説明

セラミック材料用潤滑剤

【課題】 成型時の吐出圧上昇を抑えることができる、潤滑性能に優れるセラミック材料用の潤滑剤を提供する。
【解決手段】
水又は1〜6価のアルコールにテトラヒドロフランと炭素数2〜4の1,2−アルキレンオキシドとを付加させてなるポリエーテル(A)からなるセラミック材料用潤滑剤を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック成形体を製造するときに用いる潤滑剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディーゼル機関等の排ガス浄化装置には、ハニカム構造のセラミック押出成形品が使用されている。排ガス浄化装置については触媒効率の向上を目的としたハニカム隔壁のさらなる薄壁化が求められているが、一方、薄壁化に対しては押出成形の成形性に問題を生じやすいことから、非イオンポリエーテル滑剤(ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレンポリプロピレンアルキルエ−テル等)による坏土組成物の成形性の改善が提案されている(特許文献1〜5参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平1−294584号公報
【特許文献2】特開平3−197350号公報
【特許文献3】特開平6−92715号公報
【特許文献4】特開平7−290430号公報
【特許文献5】特開平11−58335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来提案されている非イオンポリエーテル滑剤は、潤滑性能が不十分であることから、金口での吐出圧上昇が著しく、生産速度の向上に限界があった。そこで、本発明は、成型時の吐出圧上昇を抑えることができる、潤滑性能に優れるセラミック材料用の潤滑剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水又は1〜6価のアルコールにテトラヒドロフランと炭素数2〜4の1,2−アルキレンオキシドとを付加させてなるポリエーテル(A)からなるセラミック材料用潤滑剤である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のセラミック用潤滑剤は、セラミック粒子間および坏土組成物と押出成型機の金属表面との潤滑性能に優れるため、セラミック成形体の生産の際に、金口での吐出圧上昇を抑えることができ、生産速度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
水としては、水道水、工業用水、地下水、蒸留水、イオン交換水及び超純水等が含まれる。
【0008】
1〜6価のアルコール化合物としては、1価のアルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール等);2価のアルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2メチル−2,4ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等);3価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン等);4〜6価のアルコール(ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール等)等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0009】
これらのうち、潤滑剤の作業性の観点から、粘度が低くなる1価のアルコール、2価のアルコールが好ましく、さらに好ましくはメタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2メチル−2,4ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、特に好ましくはメタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2メチル−2,4ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールである。
【0010】
テトラヒドロフラン(以下、THFと略す。)は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいが、潤滑性の観点から、好ましくは置換されていないテトラヒドロフランである。
【0011】
1,2−アルキレンオキサイド(以下、AOと略す。)としては、炭素数2〜4の1,2−アルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド(以下EOと略す。)、プロピレンオキサイド(以下POと略す。)、1,2−ブチレンオキサイド(以下BOと略す。)、イソブチレンオキサイド及びこれらのハロ置換体(エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。これらのうち、潤滑性の観点から、EO、PO及びBOが好ましく、特に好ましくはEO及びPOである。AOは1種のみを用いても良く、2種以上のAOを併用してもよい。
【0012】
ポリエーテル(A)において、THFとAOとの共重合様式は特に限定されず、ブロック及びランダムのいずれでもよく、潤滑剤の作業性の観点から、好ましくは融点が低くなるランダムである。
【0013】
THFとAOの比率は特に限定されないが、潤滑性の観点から、THFとAOの合計モル数を基準として、THFが20〜80モル%が好ましく、さらに好ましくはTHFが30〜70モル%、特に好ましくはTHFが40〜60モル%である。THFとAOの比率がこの範囲である場合、潤滑性が優れる傾向にある。
【0014】
ポリエーテル(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、坏土組成物の粘度の観点から、300〜20,000が好ましく、さらに好ましくは800〜10,000であり、特に好ましくは1,000〜5,000である。Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法。標準物質:ポリエチレングリコール)で測定することができる。
【0015】
ポリエーテル(A)の具体例としては、例えば、メタノール−THF−EO共重合体、メタノール−THF−PO共重合体、メタノール−THF−BO共重合体、エタノール−THF−EO共重合体、エタノール−THF−PO共重合体、エタノール−THF−BO共重合体、、ブタノール−THF−EO共重合体、オクタノール−THF−EO共重合体、エチレングリコール−THF−EO共重合体、エチレングリコール−THF−PO共重合体、エチレングリコール−THF−BO共重合体、プロピレングリコール−THF−EO共重合体、1,4−ブタンジオール−THF−EO共重合体、1,6−ヘキサンジオール−THF−EO共重合体、グリセリン−THF−EO共重合体、トリメチロールプロパン−THF−EO共重合体、ペンタエリスリトール−THF−EO共重合体、ソルビトール−THF−EO共重合体、ジペンタエリスリトール−THF−EO共重合体、ショ糖−THF−EO共重合体、フェノール−THF−EO共重合体、ヒドロキノン−THF−EO共重合体、ビスフェノールA−THF−EO共重合体等が挙げられる。
【0016】
ポリエーテル(A)は、公知の方法(特開2004−182970号公報等)等で製造でき、例えば、1〜6価のアルコールに、THF及びAOを、ホウ素、アルミニウム、スズ、アンチモン、鉄、リン、亜鉛、チタン、ジルコニウム、ベリリウムからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む酸性触媒の存在下に開環共重合した後、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物で中和し、さらに合成珪酸塩、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウムアルミニウム、活性白土、活性炭、活性アルミナ、合成ゼオライト、イオン交換樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の吸着剤と混合接触させた後、吸着剤を濾過する製造方法が挙げられる。
【0017】
ポリエーテル(A)は、テトラヒドロフランを含まない他のポリアルキレンポリオール(B)と併用してセラミック材料用潤滑剤として用いることができる。この場合、潤滑剤中のポリエーテル(A)の含有量(重量%)は坏土組成物の成形性の観点から、20〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜100、特に好ましくは60〜100である。
【0018】
他のポリアルキレンポリオール(B)としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、活性水素当たりの重合度1〜100のポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドのランダム、ブロックもしくはそれらの組み合わせによる共重合体等従来のポリアルキレンポリオール(特開平7−69711、特開平11−58335号公報等)等が挙げられる。これらのうち好ましくはポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体である。
【0019】
他のポリアルキレンポリオール(B)は、坏土組成物の粘度の観点から、Mnが1,000〜30,000であることが好ましく、さらに好ましくは2,000〜20,000である。
【0020】
他のポリアルキレンポリオール(B)を併用する場合に(A)と(B)との相溶性が悪い場合や、潤滑剤の粘度又は融点を使用しやすい値に調整するため、潤滑剤には任意の割合でメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの脂肪酸エステル並びに水等を加えることができる。
潤滑剤の揮発性の観点から、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの脂肪酸エステル並びに水が好ましい。
【0021】
潤滑剤は、(A)のみの場合はそのまま使用でき、ポリエーテル(A)と他のポリアルキレンポリオール(B)等とを併用する場合は、通常の方法で均一混合し製造できる。
【0022】
本発明の坏土組成物において、セラミック粒子及びバインダーとしては、公知のもの(特開2004−203705号公報、特開2002−37673号公報等)等が使用できる。
水としては、水道水、工業用水、地下水、蒸留水、イオン交換水及び超純水等が含まれる。
【0023】
本発明の坏土組成物において、脱脂工程での形状保持の観点から、バインダーの含有量(重量%)は、セラミック粒子の重量を基準として、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜6である。
【0024】
本発明の坏土組成物において、押出成型性の観点から、本発明のセラミック材料用潤滑剤の含有量(重量%)は、セラミック粒子の重量を基準として、1〜10が好ましく、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは2〜6である。
【0025】
本発明の坏土組成物には、さらに必要により公知(特開2004−203705号公報、特開2002−37673号公報等)の分散剤及び溶媒を含有してもよい。公知の分散剤を含有する場合、この含有量(重量%)は、取り扱いやすさの観点から適宜選択すればよいが、セラミック粒子の重量を基準として、0.1〜5が好ましい。
公知の溶媒を含有する場合、この含有量(重量%)は、取り扱いやすさの観点から適宜選択すればよいが、セラミック粒子の重量を基準として、5〜100が好ましい。
【0026】
坏土組成物の製造法としては、公知の方法(特開2002−37673号公報等)等が適用でき、最初にセラミックス粒子と分散剤(メチルセルロース等)をドライブレンドし、更に水、潤滑剤等を加え、ニーダー等で混合する方法が挙げられる。尚、混合温度は5〜50℃が好ましい。
【0027】
本発明の坏土組成物は、坏土組成物を押出成形した後、焼成してセラミック成形体を製造するために用いられる坏土組成物として好適である。
【0028】
本発明の坏土組成物を用いてセラミック成形体を製造する方法としては、公知の方法(特開2002−37673号公報等)等が適用でき、本発明の坏土組成物を押出成形して押出成形体を得る工程と、この押出成形物を焼成して焼成体を得る工程とを含むことが好ましい。
また、焼成体を得る工程には焼成後に冷却操作が含まれ、さらに必要により、焼成体を機械加工してセラミック成形体を得る工程を含んでもよい(この工程を含まない場合、焼成体がそのままセラミック成形体となる)。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%は、特記しない限りそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0030】
<実施例1>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、メタノール114g、テトラヒドロフラン1280g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド117gを45〜55℃で1時間かけて滴下した。55℃で1時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応のテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、メタノールのテトラヒドロフラン/エチレンオキシド(モル比80/20)ランダム付加物(分子量300)(A−1)を得た。
【0031】
<実施例2>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、ソルビトール9g、テトラヒドロフラン409g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド322g及びプロピレンオキシド424を45〜55℃で5時間かけて滴下した。55℃で3時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応のテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、ソルビトールのテトラヒドロフラン/エチレンオキシド/プロピレンオキシド(モル比20/40/40)ランダム付加物(分子量20000)(A−2)を得た。
【0032】
<実施例3>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、ヘキシレングリコール24g、テトラヒドロフラン1156g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド283gを45〜55℃で1時間かけて滴下した。55℃で1時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応のテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、ヘキシレングリコールのテトラヒドロフラン/エチレンオキシド(モル比60/40)ランダム付加物(分子量5000)(A−3)を得た。
【0033】
<実施例4>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、n−ブタノール46g、テトラヒドロフラン829g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド456gを45〜55℃で1時間かけて滴下した。55℃で1時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応のテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、n−ブタノールのテトラヒドロフラン/エチレンオキシド(モル比40/60)ランダム付加物(分子量1000)(A−4)を得た
【0034】
<実施例5>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、水70g、テトラヒドロフラン500g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド365g及びブチレンオキシド300gを45〜55℃で10時間かけて滴下した。55℃で3時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応の水とテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、水のテトラヒドロフラン/エチレンオキシド/ブチレンオキシド(モル比25/50/25)ランダム付加物(分子量480)(A−5)を得た
【0035】
<実施例6>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、n−ブタノール25g、テトラヒドロフラン1008g及び三フツ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体39gを仕込み、気相を窒素で置換した。次いで攪拌しながらエチレンオキシド370gを45〜55℃で1時間かけて滴下した。55℃で1時間熟成後、カセイソーダ液で中和した後、未反応のテトラヒドロフランを除去した。副成した塩を濾別し、n−ブタノールのテトラヒドロフラン/エチレンオキシド(モル比50/50)ランダム付加物(分子量3000)(A−6)を得た
【0036】
<製造例1>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、エチレングリコール12部及び水酸化ナトリウム1部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、150℃に昇温した。エチレンオキシド426部とプロピレンオキシド562部を150℃で5時間かけて吹き込み反応した。さらに150℃で1時間熟成した後、25℃に冷却してエチレングリコールのエチレンオキシド、プロピレンオキシド(モル比50/50)ランダム付加物(分子量5000)(B−1)を得た。
【0037】
<製造例2>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、メタノール99部及び水酸化ナトリウム1部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド901部を100℃で20時間かけて吹き込み反応した。さらに180℃で1時間熟成した後、25℃に冷却してメタノールのプロピレンオキシド付加物(分子量300)(B−2)を得た。
【0038】
<実施例7>
カオリン、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ粉末を化学組成が、SiO2:48〜52wt%、Al23:33〜37wt%、MgO:12〜15wt%になるように調整したコージェライト質セラミック原料100部、メチルセルロース{「メトローズ(登録商標)90SH−3000」、信越化学工業製}4部を、ハイシェアーミキサーでドライブレンドした後(25℃)、水25部、(A−1)4部を混合した水溶液を加え更に混練し坏土を得た。この坏土を筒先に7.5mmφの口金が付いた12mmφのピストンに詰め込み、押出速度6mm/sでピストンを押出すことで成形体を得た。この際、ピストンにかかる荷重を測定し、その最大値を押出成型時の押出負荷として表1に示した。坏土の硬さ(下記方法による)を測定し、表1に示した。
【0039】
<坏土の硬さ>
押出試験後、ピストン内に残った坏土を取り出し、その表面に測定用探針が垂直になるようにして、NGK式硬度計(日本ガイシ製)を用いて硬度を測定した。
上記の方法で異なる箇所について10回測定し、この算術平均値を坏土の硬さとした。
【0040】
<実施例8>
(A−1)4部を(A−2)10部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0041】
<実施例9>
(A−1)4部を(A−3)2部と(B−1)8部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0042】
<実施例10>
(A−1)4部を(A−4)4部と(B−1)1部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0043】
<実施例11>
(A−1)4部を(A−5)1部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0044】
<実施例12>
(A−1)4部を(A−6)4部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0045】
<比較例1>
(A−1)を使用しないこと以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0046】
<比較例2>
(A−1)4部を(B−1)1部に変更した以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0047】
<比較例3>
(A−1)4部を(B−2)4部に変更した以外、実施例1と同様にして、押出成形体及びセラミック成形体を得た。そして、実施例1と同様にして、押出成形時の押出負荷、坏土の硬さを表1に示した。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示した様に、本発明の潤滑剤を使用した坏土組成物(実施例7〜12)は、比較例1〜3に比べて押出時の負荷が小さいことから、セラミック等を含有する組成物の粘着性が低下しダイス内での滑りが良くなっているため押出成形性が良好となっていると推察する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水又は1〜6価のアルコールにテトラヒドロフランと炭素数2〜4の1,2−アルキレンオキシドとを付加させてなるポリエーテル(A)を含有してなるセラミック材料用潤滑剤 。
【請求項2】
炭素数2〜4の1,2−アルキレンオキシドがエチレンオキシドである請求項1記載の潤滑剤 。
【請求項3】
ポリエーテル(A)のテトラヒドロフランと1,2−アルキレンオキシドのモル比が20/80〜80/20である請求項1又は2記載の潤滑剤。
【請求項4】
(A)の含有量が20〜100重量%である請求項1〜3のいずれか記載の潤滑剤。
【請求項5】
セラミック粒子、バインダー及び水からなる組成物に、請求項1〜4のいずれか記載の潤滑剤を含有させてなることを特徴とする押出成形用坏土組成物。
【請求項6】
セラミック粒子、バインダー及び水からなる組成物の押出成形体を焼成してセラミック成形体を製造する方法において、該組成物に請求項1〜4のいずれか記載の潤滑剤を含有させることを特徴とするセラミック成形体の製造方法。

【公開番号】特開2008−163168(P2008−163168A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353731(P2006−353731)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】