説明

セラミド産生促進剤の製造方法

【課題】特定微生物を利用し、入手易い大豆残渣を培地の主原料として用いることで、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く得る方法の提供。
【解決手段】本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を採取する、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生を促進させることができるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚はセラミド(ceramide)及びグルコシルセラミド(glucosylceramide)を産生する能力を有する。皮膚では、特に表皮角質層において、表皮細胞によって合成分泌されたセラミドが集積しており、細胞間脂質の主成分となっている。皮膚表皮細胞で合成されたセラミドは一旦グルコシルセラミドまたはスフィンゴミエリン(sphingomyelin)の形で蓄えられたあと、細胞外へ排出されて、β−グルコセレブロシダーゼ(glucocerebrosidase)とスフィンゴミエリナーゼ(sphingomyelinase)の作用を受けて、再びセラミドとなり、細胞間脂質として機能する。皮膚におけるセラミド及びグルコシルセラミドは、皮膚の保湿機能及び皮膚のバリヤ機能を向上させるなどの生理作用を有する。
【0003】
しかし、近年、環境、気候等の影響によって、皮膚が乾燥しやすい状態にある。従って、皮膚自らのセラミド等の産生により皮膚の保湿機能を向上させる能力が十分ではなくなる。
【0004】
従って、外部から皮膚にセラミドを補充する方法が考えられる。例えば、特許文献1には、キャンディダ(Candida)属に属する微生物を培養してグルコシルセラミドを製造する方法が記載されている。当該グルコシルセラミドをヒトの乾燥性の皮膚へ塗布することによって皮膚の保湿機能を向上できる。その方法が、培養後の菌体中に多く存在するグルコシルセラミドを直接に取得する方法であるので、その方法で合成されたグルコシルセラミドのセラミド骨格は、2重結合が2箇所に存在し、且つ、分岐を有するため、ヒト生体中に存在するセラミド類のセラミド骨格と異なる。よって、このような、微生物の体内から直接に取得されたグルコシルセラミドを人の皮膚へ塗布すると、皮膚に適応できなく、使用上の安全性に関する問題を生じる恐れがある。
【0005】
また、特許文献6に、酢酸菌から酢酸菌型セラミドを得る方法が報告されている。しかし、この方法で得られるセラミドは、上記のような人の皮膚に適応できないという問題も存在している。また、このような方法では、菌体内から抽出してセラミドを得るという工程等が必要であるので、工程が複雑になり、コストも高くなるという問題も存在している。
【0006】
また、外部から皮膚にセラミドを補充する方法は、従来から用いられていた保湿剤などと同様に、保湿効果の持続性の点で不十分であるという問題もある。また、皮膚の状態によって、外部から補充されたセラミド等を吸収することが不十分であり、保湿効果が十分発揮されない場合がある。
【0007】
一方、皮膚自らのセラミド又はグルコシルセラミド産生能力を増強または促進させることができれば、外からセラミド又はグルコシルセラミドを補充する必要がなく、皮膚自身がセラミド及び/又はグルコシルセラミドを産生することで皮膚のバリヤ機能、水分保持機能を向上させることが可能であると考えられている。さらに、このように得られたセラミド及び/又はグルコシルセラミドは皮膚自身から産生されたものであるため、通常の皮膚が有する構造のセラミドなどが合成され、皮膚への適応性がよくない等の安全性問題が無くなると考えられる。
【0008】
そこで、最近では、皮膚の角質層において、表皮セラミドの生成の促進を目的とした物質を生産する研究が活発に進められている。ここでセラミドの生成を促進し得る物質としては、マンネンタケ、ビーポーレン(Bee Pollen)、センキュウなどの抽出物を有効成分とするセラミド産生促進剤が報告されている(特許文献2〜4)。しかし、これらのセラミド産生促進剤がいずれも植物性原料から抽出したものであり、この抽出操作には長時間を要し、天然資源の利用可能性には制限があるため、製造コストは高い。
【0009】
また、特許文献5には、皮膚表層内部で表皮細胞自身のセラミド合成を活発化させ得る、ニコチン酸および/またはニコチンアミドを含む菌培養物を有効成分とするセラミド合成促進剤であって、当該菌培養物は乳酸菌培養物、ビフィズス菌培養物、きのこ菌体培養物または酵母菌培養物であってもよいことが開示されている。しかし、そのセラミド合成促進剤を調製するために用いられる培地は、実質的にニコチン酸および/またはニコチンアミドを有効成分とするため、製造コストが高い。
【0010】
一方、複数の属の細菌、例えば、Bacillus属の細菌、Lactobacillus属の細菌、Acetobacter属の細菌、Leuconostoc属の細菌等が食品等の工業に広く用いられていることが知られている。
【0011】
Bacillus属の微生物(細菌)が、水中や土壌に普遍的に存在するものである。なかでも、高pHや低温、高塩濃度、高圧といった様々な極限環境にも適応している種も多い。Bacillus属には、種々の酵素(食品用、洗剤用、ほか多種多様な産業用酵素)の生産に用いられる等、枯草菌を筆頭として極めて有用性の高い種を含む。
【0012】
また、Lactobacillus属の微生物はヒトや動物の消化管に多く存在しており、その糞便から分離され、また、野外からも容易に分離される。Lactobacillus属の微生物が、ヨーグルト等の製造に古くから用いられた。
【0013】
また、Acetobacter属の微生物が、エタノールを酸化させて酢酸とし、それをさらに酸化させて二酸化炭素にすることが可能であるものである。Acetobacter属の微生物が、一般、ビール、果実の酒及び花果上に分布している。Acetobacter属の微生物が、アルコールの低い酒の変質を起こすことができ、食べた酢を醸造することに用いることができる。
【0014】
また、Leuconostoc属の微生物が植物、乳製品及び他の食品中に広く分布しているものである。Leuconostoc mesenteroidesがLeuconostoc属の菌において重要な菌である。研究によって、Leuconostoc mesenteroidesが、糖類を発酵させて多種の酸とアルコールを生じることができ、高い酸生産能力、抗酸化能力及び拮抗病原菌などの能力を有することが確認された。Leuconostoc mesenteroides菌が、すでに風味剤、血漿代用品、マイクロ生態調合剤などに広く応用されている。
【0015】
しかし、従来では、細菌(特に、上記の各属の細菌)によって、セラミド又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く製造することがまだ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2010−22217号公報
【特許文献2】特開2005−194240号公報
【特許文献3】特開2010−70499号公報
【特許文献4】特開2010−150237号公報
【特許文献5】特開平9−194383号公報
【特許文献6】特開2006−345796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養して、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く得ることができることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0019】
本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を採取する、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤に関する。
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としての使用に関する。
また、本発明は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養して得られる、大豆残渣の発酵エキスのセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造のための使用に関する。
【0021】
本発明で用いられる細菌は、Bacillus属の細菌、Lactobacillus属の細菌、Acetobacter属の細菌、及びLeuconostoc属の細菌から選ばれる何れかのものであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る製造方法によれば、特定微生物を利用し大豆残渣のような入手が容易であるものを培地の主原料として用いることで、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を安価で効率良く得ることができる。当該促進剤は、皮膚の持つセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生能力を効率的に向上させることができるため、皮膚の保湿機能を有効に向上させることもできる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の製造方法は、大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を採取する。
【0024】
本発明で用いられる細菌は、Bacillus属の細菌、Lactobacillus属の細菌、Acetobacter属の細菌、及びLeuconostoc属の細菌から選ばれる何れかのものであってもよい。
【0025】
本発明に使用されるBacillus属に属する微生物としては、Bacillus subtilis、Bacillus acidicola、Bacillus gibsonii、Bacillus licheniformis、Bacillus alcalophilus、Bacillus cereus、Bacillus pumilus、Bacillus sphaericus、Bacillus diffusus、Bacillus globigii、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus coagulans、Bacillus megaterium、Bacillus mucilaginosus、Bacillus mycoides、Bacillus thuringiensis、Bacillus circulans、Bacillus mucilaginosus、Bacillus stearothermophilus等が挙げられる。
このうち、得られる成分がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Bacillus subtilis、Bacillus acidicola、Bacillus gibsonii、Bacillus licheniformisが好ましい。
【0026】
本発明に使用されるLactobacillus属に属する微生物としては、Lactobacillus brevis、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus coryniformi、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus alimentarius、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus casei、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus cellobiosus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus murinus、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus helveticus等が挙げられる。
このうち、得られる成分がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Lactobacillus brevis、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus coryniformi、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus alimentariusが好ましい。
【0027】
本発明に使用されるAcetobacter属に属する微生物としては、Acetobacter aceti、Acetobacter tropicalis、Acetobacter pasteurianus等が挙げられる。
このうち、、得られる成分がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Acetobacter acetiが好ましい。
【0028】
本発明に使用されるLeuconostoc属に属する微生物としては、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc lactis、Leuconostoc gelidum、Leuconostoc carnosum、Leuconostoc fallax、Leuconostoc citreum、Leuconostoc argentinum、Leuconostoc pseudomesenteroides等が挙げられる。
このうち、得られる成分がより高いセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を有するという観点から、Leuconostoc mesenteroidesが好ましい。
【0029】
本発明にかかる微生物(細菌)は、何れも、中国普通微生物保蔵管理中心(CGMCC)及び中国典型培養物保蔵中心(CCTCC)、中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIM: Culture & Information Center of Industrial Microorganism of China Universities)などの商業ルートで購入できるのもである。
【0030】
また、本発明の製造方法においては、上記微生物を1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
本発明において用いる培地としては、大豆残渣と糖類とを含有するものである。大豆残渣も糖類も入手やすい原料であるため、本発明の培地が従来より安価上で優れた利点を有する。また、その他に1%のペプトン、0.5%の酵母粉等を適宜添加してもよい。
【0032】
本発明で使われる大豆残渣は、大豆を水に浸漬し、水を吸収させて、粉砕、濾過を経て、水を除去して、乾燥して、得られたものが好ましい。食品産業において豆乳を搾り取ったという大豆製品を製造する工程で残した大豆残渣、例えばおから等を用いることも可能である。
【0033】
糖類としては、例えば葡萄糖、麦芽糖、蔗糖などが挙がられる。また、それらが、いずれかを単独、または混合して使用できる。セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を向上させるという観点から、葡萄糖を好適に用いることができる。
【0034】
本発明においては、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を高めるという観点から、培地は、大豆残渣、葡萄糖及び水からなるのが好ましい。その中に大豆残渣を5〜20%(w/v)、より好ましくは8〜12%(w/v)、葡萄糖を0.2〜2%(w/v)、より好ましくは0.8〜1.2%(w/v)含有することが好ましい。
【0035】
細菌との微生物の生理的な特性、及びセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を高める観点から、27〜35℃の培養温度で上記培養を行うことが好ましい。
【0036】
細菌との微生物の生理的な特性、及びセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を高める観点から、1〜7日、より好ましくは48〜96時間、更に好ましくは68〜76時間で培養するのが好ましい。
【0037】
製品の純度を高める観点から、前記培養により得られた培養液を精製して、上清を得る。精製の方法としては、ろ過、遠心分離、イオン交換または吸着クロマトグラフィー、溶媒抽出、結晶化などの通常用いられる操作を必要に応じて適宜組み合わせて行われてもよい。また、遠心分離などにより上清を得ることが好ましい。遠心分離の回転数は、2000〜4000rpmが好ましく、2500〜3500rpmがより好ましい。遠心分離の時間は、0〜20分が好ましく、5〜15分がより好ましい。
【0038】
遠心分離して得られた上記上清にエタノールを加えて殺菌し、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としてもよい。
【0039】
また、遠心分離して培養液から菌体を除去し、次いで超音波処理し、遠心分離して上清を回収する。再び、回収した上清をろ過して夾雑物などを除き、さらに真空で乾燥処理して本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としてもよい。
【0040】
本発明の細菌を培養し、培養上清から得た大豆残渣の発酵エキスは、正常ヒト角化細胞において、セラミド及び/又はグルコシルセラミドの量を増加させる作用を有する。
【0041】
従って、本発明の細菌を培養し、培養上清から得られた大豆残渣の発酵エキスは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進のための治療目的又は非治療目的の使用ができ、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤としての治療目的又は非治療目的の使用もできる。非治療目的の使用には、美容目的の使用や、健康状態の維持のための使用などが含まれる。また、上記のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進のための、治療目的の使用と、非治療目的の使用は、分けて行われることもできる。
【0042】
また、本発明の細菌を培養し、培養上清から得た大豆残渣の発酵エキスは、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を製造するために使用できる。
【0043】
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、角質層中のセラミド及び/又はグルコシルセラミドを増加させ、皮膚のバリア機能及び保湿機能を回復及び向上するための医薬品、医薬部外品、化粧品等としても使用できる。また、本発明のセラミド又はグルコシルセラミド産生促進剤は、セラミド又はグルコシルセラミド産生促進をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した医薬部外品、化粧品として使用することもできる。
【0044】
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の使用形態としては、培養細胞へ添加するための添加剤とすることができ、皮膚洗浄剤、メイクアップ化粧料などの皮膚外用剤へ配合することもできる。例えば、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤等の種々の形態で提供することができる。外用剤の基剤としては、公知の外用基剤でよく、特に限定されない。このような種々の皮膚外用剤を調製するには、本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を単独で、又は、皮膚洗浄剤、メイクアップ化粧料などの皮膚外用剤に配合される、通常の油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせて用いることができる。
【0045】
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を、培養表皮細胞系へ添加してセラミド及び/又はグルコシルセラミド合成を促進する場合の添加量は、促進剤の乾燥物(固形分換算)として、0.0001〜10w/v%、特に0.001〜5w/v%が好ましい。添加量が0.001w/v%以上であると、産生促進の効果を十分にすることになる。添加量が10w/v%以下であると、表皮細胞への刺激が少ないという点で好ましい。
【0046】
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の皮膚外用剤への配合量は、大豆残渣の発酵エキスの乾燥物(固形分換算)として、セラミド及び/又はグルコシルセラミド合成を十分に促進して皮膚の保湿能力を効率的に高め、しかも培養物の色や臭いが出にくいことから、全皮膚外用剤の0.01〜20w/v%とするのが好ましく、特に好ましくは0.1〜10w/v%である。
【実施例】
【0047】
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例に使用された微生物が、いずれも江南大学から購入され、中国高校工業微生物資源および情報センターCICIMに受託されていたものである。
【0048】
(実施例1−1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Bacillus subtilis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1677として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−A、1−Bとし、さらに、試料1−A、1−Bをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0049】
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料1−A、1−B)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)を当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の量を解析するための試料とした。
【0050】
(セラミド/グルコシルセラミド産生促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド/グルコシルセラミド量の解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
(1)セラミド/グルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド量及びグルコシルセラミド量の定量に供した。
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を吹き、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
【0051】
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・降解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
【0052】
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表1に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表1に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
【0053】
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
【0054】
表1から明らかなように、実施例1−1の試料1−A、1−Bは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0055】
(実施例1−2)
実施例1−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus subtilis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1923として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0056】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−C、1−Dとし、さらに、試料1−C、1−Dをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0057】
実施例1−1と同様にして、試料1−C、1−Dのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0058】
表1から明らかなように、実施例1−2の試料1−C、1−Dは、セラミド及び/またはグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0059】
(実施例1−3)
実施例0051に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus acidicola(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1297として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0060】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−Eとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0061】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−F、1−Gとし、さらに、試料1−F、1−Gをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0062】
実施例1−1と同様にして、試料1−E、1−F、1−Gのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0063】
表1から明らかなように、実施例1−3の試料1−E、1−Gは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0064】
(実施例1−4)
【0065】
実施例1−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus gibsonii(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1171として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0066】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−Hとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0067】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−I、1−Jとし、さらに、試料1−I、1−Jをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0068】
実施例1−1と同様にして、試料1−H、1−I、1−Jのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0069】
表1から明らかなように、実施例1−4の試料1−H、1−I、1−Jは、セラミド及び/またはグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0070】
(実施例1−5)
【0071】
実施例1−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus licheniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1294として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0072】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−Kとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0073】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−L、1−Mとし、さらに、試料1−L、1−Mをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0074】
実施例1−1と同様にして、試料1−K、1−L、1−Mのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0075】
表1から明らかなように、実施例1−5の試料1−K、1−L、1−Mは、セラミド及び/またはグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0076】
(実施例1−6)
【0077】
実施例1−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus licheniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1282として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0078】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−Nとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0079】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−O、1−Pとし、さらに、試料1−O、1−Pをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0080】
実施例1−1と同様にして、試料1−N、1−O、1−Pのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0081】
表1から明らかなように、実施例1−6の試料1−N、1−O、1−Pは、セラミド及び/またはグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0082】
(実施例1−7)
【0083】
実施例1−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Bacillus属の微生物として、Bacillus licheniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1298として受託されている。)を使用した以外、実施例1−1と同様に培養した。
【0084】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料1−Q、1−Rとし、さらに、試料1−Q、1−Rをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0085】
実施例1−1と同様にして、試料1−Q、1−Rのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表1に示した。
【0086】
表1から明らかなように、実施例1−7の試料1−Q、1−Rは、グルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0087】
【表1】

【0088】
なお、試料1−A〜1−Rについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例1−1と同様にした。その結果は、試料1−A〜1−Rの何れかの自身にもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製品自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製品が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用いることが分かる。
【0089】
(実施例2−1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Lactobacillus brevis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1257として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
【0090】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−A-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−A-2、2−A-3とし、さらに、試料2−A-2、2−A-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0091】
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
【0092】
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料2−A-1、2−A-2、2−A-3)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)を当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
【0093】
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の量を解析するための試料とした。
【0094】
(セラミド/グルコシルセラミド産生促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド/グルコシルセラミド量の解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
【0095】
(1)セラミド/グルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド量及びグルコシルセラミド量の定量に供した。
【0096】
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を吹き、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
【0097】
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・降解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
【0098】
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表2に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。これらの結果を合わせて表2に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
【0099】
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
【0100】
表2から明らかなように、実施例2−1の試料2−A-1、2−A-2、2−A-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0101】
(実施例2−2)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus brevis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1199として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0102】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−B-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0103】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−B-2、2−B-3とし、さらに、試料2−B-2、2−B-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0104】
実施例2−1と同様にして、試料2−B-1、2−B-2、2−B-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表2に示した。
【0105】
表2から明らかなように、実施例2−2の試料2−B-1、2−B-2、2−B-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0106】
【表2】

【0107】
(実施例2−3)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus farciminis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1173として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0108】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−C-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0109】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−C-2、2−C-3とし、さらに、試料2−C-2、2−C-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0110】
実施例2−1と同様にして、試料2−C-1、2−C-2、2−C-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表3に示した。
【0111】
表3から明らかなように、実施例2−3の試料2−C-1、2−C-2、2−C-3は、セラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0112】
【表3】

【0113】
(実施例2−4)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus pentosus(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1174として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0114】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−D-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0115】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−D-2、2−D-3とし、さらに、試料2−D-2、2−D-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0116】
実施例2−1と同様にして、試料2−D-1、2−D-2、2−D-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表4に示した。
【0117】
表4から明らかなように、実施例2−4の試料2−D-1、2−D-2、2−D-3は、セラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0118】
【表4】

【0119】
(実施例2−5)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1172として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0120】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−E-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0121】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−E-2、2−E-3とし、さらに、試料2−E-2、2−E-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0122】
実施例2−1と同様にして、試料2−E-1、2−E-2、2−E-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
【0123】
表5から明らかなように、実施例2−5の試料2−E-1、2−E-2、2−E-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0124】
(実施例2−6)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1189として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0125】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−F-1、2−F-2とし、さらに、試料2−F-1、2−F-2をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0126】
実施例2−1と同様にして、試料2−F-1、2−F-2のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
【0127】
表5から明らかなように、実施例2−6の試料2−F-1、2−F-2は、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0128】
(実施例2−7)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1187として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0129】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−G-1とし、さらに、試料2−G-1を50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0130】
実施例2−1と同様にして、試料2−G-1のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
【0131】
表5から明らかなように、実施例2−7の試料2−G-1は、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0132】
(実施例2−8)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1170として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0133】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−H-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0134】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−H-2、2−H-3とし、さらに、試料2−H-2、2−H-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0135】
実施例2−1と同様にして、試料2−H-1、2−H-2、2−H-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
【0136】
表5から明らかなように、実施例2−8の試料2−H-1、2−H-2、2−H-3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0137】
(実施例2−9)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1188として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0138】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−I-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0139】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−I-2とし、さらに、試料2−I-2を50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0140】
実施例2−1と同様にして、試料2−I-1、2−I-2のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表5に示した。
【0141】
表5から明らかなように、実施例2−9の試料2−I-1、2−I-2は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0142】
【表5】

【0143】
(実施例2−10)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus coryniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1243として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0144】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−J-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0145】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−J-2、2−J−3とし、さらに、試料2−I-2、2−J−3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0146】
実施例2−1と同様にして、試料2−J-1、2−J-2、2−J−3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表6に示した。
【0147】
表6から明らかなように、実施例2−10の試料2−J-1、2−J-2、2−J−3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0148】
(実施例2−11)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus coryniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1190として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0149】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−K-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0150】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−K-2、2−K-3とし、さらに、試料2−K-2、2−K-3ををそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0151】
実施例2−1と同様にして、試料2−K-1、2−K-2、2−K-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表6に示した。
【0152】
表6から明らかなように、実施例2−11の試料2−K-1は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0153】
(実施例2−12)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus coryniformis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1259として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0154】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−L-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0155】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−L-2、2−L-3とし、さらに、試料2−L-2、2−L-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0156】
実施例2−1と同様にして、試料2−L-1、2−L-2、2−L-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表6に示した。
【0157】
表6から明らかなように、実施例612の試料6L-2、6L-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0158】
【表6】

【0159】
(実施例2−13)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus curvatus(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1248として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0160】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−M-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0161】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−M-2、2−M−3とし、さらに、試料2−M-2、2−M−3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0162】
実施例2−1と同様にして、試料2−M-1、2−M-2、2−M−3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表7に示した。
【0163】
表7から明らかなように、実施例2−13の試料2−M-1、2−M−3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0164】
(実施例2−14)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus curvatus(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1413として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0165】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−N-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0166】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−N-2、2−N−3とし、さらに、試料2−N-2、2−N−3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0167】
実施例2−1と同様にして、試料2−N-1、2−N-2、2−N−3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表7に示した。
【0168】
表7から明らかなように、実施例2−14の試料2−N-2は、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0169】
【表7】

【0170】
(実施例2−15)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1430として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0171】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−O-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0172】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−O-2、2−O-3とし、さらに、試料2−O-2、2−O-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0173】
実施例2−1と同様にして、試料2−O-1、2−O-2、2−O-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0174】
表8から明らかなように、実施例2−15の試料2−O-1、2−O-2、2−O-3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0175】
(実施例2−16)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1441として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0176】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−P-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0177】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−P-2、2−P-3とし、さらに、試料2−P-2、2−P-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0178】
実施例2−1と同様にして、試料2−P-1、2−P-2、2−P-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0179】
表8から明らかなように、実施例2−16の試料2−P-1、2−P-2、2−P-3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0180】
(実施例2−17)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1191として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0181】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−Q-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0182】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−Q-2、2−Q-3とし、さらに、試料2−Q-2、2−Q-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0183】
実施例2−1と同様にして、試料2−Q-1、2−Q-2、2−Q-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0184】
表8から明らかなように、実施例2−17の試料2−Q-1、2−Q-2、2−Q-3は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0185】
(実施例2−18)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1179として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0186】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−R-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0187】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−R-2、2−R-3とし、さらに、試料2−R-2、2−R-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0188】
実施例2−1と同様にして、試料2−R-1、2−R-2、2−R-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0189】
表8から明らかなように、実施例2−18の試料2−R-1、2−R-2、2−R-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0190】
(実施例2−19)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1249として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0191】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−S-1、2−S-2とし、さらに、試料2−S-1、2−S-2をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0192】
実施例2−1と同様にして、試料2−S-1、2−S-2のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0193】
表8から明らかなように、実施例2−19の試料2−S-1、2−S-2は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0194】
(実施例2−20)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1250として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0195】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−T-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0196】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−T-2とし、さらに、試料2−T-2を50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0197】
実施例2−1と同様にして、試料2−T-1、2−T-2のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0198】
表8から明らかなように、実施例2−20の試料2−T-1、2−T-2は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0199】
(実施例2−21)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1255として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0200】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−U-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0201】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−U-2、2−U-3とし、さらに、試料2−U-2、2−U-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0202】
実施例2−1と同様にして、試料2−U-1、2−U-2、2−U-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0203】
表8から明らかなように、実施例2−21の試料2−U-1、2−U-2、2−U-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0204】
(実施例2−22)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1433として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0205】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−V-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0206】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−V-2、2−V-3とし、さらに、試料2−V-2、2−V-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0207】
実施例2−1と同様にして、試料2−V-1、2−V-2、2−V-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0208】
表8から明らかなように、実施例2−22の試料2−V-1、2−V-2、2−V-3は、グルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0209】
(実施例2−23)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1432として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0210】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−W-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0211】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−W-2、2−W-3とし、さらに、試料2−W-2、2−W-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0212】
実施例2−1と同様にして、試料2−W-1、2−W-2、2−W-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0213】
表8から明らかなように、実施例2−23の試料2−W-1、2−W-2、2−W-3は、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0214】
(実施例2−24)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus plantarum(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1442として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0215】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−X-1とし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0216】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−X-2、2−X-3とし、さらに、試料2−X-2、2−X-3をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0217】
実施例2−1と同様にして、試料2−X-1、2−X-2、2−X-3のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表8に示した。
【0218】
表8から明らかなように、実施例2−24の試料2−X-1、2−X-2、2−X-3は、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0219】
【表8】

【0220】
(実施例2−25)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus alimentarius(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1439として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0221】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−Y-1、2−Y-2とし、さらに、試料2−Y-1、2−Y-2をそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0222】
実施例2−1と同様にして、試料2−Y-1、2−Y-2のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表9に示した。
【0223】
表9から明らかなように、実施例2−25の試料2−Y-1、2−Y-2は、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0224】
(実施例2−26)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus alimentarius(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1440として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0225】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−Z-1とし、さらに、試料2−Z-1を50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0226】
実施例2−1と同様にして、試料2−Z-1のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表9に示した。
【0227】
表9から明らかなように、実施例2−26の試料2−Z-1は、セラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0228】
(実施例2−27)
実施例2−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Lactobacillus属の微生物として、Lactobacillus farciminis(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1443として受託されている。)を使用した以外、実施例2−1と同様に培養した。
【0229】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、当該EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料2−a-1とし、さらに、試料2−a-1を50v/v%EtOHで溶解し、0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0230】
実施例2−1と同様にして、試料2−a-1のセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表9に示した。
【0231】
表9から明らかなように、実施例2−27の試料2−a-1は、セラミド産生促進効果を果たすことが確認された。
【0232】
【表9】

【0233】
なお、上記試料のそれぞれについて、それを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例2−1と同様にした。その結果は、上記試料のそれぞれの何れかの自身にもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
これから、本発明の製品自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製品が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用いることが分かる。
【0234】
(実施例3−1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0137として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Aとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−B、3−Cとし、さらに、試料3−B、3−Cをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0235】
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
【0236】
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料3−A、3−B、3−C)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)を当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド、グルコシルセラミド及び蛋白質の量を解析するための試料とした。
【0237】
(セラミド/グルコシルセラミド産生促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド/グルコシルセラミド量の解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
【0238】
(1)セラミド/グルコシルセラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド量及びグルコシルセラミド量の定量に供した。
【0239】
セラミド(又はグルコシルセラミド)標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を吹き、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミド(又はグルコシルセラミド)の量(それぞれをCer及びGlyCerとし、単位μg/mL)を解析した。
【0240】
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・降解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
【0241】
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/ProとGlyCer/Proを測定した。前記コントロールのCer/ProとGlyCer/Proのそれぞれを1とした場合の、本発明のCer/ProとGlyCer/Proの相対値を算出して表10に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量及びグルコシルセラミド量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表10に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
GlyCer/Well=GlyCer/Pro×Pro.(%)
【0242】
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。また、GlyCer/Pro(又はGlyCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がグルコシルセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
【0243】
表10から明らかなように、実施例3−1の試料3−A、3−B、3−Cは、グルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0244】
(実施例3−2)
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0142として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0245】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Dとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−E、3−Fとし、さらに、試料3−E、3−Fをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0246】
実施例3−1と同様にして、試料3−D、3−E、3−Fのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0247】
表10から明らかなように、実施例3−2の試料3−D、3−E、3−Fは、セラミド及びグルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0248】
(実施例3−3)
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0145として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0249】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Gとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0250】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−H、3−Iとし、さらに、試料3−H、3−Iをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0251】
実施例3−1と同様にして、試料3−G、3−H、3−Iのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0252】
表10から明らかなように、実施例3−3の試料3−G、3−H、3−Iは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0253】
(実施例3−4)
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0133として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0254】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Jとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0255】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−K、3−Lとし、さらに、試料3−K、3−Lをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0256】
実施例3−1と同様にして、試料3−J、3−K、3−Lのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0257】
表10から明らかなように、実施例3−4の試料3−J、3−K、3−Lは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0258】
(実施例3−5)
【0259】
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0128として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0260】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Mとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0261】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−N、3−Oとし、さらに、試料3−N、3−Oをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0262】
実施例3−1と同様にして、試料3−M、3−N、3−Oのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0263】
表10から明らかなように、実施例3−5の試料3−M、3−N、3−Oは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0264】
(実施例3−6)
【0265】
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0130として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0266】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Pとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0267】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Q、3−Rとし、さらに、試料3−Q、3−Rをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0268】
実施例3−1と同様にして、試料3−P、3−Q、3−Rのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0269】
表10から明らかなように、実施例3−6の試料3−P、3−Q、3−Rは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0270】
(実施例3−7)
【0271】
実施例3−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Acetobacter属の微生物として、Acetobacter aceti(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B0120として受託されている。)を使用した以外、実施例3−1と同様に培養した。
【0272】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−Sとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
【0273】
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料3−T、3−Uとし、さらに、試料3−T、3−Uをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0274】
実施例3−1と同様にして、試料3−S、3−T、3−Uのセラミド/グルコシルセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表10に示した。
【0275】
表10から明らかなように、実施例3−7の試料3−S、3−Tは、グルコシルセラミド産生促進効果が認められた。
【0276】
【表10】

【0277】
なお、試料3−A〜3−Uについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例3−1と同様にした。その結果は、試料3−A〜3−Uの何れかの自身にもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
【0278】
これから、本発明の製品自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製品が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用いることが分かる。
【0279】
(実施例4−1)
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>
まず、以下の方法で培地を調製した。大豆を水に入れ、12時間含浸し、大豆に水を十分に吸収させた。水を吸収した大豆を研削して粉砕し、濾過、滴り乾燥し、大豆残渣を得た。当該大豆残渣を、大豆残渣の濃度が10w/v%、ブドウ糖の濃度が1w/v%になるように、ブドウ糖及び水と混合して、培地とした。
【0280】
次いで、上記培地100mlを三角フラスコに入れ、Leuconostoc mesenteroides(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1254として受託されている。)を規定の量で接種し、30℃で3日間培養した。
【0281】
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料4−Aとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料4−B、4−Cとし、さらに、試料4−B、4−Cをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
【0282】
<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の評価>
(細胞培養)
まず、正常ヒトの活性化角化細胞(Cascade Co., Ltd)を初代細胞として、75cm2の培養フラスコ(増殖因子を含有する培地2ml)に、7℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで培養した。継代細胞を175cm2の培養フラスコに80〜90%コンフルエントの状態に達するまでに持続培養した。継代培養した後のヒト表皮角化細胞を12well Plate (細胞数1×105個/mL)に2mLずつ播種し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて80〜90%コンフルエントの状態に達するまで持続培養した。
【0283】
次いで、上記12well Plateにおいて増殖因子を含有しない培地を変更し、本発明の製品(試料4−A、4−B、4−C)及びコントロール(50v/v%のエタノール溶液)を当該12well Plate(n=2)に添加した。同じ条件で3日間培養した。
【0284】
その後、上清の培養液を除去し、PBS(2mL/Well)にて細胞を2回洗浄した後、1mLPBSを入れ、各々の細胞をセルハーベスターで試験管に回収した。それを、後のセラミド及び蛋白質の解析する用の試料とした。
【0285】
(セラミド産生促進効果の確認)
前記回収された細胞を含むPBS液に、まず、メタノール:クロロホルム(2.5ml:1.25ml)加え攪拌し、次に、20分間振とうした。その後、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、上清aと沈殿bを取り分けて、その上清aをセラミド量の解析に供し、沈殿bを次のタンパク量解析に供した。
【0286】
(1)セラミド量の解析
上清aにPBS:クロロホルム(1.25ml:1.25ml)を入れ、20分間振動し、遠心分離(3000rpm、5分)を行い、下相にあるクロロホルム層を単離、回収した。回収されたクロロホルム層を30℃、窒素雰囲気で乾固させた。乾燥品をクロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比=2.5ml:1.25ml)100μlに溶解し、下記の薄層クロマトグラフィーによりセラミド量の定量に供した。
【0287】
セラミド標準品と試料溶液とを乾燥のTLC板に入れ、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のトップに到達した後、ドライヤーで展開剤を乾燥した。次いで上記操作を1回繰り返した。その後、展開溶媒であるクロロホルム:メタノール:アセトン=76:20:4(v/v/v)で薄層クロマトグラフィーを行った。展開剤がTCL板のボタムからの2.5cmの位置に到達した後、展開を停止し、ドライヤーで展開剤を乾燥した。硫酸銅のリン酸溶液を吹き、乾燥して、TCL板を180℃のヒータに置き7分間加熱して顕色させた。顕色されたTLC板をスキャンしてセラミドの量(Cerとし、単位μg/mL)を解析した。
【0288】
(2)タンパク量の解析
細胞中のセラミド量及びグルコシルセラミド量を表示するためにタンパク量の解析を行った。上記沈殿bに、900μl SDS(ドデシルスルホン酸ナトリウム)溶液を入れ、混合し、60℃で2時間加熱した後、タンパク質を変性・降解させ、冷却した。次いで、100μl 2N HClを加え、BCA Kit法(タンパク量の解析用のキット)によりタンパク量(Proと記する。μg/mL)を測定した。
【0289】
(3)解析の結果
本発明品とコントロールの試料のそれぞれに対して、下式のように、Cer/Proを測定した。前記コントロールのCer/Proを1とした場合の、本発明のCer/Proの相対値を算出して表11に示した。また、前記コントロールのwellあたりのタンパク量を100とした場合の、本発明のwellあたりのタンパク量の相対値(Pro.(%))を算出して、それによりwellあたりのセラミドの量(コントロールに対する相対量)を求めた。合わせて表11に示した。
Cer/Well=Cer/Pro×Pro.(%)
【0290】
なお、Cer/Pro(又はCer/Well)が1(コントロール)よりも高い場合、当該試料がセラミド産生促進効果を有すると見なされる。
【0291】
表11から明らかなように、実施例4−1の試料4−A、4−B、4−Cは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0292】
(実施例4−2)
実施例4−1に記載の<セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造>において、Leuconostoc属の微生物として、Leuconostoc mesenteroides(中国高校工業微生物資源および情報センター(CICIMに番号CICIM B1364として受託されている。)を使用した以外、実施例4−1と同様に培養した。
得られた培養液に対して、3000rpm、10mins遠心分離を行った。残した培養上清に対して、2.5倍体積のEtOHを加え、1mlの混合液を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料4−Dとし、4℃の冷蔵庫で保存して、細胞培養に供する。
上記EtOHを加えた混合液を、超音波処理装置で10分間処理し、3000rpm、30mins遠心分離で上清を回収した。その上清(約70mL)をろ紙でろ過して、さらに濾過液を真空乾燥機で乾燥処理して一定の重さになった。当該乾燥品を本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の試料4−E、4−Fとし、さらに、試料4−E、4−Fをそれぞれ50v/v%EtOHで溶解し、1v/v%及び0.1v/v%の濃度の溶液に調製した後、4℃の冷蔵庫で保存して、次の細胞培養に供した。
実施例4−1と同様にして、試料4−D、4−E、4−Fのセラミド産生促進効果を評価した。その結果を合わせて表11に示した。
表11から明らかなように、実施例4−2の試料4−D、4−E、4−Fは、セラミド産生促進効果が認められた。
【0293】
【表11】

【0294】
なお、試料4−A〜4−Fについて、それらを上記ヒトの活性化角化細胞を含む12well Plateに加えることを行わない(即ち、上記細胞培養を行わない)ままで、セラミド量及びグルコシルセラミド量の解析を行った。上記以外は、上記実施例4−1と同様にした。その結果は、試料4−A〜4−Fの何れかの自身にもセラミド又はグルコシルセラミドが存在しないことが確認された。
【0295】
これから、本発明の製品自身には、セラミド又はグルコシルセラミドが存在しないが、本発明の製品が、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進の効果を有し、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として用いることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆残渣および糖類を含有する培地中で細菌を培養し、培養上清からセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤を採取する、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項2】
前記細菌は、Bacillus属の細菌、Lactobacillus属の細菌、Acetobacter属の細菌、及びLeuconostoc属の細菌から選ばれる何れかのものである、請求項1に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項3】
前記Bacillus属の細菌が、Bacillus subtilis、Bacillus acidicola、Bacillus gibsonii、又はBacillus licheniformisである、請求項2に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項4】
前記Lactobacillus属の細菌が、Lactobacillus brevis、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus coryniformis、Lactobacillus curvatus、又はLactobacillus alimentariusである、請求項2に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項5】
前記Acetobacter属の細菌が、Acetobacter acetiである、請求項2に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項6】
前記Leuconostoc属の細菌が、Leuconostoc mesenteroidesである、請求項2に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項7】
前記糖類は葡萄糖である、請求項1〜6の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項8】
前記培地は、大豆残渣、葡萄糖及び水からなるものである、請求項7に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項9】
前記培地の中に前記大豆残渣を8〜12w/v%、前記糖類を0.8〜1.2w/v%含有する、請求項8に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項10】
前記培養の温度は27〜35℃である、請求項1〜9の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項11】
前記培養時間は1〜7日間である、請求項1〜10の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項12】
前記培養して得られた培養液を遠心分離により、前記上清を得る、請求項1〜11の何れか一項に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項13】
前記遠心分離した上清に、エタノールを加え、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤をとする、請求項12に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項14】
上記エタノールを加えたものを、さらに、超音波処理、遠心分離、ろ過、真空乾燥処理で精製して、セラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤として得る、請求項13に記載のセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法によって得られるセラミド及び/又はグルコシルセラミド産生促進剤。

【公開番号】特開2012−139217(P2012−139217A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−286048(P2011−286048)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】