説明

セラミック触媒吸引装置

【課題】再結合器からのセラミック触媒の取り出しに要する時間を短縮できるセラミック触媒吸引装置を提供する。
【解決手段】セラミック触媒吸引装置1は、先端部の外面に目盛りを付した吸引ノズル2、ペール缶13及びコンプレッサ17を有する。ペール缶13は、上端部に、フィルタ14及び監視カメラ15を設けた蓋16を取り付けている。蓋16に接続されてペール缶13内と連通する吸引ホース21が、吸引ノズル2に接続されている。監視カメラ11が吸引ノズル2の先端部に取り付けられる。吸引ノズル2を再結合器30の排ガス入口31に取り付ける固定具5が吸引ノズル2に取り付けられる。蓋16の上面に設置されたサイレンサー18に接続されたエアホース22がコンプレッサ17に接続される。レギュレータ19がエアホース22に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック触媒吸引装置に係り、特に、沸騰水型原子力プラントのオフガス系に設けられる再結合器内のセラミック触媒を吸引するのに好適なセラミック触媒吸引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子力プラントの原子炉内の冷却水の放射線分解で発生した水素及び酸素を含む蒸気は主蒸気配管を通ってタービンに供給される。タービンは、その蒸気によって回転され、タービンに連結された発電機を回転させて発電を行う。タービンから排気された蒸気は、復水器で凝縮されて水になる。この水は、給水として、復水器から給水配管を通って原子炉に供給される。
【0003】
復水器には、空気抽出器が設けられたオフガス配管が接続される。空気抽出器を作動させることによって、復水器内のガスが吸引されて復水器が負圧になり、タービンの効率が向上する。復水器から吸引されたガスは、排ガスとなってオフガス系配管に排気される。この排ガスは、蒸気に同伴してタービンに流入した水素及び酸素の可燃性ガスを含んでいる。水素および酸素を含む排ガスが、オフガス系配管を通ってオフガス系配管に設けられた再結合器に導かれる。
【0004】
再結合器内には、約2tonのセラミック触媒が充填されている。再結合器に供給された排ガスに含まれた水素および酸素は、セラミック触媒の作用により再結合されて水になる。この結果、再結合器から出口側のオフガス系配管に排気された排ガスに含まれた水素ガスの濃度が著しく減少する。
【0005】
沸騰水型原子力プラントが運転されている間、復水器から排気された排ガスが、再結合器に供給される。このため、再結合器に充填されたセラミック触媒は、再結合器に供給される排ガスに含まれる水素及び酸素に曝されるので、そのセラミック触媒は、経年劣化により水素と酸素の再結合性能が低下する。しかしながら、再結合器に充填されたセラミック触媒の性能の低下度合いは、再結合器内の触媒層の高さにより異なっている。
【0006】
再結合器内のセラミック触媒に対する健全性の確認は、再結合器内からセラミック触媒を取り出し、性能に問題があるセラミック触媒は新しいセラミック触媒に交換する。性能に問題がないセラミック触媒は再結合器内に再び充填され再利用される。また、セラミック触媒を取り出す際は、放射化しているため、作業時間の短縮による被ばく線量低減を図るような装置を考慮する必要がある。
【0007】
沸騰水型原子力プラントのオフガス配管に設けられた再結合器内のセラミック触媒を吸引する装置が、特開昭58−129396号公報に記載されている。このセラミック触媒吸引装置は、吸引したセラミック触媒を溜める回収容器(ドラム缶)、真空掃除機、吸引ホース及び空気ホースを備える。真空掃除機は空気ホースによって回収容器に接続される。吸引ホースも回収容器に接続される。セラミック触媒が充填された再結合器内に吸引ホースを挿入し、真空掃除機を駆動して再結合機内のセラミック触媒を吸引する。このセラミック触媒は吸引ホースを通して回収容器内に回収される。
【0008】
原子炉圧力容器内の炉底部に蓄積された異物を回収する炉底部作業装置が、特開平9−288197号公報に記載されている。この炉底部作業装置は、回収フィルタに接続された吸引ホース、吸引ホースに設けられた吸引ポンプ、及び吸引ホースの先端に取り付けられた吸引ノズル、及び吸引ノズル付近に設けられた監視カメラを有している。吸引ノズルが原子炉圧力容器内の炉底部に挿入され、吸引ポンプの駆動によって炉底部に存在する異物が吸引されて回収フィルタに捕捉される。吸引ノズルに異物が吸引される状態が、監視カメラによって撮影され、監視される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭58−129396号公報
【特許文献2】特開平9−288197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
復水器からオフガス配管に排気された排ガスは、上方より再結合器内に供給され、再結合器内の、セラミック触媒が充填された触媒層内を上方から下方に向かって流れる。このため、排ガスに含まれる水素と酸素の再結合反応による、触媒層内のセラミック触媒の劣化は、触媒層の上端から下方に向かって進行する。再結合器内の劣化したセラミック触媒は、沸騰水型原子力プラントの運転停止後における定期検査期間において、再結合器から吸引により取り出され、新しいセラミック触媒と取り換えられる。
【0011】
しかしながら、特開昭58−129396号公報に記載されたセラミック触媒吸引装置を用いて再結合器内のセラミック触媒を吸引するために吸引ホースの先端に接続した吸引ノズルを上方より再結合器内の触媒層に挿入するとき、触媒層内に挿入された吸引ノズルの先端の位置を確認することができない。触媒層内での吸引ノズルの挿入深さが浅いと、触媒層内の劣化したセラミック触媒を十分吸引することができず、触媒層内に劣化したセラミック触媒が残ることになる。その挿入深さが深すぎると、劣化したセラミック触媒だけでなく、触媒層内の劣化していないセラミック触媒も吸引してしまうことになる。このように、特開昭58−129396号公報に記載されたセラミック触媒吸引装置では、再結合器内の触媒層から吸引されたセラミック触媒が、再結合器の軸方向において触媒層のどの位置から取り出されたかを確認することができない。
【0012】
望ましくは、再結合器内に存在する劣化したセラミック触媒の全量を吸引し、この劣化セラミック触媒の吸引に際して、劣化していないセラミック触媒の吸引量をできるだけ少なくすることが望まれる。劣化していないセラミック触媒の吸引量が多くなると、それだけ、廃棄されるセラミック触媒の量が増加する。
【0013】
特開昭58−129396号公報に記載されたセラミック触媒吸引装置を使用した場合には、触媒層のどの位置から吸引されたかを確認することができないため、結果的に、劣化したセラミック触媒が再結合器内に残らないように、再結合器内のセラミック触媒の全量を吸引して再結合器から取り出すことになる。再結合器内のセラミック触媒の全量を吸引する場合には、セラミック触媒の取り出しに時間を要することになる。
【0014】
望ましくは、再結合器内に存在する劣化したセラミック触媒の全量を吸引し、この劣化セラミック触媒の吸引に際して、劣化していないセラミック触媒の吸引量をできるだけ少なくすることが望まれる。劣化していないセラミック触媒の吸引量が多くなると、セラミック触媒の再結合器からの取り出しに要する時間が長くなり、さらに、それだけ、廃棄されるセラミック触媒の量が増加する。
【0015】
本発明の目的は、再結合器からのセラミック触媒の取り出しに要する時間を短縮できるセラミック触媒吸引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、先端部の外面に目盛りが付されてセラミック触媒が充填された再結合器内に挿入される吸引ノズルと、吸引ノズルの再結合器内に挿入される部分に設けられた監視カメラと、セラミック触媒を収納する触媒収納容器と、一端が吸引ノズルに接続されて他端が触媒収納容器に接続される第1ホースと、触媒収納容器内を負圧にするコンプレッサと、一端が触媒収納容器に接続されて他端がコンプレッサに接続される第2ホースとを備えていることにある。
【0017】
吸引ノズルの先端部の外面に目盛りを付しているので、再結合器内の触媒層への吸引ノズルの挿入を適切に行うことができ、再結合器内の劣化しているセラミック触媒をほとんど吸引することができ、再結合器内に存在する劣化していないセラミック触媒の吸引量を少なくすることができる。また、再結合器内の劣化したセラミック触媒を主に吸引するので、再結合器からのセラミック触媒の取り出しに要する時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0018】
再結合器からのセラミック触媒の取り出しに要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好適な一実施例である実施例1のセラミック触媒吸引装置の構成図である。
【図2】図1に示すセラミック触媒吸引装置の吸引ノズル先端部の拡大図である。
【図3】図1に示す吸引ノズルを再結合器の容器に固定具により取り付けた状態を示す説明図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図1に示すペール缶上端部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0021】
本発明の好適な一実施例である実施例1のセラミック触媒吸引装置を、図1、図2、図3、図4及び図5を用いて説明する。
【0022】
本実施例のセラミック触媒吸引装置1は、吸引ノズル2、固定具5、ペール缶(触媒収納容器)13、フィルタ14、コンプレッサ17及び表示装置24を備えている。台車29に載せられたペール缶13は、上端部に、フィルタ14及び監視カメラ15を設けた蓋16を取り付けている。ペール缶13は蓋16によって封鎖される。一端が蓋16に接続されてペール缶13内に連絡される吸引ホース21が、吸引ノズル2に接続されている。吸引ノズル2の先端からの長さを示す目盛り3が、吸引ノズル2の先端部で吸引ノズル2の外面に付されている(図2参照)。監視カメラ11が、支持部材12によって吸引ノズル2の先端部に取り付けられる。
【0023】
固定具5が吸引ノズル2に取り付けられる。固定具5は、一対の固定リング5,7及び締め付けボルト8,9を有する(図3参照)。固定リング6,7は、上下方向に間隔を置いて配置され、複数本の連結棒10で結合されている。複数本の締め付けボルト8が固定リング6に周方向において等間隔に取り付けられ、複数本の締め付けボルト9が周方向において等間隔に固定リング7に取り付けられる。固定リング6,7は吸引ノズル2を取り囲んでおり、固定リング6が、複数本の本の締め付けボルト8を締め付けることによって、吸引ノズル2に固定される。固定リング7の内径は、固定リング6の内径よりも大きくなっている。防護カバー4が、固定具5を覆って吸引ノズル2の軸方向に移動可能に、吸引ノズル2に取り付けられる。
【0024】
サイレンサー18が、フィルタ14の真上に位置するように、蓋16の上面に設置される。サイレンサー18に接続されたエアホース22がコンプレッサ17に接続される。レギュレータ(圧力計)19がエアホース22に設けられる。コンプレッサ17に接続された別のエアホース23が、吸引ホース21に接続される。固着吹き飛ばしガン20がエアホース23に設けられる。電源25がコンプレッサ17に接続される。
【0025】
表示装置24は、ケーブル27によって監視カメラ11に接続され、ケーブル28によって監視カメラ15に接続される。表示装置24は電源26に接続される。
【0026】
沸騰水型原子力プラントは、或る運転サイクルにおける運転が停止された後、定期検査が行われる。この定期検査の期間中において、再結合器内のセラミック触媒の交換が行われる。定期検査の期間中において、再結合器30の排ガス入口31に接続されているオフガス系配管が取り外される。
【0027】
サンプリング配管(図示せず)を、排ガス入口31を通して再結合器30内に挿入し、再結合器30内の触媒層(図示せず)からセラミック触媒を採取する。サンプリング配管を通して触媒層内のセラミック触媒を採取し、採取したセラミック触媒の劣化度を測定する。触媒層内からのセラミック触媒の採取は、再結合器30の軸方向において異なる複数の位置で行われる。このようにして採取されたそれぞれのセラミック触媒の劣化度を測定することによって、触媒層内で劣化したセラミック触媒が存在する、触媒層上面からの深さ(劣化したセラミック触媒が存在する領域の厚み)を知ることができる。
【0028】
その後、吸引ノズル2を、排ガス入口31から再結合器30内に挿入し、さらに触媒層内に挿入する。防護カバー4を上方に移動させ、固定具5の固定リング7を、再結合器30の排ガス入口31の周囲に配置し、全ての締め付けボルト9を締め付けることによって固定リング7、すなわち固定具5を排ガス入口31に取り付ける。このとき、各締め付けボルト8が緩められており、吸引ノズル2が固定具5内を上下方向に移動できるようになっている。
【0029】
吸引ノズル2の触媒層内への挿入量は、セラミック触媒の採取により測定した劣化したセラミック触媒が存在する領域の触媒層上面からの深さ、及びコンプレッサ17の駆動によりセラミック触媒が吸引ノズル2により吸引される範囲を考慮して決められる。吸引ノズル2の先端が、劣化したセラミック触媒が存在する第1領域と劣化していないセラミック触媒が存在する第2領域の境界まで到達するように、吸引ノズル2を触媒層内に挿入した場合には、コンプレッサ17の駆動により、第1領域と第2領域の境界よりも下方に存在する、劣化していないセラミック触媒までが吸引ノズル2により吸引されてしまう。このため、コンプレッサ17による吸引力を考慮し、セラミック触媒が吸引されているときに、第1領域における劣化したセラミック触媒が吸引されて第2領域に存在する劣化していないセラミック触媒ができるだけ吸引されないように、吸引ノズル2の先端を触媒層内で第1領域と第2領域の境界よりも上方に位置させる。このようにして、吸引ノズル2の触媒層内への挿入深さを決定する。
【0030】
吸引ノズル2が触媒層内に挿入される前に、吸引ノズル2の先端を触媒層の上面に接触させる。この状態は、監視カメラ11で撮影され、撮影された吸引ノズル2の先端部の画像が、ケーブル27を介して表示装置24に伝えられ、表示装置24に表示される。吸引ノズル2の先端部の外面に付された寸法を示す目盛り3も、監視カメラ11によって撮影され、この目盛り3の画像も表示装置24に表示される。作業員は、表示装置24に表示された目盛り3の画像を見ながら、決定された吸引ノズル2の挿入深さになるまで、吸引ノズル2を触媒層内に押し込む。触媒層の上面の位置で目盛り3が決定された吸引ノズル2の挿入深さを示したとき、吸引ノズル2の触媒層内への押し込みを停止し、各締め付けボルト8を締め付ける。締め付けボルト8の締め付けによって吸引ノズル2が固定リング6に取り付けられ、吸引ノズル2は、所定の挿入深さだけ触媒層内に挿入された状態で、排ガス入口31に取り付けられた固定具5により支持される。防護カバー4を下降させ、防護カバー4によって固定具5及び排ガス入口31を覆う。
【0031】
電源25よりコンプレッサ17に電力を供給してコンプレッサ17を駆動する。ペール缶13内の空気が、フィルタ14、及びサイレンサー18を経て、エアホース22を通ってコンプレッサ17に吸引され、排気される。このため、ペール缶13内が負圧になり、再結合器30内のセラミック触媒が吸引される。第1領域内の劣化したセラミック触媒が、吸引され、吸引ホース21を通ってペール缶13内に達し、ペール缶13内に収納される。
【0032】
再結合器30内でのセラミック触媒の吸引状態は、監視カメラ11で撮影されるので、表示装置24で監視することができる。監視カメラ15は、吸引ホース21からペール缶13内に排出されたセラミック触媒の状態を撮影し、この映像がケーブル28を通して表示装置24に表示される。監視カメラ15でペール缶13内へのセラミック触媒の収容状態を監視する。ペール缶13内に移送されたセラミック触媒が摩耗及び減損している場合には、レギュレータ19で測定されたエアホース22内の圧力を計測する。この計測された圧力に基づいてコンプレッサ17による吸引圧力を調節する
セラミック触媒が再結合器30の側壁内面に固着してコンプレッサ17の吸引力によって吸引できなくなった場合には、固着吹き飛ばしガン20を作動させ、エアホース23によって供給される、コンプレッサ17により圧縮された圧縮空気が給水ノズル2に供給される。この圧縮空気は、吸引ノズル2の先端から放出され、再結合器30の側壁内面に固着しているセラミック触媒を吹き飛ばす。再結合器30の側壁内面に固着していたセラミック触媒は、吹き飛ばされて吸引ノズル2により吸引され、再結合器30から取り出される。再結合器30の内面に固着しているセラミック触媒を、固着吹き飛ばしガン20の作動により再結合器30の内面から剥離することができる。
【0033】
吸引ノズル2の先端を上記した決定した深さまで挿入した状態で、再結合器30内のセラミック触媒が吸引ノズル2によって吸引されなくなったとき、セラミック触媒吸引装置1による再結合器30内のセラミック触媒の吸引作業が終了する。締め付けボルト9が緩められて固定具5が排ガス入口31から取り外される。その後、吸引により取り出されたセラミック触媒と同量の新しいセラミック触媒が、再結合器30内に充填される。この充填が終了した後、オフガス系配管が排ガス入口31に接続される。
【0034】
本実施例は、吸引ノズル2の先端部の外面に目盛り3を付して監視カメラ11を吸引ノズル2に設置しているので、再結合器30内の触媒層への吸引ノズル2の挿入を適切に行うことができ、劣化しているセラミック触媒をほとんど吸引することができ、再結合器30内に存在する劣化していないセラミック触媒の吸引量を少なくすることができる。また、再結合器30内のセラミック触媒の全量でなく、劣化したセラミック触媒を主に吸引するので、再結合器30からのセラミック触媒の取り出しに要する時間を短縮することができる。
【0035】
本実施例は、排ガス入口31を防塵カバー4で覆うことができるので、再結合器30内のセラミック触媒を吸引するとき、セラミック触媒の紛体等の放射化された粉塵が排ガス入口31から作業室内に拡散することを防止することができる。また、ペール缶13にフィルタ14を設けているので、ペール缶13内へのセラミック触媒の移送により粉塵が発生した場合でも、この粉塵をフィルタ14で除去できるので、外部への粉塵(放射性物質)の放出を防止することができる。
【0036】
固定具5を用いて吸引ノズル2を排ガス入口31に固定することができるため、セラミック触媒の吸引作業中、吸引ノズル2の先端の位置を決定した挿入深さの位置に保持することができる。セラミック触媒のペール缶13内への移送時に生じた粉塵は、コンプレッサ17でペール缶13内の空気を吸引する際に、フィルタ14で除去される。このため、放射性物質である粉塵が外部に放出されることを防止することができる。粉塵によるフィルタ14の目詰まりは、レギュレータ19で計測された圧力を監視することによって知ることができる。粉塵によりフィルタ14が目詰まりを生じると、レギュレータ19で計測された圧力が低下する。この圧力が設定圧力以下になったとき、フィルタ14を交換する。
【0037】
ペール缶13内の空気を吸引するエアホース22にサイレンサー18が設けられているので、空気を吸引するときに発生する音を小さくすることができる。ペール缶13が台車29に載せられているので、再結合器30から吸引により取り出されたセラミック触媒が、ペール缶13内に所定量収納されたとき、吸引ホース21及びサイレンサー18がペール缶13の蓋16から取り外され、その後、台車29を移動して、所定量のセラミック触媒を収納したペール缶13が保管エリアまで移動される。
【符号の説明】
【0038】
1…セラミック触媒吸引装置、2…吸引ノズル、3…目盛り、5…固定具、11,15…監視カメラ、13…ペール缶、14…フィルタ、17…コンプレッサ、19…レギュレータ、21…吸引ホース、20…固着吹き飛ばしガン、30…再結合器、31…排ガス入口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部の外面に目盛りが付されてセラミック触媒が充填された再結合器内に挿入される吸引ノズルと、前記吸引ノズルの前記再結合器内に挿入される部分に設けられた監視カメラと、前記セラミック触媒を収納する触媒収納容器と、一端が前記吸引ノズルに接続されて他端が前記触媒収納容器に接続される第1ホースと、前記触媒収納容器内を負圧にするコンプレッサと、一端が前記触媒収納容器に接続されて他端が前記コンプレッサに接続される第2ホースとを備えていることを特徴とするセラミック触媒吸引装置。
【請求項2】
前記第1ホースに設けられた固定具を有する請求項1に記載のセラミック触媒吸引装置。
【請求項3】
前記ペール缶の上蓋に他の監視カメラを取り付ける請求項1または2に記載のセラミック触媒吸引装置。
【請求項4】
前記コンプレッサ及び前記第1ホースに接続された固着吹き飛ばしガンを備えた請求項1ないし3のいずれか1項に記載のセラミック触媒吸引装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−36773(P2013−36773A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171037(P2011−171037)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】