説明

セラミック未焼結体の成形用成形型およびその成形型の使用

光セラミック製の少なくとも1つの光学用レンズの製造に用いられるセラミック未焼結体の成形用成形型が開示される。成形型は少なくとも1つのレンズの少なくとも1つの成形領域の機能領域のニアネットシェイプのネガティブ型を含み、これは以下のように記述される。


ここで、yは光軸上の位置であり、kは円錐定数であり、xは光軸からの垂直な距離であり、c=1/Rであり、Rは曲線の半径であり、a、a、a、a、…は非球面項の係数であり、bは0より大きい定数であり、好ましくは0.3mm未満、より好ましくは0.1mm未満、最も好ましくは0.05mm未満の値である。bは成形型のネガティブ型と少なくとも1つのレンズの少なくとも1つの成形領域との偏差を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光セラミック製の少なくとも1つの光学用レンズの製造に用いられるセラミック未焼結体の成形用成形型に関する。本発明はさらに上記レンズの製造方法に関する。また、本発明は光セラミックレンズの製造用成形型の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ用材料として適した透明なセラミックを以下、光セラミックと称する。かかる材料は非常に便利な光学特性(屈折率、分散)を有し、光学画像システムの改良に寄与する。特別な場合に、新たな画像概念がかかる新たな光学材料の選択によって初めて可能となる。特に、例えばデジタルカメラの更なる小型化構造および改良または簡易化された色補正(クロマートまたはアポクロマート)の可能性が挙げられる。
【0003】
本発明に係る成形型を用い、請求の範囲に記載された新規で有利な方法を利用することにより製造することができるレンズは光セラミックからなる。かかる材料は後で定義される。本発明において、「からなる」という用語は、単相の多結晶材料(下記を参照)の他に、最終レンズ中に残留結合剤または他の添加剤が存在することを排除しない。かかる化合物は個別のレンズの製造に使用される何らかの簡潔な方法に応じて存在する可能性がある。
【0004】
光セラミックは実質的に、酸化物を基とする高透明性の単相の多結晶材料である。このため、光セラミックはセラミックの一区分である。したがって、特定の用途において光セラミック製のレンズはガラス製の従来のレンズに比べて好ましい。市場への配置に成功するための前提条件は再現性が高く高品質なレンズを容認可能な価格で十分な量供給することである。価格はガラス製の従来のレンズの価格に適合させる。
【0005】
光セラミック製の費用効率が高いレンズを提供する際の更なる態様はこれらのレンズが屈折機能を有するだけでなく、反射、透過、および分散機能をも有することである。
【0006】
また、例えば領域の支持、レンズ側面の円形接合、およびその結果可能となる支持体におけるレンズの位置調整といった機械特性が光学機能の次に必要とされることが多い。光学システムへの統合を可能とするために、レンズの局所部に設置されるより一層複雑な型のくぼみ(mould recess)が必要とされる可能性がある(モノリシック光学素子)。
【0007】
現在、光セラミック製のレンズは通常、以下のように製造される。まず、基材(主に酸化物)の粉体を調製する(第1段階:粉体調製)。使用する粉体は高純度で、かつサイズに関してもナノメートルスケールであることが多い。次に、粉体を調整する(第2段階:粉体調整)。この段階は粉体の粉砕、粉体混合物の均一化、およびバッチ(batch)の乾燥を含む。この段階の後に、第3段階である成形段階を行う。ここでは、未焼結体を形成し、レンズの最終形状を既に決定し、必要な場合には、成形方法に応じた特定の添加剤を添加する。
【0008】
その後、必要に応じて、未焼結体を乾燥および/または結合剤の除去を行う(必要に応じて:第4段階:乾燥および/または結合剤除去)。第5段階である焼結では、成形および必要に応じた乾燥および/または結合剤除去の後に互いに緩く接合している粒子が、物質輸送および/または拡散によって固定接点を形成する。同時に、粒子サイズの増大が達成され、焼結体から開孔が除去される。続く第6段階の熱間等静圧圧縮成形(HIP)では、粒界内の閉孔を加圧により焼結体から除去する。これにより得られた焼結体を必要に応じて、更なる段階(第7段階:熱後処理)である後処理段階で処理するが、本段階は追加的なアニール段階および/または型出し(profile)の形態で行われ、HIP方法によって生成された酸素の空孔もしくは黒鉛の不純物の除去、または粒内の微細な孔の低減を目的とする。
【0009】
上記の製造方法を使用することにより、下記の光セラミック製のレンズを製造することが好ましい。
【0010】
a)一般的な化学量論の立方晶系ガーネット
【0011】
【数1】

ここで、z3は−1〜1の範囲の値を有する。mはゼロ近傍から0.05未満、好ましくは0.03未満、更に好ましくはゼロ近傍またはゼロである値を有する。
【0012】
M1はY、La、Gd、Lu、Yb、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、またはこれらの元素の1以上の混合物から選択される。そして、活性なランタニドであるCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、およびTmは光セラミック内の存在量が合計で100wtppm以下であるか、またはこれらの酸化物の量に換算して少なくとも15mol%である。
【0013】
M2は元素周期表の第III族または第IIIa族の元素の1以上から選択され、好ましくはAl、Ga、In、Scまたはこれらの元素の2以上の混合物から選択される。
【0014】
Aは1以上の付加的構成要素であり、特にSiO、NaO、MgO、CaOまたはTiOから選択される。
【0015】
b)下記の一般式を有する酸化ジルコニウム、好ましくは立方晶安定化酸化ジルコニウム
【0016】
【数2】

ここで、z1+z2は0.92以下であり、好ましくは0.90以下である。そして、z1およびz2はゼロ以上である。mは0.10未満であり、好ましくは0.06未満であり、更に好ましくは0.03未満であり、最も好ましくはゼロである。
【0017】
XはY、Sc、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、またはこれらの元素の1以上の混合物から選択され、好ましくはY、Yb、Lu、またはこれらの元素のうちの2つもしくは全てを含む混合物から選択され、特に好ましくはYである。MはCaおよびMgから選択される。
【0018】
そして、Aは1以上の構成要素であり、特にSiO、NaO、MgO、CaOまたはTiOから選択される。
【0019】
c)Y、Lu、Yb、In、Scのような立方晶系三二酸化物および/または上記酸化物とGd、La、ZrO、HfOなどの他の酸化物とのアイソタイプ立方混晶相
d)MgAlの近似式を有するMg−Al−スピネルおよび
e)Al23−1/3X27+X5−Xの一般式を有するAl−酸窒化物
ここで、0.429<X<2であり、Al2327が例として挙げられる。
【0020】
f)ペロブスカイト
光セラミック製のレンズの製造方法についての上記の説明から、第3段階である成形が最終形状にとって決定的であることが理解される。なぜなら、この方法段階で得られる形状は続く方法段階の間に大幅に変化しないためである。これに続く段階では、成形段階により得られる未焼結体の縮小および収縮を単に生じるにすぎない。
【0021】
さらに、成形段階が続く焼結および/または乾燥/結合剤除去の処理に決定的に影響を与えるため、使用される成形方法および適用される型もまた、光学特性に関して、光セラミックのその後の特性を決定的に定める。
【0022】
成形方法としては様々な方法が使用され、これらの方法は主に含水率によって異なる。鋳造(25〜40%の湿分)はスリップキャスト、真空鋳造、加圧スリップキャストまたは電気泳動と同様に遠心スリップキャストをも含む。
【0023】
塑性成形(15〜25%の湿分)という用語は押出、圧搾、回転、および自由成形の方法を意味する。
【0024】
湿式加圧、乾式加圧、打撃、および振動圧縮の方法は加圧技術(0〜15%の湿分)に属する。成形材料の含水率に従って分類されない更なる方法として、熱間鋳造(低圧第キャストとも称する)またはダイキャストを使用しうる。
【0025】
透明なセラミック製のレンズを加圧成形により得ることができることは先行技術から公知である。例えば、独国特許出願公開第10195586号明細書にはペロブスカイト構造を有する特別な光セラミックの製造が記載されている。当該明細書には「…セラミック粉体材料は、セラミック未焼結圧縮体が得られるように、結合剤と共に所定の形状へと加工される…」と記載されている(15頁以降を参照)。続く焼成段階において、未焼結圧縮体を特定の粉体に組み込むことが好ましい。セラミック粉体材料を所定の形状に加工するために、結合剤が使用される。代表的な実施形態7によると、直径30mm、厚さ1.8mmの平らな面状(pane−shaped)の未焼結圧縮体を得るために、特に、2000kg/cm2(196MPa)で加圧成形される。
【0026】
欧州特許出願公開第1701179号明細書には、200nm未満の波長域におけるマイクロリソグラフィーにおいて立方晶系ガーネットを使用することが開示されている。特に、当該明細書は単結晶の製造方法を開示している。成形型または方法については記載されていない。
【0027】
米国特許出願公開第2004/0159984号明細書には、スリップキャストまたはダイキャストのような成形方法によって透明なYセラミックを製造することが記載されている。当該明細書には複雑な形状を製造することが記載されているが、成形型の形状を詳細に特定していない。特に、曲面を有する構成要素を製造することは記載されていない。
【0028】
レーザー用途の透明なセラミックの製造のためのスリップキャスト方法がUeda(「Scalable Ceramic Lasers for IFE Driver」電気通信大学レーザー新世代研究センター、Japan−US Workshop IFE/大阪、2003年3月13日)により記載されている。
【0029】
先行技術に記載されている方法は優れた光学性能を有する透明なセラミックレンズを費用効率よく製造することには適していない。所望の光学的効果を実現するために、レンズは必ず曲面を有する。
【0030】
Robert E.Fischerによる「Optical System Design」(ISBN0071314916−2)によると、レンズ表面の数学的記述は下記式となる。
【0031】
【数3】

ここで、yは光軸上の位置であり、kは円錐定数であり、xは光軸からの垂直な距離であり、c=1/Rであり、Rは曲線の半径であり、a、a、a、a、…は非球面項の係数である。
【0032】
球面レンズは非球面レンズと以下のように区別される。
k=0かつa1、a2、a3…=0 球面レンズ
k≠0 非球面レンズ
ここで、曲線は以下のように区別することができる。
k<−1 双曲面
k=−1 放物面
−1<k<0 楕円面
k>0 扁平面
これらのレンズ表面は、先行技術に従って、バルクの半仕上げ部から広範囲にわたる化学切削(chemical milling)、粉砕、および研磨方法によって得られる。これらの簡易成形のバルクの半仕上げ部の処理は時間を消費し、コストがかかる。例えば、三二酸化物(Y、Yb、Sc、Lu)の群および/またはこれらの混晶、ガーネット(例えば、YAG、イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、AlON(アルミニウム酸窒化物)、Al、ペロブスカイト、スピネル立方晶安定化酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムのような多くの光セラミック系は非常に硬い材料であるため、これが特に当てはまる。このため、特に、くぼみを有する形状を生成するための化学切削および粉砕方法は非常にコストがかかる。
【発明の開示】
【0033】
このため、方法を有意に単純化し、粉砕を削減し、さらに場合によっては粉砕を回避すること、すなわち精密さの面で最高水準を実現すると同時に、後処理を削減することが望ましい。これによりコストが削減される。また、同時に1つ以上のレンズを製造するという点で、方法の効率性の向上が図れる。
【0034】
したがって、本発明の目的は、上記の所望の形状を有する光セラミックレンズを優れた費用効率で効果的に製造することを可能とする成形型の提供である。成形型は光セラミックレンズの精密な製造に適合させる必要があり、最終的に精密さの面で最高水準を実現する必要がある。本発明の更なる目的は、かかる成形型に対応する使用を提供することであり、より更なる目的は光セラミックのレンズの製造方法を提供することである。
【0035】
上記課題(目的)は特許請求の範囲に記載した事項により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明ではニアネットシェイプ(near−net−shape)のネガティブ(negative)型を含む成形型について記載する。この型はレンズの後の機能領域(または表面)に関連し、上記に示す式Aに基づいて記述される。この式は型の形状と製造されるレンズの個別の形状との相違を考慮して修正することにより、下記式Bとなる。
【0037】
【数4】

ここで、bは0より大きい定数であり、好ましくは0.3mm未満、より好ましくは0.1mm未満、最も好ましくは0.05mm未満の値である。bは成形型のネガティブ型と個別に得られる最終的なレンズの機能領域との偏差を表す。
【0038】
最終的なレンズの機能領域は、本明細書において、「少なくとも1つの成形領域」としても定義される。1つの機能領域が成形されさえすれば、いずれの1つの領域であってもよい。したがって、得られるレンズは少なくとも1つの機能領域を有するが、例えば粉砕のような成形と異なる技術によって第2の機能領域を得る可能性がある。本明細書で定義される成形型は1以上の機能領域を有するレンズの製造に適することが好ましい。
【0039】
本発明は、光学素子(レンズ)の未焼結体の成形段階において既に、ニアネットシェイプのネガティブ型を使用することにより、多大なる利点が得られるという知見に基づく。したがって、光セラミックレンズの最終形状に非常に近い形状を有する未焼結体を得ることが可能となる。これは、後処理の労力を著しく削減することを可能とする。特に、コストがかかる化学切削、粉砕および研磨の削減または回避さえも可能となる。
【0040】
本明細書において、ニアネットシェイプ(near−net−shape)成形とは、調製された未焼結圧縮体(未焼結形態を有する未焼結体)の形状が焼結体の最終形態に非常に近いことを意味する。方法段階1−7(セラミック化ルート)を終えた後に得られる成形体を以下「原形態(raw form)」と称する。粉砕、研磨、粗研磨によって後処理されているが、化学切削されていない成形体(最終製品)の有する形態を、以後「製品形態(product form)」と称する。
【0041】
本発明に係る方法によって製造される未焼結形態を有するニアネットシェイプ(near−net−shape)の未焼結体は、基本的に、原形態に対するアスペクト比および製品形態に対するアスペクト比が一致する。このことは、未焼結形態および原形態ならびに製品形態は互いに類似する等形状および/または等角度の形と関係することを意味する。
【0042】
従来から、例えばCNC装置を用いて行われている、原形態の時間のかかる後処理段階はほとんど必要なく、理想的には全く必要がない。原形態の後処理は研磨/粗研磨、および任意の軽微な粉砕に限定される。
【0043】
材料および製造方法に応じて、例えば、未焼結体内部の密度勾配およびその結果生じる特異的焼結のために均一に焼結ができない可能性がある。しかしながら、アスペクト比については未焼結形態と原形態との間のズレが約±10%以下、より好ましくは約±5%以下、さらにより好ましくは約±2%以下しかないことが好ましく、理想的には未焼結形態のアスペクト比のズレは約±1%である。しかしながら、未焼結形態および原形態の絶対体積は、選択する方法、充填密度および粉体の反応性に応じて互いに有意に異なる。体積収縮率は未焼結体の体積に対して75%まで計算でき、通常は10%より大きい。
【0044】
原形態の粉砕および研磨の労力が成形方法のおかげで大幅に削減され、理想的には粉砕を全く必要としない。表面の摩耗は最小化される。摩耗は例えば、2mm、好ましくは1mm、より好ましくは0.5mm、最も好ましくは0.3mmと見積もることができる。
【0045】
製品/原形態の差異に関する上記明細書の記載は、本方法が完全なレンズを得るために使用される場合、すなわち、両方の機能領域が同時に作られる場合に適用できる。方法で一方の機能領域のみが作られる場合(例えば遠心鋳造)には、(例えば化学研磨により)逆の領域の外形を最初に形成する必要がある。この場合、部分的に完成したレンズでは1つの表面のみを仕上げ方法で後処理する必要があり、これを製品形態と称する。さらに、この場合、未焼結形態、原形態、および製品形態という用語はそれぞれニアネットシェイプの未焼結外形、原外形、製品外形を含む。
【0046】
型は、寸法およびアスペクト比に関する限り、大きめに選択される。その際、充填密度、材料の種類、粉体の状態等に応じて、焼結時に生じる未焼結圧縮体の収縮が異なることに留意する。収縮因子に応じて、相応する収縮因子に準じた大きさより大きいものを選択する。
【0047】
本発明に係る成形型の利点は、光セラミックレンズのニアネットシェイプ製造を可能とし、これらのレンズには後処理時にわずかな労力しか必要としないことである。さらに、本発明に係る成形型により同時に複数のレンズを並列に成形することが可能となり、したがって、レンズ製造時の効率をさらに向上しうる。
【0048】
ニアネットシェイプ製造された未焼結体は、全方法の最後には、成形型のネガティブ型によって製造される形状を有する製品となる。この形状は(光学的)機能領域、および、場合によっては機能領域とは別に加えられる追加の領域を有する。
【0049】
光学的機能領域は画像光学に関する形状および性能の要求を満たす。外形領域は、光軸に関して回転対称であり、式Aで記述できる。この領域は発散および平行光線を焦点に収束させるか、または平行の発散光線を(無限大の焦点に)収束させる。
【0050】
最終製品内の光学的機能領域は光学性能を有する必要がある。すなわち、研磨により原形態から得られる。研磨により、原形態に比べて機能領域の透明性は向上する。
【0051】
最終製品は光学的機能領域のほかに追加の領域を含むことができ、追加の領域は光学システム内部のレンズの記憶および/または支持(記憶または支持領域)の役割を果たす。これらは高い光透明性(可視光および/またはIR放射線への透明性)を示す必要はない。これらの領域は円形でもあり得る。ただし、これらの領域は矩形、方形、台形、楕円形、または自由形状であり得る。さらに、レンズの記憶または支持領域内で、レンズシステム内部の光学的位置に、レンズの固定のためのくぼみを設置することが可能である(モノリシック構成要素)。以下、上記のように一体的に成形される全領域を、サイズおよび形状によらず、かつ機能領域とは関係なく、外部領域と称する。したがって、記憶/支持領域は外部領域に属する。
【0052】
本発明に係る成形型は、好ましくは湿潤および/または可塑性のセラミック材料の充填に適した外形を示す。この点で、材料はサブマイクロスケールのセラミック粉体(粉体粒子の直径は約1μm未満、好ましくは500nm未満、特に好ましくは100nm未満である)を含むことが好ましい。この材料を使用することにより、高透明性を有する成形体を成形および適当な焼結の後に得ることができる(例えば、可視領域の透過率が、理論的限界の50%よりも高く、好ましくは理論的限界の70%よりも高く、特に好ましくは理論的限界の90%よりも高く、より一層好ましくは理論的限界の99%よりも高い)。
【0053】
本発明に係る成形型は鋳造(スリップキャスト、加圧スリップキャスト、真空鋳造、遠心スリップキャスト、ゲルキャスト)、塑性成形方法(押出)、熱間鋳造もしくはダイキャストまたは例えば一軸加圧成形などの加圧成形に特に好ましい。
【0054】
図1に示すスリップキャストまたは同類の方法が特に好ましく、ここでは懸濁物2が好ましくはナノスケールの粉体とともに型1へ投入される(図1aを参照)。型が多孔質であるため、湿分が毛管力により懸濁物から引き出される(矢印4で示す)。破片5(セラミック未焼結体)が型の壁に形成される(図1bを参照)。収縮の結果成長した空洞は、新たなスリップを型に投入することにより、満たされる。変形として、加圧スリップキャストおよび真空鋳造も適用できる。
【0055】
スリップキャストに使用される成形型用の材料は、適当な開孔構造を有する石膏、樹脂、高分子、セラミックまたはゼオライトである。ナノスケール粒子の懸濁物に関しては、実質的にナノスケールである構造を使用すべきである。いずれの場合にも、空孔は開放的である必要があり、空孔の直径は約50nm〜約5000nmに達するべきである。最終の後処理を最小化するために、型の表面は可能な限り平坦であるべきである(平均の粗度RMSは約100nm未満、好ましくは約50nm未満、特に好ましくは約25nm未満、より好ましくは3nm未満である)。ここで、RMSはいわゆる二乗平均平方根粗さを意味し、偏差平方の平均値から計算される。
【0056】
スリップキャストまたは真空鋳造/加圧スリップキャストに代わる方法として、図2に示す遠心スリップキャストを使用できる。図2aに、容器13中に含まれる水11に分散した粉体12を示す。その後、水11−粉体12−混合物を図2cに示す遠心分離機16内部に設置した型15(図2bを参照)に投入する。型15の底部は回転円の半径に実質的に垂直または回転軸に実質的に平行であり、かつ固体粒子が高速回転により押し付けられるが、型15の底部はレンズの輪郭を含み、当該輪郭から未焼結体18を形成する(図2dを参照)。
【0057】
ゲルキャストは湿式成形方法の例である。ゲルキャストは液体成形法であり、この方法では数パーセントの重合可能な結合剤をセラミックスリップに添加する。大量の固形物によりかなり低いスリップの粘度を実現できる場合には、平坦で複雑な形状を持つ寸法安定性のある原体が形成される。未焼結体は低収縮を示し、より低圧の鋳造、または室温または室温よりほんのわずかに高い温度で中圧(0.1MPa〜50MPa)を利用する成形方法によって得られる。硬化は重合(80℃未満)および乾燥によって生じる。
【0058】
更なる実施形態において、本発明に係る成形型は唯一、湿潤塑性材料と一緒には使用することができない。また、本発明に係る加圧ツールは、相応する外形を有するレンズ形状に従った加圧、好ましくは一軸加圧に使用できる。
【0059】
熱間鋳造またはセラミックダイキャストのような塑性成形方法に好適な形状を有する本発明に係る成形型の使用では、通常、鋼や硬化鋼などの硬質材料が用いられる。可塑性のセラミックバッチ(batch)を型に投入するため、材料は湿式鋳造方法に比べて(特に、固体粒子の含有量がより多いだけでなく、より粘性に優れた溶媒=結合剤であるため)はるかに延性的である。
【0060】
型は、成形方法に応じて、異なる材料から製造され得る。
【0061】
(多孔質の型)
1)スリップキャスト用(孔径0.02μm〜5μm)として、例えば、石こう、多孔質セラミック、粘土、ゼオライト、樹脂、多孔質プラスチック(例えば、PMMA、ポリエステル)、ガラス、ガラスセラミック、木材。
【0062】
2)加圧スリップキャスト用、特に
・真空鋳造用として、プラスチック(例えば、ビニルポリシロキサン、ポリビニルシラザン)、木材、セラミック、ガラス。
・高圧スリップキャスト用(1.5〜4MPa)として、均一な微孔構造、孔径20〜40μm、気孔率(porosity)30〜40体積%、圧力抵抗>30MPa、優れた耐摩耗性、特にプラスチック(例えば、PMMA)、セラミック(例えば、チタン酸塩、窒化物、炭化物)の微孔質の型。
・中圧鋳造用(0.15〜0.35MPa)として、均一な微孔構造、孔径1〜40μm、気孔率30〜40体積%、優れた耐摩耗性、特にセラミック(例えば、チタン酸塩、窒化物、炭化物)、プラスチック。
【0063】
(非多孔質の型)
3)セラミックダイキャスト用、
・低圧ダイキャスト用(耐温度性60〜110℃、圧力抵抗0.25〜5MPa)および熱間鋳造(60〜110℃、0.1〜5MPa)として、特にプラスチック(例えば、ビニルポリシロキサン)、金属(鋼、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムおよび銅合金(黄銅、青銅))、ガラス、ガラスセラミック、セラミック。
・高圧ダイキャスト用(120〜220℃、>50MPa)として、特に超硬合金、鋼、炭化物。
【0064】
4)遠心鋳造用として、例えば、シーリング材料、ガラス、ガラスセラミック、セラミック。
【0065】
5)ゲルキャスト用として、例えば、金属(アルミニウム(硬質陽極酸化アルミニウムが好ましい)、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムおよび銅合金)、ガラス、ガラスセラミック、セラミック、粘土、プラスチック(ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE))、シーリング材料(例えば、シリコンゴム)。
【0066】
6)等静圧圧縮成形用として、特に、エラストマー(ラテックス、ニトリルゴム)。
および
7)熱間圧縮成形用として、特に、鋼、炭化タングステン、炭化ケイ素、黒鉛。
【0067】
透明なセラミック(光セラミック)の製造には、型を使用するべきである。結晶相中に立方晶構造を好ましく含むものであれば、材料として上記の全てを考慮に入れることができる。詳細には、これらのシステムの例としては、スピネル(MgAl)、三二酸化物(Y、YAG、AlOn、ペロブスカイト、立方晶酸化ジルコニウム、など)および/または上記ファミリーのアイソタイプ立方混晶システムである。Alのような非立方晶相もまた処理しうる。ただし、特に、高透明性に関しては、焼結後の好適な結晶構造に注意する必要がある。
【0068】
最初の重要なステップは少なくとも1つの定義されたレンズ曲面の図解である。理想的には、完全なレンズ、すなわち、反対側の表面を加えたものもニアネットシェイプで図解される。主に、多数の球面、非球面、凹凸面、球状面、または円筒面が提供されうる。また、理想的な球面または円筒レンズを示すような形状も含まれる。
【0069】
典型的な実施形態として、レンズの種類を以下に示す。本発明に係る成形型は少なくとも1つの曲面をネガティブ型として含む。
【0070】
[実施形態1 レンズ110について(図3参照)]
図3に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル映写に用いられる、下記パラメータを有するレンズ110を示す。
【0071】
【表1】

本発明に係るスリップキャスト用成形型115を図4aに示す。凸状の左表面111を輪郭111’で示している。本発明に係るスリップキャスト用成形型116を図4bに示す。凹状の左表面112を輪郭112’で示している。図示した成形型115および116のいずれにおいても、3つのレンズのための輪郭111’および112’が存在し、側面に沿って互いに隣り合って設置されている。成形型は3つのレンズの輪郭に制限する必要はなく、1つのみの輪郭、2つの輪郭、または3つ以上の輪郭もまた含みうる。
【0072】
可能な限り巨大で均一な成形体を得るために、型へスリップを再充填することによって、破片形成による体積収縮をバランスさせることができる。
【0073】
図5は互いに上方に位置するスリップキャスト用の成形型ペア115、116を示しており、2つの型ペア115、116からなる型全体がレンズ110の両方の表面111、112を表している。互いに上方に位置する輪郭111’および112’のペアは共にレンズの形状を形成する。可能な限り大規模で均一である成形体を得るために、型にスリップを再充填することによって、破片形成による体積収縮をバランスさせることができる。スリップの再充填はレンズの輪郭のいずれにも通じている成形型115内部に存在するチャネル(channel)118を通して行う。
【0074】
本発明の別の実施形態において、チャネル118を傾ける、すなわち、水平に対して少なくとも45°の角度を形成させてもよく、1つの輪郭あたり1以上のチャネルが存在しうる。第2のチャネル118は脱出空気の誘導に用いられうる。
【0075】
図6に、大量鋳造に特に好適な結合型の成形型についての本発明の別の実施形態を示す。この形態では、空洞体(negative cavity)を互いに垂直に配置させることができる。成形型は左輪郭111’で示される、第一部品115を含む。この部品上に2つの第2部品119が装着されており、第2部品119の左側に右輪郭112’が、右側に左輪郭111’が示されている。第3部品は型の外部の右側面に設置されており、第3部品の左側には輪郭112’が示されている。互いに対向する2つの輪郭111’および112’のそれぞれがレンズの形状を形成する。このため、輪郭111’および112’は互いに平行に位置している。また、輪郭111’および112’に対して平行に、チャネル118がそれぞれのレンズ型の上部に設置されている。
【0076】
図6に示す当該成形型においては、チャネル118の傾斜および/または1つの輪郭あたり1以上のチャネル118の形成もまた可能である。
【0077】
[実施形態2 レンズ210について(図7参照)]
図7に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ210を示す。
【0078】
【表2】

図8は互いに上方に位置するスリップキャスト用の成形型ペア215、216を示しており、2つの型ペア215、216で構成される型全体がレンズ210の両方の表面211、212を表している。互いに上方に位置する輪郭211’および212’のペアはそれぞれレンズの形状を示す。可能な限り大規模で均一である成形体を得るために、型にスリップを再充填することによって、破片形成による体積収縮をバランスさせることができる。スリップの再充填はレンズの輪郭のいずれにも通じている成形型215内部に存在するチャネル218を通して行う。
【0079】
[実施形態3 レンズ310について(図9参照)]
図9に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(SLRカメラ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ310を示す。
【0080】
【表3】

[実施形態4 レンズ410について(図10参照)]
図10に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ410を示す。
【0081】
【表4】

[実施形態5 レンズ510について(図11参照)]
図11に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ410を示す。
【0082】
【表5】

[実施形態6 レンズ610について(図12参照)]
図12に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ410を示す。
【0083】
【表6】

[実施形態7 レンズ710について(図13参照)]
図13に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(接眼レンズ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ710を示す。
【0084】
【表7】

[実施形態8 レンズ810について(図14参照)]
図14に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ810を示す。
【0085】
【表8】

[実施形態9 レンズ910について(図15参照)]
図15に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ910を示す。
【0086】
【表9】

[実施形態10 レンズ1010について(図16参照)]
図16に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(接眼レンズ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ1010を示す。
【0087】
【表10】

[実施形態11 レンズ1110について(図17を参照)]
図17に、本願に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ1110を示す。
【0088】
【表11】

[実施形態12 レンズ1210について(図18参照)]
図18に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、赤外線光学分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ1210を示す。
【0089】
【表12】

[実施形態13 レンズ1310について(図19参照)]
図19に、本発明に係る成形型を使用することによって製造され、赤外線光学分野に用いられる、下記パラメータを有するレンズ1310を示す。
【0090】
【表13】

上記に規定するレンズ(および成形型の導かれる輪郭)は例として示したにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。要するに、全てのレンズ形状、特に、平面凸レンズ、左右対称の両凸レンズ、ベストフォームレンズ、凹凸レンズ、平面凹レンズ、左右対称の両凹レンズ、円柱レンズ、球面レンズ、非曲面集光レンズ、屈折率分布型レンズ、およびマイクロレンズアレイ用の成形型、が本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】スリップキャストを示す図である。
【図2】遠心スリップキャストを示す図である。
【図3】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル映写に用いられるレンズを示す図である。
【図4】本発明に係るスリップキャスト用成形型を示す図である。
【図5】互いに上方に位置するスリップキャスト用の成形型ペアを示す図である。
【図6】本発明の別の実施形態による大量鋳造に特に好適な結合型の成形型を示す図である。
【図7】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図8】互いに上方に位置するスリップキャスト用の成形型ペアを示す図である。
【図9】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(SLRカメラ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図10】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図11】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図12】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、デジタル写真技術(DSCカメラ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図13】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(接眼レンズ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図14】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図15】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図16】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(接眼レンズ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図17】本願に係る成形型を使用することによって製造され、顕微鏡法(対物レンズ)分野に用いられるレンズを示す図である。
【図18】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、赤外線光学分野に用いられるレンズを示す図である。
【図19】本発明に係る成形型を使用することによって製造され、赤外線光学分野に用いられるレンズを示す図である。
【符号の説明】
【0092】
1、15 型
2 懸濁物
4 湿分が毛管力により懸濁物から引き出される方向
5 破片
11 水
12 粉体
13 容器
16 遠心分離機
18 未焼結体
110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310 レンズ
111、211、311、411、511、611、711、811、911、1011、1111、1211、1311 左表面
112、212、312、412、512、612、712、812、912、1012、1112、1212、1312 右表面
111’、112’、211’、212’ 輪郭
115 成形型、第1部品
116、215、216 成形型
118、218 チャネル
119 第2部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光セラミックからなる、少なくとも1つの回転対称レンズの製造に用いられるセラミック未焼結体成形用の成形型であって、
少なくとも1つの成形表面が下式で表され、
【数1】

式中、定数は下記値を有する:kは−200〜+200の範囲、好ましくは約−50〜+50の範囲、特に好ましくは約−10〜+10の範囲、より一層好ましくは約−2〜+2の範囲の値であり;c=1/Rであって、cは約1×10−2mm−1未満、好ましくは約1×10−3mm−1未満、特に好ましくは約4×10−6mm−1未満、より一層好ましくは約1×10−6mm−1未満であり(Rは曲線の半径である);係数a、a、a、a、…は約10−1未満、好ましくは約10−2未満、特に好ましくは約10−3未満である:
下式で表される少なくとも1つのレンズの少なくとも1つの成形領域の機能領域のニアネットシェイプのネガティブ型を含む、成形型。
【数2】

式中、bは0より大きい定数であり、好ましくは0.3mm未満、より好ましくは0.1mm未満、最も好ましくは0.05mm未満の値であって、bは成形型のネガティブ型と少なくとも1つのレンズの少なくとも1つの成形領域との偏差を表す。
【請求項2】
定数bは材料および方法に依存する、請求項1に記載の成形型。
【請求項3】
前記ネガティブ型は外部領域の輪郭をさらに含む、請求項1または2に記載の成形型。
【請求項4】
成形方法は湿式、塑性、または乾式の成形方法である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項5】
前記成形方法はスリップキャスト、特に遠心スリップキャスト、真空鋳造、加圧スリップキャスト、セラミックダイキャスト、低圧ダイキャスト、または熱間鋳造である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項6】
成形段階は加圧成形、特に一軸加圧成形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項7】
金属(鋼、銅合金、アルミニウム、超硬合金)、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、および/または合成材料からなる群より選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項8】
成形型の材料は特定の気孔率および/または密度を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項9】
成形型の表面は約100nm未満、好ましくは約50nm未満、特に好ましくは約25nm未満、より好ましくは3nm未満の平均の粗度RMSを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項10】
乾燥させる部材を乾燥炉へ輸送するための支持表面を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項11】
成形型を手動または自動稼動させるための支持装置、好ましくは内部からの脱出空気を除去するための支持装置を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項12】
他のレンズまたは同一のレンズのための少なくとも1つの第1および第2のニアネットシェイプのネガティブ型を有するネガティブ型を含み、ここで第1および第2の成形される表面が異なるパラメータk、c、a、a、a、aを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項13】
いくつかの同じレンズの未焼結体を同時に成形するための多数のネガティブ型を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の成形型。
【請求項14】
前記多数のネガティブ型は実質的に側面に沿って互いに隣り合って設置される、請求項13に記載の成形型。
【請求項15】
前記多数のネガティブ型は実質的に平行に互いに隣り合って設置される、請求項13に記載の成形型。
【請求項16】
全体の製造方法を終えた後の光セラミックの透過率の値が、理論的限界の約50%よりも高く、好ましくは理論的限界の約70%よりも高く、特に好ましくは理論的限界の約90%よりも高く、より一層好ましくは理論的限界の約99%である、光セラミック製のレンズの製造におけるセラミック未焼結体の成形のための請求項1〜15のいずれか1項に記載の成形型の使用。
【請求項17】
前記光セラミックは例えばY−Al−ガーネットまたはこれらの変型などの立方晶系ガーネット;立方晶系ペロブスカイト;立方晶安定化酸化ジルコニウムまたは酸化Hf、Y、Lu、Yb、In、Scなどの三二酸化物;上記酸化物とGd、La、ZrO、HfOなどの他の酸化物とのアイソタイプ立方混晶相;MgAlの近似式を有するMg−Al−スピネル;例えばAl2327などのAl23−1/3X27+X5−Xの一般式を有するAl−酸窒化物からなる群より選択される、請求項16に記載の成形型の使用。
【請求項18】
下記の方法段階を含む光セラミックレンズの製造方法。
a.基材の粉体調製
b.必要に応じて、基材の粉砕
c.請求項1〜15のいずれか1項に記載の成形型を用いた未焼結体の成形
d.必要に応じて、未焼結体の乾燥および/または結合剤除去
e.焼結
f.熱間等静圧圧縮成形(HIP)
g.必要に応じて、熱後処理
【請求項19】
前記方法段階a〜gからなる、請求項18に記載の製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−168634(P2008−168634A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−2420(P2008−2420)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】