説明

セラミックスラリー組成物及びセラミックグリーンシート

【課題】シートアタックや経時安定性の問題を解決することができ、かつ、脱脂工程等を行う用途に使用する場合であっても、分解残渣が極めて少ないセラミックスラリー組成物及び該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシートを提供する。
【解決手段】セラミック粉末、少なくともビニルアルコール単位、アセタール単位、アセラル単位で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂及び臭素を含有しないエポキシ樹脂を含有し、前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、2〜15重量部であるセラミックスラリー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートアタックや経時安定性の問題を解決することができ、かつ、脱脂工程等を行う用途に使用する場合であっても、分解残渣が極めて少ないセラミックスラリー組成物及び該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリビニルアセタール樹脂は、強靭性、造膜性、顔料等の無機粉体や有機粉体の分散性、塗布面への接着性に優れていることから、種々の用途に利用されている。
具体的なポリビニルアセタール樹脂の用途としては、例えば、インクやコンデンサ等のバインダーが知られており、なかでも積層セラミックコンデンサ等の積層電子部品の材料として多く用いられている。
【0003】
このような積層電子部品は、一般的には次のような工程を経て製造されている。まず、ポリビニルアセタール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等の有機バインダー樹脂を、有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミルやジェットミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーターなどを用いて、離型処理したPETフィルム又はSUSプレート等の支持体面に流延成形する。これを加熱等により溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
【0004】
次に、得られたセラミックグリーンシート上に、パラジウム、銀、ニッケル等の導電材を含有する電極層用ペーストを所定パターンで印刷する。得られた印刷後のセラミックグリーンシートを複数枚重ねて積層し、プレス切断工程を経てセラミックグリーンチップを得る。そして、得られたセラミックグリーンチップ中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面等に外部電極を形成する工程を経て積層電子部品を製造する。
【0005】
一方で、積層電子部品については近年更なる小型化、大容量化が求められており、セラミックグリーンシートについても、より一層の多層化、薄層化が検討されている。
しかしながら、近年の積層セラミックコンデンサの薄層化に伴い、シート強度が必要となるだけでなく、電極層用ペーストを印刷する工程において、電極層用ペーストに含まれる溶剤によって、セラミックグリーンシートが侵食される、いわゆるシートアタックという現象が発生していた。シートアタックが発生すると、セラミックグリーンシートの厚みが不均一になったり、セラミックグリーンシートが破れてしまったりする等の問題が生じていた。
【0006】
このようなシートアタックの問題を解決するため、特許文献1には、セラミックグリーンシート形成用のスラリー組成物に含まれる有機バインダーとして、熱硬化性アクリル樹脂を用いる技術が開示されており、加熱後のグリーンシート上に溶剤を含有する電極層用ペーストを印刷しても溶剤によるシートアタックの影響を受けにくいとしている。
しかしながら、このような方法では比較的長い時間の加熱が必要となり、効率良くセラミックグリーンシートの硬化を行うことができず、シート強度が不足するという問題があった。また、層間密着力が不充分となり、デラミネーションの問題を引き起こすおそれもあった。
【0007】
一方で、特許文献2には、シート状成形体上に樹脂層を形成することにより、グリーンシートを製造する方法が開示されている。
また、特許文献3には、グリーンシートに導電層(内部電極層)を形成した後、グリーンシート及び導電層上に硬化性樹脂層を形成する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、従来の製造工程に加えて、樹脂層の形成工程を別途行う必要があり、工程が煩雑となって生産効率の低下を招くという問題があった。
また、樹脂層の形成に起因して、デラミネーションを引き起こすという問題や、脱脂処理時の熱分解性が低下するという問題が新たに生じていた。
加えて、セラミックグリーンシートのセラミック粉末の材料として一般的に用いられているチタン酸バリウムは、セラミックスラリーの状態で時間が経過すると、粘度が上昇しやすく経時安定性に劣るという問題も生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−66852号公報
【特許文献2】特開2002−127117号公報
【特許文献3】国際公開2010/035461号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記現状に鑑み、シートアタックや経時安定性の問題を解決することができ、かつ、脱脂工程等を行う用途に使用する場合であっても、分解残渣が極めて少ないセラミックスラリー組成物及び該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、セラミック粉末、少なくとも下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びエポキシ樹脂を含有し、前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、2〜15重量部であるセラミックスラリー組成物である。
【0011】
【化1】

式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
以下に本発明を詳述する。
【0012】
本発明者らは、セラミック粉末、所定の構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂、及び、所定量のエポキシ樹脂を含有するセラミックスラリー組成物を用いることで、シートアタック、経時安定性等の問題を解決することができ、仮焼成工程(脱脂工程)を行う際の分解残渣を減らすことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
本発明に記載のセラミックスラリー組成物は、セラミック粉末を含有する。
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等があげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0014】
本発明のセラミックスラリー組成物は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、少なくとも下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位を有する。
【0015】
【化2】

式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
【0016】
上記ポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(1)で表されるビニルアルコール単位の含有量の好ましい下限は17モル%、好ましい上限は40モル%である。上記一般式(1)で表されるビニルアルコール単位の含有量が17モル%未満であると、エポキシ樹脂との相溶性が悪化することがあり、40モル%を超えると、溶解時に使用する有機溶剤に対する溶解性が低下することがある。
【0017】
上記ポリビニルアセタール樹脂において上記一般式(2)で表されるアセタール単位の含有量の好ましい下限は35モル%、好ましい上限は80モル%である。上記一般式(2)で表されるアセタール単位の含有量が35モル%未満であると溶解時に使用する有機溶剤に不溶となることがあり、80モル%を超えると残存水酸基量が少なくなって得られる架橋ポリビニルアセタール樹脂の強度が低下することがある。
なお、本明細書においてアセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を計算する。
【0018】
本発明では、後述するように、エポキシ樹脂を添加するため、上記ポリビニルアセタール樹脂としては、アセトアセタール基(上記一般式(2)のRがメチル基)を含有するポリビニルアセタール樹脂を用いることが好ましい。
【0019】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ブチルアルデヒドでアセタール化された部分とアセトアルデヒドでアセタール化された部分との割合(ブチラール基/アセトアセタール基)が0/10〜8/2であることが好ましい。これにより、セラミックスラリー組成物の粘度の安定性が向上することとなる。
【0020】
上記ポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(3)で表されるアセチル単位の含有量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は25モル%である。上記範囲を超えると、原料のポリビニルアルコールの溶解性が低下し、アセタール化反応が困難となる。
【0021】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度の好ましい下限が300、好ましい上限が4000である。上記重合度を上記範囲内とすることにより、セラミックグリーンシートは、シート強度と耐シートアタック性に優れたものとなる。
【0022】
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、酸触媒の存在下でポリビニルアルコールの水溶液、アルコール溶液、水/アルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
【0023】
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとをそれぞれ単独で用いるか、又は、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとを併用することが好ましい。
【0024】
上記酸触媒としては特に限定されず、有機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
【0025】
上記アセタール化の反応を停止するために、アルカリによる中和を行うことが好ましい。上記アルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて得られたポリビニルアセタール樹脂を洗浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水で行うことがより好ましい。
【0026】
本発明のセラミックスラリー組成物は、エポキシ樹脂を含有する。
ポリビニルアセタール樹脂をバインダーとして使用する際に、エポキシ樹脂を可塑剤として使用することにより、シート強度が高く、かつ、耐シートアタック性に優れたものとすることができる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、一分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。また、上記エポキシ樹脂は、例えば、シリコーン骨格、ウレタン骨格、ポリイミド骨格、ポリアミド骨格等を有していてもよい。
【0027】
上記エポキシ樹脂としては、一分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を使用することができ、具体的には例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、及び、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等のグリシジエルエーテル型エポキシ樹脂や、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート及びテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、上記エポキシ樹脂は、含有する全ハロゲン量が1000ppm以下であることが好ましい。全ハロゲン量が1000ppmを超えると、熱分解性が悪化したり、また得られた積層セラミック部品に電圧をかけた場合、イオン成分が多いためにショートすることがある。
【0028】
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量の好ましい下限は150、好ましい上限は300である。上記エポキシ樹脂のエポキシ当量が150未満もしくは300を超えると、エポキシ樹脂の極性とポリビニルアセタール樹脂の極性の差が大きく異なり、相分離することがある。
【0029】
また、上記エポキシ樹脂は液状タイプのものが好ましい。上記エポキシ樹脂が液状タイプである場合、ブルックフィールド粘度計を用いて、50℃、100rpmの条件で測定した粘度の好ましい上限は2000mPa・sである。上記粘度が2000mPa・sを超えると、セラミックスラリー組成物の粘度が上昇したり、経時での粘度安定性に欠けたりすることがある。
【0030】
上記エポキシ樹脂の添加量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して2〜15重量部である。上記エポキシ樹脂の含有量が2重量部未満であると、耐シートアタック性が不充分となり、上記エポキシ樹脂の含有量が15重量部を超えると、熱分解性が低下して、分解残渣が多量に残ったり、セラミックスラリー組成物が溶液状態で増粘してしまい成形できなくなったりする。上記エポキシ樹脂の添加量の好ましい下限は4重量部、好ましい上限は10重量部である。
【0031】
本発明のセラミックスラリー組成物は、エポキシ樹脂を含有しているが、特に硬化剤を添加する必要はない。上記硬化剤の含有により、セラミックスラリー組成物の段階で増粘したり、セラミックグリーンシートの脱脂工程において分解残渣が多くなったりする等の不具合を生じることがあるが、本発明では、硬化剤を添加しないことでこのような不具合を防止することができる。
【0032】
本発明のセラミックスラリー組成物には、必要に応じて、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、充填剤等を適宜添加してもよく、場合によってはアクリル樹脂やウレタン樹脂等の他樹脂を少量添加してもよい。
【0033】
本発明のセラミックスラリー組成物では、上記ポリビニルアセタール樹脂及びエポキシ樹脂を含有することにより、シート強度及び耐シートアタック性に優れたセラミックグリーンシートが得られる。
このようにシート強度が高いのは、上記エポキシ樹脂自身の粘度が一般的な可塑剤(フタル酸ジオクチルや、アジピン酸ジオクチル等)と比較して高く、かつ、上記ポリビニルアセタール樹脂及びエポキシ樹脂との相溶性が良いためであると考えられる。
また、耐シートアタック性に優れるのは、電極層用ペーストに含有される溶剤に上記エポキシ樹脂が溶解しにくいためであると考えられる。
【0034】
本発明のセラミックスラリー組成物は有機溶剤を含有する。上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。特に、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類及びこれらの混合溶剤が塗工性、乾燥性の面から見て好ましい。なかでも、エタノールとトルエンの混合溶剤やメチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤が好ましい。
【0035】
本発明のセラミックスラリー組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂、セラミック粉末、有機溶剤、エポキシ樹脂及び必要に応じて添加する各種添加剤をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
【0036】
本発明のセラミックスラリー組成物を塗工した後、加熱し乾燥させることでセラミックグリーンシートが得られる。このようなセラミックグリーンシートもまた本発明の1つである。
【0037】
本発明のセラミックスラリー組成物を塗工する場合の方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の方法が挙げられる。なお、その他の具体的な方法については、従来公知の方法を用いることができる。
【0038】
本発明のセラミックグリーンシートを用いて、セラミック電子部品を製造することができる。例えば、セラミックグリーンシートの表面に電極層用ペーストを塗工する工程、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを積層し加熱圧着して得られた積層体を脱脂、焼成する工程を行うことで、セラミック電子部品を製造することができる。
【0039】
上記セラミック電子部品としては特に限定されず、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、キャパシタ、圧電アクチュエーター、積層バリスタ、積層サーミスタ、EMIフィルタ、窒化アルミニウム多層基板、アルミナ多層基板等が挙げられる。
【0040】
上記セラミック電子部品の製造方法では、上記セラミックグリーンシートの表面に電極層用ペーストを塗工する工程を行う。
電極層用ペーストとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂やエチルセルロース、アクリル樹脂等をバインダー樹脂として有機溶剤に溶解し、導電粉末等を分散させることで得ることができる。これらの樹脂は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。ポリビニルアセタール樹脂を含有する電極層用ペーストは、加熱圧着工程において、セラミックグリーンシートに優れた接着性を示すので好ましい。
【0041】
上記セラミック電子部品の製造方法では、上述した、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを作製した後、同様にして作製した電極層が形成されたセラミックグリーンシートを積層し加熱圧着して得られた積層体を脱脂、焼成することで、シートアタックやクラック等の問題が解決された積層セラミック電子部品が得られる。
なお、上記加熱圧着工程、積層体を脱脂、焼成する工程については特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、シートアタックや経時安定性の問題を解決することができ、かつ、脱脂工程等を行う用途に使用する場合であっても、分解残渣が極めて少ないセラミックスラリー組成物及び該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99モル%、ポリビニルアルコール100重量部を1000重量部の蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸80重量部を加え、更にブチルアルデヒド53重量部を添加した。樹脂が析出した後、35℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で表される構造単位含有量)は33モル%、ブチラール単位含有量(上記一般式(2)で表される構造単位含有量)は66モル%、アセチル単位含有量(上記一般式(3)で表される構造単位含有量)は1モル%であった。
【0045】
(セラミックスラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、YD−825GSH、エポキシ当量約180、50℃における粘度10mPas、全ハロゲン量200ppm以下)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0046】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を、コーターを用いて乾燥後の厚みが2μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗工した後、70℃で2分加熱乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製した。
【0047】
(実施例2)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度96モル%、ポリビニルアルコール100重量部を1000重量部の蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸100重量部を加え、更にブチルアルデヒド68重量部を添加した。樹脂が析出した後、35℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で表される構造単位含有量)は22モル%、ブチラール単位含有量(上記一般式(2)で表される構造単位含有量)は74モル%、アセチル単位含有量(上記一般式(3)で表される構造単位含有量)は4モル%であった。
【0048】
(セラミックスラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、YD−825GSH、エポキシ当量約180、50℃における粘度10mPas、全ハロゲン量200ppm以下)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0049】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0050】
(実施例3)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.5モル%、ポリビニルアルコール100重量部を1000重量部の蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸80重量部を加え、更にブチルアルデヒド25重量部、アセトアルデヒド27重量部を添加した。樹脂が析出した後、35℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で表される構造単位含有量)は27モル%、上記一般式(2)で表される構造単位含有量)は71.5モル%(うちブチラール基[R:プロパノール基]40モル%、アセトアセタール基[R:メチル基]31.5モル%)、アセチル単位含有量(上記一般式(3)で表される構造単位含有量)は1.5モル%であった。
【0051】
(セラミックスラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、YD−825GSH、エポキシ当量約180、50℃における粘度10mPas、全ハロゲン量200ppm以下)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0052】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0053】
(実施例4)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99モル%、ポリビニルアルコール100重量部を1000重量部の蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸80重量部を加え、更にブチルアルデヒド10重量部、アセトアルデヒド60重量部を添加した。樹脂が析出した後、35℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で表される構造単位含有量)は27モル%、上記一般式(2)で表される構造単位含有量)は72モル%(うちブチラール基[R:プロパノール基]10モル%、アセトアセタール基[R:メチル基]62モル%)、アセチル単位含有量(上記一般式(3)で表される構造単位含有量)は1モル%であった。
【0054】
(セラミックスラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、YD−825GSH、エポキシ当量約180、50℃における粘度10mPas、全ハロゲン量200ppm以下)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0055】
(実施例5)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.5モル%、ポリビニルアルコール100重量部を1000重量部の蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸80重量部を加え、更にアセトアルデヒド80重量部を添加した。樹脂が析出した後、35℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で表される構造単位含有量)は25モル%、上記一般式(2)で表される構造単位含有量)は73.5モル%(うちアセトアセタール基[R:メチル基]73.5モル%)、アセチル単位含有量(上記一般式(3)で表される構造単位含有量)は1.5モル%であった。
【0056】
(セラミックスラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、YD−825GSH、エポキシ当量約180、50℃における粘度10mPas、全ハロゲン量200ppm以下)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0057】
(実施例6)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例3で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER807、エポキシ当量約167、50℃における粘度8mPas、全ハロゲン量2000ppm)0.4重量部、フタル酸ジブチル0.4重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0058】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、全ハロゲン量200ppm以下のセラミックグリーンシートを作製した。
【0059】
(実施例7)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例5で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER807、エポキシ当量約167、50℃における粘度8mPas、全ハロゲン量2000ppm)0.4重量部、フタル酸ジブチル0.4重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0060】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0061】
(実施例8)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例1で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER152、エポキシ当量約174、50℃における粘度85mPas、全ハロゲン量2500ppm)0.2重量部、フタル酸ジブチル0.6重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
リーンシートを作製した。
【0062】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0063】
(比較例1)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例1で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、フタル酸ジブチル0.8重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0064】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0065】
(比較例2)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例1で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、フタル酸ジブチル0.76重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0066】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0067】
(比較例3)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例1で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER807、エポキシ当量約167、50℃における粘度8mPas全ハロゲン量2000ppm)0.04重量部、フタル酸ジブチル0.76重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0068】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0069】
(比較例4)
(セラミックスラリー組成物の作製)
実施例1で得られたポリビニルアセタール樹脂4重量部、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BT−03、平均粒径0.3μm、堺化学工業社製)40重量部、トルエン25重量部とエタノール25重量部との混合溶剤、分散剤(ED−216、楠本化成社製)0.4重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER152、エポキシ当量約177、50℃における粘度85mPa、全ハロゲン量2500ppm)0.8重量部を48時間ボールミルで混合させ、セラミックスラリー組成物を得た。
【0070】
(セラミックグリーンシートの作製)
得られたセラミックスラリー組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシートを作製した。
【0071】
(評価)
(1)経時安定性
実施例及び比較例で得られたセラミックスラリー組成物の作製直後と1週間後の粘度をレオメーターにて測定し、粘度の増加率を評価した。
◎:粘度増加率が5%未満。
○:粘度増加率が5%以上20%以下。
×:粘度増加率が20%を超える。
【0072】
(2)熱分解性
実施例及び比較例で得られたグリーンシートを0.020g採取し、空気100ml/分の雰囲気下で、室温(20℃)から500℃まで昇温速度10℃/分で昇温させ、500℃での分解率(重量%)を測定した。得られた分解率を以下の基準で評価した。
◎:分解率が11%以上、12%未満。
○:分解率が9%以上、11%未満。
×:分解率が9%未満。
【0073】
(3)シートアタックの発生の有無
実施例及び比較例で得られたセラミックグリーンシート上にテルピネオール又はジヒドロテルピネオールをスポイトにて一滴(約0.02g)滴下し、60℃で5分乾燥させた後のセラミックグリーンシートの状態を目視にて観察し、以下の基準でシートアタックの発生の有無を評価した。
◎:セラミックグリーンシートの変化が全く観察されなかった。
○:セラミックグリーンシートに、目視では皺や穴は観察されなかったが、顕微鏡で100倍観測時には若干の皺が観察された。
×:セラミックグリーンシートに、目視でも皺又は穴が観察された。
【0074】
(4)シート強度
実施例及び比較例で得られたセラミックグリーンシートを離型処理したPETフィルムから剥離し、10mm×30mmにカットしたもののシートの弾性率を引張試験機で測定した(速度:50mm/min)。得られた弾性率について以下の基準で評価した。
◎:弾性率が1500MPa以上。
○:弾性率が1500MPa未満、800MPa以上。
×:弾性率が800MPa未満。
【0075】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、シートアタックや経時安定性の問題を解決することができ、かつ、脱脂工程等を行う用途に使用する場合であっても、分解残渣が極めて少ないセラミックスラリー組成物及び該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシートを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック粉末、少なくとも下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びエポキシ樹脂を含有し、
前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、2〜15重量部であることを特徴とするセラミックスラリー組成物。
【化1】

式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
【請求項2】
エポキシ樹脂は、(水添)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(水添)ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はフェノールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のセラミックスラリー組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載のセラミックスラリー組成物を用いて得られることを特徴とするセラミックグリーンシート。


【公開番号】特開2012−193084(P2012−193084A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59380(P2011−59380)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】