、所定値よりもさらに少ない値(例えば、所定値よりもさらに0.1質量%少ない値)になるように、その量やフリーライム含有量を調整することが好ましい。
【0035】
本発明における追加的な操作としての第二の方法は、セメントキルンで焼成、取り出されたセメントクリンカーのフリーライム含有量が規格外である場合、該セメントクリンカーを再度キルンで焼成する方法である。この方法を図4として示す。この方法においては、キルンでの再焼成を複数回繰り返すことも可能である。
【0036】
さらに本発明においては、上記第一の方法と第二の方法を組み合わせて実施してもよいし、その他の方法を採用してもよい。
【0037】
・実験方法
図1として示した実験データは以下の方法により得た。即ち、下記表1に記載の組成を有するセメントクリンカーに対して、SO量で2重量%となるように、二水セッコウと半水セッコウの比率を1:1として添加しセメント組成物を試製した。なお、セメント組成物の粉末度は、ブレーン比表面積で3250〜3330cm/gに調整した。
【0038】
セメント組成物中のフリーライムの含有量はセメント協会標準試験方法の遊離酸化カルシウムの定量方法で求めた。
【0039】
各セメント組成物に対し、ポリカルボン酸系の分散剤(PC)を0.4重量%添加した。なお、分散剤添加率はセメント重量に対する固形分純分換算である。
【0040】
見かけ粘度は水/セメント組成物(PCを含む)の比を0.32として、10分間練り混ぜたペーストを応力制御型回転二重円筒粘度計(HAAKE社製、RT20 Z41 TI)によって測定した。測定プログラムをせん断応力が0Pa−200Pa−0Pa(1サイクル5分)となるように設定し、せん断応力200Paにおける見かけ粘度を求めた。
【0041】
【表1】

【0042】
図2として示した実験データは以下の方法により得た。即ち、純水35gを入れた容器に3.5gの試料(セメント組成物)を入れ、振とう機で10分間振とう攪拌した後、速やかに吸引ろ過した。得られたろ液に水と1N−HClを加え、2倍希釈および中和した。この希釈中和溶液をさらに2倍希釈した後、液中のアルカリ(K及びNa)濃度をICP分光分析装置にて測定した。溶出したアルカリ成分の量から、セメント組成物中に含まれるアルカリ成分のうちのどの程度の割合が溶出したかを算出した(重量百分率)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】セメント組成物中のf−CaO含有量の違いによる、CA量と見かけ粘度との関係を示す図。
【図2】セメント組成物中のf−CaO含有量と、アルカリ成分の溶出割合の関係を示す図。
【図3】本発明の実施態様の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施態様の他の例を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントクリンカーとセッコウを含んでなるセメント組成物の製造方法であって、セメントキルンでセメントクリンカーを焼成した後、最終的なセメント組成物を得るまでのいずれかの段階で、セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物中のフリーライムの含有量を計測し、該計測の結果から、当該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物から得られるセメント組成物が、0.5質量%以下に定められた所定値を超えるフリーライムを含有すると予測される場合には、最終的なセメント組成物中のフリーライム含有量を前記所定値以下とするための追加的な操作を該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して行うことがその製造工程に組み込まれていることを特徴とするセメント組成物の製造方法。
【請求項2】
最終的なセメント組成物中のフリーライム含有量を所定値以下とするための、セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対する追加的操作が、該セメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物に対して、フリーライム含有量が所定値未満のセメントクリンカー及び/又はセメントクリンカーを含む組成物を混合する操作である請求項1記載のセメント組成物の製造方法。
【請求項3】
セメントクリンカーとセッコウを含んでなるセメント組成物の製造方法であって、セメントクリンカー中のフリーライム含有量を計測し、該計測の結果、当該セメントクリンカーをそのまま使用してセメント組成物を製造すると、得られるセメント組成物中のフリーライム含有量が0.5質量%以下に定められた所定値を超えると予測される場合には、下記(a)又は(b)の少なくとも何れか一方の操作をさらに行うことが製造工程に組み込まれていることを特徴とするセメント組成物の製造方法。
(a)フリーライム含有量が少ない他のセメントクリンカーを混合する
(b)セメントクリンカーを再度セメントキルンで焼成する
【請求項4】
3CaO・Al含有量が7〜11質量%のセメント組成物の製造方法である請求項1乃至3記載のセメント組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−285370(P2008−285370A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133240(P2007−133240)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)