説明

セリンプロテアーゼ、特に、HCV、NS3−NS4Aプロテアーゼの阻害剤

本発明は、セリンプロテアーゼ活性、特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼを阻害する式(I)の化合物もしくはその医薬上許容される塩またはその混合物に関する。従って、それらは、C型肝炎ウイルスの生活環に干渉することにより作用し、抗ウイルス剤としても有用である。さらに、本発明は、ex vivo使用またはHCV感染に苦しむ患者に投与するためのこれらの化合物を含む組成物、および本発明の化合物の製法に関する。また、本発明は、発明の化合物を含む組成物を投与することによるHCV感染の治療方法に関する。さらに、本発明はこれらの化合物の製法に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、セリンプロテアーゼ活性、特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する化合物に関する。そのため、それらは、C型肝炎ウイルスの生活環に干渉することにより作用し、また、抗ウイルス剤として有用である。本発明は、さらにエクスビボ使用またはHCV感染に苦しむ患者への投与のためのいずれかのこれらの化合物を含む組成物に関する。また、本発明は、本発明の化合物を含む組成物を投与することによる患者におけるHCV感染の治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
C型肝炎ウイルス(「HCV」)による感染は切実なヒトの医学的問題である。HCVは、非A、非B型肝炎の大部分の場合についての病原体と認められ、ヒト血清陽性率は全体的に3%と見積もられている[A. Albertiら、「Natural History of Hepatitis C」, J. Hepatology、31.、(Suppl. 1)、pp. 17−24(1999)]。ほぼ400万の個人が米国単独において感染しかねない[M.J. Alterら、「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States、Gastroenterol. Clin. North Am.、23、pp. 437−455(1994); M. J. Alter 「Hepatitis C Virus Infection in the United States」, J. Hepatology、31.、(Suppl. 1)、pp. 88−91(1999)]。
【0003】
HCVに対する最初の曝露に際して、約20%の感染した個人だけが、急性の臨床的肝炎になるが、他の個人は、感染を自然に消散するようである。しかしながら、約70%の場合、そのウイルスは、数十年間持続する慢性感染症を確立する[S. Iwarson、「The Natural Course of Chronic Hepatitis」, FEMS Microbiology Reviews、14、pp. 201−204(1994); D. Lavanchy、「Global SurveillanceおよびControl of Hepatitis C」, J. Viral Hepatitis、6、pp. 35−47(1999)]。通常、この結果、再発性で、次第に悪化する肝臓炎症を生じ、しばしば硬変および肝細胞癌のごときより重篤な疾患に導く[M.C. Kew、「Hepatitis CおよびHepatocellular Carcinoma」、FEMS Microbiology Reviews、14、pp. 211−220(1994); I. Saito et. al.、「Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」, Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87、pp. 6547−6549(1990)]。慢性HCVの消耗性の進行についての広範囲に有効な処置はあいにく存在しない。
【0004】
HCVゲノムは、3010−3033個のアミノ酸のポリ蛋白質をコードする[Q.L. Choo、ら、「Genetic OrganizationおよびDiversity of the Hepatitis C Virus.」 Proc. Natl. Acad. Sci. USA、88、pp. 2451−2455(1991); N. Katoら、「Molecular Cloning of the Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients with Non−A、Non−B Hepatitis」, Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87、pp. 9524−9528(1990); A. Takamizawa ら、「Structur and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From Human Carriers」, J. Virol.、65、pp. 1105−1113(1991)]。そのHCV非構造的(NS)な蛋白質は、ウイルス複製に必須の触媒機構を提供すると推測される。NS蛋白質はポリ蛋白質の蛋白質分解的切断により得られる[R. Bartenschlager ら、「Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine−Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4およびNS4/5 Junctions」, J. Virol.、67、pp. 3835−3844(1993); A. Grakoui ら、「Characterization of the Hepatitis C Virus−Encoded Serine Proteinase: Determination of Proteinase−Dependent Polyprotein Cleavage Sites」, J. Virol.、67、pp. 2832−2843(1993); A. Grakoui ら、「ExpressionおよびIdentification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products」, J. Virol.、67、pp. 1385−1395(1993); L. Tomei ら、「NS3 is a serine protease required for processing of hepatitis C virus polyprotein」、 J. Virol.、67、pp. 4017−4026(1993)]。
【0005】
そのHCV NS蛋白質3(NS3)は、大多数のウイルス酵素を処理するのに役立ち、かくして、ウイルスの複製および感染性に必須であると考えられるセリンプロテアーゼ活性を含む。黄熱ウイルスNS3プロテアーゼにおける突然変異がウイルス感染性を減少させることが知られている[Chambers、T.J. ら、「Evidence that the N−terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus is a Serine Protease Responsible for Site−Specific Cleavages in the Viral Polyprotein」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87、pp. 8898−8902(1990)]。NS3の最初の181個のアミノ酸(ウイルスのポリ蛋白質残基1027−1207)は、そのHCVポリ蛋白質の4つの下流部位のすべてを処理するNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが示されている[C. Linら、 「Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase: Trans−Cleavage RequirementsおよびProcessing Kinetics」、J. Virol.、68、pp. 8147−8157(1994)]。
【0006】
HCV NS3セリンプロテアーゼおよびその関連補助因子(NS4A)は、全てのウイルス酵素を処理するのに役立ち、かくしてウイルス複製に必須であると考えられる。
このプロセシングは、ヒト免疫不全ウイルスのアスパルチルプロテアーゼにより実行され、ウイルス酵素プロセシングに関与するものと類似しているようである。ウイルス蛋白質プロセシングを阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤は、人における強力な抗ウイルス剤であり、ウイルスの生活環のこのステージを妨げる結果、治療上活性な薬剤を生じることを示す。結果的に、HCV NS3セリンプロテアーゼも創薬のための魅力的な標的である。
【0007】
現在、満足する抗HCVの剤または処置は存在しない。最近まで、HCV疾患の唯一の確立した治療はインターフェロン治療であった。最近まで、HCV疾患の唯一の確立した治療はインターフェロン治療であった。しかしながら、インターフェロンは、かなりの副作用を有する[M. A. Wlakerら、「Hepatitis C Virus: An Overview of Current Approaches and Progress」, DDT、4、pp. 518−29(1999); D. Moradpourら、「Current and Evolving Therapies for Hepatitis C」, Eur. J. Gastroenterol. Hepatol.、11、pp. 1199−1202(1999); H. L. A. Janssenら 「Suicide Associated with Alfa-Interferon Therapy for Chronic Viral Hepatitis」, J. Hepatol.、21、pp. 241−243(1994); P.F. Renaultら、「Side Effects of Alpha Interferon」, Seminars in Liver Disease、9、pp. 273−277.(1989)]およびある割合(約25%)のケースだけ長期の寛解を誘導する[O. Weiland、「Interferon Therapy in Chronic Hepatitis C Virus Infection」、FEMS Microbiol. Rev.、14、pp. 279−288(1994)]。
インターフェロンのPEG化形態(PEG−INTRONR およびPEGASYSR)の最近の導入、およびリバビリンおよびPEG化インターフェロン(REBETROLR)の併用療法の結果、寛解率をわずかだけ改良し、副作用を部分的にだけ低下させた。さらに、有効な抗HCVワクチンの見通しは不明確なままである。
【0008】
かくして、より有効な抗HCV治療についての必要性が存在する。かかる阻害剤は、プロテアーゼ阻害剤、特にセリンプロテアーゼ阻害剤、より詳細には、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤として治療的な潜在性を有するであろう。特に、かかる化合物は抗ウイルス物質、特に、抗HCVとして有用で有り得る。
【0009】
発明の概要
本発明は、式I:
【0010】
【化1】

【0011】
の化合物(式中、その変数は本明細書の定義に同じ)もしくはその医薬上許容される塩またはその混合物の提供によりこれらの必要性に取り組む。
【0012】
また、本発明は式I−1:
【0013】
【化2】

【0014】
の化合物(式中、その変数は本明細書の定義に同じ)もしくはその医薬上許容される塩またはその混合物を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記化合物を含む組成物およびその使用に関する。かかる組成物を用いて、患者に挿入されるべき侵襲性のデバイスを予め処理し得る、患者への投与に先立ちおよび患者への直接的な投与のために血液のごとき生物学的試料を処理し得る。各ケースにおいて、その組成物を用いて、HCV複製を阻害し、HCV感染の重篤度のリスクを減少させるであろう。
【0016】
また、本発明は、式Iの化合物の製法に関する。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、式I:
【化3】

[zは0または1;
Vは−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−または−S(O)−;
Rは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−または結合;
Tは:
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)ヘテロアリール、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族;
ここに、T中の3個以下の脂肪族炭素原子は、所望により、化学的に安定な配置にて、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−、または−N(H)−で置換されていてもよく;
各Tは、所望により3個以下のJ置換基で置換されていてもよく;
Jはハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')、ここに;
2つのR'基はそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は、所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキルまたは(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は、所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;
各R'は、独立して以下から選択され:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
ここに、R'は、所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;
はハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR');あるいは
Tは:
【0018】
【化4】

【0019】
{式中:
10は:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−
C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族;
Kは結合、(C1−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−、ここに、Rは水素または(C1−C12)−脂肪族;
nは1〜3である};または
Tは N(R17
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;
Wは:
【0020】
【化5】

【0021】
(式中:
Eは、N(R17)または結合から選択され;
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環のまたは8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい);
およびR' は独立して以下であり:
水素
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール、
ここに、(C1−C12)−脂肪族における水素は所望によりハロゲンで置換されていてもよく;
いずれの末端炭素原子も所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換され;および
2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;
いずれの環も所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;および
該ヘテロアリール環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;または
およびR'はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2個以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;
該環は所望によりJから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;
(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'は独立して以下であり:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
ここに、R(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'の各々は、独立しかつ所望により、Jから独立して選択された3個までの置換基で置換されていてもよく;
いずれの環も所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;
(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'の各々における3個以下の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にて、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;または
およびR'(双方が存在するならば)はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2個以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;ここに、該環系は所望により、Jから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11およびR11'はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;ここに、該環は所望により、Jから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;または
13およびR13'はそれらに結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環であり;ここに、該環は所望によりJから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;
、R、R(存在するならば)およびR12は独立して
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
であり
各々のR、R、R(存在するならば)およびR12は、独立しかつ所望により、Jから独立して選択された3個までの置換基で置換されていてもよく;
、R、R(存在するならば)およびR12中の2個以下の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;または
11およびR12はそれらに結合する原子と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
12およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、4〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、5〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11、R12およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
13'およびRはそれらに結合する原子と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、18〜23−員の単環の、19〜24−員の二環の、または20〜25−員の三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望によりJから独立して選択された6個以下の置換基で置換されていてもよく;または
(存在するならば)およびR12はそれらに結合する原子と一緒になって18〜23−員の単環の、19〜24−員の二環の、または20〜25−員の三環の 炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望によりJから独立して選択された6個以下の置換基で置換されていてもよい]で表される化合物もしくはその医薬上許容される塩またはそれらの混合物を提供する。
【0022】
また、本発明は、式I−1:
【0023】
【化6】

【0024】
[式中、W、V、R、T、R、R1’、R、R、R、R5’、R、R11、R11’、R12、R13およびR13’は式Iの化合物についての前記の定義に同じ]の化合物もしくはその医薬上許容される塩またはそれらの混合物を提供する。
【0025】
定義
本明細書に用いた「アリール」なる用語は、単環または二環の炭素環の芳香族環系を意味する。フェニルは単環の芳香族環系の例である。二環の芳香族環系は、双方の環が芳香族系、例えば、ナフチル、および2つの環のうちの1つだけが芳香族系、例えば、テトラリンを含む。本明細書に用いた「(C6−C10)−アリール−」なる用語は、C6、C7、C8、C9およびC10の単環または二環の炭素環の芳香族環系のうちのいずれか1つを含むと理解される。
【0026】
本明細書に用いた「ヘテロシクリル」なる用語は、化学的に安定した配置における、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択された各環における1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子群を有する単環もしくは二環の非芳香族環系を意味する。「ヘテロシクリル」の二環の非芳香族環系の具体例において、一方または双方の環は前記ヘテロ原子またはヘテロ原子群を含み得る。本明細書に用いた「(C5−C10)−ヘテロシクリル−」なる用語は、化学的に安定した配置における、O、N、NHおよびSから選択された各環における1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子群を有する5、6、7、8、9および10個の原子の単環もしくは二環の非芳香族環系いずれか1つを含むと理解される。
【0027】
本明細書に用いた「ヘテロアリール」なる用語は、化学的に安定した配置における、O、N、NHまたはSから選択された各環における1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子群を有する単環もしくは二環の芳香族環系を意味する。「ヘテロアリール」のかかる二環の芳香族環系の具体例において:
− 一方または双方の環は芳香性で有り得る;および
− 一方または双方の環は前記ヘテロ原子またはヘテロ原子群を含み得る。本明細書に用いた「(C5−C10)−ヘテロアリール−」なる用語は、化学的に安定した配置における、O、N、NHおよびSから選択された各環における1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子群を有する、5、6、7、8、9および10個の原子の単環もしくは二環の芳香族環系のいずれか1つを含む。
【0028】
複素環は、限定されるものではないが、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンズイミダゾール−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアンおよび1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンを含む。
【0029】
ヘテロアリール環は、限定されるものではないが、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば、2−インドリル)、ピラゾリル(例えば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、または4−イソキノリニル)を含む。
【0030】
本明細書に用いた「脂肪族」なる用語は、直鎖または分岐鎖のアルキル、アルケニルまたはアルキニルを意味する。本明細書に用いた、「(C1−C12)−脂肪族−」なる用語は、炭素原子のC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12のいずれか1つの直鎖または分岐アルキル鎖を含むと理解される。また、アルケニルまたはアルキニルの具体例は、脂肪族鎖中の少なくとも2つの炭素原子を必要とすると理解される。「シクロアルキルもしくはシクロアルケニル」なる用語は、芳香族でない単環または縮合もしくは架橋した二環の炭素環系をいう。シクロアルケニル環は、1以上の単位の不飽和を有する。また、本明細書に用いた「(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−」なる用語は、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10の単環または縮合もしくは架橋した二環の炭素環のいずれか1つを含む。シクロアルケニル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボニル、アダマンチルおよびデカリン−イルを含む。
【0031】
本明細書に用いた炭素原子指定は、その示した整数およびいずれかの介在する整数を有し得る。例えば、(C1−C4)−アルキル基中の炭素原子数は、1、2、3、または4である。これらの指定は、その適当な群中の原子の総数をいうと理解されるべきである。例えば、(C3−C10)−ヘテロシクリルにおいて、炭素原子およびヘテロ原子の総数は、3(アジリジン中)、4、5、6(モルホリン中)、7、8あるいは10である。
【0032】
本明細書に用いた「化学的に安定した配置」なる語句は、その化合物を当該技術分野において知られた方法により、製造するおよびヒトに投与するのを可能とするように十分に安定とする化学構造をいう。典型的には、かかる化合物は、少なくとも1週間、水分または他の化学反応条件の不存在下、40℃以下の温度にて安定である。
【0033】
本明細書に用いた「インターフェロン」なる用語は、インターフェロン・アルファ、インターフェロン・ベータ、あるいはインターフェロン・ガンマのごときウイルス複製および細胞増殖を阻害および免疫応答を変調する高度に相同性の種特異的な蛋白質のファミリーのメンバーを意味する。メルクインデックス、第12版、エントリー5015。
【0034】
具体例
本発明のいずれかの具体例の1つの形態において、式IIIA、IIIB、IIICおよびIIIDの化合物[式中、P1、P2、P3およびP4は、当業者に知られたセリンプロテアーゼ阻害剤の残基を示し、EはN(R17)または結合から選択され、V、R、TおよびR17は本明細書中のいずれかの具体例の定義に同じ]が提供される。
【0035】
【化7】

【0036】
従って、1)セリンプロテアーゼ阻害剤の構造要素;および2)そのジケトヒドラジド部分(IIIA)、ジケトヒドロキサマート部分(IIIB)、またはジケトスルホンアミド部分(IIIC)またはジケトスルホキサミド部分(IIID)を有するすべての化合物は、本発明の一部と考えられる。セリンプロテアーゼ阻害剤の構造要素を有する化合物は、限定されるものではないが、以下の刊行物の化合物を含む: WO97/43310、US20020016294、WO01/81325、WO02/08198、WO01/77113、WO02/08187、WO02/08256、WO02/08244、WO03/006490、WO01/74768、WO99/50230、WO98/17679、WO02/48157、US20020177725、WO02/060926、US20030008828、WO02/48116、WO01/64678、WO01/07407、WO98/46630、WO00/59929、WO99/07733、WO00/09588、US20020016442、WO00/09543、WO99/07734、US6,018,020、WO98/22496、US5,866,684、WO02/079234、WO00/31129、WO99/38888、WO99/64442およびWO02/18369)(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)。
【0037】
かくして、上記の刊行物のいずれの化合物もそのジケトヒドラジド部分(IIIA)、ジケトヒドロキサマート部分(IIIB)、ジケトスルホンアミド部分(IIIC)またはジケトスルホキサミド部分(IIID)部分あるいはそれらの誘導体を含むように修飾されていてもよい。いずれのかかる化合物も本発明の一部である。例えば、WO02/18369(p.41):
【0038】
【化8】

【0039】
を修飾して、本発明の以下の化合物を提供し得る:
【0040】
【化9】

【0041】
[式中、R17は本明細書の具体例のいずれかの定義に同じ]。
【0042】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、式IIIA−1、IIIB−1、IIIC−1およびIIID−1の化合物[式中、P1、P2およびP3は、当業者に知られたセリンプロテアーゼ阻害剤の残基を示し、EはN(R17)または結合から選択され、V、R、TおよびR17は本明細書中のいずれかの具体例の定義に同じ]が提供される。
【0043】
【化10】

【0044】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
11はH;および
12
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキルである。
【0045】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、R12はイソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、またはフェニルエチルである。
【0046】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、R11は:
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;および
12はHである。
【0047】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、R11’およびR12はHである。
【0048】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0049】
【化11】

【0050】
基は:
【0051】
【化12】

【0052】
である。
【0053】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0054】
【化13】

【0055】
基は:
【0056】
【化14】

【0057】
である。
【0058】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0059】
【化15】

【0060】
基は:
【0061】
【化16】

【0062】
である。
【0063】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0064】
【化17】

【0065】
基は:
【0066】
【化18】

【0067】
である。
【0068】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0069】
【化19】

【0070】
基は:
【0071】
【化20】

【0072】
[式中、nは0または1であって、ZおよびZ’はSまたはOである]である。
【0073】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0074】
【化21】

【0075】
基は:
【0076】
【化22】

【0077】
[式中、各Bは独立して3〜20−員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SO、またはSO
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である。
【0078】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0079】
【化23】

【0080】
基は:
【0081】
【化24】

【0082】
[式中、各環C、DおよびEは、環Bについての前記定義に同じであり、Zは、炭素原子、−CHR18−N−、−HN−CR18−または−CHR18−CHR18−、−O−CHR18−、−S−CHR18−、−SO−CHR18−、−SO−CHR18−、または−N−である]である。もう一つの具体例において、R18 は(C1−C12)−脂肪族、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)アリール−(C1−C12)−脂肪族、または(C3−C10)−シクロアルキルである。もう一つの具体例において、R18 は(C1−C6)−アルキルまたは(C3−C7)−シクロアルキルである。
【0083】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0084】
【化25】

【0085】
基において、
環Cは:
【0086】
【化26】

【0087】
[式中、R19は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−である]である。
【0088】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0089】
【化27】

【0090】
基において、
環Cは:
【0091】
【化28】

【0092】
[式中、R19は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−である]である。
【0093】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0094】
【化29】

【0095】
基において、
環Dは:
【0096】
【化30】

【化31】

【0097】
[式中、R19は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−である]から選択される。
【0098】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0099】
【化32】

【0100】
基において、
環Dは:
【0101】
【化33】

【0102】
[式中、R19は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−である]から選択される。
【0103】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、環AおよびBは、それに結合する環と一緒になって:
【0104】
【化34】

【0105】
を含む。
【0106】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0107】
【化35】

【0108】
基は:
【0109】
【化36】

【0110】
である。
【0111】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0112】
【化37】

【0113】
基は:
【0114】
【化38】

【化39】

【0115】
である。
【0116】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0117】
【化40】

【0118】
基は:
【0119】
【化41】

【0120】
である。
【0121】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0122】
【化42】

【0123】
基は:
【0124】
【化43】

【0125】
である。
【0126】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0127】
【化44】

【0128】
基は:
【0129】
【化45】

【0130】
である。
【0131】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0132】
【化46】

【0133】
基は:
【0134】
【化47】

【0135】
である。
【0136】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0137】
【化48】

【0138】
基は:
【0139】
【化49】

【0140】
である。
【0141】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0142】
【化50】

【0143】
基は:
【0144】
【化51】

【0145】
[式中、各Bが独立して3〜20−員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SO、またはSO
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である。
【0146】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0147】
【化52】

【0148】
基は:
【0149】
【化53】

【0150】
である。
【0151】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0152】
【化54】

【0153】
基は:
【0154】
【化55】

【0155】
である。
【0156】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0157】
【化56】

【0158】
基は:
【0159】
【化57】

【0160】
である。
【0161】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0162】
【化58】

【0163】
基は:
【0164】
【化59】

【0165】
[式中、Bは4〜20員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SO、またはSO
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;
その炭素環系または複素環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である。
【0166】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
【0167】
【化60】

【0168】
基は:
【0169】
【化61】

【0170】
である。
【0171】
前記の基において、R11変数はHであると理解される。
【0172】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、R11およびR12は、それらに結合する原子と一緒になって、6〜10−員の単環のまたは二環の炭素環系または複素環系を形成し;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;および
該環は、Jから独立して選択された3個以下の置換基を有する。
【0173】
その環系のいずれも、本明細書に記載されたごとく置換されていてもよい。本発明のいずれかの具体例の他の態様において、その環置換基は、オキソ、フルオロ、ジフルオロ(特に、ビシニナルジフルオロ)およびヒドロキシである。本発明のいずれかの具体例の他の態様において、以下の環系:
【0174】
【化62】

【0175】
は、所望により、オキソ、フルオロ、ジフルオロ(特に、ビシニナルジフルオロ)およびヒドロキシで置換されていてもよく;ここに、環Bは、所望により一つの不飽和結合を有してもよい5員環炭素環である。
【0176】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOよりなる群から選択される。
【0177】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R'はHであって、Rは1〜3個のフルオロ基または1個の−SH基で所望により置換されていてもよい(C1−C6)−脂肪族であるか、またはRは(C6−C10)−アリールである。
【0178】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、その(C1−C6)−脂肪族は、1〜3個のフルオロ基で置換される。
【0179】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、RおよびR5' は独立して水素または:
【0180】
【化63】

【0181】
である。
【0182】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R5'は水素であって、Rは:
【0183】
【化64】

【0184】
である。
【0185】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、RおよびR5'は:
【0186】
【化65】

【0187】
である。
【0188】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R13'は水素であって、
13は:
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
ここに、R13は所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;および
13中の3個以下の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にてO、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよい。
【0189】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R13'は水素であって;R13は:
【0190】
【化66】

【0191】
である。
【0192】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
は存在するならば:
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
ここに、Rは所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;および
中の3個以下の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にてO、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により、置換されていてもよい。
【0193】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、R1'は、存在するならば、水素であって、Rは存在するならば:
【0194】
【化67】

【0195】
である。
【0196】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Tは:(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、(C3−C10)−ヘテロシクリル、(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、(C5−C10)ヘテロアリール、または(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族(ここに、各Tは、所望により3個以下のJ置換基で置換されていてもよい)から選択される。
【0197】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Tは(C5−C10)ヘテロアリール(ここに、Tは、所望により3個以下のJ置換基で置換されていてもよい)である。
【0198】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0199】
【化68】

【0200】
である。
【0201】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0202】
【化69】

【0203】
である。
【0204】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0205】
【化70】

【0206】
である。
【0207】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0208】
【化71】

【0209】
である。
【0210】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Tは、−NH、−NH−、−OHおよび−SHから選択された少なくとも1つの水素結合供与部分を含む。
【0211】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0212】
【化72】

【0213】
[式中、Tは所望により4個以下のJ置換基で置換されていてもよく、ここに、Jは本明細書の定義に同じ;
Zは独立して、O、S、NR10、C(R10
nは独立して、1または2;および
【0214】
【化73】

【0215】
は独立して、単結合または二重結合である]である。
【0216】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0217】
【化74】

【0218】
[式中、Tは所望により4個以下のJ置換基で置換されていてもよく、ここに、Jは本明細書の定義に同じ;
Zは独立して、O、S、NR10、C(R10、SO、SO
nは独立して、1または2;および
【0219】
【化75】

【0220】
は独立して、単結合または二重結合である]である。
【0221】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0222】
【化76】

【0223】
[式中、Tは所望により4個以下のJ置換基で置換されていてもよく、ここに、Jは本明細書の定義に同じ;および
Zは独立して、O、S、NR10、C(R10、SO、SOである]である。
【0224】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Tは、
【0225】
【化77】

【0226】
である。
【0227】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
V−R−Tは、
【0228】
【化78】

【0229】
[式中、R12および各R17は本明細書の定義に同じ]から選択される。
【0230】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
V−R−Tは、
【0231】
【化79】

【0232】
[式中、一つのR17は水素;および
一つのR17は:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−;
ここに、R17中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にて、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;および
17は所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]から選択される。
【0233】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、
V−R−Tは:
【0234】
【化80】

【0235】
である。
【0236】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、RおよびRは各々独立して、Hまたは(C1−C3)−アルキルおよびRは、存在するならば、Hまたは(C1−C3)−アルキルである。
【0237】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、RおよびRは各々H、およびRは、存在するならば、Hである。
【0238】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Rは、存在するならば、水素、Vは−C(O)−、Rは結合、およびTは本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである。
【0239】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Wは:
【0240】
【化81】

【0241】
[式中、Eは、N(R17)または結合から選択され;
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
該環は、Jから独立して選択された3個以下の置換基を有する]である。
【0242】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Wは:
【0243】
【化82】

【0244】
[式中、各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17基がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
該環は、Jから独立して選択された3個以下の置換基を有する]である。
【0245】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、
Wは:
【0246】
【化83】

[式中、各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
該環は、Jから独立して選択された3個以下の置換基を有する]である。
【0247】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Jはハロゲン −OR'、−NO、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−C(O)R'、−COOR' −CON(R')、−N(R')COR'、−N(COR')COR'、−CN、または−SON(R')である。
【0248】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、Jはハロゲン、−OR'、−NO、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−C(O)R'、−COOR' −CON(R')、−N(R')COR'、−N(COR')COR'、−CN、または−SON(R')である。
【0249】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、JおよびJ中のハロゲンは、クロロまたはフルオロである。
【0250】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、該ハロゲンはフルオロである。
【0251】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R1'は、存在するならば、Hである。
【0252】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R13'はHである。
【0253】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R11'はHである。
【0254】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、R12はHである。
【0255】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、本発明の化合物の製法が提供される。これらの製法は、反応図式および例において記載される。
【0256】
本発明のいずれかの具体例の他の態様において、該化合物は:
【0257】
【化84】

【0258】
である。
【0259】
本発明の化合物は、1以上の不斉炭素原子を含んでいてもよく、かくして、ラセミ体、ラセミ体混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じ得る。これらの化合物のかかる異性体形態のすべては明確に本発明に含まれる。各立体炭素は、RまたはS配置で有り得る。
【0260】
もう一つの具体例において、本発明の化合物は、化合物1〜8に示した構造および立体化学を有する。
【0261】
前記の種におけるそれらの具体例を含めた前記に引用されたいずれの具体例も組み合わせて、本発明のもう一つの具体例を生成し得る。
【0262】
反応図式、製法および実施例中に用いた略称は以下のとおり:
THF: テトラヒドロフラン
DMF: N,N,−ジメチルホルムアミド
DMA: ジメチルアセトアミド
EtOAc: 酢酸エチル
AcOH: 酢酸
NMM: N−メチルモルホリン
NMP: N−メチルピロリジノン
EtOH: エタノール
t−BuOH: tert−ブタノール
EtO: ジエチルエーテル
DMSO: ジメチルスルホキシド
DCCA: ジクロロ酢酸
DIEA: ジイソプロピルエチルアミン
MeCN: アセトニトリル
TFA: トリフルオロ酢酸
DBU: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DEAD: アゾジカルボン酸ジエチル
HOBt: 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 水和物
HOAt: 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
EDC: 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩
Boc: tert−ブチルオキシカルボニル
BocO: ジ−tert−ブチルジカルボネート
CBz: ベンジルオキシカルボニル
CBz−Cl: ベンジル クロロホルメート
Fmoc: 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Chg: シクロヘキシルグリシン
t−BG: tert−ブチルグリシン
mCBPA: 3−クロロペルオキシ安息香酸
IBX: o−ヨードキシ安息香酸
DAST:(ジエチルアミノ)サルファトリフルオリド
TEMPO: 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フィリーラジカル
PyBROP: トリス(ピロリジノ)ブロモホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
TBTUまたはHATU: 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート
DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン
AIBN: 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
DMEM: ダルベッコ最小必須培地
PBS: リン酸緩衝食塩水
rtまたはRT: 室温
ON: 一晩
ND: 検出せず
MS: 質量分析
LC: 液体クロマトグラフー
Xaa: 商業的に入手可能か、または商業的に入手可能な中間体もしくは試薬から合成的に調製されるアミノ酸。
【0263】
一般的合成方法:
本発明の化合物は、当業者に知られた方法により一般的に調製され得る。反応図式1−22および下記の反応図式19a−20aは、本発明の化合物への合成経路を示す。通常の熟練した有機化学者に容易に明白であろう他の同等の反応図式を別法として、一般的な反応図式および以下の調製例によって後記されるような分子の様々な部分を合成し得る。
【0264】
反応図式1:
【0265】
【化85】

【0266】
前記の反応図式1は、中間体の酸9からの中間体のエステル塩酸塩14の調製のための合成経路を提供する。中間体の酸9は、Harbeson、S.ら、J. Med. Chem.、Vol. 37、No. 18、pp. 2918−2929(1994)により記載された手順により調製された。
【0267】
反応図式2:
【0268】
【化86】

【0269】
前記の反応図式2は、商業上入手可能なアミノエステル、本明細書のいずれかの反応図式に従い調製したアミノエステル、またはここに出典明示して本明細書の一部とみなす発行された特許または公開された特許出願のいずれかにより調製されたアミノエステルからの中間体21(ここに、Vは−C(O)−、Rは結合、その−N(R12)CH(R11)C(O)−基は、二環のプロリン誘導体、およびT、R、R13および環Bは、本明細書の具体例のいずれかの定義に同じ)の調製のための合成経路を提供する。また、Zはゼロである式Iの化合物は、一つ小さいCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合する反応図式1により調製し得ると当業者ならば考えるであろう。
【0270】
反応図式3:WがC(O)C(O)NHN(R17)である式Iの化合物の合成:
【0271】
【化87】

【0272】
前記の反応図式3と組み合わせた反応図式1および2は、式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、ここに、Vは−C(O)−、Rは結合、−N(R12)CH(R11)C(O)−基は、二環のプロリン誘導体、WはC(O)C(O)NHN(R17)であって、T、R、R13、R17および環Bは本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである。また、WがC(O)C(O)NHN(R17)およびP2が二環のプロリン以外である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1および2に供された一般的な経路により達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1および2により調製し得ると考えるであろう。
【0273】
反応図式4:WがC(O)C(O)NHOR17である式Iの化合物の合成:
【0274】
【化88】

前記の反応図式4と組み合わせた反応図式1および2は、中間体の酸21および商業的に入手できるR17ヒドロキシルアミンからの式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、 (ここに、Vは−C(O)−、Rは結合、その−N(R12)CH(R11)C(O)−基は二環のプロリン誘導体、WはC(O)C(O)NHOR17であって、T、R、R13、R17および環Bは本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである。中間体21をアミド24に変換するための結合手順後の最終生成物25へのデスマーチン・ペルヨージナンでの酸化は、本明細書に記載された実施例に詳述された手順により達成された。また、P2が二環のプロリン以外、WがC(O)C(O)NHOR17である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1、2および4において提供された一般的な経路によって達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1、2および4により調製し得ると考えるであろう。
【0275】
反応図式5:WがC(O)C(O)NHSON(R17)である式Iの化合物の合成:
【0276】
【化89】

【0277】
前記の反応図式5は、中間体の酸21および商業的に入手できるR17アミノスルホンアミド26からの式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、ここに、Vは−C(O)−、Rは結合、その−N(R12)CH(R11)C(O)−は、二環のプロリン誘導体、WはC(O)C(O)NHSON(R17)であって、T、R、R、R17および環Bは本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである。ケトアミン27を調製するための中間体21およびアミノスルホンアミド26の結合は、Rossiter, S.ら, Biorg. Med. Chem. Lett., 12, p.2523 (2002)およびPelletier, J.ら Synlett, 11, p. 1141 (1995)の手順により達成される。(化合物28により示された)式Iの化合物への中間体27の最終的な酸化は、公知の手順による酸化剤としてデスマーチン・ペルヨージナンを用いることにより達成される。また、WがC(O)C(O)NHSON(R17)およびP2が二環のプロリン以外である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1、2および5に提供された一般的な経路によって達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1、2および5により調製し得ると考えるであろう。
【0278】
反応図式6:WがC(O)C(O)NHSO17である式Iの化合物の合成:
【0279】
【化90】

【0280】
前記の反応図式6は、中間体の酸21および商業的に入手できるR17スルホンアミド29からの式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、ここに、Vは−C(O)−、Rは結合、その−N(R12)CH(R11)C(O)−は、二環のプロリン誘導体、WはC(O)C(O)NHSO17であって、T、R、R、R17および環Bは本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである。ケトアミン30を調製するための中間体21およびスルホンアミド29の結合は、Rossiter, S.ら, Biorg. Med. Chem. Lett., 12, p.2523 (2002)およびPelletier, J.ら Synlett, 11, p. 1141 (1995)の手順により達成される。ジケトアミド31を得るためのケトアルコール30の酸化は、当該技術分野における公知の手順によりデスマーチン・ペルヨージナンを用いて達成される。また、WがC(O)C(O)NHSO17およびP2が二環のプロリン以外である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1、2および6に提供された一般的な経路により達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物が、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1、2および6により調製し得ると考えるであろう。
【0281】
反応図式7:WがC(O)C(O)NHS(O)N(R17)である式Iの化合物の合成:
【0282】
【化91】

【0283】
前記の反応図式7は、中間体の酸21およびアミノスルフィンアミド32(商業的に入手できるか、またはSchipper, E.ら, J. Org. Chem., 34, p.2397 (1969)の手順により調製されたのいずれか)からの式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、ここに、WはC(O)C(O)NHS(O)N(R17)であって、T、R、R、R17および環Bは本明細書の具体例のいずれかの定義に同じである。中間体のアルコール33の最終生成物34への酸化は、Wu, Y.ら, Organic Letters, 4, p. 2141 (2002)の手順により酸化剤としてIBX(o−ヨードキシ安息香酸)で達成される。
また、WがC(O)C(O)NHS(O)N(R17)およびP2が二環のプロリン以外である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1、2および7に提供された一般的な経路によって達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物が、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1、2および7により調製し得ると考えるであろう。
【0284】
反応図式8:WがC(O)C(O)NHS(O)R17である式Iの化合物の合成:
【0285】
【化92】

【0286】
前記の反応図式8は、中間体の酸21およびアミノスルフィンアミド35(商業的に入手できるか、またはSchipper, E.ら, J. Org. Chem., 34, p.2397 (1969)の手順により調製されたかのいずれか)からの式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供し、ここに、WはC(O)C(O)NHS(O)R17であって、T、R、R、R17および環Bは本明細書の具体例のいずれかの定義に同じである。中間体のアルコール36の最終生成物37への酸化は、Wu, Y.ら, Organic Letters, 4, p. 2141 (2002)の手順により酸化剤としてIBX(o−ヨードキシ安息香酸)で達成される。また、WがC(O)C(O)NHS(O)R17およびP2が二環のプロリン以外である式Iの他の化合物の調製は、適切に保護されたP2アミノエステルから開始して、反応図式1、2および8において提供された一般的な経路により達成し得る。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1、2および8により調製し得ると考えるであろう。
【0287】
反応図式9:
【0288】
【化93】

【0289】
前記の反応図式9と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜9により調製し得ると考えるであろう。
【0290】
反応図式10:
【0291】
【化94】

【0292】
前記の反応図式10と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および10により調製し得ると考えるであろう。
【0293】
反応図式11:
【0294】
【化95】

【0295】
前記の反応図式11と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および11により調製し得ると考えるであろう。
【0296】
反応図式12:
【0297】
【化96】

【0298】
前記の反応図式12と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および12により調製し得ると考えるであろう。
【0299】
反応図式13:
【0300】
【化97】

【0301】
前記の反応図式13と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および13により調製し得ると考えるであろう。
【0302】
反応図式14:
【0303】
【化98】

【0304】
商業的に入手できるCBz 4−ケトンプロリンメチルエステルから開始して、前記の反応図式14と組み合わせた反応図式1〜8を利用して、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物の調製のための一般的な方法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および14により調製し得ると考えるであろう。
【0305】
反応図式15:
【0306】
【化99】

【0307】
商業的に入手できるCBz 4−ケトンプロリンメチルエステルから開始して、前記の反応図式15と組み合わせて反応図式1〜8を利用して、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記のごときであり、nが0または1である式Iの化合物の調製のための一般的な方法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および15により調製し得ると考えるであろう。
【0308】
反応図式16:
【0309】
【化100】

【0310】
前記の反応図式16と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記のごときであり、R'は本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。アリルエステルは、当業者に知られた手順により開裂し得る。例えば、アリルエステルは、CHClおよびCHCN中のピロリジンでPd(Ph)を用いて開裂して遊離酸を得ることもできる。中間体14へのその酸の結合後の反応図式1〜8の一般的な手順の利用は、−N(R12)CH(R11)C(O)−基が前記に示された式Iの化合物を与える。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および16により調製し得ると考えるであろう。
【0311】
反応図式17:
【0312】
【化101】

【0313】
前記の反応図式17と組み合わせた反応図式1〜8は、−N(R12)CH(R11)C(O)−が前記のごときであり、R'が本明細書のいずれかの具体例の定義に同じである式Iの化合物のもう一つの一般的な製法を提供する。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および17により調製し得ると考えるであろう。
【0314】
反応図式18:
【0315】
【化102】

【0316】
前記の反応図式18は、V−R−Tが前記のごときであり、R17が本明細書のいずれかの具体例に記載された化合物の調製のための一般的な経路を提供する。それにおいて、商業的に入手できるアミンおよび塩化スルホニルを、塩基性条件下で濃縮し、次に、加水分解して中間体の酸を提供する。次いで、酸は、反応図式1〜8に概説された方法を用いて式Iの化合物に変換される。また、当業者ならばZがゼロである式Iの化合物は、1つの小さなCBz−Xaa−OH基がその化合物の調製中に結合される反応図式1〜8および18により調製し得ると考えるであろう。
【0317】
反応図式19:
【0318】
【化103】

【0319】
前記の反応図式19は、V−R−Tが前記の通りであり、R17、RおよびRは本明細書のいずれかの具体例に記載された化合物の調製のための一般的な経路を提供する。それにおいて、商業的に入手できるアミノ酸エステルは、Kempf, D.J.ら, J. Med. Chem., pp. 320-330 (1993)により記載された手順により、対応するN−クロロスルホニルエステルに変換される。塩化スルフォニルの(商業的に得られたか、または当該技術分野においてよく知られた手順により合成された)注目するヒドラジンとの結合後の塩基性加水分解は、中間体の酸を与える。次いで、酸性の中間体は前記の反応図式1〜8に概説された方法を用いて、式I−1の化合物に変換される。
【0320】
反応図式19a:
【0321】
【化104】

【0322】
前記の反応図式19aは、V−R−Tが前記に図示された通りであり、R17、R13およびR13'が本明細書のいずれかの具体例に記載された化合物の調製のための一般的な経路を提供する。それにおいて、商業的に入手できるアミノ酸エステルは、Kempf, D.J.ら, J. Med. Chem., pp. 320-330 (1993)により記載された手順により、対応するN−クロロスルホニルエステルに変換される。塩化スルフォニルの(商業的に得られたか、または当該技術分野においてよく知られた手順により合成された)注目するヒドラジンとの結合後の塩基性加水分解は、中間体の酸を与える。次いで、その酸の中間体は、反応図式1〜8に概説された方法を用いて、zがゼロである式Iの化合物に変換される。
【0323】
反応図式20:
【0324】
【化105】

【0325】
前記の反応図式20は、V−R−Tが前記に図示された通りであり、R17、RおよびR1'が本明細書のいずれかの具体例に記載された化合物の調製のための一般的な経路を提供する。クロロエステル 19bは、J. Org. Chem., pp. 2624-2629 (1979)に記載された方法により調製される。クロリド19bとの商業的に入手できるアミノt−ブチルエステル19aの結合は、スルホンアミド19cを与える。混合エステル19cの塩基性加水分解後の商業的に入手できるアミン19dとの結合は、中間体のエステル19eを与える。1当量のmCBPAでの酸化はVが−S(O)−であるスルホキシドを与える。あるいは、2当量のmCBPAでの酸化はVが−S(O)−であるスルホンを与える。t−ブチルエステル19eの酸性加水分解は酸19fを与え、次いで、前記の反応図式1〜8に概説された手順により式I−1の化合物に合成される。
【0326】
反応図式20a:
【0327】
【化106】

【0328】
前記の反応図式20aは、V−R−Tが前記に図示された通りであり、R17、R13およびR13'が本明細書のいずれかの具体例に記載された化合物の調製のための一般的な経路を提供する。クロロエステル 19bは、J. Org. Chem., pp. 2624-2629 (1979)に記載された方法により調製される。クロリド19bとの商業的に入手できるアミノt−ブチルエステル19gの結合は、スルホンアミド19hを与える。混合エステル19hの塩基性加水分解後の商業的に入手できるアミン19dとの結合は、中間体のエステル19iを与える。1当量のmCBPAでの酸化はVが−S(O)−であるスルホキシドを与える。あるいは、2当量のmCBPAでの酸化はVが−S(O)−であるスルホンを与える。t−ブチルエステル19iの酸性加水分解は酸19jを与え、次いで、前記の反応図式1〜8に概説された手順によりzがゼロである式I−1の化合物に合成される。
【0329】
反応図式21:
【0330】
【化107】

【0331】
前記の反応図式21は、中間体32aからの本発明の化合物5の調製のための経路を提供する。中間体32aは、商業的に入手できる出発物質から反応図式1および2に記載された一般的な手順により調製される。中間体32aおよび中間体14からの化合物5の調製のための実験手順は、本明細書に提供される実施例部分に詳述される。
【0332】
反応図式22:
【0333】
【化108】

【0334】
前記の反応図式22は、中間体39からの本発明の化合物6の調製のための経路を提供する。中間体39は、商業的に入手できる出発物質からの反応図式1、2および21に記載された一般的な手順により調製される。中間体39からの化合物6の調製のための実験手順は、本明細書に提供される実施例部分に詳述される。
【0335】
式Iの化合物を調製するための、種々の他の所望により置換されていてもよい多環アザヘテロシクリル中間体の調製は、PCT公開番号WO02/18369およびその中の引用文献に記載された方法により達成し得る。
【0336】
P2部分として有用な種々の3、4および5−置換プロリンアナログは、商業的に購入されてもよいか、または公知の文献手順により調製し得る。例えば、注目するある種の3−置換プロリンアナログは、Holladay, M.W.ら, J. Med. Chem., 34, pp. 457-461 (1991)の方法により調製し得る。あるいは、種々の3,4−二置換プロリンアナログは、Kanamasa, S.ら, J. Org. Chem, 56, pp. 2875-2883 (1991)の方法により調製し得る。3、4または5−置換プロリンまたは3,4−二置換プロリンの各々において、中間体は、反応図式1〜8において前記に定義された経路によりさらに詳述して、本発明の化合物を調製し得る。
【0337】
ある種の具体例は後記に図示および記載されるが、本発明の化合物は当業者に一般に入手できる適切な出発物質を用いて前記に一般的に記載された方法により調製できると考えられるであろう。
【0338】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の化合物もしくはその医薬上許容される塩またはその混合物を含む医薬組成物が提供される。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の化合物は、試料または患者においてウイルス負荷を減少させるのに有効な量にて、および医薬上許容される担体において存在し、ここに、前記ウイルスはウイルスの生活環に必要なセリンプロテアーゼをコードする。
【0339】
本発明の化合物の医薬上許容される塩がそれらの組成物中で利用される場合、それらの塩は、無機または有機の酸および塩基から誘導し得る。かかる酸塩は以下を含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタン−プロピオナート、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオネート、ピクリン酸塩、ピバル酸、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩。塩基塩は、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩のごときアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩のごときアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩のごとき有機塩基との塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアルギニン、リジンのごときアミノ酸との塩等を含む。
【0340】
また、塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル、例えば、塩化、臭化およびヨウ化のメチル、エチル、プロピルおよびブチル;ジアルキル硫酸塩、例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸塩、長鎖ハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化のデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル、ハロゲン化アラルキル、例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル等のかかる剤で四級化し得る。水または油−可溶性または分散性生成物をそれにより得られる。
【0341】
また、本発明の組成物および方法に利用した化合物は、選択的な生物学的特性を高めるために適切な官能性を付加することにより修飾し得る。かかる修飾は、当該技術分野において知られており、所与の生体系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)へ生物学的浸透を増加させ、経口的利用能を増加させ、注射による投与を可能にするように溶解度を増加させ、代謝を改変し、排泄速度を改変するものを含む。
【0342】
これらの組成物に用いてもよい医薬上許容される担体は、限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含む。
【0343】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の組成物は哺乳動物への医薬投与のために製剤化される。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の組成物はヒトへの医薬投与のために製剤化される。
【0344】
本発明のかかる医薬組成物は、経口的、非経口、吸入噴霧により、局所的、直腸的、経鼻的、口腔的、経膣的または埋込リザーバー(implanted reservoir)を介して投与し得る。本明細書に用いた「非経口」とは、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内(intrasternal)、髄腔内、肝臓内で、病巣内、および頭蓋内の注射または注入技術を含む。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、組成物は経口的または静脈内投与される。
【0345】
本発明の組成物の無菌注射剤形態は水性または油性の懸濁液で有り得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる当該技術分野において知られた技術により製剤化し得る。また、無菌注射剤調製は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒における無菌注射剤溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオールにおける溶液として有り得る。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒では、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌性不揮発性油は、通常、溶媒または懸濁媒として使用される。この目的のために、無菌性不揮発性油は、合成のモノ−またはジ−グリセリドを含めて使用し得る。オレイン酸のごとき脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、注射剤の調製において有用であり、オリーブオイルまたはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチレン化バージョンにおいてのごとき天然の医薬上許容される油で有り得る。また、これらの油溶液または懸濁液は、乳剤および懸濁液を含めた医薬上許容される投与形態の処方中で一般に用いられるカルボキシメチルセルロースまたは類似する分散剤のごとき長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。また、医薬上許容される固体、液体または他の投与形態に用いられる他の一般的に用られツイーン(Tween)、スパン(Span)のごとき界面活性剤、および他の乳化剤または生物学的利用能エンハンサーを、処方目的で用いてもよい。
【0346】
本明細書に記載したプロテアーゼ阻害物質化合物の1日当たり約0.01〜約100mg/kg体重の投与量レベルは、抗ウイルス性、特に、抗HCV媒介疾患の予防および治療のための単剤治療において有用である。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本明細書に記載したプロテアーゼ阻害物質化合物の1日当たり約0.5〜約75mg/kg体重の投与量レベルは、抗ウイルス性、特に、抗HCV媒介疾患の予防および治療のための単剤治療において有用である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日当たり約1〜約5回、あるいは連続的注入として投与されるであろう。かかる投与は慢性または急性の処置として用いることができる。単一投薬形態を生成するために担体物質と組み合わせてもよい有効成分の量は処置される宿主および投与の特定の様式に依存して変化するであろう。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有するであろう。もう一つのかかる製剤は約20%〜約80%の活性化合物を含むであろう。
【0347】
本発明の組成物が式Iの化合物およびさらなる1以上の治療または予防剤の組合せを含む場合、その化合物およびさらなる剤の双方は、単一投与において通常投与される投与量の約10〜100%の間の投与量レベルにて存在するであろう。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の組成物は、式Iの化合物およびさらなる1以上の治療または予防剤の組合せを含み、その化合物の双方は、単一投与において通常投与される投与量の約10〜80%の間の投与量レベルにて存在するであろう。
【0348】
本発明の医薬組成物は、限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含めたいずれの経口的に許容される投薬形態でも経口投与し得る。
経口的使用のための錠剤の場合、一般に用いられる担体はラクトースおよびコーンスターチを含む。また、ステアリン酸マグネシウムのごとき滑沢剤が典型的に加えられる。カプセル形態での経口投与については、有用な希釈剤はラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液が経口的使用に必要な場合、有効成分は乳化および懸濁化剤と組み合わせる。また、必要に応じて、ある種の甘味剤、矯味剤または着色剤を添加してもよい。
【0349】
あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与用の坐薬の形態にて投与し得る。これらは、非刺激の賦形剤とその剤を混合して調製でき、その賦形剤は、直腸温にて液体だか、室温で固体であり、従って、直腸において溶けて薬物を放出するであろう。かかる物質はカカオ脂、みつろうおよびポリエチレングリコールを含む。
【0350】
また、本発明の医薬組成物は、特に、治療の標的が、眼、皮膚または下部腸管の疾患を含めた局所適用によって容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合、局所投与し得る。適当な局所的製剤は、これらの領域または器官の各々につき容易に調製される。
【0351】
下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(前記参照)、または適当な浣腸製剤で達成し得る。また、局所経皮性貼付剤を用いてもよい。
【0352】
局所適用では、医薬組成物は、1以上の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含む適当な軟膏中で製剤化し得る。本発明の化合物の局所投与用の担体は、限定されるものではないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水を含む。あるいは、医薬組成物は、1以上の医薬上許容される担体中で懸濁または溶解された活性成分を含む、適当なローション剤またはクリーム中で製剤化し得る。適当な担体は、限定されるものではないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含む。
【0353】
眼科使用については、医薬組成物は、塩化ベンジルアルコニウムのごとき保存剤の有無のいずれかでの、等張性のpH調節した無菌セーライン中の微紛化懸濁剤として、または等張性のpH調節した無菌セーライン中の溶液として製剤化し得る。あるいは、眼科使用については、医薬組成物はワセリンのごとき軟膏中で製剤化し得る。
【0354】
また、本発明の医薬組成物は、鼻のエアロゾルまたは吸入により投与し得る。かかる組成物は、医薬製剤技術においてよく知れた技術により調製され、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、生物学的利用能を増強する吸収促進剤、フッ化炭化および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、セーライン中の溶液として、調製され得る。
【0355】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、医薬組成物は経口投与のために製剤化される。
【0356】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の組成物は、もう一つの抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を含む。かかる抗ウイルス剤は、限定されるものではないが、α、βおよびγ−インターフェロン化合物、PEG誘導体化インターフェロン−α化合物およびサイモシンのごとき免疫調節剤;リバビリン、アマンタジンおよびテルビブジンのごとき他の抗ウイルス剤;C型肝炎プロテアーゼの他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害剤を含めたHCV生活環における他の標的の阻害剤;内部リボソームエントリー(internal ribosome entry)阻害剤;IMPDH阻害剤のごとき広域スペクトルのウイルス阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号、第6,498,178号、第6,344,465号、第6,054,472号、WO97/40028、WO98/40381、WO00/56331の化合物、ならびにミコフェノール酸およびその誘導体、限定されるものではないが、VX−497、VX−148および/またはVX−944を含む);あるいは前記のいずれかの組合せを含む。W. Marklandら, Antimicrobial & Antiviral Chemotherapy, 44, p. 859 (2000)および米国特許第6,541,496号を参照されたし。
【0357】
【化109】

【0358】
以下の定義は、(本出願の出願日の時点で入手できる製品を指す商標を用いて)本明細書に用いられる。
【0359】
「peg−イントロン」は、Schering Corporation, Kenilworth, NJ から入手できるペグインターフェロン アルファ−2bのPEG−Intronを意味し;
【0360】
「イントロン」は、Schering Corporation, Kenilworth, NJ から入手できるインターフェロンアルファ−2bのIntron-Aを意味し;
【0361】
「リバビリン」は、ICN Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CAから入手でき;メルクインデックス第12版 エントリー8365中に記載され;Schering Corporation, Kenilworth, NJからのRebetolまたはHoffmann-La Roche, Nutley, NJからのCopegusとしても入手できるリバビリン (1−ベータ−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドを意味し;
【0362】
「パガシイス(Pagasys)」は、Hoffmann-La Roche, Nutley, NJから入手できるペグインターフェロンアルファ−2aのPegasysを意味し;
【0363】
「ロフェロン」は、Hoffmann-La Roche, Nutley, NJから入手できるインターフェロンアルファ−2aのRoferonを意味し;
【0364】
「ベレフォル(Berefor)」は、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CTから入手できるインターフェロンアルファ2のBereforを意味し;
【0365】
スミフェロン、日本の住友から利用できるスミフェロンのごとき天然αインターフェロンの精製混合物;
【0366】
ウエルフェロン(Wellferon)、Glaxo_Wellcome LTd., Great Britainから入手できるインターフェロン・アルファn1;
【0367】
アルフェロン(Alferon)、Interferon Sciences により製造され、Purdue Frederick Co., CT から入手できる天然インターフェロンの混合物;
【0368】
本明細書に用いた「インターフェロン」なる用語は、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータまたはインターフェロンガンマのごとき、ウイルスの複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答を調整する高度に相同性の種特異的な蛋白質のファミリーのメンバーを意味する。メルクインデックス第12版、エントリー5015。
【0369】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、インターフェロンはα−インターフェロンである。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の治療上の組合せは天然のアルファインターフェロン2aを利用する。あるいは、本発明の治療上の組合せは天然のアルファインターフェロン2bを利用する。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の治療上の組合せは組み換えアルファインターフェロン2aまたは2bを利用する。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、インターフェロンはPEG化されたアルファインターフェロン2aまたは2bである。本発明に適したインターフェロンは、以下を含む:
(a) イントロン(インターフェロンアルファ2B、Schering Plough )、
(b) Peg−イントロン、
(c) ぺガシイス、
(d) ロフェロン、
(e) ベレフォル、
(f) スミフェロン、
(g) ウエルフェロン、
(h) Amgen, Inc., Newbury Park, CAから入手できるコンセンサスアルファインターフェロン、
(i) アルフェロン;
(j) ビラフェロン(Viraferon);
(k) インフェルゲン(Infergen)。
【0370】
熟練した実践者によって認識されるように、プロテアーゼ阻害剤は好ましくは経口投与されるであろう。インターフェロンは典型的に経口投与されない。しかしながら、本発明の方法や組合せをいずれかの特定の投与形態または政権に制限するものは何もない。かくして、本発明による組合せの各成分は、別々に、共にまたはそのいずれかの組合せで投与し得る。
【0371】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、プロテアーゼ阻害剤およびインターフェロンは別個の投与形態で投与される。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、いずれのさらなる剤も、プロテアーゼ阻害剤との単一の投薬形態の一部として、または別個の投薬形態として投与される。本発明が化合物の組合せを含むので、各化合物の具体的な量は、その組合せにおける相互の化合物の具体的な量に依存し得る。熟練した実践者によって認識されるように、インターフェロンの投与量は、典型的にはIUで測定される(例えば、約400万IU〜約1200万IU)。
【0372】
従って、本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい剤(免疫調節剤または他のものとして作用する)は、限定されるものではないが、インターフェロンアルファ2b(イントロンA、Schering Plough);Rebatron (Schering Plough、インターフェロンアルファ2b+リバビリン);PEG化されたインターフェロンアルファ (Reddy, K.R.ら 「Efficacy and Safety of Pegylated (40-kd) interferon alpha-2a compared with interferon alpha-2a in noncirrhotic patients with chronic hepatitis C (Hepatology, 33, pp. 433-438 (2001); コンセンサス・インターフェロン(Kao, J.H.,ら, 「Efficacy of Consensus Interferon in the Treatement of Chronic Hepatitis」 J. Gastroenterol. Hepatol. 15, pp. 1418-1423 (2000), インターフェロン−アルファ 2A (Roferon A; Roche), リンパ芽球のまたは「天然の」インターフェロン; インターフェロンタウ(Clayette, P.ら, 「IFN-tau, A New Interferon Type I with Antiretroviral activity」 Pathol. Biol. (Paris) 47, pp. 553-559 (1999);インターロイキン2 (Davis, G.L.ら, 「Future Options for the Management of Hepatitis C.」 Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999); インターロイキン6 (Davisら 「Future Options for the Management of Hepatitis C.」 Seminars in Liver Disease 19, pp. 103-112 (1999); インターロイキン12(Davis, G.L.ら, 「Future Options for the Management of Hepatitis C.」 Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999); リバビリン;およびタイプ1ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物(Davisら, 「Future Options for the Management of Hepatitis C.」 Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999)を含む。インターフェロンは、直接的な抗ウイルス性効果を発揮し、および/または感染に対する免疫応答の変調によりウイルス感染を改善し得る。インターフェロンの抗ウイルス性効果は、しばしばウイルスの侵入または脱外被の阻害、ウイルスRNAの合成、ウイルス蛋白質の翻訳および/またはウイルスアセンブリーの合成および放出を介して媒介する。
【0373】
細胞中のインターフェロンの合成を刺激する化合物(Tazulakhova, E.B.ら, 「Russian Experience in Screening, analysis, and Clinical Application of Novel Interferon Inducers」 J. Interferon Cytokine Res., 21 pp. 65-73)は、限定されるものではないが、単独、またはトブラマイシン、およびイミキモド(Imiquimod) (3M Pharmaceuticals; Sauder, D.N. 「Immunomodulatory and Pharmacologic Properties of Imiquimod」J. Am. Acad. Dermatol., 43 pp. S6-11 (2000)と組み合わせた二本鎖RNAを含む。
【0374】
他の非免疫調節または免疫調節化合物は、限定されるものではないが、ここに出典明示して本明細書の一部とみなすWO02/18369(例えば、第273頁第9−22行、第274頁第4行〜第276頁第11行参照)に特定されたものを含めた本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい。
【0375】
また、本発明は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤を投与することを含み得る。CYP阻害剤は、CYPにより阻害される化合物の肝臓濃度を増加させる、および/または血中濃度を増加させるのに有用で有り得る。
【0376】
本発明の具体例がCYP阻害剤を含むならば、関連するNS3/4Aプロテアーゼのファルマコキネティクスを改善するいずれのCYP阻害剤も、本発明の方法に用いてもよい。これらのCYP阻害剤は、限定されるものではないが、リトナビル(WO94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルキセチン、ナファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、またVX−497を含む。好ましいCYP阻害剤は、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリンおよびクロメチアゾールを含む。リトナビルの好ましい投薬形態については、米国特許6,037,157号、およびその中の引用文献:米国特許5,484,801号、米国出願第08/402,690号ならびに国際出願WO95/07696およびWO95/09614を参照されたし。
【0377】
チトクロムP50モノオキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定する方法は知られている(米国特許第6,037,157号、Drug Metabolism & Disposition, vol. 21, pp. 403-407 (1993)参照)。
【0378】
患者の状態の改善に際して、必要ならば、本発明の化合物、組成物または組合せの維持量は投与し得る。引き続いて、投与量または投与頻度、またはその双方は、症状の関数として、症状が所望のレベルに緩和された場合の改善された条件が保持されるレベルに低下でき、処置は終わるべきである。しかしながら、患者は疾患症状のいずれかの再発で長期的に間欠性の治療を必要とし得る。
【0379】
また、いずれかの特定の患者についての特定の投与量および治療計画が、使用された特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、排泄速度、薬物の組合せおよび処置する医師の判断、ならびに治療される特定の疾患の重篤度を含めた種々の要因に依存するであろうことを理解すべきであろう。また、有効成分の量は、特定の記載された化合物および、その組成物におけるさらなる抗ウイルス剤の存在または不存在および性質に依存するであろう。
【0380】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、患者に本発明の医薬上許容される組成物を投与することにより、ウイルスの生活環に必要であるウイルス的にコード化されたセリンプロテアーゼにより特徴付けられたウイルスに感染した患者を治療するための方法が提供される。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、その方法を用いて、HCV感染に苦しむ患者を治療する。かかる処置は完全にウイルス感染を根絶し得るか、またはその重篤度を低下させ得る。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、患者はヒトである。
【0381】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、前記患者に抗HCV剤のごとき抗ウイルス剤を投与する工程を含む方法がさらに提供される。かかる抗ウイルス剤は、限定されるものではないが、α、βおよびγ−インターフェロンのごとき免疫調節剤、PEG化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびサイモシン;リバビリン、アマンタジンおよびテルビブジンのごとき他の抗ウイルス剤;C型肝炎プロテアーゼの他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);限定されるものではないが、ヘリカーゼおよびポリメラーゼの阻害剤を含めたHCV生活環における他の標的の阻害剤;内部リボソームエントリーの阻害剤;IMPDH阻害剤のごとき広域スペクトルウイルス阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号および第6,498,178号に開示されたVX−497および他のIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸およびその誘導体);リトナビルのごときシトクロムP450の阻害剤または前記のいずれかの組合せを含む。
【0382】
かかるさらなる剤は、本発明の化合物およびさらなる抗ウイルス剤の双方を含む単一投薬形態の一部として前記患者に投与し得る。あるいは、さらなる剤は、複数投薬形態の一部として、本発明の化合物とは別々に投与でき、ここに、前記のさらなる剤は本発明の化合物を含む組成物に先立ち、一緒にまたは後に投与される。
【0383】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明は、生体物質と、本発明の化合物を含む医薬上許容される組成物とを接触させる工程を含む、患者への投与を意図した生体物質を予め処理する方法を提供する。かかる生体物質は、限定されるものではないが、血漿、血小板、血球の亜集団等のごとき血液および成分;腎臓、肝臓、心臓、肺等のごとき器官;精子および卵子;骨髄およびその成分、ならびにセーライン、デキストロース等のごとき患者に注入される他の流体を含む。
【0384】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、その生活環に必要なウイルス的にコード化されたセリンプロテアーゼによって特徴付けられたウイルスと潜在的に接触してもよい物質を処理する方法が提供される。この方法は、前記物質と本発明による化合物とを接触させる工程を含む。かかる物質は、限定されるものではないが、手術用器具および衣服(例えば、衣服、グローブ、エプロン、ガウン、マスク、眼鏡、フットウェアなど);実験器具および衣服(例えば、衣服、グローブ、エプロン、ガウン、マスク、眼鏡、フットウェアなど);血液採取装置および物質;およびシャント、ステント等のごとき侵襲性デバイスを含む。
【0385】
本発明のいずれかの具体例の他の形態において、本発明の化合物は、ウイルス的にコード化されたセリンプロテアーゼの単離を援助する実験ツールとして用いられてもよい。この方法は、固体支持体に付けられた本発明の化合物を提供し;前記プロテアーゼと、該プロテアーゼが前記固体支持体に結合するのを可能とする条件下で、ウイルスのセリンプロテアーゼを含む試料とを接触させ;次いで、前記固体支持体から前記セリンプロテアーゼを溶出する工程を含む。本発明のいずれかの具体例の他の形態において、この方法により単離されたウイルスのセリンプロテアーゼはHCV NS3−NS4Aプロテアーゼである。
【0386】
本発明がより十分に理解されるために、次の分取用およびテスト用の実施例を記載する。これらの実施例は例示の目的のみのためにあり、何ら本発明の範囲の制限として解釈されるものではない。
【0387】
実施例
H−NMRスペクトルは、Bruker AMX 500装置を用いて、500MHzで記録した。質量分析試料は、エレクトロスプレーイオン化での単一MSのモードで操作するMicroMass ZQまたはQuattro II質量分析計で分析した。試料はフローインジェクション(FIA)またはクロマトグラフィーを用いて、質量分析計に導入した。すべての質量分析用移動相は、モディファイアーとして、0.2%のギ酸を含むアセトニトリル−水混合物よりなった。
【0388】
本明細書に用いた「Rt(分間)」なる用語は、化合物に関連して、分単位でのHPLC保持時間をいう。記載されたHPLC保持時間は、質量分析データから得られたか、または下記方法を用いて得られたかのいずれかであった:
装置:Hewlett Packard HP−1050;
カラム:YMC C18;(カタログNo.326289C46)
勾配/勾配時間:9分間にわたる10−90%CHCN/HO、次いで、2分間の100%CHCN;
流速:0.8ml/分;
検出波長:215nMおよび245nM。
【0389】
本明細書の選択された化合物についての命名は、CambridgeSoft Corporations ChemDraw Ultra, version 7.0.1により提供された命名プログラムを用いて行った。
【0390】
実施例1:
3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸エチルエステル塩酸塩(14)の調製
エタノール(50mL)中のHarbeson, S.ら 、J. Med. Chem. 37, 18, pp. 2918-2929 (1994) の手順により調製したカルボン酸9(4.5g、24.5モル)の溶液に、酢酸エチル中の6mLの飽和塩酸の後、触媒量の濃硫酸を添加した。その反応は、周囲温度で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を真空下で乾燥した。アミノ酸をTLC分析に基づきアミノエステルに完全に変換した。その生成物をさらなる精製なくして用いた。
【0391】
実施例2:
3−{[1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボニル]−アミノ}−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸エチルエステル(32)の調製
ジクロロメタン−ジメチルホルムアミドの1:1混合物 (100ml)を付加した乾燥したフラスコ中に1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸32a(2.0g、4.28モル)、PyBOP(2.5g、4.7mmol)およびN−メチルモルホリン(2.4ml、21.4mmol)を入れ、窒素雰囲気下にその反応物を置いた。100mLのさらなる漏斗中に、ジクロロメタン−ジメチルホルムアミドの1:1混合物(10mL)中のアミン14(1.0g、4.7モル)およびN−メチルモルホリン(0.60mL、5.35mmol)の溶液を入れた。その反応物を0℃に冷却し、温度を0℃に維持しつつ、そのアミンを添加した。その反応は周囲温度に暖まなるのを可能とし、それを一晩撹拌した。HPLC分析は、反応が完了すること示し、次いで、反応を水で500mLに希釈した。撹拌後、その沈殿物を濾過し、乾燥して、、ベージュ色の固体として2.4g(82%収率)の32を得た。この物質をさらなる精製なくして次工程に用いた。HPLC:RT、5.66分間(7分間にわたる10−90%アセトニトリル−水);LC/MS:保持時間3.94分間(5分間にわたる10−90%アセトニトリル−水);M+H=685.5。
【0392】
実施例3:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 [1−(N'−メチル−N'−フェニル−ヒドラジノオキサリル)−ブチル]アミド(6) の調製:
【0393】
DMA(1mL)中の酸33(100mg、0.152モル)の溶液に、PyBrop(110mg、0.213モル)、N−メチルモルホリン(250μL、0.2.27モル)およびN−メチル−N−フェニル−ヒドラジン(122mg、1.0モル)を添加し、出発した酸がHPLC分析によって消費されるまで、その反応物を撹拌した。その反応物を水で希釈し、次いで、生成物を溶液から沈殿させた。固体を濾過し、乾燥させて、一致した質量分析データ(M+H=761)を持つ70mg(60%)の36を得た。この物質をさらなる精製なくして用いた。
【0394】
CHCl(2mL)中のヒドロキシ−ヒドラジド36(70mg、0.092モル)の溶液に、デスマーチン・ペルヨージナン(100mg、0.236mmol)および100μLのtert−ブチルアルコールを添加し、反応物をRTにて1時間撹拌した。溶媒は除去し、物質を50%EtOAc−ヘキサンでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色ガラスとして生成物を得た。その物質を50%アセトニトリル−水に溶解し、凍結乾燥して、23mgの6を無色固体として得た。一致した質量分析データ(LC/MS;RT=4.30分間、7分間にわたる10−90%アセトニトリル−水;M+H=759.1)。
【0395】
また、化合物7および8を、化合物6についての前記の手順により調製した。
【0396】
実施例4:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−フェノキシアミノオキサリル−ブチル)−アミド(5)の調製
DMA(1mL)中の酸33(200mg、0.304モル)の溶液に、PyBrop(200mg、0.43モル)、N−メチルモルホリン(400μL、3.62モル)およびo−フェニルヒドロキシルアミン(100mg、0.682モル)を添加し、出発した酸がHPLC分析によって消費されるまで、その反応物を撹拌した。その反応物を水で希釈し、生成物をその溶液から沈殿させた。固体を濾過および乾燥させて、78mg(34%)の34を得、それをいずれのさらなる精製なくして次工程に用いた。
【0397】
CHCl(2mL)中のヒドロキシ−アミド34(78mg、0.10モル)の溶液に、デスマーチン・ペルヨージナン(68mg、0.16mmol)および100μLのtert−ブチルアルコールを添加し、反応物をRTにて1時間撹拌した。溶媒を除去し、その物質をシリカゲル(5%イソプロパノール−EtOAc)での分取用薄層クロマトグラフィーにより精製して、無色ガラスとして5.8mg(6%)の5を得た。一致した質量分析データ(LC/MS;RT=4.50分間(7分間にわたる10−90%アセトニトリル−水);M+H=746.1)。
【0398】
また、化合物5についての前記の手順より化合物1〜4を調製した。
【0399】
実施例5:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−イソブトキシアミノオキサリル−ブチル)−アミド(1)の調製
この化合物は、反応図式1、2、4および21に記載した手順と同様のものを用いて調製した。その生成物は一致した質量分析データ(LC/MS;保持時間=4.2、M+H=726を観察)を持つ固体として単離した。
【0400】
実施例6:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−tert−ブトキシアミノオキサリル−ブチル)−アミド(2)の調製
この化合物は、反応図式1、2、4および21に記載した手順と同様のものを用いて調製した。生成物は一致した質量分析データ(LC/MS; 保持時間=4.1、M+H=726.3を観察)を持つ固体として単離した。
【0401】
実施例7:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−ベンジルブトキシアミノオキサリル−ブチル)−アミド(3)の調製
この化合物は、反応図式1、2、4および21に記載した手順と同様のものを用いて調製した。
生成物は一致した質量分析データ(LC/MS; 保持時間=4.2、M+H=760を観察)を持つ固体として単離した。
【0402】
実施例8:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−アリルオキシアミノオキサリル−ブチル)−アミド(4)の調製
この化合物は、反応図式1、2、4および21に記載した手順と同様のものを用いて調製した。生成物は一致した質量分析データ(LC/MS;保持時間=3.8、M+H=710を観察)を持つ固体として単離した。
【0403】
実施例9:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 [1−(モルホリン−4−イルアミノオキサリル−ブチル]―アミド(7)の調製
この化合物は、反応図式1、2、3および22に記載した手順と同様のものを用いて調製した。生成物は、一致した質量分析データ(LC/MS;保持時間=3.7、M+H=739.4を観察)を持つ無色の固体として単離した。
【0404】
実施例10:
1−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)―オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 [1−(N',N'−ジベンジル−ヒドラジノオキサリル−ブチル]アミド(8)の調製
この化合物は、反応図式1、2、3および22に記載した手順と同様のものを用いて調製した。生成物は、一致した質量分析データ(LC/MS;保持時間=4.94、M+H=849を観察)を持つ無色の固体として単離した。
【0405】
実施例11:
HCV Kiアッセイプロトコール:
5AB基質および生成物の分離のためのHPLC Microbore方法
基質:
NH2-Glu-Asp-Val-Val-(アルファ)Abu-Cys-Ser-Met-Ser-Tyr-COOH
【0406】
20mM 5AB(または選択濃度)の保存溶液をDMSO w/0.2M DTT中で作成した。これを−20℃にてアリコートで貯蔵した。
緩衝液:50mM HEPES、pH7.8;20%グリセロール;100mM NaCl
合計アッセイ容量は100μLであった。
【0407】
【表1】

【0408】
緩衝液、KK4A、DTTおよびtNS3を組み合わせた;78μLを各々96ウェルに分配した。これを30℃にて約5〜10分間インキュベートした。
2.5μLの適当な濃度の試験化合物をDMSO(対照についてはDMSOだけ)に溶解し、各ウェルに添加した。これを室温にて15分間インキュベートした。
【0409】
20μLの250μM 5AB基質の添加により反応開始(25μM濃度は、5ABについてのKmに等価であるか、またはそれよりわずかに低い)。
30℃での20分間のインキュベーション。
25μLの10%TFAの添加による反応の終了。
10μLアリコートをHPLCバイアルへの移動。
【0410】
下記方法による基質およびKK4AからのSMSY生成物の分離:
マイクロボア(Microbore)分離法:
計測器:Agilent 1100
脱ガス剤 G1322A
二重ポンプ G1312A
オートサンプラー G1313A
カラム恒温室 G1316A
ダイオードアレー検出器 G1315A
カラム:
Phenomenex Jupiter;5ミクロンC18;300オングストローム;150×2 mm;P/O 00F−4053−B0
カラムサーモスタット:40℃
注入容量:100μL
溶媒A=HPLC等級水+0.1% TFA
溶媒B=HPLC等級アセトニトリル+0.1%TFA
【0411】
【表2】

【0412】
停止時間:17分
試行後時間:10分.
【0413】
以下の表1は、本発明のある化合物についてのKiを示す。1.5μM未満のKiを持つ化合物をAで表す。1.5μM〜3μMの範囲のKiを持つ化合物をBで表す。3μMを超えるKiを持つ化合物をCで表す。
【0414】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[zは0または1;
Vは−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−または−S(O)−;
Rは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−または結合;
Tは:
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)ヘテロアリール、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族;
ここに、T中の3個以下の脂肪族炭素原子は、所望により、化学的に安定な配置にて、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−、または−N(H)−で置換されていてもよく;
各Tは、所望により3個以下のJ置換基で置換されていてもよく;
Jはハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')、ここに;
2つのR'基はそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は、所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキルまたは(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は、所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;
各R'は、独立して以下から選択され:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
ここに、R'は、所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換され;
はハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR');あるいは
Tは:
【化2】

{式中:
10は:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族;
Kは結合、(C1−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−、ここに、Rは水素または(C1−C12)−脂肪族;
nは1〜3である};または
Tは N(R17
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;
Wは:
【化3】

(式中:
Eは、N(R17)または結合から選択され;
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環のまたは8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい);
およびR' は独立して以下であり:
水素
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール,
ここに、(C1−C12)−脂肪族における水素は所望によりハロゲンで置換されていてもよく;
いずれの末端炭素原子も所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換され;および
2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;
いずれの環も所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換され;および
該ヘテロアリール環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;または
およびR'はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2個以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;
該環は所望によりJから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;
(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'は独立して以下であり:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
ここに、R(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'の各々は、独立しかつ所望により、Jから独立して選択された3個までの置換基で置換されていてもよく;
いずれの環も所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;
(存在するならば)、R'(存在するならば)、R11、R11'、R13およびR13'の各々における3個以下の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にて、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;または
およびR'(双方が存在するならば)はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2個以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;ここに、該環系は所望により、Jから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11およびR11'はそれらに結合する原子と一緒になって、所望により、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環を形成し;ここに、該環は所望により、Jから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;または
13およびR13'はそれらに結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択された2以下のヘテロ原子を有する3〜6−員環であり;ここに、該環は所望によりJから独立して選択された2個以下の置換基で置換されていてもよく;
、R、R(存在するならば)およびR12は独立して
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
であり
各々のR、R、R(存在するならば)およびR12は、独立しかつ所望により、Jから独立して選択された3個までの置換基で置換されていてもよく;
、R、R(存在するならば)およびR12中の2個以下の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよく;または
11およびR12はそれらに結合する原子と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
12およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、4〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、5〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
11、R12およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
13'およびRはそれらに結合する原子と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;または
およびR13はそれらに結合する原子と一緒になって、18〜23−員の単環の、19〜24−員の二環の、または20〜25−員の三環の炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望によりJから独立して選択された6個以下の置換基で置換されていてもよく;または
(存在するならば)およびR12はそれらに結合する原子と一緒になって18〜23−員の単環の、19〜24−員の二環の、または20〜25−員の三環の 炭素環系または複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望によりJから独立して選択された6個以下の置換基で置換されていてもよい]で表される化合物もしくはその医薬上許容される塩またはそれらの混合物。
【請求項2】
zが1である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
11がH;および
12が、
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル,
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル.
である請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
12がイソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジルまたはフェニルエチルである請求項3記載の化合物。
【請求項5】
11が、
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;および
12はHである請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項6】

【化4】

基が、
【化5】

[式中、Jは、請求項1の定義に同じ]
である請求項1または2記載の化合物。
【請求項7】

【化6】

基が、
【化7】

である請求項6記載の化合物。
【請求項8】

【化8】

基が、
【化9】

である請求項6記載の化合物。
【請求項9】

【化10】

基が、
【化11】

[式中、nは0または1であって、zおよびz'はSまたはOである]である請求項1または2記載の化合物。
【請求項10】

【化12】

基が、
【化13】

[式中、各Bは独立して、3〜20−員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SOまたはSO
二環および三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項1または2記載の化合物。
【請求項11】

【化14】

基が、
【化15】

である請求項10記載の化合物。
【請求項12】

【化16】

基が、
【化17】

【化18】

である請求項10記載の化合物。
【請求項13】

【化19】

基が、
【化20】

である請求項10記載の化合物。
【請求項14】

【化21】

基が、
【化22】

である請求項10記載の化合物。
【請求項15】

【化23】

基が、
【化24】

である請求項10記載の化合物。
【請求項16】

【化25】

基が、
【化26】

である請求項15記載の化合物。
【請求項17】

【化27】

基が、
【化28】

である請求項16記載の化合物。
【請求項18】

【化29】

基が、
【化30】

[式中、各Bは独立して、3〜20−員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SO、またはSO
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項19】

【化31】

基が、
【化32】

である請求項18記載の化合物。
【請求項20】

【化33】

基が、
【化34】

である請求項18記載の化合物。
【請求項21】

【化35】

基が、
【化36】

である請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項22】

【化37】

基が、
【化38】

[式中、R11は請求項1の定義に同じ;
Bは4〜20−員の炭素環系または複素環系を形成し;
各B環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
複素環系中の各ヘテロ原子はN、NH、O、S、SOまたはSO
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;
該炭素環系または複素環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項23】

【化39】

基が、
【化40】

[式中、R11は請求項1の定義に同じ]である請求項22記載の化合物。
【請求項24】
11およびR12が、それらに結合する原子と一緒になって、6〜10−員の単環または二環の炭素環系または複素環系を形成し;
該複素環系中の各ヘテロ原子が、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;および
各環が所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項25】
およびRが、
【化41】

である請求項1〜24いずれか1記載の化合物。
【請求項26】
5’がHであって、Rが所望により1〜3個のフルオロ基もしくは1個の−SH基で置換されていてもよい(C1−C6)−脂肪族であるか、またはRが(C6−C10)−アリールである請求項1〜24いずれか1記載の化合物。
【請求項27】
(C1−C6)―脂肪族が、1〜3個のフルオロ基で置換された請求項26記載の化合物。
【請求項28】
およびR5’が独立して、水素または:
【化42】

である請求項26記載の化合物。
【請求項29】
13’が水素であって、R13が:
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
ここに、R13は所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;および
13における3個以下の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にて、O、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよい請求項1〜28いずれか1記載の化合物。
【請求項30】
13’が水素であって、R13が:
【化43】

である請求項29記載の化合物。
【請求項31】
1’が、存在するならば、水素であって、Rが、存在するならば:
(C1−C6)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル,
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
ここに、Rは所望によりJから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよく;およびRにおける3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置にて、O、NH、S、SO、またはSOから選択されたヘテロ原子により置換されていてもよい請求項1〜30いずれか1記載の化合物。
【請求項32】
1’が、存在するならば、水素であって、Rが存在するならば:
【化44】

である請求項31記載の化合物。
【請求項33】
Tが、(C5−C10)ヘテロアリールであり、ここに、Tは所望により3個以下のJ置換基で置換されていてもよい請求項1〜32いずれか1記載の化合物。
【請求項34】
Tが、
【化45】

である請求項33記載の化合物。
【請求項35】
Tが、
【化46】

である請求項1〜32のいずれか1記載の化合物。
【請求項36】
Tが、
【化47】

である請求項35記載の化合物。
【請求項37】
Tが、NH、−NH、−OHおよび−SHから選択された少なくとも1つの水素結合供与部分を含む請求項1〜32のいずれか1記載の化合物。
【請求項38】
Tが、
【化48】

[式中、Tは、所望により4個までのJ置換基で置換されていてもよく、
Zは独立してO、S、NR10、C(R10)である;
nは独立して1または2;および
【化49】

は、独立して単結合または二重結合である]である請求項37記載の化合物。
【請求項39】
Tが、
【化50】

[式中、Tは、所望により4個までのJ置換基で置換されていてもよく、
Zは独立してO、S、NR10、C(R10) 、SO、SO
nは独立して1または2;および
【化51】

は、独立して単結合または二重結合である]である請求項38記載の化合物。
【請求項40】
Tが、
【化52】

[式中、Tは、所望により4個までのJ置換基で置換されていてもよく、
Zは独立してO、S、NR10、C(R10) 、SO、SOである]である請求項39記載の化合物。
【請求項41】
Tが、
【化53】

である請求項40記載の化合物。
【請求項42】
およびRが各々独立して、H、または(C1−C3)―アルキル基であって、Rが、存在するならば、Hまたは(C1−C3)―アルキル基である請求項1〜41のいずれか1記載の化合物。
【請求項43】
およびRが各々Hであり、Rが、存在するならば、Hである請求項42記載の化合物。
【請求項44】
が、存在するならば、水素であり、Vが−C(O)−、およびRが結合である請求項1〜43のいずれか1記載の化合物。
【請求項45】
Wが、
【化54】

[式中、
EはN(R17)または結合から選択され;
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項1〜43のいずれか1記載の化合物。
【請求項46】
Wが、
【化55】

[式中、
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項45記載の化合物。
【請求項47】

Wが、
【化56】

[式中、
各R17は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、または
2つのR17がそれらに結合する窒素と一緒になって、3〜20−員の単環の、8〜20−員の二環もしくは三環の複素環系を形成し;
該二環または三環系において、各環は直線的に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環状であり;
各環は芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SOおよびSOよりなる群から選択され;
各環は所望により、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合していてもよく;および
各環は所望により、Jから独立して選択された3個以下の置換基で置換されていてもよい]である請求項45記載の化合物。
【請求項48】
該化合物が:
【化57】

である請求項1記載の化合物。
【請求項49】
セリンプロテアーゼを阻害するのに有効な量において、請求項1〜48のいずれか1記載の化合物またはその医薬上許容される塩;および許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む医薬組成物。
【請求項50】
該組成物が患者への投与のために製剤化される請求項49記載の医薬組成物。
【請求項51】
該組成物が、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2の阻害剤;HCVライフサイクルにおけるもう一つの標的の阻害剤;およびシトクロムP450阻害剤;またはその組合せから選択された請求項49記載の医薬組成物。
【請求項52】
該免疫調節剤が、α−、β−もしくはγ−インターフェロンまたはサイモシンであり;該抗ウイルス剤がリバビリン、アマンタジンまたはテルビブジン;あるいはHCV生活環におけるもう一つの標的の該阻害剤がHCVヘリカーゼ、ポリメラーゼまたはメタロプロテアーゼである請求項49記載の医薬組成物。
【請求項53】
該シトクロムP450阻害剤がリトナビルである請求項51記載の医薬組成物。
【請求項54】
セリンプロテアーゼと、請求項1〜47のいずれか1記載の化合物とを接触させる工程を含むセリンプロテアーゼの活性を阻害する方法。
【請求項55】
該セリンプロテアーゼが、HCV NS3プロテアーゼである請求項54記載の方法。
【請求項56】
請求項50記載の組成物を患者に投与する工程を含む患者におけるHCV感染を治療する方法。
【請求項57】
免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2の阻害剤;HCV生活環におけるもう一つの標的の阻害剤;およびシトクロムP450阻害剤;またはその組合せから選択されたさらなる剤を患者に投与するさらなる工程を含み、該さらなる剤が、請求項50記載の該組成物の一部としてまたは別個の投薬形態として該患者に投与される請求項56記載の方法。
【請求項58】
該免疫調節剤が、α−、β−もしくはγ−インターフェロンまたはサイモシンであり;該抗ウイルス剤はリバビリン、アマンタジンまたはテルビブジン;あるいはHCV生活環におけるもう一つの標的の該阻害剤がHCVヘリカーゼ、ポリメラーゼまたはメタロプロテアーゼである請求項57記載の方法。
【請求項59】
生物学的試料、または医学装置もしくは実験装置を請求項49記載の組成物と接触させる工程を含む、生物学的試料、または医学装置もしくは実験装置のHCV汚染を消失または低下させる方法。
【請求項60】
該試料または装置が、血液、他の体液、生物学的組織、手術用器具、手術衣、実験器具、実験衣、血液または他の体液採取装置;血液または他の体液貯蔵物質から選択された請求項59記載の方法。
【請求項61】
該体液が、血液である請求項60記載の方法。

【公表番号】特表2008−505849(P2008−505849A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552234(P2006−552234)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003381
【国際公開番号】WO2005/077969
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】