説明

セメント製造方法及び装置

【課題】セメント製造装置の安定運転を図りつつ、セメント中の有害物質の量を管理基準値以下に維持しながら、重金属等の有害な揮発性成分を回収・無害化することのできるセメント製造方法等を提供する。
【解決手段】塩素バイパスシステム20で濃縮された揮発性成分を抽出し、抽出した揮発性成分のうち、塩素バイパスシステムを備えたセメント製造装置1で製造されるセメントに添加した場合に、該セメントが含有する揮発性成分の許容値以内となる量の揮発性成分をセメントに添加し、セメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、許容値を超えることとなる揮発性成分を揮発性成分回収・無害化装置30で回収するか、無害化する。塩素バイパスシステムで回収した塩素バイパスダストを溶解槽7で水に溶解させ、溶解液から揮発性成分としての重金属を浮選装置8で回収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント製造方法及び装置に関し、特に、セメント装置の安定運転を確保するとともに、セメント中の有害物質の量を管理基準値以下に維持しながら、重金属等の有害な揮発性成分を回収・無害化する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素等を除去するため、セメントキルンのキルン尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気して塩素の除去等を行う塩素バイパスシステムが用いられている。この塩素バイパスシステムでは、抽気した排ガスを冷却して生成したダストの微粉側に塩素が偏在しているため、ダストを分級機によって微粉と粗粉とに分離し、粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、分離された塩化カリウム等を含む微粉(塩素バイパスダスト)を回収してセメント粉砕ミル系に添加していた。
【0003】
ところが、近年、廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる有害な塩素や鉛の量も増加し、セメント中の塩素のみならず、鉛等の濃度が管理基準値を上回るおそれもある。
【0004】
また、セメント製造工程には、鉛に加え、燃料としての石炭や廃タイヤから微量のタリウム(Tl)がもたらされる。このタリウムは、沸点が低いため、セメント焼成装置のキルンからプレヒータの間で揮発し、大部分がプレヒータにおいて濃縮される。その他、亜鉛、銅、銀、カドミウム等の重金属類についても、有害であることから、セメントの重金属類含有率を低下させる試みがなされている。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1には、廃棄物中の塩素分及び鉛分を効果的に分離除去するため、廃棄物の水洗工程と、ろ別した固形分のアルカリ溶出工程と、このろ液から鉛を沈殿させて分離する脱鉛工程と、脱鉛したろ液からカルシウムを沈殿させて分離する脱カルシウム工程と、このろ液を加熱して塩化物を析出させて分離回収する塩分回収工程とを有する廃棄物の処理方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、セメントキルン抽気ダストの脱塩素水洗液に含まれるセレン及び重金属を水質汚濁防止法にかかる排水基準値以下の0.1mg/l以下に処理するため、セメントキルン抽気ダストに水を加えてスラリー化した後、固液分離し、pH調整、重金属除去用キレート剤、高分子凝集剤等を添加するセメントキルン抽気ダストの処理方法が記載されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、廃棄物に含まれる鉛等の回収効果に優れた処理方法を提供するため、重金属を含む廃棄物を水洗処理したろ液に、硫酸、塩酸、硝酸又は炭酸ガスを加えてろ液中の重金属を水酸化物、硫酸塩又は炭酸塩として沈殿させ、沈殿スラッジをアルカリ浸出して重金属を溶出させ、そのろ液を中和乃至硫化処理し、ろ液中の鉛等の重金属を沈殿させて回収する方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−1218号公報
【特許文献2】特開2005−103476号公報
【特許文献3】特開2002−11429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載の廃棄物処理方法では、塩素バイパスダスト等の廃棄物の水洗工程を経て、硫化鉛を析出させてろ過するため、ろ過設備、及び硫化鉛の沈殿設備を必要とし、設備コスト及び運転コストが高くなるという問題があった。
【0010】
また、上記特許文献2及び3に記載の重金属を沈殿させて回収する方法では、高価なキレート剤、薬剤を添加するため、運転コストが高騰するという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、セメント製造装置の安定運転を図りつつ、セメント中の有害物質の量を管理基準値以下に維持しながら、重金属等の有害な揮発性成分を回収・無害化することのできるセメント製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、セメント製造方法であって、塩素バイパスシステムで濃縮された揮発性成分を抽出し、該抽出した揮発性成分のうち、該塩素バイパスシステムを備えたセメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、該セメントが含有する揮発性成分の許容値以内となる量の揮発性成分を該セメントに添加し、前記セメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、前記許容値を超えることとなる揮発性成分を回収するか、無害化することを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、塩素バイパスシステムによって、セメント製造装置のプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素等を除去してセメント製造装置の安定運転を図るとともに、塩素バイパスシステムで濃縮された揮発性成分を抽出し、前記セメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、前記許容値を超えることとなる揮発性成分を回収するか、無害化することにより、セメント中の有害な揮発性成分の量を管理基準値以下に維持し、重金属等の有害な揮発性成分を回収又は無害化することができる。
【0014】
前記セメント製造方法において、前記塩素バイパスシステムで回収した塩素バイパスダストを水に溶解させ、溶解液から前記揮発性成分としての重金属の回収を浮選によって行うことができる。これによって、ろ過設備、沈殿設備、高価な薬剤等を用いることなく、鉛、亜鉛、カドミウム、及びタリウム等の重金属を低コストで回収することができる。
【0015】
また、前記セメント製造方法において、前記浮選により前記揮発性成分としての重金属を回収した後の液体を、排水処理により無害化することができ、排水処理後の液体から塩素、カリウム、ナトリウム、臭素、及びルビジウムから選択される1以上の元素を回収することもできる。この際、前記液体に第一鉄化合物を添加することにより排水処理を行うことができる。
【0016】
前記セメント製造方法において、前記揮発性成分を、塩素、鉛、亜鉛、カドミウム、タリウム、カリウム、ナトリウム、臭素、ルビジウム及びセレンから選択される1以上の成分とすることができる。
【0017】
さらに、本発明は、セメント製造装置であって、塩素バイパスシステムと、該塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストを、該塩素バイパスシステムを備えたセメント製造装置で製造されるセメントに添加するための添加装置と、該塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストに含まれる揮発性成分を回収するか、無害化するための揮発性成分回収・無害化装置と、前記塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストを、前記添加装置又は前記回収・無害化装置に分配する分配手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
そして、本発明によれば、塩素バイパスシステムによって、セメント製造装置のプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素等を除去してセメント製造装置の安定運転を図り、塩素バイパスシステムで濃縮された揮発性成分を、揮発性成分回収・無害化装置に分配手段を介して分配し、セメント中の有害な揮発性成分の量を管理基準値以下に維持しながら、重金属等の有害な揮発性成分を回収又は無害化することができる。
【0019】
前記セメント製造装置において、前記揮発性成分回収・無害化装置は、前記溶解槽の後段に排水処理装置を備えることができ、有害な重金属を無害化して放流することができる。
【0020】
前記セメント製造装置において、前記揮発性成分を、塩素、鉛、亜鉛、カドミウム、タリウム、カリウム、ナトリウム、臭素、ルビジウム及びセレンから選択される1以上の成分とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明にかかるセメント製造方法及び装置によれば、セメント製造装置の安定運転を図りつつ、セメント中の有害物質の量を管理基準値以下に維持しながら、重金属等の有害な揮発性成分を回収・無害化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかるセメント製造装置の一実施の形態を示し、このセメント製造装置1は、セメントキルン2と、塩素バイパスシステム20を構成するプローブ3、サイクロン4及びバグフィルタ5と、塩素バイパスダストを一時的に貯蔵するダストタンク6と、重金属等の有害な揮発性成分を回収するか、無害化するための揮発性成分回収・無害化装置30を構成する溶解槽7、浮選装置8、ベルトフィルタ9、排水処理装置10、電析装置11及び晶析装置12等で構成される。
【0024】
塩素バイパスシステム20のプローブ3は、セメントキルン2のキルン尻から図示しない最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気するために設けられる。サイクロン4は、プローブ3で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するために設けられる。また、バグフィルタ5は、サイクロン4から排出された微粉を含む燃焼ガスを図示しない冷却装置によって冷却した後、微粉を回収するために設けられる。
【0025】
ダストタンク6は、バグフィルタ5で回収され、セメント製造装置1で製造されたセメントに添加することのできない塩素バイパスダストを、後段の揮発性成分回収・無害化装置30に供給するため、一時的に貯蔵する。
【0026】
次に、揮発性成分回収・無害化装置30の各構成要素について説明する。
【0027】
溶解槽7は、円筒状の本体に撹拌羽根を備え、ダストタンク6からの塩素バイパスダストを水に溶解させるために備えられる。また、この溶解槽7と浮選装置8の間の反応槽に硫化剤を添加するための硫化剤添加装置が設けられる。
【0028】
浮選装置8は、バブリング装置を備え、溶解槽7から供給されたスラリーを、鉛を含むフロスと、塩素分を含むテール側スラリーとに分離するために備えられる。
【0029】
ベルトフィルタ9は、浮選装置8の後段に、浮選装置8からのテールを固液分離し、塩素分を除去したケークと、塩素分、タリウム、セレン等の重金属類を含むろ液とを得るために備えられる。
【0030】
排水処理装置10は、ベルトフィルタ9からのろ液に含まれるタリウム、セレン等の重金属類を無害化するために備えられ、図示しない塩酸、塩化第1鉄、炭酸カリウム等の各々の添加装置を備える。
【0031】
電析装置11は、後段の晶析装置12で蒸発させる水量の低減と、KCl等の純度を高めるために備えられ、イオン交換膜を介して塩素を濃縮水側に、不純物としてのSO4を脱塩水側に移行させることができる。
【0032】
晶析装置12は、濃縮塩水中の溶質の結晶粒径を大きくして析出させ、図示しない遠心分離機を経て、工業的に有用なKCl等の無機材料を回収するために備えられる。
【0033】
次に、上記構成を有するセメント製造装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
【0034】
セメントキルン2のキルン尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路からの抽気ガスは、プローブ3において冷却ファン(不図示)からの冷風によって冷却された後、サイクロン4に導入され、粗粉と、微粉及びガスとに分離される。分離された塩素含有率の低い粗粉は、セメントキルン系に戻される。
【0035】
塩素含有率の高い微粉及びガスは、冷却器(不図示)によって冷却された後、バグフィルタ5によって集塵される。バグフィルタ5で集塵されたダスト(塩素バイパスダスト)は、車両等によってセメント粉砕工程及びダストタンク6に分配される。尚、車両に代えて、同様に機能する装置を設置してもよい。
【0036】
ここで、セメント粉砕工程及びダストタンク6への分配は以下の要領で行われる。塩素バイパスシステム20によって抽出した揮発性成分としての塩素について、セメント粉砕工程でセメントに添加した場合、該セメントが含有することのできる塩素の許容値は、250ppmであるため、セメントの塩素含有率が250ppmに以内となる量の塩素バイパスダストをセメント粉砕工程に輸送し、残りの塩素バイパスダストをダストタンク6に輸送する。尚、クリンカ中の鉛濃度が高い場合には、塩素に代えて、前記セメントが含有することのできる鉛の許容値を基準に、セメント粉砕工程及びダストタンク6への塩素バイパスダストの分配率を決定してもよい。
【0037】
次に、ダストタンク6からダストを抽出して溶解槽7に供給し、溶解槽7において水に溶解させ、溶解槽7内を硫酸によってpH調整し、スラリーに、溶解槽7と浮選装置8の間の反応槽に硫化剤添加装置から硫化剤としての水硫化ソーダ(NaSH)を添加する。水硫化ソーダを添加するのは、スラリーに含まれる塩化鉛等を硫化して硫化物として沈殿させるためである。この硫化によって硫化鉛(PbS)が生ずる。尚、水硫化ソーダの代わりに硫化ナトリウム(Na2S)を用いることもできる。
【0038】
さらに、前記スラリーには、浮選剤も添加する。浮選剤には、ザンセート基(R−O−CSNa)、ジオカルバミン酸基(R−NH−CS2Na)、又はチオール基(−SH)等を有する有機化合物重金属捕集剤等を用いることができる。
【0039】
溶解槽7からのスラリーは、浮選装置8に供給される。浮選装置8には、起泡剤を供給する。起泡剤には、MIBC(Methyl Isobutyl Carbinol)等を用いることができる。浮選装置8には、さらに、空気が供給され、スラリーは、浮選操作によって、鉛、タリウム、カドミウム、亜鉛等硫化剤と反応する成分を含むフロスと、塩素分、カリウム、ナトリウム、臭素、ルビジウム、セレン等硫化剤と反応しない成分を含むテール側スラリーとに分離される。
【0040】
フロスに含まれる鉛は、山元に還元するなどして再利用する。一方、浮選装置8からの塩素等を含むテール側スラリーは、ベルトフィルタ9によって固液分離する。ここで、塩素分が除去された固形分としてのケーキには、溶解槽7で添加した硫酸と、塩素バイパスダストに含まれるカルシウム分とが反応して生成された石膏(CaSO4・2H2O)が含まれる。このケーキをセメント粉砕工程へ戻し、石膏をセメント製造に利用する。尚、このケーキにはセレン等も含まれる。
【0041】
次に、分離されたろ液を排水処理装置10において処理し、無害化する。排水処理装置10において、重金属類の鉄による共沈効果を利用し、まず、母ろ液に塩酸を添加してpHを4以下とした後、塩化第1鉄を添加し、2槽目でpH調整剤を添加してpHを8.5〜11.0とし、生成した沈殿物をフィルタプレス等でろ過してセレン等の重金属類を無害化する。
【0042】
また、排水処理装置10において、後段の電析装置11の閉塞を防止するため、ろ液中のカルシウムを除去する。除去にあたっては、重金属を除去した後の液体に炭酸カリウムを添加して、生成した沈殿物をフィルタプレス等でろ過する。
【0043】
排水処理装置10において最終的に得られたろ液を電析装置11に供給し、イオン交換膜によって、塩素を濃縮水側に濃縮するとともに、不純物としてのSO4を脱塩水側に移行させ、塩の純度を向上させる。
【0044】
次に、晶析装置12において、濃縮塩水を加熱し、結晶化を行い、KCl等を回収する。KClの他には、ナトリウム、臭素、ルビジウム等を回収することができる。尚、電析装置11で濃縮した塩水を晶析装置12に供給せずに放流することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明にかかるセメント製造装置の一実施の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 セメント製造装置
2 セメントキルン
3 プローブ
4 サイクロン
5 バグフィルタ
6 ダストタンク
7 溶解槽
7a 硫化剤添加装置
8 浮選装置
9 ベルトフィルタ
10 排水処理装置
11 電析装置
12 晶析装置
20 塩素バイパスシステム
30 揮発性成分回収・無害化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素バイパスシステムで濃縮された揮発性成分を抽出し、
該抽出した揮発性成分のうち、該塩素バイパスシステムを備えたセメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、該セメントが含有する揮発性成分の許容値以内となる量の揮発性成分を該セメントに添加し、
前記セメント製造装置で製造されるセメントに添加した場合に、前記許容値を超えることとなる揮発性成分を回収するか、無害化することを特徴とするセメント製造方法。
【請求項2】
前記塩素バイパスシステムで回収した塩素バイパスダストを水に溶解させ、溶解液から前記揮発性成分としての重金属の回収を浮選によって行うことを特徴とする請求項1に記載のセメント製造方法。
【請求項3】
前記揮発性成分としての重金属は、鉛、亜鉛、カドミウム、及びタリウムから選択される1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント製造方法。
【請求項4】
前記浮選により前記揮発性成分としての重金属を回収した後の液体を、排水処理により無害化することを特徴とする請求項2又は3に記載のセメント製造方法。
【請求項5】
前記排水処理後の液体から塩素、カリウム、ナトリウム、臭素、及びルビジウムから選択される1以上の元素を回収することを特徴とする請求項4に記載のセメント製造方法。
【請求項6】
前記排水処理を、前記液体に第一鉄化合物を添加することにより行うことを特徴とする請求項4又は5に記載のセメント製造方法。
【請求項7】
前記揮発性成分は、塩素、鉛、亜鉛、カドミウム、タリウム、カリウム、ナトリウム、臭素、ルビジウム及びセレンから選択される1以上の成分であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のセメント製造方法。
【請求項8】
塩素バイパスシステムと、
該塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストを、該塩素バイパスシステムを備えたセメント製造装置で製造されるセメントに添加するための添加装置と、
該塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストに含まれる揮発性成分を回収するか、無害化するための揮発性成分回収・無害化装置と、
前記塩素バイパスシステムで抽出された塩素バイパスダストを、前記添加装置又は前記回収・無害化装置に分配する分配手段とを備えることを特徴とするセメント製造装置。
【請求項9】
前記揮発性成分回収・無害化装置は、前記溶解槽の後段に排水処理装置を備えることを特徴とする請求項8に記載のセメント製造装置。
【請求項10】
前記揮発性成分は、塩素、鉛、亜鉛、カドミウム、タリウム、カリウム、ナトリウム、臭素、ルビジウム及びセレンから選択される1以上の成分であることを特徴とする請求項8又は9に記載のセメント製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−24537(P2008−24537A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197055(P2006−197055)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)