説明

セリンプロテアーゼ、特に、HCVNS3−NS4Aプロテアーゼの阻害剤

【課題】本発明は、セリンプロテアーゼ活性(特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性)を阻害する式Iまたは式Iaの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩に関する。
【解決手段】そういうものとして、それらは、このC型肝炎ウイルスのライフサイクルを妨害することにより作用し、また、抗ウイルス薬として、有用である。本発明は、さらに、半ビボ用途かHCV感染に苦しむ患者に投与するかいずれかのためにこれらの化合物を含有する薬学的組成物、およびこれらの化合物を調製する方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含有する薬学的組成物を投与することにより患者におけるHCV感染を治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、「Inhibitors of Serine Proteases,Particularly HCV NS3−NS4A Protease」の表題の米国仮特許出願第60/488,535号(これは、2003年7月18日に出願され、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)から優先権を主張している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、セリンプロテアーゼ活性(特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性)を阻害する化合物に関する。従って、それらは、このC型肝炎ウイルスのライフサイクルを妨害することにより作用し、また、抗ウイルス薬として、有用である。本発明は、さらに、エクスビボ用途かHCV感染に苦しむ患者に投与するかいずれかのためのこれらの化合物を含有する薬学的組成物に関する。本発明はまた、これらの化合物を調製する方法、および本発明の化合物を含有する薬学的組成物を投与することにより患者におけるHCV感染を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
C型肝炎ウイルス(「HCV」)による感染は、抵抗しがたい(compelling)ヒトの医療問題である。HCVは、非A型肝炎、非B型肝炎のほとんどの症例の原因物質であると認識されており、全世界的なヒト血清罹患率は3%と推定されている[A.Albertiら、「Natural History of Hepatitis C」、J.Hepatology,31.,(補遺1)、17−24ページ(1999)(非特許文献1)]。米国だけで、ほぼ400万の個体が感染され得る[M.J.Alterら、「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States」、Gastroenterol.Clin.North Am.,23,437−455ページ(1994)(非特許文献2);M.J.Alter、「Hepatitis C Virus Infection in the United States」、J.Hepatology,31.,(補遺1)、88−91ページ(1999)(非特許文献3)]。
【0004】
HCVへの最初の曝露の際、感染した個体の約20%のみが急性の臨床的肝炎を発症するが、他の個体はその感染を自然に解消するようである。しかし、実例のほぼ70%において、このウイルスは、数十年間持続する慢性の感染を確立する[S.Iwarson,「The Natural Course of Chronic Hepatitis」、FEMS Microbiology Reviews,14、201−204ページ(1994)(非特許文献4);D.Lavanchy,「Global Surveillance and Control of Hepatitis C」、J.Viral Hepatitis,6,35−47ページ(1999)(非特許文献5)]。これは通常、再発性の、かつ進行性で悪化する肝臓の炎症を生じ、これがしばしばより重症の疾患状態(例えば、肝硬変および肝細胞癌腫)につながる[M.C.Kew、「Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma」、FEMS Microbiology Reviews,14,211−220ページ(1994)(非特許文献6);I.Saitoら、「Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,87,6547−6549ページ(1990)(非特許文献7)]。不幸にも、慢性HCVの進行を緩和するための広範に有効な処置は存在しない。
【0005】
HCVは、FlaviviridaeファミリーのRNAウイルスである。HCVによる急性感染は、一般に軽度の、しばしば無症候の急性肝炎を引き起こす。しかし、HCVに感染された少なくとも85%の患者は、そのウイルスを完全には解消せず、肝臓の慢性的な感染を発症する。一旦慢性C型肝炎が確立されると、そのウイルスの自発的な解消は稀であり、慢性C型肝炎の患者の大部分は、緩如に進行する肝臓疾患を発症する。感染から20年後、ほとんどの患者が進行中の慢性肝炎の証拠を有し、少なくとも20%は肝硬変を有する。慢性C型肝炎の長期的な続発症としては、肝硬変、肝不全、および肝細胞癌腫が挙げられる。HCVは全世界で1億7000万人に感染すると推定される。次の10年間にわたり、現在感染している患者のうちより多くの割合が、その感染の30年目(third decade)に入り、C型肝炎に起因する死者の数は、有意に増加することが予想される。
【0006】
HCV感染の代表的な症状としては、ALT増加、抗HCV抗体に対する陽性試験、HCV−RNAに対する陽性試験により示されるHCVの存在、慢性肝臓疾患の臨床的徴候、または肝細胞損傷が挙げられる。
【0007】
上記HCVのゲノムは、3010−3033アミノ酸のポリタンパク質をコードする[Q.L.Chooら、「Genetic Organization and Diversity of the Hepatitis C Virus.」、Proc. Natl.Acad.Sci.USA,88,2451−2455ページ(1991)(非特許文献8);N.Katoら、「Molecular Cloning of the
Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients with Non−A,Non−B Hepatitis」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,9524−9528ページ(1990)(非特許文献9);A.Takamizawaら、「Structure
and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From Human Carriers」、J.Virol.,65,1105−1113ページ(1991)(非特許文献10)]。上記HCVの非構造的(NS)タンパク質は、ウイルス複製のための必須な触媒機構を提供すると推定される。このNSタンパク質は、上記ポリタンパク質のタンパク質分解性の切断により誘導される[R.Bartenschlagerら、「Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine−Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4 and NS4/5 Junctions」、J.Virol.,67,3835−3844ページ(1993)(非特許文献11);A.Grakouiら、「Characterization of
the Hepatitis C Virus−Encoded Serine Proteinase:Determination of Proteinase−Dependent Polyprotein Cleavage Sites」、J.Virol.67、2832−2843ページ(1993)(非特許文献12);A.Grakouiら、「Expression and Identification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products」、J.Virol.,67,1385−1395ページ(1993)(非特許文献13);L.Tomeiら、「NS3 is a serine protease required for processing of hepatitis C virus polyprotein」、J.Virol.67,4017−402
6ページ(1993)(非特許文献14)]。
【0008】
上記HCV NSタンパク質3(NS3)は、大多数のウイルス酵素のプロセシングを補助するセリンプロテアーゼ活性を有し、それゆえウイルスの複製および感染力に必須であると考えられる。黄熱病ウイルスNS3プロテアーゼにおける変異は、ウイルスの感染力を低下させることが公知である[Chambers,T.J.ら、「Evidence
that the N−terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus
is a Serine Protease Responsible for Site−Specific Cleavages in the Viral Polyprotein」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,8898−8902ページ(1990)(非特許文献15)]。NS3の最初の181アミノ酸(ウイルスポリタンパク質の残基1027−1207)は、HCVポリタンパク質の4つ全ての下流部位をプロセシングするNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが示されている[C.Linら、「Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase:Trans−Cleavage Requirements and Processing Kinetics」、J.Virol.,68,8147−8157ページ(1994)(非特許文献16)]。
【0009】
上記HCV NS3セリンプロテアーゼおよびその関連補助因子であるNS4Aは、ウイルス酵素の全てのプロセシングを補助し、それゆえウイルス複製のために必須であると考えられている。このプロセシングは、ヒト免疫不全ウイルスであるアスパルチルプロテアーゼ(これもまた、ウイルスの酵素のプロセシングに関する)により行われるプロセシングと類似と考えられる。HIVプロテアーゼインヒビター(これは、ウイルスタンパク質のプロセシングを阻害する)は、ヒトにおける強力な抗ウイルス剤であり、ウイルスのライフサイクルのこの段階を中断することが、治療的に活性な薬剤に結果としてつながることを示している。結果的に、HCV NS3セリンプロテアーゼもまた、薬物発見のための魅力的な標的である。
【0010】
さらに、HCVの最近の理解は、いずれの他の満足のいく抗HCV薬剤または処置を導いていない。最近までの、唯一のHCV疾患について確立された療法は、インターフェロン処置である(例えば、PCT出願番号WO 02/18369(特許文献1)(この開示は本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。しかし、インターフェロンは、有意な副作用を有し[M.A.Wlakerら、「Hepatitis C Virus:An Overview of Current Approaches and Progress」、DDT,4,518−529ページ(1999)(非特許文献17);D.Moradpourら、「Current and Evolving Therapies for Hepatitis C」、Eur.J.Gastroenterol.Hepatol.,11,1199−1202ページ(1999)(非特許文献18);H.L.A.Janssenら、「Suicide Associated with Alfa−Interferon Therapy for Chronic Viral Hepatitis」、J.Hepatol.,21,241−243ページ(1994)(非特許文献19);P.F.Renaultら、「Side Effects of Alpha Interferon」、Seminars in Liver Disease,9,273−277ページ(1989)(非特許文献20)]、症例の少数(約25%)のみにおいて、長期的な寛解を誘導する[O.Weiland,「Interferon Therapy in Chronic Hepatitis
C Virus Infection」、FEMS Microbiol.Rev.,14、279−288ページ、(1994)(非特許文献21)]。広範囲の抗ウイルス剤であるリバビリンは、慢性C型肝炎において活性であることが報告されている。インタ
ーフェロンのペグ化形態の最近の導入(PEG−Intron(登録商標)およびPegasys(登録商標))ならびにリバビリンとペグ化インターフェロンとの併用療法(Rebetrol(登録商標))は、寛解の割合においては緩やかな改善のみを生じ、そして副作用においては部分的な減少のみを生じる(例えば、米国特許第6,299,872号(特許文献2)、米国特許第6,387,365号(特許文献3)、米国特許第6,172,046号(特許文献4)、米国特許第6,472,373号(特許文献5)(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。さらに、効果的な抗HCVワクチンについての見通しは、不確定なままである。
【0011】
従って、より効果的な抗HCV療法、プロテアーゼインヒビターとして使用され得る具体的な化合物の必要性が存在する。このようなインヒビターは、プロテアーゼインヒビターとしての(具体的には、セリンプロテアーゼインヒビターとしての、より具体的にはHCV NS3プロテアーゼインヒビターとしての)治療的潜在能力を有する。具体的には、このような化合物は、抗ウイルス剤として(特に、抗HCV剤として)有用であり得る。
【0012】
本発明は、HCV NS3/NS4Aセリンプロテアーゼの強力な結合剤およびインヒビターであり、それゆえ抗HCV剤として有用な化合物を提供する。
【0013】
【特許文献1】PCT出願番号WO 02/18369明細書
【特許文献2】米国特許第6,299,872号明細書
【特許文献3】米国特許第6,387,365号明細書
【特許文献4】米国特許第6,172,046号明細書
【特許文献5】米国特許第6,472,373号明細書
【非特許文献1】A.Albertiら、「Natural History of Hepatitis C」、J.Hepatology,31.,(補遺1)、17−24ページ(1999)
【非特許文献2】M.J.Alterら、「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States」、Gastroenterol.Clin.North Am.,23,437−455ページ(1994)
【非特許文献3】M.J.Alter、「Hepatitis C Virus Infection in the United States」、J.Hepatology,31.,(補遺1)、88−91ページ(1999)
【非特許文献4】S.Iwarson,「The Natural Course of Chronic Hepatitis」、FEMS Microbiology Reviews,14、201−204ページ(1994)
【非特許文献5】D.Lavanchy,「Global Surveillance and Control of Hepatitis C」、J.Viral Hepatitis,6,35−47ページ(1999)
【非特許文献6】M.C.Kew、「Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma」、FEMS Microbiology Reviews,14,211−220ページ(1994)
【非特許文献7】I.Saitoら、「Hepatitis C virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,6547−6549ページ(1990)
【非特許文献8】Q.L.Chooら、「Genetic Organization and Diversity of the Hepatitis C Virus.」、Proc. Natl.Acad.Sci.USA,88,2451−2455ページ(1991)
【非特許文献9】N.Katoら、「Molecular Cloning of the Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients with Non−A,Non−B Hepatitis」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,9524−9528ページ(1990)
【非特許文献10】A.Takamizawaら、「Structure and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From Human Carriers」、J.Virol.,65,1105−1113ページ(1991)
【非特許文献11】R.Bartenschlagerら、「Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine−Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4 and NS4/5 Junctions」、J.Virol.,67,3835−3844ページ(1993)
【非特許文献12】A.Grakouiら、「Characterization of the Hepatitis C Virus−Encoded Serine Proteinase:Determination of Proteinase−Dependent Polyprotein Cleavage Sites」、J.Virol.67、2832−2843ページ(1993)
【非特許文献13】A.Grakouiら、「Expression and Identification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products」、J.Virol.,67,1385−1395ページ(1993)
【非特許文献14】L.Tomeiら、「NS3 is a serine protease required for processing of hepatitis C virus polyprotein」、J.Virol.67,4017−4026ページ(1993)
【非特許文献15】Chambers,T.J.ら、「Evidence that the N−terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus is a Serine Protease Responsible for Site−Specific Cleavages in the Viral Polyprotein」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,8898−8902ページ(1990)
【非特許文献16】C.Linら、「Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase:Trans−Cleavage Requirements and Processing Kinetics」、J.Virol.,68,8147−8157ページ(1994)
【非特許文献17】M.A.Wlakerら、「Hepatitis C Virus:An Overview of Current Approaches and Progress」、DDT,4,518−529ページ(1999)
【非特許文献18】D.Moradpourら、「Current and Evolving Therapies for Hepatitis C」、Eur.J.Gastroenterol.Hepatol.,11,1199−1202ページ(1999)
【非特許文献19】H.L.A.Janssenら、「Suicide Associated with Alfa−Interferon Therapy for Chronic Viral Hepatitis」、J.Hepatol.,21,241−243ページ(1994)
【非特許文献20】P.F.Renaultら、「Side Effects of Alpha Interferon」、Seminars in Liver Disease,9,273−277ページ(1989)
【非特許文献21】O.Weiland,「Interferon Therapy in Chronic Hepatitis C Virus Infection」、FEMS Microbiol.Rev.,14、279−288ページ、(1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0015】
【化1】

ここで:
XおよびX’は、両方共に、フッ素である;または
XおよびX’は、別個に、C(H)、N、NH、OまたはSである;そしてXおよびX’は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員の飽和または部分不飽和環を形成し、該環は、4個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される;ここで、任意の原子は、必要に応じて、単独または複数で、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;ここで、該環は、必要に応じて、第二環と縮合され、該第二環は、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよび(C3〜C10)ヘテロシクリルから選択され、ここで、該第二環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)NR’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)である;
ここで;
R’は、別個に、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−および
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R’中の5個までの原子は、必要に応じて、別個に、Jで置換されている;
ここで、同じ原子に結合した2個のR’基は、3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、3個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択され、ここで、該環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたは(C3〜C10)ヘテロシクリルと縮合され、ここで、任意の環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
YおよびY’は、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−;または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−;
ここで、YおよびY’中の3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOで置き換えられ得る;
ここで、YおよびY’の各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびRは、別個に、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、RおよびR中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
、RおよびRは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R、RおよびR中の2個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOおよびSOから選択される;
ここで、R、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびR5’は、別個に、水素または(C1〜C12)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置き換えられる;ここで、Rの任意の末端炭素原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている;またはRは、Phまたは−CHPhであり、そしてR5’は、Hであり、ここで、該Phまたは−CHPh基は、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;または
およびR5’は、それらが結合する原子と一緒になって、3〜6員の飽和または部分不飽和環であり、該環は、2個までのヘテロ原子せを有し、該ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;ここで、該環は、2個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Wは、以下である:
【0016】
【化2】

ここで、各Rは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−、または
2個のR基は、同じ窒素原子に結合され、その窒素原子と一緒になって、(C3〜C10)−複素環を形成する;
ここで、Rは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
ここで、各Rは、別個に、−OR’である;または該R基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3〜C10)員の複素環であり、該複素環は、該ホウ素に加えて、3個までの追加ヘテロ原子を有し、該追加ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;
Vは、Oまたは原子価結合である;そして
Tは、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−;
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
但し、以下の化合物は、除外される:
a)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステルグリシン;
b)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
c)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
d)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
e)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
f)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステル,グリシン;
g)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
h)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
i)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
j)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
k)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノ
ナン−8−カルボキサミド;
l)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,2−(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
m)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
n)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−グリシン;
o)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
p)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−,1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)−7−(2−プロペニル)エステルグリシン;および
q)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステルグリシン。
【0017】
本発明はまた、上記化合物を調製する方法、上記化合物を含有する組成物、およびそれらの使用に関する。このような組成物は、患者に挿入する侵襲性装置を前処理するのに使用され得、患者に投与する前に生体試料(例えば、血液)を処理するのに使用され得、また、患者への直接投与に使用され得る。各場合において、この組成物は、HCV複製を阻害するのに使用され、また、HCV感染のリスクまたは重症度を少なくするのに使用される。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0019】
【化3】

ここで:
XおよびX’は、両方共に、フッ素である;または
XおよびX’は、別個に、C(H)、N、NH、OまたはSである;そしてXおよびX’は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員の飽和または部分不飽和環を形成し、該環は、4個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される;ここで、任意の原子は、必要に応じて、単独または複数で、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;こ
こで、該環は、必要に応じて、第二環と縮合され、該第二環は、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよび(C3〜C10)ヘテロシクリルから選択され、ここで、該第二環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)NR’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)である;
ここで;
R’は、別個に、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−および
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R’中の5個までの原子は、必要に応じて、別個に、Jで置換されている;
ここで、同じ原子に結合した2個のR’基は、3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、3個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択され、ここで、該環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたは(C3〜C10)ヘテロシクリルと縮合され、ここで、任意の環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
YおよびY’は、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−;または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−;
ここで、YおよびY’中の3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOで置き換えられ得る;
ここで、YおよびY’の各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびRは、別個に、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、RおよびR中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
、RおよびRは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R、RおよびR中の2個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOおよびSOから選択される;
ここで、R、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびR5’は、別個に、水素または(C1〜C12)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置き換えられる;ここで、Rの任意の末端炭素原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている;またはRは、Phまたは−CHPhであり、そしてR5’は、Hであり、ここで、該Phまたは−CHPh基は、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;または
およびR5’は、それらが結合する原子と一緒になって、3〜6員の飽和または部分不飽和環であり、該環は、2個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;ここで、該環は、2個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Wは、以下である:
【0020】
【化4】

ここで、各Rは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−、または
2個のR基は、同じ窒素原子に結合され、その窒素原子と一緒になって、(C3〜C10)−複素環を形成する;
ここで、Rは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
ここで、各Rは、別個に、−OR’である;または該R基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3〜C10)員の複素環であり、該複素環は、該ホウ素に加えて、3個までの追加ヘテロ原子を有し、該追加ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;
Vは、Oまたは原子価結合である;そして
Tは、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−;
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
但し、以下の化合物は、除外される:
a)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステルグリシン;
b)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
c)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
d)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
e)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシン
アミド;
f)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステル,グリシン;
g)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
h)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
i)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
j)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
k)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
l)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,2−(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
m)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
n)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−グリシン;
o)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
p)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−,1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)−7−(2−プロペニル)エステルグリシン;および
q)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステルグリシン。
【0021】
(定義)
本明細書中で使用する「アリール」との用語は、単環式または二環式炭素環式芳香環系を意味する。フェニルは、単環式芳香環系の一例である。二環式芳香環系には、両方の環が芳香族である系(例えば、ナフチル)、および2個の環のうちの1個だけが芳香族であ
る系(例えば、テトラリン)が挙げられる。本明細書中で使用する「(C6〜C10)−アリール−」との用語は、C6、C7、C8、C9およびC10単環式または二環式炭素環式芳香環のいずれか1つを含むことが分かる。
【0022】
本明細書中で使用する「ヘテロシクリル」とは、化学的に安定な配列で、各環内に1個〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を有する単環式または二環式非芳香環系を意味し、このヘテロ原子またはヘテロ原子基は、O、N、NH、S、SOおよびSOから選択される。「ヘテロシクリル」の二環式非芳香環系実施態様では、1つの環または両方の環は、該ヘテロ原子またはヘテロ原子基を含有し得る。本明細書中で使用する「(C5〜C10)−ヘテロシクリル−」との用語は、化学的に安定な配列で、各環内に1個〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を有するC5、C6、C7、C8、C9およびC10単環式または二環式非芳香環系のいずれか1つを含み、このヘテロ原子またはヘテロ原子基は、O、N、NHおよびSから選択されることが分かる。
【0023】
本明細書中で使用する「ヘテロアリール」との用語は、化学的に安定な配列で、各環内に1個〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を有する単環式または二環式芳香環系を意味し、このヘテロ原子またはヘテロ原子基は、O、N、NHおよびSから選択される。「ヘテロアリール」のこのような二環式芳香環系実施態様では:
一方または両方の環は、芳香族であり得る;そして
一方または両方の環は、該ヘテロ原子またはヘテロ原子基を含有し得る。本明細書中で使用する「(C5〜C10)−ヘテロアリール−」との用語は、化学的に安定な配列で、各環内に1個〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を有するC5、C6、C7、C8、C9およびC10単環式または二環式芳香環系のいずれか1つを含み、このヘテロ原子またはヘテロ原子基は、O、N、NHおよびSから選択されることが分かる。
【0024】
本明細書中で使用する「脂肪族」との用語は、直鎖または分枝アルキル、アルケニルまたはアルキニルを意味する。本明細書中で使用する「(C1〜C12)−脂肪族−」との用語は、炭素原子のC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12直鎖または分枝アルキル鎖のいずれか1つを含むことが分かる。アルケニルまたはアルキニル実施態様は、脂肪族鎖内に少なくとも2個の炭素原子が必要であることも分かる。「シクロアルキル」または「シクロアルケニル」との用語は、単環式または縮合もしくは架橋した二環式炭素環系(これは、芳香族ではない)を意味する。シクロアルケニル環は、1個またはそれ以上の不飽和単位を有する。本明細書中で使用する「(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−」との用語は、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10単環式または縮合または架橋した二環式炭素環を含むことも分かる。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル(nornbornyl)、アダマンチルおよびデカリン−イルが挙げられる。
【0025】
本明細書中で使用する「化学的に安定な配列」との語句は、その化合物を当該技術分野で公知の方法により製造し哺乳動物に投与可能にするのに十分に安定にする化合物の構造を意味する。典型的には、このような化合物は、40℃以下の温度で、水分または他の化学的に反応性である条件の非存在下にて、少なくとも1週間にわたって安定である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施態様)
1実施態様によれば、本発明の化合物は、式I、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0027】
【化5】

ここで:
XおよびX’は、両方共に、フッ素である;または
XおよびX’は、別個に、C(H)、N、NH、OまたはSである;そしてXおよびX’は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員の飽和または部分不飽和環を形成し、該環は、4個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される;ここで、任意の原子は、必要に応じて、単独または複数で、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;ここで、該環は、必要に応じて、第二環と縮合され、該第二環は、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよび(C3〜C10)ヘテロシクリルから選択され、ここで、該第二環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)NR’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)である;
ここで;
R’は、別個に、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−および
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R’中の5個までの原子は、必要に応じて、別個に、Jで置換されている;
ここで、同じ原子に結合した2個のR’基は、3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、3個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、
O、S、SOおよびSOから選択され、ここで、該環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたは(C3〜C10)ヘテロシクリルと縮合され、ここで、任意の環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
YおよびY’は、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−;または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−;
ここで、YおよびY’中の3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOで置き換えられ得る;
ここで、YおよびY’の各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびRは、別個に、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、RおよびR中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
、RおよびRは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R、RおよびR中の2個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOおよびSOから選択される;
ここで、R、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびR5’は、別個に、水素または(C1〜C12)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置き換えられる;ここで、Rの任意の末端炭素原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている;またはRは、Phまたは−CHPhであり、そしてR5’は、Hであり、ここで、該Phまたは−CHPh基は、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;または
およびR5’は、それらが結合する原子と一緒になって、3〜6員の飽和または部分不飽和環であり、該環は、2個までのヘテロ原子せを有し、該ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;ここで、該環は、2個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Wは、以下である:
【0028】
【化6】

ここで、各Rは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−、または
2個のR基は、同じ窒素原子に結合され、その窒素原子と一緒になって、(C3〜C10)−複素環を形成する;
ここで、Rは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
ここで、各Rは、別個に、−OR’である;または該R基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3〜C10)員の複素環であり、該複素環は、該ホウ素に加えて、3個までの追加ヘテロ原子を有し、該追加ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;
Vは、Oまたは原子価結合である;そして
Tは、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−;
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
但し、以下の化合物は、除外される:
a)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステルグリシン;
b)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
c)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
d)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
e)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
f)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステル,グリシン;
g)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
h)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
i)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
j)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
k)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
l)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,2−(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
m)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
n)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−グリシン;
o)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シク
ロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
p)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−,1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)−7−(2−プロペニル)エステルグリシン;および
q)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステルグリシン。
【0029】
本発明の他の実施態様によれば、これらの化合物は、式Iaの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0030】
【化7】

ここで:
XおよびX’は、別個に、C(H)、N、NH、OまたはSである;そしてXおよびX’は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員の飽和または部分不飽和スピロ環式環を形成し、該環は、4個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される;ここで、任意の原子は、必要に応じて、単独または複数で、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;ここで、該環は、必要に応じて、第二環と縮合され、該第二環は、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよび(C3〜C10)ヘテロシクリルから選択され、ここで、該第二環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)NR’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)である;
ここで;
R’は、別個に、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−および
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R’中の5個までの原子は、必要に応じて、別個に、Jで置換されている;
ここで、同じ原子に結合した2個のR’基は、3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、3個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択され、ここで、該環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたは(C3〜C10)ヘテロシクリルと縮合され、ここで、任意の環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
YおよびY’は、水素である;
およびRは、別個に、以下である:
(C1〜C6)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1〜C6)−脂肪族−、または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C6)脂肪族−;
ここで、RおよびR中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびRは、水素である;
は、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C6)−アルキル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C6)−脂肪族−または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C6)−脂肪族−;
ここで、Rは、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
5’は、水素である;
は、(C1〜C6)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置き換えられる;
Wは、以下である:
【0031】
【化8】

ここで、各Rは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C6)−アルキル−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C6)アルキル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1〜C6)−アルキル−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C6)−アルキル−、または
2個のR基は、同じ窒素原子に結合され、その窒素原子と一緒になって、(C3〜C10)−複素環を形成する;
ここで、Rは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
ここで、各Rは、別個に、−OR’である;または該R基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3〜C10)員の複素環であり、該複素環は、該ホウ素に加えて、3個までの追加ヘテロ原子を有し、該追加ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;
Vは、原子価結合である;そして
Tは、以下である:
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C6)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C6)−脂肪族−;
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている。
【0032】
式Iの化合物の1実施態様によれば、前記
【0033】
【化9】

ラジカルは、
【0034】
【化10】

である;
ここで:
nは、0、1または2である;
YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;そして
XおよびX’を含む環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0035】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0036】
【化11】

ラジカルは、
【0037】
【化12】

である;
ここで:
nは、0、1または2である;
YおよびY’は、上で定義したとおりである;そして
XおよびX’を含む環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0038】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0039】
【化13】

ラジカルは、
【0040】
【化14】

である;
ここで:
nは、0または1である;そして
YおよびY’は、Hである。
【0041】
式Iの化合物の他の実施態様では、前記
【0042】
【化15】

ラジカルは、
【0043】
【化16】

である;
ここで:
nは、0または1である;そして
YおよびY’は、Hである。
【0044】
式Iの化合物の他の実施態様では、前記
【0045】
【化17】

ラジカルは、
【0046】
【化18】

である;
ここで:
nは、1である;そして
YおよびY’は、Hである。
【0047】
式Iaの化合物の1実施態様によれば、前記
【0048】
【化19】

ラジカルは、
【0049】
【化20】

である;
ここで:
nは、0、1または2である;そして
XおよびX’を含む環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0050】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0051】
【化21】

ラジカルは、
【0052】
【化22】

である;
ここで:
nは、0、1または2である;そして
XおよびX’を含む環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0053】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0054】
【化23】

ラジカルは、
【0055】
【化24】

である;
ここで:
nは、0または1である。
【0056】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0057】
【化25】

ラジカルは、
【0058】
【化26】

である;
ここで:
nは、0または1である。
【0059】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IDの化合物を提供する:
【0060】
【化27】

ここで:
n、R、R、R、R、R、R5’、R、V、T、W、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0061】
式Iの化合物の実施態様によれば、前記
【0062】
【化28】

ラジカルは、
【0063】
【化29】

である;
ここで:
X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;そして
該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0064】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0065】
【化30】

ラジカルは、
【0066】
【化31】

である;
ここで:
XおよびX’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;
YおよびY’は、Hである;そして
該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0067】
式Iaの化合物の実施態様によれば、前記
【0068】
【化32】

ラジカルは、
【0069】
【化33】

である;
ここで:
XおよびX’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;そして
該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0070】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0071】
【化34】

ラジカルは、
【0072】
【化35】

である;
ここで:
XおよびX’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;YおよびY’は、Hである;そして
該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0073】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IEの化合物を提供する:
【0074】
【化36】

ここで:
、R、R、R、R、R5’、R、V、T、W、Y、Y’、XおよびX’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである;そして
該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0075】
式IEの化合物の他の実施態様によれば、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、R、R、R、R、R、R5’、R、V、TおよびWは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、そして該縮合ベンゾ環は、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換され、ここで、Jは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0076】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、前記
【0077】
【化37】

ラジカルは、
【0078】
【化38】

である;
ここで:
YおよびY’は、Hである。
【0079】
式Iの化合物の他の実施態様では、前記
【0080】
【化39】

ラジカルは、
【0081】
【化40】

である;
ここで:
YおよびY’は、Hである。
【0082】
式Iの化合物のさらに他の実施態様によれば、本発明は、式IFの化合物を提供する:
【0083】
【化41】

ここで:
、R、R、R、R、R5’、R、V、T、W、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0084】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0085】
【化42】

ここで、該Wでは、該NRは、−NH−(C1〜C6脂肪族)、−NH−(C3〜C6シクロアルキル)、−NH−CH(CH)−アリールまたは−NH−CH(CH)−ヘテロアリールから選択され、ここで、該アリールまたは該ヘテロアリールは、必要に応じて、3個までのハロゲンで置換されている。
【0086】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0087】
【化43】

ここで、該Wでは、該NRは、−NH−(C1〜C6脂肪族)から選択され、該C1〜C6脂肪族は、J置換基を有しないC1〜C6アルキルである。
【0088】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0089】
【化44】

ここで、該Wでは、該NRが(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)−脂肪族または(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−のいずれかから選択されるとき、該C1〜C12−脂肪族は、J置換基を有しないC1〜C6アルキル基である。他の実施態様では、該C1〜C6アルキルは、3個までのJ置換基で置換されている。
【0090】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、前記Wラジカル内の前記NRは、以下:
【0091】
【化45】

である。
【0092】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、前記Wラジカル内の前記NRは、以下:
【0093】
【化46】

である。
【0094】
式Iの化合物の他の実施態様では、前記Wラジカルにおいて、前記NRは、以下:
【0095】
【化47】

である。
【0096】
式Iの化合物のさらに他の実施態様では、前記Wラジカルにおいて、前記NRは、以下:
【0097】
【化48】

である。
【0098】
式Iまたは式Iaの化合物における実施態様によれば、前記Wラジカル内の前記NRは、以下:
【0099】
【化49】

である。
【0100】
式Iまたは式Iaの化合物における実施態様によれば、前記Wラジカル内の前記NRは、以下:
【0101】
【化50】

である。
【0102】
式Iまたは式Iaの化合物における実施態様によれば、前記Wラジカルでは、前記NRは、以下:
【0103】
【化51】

である。
【0104】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0105】
【化52】

ここで、該Wでは、前記NRは、NHである。
【0106】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0107】
【化53】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0108】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0109】
【化54】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0110】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0111】
【化55】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0112】
式Iaの化合物の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0113】
【化56】

ここで、該Wでは、該NRは、−NH−(C1〜C6脂肪族)、−NH−(C3〜C6シクロアルキル)、−NH−CH(CH)−アリールまたは−NH−CH(CH)−ヘテロアリールから選択され、ここで、該アリールまたは該ヘテロアリールは、必要に応じて、3個までのハロゲンで置換されている。
【0114】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0115】
【化57】

ここで、該Wでは、該NRが−NH−(C1〜C6アルキル)から選択されるとき、該C1〜C6アルキルは、J置換基を有しない。
【0116】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0117】
【化58】

ここで、該Wでは、該NRが(C6〜C10)−アリール−(C1〜C6)−アルキルまたは(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C6)−アルキル−のいずれかから選択されるとき、該C1〜C6アルキル基は、J置換基を有しない。他の実施態様では、該C1〜C6アルキルは、3個までのJ置換基で置換されている。
【0118】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Wラジカル内の前記NRは、以下である:
【0119】
【化59】

式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Wラジカル内の前記NRは、以下:
【0120】
【化60】

である。
【0121】
式Iaの化合物の他の実施態様では、前記Wでは、前記NRは、以下:
【0122】
【化61】

である。
【0123】
式Iaの化合物のさらに他の実施態様では、前記Wでは、前記NRは、以下:
【0124】
【化62】

である。
【0125】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0126】
【化63】

ここで、該Wでは、該NRは、NHである。
【0127】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0128】
【化64】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0129】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0130】
【化65】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0131】
式Iaの化合物の他の実施態様によれば、Wは、以下である:
【0132】
【化66】

ここで、該Wでは、該Rは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0133】
式Iまたは式Iaの化合物におけるWについての他の実施態様によれば、各Rは、こ
のホウ素原子と一緒になって、(C5〜C10)員の複素環を形成し、この複素環は、このホウ素および2個の酸素原子以外の追加ヘテロ原子を有しない。1実施態様では、基は、以下から選択される:
【0134】
【化67】

ここで、R’は、(C1〜C6)−脂肪族である。式Iまたは式IAの化合物の他の実施態様では、R’は、メチルである。
【0135】
式Iの化合物のさらに他の実施態様によれば、本発明は、式IGの化合物を提供する:
【0136】
【化68】

ここで:
n、R、R、R、R、R、R5’、R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0137】
式IGの化合物についての他の実施態様によれば、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、n、R、R、R、R、R、R5’、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0138】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IG−1の化合物を提供する:
【0139】
【化69】

ここで:
n、R、R、R、R、R、R5’、R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0140】
式IG−1の化合物の他の実施態様によれば、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、n、R、R、R、R、R、R5’、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0141】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、R5’は、水素であり、そしてRは、以下:
【0142】
【化70】

である。
【0143】
式Iの化合物におけるさらに他の実施態様によれば、R5’は、水素であり、そしてRは、以下:
【0144】
【化71】

である。
【0145】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、R5’およびRは、以下:
【0146】
【化72】

である。
【0147】
式Iaの化合物における実施態様によれば、Rは、以下:
【0148】
【化73】

である。
【0149】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0150】
【化74】

である。
【0151】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IHの化合物を提供する:
【0152】
【化75】

ここで:
n、R、R、R、R、各R、R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0153】
式IHの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、R、R、R、R
、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下である:
【0154】
【化76】

式IHの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、R、R、R、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下である:
【0155】
【化77−A】

式Iの化合物の他の実施態様によれば、R、RおよびRは、それぞれ別個に、H、メチル、エチルまたはプロピルである。
【0156】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、R、RおよびRは、それぞれ、Hである。
【0157】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、水素である。
【0158】
式Iまたは式Iaの化合物における他の実施態様によれば、本発明は、式IJの化合物を提供する:
【0159】
【化78】

ここで:
n、R、R、各R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0160】
式IJの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0161】
【化79】

である。
【0162】
式IJの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0163】
【化80】

である。
【0164】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下である:
【0165】
【化81】

式Iの化合物における他の実施態様では、Rは、以下:
【0166】
【化82】

である。
【0167】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0168】
【化83】

である。
【0169】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0170】
【化84】

である。
【0171】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0172】
【化85】

である。
【0173】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0174】
【化86】

である。
【0175】
式Iまたは式Iaの化合物における他の実施態様によれば、本発明は、式IKの化合物を提供する:
【0176】
【化87】

ここで:
n、R、各R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいず
れかで定義したとおりである。
【0177】
式IKの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0178】
【化88】

である。
【0179】
式IKの化合物についての他の実施態様によれば、n、R、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0180】
【化89】

である。
【0181】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0182】
【化90】

である。
【0183】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0184】
【化91】

である。
【0185】
式Iの化合物の他の実施態様では、Rは、シクロヘキシルである。
【0186】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0187】
【化92】

である。
【0188】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Rは、以下:
【0189】
【化93】

である。
【0190】
式Iaの化合物の他の実施態様では、Rは、シクロヘキシルである。
【0191】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式ILの化合物を提供する:
【0192】
【化94】

ここで:
n、各R、V、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0193】
式ILの化合物についての他の実施態様によれば、n、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0194】
【化95】

である。
【0195】
式ILの化合物についての他の実施態様によれば、n、VおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0196】
【化96】

である。
【0197】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Vは、Oである。
【0198】
式Iの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IMの化合物を提供する:
【0199】
【化97】

ここで:
n、各R、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0200】
式IMの化合物についての他の実施態様によれば、nおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0201】
【化98】

である。
【0202】
式IMの化合物についての他の実施態様によれば、nおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0203】
【化99】

である。
【0204】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Vは、原子価結合である。
【0205】
式Iまたは式Iaの化合物における他の実施態様によれば、本発明は、式INの化合物を提供する:
【0206】
【化100】

ここで:
n、各R、T、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0207】
式INの化合物についての他の実施態様によれば、nおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0208】
【化101】

である。
【0209】
式INの化合物についての他の実施態様によれば、nおよびTは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0210】
【化102】

である。
【0211】
式Iの化合物における実施態様によれば、Tは、(C3〜C10)ヘテロシクリル−または(C5〜C10)ヘテロアリール−である;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている。
【0212】
式Iの化合物における他の実施態様によれば、Tは、(C5〜C6)ヘテロシクリル−または(C5〜C6)ヘテロアリール−である;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている。
【0213】
式Iの化合物における他の実施態様では、Tは、以下である:
【0214】
【化103】

ここで:
Zは、別個に、O、S、NR’またはC(R’)である。
【0215】
式Iの化合物における他の実施態様では、Tは、以下:
【0216】
【化104】

である。
【0217】
式Iの化合物における他の実施態様では、Tは、以下:
【0218】
【化105】

である。
【0219】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Tは、以下である:
(C3〜C10)ヘテロシクリル−または(C5〜C10)ヘテロアリール−;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている。
【0220】
式Iaの化合物における他の実施態様によれば、Tは、(C5〜C6)ヘテロシクリル−または(C5〜C6)ヘテロアリール−である;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている。
【0221】
式Iaの化合物における他の実施態様では、Tは、以下である:
【0222】
【化106】

ここで:
Zは、別個に、O、S、NR’またはC(R’)である。
【0223】
式Iaの化合物における他の実施態様では、Tは、以下:
【0224】
【化107】

である。
【0225】
式Iaの化合物における他の実施態様では、Tは、以下:
【0226】
【化108】

である。
【0227】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IOの化合物を提供する:
【0228】
【化109】

ここで:
n、各R、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0229】
式INの化合物についての他の実施態様によれば、nは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0230】
【化110】

である。
【0231】
式INの化合物についての他の実施態様によれば、nは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0232】
【化111】

である。
【0233】
式Iまたは式Iaの化合物の他の実施態様によれば、本発明は、式IPの化合物を提供する:
【0234】
【化112】

ここで:
n、各R、X、X’、YおよびY’は、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0235】
式IPの化合物についての他の実施態様によれば、nは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりであり、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0236】
【化113】

である。
【0237】
式IPの化合物についての他の実施態様によれば、nは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである、XおよびX’は、Sであり、YおよびY’は、Hであり、そしてNRは、以下:
【0238】
【化114】

である。
【0239】
式Iの化合物についての実施態様によれば、R’、Y、Y’、R、R、R、R、R、RおよびT内の(C1〜C12)−脂肪族基は、(C1〜C6)−アルキルである。
【0240】
式Iaの化合物についての実施態様によれば、R’内の(C1〜C12)−脂肪族基、およびR、R、RおよびT内の(C1〜C6)−脂肪族基は、(C1〜C6)−アルキルである。
【0241】
式Iまたは式Iaの化合物における他の実施態様によれば、この化合物は、以下:
【0242】
【化115】

である。
【0243】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の不斉炭素原子を含有し得、それゆえ、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして、生じ得る。これらの化合物の全てのこのような異性体形態は、本発明に明白に含まれる。各ステレオジェニック炭素は、RまたはSの立体配置であり得る。
【0244】
1実施態様では、本発明の化合物は、式ID〜IPで描写される構造および立体化学を有する。
【0245】
他の実施態様では、本発明の化合物は、化合物2a〜4aで描写される構造および立体化学を有する。
【0246】
他の実施態様では、本発明の化合物は、化合物7aで描写される構造および立体化学を有する。
【0247】
上で列挙した実施態様のいずれかは、上記種の実施態様を含めて、組み合わせられ、本発明の他の実施態様を生じ得る。
【0248】
本明細書中で使用するP1、P2、P3、P4は、当該技術分野で定義されたHCVプロテアーゼ阻害剤の残基を意味し[J.A.Landroら,「Mechanistic
Role of an NS4A Peptide Cofactor with the Truncated NS3 Protease of Hepatitis C
Virus:Elucidation of the NS4A Stimulatory Effect via Kinetic analysis and Inhibitor Mapping」、Biochemistry,36,9340−9348頁(1997)]、従って、当業者に周知である。
【0249】
本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの強力な結合剤および阻害剤を提供する。本発明の式IおよびIaの化合物のある実施態様では、これらの化合物は、P4キャップを有し、それらは、この酵素骨格との追加水素結合を可能にする。本発明のある実施態様では、P4キャップ窒素原子およびカルボニル(これは、式IまたはIaにおけるVまたはTに隣接している)は、このプロテアーゼのCys−158残基のそれぞれ主鎖カルボニルおよびNH基との水素結合を結合する。本発明のある実施態様では、他の水素結合は、このプロテアーゼ骨格と共に、P3基のNH部分(これは、式IおよびIaにおいて、N−R基により表わされ、ここで、Rは、水素である)により、形成される。これらのP4およびP3水素結合の相互作用は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの結合部位におけるP4およびP3側鎖の位置決めを最適にする。さらに、P2スピロ環状プロリン基は、P2ポケットを満たし、そしてHCV NS3/NS4Aセリンプロテアーゼ酵素におけるArg−155側鎖との好ましいファンデルワールス接触を作り出す。本発明はまた、P1’ポケットに位置しているHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの触媒部位に効率的に結合するW基を提供する。
【0250】
以下のスキーム、調製および実施例で使用される略語は、以下である:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
DMAP:ジメチルアミノピリジン
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HOSu:コハク酸
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtO:ジエチルエーテル
BOC:第三級ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
t−BG:第三級ブチルグリシン
DAST:(ジエチルアミノ)イオウトリフルオライド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCCA:ジクロロ酢酸
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
MeCN:アセトニトリル
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、遊離塩)
DMEM:ダルベッコの改変イーグル培地
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
rtまたはRT:室温
ON:一晩
ND:未検
MS:質量分析法
LC:液体クロマトグラフィー
(一般的な合成方法)
本発明の化合物は、一般に、当業者に公知の方法により、調製され得る。以下のスキーム1A、1Bおよび1〜6は、本発明の化合物への合成経路を図示している。他の同等のスキームは、当業者に容易に明らかとなるが、以下の一般的なスキームおよび以下の調製実施例で図示されるように、それが、代替的に上記分子の種々の部分を合成するのに使用され得る。
【0251】
【化116】

【0252】
【化117】

上記スキーム1は、式IAの化合物を調製する一般的な合成経路を提供し、ここで、n、T、X、X’、R、R、RおよびRは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。中間体11は、Schoellkopfら、Justus Liebigs Ann.Chem.GE,183−202頁(1976)およびStempleら、Organic Letters,2(18),2769−2772頁(2000)で記述された手順に従って、調製した。化合物1a〜7aは、このスキームまたはそのバリエーションに従って、調製した。当業者が認識するように、中間体5、7、9および12を調製するのに、他の適当な市販のカップリング試薬が使用され得る。さらに、例え
ば、Boc−R−COOHで表わされる市販のBoc保護アミノ酸は、代替的に、市販のCbz保護アミノ酸で置換され得ることが認識される。これらのCbz保護基を除去する適当な脱保護条件は、当業者に公知である。同様に、式IAの化合物への中間体12の酸化は、当業者に公知の他の適当な条件を使用して、達成できる。
【0253】
【化118】

【0254】
【化119】

上記スキーム1Aは、中間体40から中間体46を調製する合成経路を提供する。中間体40は、Schoellkopfら、Justus Liebigs Ann.Chem.GE,183−202頁(1976)およびStempleら、Organic Letters,2(18),2769−2772頁(2000)で記述された手順に従って、調製した。エチルエステル塩酸塩41へのエステル化は、触媒酸性条件を使用して、
達成した。このアミンのBoc保護に続いて、塩基加水分解すると、Boc酸43が得られた。HN(RをEDCおよびコハク酸でアミンカップリングすると、アミド44が得られ、これは、引き続いて、デス−マーチンペルヨージナンで、ジケトアミド45に酸化された。酸性条件下にてBoc除去すると、その塩酸塩として、中間体46が得られ、ここで、RおよびRは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。
【0255】
【化120】

上記スキーム1Bは、中間体46から化合物IAを調製する代替合成経路を提供する。
【0256】
【化121】

【0257】
【化122】

上記スキーム2は、式IBの化合物を調製する一般的な合成経路を提供し、ここで、T、R、R、RおよびRは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。当業者が認識するように、中間体15、17、19および21を調製するのに、他の適当な市販のカップリング試薬が使用され得る。さらに、例えば、Boc−R−COOHで表わされる市販のBoc保護アミノ酸は、代替的に、市販のCbz保護アミノ酸で置換され得ることが認識される。これらのCbz保護基を除去する適当な脱保護条件は、当業者に公知である。同様に、式IBの化合物への中間体21の酸化は、当業者に公知の他の適当な条件を使用して、達成できる。当業者はまた、式IBの化合物がまた、スキー
ム1Bで上記した条件を使用して、中間体46から調製され得ることを認識する。
【0258】
【化123】

【0259】
【化124】

上記スキーム3は、式ICの化合物を調製するための一般的な合成経路を提供し、ここで、X、X’、T、R、R、RおよびRは、本明細書中の実施態様のいずれかで定義したとおりである。当業者はまた、式ICの化合物がまた、スキーム1Bで上記した
条件を使用して中間体46から調製され得ることを認識する。
【0260】
【化125】

上記スキーム4は、ピロール酸中間体5bを調製するための合成経路を提供する。当業者は、スキーム4の改良により、他の目的のピロール類似物が合成され得ることを理解する。
【0261】
【化126】

【0262】
【化127】

【0263】
【化128】

上記スキーム5は、化合物2aを調製するための合成経路を提供する。化合物3a、5a、6aおよび7aはまた、ほぼスキーム5に従って、調製した。当業者はまた、式2a、3a、5a、6aおよび7aの化合物がまた、スキーム1Bで上記した条件を使用して、中間体46から調製され得ることを認識する。
【0264】
【化129】

【0265】
【化130】

スキーム6は、化合物1aを調製する合成経路を提供する。化合物4aはまた、スキーム6に従って、調製した。当業者はまた、式1aの化合物がまた、スキーム1Bで上記した条件を使用して、中間体46から調製され得ることを認識する。
【0266】
以下では、特定の代表的な実施態様が描写され記述されているものの、本発明の化合物
は、当業者に一般に利用可能な適当な出発物質を使用して、上で一般的に記述した方法に従って、調製できる。
【0267】
本発明の他の実施態様は、式Iまたは式Iaの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアをを含有する薬学的組成物を提供する。1実施態様によれば、式Iまたは式Iaの化合物は、試料または患者におけるウイルスの負荷を減らすのに有効な量で存在しており、ここで、該ウイルスは、ウイルスのライフサイクルに必要なセリンプロテアーゼをコード化する。
【0268】
もし、本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩が、これらの組成物中で使用されるなら、それらの塩は、好ましくは、有機または無機の酸および塩基から誘導される。このような酸塩には、以下が挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルファート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレートおよびウンデカン酸塩。塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基を有する塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩)、N−メチル−D−グルカミン、およびアミノ酸(アルギニン、リシン)を有する塩などが挙げられる。
【0269】
また、この塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、および塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、および臭化ブチルおよびヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、およびヨウ化ブチル);硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル);長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチルおよび塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチルおよび臭化ステアリルおよびヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチルおよびヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などのような試薬で四級化され得る。それにより、水溶性または油溶性または水分散性または油分散性の生成物が得られる。
【0270】
本発明の組成物および方法で使用する化合物はまた、選択的な生体特性を高める適当な官能性を付加することにより、変性され得る。このような変性は、当該技術分野で公知であり、一定の生体系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生体貫入を高めること、経口利用可能性を高めること、注射による投与ができるように溶解性を高めること、代謝を変えることおよび排泄速度を変えることを含む。
【0271】
これらの組成物で使用され得る薬学的に受容可能な担体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝剤物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック重合体、ポリエチレングリコールお
よび羊毛脂が挙げられる。
【0272】
1実施態様によれば、本発明の組成物は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)に製薬投与するために製剤される。
【0273】
本発明のこのような薬学的組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレーにより、局所的、経直腸的、経鼻的、経頬的、経膣的、あるいは移植されたレザバを介して、投与され得る。本明細書中で使用する「非経口」との用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、くも膜下腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内の注射あるいは注入技術を含む。好ましくは、これらの組成物は、経口的または非経口的に投与される。本発明に従って、この薬学的組成物は、例えば、無菌の注射可能な水性懸濁液または油性懸濁液として、無菌の注射可能な製剤の形状であり得る。ここで使用する「非経口的」との用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、鞘内、病巣内および頭蓋内の注射方法または注入方法を含む。好ましくは、これらの組成物は、経口的または静脈内で、投与される。
【0274】
本発明の組成物の無菌の注射可能な形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該技術分野で公知の方法に従って、製剤され得る。この無菌の注射可能な製剤はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に適当な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、従来、溶媒または懸濁媒体として、無菌の不揮発性油が使用されている。この目的には、いずれかのブランドの不揮発性油が使用され得、これには、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる。脂肪酸(例えば、オレイン酸)およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に受容可能なオイル(例えば、オリーブ油またはひまし油、特に、それらのポリオキシエチレン化した型)と同様に、注射可能物の調製に有用である。これらのオイル溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤(これらは、通例、乳剤および懸濁剤を含む薬学的に受容可能な剤形の製剤で、使用される))を含有し得る。他の一般に使用される界面活性剤(例えば、Tween、Spanおよび他の乳化剤または生体利用能向上剤(これらは、通例、薬学的に受容可能な固体、液体または他の剤形の製造で使用される))もまた、この製剤目的に使用され得る。
【0275】
抗ウイルス(特に、抗−HCV媒介)疾患を予防し治療する単独療法では、本明細書中で記述したプロテアーゼ阻害剤化合物の約0.01mg/体重1kg/日と約100mg/体重1kg/日の間、好ましくは、約0.5mg/体重1kg/日と約75mg/体重1kg/日の間の投薬レベルが有用である。典型的には、本発明の薬学的組成物は、1日あたり、約1〜約5回投与されるか、あるいは、連続注入として投与される。このような投与は、短期療法または長期療法として使用できる。単一剤形を製造するための担体物質と配合され得る活性成分の量は、治療されるホストおよび特定の投与様式に依存して、変わる。典型的な製剤は、約5%〜約95%(w/w)の活性化合物を含有する。好ましくは、このような製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
【0276】
本発明の組成物が式Iまたは式Iaの化合物と1種またはそれ以上の追加治療薬または予防薬との配合を含有するとき、この化合物および追加薬剤の両方は、単独療法レジメンで通常投与される投薬量の約10%〜100%の間、さらに好ましくは、約10%〜80%の間の投薬レベルで、存在するべきである。
【0277】
本発明の薬学的組成物は、任意の経口的に受容可能な投薬形態(これにはカプセル、錠
剤、ならびに水性懸濁剤および液剤が挙げられるが、これらに限定されない)で経口投与され得る。経口用途の錠剤の場合、通常使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤もまた、典型的には、添加される。カプセル形態での経口投与のために有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁剤が経口投与される場合には、活性成分は乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望であれば、特定の矯味矯臭剤、着香剤または着色剤が添加され得る。
【0278】
他方、本発明の薬学的組成物はまた、直腸投与用の坐剤の形状で、投与され得る。これらは、この薬剤と、適当な非刺激性の賦形剤(これは、室温で固体であるが、直腸温では液体であり、従って、直腸で融けて活性成分を放出する)とを混合することにより、調製され得る。このような物質には、ココアバター、密ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0279】
本発明の薬学的組成物はまた、特に、治療の標的が、局所的な適用により容易にアクセスできる領域または器官(目、皮膚または下部腸道の疾患を含めて)を包含するとき、局所的に投与され得る。これらの領域または器官のそれぞれに適当な局所製剤は、容易に調製される。
【0280】
下部腸道に対する局所適用は、直腸坐剤製剤(上記)により、または適当な浣腸製剤にて、行なうことができる。局所的な皮膚間パッチもまた、使用され得る。
【0281】
局所的に適用するためには、この薬学的組成物は、1種またはそれ以上の担体に懸濁するかまたは溶解した活性成分を含む適当な軟膏で、製剤され得る。本発明の化合物の局所投与用の担体には、鉱油、液状石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。他方、この薬学的組成物は、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体に懸濁するかまたは溶解した活性成分を含む適当なローションまたはクリームで製剤され得る。適当な担体には、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0282】
眼科用途には、この薬学的組成物は、防腐剤(例えば、ベンジルアルコニウムクロライド)と共にまたはそれなしで、pHを調整した等張性無菌生理食塩水の微細化懸濁液として、または、好ましくは、pHを調整した等張性無菌生理食塩水の溶液として、製剤され得る。他方、眼科用途には、この薬学的組成物は、軟膏(例えば、ペトロラタム)に製剤され得る。
【0283】
本発明の薬学的組成物はまた、鼻エアロゾルまたは鼻吸入により、投与できる。このような組成物は、製薬製剤の当該技術分野で周知の操作に従って、調製され、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、生体利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、調製され得る。
【0284】
他の実施態様では、これらの薬学的組成物は、経口投与用に処方される。
【0285】
一実施態様において、本発明の組成物は、別の因子(例えば、チトクロムP−450インヒビター)をさらに含む。このようなチトクロムP−450インヒビターとしては、リトナビルが挙げられるが、これに限定されない。
【0286】
本発明の実施態様がCYPインヒビターに関する場合、関連するNS3/4Aプロテアーゼの薬物動態を改善する任意のCYPインヒビターが、本発明の方法において使用され得る。これらのCYPインヒビターとしては、リトナビル(WO 94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール(clomethiazole)、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン(fluvoxamine)、フルオキセチン、ネファゾドン(nefazodone)、セルトラリン、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、フォサンプレナビル(fosamprenavir)、サキナビル(saquinavir)、ロピナビル(lopinavir)、デラビルジン(delavirdine)、エリスロマイシン、VX−944、およびVX−497が挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様によると、このCYPインヒビターとしては、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、およびクロメチアゾールが挙げられる。
【0287】
チトクロムP50モノオキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定するための方法は、公知である(米国特許第6,037,157号およびYunら、「Drug Metabolism & Disposition」、第21巻、403−407ページ(1993)を参照のこと)。
【0288】
本発明において利用されるCYPインヒビターは、1つのアイソザイムのみのインヒビターであっても、1つより多いアイソザイムのインヒビターであってもよい。そのCYPインヒビターがより多くのアイソザイムを阻害する場合は、このインヒビターは、それにもかかわらず、別のアイソザイムよりも1つのアイソザイムをより選択的に阻害し得る。任意のこのようなCYPインヒビターが、本発明の方法において使用され得る。
【0289】
本発明の方法において、CYPインヒビターは、同じ投薬形態において、または別々の投薬形態において、C型肝炎ウイルスNS3/4Aプロテアーゼインヒビターと一緒に投与され得る。
【0290】
そのCYPインヒビターおよびプロテアーゼインヒビターが別々の投与形態において投与される場合、各インヒビターは、ほぼ同時に投与され得る。あるいは、CYPインヒビターは、プロテアーゼインヒビターの投与の近くの任意の時期に投与され得る。すなわち、このCYPインヒビターは、そのNS3/4Aプロテアーゼインヒビターより先に投与されても、一緒に投与されても、または後に投与されてもよい。投与の時期は、そのCYPインヒビターが、そのプロテアーゼインヒビターの代謝に影響するような時期でなければならない。例えば、プロテアーゼインヒビターが最初に投与される場合、そのCYPインヒビターは、そのプロテアーゼインヒビターが実質的に代謝および/または排出される前に(例えば、そのプロテアーゼインヒビターの半減期までに)投与されなければならない。
【0291】
別の実施態様において、本発明の組成物は、別の抗ウイルス剤(好ましくは、抗HCV剤)をさらに含む。このような抗ウイルス剤としては、免疫調節剤(例えば、α−インターフェロン、β−インターフェロンおよびγ−インターフェロン、ペグ化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびサイモシン);他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジンおよびテルビブジン(telbivudine));C型肝炎プロテアーゼの他のインヒビター(NS2−NS3インヒビターおよびNS3−NS4Aインヒビター);HCVの生活環における他の標的のインヒビター(メタロプロテアーゼインヒビター、ヘリカーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターを含む);内部リボソーム進入インヒビター;IMPDHインヒビターのような広域性ウイルスインヒビター(例えば
、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、同第6,054,472号、WO 97/40028、WO 98/40381、WO 00/56331の化合物、ミコフェノール酸およびその誘導体、ならびにVX−497、VX−148、および/またはVX−944が挙げられるが、これらに限定されない);あるいは上記の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0292】
本明細書中で使用される場合、用語「インターフェロン」は、インターフェロンα、インターフェロンβ、またはインターフェロンγのような、ウイルスの複製および細胞の増殖性を阻害し、免疫応答を調節する、高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーのメンバーを意味する。The Merck Index,entry 5015,第12版を参照のこと。
【0293】
患者の状態が改善した際には、維持量の本発明の化合物、組成物または組み合わせが、必要ならば投与され得る。その後、投与の用量もしくは頻度、またはその両方が、症状の関数として、その改善された状態が維持されるレベルまで減少され得、その症状が所望されるレベルまで緩和される場合、処置を停止するべきである。しかし、患者は、任意の疾患症状の再発に備えて長期の断続的な処置を必要とし得る。
【0294】
任意の特定の患者についての具体的な用量および処置レジメンが、種々の要因に依存することもまた、理解されるべきである。この要因としては、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置医および処置される具体的な疾患の重症度の判断が挙げられる。活性成分の量もまた、具体的に記載される化合物、ならびに組成物中のさらなる抗ウイルス剤の存在の有無および性質に依存する。
【0295】
別の実施態様によると、本発明は、ウイルスに感染した患者を処置するための方法を提供する。このウイルスは、そのウイルスのライフサイクルのために必須な、ウイルス性にコードされたセリンプロテアーゼにより特徴付けられ、その方法は、その患者に、本発明の薬学的に受容可能な組成物を投与することによる。好ましくは、本発明の方法は、HCVに感染した患者を処置するために使用される。このような処置は、そのウイルスの感染を完全に根絶するかまたはウイルス感染の重症度を減少させ得る。より好ましくは、その患者はヒトである。
【0296】
代替の実施態様において、本発明の方法は、上記患者に、抗ウイルス剤(好ましくは、抗HCV剤)を投与する工程をさらに包含する。このような抗ウイルス剤としては、免疫調節剤(例えば、α−インターフェロン、β−インターフェロン、およびγ−インターフェロン、ペグ化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびサイモシン);他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジンおよびテルビブジン);C型肝炎プロテアーゼの他のインヒビター(NS2−NS3インヒビターおよびNS3−NS4Aインヒビター);HCVの生活環の他の標的のインヒビター(メタロプロテアーゼインヒビター、ヘリカーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターを含む);内部リボソーム進入インヒビター;IMPDHインヒビターのような広域性ウイルスインヒビター(例えば、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、同第6,054,472号、WO 97/40028、WO 98/40381、WO
00/56331の化合物、ミコフェノール酸およびその誘導体、ならびにVX−497、VX−148、および/またはVX−944が挙げられるが、これらに限定されない);あるいは上記の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0297】
このような追加の因子は、上記患者に、本発明の化合物および追加の抗ウイルス剤の両方を含む単一の投薬形態の一部として投与され得る。あるいは、この追加の因子は、本発
明の化合物とは別々に、複数の投薬形態として投与され得、ここで、その追加の因子は、本発明の化合物を含む組成物より先に、一緒に、または後に投与される。
【0298】
なお別の実施態様において、本発明は、患者への投与を意図される生物学的物質を前処理する方法を提供し、この方法は、その生物学的物質を、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物と接触させる工程を包含する。このような生物学的物質としては、血液およびその成分(例えば、血漿、血小板、血球の亜集団など);器官(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺など);精子および卵子;骨髄およびその成分、ならびに患者に注入される他の流体(例えば、生理食塩水、デキストロースなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0299】
別の実施態様によると、本発明は、潜在的にウイルスと接触し得る材料を処理する方法を提供し、このウイルスは、そのライフサイクルに必要な、ウイルス性にコードされたセリンプロテアーゼにより特徴付けられる。この方法は、この材料を本発明に従う化合物と接触させる工程を包含する。このような材料としては、外科用器具および外科用ガーメント(例えば、衣服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、眼鏡、履物など);実験器具および実験用ガーメント(例えば、衣服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、眼鏡、履物など);血液収集装置および材料;ならびに侵襲性デバイス(例えば、シャント、ステントなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0300】
別の実施態様において、本発明の化合物は、ウイルス性にコードされたセリンプロテアーゼの単離を補助するための研究用ツールとして使用され得る。この方法は、固体支持体に固定された本発明の化合物を提供する工程;この固体支持体にウイルス性セリンプロテアーゼを結合させる条件下で、そのプロテアーゼを含むサンプルとその固体支持体とを接触させる工程;およびこの固体支持体からそのセリンプロテアーゼを溶出させる工程を包含する。好ましくは、この方法により単離されるウイルス性セリンプロテアーゼは、HCV NS3−NS4Aプロテアーゼである。
【0301】
本発明がより完全に理解されるために、以下の調製実施例および試験実施例が記載される。これらの実施例は、例示のみを目的としており、多少なりとも本発明の範囲を限定するようには解釈されない。
【実施例】
【0302】
H−NMRスペクトルは、Bruker AMX 500機器を使用して、500MHzで記録した。質量スペクトル試料は、MicroMass ZQまたはQuattro II質量分光計(これは、エレクトロスプレーイオン化を使って、単一MSモードで、操作される)で分析した。試料は、フローインジェクション(FIA)またはクロマトグラフィーを使用して、この質量分光計に導入した。全ての質量スペクトル分析用の移動相は、調節剤として0.2%ギ酸を使うアセトニトリル−水混合物からなっていた。
【0303】
本明細書中で使用する「R(分)」との用語は、その化合物に関連したHPLC保持時間(分)を意味する。列挙したHPLC保持時間は、その質量スペクトルデータから、または以下の方法を使用して、いずれかにより得た:
機器:Hewlett Packard HP−1050;
カラム:YMC C18(カタログ番号 326289C46);
勾配/勾配時間:9分間にわたって10〜90%CHCN/H2Oに次いで、2分間で100%CHCN;
流速:0.8ml/分;
検出器の波長:215nMおよび245nM。
【0304】
本明細書中の選択化合物の化学物質命名は、CambridgeSoft Corporations ChemDraw Ultra(登録商標)、version 7.0.1により提供される命名プログラムを使用して、行った。
【0305】
(実施例1)
(3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸(5b))
アセト酢酸エチル(70g、0.538mol)の氷酢酸1401mL撹拌溶液に、0℃で、亜硝酸ナトリウム(36.9g、0.534mol)の水70mL溶液を滴下した。この添加が完了した後、その淡黄色反応混合物を室温まで温めた。30分後、全ての出発物質が消費され、その反応物を水350mLでクエンチし、そして酢酸エチル(2×125mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、そして水(2×125mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×105mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、淡黄色油状物として、84.2g(98%)のエチル−2−ヒドロキシイミノ−3−オキソブタノエート1bを得た。H NMR(CDCl) δ 10.3(s,1H),4.2(q,2H),2.3(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0306】
2−ブタノン(48.2mL、0.538mol)およびギ酸エチル(43.47mL、0.538mol)の乾燥エーテル(540mL)溶液に、激しく機械撹拌しつつ、1時間にわたって、粉砕ナトリウム(12.4g、0.540mol)を加え、その間、その混合物を氷−塩浴で冷やした。次いで、この混合物を、室温で、14時間撹拌した。この反応混合物を数時間にわたった4℃まで冷却した後、濾過により、沈殿したナトリウム塩を得、そして冷乾燥エーテルで徹底的に洗浄して、49.3g(75%)の2−メチル−3−オキソブチルアルデヒド2bの所望のナトリウム塩を得た。H NMR(DMSO−d) δ 9.1(s,1H),1.9(s,3H),1.3(s,3H)ppm。
【0307】
ナトリウム塩2b(49.3g、0.404mol)およびオキシム1b(64.23、0.404mol)を70%酢酸/30%水300mL中にて撹拌し、そして50℃まで温めた。その温度を100℃未満で維持しつつ、30分間にわたって、亜鉛粉(42.21g、0.646mol)を少しずつ加えた。この添加が完了した後、その懸濁液を15分間還流し、次いで、氷水4Lに注いだ。短時間後、その生成物を沈殿させて除き、濾過後、30.1g(45%)の所望のエチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレート3bを得た。H NMR(CDCl) δ 9.0(bs,1H),6.7(s,1H),4.3(q,2H),2.3(s,3H),2.0(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0308】
塩化アルミニウム(50.19g、0.376mol)の乾燥ジクロロエタン(580mL)溶液に、25℃で、無水酢酸(17.75mL、0.188mol)をゆっくりと加えた。得られた混合物を、室温で、10分間撹拌し、次いで、ピロール3b(10.49g、0.0627mol)のジクロロエタン(30mL)溶液を加え、その反応混合物を、室温で、2時間撹拌した。80℃でさらに3時間後、この混合物を氷水に注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、橙色残渣を得た。シリカゲルで短プラグ濾過(30%酢酸エチル/70%ヘキサン)すると、7.5g(60%)のエチル−3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレート4bが得られた。H NMR(CDCl) δ 9.0(bs,1H),4.3(q,2H),2.7(s,3H),2.1(s,3H),1.9(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0309】
ピロールエステル4b(8.2g、0.0392mol)(エタノール中)および10
%水酸化カリウム100mLの混合物を、1時間還流した。この混合物を冷却し、そして真空中で濃縮して、油状物を得た。この油状物に水を加え、その混合物を希HClで酸性化し、そしてエーテルで抽出した。その有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、固形残渣を得た。この化合物をエタノール80mL中で再結晶して、固形物として、5.8gの純粋3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸5bを得た。H NMR(DMSO−d) δ 2.5(s,3H),2.2(s,3H),2.0(s,3H)ppm。
【0310】
(実施例2)
(2−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(2a))
L−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジルエステル2−メチルエステル1(3.0g、1.0当量、Advanced Chem Tech)のトルエン(30mL)/酢酸エチル(30mL)溶液に、水(5mL)中のNaBr(1.28g、1.14当量)を加えた。TEMPO(17mg)を加え、その混合物を4℃まで冷却し、そして30分間にわたって、Clorox(登録商標)(18mL)、炭酸水素ナトリウム(2.75g)および水(40mLまでの全容量)を加えた。得られた懸濁液を10分間撹拌した後、イソプロパノール(0.2mL)を加えた。その有機相を分離し、その水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をチオ硫酸ナトリウムの0.3N溶液で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、琥珀色油状物を得た。シリカゲルプラグ(これは、EtOAc/ヘキサン勾配(100%ヘキサンから10%の段差で40%EtOAc/ヘキサンまで)で溶出する)で精製すると、透明油状物として、2.85g(96%)の4−オキソ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジルエステル2−メチルエステル2が得られた。
NMR(CDCl) δ 7.35(m,5H),5.15−5.30(m,2H),4.80−4.90(m,1H),3.95−4.05(m,2H),3.80(s,3Hの3/5),3.65(s,3Hの2/5),3.0(m,1H),2.65(d,1Hの3/5),2.60(d,1Hの2/5)ppm。
【0311】
CHCl中のケトン2(250mg)を、15℃で、1,3−プロパンジチオール(100μL)で処理し、続いて、BFOEt(119μL)を滴下した。その混合物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。この反応物を、炭酸カリウム水溶液(2g/30mL)1mLを加えることによりクエンチし、続いて、飽和炭酸水素ナトリウム321μLで、pH7〜8に調節した。有機物を水、ブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルプラグ(これは、トルエン→ヘキサン/エチルエーテル(2:3→0:1)で溶出する)で精製すると、透明油状物として、200mg(60%)の所望の6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−2,3−ジカルボン酸−2−ベンジルエステル3−メチルエステル26が得られた。H NMR(CDCl) δ 7.30(m,5H),5.05−5.25(m,2H),4.6(t,0.5H),4.55(t,0.5H),3.8(s,1.5H),3.75(m,1H),3.6(s,1.5H),2.95(m,1H),2.85(m,3H),2.75(m,1H),2.4(m,0.5H),2.35(m,0.5H),2.0(m,2H)ppm。
【0312】
AcOH(140μL)中のCbz保護ジチアン(50mg)26を30%HBr/AcOH(210μL)で処理し、そして室温で、2時間撹拌した。エチルエーテル(20mL)を加え、その懸濁液を撹拌し、溶媒をデカントして除き、次いで、その手順をもう2回繰り返して、赤褐色固形物として、そのHBr塩として、40mg(95%)の所望
の6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル27を得た。H NMR(CDCl) δ 4.75(t,1H),3.8(s,3H),3.65(d,2H),2.9−3.1(m,4H),2.7(m,1H),2.55(m,1H),1.95(m,1H),1.85(m,1H)ppm。
【0313】
DMF(3mL)中のL−Boc−第三級ブチルグリシン(243mg、Bachem)、EDC(201mg)、HOBt(161mg)およびDIEA(502μL)を、DMF(1mL)中のアミン塩27(300mg)を処理し、そして室温で、一晩撹拌した。その混合物を酢酸エチルと1.0N HClとの間で分配し、その有機物を、飽和炭酸水素ナトリウム、1.0Nグリシンナトリウム塩溶液、10%炭酸カリウム溶液およびブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルのプラグ(これは、30%EtOAc/ヘキサンで溶出する)で精製すると、白色固形物として、300mg(70%)の所望の2−(2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル28が得られた。H NMR(CDCl) δ 5.2(d,1H),4.7(t,1H),4.65(s,1H),4.3(d,1H),3.8(d,1H),3.75(s,3H),3.1(m,1H),3.0(m,1H),2.8(m,1H),2.75(m,1H),2.6(m,1H),2.2(m,1H),2.1(m,1H),1.95(m,1H),1.45(s,9H),1.05(s,9H)ppm。
【0314】
ジオキサン(1mL)中のBoc保護アミン28(243mg)を4.0N HCl/ジオキサン溶液(2mL)で処理し、そして室温で、2時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、CHClでスラリー化し、そして真空中で蒸発させて、白色固形物として、そのHCl塩として、208mg(100%)の所望の2−(2−アミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル29を得た。質量スペクトルMH+=347.1。
【0315】
CHCl(1mL)中のL−Boc−シクロヘキシルグリシン(154mg、Bachem)、EDC(115mg)、HOBt(81mg)およびDIEA(284mg)を、CHCl(2mL)中のアミン塩29(189mg)で処理し、その混合物を2時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと1.0N HClとの間で分配し、その有機物を、炭酸水素ナトリウム、1.0Nグリシンナトリウム塩溶液、10%炭酸カリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルプラグ(これは、30%EtOAc/ヘキサンで溶出する)で精製すると、白色固形物として、221mg(70%)の2−[2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル30が得られた。H NMR(CDCl) δ 6.4(d,1H),5.0(d,1H),4.7(m,2H),4.6(d,1H),3.9(m,1H),3.8(d,1H),3.7(s,1H),3.0(m,2H),2.8(m,1H),2.7(m,1H),2.6(m,1H),2.2(m,1H),2.15(m,1H),2.0(m,1H),1.65(m,7H),1.45(s,9H),1.15(m,4H),1.05(s,9H)ppm。
【0316】
ジオキサン(1mL)中のBoc保護アミン30(221mg)を4.0N HCl/ジオキサン溶液(2mL)で処理し、そして室温で、2時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、CHClでスラリー化し、蒸発させ、この手順を繰り返し、その混合物を真空中で蒸発させて、白色固形物として、そのHCl塩として、197mg(100%)の所望の2−[2−(2−アミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−
ジメチル−ブチリル]−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル31を得た。質量スペクトルMH+=486.2。
【0317】
CHCl(2mL)中のピラジン酸32(26mg、Aldrich Chem Co.)、EDC(40mg)、HOBt(32mg)およびDIEA(99μL)を、CHCl(2mL)中のアミン塩(98mg)で処理し、そしてRTで、3時間撹拌した。その混合物をEtOAcと1.0N HClとの間で分配し、ブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルのプラグ(これは、100%EtOAcで溶出する)で精製すると、白色固形物として、50mg(45%)の所望の2−[2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル33が得られた。質量スペクトルMH+=592.1、MH−=590.2。
【0318】
THF−水(400μL−100μL)中のエステル33(50mg)をLiOH(7mg)で処理し、その混合物を、室温で、3時間撹拌した。この混合物を蒸発させ、EtOAcで希釈し、1.0N HClおよびブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、白色固形物として、2−[2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸34を得た、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。質量スペクトルMH+=578.0、MH−=576.2。
【0319】
CHCl(1mL)中の酸34(49mg)、EDC(14.2mg)、HOBt(17.8mg)およびDIEA(44μL)を、CHCl(1mL)中の3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸シクロプロピルアミン35(17.3mg、これは、U.Schoellkopfら、Justus Liebigs Ann.Chem.GE,1976,183−202およびJ.Stempleら、Organic Letters 2000,2(18),2769−2772)で記述された方法に従って、調製した)で処理し、その混合物を、RTで、一晩撹拌した。EtOAcを加え、その有機物を1.0N HClおよびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルのプラグ(これは、2%MeOH/CHClで溶出する)で精製すると、白色固形物として、31mg(50%)の所望の2−[2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸[1−(シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド36が得られた。質量スペクトルMH+=746.1、MH−=744.3。
【0320】
EtOAc(620μL)中のヒドロキシアミド36(31mg)をEDC(120mg)で処理し、続いて、DMSO(233μL)で処理し、次いで、ジクロロ酢酸(34μL)で処理し、その混合物を、室温で、30分間撹拌した。この反応混合物を1.0N
HCl(620μL)で希釈し、その有機物を水で洗浄し、次いで、真空中で濃縮し、そして分取HPLCで精製して、白色固形物として、14mg(45%)の所望の2−(2−{2−シクロヘキシル−2−[(ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド2aを得た。H NMR(CDCl) δ 9.4(s,1H),8.75(s,1H),8.65(s,1H),8.3(s,1H),7.45(d,1H),6.8(d,1H),5.4(d,1H),4.8(m,2H),4.6(m,1H),4.5(m,1H),3.7(d,1H),3.1(m,2H),2.8(m,2H),2.65(
m,2H),2.3(m,1H),2.2(m,1H),1.95(m,3H),1.7(m,6H),1.4(m,2H),1.15(m,4H),1.05(s,9H),0.9(m,4H),0.85(m,2H),0.65(m,2H)ppm。
【0321】
(実施例3)
(2−(2−{2−[(3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(1a))
この化合物は、実施例2で記述した手順と類似の手順を使用して、2−[2−(2−アミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−6,10−ジチア−2−アザ−スピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル31(これは、実施例2で上記のように、調製した)および3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸5b(これは、実施例1で上記のように、調製した)から調製した。白色固形物(最後の工程については、11%)として、表題化合物を単離した。LCMS:保持時間=4.8分間、M+H=801.2。
【0322】
(実施例4)
(HCVレプリコン細胞アッセイプロトコール)
適切に補充した10%ウシ胎仔血清(FBS)、0.25mg/mlのG418を含むDMEM(培地A)において、C型肝炎ウイルス(HCV)レプリコンを含む細胞を維持した。
【0323】
1日目、レプリコン細胞単分子膜をトリプシン:EDTA混合物で処理し、取り除き、次いで培地Aを100,000細胞/mlの最終濃度に希釈した。100μl中の10,000細胞を、96ウェル組織培養プレートの各ウェルにプレーティングし、37℃にて組織培養インキュベータ中で一晩培養した。
【0324】
2日目、適切に補充した2%FBS、0.5%DMSOを含むDMEM(培地B)に化合物(100%DMSO中)を連続希釈した。DMSOの最終濃度を、その連続希釈を通じて0.5%に維持した。
【0325】
そのレプリコン細胞単分子膜上の培地を除去し、次いで種々の濃度の化合物を含む培地Bを加えた。いずれの化合物も含まない培地Bを、化合物なしのコントロールとして、他のウェルに加えた。
【0326】
細胞を、37℃にて組織培養インキュベータにおいて48時間、培地B中で、化合物または0.5%DMSOと共にインキュベートした。48時間のインキュベーションの最後に、その培地を除去し、そのレプリコン細胞単分子膜をPBSで一度洗浄し、そしてRNA抽出まで−80℃で保存した。
【0327】
処理したレプリコン細胞単分子膜を有する培養プレートを解凍し、定量の別のRNAウイルス(例えば、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV))を各ウェルの細胞に加えた。RNAの分解を避けるために、RNA抽出試薬(例えば、RNeasyキットからの試薬)を直ちにその細胞へ加えた。総RNAを、抽出の効率および一貫性を向上させるための改変を加え、製造者の説明書に従って抽出した。最終的に、総細胞RNA(HCVレプリコンRNAを含む)を溶出させ、さらなる処理まで−80℃で保管した。
【0328】
TaqmanリアルタイムRT−PCR定量アッセイを、特定のプライマーおよびプローブの2つのセットを用いて準備した。一方はHCV用であり、他方はBVDV用であっ
た。処理されたHCVレプリコン細胞からの総RNA抽出物を、同じPCRウェル中でのHCV RNAおよびBVDV RNAの両方の定量のために、PCR反応に加えた。実験の失敗を、各ウェルにおけるBVDV RNAレベルに基づいて印を付け(flag)、除いた。各ウェルにおけるHCV RNAレベルを、同じPCRプレートにおいて測定された(run)標準曲線により計算した。化合物処理によるHCV RNAレベルの阻害または減少のパーセンテージを、DMSOまたは0%の阻害としての化合物なしのコントロールを使用して計算した。IC50(HCV RNAレベルの50%の阻害が観察される濃度)を、任意の所定の化合物の滴定曲線から計算した。
【0329】
(実施例5)
(HCV Kiアッセイプロトコール)
(5AB基質および産物の分離のためのHPLC Microbore法)
基質:
NH−Glu−Asp−Val−Val−(α)Abu−Cys−Ser−Met−Ser−Tyr−COOH
20mM(または使用者の選択する濃度)の5ABのストック溶液を、DMSO w/0.2M DTTで作製した。これを−20℃にてアリコートで保管した。
【0330】
緩衝液:50mM HEPES、pH7.8;20%グリセロール;100mM NaCl。
【0331】
総アッセイ容量は、100μLであった。
【表A】

【0332】
緩衝液、KK4A、DTT、およびtNS3を組み合わせ;96ウェルプレートのウェルに各々78μLずつ分配した。これを30℃で約5〜10分間インキュベートした。
【0333】
2.5μLの適切な濃度の試験化合物を、DMSO中に溶解し(コントロールはDMSOのみ)、各ウェルに加えた。これを、室温にて15分間インキュベートした。
【0334】
250μMの5AB基質(25μMの濃度が、5ABについてのKmと当量または若干それより低い)を20μL加え、反応を開始した。
30℃にて20分間インキュベートした。
10%TFAを25μL加えることにより反応を終止させた。
120μLのアリコートをHPLCバイアルへ移した。
【0335】
SMSY産物を、基質およびKK4Aから以下の方法により分離した。
(Microbore分離方法)
機器:Agilent 1100
脱気器(Degasser) G1322A
バイナリーポンプ(Binary pump) G1312A
自動試料採取器(Autosampler) G1313A
カラム恒温チャンバー(Column thermostated chamber)
G1316A
ダイオードアレイ検出器(Diode array detector) G1315A
カラム:
Phenomenex Jupiter;5ミクロン C18;300オングストローム;150×2mm;P/O 00F−4053−B0
カラム温度:40℃
注入容量:100μL
溶媒A=HPLC等級の水+0.1%TFA
溶媒B=HPLC等級のアセトニトリル+0.1%TFA
【表B】

【0336】
停止時間:17分
実行時間:10分
以下の表1は、本発明の特定の化合物についての、質量スペクトル(M−H、M+H、obs=実測値)、HPLC、H−NMR(スペクトルデータが得られる場合「はい」)、Ki、およびIC50データを示す。
【0337】
Kiが1μM〜5μMの範囲の化合物はAと表す。Kiが1μM〜0.5μMの範囲の化合物はBと表す。Kiが0.5μM未満の化合物はCと表す。IC50が1μM〜5μMの範囲の化合物はAと表す。IC50が1μM〜0.5μMの範囲の化合物はBと表す。IC50が0.5μM未満の化合物はCと表す。
【0338】
【表1】

本明細書中で引用した全ての文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1】

ここで:
XおよびX’は、両方共に、フッ素である;または
XおよびX’は、別個に、C(H)、N、NH、OまたはSである;そしてXおよびX’は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員の飽和または部分不飽和環を形成し、該環は、4個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される;ここで、任意の原子は、必要に応じて、単独または複数で、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;ここで、該環は、必要に応じて、第二環と縮合され、該第二環は、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよび(C3〜C10)ヘテロシクリルから選択され、ここで、該第二環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)NR’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)である;
ここで;
R’は、別個に、以下から選択される:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−および
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R’中の5個までの原子は、必要に応じて、別個に、Jで置換されている;
ここで、同じ原子に結合した2個のR’基は、3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、3個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、別個に、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択され、ここで、該環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたは(C3〜C10)ヘテロシクリルと縮合され、ここで、任意の環は、3個までの置換基を有し、該置換基は、別個に、Jから選択される;
YおよびY’は、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−;または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−;
ここで、YおよびY’中の3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOで置き換えられ得る;
ここで、YおよびY’の各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびRは、別個に、以下である:
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、RおよびR中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択される;
ここで、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
、RおよびRは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族−または
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)−脂肪族−;
ここで、R、RおよびR中の2個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、ヘテロ原子で置き換えられ得、該ヘテロ原子は、O、N、NH、S、SOおよびSOから選択される;
ここで、R、RおよびRの各々は、別個に、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;
およびR5’は、別個に、水素または(C1〜C12)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置き換えられる;ここで、Rの任意の末端炭素原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている;またはRは、Phまたは−CHPhであり、そしてR5’は、Hであり、ここで、該Phまたは−CHPh基は、必要に応じて、3個までの置換基で置換され、該置換基は、別個に、Jから選択される;または
およびR5’は、それらが結合する原子と一緒になって、3〜6員の飽和または部分不飽和環であり、該環は、2個までのヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、N、NH、O、SOおよびSOから選択される;ここで、該環は、2個までの置換基を有し、該置
換基は、別個に、Jから選択される;
Wは、以下である:
【化2】

ここで、各Rは、別個に、以下である:
水素−、
(C1〜C12)−脂肪族−、
(C6〜C10)−アリール−、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族−、
(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3〜C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族−、
(C5〜C10)−ヘテロアリール−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族−、または
2個のR基は、同じ窒素原子に結合され、その窒素原子と一緒になって、(C3〜C10)−複素環を形成する;
ここで、Rは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
ここで、各Rは、別個に、−OR’である;または該R基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3〜C10)員の複素環であり、該複素環は、該ホウ素に加えて、3個までの追加ヘテロ原子を有し、該追加ヘテロ原子は、N、NR’、O、SOおよびSOから選択される;
Vは、Oまたは原子価結合である;そして
Tは、以下である:
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−;
ここで、各Tは、必要に応じて、3個までのJ置換基で置換されている;
但し、以下の化合物は、除外される:
a)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステルグリシン;
b)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
c)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
d)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
e)N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
f)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−1,1−ジメチルエチルエステル,グリシン;
g)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシン;
h)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
i)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N,N−ジメチル−2−フェニル−グリシンアミド;
j)(2S)−N−アセチル−L−ロイシル−(2S)−2−シクロヘキシルグリシル−(3S)−6,10−ジチア−2−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−グリシンアミド;
k)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
l)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−,2−(1,1−ジメチルエチル)エステル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
m)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−L−バリル−N−[1−[オキソ(2−プロペニルアミノ)アセチル]ブチル]−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボキサミド;
n)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−グリシン;
o)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイルグリシル−2−フェニル−グリシンアミド;
p)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−、1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)−7−(2−プロペニル)エステルグリシン;および
q)N−アセチル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−バリル−2−シクロヘキシルグリシル−(8S)−1,4−ジチア−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−カルボニル−3−アミノ−2−オキソヘキサノイル−1,2−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステルグリシン。

【公開番号】特開2011−116784(P2011−116784A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−51769(P2011−51769)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2006−520389(P2006−520389)の分割
【原出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】