説明

セラミックベースクロマトグラフィ装置およびこれを作る方法

高速液体クロマトグラフィ装置は、処理ユニットの入口ポートと流体連通している分離カラムを画定する基板を備えている。処理ユニットは、焼結無機粒子で形成されている。装置はまた、高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で入口ポートに溶媒を運ぶポンプを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容を本明細書に参照として援用する、2006年3月24日出願の米国仮特許出願第60/785,866号(代理人整理番号W−451−01)の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は概して、分析機器および他のシステムで使用される管、ならびにこのような管を作る方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1970年代の始まりから、従来のHPLC(高速液体クロマトグラフィ)は普通、4.7mmのボア内径および約5cmから約25cmの範囲の長さを有するステンレススチール管から構成された分析カラムを利用してきた。4.7mm直径管の選択および連続使用はおそらく、様々な寸法のスチール管の元の利用可能性に関するものである。
【0004】
HPLC機器用の分析カラムを完成させるために、フリット端部取付具は普通、管片に取り付けられ、管はその後、粒子(普通は、様々な官能基で官能化されたシリカ系)で充填される。
【0005】
最適な分離効率を達成するために、完成したカラムを使用して、移動相の適当な流量が重要である。5μm直径の粒子で充填された4.7mm直径のカラムでは、所望の流量は普通、約1mL/分と約2mL/分の間である。分離効率を維持するためには、HPLC機器の配管の掃かれていないデッドボリュームの存在を最小限に抑えることも望ましい。
【0006】
HPLC機器では普通、別個の流体プラグとして流れている移動相に試料を注入するのにインジェクタが使用される。カラムまでおよび/またはカラムから前進するときのプラグバンドの分散により、クロマトグラフィシステムの最終効率が小さくなる。例えば、4.7mmカラム管および1−2mL/分で流れる移動相を使用するクロマトグラフィシステムでは、1/16インチの外径および約0.010インチの内径を有する管は普通、様々なHPLC素子(例えば、ポンプ、インジェクタ、カラムおよび検出器)間の接続を配管するのに使用される。このような流量および管寸法では、管インターフェイスでの最小バンド広がりを保証する許容範囲に対するポート詳細を機械加工することは比較的容易である。
【0007】
移動相溶媒消費を少なくする要望は一部、カラム内径を小さくすることが好まれる傾向を刺激した。したがって、いくつかのスケールのクロマトグラフィが現在普通に実施され、これらは普通、表1に示すように定義される(表中、IDは内径である)。
【表1】

【0008】
マイクロボアHPLCはしばしば、小さな変更で、分析スケールHPLCに使用されるものと同様の設備で実施された。取付具を作る際の小さい程度の追加の注意を使う必要があることは別として、マイクロボアHPLCは普通、分析スケールHPLCのものと同様の操作技術レベルを必要とする。
【0009】
これに対して、毛細管およびナノスケールHPLCは、分析スケールHPLCに対してHPLC素子の相対的に大きな変化が必要である。分析およびマイクロボアHPLCシステムで普通に見られるものなどの、標準的な開ループ往復式HPLCポンプを使用した、約50μL/分未満の安定移動相流の発生は比較的難しい。
【0010】
毛細管スケールクロマトグラフィでは、ステンレススチール管が素子相互接続に有効であるが、内径は普通0.005インチ未満(約125μm未満)でなければならない。普通、少量のデッドボリュームの生成でさえも避けるために、取付具終端部の製造の際に注意が必要である。
【0011】
ナノスケールクロマトグラフィでは、約25−50μmの内径を有する管は普通、機器の素子を相互接続するのに(例えば、ポンプを分離カラムに接続する)のに必要である。ステンレススチール管は普通これらの寸法では利用可能ではないので、ポリイミド被覆溶融シリカ管が普通使用される。溶融シリカ管は優れた寸法許容範囲および極めてきれいで非反応性内壁を有するが、脆く、扱うのが難しい可能性がある。加えて、相互接続ポートは、ナノリットルの掃かれていないデットボリュームでさも防ぐように、厳格な許容範囲に機械加工すべきである。
【0012】
分析スケールHPLCをマイクロボアスケールHPLCと交換する一次要因は、少ない溶媒消費への要望であるが、さらに溶媒消費を少なくすることに加えて、毛細管スケールおよびナノスケールクロマトグラフィへの移動により、例えば約10μL/分未満の流れが使用される場合に、質量分析計に対する改善した検出感度を支持することができる。さらに、毛細管スケールまたはナノスケールシステムはしばしば、少量の利用可能な試料を伴なう応用例(例えば、新生児血液検査)に普通必要な高感度検出の唯一の選択肢である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
毛細管スケールおよびナノスケールクロマトグラフィの利点にも関わらず、HPLCユーザは、マイクロボアスケールおよび分析スケールクロマトグラフィシステムを利用する傾向がある。上に記載したように、これらのシステムは普通、優れた信頼性および相対的な使い易さを提供する。これに対して、毛細管スケールまたはナノスケールクロマトグラフィシステムを作動させる間の、優れたクロマトグラフィ効率の維持は、(例えば、ポンプ、インジェクタ、カラムおよび検出器を接続する管を使用して)システムに配管する場合にかなりの注意が必要である。
【0014】
実際、分析/マイクロボアスケールシステムから毛細管/ナノスケールシステムに時々切り換えるオペレータは、より高い流量の(すなわち、分析/マイクロボアスケール)システムでより優れた分離効率が得られたことに気が付く。これは普通、低い帯域拡張管相互接続を達成するのに必要なオペレータの知識または経験の不足により起こる。さらに、より小さな内径の管の使用は時々、管のより頻繁な詰まりにつながる。
【0015】
毛細管スケールHPLCシステム、およびなおさらナノスケールHPLCシステムで普通に生じる相対問題により、このようなシステムは基本的に、小さな試料寸法に対して、および比較的熟練のオペレータが対応できる場合などの、必要に応じてのみ使用されてきた。したがって、分析研究室は、毛細管スケールおよびナノスケールシステムより多くの分析スケールおよびマイクロボアスケールシステムを所有する傾向があり、毛細管スケールおよびナノスケールHPLCから得られる充実した利点に気が付かない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は部分的に、HPLC機器などの集積高圧化学分離装置が有利には部分的に焼結無機粒子から製造されるという認識により生じる。便利には、本発明のいくつかの例示的な実施形態では、HPLC機器は、様々な範囲の集積で、積層同時焼成セラミック系テープから製造される。本発明のいくつかの実施形態は、少ない数の弁、および/または短い長さおよび/または少ない数の相互接続管の部分、より簡単な製造、低コスト製造、毛細管スケールおよびナノスケールLCのより簡単な動作、少ないデットボリューム、小さい寸法、使い捨て装置、集積装置、およびセラミックベース装置での高圧液体クロマトグラフィなどの利点のいずれかまたは全てを提供する。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、従来の分析スケールまたはマイクロボアスケール機器のものと同様の使い易さで同様の信頼性のある動作を与えるナノスケールマイクロ流体HPLC機器を提供する。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は、例えば電気泳動分離またはフローインジェクション分析用の低圧動作を伴なう従来のマイクロ流体装置を凌ぐ利点を提供する。これらの従来のマイクロ流体装置のいくつかは、ガラス、シリコンまたは合成ポリマーから構成されたマイクロ流体プラットフォームでの比較的低圧動作を提供する。このような低圧または無圧マイクロ流体装置の構成は普通、試料を装填し、分析を行うための比較的単純なインターフェイスを必要とする。
【0018】
これに対して、本発明のいくつかの実施形態は、マイクロ流体基板上で実現されるHPLCを伴なう。これらの実施形態のいくつかは、約1000psiを超える、また約15,000psi以上高い液圧による作動を可能にするマイクロ流体ベースHPLCシステムを提供する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態は、分離カラムが消耗品である従来のシステムを凌ぐ利点を提供する。これらの実施形態によるマイクロ流体ベース高圧カラムは、ユーザがカラムを交換する場合に、低いデッドボリュームがこのようなインターフェイスで保たれるのを保証するために、1つまたは複数の無取付具インターフェイスを利用する。例えば、一実施形態は、基板内で接続された捕捉カラムおよび分離カラムを画定する基板を備えている。これらの実施形態のいくつかはまた、いくつかのマクロスケール取付具を備えているが、これらの取付具は標準的なユーザにはめったに操作されない。
【0020】
図面では、同様の参照符号は全体的に、異なる図面全体を通して同じ部品のことを言う。また、図面は必ずしも等尺度である必要はなく、代わりに全体的に本発明の原理を示すことに強調が置かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
そのいくつかの例示的な実施例が以下に記載されている、本発明のいくつかの実施形態は、部分的にセラミック粒子状材料で形成された素子を含む、または少なくとも部分的にこのような材料で製造された装置を作る方法を伴なう。これらの実施例をより詳細に説明する前に、普通は本発明の多くの実施形態に適用可能な製造方法のいくつかの特徴を次に説明する。
【0022】
便利には、いくつかの実施形態は、装置の製造のためにテープの形の未焼成材料(これ以下場合によって、「グリーンシート」または「グリーンシートテープ」と呼ぶ)を利用する。グリーンシート材料により、本発明のいくつかの原理により、他の素子と協働して、比較的高圧で動作を支持するマイクロ流体装置の比較的容易で低コスト製造が可能になる。
【0023】
グリーンシートは、焼結前に処理および構成するために好都合な形の粒子状材料を含んでいる。グリーンシートは普通、有機結合剤内に分散されたセラミック粒子を含んでいる。焼結中、有機結合剤は、セラミック粒子が互いに対する直接および/または間接結合を形成する間に燃え尽きる。グリーンシートテープの2つ以上のシートは、接着剤の中間層で、またはそれなしで積層することができる。焼結後、単一装置本体が得られる。
【0024】
特定のグリーンシート材料および製造ステップの以下の詳細な説明は、例示的なものであり、包括的なものを意図したものではない。したがって、この説明は、本発明の製造方法をあらゆる特定のセットのステップまたは特定の材料に限るものとして理解すべきではない。
【0025】
粒子含有テープは例えば、有機結合剤内で鋳造されたセラミック粒子を含んでいる。その未焼成状態では、これらのテープは可撓性であり、容易に機械加工される、あるいはパターン化および構成される。本発明の様々な実施形態では、孔、ビア、経路、および/または他のマイクロ流体機構は例えば、機械またはレーザ除去によって、および/またはテープの1つまたは複数の部分にエンボス加工することによって、および/または一過性材料をテープ層の間に配置することによって画定される。
【0026】
1つまたは複数の層は、積み重ねられ、積層され、焼成されて、内部マイクロ流体機構を有する比較的均質な剛性基板を作り出す。いくつかの実施形態では、テープは、金属導体および/または他の機構が印刷される、あるいはマイクロ流体導管を備えた追加の素子を含むようにテープで配置されテープで同時焼成されるという意味において、「同時焼成」される。
【0027】
適切なグリーンシート材料は、ポリマー結合剤内に分散されたガラス、ガラスセラミック、セラミックまたはその混合物の無機粒子を含み、また任意選択で可塑剤および分散剤などの添加剤を含む合成物を含んでいる。セラミック粒子は、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの知られている粒子を含む、あらゆる適切なセラミック粒子である。
【0028】
このような装置は、いくつかの実施形態では、低温および/または高温同時焼成セラミック(LTCC、HTCC)から製造されている。LTCC材料を含む実施形態は例えば、DUPONT(登録商標)951 GREEN TAPE(商標)低温同時焼成誘電テープ(約50μmから約250μmの厚さで、ノースカロライナ州Research Triangle ParkのDuPont Electronic Materialsから市販されている)などの市販の材料を含む、あらゆる適切なLTCC材料を利用する。このようなLTCC材料は、約850℃で焼結する。焼結の比較的低い温度により、集積電気相互接続を含む実施形態では、例えば金、銀またはその合金の高電導性貴金属厚膜導体の使用が可能になる。
【0029】
積層および焼成後、グリーンシート材料は実質的にモノリシック構造を形成する。いくつかの電子応用例では、市販のセラミックグリーンシート材料を使用する電子装置処理方法は、電子装置の分野の当業者に知られている。
【0030】
本発明による1つの装置製造方法は、約50μmと約250μmの間の商業的に利用可能な厚さなどの、あらゆる適切な厚さのシートを利用する。シートは所望の寸法に切断され、完成多層構造で、ビア、経路またはキャビティなどの所望の構造を形成するために、様々な技術を使用して1つまたは複数のグリーンシート層は任意選択で織り目加工される。
【0031】
説明したように、知られている技術を含むあらゆる適切な技術が、グリーンシート層を織り目加工するのに使用される。例えば、グリーンシート層の部分は、ビアまたは経路を形成するために打ち抜くことができる。この動作は、従来の多層セラミックパンチなどのあらゆる適切なパンチを使用して達成することができる。別法では、例えばエンボス加工プレートを使用して、1つまたは複数のグリーンシートの表面内にエンボス加工をすることによって機構が画定される。別法では、レーザ器具などで、1つまたは複数のシートの部分を取り除くためにエッチングにより織り目加工が達成される。
【0032】
マイクロ流体機構を画定するために材料をエンボス加工するまたは除去することに加えて、様々な材料は任意選択で、例えば厚膜ペーストの形でシートに塗布される。これらの材料は、電気相互接続、レジスタ、圧電素子、および導管などの多くの任意選択の機構のいずれかを(焼結中に逃げる多孔質材料および/または一過性材料の使用により)提供する。
【0033】
厚膜ペーストは普通、有機ビヒクル内で分散された粉末の形の金属および/または誘電体である所望の材料を含んでおり、ペーストはスクリーン印刷などの所望の被着技術に適当な粘度を有するように設計されている。有機ビヒクルとしては例えば、樹脂、溶媒、界面活性剤、および流量調整剤が挙げられる。厚膜ペーストとしてはまた、例えば、焼結を容易にするためにガラスフリットなどのフラックスが挙げられる。電子応用例に適用されるような厚膜技術は、電子装置包装技術の当業者に知られている。
【0034】
焼成された厚膜材料の気孔率は、例えば有機材料の量を変えることによって調節される。同様に、グリーンシート層の気孔率は任意選択で、有機結合剤の割合を変えることによって変更される。別法では、気孔率は、有機ビヒクルまたは有機結合剤内に、有機ビヒクルに溶けないポリマーマイクロスフィアなどの別の有機相を分散させることによって大きくなる。
【0035】
電気相互接続は、例えば、銀、白金、パラジウム、金、銅、タングステン、ニッケル、錫、またはその合金の金属粒子を含む厚膜ペーストから形成される。適切な銀ペーストの例は、E.I.Du Pont de Nemours and Companyにより販売されている銀導体組成番号7025および7713である。
【0036】
いくつかの実施形態では、材料の織り目加工および被着後、室温感圧接着剤などの接着剤の中間層で、またはそれなしで2つ以上のシートが積層される。接着剤は、従来の被覆技術などのあらゆる適切な技術によって塗布される。
【0037】
層は共に積み重ねられて、多層グリーンシート構造を形成する。位置合せ孔は任意選択で、積重ね過程を容易にするために、層内に含まれる。
【0038】
積層過程は任意選択で、積み重ねられた層に圧力を加える必要がある。例えば、約1000から1500psiの一軸圧力は、70℃などの高い温度で約10から15分間、約3000から5000psiの静圧を加える前に、積み重ねられたグリーンシート層に加えられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、2500psi未満の圧力は、画定されたマイクロ流体構造寸法の変化を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、さらに低い圧力により、より大きな導管および他のキャビティの形成が可能になる。いくつかの実施形態は、約1000psi未満または約300psi未満または約100psi未満に最大圧力を制限する。以下により詳細に説明するいくつかの実施形態は、導管に所望の形状を提供するために圧力を利用する。
【0040】
積み重ねられたアセンブリの焼成は、積層された多層グリーンシート構造をグリーン状態から焼結状態に変換させて、実質的にモノリシック多層構造を形成する。2段階過程がいくつかの場合に使用される。第1の段階では、結合剤および/または他の有機材料は、例えば約250から500℃の温度範囲で焼き尽くされる。
【0041】
第2の段階では、無機粒子の焼結が起こる。焼結温度は、グリーンシートの組成に応じて選択される。多くのタイプのセラミックでは、適当な焼結温度は、約950℃から約1600℃にわたる。例えば、グリーンシート含有酸化アルミニウムでは、1400℃と1600℃の間の焼結温度がしばしば適切である。窒化ケイ素、窒化アルミニウム、および炭化ケイ素などの他のセラミック材料は、約1700℃から約2200℃などのより高い焼結温度が必要である可能性がある。
【0042】
ガラス状粒子の含有は時々、より低い焼結温度を与える。例えば、グリーンシートがガラス状粒子を含んでいる場合、750℃から950℃の範囲の焼結温度が利用可能である。普通のガラス状粒子は全体的に、約350℃から700℃の範囲の焼結温度を提供する。最終的に、金属粒子は金属によって、550℃から1700℃の範囲の焼結温度を必要とすることがある。
【0043】
積層物は、使用される材料によって、約4時間から約12時間以上などのあらゆる適切な長さの時間だけ焼成される。焼成過程は一部の場合、ポリマーを分解し、その除去を可能にするのに十分な温度および持続時間を提供するように選択される。焼成の前または後に、層状シートは、単一の積層アセンブリから多数の装置を得るためにさいの目に切ることができる。
【0044】
電子装置包装分野の当業者に知られているように、市販材料からの焼結グリーンシート積層物は、焼却中に約0.5から1.5%の容量だけ収縮する傾向があり、焼結中に約14から17%の容量だけ収縮する傾向がある。いくつかの実施形態では、ペーストなどの加えられる材料は、未焼成スタック内に存在する異なる材料間の収縮の適合処理温度および量を提供するように選択される。加えられる機構の対称的な配置はまた、一部の場合で、異なる材料の不適合収縮から生じる内部応力を小さくするために使用される。
【0045】
上に記載したように、様々な実施形態は高圧動作を支持する機構を含んでいる。適切な材料が、所望の圧力レベルを支持するために選択される。例えば、いくつかの市販のLTCC材料はアルミナおよびガラスで構成されており、いくつか市販のHTCC材料は主にアルミナで構成されている。後者は処理によって、前者より約1.5から2倍大きい破壊強度を有する。液圧に対する支持が破壊強度と共に大きくなるので、下にある焼結材料の破壊強度でほぼ直線的に大きくすることにより、HTCC材料を全体としてLTCC材料より高い圧力能力(他の機構も同様である)が提供される。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態は、より高い流体圧力を支持するために、より一般的なHTCC材料より比較的高い破断強度を提供するあまり一般的でないHTCC材料を利用する。このような材料の1つのクラスは例えば、イットリア安定化ジルコニア系クラスの材料である。
【0047】
上記のHTCC材料はいくつかの実施形態では約10,000psi以上の圧力を支持するが、いくつかのジルコニア系材料は典型的なLTCC材料の破断強度の約3倍(いくつかの一般的なHTCC材料の破断強度の約2倍だけ)の破断強度を与える。したがって、この材料を利用したいくつかの実施形態は、約20,000psi以上の圧力を支持する。このような材料は、例えば製品番号42000イットリア安定化HTCCテープとして、ペンシルバニア州King of PrussiaのESL Electro−Scienceから市販されている。
【0048】
本明細書で使用される「焼結」という用語は、粒子を互いに直接的または間接的結合させる粒子の集合の高温処理のことを言う。間接的または直接的結合の形成はいくつかの場合では、拡散および/または溶融過程を伴なう。例えば、いくつかの場合では、直接接触を有する粒子は、粒子構成要素の拡散の結果、直接結合を形成する。いくつかの場合では、焼結後、粒子は中間相を介した間接接触を有する。
【0049】
粒子は、例えばガラス状または結晶材料、例えば結晶セラミック材料でできている。中間相は例えば、ガラス状材料を含んでいる。追加材料は時々、焼結前の粒子の収集で含まれる。例えば、追加材料としては、セラミック粒子、ガラス状粒子、金属粒子、および/または結合剤材料などの有機材料が挙げられる。
【0050】
上に記載したように、ナノスケールHPLCシステムの使用しやすさおよび信頼性の問題の多くは、低いデッドボリューム相互接続を行う際の問題により生じる。マイクロ流体ベースのHPLCシステムは、これらの問題の多くを避ける潜在性を有する。少なくともいくつかのHPLC素子は、マイクロ流体要素として構成され、望ましい相互接続が適切なマイクロ流体経路を介してこれらの要素間で行われる。
【0051】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を、以下により詳細に説明する。この説明を鑑みて、他の実施形態および素子は、化合物分析分野の当業者には自明のことだろう。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態のいくつかの基本的構造機構を、図1を参照して次に説明する。
【0053】
図1は、本発明の一実施形態による、化学処理装置100の一部の断面図である。装置100は、処理ユニット110と、高圧ポンプ120と、高圧ポンプ120から流体を受ける管140と、導管140を処理ユニット110に取り付ける高圧コネクタ130とを備えている。
【0054】
処理ユニット110は、少なくとも部分的に焼結無機粒子で形成され、処理ユニット110の入口ポートに流体連通する分離カラムを画定する。好ましい一実施形態では、ポンプ120は、少なくとも高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で溶媒を含む液体を運ぶように構成されている。高圧コネクタ130は、高圧ポンプ120によって運ばれた液体を受ける導管140にほぼ漏洩のない接続を行うように、入口ポートと物理的に連通している。装置100は任意選択で、化学処理分野の当業者が分かるように、(1つまたは複数の)ポンプ、(1つまたは複数の)導管、(1つまたは複数の)カラム、(1つまたは複数の)電気素子、(1つまたは複数の)コンピュータなどの追加の素子を備えている。
【0055】
処理ユニット110は、第1の層110aを備えており、任意選択で1つまたは複数の追加の層110b、110c、110d、110eを備えている。処理ユニット110の層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数、好ましくは全ては、セラミック系グリーンシートテープから生じ、説明された様式で処理ユニット110を形成するために組み立てられることが好ましい。
【0056】
処理ユニット110によって画定された分離カラムおよび他の導管は任意選択で、図1にA、B、CおよびDの参照印で(並べて(end−on)図示した)示すように、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の厚さを通して完全にまたは部分的に延びている。任意選択で、グリーンシート処理の上の記載で説明したように、導管A、B、C、Dは、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の一部を除去することによって、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数をエンボス加工することによって、またはいずれか2つの層110b、110c、110d、110eの間に一過性材料を被着することによって、未焼成材料内に画定される。図示するように、導管の1つAは、高圧コネクタ130によって管140に流体接続されている。
【0057】
分離カラムは、好ましくは約500μm未満のあらゆる適切な幅を有する。より高圧の動作では、幅は約200μm未満であることが好ましい。高圧ポンプ120および高圧コネクタ130は、約1kspiより大きい、または約2kspiより大きい、または約5kspiより大きい、または約10kspiより大きい、または約15kspiより大きい、または約20kspiより大きい圧力でほぼ漏洩のない動作のために構成されている。特に、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、いくつかの従来の高圧システムと比べて、有利な流体接続を行う毛細管およびナノスケールHPLCシステムである。高圧動作を支持する適切なコネクタのいくつかの実施形態が、図2Aおよび図2Bを参照して以下に詳細に記載されている。
【0058】
図2Aは、機器200aの一部の側面図である。機器200aは、ユニット110と同様の処理ユニット210aと、機器100のコネクタ130として任意選択で使用されるコネクタ230aとを備えている。
【0059】
コネクタ230aは、直接的または間接的に処理ユニット210aに恒久的にまたは取外し可能に取り付けられたハウジング231aを備えている。例えば、ハウジングユニット231aを取り付けるために、コネクタ230aは任意選択で、密封ユニット232aおよび/またはハウジング231aと処理ユニット210aの間で高圧のほぼ漏洩防止シールをも支持する取付具233aを備えている。
【0060】
密封ユニット232aは例えば、接着剤および/またはガスケットを備えている。ガスケットは、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフロオロエチレン、およびポリジメチルシロキサンなどの(1つまたは複数の)知られている材料を含む、あらゆる適切な(1つまたは複数の)材料で形成され、任意選択で、例えば、ガスケットを処理ユニット210aに取り付けるための接着剤コーティングを有する。
【0061】
ガスケットは、円形、多角形、またはでこぼこなどのあらゆる適切な形状を有する。一代替形態(図2Cの上面図で示す)では、ガスケット232cはドーナツ形を有する。
【0062】
ガスケットは任意選択で、約0.05平方インチ未満の面積を有する。ガスケットは、優れた信頼性のために、例えば、少なくとも約1:1、または少なくとも約1.5:1のガスケット係数を有する。
【0063】
取付具233aは、ハウジング231aを処理ユニット210aに取り付けるために、あらゆる適切な(1つまたは複数の)機械素子を備えている。図示するように、取付具233aは任意選択で、処理ユニット210a内に画定された貫通孔に配置されたボルトアセンブリを備えている。ボルトアセンブリは、ハウジング231aと処理ユニット210aの間にほぼ漏洩のないインターフェイスを提供するように、選択した作動圧力に十分な圧力を加えるように調節される。
【0064】
ハウジング231aは、管への接続のために、任意選択で知られている構成を含む適切な構成を有する。例えば、ハウジング231aは任意選択で、知られているHPLCコネクタと同様の機構を備えている。例えば、一実施形態では、ハウジング231aは、クロマトグラフィ分野の当業者が分かるように、導管に液体密接続を行うように働く、2つのねじ切り金属素子およびポリマーフェルールを備えている。
【0065】
図2Bは、機器200bの一部の断面図である。機器200bは、例えばユニット110と同様の処理ユニット210bと、固定具230bとを備えている。機器200bは任意選択で、処理ユニット210bによって出力される化合物のさらなる分析を行う、質量分析ユニットなどの分析モジュール240を備えている。
【0066】
代替実施態様では、固定具230bは、部分的に質量分析計の入口ポートに隣接させて処理ユニット210bを位置決めする支持ユニットとして働く。この実施態様では、処理ユニット210bは任意選択で、例えば、質量分析計の入口ポートに分離した材料を案内するエレクトロスプレーインターフェイス(ESI)を備えている。ESIは、質量分析分野の当業者に知られている構成の機構を任意選択で備えているあらゆる適切な構成を有する。ESIの実施形態に関するさらなる詳細は、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。
【0067】
固定具230bは、いくつかの代替実施態様では、処理ユニット210bの配置および交換を容易にするために、1つまたは複数のヒンジ、および/または1つまたは複数のばねを備えている。固定具230bは任意選択で、例えば処理ユニット210bへの流体接続および/または電気接続を行うように、処理ユニット210bとインターフェイス接続する素子を備えている。
【0068】
例えば、一代替形態では、固定具230bは、例えばコネクタ230aと同様の様式で処理ユニット210bの入口ポートへの流体接続を行う。
【0069】
上記説明を鑑みて、固定具230bの他の構成は当業者には自明のことだろう。例えば、代替固定具は2つ以上の処理ユニットを支持し、いくつかの機器は2つ以上の処理ユニットを支持する2つ以上の固定具を備えている。
【0070】
上に示したように、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、比較的高い流体圧力を支持するマイクロフルイディックセラミックベース機器を必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、分離カラムおよび/または他の導管は、HPLCを行うのに必要なものなどの、選択した作動圧力を維持するように構成されている。対象とするカラム構成機構は例えば、圧力負荷または繰り返し圧力負荷による破壊故障に対するより大きな耐性を与える寸法および/または形状を備えている。
【0071】
高さ、幅、アスペクト比、および/または曲率半径などの導管構成は例えば、経験的および/または理論的考察により選択される。例えば、図3Aから図3Dを参照すると、装置内の応力は、いくつかの例示的な構成の選択を示すモデル計算により推測される。これらの計算は、単に例示的なものと理解されるべきであり、構成の選択の制限や、図示した実施例のあらゆる特定のレベルの精度または完全性の示すものとして理解すべきではない。
【0072】
本実施例では、モデルLTCCベース導管は、50MPa(7,250psi)の内圧によって変形されると推定される。2次元有限要素計算は、圧力および構成の様々な条件での導管の挙動を示すために利用される。単純歪みが推定される。計算領域の右側および左側が固定された(すなわち、ゼロ圧力状態に対する偏差がない)。
【0073】
図3Aは、導管モデルの一角部の計算網目マップを示している(網目のより濃い部分は、より高い応力を有するセラミック材料の領域に対応する)。マップは、導管の角部および曲率半径に関連する応力集中効果を示している。
【0074】
仮想LTCC材料は、152Gpaのヤング係数、0.17のポアソン比、および320MPaの破壊強度の値の等方性弾性を有すると推定された(ノースカロライナ州、Research Triangle Park、DuPont Electronic Materialsから市販されている焼成したDuPont(登録商標)951 Green Tape(商標)低温同時焼成誘電テープの特性にほぼ対応する)。
【0075】
本実施例のモデルは、それぞれ150μmの厚さ3つの層、および250μm幅の経路を有する(経路は、1層の高さ、すなわち250μmを有する)。
【0076】
単に例示する目的で、Von Mises応力タイプ計算(普通は、本実施例と同様に、脆性材料ではなく延性材料に適用される)は、セラミック内に存在する応力の最大値σmaxを判断するために利用される。図3Aの実施例(すなわち、50MPaの経路内の圧力)では、σmaxは約282.2MPaである。この計算によって予測される最大変形は、0.2μm未満である。
【0077】
増加する加えられた圧力(すなわち、導管の壁面に加えられる増加する圧力)に応じてモデルセラミック材料の直線挙動を仮定すると、破壊が起こる最大圧力Pmaxを得ることができる。Pmaxは、例えば、どのような導管圧力でセラミック内の最大応力σmaxがセラミック材料の破壊強度、この場合320Mpaと等しいかを判断することによって得られる。
【0078】
最大持続可能圧力Pmaxは普通、導管壁面の曲率半径の係数である。例えば、図3Aの例示的なモデルは、それぞれ約25μmの曲率半径を有する4つの丸みを帯びた角部を備えたほぼ矩形の形状を有する。図3Bを参照して以下に記載したように、図3AのモデルでのPmaxは、約8,200psiであると推定される。
【0079】
図3Bは、最大持続可能圧力Pmax対角部半径の大きさのグラフである。Pmaxは、角部が1μmの半径を有する場合、約2,000psiである。より丸みを帯びた角部、すなわちより大きな半径を有することにより普通は、所与の加えられた液圧により小さな応力集中、したがってより小さなピーク応力が与えられ、したがって、より高い許容可能な加えられた圧力を提供する。例えば、50μmの半径は、約12,000psiのPmaxを与える。また、ここに記載した特定の値は、例示的な定性的な目的を意図したものである。
【0080】
図3Cは、最大維持可能圧力対導管の幅のグラフである。この実施例では、経路幅は100から500μmまで変化する。全ての角部は、25μmの半径を有する。グラフは、導管の固定高さを仮定して、より狭い経路がより高い許容可能な圧力を与えることを示している。
【0081】
図3Dは、最大維持可能圧力対層の数のグラフである。すなわち、この計算では、層の数は変えることが可能である。この実施例では、全ての層はまた150μmの厚さであり、経路はまた250μmの幅であり、図3Aに関しては、角部半径は25μmである。
【0082】
グラフに示すように、層の数を3から5に多くすることにより、約25%の最大圧力が高くなる。層の数を5から7層に多くすることにより、10%未満だけPmaxが良くなる。したがって、この実施例の状況では、所望の場合、少ない層の数と大きな最大持続可能圧力の間の均衡を得るために、5層の材料を利用することを合理的に選択することができる。
【0083】
上記実施例は、装置および経路構成の選択に関するいくつかの状況において、いくつかの指導を与える。したがって、いくつかの実施形態では、LTCC材料をベースにした装置は、約300μm未満の経路幅で、約5,000psiより大きい作動圧力を支持する。
【0084】
いくつかの実施形態では、ある場合、角部半径は、所望の最終作動圧力によって、好ましくは約5μmより大きい、より好ましくは約25μmより大きい、さらに好ましくは約50μm以上である。処理ユニットはいくつかの実施形態では、分離カラムの高さの約3から約7倍の範囲である厚さを有する。
【0085】
いくつかの実施形態では、製造ステップは、所望の半径大きさを有する角部の製造を支持する。知られている技術を含む、所望の丸み量を作り出すあらゆる適切な技術が利用可能である。例えば、比較的鋭い機構の所望の丸み程度を有するエンボス加工固定具が角部半径を定めるのに利用可能である、および/またはグリーンシートスタックに加えられる圧力のレベルの選択は、角部半径を定めるのを助けることができる。
【0086】
次に、本発明の装置および製造方法のいくつかのより詳細な代替例示実施形態を、図4から図11を参照して説明する。
【0087】
図4は、本発明の一実施形態による、化学処理ユニット400の上面図である。ユニット400は、捕捉カラム411、分離カラム412、および捕捉カラム入口ポートI、分離カラム出口ポートO、および捕捉カラム出口ポートTを含む流体ポートI、O、Tを画定する、セラミックベース基板410を備えている。捕捉カラム入口ポートIは、例えばインジェクタおよびポンプからの流体に対して、捕捉カラム411に入口を提供する。捕捉カラム出口ポートTは、捕捉カラム411に出口を提供する。分離カラム出口ポートOは、分離カラム412から出る溶離剤に出力を提供する。
【0088】
例示的な一実施態様では、化学処理ユニット400は3層LTCC基板を備えている。底部層はブランク層であり、中間層は捕捉および分離カラムを備え、上部層は捕捉カラムおよび分離カラムの入口および出口、すなわち図4の流体ポートI、O、Tに相当する入口および出口と位置合わせされた3つのビア孔を有する。
【0089】
この実施態様では、分離カラムは、蛇行構成、約10cmの長さ、および約100μmの幅を有する。捕捉カラムは、約1cmの長さ、および約180μmの幅を有する。全体的に、蛇行または他の非直線カラム構成は、ほぼ直線カラムを画定する基板または管に対する所与のカラム長さでセラミック基板の寸法減少を可能にする。
【0090】
高圧流体コネクタは、例えば糊または締め付け装置により、捕捉カラム入口ポートに密封される。同様の接続が、分離カラム出口ポートおよび捕捉カラム出口ポート(捕捉弁ポート)に行われる。
【0091】
分離カラムは、溶融シリカ毛細管を分離カラムの出口ポートコネクタに取り付けることによってスラリー充填され、毛細管は、スラリーが分離カラムを通して毛細管から流れた場合に、カラム充填粒子を捕捉するようにガラス粒子フリットを有していた。充填スラリーの希釈レベルは、分離カラム全体の優れた充填を行うように経験的に選択された。分離カラムは任意選択で、所望の充填が例えば、所望のクロマトグラフィ効率を得るために得られるまで、流され再充填される。
【0092】
化学処理ユニット400は、例えば、500nL/分未満の流量のナノスケールHPLCに適用可能である。クロマトグラフィ分野の当業者には分かるように、大量の試料は、例えば5−20μL/分の流量で捕捉カラム411上に装填可能である。試料が捕捉カラム411上に装填されると、捕捉弁が閉鎖され、溶媒勾配が開始して、分析のために試料を捕捉カラム411から分離カラム412の上に溶出する。
【0093】
ユニット400は、いくつかの従来のナノスケールシステムで見られる管接続の数が少なくなる。ユニット400はいくつかの代替例では、部分的にはその比較的低い製造コストにより、消耗品として使用される。
【0094】
次に図5A、図5B、図5Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、セラミックベースクロマトグラフィ装置内の導管を充填する方法を必要とする。これらの実施形態は、いくつかの場合、約1−5μmの範囲の直径を有する球面シリカ粒子で充填された分離カラムを備えている。シリカ材料は任意選択で、保持挙動を変えるように、様々な官能基で誘導体化される。
【0095】
これらの実施形態のいくつかは、1または複数の分離カラムなどの、導管内の粒子の捕捉を助けるためのフリットまたは他の機構を利用する。以下に説明するように、基板の内部および/または外部に配置された一時的および/または恒久的構造は、いくつかの実施形態では、粒子を捕捉するために使用される。
【0096】
いくつかの従来のカラム充填技術は、本発明のいくつかの実施形態による、いくつかのLTCC/HTCCベースナノまたは毛細管スケールクロマトグラフィシステムにあまり適合していない。例えば、いくつかの従来のフリット生成のための高温焼結および化学結合方法は、溶解された領域への比較的容易なアクセスが(すなわち、化学結合剤の局所加熱または蒸着を行う)必要である。このような容易なアクセスは、いくつかの実施形態で利用可能ではない。
【0097】
図5Aは、本発明の例示的な一実施形態によれば、中間製造段階でのセラミックベース装置500aの一部の上面ブロック図である。装置500aは、図示した中間製造段階では、分離カラム520と、カラム520に隣接したビア(via)導管510と、カラム520の端部とビア510の間に配置された導管画定素子530とを備えている。導管画定素子530は、炭素含有材料などの犠牲/一過性材料を含んでいる。
【0098】
導管画定素子530は例えば、細かい炭素またはポリマー繊維(例えば、約10μmの直径を有する)である。焼成中、一過性材料は焼け落ちて(あるいは、可動性を得て)、分離カラムをビア導管に接続する比較的狭い導管から離れる。狭い導管は、装置の後の製造段階中に、カラム内に粒子を捕捉するためにフリットとして働く。導管画定素子530の寸法は、導管の所望の寸法を画定するために選択される。
【0099】
代替実施形態では、導管画定素子530は、例えばスクリーン印刷により被着されたペーストである。ペーストは犠牲構成要素を含み、任意選択で追加の材料を含んでいる。追加の材料は例えば、ガラス状材料、セラミック材料、および/または金属材料で形成された粒子を含んでいる。
【0100】
代替実施形態では、上に記載するように、例えば材料の除去またはエンボス加工による積層前に狭い導管が画定される。
【0101】
約5μm未満の直径を有する粒子がいくつかの実施形態で好ましいが、いくつかの場合では、粒子は両方とも5μmより大きい直径を有する2つの導管の間の遷移区域、例えば75−150μm直径の分離カラムから10μm直径の導管までの遷移によって適当に捕捉される。
【0102】
図5Bは、本発明の例示的な一実施形態によれば、セラミックベース装置500bの一部の上面ブロック図である。装置500bは、分離カラム525と、カラム525内に配置された多孔質プラグ540と、プラグ540に隣接してカラム525内に配置された充填粒子530とを備えている。多孔質プラグ540は、カラム525の充填中にフリットとして働く。
【0103】
多孔質プラグ540は、知られている方法および上に記載の方法を含む、あらゆる適切な方法により製造される。例えば、多孔質プラグ540は、分離カラム525の一端部に被着されたペーストが起源である。ペーストは任意選択で、焼結および/または化学結合過程により固定される材料を含んでいる。
【0104】
図5Cは、本発明の別の例示的な実施形態により、中間製造段階でセラミックベース装置500cの一部の側面ブロック図である。装置500cは、分離カラム550を画定する基板510と、カラム550の一端部を出口ポートに接続するビア導管570と、出口ポートを遮断するように配置されたフリット560とを備えている。
【0105】
フリット560は、知られている材料を含むあらゆる適切な材料を含んでいる。例えば、フリットは濾紙、例えば、ほぼ単一の方向への流体流れを可能にする指向性濾紙で形成される。
【0106】
フリット560は、基板510に恒久的にまたは取外し可能に取り付けられている。フリットは、あらゆる適切な機構により基板510に取り付けられている。例えば、フリット560は任意選択で、基板510に糊付けおよび/または止められている。
【0107】
カラム550の充填後、出口ポートは任意選択で、フリット560を除去して、または除去することなく密封される。例えば、ポートおよび/またはフリット560は任意選択で、PDMSで密封される。
【0108】
次に図6Aおよび図6Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、質量分析のためのエレクトロスプレーインターフェイスが必要である。本発明のいくつかの実施形態では、このようなインターフェイスは、セラミックベース基板の一体部分である、またはセラミックベース基板に取り付けられている。これらのいくつかの実施形態のいくつかは、交換可能なエレクトロスプレー先端を備えている。いくつかの実施形態は、一列の先端などの2つ以上の先端を備えている。
【0109】
図6Aは、エレクトロスプレーインターフェイス680aを組み込むセラミックベース装置600aの一部の側部ブロック図である。装置600aは、分離カラム(図示せず)および分離カラムの出口をインターフェイス680aに接続する導管625を画定するセラミックベース基板610aを備えている。インターフェイス680aは、基板610aの一体形成部である。
【0110】
インターフェイス680aは、例えば、知られている技術を含むあらゆる適切な技術により(1つまたは複数の)未焼成層内に形成される。例えば、未焼成材料の一部は、所望のエミッタ先端形状を形成するように、出口導管の周りから取り除かれる。出口導管は、例えば、基板610aの平面と平行に基板610aの縁部から延びており、または基板610aの平面と垂直に基板610aの表面から延びている。他の実施形態は、非平行および非垂直配向で延びるエミッタ先端を有する。未焼成材料は、例えばエキシマレーザおよび/または上に記載した他の方法の使用により取り除かれる。
【0111】
図6Bは、処理ユニット610b、エレクトロスプレーインターフェイス680b、およびコネクタ630bを備えたセラミックベース装置600bの一部の側面ブロック図である。エレクトロスプレーインターフェイス680bは、基板610bに恒久的に取り付けられる、または取外し可能に取り付けられる。例えば、図2Aを参照して上に記載したものと同様のコネクタは、インターフェイス680aを取外し可能または恒久的に取り付けるために利用可能である。インターフェイス680bは、あらゆる適切なエレクトロスプレーインターフェイスである。例えば、インターフェイス680bは任意選択で、液体クロマトグラフィ/質量分析インターフェイス分野の当業者に知られているエレクトロスプレーインターフェイスの構成と同様の構成を有する。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態のナノスケールHPLC素子は、質量分析計に結合されていることが好ましい。典型的な質量分析計は、約10μL/分未満の流れが使用される場合に感度が普通良くなる濃度感応検出技術である。UVおよび蛍光検出は、分析およびマイクロボアスケールクロマトグラフィのための主な検出方法であるが、普通は約1μL/分未満の流量でのバンド広がりを防ぐのに十分低い容量で光学検出流れセルを構成することは難しい。
【0113】
図6Aおよび図6Bを参照して上に説明した実施形態は任意選択で、図2Bの実施形態で使用される。
【0114】
図7は、本発明の例示的な一実施形態によれば、セラミックベース装置700の一部の側部ブロック図である。装置700(図4に示す実施形態と同様)は、分離カラムおよび捕捉カラム(図示せず)、通気ポートにつながる流体ビア730、およびビア730を捕捉カラムに接続させる経路740を画定する処理ユニット基板710を備えている。装置700はまた、流体ビア730の出口ポートと連通する捕捉弁720を備えている。
【0115】
弁720は、ハウジング721と、ハウジング721に直接または間接的に取り付けられた適合部材723と、ハウジング721に直接または間接的に取り付けられたアクチュエータ722とを備えている。ハウジング721は、通気ポート750を有し、弁720に入りそこから出る流体流用の通路を提供する流体経路を画定する。弁720は、流体ビア730の出口に隣接して配置されている。
【0116】
弁720は、開放および閉鎖状態を有する。閉鎖状態では、弁720のハウジング、またはそこに取り付けられた任意選択の素子は出口ビアポートを遮断する。例えば図示するように、弁720は任意選択で、弁720が閉鎖状態にある場合に、出口ポートを押し、これを密封する密封素子724を備えている。開放状態にある場合、適合部材723は実質的に、流体が必要に応じて弁導管から出るより、弁720から漏洩するのを防ぐ。
【0117】
可変な弁状態に関連して、基板710に対するハウジング721の位置は、アクチュエータ722に応じて調節可能である。図示したように、弁720は開放状態にある。
【0118】
適合部材723は、回復可能に変形し、適合部材723と基板710の間にある少なくともいくつかの粒子にも関わらず密封を提供することを可能にする弾性特性を有することが好ましい。
【0119】
適合部材723は、円形構成を有する。代替実施形態では、適合部材は代替構成、例えば、四角形、矩形、またはより一般的な形状を有する。さらに、適合部材は2つ以上の素子部品を備えることができる。当業者に分かるように、適合部材は例えばOリングまたはガスケットであってもよい。
【0120】
適合部材723の少なくとも一部は、例えば知られている適合材料を含む、(1つまたは複数の)適切な適合材料を含んでいる。例えば、Oリングは、例えばニトリル、シリコーン、フルオロカーボン、フルオロシリコーン、エチレンプロピレン、ネオプレン、またはポリウレタンでできていることが適切である。いくつかの実施形態では、適合材料は生体適合性のために選択される。
【0121】
密封素子724は、ビア出口ポートと接触する場合に流体密封を適切に提供するあらゆる材料で形成されている。材料は任意選択で、生体適合性および/または高圧性能のために選択される。密封素子は例えば、約1kpsiまで、約2kpsiまで、約10kpsiまで、約15kpsi以上の圧力でほぼ漏洩のない密封を与える。
【0122】
アクチュエータ722は、基板720に対するハウジング721の制御可能な位置決めを可能にするあらゆる適切な構成を有する。例えば、アクチュエータ722は任意選択で、電圧の付加により厚さが変わる圧電材料を含んでいる。圧電アクチュエータは、知られている材料を含むあらゆる適切な圧電材料を含んでいる。
【0123】
したがって一実施例では、圧電アクチュエータの膨張は、出口ポートの遮断につながり、高圧密封を作り出す。圧電アクチュエータの収縮は高圧密封を開いて、流体をポートから弁導管を通して流すことを可能にする。比較的低圧の適合部材723は、ビアポートから出る流体が弁720の通気ポートから案内されることを保証する。
【0124】
捕捉弁720は、排水される流れの迂回を制御し、それによって試料を高い流量で捕捉カラム上に装填することを可能にする。捕捉弁720が閉鎖された場合、流れは分離カラムを通して案内される。
【0125】
図8は、本発明の一実施形態によれば、セラミックベースクロマトグラフィ装置800の一部の上面図である。装置800は、流体経路を画定する基板810と、導波路820とを備えている。導波路820は、クロマトグラフィ分野の当業者に分かるように、経路を通して流れる流体の光ベース分析を支持する。
【0126】
導波路820の少なくとも一部が、基板810内に配置されている。導波路820は、あらゆる適切な材料を含んでいる。導波路820は例えば、光ファイバを含んでいる。経路は、上記技術のいずれかによって形成可能である。
【0127】
製造中、光ファイバなどの導波路材料は、基板810の層の間に配置されている。代替形態として例えば、導波路経路はグリーンシート内に形成され、次いで、適切な屈折率を有する材料で充填される。適切な屈折率は例えば、周囲材料の屈折率より大きい。
【0128】
導波路820はいくつかの実施形態では、感光材料を光のパターンに曝すことによって画定される。例えば、光は感光材料内のモノマーを選択的に重合するために使用され、それによって得られた光重合領域は周囲領域より高い屈折率を有する。このようにして、光のパターンを使用して、ポリマー、すなわち塑性材料内に光学導波路パターンを画定することができる。このような導波路形成材料は例えば、ポリマー結合剤内のアクリレートおよびメタクリレートモノマーを含んでおり、任意選択で、開始剤および他の構成物質を含んでいる。いくつかの導波路形成材料は、ペンシルバニア州Kennett SquareのPolymer Photonics,Inc.から市販されている。
【0129】
装置800は任意選択で、基板810内に、その上におよび/またはそこから離れて配置された発光器および/または光検出器を備えている。検出器は例えば、電荷結合素子(CCD)または光ダイオードアレイなどの多チャンネル検出器を備えている。導波路820はしたがって、クロマトグラフィ分野の当業者が分かるように、例えば光吸収および/または発光分光法を支持する。一代替形態では、励起放射が導波路820の1つの部分を介して経路に加えられ、蛍光放射が導波路820の別の部分によって受けられる。
【0130】
次に図9および図10を参照して、本発明のいくつかの実施形態の流量調整機構を説明する。
【0131】
図9は、本発明の一実施形態による、セラミックベース装置900の一部の上面図である。装置900は、流体経路930を画定する基板910と、熱ベース流量センサの流量センサ素子911、912、913と、素子911、912、913に導電経路を提供する電気相互接続部920とを備えている。熱ベース流量センサは、20μL/分未満の流量の正確な測定を適切に行う。流量センサは、1つまたは複数のポンプによって運ばれる流れを測定し、ポンプは所望の流量を得るように応答可能に制御される。
【0132】
一実施例として、装置900は、ナノスケールクロマトグラフィを、すなわち例えば約5μL/分未満の流量で支持する。市販の分析システムで使用されるいくつかの典型的な往復動プランジャポンプ技術は、このような低い流量では信頼性がない。加圧中の流体の通常の密封および逆止弁漏洩および圧縮は普通、標準スケールのHPLCでは重要ではないが、ナノスケール流量ではかなりの流量誤差を引き起こす。熱ベース流量センサは、このような誤差の修正を支持する。
【0133】
素子912は発熱器を備え、他の2つの素子911、913は任意選択であらゆる適切な温度センサである温度センサを備えている。素子のいずれかが、経路930内の流体と接触する、または基板910のセラミック部によって分離される、および/またはいくつかの追加の材料、例えばガラスまたはポリマーなどの低い熱伝導材料によって分離される。
【0134】
発熱器は例えば、材料を通して流れる電流に応じて、温度が上昇するあらゆる適切な知られている抵抗材料を含んでいる。
【0135】
熱ベース流量センサは例えば、図10に示すように作動する。図10は、導管の位置に応じた導管内の流体の温度のグラフである。別個の熱プラグが、示された位置で流体に案内される。案内された熱は、上流側および下流側方向の両方に(すなわち、流体移動および/または熱拡散により)分散する。
【0136】
経路内の非移動流体の別の部分が連続的に加熱されると、図10の曲線aと同様の温度プロファイルが展開する。この温度プロファイルの形状は、流体に加えられる熱の量、および流体の上流側および下流側温度による。
【0137】
同一の上流側および下流側流体温度とすると、このゼロ流状態では、熱拡散が両方の方向で等しいので、P1およびP2で測定された流体温度は同じである。経路内の流体が流れることが可能である場合、P1およびP2での流体温度はまた、流束の速度および得られる熱対流による。流体が加熱された区域を過ぎて流れ始めると、図10の曲線bと同様の温度プロファイルが展開する。というのは、熱の対称拡散に加えて、加熱された流体の非対称対流が流体流の方向に起こるからである。したがって、流れている状態では、P1およびP2で測定される流体温度は異なる。
【0138】
P1およびP2で行われる温度測定はサンプリングされ、例えば、極端に小さい上流側および下流側温度差の区別を可能にする、高度の共通モードノイズ除去を可能にするようにインサイチューで電子的に減算および増幅される。加えて、P1およびP2で温度を測定する温度センサの適当な配置によって、および/または流れている流体に加えられる熱の量を変えることによって、流量変化に対する上流側/下流側ΔT反応を最大限にするように、温度プロファイルに沿った変曲点で温度測定を行うことができる。
【0139】
代替または相補的流量調整機構は、ポンプおよび流量センサと直列の可変流体抵抗要素を必要とする。熱調整可変抑制要素(TCVRE)は、例えばペルチェ要素を使用した加熱/冷却により実行することができる。
【0140】
本発明のいくつかの実施形態は、上に示すように、多層装置内に埋め込まれたレジスタなどの電子装置を備えている。レジスタは例えば、例えばいくつかの流量センサ内で使用可能なような、加熱素子および/または温度センサなどのマイクロ流体経路内で利用可能である。電子LTCC応用例で商業的に利用可能な感熱厚膜抵抗要素は例えば、本発明のいくつかの実施形態での使用に適している。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態は、セラミックベース流量センサおよび/または熱調整可変リストリクタを使用するプレおよび/またはポストカラム分流制御機構を備えている。いくつかの実施形態は、圧電抵抗材料をベースにした圧力センサを備えている。適切な同時焼成可能圧電抵抗ペーストは例えば、3414シリーズのペースト(ペンシルバニア州King of PrussiaのElectro−Science Labから市販されている)である。
【0142】
次に図11を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、上記のLTCCおよび/またはHTCC材料などのセラミック材料で形成された動電(EK)ポンプを備えている。本発明のいくつかの実施形態は、セラミック基板内に形成された(1つまたは複数の)外部EKポンプおよび/または(1つまたは複数の)内部EKポンプを備えている。いくつかの実施形態は、一体型のEKベースLTCC/HTCC HPLCシステム(例えば、ポンプ、流量調整器、インジェクタ、およびカラム)を備えている。いくつかの実施形態では、EKポンプは、EK機能に適当な粒子またはモノリスで、上に説明したのと同様の様式で経路を形成および充填することによって作り出される。
【0143】
図11は、本発明の一実施形態によれば、セラミック基板内に形成されたEKポンプ1100の断面図である。ポンプ1100は、経路1120を画定する基板1110と、経路1110内の多孔質ポンプ媒体1125と、多孔質ポンプ媒体1125のいずれかの端部と電気接触する電極1141、1142と、電極1141、1142に接続された電源装置1190と、経路1120の入口ポートに隣接した流体リザーバ1120とを備えている。ポンプ1100は、必要に応じて、1kpsiより大きい、または2kpsiより大きい、または5kpsiより大きい、または10kpsi以上の圧力を与える。圧力は、電源装置1190によって加えられる電圧および/または電流に応じて制御可能である。
【0144】
電極1141、1142および/または多孔質ポンプ媒体1125は任意選択で、例えば上記の厚膜技術の使用により形成される。電極1141、1142は任意選択で、必要に応じて、例えば多孔質材料1125に対する被着によって、中実または多孔質である。
【0145】
知られている材料を含むあらゆる適切な材料が、電極1141、1142および多孔質ポンプ媒体1125の厚膜加工に使用される。白金厚膜は例えば、電極を形成するのに適切である、または経路内に鋳造された多孔質白金厚膜は任意選択で、高容量流入電極として使用される。NAFION(登録商標)スルホン化テトラフルオロエチレン共重合体(デラウェア州WilmingtonのDuPontから市販されている)などの非多孔質イオン輸送媒体は任意選択で、例えば、流体不透過性の無ガス電極システムを作り出すために、経路内の鋳造により使用される。例えば、Evansの米国特許出願公開第2005/0254967号およびCrockerの米国特許第7,094,326号を参照のこと。
【0146】
多孔質ポンプ媒体1125は、電気浸透により圧力および流れを発生させるように電源装置を介して充電される。多孔質材料1125は、あらゆる適切な様式で形成される。例えば、いくつかの適切な材料としては、多孔質セラミックベース電極などの燃料電池使用から知られているLTCC材料が挙げられる。
【0147】
電源装置1190は、流量および/または圧力を制御するように電圧および/または電流制御を行う、知られている電源を含むあらゆる適切な電源装置である。本発明のいくつかの原理による装置は任意選択で、(1つまたは複数の)EKポンプおよび流量調整素子の両方を備えている。例えば、装置はアナログおよび/またはデジタル制御回路を提供する電子素子のはんだ付けを支持するように、厚膜金属化などの実装流量調整電子部品を備えている。別法では、流量調整電子部品は、セラミックベース基板とは別に含まれる。
【0148】
本発明のいくつかの原理によるいくつかのEKポンプは、(1つまたは複数の)無ガス電極、例えば流体の流れと干渉する可能性の高い気泡発生がほとんどない知られている無ガス電極を利用する。例えば、図12は無ガス隔離電極システムを利用するEKセラミックベースポンプ装置1200の端部断面図である。装置1200は、セラミックベース基板1210と、基板1210内のビアに形成された多孔質電極1240(本明細書ではガス拡散電極とも呼ぶ)と、多孔質電極1240と接触する導体接続部1260と、基板1210内に画定されたEKポンプ経路1220内の多孔質ポンプ材料と、基板1210内の経路内の多孔質ポンプ材料1220と接触する非多孔質誘電材料1250と、露出された誘電材料1250を覆う任意選択の非多孔質プラグ1230とを備えている。
【0149】
装置1200は、あらゆる適切な様式で製造される。例えば、LTCCまたはHTCCベースのグリーン構造は、EKポンプ経路1220、多孔質ポンプ媒体1125、および誘電材料1250を格納するキャビティで形成されている。
【0150】
焼成前に、電極1240および誘電材料1250の両方の部分を含むように画定されたビアは、(焼結によって電極1240を形成するように)多孔質Pt電極厚膜材料で部分的に充填され、同様に、(導体接続部1260を形成するように)表面厚膜導体トレースは、多孔質Ptビア充填と接触して被着される。
【0151】
焼成後、ビアの残りの未充填部分、およびビアからEKポンプ経路1220までつながる経路は、スルホン化テトラフルオロエチレン共重合体などの非多孔質誘電材料で充填される。任意選択で、露出された誘電材料1250が覆われる。例えば、低硬化温度非多孔質プラグ1230(すなわち、典型的な2液エポキシ接着剤)は、非多孔質誘電材料1250の噴出または汚染を防ぐために露出されたビア1250を覆うために使用される。
【0152】
上記電極システムは、高圧EKポンプ流体および基板1210の外部の大気圧の間の流体輸送を防ぎながら、高圧電源装置に接続された乾式導体1260とポンプ流体の間のイオン輸送を可能にする。
【0153】
上の説明を鑑みて、当業者はEKポンプのいくつかの実施形態は任意選択で、圧力源として構成されることが分かるだろう。これらの実施形態のいくつかは、流量センサおよび流れフィードバック制御システムを備えており、これらの実施形態のいくつかは適切な流源を提供する。
【0154】
図13Aは、セラミックベースEKポンプ流源1300Aの上面ブロック図である。源1300Aは、セラミックベース基板1110Aと、基板1110A内のEKポンプ素子1120Aと、基板1110A内に画定され、ポンプ1120Aの第1および第2の端部と流体連通するポンプ入口Iおよびポンプ出口Oと、ポンプ1120Aの第2の端部と出口Oの間に配置された流量センサ1320Aと、素子1120Aのポンプ媒体と電気連通した電源装置1190Aと、流量センサ1320Aおよび電源装置1190Aと連通した流量調整システム1310Aとを備えている。
【0155】
入口Iは、流体リザーバに接続されている。このリザーバは、例えば源1300Aの内側のキャビティとして製造される、源1300Aの上に取り付けられる、または衛星リザーバとして、流体導管を介して源1300Aに接続される。
【0156】
ポンプ素子1120Aから出た流体は、源1300Aの一部として同時製造された流量センサ1320Aを通して流れる。例えばセラミック材料で実施される標準的な多層回路基板製造を利用する基板1110A上で、または基板1110Aから離れて実施される流量調整システム1310Aは、流量センサ1320Aからの流れ情報を受け、例えば選択した流れ設定点を達成するために高圧EKポンプ電源装置1190Aの電流または電圧のいずれかを調整する。
【0157】
代替実施形態は例えば、複数のEKポンプを備えている。例えば、図13Bは図13Aに示されたものと同様であるが、より高い流量を得るために多数のEKポンプ経路を利用したシステムを示している。
【0158】
図13Bは、セラミックベースEKポンプ流源1300Bの上面ブロック図である。源1300Bは、セラミックベース基板1110Bと、基板1110B内の3つのEKポンプ素子1120Bと、基板1110B内に画定され、ポンプ1120Bの第1および第2の端部と流体連通したポンプ入口Iおよびポンプ出口Oと、ポンプ1120Bの第2の端部と出口Oの間に配置された流量センサ1320Bと、素子1120Bのポンプ媒体と電気連通した電源装置1190Bと、流量センサ1320Bおよび電源装置1190Bと連通した流量調整システム1310Bとを備えている。
【0159】
次に図14A、図14Bおよび図14Cを参照して、多数の捕捉カラムを備えた例示的な実施形態を説明する。いくつかの場合に複数の捕捉カラムの使用が有利である。例えば、ナノスケールセラミックベース消耗装置の本発明によるいくつかの実施形態は、分離カラムの前の流体通路内に発生する試料汚染による故障を軽減するように、複数の捕捉カラムを備えている。
【0160】
本発明のいくつかの消耗セラミックベース装置は、多数の捕捉カラムを含めることによって、分離カラムの使用を長くする。したがって、ナノスケールLC消耗品は任意選択で、外部弁または実装ポート選択を使用して個別に流体的にアドレスされた多数の捕捉カラムを備えている。
【0161】
図14Aは、セラミックベース液体処理装置1400Aの上面ブロック図である。装置1400Aは、セラミックベース基板1410Aと、基板1410A内の多数の捕捉カラム1430Aと、各捕捉カラム1430Aに対する入口ポートIと、基板1410A内にあり、捕捉カラム1430Aの出口端部と入口端部にて、および基板1410A内に画定された出口ポートOと出口端部にて流体連通する分離カラム1420Aとを備えている。装置1400Aはしたがって、別の入口ビアを有するが、全て例えば(1つまたは複数の)分析カラムとの共通接点で接続された多数の捕捉カラムを提供する。
【0162】
多数の捕捉カラム1430Aのいずれか1つは、残りの捕捉カラム1430Aの入口ポートIを塞ぎながら、カラム1430Aの入口ポートIまで入口インターフェイスを移動させることによってアドレス可能である。
【0163】
別法では例えば、独立した入口および出口ビアを備えた多数の捕捉カラムは単一のチップ上に構成され、外部弁または実装弁および流体インターフェイスは、HPLCインジェクタを選択した捕捉入口に接続し、選択した捕捉出口を分析カラム入口に接続するために使用される。例えば、図14Bはセラミックベース液体処理装置1400Bの上面ブロック図である。装置1400Bは、セラミックベース基板141BAと、基板1410B内の多数の捕捉カラム1430Bと、各捕捉カラム1430Bに対する入口ポートIおよび出口ポートOTと、基板1410B内にあり、基板1410B内に画定された入口ポートISおよび出口ポートOで流体連通する分離カラム1420Bとを備えている。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態は、異なる固定相を有する多数の捕捉カラムを備えたナノスケールLC消耗品を必要とする。異なる固定相を有する多数の捕捉カラムを備えた消耗品は、例えば、錯体ペプチド分離で普通に使用されるイオン交換/逆相分離システムなどの多次元分離に使用可能である。別法では、2つの直列に接続された捕捉カラムは、例えば、第1の捕捉カラム内のトリプシンなどの固定化酵素を使用して総タンパク試料を分解するために使用可能とされ、トリプシンカラム内に作り出されたペプチドを収集する逆相捕捉カラムが続く。
【0165】
例えば、図14Cはセラミックベース液体処理装置1400Cの上面ブロック図である。装置1400Cは、セラミックベース基板1410Cと、基板1410Bと直列に接続された多数の捕捉カラム1430Cと、捕捉カラム1430Cの第1のものに対する入口ポートIと、基板1410C内にあり、捕捉カラム1430Cの出口と流体連通し、基板1410C内に画定された出口ポートOを有する分離カラム1420Cとを備えている。
【0166】
次に図15Aおよび図15Bを参照して、本発明のいくつかの実施形態は、(1つまたは複数の)電子素子をマイクロ流体セラミックベース基板に組み込む。上記と同様の処理ステップが任意選択で、例えば、多層電子回路などの電子回路を本発明のセラミックベース装置内に組み込むために利用される。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、電子要素をマイクロ流体システムのセラミックベース基板と一体化するために同時焼成金属化を利用する。
【0167】
いくつかの実施形態では、システムは、温度感知および加熱のための一体化抵抗要素を含む実装温度制御素子を備えている。いくつかの代替実施形態は、電子素子をはんだ付けあるいは別の方法で取り付けるように、プリント回路様厚膜システムを使用して、マイクロ流体同時焼成基板の上に(1つまたは複数の)電子素子(集積回路および/または受動素子)を取り付ける。
【0168】
別法では、いくつかの電子素子は、接触パッドなどの基板インターフェイスを介して、実装アナログまたはデジタル装置(流量センサまたは温度センサ、加熱装置、および検出システムなど)と相互作用する。一代替形態として、アナログまたはデジタルでの多数の実装センサおよび制御システムの信号処理および統合は、基板と外部制御システムまたはユーザインターフェイスの間に単一アナログまたはデジタルインターフェイスを提供する。さらに他の代替実施形態は、例えば、装置をシリアル化する、使用履歴を記憶する、またはキャリブレーション情報、工場検査データまたは使用方法を提供するために使用される、EEPROM、または他の再書込み可能なまたは固定記憶システムなどの実装電子データ記憶素子を備えている。消耗基板とインターフェイス接続するホストシステムは任意選択で、データを読み取る、または実装データ記憶ユニットに書き込む。
【0169】
例えば、図15Aおよび図15Bは、セラミックベース装置1500の立体図を示している。基板のパターン化層に結合されたマイクロ流体素子が、図15Aに示され、基板の表面に結合された電子素子が図15Bに示されている。装置1500は、分析カラム1520および分析カラム1520と連通する捕捉カラム1530を画定するセラミックベース基板1510と、分析カラム1520に隣接して配置された一体化加熱装置1525と、加熱装置1525の中間部に隣接して配置された温度センサ1526と、基板1510に取り付けられたEEPROMデータ記憶素子1580と、加熱装置1525、センサ1526および素子1580に様々に接続された電気相互接続部1541と、相互接続部1541にホストシステム用の電気インターフェイスを提供する接触パッド1540と、基板1510を支持するフレーム1515とを備えている。
【0170】
装置1500は、あらゆる適切なクランプ装置であるクランプ装置を介してホストLCまたはLC/MSシステムに取外し可能に取り付けられ、適切なクランプ装置は例えば、図2Bを参照して記載されたクランプと同様である。装置1500は、接触パッド1540を介してホストシステムと電気連通し、基板1520内に画定された流体ポート1530Aを介してホストと流体連通している。したがって、ホストシステムに取り付けられた場合、装置1500はホストシステムから電力および液体を受け、ホストシステムと電子連通する。
【0171】
次に図16Aおよび図16Bを参照すると、セラミックベースマイクロ流体基板のいくつかの実施形態は、ホストシステムとの所望の流体連通に対するアドレスを必要とする、基板によって画定された様々な経路に結合された多数の入口および出口ポートを備えている。このようなポートへの選択的流体接続のための高圧流体インターフェイスが、例えば、回転または直線多ポート弁素子の使用により得られる。
【0172】
幅広い例示的な実施例では、図16Aはセラミックベースマイクロ流体システムの弁部1600の一部の側面ブロック図であり、図16Bは上面ブロック図である。弁部1600は、導管1611を画定する基板1610と、基板1610に隣接して取り付けられた固定子1630と、固定子1630と基板1610の間に配置された回転子1620とを備えている。固定子1630は、外部流体素子と接続する流体ビア1631を画定し、導管1611のポートと位置合わせされている。回転子1620は、回転子1620の流体ビア1631の直径に対応する直径の開放部を画定する。回転子1620は、回転子1620の開放部を適当に位置決めすることによって、流体ビア1631と導管1611のポートの間の経路を遮断または開放するように回転可能に移動することができる。矢印は、回転子1620の回転の角度方向を示している。
【0173】
高圧流体密封を作り出すために、固定子1630、回転子1620のいずれか、または両方が適切な適合材料でできていることが好ましい。1つの適切な材料は、PEEK(登録商標)ポリマー(英国LancashireのVictrex PLCから市販されている)などのポリエーテルエーテルケトンである。固定子1630および回転子1620は、互いに対する部品の回転をさらに可能にしながら、ほぼ無漏洩経路を維持するのに十分な力で互いに保持される。高い弁の耐用年数(すなわち、多数の作動)を達成するために、十分な剛性および低い摩擦を有する固定子1630および回転子1620に対する適合および硬化材料が任意選択で、表面磨耗を少なくするために使用される。
【0174】
Valco Instruments Co.Incから市販されている、CHEMINERT(登録商標)弁などのいくつかの市販のHPLC多ポート高圧弁が、本発明のいくつかの実施形態に適切である。これらの弁は普通、いずれかの部品をもう一方に対して回転させることによって、回転子上の機構と位置合わせするようにすることができる、弧状に配置された多数のポートを有する固定子を使用する。
【0175】
弁は、様々な適切な様式でLTCCマイクロ流体基板に結合される。セラミック基板は普通は硬いので、適合回転子は基板を回転し、これを密封するのに適切である。回転子は、回転の際に基板上のポートと位置合わせする機構を有する。例えば、回転子上の単一のポートが交互にLTCC装置上のいくつかのポートの1つと位置合わせされて、位置合わせされない他のポートを遮断する。別法では、回転子上の溝はLTCC装置上の2つのポートを流体接続する、または1つまたは両方のポートを遮断する。同様に、回転子内の溝は弧状に配置された3つのポートのうちの2つを交互に接続する。本明細書に記載したものに関する様々な流体インターフェイスは任意選択で、LTCCベースナノスケールLC消耗装置上の多数の捕捉カラムの1つにアドレスするのに使用される。
【0176】
本明細書で行った説明を鑑みて、液体クロマトグラフィ分野の当業者は、弁は任意選択で様々な機能(流れ切換、試料注入、および流れ選択など)を行うように含まれ、あらゆる適切な様式で基板に取付け可能であることが分かるだろう。例えば、弁はコネクタ130、230Aを参照して上に記載した技術により取付け可能である。
【0177】
本発明の様々な例示的な実施態様は、流体輸送を必要とする様々なシステムおよび/または方法に適用することができる。本明細書で使用するように、「流体」、「流体の」および/またはそのあらゆる文脈上、変化または組合せの指示の用語は全体的に、気体、液体、プラズマおよび/または実質的に固相あるいは効果的な固定凝縮相ではないあらゆる物体、物質または化合物の組合せのことを言うものとして、少なくとも特徴付けの影響を受けやすいものとして考えることができるあらゆるものを含むことを意図している。「入口」および「出口」という用語は全体的に、装置のあらゆる断面領域または素子機構のことを言うものとして理解され、これを通る流束は流体を装置のほぼ外部/内部の容量要素から装置のほぼ内部/外部の容量要素まで平行移動させる傾向がある。
【0178】
本明細書に記載されたものの変更形態、変形形態、および他の実施態様は、請求するような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者が思い付くだろう。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の分離カラム、2つ以上の捕捉カラム、(1つまたは複数の)逆止弁、(1つまたは複数の)ポンプ、および/または記憶装置、認識装置(RFIDなど)、および/または表示装置などの電子装置を備えるセラミック基板などの機構のいずれか1つまたは組合せを含んでいる。さらに、これらの機構を備えたいくつかの一体化セラミックベース装置は、低い製造コストによる消耗装置としての使用に適している。したがって、本発明は先述の例示的な説明によってではなく、特許請求の範囲の精神および範囲によって定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の一実施形態による、分析機器配管を製造する方法の流れ図である。本発明の一実施形態による、化学処理装置の一部の断面図である。
【図2A】本発明の一実施形態による、機器の一部の側面図である。
【図2B】本発明の一実施形態による、機器の一部の断面図である。
【図2C】本発明の一実施形態による、機器の一部の断面図である。
【図3A】導管モデルの一角部の計算網目マップである。
【図3B】1つの例示的モデルによる、最大持続可能圧力のグラフである。
【図3C】1つの例示的モデルによる、最大持続可能圧力対導管の幅のグラフである。
【図3D】1つの例示的モデルによる、最大持続可能圧力対層の数のグラフである。
【図4】本発明の一実施形態による、化学処理ユニットの上面図である。
【図5A】本発明の一実施形態による、製造の中間段階でのセラミックベース装置の一部の上面ブロック図である。
【図5B】本発明の一実施形態による、セラミックベース装置の一部の上面ブロック図である。
【図5C】本発明の一実施形態による、製造の中間段階でのセラミックベース装置の一部の側面ブロック図である。
【図6A】本発明の一実施形態による、エレクトロスプレーインターフェイスを組み込むセラミックベース装置の一部の側面ブロック図である。
【図6B】本発明の一実施形態による、処理ユニット、エレクトロスプレーインターフェイス、およびコネクタを備えるセラミックベース装置の一部の側面ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、セラミックベース装置の一部の側面ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による、セラミックベースクロマトグラフィ装置の一部の上面図である。
【図9】本発明の一実施形態による、セラミックベース装置の一部の上面図である。
【図10】例示的な一実施例による、導管内の位置に応じた導管内の流体の温度のグラフである。
【図11】本発明の一実施形態による、セラミック基板内に形成されたEKポンプの断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による、無ガス隔離電極システムを利用する、EKセラミックベースポンプ装置の端部断面図である。
【図13A】本発明の一実施形態による、セラミックベースEKポンプ流源の上面ブロック図である。
【図13B】本発明の一実施形態による、セラミックベースEKポンプ流源の上面ブロック図である。
【図14A】本発明の一実施形態による、セラミックベース液体処理装置の上面ブロック図である。
【図14B】本発明の一実施形態による、セラミックベース液体処理装置の上面ブロック図である。
【図14C】本発明の一実施形態による、セラミックベース液体処理装置の上面ブロック図である。
【図15A】本発明の一実施形態による、基板のパターン化層に結合されたマイクロ流体素子を示す、セラミックベース装置の立体図である。
【図15B】基板の表面に結合された電子素子を示す、図15Aのセラミックベース装置の立体図である。
【図16A】本発明の一実施形態による、セラミックベースマイクロ流体システムの弁部の一部の側面ブロック図である。
【図16B】図16Aの弁部の一部の上面ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ユニットの入口ポートと流体連通する分離カラムを画定し、焼結無機粒子を含む処理ユニットと、
高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で溶媒を含む液体を運ぶように構成されたポンプと、入口ポートと物理的に連通しており、ポンプによって運ばれた液体を担持する導管にほぼ漏洩のない接続を行うように構成されたコネクタとを備える、化学処理機器。
【請求項2】
分離カラムが、約500μm未満の幅を有する、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
分離カラムが、約200μm未満の幅を有する、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
圧力が約2kpsiより大きい、請求項1に記載の機器。
【請求項5】
圧力が約5kpsiより大きい、請求項4に記載の機器。
【請求項6】
圧力が約20kpsiより大きい、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
処理ユニットにコネクタを取り付ける接着剤をさらに含む、請求項1に記載の機器。
【請求項8】
コネクタが、導管を受けるように構成されたハウジングを備えている、請求項1に記載の機器。
【請求項9】
ハウジングと処理ユニットの間に配置された密封ユニットをさらに備えている、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
密封ユニットがガスケットを備えている、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
ガスケットが、ガスケットを処理ユニットに取り付ける接着層を備えている、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
ガスケットが、約0.05平方インチ未満の面積を有する、請求項10に記載の機器。
【請求項13】
ガスケットが、少なくとも約1:1のガスケット係数を有する、請求項10に記載の機器。
【請求項14】
密封ユニットが、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレン、およびポリジメチルシロキサンからなる群から選択した材料を含む、請求項9に記載の機器。
【請求項15】
コネクタがさらに、ハウジングを処理ユニットに固定する少なくとも1つのボルトを備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
コネクタが、それぞれ処理ユニットを交換し、処理ユニットを密封するように開放および閉鎖位置を有するクランプを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
コネクタがさらに、コネクタと処理ユニットの間に加えられる圧力を選択する圧力調節可能素子を備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
圧力調節可能素子が圧電材料を含んでいる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
入口ポートが、入口ポートと分離カラムの間に流体連通を提供する処理ユニットによって画定された導管の幅より大きな幅を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
処理ユニットがさらに、入口ポートおよび分離カラムの入口と流体連通する捕捉カラムを画定する、請求項1に記載の機器。
【請求項21】
捕捉カラムを通過する流体が分離カラムの入口に入る前に処理ユニットから出ることを可能にするように構成された捕捉弁をさらに備える、請求項20に記載の機器。
【請求項22】
無機粒子が、ガラス、ガラス結晶セラミック、結晶セラミック、および金属からなる材料の群から選択された材料を含んでいる、請求項1に記載の機器。
【請求項23】
セラミック酸化物が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、および/または安定化ジルコニアを含んでいる、請求項22に記載の機器。
【請求項24】
無機粒子が、酸化セラミック、無酸化セラミック、または酸化セラミックおよび無酸化セラミックを含んでいる、請求項1に記載の機器。
【請求項25】
処理ユニットが主に結晶状である、請求項1に記載の機器。
【請求項26】
処理ユニットがさらに、無機粒子間に配置されたインターフェイス材料を含んでいる、請求項1に記載の機器。
【請求項27】
インターフェイス材料が実質的にガラス状である、請求項26に記載の機器。
【請求項28】
機器が、イオンクロマトグラフまたは液体クロマトグラフである、請求項1に記載の機器。
【請求項29】
機器がHPLC機器である、請求項29に記載の機器。
【請求項30】
分離カラムに隣接して配置された厚膜レジスタをさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項31】
分離カラムが、処理ユニットの少なくとも2層内に分配される、請求項1に記載の機器。
【請求項32】
処理ユニットが、並列関係で少なくとも2つの分離カラムを画定する、請求項1に記載の機器。
【請求項33】
処理ユニットの入口ポートと流体連通する分離カラムを画定し、焼結無機粒子を含む処理ユニットを提供するステップと、
高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で分離カラム内に試料を含む流体をポンピングするステップとを含む、化学試料を分離する方法。
【請求項34】
圧力が約2kpsiより大きい、請求項1に記載の機器。
【請求項35】
圧力が約5kpsiより大きい、請求項34に記載の機器。
【請求項36】
圧力が約10kpsiより大きい、請求項35に記載の機器。
【請求項37】
質量分析ユニットと、
出口ポートおよび出口ポートと流体連通する分離カラムを画定し、焼結無機粒子を含むクロマトグラフィユニットと、
出口ポートを介して分離カラムから溶離剤を受ける質量分析ユニットの入口オリフィスに隣接させてクロマトグラフィユニットの出口ポートを位置決めするように構成された支持ユニットとを備える、化学処理装置。
【請求項38】
支持ユニットが、クロマトグラフィユニットを受ける開放状態、および受けられたクロマトグラフィユニットを機械的に固定する閉鎖状態を有する、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
支持ユニットがヒンジ部を備えている、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
支持ユニットが貝殻構成を有する、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
支持ユニットが、閉鎖状態に関連する力をクロマトグラフィユニットに選択的に加える圧電素子を備えている、請求項38に記載の装置。
【請求項42】
支持ユニットが、クロマトグラフィユニットに弾性力を加える少なくとも1つの弾性素子を備えている、請求項37に記載の装置。
【請求項43】
弾性素子が、少なくとも1つのばねを備えている、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
支持ユニットが、クロマトグラフィユニットを支持ユニットに機械的に固定する少なくとも1つのボルトを備えている、請求項37に記載の装置。
【請求項45】
支持ユニットが、クロマトグラフィユニットの流体ポートと噛み合う流体インターフェイスを有する、請求項37に記載の装置。
【請求項46】
支持ユニットが、クロマトグラフィユニットの電気インターフェイスと噛み合う電気インターフェイスを有する、請求項37に記載の装置。
【請求項47】
クロマトグラフィユニットがさらに、質量分析ユニットの入口オリフィスに溶離剤を案内するエレクトロスプレーインターフェイスを備えている、請求項37に記載の装置。
【請求項48】
焼結セラミック粒子を含み、分離カラムを画定する化学処理ユニットを備えるHPLC機器を備え、
焼結セラミック粒子の破壊強度および分離カラムの断面構成が、化学処理ユニットを破壊することなく、HPLCに十分である流体圧力を分離カラム内で協働して維持するように構成される、HPLC機器。
【請求項49】
圧力が約1kpsiより大きい、請求項48に記載の機器。
【請求項50】
圧力が約5kpsiより大きい、請求項49に記載の機器。
【請求項51】
圧力が約10kpsiより大きい、請求項50に記載の機器。
【請求項52】
分離カラムの断面構成が、少なくとも約5μmの最小曲率半径を有する、請求項48に記載の機器。
【請求項53】
最小曲率半径が、少なくとも約25μmである、請求項52に記載の機器。
【請求項54】
破壊強度が、約300Mpaから約1000Mpaの範囲内である、請求項48に記載の機器。
【請求項55】
化学処理ユニットが、分離カラムの断面構成の高さの約3から約7倍の範囲の厚さを有する、請求項48に記載の機器。
【請求項56】
厚さが、断面構成の高さの約3から約5倍の範囲内である、請求項55に記載の機器。
【請求項57】
分離カラムの断面構成が、約25μmから約150μmの範囲の高さを有する、請求項48に記載の機器。
【請求項58】
分離カラムの断面構成が、約500μm未満の幅を有する、請求項48に記載の機器。
【請求項59】
幅が、約50μmから約300μmの範囲内である、請求項58に記載の機器。
【請求項60】
焼結セラミック粒子がLTCC材料を含んでいる、請求項48に記載の機器。
【請求項61】
LTCC材料が酸化アルミニウムを含んでいる、請求項60に記載の機器。
【請求項62】
焼結セラミック粒子がHTCC材料を含んでいる、請求項48に記載の機器。
【請求項63】
HTCC材料がイットリア安定化酸化ジルコニウムを含んでいる、請求項62に記載の機器。
【請求項64】
それぞれセラミック粒子を含む第1および第2の未焼成層を提供するステップと、
第1と第2の未焼成層の間に約5μmより大きい最も小さい角部半径を有する分離カラムを画定するステップと、
第2の未焼成層に隣接させて第1の未焼成層を配置するステップと、
分離カラムが化学処理ユニットを破壊することなくHPLCに十分である流体圧力を維持する、実質的に剛性の処理ユニットを形成するように隣接する層を焼成するステップとを含む、HPLC機器を作る方法。
【請求項65】
圧力が約1kpsiより大きい、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
圧力が約5kpsiより大きい、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
圧力が約10kpsiより大きい、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
丸みを帯びた角部が、少なくとも約5μmの最小曲率半径を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
最小曲率半径が、少なくとも約25μmである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
焼成セラミック粒子の破壊強度が、約300Mpaから約1000Mpaの範囲内である、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
画定するステップが、エンボス加工をするステップを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
焼結無機粒子を含み、毛細管スケールまたはナノスケールHPLCのために選択された幅を有する分離カラムを画定する層状化学処理ユニットと、
分離カラムの入口と流体連通しており、毛細管スケールまたはナノスケールHPLCに十分である圧力で溶媒をポンピングするように構成されたポンプとを備える、HPLC機器。
【請求項73】
分離カラムの幅が、約500μm未満である、請求項72に記載の機器。
【請求項74】
化学処理ユニットがさらに、分離カラムの入口とポンプの間に流体通路を与え、約150μmから約300μmの範囲の幅を有する導管を画定する、請求項73に記載の機器。
【請求項75】
分離カラムの幅が約150μm未満である、請求項73に記載の機器。
【請求項76】
化学処理ユニットがさらに、分離カラムの入口とポンプの間に流体通路を与え、約25μmから約50μmの範囲の幅を有する導管を画定する、請求項75に記載の機器。
【請求項77】
圧力が約2kpsiより大きい、請求項72に記載の機器。
【請求項78】
圧力が10kpsiより大きい、請求項72に記載の機器。
【請求項79】
分離カラム内に配置され、約5μm未満の直径を有する粒子を含む固定媒体をさらに含む、請求項72に記載の機器。
【請求項80】
化学処理ユニットがさらに、ポンプおよび分離カラムの入口と流体連通している捕捉カラムを画定する、請求項72に記載の機器。
【請求項81】
焼結無機粒子を含み、毛細管スケールまたはナノスケールHPLCのために選択された幅を有する分離カラムを画定する層状化学処理ユニットを提供するステップと、
約100μL/分未満の流量で分離カラムを通して試料化合物を含む流体をポンピングするステップとを含む、HPLCを行う方法。
【請求項82】
分離カラムが、約500μm未満の幅を有する、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
分離カラムが、約150μm未満の幅を有する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
流量が約1μL/分未満である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
ポンピングするステップが、約1kpsiより大きい圧力で分離カラムの入口に流体を運ぶステップを含んでいる、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
圧力が約5kpsiである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
圧力が10kpsiである、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
それぞれ無機粒子を含む第1および第2の未焼成層を提供するステップと、
少なくとも部分的に第1と第2の未焼成層の間に分離カラムを画定するステップと、
第1と第2の未焼成層の間に、分離カラムと流体連通し、分離カラムの幅より小さい幅を有する出口導管を画定するステップと、
第2の未焼成層に隣接させて第1の未焼成層を配置するステップと、
実質的に剛性の処理ユニットを形成するために隣接する層を焼成するステップと、
少なくともその一部が出口導管によって分離カラム内に捕捉される粒子を含むスラリーを、分離カラムを通して出口導管内に流すステップとを含む、クロマトグラフィ装置を作る方法。
【請求項89】
出口導管を画定するステップが、第2の未焼成層に隣接させて第1の未焼成層を配置する前に、第1の未焼成層の一部を取り除くステップを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
出口導管を画定するステップが、導管の形状に関連する形状を有する導管画定素子を第1と第2の未焼成層の間に配置するステップを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
導管画定素子が犠牲材料を含んでいる、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
犠牲材料が炭素を含んでいる、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
導管画定素子がさらに、充填剤を含んでいる、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
充填剤が、金属材料、セラミック材料、およびガラス状材料からなる群から選択された材料を含んでいる、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
犠牲材料が厚膜材料を含んでいる、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
導管画定素子を配置するステップが、導管画定材料をスクリーン印刷するステップを含んでいる、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
導管画定素子を配置するステップがファイバを配置するステップを含んでいる、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
粒子が、約5μm未満の直径を有し、出口導管の幅が約10μm未満である、請求項88に記載の方法。
【請求項99】
分離カラムの幅が、約50μmから約300μmの範囲内である、請求項88に記載の方法。
【請求項100】
分離カラムの幅が、約75μmから約150μmの範囲内である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
分離カラム、および分離カラムの一端部と流体連通している出口導管を画定し、焼結無機粒子を含む処理ユニットと、
出口導管と分離カラムの間の幅の差によって分離カラム内に捕捉される粒子状固定媒体とを備える、化学処理機器。
【請求項102】
出口導管の幅が、分離カラム内に粒子状固定媒体を捕捉するのに十分小さい、請求項101に記載の機器。
【請求項103】
粒子がほぼ合計より小さい幅を有し、出口導管の幅が約10μm未満である、請求項102に記載の機器。
【請求項104】
分離カラムの幅が、約50μmから約300μmの範囲内である、請求項101に記載の機器。
【請求項105】
分離カラムの幅が、約75μmから約150μmの範囲内である、請求項104に記載の機器。
【請求項106】
それぞれ無機粒子を含む第1および第2の未焼成層を提供するステップと、
少なくとも部分的に第1と第2の未焼成層の間に分離カラムを画定するステップと、
分離カラムの一端部に隣接させてフリット材料を配置するステップと、
第2の未焼成層に隣接させて第1の未焼成層を配置するステップと、
隣接する層およびフリット材料を焼成し、それによってフリット材料が多孔質プラグに変換される、焼成ステップと、
固定相粒子を含むスラリーを、分離カラムの少なくとも一部を固定相粒子で充填するように分離カラムを通して多孔質プラグ内に流すステップとを含む、クロマトグラフィ装置を作る方法。
【請求項107】
フリット材料が厚膜ペーストを含んでいる、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
フリット材料を配置するステップが、厚膜ペーストをスクリーン印刷するステップを含んでいる、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
フリット材料を配置するステップが、フリット材料を分離カラム内に配置するステップを含んでいる、請求項106に記載の方法。
【請求項110】
フリット材料を配置するステップが、フリット材料を第1の未焼成層の表面上に配置するステップを含んでいる、請求項106に記載の方法。
【請求項111】
フリット材料が粒子を含んでいる、請求項106に記載の方法。
【請求項112】
粒子が、ガラス状材料、セラミック材料、および金属材料からなる群から選択した材料を含んでいる、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
フリット材料が、焼結または化学結合により多孔質プラグに変換される、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
焼結無機粒子を含み、分離カラムを画定する処理ユニットと、
分離カラムの一端部に隣接して配置された多孔質プラグと、
分離カラム内に配置された固定相粒子とを含む、化学処理機器。
【請求項115】
多孔質プラグが、分離カラム内に配置されている、請求項114に記載の機器。
【請求項116】
固定相粒子が、約5μm未満の直径を有する、請求項114に記載の機器。
【請求項117】
分離カラムが、約50μmから約300μmの範囲の幅を有する、請求項114に記載の機器。
【請求項118】
幅が、約75μmから約150μmの範囲内である、請求項117に記載の機器。
【請求項119】
多孔質プラグが、分離カラム内に固定相粒子を捕捉するように選択された孔寸法を有する、請求項114に記載の機器。
【請求項120】
孔寸法が約10μm未満である、請求項119に記載の機器。
【請求項121】
孔寸法が、化学処理機器の作動圧力より小さい背圧を与えるのに十分大きいように選択される、請求項119に記載の機器。
【請求項122】
多孔質プラグが焼結材料を含んでいる、請求項114に記載の機器。
【請求項123】
多孔質プラグが化学結合粒子系材料を含んでいる、請求項114に記載の機器。
【請求項124】
それぞれ無機粒子を含む第1および第2の未焼成層を提供するステップと、
少なくとも部分的に第1と第2の未焼成層の間に分離カラムを画定するステップと、
分離カラムおよび出口ポートの間に流体連通を提供するビアを少なくとも部分的に第2の未焼成層内に画定するステップと、
第2の未焼成層に隣接させて第1の未焼成層を配置するステップと、
実質的に剛性の処理ユニットを形成するように隣接する層を焼成するステップと、
処理ユニットの外部にフィルタを配置し、出口ポートを遮断するステップと、
少なくともその一部がフィルタによって分離カラム内に捕捉される固定相粒子を含むスラリーを、出口ポートにより分離カラムを通して処理ユニットから流すステップとを含む、クロマトグラフィ機器を作る方法。
【請求項125】
フィルタが多孔質材料を含んでいる、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
多孔質材料が指向性濾紙を含んでいる、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
多孔質材料が、ガラス状材料、金属材料、およびセラミック材料からなる群から選択された材料を含んでいる、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
フィルタを配置するステップが、フィルタ材料をスクリーン印刷するステップを含んでいる、請求項124に記載の方法。
【請求項129】
フィルタを配置するステップが、処理ユニット上にフィルタを締め付けるステップを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項130】
スラリーを流した後にフィルタを取り除くステップをさらに含む、請求項124に記載の方法。
【請求項131】
固定剤を固定相粒子の一部に流すステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
固定剤がPDMSを含んでいる、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
分離カラムおよび分離カラムと流体連通している出口導管を画定し、焼結無機粒子を含む処理ユニットと、
処理ユニットの出口導管と流体連通しているエレクトロスプレーインターフェイスとを備える、化学処理機器。
【請求項134】
処理ユニットがさらに、エレクトロスプレーインターフェイスにシースガスを運ぶシースガス導管を画定する、請求項133に記載の機器。
【請求項135】
エレクトロスプレーインターフェイスが、処理ユニットによって画定された平面に対してほぼ平行な方向に延びている、請求項133に記載の機器。
【請求項136】
エレクトロスプレーインターフェイスから噴霧を受ける質量分析ユニットをさらに備える、請求項133に記載の機器。
【請求項137】
エレクトロスプレーインターフェイスが焼結無機粒子を含み、処理ユニットの一体部分である、請求項133に記載の機器。
【請求項138】
エレクトロスプレーインターフェイスを処理ユニットに取り付ける取付具をさらに備える、請求項133に記載の機器。
【請求項139】
処理ユニットの分離カラムを流体連通しており、少なくとも1psiの圧力で溶媒を含む液体を推進させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項133に記載の機器。
【請求項140】
圧力が少なくとも5kpsiである、請求項139に記載の機器。
【請求項141】
圧力が少なくとも10kpsiである、請求項140に記載の機器。
【請求項142】
分離カラムが300μm未満の幅を有する、請求項133に記載の機器。
【請求項143】
幅が約150μm未満である、請求項142に記載の機器。
【請求項144】
無機粒子を含む1つまたは複数の未焼成層を提供するステップと、
1つまたは複数の未焼成層の少なくとも1つの中に分離カラムを画定するステップと、
1つまたは複数の未焼成層の少なくとも1つの中に、分離カラムの出口と流体連通するエレクトロスプレーインターフェイスのエミッタを画定するステップと、
実質的に剛性の処理ユニットを形成するように1つまたは複数の未焼成層を焼成するステップとを含む、化学処理機器を作る方法。
【請求項145】
エミッタを画定するステップが、少なくとも1つの未焼成層の表面部を取り除くステップを含んでいる、請求項133に記載の方法。
【請求項146】
表面部を取り除くステップが、表面部をレーザエッチングするステップを含んでいる、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
エミッタを画定するステップが、エレクトロスプレーインターフェイスの軸を処理ユニットによって画定された平面とほぼ平行またはほぼ垂直に配向するステップを含んでいる、請求項133に記載の方法。
【請求項148】
1つまたは複数の未焼成層の少なくとも1つの中に、エレクトロスプレーインターフェイスにシースガスを運ぶシースガス導管を画定するステップをさらに含む、請求項133に記載の方法。
【請求項149】
分離カラムおよび分離カラムと流体連通しているオリフィスを画定する、焼結無機粒子を含む処理ユニットと、
オリフィスに隣接した弁体、弁体をオリフィスから離れるように押す変形可能部材、および弁ユニットが閉鎖状態にある場合にオリフィスを遮断するように弁体をオリフィスに向かって押すアクチュエータを含む弁ユニットとを備える、化学処理機器。
【請求項150】
処理ユニットがさらに、オリフィスと流体連通している捕捉カラムを画定し、弁ユニットが捕捉カラムに捕捉弁を提供するようにオリフィスと協働する、請求項149に記載の機器。
【請求項151】
捕捉カラムの入口と流体連通しており、高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で溶媒を含む液体を推進させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項149に記載の機器。
【請求項152】
圧力が少なくとも約2kpsiである、請求項151に記載の機器。
【請求項153】
圧力が少なくとも約10kspiである、請求項152に記載の機器。
【請求項154】
変形可能部材が、弁体に取り付けられたOリングを備えている、請求項149に記載の機器。
【請求項155】
弁体が、弁が開放状態である場合にオリフィスから出るまたはそこに入る流体を通過させる導管を画定する、請求項149に記載の機器。
【請求項156】
変形可能部材が、弁ユニットが開放状態にある場合に、流体が弁ユニットから漏洩するのを防ぐ、請求項155に記載の機器。
【請求項157】
弁ユニットが閉鎖状態にある場合、オリフィスを遮断するように弁体とオリフィスの間に配置された密封部材をさらに備える、請求項149に記載の機器。
【請求項158】
アクチュエータが圧電材料を含んでいる、請求項149に記載の機器。
【請求項159】
変形可能材料が、弁体と処理ユニットの間に配置されている、請求項149に記載の機器。
【請求項160】
分離カラムが約300μm未満の幅を有する、請求項149に記載の機器。
【請求項161】
幅が約150μm未満である、請求項160に記載の機器。
【請求項162】
分離カラムおよび分離カラムから溶離剤を受ける導管を画定する焼結無機粒子、および導管を通して光源から光を案内する、または導管から光を受けるように焼結無機粒子内に少なくとも部分的に埋め込まれた第1の光ガイドを備える処理ユニットを備える、化学処理機器。
【請求項163】
第1の光ガイドの軸が、導管の一部の軸とほぼ平行に配向され、それによって光が導管の部分に沿って案内される、請求項162に記載の機器。
【請求項164】
第1の光ガイドの軸が、導管の一部の軸とほぼ垂直に配向され、それによって光が導管の部分を横切って案内される、請求項162に記載の機器。
【請求項165】
第1の光ガイドが少なくとも1つの光ファイバを備えている、請求項162に記載の機器。
【請求項166】
光源が処理ユニットと一体化される、請求項162に記載の機器。
【請求項167】
導管内の流体を通して通過した光源から光を検出する検出器をさらに備える、請求項162に記載の機器。
【請求項168】
検出器が少なくとも1つの光ダイオードを備える、請求項167に記載の機器。
【請求項169】
導管から光を受けるように、焼結無機粒子内に少なくとも部分的に埋め込まれた第2の光ガイドをさらに備える、請求項162に記載の機器。
【請求項170】
分離カラムと流体連通しており、高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で溶媒を含む液体を推進させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項162に記載の機器。
【請求項171】
無機粒子を含む1つまたは複数の未焼成層を提供するステップと、
1つまたは複数の未焼成層の少なくとも1つの中に分離カラムを画定するステップと、
1つまたは複数の未焼成層の少なくとも1つの中に、分離カラムから溶離剤を受ける導管を画定するステップと、
導管内の溶離剤を通して光源からの光を案内するように、導管に隣接させて第1の光ガイドを配置するステップと、
実質的に剛性の処理ユニットを形成するように1つまたは複数の未焼成層を焼成するステップとを含む、化学処理機器を作る方法。
【請求項172】
配置するステップがさらに、少なくとも1つの未焼成層内に第1の光ガイドを少なくとも部分的に埋め込むステップを含む、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
導管内の溶離剤から光を受けるように、導管に隣接させて第2の光ガイドを配置するステップをさらに含む、請求項171に記載の方法。
【請求項174】
導管に隣接させて光検出器を形成するステップをさらに含む、請求項171に記載の方法。
【請求項175】
流体を輸送する導管を確定する焼結無機粒子と、
導管に隣接して配置された第1および第2の感熱要素、および第1と第2の感熱要素の間で導管に隣接して配置された放熱要素を含む流量感知ユニットとを備える処理ユニットを備える、化学処理機器。
【請求項176】
放熱要素が厚膜素子を含んでいる、請求項175に記載の機器。
【請求項177】
第1の感熱要素が厚膜素子を含んでいる、請求項175に記載の機器。
【請求項178】
分離カラムと流体連通しており、高速液体クロマトグラフィに十分な圧力で溶媒を含む液体を推進させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項175に記載の機器。
【請求項179】
導管を通して予め選択した流量を維持するように、流量感知ユニットから受けた信号に応じてポンプの動作を媒介する流量調整ユニットをさらに備える、請求項178に記載の機器。
【請求項180】
予め選択した流量が、約20μL/分未満である、請求項179に記載の機器。
【請求項181】
予め選択した流量が、約5μL/分未満である、請求項180に記載の機器。
【請求項182】
流体を輸送する導管を画定する焼結無機粒子、
導管に隣接して配置された流量感知ユニット、および
流量感知ユニットによって発生した信号に応じて、流体の流れを可変に抑制するように構成された可変抑制要素を備える処理ユニットを備える、化学処理機器。
【請求項183】
温度調節可能ユニットによって媒介される温度の変化に応じて、抑制の程度を変えるように構成された可変抑制要素と熱連通している温度調節可能ユニットをさらに備える、請求項182に記載の機器。
【請求項184】
温度調節可能ユニットがペルチェ装置を備えている、請求項183に記載の機器。
【請求項185】
ペルチェ装置が厚膜素子を備えている、請求項184に記載の機器。
【請求項186】
信号を受け、予め選択した流量を与えるように可変抑制要素の抑制の程度を応答可能に媒介する流量調整ユニットをさらに備える、請求項182に記載の機器。
【請求項187】
予め選択した流量が約20μL/分未満である、請求項186に記載の機器。
【請求項188】
予め選択した流量が約5μL/分未満である、請求項187に記載の機器。
【請求項189】
導管と流体連通しているポンプをさらに備える、請求項182に記載の機器。
【請求項190】
少なくとも1つの可変抑制装置を通してポンプ流体をポンピングポンプ装置に接続された、少なくとも1つの可変抑制装置を有する流体制御装置を備えるセラミックベース基板を備える、化学処理機器。
【請求項191】
冷たい面および熱い面を有する熱電ヒートポンプを備えたセラミックベース基板と、
第1の抑制要素を形成し、前記熱電ヒートポンプの前記冷たい面と熱連通している第1の流体経路と、
第2の抑制要素を形成し、前記熱電ヒートポンプの前記熱い面と熱連通している第2の流体経路とを備える、化学処理機器。
【請求項192】
分離カラムを画定し、基板内に画定されたポンプ経路内に配置された多孔質セラミック系材料を含む少なくとも1つの動電ポンプと、多孔質材料の端部と電気接触している少なくとも2本の電極とを備えるセラミックベース基板を備えるHPLC装置であって、ポンプが少なくとも約1kpsiの流体圧力を発生させるように構成されている、HPLC装置。
【請求項193】
少なくとも1つの分離カラム、分離カラムの入口と並列または直列流体連通している2つ以上の捕捉カラム、および2つ以上の捕捉カラムの少なくとも2つに含まれる異なる固定相を画定するセラミックベース基板を備えるHPLC装置であって、少なくとも2つの捕捉カラムが、多寸法分離のために並列に、または少なくとも2つの捕捉カラムの第1のカラムの中で総タンパク質試料を消化し、少なくとも2つの捕捉カラムの第2のカラムの中で分解産物ペプチドを収集するように直列に接続されている、HPLC装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【公表番号】特表2009−531665(P2009−531665A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501675(P2009−501675)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/064267
【国際公開番号】WO2007/112224
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)