説明

セリンプロテアーゼ、特にHCVのNS3−NS4Aプロテアーゼの阻害剤

本発明は、セリンプロテアーゼ活性を、特にC型肝炎ウイルスのMS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する、式I:
【化1】


の化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物に関する。それ自体、それらはC型肝炎ウイルスのライフサイクルを妨げることによって作用し、そしてまた抗ウイルス剤として有用である。本発明は、さらに、ex vivo の使用またはHCV感染している患者に投与するためのこれらの化合物を含む組成物、および本化合物の製造方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物を投与することによる、患者におけるHCV感染を処置する方法に関する。本発明は、さらに、これらの化合物の製造方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は、セリンプロテアーゼ活性、特にC型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼを阻害する化合物に関する。そのような化合物は、C型肝炎ウイルスのライフサイクルを阻害することによって作用し、また抗ウイルス剤としても有用である。本発明は、さらに、ex vivo の使用またはHCV感染している患者に投与するためのこれらの化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物を投与することによる、患者におけるHCV感染を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
C型肝炎ウイルス(“HCV”)による感染は、避けられない医療上の問題である。HCVは、非A非B型肝炎の大部分の症例の原因因子として認識され、世界的にヒトの血清疫学の3%と推定されている [A. Alberti et al., “Natural History of Hepatitis C”, J. Hepatology, 31., (Suppl. 1), pp. 17-24 (1999)]。米国のみでも、400万人近くが感染しているであろう [M.J. Alter et al., “The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States”, Gastroenterol. Clin. North Am., 23, pp. 437-455 (1994); M. J. Alter “Hepatitis C Virus Infection in the United States,” J. Hepatology, 31., (Suppl. 1), pp. 88-91 (1999)]。
【0003】
HCVに最初に曝露された際には、感染者の約20%のみが、急性の臨床的肝炎を発症し、一方、その他は、自然治癒するようである。しかしながら、ほぼ70%の症例において、該ウイルスが、数十年間に亘る慢性感染症を発症させる[S. Iwarson, “The Natural Course of Chronic Hepatitis,” FEMS Microbiology Reviews, 14, pp. 201-204 (1994); D. Lavanchy, “Global Surveillance and Control of Hepatitis C,” J. Viral Hepatitis, 6, pp. 35-47 (1999)]。これは、通常再発性進行性肝炎を起こし、しばしばより重篤な症状、例えば肝硬変および肝細胞癌に至る [M.C. Kew, “Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma”, FEMS Microbiology Reviews, 14, pp. 211-220 (1994); I. Saito et. al., “Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma,” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 6547-6549 (1990)]。残念ながら、慢性HCVの増悪進行に広く有効な治療はない。
【0004】
HCVゲノムは、3010〜3033個のアミノ酸のポリ蛋白質をコードする[Q.L. Choo, et. al., “Genetic Organization and Diversity of the Hepatitis C Virus.” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, pp. 2451-2455 (1991); N. Kato et al., “Molecular Cloning of the Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients with Non-A, Non-B Hepatitis,” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 9524-9528 (1990); A. Takamizawa et. al., “Structure and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From Human Carriers,” J. Virol., 65, pp. 1105-1113 (1991)]。HCV非構造性(NS)蛋白質は、ウイルスの複製のための必須の触媒機構を提供すると推定される。NS蛋白質は、ポリ蛋白質の蛋白分解的開裂によって得られる[R. Bartenschlager et. al., “Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine-Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4 and NS4/5 Junctions,” J. Virol., 67, pp. 3835-3844 (1993); A. Grakoui et. al., “Characterization of the Hepatitis C Virus-Encoded Serine Proteinase: Determination of Proteinase-Dependent Polyprotein Cleavage Sites,” J. Virol., 67, pp. 2832-2843 (1993); A. Grakoui et. al., “Expression and Identification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products,” J. Virol., 67, pp. 1385-1395 (1993); L. Tomei et. al., “NS3 is a serine protease required for processing of hepatitis C virus polyprotein”, J. Virol., 67, pp. 4017-4026 (1993)]。
【0005】
HCV NS 蛋白質 3(NS3)は、セリンプロテアーゼを含み、これは大多数のウイルス性酵素の作用を補助し、そのためウイルスの複製および感染力に必須であると考えられている。黄熱病ウイルス性NS3プロテアーゼの変異は、ウイルスの感染力を減少させることが知られている[Chambers, T.J. et. al., “Evidence that the N-terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus is a Serine Protease Responsible for Site-Specific Cleavages in the Viral Polyprotein”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 8898-8902 (1990)]。NS3の始めの181個のアミノ酸(ウイルス性ポリ蛋白質の残基1027〜1207)が、HCVポリ蛋白質の4個の下流部位の全てに作用するNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが示された[C. Lin et al., “Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase: Trans-Cleavage Requirements and Processing Kinetics”, J. Virol., 68, pp. 8147-8157 (1994)]。
【0006】
HCV NS3 セリンプロテアーゼおよびその関連するコファクターNS4Aは、ウイルス性酵素の全てに作用することを助け、そのためウイルスの複製に必須と考えられている。この作用は、ヒト免疫不全ウイルスのアスパラギン酸プロテアーゼ(これもまたウイルス性酵素作用に関与している)によって行われるものと類似しているようである。ウイルス性蛋白質の加工を阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤は、ウイルスのライフサイクルのこの段階を妨げることで治療的に活性な薬剤となる、ヒトにおける強力な抗ウイルス剤である。それゆえに、HCV NS3セリンプロテアーゼはまた、薬物開発のための魅力的な標的である。
【0007】
現在、満足のいく抗HCV剤もしくは処置は全くない。近年になるまで、HCV疾患のための唯一の確立された治療は、インターフェロン処置であった。しかし、インターフェロンは、著しい副作用を有し[M. A. Wlaker et al., “Hepatitis C Virus: An Overview of Current Approaches and Progress,” DDT, 4, pp. 518-29 (1999); D. Moradpour et al., “Current and Evolving Therapies for Hepatitis C,” Eur. J. Gastroenterol. Hepatol., 11, pp. 1199-1202 (1999); H. L. A. Janssen et al. “Suicide Associated with Alfa-Interferon Therapy for Chronic Viral Hepatitis,” J. Hepatol., 21, pp. 241-243 (1994); P.F. Renault et al., “Side Effects of Alpha Interferon,” Seminars in Liver Disease, 9, pp. 273-277. (1989)]、一部の症例(〜25%)だけで長期間の寛解をもたらす[O. Weiland, “Interferon Therapy in Chronic Hepatitis C Virus Infection”, FEMS Microbiol. Rev., 14, pp. 279-288 (1994)]。ペグ化されたインターフェロン(PEG-INTRON(登録商標)およびPEGASYS(登録商標))、ならびにリバビリンおよびペグ化インターフェロン(REBETROL(登録商標))の組み合わせ治療の近年の導入は、寛解速度の僅かな改善をもたらし、そして副作用の部分的な軽減をもたらした。さらに、有効な抗HCVワクチンの見通しも不確かである。
【0008】
従って、より有効な抗HCV治療への要請がある。このような阻害剤は、プロテアーゼ阻害剤として、特にセリンプロテアーゼ阻害剤としての、より特定的にはHCV NS3プロテアーゼ阻害剤としての治療的可能性を有する。特に、このような化合物は、抗ウイルス剤として、特に抗HCV剤として有用であり得る。
【発明の開示】
【0009】
本発明の要約
本発明は、式I:
【化1】

[式中、記号は本明細書中で定義した通りである]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供することによって、これらの要請に応える。
【0010】
本発明はまた、式II:
【化2】

[式中、記号は本明細書中で定義した通りである]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0011】
本発明はまた、式IV:
【化3】

[式中、記号は本明細書中で定義した通りである]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0012】
本発明はまた、上記の化合物を含む組成物、およびその使用に関する。該組成物は、患者に挿入される侵襲性機器を前処理するために、患者に投与する前に生物学的サンプル(例えば血液)を処理するために、そして患者への直接投与のために用いられ得る。それぞれの場合において、組成物は、HCV複製を阻害し、HCV感染のリスクを減らすかまたは重症度を軽減するために用いられる。
【0013】
本発明はまた、式Iの化合物を製造する方法に関する。
【0014】
本発明の詳細な説明
本発明は、式I:
【化4】

[式中、
Vは、−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−、または−S(O)−であり;
Rは、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−、または結合であり;
【0015】
Tは、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)ヘテロアリール、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であって、
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、所望により−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−または−N(H)−で置き換えられており、
それぞれのTは、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環系を形成し、該環は、所望により、(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、もしくは(C−C10)複素環と縮合しており、そして何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し、
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し、
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であるか;または
【0016】
Tは、
【化5】

【化6】

であり、
ここで、
10は、水素、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
Kは、結合、(C−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−{ここで、Rは、水素または(C−C12)−脂肪族である}であり、
nは、1〜3であるか;または
Tは、N(R17)から選択され;
【0017】
Wは、
【化7】

であり;
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、
または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
【0018】
およびR5'は、独立して、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
その何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており、そして
その2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、何れかの環は、所望により、(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、
ここで、R、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR1'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環系は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
【0019】
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R、R、およびR12は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、R、およびR12は、独立して、Jから独立して選択される3個までの置換基で所望により置換されており、
ここで、R、R、R、およびR12中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
【0020】
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0021】
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0022】
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0023】
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式、もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有するか;または
【0024】
およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有する]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、式II:
【化8】

[式中、
は、−N(R20)−、−O−、−S−、または−C(R')−であり;
は、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Wは、
【化9】

であり、
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、
(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、または
同一の窒素原子に結合している2つのR17は、該窒素原子と一体となって、(C−C10)−複素環式環(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
【0026】
それぞれのR18は、独立して−OR'であるか;または両方のOR'は、ホウ素原子と一体となって、(C−C20)−複素環式環(ホウ素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択されるさらなる3個までのヘテロ原子を有する)となり、
該環は単環式もしくは二環式であり、
存在するならば、二環式環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;
は、(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
の何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており;
5'は、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は、所望によりハロゲンで置換されており、そして
の何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されているか;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか;または
およびR1'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
【0027】
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
ここで、
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、そして
その何れかの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;
【0028】
、R、R12、およびR20は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−、(C−C10)−シクロアルキル−(C−C12)−脂肪族−、または(C−C10)アリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、R12、およびR20は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;
、R、R12、およびR20中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0029】
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0030】
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0031】
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し;
14は、−H、−S(O)R'、−S(O)R'、−C(O)R'、−C(O)OR'、−C(O)N(R')、−N(R')C(O)R'、−N(COR')COR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり;
【0032】
15およびR16は、独立して、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり;
は、=O、=NR'、=NOR'、または=C(R')であり;
19は、−OR'、−CF、−OCF、−R'、−N(R')、−SR'、−C(O)R'、−COOR'、−CON(R')、−N(R')COR'、または−N(COR')COR'であり;
【0033】
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレン(ethyene)ジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、該環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、
何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0034】
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')である]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、式IV:
【化10】

[式中、
Vは、−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−、または−S(O)−であり;
Rは、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−、または結合であり;
Tは、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)ヘテロアリール、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、所望により−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−または−N(H)−で置き換えられており、
それぞれのTは、所望により3個までの置換基Jで置換されていてもよく;
【0036】
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環系を形成し、該環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し、
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;
【0037】
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であるか;または
【0038】
Tは、
【化11】

【化12】

であり、
ここで、
10は、水素、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
Kは、結合、(C−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−{ここで、Rは、水素または(C−C12)−脂肪族である}であり;
nは、1〜3であるか;または
【0039】
Tは、N(R17)から選択され;
Wは、
【化13】

であり;
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、
または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
【0040】
およびR5'は、独立して、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
その何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており、そして
その2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環はJから独立して選択される2個までの置換基を有し;
【0041】
11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、何れかの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており;
ここで、それぞれのR11、R11'、R13、およびR13'中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、またはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
【0042】
、R、およびR12は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、およびR12は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、R、R、およびR12中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0043】
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0044】
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
【0045】
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有するか;または
【0046】
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する、所望により置換されている3員環から6員環を形成するとき、該環における置換可能な原子の一つは、R13およびR13が結合している原子と一体となって、14員から19員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有する]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0047】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物以外の式Iの化合物を提供する。
【0048】
定義
本明細書で用いられる“アリール”という用語は、単環式もしくは二環式の炭素環式芳香環系を意味する。フェニルは単環式芳香環系の例である。二環式芳香環系は、両方の環が芳香族性である系(例えばナフチル)、および2つの環の一方のみが芳香族性である系(例えばテトラリン)を含む。本明細書中で用いられる場合、“(C−C10)−アリール−”という用語は、C、C、C、C、およびC10の何れか1つの単環式もしくは二環式炭素環式芳香環系を含むと理解される。
【0049】
本明細書で用いられる“複素環”という用語は、それぞれの環において、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1から3個のヘテロ原子を有する単環式もしくは二環式非芳香環系を意味する。“複素環”の二環式非芳香環系の態様において、一方もしくは両方の環が、該ヘテロ原子を含み得る。本明細書で用いられる場合は、“(C−C10)−複素環−”という用語は、それぞれの環において、化学的に安定な配置で、O、N、NH、およびSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する、5、6、7、8、9、および10原子の何れか1つの単環式もしくは二環式非芳香環系を含むと理解される。
【0050】
複素環式環は、3−1H−ベンゾイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンゾイミダゾール−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアン、および1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンを含み、これらに限定されない。
【0051】
本明細書中で用いられる“ヘテロアリール”という用語は、それぞれの環において化学的に安定な配置でO、N、NH、もしくはSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する、単環式もしくは二環式芳香環系を意味する。このような“ヘテロアリール”の二環式芳香環系において、
●一方もしくは両方の環が芳香族性であってもよく;そして
●一方もしくは両方の環がヘテロ原子もしくはヘテロ原子団を含んでもよい。本明細書で用いられるとき、“(C−C10)−ヘテロアリール−”という用語は、それぞれの環において化学的に安定な配置でO、N、NH、およびSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する、5、6、7、8、9、および10原子の何れか1つの単環式もしくは二環式芳香環系を含むと理解される。
【0052】
ヘテロアリール環は、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば2−インドリル)、ピラゾリル(例えば2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(例えば1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、もしくは4−イソキノリニル)を含み、これらに限定されない。上記のアリール、複素環もしくはヘテロアリールは、それぞれ、例えばハロゲン、−OR'、−NO、−CF、−OCF、−R'、オキソ、−OR'、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−C(O)R'、−COOR'、または−CON(R'){ここで、R'は、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、またはアルキニルから独立して選択される}から独立して選択される3個までの置換基を含んでもよい。
【0053】
本明細書中で用いられる“脂肪族”という用語は、直鎖もしくは分枝鎖の、アルキル、アルケニルもしくはアルキニルを意味する。本明細書中で用いられる“(C−C12)−脂肪族−”という用語は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、およびC12の何れか1つの直鎖もしくは分枝鎖の炭素原子のアルキル鎖を含むと理解される。アルケニルもしくはアルキニルという態様は、脂肪族鎖において少なくとも2個の炭素原子を必要とすると理解される。“シクロアルキルもしくはシクロアルケニル”という用語は、芳香族性ではない、単環式の、または縮合もしくは架橋二環式の、炭素環式環系を言う。シクロアルケニル環は、1個以上の不飽和ユニットを有する。また、本明細書中で用いられるときには、“(C−C10)−シクロアルキル−もしくは−シクロアルケニル−”という用語は、C、C、C、C、C、C、C、およびC10の何れか1つの、単環式、または縮合もしくは架橋二環式の、炭素環式環を含むと理解される。シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、アダマンチル、およびデカリニルを含み、これらに限定されない。
【0054】
本明細書では、炭素原子数は、示された整数および何れかのその間の整数を有する。例えば、(C−C)−アルキルにおける炭素原子の数は、1、2、3、または4である。これらの指定は、適切な基において原子の総数を言うと理解されるべきである。例えば、(C−C10)−複素環において、炭素原子およびヘテロ原子の総数は、3(アジリジンなど)、4、5、6(モルホリンなど)、7、8、9、または10である。
【0055】
本明細書で用いられる“化学的に安定な配置”というフレーズは、該化合物を、当業界に既知の方法による製造および哺乳動物への投与が可能なほど十分に安定にした、化合物の構造を言う。典型的には、このような化合物は、40℃以下の温度で、湿気もしくは他の化学的反応性条件の非存在下で、少なくとも1週間安定である。
【0056】
別の態様において、本発明は、式 III:
【化14】

[式中、
、P、P、Pは、当業界で既知のセリンプロテアーゼ阻害剤の残基を示し;
mは、1または2であり、Uが結合もしくはNR17であり;そして
V、R、T、およびR17は、本明細書中の態様の何れかで定義された通りである]の化合物を提供する。
【0057】
別の態様において、本発明は、式 IIIa:
【化15】

[式中、
、P、およびPは、当業界で既知のセリンプロテアーゼ阻害剤の残基を示し;
mは、1または2であり;
Uは、結合またはNR17であり;そして
V、R、T、およびR17は、本明細書中の態様の何れかで定義された通りである]の化合物を提供する。
【0058】
従って、1)セリンプロテアーゼ阻害剤の構造要素;および2)該アシル スルホンアミド部分を有する全ての化合物は、本発明の一部と考えられる。セリンプロテアーゼ阻害剤の構造要素を有する化合物は、下記の公報:WO 97/43310、US 20020016294、WO 01/81325、WO 02/08198、WO 01/77113、WO 02/08187、WO 02/08256、WO 02/08244、WO 03/006490、WO 01/74768、WO 99/50230、WO 98/17679、WO 02/48157、US 20020177725、WO 02/060926、US 20030008828、WO 02/48116、WO 01/64678、WO 01/07407、WO 98/46630、WO 00/59929、WO 99/07733、WO 00/09588、US 20020016442、WO 00/09543、WO 99/07734、US 6,018,020、WO 98/22496、US 5,866,684、WO 02/079234、WO 00/31129、WO 99/38888、WO 99/64442、WO 2004072243、および WO 02/18369 の化合物を含み、これらに限定されない。これらの公報は、言及することによって、本明細書中に組み込まれる。
【0059】
従って、上記の公報の全ての化合物は、このアシルスルホンアミド部分もしくはその誘導体を有するよう修飾され得る。このような化合物は全て本発明の一部である。例えば、WO 02/18369 (p.41)における化合物A:
【化16】

を修飾して、下記の本発明の化合物:
【化17】

[式中、mは1または2であり、Uは結合もしくはNR17であり、そしてR17は本明細書中の態様の何れかで定義した通りである]を提供し得る。
【0060】
式I、式II、または式IVの化合物の1つの態様において、
11はHであり;そして
12は、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルである。
【0061】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、
12は、イソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、またはフェニルエチルである。
【0062】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、
11は、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり;そして
12はHである。
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、R11'およびR12はHである。
【0063】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化18】

は、
【化19】

である。
【0064】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化20】

は、
【化21】

である。
【0065】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化22】

は、
【化23】

である。
【0066】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化24】

は、
【化25】

である。
【0067】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化26】

は、
【化27】

である。
【0068】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化28】

は、
【化29】

[式中、nは0または1であり、そしてZおよびZ'はSまたはOである]である。
【0069】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、基:
【化30】

は、
【化31】

[式中、
それぞれのBは、独立して、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し;
それぞれの環Bは、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり;
その複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており;そして
それぞれの環は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]である。
【0070】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、環系は、
【化32】

であり、
ここで、それぞれの環C、D、およびEは、環Bについて上記で定義した通りであり、そしてZは、炭素原子、−CHR'−N−、−HN−CR'−もしくは−CHR'−CHR'−、−O−CHR'−、−S−CHR'−、−SO−CHR'−、−SO−CHR'−、または−N−である。別の態様において、R'は、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−アリール、(C−C10)アリール−(C−C12)−脂肪族、または(C−C10)−シクロアルキルである。別の態様において、R'は、(C−C)−アルキル、または(C−C)−シクロアルキルである。
【0071】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、環Cは、
【化33】

【化34】

から選択され;
ここで、Rは、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、(C−C10)−アリール−、または(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−である。
【0072】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、環Cは、
【化35】

から選択され;
ここで、Rは、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、(C−C10)−アリール−、または(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−である。
【0073】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、環Dは、
【化36】

【化37】

【化38】

から選択され;
ここで、Rは、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、(C−C10)−アリール−、または(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−である。
【0074】
式I、式II、または式IVの化合物の別の態様において、環Dは、
【化39】

から選択され;
ここで、Rは、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、(C−C10)−アリール−、または(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−である。
【0075】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、環AおよびBは、それと結合している環と一体となって、
【化40】

を含む。
【0076】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化41】

は、
【化42】

である。
【0077】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化43】

は、
【化44】

【化45】

【化46】

である。
【0078】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化47】

は、
【化48】

である。
【0079】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化49】

は、
【化50】

である。
【0080】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化51】

は、
【化52】

である。
【0081】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化53】

は、
【化54】

である。
【0082】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、基:
【化55】

は、
【化56】

である。
【0083】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化57】

は、
【化58】

であり;
それぞれのBは、独立して、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し;
それぞれの環Bは、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、もしくはSOであり、
環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
それぞれの環は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている。
【0084】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化59】

は、
【化60】

【化61】

である。
【0085】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化62】

は、
【化63】

【化64】

である。
【0086】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化65】

は、
【化66】

である。
【0087】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化67】

は、
【化68】

であり;
Bは、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
それぞれの環Bは、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり、
環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、
炭素環式もしくは複素環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、そして
それぞれの環は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている。
【0088】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、基:
【化69】

は、
【化70】

である。
【0089】
上記の基において、R11はHであると理解される。
【0090】
式I、式 II もしくは式 IV の化合物の別の態様において、
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、6員から10員の単環式もしくは二環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有する。
【0091】
何れの環系も、本明細書中で示す通りに置換されていてもよい。式I、式II、もしくは式IVの化合物の1つの態様において、該環の置換基は、オキソ、フルオロ、ジフルオロ(特に隣接ジフルオロ)、およびヒドロキシである。別の態様において、下記の環系:
【化71】

は、所望によりオキソ、フルオロ、ジフルオロ(特に隣接ジフルオロ)、およびヒドロキシで置換されており、ここで、環Bは、所望により1個の不飽和結合を有する5員の炭素環式環である。
【0092】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、ヘテロ原子は、N、NH、O、SO、およびSOからなる群から選択される。
【0093】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R5'はHであり、そしてRは(C−C)−アルキルであり、該アルキルは、所望によりフルオロまたは−SHで置換されている。
【0094】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、該(C−C)−アルキルは、1から3個のフルオロで置換されている。
【0095】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、RおよびR5'は、独立して、
【化72】

である。
【0096】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R5'はHであり、そしてRは、
【化73】

である。
【0097】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、RおよびR5'は、
【化74】

である。
【0098】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、
13は、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり、
ここで、
13は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、そして
13における3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよい。
【0099】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R13'は水素であり、そしてR13は、
【化75】

である。
【0100】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R13は、
【化76】

である。
【0101】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、
は、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり、
ここで、Rは、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、そして
における3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよい。
【0102】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、
1'は水素であり;そして
は、
【化77】

である。
【0103】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Rは、
【化78】

である。
【0104】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)ヘテロアリール、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族から選択され、ここで、それぞれのTは、所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0105】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは(C−C10)ヘテロアリールであり、ここでTは所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0106】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化79】

である。
【0107】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化80】

である。
【0108】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化81】

【化82】

である。
【0109】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化83】

である。
【0110】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、−NH、−NH−、−OH、および−SHから選択される少なくとも1個の水素結合ドナー部分を含む。
【0111】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化84】

であり;
ここで、
Tは、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
Jは、上記で定義した通りであり;
Zは、独立して、O、S、NR10、C(R10){ここで、R10は上記で定義した通りである}であり;
nは、独立して、1または2であり;そして
------ は、独立して、一重結合もしくは二重結合である。
【0112】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化85】

【化86】

であり;
ここで、
Tは、所望により4個までの置換基Jで置換されており、
ここで、Jは、上記で定義した通りであり;
Zは、独立して、O、S、NR10、C(R10)、SO、SOであり、
ここで、R10は上記で定義した通りであり;
nは、独立して、1または2であり;そして
------ は、独立して、一重結合もしくは二重結合である。
【0113】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化87】

であり;
ここで、
Tは、所望により4個までの置換基Jで置換されており、
ここで、Jは上記で定義した通りであり;そして
Zは、独立して、O、S、NR10、C(R10)、SO、SOであり、
ここで、R10は上記で定義した通りである。
【0114】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、Tは、
【化88】

である。
【0115】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、V−R−Tは、
【化89】

から選択される。
【0116】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、V−R−Tは、
【化90】

であり;
ここで、
1つのR17は水素であり;そして
1つのR17は、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、または(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−であり;
ここで、R17における3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;そして
ここで、R17は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている。
【0117】
式Iもしくは式IVの化合物の別の態様において、V−R−Tは、
【化91】

である。
【0118】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、存在するならばR、そしてRおよびRは、それぞれ独立して、Hまたは(C−C)−アルキルである。
【0119】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、存在するならばR、そしてRおよびRはそれぞれHである。
【0120】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、Rは水素であり、Vは−C(O)−であり、Rは結合であり、そしてTは本明細書中の態様の何れか1つで定義した通りである。
【0121】
式IVの化合物の1つの態様において、Rは水素であり、Wは本明細書中の何れかの態様で定義した通りであり、Vは−C(O)−であり、Rは酸素であり、そしてTは、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、または[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族から選択される。
【0122】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化92】

であり、
ここで、
17は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、または
同一の窒素原子に結合している2つのR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し;
ここで、R17は所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0123】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化93】

であり、
ここで、
17は、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;そして
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0124】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化94】

であり、
ここで、
17は、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0125】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化95】

であり、
ここで、
17は、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、そして
17は非置換である。
【0126】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化96】

であり、
ここで、
17は、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−であり、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されている。
【0127】
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、Wは、
【化97】

であり、
ここで、R17は、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−であり、そして
17は非置換である。
【0128】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、Jは、ハロゲン、−OR'、−NO、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−C(O)R'、−COOR'、−CON(R')、−N(R')COR'、−N(COR')COR'、−CN、または−SON(R')である。
【0129】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、Jは、ハロゲン、−OR'、−NO、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−C(O)R'、−COOR'、−CON(R')、−N(R')COR'、−N(COR')COR'、−CN、または−SON(R')である。
【0130】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、JおよびJにおいて、ハロゲンは、クロロまたはフルオロである。別の態様において、ハロゲンはフルオロである。
式Iもしくは式IIの化合物の別の態様において、R1'はHである。
【0131】
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R13'はHである。
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R11'はHである。
式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の態様において、R12はHである。
【0132】
本発明の別の態様は、本発明の化合物を製造する方法を提供する。これらの方法は、スキームおよび実施例に記載されている。
【0133】
式Iの化合物における別の態様において、本化合物は、
【化98】

である。
【0134】
本発明の化合物は、1個もしくはそれ以上の不斉炭素原子を含んでもよく、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして存在してもよい。これらの化合物の全てのこのような異性体の形態は、本発明において、明らかに含まれる。それぞれの不斉炭素は、R配置であってもS配置であってもよい。
【0135】
別の態様において、本発明の化合物は、化合物1〜3で示された構造および立体化学を有する。
上記の種における態様を含む上記の態様の何れも、組み合わされて、本発明の別の態様を生じ得る。
【0136】
下記のスキーム、製法および実施例で用いられる略語は、
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N,−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
NMP:N−メチルピロリジノン
EtOH:エタノール
t−BuOH:tert−ブタノール
EtO:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCCA:ジクロロ酢酸
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
MeCN:アセトニトリル
TFA:トリフルオロ酢酸
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DEAD:ジエチル アゾジカルボキシレート
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
BocO:ジ−tert−ブチル ジカーボネート
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cbz−Cl:ベンジル クロロホルメート
Fmoc:9−フルオレニル メチルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
t−BG:tert−ブチルグリシン
mCBPA:3−クロロ過安息香酸
DAST:三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基
PyBOP:トリス(ピロリジノ)ブロモホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
TBTUもしくはHATU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
AIBN:2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
DMEM:ダルベッコ最小必須培地
PBS:リン酸緩衝食塩水
rtもしくはRT:室温
ON:終夜
ND:測定せず
MS:質量分析
LC:液体クロマトグラフィー
である。
【0137】
一般的な合成法:
本発明の化合物は、一般的には、当業者に既知の方法によって製造され得る。下記のスキーム1〜19は、本発明の化合物への合成ルートを示している。あるいは、当業者に容易に明らかである他の等価なスキームは、下記の一般的なスキームおよび予備的実施例で記載されている、様々な部分の分子を合成するために用い得る。
【0138】
スキーム1:
【化99】

【0139】
上記のスキーム1は、式I、式II、もしくは式IVの化合物(ここで、T、R、R、R17、および環Bは、本明細書の何れかの態様で定義した通りである)の化合物の一般的な製造ルートを提供する。式IVの化合物は、スキーム1(ここで、一つ少ないCBz−Xaa−OH基は、本化合物の合成の過程でカップリングする)によって製造され得ることが、当業者に明らかである。
【0140】
スキーム2:
【化100】

【0141】
上記のスキーム2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物(ここで、T、R、R、R17、および環Bは、本明細書中の何れかの態様で定義した通りである)の別の一般的な製造ルートを提供する。式IVの化合物は、スキーム2(ここで、一つ少ないCBz−Xaa−OH基は、本化合物の合成の過程でカップリングする)によって製造され得ることが、当業者に明らかである。
【0142】
スキーム3:
【化101】

【0143】
上記のスキーム3と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の一般的な製造方法を提供する。
【0144】
スキーム4:
【化102】

【0145】
上記のスキーム4と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の一般的な製造方法を提供する。
【0146】
スキーム5:
【化103】

【0147】
上記のスキーム5と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVのある種の化合物の別の一般的な製造方法を提供する。
【0148】
スキーム6:
【化104】

【0149】
上記のスキーム6と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の別の一般的な製造ルートを提供する。
【0150】
スキーム7:
【化105】

【0151】
上記のスキーム7と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVのある種の化合物の別の一般的な製造方法を提供する。
【0152】
スキーム8:
【化106】

【0153】
上記のスキーム8と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物のさらに別の一般的な製造方法を提供する。
【0154】
スキーム9:
【化107】

【0155】
スキーム9と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の一般的な製造方法を提供する。
【0156】
スキーム10:
【化108】

【0157】
スキーム10と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の一般的な製造方法を提供する。
【0158】
スキーム11:
【化109】

【0159】
スキーム11と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の一般的な製造方法を提供する。
【0160】
スキーム12:
【化110】

【0161】
スキーム12は、対象の別のP2のための合成ルートを示す。上記のスキーム12と組み合わせたスキーム1もしくは2は、式I、式II、もしくは式IVの化合物の一般的な製造方法を提供する。
【0162】
スキーム13:
【化111】

【0163】
上記のスキーム13は、Bioorg. & Med. Chem., 11, pp. 2551-2568 (2003)に記載された手順を用いて、アミノスルホンアミド 6aの製造のための合成スキームを提供する。
【0164】
スキーム14:
【化112】

【0165】
上記のスキーム14は、V−R−Tは上記に示した通りであり、かつR17は本明細書の態様の何れかに記載された通りである化合物の一般的な製造ルートを提供する。ここで、市販のアミンおよび塩化スルホニルを縮合し、次に塩基性条件下で加水分解し、中間体の酸を提供する。酸は、さらに、スキーム1もしくは2に概略した方法を用いて、式Iもしくは式IVの化合物に変換され得る。
【0166】
スキーム15:
【化113】

【0167】
上記のスキーム15は、V−R−Tは上記に示した通りであり、かつR17およびRは本明細書中の態様の何れかに記載された通りである、式Iの化合物の一般的な製造ルートを提供する。ここで、市販のアミノ酸エステル 30は、Kempf, D.J. et al., J. Med. Chem., pp. 320-330 (1993)によって記載されている手順によって、対応するN−クロロスルホニルエステル 31に変換される。31を市販のヒドラジン 32とカップリングし、次に加水分解し、酸 34を得る。酸 34は、上記のスキーム1および2に概略された方法を用いて、式Iの化合物に変換され得る。式IVの化合物は、この手順およびスキーム1および2に記載された手順に従って、適切な出発物質を用いることによって製造され得ることが、当業者に明らかである。例えば、上記のスキームにおいて、化合物 30中のRは、R13(ここで、R13は、本明細書中の何れかの態様で記載された通りである)によって置き換えられる。
【0168】
スキーム16:
【化114】

【0169】
上記のスキーム16は、V−R−Tは上記で示した通りであり、かつR17およびRは本明細書中の態様の何れかに記載された通りである化合物の一般的な製造ルートを提供する。クロロエステル 37は、J. Org. Chem., pp. 2624-2629 (1979)に記載された方法によって製造される。市販のアミノ t−ブチル エステル 36を塩化物 37とカップリングし、スルホンアミド 38を得る。混合エステル 38を塩基性加水分解し、次に市販のアミン 39とカップリングし、中間体エステル 40を得る。1当量のmCBPAで酸化し、スルホキシド 41(ここで、Vは−S(O)−である)を得る。あるいは、2当量のmCBPAで酸化し、スルホン 41(ここで、Vは−S(O)−である)を得る。t−ブチル エステル 40を酸性加水分解し、酸 41を得て、さらに、スキーム1および2に概略された手順によって、式Iもしくは式IIの化合物に合成され得る。式IVの化合物は、この手順およびスキーム1および2で記載された手順に従って、適切な出発物質を用いることによって製造され得ることが、当業者に明らかである。例えば、上記のスキームにおいて、化合物 36中のRは、R13(ここで、R13は本明細書中の何れかの態様に記載された通りである)によって置き換えられる。
【0170】
スキーム17:
【化115】

【0171】
上記のスキーム17は、市販の出発物質(6b)からの、化合物 2の製造ルートを提供する。
【0172】
スキーム18:
【化116】

【0173】
上記のスキーム18は、中間体 8aからの、化合物 1の製造ルートを提供する。中間体 8aは、スキーム17に記載された手順によって、Cbz保護アミノ酸の代わりに適切なBoc保護アミノ酸を用いて製造される。
【0174】
スキーム19:
【化117】

【0175】
上記のスキーム19は、J. Med. Chem., 33(9), pp. 2437-2451 (1990)に記載された手順を用いた、中間体 44におけるアミノスルフィンアミドの製造のための合成スキームを提供する。中間体 44は、さらに、スキーム1もしくは2に概略された方法を用いて、式I、式II、もしくは式IVの化合物に変換され得る。
【0176】
上記のスキーム1および2を介した、式I、式II、もしくは式IVの化合物を製造するための様々な他の所望により置換された多環式アザ複素環中間体の製造は、PCT公開公報第 WO 02/18369 号およびそこで引用された参考文献に記載された方法によって達成され得る。
【0177】
種々の3−、4−および5−置換プロリンアナログは、市販されているか、または既知の文献の手順に従って製造される。例えば、対象のある種の3−置換プロリンアナログは、Holladay, M.W. et al., J. Med. Chem., 34, pp. 457-461 (1991)の方法によって製造され得る。さらに、種々の3,4−二置換プロリンアナログは、Kanamasa, S. et al., J. Org. Chem, 56, pp. 2875-2883 (1991)の方法によって製造され得る。3−、4−もしくは5−置換プロリン、または3,4−二置換プロリンに関する合成において、それぞれ、中間体は、さらに、式I、式II、もしくは式IVの化合物を製造するために、上記のスキーム1もしくは2で定義されたルートによって合成され得る。
【0178】
ある種の態様が記載されているが、本発明の化合物は、当業者に一般的な市販の適切な出発物質を用いて、上記で一般的に記載された方法によって製造され得ることが明らかである。
【0179】
本発明の別の態様は、式I、式II、もしくは式IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の混合物を含む医薬組成物を提供する。別の態様において、式I、式II、もしくは式IVの化合物は、サンプル中もしくは患者におけるウイルス量を減少させるのに有効な量で(該ウイルスは、ウイルスライフサイクルに必要なセリンプロテアーゼをエンコードする)、および薬学的に許容される担体と存在する。
【0180】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩がこれらの組成物に用いられるならば、該塩は、好ましくは、無機酸もしくは有機酸、また無機塩基もしくは有機塩基から誘導される。このような酸の塩には、下記のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸、樟脳硫酸塩(camphor sulfonate)、シクロペンタン−プロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩。塩基塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えばジシクロヘキシルアミン)との塩、N−メチル−D−グルカミン塩、およびアミノ酸(例えばアルギニン、リジン)との塩などを含む。
【0181】
また、塩基性窒素含有基は、例えばハロゲン化低級アルキル(例えば塩化、臭素化、およびヨウ化されたメチル、エチル、プロピル、およびブチル);硫酸ジアルキル(例えば硫酸化ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル)、ハロゲン化長鎖(例えば塩化、臭素化、およびヨウ化されたデシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば臭化ベンジルおよびフェネチル)などの試薬で、四級化され得る。それによって、水もしくは油に可溶もしくは分散可能な生成物が得られる。
【0182】
本組成物に用いられる化合物および本発明の方法はまた、選択的に生物学的性質を増強するための適切な機能性を追加することによって修飾され得る。このような修飾は当業界で既知であり、そして示された生物学的系(例えば血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させるもの、経口利用可能性を増加させるもの、注射によって投与され得るように溶解性を増加させるもの、代謝を変化させるもの、および排出速度を変化させるものを含む。
【0183】
これらの組成物に用いられ得る薬学的に許容される担体は、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝剤(例えばリン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、電解質の塩(例えば硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとした物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロック重合体、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を含み、これらに限定されない。
【0184】
別の態様において、本発明の組成物は哺乳動物への薬学的投与のために製剤化される。1つの態様において、該哺乳動物はヒトである。
【0185】
このような本発明の医薬組成物は、経口で、非経腸で、スプレー吸入によって、局所で、直腸で、鼻で、頬で、膣で、またはインプラントされたリザーバーを介して投与されてもよい。本明細書中で用いられる“非経腸の”という用語は、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、および胸骨内、くも膜下腔内、肝臓内、病巣内、および頭蓋内の、注射もしくは注入法を含む。好ましくは、該組成物は、経口で、または静脈内で投与される。
【0186】
本発明の組成物の滅菌処理された注射可能な形態は、水性もしくは油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散化剤もしくは湿化剤および懸濁化剤を用いて、当業界で既知の方法によって製剤化され得る。また、滅菌処理された注射可能な製剤は、非毒性非経腸に許容される希釈剤もしくは溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール溶液として、滅菌処理された注射可能な溶液もしくは懸濁液であり得る。用いられ得る許容されるビークルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、便宜的には、滅菌処理された非揮発性油(fixed oil)が、溶媒もしくは懸濁用媒体として用いられる。この目的のために、合成モノ−もしくはジ−グリセリドを含む低刺激性非揮発性油を用いてもよい。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、薬学的に許容される天然の油の、例えばオリーブオイルもしくはヒマシ油、特にそのポリオキシエチル化体は、注射用製剤に有用である。これらの油性溶液もしくは懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈液もしくは分散剤、例えばカルボキシメチルセルロース、または乳液および懸濁液を含む薬学的に許容される投与形の製剤で一般的に用いられる同様の分散剤を含んでもよい。薬学的に許容される固体、液体、もしくは他の投与形の製造において一般的に用いられる、他の一般的に用いられる界面活性剤、例えば Tweens、Spans および他の乳化剤または生物学的に利用可能なエンハンサーをまた、製剤化の目的のために用いてもよい。
【0187】
1つの態様において、本明細書で記載されたプロテアーゼ阻害化合物の約0.01から約100mg/kg体重/日の間の用量レベルは、抗ウイルスの、特に抗HCV介在疾患の予防および処置のための単剤治療において有用である。別の態様において、本明細書中で記載されたプロテアーゼ阻害化合物の約0.5から約75mg/kg体重/日の用量レベルは、抗ウイルスの、特に抗HCV介在疾患の予防および処置のための単剤治療において有用である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日約1回から約5回、あるいは持続注入として投与される。このような投与は、慢性もしくは急性治療として用いられ得る。1回投与形を製造するために、担体物質と組み合わされ得る活性成分の量は、処置される宿主および投与の特定の方法によって変化する。典型的な製剤は、約5%から約95%の活性な化合物(w/w)を含む。1つの態様において、このような製剤は、約20%から約80%の活性な化合物を含む。
【0188】
本発明の組成物が式I、式II、もしくは式IVの化合物の何れかおよび1個もしくはそれ以上のさらなる治療薬もしくは予防薬の組み合わせを含む場合は、本化合物およびさらなる薬剤は、単剤治療法において通常投与される用量の約10から100%の間の用量レベルで存在すべきである。別の態様において、さらなる薬剤は、単剤治療法において通常投与される用量の約10から80%の間の用量レベルで存在すべきである。
【0189】
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液もしくは溶液を含む(これらに限定されない)、何れかの経口で許容される投与形で経口で投与されてもよい。経口使用のための錠剤の場合において、一般的に用いられる担体は、ラクトースおよびとうもろこし澱粉を含む。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムもまた、典型的に添加される。カプセルの形態における経口投与のためには、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥とうもろこし澱粉を含む。水性懸濁液が経口使用のために必要な場合は、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。望ましいならば、ある種の甘味料、香味剤、または着色料もまた添加され得る。
【0190】
あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与されてもよい。これらは、室温で固体であるが直腸温度で液体であって、従って腸で溶融して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって製造され得る。このような物質は、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレン グリコールを含む。
【0191】
本発明の医薬組成物はまた、特に処置の標的が、局所適応によってアクセスの容易な部位もしくは臓器、すなわち眼、皮膚もしくは腸管下部の疾患を含む場合に、局所で投与され得る。適切な局所製剤は、これらの領域もしくは臓器のそれぞれについて、容易に製造される。
【0192】
腸管下部への局所適応は、直腸坐剤製剤(上記参照)または適切な浣腸製剤で効果をもたらし得る。局所の経皮パッチもまた用いられ得る。
【0193】
局所適応のために、本医薬組成物は、1個以上の担体に懸濁したもしくは溶解した活性成分を含む適切な軟膏に製剤化されてもよい。本発明の化合物の局所投与のための担体は、鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、および水を含み、これらの限定されない。あるいは、医薬組成物は、1個もしくはそれ以上の薬学的に許容される担体に懸濁したもしくは溶解した活性成分を含む、適切な外用水薬もしくはクリームに製剤化されてもよい。適切な担体は、鉱物油、ソルビタン モノステアレート、ポリソルベート 60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水を含み、これらに限定されない。
【0194】
眼の使用のために、本医薬組成物は、保存料(例えば塩化ベンザルコニウム)を含むもしくは含まない、等張性pH調整滅菌処理食塩水中の微細化された懸濁液として、好ましくは等張性pH調整滅菌処理食塩水の溶液として製剤化されてもよい。あるいは、眼の使用のために、本医薬組成物は、軟膏、例えばワセリン中に製剤化されてもよい。
【0195】
本発明の医薬組成物はまた、鼻用エアゾールまたは吸入によって投与されてもよい。このような組成物は、製薬業界で周知の方法によって製造され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存料、バイオアベイラビリティーを増強するための吸入促進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用の可溶化剤もしくは分散化剤を用いる、食塩水の溶液として製造され得る。
【0196】
1つの態様において、本医薬組成物は、経口投与のために製剤化される。
別の態様において、本発明の組成物は、さらに、抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を含む。このような抗ウイルス剤は、免疫調節剤、例えばα−、β−、およびγ−インターフェロン、ペグ化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびチモシン;他の抗ウイルス剤、例えばリバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン;C型肝炎プロテアーゼの他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害剤を含むHCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;配列内リボソーム侵入阻害剤;広域性ウイルス阻害剤、例えばIMPDH阻害剤(例えば米国特許第5,807,876号、第6,498,178号、第6,344,465号、第6,054,472号、WO 97/40028、WO 98/40381、WO 00/56331の化合物、およびミコフェノール酸およびその誘導体、VX-497、VX-148、および/またはVX-944を含み、これらに限定されない);または上記の何れかの組み合わせを含み、これらに限定されない。また、W. Markland et al., Antimicrobial & Antiviral Chemotherapy, 44, p. 859 (2000) および米国特許第6,541,496号を参照のこと。
【化118】

VX-497
【0197】
下記の定義は、本明細書中で用いられる(本出願の出願日に利用可能な製品を商品名で述べる)。
“Peg-Intron”は、PEG-INTRON(登録商標)、すなわち Schering Corporation, Kenilworth, NJ より販売されているペグインターフェロンα−2bを意味する;
“Intron”は、INTRON-A(登録商標)、すなわち Schering Corporation, Kenilworth, NJ より販売されているインターフェロン α−2bを意味する;
“リバビリン”は、リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)を意味し、ICN Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CA より販売され;Merck Index, entry 8365, Twelfth Edition に記載されている;また REBETROL(登録商標) (Schering Corporation, Kenilworth, NJ)、または COPEGASUS(登録商標) (Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ)として販売されている;
【0198】
“Pagasys”は、PEGASYS(登録商標)、すなわち Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ より販売されているペグインターフェロン α−2aを意味する;
“Roferon”は、ROFERON(登録商標)、すなわち Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ より販売されているリコンビナント インターフェロン α−2aを意味する;
“Berefor”は、BEREFOR(登録商標)、すなわち Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CT より販売されているインターフェロン α2を意味する;
【0199】
SUMIFERON(登録商標):天然のα−インターフェロン精製混合物、例えば Sumitomo, Japan より Sumiferon として販売されている;
WELLFERON(登録商標):Glaxo_Wellcome LTd., Great Britain より販売されているインターフェロン α n1;
ALFERON(登録商標):Interferon Sciences により製造され、そして Purdue Frederick Co., CT より販売されている天然のα−インターフェロンの混合物。
【0200】
本明細書で用いられる“インターフェロン”という用語は、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答を調節する、高い相同性を有する種に特異的な蛋白質のファミリーのメンバー、例えばインターフェロン α、インターフェロン β、またはインターフェロン γを意味する(The Merck Index, entry 5015, Twelfth Edition)。
【0201】
本発明の1つの態様において、インターフェロンは、α−インターフェロンである。別の態様において、本発明の治療的組み合わせは、天然のα−インターフェロン 2aを用いる。または、本発明の治療的組み合わせは、天然のα−インターフェロン 2bを用いる。別の態様において、本発明の治療的組み合わせは、リコンビナントのα−インターフェロン 2aもしくは2bを用いる。さらに別の態様において、インターフェロンは、ペグ化されたα−インターフェロン 2aもしくは2bである。本発明に適切なインターフェロンは、
(a) INTRON-A(登録商標) (インターフェロン−α 2B, Schering Plough);
(b) PEG-INTRON(登録商標);
(c) PEGASYS(登録商標);
(d) ROFERON(登録商標);
(e) BEREFOR(登録商標);
(f) SUMIFERON(登録商標);
(g) WELLFERON(登録商標);
(h) コンセンサス α−インターフェロン(Amgen, Inc., Newbury Park, CA より販売);
(i) ALFERON(登録商標);
(j) VIRAFERON(登録商標);
(k) INFERGEN(登録商標);
を含む。
【0202】
技術者によって認識されるように、プロテアーゼ阻害剤は、好ましくは経口で投与される。インターフェロンは、典型的には経口で投与されない。にもかかわらず、本明細書中では、本発明の方法もしくは組み合わせを何れかの特定の投与形もしくはレジメに限定していない。従って、本発明による組み合わせのそれぞれの成分は、別個に、またはその何れかの組み合わせで投与され得る。
【0203】
1つの態様において、プロテアーゼ阻害剤およびインターフェロンは、別個の投与形で投与される。1つの態様において、何れかのさらなる薬剤は、単一の投与形として投与される。本発明が化合物の組み合わせを含む場合、それぞれの化合物の特定の量は、組み合わせにおけるそれぞれの他の化合物によって変わってもよい。当業者によって認識されるように、インターフェロンの用量は、典型的には、IUで測定される(例えば約4,000,000IUから約12,000,000IU)。
【0204】
従って、本発明の化合物と組み合わせて用いられ得る薬剤(免疫調節剤として作用するものもそれ以外のものも)は、インターフェロン−α 2B(INTRON-A(登録商標), Schering Plough);REBETRON(登録商標) (Schering Plough, インターフェロン−α 2B+リバビリン);ペグ化インターフェロン α(Reddy, K.R. et al. “Efficacy and Safety of Pegylated (40-kd) interferon alpha-2a compared with interferon alpha-2a in noncirrhotic patients with chronic hepatitis C” (Hepatology, 33, pp. 433-438 (2001));コンセンサス インターフェロン(Kao, J.H., et al., “Efficacy of Consensus Interferon in the Treatement of Chronic Hepatitis” J. Gastroenterol. Hepatol. 15, pp. 1418-1423 (2000))、インターフェロン−α 2A (Roferon A; Roche)、リンパ芽球腫または“天然の”インターフェロン;インターフェロン τ(Clayette, P. et al., “IFN-tau, A New Interferon Type I with Antiretroviral activity” Pathol. Biol. (Paris) 47, pp. 553-559 (1999);インターロイキン 2 (Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999);インターロイキン 6 (Davis et al. “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease 19, pp. 103-112 (1999);インターロイキン 12 (Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999);リバビリン;および1型ヘルパーT細胞応答の形成を増進する化合物 (Davis et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999) を含み、これらに限定されない。インターフェロンは、直接的抗ウイルス効果を発揮することによって、および/または感染に対する免疫応答を修飾することによって、ウイルス感染を寛解させ得る。インターフェロンの抗ウイルス効果は、しばしばウイルスの浸透もしくは脱コート、ウイルス性RNAの合成、ウイルス性蛋白質の翻訳、および/またはウイルスの形成および放出の阻害によって発揮される。
【0205】
細胞中でインターフェロンの合成を刺激する化合物(Tazulakhova, E.B. et al., “Russian Experience in Screening, analysis, and Clinical Application of Novel Interferon Inducers” J. Interferon Cytokine Res., 21 pp. 65-73)は、二重鎖RNA単独もしくはトブラマイシンとの組み合わせ、およびイミキモド(3M Pharmaceuticals; Sauder, D.N. “Immunomodulatory and Pharmacologic Properties of Imiquimod” J. Am. Acad. Dermatol., 43 pp. S6-11 (2000))を含み、これらに限定されない。
【0206】
本発明の化合物と組み合わせて用いられ得る他の非免疫調節もしくは免疫調節化合物は、WO 02/18369 [これは、本明細書中で記載すること(例えば page 273, lines 9-22 および page 274, line 4〜page 276, line 11 を参照のこと)によって組み込まれている] に特定された化合物を含み、これらに限定されない。
【0207】
本発明はまた、チトクロム P450 モノオキシゲナーゼ阻害剤を投与することを含んでもよい。CYP阻害剤は、CYPによって阻害される化合物の肝臓濃度を増大させ、および/または血液レベルを増加させる点で有用であり得る。
【0208】
本発明の態様がCYP阻害剤を含むならば、関連のNS3/4Aプロテアーゼの薬物動態を改善する何れのCYP阻害剤も、本発明の方法で用いられ得る。これらのCYP阻害剤は、リトナビル(WO 94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチル ピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール(clomethiazol)、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォサンプレナビル(fosamprenavir)、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX-944、および VX-497を含み、これらに限定されない。望ましいCYP阻害剤は、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチル ピラゾール、シクロスポリン、およびクロメチアゾールを含む。望ましいリトナビルの投与形については、米国特許第 6,037,157 号、およびそこで引用されている文書:米国特許第 5,484,801 号、米国特許出願第 08/402,690 号、および国際出願第 WO 95/07696 号および第 WO 95/09614 号を参照のこと。
【0209】
化合物がチトクロム P450モノオキシゲナーゼ活性を阻害し得るかを測定する方法は、既知である(米国特許第 6,037,157 号、および Yun, et al. Drug Metabolism & Disposition, vol. 21, pp. 403-407 (1993)を参照のこと)。
【0210】
患者の状態が改善した後、本発明の化合物、組成物、または組み合わせの維持量を、必要であれば投与してもよい。次に、投与の用量もしくは頻度、またはその両方を、症状に応じて、低減し、症状が望ましい程度に改善されたら処置を停止し得る。しかしながら、患者は、疾患の症状が再発したら、長期間の断続的な処置を必要とするかもしれない。
【0211】
何れかの特定の患者のための特定の用量および処置レジメは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせおよび処置する医者の判断、および処置される特定の疾患の重症度を含む、種々のファクターによって変化すると理解されるべきである。活性成分の量はまた、特定の記載された化合物、および組成物中にさらなる抗ウイルス剤の性質が存在するか否かによって変化する。
【0212】
別の態様において、本発明は、ウイルスのライフサイクルに必要である、ウイルスにエンコードされたセリンプロテアーゼによって特徴付けられるウイルスに感染した患者を処置する方法であって、該患者に、本発明の薬学的に許容される組成物を投与することによる方法を提供する。1つの態様において、本発明の方法は、HCV感染に罹患している患者を処置するために用いられる。このような処置は、完全にウイルスの感染を完全に根絶するか、またはその重症度を軽減し得る。別の態様において、患者はヒトである。
【0213】
別の態様において、本発明の方法は、さらに、該患者に、抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を投与する段階を含む。このような抗ウイルス剤は、免疫調節剤、例えばα−、β−およびγ−インターフェロン、ペグ化誘導体化インターフェロン−α 化合物、およびチモシン;他の抗ウイルス剤、例えばリバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン;他のC型肝炎プロテアーゼの阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害剤を含む(これらに限定されない)、HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;配列内リボソーム侵入阻害剤;広域性ウイルス阻害剤、例えばIMPDH阻害剤(例えば VX-497 および米国特許第 5,807,876 号および第 6,498,178号に開示された他のIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸およびその誘導体);チトクロム P−450の阻害剤、例えばリトナビル、または上記の何れかの組み合わせを含み、これらに限定されない。
【0214】
このようなさらなる薬剤は、本発明の化合物およびさらなる抗ウイルス剤の両方を含む単一の投与形の一部として、該患者に投与されてもよい。あるいは、さらなる薬剤は、本発明の化合物と別に、多数の投与形の一部として投与されてもよく、ここで、該さらなる薬剤は、本発明の化合物を含む組成物の前に、一緒に、または後に、投与される。
【0215】
さらに別の態様において、本発明は、患者への投与を意図した生物学的物質を前処理する方法であって、該生物学的物質を、薬学的に許容される組成物と接触させる段階を含む方法を提供する。このような生物学的物質は、血液およびその成分、例えば血漿、血小板血液細胞の分集団;臓器、例えば腎臓、肝臓、心臓、肺など;精子および卵子;骨髄およびその成分、および患者に注入するための他の流体、例えば食塩水、デキストロースなどを含み、これらに限定されない。
【0216】
別の態様において、本発明は、場合により、ウイルスのライフサイクルに必要な、ウイルスにエンコードされたセリンプロテアーゼと接触し得る物質で処理する方法を提供する。この方法は、該物質を本発明による化合物と接触させる段階を含む。このような物質は、手術器具、および手術着(例えば服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、めがね、履き物など);研究機器および実験着(例えば服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、めがね、履き物など);血液収集用具および諸材料;および侵襲性機器(例えばシャント、ステントなど)を含み、これらに限定されない。
【0217】
別の態様において、本発明の化合物は、ウイルスにエンコードされたセリンプロテアーゼの単離を目的とした研究ツールとして用いられ得る。本方法は、固体支持体に結合させた本発明の化合物を提供し;該固体支持体をウイルス性セリンプロテアーゼを含むサンプルと、該プロテアーゼが該固体支持体に結合する条件下で接触させ;該セリンプロテアーゼを該固体支持体から溶出する段階を含む。1つの態様において、本方法によって単離されるウイルス性セリンプロテアーゼは、HCVのNS3−NS4Aプロテアーゼである。
【0218】
本発明がより完全に理解されるために、下記に予備的および試験的実施例を示す。これらの実施例は、例示の目的のみであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0219】
H−NMRスペクトルは、500MHzで、Bruker AMX 500 instrumentを用いて測定した。質量スペクトルのサンプルは、エレクトロスプレーイオン化で、シングルMSモードで操作したMicroMass ZQ または Quattro II mass spectrometer で分析した。サンプルを、フローインジェクション(FIA)またはクロマトグラフィーを用いて質量スペクトロメーターに導入した。全ての質量分析のための移動相は、修飾剤として0.2% 蟻酸を含むアセトニトリル−水混合物からなる。
【0220】
本明細書中で用いられる場合、“R(分)”という用語は、化合物に関する分でのHPLC保持時間を言う。挙げたHPLC保持時間は、質量スペクトルデータもしくは下記の方法を用いて得られた。
装置:Hewlett Packard HP-1050;
カラム:YMC C18 (Cat. No. 326289C46);
濃度勾配/濃度勾配時間:10〜90% CHCN/HO, 9分、次に100% CHCN, 2分;
流速:0.8ml/分;
検出波長:215nmおよび245nm。
本明細書中の選択された化合物の化学的命名は、CambridgeSoft Corporations ChemDraw Ultra(登録商標), version 7.0.1によって提供される命名プログラムを用いて行った。
【0221】
実施例1:
化合物 4bおよび5bの製造:
塩化アルミニウム(7.75g, 0.058mol)を、200mlの無水ジクロロエタンに、室温で懸濁し、次に無水酢酸(2.74ml, 0.03mol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(1b, 5.0g, 0.0264mol)を、15mlのジクロロエタン溶液として加えた。反応混合物を、窒素下、40℃で、10時間撹拌した。反応物を氷−水混合物でクエンチし、有機層を水(3×)で洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。SiOのクロマトグラフィーにかけ(4% 酢酸エチル/96% CHCl)、3.2gの3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル 2b(52%)、および770mgの5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル 3bを得た(13%)。
2b: 1H NMR (CDCl3) δ 9.1 (bs,1H), 8.1 (d,1H), 7.5 (m,2H), 7.3 (s,1H), 4.4 (q,2H), 2.7 (s,3H), 1.5 (t,3H) ppm.
3b: 1H NMR (CDCl3) δ 9.3 (bs,1H), 8.25 (s,1H), 8.1 (d,1H), 7.6 (d,1H), 7.2 (s,1H), 4.3 (q,2H), 2.7 (s,3H), 1.7 (t, 3H) ppm.
【0222】
2bおよび3bを、エタノール中の10% KOHで、60℃で1時間鹸化し、次に1M HClで酸性にし、3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸 4b、および5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸 5bを、それぞれ収率95%および93%で得た。粗製の酸をさらに精製することなく直接用いた。
【0223】
実施例2:
化合物 6aの製造:
20mlのCHCl中の市販の化合物 3(1.0g, 1.0eq)を、撹拌しながら、EDC(2.21g, 2.5eq)、およびHOBt(1.76g, 2.5eq)で処理した。活性化後、ベンゼンスルホンアミド(1.45g, 2.0eq)、およびDBU(1.38ml, 2.0eq)を加え、混合物を5時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機物を1.0N HClで、次に塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルで精製し、5% MeOH/CHClで溶出し、1.2g(73%)のスルホンアミド 4を、白色の固体(分析データと一致)として得た。
FIA M+H=357.2 M-H=355.2
1H NMR (d6 DMSO) δ 7.60 (m, 5H), 4.80 (m, 1H), 1.70 (m, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.20 (m, 2H), 0.90 (t, 3H) ppm.
【0224】
10mlのCHCl中のBoc保護スルホンアミド 4(500mg, 1.0eq)を、3.5mlの4N HCl/ジオキサン(10eq)で処理し、3時間撹拌した。次に反応混合物を真空で濃縮し、粗製のアミン 5を得た。それをさらに精製することなく用いた。
【0225】
15mlのEtOH中の粗製のアミン 5を、プロピレンオキシド(1.45ml, 11.0eq)で処理し、50℃まで加熱した。3時間後、望ましい両性イオン型アミン 6aを、300mg(83%, 2段階)、白色の固体として得た。
1H NMR (d6 DMSO) δ 7.80 (d, 2H), 7.40 (m, 3H), 3.30 (m, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.55 (m, 1H), 1.30 (m, 2H), 0.80 (s, 3H) ppm.
【0226】
実施例3:
化合物 2の製造:
市販の(Bachem)Z−ヒドロキシ−プロリン(10g, 42.51mmols)を、90mlのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、0℃まで氷−水浴で冷却した。これに、先に製造したtert−ブチル N,N'−ジイソプロピル−イミドカルバメート(27ml, 135mmol)を、滴下ろうとを介して30分にわたって滴下した。添加後、冷却浴を除き、反応物を環境温度で24時間撹拌した。反応物の容積を減少させ、次にジエチルエーテルを加え、その後飽和重炭酸ナトリウムで、次に0.5M 塩酸で、水で、最後に塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、15gの粗製の物質を得た。物質をSiOのプラグにかけ、45% EtOAc−ヘキサンで溶出し、tert−ブチルエステル 6bを、無色の油状物として、11.0g得た(81%)。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 7.35 (m, 5H), 5.2 (m,2H), 4.3 (m,2H), 4.65 (m,3H),2.35 (m,1H), 2.1 (t,1H), 1.35,1.55 (rotomers, 1.45,9H) ppm.
【0227】
EtOH中の6bを混合し、触媒量の10% Pd/炭素を加え、次にバルーンを用いて1気圧の水素下で撹拌した。12時間後反応はtlcによって完了が示され、触媒を濾過し、EtOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、高真空で乾燥し、アミンを黄色の固体として得た。それを次の段階に続けた。Z−Tbg−OH(8.3g, 31.1mmol)をNMPに溶解し、それに、EDC(6.0g, 31.1mmol)、HOBT(4.2g, 31.1mmol)、DMAP(340mg, 2.8mmol)を加え、0℃まで氷−水浴を用いて冷却した。この混合物に、アミンをNMP溶液として加え、反応物を2日間撹拌した。反応物を氷に注ぎ、0.5N 塩酸で、pH 5まで酸性にし、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物を、飽和重炭酸ナトリウムで、次に水で、最後に塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、14.8gの粗製の物質を得た。SiOのクロマトグラフィーを用いて精製を行い、50% EtOAc−ヘキサンで溶出した。同種のフラクションを濃縮し、10.5gの7を無色の泡沫として得た(85%)。それをそのまま次の段階に用いた。
【0228】
EtOH中の7(10.5g, 24.16mmol)の混合物に、触媒量の10% Pd/炭素を加え、次にバルーンを用いて1気圧の水素下で撹拌した。12時間後、tlcによって反応の完了が示され、触媒を濾過し、EtOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、高真空で乾燥し、アミンを黄色の固体として得た。それを次の段階に続けた。Z−Chg−OH(7.7g, 26.6mmol)を、NMPに溶解し、それにEDC(5.1g, 26.7mmol)、HOBT(3.6g, 26.6mmol)を加え、氷−水浴を用いて0℃まで冷却した。この混合物に、NMP中の溶液として先に製造したアミンを加え、反応物を2日間撹拌した。反応物を氷および塩水に注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物を、0.5N 塩酸で、飽和重炭酸ナトリウムで、水で、最後に塩水で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、15.31gの8を粗製の物質として得た。それを次の段階でそのまま用いた。
【0229】
EtOH中の8(5.6g, 9.76mmol)の溶液に、触媒量の10% Pd/炭素を加え、次に、バルーンを用いて、1気圧の水素下で撹拌した。12時間後、反応は、tlcによって完了が示された。触媒を濾過し、EtOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、高真空で乾燥し、アミンを非晶質固体として得た。それを次の段階に続けた。ピラジン−2−カルボン酸(1.45g, 11.7mmol)を、NMPに溶解し、それにEDC(2.24g, 11.7mmol)、HOBT(1.34g, 11.7mmol)を加え、氷浴を用いて0℃まで冷却した。この混合物に、先に製造したアミンを、NMP溶液として加え、反応物を2日間撹拌した。反応物を氷および塩水に注ぎ、次にEtOAcで抽出した。有機抽出物を、0.5N 塩酸で、飽和重炭酸ナトリウムで、水で、最後に塩水で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、5.3g(99%)の9を無色の泡沫として得た。それを次の段階でそのまま用いた。
【0230】
無水THF中の9(0.15g, 0.28mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(0.131g, 0.5mmol)、2−ヒドロキシ−4−クロロ−ピリジン(65mg, 0.5mmol)を加え、最後にジエチル アゾジカルボキシレート(0.100ml, 1.85mmol)を加えた。反応物を、室温で18時間、またはHPLCによって8が残っていないことを示すまで撹拌した。THFを反応物から除去し、次に該物質をEtOAcに溶かし、0.1N NaOHで、0.5N 塩酸で、水で、最後に塩水で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、粗製のtert−ブチルエステル 10を得た。それを次の段階でそのまま用いた。
【0231】
tert−ブチルエステル 10を、ジクロロメタン中の50% トリフルオロ酢酸で3時間処理することによって、カルボン酸に加水分解した。溶媒を真空で除去し、次に残渣を0.1N NaOHに溶かし、EtOAcで洗浄した。水相を5% クエン酸で酸性にし、次にEtOAcで抽出した。得られた有機相を、水で、次に塩水で洗浄し、次に有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、酸 11を無色の泡沫として得た。それを次の段階でそのまま用いた。
【0232】
酸 11(25mg, 1.0eq)を、0.5mlのDMF中で撹拌し、スルホンアミド アミン 6a(13mg, 1.2eq)で、次にHATU(32mg, 2.0eq)で、次にコリジン(6.6uL, 1.2eq)で処理した。反応完了の際に、酢酸エチルを加え、有機物を、1.0N HClで、そして塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。分取HPLCにかけ、25mg(71%)の2を、白色の固体(分光学的データと一致)として得た。
FIA M+H=839.5, M-H=837.9.
1H NMR (CDCl3) δ 9.40 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.0 (d. 2H), 7.60 (m, 1H), 7.50 (m, 3H), 7.15 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.60 (m, 1H), 5.60 (s, 1H), 4.60 (m, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.40 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 1.50-1.90 (m, 9H), 1.20-1.40 (m, 5H), 1.10 (m, 3H), 1.00 (s, 9H), 0.90 (m, 1H), 0.80 (t, 3H) ppm.
【0233】
実施例4:
化合物 1の製造:
Jones試薬を、94mgの重クロム酸ナトリウム二水和物を、276uLの水中の94uLの濃硫酸と混合することによって製造した。これを、4.5mlのアセトン中の中間体 8a(0.5g, 1.0eq)の懸濁液に加え、その結果、橙色の溶液が緑色に変わった。水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機物を、水で、そして塩水で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルで精製(30% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)し、350mg(70%)のケトン 12を、白色固体(分析データと一致)として得た。
FIA M+H=496.2, M-H=494.3.
1H NMR (CDCl3) δ 6.60 (d, 1H), 5.10 (d, 1H), 4.95 (bs, 1H), 4.40 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.95 (m, 1H), 2.65 (dd, 1H), 1.60-1.80 (m, 5H), 1.45 (s, 9H), 1.10-1.30 (m, 5H), 1.10 (S, 9H) ppm.
【0234】
175mlのCHCl中のケトン 12(3.64g, 1.0eq)を、氷浴中で冷却し、次に1,3−プロパンジチオール(0.798ml, 1.1eq)で処理し、次にBF−OEt(1.07ml, 1.15eq)をゆっくりと加えた。氷浴を除き、混合物をHPLCによりモニターしながら撹拌し、Boc基が除去され、次にジチアンが形成されたことが観測された。完了の際に、0.54gの炭酸カリウム(8mlの水中)を加え、次に重炭酸ナトリウムによって溶液をpH 8〜9とした。酢酸エチルを加え、混合物を、重炭酸ナトリウム溶液で、次に水で、そして塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、3.47g(97%)のジチアン 13を、白色固体(分析データと一致)として得た。
FIA M+H=486.2, M-H=483.9
1H NMR (CDCl3) δ 4.70 (m, 1H), 4.60 (d, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.05 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.65 (m, 2H), 1.00-2.00 (m, 17H), 1.05 (s, 9H) ppm.
【0235】
15mlのCHCl中の、ピラジン酸(537mg, 1.2eq)、EDC(828mg, 1.2eq)、およびHOBt(661mg, 1.2eq)の混合物を、CHCl(3ml)中の13(遊離塩基)(1.75g, 1.0eq)で処理し、室温で20分間撹拌した。EtOAcを加え、1.0N HClで、そして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルで精製し、40% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出し、1.38g(65%)のエステル 14を白色固体として得た。
FIA M+H = 592.1, M-H = 590.2.
【0236】
THF:HO:MeOH(1.0ml:0.5ml:0.5ml)中のエステル14(40mg, 1.0eq)を、LiOH(5.5mg, 2.0eq)で処理し、3時間撹拌した。濃縮し、EtOAcを加え、1.0N HClで、次に塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、37mg(95%)の遊離酸15を白色固体(分析データと一致)として得た。
FIA M+H = 578.0, M-H = 576.2.
1H NMR (CDCl3) δ 9.40 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.3 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 4.80 (m, 2H), 4.70 (d, 1H), 4.50 (t, 1H), 3.75 (d, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 1.60-2.20 (m, 9H), 1.00-1.30 (m, 5H), 1.05 (s, 9H) ppm.
【0237】
0.5mlのDMF中の両性イオン型アミン6a(50mg, 1.0eq)を、酸15(27mg, 1.2eq)で、次にHATU(66mg, 2.0eq)およびコリジン(14uL, 1.2eq)で処理した。反応完了の際に酢酸エチルを加え、有機物を1.0N HClで、そして塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。分取HPLCにかけ、27mg(38%)の1を白色の固体(分析データと一致)として得た。
FIA M+H=816.5, M-H=814.7
1H NMR (CDCl3) δ 8.80 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.00 (d, 2H), 7.65 (m, 1H), 7.55 (m, 3H), 7.20 (m, 1H), 6.85 (m, 1H), 4.75 (d, 1H), 4.65 (t, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.50 (m, 1H), 3.80 (d, 1H), 3.00 (m, 2H), 2.80 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.50-2.00 (m, 8H), 1.00-1.35 (m, 6H), 1.00 (s, 9H), 0.85 (t, 3H) ppm.
【0238】
実施例5:
HCV酵素アッセイプロトコル:
5AB基質および生成物の分離のためのHPLC Microbore 法
基質:NH2−Glu−Asp−Val−Val−(α)Abu−Cys−Ser−Met−Ser−Tyr−COOH
20mM 5ABのストック溶液(または選択した濃度で)を、DMSO w/0.2M DTT中で作った。これをアリコート中で−20℃で保存した。
緩衝液:50mM HEPES(pH 7.8);20% グリセロール;100mM NaCl
アッセイの総体積は、100μlであった。
【表1】

【0239】
緩衝液、KK4A、DTT、およびtNS3を合わせた;96ウェルプレートのウェルにそれぞれ78μl入れた。これを30℃で〜5から10分インキュベートした。
【0240】
2.5μlの適切な濃度の試験化合物をDMSOに溶解させ(コントロールにはDMSOのみ)、それぞれのウェルに加えた。これを室温で15分間インキュベートした。
【0241】
20μlの250μM 5ABの基質(濃度25μMは5ABのKm値と等しいかもしくはわずかに低い)の添加によって反応を開始した。
30℃で20分間インキュベートした。
25μlの10% TFAの添加によって反応を終了させた。
120μlのアリコートをHPLC バイアルに移した。
【0242】
下記の方法によって、基質およびKK4AからSMSY生成物を分離した。
Microbore 分離法:
装置:Agilent 1100
脱気剤 G1322A
バイナリー・ポンプ G1312A
オートサンプラー G1313A
カラム・サーモスタット・チャンバー G1316A
ダイオード・アレイ検出器 G1315A
カラム:
Phenomenex Jupiter; 5 micron C18; 300 angstroms; 150x2 mm; P/O 00F-4053-B0
カラム・サーモスタット:40℃
注入容積:100μl
溶媒A=HPLCグレードの水+0.1% TFA
溶媒B=HPLCグレードのアセトニトリル+0.1% TFA
【表2】

停止時間:17分
ポスト−ラン・タイム:10分
【0243】
1μM未満から1μMの範囲のKi値を有する化合物をAと示す。1μMから5μMの範囲のKi値を有する化合物をBと示す。5μMより高いKi値を有する化合物をCと示す。本発明の特定の化合物のためのマス・スペクトル、HPLC、H−NMR、およびK値を下記の表1に示す。“ND”はデータなしを意味する。H−NMRスペクトルを、500MHz で、Bruker AMX 500 instrument を用いて測定した。
【0244】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Vは、−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−、または−S(O)−であり;
Rは、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−、または結合であり;
Tは、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)ヘテロアリール、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であって、
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、所望により−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−または−N(H)−で置き換えられており、
それぞれのTは、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環系を形成し、該環は、所望により、(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、もしくは(C−C10)複素環と縮合しており、そして何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し、
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し、
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であるか;または
Tは、
【化2】

【化3】

であり、
ここで、
10は、水素、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
Kは、結合、(C−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−{ここで、Rは、水素または(C−C12)−脂肪族である}であり、
nは、1〜3であるか;または
Tは、N(R17)から選択され;
Wは、
【化4】

であり;
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、
または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
およびR5'は、独立して、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
その何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており、そして
その2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、何れかの環は、所望により、(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、
ここで、R、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR1'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環系は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R、R、およびR12は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、R、およびR12は、独立して、Jから独立して選択される3個までの置換基で所望により置換されており、
ここで、R、R、R、およびR12中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式、もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有するか;または
およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有する]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物。
【請求項2】
式II:
【化5】

[式中、
は、−N(R20)−、−O−、−S−、または−C(R')−であり;
は、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Wは、
【化6】

であり、
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、
(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、または
同一の窒素原子に結合している2つのR17は、該窒素原子と一体となって、(C−C10)−複素環式環(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
は、(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
の何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており;
5'は、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は、所望によりハロゲンで置換されており、そして
の何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されているか;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか;または
およびR1'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
ここで、
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、そして
その何れかの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
それぞれのR、R1'、R11、R11'、R13、およびR13'の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;
、R、R12、およびR20は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−、(C−C10)−シクロアルキル−(C−C12)−脂肪族−、または(C−C10)アリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、R12、およびR20は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;
、R、R12、およびR20中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し;
14は、−H、−S(O)R'、−S(O)R'、−C(O)R'、−C(O)OR'、−C(O)N(R')、−N(R')C(O)R'、−N(COR')COR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり;
15およびR16は、独立して、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり;
は、=O、=NR'、=NOR'、または=C(R')であり;
19は、−OR'、−CF、−OCF、−R'、−N(R')、−SR'、−C(O)R'、−COOR'、−CON(R')、−N(R')COR'、または−N(COR')COR'であり;
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレン(ethyene)ジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、該環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、
何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−CN、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')である]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物。
【請求項3】
式IV:
【化7】

[式中、
Vは、−C(O)−、−S(O)−、−C(R')−、または−S(O)−であり;
Rは、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−O−、または結合であり;
Tは、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)ヘテロアリール、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
ここで、T中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、所望により−S−、−S(O)−、−S(O)−、−O−、−N−または−N(H)−で置き換えられており、
それぞれのTは、所望により3個までの置換基Jで置換されていてもよく;
Jは、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であり、
ここで、
2個のR'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する、3員から10員の芳香環もしくは非芳香環系を形成し、該環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして何れの環も、Jから独立して選択される3個までの置換基を有し、
それぞれのR'は、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−から独立して選択され、
ここで、R'はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR'、−OC(O)N(R')、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R'、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R')、−SR'、−SOR'、−SOR'、−SON(R')、−SOR'、−C(O)R'、−C(O)C(O)R'、−C(O)CHC(O)R'、−C(S)R'、−C(O)OR'、−OC(O)R'、−C(O)N(R')、−OC(O)N(R')、−C(S)N(R')、−(CH)0−2NHC(O)R'、−N(R')N(R')COR'、−N(R')N(R')C(O)OR'、−N(R')N(R')CON(R')、−N(R')SOR'、−N(R')SON(R')、−N(R')C(O)OR'、−N(R')C(O)R'、−N(R')C(S)R'、−N(R')C(O)N(R')、−N(R')C(S)N(R')、−N(COR')COR'、−N(OR')R'、−C(=NH)N(R')、−C(O)N(OR')R'、−C(=NOR')R'、−OP(O)(OR')、−P(O)(R')、−P(O)(OR')、または−P(O)(H)(OR')であるか;または
Tは、
【化8】

【化9】

であり、
ここで、
10は、水素、(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族であり、
Kは、結合、(C−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−{ここで、Rは、水素または(C−C12)−脂肪族である}であり;
nは、1〜3であるか;または
Tは、N(R17)から選択され;
Wは、
【化10】

であり;
ここで、
それぞれのR17は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、
または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
ここで、R17は、所望により3個までの置換基Jで置換されており;
およびR5'は、独立して、水素または(C−C12)−脂肪族であり、
その何れかの水素は所望によりハロゲンで置換されており、そして
その何れかの末端の炭素原子は、所望によりスルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換されており、そして
その2個までの脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環はJから独立して選択される2個までの置換基を有し;
11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR11、R11'、R13、およびR13'は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、何れかの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており;
ここで、それぞれのR11、R11'、R13、およびR13'中の3個までの脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR11'は、それらが結合している原子と一体となって、所望によりN、NH、O、S、SO、またはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環を形成し、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有するか;または
13およびR13'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、またはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3員環から6員環であり、該環は、Jから独立して選択される2個までの置換基を有し;
、R、およびR12は、独立して、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)脂肪族、(C−C10)−ヘテロアリール−、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であり、
それぞれのR、R、およびR12は、独立して、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており、
ここで、R、R、およびR12中の2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよく;または
11およびR12は、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
12およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、4員から20員の単環式、5員から20員の二環式、もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の単環式、6員から20員の二環式、もしくは7員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
11、R12、およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、5員から20員の二環式もしくは6員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
13'およびRは、それらが結合している原子と一体となって、3員から20員の単環式、4員から20員の二環式もしくは5員から20員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR13は、それらが結合している原子と一体となって、18員から23員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有するか;または
およびR5'は、それらが結合している原子と一体となって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する、所望により置換されている3員環から6員環を形成するとき、該環における置換可能な原子の一つは、R13およびR13が結合している原子と一体となって、14員から19員の単環式、19員から24員の二環式、もしくは20員から25員の三環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環は、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環は芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され、
それぞれの環は、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
該環は、Jから独立して選択される6個までの置換基を有する]の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物。
【請求項4】
Tが、
【化11】

である、請求項1または請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Wが、
【化12】

であり;
ここで、
17が、水素−、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、
ここで、R17が、所望により3個までの置換基Jで置換されている、
請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Wが、
【化13】

であり;
ここで、
17が、(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、[(C−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)−アリール−、(C−C10)−アリール−(C−C12)脂肪族−、(C−C10)−複素環−、(C−C10)−複素環−(C−C12)−脂肪族−、(C−C10)ヘテロアリール−、または(C−C10)ヘテロアリール−(C−C12)−脂肪族−であるか、
または
同一の窒素原子に結合している2個のR17は、該窒素原子と一体となって、所望により(C−C10)−飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環系(窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される2個までのさらなるヘテロ原子を有する)を形成し、該環は、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
ここで、R17が、所望により3個までの置換基Jで置換されている、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
11がHであり;そして
12が、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルである、
請求項1〜6の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
12が、イソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、またはフェニルエチルである、
請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
11が、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり;そして
12がHである、
請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物。
【請求項10】
基:
【化14】

が、
【化15】

である、請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物。
【請求項11】
基:
【化16】

が、
【化17】

【化18】

である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
基:
【化19】

が、
【化20】

であり、
ここで、nが0もしくは1であり、そして
ZおよびZ'がSまたはOである、
請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
基:
【化21】

が、
【化22】

である、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
基:
【化23】

が、
【化24】

であり、
ここで、
それぞれのBが、独立して、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し、
ここで、それぞれの環Bが、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり、
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子が、N、NH、O、S、SO、またはSOであり、
ここで、
二環式および三環式環系において、それぞれの環が、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり、
それぞれの環が、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており、そして
それぞれの環が、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている、
請求項1〜3の何れか一項に記載の化合物。
【請求項15】
基:
【化25】

が、
【化26】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
基:
【化27】

が、
【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
基:
【化32】

が、
【化33】

【化34】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
基:
【化35】

が、
【化36】

【化37】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項19】
基:
【化38】

が、
【化39】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項20】
基:
【化40】

が、
【化41】

である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
基:
【化42】

が、
【化43】

である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
基:
【化44】

が、
【化45】

であり;
それぞれのBが、独立して、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し;
それぞれの環Bが、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり;
その複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子が、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、
該環系において、それぞれの環が、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;
それぞれの環が、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており;そして
それぞれの環が、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている、
請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項23】
基:
【化46】

が、
【化47】

【化48】

【化49】

である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
基:
【化50】

が、
【化51】

【化52】

【化53】

である、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
基:
【化54】

が、
【化55】

である、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項26】
基:
【化56】

が、
【化57】

であり;
Bが、3員から20員の炭素環式もしくは複素環式環系を形成し;
それぞれの環Bが、芳香族性もしくは非芳香族性の何れかであり;
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子が、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
それぞれの環が、所望により(C−C10)アリール、(C−C10)ヘテロアリール、(C−C10)シクロアルキル、または(C−C10)複素環と縮合しており;
ここで、
炭素環式もしくは複素環式環系において、それぞれの環が、直線的に縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ環式であり;そして
それぞれの環が、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている、
請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項27】
基:
【化58】

が、
【化59】

である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
11およびR12が、それらが結合している原子と一体となって、6員から10員の単環式もしくは二環式炭素環式もしくは複素環式環系を形成し;
複素環式環系におけるそれぞれのヘテロ原子が、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;そして
該環が、Jから独立して選択される3個までの置換基を有する、
請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項29】
およびR5'が、
【化60】

である、
請求項1〜28の何れか1項に記載の化合物。
【請求項30】
5'がHであり、そして
が(C−C)−アルキルであり、該アルキルは所望によりフルオロまたは−SHで置換されている、
請求項1〜28の何れか1項に記載の化合物。
【請求項31】
(C−C)−アルキルが1から3個のフルオロ基で置換されている、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
およびR5'が、独立して、
【化61】

である、
請求項1〜28の何れか1項に記載の化合物。
【請求項33】
13が、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり;
13が、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;そして
ここで、R13中の3個までの脂肪族炭素原子が、化学的に安定な配置で、O、NH、S、SO、またはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよい、
請求項1〜32の何れか1項に記載の化合物。
【請求項34】
13が、
【化62】

である、
請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
が、存在するならば、(C−C)−アルキル、(C−C10)−シクロアルキル、[(C−C10)−シクロアルキル]−(C−C12)−アルキル、(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリール−(C−C)アルキル、(C−C10)−複素環、(C−C10)−複素環−(C−C)アルキル、(C−C10)−ヘテロアリール、または(C−C10)−ヘテロアリール−(C−C)−アルキルであり;
が、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;そして
中の3個までの脂肪族炭素原子が、化学的に安定な配置で、O、NH、S、SO、もしくはSOから選択される1個のヘテロ原子によって置き換えられてもよい、
請求項1〜34の何れか1項に記載の化合物。
【請求項36】
が、
【化63】

である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Tが、(C−C10)ヘテロアリールであり、ここでTが所望により3個までの置換基Jで置換されている、
請求項1〜36の何れか1項に記載の化合物。
【請求項38】
Tが、
【化64】

である、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
Tが、
【化65】

【化66】

である、請求項1または請求項3に記載の化合物。
【請求項40】
Tが、
【化67】

である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
Tが、−NH、−NH−、−OH、および−SHから選択される、少なくとも1個の水素結合ドナー部分を含む、請求項1または請求項3に記載の化合物。
【請求項42】
Tが、
【化68】

【化69】

であり、
ここで、
Tが、所望により3個までの置換基Jで置換されており、
Jが、請求項1で定義した通りであり;
Zが、独立して、O、S、NR10、もしくはC(R10)であり、
ここで、R10が、請求項1で定義した通りであり;
nが、独立して、1または2であり;そして
------ が、独立して、一重結合もしくは二重結合である、
請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
Tが、
【化70】

【化71】

【化72】

であり、
ここで、
Tが、所望により4個までの置換基Jで置換されており、
ここで、Jが、請求項1で定義した通りであり;
Zが、独立して、O、S、NR10、C(R10)、SO、またはSOであり、
ここで、R10が、請求項1で定義した通りであり;
nが、独立して、1または2であり;そして
------ が、独立して、一重結合もしくは二重結合である、
請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
Tが、
【化73】

であり;
ここで、
Tが、所望により4個までの置換基Jで置換されており、
ここで、Jが、請求項1で定義した通りであり;そして
Zが、独立して、O、S、NR10、C(R10)、SO、またはSOであり、
ここで、R10が、請求項1で定義した通りである、
請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
Tが、
【化74】

である、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
(存在するならば)、RおよびRが、それぞれ独立して、Hまたは(C−C)−アルキルである、請求項1〜45の何れか1項に記載の化合物。
【請求項47】
(存在するならば)、RおよびRが、それぞれHである、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
が水素であり、Vが−C(O)−であり、そしてRが結合である、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物。
【請求項49】
該化合物が、
【化75】

から選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項50】
セリンプロテアーゼを阻害するのに有効な量の、請求項1〜49の何れか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;および許容される担体、アジュバント、もしくは賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項51】
該組成物が患者に投与するために製剤化されている、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
該組成物が、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2阻害剤;HCVライフサイクルにおける別の標的の阻害剤;およびチトクロム P−450阻害剤;またはそれらの組み合わせから選択されるさらなる薬剤を含む、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
該免疫調節剤が、α−、β−、もしくはγ−インターフェロン、またはチモシンであり;該抗ウイルス剤が、リバビリン、アマンタジン、またはテルビブジンであり;またはHCVライフサイクルにおける別の標的の阻害剤は、HCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、もしくはメタロプロテアーゼの阻害剤である、請求項50に記載の組成物。
【請求項54】
該チトクロム P−450阻害剤がリトナビルである、請求項52に記載の組成物。
【請求項55】
請求項1〜49の何れか1項に記載の化合物と、該セリンプロテアーゼを接触させる段階を含む、セリンプロテアーゼの活性を阻害する方法。
【請求項56】
該セリンプロテアーゼがHCV NS3 プロテアーゼである請求項55に記載の方法。
【請求項57】
患者においてHCV感染を処置する方法であって、請求項51に記載の組成物を該患者に投与する段階を含む方法。
【請求項58】
免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2阻害剤;HCVライフサイクルにおける別の標的の阻害剤;またはそれらの組み合わせから選択されるさらなる薬剤を投与するさらなる段階であって、該さらなる薬剤を該患者に請求項51に記載の組成物の一部としてまたは別個の投与形として投与する段階を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
該免疫調節剤が、α−、β−、もしくはγ−インターフェロンまたはチモシンであり;該抗ウイルス剤がリバビリンまたはアマンタジンであり;またはHCVライフサイクルにおける別の標的の阻害剤が、HCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、もしくはメタロプロテアーゼの阻害剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
生物サンプルまたは医療用もしくは研究用機器のHCV汚染を除去するもしくは減少させる方法であって、該生物サンプルまたは医療用もしくは研究用機器を、請求項50に記載の組成物と接触させる段階を含む方法。
【請求項61】
該サンプルもしくは装置が、血液もしくは他の体液、生物組織、手術器具、手術着、研究機器、実験着、血液もしくは他の体液の収集用具、血液もしくは他の体液の貯蔵用具から選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
該体液が血液である、請求項61に記載の方法。

【公表番号】特表2007−532474(P2007−532474A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534377(P2006−534377)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033238
【国際公開番号】WO2005/037860
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】