セラミックス製スパイラルパルス発生器を製造する方法およびセラミックス製スパイラルパルス発生器
本発明はセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法に関する。本方法は、
a)少なくとも1つの未焼結セラミックフィルムと少なくとも1つの金属層から成るフィルム結合体を形成するステップ、
b)前記フィルム結合体を螺旋状に巻回して巻回体を形成するステップ、
c)前記巻回体を貼り合わせるステップ、
d)前記貼り合わせた巻回体を焼結してスパイラルパルス発生器を形成するステップ
を有する。
a)少なくとも1つの未焼結セラミックフィルムと少なくとも1つの金属層から成るフィルム結合体を形成するステップ、
b)前記フィルム結合体を螺旋状に巻回して巻回体を形成するステップ、
c)前記巻回体を貼り合わせるステップ、
d)前記貼り合わせた巻回体を焼結してスパイラルパルス発生器を形成するステップ
を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スパイラルパルス発生器は、キャパシタの特性と少なくとも1.5kVの電圧の点弧パルスを発生させる導波管の特性とを合わせた構成素子である。本発明による製造方法によれば、材料に応じておよそ500°C、700°Cまたは1000°Cまでの温度に耐えうるスパイラルパルス発生器を製造することができる。スパイラルパルス発生器はLTCC素子またはHTCC素子として実現されており、実質的に、渦巻き状に巻回された後に貼り合わされ焼結されるセラミックフィルムと導電性金属ペーストないしは金属フィルムとから成っている。
【0002】
スパイラルパルス発生器は放電ランプの点弧トランスとして使用することができる。この使用形態では、とりわけ、達成すべき点弧電圧と高い温度耐性が重要である。
【0003】
背景技術
上記のスパイラルパルス発生器の製造は、LTCC(低温同時焼成セラミックス)技術か、または更に改良された方法により行われる。LTCC技術は受動素子が組み込まれたモノリシックセラミック多層システムの製造に適している(例えば、D. L. Wilcox, Proc. 1997 ISHM Philadelphia, pp. 17-23を参照せよ)。この技術は、金、銅、銀またはアルミニウムのような導電性の良い材料に組み込まれるべきセラミック素子に特に適している。LTCC技術の基本工程は次の通りである。
−有機接着剤を含む未焼結のセラミックフィルムを製造する。このセラミックフィルムはさらにガラスセラミックスを有していてもよい。
−必要に応じ、コンタクトのために未焼結セラミックフィルムに開口部を形成する。
−開口部を導電性材料で充填する。
−未焼結セラミックフィルムに導電体構造をプリントする。
−未焼結セラミックフィルムを積層して貼り合わせ、1つの結合体とする。
−この結合体を焼結し、モノリシック多層構造を持つ物体とする。
【0004】
焼結過程でのセラミック材料の圧縮により、10%〜20%の体積減少が生じる。
【0005】
LTCC法はこれまでプリント基板、セラミックキャパシタなどのような平面構造を有する素子としてしか使用されていない。しかし、例えばトランスは誘導特性を有するので、巻回されている。巻回された素子はLTCCセラミック体の従来の方法では製造できない。
【0006】
課題
本発明の課題はLTCCに似た工法でスパイラルパルス発生器を製造することのできる製造方法を提供することである。同様に、上記方法によって製造されるスパイラルパルス発生器を提供することも本発明の課題である。
【0007】
この課題は請求項1に記載の特徴を備えた方法と請求項17に記載の特徴を備えたスパイラルパルス発生器により解決される。
【0008】
発明の開示
製造に当たっては、2つの未焼結セラミックフィルムに導電性金属ペーストをプリントするか、または2つの未焼結セラミックフィルムを金属フィルムでコーティングし、ずらして渦巻き状に巻回し、最後に貼り合わせて1つの成形体にする。あるいは、金属フィルムにセラミックスリップを塗布し、このスリップ/フィルム結合体を乾燥させてから、巻回し貼り合わせてもよい。続いて、金属ペーストまたは金属フィルムとセラミック材料との同時焼結が、方法の種々の形態に応じて、500°C〜600°C、800°C〜900°C、1250°C〜1450°Cの温度範囲で気中にて行われる。この処理のおかげで、実施形態に応じて、500°C、700°C、1000°Cの温度負荷までのスパイラルパルス発生器の使用範囲が可能になる。これにより、スパイラルパルス発生器をガス放電ランプの外球内の放電容器のすぐ近傍に、あるいはソケットまたはランプのすぐ近傍に収容することができる。
【0009】
未焼結セラミックフィルムないしはセラミックスリップの製造に高い誘電率または高い透磁率を有するセラミック物質系またはこれら2つの混合を使用すると有利である。
【0010】
さらに、金属フィルムとして、陽極処理アルミニウムフィルム、モリブデンフィルム、または、銅、ニッケル、鋼、亜鉛の金属混合物から成るフィルムを使用すると有利である。
【0011】
さらに、金属フィルムを用いた製造法において、1つのプロセスステップでフィルム結合体を巻回し、この巻回体を貼り合わせると有利である。その際、フィルム結合体の巻回および貼合せを、フィルムの決められた列に決められた押圧力を生じさせる熱ローラによって行ってもよい。
【0012】
貼り合わされた巻回体の焼結は、好ましくは、金属フィルムの場合であれば500°C〜600°Cで、金属ペーストまたは銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの1つもしくはこれらの混合物から成るフィルムの場合であれば好ましくは800°C〜900°Cで、モリブデンフィルムの場合であれば1250°C〜1450°Cで行われる。
【0013】
金属ペーストは、好ましくは、スキージーを用いて0.5cm/s〜2.0cm/sの速度で10μm〜120μmの間隔をもって未焼結セラミックフィルムにプリントされる。
【0014】
導電性金属ペーストの場合の巻回体の貼合せは、好ましくは、アイソスタティックプレスにより30°C〜60°Cの浴温と5〜15分のプレス時間で行われる。
【0015】
本発明によるスパイラルパルス発生器ないし製造方法の別の有利な実施形態は従属請求項と以下の説明とから明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】スパイラルパルス発生器の基本構造を示す。
【図2a】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図2b】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図2c】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図3a】フィルム巻回体の作製を示す。
【図3b】フィルム巻回体の作製を示す。
【図4a】貼り合わせた後の巻回体を切断する様子を示す。
【図4b】貼り合わせた後の巻回体を切断する様子を示す。
【図5】外球内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプを示す。
【図6】ソケット内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプを示す。
【図7】外球内にスパイラルパルス発生器を有する高圧ナトリウムランプの基本構造を示す。
【図8】外球内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプの基本構造を示す。
【図9a】フィルム層の断面と第2の実施形態および第1の構成によるさらなる加工を示す。
【図9b】フィルム層の断面と第2の実施形態および第1の構成によるさらなる加工を示す。
【図10】第2の実施形態および第1の構成によるフィルム層の断面を示す。
【0017】
発明の有利な実施形態
本発明の方法は2つの異なる形態で実施することができる。第1の形態は従来のLTCC法から借用した製造方法を述べるものである。第2の形態は導電性ペーストを導電性金属フィルムで置き換える進化した方法である。
【0018】
本発明の方法の第1の形態
セラミックスパイラルパルス発生器の製造は従来のLTCC基板の製造と同様に未焼結セラミックフィルムの製造とともに始まる(図2)。スリップはプラスチック支持フィルム51の上に例えばスキージーによって塗布され、その後乾燥される。つぎに、プラスチック支持フィルムは例えばガラス板のような平らな面の上に薄い水膜とともに延ばされる水膜はフィルムをガラス板上に固定する。スリップはセラミックスそのものと接着剤、場合によってはさらにガラスはんだを含有する。
【0019】
あるいは、未焼結セラミックフィルムを製造するために、ドクターブレード法によるフィルム流延を適用してもよい。この場合、上記のように、溶剤と分散剤を添加することによりセラミック材料とガラスはんだから流延可能なスリップが製造され、このスリップは刃(いわゆるドクターブレード)により所定の厚さで回転するフィルム野上に流延される。製造された未焼結フィルムは乾燥後には可塑性があり、非常に処理しやすい。フィルム流延プロセスのためには、接着剤と可塑剤の含有量が多くなければならない。経験則として、処理しやすい未焼結フィルムを得るには、セラミックス粒子間の間隙はこれらの添加物によって完全に充填されなければならない。
【0020】
このセラミックスはεrの大きな容量性セラミックスであるか、またはμrの大きな誘導性セラミックスであるか、または両者の混合であってよい。スリップを介して未焼結セラミックフィルムを得ることができるすべてのセラミック材料系はスパイラルパルス発生器の製造に適している。容量性セラミック材料系(非金属無機系)は基底状態では5〜20000の比誘電率εrを有する。誘導性材料系は基底状態では20〜6000の比透磁率μrを有する。
【0021】
以下の表に、容量性セラミックスの場合に有利に使用される材料系を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
以下の表に、誘導性セラミックスの場合に有利に使用される材料系を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
未焼結フィルムの製造のために、セラミックスが上記材料系のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。上記材料系の任意の混合がセラミックス中に含まれていてもよい。
【0026】
未焼結セラミックフィルム53の製造後、未焼結セラミックフィルム53には、図2aに示されているように、導電性金属ペーストを用いて幅3mm〜25mmのストリップ55がプリントされる。メタライゼーション55は、ペースト状のコンパウンドを加工する現行のすべての方法、例えばスクリーン印刷法や特殊成形されたスキージーを用いて行うことができる。スパイラルパルス発生器の製造にはスキージーによる塗布が最も効率的である。スキージーが10μ〜120μの幅の間隔で未焼結セラミックフィルム53上を動き、こうして導電性ペースト55が塗布される。ここで、スキージーを動かす速度はおよそ0.5cm/秒〜2cm/秒である。
【0027】
導電路55は、塗布の後、60°C〜80°Cで乾燥される。乾燥時間は5〜20分である。導電路は室温で乾燥させてもよい。その場合、乾燥時間は1〜3日である。
【0028】
乾燥後、この装置は所望の幅のストリップへと切断される。図2bに示されているこれらのストリップには必要ならばさらにリセスを設けてもよい。これらはスタンピングにより特に簡単に作られる。その際、未焼結セラミックフィルムを構造化する他の方法、例えばフォトリソグラフィやレーザー光線による開口部の形成なども同様に使用してよい。
【0029】
導電路55を塗布した未焼結フィルム53は、図2cに示されているように、支持フィルム51から引き離される。
【0030】
フィルムストリップはプラスチックコアに巻き付けられる。プラスチックコアはプラスチック心棒31が差し込まれたプラスチックスリーブ33から成っている(図3a)。スリーブには互いにずらした2つのフィルムストリップ35が巻き付けられ、例えばいくらかの水で固定される(図3b)。未焼結セラミックフィルム35を保護するため、この装置の周りに剥離剤でコーティングされたゴムマットが巻き付けられる。剥離剤は例えば炭素であってよい。そして、装置全体が溶接され、1つのフィルムとなる。
【0031】
フィルムの溶接は次の貼合せプロセスに不可欠である。貼合せのために、溶接された未焼結フィルム巻回体にアイソスタティックプレスが施される。プレス時間は5〜15分であり、浴温は30°C〜80°Cである。
【0032】
貼合せプロセスの後に、スリーブをコアから取り去ってもよい(図4a)。貼り合わされた巻回体41は、アイソスタティックプレスにより、成形体を損傷せずにプラスチックスリーブ33を巻回体41から分離できるほど抵抗力のあるものとなっている。
【0033】
つぎに、巻回体41は600°C〜900°Cの温度で同時焼結される。このプロセスはまた通常のLTCC製造プロセスと同じである。この場合でも、焼結により材料の圧縮が生じ、体積が10〜20%縮む。
【0034】
このようにして製造されたスパイラルパルス発生器は、およそ700°Cの温度、1.5kV以上の点弧電圧でガス放電ランプを点弧するために使用することができる。
【0035】
LTCC法は受動素子の集積に適しているので、スパイラルパルス発生器に負荷抵抗を組み込むことができる。負荷抵抗はスパイラルパルス発生器の動作に不可欠である。負荷抵抗の組込みはLTCCの通常の方法で行われる。
【0036】
本発明の方法の第2の形態
本発明の方法の第2の形態はいくつかのステップにおいて第1の形態とは異なっている。以下では、第1の形態とは異なるステップとプロセスについて説明する。
【0037】
本発明の方法の第2の形態は第1の形態の発展形であり、機械加工に適している。この第2の形態は、より安価な材料が使用されているため、第1の形態と比べてコスト面においても有利である。
【0038】
本発明の方法の第2の形態では、導体構造は金属フィルム52から成る。これは第1の形態と比べて2つの利点を有している。第2の形態では、金属フィルム52は一部は同時に支持フィルムとしても使用され、貼合せ後、その厚さ(40μ〜60μ)ゆえに非常に機械加工の難しい(図9a)未焼結セラミックフィルム53を支持する。本方法に使用される金属フィルムは、使用される金属(有利にはアルミニウムまたはモリブデン)のゆえに、主に貴金属から形成される導電性ペーストに比べて明らかに安価である。
【0039】
この場合も、第1の加工ステップでは、未焼結セラミックフィルム53が形成される。しかし、この未焼結セラミックフィルム53は、第1の形態とは異なり、低温で溶融するガラスはんだ(アルミニウムフィルムの場合)ないしは高温で溶融するガラスはんだ(モリブデンフィルムの場合)を含んでいる。その他の点では、本方法の第1の形態で説明したのと同じ材料系と混合が用いられる。このプロセスは連続的に進行することができ、またそうすべきである。未焼結セラミックフィルム53がプラスチック支持体上に形成されているならば、未焼結セラミックフィルム53は第2のステップで別の連続的プロセスにおいて金属フィルム52の上に貼り合わされる。この金属フィルムは有利には陽極処理アルミニウムフィルムまたはモリブデンフィルムである。陽極酸化処理(Al2O3)はセラミックフィルムとアルミニウムフィルムの間に優れた粘着力を生じさせる。スパイラルパルス発生器は1250°C〜1450°Cで焼結されるので、モリブデンフィルムは高い温度耐性という利点をもたらす。ここで、貼合わせは熱ローラによる圧延と押圧により行ってよい。
【0040】
貼合せ後、フィルム結合体は、図9bに示されているように、所望の幅に切りそろえてよい。しかし、最初から所望の幅の未焼結セラミックフィルムと金属フィルムを使用してもよい。
【0041】
第2の実施形態では、図10に示されているように、金属フィルム52は両面とも未焼結セラミックフィルム53,531で被覆される。これらの未焼結セラミックフィルムは様々な特性を持ちうる。例えば、一方のフィルム53は高い誘電率を有し、他方のフィルムは高い透磁率を有するということがありうる。巻回の際、金属層の間に両フィルムの特性を有する二重層構造が生じる。
【0042】
貼合せプロセスが終了すると同時に、金属フィルムは結合体の支持力を担う。結合体の機械的安定性は後の経過において結合体を機械加工するのに十分である。
【0043】
つぎに、フィルム結合体は有利には機械的に巻回される。巻回のために、被覆された帯のうちの2つが互いにずらして置かれ、1つのスパイラルパルス発生器へと巻回される。巻回後、まだ未焼結のスパイラルパルス発生器が貼り合わされる。しかし、貼合せは直接巻回のときに行ってもよい。その場合にはもちろん先の貼合せプロセスは不要である。有利には、ここでもまた所定の押圧力を有する熱ローラが使用される。巻回中は、もちろんフィルム結合体の所定の張力も維持される。これら2つのパラメータはローラ温度とともにスパイラルパルス発生器の均等かつ良好な貼合せを保証する。巻回はスリーブ33を用いて行われるが、スパイラルパルス発生器をスリーブなしで巻回することも可能である。
【0044】
それから、巻回した発生器を焼結してもよい。焼結はアルミニウムフィルムを使用した場合には500°C〜600°Cの低温で行われる。これは金属フィルムの溶融温度よりも低くしておくために必要である。アルミニウム帯の表面を陽極酸化処理(Al2O3)することにより、非常に強い金属/セラミックス複合材が得られる。銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの1つまたはこれら金属の混合物から成る金属フィルムの場合、巻回された発生器は800°C〜900°Cの温度で焼結される。モリブデンフィルムを使用した場合、焼結は、保護ガス雰囲気(Ar,N2,フォーミングガス)のもと、1250°C〜1450°Cの温度で行われる。
【0045】
本発明の方法の第2の形態によれば、部品数の多いスパイラルパルス発生器を低コストで製造することができる。焼結温度を低くし、貴金属ペーストを安価な市販の金属フィルムで代用し、機械加工することにより、スパイラルパルス発生器は今までコスト上の理由から近寄らずにいた適用分野にも進出することができる。
【0046】
本発明の方法の第3の形態
本発明の方法の第3の形態は第2の形態と僅かに異なるだけである。それゆえ、第2の形態と異なる方法ステップについてのみ説明する。
【0047】
本発明の方法の第3の形態では、未焼結セラミックフィルムを形成し、それをさらに加工するということはもはやない。未焼結フィルムの形成はむしろスパイラルパルス発生器の製造プロセスに直接組み込まれる。したがって、未焼結セラミックフィルム形成の第1のステップは不要となり、第2のステップと統合される。前に形成した未焼結フィルムを金属フィルムに貼り合わせる代わりに、金属フィルムは直接セラミックスリップでコーティングされ、乾燥される。これにより、コストのかかる加工ステップと、未焼結セラミックフィルムの難しい処理が不要となる。このプロセスは連続的なプロセスとして設計してもよい。
【0048】
コーティングはテープキャスト法により行ってもよいし、またはスキージーを用いて行ってよい。好ましくは、コーティングは液浸法により行われる。この場合、金属フィルムはセラミックスリップの入った槽を潜らされる。その際、金属フィルムの表面にセラミックスリップの層が形成される。金属フィルムはセラミックスリップによって完全に包まれているので、層厚は所望の層厚の半分にしかならない。なぜならば、コーティングされた2つの金属フィルムを一緒に巻回して1つのスパイラルパルス発生器にする際、金属フィルムの間にそれぞれ2つのセラミック層が重ねられるからである。
【0049】
スパイラルパルス発生器の容量性および誘導性をできる限り自由に調節できるように、セラミック層を多層構造にしてもよい。そのために、金属フィルムは何度か続けてセラミックスリップ槽を潜らされる。その際、セラミックスリップはそれぞれ異なる特性を有するものであってよい。例えば、導電性の誘導層を絶縁性の良い2つの容量層で囲むと有利である。これにより、巻回が終わって充電されたスパイラルパルス発生器の表面漏れ電流が阻止される。
【0050】
そのために、金属フィルムはまず容量性スリップの入った槽を潜らされ、つぎに誘導性スリップの入った槽を潜らされ、最後に再び容量性スリップの入った槽を潜らされる。ここで、槽は堆積する層の厚さが合計で所望の層厚となるように構成されていなければならない。最も単純なケースでは、堆積する層の厚さはフィルムの所望の層厚の3分の1である。しかし、容量性の層と誘導性の層とで強度を異ならせることも考えられる。
【0051】
2つのフィルムの層厚は合計されるので、例として示したこのような3層構造を2つの金属フィルムの層を用いて形成することも考えられる。その場合、例えば一方の金属フィルムの上に容量層と誘導層が塗布される。他方のフィルムの上には容量層が塗布される。これらのフィルムをまとめて巻回すると、容量−誘導−容量層から成る所望の3層構造ができる。その際、全体として均一な層厚分布が得られるように、第1フィルム上の総層厚を第2フィルム上の層の2倍にしてもよい。しかしまた、要求に応じて層厚を変化させてもよい。
【0052】
堆積する層の厚さはスリップの組成、粘度および温度を介して調節することができる。
【0053】
金属フィルムの1層コーティングの典型的なスリップ組成を以下に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
スリップの粘度範囲は20°C〜40°Cの温度では10mPa*s〜900mPa*sとするとよい。
【0056】
その際、セラミックパウダーの平均粒径は有利には500nm〜10μmである。
【0057】
スリップの金属フィルムへの粘着を良くするために、金属フィルムにまず粘着を仲介する層を設けてもよい。例えば、アルミニウムフィルムの場合であれば、セラミックスリップが非常に良く粘着するAl2O3層を塗布してもよい。
【0058】
乾燥後、金属/未焼結フィルム結合体は第2の実施形態の場合と同様にして巻回された後に貼り合わされる、あるいは巻回時に貼り合わされる。ここでも、第2の形態のときと同じ前提条件が成り立っている。その他の加工は第2の形態と異ならない。
【0059】
使用形態
図7には、セラミック放電容器11と中にスパイラルパルス発生器13が組み込まれた外球12とを有する高圧ナトリウムランプ10の基本構造が示されている。点弧電極14はセラミック放電容器11の外面に取り付けられている。スパイラルパルス発生器13は火花ギャップ15および充電抵抗16とともに外球内に収容されている。
【0060】
図8には、スパイラルパルス発生器21が組み込まれたメタルハライドランプ20の基本構造が示されている。ただし、放電容器22の外面に点弧電力は取り付けられていない。なお、この放電容器22は石英ガラスまたはセラミックスから製造されたものであってよい。スパイラルパルス発生器21は火花ギャップ23および充電抵抗24とともに外球25内に収容されている。
【0061】
図5には、2つの給電線26,27によって外球内に放電容器22を保持するメタルハライドランプ20が示されている。第1の給電線26は短くカーブしたワイヤである。第2の給電線27は実質的に、口金から遠いブッシング28へと通じる棒である。口金30からの給電線29と棒27との間には点弧ユニット31が配置されており、点弧ユニット31は、図4に示されているように、スパイラルパルス発生器、火花ギャップおよび充電抵抗を含んでいる。
【0062】
図6には、図5と同様に、2つの給電線26,27によって外球25内に放電容器22を保持するメタルハライドランプ20が示されている。第1の給電線26は短くカーブしたワイヤである。第2の給電線27は実質的に、口金から遠いブッシング28へと通じる棒である。ここでは、点弧ユニット、その中でも特に、スパイラルパルス発生器21と火花ギャップ23と充電抵抗24は、口金30の中に取り付けられている。
【0063】
この技術は無電極ランプにも適用できる。その場合、スパイラルパルス発生器は点弧補助に使用することができる。
【0064】
さらに、このコンパクトな高電圧パルス発生器は別の装置の点弧にも使用することができる。とりわけ、いわゆる放電球や、レントゲンパルスの発生や、電子線パルスの発生において有利である。通例の点弧パルスの代わりに自動車内で使用することも可能である。
【0065】
使用される巻数nは500にまで上るため、出力電圧は100kVに達する。というのも、出力電圧UAは充電電圧ULの関数としてUA=2×n×UL×ηで与えられるからである。ここで、効率ηはη=(AD−ID)/ADで与えられる。
【0066】
自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプは好ましくは少なくとも3barの高圧下のキセノンとハロゲン化金属で充填されているので、本発明は自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプと組み合わせたときに格別の利点を発揮する。自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプは、キセノンの圧力が高いために点弧電圧が10kVを超えるので、点弧するのが特に難しい。スパイラルパルス発生器はランプの口金またはランプの外球の中に配置することができる。
【0067】
本発明は水銀を含有していない高圧放電ランプと組み合わせたときに特に格別の利点を発揮する。この種のランプは環境保護の観点から特に望ましい。これらのランプは適切なハロゲン化金属充填物および特に高圧下のキセノンのような希ガスを含んでいる。水銀が含まれていないため、点弧電圧は特に高く、20kVを超える。この場合にも、充電抵抗が組み込まれたスパイラルパルス発生器を水銀無使用ランプの口金の中またはランプの外球の中に収容することができる。
【技術分野】
【0001】
スパイラルパルス発生器は、キャパシタの特性と少なくとも1.5kVの電圧の点弧パルスを発生させる導波管の特性とを合わせた構成素子である。本発明による製造方法によれば、材料に応じておよそ500°C、700°Cまたは1000°Cまでの温度に耐えうるスパイラルパルス発生器を製造することができる。スパイラルパルス発生器はLTCC素子またはHTCC素子として実現されており、実質的に、渦巻き状に巻回された後に貼り合わされ焼結されるセラミックフィルムと導電性金属ペーストないしは金属フィルムとから成っている。
【0002】
スパイラルパルス発生器は放電ランプの点弧トランスとして使用することができる。この使用形態では、とりわけ、達成すべき点弧電圧と高い温度耐性が重要である。
【0003】
背景技術
上記のスパイラルパルス発生器の製造は、LTCC(低温同時焼成セラミックス)技術か、または更に改良された方法により行われる。LTCC技術は受動素子が組み込まれたモノリシックセラミック多層システムの製造に適している(例えば、D. L. Wilcox, Proc. 1997 ISHM Philadelphia, pp. 17-23を参照せよ)。この技術は、金、銅、銀またはアルミニウムのような導電性の良い材料に組み込まれるべきセラミック素子に特に適している。LTCC技術の基本工程は次の通りである。
−有機接着剤を含む未焼結のセラミックフィルムを製造する。このセラミックフィルムはさらにガラスセラミックスを有していてもよい。
−必要に応じ、コンタクトのために未焼結セラミックフィルムに開口部を形成する。
−開口部を導電性材料で充填する。
−未焼結セラミックフィルムに導電体構造をプリントする。
−未焼結セラミックフィルムを積層して貼り合わせ、1つの結合体とする。
−この結合体を焼結し、モノリシック多層構造を持つ物体とする。
【0004】
焼結過程でのセラミック材料の圧縮により、10%〜20%の体積減少が生じる。
【0005】
LTCC法はこれまでプリント基板、セラミックキャパシタなどのような平面構造を有する素子としてしか使用されていない。しかし、例えばトランスは誘導特性を有するので、巻回されている。巻回された素子はLTCCセラミック体の従来の方法では製造できない。
【0006】
課題
本発明の課題はLTCCに似た工法でスパイラルパルス発生器を製造することのできる製造方法を提供することである。同様に、上記方法によって製造されるスパイラルパルス発生器を提供することも本発明の課題である。
【0007】
この課題は請求項1に記載の特徴を備えた方法と請求項17に記載の特徴を備えたスパイラルパルス発生器により解決される。
【0008】
発明の開示
製造に当たっては、2つの未焼結セラミックフィルムに導電性金属ペーストをプリントするか、または2つの未焼結セラミックフィルムを金属フィルムでコーティングし、ずらして渦巻き状に巻回し、最後に貼り合わせて1つの成形体にする。あるいは、金属フィルムにセラミックスリップを塗布し、このスリップ/フィルム結合体を乾燥させてから、巻回し貼り合わせてもよい。続いて、金属ペーストまたは金属フィルムとセラミック材料との同時焼結が、方法の種々の形態に応じて、500°C〜600°C、800°C〜900°C、1250°C〜1450°Cの温度範囲で気中にて行われる。この処理のおかげで、実施形態に応じて、500°C、700°C、1000°Cの温度負荷までのスパイラルパルス発生器の使用範囲が可能になる。これにより、スパイラルパルス発生器をガス放電ランプの外球内の放電容器のすぐ近傍に、あるいはソケットまたはランプのすぐ近傍に収容することができる。
【0009】
未焼結セラミックフィルムないしはセラミックスリップの製造に高い誘電率または高い透磁率を有するセラミック物質系またはこれら2つの混合を使用すると有利である。
【0010】
さらに、金属フィルムとして、陽極処理アルミニウムフィルム、モリブデンフィルム、または、銅、ニッケル、鋼、亜鉛の金属混合物から成るフィルムを使用すると有利である。
【0011】
さらに、金属フィルムを用いた製造法において、1つのプロセスステップでフィルム結合体を巻回し、この巻回体を貼り合わせると有利である。その際、フィルム結合体の巻回および貼合せを、フィルムの決められた列に決められた押圧力を生じさせる熱ローラによって行ってもよい。
【0012】
貼り合わされた巻回体の焼結は、好ましくは、金属フィルムの場合であれば500°C〜600°Cで、金属ペーストまたは銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの1つもしくはこれらの混合物から成るフィルムの場合であれば好ましくは800°C〜900°Cで、モリブデンフィルムの場合であれば1250°C〜1450°Cで行われる。
【0013】
金属ペーストは、好ましくは、スキージーを用いて0.5cm/s〜2.0cm/sの速度で10μm〜120μmの間隔をもって未焼結セラミックフィルムにプリントされる。
【0014】
導電性金属ペーストの場合の巻回体の貼合せは、好ましくは、アイソスタティックプレスにより30°C〜60°Cの浴温と5〜15分のプレス時間で行われる。
【0015】
本発明によるスパイラルパルス発生器ないし製造方法の別の有利な実施形態は従属請求項と以下の説明とから明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】スパイラルパルス発生器の基本構造を示す。
【図2a】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図2b】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図2c】フィルム層の断面と第1の実施形態によるさらなる加工を示す。
【図3a】フィルム巻回体の作製を示す。
【図3b】フィルム巻回体の作製を示す。
【図4a】貼り合わせた後の巻回体を切断する様子を示す。
【図4b】貼り合わせた後の巻回体を切断する様子を示す。
【図5】外球内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプを示す。
【図6】ソケット内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプを示す。
【図7】外球内にスパイラルパルス発生器を有する高圧ナトリウムランプの基本構造を示す。
【図8】外球内にスパイラルパルス発生器を有するメタルハライドランプの基本構造を示す。
【図9a】フィルム層の断面と第2の実施形態および第1の構成によるさらなる加工を示す。
【図9b】フィルム層の断面と第2の実施形態および第1の構成によるさらなる加工を示す。
【図10】第2の実施形態および第1の構成によるフィルム層の断面を示す。
【0017】
発明の有利な実施形態
本発明の方法は2つの異なる形態で実施することができる。第1の形態は従来のLTCC法から借用した製造方法を述べるものである。第2の形態は導電性ペーストを導電性金属フィルムで置き換える進化した方法である。
【0018】
本発明の方法の第1の形態
セラミックスパイラルパルス発生器の製造は従来のLTCC基板の製造と同様に未焼結セラミックフィルムの製造とともに始まる(図2)。スリップはプラスチック支持フィルム51の上に例えばスキージーによって塗布され、その後乾燥される。つぎに、プラスチック支持フィルムは例えばガラス板のような平らな面の上に薄い水膜とともに延ばされる水膜はフィルムをガラス板上に固定する。スリップはセラミックスそのものと接着剤、場合によってはさらにガラスはんだを含有する。
【0019】
あるいは、未焼結セラミックフィルムを製造するために、ドクターブレード法によるフィルム流延を適用してもよい。この場合、上記のように、溶剤と分散剤を添加することによりセラミック材料とガラスはんだから流延可能なスリップが製造され、このスリップは刃(いわゆるドクターブレード)により所定の厚さで回転するフィルム野上に流延される。製造された未焼結フィルムは乾燥後には可塑性があり、非常に処理しやすい。フィルム流延プロセスのためには、接着剤と可塑剤の含有量が多くなければならない。経験則として、処理しやすい未焼結フィルムを得るには、セラミックス粒子間の間隙はこれらの添加物によって完全に充填されなければならない。
【0020】
このセラミックスはεrの大きな容量性セラミックスであるか、またはμrの大きな誘導性セラミックスであるか、または両者の混合であってよい。スリップを介して未焼結セラミックフィルムを得ることができるすべてのセラミック材料系はスパイラルパルス発生器の製造に適している。容量性セラミック材料系(非金属無機系)は基底状態では5〜20000の比誘電率εrを有する。誘導性材料系は基底状態では20〜6000の比透磁率μrを有する。
【0021】
以下の表に、容量性セラミックスの場合に有利に使用される材料系を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
以下の表に、誘導性セラミックスの場合に有利に使用される材料系を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
未焼結フィルムの製造のために、セラミックスが上記材料系のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。上記材料系の任意の混合がセラミックス中に含まれていてもよい。
【0026】
未焼結セラミックフィルム53の製造後、未焼結セラミックフィルム53には、図2aに示されているように、導電性金属ペーストを用いて幅3mm〜25mmのストリップ55がプリントされる。メタライゼーション55は、ペースト状のコンパウンドを加工する現行のすべての方法、例えばスクリーン印刷法や特殊成形されたスキージーを用いて行うことができる。スパイラルパルス発生器の製造にはスキージーによる塗布が最も効率的である。スキージーが10μ〜120μの幅の間隔で未焼結セラミックフィルム53上を動き、こうして導電性ペースト55が塗布される。ここで、スキージーを動かす速度はおよそ0.5cm/秒〜2cm/秒である。
【0027】
導電路55は、塗布の後、60°C〜80°Cで乾燥される。乾燥時間は5〜20分である。導電路は室温で乾燥させてもよい。その場合、乾燥時間は1〜3日である。
【0028】
乾燥後、この装置は所望の幅のストリップへと切断される。図2bに示されているこれらのストリップには必要ならばさらにリセスを設けてもよい。これらはスタンピングにより特に簡単に作られる。その際、未焼結セラミックフィルムを構造化する他の方法、例えばフォトリソグラフィやレーザー光線による開口部の形成なども同様に使用してよい。
【0029】
導電路55を塗布した未焼結フィルム53は、図2cに示されているように、支持フィルム51から引き離される。
【0030】
フィルムストリップはプラスチックコアに巻き付けられる。プラスチックコアはプラスチック心棒31が差し込まれたプラスチックスリーブ33から成っている(図3a)。スリーブには互いにずらした2つのフィルムストリップ35が巻き付けられ、例えばいくらかの水で固定される(図3b)。未焼結セラミックフィルム35を保護するため、この装置の周りに剥離剤でコーティングされたゴムマットが巻き付けられる。剥離剤は例えば炭素であってよい。そして、装置全体が溶接され、1つのフィルムとなる。
【0031】
フィルムの溶接は次の貼合せプロセスに不可欠である。貼合せのために、溶接された未焼結フィルム巻回体にアイソスタティックプレスが施される。プレス時間は5〜15分であり、浴温は30°C〜80°Cである。
【0032】
貼合せプロセスの後に、スリーブをコアから取り去ってもよい(図4a)。貼り合わされた巻回体41は、アイソスタティックプレスにより、成形体を損傷せずにプラスチックスリーブ33を巻回体41から分離できるほど抵抗力のあるものとなっている。
【0033】
つぎに、巻回体41は600°C〜900°Cの温度で同時焼結される。このプロセスはまた通常のLTCC製造プロセスと同じである。この場合でも、焼結により材料の圧縮が生じ、体積が10〜20%縮む。
【0034】
このようにして製造されたスパイラルパルス発生器は、およそ700°Cの温度、1.5kV以上の点弧電圧でガス放電ランプを点弧するために使用することができる。
【0035】
LTCC法は受動素子の集積に適しているので、スパイラルパルス発生器に負荷抵抗を組み込むことができる。負荷抵抗はスパイラルパルス発生器の動作に不可欠である。負荷抵抗の組込みはLTCCの通常の方法で行われる。
【0036】
本発明の方法の第2の形態
本発明の方法の第2の形態はいくつかのステップにおいて第1の形態とは異なっている。以下では、第1の形態とは異なるステップとプロセスについて説明する。
【0037】
本発明の方法の第2の形態は第1の形態の発展形であり、機械加工に適している。この第2の形態は、より安価な材料が使用されているため、第1の形態と比べてコスト面においても有利である。
【0038】
本発明の方法の第2の形態では、導体構造は金属フィルム52から成る。これは第1の形態と比べて2つの利点を有している。第2の形態では、金属フィルム52は一部は同時に支持フィルムとしても使用され、貼合せ後、その厚さ(40μ〜60μ)ゆえに非常に機械加工の難しい(図9a)未焼結セラミックフィルム53を支持する。本方法に使用される金属フィルムは、使用される金属(有利にはアルミニウムまたはモリブデン)のゆえに、主に貴金属から形成される導電性ペーストに比べて明らかに安価である。
【0039】
この場合も、第1の加工ステップでは、未焼結セラミックフィルム53が形成される。しかし、この未焼結セラミックフィルム53は、第1の形態とは異なり、低温で溶融するガラスはんだ(アルミニウムフィルムの場合)ないしは高温で溶融するガラスはんだ(モリブデンフィルムの場合)を含んでいる。その他の点では、本方法の第1の形態で説明したのと同じ材料系と混合が用いられる。このプロセスは連続的に進行することができ、またそうすべきである。未焼結セラミックフィルム53がプラスチック支持体上に形成されているならば、未焼結セラミックフィルム53は第2のステップで別の連続的プロセスにおいて金属フィルム52の上に貼り合わされる。この金属フィルムは有利には陽極処理アルミニウムフィルムまたはモリブデンフィルムである。陽極酸化処理(Al2O3)はセラミックフィルムとアルミニウムフィルムの間に優れた粘着力を生じさせる。スパイラルパルス発生器は1250°C〜1450°Cで焼結されるので、モリブデンフィルムは高い温度耐性という利点をもたらす。ここで、貼合わせは熱ローラによる圧延と押圧により行ってよい。
【0040】
貼合せ後、フィルム結合体は、図9bに示されているように、所望の幅に切りそろえてよい。しかし、最初から所望の幅の未焼結セラミックフィルムと金属フィルムを使用してもよい。
【0041】
第2の実施形態では、図10に示されているように、金属フィルム52は両面とも未焼結セラミックフィルム53,531で被覆される。これらの未焼結セラミックフィルムは様々な特性を持ちうる。例えば、一方のフィルム53は高い誘電率を有し、他方のフィルムは高い透磁率を有するということがありうる。巻回の際、金属層の間に両フィルムの特性を有する二重層構造が生じる。
【0042】
貼合せプロセスが終了すると同時に、金属フィルムは結合体の支持力を担う。結合体の機械的安定性は後の経過において結合体を機械加工するのに十分である。
【0043】
つぎに、フィルム結合体は有利には機械的に巻回される。巻回のために、被覆された帯のうちの2つが互いにずらして置かれ、1つのスパイラルパルス発生器へと巻回される。巻回後、まだ未焼結のスパイラルパルス発生器が貼り合わされる。しかし、貼合せは直接巻回のときに行ってもよい。その場合にはもちろん先の貼合せプロセスは不要である。有利には、ここでもまた所定の押圧力を有する熱ローラが使用される。巻回中は、もちろんフィルム結合体の所定の張力も維持される。これら2つのパラメータはローラ温度とともにスパイラルパルス発生器の均等かつ良好な貼合せを保証する。巻回はスリーブ33を用いて行われるが、スパイラルパルス発生器をスリーブなしで巻回することも可能である。
【0044】
それから、巻回した発生器を焼結してもよい。焼結はアルミニウムフィルムを使用した場合には500°C〜600°Cの低温で行われる。これは金属フィルムの溶融温度よりも低くしておくために必要である。アルミニウム帯の表面を陽極酸化処理(Al2O3)することにより、非常に強い金属/セラミックス複合材が得られる。銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの1つまたはこれら金属の混合物から成る金属フィルムの場合、巻回された発生器は800°C〜900°Cの温度で焼結される。モリブデンフィルムを使用した場合、焼結は、保護ガス雰囲気(Ar,N2,フォーミングガス)のもと、1250°C〜1450°Cの温度で行われる。
【0045】
本発明の方法の第2の形態によれば、部品数の多いスパイラルパルス発生器を低コストで製造することができる。焼結温度を低くし、貴金属ペーストを安価な市販の金属フィルムで代用し、機械加工することにより、スパイラルパルス発生器は今までコスト上の理由から近寄らずにいた適用分野にも進出することができる。
【0046】
本発明の方法の第3の形態
本発明の方法の第3の形態は第2の形態と僅かに異なるだけである。それゆえ、第2の形態と異なる方法ステップについてのみ説明する。
【0047】
本発明の方法の第3の形態では、未焼結セラミックフィルムを形成し、それをさらに加工するということはもはやない。未焼結フィルムの形成はむしろスパイラルパルス発生器の製造プロセスに直接組み込まれる。したがって、未焼結セラミックフィルム形成の第1のステップは不要となり、第2のステップと統合される。前に形成した未焼結フィルムを金属フィルムに貼り合わせる代わりに、金属フィルムは直接セラミックスリップでコーティングされ、乾燥される。これにより、コストのかかる加工ステップと、未焼結セラミックフィルムの難しい処理が不要となる。このプロセスは連続的なプロセスとして設計してもよい。
【0048】
コーティングはテープキャスト法により行ってもよいし、またはスキージーを用いて行ってよい。好ましくは、コーティングは液浸法により行われる。この場合、金属フィルムはセラミックスリップの入った槽を潜らされる。その際、金属フィルムの表面にセラミックスリップの層が形成される。金属フィルムはセラミックスリップによって完全に包まれているので、層厚は所望の層厚の半分にしかならない。なぜならば、コーティングされた2つの金属フィルムを一緒に巻回して1つのスパイラルパルス発生器にする際、金属フィルムの間にそれぞれ2つのセラミック層が重ねられるからである。
【0049】
スパイラルパルス発生器の容量性および誘導性をできる限り自由に調節できるように、セラミック層を多層構造にしてもよい。そのために、金属フィルムは何度か続けてセラミックスリップ槽を潜らされる。その際、セラミックスリップはそれぞれ異なる特性を有するものであってよい。例えば、導電性の誘導層を絶縁性の良い2つの容量層で囲むと有利である。これにより、巻回が終わって充電されたスパイラルパルス発生器の表面漏れ電流が阻止される。
【0050】
そのために、金属フィルムはまず容量性スリップの入った槽を潜らされ、つぎに誘導性スリップの入った槽を潜らされ、最後に再び容量性スリップの入った槽を潜らされる。ここで、槽は堆積する層の厚さが合計で所望の層厚となるように構成されていなければならない。最も単純なケースでは、堆積する層の厚さはフィルムの所望の層厚の3分の1である。しかし、容量性の層と誘導性の層とで強度を異ならせることも考えられる。
【0051】
2つのフィルムの層厚は合計されるので、例として示したこのような3層構造を2つの金属フィルムの層を用いて形成することも考えられる。その場合、例えば一方の金属フィルムの上に容量層と誘導層が塗布される。他方のフィルムの上には容量層が塗布される。これらのフィルムをまとめて巻回すると、容量−誘導−容量層から成る所望の3層構造ができる。その際、全体として均一な層厚分布が得られるように、第1フィルム上の総層厚を第2フィルム上の層の2倍にしてもよい。しかしまた、要求に応じて層厚を変化させてもよい。
【0052】
堆積する層の厚さはスリップの組成、粘度および温度を介して調節することができる。
【0053】
金属フィルムの1層コーティングの典型的なスリップ組成を以下に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
スリップの粘度範囲は20°C〜40°Cの温度では10mPa*s〜900mPa*sとするとよい。
【0056】
その際、セラミックパウダーの平均粒径は有利には500nm〜10μmである。
【0057】
スリップの金属フィルムへの粘着を良くするために、金属フィルムにまず粘着を仲介する層を設けてもよい。例えば、アルミニウムフィルムの場合であれば、セラミックスリップが非常に良く粘着するAl2O3層を塗布してもよい。
【0058】
乾燥後、金属/未焼結フィルム結合体は第2の実施形態の場合と同様にして巻回された後に貼り合わされる、あるいは巻回時に貼り合わされる。ここでも、第2の形態のときと同じ前提条件が成り立っている。その他の加工は第2の形態と異ならない。
【0059】
使用形態
図7には、セラミック放電容器11と中にスパイラルパルス発生器13が組み込まれた外球12とを有する高圧ナトリウムランプ10の基本構造が示されている。点弧電極14はセラミック放電容器11の外面に取り付けられている。スパイラルパルス発生器13は火花ギャップ15および充電抵抗16とともに外球内に収容されている。
【0060】
図8には、スパイラルパルス発生器21が組み込まれたメタルハライドランプ20の基本構造が示されている。ただし、放電容器22の外面に点弧電力は取り付けられていない。なお、この放電容器22は石英ガラスまたはセラミックスから製造されたものであってよい。スパイラルパルス発生器21は火花ギャップ23および充電抵抗24とともに外球25内に収容されている。
【0061】
図5には、2つの給電線26,27によって外球内に放電容器22を保持するメタルハライドランプ20が示されている。第1の給電線26は短くカーブしたワイヤである。第2の給電線27は実質的に、口金から遠いブッシング28へと通じる棒である。口金30からの給電線29と棒27との間には点弧ユニット31が配置されており、点弧ユニット31は、図4に示されているように、スパイラルパルス発生器、火花ギャップおよび充電抵抗を含んでいる。
【0062】
図6には、図5と同様に、2つの給電線26,27によって外球25内に放電容器22を保持するメタルハライドランプ20が示されている。第1の給電線26は短くカーブしたワイヤである。第2の給電線27は実質的に、口金から遠いブッシング28へと通じる棒である。ここでは、点弧ユニット、その中でも特に、スパイラルパルス発生器21と火花ギャップ23と充電抵抗24は、口金30の中に取り付けられている。
【0063】
この技術は無電極ランプにも適用できる。その場合、スパイラルパルス発生器は点弧補助に使用することができる。
【0064】
さらに、このコンパクトな高電圧パルス発生器は別の装置の点弧にも使用することができる。とりわけ、いわゆる放電球や、レントゲンパルスの発生や、電子線パルスの発生において有利である。通例の点弧パルスの代わりに自動車内で使用することも可能である。
【0065】
使用される巻数nは500にまで上るため、出力電圧は100kVに達する。というのも、出力電圧UAは充電電圧ULの関数としてUA=2×n×UL×ηで与えられるからである。ここで、効率ηはη=(AD−ID)/ADで与えられる。
【0066】
自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプは好ましくは少なくとも3barの高圧下のキセノンとハロゲン化金属で充填されているので、本発明は自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプと組み合わせたときに格別の利点を発揮する。自動車ヘッドライト用の高圧放電ランプは、キセノンの圧力が高いために点弧電圧が10kVを超えるので、点弧するのが特に難しい。スパイラルパルス発生器はランプの口金またはランプの外球の中に配置することができる。
【0067】
本発明は水銀を含有していない高圧放電ランプと組み合わせたときに特に格別の利点を発揮する。この種のランプは環境保護の観点から特に望ましい。これらのランプは適切なハロゲン化金属充填物および特に高圧下のキセノンのような希ガスを含んでいる。水銀が含まれていないため、点弧電圧は特に高く、20kVを超える。この場合にも、充電抵抗が組み込まれたスパイラルパルス発生器を水銀無使用ランプの口金の中またはランプの外球の中に収容することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの未焼結セラミックフィルムと少なくとも1つの金属層から成るフィルム結合体を形成するステップ、
b)前記フィルム結合体を螺旋状に巻回して巻回体を形成するステップ、
c)前記巻回体を貼り合わせるステップ、
d)前記貼り合わせた巻回体を焼結してスパイラルパルス発生器を形成するステップを有することを特徴とする、セラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項2】
前記フィルム結合体の製造が
−未焼結セラミックフィルム(53)を製造するステップ、
−前記未焼結セラミックフィルムを金属ペーストを用いてプリントするステップ、
−プリントした未焼結セラミックフィルムを切りそろえるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項3】
前記フィルム結合体の製造が
−未焼結セラミックフィルム(53)を製造するステップ、
−前記未焼結セラミックフィルム(53)を金属フィルム(52)に貼り合わせるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項4】
前記フィルム結合体の製造が
−金属フィルム(52)をセラミックスリップでコーティングするステップ、
−前記セラミックスリップと前記金属フィルムとから成る結合体を乾燥させるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項5】
前記金属フィルム(52)をセラミックスリップの入った槽に潜らせる液浸法により前記コーティングを行うことを特徴とする、請求項4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項6】
前記未焼結セラミックフィルム(53)または前記セラミックスリップの製造に、比誘電率の高いセラミック材料系もしくは比透磁率の高いセラミック材料系または両セラミック材料系の混合物を使用することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項7】
前記金属フィルムが陽極酸化処理アルミニウムフィルムであることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項8】
前記金属フィルムがモリブデンフィルムであることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項9】
前記金属フィルムが銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの少なくとも1つの金属を含んでいることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項10】
前記ステップb(フィルム結合体の巻回)および前記ステップc(巻回体の貼合せ)を1つのプロセスステップで実行することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項11】
前記フィルム結合体の巻回および貼合せを、前記フィルムの所定の張力のもとで所定の押圧力を生じさせる熱ローラにより行うことを特徴とする、請求項10記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項12】
金属ペーストによる前記未焼結セラミックフィルムのプリントを、スキージーを用いた塗布法により0.5cm/s〜2.0cm/sの速度で10μm〜120μmの間隔をもって行うことを特徴とする、請求項2記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項13】
前記巻回体の貼合せをアイソスタティックプレスにより30°C〜60°Cの浴温と5〜15分のプレス時間で行うことを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項14】
前記貼り合わせた巻回体を500°C〜600°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項15】
前記貼り合わせた巻回体を1250°C〜1450°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項16】
前記貼り合わせた巻回体を800°C〜900°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項記載の方法により製造されるセラミックスパイラルパルス発生器。
【請求項18】
高圧放電ランプの外球内に収容され、フレームにより前記外球内に保持された放電容器を有する高圧放電ランプ内でのスパイラルパルス発生器の使用であって、前記高圧放電ランプ内には該高圧放電ランプ内に高電圧パルスを発生させる点弧装置が組み込まれており、該点弧装置は請求項17に係るスパイラルパルス発生器であって、前記フレームの一部であり、前記高圧放電ランプの外球内に収容されていることを特徴とする、高圧放電ランプ内でのスパイラルパルス発生器の使用。
【請求項1】
セラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの未焼結セラミックフィルムと少なくとも1つの金属層から成るフィルム結合体を形成するステップ、
b)前記フィルム結合体を螺旋状に巻回して巻回体を形成するステップ、
c)前記巻回体を貼り合わせるステップ、
d)前記貼り合わせた巻回体を焼結してスパイラルパルス発生器を形成するステップを有することを特徴とする、セラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項2】
前記フィルム結合体の製造が
−未焼結セラミックフィルム(53)を製造するステップ、
−前記未焼結セラミックフィルムを金属ペーストを用いてプリントするステップ、
−プリントした未焼結セラミックフィルムを切りそろえるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項3】
前記フィルム結合体の製造が
−未焼結セラミックフィルム(53)を製造するステップ、
−前記未焼結セラミックフィルム(53)を金属フィルム(52)に貼り合わせるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項4】
前記フィルム結合体の製造が
−金属フィルム(52)をセラミックスリップでコーティングするステップ、
−前記セラミックスリップと前記金属フィルムとから成る結合体を乾燥させるステップを有することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項5】
前記金属フィルム(52)をセラミックスリップの入った槽に潜らせる液浸法により前記コーティングを行うことを特徴とする、請求項4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項6】
前記未焼結セラミックフィルム(53)または前記セラミックスリップの製造に、比誘電率の高いセラミック材料系もしくは比透磁率の高いセラミック材料系または両セラミック材料系の混合物を使用することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項7】
前記金属フィルムが陽極酸化処理アルミニウムフィルムであることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項8】
前記金属フィルムがモリブデンフィルムであることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項9】
前記金属フィルムが銅、ニッケル、鋼、亜鉛のうちの少なくとも1つの金属を含んでいることを特徴とする、請求項3または4記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項10】
前記ステップb(フィルム結合体の巻回)および前記ステップc(巻回体の貼合せ)を1つのプロセスステップで実行することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項11】
前記フィルム結合体の巻回および貼合せを、前記フィルムの所定の張力のもとで所定の押圧力を生じさせる熱ローラにより行うことを特徴とする、請求項10記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項12】
金属ペーストによる前記未焼結セラミックフィルムのプリントを、スキージーを用いた塗布法により0.5cm/s〜2.0cm/sの速度で10μm〜120μmの間隔をもって行うことを特徴とする、請求項2記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項13】
前記巻回体の貼合せをアイソスタティックプレスにより30°C〜60°Cの浴温と5〜15分のプレス時間で行うことを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項14】
前記貼り合わせた巻回体を500°C〜600°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項15】
前記貼り合わせた巻回体を1250°C〜1450°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項16】
前記貼り合わせた巻回体を800°C〜900°Cで焼結することを特徴とする、請求項1記載のセラミックスパイラルパルス発生器を製造する方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項記載の方法により製造されるセラミックスパイラルパルス発生器。
【請求項18】
高圧放電ランプの外球内に収容され、フレームにより前記外球内に保持された放電容器を有する高圧放電ランプ内でのスパイラルパルス発生器の使用であって、前記高圧放電ランプ内には該高圧放電ランプ内に高電圧パルスを発生させる点弧装置が組み込まれており、該点弧装置は請求項17に係るスパイラルパルス発生器であって、前記フレームの一部であり、前記高圧放電ランプの外球内に収容されていることを特徴とする、高圧放電ランプ内でのスパイラルパルス発生器の使用。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【公表番号】特表2010−532068(P2010−532068A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510734(P2010−510734)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056424
【国際公開番号】WO2008/148657
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056424
【国際公開番号】WO2008/148657
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]