説明

セメント質化粧材と積層材

セメント質化粧材及び積層複合材が提供される。セメント質積層複合材は、基材(10)、基材(10)に塗布されたプライマー層(20)であって、ポリビニルアルコール触媒とポルトランドセメントと砂の混合物を含んでなるプライマー層(20)と、プライマー層(20)に塗布された化粧材層(30)であって、硫酸マグネシウムと充填材と酸化マグネシウムと石膏セメントとポリビニルアルコール触媒の混合物を含んでなる化粧材層(30)を含む。ポリビニルアルコール触媒は水に溶解し炭酸ブチレンと混合したポリビニルアルコール繊維の混合物を含む。化粧材層(30)はスプレー及び手作業の伸展を含む手段によって基材(10)とプライマー層(20)に塗布される。化粧材層(30)に化粧材層(30)の養生の前か後に装飾細工を施すことができる。化粧材層(30)配合物は建築用途に使用される積層タイル材に成形することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は装飾用表面コート材に係り、より詳しくは、セメント質化粧材を含有せしめた耐久性のある表面コート材に関する。
【0002】
関連技術の説明
石、セメント、煉瓦、タイル品のような伝統的な建築材料は、その構造的一体性と美的外観の双方の点で長い間評価されてきた。これらの材料は典型的には重く扱いにくいので、これらの材料から作られた物や構造を正しく支持するためにしばしば特別な手段が採られてきた。不幸にも、既存の建物や他の構造物は必ずしもこのような物の重量に耐えることができるものではない。確かに、費用が嵩む補強フレーム、補強床材等々がそのような支持を確保するためにしばしば必要とされる。これらの構造が非常に多くのコストを要し、過度に複雑化された建築技術を必要とする場合もある。
【0003】
また、石、セメント、煉瓦、及びタイル(ここでは集合的に「メーソンリー」と呼ぶ)の材料コストはまた高い場合がある。従って、メーソンリーの外観を模倣する経済的な軽量表面コート材が実用品と装飾品の双方の外観を向上させるために使用されてきている。
【0004】
図1は従来の未コート表面10の斜視図である。構造上と美感上の双方の目的で、このような表面に表面コート又は被覆を施すことは従来からよく知られている。メーソンリーの外観を模倣するためになされている一般的な表面コートの例には、ビニル被覆、ファブリック、ペイント、プラスター(しっくい)、プラスチック(例えばCorian(商標))、及び他の人造材料、例えばFormica(商標)が含まれる。しかしながら、一般に、これらの材料は様々な欠点を有している。ビニル床仕上げ材及び壁装材は通常ゴムのような外観を付与し、典型的には模造品と認識できる。ファブリックとペイントはメーソンリーの表面外観を付与するようにプリントし又は塗布できるが、これらの材料はメーソンリーと比較するとかなり異なっているため、それらもまた模造品であると容易に見分けがつく。更に、ファブリックとペイントは比較的傷がつきやすく、多くの損耗に耐えられない。プラスターは上記の材料よりはメーソンリーに良く似たものとできるが、プラスターは比較的柔らかく、耐久性が不足し、欠けや亀裂を生じる。また、シートロック、プラスター及び石膏製品は、そのような壁張り用材に用いられる紙の裏張りが長期にわたって水や湿気と接触するとしばしば生じるクロパンカビの成長を受けやすい。
【0005】
メーソンリーの外観をもたらす軽量の耐久材の調査は、木材、金属、セメントファイバーボード、又はポリマー品のような適当な基礎材料に塗布しうるメーソンリーに似たコート材の開発に至った。例えば、装飾コンクリート面を製造する方法と装置が米国特許第5502941号に記載されている。そこに記載されているように、煉瓦又は敷石として見える装飾コートはエポキシ樹脂の耐水基部とファイバーグラスの織物で被覆されたエラストマー封止材(シーラント)からなりうる。ついで、セメント、砂、着色顔料及び接着樹脂の水溶液の第一のモルタル層が噴霧され又はコテで塗られる。第一層が硬化すると、グラウトラインのパターンを持つ型板が第一層の上に配され、対照的な色がグラウト煉瓦又は敷石の外観を付与するために使用される点を除いて第一層と同じ配合を有する第二モルタル層が塗られる。砂に対するセメントの比は、46ポンド袋の乾燥セメント/砂混合物当たり1.5から2ガロンの範囲のアクリル樹脂溶液と共に50:50として与えられる。
【0006】
米国特許第5447752号には、表面に装飾的セメント質パターンを形成する方法が記載されている。表面コート配合物は、セメント、砂、ポリマーバインダー及び水を含有する旨が記載されている。バインダーはアクリルラテックスポリマー、例えば水に入れられたスチレンブタジエンである。セメントは砂(30%−40%のセメント)と混合されて、100ポンドのセメント/砂に対して2から3ガロンのバインダー液の範囲の量でバインダー液と混合される混合物が形成される。既存の表面に塩酸でエッチングが施され、ブラシがかけられ、スプレー洗浄がされる。所望のパターンを有する型が表面に配され、表面コート配合物の層が、スプレー又は手作業での伸展により型の開口中に適用される。
【0007】
米国特許第3592724号は、改善された水蒸気不浸透性を有する壁、床、天井及びプラスターボードを形成するのに有用なスルホン化ポリマーのセメント質積層材を記載している。そこに記載されているところでは、積層材は、表面スルホン化水不溶性樹脂性フィルムと該フィルムの少なくとも一面に付着する無機セメント質材料から本質的になる。一側面では、水硬性セメントが壁に塗られ、スルホン化フィルムがその塗られた壁に接着される。積層壁は石膏プラスターのコートで仕上げてもよい。
【0008】
一般に、セメント質積層材を製造するための現在知られている方法は、ある不具合を有している。その不具合には、費用が嵩み複雑なプロセス、及び/又は重く使用と据え付けが困難な積層材の製造が含まれる。現在の技術の更なる不具合は、製造される積層材が、多くの工業的又は家庭での使用環境に十分な耐擦過性、耐火性、又は耐水性の表面を特徴としていないことである。また、利用できる薄いセメント又はコンクリート化粧材は、比較的大きなサイズの骨材を使用しているために本来的に脆い;これらの骨材による脆さと亀裂の問題を是正するためにポリマーを使用すると、外観が過度にプラスチック的又は樹脂的である化粧材となってしまうことがよくある。現在のセメント及びコンクリート製造方法に伴う更に他の欠点は、それらが一般にかなりの汚染を生じ、環境に重大な影響を及ぼすことである。
【0009】
従って、メーソンリーの外観と機能を模倣するために使用できる経済的で軽量かつ耐久性のあるコート材を製造する方法を提供することが望ましい。
更に、現在の環境維持問題を満足させる安価で好ましくはリサイクルされる材料を利用するセメント質積層材及び化粧材を製造することが望ましい。
現在の薄いセメント化粧材に伴う脆さの問題を防止するために微小骨材(micro-aggregates)を利用することを特徴とするセメント質化粧材を製造することがまた更に望ましい。
建築用途に使用するために軽量の輸送可能なパネルに直ぐに形成可能なセメント質化粧材を製造することがまた望ましい。
【0010】
発明の概要
セメント質積層複合材及び該複合材を適用する方法が提供される。セメント質積層複合材は、基材と、基材に塗布されたプライマー層であって、ポリビニルアルコール触媒とポルトランドセメントと砂の混合物を含んでなるプライマー層と、プライマー層に塗布された化粧材層であって、硫酸マグネシウムとフィライトと酸化マグネシウムと石膏セメントとポリビニルアルコール触媒の混合物を含んでなる化粧材層とを含む。プライマー及び化粧材層中のポリビニルアルコール触媒は水に溶解され炭酸ブチレンと混合されたポリビニルアルコール繊維の混合物を含む。プライマー層は基剤に塗布されて、化粧材層を基材に結合させる接着表面を提供する。化粧材層は、スプレー及び手作業での伸展を含む手段によって基剤及びプライマー層に塗布される。化粧材層には、硬化の前又は後の何れかに装飾細工を施すことができる。セメント質積層複合材はプライマー及び化粧材層を形成するために使用される物質を含むキットとして提供することができる。化粧材配合物は建築用途に使用するための積層タイル材又はパネル材に形成することができる。
【0011】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面と以下の詳細な説明から明らかであろう。
本発明を、実施例によって、また限定するものではない添付図面によって例証するが、図中、同じ参照番号は同じ部材を示す。
【0012】
好適な実施態様の説明
本発明の実施態様は、経済的で軽量の非常に耐久性があり多用途であるセメント質のメーソンリーのような化粧材表面を提供する。セメント質化粧材は様々な色と質感で直ぐに提供することができる。また、多くの所望の外観を達成するために、成形し、型で成形し、サンドがけし、及び/又は研磨できる。
本発明の実施態様はまた天然のメーソンリーの外観、感触及び耐久性の正確な模倣をもたらす。本発明のセメント質化粧材は欠け、ガウジング及び亀裂に抗する十分な強度を有するが、更なる支持を必要としないで所望の物品を被覆するのに十分に軽量である。また、ここに記載するセメント質化粧材は有利な耐熱及び耐水特性を特徴とし、様々な異なった建築及び仕上げ用途に使用するのに適したものである。
【0013】
好適な実施態様では、ここに記載のセメント質積層材は接着又はプライマー層で被覆された基材層を含み、その上にセメント質化粧材層が塗布される。基材はセメント質化粧材に対する堅牢な支持構造を提供し、接着層はセメント質化粧材層の基材への接着を助ける。セメント質化粧材層は自然のメーソンリー材料の外観を特徴とするセメント質積層材の外層を含む。
【0014】
基材層
セメント質化粧材は、メーソンリーのような仕上げが望まれる任意の適当な基礎の表面を被覆するために塗布することができる。基礎の支持体表面は基材を含んでなり、これがその上に第一(プライマー)層及び第二(セメント質化粧材)層が配されるベース建築材料となり、平坦又は湾曲したものなど、一般に任意の形状をとり得る。最適な結果を得るには、基材は剛性で、非通気性材料でなければならない。図2は第一層20が塗布される基材層10を例示している。
【0015】
本発明の好適な実施例では、基材10はハニカム構造の段ボール、例えばPactiv社のHexacomb(商標)を含んでなる。これは、軽量、可撓性、強度、据え付けの容易性の所望の特徴をもたらす。ハニカムのサイズに応じて、この基材の強度等級は8psi(平方インチ当たりのポンド)から60psiの範囲でありうる。セメントファイバーボード、例えばU.S. Architectural Products社製のPlycem(商標)及びHardi社のHardi(商標)バックボードを含む他のファイバーボードもまた基材に使用することができる。
【0016】
他の好適な材料には、金属、メーソンリー、ファイバーグラス、石膏ボード、メーソナイト(Masonite)(登録商標)、プラスチック、セラミック、セメントファイバーボード、他のタイプのファイバーボード、及び他の一般的な建築材料が含まれる。木材もまた基材材料として使用することができ、好ましくは満足できる非通気性を示す撓まない硬材(広葉樹)でありうる。
【0017】
接着/プライマーコート層
図2に示されるように、第一ベース層20が基礎の基材表面10に塗布される。この層の塗布のためには、基礎の基材表面は清浄で乾燥していなければならない。最適な結合表面を提供するために、基礎の表面はエッチング又はサンディング(研磨)によって準備することができる。当業者に知られている接合のための任意の表面準備法をここで使用することができる。
【0018】
この第一ベース層20は、最終のセメント質化粧材層を基材に接着させる補助をなすアンダーコートとして作用する「プライマー層」又は「スクラッチコート」とも呼ばれる接着層である。本発明の一実施例では、プライマー層はポリビニルアルコール(PVA)触媒、ポルトランドセメント、及び樹脂コート砂の混合物を含む。混合物は、体積基準で、1.5%〜3.6%のポルトランドセメントと、68%〜75%の樹脂コート砂と、それぞれ16:1の比で炭酸ブチレンを混合した29%〜30%のポリビニルアルコールポリマーとを混合することにより製造される。ポリビニルアルコールポリマーは、16部の水に対してPVA繊維1部のおよその比で水にポリビニールアルコール繊維の所定量を溶解させることによって製造される。炭酸ブチレンと混合すると、ポリビニルアルコールポリマーはポリビニルアルコール触媒(PVA触媒)を生成する。
【0019】
接着コート層におけるこれらの成分の相対割合の例示を提供する配合例を以下に記載する:
炭酸ブチレンを16:1で混合したポリビニルアルコールポリマー8オンス、ここでPVAポリマーは30−40グラムのPVA繊維を16−20オンスの蒸留水に溶解させることによって製造される
ポルトランドセメント(例えばLehigh(商標)ポルトランドセメント#1及び#2)0.40から0.80オンス
樹脂コート砂(例えばBorden(商標)シェルプロセス樹脂コート砂)15から20オンス
【0020】
プライマー層の成分を一緒に混合して、任意の適当な塗布手段、例えばブラシ、コテ、又はスプレーを使用して基材表面に塗布する。一回での処理量に応じて、硬化(養生)時間は室温で典型的には3から5時間の間である。これは制御された熱環境下では1〜2時間まで低減できる。
【0021】
接着層のPVAポリマー成分は、16:1のおよその比で沸騰水、好ましくは蒸留水に溶解した再構成ポリビニルアルコール繊維から入手できる。ポリビニルアルコール(PVA)は、ある種の医療品、例えば廃棄可能な診察着及び病院のベッドシーツの製造の副産物として一般に製造される屑繊維又は再粉砕繊維である。従って、それは安価な材料でありリサイクル材料として使用することが望ましい。United Cottonによって製造されるOrexの製品のISOLYSER系列に見出されるようなポリビニルアルコール再粉砕繊維は、ポリビニルアルコール繊維の好適な入手源の例である。あるいは、AIRVOL125ポリビニルアルコールはリサイクルPVA繊維の場合と同様の濃度で使用することができる。
【0022】
PVA触媒は、PVA繊維の溶解混合物(PVAポリマー)をJeffsol(登録商標)炭酸ブチレン(Huntsman社製)と、炭酸ブチレン1部に対してPVAポリマー16部の比で混合することによって製造される。これはPVA触媒の分子結合を強くするものである。PVA触媒のサンプルサイズの製造方法の例は次の通りである:16オンスの蒸留水を煮沸させ、沸騰水に40グラムのポリビニルアルコール繊維を加えてPVAポリマーを製造し、PVAポリマーを放置して冷却した後、混合物に10−15ccの炭酸ブチレンを加える。最良の結果を得るには、PVA繊維は、冷却と炭酸ブチレンの添加前に水に完全に又はほぼ完全に溶解させなければならない。
【0023】
他の実施例では、炭酸プロピレンを、完全に又は部分的にJeffsol炭酸ブチレンの代わりとして使用することもできる。この場合、炭酸プロピレンの割合は炭酸ブチレンについて記載した量を約25%増加させることが必要であろう。
上に記載した配合に示されるように、プライマー層はまた約2体積%から3体積%の少量のポルトランドセメントを含む。ポルトランドセメントは硬化した接着コート層の滑り性を低減させる。ポルトランドセメントと砂の混合はコンクリートを生じるが、セメントが多くないこの場合には、粗い又はザラザラした表面を形成する。
【0024】
樹脂コート砂はプライマー/接着層に添加される骨材である。PVA触媒と共に使用される場合、樹脂コート砂は触媒の吸収に抗する傾向がある。樹脂コート砂の代わりに、又はそれと組み合わせて、他の骨材、例えばパーライト、軽石、虫食い人工ポザロン(pozzalons)、及びフィライトフライアッシュを用いることができる。本発明において使用される骨材としては相対的に不活性な粗い材料と微細な材料の混合物が例示されるが、またかなり均一なサイズであってもよい。使用できる他の骨剤には、砂、砂利、ケイ石粉(シリカ)、ガラス、破砕石、例えば大理石、花崗岩、長石、玄武岩、石英等々が含まれる。しかしながら、好適な実施例では、樹脂コート砂又は耐水及び/又は耐油性を示す他の骨材、例えば石英が使用される。
【0025】
セメント質化粧パネルの熱分散特性を改良するために、接着層には、また、耐火セメントであるアルミニウム水和物のような充填材を含浸させることができる。アルミニウム水和物は樹脂コート砂と混合されて、顕著な熱分散特性を示す接着層をつくる。樹脂コート砂はまた他の材料、例えばパーライト、バーミキュライト、農業用又は通常の軽石、又はマイクロファイバー炭素繊維(例えばThermalgraphTMDXDX)と混合することができる。これらの材料もまた熱分散に寄与する。これらの任意の材料の何れかが接着層に使用される場合、砂の量を一般に対応する量だけ低減させることができる。これは積層材の重量を低減させるのに役立つ。パーライトを使用する場合、パーライトは、接着層混合物に添加する前に、ポリビニルポリマー配合物に最初に浸し、乾燥させた後、粒状にしなければならない。これは混合物からPVA触媒を吸収するその傾向を低減させる。
【0026】
本発明の他の実施例では、接着層はDryvit Systems社から商業的に入手できる材料であるPrimus(登録商標)を使用して、形成することができる。Primus(登録商標)は、54−62%の砂と26−28%の水と9.9−10.2%のアクリルラテックスポリマー/バインダーを含むと製造者によって説明されている。
【0027】
図2は本発明に係るプライマー層がコートされた基材表面10の斜視図である。プライマー層20を形成するための配合物は一緒に混合されて液体を生成する。この液体はスプレー又は手作業の伸展を含む手段によって、例えばブラシ又はコテを使用して塗布することができる。混合物の粘度はポリビニルアルコール触媒と骨材(例えば樹脂コート砂)の濃度に依存する。従って、粘度を表面への塗布を最適にするために調節することができる。例えば、スプレーによる塗布が望ましい場合には、比較的低粘度の混合物が調製される。より粘性のある混合物は手作業の伸展用に調製することができる。
【0028】
プライマー層混合物は養生(curing)及び硬化(hardening)の前に基礎となる基材材料表面に塗布される。ついで、混合物は硬化するまで養生される。混合物は、約1/16インチと約1/2インチの間の厚み、又は任意の他の所望の厚みを有する層を形成するのに十分な量で塗布することができる。
【0029】
本発明の一実施例では、プライマー層には、層内に埋め込んだ炭素繊維のような繊維を含めることができる。これはプライマー層の厚みと添加した繊維材料の量に応じて基材の耐火性及び耐熱性を増加させる。これは基材の強度をまた増加させることができる。改善された耐衝撃特性に対しては、PVA、ケブラー、又はファイバーグラスのような材料を接着層にファイバー又はメッシュの形態で添加することができる。
乾燥すると、プライマー層は、主として石膏セメントからなる第二層(セメント質化粧材層)のための良好な接着表面を提供する。
【0030】
セメント質化粧材層
セメント質化粧材層30は、図3に示されるように接着層に塗布されて、セメント質積層材が形成される。この化粧材層は軽量の基材にコンクリート又は鉱物表面の外観と感触をもたらす。本発明の一実施例では、セメント質化粧材層30は、他の成分と共に、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、充填材(例えばフィライト)、石膏セメント、及びポリビニルアルコール触媒の混合物を含む。セメント質化粧材層の二つの基礎的な成分はオキシ硫酸マグネシウム配合物とセメント質配合物である。これらの二つの成分の各々の更に詳細な説明は以下の説明において与える。
【0031】
オキシ硫酸マグネシウム配合物は、体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、47%〜54%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、8%〜11%の充填材(例えばフィライト)を混合することによって製造される。
オキシ硫酸マグネシウム配合物中のこれらの成分の相対割合の例を提供する配合例を次に提供する:
ヘキサメタリン酸ナトリウム(ポリメタリン酸ナトリウム)0.20−0.30オンス
75%〜85%の濃度のリン酸5cc−15cc
微粉末形態の硫酸マグネシウム(例えばEpsom塩)10オンス−13オンス
蒸留水3.7オンス−4オンス
酸化マグネシウム8オンス−10オンス
充填材3オンス−5オンス
【0032】
ヘキサメタリン酸ナトリウムは酸化マグネシウムに硫酸マグネシウムを付着させるキレート剤である。これは好ましくは3.7オンスの蒸留水に添加され、5から10分の間、低速度で混合される。リン酸はヘキサメタリン酸ナトリウムを溶解させ混合物全体にわたってそれを均一に分散させるように作用する。
【0033】
上に示されているように、およそ8体積%から11体積%の充填材がオキシ硫酸マグネシウム混合物に添加される。Trelleborg Fillite社製のフィライト(Fillite)500TMが充填材に適した成分である。上の例示的な混合物では、これは約4.0オンスのフィライトに相当する。フィライトは不活性で中空のケイ酸塩スフィア又は粒状のフライアッシュであり、骨材として作用し、化粧材の強度と耐水性を増大させる。フィライトの添加はまたオキシ硫酸マグネシウム混合物の流動及び成型特性を向上させる傾向がある。フィライトはそれが水和するまで混合物に添加され、10〜13オンスの硫酸マグネシウムが水和フィライトに添加される。この混合物に、約10オンスの酸化マグネシウムが添加されて、最終のオキシ硫酸マグネシウム配合物がつくられる。
【0034】
酸化マグネシウムに関して、Hills Brothers Chemicalによって製造されているもののようなMagoxTMがオキシ硫酸マグネシウム配合物での使用に適した成分である。標準等級のMagoxは、等級83WTGと同様に、適している。塩と混合したときに、この混合物は液体の弾性粘稠性を呈する。混合物はゆっくりと数時間混合するが、これは比較的長い養生時間のために可能である。
【0035】
オキシ硫酸マグネシウム配合物の上記第一混合物に、「セメント質配合物」と称される第二混合物を添加する。セメント質配合物は、体積で、1.2%〜1.9%のフィライトと、77%〜85%の石膏セメントと、13.5%〜14%の蒸留水と、1.25%〜2.5%のPVA触媒(ポリビニルポリマーと炭酸ブチレンを16:1で混合して形成)を一緒に混合することによって製造される。第二混合物におけるこれら成分の相対割合の例を提供する配合例を次に記載する:
0.5オンスの蒸留水で前もって水和させたフィライト500を0.25オンス
U.S.Gypsum製のハイドロストーン(登録商標)スーパーXのような石膏セメント11オンス
蒸留水1.8オンス
PVA触媒5ccで、ここでPVA触媒は16オンスの蒸留水に煮沸させ、冷却後、30ccの炭酸ブチレンと混合した40gのポリビニルアルコール繊維からなる。
【0036】
セメント質配合物は耐水特性を特徴とするポリマー層である。第一及び第二混合物は重量で3.25部の第二混合物(セメント質配合物)に対して2部の第一混合物(オキシ硫酸マグネシウム配合物)の割合で混合される。すなわち、体積基準で、オキシ硫酸マグネシウム配合物は組み合わせ物の61.5%を構成しなければならない。実際には、オキシ硫酸マグネシウム配合物の比は37%から69%の範囲とできるが、61.5%が最適比であることが見出されている。二つの混合物は低速で5−7分間混合されて、セメント質化粧材層混合物を構成する半液体配合物を生成する。セメント質化粧材層30はブラシがけ又はコテ塗りのような一般的な技術によって接着層20に塗布することができる。
【0037】
酸化マグネシウムは自然の状態で耐火性があるので、第一混合物中のオキシ硫酸マグネシウムはセメント質化粧材に耐火特性を付与する。同様に、ハイドロストーン・スーパーXの自然の耐水性はフィライトと混合したときにセメント質化粧材に有用な耐水特性を付与する。PVA触媒はまた耐水性に寄与する。
酸化物粉体又はペーストのような顔料はセメント質化粧材層30の混合物に所望の色を付与するために加えることができる。セメント/石膏に相容性のある当業者に知られている任意の顔料をここで使用することができる。
【0038】
乾燥過程の間、セメント質化粧材層の表面に、型を用いたエンボス加工(型押し)、プレス、スタンプ又は彫刻を含む手段によって装飾細工を施すことができる。
セメント質化粧材層は硬化した後に一般に仕上げがなされるが、所望される場合は、ウェット又はドライサンディングのような技術による研磨によって更に仕上げを施すことができる。セメント質化粧材は、それ自身が切断できる材料上にコートすることができる。セメント質化粧材層は基礎となる材料に沿って切断することができる。そのような場合、化粧材層は一般に欠けたり又は引っかかれたりせず、任意の粗い端は所望に応じて容易に研磨することができる。
【0039】
上述したように、プライマー層には、基材の耐火性及び耐熱性、並びに耐衝撃性及び強度を増大させるために層内に埋め込まれる炭素繊維のような繊維を含ませることができる。同様に、繊維はセメント質層30に添加することもできる。本発明の一実施例では、この層に添加される繊維は人造Zoltek1/2"細断繊維B.P.AmocoのThermalgraph CKDXからなる。ミルドファーバー、例えばPanex 33 MF0200又はThermalgraph DKDXもまた使用できる。ポリビニルアルコール繊維、例えばクラレ社製造のものもまた使用でき、コンクリート混合物への適用に使用される場合に有利であり、RF350x12mmが好ましいクラレ繊維である。
【0040】
本発明の他の実施例では、セメント質化粧材層に使用される蒸留水は米国特許第5711950号に記載されている方法によって製造されるか、又は米国特許第6033678号に記載されているマイクロクラスター水に置換することができる。このような水の使用はセメント質化粧材層中の成分をより完全に混合し、成分間の吸収を向上させることが見出された。実験的に、マイクロクラスター水の使用は100パーセントまで硬化(養生)したセメント質化粧材層の硬度を増大させることが見出された。セメント質化粧材層に使用する場合、プラスチック又はセラミックミキシングブレート及びボウルを、マイクロクラスター水の混合時に使用しなければならないが、これは金属表面がマイクロクラスター水分子の結晶構造にネガティブな影響を及ぼす可能性があるからである。
【0041】
図4は、セメント質化粧材層40内に繊維が埋め込まれている本発明の実施例を示す。この層の表面は滑らかになるように研磨することができ、又は図4に示すように埋め込まれた繊維の粒状パターンをさらすように未研磨のままにすることができる。養生前に、化粧材層40の表面は、成型(キャスティング)、エンボス加工又は他の類似の方法によって実質的に任意の表面に模倣させることが可能になる。図5は、繊維が接着層50とセメント質化粧材層40の双方に埋め込まれた実施例を示している。繊維は炭素繊維又はケブラー繊維、グラスファイバー、又は類似のタイプのファイバーでありうる。上述したパーセント量については、使用される繊維の量は3から7グラムのオーダーである。
【0042】
繊維の代わりに、麻のような他の強化材料をプライマー及びセメント質化粧材層の何れか又は双方に添加してもよい。例えば、Kenex社から入手可能な工業麻繊維は好適なタイプの麻である。補強材料の鉱化を改善するために、麻は石灰液、例えば消石灰及び水又はアルコールに浸漬してもよい。これは麻繊維を石灰化させ、セメント質化粧材の質感と均一性を改善する。
【0043】
主要な配合に加えて、硬度、及び耐水及び耐火性を改善するためにセメント質化粧材配合物に様々な割合で他の充填材及び/又は物質を添加することができ又は置換することができる。例えば、水酸化アルミニウムはセメント質配合物のセメント材料を増大させ補強する骨材であり、高い加熱温度に耐性がある。骨材は本来的に多孔形成性(porability)を増大させ、これは水酸化アルミニウムについてもまたしかりである。ホウ酸は、石膏並びにポリビニルアルコールと混合すると強い化合物をつくる穏やかな酸である。カリウムアルミニウムは塩であり、促進剤、硬化剤及び耐火助剤として作用する。これらを併せて使用すると、それらは互いを打ち消しあって、早すぎたり遅すぎたりする乾燥時間を必要としないで双方の恩恵をもたらす。セメント質化粧材に対する上記配合に推奨される量は、0.20から1.00オンスの水酸化アルミニウム、0.5から0.20オンスのホウ酸、0.5から20オンスのカリウムアルミニウムである。ある種の鉱物骨材、特に石英は、有利な耐水及び耐油性、並びに装飾性を示し、これはセメント質化粧材層に使用するのに有利な場合がある。
【0044】
ここに提供された実施態様と実施例は本発明の例示のためのものであることが理解されなければならない。当業者であればその実施態様と実施例に変更を施すことができると考えられ、それも本発明の範囲と精神内のものである。
例えば、上記の実施態様と実施例は第一(プライマー/接着)層と第二(セメント質化粧材)層を包含しているが、2より多い層を本発明に従って塗布することもできる。上述のベース混合物の更なる層を互いに積層することもできる。同様に、更なる装飾層を互いに積層することができる。実際、ベース層と装飾層を交互になるように互いに積層することができる。
【0045】
本発明の実施例に係るセメント質積層材の複合材はプライマー層とセメント質化粧材層を形成するのに必要とされる物質を含むキットとして提供することができる。そのような物質はプレミックスすることができ、又は使用者による混合用に供給することができる。キットには、プライマー層とセメント質化粧材混合物を混合し保存するための容器、並びに基材表面に層を塗布するための手段、例えばコテを含めることもまたできる。
【0046】
一般に、パネル材又はタイル材は、基材に接着層をコートし、ついで型内にセメント質化粧材層を加えることによって形成することができる。型には、セメント質化粧材パネルに装飾的外観又は機能的特徴を付与するために質感があるか又は成形した材料をライニングすることができる。例えば、粗い質感の型はタイルの把持又は牽引に役立つ粗面又はギザギザの面を付与しうる。同様に、光沢仕上げが望まれる場合には、型にクリアな上質皮紙のような材料をライニングすることができる。養生工程中にセメント質化粧材層を上質皮紙に接触させるとパネルに光沢が付与される。使用される基材材料のタイプに応じて、セメント質積層材はまたシートロックの製造と同様にシートに成形することもできる。
【0047】
上において、セメント質化粧材及び積層材を製造する方法を記載した。特定の例示的実施態様を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載の発明の精神及び範囲から逸脱しないでこれらの実施態様に様々な修正と変更を施すことができることは明らかであろう。従って、明細書と図面は限定の意味ではなく例示のものであるとみなされなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】先行技術に係る未コート基材表面の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るセメント質積層材のためのプライマー層でコートされた基材表面の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るプライマー層と基材に塗布された装飾セメント質化粧材の斜視図である。
【図4】本発明の第一の他の実施例に係る装飾セメント質化粧積層材の斜視図である。
【図5】本発明の第二の他の実施例に係る装飾セメント質化粧積層材の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント質積層材を形成するための複合材において、
剛性材料を含んでなる基材と;
基材に塗布されたプライマー層であって、ポリビニルアルコール触媒とポルトランドセメントと砂の混合物を含んでなるプライマー層と;
プライマー層に塗布された化粧材層であって、硫酸マグネシウムと充填材と酸化マグネシウムと石膏セメントとポリビニルアルコール触媒の混合物を含んでなる化粧材層と
を含んでなる複合材。
【請求項2】
基材が、段ボール、木材、金属、メーソンリー、ファイバーグラス、石膏ボード、メーソナイト(登録商標)、プラスチック、ファイバーボード、セメントファイバーボード、セラミックスからなる群から選択される、請求項1に記載の複合材。
【請求項3】
プライマー層が、体積基準で、1.5%〜3.6%のポルトランドセメントと、68%〜75%の樹脂コート砂と、16:1の比で炭酸ブチレンを混合した29%〜30%のポリビニルアルコールポリマーとを含む、請求項1に記載の複合材。
【請求項4】
炭酸ブチレンを混合したポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項3に記載の複合材。
【請求項5】
化粧材層が、体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、40%〜46%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、2.5%〜3.25%のフィライトから主としてなる第一混合物と、ハイドロストーンを主として含んでなる第二混合物を含む、請求項1に記載の複合材。
【請求項6】
第二混合物が、体積基準で、1.2%〜1.9%のフィライトと、77%〜85%のハイドロストーン・スーパーXと、13.5%〜14%の蒸留水と、1.25%〜2.5%のポリビニルポリマーと炭酸ブチレンの16:1混合物とを含む、請求項5に記載の複合材。
【請求項7】
ポリビニルアルコールポリマーと炭酸ブチレンの混合物が、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項6に記載の複合材。
【請求項8】
第一混合物と第二混合物を、第一混合物1部と第二混合物1.5部の比で混合した、請求項7に記載の複合材。
【請求項9】
化粧材層が、セメント質積層材の強度特性を増大させるために埋め込み繊維を更に含む、請求項6に記載の複合材。
【請求項10】
化粧材層が、セメント質積層材の外観特性を向上させるために顔料又は染料を更に含む、請求項6に記載の複合材。
【請求項11】
化粧材層に乾燥前に装飾細工が施される、請求項6に記載の複合材。
【請求項12】
プライマー層が基材に塗布されて化粧材層のための接着層が形成され、該プライマー層は約1/16インチと約1/2インチの間の厚みを有する、請求項4に記載の複合材。
【請求項13】
剛性材料を含んでなる基材を提供する工程であって、基材が、段ボール、木材、金属、メーソンリー、ファイバーグラス、石膏ボード、メーソナイト(登録商標)、プラスチック、ファイバーボード、セメントファイバーボード、セラミックスからなる群から選択される工程と;
基材の表面にプライマー層を塗布する工程であって、プライマー層がポリビニルアルコール触媒とポルトランドセメントと砂の混合物を含んでなる工程と;
プライマー層に化粧材層を塗布する工程であって、化粧材層が硫酸マグネシウムと充填材と酸化マグネシウムと石膏セメントとポリビニルアルコール触媒の混合物を含んでなる工程
を含んでなる、セメント質積層材を形成する方法。
【請求項14】
体積基準で、1.5%〜3.6%のポルトランドセメントと、68%〜75%の樹脂コート砂と、16:1の比で炭酸ブチレンを混合した29%〜30%のポリビニルアルコールポリマーとを混合してプライマー層のウェット配合物を生成する工程を更に含み、ここで、炭酸ブチレンを混合したポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、40%〜46%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、2.5%〜3.25%のフィライトから主としてなる第一混合物と、ハイドロストーン・スーパーXを主として含んでなる第二混合物を混合する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第二混合物が、体積基準で、1.2%〜1.9%のフィライトと、77%〜85%のハイドロストーン・スーパーXと、13.5%〜14%の蒸留水と、1.25%〜2.5%のポリビニルポリマーと炭酸ブチレンの16:1混合物を混合することにより製造され、ここで、ポリビニルアルコールポリマーと炭酸ブチレンの混合物が、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第一混合物と第二混合物を、第一混合物1部と第二混合物1.5部の比で混合する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化粧材層中に繊維を埋め込んでセメント質積層材の強度特性を増大させる工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
化粧材層に顔料を加えてセメント質積層材の外観特性を向上させる工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
化粧材層に乾燥前に装飾細工を施す工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
プライマー層を基材に塗布して、約1/16インチと約1/2インチの間の厚みの接着コートを形成し;
接着コートを少なくとも部分的に硬化させ;
接着コートの少なくとも部分的な硬化の後に化粧材層を接着コートに塗布し;
セメント質積層材をタイル材にする
工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
剛性材料を含んでなる基材であって、段ボール、木材、金属、メーソンリー、ファイバーグラス、石膏ボード、メーソナイト(登録商標)、プラスチック、ファイバーボード、セメントファイバーボード、セラミックスからなる群から選択される基材と;
基材に塗布されたプライマー層であって、ポリビニルアルコール触媒とポルトランドセメントと砂の混合物を含んでなるプライマー層と;
プライマー層に塗布された化粧材層であって、硫酸マグネシウムと充填材と酸化マグネシウムと石膏セメントとポリビニルアルコール触媒の混合物を含んでなる化粧材層と
を含んでなるセメント質積層材。
【請求項23】
プライマー層が、体積基準で、1.5%〜3.6%のポルトランドセメントと、68%〜75%の樹脂コート砂と、16:1の比で炭酸ブチレンを混合した29%〜30%のポリビニルアルコールポリマーとを含み、ここで、炭酸ブチレンを混合したポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項22に記載のセメント質積層材。
【請求項24】
化粧材層が、体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、40%〜46%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、2.5%〜3.25%のフィライトから主としてなる第一混合物と、体積基準で、1.2%〜1.9%のフィライトと、77%〜85%のハイドロストーン・スーパーXと、13.5%〜14%の蒸留水と、1.25%〜2.5%のポリビニルポリマーと炭酸ブチレンの16:1混合物を含む第二混合物を含む、請求項23に記載のセメント質積層材。
【請求項25】
ポリビニルアルコール触媒の混合物が、ポリビニルアルコール繊維を沸騰蒸留水に溶解させてポリビニルアルコール混合物を生成し、該ポリビニールアルコール混合物を炭酸ブチレンと、炭酸ブチレン1部に対してポリビニルアルコール混合物16部の比で混合することにより、製造される、請求項24に記載のセメント質積層材。
【請求項26】
第一混合物と第二混合物を、第一混合物1部と第二混合物1.5部の比で混合した、請求項25に記載のセメント質積層材。
【請求項27】
化粧材層が、セメント質積層材の強度特性を増大させるための埋め込み繊維と、セメント質積層材の外観特性を向上させるための顔料の少なくとも一を更に含む、請求項22に記載のセメント質積層材。
【請求項28】
硫酸マグネシウムと、酸化マグネシウムと、ヘキサメタリン酸ナトリウムと、リン酸と、水を含むオキシ硫酸マグネシウム配合物と;
オキシ硫酸マグネシウム配合物と混合されて、セメント質化粧材混合物を形成するセメント質配合物であって、石膏セメントと、充填材と、水と、ポリビニルアルコールポリマー混合物を含むセメント質配合物と
を含むセメント質化粧材。
【請求項29】
ポリビニルポリマー混合物が炭酸ブチレンと共に水中で煮沸されたポリビニルアルコール繊維を含む、請求項28に記載のセメント質化粧材。
【請求項30】
水が蒸留水である、請求項29に記載のセメント質化粧材。
【請求項31】
水がマイクロクラスター水である、請求項29に記載のセメント質化粧材。
【請求項32】
オキシ硫酸マグネシウム配合物がセメント質化粧材混合物を約60%含む、請求項29に記載のセメント質化粧材。
【請求項33】
オキシ硫酸マグネシウム配合物が、体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、40%〜46%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、2.5%〜3.25%のフィライトからなり、セメント質配合物が、体積基準で、1.2%〜1.9%のフィライトと、77%〜85%のハイドロストーン・スーパーXと、13.5%〜14%の蒸留水と、1.25%〜2.5%のポリビニルポリマーと炭酸ブチレンの16:1混合物からなる、請求項28に記載のセメント質化粧材。
【請求項34】
オキシ硫酸マグネシウム配合物と混合されてセメント質化粧材混合物を形成するセメント質配合物を含み、該オキシ硫酸マグネシウム配合物が、体積基準で、0.04%〜0.08%のヘキサメタリン酸ナトリウムと、75%〜85%濃度の0.06%〜0.17%のリン酸と、40%〜46%の硫酸マグネシウムと、30%〜35%の酸化マグネシウムと、1.3%〜1.4%の蒸留水と、2.5%〜3.25%のフィライトからなり、セメント質配合物が実質的にフィライトからなる、セメント質化粧材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−513058(P2006−513058A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565745(P2004−565745)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/041382
【国際公開番号】WO2004/061253
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505243250)
【Fターム(参考)】