説明

セリンプロテアーゼ、特にHCVNS3−NS4Aプロテアーゼのインヒビター

【課題】本発明の課題は、より有効な抗HCV治療を提供することである。
【解決手段】セリンプロテアーゼ活性、特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する化合物を提供することにより、上記課題を解決する。これらは、C型肝炎ウイルスのライフサイクルを妨害することによって作用し、そしてまた、抗ウイルス剤として有用である。さらに、エキソビボでの使用またはHCV感染に罹患する患者への投与のためのこれらの化合物を含む組成物を提供する。また、本発明の化合物を含む組成物を投与することによって患者のHCV感染を処置する方法を提供する。さらに、これらの化合物を調製するためのプロセスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セリンプロテアーゼ活性、特に、C型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する化合物に関する。よって、これらの化合物は、C型肝炎ウイルスの生活環を妨害することによって作用し、抗ウイルス剤としても有用である。本発明はさらに、エキソビボの使用のための、またはHCV感染に罹患している患者に投与するためのいずれかの、これらの化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物を投与することによって、患者におけるHCV感染を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(「HCV」)による感染は、ヒトに医学的問題を引き起こす。HCVは、全世界で3%の推定ヒト血清罹患率を有する、非A型非B型肝炎の大部分の症例の原因因子として認識される[A.Albertiら,「Natural History
of Hepatitis C」,J.Hepatology,31.,(補遺.1),17−24頁(1999)]。米国だけでも、ほぼ400万人の個体が、感染している可能性がある[M.J.Alterら,「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States」,Gastroenterol.Clin.North Am.,23,437−455頁(1994);M.J.Alter「Hepatitis C Virus Infection in the United States」J.Hepatology,31.,(補遺1),88−91頁(1999)]。
【0003】
HCVに最初に曝されると、感染個体のわずか約20%が、急性の臨床的な肝炎を発症するが、他は、自発的に感染を解決するようである。しかし、ほぼ70%の場合において、ウイルスは、数十年もの間持続する慢性感染を確立する[S.Iwarson,「The Natural Course of Chronic Hepatitis」,FEMS Microbiology Reviews,14,201−204頁(1994);D.Lavanchy,「Global Surveillance and Control of Hepatitis C」,J.Viral Hepatitis,6,35−47頁(1999)]。これは、通常、再発を生じ、肝臓炎症が徐々に悪化していき、これはしばしば、より重篤な疾患状態(例えば、肝硬変および肝細胞癌)をもたらす[M.C.Kew,「Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma」,FEMS Microbiology Reviews,14,211−220頁(1994);I.Saitoら,「Hepatitis C
Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,6547−6549頁(1990)]。不運なことに、慢性HCVの進行を弱らせるための広く有効な処置は存在しない。
【0004】
HCVゲノムは、3010〜3033個のアミノ酸のポリタンパク質をコードする[Q.L.Chooら,「Genetic Organization and Diversity of the Hepatitis C Virus」Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,2451−2455頁(1991);N.Katoら,「Molecular Cloning of the Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients
with Non−A, Non−B Hepatitis」,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,87,9524−9528頁(1990);A.Takamizawaら,「Structure and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From
Human Carriers」,J.Virol.,65,1105−1113頁(1991)]。HCV非構造(NS)タンパク質は、ウイルス複製のための本質的触媒機構を提供すると予測される。このNSタンパク質は、そのポリタンパク質のタンパク質分解性切断によって誘導される[R.Bartenschlagerら,「Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine−Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4 and NS4/5 Junctions」,J.Virol.,67,3835−3844頁(1993);A.Grakouiら,「Characterization of the Hepatitis C Virus−Encoded Serine Proteinase:Determination of Proteinase−Dependent Polyprotein Cleavage Sites」,J.Virol.,67,2832−2843頁(1993);A.Grakouiら,「Expression and Identification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products」,J.Virol.,67,1385−1395頁(1993);L.Tomeiら,「NS3 is a serine protease required for processing of hepatitis C virus polyprotein」,J.Virol.,67,4017−4026頁(1993)]。
【0005】
HCV NSタンパク質3(NS3)は、ウイルス酵素の大部分のプロセシングを補助するセリンプロテアーゼ活性を含み、従って、ウイルス複製および感染に必須であると考えられる。黄熱病ウイルスNS3プロテアーゼにおける変異は、ウイルス感染性を減少させることが公知である[Chambers,T.J.ら,「Evidence that
the N−terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus is a
Serine Protease Responsible for Site−Specific Cleavages in the Viral Polyprotein」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,8898−8902頁(1990)]。NS3の最初の181個のアミノ酸(ウイルスポリタンパク質の残基1027〜1207)は、HCVポリタンパク質の全ての4つの下流部位をプロセシングするNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが示された[C.Linら,「Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase:Trans−Cleavage Requirements and Processing Kinetics」,J.Virol.,68,8147−8157頁(1994)]。
【0006】
このHCV NS3セリンプロテアーゼおよびその関連する補因子NS4Aは、ウイルス酵素の全てのプロセシングを補助し、従って、ウイルス複製に必須であると考えられる。このプロセシングは、ヒト免疫不全ウイルスアスパルチルプロテアーゼによって行われるプロセシングに類似であるようである。このアスパルチルプロテアーゼはまた、ウイルス酵素プロセシングHIVプロテアーゼインヒビターに関与する。ウイルスタンパク質プロセシングを阻害するHIVプロテアーゼインヒビターは、ヒトにおける強力な抗ウイルス剤である。このことは、ウイルス生活環のこの段階の中断が治療的に活性な薬剤を生じることを示す。結論として、これは、薬物発見のための魅力的な標的である。
【0007】
いくつかの潜在的なHCVプロテアーゼインヒビターは、先行技術において記載されている[PCT公開番号WO02/18369、WO02/08244、WO00/095
58、WO00/09543、WO99/64442、WO99/07733、WO99/07734、WO99/50230、WO98/46630、WO98/17679およびWO97/43310、米国特許第5,990,276号、M.Llinas−Brunetら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,8,1713−18頁(1998);W.Hanら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,10,711−13(2000);R.Dunsdonら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,10,1571−79頁(2000);M.Llinas−Brunetら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,10,2267−70頁(2000);およびS.LaPlanteら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,10,2271−74頁(2000)]。
【0008】
さらに、HCVの現在の理解は、任意の他の満足する抗HCV薬剤または処置をもたらしていない。HCV疾患の確立された治療は、インターフェロン処置のみである。しかし、インターフェロンは、大きな副作用を有し[M.A.Wlakerら,「Hepatitis C Virus:An Overview of Current Approaches and Progress」,DDT,4,518−29頁(1999);D.Moradpourら,「Current and Evolving Therapies for Hepatitis C」,Eur.J.Gastroenterol.Hepatol.,11,1199−1202頁(1999);H.L.A.Janssenら,「Suicide Associated with Alfa− Interferon Therapy for Chronic Viral Hepatitis」,J.Hepatol.,21,241−243頁(1994);P.F.Renaultら,「Side Effects of Alpha Interferon」,Seminars in Liver Disease,9,273−277頁(1989)]、症例のわずか(約25%)のみで長期の緩解を誘導する[O.Weiland,「Interferon Therapy in Chronic Hepatitis C Virus Infection」,FEMS Microbiol.Rev.,14,279−288頁(1994)]。さらに、有効な抗HCVワクチンに対する期待は、確信が持てないままである。
【0009】
従って、より有効な抗HCV治療が必要である。このようなインヒビターは、プロテアーゼインヒビターとして、特にセリンプロテアーゼインヒビターとして、より具体的には、HCV NS3プロテアーゼインヒビターとしての治療可能性を有する。具体的には、このような化合物は、抗ウイルス剤として、特に抗HCV剤として有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、式(IA)の化合物を提供する:
【化1】

ここでAは、XおよびYと一緒になって、以下:
N、NH、O、SO、またはSOから独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する三員〜六員の芳香族または非芳香族環であって、ここでこの環は、必要に応じて、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、(C3〜C10)シクロアルキルもしくは(C3〜C10)ヘテロシクリルに縮合される;
ここでAは、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO 、−CF 、−OCF 、−R’、オキソ、−OR’、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−C(O)R’、−COOR’または−CON(R’)であり、ここでR’は、以下:
水素、
(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル、
[(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル、
(C6〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族、
(C5〜C10)−ヘテロアリール、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族;
から独立して選択され、
【0011】
およびRは、独立して、以下:
(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル、
[(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族、
(C6〜C10)−アリール、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)脂肪族、
(C5〜C10)−ヘテロアリール、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族、
であり、ここでRおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選
択される0個ないし3個の置換基で置換され;ここでRおよびRにおける0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置においてO、NH、S、SO、もしくはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得る;
およびRは、独立して、以下:
水素、
(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキル−(C1〜C12)−脂肪族、または
(C6〜C10)アリール−(C1〜C12)−脂肪族
であり、RおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;RおよびRにおける0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、O、NH、S、SO、もしくはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得る;
は、(C1〜C12)−脂肪族であり、ここで任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンで置換され、ここでRの任意の末端炭素原子に結合した任意の水素またはハロゲン原子は、必要に応じて、スルフヒドリルもしくはヒドロキシで置換される;
【0012】
Wは、以下:
【化2】

から選択され、ここで各Rは、独立して以下:
水素、
(C1〜C12)−脂肪族、
(C6〜C10)−アリール、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル、
[(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族、
(C5〜C10)ヘテロアリール、または
(C5〜C10)ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族、
であるか、あるいは
2つのR基は、同じ窒素原子に結合して、その窒素原子とともに(C3〜C10)−複素環式環を形成し;
ここでRは、必要に応じて、0個ないし3個のJ置換基で置換され;
Vは、−C(O)N(R)−、−S(O)N(R)−、もしくは−S(O) N(R)−であり;
ここでRは、水素または(C1〜C12)−脂肪族であり;
【0013】
Tは、以下:
(C6〜C10)−アリール、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル、
[(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル]−(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族、
(C5〜C10)ヘテロアリール、または
(C5〜C10)ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族
から選択されるか;あるいは
Tは、以下:
【化3】

【化4】

から選択され、
【0014】
ここで:
10は、以下:
水素、
(C1〜C12)−脂肪族、
(C6〜C10)−アリール、
(C6〜C10)−アリール−(C1〜C12)脂肪族、
(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル、
[(C3〜C10)−シクロアルキルもしくは(C3〜C10)−シクロアルケニル
]−(C1〜C12)−脂肪族、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル、
(C3〜C10)−ヘテロシクリル−(C1〜C12)−脂肪族、
(C5〜C10)−ヘテロアリール、または
(C5〜C10)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−脂肪族、
ここで各Tは、必要に応じて、0個ないし3個のJ置換基で置換され;
Kは結合、(C1〜C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、もしくは−C(O)−NR−であり、ここでRは、水素もしくは(C1〜C12)−脂肪族であり;そして
Nは1〜3である。
【0015】
本発明はまた、式(IB)の化合物:
【化5】

および式(II)の化合物:
【化6】

を提供し、
ここで可変基は、本明細書中で規定されるとおりである。
【0016】
本発明はまた、上記の化合物を含む組成物およびその使用に関する。このような組成物は、患者に挿入されるべき侵襲性デバイスを予備処理するため、患者への投与の前に生物学的サンプル(例えば、血液)を処理するため、および患者への直接投与のために使用され得る。各場合において、この組成物は、HCV複製を阻害し、HCV感染の危険性また
は重篤度を減少させるために使用される。
【0017】
本発明はまた、式(IA)、(IB)および(II)の化合物を調製するためのプロセスに関する。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)
【化7】

の化合物を提供し、ここで:
Aは、XおよびYと一緒になって、N、NH、O、SOまたはSOから独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3〜6員の芳香族環または非芳香族環であり;
ここで、該環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;
ここで、Aは、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;
Jは、ハロゲン、−OR’、−NO、−CF、−OCF、−R’、オキソ、−OR’、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−C(O)R’、−COOR’、または−CON(R’)であり、
ここで、R’は、以下:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族から独立して選択され;
【0019】
およびRは、独立して、以下:
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C6−C10)-ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族であり、
ここで、RおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;
ここで、RおよびR中の3個の脂肪族炭素原子は、O、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって、化学的に安定な配置で置換され得;
およびRは、独立して、以下:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族、または
(C6−C10)アリール−(C1−C12)−脂肪族であり、
ここでRおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;
ここで、RおよびR中の2個の脂肪族炭素原子は、O、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得;
は、(C1−C12)−脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じてハロゲンで置換され、そしてここで、Rの任意の末端炭素原子に結合している任意の水素またはハロゲン原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換され;
【0020】
Wは、以下:
【化8】

から選択され、
ここで、各Rは、独立して、以下:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)ヘテロアリール、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族であるか、あるいは
同じ窒素原子に結合している2つのR基が、該窒素原子と一緒になって、(C3−C10)複素環式環を形成し;
ここで、Rは、必要に応じて、0個ないし3個のJ置換基で置換され;
Vは、−C(O)N(R )−、−S(O)N(R )−、または−S(O) N(R)−であり;
ここで、Rは、水素または(C1−C12)−脂肪族であり;
【0021】
Tは、以下:
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)ヘテロアリール、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族から選択されるか;あるいは
Tは、以下:
【化9】

から選択され;
【0022】
ここで、R10は、以下:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族であり、
ここで、各Tは、必要に応じて、0個ないし3個のJ置換基で置換され;
Kは、結合、(C1−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR、−C(O)−、または−C(O)−NR−であり、ここで、Rは、水素、または(C1−C12)脂肪族であり;そして
nは、1〜3である。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、式(IB)
【化10】

の化合物を提供し、ここで:
Aは、XおよびYと一緒になって、N、NH、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3〜6員の芳香族環または非芳香族環であり、
ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)へテロアリール、(C3−C10)シクロアルキルまたは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;
ここでAは、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し、Aが縮合する該5員環は、Jから独立して選択される0個ないし4個の置換基を有し;そしてここでXおよびYは、独立して、C(H)またはNであり;
【0024】
Jは、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’) 、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2-エチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’) 、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’) 、−OC(O)N(R’) 、−C(S)N(R’) 、−(CH0−2 NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’) 、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’) 、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’) 、−N(R’)C(S)N(R’) 、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’) 、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’) 、−P(O)(R’) 、−P(O)(OR’) または−P(O)(H)(OR’)であり;
ここで、2つのR’基は、それらが結合している原子と一緒になって、N、NH、O、S、SOまたはSOから独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合し、そしてここで、任意の環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
各R’は、独立して、以下:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から選択され、
ここで、R’は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’)、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’) 、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’) 、−OC(O)N(R’) 、−C(S)N(R’) 、−(CH0−2 NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’) 、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’) 、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’) 、−P(O)(R’) 、−P(O)(OR’)または−P(O)(H)(OR’)であり;
【0025】
およびRは、独立して、以下:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、RおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;
ここで、RおよびR中の0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって、化学的に安定な配置で置換され得;
およびRは、独立して、以下:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)アリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、RおよびRの各々は、独立してかつ必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;
ここで、RおよびR中の0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SOまたはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得;
は、(C1−C12)−脂肪族であり、ここで任意の水素は、ハロゲンで必要に応じて置換され、そしてここで、Rの任意の末端炭素原子は、スルフヒドリルまたはヒドロキシで必要に応じて置換され;
5’は、水素または(C1−C12)−脂肪族であり、ここで任意の水素は、ハロゲンで必要に応じて置換され、そしてここで、R5’の任意の末端炭素原子に結合している任意の水素またはハロゲン原子は、スルフヒドリルまたはヒドロキシで必要に応じて置換され;
【0026】
Wは、
【化11】

であり;
ここで、各Rは、独立して、以下:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−もしくはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族であるか、あるいは
同じ窒素原子に結合している2つのR基は、該窒素原子と一緒になって、(C3−C10)複素環式環を形成し;
ここで、Rは、0個ないし3個のJ置換基で必要に応じて置換され;
各R18 は、独立して、−OR’であるか;あるいは該R18 基は、ホウ素原子と一緒になって、(C3−C10)員の複素環式環であり、該環は、該ホウ素に加えて、N、NH、O、S、SOおよびSOから選択される0個ないし3個のさらなるヘテロ原子を有し;
Vは、−C(O)N(R )−、−S(O)N(R )−、−S(O)N(R )−、−OS(O)−、−OS(O)−、−OC(O)−、または−O−であり;
ここで、Rは、水素または(C1−C12)−脂肪族−であり;
【0027】
Tは、以下:
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であるか;あるいは
Tは、以下:
【化12】

【化13】

であり、
【0028】
ここで、R10は、以下:
水素、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、各Tは、0個ないし3個のJ置換基で必要に応じて置換され;
Kは、結合、(C1−C12)−脂肪族、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−であり、ここで、Rは、水素または(C1−C12)脂肪族であり;そして
nは、1〜3である。
【0029】
なお別の実施形態において、本発明は、式(II):
【化14】

の化合物を提供し、ここで:
は、−N(R20)−、−O−、−S−、または−C(R’)−であり;
は、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Wは、
【化15】

【化16】

であり;
【0030】
mは、0または1であり;
17は、それぞれ独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル−、[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)ヘテロアリール−、または
(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であるか、あるいは
同じ窒素原子に結合する2つのR17基が、その窒素原子と共に、その窒素原子に加えてN、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のさらなるヘテロ原子を有する(C3−C10)−員のヘテロ環式環を形成し;
ここで、R17は、必要に応じて0個ないし3個のJ置換基で置換され;
18は、それぞれ独立して−OR’であるか;または両OR’基がホウ素原子と一緒になって、そのホウ素原子に加えてN、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし3個のさらなるヘテロ原子を有する(C5−C20)−員ヘテロ環式環であり;
およびR5’ は、独立して水素または(C1−C12)−脂肪族であり、ここで任意の水素は、必要に応じてハロゲンと置換され、そして任意の末端炭素原子は、必要に応じてスルフヒドリル基またはヒドロキシ基と置換され、そして0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、およびSO から選択されるヘテロ原子で置換されるか;またはR およびR5’は、これらが結合する原子と一緒になってN、NH、O、S、SO、およびSO から選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する3〜6員環であり;ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有し;
【0031】
、R1'、R11、R11’、R13、およびR13’は、独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル]−(C1− C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であるか;あるいは
およびR1' は、これらが結合する原子と一緒になってN、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する3〜6員環を形成し;ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有するか;あるいは
11 およびR11’は、これらが結合する原子と一緒になってN、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する3〜6員環であり;ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有するか;あるいは
13 およびR13’は、これらが結合する原子と一緒になってN、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する3〜6員環であり;ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有するか;あるいは
ここで、R 、R1' 、R11 、R11’ 、R13 、およびR13’ は、それぞれ独立して、そして必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基と置換され;そしてここで、任意の環は必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そしてここで、R 、R1' 、R11 、R11’ 、R13 、およびR13’ それぞれにおける0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配列で、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子で置換され得;
【0032】
、R 、R12 、およびR20 は、独立して
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)アリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、R 、R 、R12 、およびR20 は、それぞれ独立して、そして必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基と置換され;
ここで、R 、R 、R12 、およびR20 における0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子で置換され得るか;あるいは
11 、およびR12 は、これらが結合する原子と一緒になって、3〜20員の単環式、4〜20員の二環式、もしくは5〜20員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
【0033】
12 、およびR13 は、これらが結合する原子と一緒になって、4〜20員の単環式、5〜20員の二環式、もしくは6〜20員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
11 、およびR13 は、これらが結合する原子と一緒になって、5〜20員の単環式、6〜20員の二環式、もしくは7〜20員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
11 、R12 、およびR13 は、これらが結合する原子と一緒になって、5〜20員の二環式もしくは6〜20員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
【0034】
13’ 、およびR は、これらが結合する原子と一緒になって、3〜20員の単環式、4〜20員の二環式、もしくは5〜20員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;
、およびR13 は、これらが結合する原子と一緒になって、18〜23員の単環式、19〜24員の二環式、もしくは20〜25員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし6個の置換基を有するか;あるいは
【0035】
、およびR12 は、これらが結合する原子と一緒になって、18〜23員の単環式、19〜24員の二環式、もしくは20〜25員の三環式の、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、この二環式環系もしくは三環式環系において、各環は直鎖状に縮合されるか、架橋されるか、またはスピロ環であり;
ここで、各環は、芳香族または非芳香族のどちらかであり;
ここで、ヘテロ環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から選択され;
ここで、各環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし6個の置換基を有するか;あるいは
14 は、−H、−S(O)R’、−S(O) R’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’) 、−N(R’)C(O)R’、−N(COR’)COR’、−SO N(R’) 、−SOR’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)N(R’)、−(CH)0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
15およびR16は、独立して、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’)、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、− N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH)0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR、−N(R’)N(R’
)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’) 、−P(O)(R’) 、−P(O)(OR’) 、または−P(O)(H)(OR’)であり;
【0036】
は、=O、=NR’、 =NOR’、または =C (R’) であり;
19 は、−OR’、−CF 、−OCF 、−R’、−N(R’) 、−SR’、−C(O)R’、−COOR’、−CON(R’) 、−N(R’)COR’、または−N(COR’)COR’であり;
Jは、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’) 、−NO 、−CN、−CF、−OCF 、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’) 、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’) 、−OC(O)N(R’) 、−C(S)N(R’) 、−(CH0−2 NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’) 、−N(R’)SOR’、−N(R’)SO N(R’) 、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’) 、−N(R’)C(S)N(R’) 、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’) 、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’) 、−P(O)(R’) 、−P(O)(OR’) 、または−P(O)(H)(OR’)であり;ここで:
2つのR’基は、これらが結合する原子と一緒になって、3〜10員の、芳香族または非芳香族の環を形成し、この環は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群から独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有し;ここで、この環は、必要に応じて(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合され;そして
ここで、任意の環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;あるいは
【0037】
各R’は、独立して
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル]−(C1− C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から選択され;
ここで、R’は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;そして
は、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’) 、−NO、−CN、−CF、− OCF、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’) 、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’) 、−OC(O)N(R’) 、−C(S)N(R’) 、−(CH0−2 NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’) 、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’) 、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’) 、−N(R’)C(S)N(R’) 、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’) 、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’) 、−P(O)(R’) 、−P(O)(OR’) 、または−P(O)(H)(OR’)である。
【0038】
(定義)
本明細書中における式(I)の言及は、式(IA)および式(IB)の両方を含むことを意味する。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、単環式または二環式の炭素環式芳香環系を意味する。フェニルは、単環式芳香環系の例である。二環式芳香環系は、両方の環が芳香環である系(例えば、ナフチル)および2つの環のうちの1つだけが芳香環である系(例えば、テトラリン)を含む。
【0040】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」は、単環式または二環式の非芳香環系であって、各環は、化学的に安定な配列で、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択される、1〜3個のヘテロ原子もしくはヘテロ原子団を有する系を意味する。「ヘテロシクリル」二環式非芳香環系実施形態において、1つの環または両方の環は、上記ヘテロ原子もしくはヘテロ原子団を含み得る。
【0041】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、単環式または二環式の芳香環系であって、各環は、化学的に安定な配列で、O、N、NH、またはSから選択される、1〜3個のヘテロ原子もしくはヘテロ原子団を有する系を意味する。このような「ヘテロアリール」の二環式芳香環系実施形態において:
−1つの環または両方の環が、芳香環であり得;そして
−1つの環または両方の環が、上記ヘテロ原子もしくはヘテロ原子団を含み得る。
【0042】
本明細書中で使用される場合、用語「脂肪族」は、直鎖または分枝鎖の、アルキル、アルケニルまたはアルキニルを意味する。アルケニル実施形態またはアルキニル実施形態は、脂肪鎖内に、少なくとも2つの炭素原子を必要とすることが理解される。
【0043】
用語「シクロアルキル」または「シクロアルケニル」は。単環式または縮合二環式もしくは架橋二環式の、炭素環式環系であり、これは、芳香族ではない。シクロアルケニル環は、1つ以上の不飽和の単位を有する。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルンボルニル、アダマンチルおよびデカリン−イルが挙げられる。
【0044】
本明細書中で使用される場合、語句「化学的に安定な配列」は、化合物を、当該分野で公知の方法による製造および哺乳動物への投与を可能にするために、十分に安定にさせる化合物構造をいう。代表的に、このような化合物は、温度40℃以下で、湿気または他の化学的に反応性の条件でない条件下で、少なくとも1週間安定である。
【0045】
本発明の式(IA)および式(IB)の化合物は、WO02/18369の部類からの選択を表す。出願人は、以下の2つの異なる構造的エレメントの1つまたは両方を含むWO02/18369の部類中の下位部類を発明した:
1.縮合アザへテロ環式環システム含有環Aであって、ここで式(I)の環Aが環窒素原子と隣接している(すなわち、式(I)の原子Xが、この骨格の環窒素原子と隣接している);
2.式(I)の化合物のP4キャップ部分における水素原子ドナー[式(I)におけるラジカルT]。
【0046】
理論により束縛されることを望むことなく、出願人は、第1の構造的エレメント、すなわち環Aが、式(I)の化合物の骨格上の環窒素原子と隣接していることにより、容易な配向を提供し、その結果本発明の化合物が、セリンプロテアーゼの活性部位のP2領域との高められた相互作用を有すると、考えている。出願人は、第2の構造的エレメント、式(I)のラジカルTにおける水素結合ドナーが、本発明の化合物とセリンプロテアーゼ活性部位との間のさらなる相互作用の点を提供し、これにより、結合親和性を高める。
【0047】
好ましい実施形態において、第2の構造的エレメントは、以下の部分を含む:
【化17】

【0048】
理論により束縛されることなく、出願人は、さらにこのピロール部分(第2の構造的エレメントとしての)が、セリンプロテアーゼ活性部位との特に好ましい水素結合相互作用を提供し、これによりこの部分を有する化合物の結合親和力を高めると考える。この好ましい相互作用は、第1の構造的エレメント(すなわち、環A)を有する化合物および他の構造的エレメントを有する化合物の結合親和力を高める。
【0049】
当業者により理解されるように、ピロールの1位における水素結合は、適切な基(例えば、本明細書中で定義されるR14)により置換され、生物学的特性を高め得る。従って、本発明の1つの実施形態は、以下の式(III)の化合物を提供し:
【化18】

ここでP1、P2、P3およびP4は、当業者に公知のセリンプロテアーゼインヒビターの残基を示し、そしてR14、R15、R16、R19およびZは本明細書中で定義されるとおりである。
【0050】
従って、1)セリンプロテアーゼインヒビターの構造的エレメント;および2)ピロール部分を有する全ての化合物は、本発明の一部と見なされる。セリンプロテアーゼインヒビターの構造的エレメントを有する化合物としては、以下の刊行物の化合物が挙げられる
が、これらに限定されず:
【表1】

、これらは、参考として本明細書中に援用される。
【0051】
従って、上記の刊行物の任意の化合物は、修飾されてこのピロール部分またはその誘導体を有し得る。任意のこのような化合物は、本発明の一部である。例えば、WO02/18369(41頁)における化合物A:
【化19】

は、修飾されて本発明の以下の化合物を提供し得る:
【化20】

ここで、R14 、R15 、R16 、R19 、および Z は、本明細書中で定義されるとおりである。
【0052】
(好ましい実施形態)
式(I)の好ましい実施形態に従って、XおよびYと共にAは、3員環〜6員環の炭素環式非芳香環または炭素環式芳香環である。より好ましくは、XおよびYと共にAは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルである。さらにより好ましくは、XおよびYと共にAは、シクロヘキシルまたはシクロペンチルである。より好ましくは、XおよびYと共にAは、シクロヘキシルである。
【0053】
別の好ましい実施形態に従って、XおよびYと共にAは、3員環〜6員環の複素環である。より好ましくは、XおよびYと共にAは、5員環〜6員環の複素環である。
【0054】
別の好ましい実施形態に従って、XおよびYと共にAは、5員環〜6員環のヘテロアリール環である。
【0055】
さらに別の好ましい実施形態に従って、XおよびYと共にAは、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合される。好ましくは、XおよびYと共にAは、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニルまたはピリジルに縮合される。
【0056】
別の好ましい実施形態に従って、式(I)の環系:
【化21】

は、以下の表1から選択される:
(表1)
【化22】

【0057】
【化23】

【0058】
【化24】


【0059】
より好ましい実施形態に従って、式(I)に記載の環構造:
【化25】

は、以下から選択される:
【化26】


【0060】
別のより好ましい実施形態に従って、X、Yおよび窒素原子を含む環と共にAは、以下:
【化27】

である。
【0061】
より好ましくは、X、Yおよび窒素原子を含む環と共にAは、以下:
【化28】

である。
【0062】
好ましい実施形態に従って、Tは、以下から選択される:(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族、(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル、[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−脂肪族もしくは[(C3−C10)−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、(C3−C10)ヘテロシクリル、(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、(C5−C10)−ヘテロアリール、または(C5−C10)ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族、ここで各々のTは、必要に応じて0個ないし3個のJ置換基で置換される。
【0063】
別の好ましい実施形態に従って、Tは、以下:
【化29】

であり、ここで:
10は:
水素、
(C1−C12)−脂肪族、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−脂肪族もしくは[(C3−C10)−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族
であり、ここで各々のTは、必要に応じて0個ないし3個のJ置換基で置換される;
Kは、結合、−R−、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、または−C(O)−NR−であり、ここでRは、水素またはC1−C12脂肪族であり、そしてnは、1〜3である。
【0064】
上の実施形態において、Tはまた、以下:
【化30】

であり得る。
【0065】
好ましい実施形態において、Tは、以下:
【化31】

である。
【0066】
より好ましい実施形態に従って、Tは、−NH、−NH−、−OHまたは−SHから選択される少なくとも1つの水素結合ドナー部分を含む。
【0067】
別のより好ましい実施形態に従って、Tは、以下:
【化32】

【化33】

から選択され、ここで:
Tは、必要に応じて0個ないし3個のJ置換基で置換され;
Zは、独立してO、S、NR10、C(R10であり;
nは、独立して1または2であり;そして、以下:
【化34】

は、独立して単結合または二重結合である。
【0068】
さらに別の好ましい実施形態に従って、Tは、以下:
【化35】

から選択され、ここで、Zは、上で定義される通りである。
【0069】
より好ましい実施形態において、Tは、以下:
【化36】

である。
【0070】
好ましい実施形態に従って、Wは、−C(O)−C(O)−R(または、式(II)において、−C(O)−C(O)−R17)である。
好ましくは、R(および/またはR17)は:フェニル、ピリジル、(C3−C6)−
アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、−OH、−O−(C1−C6)−アルキル、−N(H)−(C3−C6)−シクロアルキル、−N(H)−C(H)(CH)−(C6−C10)アリール、−N(H)−C(H)(CH)−(C3−C10)−ヘテロシクリル、または−N(H)−C(H)(CH)−(C5−C10)−ヘテロアリールであり、ここで各々のアリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、必要に応じてハロゲンで置換される。好ましい実施形態は、以下から選択される:
【化37】


より好ましくは、R(および/またはR17)は、イソプロピルである。
【0071】
式(II)の別の好ましい実施形態に従って、Wは、−C(O)−Hである。
【0072】
別の好ましい実施形態に従って、Wは、−C(O)−C(O)−ORである。より好ましくは、Rは、Hまたはメチルである。
【0073】
より好ましい実施形態に従って、Rは、水素、(C1−C12)−脂肪族、(C6−C10)−アリール、(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル、(C3−C10)−ヘテロシクリルまたは(C5−C10)ヘテロアリールから選択される。
【0074】
別の好ましい実施形態に従って、Wは、−C(O)−C(O)−N(Rである。より好ましくは、Rは、水素、(C3−C10)−シクロアルキルもしくは(C3−C10)−シクロアルケニル、または(C3−C10)−ヘテロシクリルから選択される。あるいは、1つのRは、水素であり、そしてもう一方のRは:(C6−C10)−アリール−(C1−C3)アルキル−(ここでアルキルは、必要に応じてCO2Hで置換される);(C3−C6)シクロアルキル−、(C5)−ヘテロシクリル−(C1−C3)アルキル−;(C3−C6)アルケニル−であるか;または各々のRは、(C1−C6)−アルキルである。あるいは、各々のRは、(C1−C3)−アルキルである。
【0075】
最も好ましくは、Wにおける−NHRは、以下から選択される:
【化38】


【0076】
式(II)の好ましい実施形態に従って、Wは、以下:
【化39】

である。
【0077】
Wのより好ましい実施形態は、以下の様である:
Wは、以下:
【化40】

であり、ここで、R17は、水素またはC5−ヘテロアリールもしくはC9−ヘテロアリールであり、ここでR17は、Jから選択される0個ないし3個の置換基を有する。
Wは、以下:
【化41】

であり、ここで、R17は、水素、(C1−C6)−アルキル、(C6−C10)−アリール、またはC3−C6−シクロアルキル−(C1−C3)−アルキルであり、ここでシクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル基である。アリール基は、必要に応じて、0個ないし3個のJ基で置換され、ここでJは、ハロゲン、好ましくはクロロまたはフルオロである。
Wは、以下:
【化42】

であり、ここでR17は、水素または(C1−C6)−アルキルである。
Wは、以下:
【化43】

であり、ここでR17は、水素、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルケニル、(C6−C10)−アリール−(C1−C6)−アルキル−、または(C6−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル−であり、ここでR7は、必要に応じて0個ないし3個のJ基で置換される。アルキル基およびアリール基上の好ましいJ置換基は、ハロゲン、カルボキシおよびヘテロアリールである。アリール基上のより好ましい置換基は、ハロゲン(好ましくはクロロまたはフルオロ)であり、アルキル基上のより好ましいJ置換基は、カルボキシおよびヘテロアリールである。
【0078】
式(II)のさらに他の好ましい実施形態に従って、Wは、以下:
【化44】

である。
【0079】
好ましい実施形態に従って、ホウ素原子と共に各々のR18は、ホウ素および2つの酸素原子以外にさらなるヘテロ原子を有さない(C5−C7)員環の複素環式環である。好ましい基は、以下:
【化45】

から選択され、ここでR’は、好ましくは、(C1−C6)−アルキル)であり、そして、最も好ましくは、メチルである。
【0080】
好ましい実施形態に従って、Rは、以下から選択される:
【化46】


【0081】
好ましい実施形態に従って、Rは、以下から選択される:
【化47】


【0082】
好ましい実施形態に従って、Rは、以下:
【化48】

である。
【0083】
好ましい実施形態に従って、Rは、以下:
【化49】

である。
【0084】
好ましい実施形態に従って、Rは、以下:
【化50】

から選択される。
【0085】
好ましい実施形態に従って、R5’は、水素であり、そしてRは、水素以外である。
【0086】
好ましい実施形態に従って、RおよびRは、H、メチル、エチルまたはプロピルから各々独立して選択される。
【0087】
好ましい実施形態に従って、Vは、−C(O)−NR−である。より好ましくは、Vは、−C(O)−NH−である。
【0088】
好ましい実施形態に従って、Jは、ハロゲン、−OR’、−NO 、−CF 、−OCF 、−R’、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−C(O)R’、−COOR’、−CON(R’) 、−N(R’)COR’、−N(COR’)COR’、−CN、または−SON(R’) である。
【0089】
好ましい実施形態に従って、Jは、ハロゲン、−OR’、−NO 、−CF 、−OCF 、−R’、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−C(O)R’、−COOR’、−CON(R’) 、−N(R’)COR’、−N(COR’)COR’、−CN、または−SON(R’) である。
【0090】
JおよびJにおいて、ハロゲンは、好ましくはクロロまたはフルオロである。より好ましくは、ハロゲンは、フルオロである。
【0091】
式(II)の好ましい実施形態に従って、X は、−N(R20)−、−O−または−C(R’) −である。より好ましくは、X は、−N(R20)−である。
【0092】
式(II)の好ましい実施形態に従って、Xは、−C(O)−である。
【0093】
式(II)の好ましい実施形態に従って、R 、R およびR20 は、Hまたは(C1−C3)−アルキルから各々独立して選択される。より好ましくは、R 、R およびR20 の各々は、Hである。
【0094】
式(II)の好ましい実施形態に従って、R14は、−H、−S(O)R’、−S(O) R’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’) 、−N(R’)C(O)R’、−N(COR’)COR’または−SON(R’) である。より好ましくは、R14 は、水素である。
【0095】
式(II)の好ましい実施形態に従って、R15 およびR16 は、独立してハロゲン、−OR’、−NO 、−CF 、−OCF 、−R’、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’) 、−SR’、−SOR’、−SOR’、−C(O)R’、−COOR’、−CON(R’) 、−N(R’)COR’、−N(COR’)COR’、−CN、または−SO N(R’) である。より好ましくは、R15 およびR16 は、独立して(C1−C6)−アルキル−である。さらにより好ましくは、R15 およびR16 は各々、メチルである。
【0096】
式(II)の好ましい実施形態に従って、ZはOであり、そしてR19 は:(C1−C6)−アルキル−(C3−C10)−シクロアルキル−、[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−脂肪族、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C6)−アルキル、(C3−C10)−ヘテロシクリル、(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、(C5−C10)−ヘテロアリール、または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキルであり;ここでR19 は、J から独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し、そしてここでR19 における0個ないし3個の脂肪族炭素原子が、化学的に安定な配置において、O、NH、S、SOまたはSO から選択されるヘテロ原子により置換され得る。より好ましくは、R19は、(C1−C6)−アルキルである。最も好ましくは、R19は、メチルである。
【0097】
式(II)の好ましい実施形態に従って、R14はHであり;ZはCH であり;またはR19 は、以下:
【化51】

である。
【0098】
より好ましくは、R14 はHであり;Z はCH であり;そしてR19 は、すぐ上に示されるとおりである。
【0099】
式(II)の別の好ましい実施形態に従って、各々のR19 はメチルであり;Z はOであり;またはR14 は、以下:
【化52】

である。
【0100】
より好ましくは、各R19は、メチルであり、ZはOであり、R14は、直前に示されるとおりである。なおより好ましくは、R14は、
【化53】

である。この実施形態において、R’は、好ましくは、(C1−C6)−アルキルである。
【0101】
式(II)の別の好ましい実施形態によると、Z
【化54】

である。
【0102】
より好ましくは、各R19 は、メチルであり、R14 はHであり、Z は、直前に示されるとおりである。
【0103】
式(II)の別の好ましい実施形態によると、Z
【化55】

である。
【0104】
式(II)の好ましい実施形態によると、R1'はHである。
式(II)の好ましい実施形態によると、R13’はHである。
式(II)の好ましい実施形態によると、R11’はHである。
式(II)の好ましい実施形態によると、R12はHである。
式(II)の好ましい実施形態によると、R12は、(C1−C6)−アルキル、(C3−C10)−シクロアルキル、[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、(C3−C10)−ヘテロシクリル、(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、(C5−C10)−ヘテロアリール、または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキルである。より好ましくは、R12は、イソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、またはフェニルエチルである。なおより好ましくは、R11はHである。
【0105】
式(II)の好ましい実施形態によると、R11は、(C1−C6)−アルキル、(C
3−C10)−シクロアルキル、[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、(C3−C10)−ヘテロシクリル、(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、(C5−C10)−ヘテロアリール、または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキルである。より好ましくは、R11は、(C1−C6)−アルキル、(C3−C10)−シクロアルキル、[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキルである。なおより好ましくは、R11はHであり、R12はHである。
【0106】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化56】

ラジカルは、
【化57】

である。
【0107】
より好ましくは、上記ラジカルは、
【化58】

である。
【0108】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化59】

ラジカルは、
【化60】

である。
【0109】
あるいは、このラジカルは、
【化61】

である。
【0110】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化62】

ラジカルは、
【化63】

であるか、またはこのラジカルは、
【化64】

であり、各Bは、独立して3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
ここで、上記複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール,(C5−C10)ヘテロアリール,(C3−C10)シクロアルキル,または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する。
【0111】
直前の実施形態において、好ましい環系は、
【化65】

であり、Z3は、炭素原子、−CHR’−N−、−HN−CR’−、または−CHR’−CHR’−、−O−CHR’−、−S−CHR’−、−SO−CHR’−、SO−CHR’−、または−N−である。R’は、好ましくは、(C1−C12)−脂肪族、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)アリール−(C1−C12)−脂肪族、または(C3−C10)−シクロアルキルである。上記脂肪族は、より好ましくは、(C1−C6)−アルキルであり、上記シクロアルキルは、より好ましくは、(C3−C7)−シクロアルキルである。これらの環系は、下記により完全に記載される。
【0112】
環系1、2、3、および4の好ましい実施形態は、下記に記載される。環系1、2、3、および4は、それぞれ、
【化66】

である。
【0113】
【化67】

環系1において、環Cは、好ましくは、
【化68】

【0114】
【化69】

【0115】
【化70】

から選択され、Rは、脂肪族、アリール、アラルキル、またはシクロアルキルである。
【0116】
より好ましくは、環Cは、
【化71】

から選択される。
【0117】
環Dは、好ましくは、
【化72】

【0118】
【化73】

【0119】
【化74】

から選択され、Rは、脂肪族、アリール、アラルキル、またはシクロアルキルである。
【0120】
より好ましくは、環Dは、
【化75】

から選択される。
【0121】
別の好ましい実施形態によると、環系1は、群
【化76】

から選択される。
【0122】
【化77】

環系2において、環Fは、好ましくは、
【化78】

から選択される。
【0123】
環系2は、好ましくは、
【化79】

から選択される。
【0124】
【化80】

環系3において、環Gの好ましい実施形態は、環Dの好ましい実施形態について上記された通りである。環Hの好ましい実施形態は、環Fの好ましい実施形態について上記された通りである。
【0125】
【化81】

環系4の好ましい実施形態によると、環Iは、6〜12個の炭素原子を含む架橋二環式環系であり、環Iは、飽和または部分飽和であり、環Iは、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する。
【0126】
環Iの好ましい実施形態は、
【化82】

【0127】
【化83】

から選択される。
【0128】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化84】

ラジカルは、
【化85】

である。
【0129】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化86】

ラジカルは、
【化87】

である。
【0130】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化88】

ラジカルは、
【化89】

である。
【0131】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化90】

ラジカルは、
【化91】

である。
【0132】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化92】

ラジカルは、
【化93】

である。
【0133】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化94】

ラジカルは、
【化95】

であり、各Bは、独立して3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
ここで、この複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する。
【0134】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化96】

ラジカルは、
【化97】

である。
【0135】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化98】

ラジカルは、
【化99】

である。
【0136】
上記の実施形態において、上記環はまた、
【化100】

から選択される。
【0137】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化101】

ラジカルは、
【化102】

である。
【0138】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化103】

ラジカルは、
【化104】

であり、各Bは、独立して3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
ここで、この複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する。
【0139】
式(II)の好ましい実施形態によると、
【化105】

ラジカルは、
【化106】

である。
【0140】
上記ラジカルにおいて、R11’可変基は、水素であることが、理解される。
【0141】
式(II)の好ましい実施形態によると、R11およびR12は、それらが結合する原子と一緒になって、6員〜10員の単環式もしくは二環式の炭素環式環系もしくは複素環
式環系を形成し、この複素環式環系中の各へテロ原子は、N,NH,O,S,SO,およびSOからなる群より選択され;そしてここで、この環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する。
【0142】
好ましい実施形態によると、R およびR13 から形成される環は、存在する場合には、好ましくは、18員環である。
【0143】
好ましい実施形態によると、R およびR12 から形成される環は、存在する場合には、好ましくは、18員環である。
【0144】
上記環系のいずれも、本明細書中に示される通り置換され得る。好ましくは、その環置換基は、オキソ、フルオロ、ジフルオロ(特に、ビシナルジフルオロ)、およびヒドロキシから選択される。これらの置換基は、以下の環系
【化107】

上で最も好ましく、Bは、5員の炭素環式環であり、必要に応じて、1つの不飽和結合を有する。
【0145】
好ましい実施形態において、ヘテロ原子は、N、NH、O、SO、およびSOからなる群より選択される。
【0146】
任意の式の好ましい実施形態はまた、他の任意の式(I)について好ましい実施形態である。例えば、式(I)のR の好ましい実施形態はまた、式(II)のR13 の好ましい実施形態である。式(I)のR の好ましい実施形態はまた、式(II)のR20 の好ましい実施形態である。式(I)のR の好ましい実施形態はまた、式(II)のR17の好ましい実施形態である。
【0147】
T、V、R 、R 、R 、A、X、Y、R 、R 、およびWについて上記に記載される好ましい実施形態のいずれもが、式(IA)の化合物の好ましい実施形態を生成するために組み合わされ得る。
【0148】
T、V、R 、R 、R 、A、X、Y、R 、R 、R5’、およびWについて上記に記載される好ましい実施形態のいずれもが、式(IB)の化合物の好ましい実施形態を生成するために組み合わされ得る。
【0149】
、R 、R 、R 、R5’ 、R11 、R12 、R13 、R13’ 、R14’ 、R15 、R16 、R19 、R20 、Z 、W について上記に記載される好ましい実施形態のいずれもが、式(II)の化合物の好ましい実施形態を生成するために組み合わされ得る。
【0150】
別の実施形態によると、本発明は、式(I’)
【化108】

の化合物を提供し、
およびRは、各々、独立して(C1〜C6)脂肪族、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、
は、エチル、プロピル、またはアリルであり、
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、(S)−メチルベンジルであり、そして
Tは、(C3−C10)へテロシクリルまたは(C5−C10)ヘテロアリール環であり、この環は、−NH、−NH−、−OH、もしくは−SHから選択される少なくとも1つの水素ドナー部分を含むか、または
Tは、
【化109】

から選択され、
10およびKは、上記に規定される通りである。
【0151】
別の実施形態によると、本発明は、式(II’およびII’’)
【化110】

(II’);および
【化111】

(II’’)
の化合物を提供し、上記可変基は、本明細書中に規定される通りである。
【0152】
好ましい実施形態によると、本発明の化合物の立体化学は、化合物1〜62aおよび63〜68に示される立体化学に対応する。
【0153】
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物を調製するためのプロセスを提供する。これらのプロセスは、スキームおよび実施例に記載される。
【0154】
式(I)の特定の化合物の例は、下記表2に示される。
(表2)
【化112】

【0155】
【化113】

【0156】
【化114】

【化115】


【0157】
式(I)の特定の化合物の例は、下記表3に示される。
(表3)
【化116】

【0158】
【化117】

【0159】
【化118】

【0160】
【化119】

【0161】
【化120】

【0162】
【化121】

【0163】
【化122】


【0164】
本発明の式(II)の他の特定の化合物の例は、下記表4に示される。
(表4)
【化123】

【化124】


【0165】
本発明の化合物は、1つ以上の非対称炭素原子を含み得、従って、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして存在し得る。これらの化合物のすべてのそのようなアイソマー形態は、本発明中に明示的に包含される。各不斉炭素は、R型であっても、S型であってもよい。
【0166】
好ましくは、本発明の化合物は、化合物1a〜62aおよび63〜68に示される構造および立体化学を有する。
【0167】
上記の好ましい実施形態のいずれも(上記の種における実施形態を含む)は、本発明の好ましい実施形態を生成するために組合され得る。
【0168】
以下のスキーム、調製物および実施例において使用される略語は、
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾールヒドレート
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸
HMM:N−メチルモルホリン
NMP:N−メチルピロリジノン
EtOH:エタノール
t−BuOH:tert−ブタノール
EtO:ジエチルエーテル
BOC:tert−ブチルオキシカルボニル
BOCO:ジ−tert−ブチルジカルボネート
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
tBG:tert−ブチルグリシン
Fmoc:9−フルオレニルスルホキシド
DMSO:ジメチルスルホキシド
TFA:トリフルオロ酢酸
DCM:ジクロロメタン
DCE:ジクロロエタン
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
MeCN:アセトニトリル
PyBrOP:トリス(ピロリジノ)ブロモホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TBTUまたはHATU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1, 3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
PPTS:ピリジニウムp−トルエンスルホネート
IBX:パーヨード安息香酸
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
rt:室温
ON:一晩
ND:決定せず
MS:質量分析法
LC:液体クロマトグラフィー
【0169】
(一般的な合成法)
本発明の化合物は、一般的には、当業者に公知の方法により調製され得る。以下のスキーム1〜17は、本発明の化合物の合成経路を示す。当該分野の有機化学者に容易に明らかな他の等価なスキームが、以下の一般スキームにより示されるような分子の種々の部分を合成するのに代替的に使用され得る。調製実施例を以下に示す。
【0170】
【化125】

上記スキーム1は、式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供する。
【0171】
【化126】

上記スキーム2は、式Iの化合物の調製のための別の一般的な経路を提供する。
【0172】
【化127】

上記スキーム3は、式Iの化合物(特に、構造62aにより表される化合物)の調製の
ための一般的な経路を示す。
【0173】
【化128】

上記スキーム4は、式Iの化合物の調製のための別の方法を提供する。
【0174】
【化129】

上記スキーム5と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のための別の一般的な方法を提供する。
【0175】
【化130】

上記スキーム6と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のための別の一般的な方法を提供する。
【0176】
【化131】

上記スキーム7と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のための別の一般的な方法を提供する。
【0177】
【化132】

上記スキーム8と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のための別の一般的な経路を提供する。
【0178】
【化133】

上記スキーム9と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のための別
の一般的な方法を提供する。
【0179】
【化134】

上記スキーム10と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物の調製のためのさらに別の一般的な方法を提供する。
【0180】
【化135】

上記スキーム11は、Ellman,J.ら,J.Med.Chem.1995,38,1427の手順に基づく固相合成経路を用いる式Iの化合物の調製のための一般的な経路を提供する。
【0181】
【化136】

上記スキーム11と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物(特に、化合物39、40、39a、および40a)の調製のための一般的な方法を提供する。
【0182】
【化137】

上記スキーム13と組み合わせてスキーム1または2は、式Iの化合物(特に、化合物25、25a、41a、45a、55a、58a、59a、および61a)の調製のための一般的な方法を提供する。
【0183】
【化138】

上記スキーム14は、化合物25aの調製のための合成スキームを提供する。
【0184】
【化139】

上記スキーム15は、化合物39aの調製のための合成スキームを提供する。
【0185】
【化140】

上記スキーム16は、化合物40aの調製のための合成スキームを提供する。
【0186】
【化141】

上記スキーム17は、式IIの化合物の調製のための一般的な方法を提供する。
【0187】
特定の例示的な実施形態が以下に示され記載されているが、本発明の化合物は、当業者に一般的に利用可能な適切な出発物質を用い、上記一般的に記載される方法に従って調製され得ることが理解される。
【0188】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩を含む組成物を提供する。好ましい実施形態に従って、式Iの化合物は、サンプルまたは患者におけるウイルス(ここで、ウイルスは、ウイルスの生命サイクルに必要なセリンプロテアーゼをコードする)負荷を減少させるのに有効な量で、薬学的に需要可能なキャリア中に存在する。
【0189】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩がこれらの組成物において使用される場合、これらの塩は、好ましくは、無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導される。このような酸塩に含まれるものは以下の通りである:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモン酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩。塩基塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられる。
【0190】
また、塩基性窒素含有基は、例えば以下の薬剤で四級化され得る:低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物);ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、ジブチルスルフェートおよびジアミルスルフェートを含むジアルキルスルフェート;長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物);ならびに、ベンジルおよびフェンチルの臭化物を含むアラルキルハライド。これによって水溶性生成物もしくは油溶性生成物、または分散性生成物が得られる。
【0191】
本発明の組成物および方法において使用される化合物はまた、選択された生物学的特性を増強するための適切な官能基を付随させることによって修飾され得る。このような修飾は、当該分野で公知であり、そして所定の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透性を増大させる修飾、経口利用性を増大させる修飾、注射による投与を可能にするために可溶性を増大させる修飾、代謝を変更する修飾、および排泄速度を変更させる修飾が挙げられる。
【0192】
組成物において使用され得る薬学的に受容可能なキャリアとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂。
【0193】
好ましい実施形態に従って、本発明の組成物は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)への薬学的投与のために処方される。
【0194】
本発明のこのような薬学的組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧により、局所的に、直腸内に、鼻内に、頬内に、膣内に、または移植したレザバを介して、投与され得る。本明細書中で使用する「非経口的」との用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病巣内および頭蓋内の注射および注入技術を含む。好ましくは、これらの組成物は、経口的、腹腔内または静脈内で投与される。
【0195】
本発明の組成物の無菌注射可能形態は、水性懸濁液または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該技術分野で公知の技術に従って処方され得る。この無菌注射可能調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液または懸濁液であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として、従来から使用されている。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油が使用でき、これには、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる。脂肪酸(例えば、オレイン酸)およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはひまし油、特に、それらのポリオキシエチル化した形態)と同様に、注射可能物の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)または類似の分散剤(これらは、一般的に、乳濁液または懸濁液を含む薬学的に受容可能な投薬形態を処方する際に、使用される)を含有し得る。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tween、Spanおよび他の乳化剤)または生体利用能向上剤(これらは、薬学的に受容可能な固体、液体または他の投薬形態を製造する際に、一般的に使用される)もまた、処方の目的のために、使用され得る。
【0196】
約0.01〜約100mg/kg体重/日(好ましくは、約0.5〜約75mg/kg体重/日)の本明細書中に記載されるプロテアーゼインヒビター化合物の用量レベルが、抗ウイルス(特に抗、HCV媒介疾患の予防および処置のための単独治療に有用である。代表的には、本発明の薬学的組成物は、約1〜約5回/日あるいは連続注入として投与される。このような投与は、連続治療(chronic therapy)または単独治療(acute therapy)として使用され得る。単一用量形態を生成するためにキャリア物質と組み合わされ得る活性成分の量は、処置するホストおよび特定の投与様式に依存して変化する。代表的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含む。好ましくは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含む。
【0197】
本発明の組成物が式I、II、III、またはIVの化合物、および1つ以上のさらな
る治療剤または予防剤の組み合わせを含む場合、この化合物およびさらなる治療剤の両方は、約10〜100%の間の用量レベルで存在するべきであり、より好ましくは、約10〜約80%の間の用量が、通常、単独治療レジメンにおいて投与される。
【0198】
本発明の薬学的組成物は、経口的に受容可能な任意の投薬形態(カプセル、錠剤、水性懸濁物または水溶液を含むが、これらに限定されない)で経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた、代表的に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁物が経口使用のために必要とされる場合、その活性成分は、乳化剤および懸濁剤と合わされる。所望される場合、特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤もまた、添加され得る。
【0199】
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のために坐剤形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤とその薬剤とを混合することによって、調製され得、従って、直腸で融解してその薬物を放出する。このような物質としては、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが挙げられ
る。
【0200】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、特に、治療の標的が局所的な適用により容易にアクセスできる領域または器官(目、皮膚または下部腸管の疾患を含む)を含む場合、局所的に投与され得る。これらの領域または器官のそれぞれに適切な局所処方物は、容易に調製される。
【0201】
下部腸管に対する局所適用は、直腸座剤処方(上記参照)により、または適切な浣腸処方にて、行なわれ得る。局所的な経皮パッチもまた、使用され得る。
【0202】
局所適用のために、この薬学的組成物は、1つ以上のキャリア中に懸濁または溶解された活性成分を含む、適切な軟膏中で処方され得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱物油、流動パラフィン、白色鉱油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、この薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア中に懸濁または溶解された活性成分を含む、適切なローションまたはクリームの状態で処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
眼への使用のために、この薬学的組成物は、滅菌した等張性のpH調整生理食塩水中の微粉化懸濁物としてか、または好ましくは、保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)を含むかもしくは含まない、滅菌した等張性のpH調整生理食塩水中の溶液として、処方され得る。あるいは、眼への使用のために、この薬学的組成物は、軟膏(例えば、ペトロラタム)中で処方され得る。
【0204】
本発明の薬学的組成物はまた、鼻エアロゾルまたは鼻吸入により投与され得る。このような組成物は、製薬処方の当該技術分野で周知の技術に従って調製され、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の通常の可溶化剤または分散剤を使用して調製され得る。
最も好ましいのは、経口投与のために処方される薬学的処方物である。
【0205】
別の実施形態において、本発明の組成物は、さらに、他の抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を含む。このような抗ウイルス剤としては、免疫調節剤(例えば、α−インターフェロン、β−インターフェロン、およびγ−インターフェロン、ペグ化された誘導体化インターフェロン−α化合物、およびサイモシン);他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン(telbivudine);他のC型肝炎プロテアーゼインヒビター(NS2−NS3インヒビターおよびNS3−NS4Aインヒビター);HCVの生活環の他の標的のインヒビター(ヘリカーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターが挙げられる);内部リボソーム侵入インヒビター;広いスペクトルのウイルスインヒビター(例えば、IMPDHインヒビター(例えば、VX−497および、米国特許第5,807,876号に開示される他のIMPDHインヒビター、ミコフェノール酸(mycohenolic acid)およびその誘導体));または上記のいずれかの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
患者の状態が改善される場合、維持用量の本発明の化合物、組成物または組合せが、必要であれば、投与され得る。その後、症状が所望のレベルにまで緩和された場合に、状態の改善が維持されるレベルにまで、投与の用量または頻度、あるいはその両方が、(症状
の関数として)減らされ、処置が止められる。しかし、患者は、症状の再発が起こった場合はいつでも、長期間の継続的処置を必要とし得る。
【0207】
任意の特定の患者に対する特定の用量および処置レジメンは、種々の因子(使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与回数、排出速度、薬物の組合せ、および処置医の判断、および処置されるべき特定の重篤度を含む)に依存することもまた理解されるべきである。活性成分の量もまた、記載される特定の化合物、ならびに組成物中のさらなる抗ウイルス剤の存在または非存在、および性質に依存する。
【0208】
他の実施形態によると、本発明は、そのウイルスの生活環に必要であるウイルスにコードされたセリンプロテアーゼによって特徴付けられるウイルスに感染した患者を、この患者に本発明の薬学的に受容可能な組成物を投与することによって処置するための方法を提供する。好ましくは、本発明の方法は、HCV感染に罹患した患者を処置するために使用される。このような処置は、ウイルス感染を完全に根絶し得るか、またはその重得度を減少させ得る。より好ましくは、患者はヒトである。
【0209】
代替的な実施形態において、本発明の方法は、さらに、患者に抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を投与する工程を包含する。このような抗ウイルス剤としては、免疫調節剤(例えば、α−インターフェロン、β−インターフェロン、およびγ−インターフェロン、ペグ化された誘導体化インターフェロン−α化合物、およびサイモシン);他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリンおよびアマンタジン);他のC型肝炎プロテアーゼインヒビター(NS2−NS3インヒビターおよびNS3−NS4Aインヒビター);HCVの生活環の他の標的のインヒビター(ヘリカーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターが挙げられる);内部リボソーム侵入インヒビター;広いスペクトルのウイルスインヒビター(例えば、IMPDHインヒビター(例えば、VX−497および、米国特許第5,807,876号に開示される他のIMPDHインヒビター、ミコフェノール酸(mycophenolic acid)およびその誘導体));または上記のいずれかの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0210】
このようなさらなる薬剤は、本発明の化合物およびさらなる抗ウイルス剤の両方を含む1回の投薬形態の一部として、患者に投与され得る。あるいは、さらなる薬剤が、複数回の投薬形態の一部として、本発明の化合物とは別に投与され得、このさらなる薬剤は、本発明の組成物を含む組成物の前に、同時に、または後に投与される。
【0211】
なお別の実施形態において、本発明は、患者への投与が意図される生物学的物質を前処理する方法を提供し、この方法は、この生物学的物質に、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を接触させる工程を包含する。このような生物学的物質としては、血液およびその成分(例えば、血漿、血小板、血球の部分集団など);器官(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺など);精子および卵子;骨髄およびその成分、ならびに患者内に注入される他の流体(例えば、生理食塩水、デキストロースなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0212】
別の実施形態によると、本発明は、その生活環に必要であるウイルスにコードされたセリンプロテアーゼによって特徴付けられるウイルスと潜在的に接触し得る材料を処理するための方法を提供する。この方法は、この材料を本発明に従う化合物を接触させる工程を包含する。このような材料としては、外科用器具および外科用衣類;研究室用器具および研究室用衣類;血液収集装置および材料;ならびに侵襲性デバイス(例えば、シャント、ステントなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0213】
別の実施形態において、本発明の化合物は、ウイルスにコードされたセリンプロテアー
ゼの単離を補助するための研究室用道具として使用され得る。この方法は、固体支持体に結合した本発明の化合物を提供する工程;プロテアーゼをこの固体支持体に結合させる条件下で、この固体支持体をウイルス性セリンプロテアーゼを含むサンプルに接触させる工程;およびこの固体支持体からセリンプロテアーゼを溶出する工程を包含する。好ましくは、この方法によって単離されるウイルス性セリンプロテアーゼは、HCV NS3−NS4Aプロテアーゼである。
【0214】
本発明をより完全に理解するために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、例示のみのためであり、いかようにも本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0215】
H−NMRスペクトルとは、Bruker AMX 500機器を用いて、500MHzで記録した。質量スペクトルサンプルとは、電気スプレー電離を用いてシングルMS様式で操作したMicroMass ZQ質量分析計またはQuattro II質量分析計で、分析した。サンプルをフロー注入器(FIA)またはクロマトグラフィーを使用して質量分析計へと導入した。全ての質量スペクトル分析のための移動相は、条件剤として0.2%ギ酸を有するアセトニトリル−水混合物からなった。
【0216】
本明細書中で使用する場合、用語「Rt(分)」とは、化合物に関するHPLCの保持時間(分)をいう。列記したHPLC保持時間は、質量スペクトルデータまたは以下の方法のいずれかから得た:
機器:Hewlett Packard HP−1050;
カラム:YMC C18(カタログ番号 326289C46);
勾配/勾配時間:9分間にわたって10〜90%CHCN/HO、次いで、2分間100%CH3CN;
流速:0.8ml/分;
検出波長:215nMおよび245nM。
【0217】
本明細書における選択した化合物の化学名の命名は、CambridgeSoft Corporations ChemDraw Ultra(登録商標)(バージョン7.0.1.)によって提供される命名プログラムを用いて行った。
【0218】
(実施例1)
(3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(4b)および5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(5b))
塩化アルミニウム(7.75g、0.058mol)を200mlの無水ジクロロエタンに室温で懸濁し、続いて、無水酢酸(2.74mL、0.03mol)をゆっくりと添加した。この混合物を室温で10分間攪拌し、その後、1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(1b、5.0g、0.0264mol)を15mLのジクロロエタン溶液として添加した。この反応混合物を窒素下で40℃で10時間攪拌した。この反応を氷−水混合物でクエンチし、その有機層を水で洗浄した(×3)。この有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空で濃縮した。SiO2上でのクロマトグラフィー(4%酢酸エチル/96%CHCl)により、3.2gの3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(2b)(52%)および770mgの5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(3b)(13%)を得た。
【表2】

【0219】
2bおよび3bを、エタノール中10%KOHによって、60℃で1時間ケン化し、続いて、1M HClで酸性化して、3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(4b)および5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(5b)をそれぞれ95%および93%の収率で得た。この粗酸を精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0220】
(実施例2)
(3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸(10b))
70mLの水中の亜硝酸ナトリウム溶液(36.9g、0.534mol)を、1401mLの氷酢酸中のエチルアセトアセテート(70g、0.538mol)攪拌溶液に0℃で滴下した。添加が完了した後、明黄色の反応混合物を室温にまで温めた。30分後、全ての開始材料を消費し、反応を350mLの水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(2×125mL)。この有機抽出物を合わせ、水(2×125mL)、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×105mL)で洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空で濃縮して、84.2g(98%)のエチル−2−ヒドロキシイミノ−3−オキソブタノエート(6b)を淡黄色の油状物として得た。H NMR(CDCl)d 10.3(s,1H),4.2(q,2H),2.3(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0221】
壊したナトリウム(12.4g、0.540mol)を、乾燥エーテル(540mL)中の2−ブタノン(48.2g、0.538mol)とギ酸エチル(43.47g、0.538mol)の溶液に激しく機械的に攪拌しながら1時間の期間にわたって添加し、その時間の間に、この混合物を氷−塩浴で低温にした。次いで、この混合物を室温で14時間攪拌した。この反応混合物を4℃まで2、3時間冷却した後、沈殿したナトリウム塩を濾過によって得て、そして、冷やした乾燥エーテルで徹底的に洗浄して、49.3g(75%)の所望の2−メチル−3−オキソブチルアルデヒド(7b)のナトリウム塩を得た。H NMR(DMSO−d)d 9.1(s,1H),1.9(s,3H),1.3(s,3H)ppm。
【0222】
ナトリウム塩7b(49.3g、0.404mol)とオキシム6b(64.23、0.404mol)を300mLの70%酢酸/30%水の中で攪拌し、50℃にまで温めた。亜鉛粉末(42.21g、0.646mol)を、温度を100℃未満に維持しながら、30分間にわたり一部ずつ添加した。添加が完了した後、この懸濁液を15分間還流し、次いで、4Lの氷水に注いだ。短時間後、沈殿した生成物を濾過した後、30.1g(45%)所望のエチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレート(8b)を得た。H NMR(CDCl)d 9.0(bs,1H),6.7(s,1H),4.3(q,2H),2.3(s,3H),2.0(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0223】
乾燥ジクロロエタン(580mL)中の塩化アルミニウム(50.19g、0.376mol)溶液に、無水酢酸(17.75mL、0.188mol)を25℃でゆっくりと添加した。生じた混合物を室温で10分間攪拌し、次いで、ジクロロエタン(30mL)中のピロール8b(10.49g、0.0627mol)溶液を添加し、この反応混合物を室温で2時間攪拌した。さらに80℃で3時間の後、この混合物を氷水に注ぎ、ジクロロエタンで抽出した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空中で乾燥して、橙色の残留物を得た。シリカゲルによる短いプラグでの濾過(30%酢酸エチル/70%へキサン)によって、7.5g(60%)のエチル−3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレート(9b)を得た。H NMR(CDCl)d 9.0(bs,1H),4.3(q,2H),2.7(s,3H),2.1(s,3H),1.9(s,3H),1.3(t,3H)ppm。
【0224】
エタノール中のピロールエステル9b(8.2g、0.0392mol)と100mLの10%水酸化カリウムとの混合物を1時間還流した。この混合物を冷却し、そして、真空中で濃縮して油状物にした。この油状物に水を添加し、この混合物を希HClで酸性化し、そして、エーテルで抽出した。この有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、真空中で濃縮して固体残留物を得た。この化合物を80mLのエタノール中で再結晶化し、5.8gの純粋な3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸(10b)を固体として得た。H NMR(DMSO−d6)d 2.5(s,3H),2.2(s,3H),2.0(s,3H)ppm。
【0225】
(実施例3)
(1−(2−{20[3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−1H−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロへキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(25a))
オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(11b)(5.0g、29.5mmol、Bachemから購入)を200mLのCHClに懸濁し、次いで、乾燥した氷/アセトン浴において冷却した。HSO(120μL/mmol)を添加し、続いて、過剰のイソブチレン中で泡立てた。この混合物をシールし、そして、氷浴を取り除いた。この混合物を室温で12時間攪拌した。この反応混合物を、冷却した後で慎重に脱シールして、濃縮した。EtOAcを添加し、そして、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、濾過し、そして、濃縮してオクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(12b)を得た(6.65g、29.5mmol、100%)。
【表3】

【0226】
L−CBz−tert−ブチルグリシン(5.0g、11.2mmol)をCHCl(40mL)中で攪拌した。EDC(2.25g、11.7mmol)とHOBt(1.58g、11.7mmol)とを添加し、そして、この混合物を15分間攪拌した。この溶液をCHCl(20mL)中の12b(2.4g、10.6mmol)の溶液中にカニューレ注入し、そして、一晩中攪拌した。この反応をHPLCでモニタリングし、アミンの消費について観察した。この混合物を濃縮し、EtOAcを添加し、続いて、1.0Nのグリシンナトリウム塩水溶液を添加し、そして、この混合物を全てのCbz−tert−ブチルグリシン−OBtが消費されるまで攪拌した。層分離し、そして有機相を1N HCl(×3)、ブライン、10%炭酸カリウム(×3)、そしてブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、真空中で濃縮した。シリカゲルプラグを通すクロマトグラフィー(10%EA/Hex)により、1−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(13b)(4.4g、9.3mmol、88%)を得た。
【表4】

【0227】
エステル13b(4.0g、8.4mmol)を、400mgの10%Pd(OH)/Cを充填したEtOH(40mL)中で攪拌した。この反応が完了するまで、Hガスをこの懸濁液中にバブリングした。触媒を濾過によって除去し、そして、濾過液を真空中で濃縮して1−(2−アミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(14b)(2.8g、8.4mmol、100%)を得た。これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
【表5】

【0228】
CHCl(30mL)中のL−CBz−シクロへキシルグリシン(3.0g、10.3mmol)をEDC(2.07g、10.8mmol)とHOBt(1.65g、10.8mmol)とで処理し、そして、15分間攪拌した。生じた混合物をCHCl(20mL)中の14b(3.32g、9.8mmol)溶液に添加し、そして、室温で攪拌し、HPLCでアミンの消費をモニタリングした。1.0Nのグリシンナトリウム塩溶液を、全てのL−Cbz−シクロへキシルグリシン−OBtが消費されるまで(数時間)HPLCでモニタリングした。この反応混合物を1.0N HCl(×3)、ブライン、10%炭酸カリウム(×3)、そしてブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、真空中で濃縮した。得られた固体生成物を、この化合物を熱したIPAに溶解し、そして、生成物が沈殿し始めるまでゆっくりと水を加えることにより、熱いIPA/HO(約3.3:1)から再結晶化した。低温濾過により、4.79g(80%)の1−[2−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シクロへキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−オクタヒドロインドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(15b)を固体として得た。
【表6】

【0229】
CBzエステル15b(3.0g、4.9mmol)をEtOH(25mL)中で攪拌し、300mgの10%Pd(OH)/Cを充填した。この反応が完了するまで、Hガスをこの懸濁液中にバブリングした。触媒を濾過によって除去し、そして、濾過液を真空中で濃縮して1−[2−(2−アミノ−2−シクロへキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(16b)(2.34g、4.9mmol、100%)を得た。これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
【表7】

【0230】
DMF(56mL)中の3−アセチル−4,5−ジメチル−2−ピロールカルボン酸(10b)(2.5g、13.7mmol)をEDC(2.75g、14.4mmol)とHOBt(2.20g、14.4mmol)とで処理し、そして室温で15分間攪拌した。DMF(10mL)中のアミン(16b)(6.23g、13.0mmol)を添加し、この反応混合物を室温で攪拌し、HPLCでモニタリングした。この混合物を真空で濃縮し、次いで、EtOAcに溶解した。1.0Nのグリシンナトリウム塩水溶液を、全ての過剰のアミノエステル(16b)が消費されるまで(数時間)添加した。この混合物を1N HCl(×3)、ブライン、炭酸水素塩(bicarb)(×3)、そしてブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、真空中で濃縮した。シリカゲルの短いプラグを通す精製(25%EA/Hex)により、7.08g(85%)の1−(2−{2−[(3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロへキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(17b)を得た。
【表8】

【0231】
CHCl(20mL)中のtert−ブチルエステル17b(3.0g、4.68mmol)を氷浴中にて攪拌し、TFA(20mL)をゆっくりと添加した。この混合物を室温まで温め、エステルがHPLCによって観察されなくなるまで攪拌した。トルエンを加え、減圧下で、数回(3×)濃縮した。残りのTFAのほとんどを減圧下で取り除いて、ピンクの固体として、1−(2−{2−[(3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル18bを得た。これは、さらに精製することなく次の工程で用いた。
【0232】
CHCl(20mL)中の上記からの粗酸18bを、DIEAの滴下で処理し、(過剰量のTFAをクエンチすることからの)発煙が止まるまで室温で攪拌した。EDC(0.99g、5.1mmol)およびHOBt(0.78g、5.1mmol)を添加し、混合物を15分間攪拌した。CHCl(10mL)中の3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸シクロプロピルアミン19b(950mg、5.1mmol、これは、U.Schoellkopfら、Justus Liebigs Ann.Chem.GE,1976,183−202およびJ.Stempleら、Organic Letters 2000,2(18)、2769−2772によって記載される方法に従って調製した)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を1NのHCl/EtOAcに注ぎ、有機層を1NのHCl(3×)、ブライン、飽和NaHCO(3×)およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルプラグ(これは、100% CH Cl −−>>1% MeOH/CH Cl −−>>>2% MeOH/CHClで溶出する)での精製は、3.0g(2工程について85%)の1−(2−{2−[(3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチル−アミド20bを得た。
【表9】

【0233】
乾燥EtOAc(98mL)中のEDC(38.2g、199.2mmol)溶液に、乾燥EtOAc(52mL)中のケトアルコール20b(10.0g、13.3mmol)を添加した。乾燥DMSO(75mL)を添加し、混合物を7℃まで冷却し、そして、乾燥EtOAc(31mL)中のジクロロ酢酸(10.97mL、133mmol)を可能な限り急速に添加し、25℃より高い温度にした。氷浴を取り去り、混合物を15分間攪拌した。TLCは、20bの完全な消失を示した。1.0NのHCl(200mL)を添加する前、混合物を15℃まで冷却し、温度が25℃より高くなることがないように、可能な限り急速にクエンチした。有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。シリカゲルプラグ(100% CHCl−−>50% EtOAc/CHCl)での精製により白色固体を得、これをEt2O中で攪拌し、濾過し、減圧下で乾燥させて、残りのジメチルスルフィドおよびジクロロ酢酸を除去した。得られた7.49g(75%)の所望の1−(2−{2−[(3−アセチル−4,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニル)−アミノ]−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクトアルデヒド−インドール−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−ブチル)アミド25aを得た。
【表10】

【0234】
(実施例4)
(3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキシアリール−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル}−メチル)−アミド(39a))
BOC−L−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸21b(3.4g、12.6mmol、Bachemから購入)を30mL CHClに懸濁し、水/氷浴中で冷却した。N−メチルモルホリン(3.0当量、4.2mL、38mmol)を添加し、次いで、固体PyBOP(1.1当量、7.2g、13.8mmol)を添加した。氷浴を取り去り、反応物を窒素下室温で1時間攪拌した。別のフラスコで、5.8gの3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸シクロプロピルアミン19bを、30mLのDMFおよび10mLのCHCl中に室温で溶解した。酸(21b)/PyBOP/NMM溶液を20mLのCHClと共にアミン19b溶液にカニューレした。反応を室温で16時間攪拌し、次いで、二炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を10%クエン酸溶液、飽和二炭酸ナトリウム溶液、水(×5)、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(これは、30% EtOAc/ヘキサン〜100% EtOAcで溶出する)で、4.35gの2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル22bを得た。
【表11】

【0235】
BOCエステル22b(4.35g、7.43mmol)を25mlのCHClに溶解し、氷浴中で冷却した。25mLのTFAを滴下し、浴を取り去り、そして、反応物を室温まで温めた。TLCは、BOC基が30分後には除去されたことを示した。1時間後、25mLのトルエンを添加し、反応を乾燥状態まで濃縮し、次の工程に用いた。
【0236】
CHCl(25mL)中のL−CBz−tert−ブチルグリシン(3.16g、11.9mmol)を、5mLのCHCl中、固体PyBOP(6.7g、12.9mmol)およびDIEA(1.7mL、9.8mmol)で処理した。浴を取り去り、そして、反応を室温まで温め、50分間攪拌した。粗製遊離アミンをCHCl(25mL)に溶解し、DIEA(3.5mL、20mmol)で処理し、次いで、混合物をさらなるCHCl(40mL)を添加してCbz−L−Tbg−OH/PyBOP溶液にカニューレし、混合物を一晩攪拌した。21時間後、反応を飽和二炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、濃縮した。残渣をEtOAcと水との間で分配し、EtOAcで2回抽出し、合わせた有機層を0.5N HCl、飽和二炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、2% MeOH/EtOAc〜5% MeOH/EtOAcで溶出する)で4.2g(72%)の(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピル)−カルバミン酸ベンジルエステル23bを得た。
【表12】

【0237】
Cbzエステル23b(4.2g、7.2mmol)をEtOH(50mL)中で攪拌し、Nでフラッシュした。800mgの10%Pd/CをEtOH(100mL)と共に添加した。反応をHでフラッシュし、H雰囲気下に一晩放置した。18時間後、反応物を濾過して濃縮し、まずCH CN、次にCH Cl で共沸し、減圧下で濃縮して、中間体遊離アミン(3.26g、7.2mmol、100%)を得、これを次の工程に用いた。
【0238】
2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ素(TBTU、2.45g、7.6mmol)をDMF(20mL)およびCH Cl (10mL)と合わせ、わずかに(45℃)温めて全ての固体を溶解し、次いで、氷水浴中で冷却した。L−CBz−シクロヘキシルグリシン(2.2g、7.6mmol)のCH Cl (30mL)溶液を添加し、氷浴を取り去った。反応を5分間35℃まで温めた。N−メチルモルホリン(1.5当量、1.05mL、9.5mmol)を添加し、反応を室温で30分間攪拌した。CH Cl (20mL)中の上記得られた粗製アミン(2.85g、6.32mmol)を追加のCHCl(20mL)で反応にカニューレし、反応物を室温で一晩攪拌した。19時間後、反応を飽和二炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、濃縮した。残渣をEtOAcと水との間で分配し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を0.5N HCl、飽和二炭酸ナトリウム、水(4×)で洗浄した。洗浄水をEtOAcで再度抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(1% MeOH/CH Cl 〜4% MeOH/CH Cl で溶出する)で、2.8g(61%)の[シクロヘキシル−(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイルヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル)−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル]−メチル]−カルバミン酸ベンジルエステル24bを得た。
【表13】

【0239】
Cbzアミン24b(2.8g、3.9mmol)をEtOH(60mL)中で攪拌し、EtOH(100mL)中520mgの10%Pd/Cで処理した。反応をHでフラッシュし、H 雰囲気下で一晩放置した。19時間後、反応を濾過して濃縮し、CHCl で共沸し、濃縮して中間体遊離アミン(2.33g、3.9mmol、100%)を得、これを以下のように用いた。
【0240】
CHCl(2mL)およびDMF(2mL)中の3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸25b(67mg、0.33mmol)を、CHCl(1mL)中に溶解したEDC(69mg、0.36mmol)およびHOAT(123mg、0.39mmol)ならびにDIEA(160μl、0.9mmol)で処理し、室温で5分間攪拌した。CHCl(5mL)中の上で得られた粗製アミン(175mg、0.30mmol)をカニューレして添加し、混合物を室温で攪拌した。46時間後、反応を0.5N HClでクエンチして濃縮した。残渣をEtOAcと水との間で分配し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を0.5N HCl、水(4×)、ブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAC〜5% MeOH/EtOAcで溶出する)で、166mg(71%)の3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸[シクロヘキシル−(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシメチル)−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル]−アミド26bを得た。FIA MS M+H=775.4、M−H=773.4、HPLC RT 8.75+8.85(2ジアステレオマー)。H−NMRは所望の生成物と一致した。
【0241】
ケトアルコール26b(166mg、0.21mmol)を乾燥EtOAc(6mL)中に溶解し、EDC(605mg、3.15mmol)で処理し、乾燥DMSO(3mL)を添加し、反応を7℃まで冷却した。乾燥EtOAc(1mL)中のジクロロ酢酸溶液(175μL、2.1mmol)を1分にわたって添加し、これは、わずかに発熱した。追加のEtOAc(2mL)を添加し、氷浴を取り去った。1時間後、反応を10℃まで冷却し、1.0N HCl(2mL)でクエンチし、次いで、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水(4×)およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25% EtOAc/CHCl 〜100% EtOAcで溶出する)、その後、CHCN/水に溶解し、凍結乾燥して139mg(86%)の3−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキシアリール−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル]−アミド39aを得た。
【表14】

【0242】
(実施例5)
(5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキシアリール−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロインドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル)−アミド(40a))
5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸27b(67mg、0.33mmol)をCHCl (2mL)中で攪拌し、DMF(2mL)をCHCl (1mL)中に溶解したEDC(69mg、0.36mmol)およびHOAT(123mg、0.39mmol)ならびにDIEA(160μl、0.9mmol)で処理し、混合物を室温で5分間攪拌した。CHCl(5mL)中の粗製中間体アミン(175mg、0.30mmol、理想的には、上記実施例4において調製された)をカニューレして添加し、室温で攪拌した。45時間後、反応を0.5N HCl溶液でクエンチして濃縮した。残渣をEtOAcと水との間で分配し、EtOAcで2回抽出し、合わせた有機層を0.5N HCl、水(4×)およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ニートEtOAc〜5% MeOH/EtOAcで溶出する)で142mg(61%)の5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸[シクロヘキシル−(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシメチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル]−アミド28bを得た。LC/MS M+H=775.44、M−H=773.52、LC/MS RT=3.78分、HPLC RT=7.70分。H−NMRで所望の生成物と一致した。
【0243】
ケトアルコール28b(142mg、0.18mmol)を乾燥EtOAC(10mL)中に溶解し、EDC(520mg、2.7mmol)および乾燥DMSO(5mL)で処理し、次いで、7℃まで冷却した。乾燥EtOAc(1mL)中のジクロロ酢酸(150μL、1.8mmol)溶液を1分間にわたって添加し、わずかに発熱した。EtOAc(1mL)を添加し、氷浴を取り去った。1時間後、反応を10℃まで冷却し、1.0N HCl(2mL)でクエンチし、そして、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水(4×)およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10% EtOAc/CH Cl 〜75% EtOAc/CH Cl で溶出する)、その後、CHCN/水に溶解し、そして、凍結乾燥して129mg(93%)の5−アセチル−1H−インドール−2−カルボン酸(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキシアリール−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル}−メチル)−アミド40aを得た。
【表15】

【0244】
(実施例6)
(HCVレプリコン細胞アッセイプロトコール)
C型肝炎ウイルス(HCV)レプリコンを含む細胞を10%ウシ胎仔血清(FBS)、0.25mg/ml G418、適切な補充剤を含有するDMEM(培地A)中で維持した。
【0245】
1日目に、レプリコン細胞の単層をトリプシン:EDTA混合物で処理し、取り除き、次いで、培地Aを1ml witあたり100,000個の細胞の最終濃度に希釈した。96ウェル組織培養プレートの各ウェルに100μl中10,000個の細胞を入れ、組織培養インキュベーター中にて37℃で一晩培養した。
【0246】
2日目に、化合物(100%DMSO中)を、2% FBS、0.5% DMSO、適切な補充剤を含有するDMEM(培地B)に段階希釈した。DMSOの最終濃度は、希釈系列を通じて0.5%に維持した。
【0247】
レプリコン細胞単層上の培地を除去し、次いで、種々の濃度の化合物を含有する培地Bを添加した。化合物を含まない培地Bを、化合物コントロールを含まない他のウェルに添加した。
【0248】
細胞を、化合物または0.5%DMSOを含む培地B中で組織培養インキュベーターにて37℃で48時間インキュベートした。48時間のインキュベーションの後、培地を除去し、レプリコン細胞単層をPBSで1回洗浄し、RNA抽出の前に−80℃で保存した。
【0249】
処理したレプリコン細胞単層を入れた培養プレートを溶かし、別のRNAウイルス(例えば、ウシウイルス性ジフテリアウイルス(BVDV))の所定の量を各ウェルの細胞に添加した。RNA抽出試薬(例えば、Rneasyキットからの試薬)をこれらの細胞に速やかに添加し、RNAの分解を防いだ。総RNAを、製造業者の説明書に修正を加えたものにしたがって抽出し、抽出効率および一貫性を改善した。最後に、総細胞RNA(HVCレプリコンRNAを含む)を溶出し、さらに処理するまで−80℃で保存した。
【0250】
TaqmanリアルタイムRT−PCR定量アッセイを、2セットの特異的なプライマ
ーおよびプローブを用いて設定した。一方は、HCVに対するもので、もう一方は、BVDVに対するものであった。処理したHCVレプリコン細胞からの総RNA抽出物を、HCV RNAおよびBVDV RNAの両方の定量のために、同じPCRウェル内にPCR反応物に添加した。実験誤差を警告を与え(flag)、各ウェルのBVDV RNAのレベルに基づいて棄却した。各ウェルのHCV RNAのレベルを、同じPCRプレート中で実行した標準曲線に従って計算した。化合物処理に起因するHCV RNAレベルの阻害または減少の割合を、DMSOまたは阻害0%の化合物を含まないコントロールを用いて計算した。IC50(HCV RNAレベルの50%阻害を観察する濃度)を、任意の所定の化合物の滴定曲線から計算した。
【0251】
(実施例7)
(HCV Kiアッセイプロトコール)
(5AB基質および生成物の分離のためのHPLC Microbore法)
基質:
NH−Glu−Asp−Val−Val−(α)Abu−Cys−Ser−Met−Ser−Tyr−COOH
20mM 5AB(または研究者が選択した濃度)のストック溶液を、DMSO w/0.2M DTT中で作製した。これをアリコート中、−20℃で保存した。
緩衝液:50mM HEPES、pH7.8;20% グリセロール;100 mM NaCl。
合計のアッセイ容量は100μLであった。
【0252】
【表16】

【0253】
緩衝液、KK4A、DTTおよびtNS3を合わせ;96ウェルのウェルに各々78μLずつ分注した。これを約5〜10分間30℃でインキュベートした。
2.5μLの適切な濃度の試験化合物をDMSO(コントロールについてはDMSOのみ)中に溶解し、各ウェルに添加した。これを15分間室温でインキュベートした。
20μLの250μM 5AB基質(25μMの濃度は、5ABに対するKmと同じであるか、または、わずかに低い)を添加することによって反応を開始した。
30℃で20分間インキュベートした。
25μLの10% TFAを添加することによって反応を終了した。
120μLのアリコートをHPLCバイアルに移した。
【0254】
以下の方法によって、基質とKK4AからSMSY生成物を分離した:
(Microbore分離法:)
(装置:Agilent 1100)
Degasser G1322A
バイナリーポンプ G1312A
自動サンプラー G1313A
カラムサーモスタッドチャンバー G1316A
ダイオードアレイ検出器 G1315A
(カラム:)
Phenomenex Jupiter;5ミクロン C18;300Å;150×2mm;P/O 00F−4053−B0
カラムサーモスタット:40℃
注入容量:100μL
溶媒A=HPLCグレード水+0.1% TFA
溶媒B=HPLCグレードアセトニトリル+0.1% TFA
【0255】
【表17】

停止時間:17分
実行後時間:10分。
【0256】
以下の表5は、本発明の特定の化合物についての質量分析、HPLC、KiおよびIC50のデータを示す。
【0257】
1μM〜5μMの範囲のKiを有する化合物を、Aと示す。1μM〜0.5μMの範囲のKiを有する化合物をBと示す。0.5μM未満のKiを有する化合物をCと示す。1μM〜5μMの範囲のIC50を有する化合物を、Aと示す。1μM〜0.5μMの範囲のIC50を有する化合物をBと示す。0.5μM未満のIC50を有する化合物をCと示す。
【0258】
【表18】

【0259】
【表19】

【0260】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物であって:
【化1】

ここで、Xは、−N(R20)−、−O−、−S−、または−C(R’)−であり;
は、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Wは:
【化2】

【化3】

であり、
ここで、mは、0または1であり;
各R17は、独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であるか、
または同じ窒素原子に結合した2つのR17基が、該窒素原子と一緒になって、該窒素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のさらなるヘテロ原子を有する、(C3−C10)員の複素環式環を形成し;
ここで、R17は、必要に応じて、3つのJ置換基で置換されており;
各R18は、独立して、−OR’であるか;または該OR’基は、ホウ素原子と一緒になって、該ホウ素に加えて、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし3個のさらなるヘテロ原子を有する、(C5−C20)員の複素環式環であり;
およびR5’は、独立して、水素または(C1−C12)脂肪族であり、ここで、任意の水素は、必要に応じて、ハロゲンによって置き換えられ、そして任意の末端炭素原子は、必要に応じて、スルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されており、そして、0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられ得るか;または
およびR5’は、これらが結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する、3〜6員の環であり;ここで、該環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有し;
、R1’、R11、R11’、R13、およびR13’は、独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、R、R1’、R11、R11’、R13、およびR13’の各々は、独立して、必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換されており;
該環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;
、R1’、R11、R11’、R13、およびR13’の各々における0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置で、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられ得るか;または
およびR1’は、これらが結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する、3〜6員の環であり;ここで、該環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有し;あるいは
11およびR11’は、これらが結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する、3〜6員の環であり;ここで、該環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有し;あるいは
13およびR13’は、これらが結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから選択される0個ないし2個のヘテロ原子を有する、3〜6員の環であり;ここで、該環は、Jから独立して選択される0個ないし2個の置換基を有し;
、R、R12、およびR20は、独立して、
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、
ここで、R、R、R12、およびR20の各々は、独立して、必要に応じて、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換されており;
、R、R12、およびR20における0個ないし2個の脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられ得るか;または
11およびR12は、これらが結合する原子と一緒になって、3〜20員の単環式、4〜20員の二環式、または5〜20員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
該環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
12およびR13は、これらが結合する原子と一緒になって、4〜20員の単環式、5〜20員の二環式、または6〜20員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
該環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
11およびR13は、これらが結合する原子と一緒になって、5〜20員の単環式、6〜20員の二環式、または7〜20員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
各環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
該環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
11、R12、およびR13は、これらが結合する原子と一緒になって、5〜20員の二環式、または6〜20員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
各環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
該環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
13’およびRは、これらが結合する原子と一緒になって、3〜20員の単環式、4〜20員の二環式、または5〜20員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
各環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
該環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
およびR13は、これらが結合する原子と一緒になって、18〜23員の単環式、19〜24員の二環式、または20〜25員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
各環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
該環は、Jから独立して選択される0個ないし6個の置換基を有するか;または
およびR12は、これらが結合する原子と一緒になって、18〜23員の単環式、19〜24員の二環式、または20〜25員の三環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
該二環式環系および三環式環系において、各環は、直線状に縮合するか、架橋するか、またはスピロ環式であり;
各環は、芳香族または非芳香族のいずれかであり;
該複素環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;
各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
該環は、Jから独立して選択される0個ないし6個の置換基を有するか;または
14は、−H、−S(O)R’、−S(O)R’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)、−N(R’)C(O)R’、−N(COR’)COR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)NH(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
15およびR16は、独立して、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’)、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
は、=O、=NR’、=NOR’、または=C(R’)であり;
19は、−OR’、−CF、−OCF、−R’、−N(R’)、−SR’、−C(O)R’、−COOR’、−CON(R’)、−N(R’)COR’、または−N(COR’)COR’であり;
Jは、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’)、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)COR’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;ここで:
2つのR’基は、これらが結合する原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3〜10員の芳香族環または非芳香族環を形成し、該環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され、そして任意の環が、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有するか;または
各R’は、独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から選択され、
ここで、R’は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;そして
は、ハロゲン、−OR’、−OC(O)N(R’)、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、1,2−メチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)である、
化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって:
11が、Hであり;そして
12が:
(C1−C6)−アルキル、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル
である、化合物。
【請求項3】
12が、イソブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、またはフェニルエチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、R11が、以下:
(C1−C6)−アルキル、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
であり、そして
12がHである、化合物。
【請求項5】
前記
【化4】

ラジカルが、以下:
【化5】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記
【化6】

である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、前記
【化7】

ラジカルが、以下:
【化8】

であり、ここで、各Bは、独立して3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族であり;
ここで、該複素環式環系中の各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する、化合物。
【請求項8】
前記
【化9】

ラジカルが、以下:
【化10】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記
【化11】

ラジカルが、以下:
【化12】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記
【化13】

ラジカルが、以下:
【化14】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
前記
【化15】

ラジカルが、以下:
【化16】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項12】
前記
【化17】

ラジカルが、以下:
【化18】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物であって、前記
【化19】

であり、ここで、各Bは、独立して3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族であり;
ここで、該複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する、化合物。
【請求項14】
前記
【化20】

ラジカルが、以下:
【化21】

【化22】

である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記
【化23】

ラジカルが、以下:
【化24】

【化25】

である、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記
【化26】

ラジカルが、以下:
【化27】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物であって、前記
【化28】

ラジカルが、以下:
【化29】

であり、ここで、各Bは、3員〜20員の炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、各環Bは、芳香族または非芳香族であり;
ここで、該複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
ここで、各環は、必要に応じて、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルに縮合され;そして
ここで、各環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する、化合物。
【請求項18】
前記
【化30】

ラジカルが、以下:
【化31】

である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物であって、R11およびR12が、それらが結合する原子と一緒になって、6員〜10員の単環式または二環式炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、該複素環式環系中の各へテロ原子は、N、NH、O、S、SO、およびSOからなる群より選択され;そして
ここで、該環は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有する、化合物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物であって、R5’がHであり、そしてRが(C1−C6)−アルキルであり、ここで、該アルキルは、必要に応じてフルオロまたは−SHで置換される、化合物。
【請求項21】
前記(C1−C6)−アルキルが、1〜3個のフルオロ基で置換される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
およびR5’が、独立して、以下:
【化32】

である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物であって、R13が、以下:
(C1−C6)−アルキル、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
であり、ここで、R13は、必要に応じてJから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;そして
ここで、R13中の0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置でO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得る、化合物。
【請求項24】
13が、以下:
【化33】

である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物であって、Rが、以下:
(C1−C6)−アルキル、
(C3−C10)−シクロアルキル、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−アルキル、
(C6−C10)−アリール、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
であり、ここで、Rは、必要に応じてJから独立して選択される0個ないし3個の置換基で置換され;そして
ここで、R中の0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置でO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得る、化合物。
【請求項26】
が、以下:
【化34】

である、請求項11に記載の化合物。
【請求項27】
Wが、以下:
【化35】

【化36】

である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Wが、以下:
【化37】

である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
、R、およびR20が、各々独立してHまたは(C1−C3)−アルキルである、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
、R、およびR20が、各々Hである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
14が水素である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
各R15およびR16が、独立して(C1−C6)−アルキルである、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
各R15およびR16が、各々メチルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物であって、ZがOであり、そしてR19が、以下:
(C1−C6)−アルキル−、
(C3−C10)−シクロアルキル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C6)アルキル;
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C6)−アルキル;
であり、ここで、R19は、Jから独立して選択される0個ないし3個の置換基を有し;そして
ここで、R19中の0個ないし3個の脂肪族炭素原子は、化学的に安定な配置でO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって置換され得る、化合物。
【請求項35】
各R19が、メチルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物であって、R14がHであり;ZがCHであり;そしてR19が、以下:
【化38】

である、化合物。
【請求項37】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物であって、各R19がメチルであり;ZがOであり;そしてR14が、以下:
【化39】

【化40】

である、化合物。
【請求項38】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物であって、各R19がメチルであり;R14がHであり;そしてZが、以下:
【化41】

である、化合物。
【請求項39】
請求項38に記載の化合物であって、Zが、以下:
【化42】

である、化合物。
【請求項40】
前記化合物が、63〜67または68である、請求項1に記載の化合物。
【請求項41】
組成物であって、セリンプロテアーゼを阻害するのに有効な量の請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、誘導体またはプロドラッグ;および受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む、組成物。
【請求項42】
前記組成物が、患者への投与のために処方される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
請求項42に記載の組成物であって、該組成物が、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプ
ロテアーゼの第2のインヒビター;該HCVライフサイクルにおける別の標的のインヒビター;またはこれらの組み合わせから選択されるさらなる薬剤を含む、組成物。
【請求項44】
請求項43に記載の組成物であって、前記免疫調節剤が、α−インターフェロン、β−インターフェロン、もしくはγ−インターフェロンまたはサイモシンであり;前記抗ウイルス剤が、リバビリン、アマンタジンまたはテルビブジン(telbivudine)であるか;または、前記HCVライフサイクルにおける別の標的のインヒビターが、HCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、もしくはメタロプロテアーゼのインヒビターである、組成物。
【請求項45】
セリンプロテアーゼの活性を阻害する方法であって、該方法が、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物と該セリンプロテアーゼとを接触させる工程を包含する、方法。
【請求項46】
前記プロテアーゼが、HCV NS3プロテアーゼである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
患者のHCV感染の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項48】
請求項47に記載の使用であって、該医薬が、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物、並びに、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2のインヒビター;該HCVライフサイクルにおける別の標的のインヒビター;またはこれらの組み合わせから選択されるさらなる因子を含み;ここで、該さらなる因子は、該医薬の部分として、または別個の投薬形態として存在する、使用。
【請求項49】
請求項48に記載の使用であって、前記免疫調節剤が、α−インターフェロン、β−インターフェロン、もしくはγ−インターフェロンまたはサイモシンであり;前記抗ウイルス剤が、リバビリン、アマンタジンまたはテルビブジンであるか;または、前記HCVライフサイクルにおける別の標的のインヒビターが、HCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、もしくはメタロプロテアーゼのインヒビターである、使用。
【請求項50】
生物学的サンプルまたは医療機器または実験室機器のHCV汚染を排除または減少させる方法であって、該方法が、該生物学的サンプルまたは医療機器または実験室機器と請求項41に記載の組成物とを接触させる工程を包含する、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、前記サンプルまたは機器が、血液、他の体液、生物学的組織、手術器具、手術着、実験器具、実験着、血液または他の体液回収装置;血液または他の体液貯蔵材料から選択される、方法。

【公開番号】特開2009−185081(P2009−185081A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128587(P2009−128587)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【分割の表示】特願2003−584048(P2003−584048)の分割
【原出願日】平成15年4月11日(2003.4.11)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】