説明

セラミド合成促進剤

【課題】コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有するセラミド合成促進剤およびそれを配合する肌荒れ、乾燥肌の予防または改善効果に優れた組成物を提供する。
【解決手段】コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上の含有物は、セラミド合成促進効果に優れており、これらの抽出物を含有する組成物は、安全で肌荒れ、乾燥肌の改善効果に優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とするセラミド合成促進剤に関し、特に肌荒れ、乾燥肌の防止に有効性を発揮する組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミドは、皮膚の基底層から角質層に細胞が移行する際に、上層の有棘層および顆粒層で産生、分泌される層板顆粒の主成分であり、皮膚のバリア機能や水分保持能に重要な役割を果たす角質細胞間脂質を形成する。肌荒れの一因として乾燥や刺激物との接触や紫外線等による皮膚の炎症がある。乾燥や刺激物から肌を守るバリア機能の回復において、セラミドの産生を促進することが有効であるとされている。ヒト皮膚には、7系統のセラミドが存在することが確認されており、全種類のセラミドが角質層に存在する比率で補うことが理想的である。
【0003】
従来、この様な肌荒れ、乾燥肌の予防改善に有効な化粧料として、セラミドが種々の皮膚外用剤に配合されているが、ヒトの皮膚に存在する全種類のセラミドを適正な比率で補充することは技術的に困難であった。したがって、生体内におけるセラミド合成を促進する事が重要であると考えられる。セラミド合成促進剤としては、特許文献1や特許文献2が報告されている。なお、コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物のセラミド合成促進効果については報告されていない。
【特許文献1】特開平8−217658号
【特許文献2】特開2001−220345号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから、肌荒れ、乾燥肌の改善効果に優れたセラミド合成促進剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この様な事情により、本発明者らは鋭意研究検討した結果、コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物によりセラミド合成が促進されることを見出し、さらにそれらの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有する組成物に肌荒れ、乾燥肌の予防改善効果を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明に用いるコメは、イネ科に属するOryza sativa Lの果実であり、玄米や米ヌカなどを利用することができる。
【0007】
本発明に用いるクズは、マメ科に属し、学名:Pueraria lobata ohwiであり、東アジアやインド、マレー半島方面の熱帯から一部の温帯まで野生し、日本では北海道から九州まで普通に見られる大型の多年草である。クズの周皮を除いた根の部分(生薬名:葛根)などを利用することができる。また葛根として流通する近縁植物を用いてもよい。
【0008】
本発明に用いるアンズは、バラ科に属し、例えば、ホンアンズ(Prunus armeniaca L)、アンズ(Prunus armeniaca L.var.ansu Maximowicz)またはその他近縁植物の種子を乾燥したもの(生薬名:杏仁)などを利用することができる。
【0009】
本発明に用いるスイカズラはスイカズラ科に属し、スイカズラ(学名:Lonicera Japonica Thinberg)又はその他同属植物であり、日本や中国などに自生するツル性の植物である。枝ごと摘み刻むか、または葉だけを摘み取り乾燥したもの(生薬名:忍冬)や花部を乾燥したもの(生薬名:金銀花)などを利用することができる。
【0010】
本発明に用いるユキノシタはユキノシタ科に属し、学名:Saxifraga stolonifera(L.) Meerbであり、日本や中国などに分布する多年性草本である。全草を利用することができる。
【0011】
本発明に用いるテンチャはバラ科に属し、学名:Rubus suavissimus Shugan Leeであり、中国南西部の山岳地帯にのみ産し、開胃茶とも呼ばれ、食欲増進、去痰、咳止めとして用いられている。葉を乾燥したもの(生薬名:甜茶)などを利用することができる。
【0012】
本発明で用いられるラフマ(羅布麻、学名:Apocynum venetum L.)は、キョウチクトウ科の低木である。主に中国の北西部に分布し、その葉、茎など植物の一部や全草を乾燥したものなどを利用することができる。
【0013】
本発明に用いるサンザシはバラ科に属し、サンザシ(学名:Crataegus cuneata Sieb.et Zucc)又はその近縁植物であり、中国の各省や日本に分布する落葉低木である。果実の部分を乾燥したもの(生薬名:山査子)などを利用することができる。
【0014】
本発明に用いるイザヨイバラはバラ科に属し、学名:Rosa roxburghii Traff.f. normalis Rehd.et Wilsである。果実を乾燥したもの(生薬名:刺梨)などを利用することができる。
【0015】
本発明に用いるエゾウコギはウコギ科に属し、学名:Acanthopanax senticosus Harmsであり、北海道、樺太、朝鮮半島、中国大陸北部、アムール地方に分布する。根皮を乾燥したもの(生薬名:五加皮)などを利用することができる。
【0016】
本発明に用いるナツメはクロウメモドキ科に属し、ナツメ(学名:Zizyphus jujuba var.inermis Rehd)又はその近縁植物であり、北アメリカからヨーロッパ西部に原産地がある落葉性高木である。果実を乾燥したもの(生薬名:大棗)などを利用することができる。
【0017】
本発明に用いるシソはシソ科に属し、シソ(学名:Perilla Frutescens var Acuta)又はその近縁植物であり、中国が原産地である。葉を乾燥させたもの(生薬名:蘇葉)や種子を乾燥させたもの(生薬名:紫蘇子)などを利用することができる。
【0018】
本発明に用いるオウレンはキンポウゲ科に属し、オウレン(学名:Coptis japonica)又はその他同属植物であり、北海道西南部から本州、四国に分布する林床植物であり、その根茎を乾燥したもの(生薬名:黄連)などを利用することができる。
【0019】
本発明で用いられるサイシンは、ウマノスズクサ科のケイリンサイシン(学名:Asiasarum heterotropoides F.)またはウスバサイシン(学名:Asiasarum sieboldi F.)であり、根茎および根、または根つき全草を乾燥したもの(生薬名:細辛)などを利用することができる。
【0020】
本発明に用いるコガネバナはシソ科に属し、学名:Scutellaria baicalensis Georgiであり、中国北部からシベリア、日本では群馬県や奈良県で栽培される、多年生草本である。根を乾燥したもの(生薬名:黄ごん)などを利用することができる。また、黄ごんとして流通する同属植物を用いてもよい。
【0021】
本発明に用いるキハダはミカン科に属し、キハダ(学名:Phellodendron amurense Ruprecht)又はその他同属植物であり、アムール川、中国北部、日本列島に広く分布する落葉高木である。周皮を除いた樹皮を乾燥したもの(生薬名:黄柏)などを利用することができる。
【0022】
本発明に用いるクワはクワ科に属し、マグワ(学名:Morus alba L.)又はその他同属植物であり、アムール川、中国原産の落葉高木である。根皮を乾燥させたもの(生薬名:桑白皮)などを利用することができる。
【0023】
本発明に用いるボタンはボタン科に属し、学名:Paeonia suffruticosa Andrews Paeoniaであり、中国西北部原産の落葉性低木である。根皮を乾燥したもの(生薬名:牡丹皮)などを利用することができる。
【0024】
本発明に用いるシャクヤクはボタン科に属し、シャクヤク(学名:Paeonia lactiflora Pallas)又はその近縁植物であり、中国東北部、東シベリア、朝鮮半島に分布する多年生草本である。根を乾燥させたもの(生薬名:芍薬)などを利用することができる。
【0025】
本発明に用いるチンピはミカン科に属し、ウンシュウミカン(学名:Citrus unshiu Marcov)又はその近縁植物であり、果実の皮を乾燥したもの(生薬名:陳皮)などを利用することができる。
【0026】
本発明に用いるムクロジはムクロジ科に属し、学名:Sapindus mukorossi Gaertnであり、日本、台湾、中国、インド、ネパールに分布する落葉性高木である。果皮を乾燥させたもの(生薬名:延命皮)などを利用することができる。
【0027】
本発明に用いるチョウジはフトモモ科に属し、学名:Syzygium aromaticum Merrill et Perryであり、日本、台湾、中国、インド、ネパールに分布する落葉性高木であり、花蕾を乾燥したもの(生薬名:丁字)などを利用することができる。
【0028】
本発明に用いるユリは、ユリ科ユリ属に属し、例えばマドンナリリー(学名:Lilium candidum)またはハカタユリ(学名:Lilium brownii F.E.B.)、ヒメユリ(学名:Lilium concolor S.)、オニユリ(Lilium lancifolium T.)、ヤマユリ(学名:Lilium auratum L.)の球根を乾燥したもの(生薬名:百合)などを利用することができる。
【0029】
本発明に用いるダイズはマメ科に属し、学名:Glycine max Merrillであり、中国原産の一年草である。胃腸を整え、鬱血散らす効果をもつとして、古くから用いられている。種子または種子から抽出したDaidzinなどのイソフラボン類などを利用することができる。
【0030】
本発明で用いるシロキクラゲ(学名:Tremella fuciformis B.)は、シロキクラゲ科に属するキノコで、子実体、菌体などを利用することができる。
【0031】
本発明のコメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温又は低温で抽出したものであっても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコールおよび液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコールおよびプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は1種でも2種以上を混合して用いても良い。
【0032】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭等の処理をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良いし、カラム精製等を行って有効成分を濃縮したり単離してから用いても良い。
【0033】
本発明のコメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とするセラミド合成促進剤を肌荒れ改善の目的で用いるには、通常全身的又は局所的に内用や外用により投与される。投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などにより異なるが、通常成人1人当たり1回に1mg〜1g、好ましくは20mg〜200mgの範囲で1日1回から数回投与される。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0034】
本発明の経口投与のためのセラミド合成促進剤としては、食品、医薬部外品および医薬品のいずれにも用いることができ、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等を用いることができる。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース又はその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等である。
【0035】
本発明の外用のためのセラミド合成促進剤は、化粧品、医薬部外品および医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤等の皮膚に適用されるものが挙げられる。上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を配合することもできる。
【0036】
本発明に用いる上記抽出物の配合量は、本発明のセラミド合成促進剤に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上、好ましくは0.001〜50重量%の配合が良い。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。50重量%を越えて配合した場合、効果の増強はみられにくく不経済である。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【発明の効果】
【0037】
本発明のコメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物はセラミド合成促進効果に優れていた。また、これらの抽出物を1種又は2種以上含有する皮膚外用剤は、安全で肌荒れ、乾燥肌の改善効果に優れていた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、本発明の処方例および実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を示し、%は重量%を示す。
【実施例1】
【0039】
製造例1 コメの熱水抽出物
米ヌカ100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してコメの熱水抽出物を3.5g得た。
【0040】
製造例2 コメのエタノール抽出物
米ヌカ100gにエタノール2Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、コメのエタノール抽出物を3.7g得た。
【0041】
製造例3 クズの熱水抽出物
クズの葉の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクズの熱水抽出物を2.7g得た。
【0042】
製造例4 クズのエタノール抽出物
葛根100gにエタノール2Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、クズのエタノール抽出物を4.2g得た。
【0043】
製造例5 アンズの50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
アンズの葉の乾燥物20gに精製水200mLおよび1,3−ブチレングリコール200mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、アンズの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を370g得た。
【0044】
製造例6 アンズのエタノール抽出物
杏仁100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固してアンズのエタノール抽出物を5.5g得た。
【0045】
製造例7 スイカズラの熱水抽出物
忍冬100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してスイカズラの熱水抽出物を2.9g得た。
【0046】
製造例8 スイカズラのエタノール抽出物
金銀花100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固してスイカズラのエタノール抽出物を5.8g得た。
【0047】
製造例9 ユキノシタの熱水抽出物
ユキノシタの全草の乾燥物25gに精製水800mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してユキノシタの熱水抽出物を3.2g得た。
【0048】
製造例10 テンチャのエタノール抽出物
テンチャの全草の乾燥物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固してテンチャのエタノール抽出物を4.7g得た。
【0049】
製造例11 ラフマのエタノール抽出物
ラフマの葉および茎の乾燥物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固してラフマのエタノール抽出物を4.5g得た。
【0050】
製造例12 サンザシの50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
山査子20gに精製水200mLおよび1,3−ブチレングリコール200mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、サンザシの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を330g得た。
【0051】
製造例13 イザヨイバラの熱水抽出物
イザヨイバラの葉および茎の乾燥物25gに精製水800mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してイザヨイバラの熱水抽出物を3.0g得た。
【0052】
製造例14 イザヨイバラのエタノール抽出物
刺梨100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、イザヨイバラのエタノール抽出物を6.7g得た。
【0053】
製造例15 エゾウコギの熱水抽出物
エゾウコギの根の乾燥物20gに精製水800mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してエゾウコギの熱水抽出物を3.7g得た。
【0054】
製造例16 ナツメの熱水抽出物
ナツメの葉の乾燥物20gに精製水800mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してナツメの熱水抽出物を3.3g得た。
【0055】
製造例17 ナツメのエタノール抽出物
大棗100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、ナツメのエタノール抽出物を5.9g得た。
【0056】
製造例18 シソのエタノール抽出物
シソの葉の乾燥物50gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、シソのエタノール抽出物を9.8g得た。
【0057】
製造例19 オウレンの熱水抽出物
黄連100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してオウレンの熱水抽出物を4.5g得た。
【0058】
製造例20 サイシンの熱水抽出物
ウスバサイシンの葉の100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してサイシンの熱水抽出物を4.0g得た。
【0059】
製造例21 サイシンのエタノール抽出物
細辛50gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、サイシンのエタノール抽出物を7.2g得た。
【0060】
製造例22 コガネバナの50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
コガネバナの葉および茎の乾燥物20gに精製水200mLおよび1,3−ブチレングリコール200mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、コガネバナの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を320g得た。
【0061】
製造例23 コガネバナの熱水抽出物
黄ごん100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してコガネバナの熱水抽出物を4.1g得た。
【0062】
製造例24 キハダの熱水抽出物
キハダの根の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してキハダの熱水抽出物を3.9g得た。
【0063】
製造例25 キハダのエタノール抽出物
黄柏100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、キハダのエタノール抽出物を7.6g得た。
【0064】
製造例26 クワの熱水抽出物
ヤマグワの根の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクワの熱水抽出物を4.0g得た。
【0065】
製造例27 クワのエタノール抽出物
桑白皮100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、クワのエタノール抽出物を5.1g得た。
【0066】
製造例28 ボタンの熱水抽出物
ボタンの葉の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してボタンの熱水抽出物を3.5g得た。
【0067】
製造例29 ボタンの50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
牡丹皮20gに精製水200mLおよび1,3−ブチレングリコール200mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、ボタンの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を370g得た。
【0068】
製造例30 シャクヤクの熱水抽出物
芍薬100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してシャクヤクの熱水抽出物を3.9g得た。
【0069】
製造例31 チンピの熱水抽出物
ウンシュウミカンの葉および茎の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してチンピの熱水抽出物を3.1g得た。
【0070】
製造例32 チンピのエタノール抽出物
陳皮100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、チンピのエタノール抽出物を4.5g得た。
【0071】
製造例33 ムクロジのエタノール抽出物
ムクロジ果皮の乾燥物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、ムクロジのエタノール抽出物を4.4g得た。
【0072】
製造例34 チョウジの熱水抽出物
丁字100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してチョウジの熱水抽出物を5.2g得た。
【0073】
製造例35 ユリの50%1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
マドンナリリーの球根の乾燥物20gに精製水200mLおよび1,3−ブチレングリコール200mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、ユリの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を320g得た。
【0074】
製造例36 ダイズのエタノール抽出物
ダイズの葉の乾燥物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し、ダイズのエタノール抽出物を4.2g得た。
【0075】
製造例37 ダイズの熱水抽出物
ダイズの種子100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してダイズの熱水抽出物を5.0g得た
【0076】
製造例38 シロキクラゲの熱水抽出物
シロキクラゲの子実体の乾燥物20gに4Lの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してシロキクラゲの熱水抽出物を1.5g得た。
【実施例2】
【0077】
処方例1 クリーム1
処方 配合量
1.クズのエタノール抽出物(製造例4) 1.0部
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 8.5
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.精製水 67.15
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0078】
処方例2 クリーム2
処方 配合量
1.シロキクラゲの熱水抽出物(製造例38) 1.0部
2.シソのエタノール抽出物(製造例18) 1.0
3.スクワラン 5.5
4.オリーブ油 3.0
5.ステアリン酸 2.0
6.ミツロウ 2.0
7.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
8.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
9.ベヘニルアルコール 1.5
10.モノステアリン酸グリセリン 2.5
11.香料 0.1
12.1,3−ブチレングリコール 8.5
13.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.精製水 66.15
[製造方法]成分3〜10を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および2と成分12〜15を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分11を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0079】
処方例3 クリーム3
処方例1において、クズのエタノール抽出物を、オウレンの熱水抽出物(製造例19)に置き換えたものをクリーム3とした。
【0080】
比較例1 従来のクリーム
処方例1において、クズのエタノール抽出物を精製水に置き換えたものを従来のクリームとした。
【0081】
処方例4 化粧水1
処方 配合量
1.キハダのエタノール抽出物(製造例25) 0.1部
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 84.47
[製造方法]成分2〜6および11と、成分1および成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0082】
処方例5 化粧水2
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、アンズのエタノール抽出物(製造例6)に置き換えたものを化粧水2とした。
【0083】
処方例6 化粧水3
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、スイカズラのエタノール抽出物(製造例8)に置き換えたものを化粧水3とした。
【0084】
処方例7 化粧水4
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、ラフマのエタノール抽出物(製造例11)に置き換えたものを化粧水4とした。
【0085】
処方例8 化粧水5
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、イザヨイバラのエタノール抽出物(製造例14)に置き換えたものを化粧水5とした。
【0086】
処方例9 化粧水6
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、サイシンのエタノール抽出物(製造例21)に置き換えたものを化粧水6とした。
【0087】
処方例10 化粧水7
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を、ダイズのエタノール抽出物(製造例36)に置き換えたものを化粧水7とした。
【0088】
比較例2 従来の化粧水
処方例4において、キハダのエタノール抽出物を精製水に置き換えたものを従来の化粧水とした。
【0089】
処方例11 乳液1
処方 配合量
1.アンズのエタノール抽出物(製造例6) 0.5部
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料
0.1
10.プロピレングリコール
1.0
11.グリセリン
2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル
0.2
13.精製水 72.7
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0090】
処方例12 乳液2
処方例11において、アンズのエタノール抽出物0.5部をスイカズラのエタノール抽出物(製造例8)0.25部とナツメのエタノール抽出物(製造例17)0.25部に置き換えたものを乳液2とした。
【0091】
処方例13 ゲル剤
処方 配合量
1.サイシンのエタノール抽出物(製造例21) 1.0部
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 0.05
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 83.25
[製造方法]成分2〜5と、成分1および6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0092】
処方例14 パック
処方 配合量
1.コメのエタノール抽出物(製造例2) 0.1部
2.クワのエタノール抽出物(製造例27) 0.1
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3−ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 0.05
11.精製水 73.65
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
【0093】
処方例15 ファンデーション
処方 配合量
1.テンチャのエタノール抽出物(製造例10) 0.5部
2.イザヨイバラのエタノール抽出物(製造例14) 0.5
3.ステアリン酸 2.4
4.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
(20E.O.) 1.0
5.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
6.セタノール 1.0
7.液状ラノリン 2.0
8.流動パラフィン 3.0
9.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11.ベントナイト 0.5
12.プロピレングリコール 4.0
13.トリエタノールアミン 1.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.二酸化チタン 8.0
16.タルク 4.0
17.ベンガラ 1.0
18.黄酸化鉄 2.0
19.香料 0.1
20.精製水 60.1
[製造方法]成分3〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1,2および成分12〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分19を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0094】
処方例16 軟膏
処方 配合量
1.ラフマのエタノール抽出物(製造例11) 0.01部
2.ボタンの50%1,3−ブチレングリコール抽出物(製造例29) 0.5
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水 66.39
[製造方法]成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2および7〜9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0095】
処方例17 飲料
処方 配合量
1.コガネバナの熱水抽出物(製造例23) 1.0部
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.水 93.85
[製造方法]成分2および3を少量の水に溶解する。次いで、成分1および4、5を加えて混合する。
【0096】
処方例18 錠剤
処方 配合量
1.ムクロジのエタノール抽出物(製造例33) 10.0部
2.トウモロコシデンプン 10.0
3.精製白糖 20.0
4.カルボキシメチルセルロース 10.0
5.微結晶セルロース 35.0
6.ポリビニルピロリドン 5.0
7.タルク 10.0
[製造方法]成分1〜5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加えて常法により顆粒化した。これに滑沢剤として成分7を加えて配合した後、1錠100mgの錠剤に打錠した。
【0097】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
【実施例3】
【0098】
実験例1 セラミド合成促進試験
マウスケラチノサイト由来細胞株であるPam212細胞を6cmディッシュに1×10個播種し、4日間培養した。その後、試料を最終濃度が固形物として10μg/mLになるように添加し、さらに24時間培養を続けた。次に細胞をPBS(−)にて3回洗浄した後、ラバーポリスマンにて集め、凍結乾燥した。クロロホルム:メタノール(2:1)1mLにて細胞から脂質を抽出し、その中のセラミド量をKisicらの蛍光法(Kisic A. and Rapport M.M., Journal of Lipid Research, 15, 179−180 (1974))により測定した。すなわち、脂質を3N塩酸0.15mLにて100℃で2時間加水分解し、デシケーター中で乾燥、塩酸除去した後、酢酸エチル2mLと0.1M酢酸緩衝液(pH3.7)1.25mLを加え、よく撹拌した。次に、フルオレスカミン溶液(フルオレスカミン 7mg/25mL アセトン)0.25mLを加え、よく撹拌した後、遠心分離し、酢酸エチル層の蛍光強度をEx410nm、Em490nmにて測定した。試料未添加のセラミド合成量をコントロールとし、コントロールを100としたときの試料添加時のセラミド合成量の値をセラミドの合成促進率とした。
【0099】
これらの実験結果を表1に示した。その結果、コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物は、コントロールと比較して優れたセラミド合成促進効果を示した。
【0100】
【表1】

【0101】
コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる2種以上の混合物についても同様にセラミド合成促進試験を行ったところ、優れたセラミド合成促進効果を示した。
【0102】
実験例2 使用試験1
処方例4〜10の化粧水、比較例2の従来の化粧水を用いて、肌荒れ、乾燥肌に悩む女性30人(18才〜50才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌荒れ、乾燥肌の改善作用をアンケートにより判定した。
【0103】
これらの試験結果を表2に示した。その結果、その結果、処方例4〜10で得られる化粧水は、比較例2で得られる従来の化粧水よりも、肌荒れ、乾燥肌の予防改善効果に優れていた。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。
【0104】
【表2】

【0105】
製造例1から製造例38に示される抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有するその他の化粧水についても使用試験を行ったところ、安全であり、優れた肌荒れ、乾燥肌の改善効果を示した。
【0106】
実験例3 使用試験2
処方例1〜3のクリーム、比較例1の従来のクリームを用いて、肌荒れ、乾燥肌に悩む女性30人(18〜50才)を対象に2ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌荒れ、乾燥肌の改善作用をアンケートにより判定した。
【0107】
これらの試験結果を表3に示した。その結果、処方例1〜3で得られるクリームは、比較例1で得られる従来のクリームよりも、肌荒れ、乾燥肌の予防改善効果に優れていた。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
【0108】
【表3】

【0109】
処方例11〜18についても使用試験を行ったところ、安全であり、優れた肌荒れ、乾燥肌の予防改善作用を示した。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明のコメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上は優れたセラミド合成促進剤として用いることが出来る。また、安全で肌荒れ、乾燥肌の改善効果に優れた組成物を提供できる。











































【特許請求の範囲】
【請求項1】
コメ、クズ、アンズ、スイカズラ、ユキノシタ、テンチャ、ラフマ、サンザシ、イザヨイバラ、エゾウコギ、ナツメ、シソ、オウレン、サイシン、コガネバナ、キハダ、クワ、ボタン、シャクヤク、チンピ、ムクロジ、チョウジ、ユリ、ダイズおよびシロキクラゲの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とするセラミド合成促進剤。
【請求項2】
請求項1記載のセラミド合成促進剤を含有することを特徴とする、肌荒れ、乾燥肌の予防又は改善効果に優れた組成物。


【公開番号】特開2006−111560(P2006−111560A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299675(P2004−299675)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(592262543)日本メナード化粧品株式会社 (223)
【Fターム(参考)】