セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システム
【課題】通信速度を向上させると共に、消費電力を低減させることができるセルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムの提供を図る。
【解決手段】無線通信装置TRが通信を行っている通信中基地局SBS、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局NBSそれぞれの信号対干渉雑音比CINRを測定し(S701,S702)、前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する(S704,S705)。
【解決手段】無線通信装置TRが通信を行っている通信中基地局SBS、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局NBSそれぞれの信号対干渉雑音比CINRを測定し(S701,S702)、前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する(S704,S705)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願で言及する実施例は、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のような無線通信技術の規格を適用した移動無線通信システムが実用化され、さらに、速度や伝達距離を向上させた、或いは、さらなる高速移動体通信用の規格も策定されている。
【0003】
WiMAXのような移動無線通信システムにおいて、無線通信装置(端末)は、ある特定の1台の基地局と通信を行う。このとき、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局の受信信号強度(RSSI:Receive Signal Strength Indication)/受信信号品質(CINR)の低下を検出した場合、端末は、基地局の切り替えを行う。ここで、CINRは、信号対干渉雑音比(或いは、搬送波対干渉雑音比:Carrier to Interference and Noise Ratio)とも呼ばれる。
【0004】
すなわち、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局のRSSI/CINRの低下を検出した場合、端末は、通信の状態を維持しながら通信先の基地局をRSSI/CINRが高い基地局へと切り替える。このように、端末が通信の状態を維持しながら通信先の基地局を切り替える動作をハンドオーバーと呼ぶ。
【0005】
端末では、自身の移動に伴うハンドオーバーを円滑に行うために、通信を行っている基地局のRSSI/CINRが通信を行えなくなるまで低下する前に、予め周辺の基地局のRSSI/CINRの測定を行っておく必要がある。
【0006】
ここで、本明細書では、通信を行っている基地局を通信中基地局(SBS:Serving Base Station)と称し、周辺の基地局を隣接基地局(NBS:Neighbor Base Station)と称する。
【0007】
上述した端末がSBSとの通信を行いながら、NBSのRSSI/CINRの測定を行う動作を、セルサーチ(セル監視、スキャン)と呼ぶが、このセルサーチを行うタイミングを決定する一般的な方法としては、例えば、次の2つの方法が知られている。
【0008】
すなわち、第1の方法は、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行うものであり、第2の方法は、SBSのRSSI/CINRに関わらず、周期的にセルサーチを行うものである。
【0009】
ところで、従来、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムとしては、様々なものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−221671号公報
【特許文献2】特開2009−071386号公報
【特許文献3】特開2001−169339号公報
【特許文献4】特開2006−303733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、セルサーチを行うタイミングの決定方法としては、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行う第1の方法と、SBSのRSSI/CINRに関わらず周期的にセルサーチを行う第2の方法が知られている。
【0012】
しかしながら、これら第1及び第2の方法では、必要なタイミングでセルサーチが行われずに通信のロスが発生して通信速度が低下し、或いは、冗長なセルサーチを行うことにより消費電力の増大及び通信速度の低下を招くことになる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態のセルサーチ周期決定方法は、無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する。
【0014】
さらに、前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出する。そして、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する。
【発明の効果】
【0015】
開示のセルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムは、通信速度を向上させると共に、消費電力を低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、無線通信システムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、ハンドオーバー候補の受信レベルが高い場合の例を示す図である。
【図3】図3は、ハンドオーバー候補の受信レベルが低い場合の例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ(スキャン)周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される無線通信装置(端末)の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図11】図11は、第2実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図13】図13は、第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】図14は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】図15は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【図16】図16は、第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図17】図17は、第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図18】図18は、第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図19】図19は、通信中基地局(SBS:Serving Base Station)のCINRが高い場合を示す図である。
【図20】図20は、SBSのCINRが低い場合を示す図である。
【図21】図21は、SBSのCINR変化量が大きい場合を示す図である。
【図22】図22は、SBSのCINR変化量が小さい場合を示す図である。
【図23】図23は、端末の移動速度が速い場合を示す図である。
【図24】図24は、端末の移動速度が遅い場合を示す図である。
【図25】図25は、端末の現在位置がセルエッジに近い場合を示す図である。
【図26】図26は、端末の現在位置が基地局に近い場合を示す図である。
【図27】図27は、前回測定時からの経過時間が長い場合を示す図である。
【図28】図28は、前回測定時からの経過時間が短い場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムの実施例を詳述する前に、無線通信システムの全体構成、並びに、セルサーチ周期の決定における問題点を、図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
なお、本明細書では、通信を行っている基地局を通信中基地局(SBS:Serving Base Station)と称し、周辺の基地局を隣接基地局(NBS:Neighbor Base Station)と称するのは、前述した通りである。
【0019】
図1は、無線通信システムの全体構成の一例を示す図であり、例えば、WiMAXのような無線通信技術の規格を適用した移動無線通信システムの例を示す。図1に示されるように、無線通信システムは、複数の基地局A,B、及び、複数の無線通信装置(端末)C〜Gを含み、これら各基地局及び端末は、無線ネットワーク(エア等)RNを介して接続される。
【0020】
なお、図1において、無線通信システムは、2つの基地局A,B、及び、5つの端末C〜Gを含むように描かれているが、実際には、遥かに多くの基地局及び端末を含んでいるのはいうまでもない。
【0021】
ところで、WiMAXのような移動無線通信システムにおいて、各端末C〜Gは、それぞれ特定の1台の基地局A,Bと通信を行う。このとき、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局のRSSI/CINRの低下を検出した場合、端末は、通信の状態を維持しながら通信先の基地局をRSSI/CINRが高い基地局へと切り替えるハンドオーバーを行う。
【0022】
端末は、自身の移動に伴うハンドオーバーを円滑に行うために、SBSとの通信を行いながら、NBSのRSSI/CINRを測定するセルサーチを行う。このセルサーチを行うタイミングとしては、前述したように、主として次の2つの方法により決定される。
【0023】
すなわち、第1の方法は、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行うものであり、第2の方法は、SBSのRSSI/CINRに関わらず、周期的にセルサーチを行うものである。
【0024】
しかしながら、上述の第1及び第2の方法では、必要なタイミングでセルサーチが行われないことにより通信のロスが発生して通信速度が低下し、或いは、冗長なセルサーチを行うことにより消費電力の増大及び通信速度の低下を招くことになる。
【0025】
さらに、例えば、通信を行っている基地局の受信電界レベルに応じて、セルサーチを行う周期を制御する手法も考えられるが、その場合には、次のような問題がある。図2は、ハンドオーバー候補の受信レベルが高い場合の例を示す図であり、図3は、ハンドオーバー候補の受信レベルが低い場合の例を示す図である。
【0026】
図2及び図3において、参照符号ARsは、SBS(通信中基地局)の通信エリア(サービスエリア)を示し、ARnは、NBS(隣接基地局)の通信エリアを示し、そして、TRは、端末(無線通信装置)を示す。
【0027】
すなわち、図2は、SBSの受信電界レベルが高い状態で、ハンドオーバー候補であるNBSの受信電界レベルが高い場合を示し、図3は、SBSの受信電界レベルが高い状態で、NBSの受信電界レベルが低い場合を示す。
【0028】
図2及び図3の場合、端末TRと通信中基地局SBSの距離は等しくて短く、SBSの受信電界レベルは、両方とも高い状態になっている。さらに、図2の場合、TRは、隣接基地局NBSの通信エリアARnの内側でNBSの受信電界レベルも高い状態になっている。これに対して、図3の場合、TRは、NBSの通信エリアARnの外側でNBSの受信電界レベルは低い状態になっている。
【0029】
ところで、図2のようにNBSの受信電界レベルが高い場合は、図3のようにNBSの受信電界レベルが低い場合よりもハンドオーバーが必要になる可能性が高いため、セルサーチの周期を短くしてセルサーチを頻繁に行う必要がある。
【0030】
しかしながら、例えば,SBSの受信電界レベルに応じてセルサーチ周期を制御する手法では、図2の場合と図3の場合でSBSの受信電界レベルが同じであるため、セルサーチ周期は同一になる。
【0031】
そのため、必要以上にセルサーチが行われることにより通信速度が低下すると共に消費電力が増大し、或いは、必要なタイミングでセルサーチが行われないことにより通信のロスが発生して通信速度が低下するといった問題がある。
【0032】
以下、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムの実施例を詳述するが、その前に、第1〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法の概略を説明する。
【0033】
第1実施例のセルサーチ周期決定方法は、動的に周期を変更しながら周期的にセルサーチを行う端末において、通信中基地局(SBS)と隣接基地局(NBS)の各基地局のCINR及び前回測定時からのCINR変化量を元にセルサーチ周期を決定する。
【0034】
第2実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、移動速度に応じてCINRの評価方法を変更する。第3実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、移動速度に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。第4実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、位置情報に応じてCINRの評価方法を変更する。
【0035】
第5実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、位置情報に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。第6実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、前回測定時からの経過時間に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0036】
以下、上述した第1〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法及び無線通信装置(端末)を、添付図面を参照して詳述する。
【0037】
図4は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ(スキャン)周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図5は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される無線通信装置(端末TR)の一例を示すブロック図である。
【0038】
図5において、参照符号1はRFアンテナ,2は無線受信部,3はデータ送受信部,4は無線送信部,5は同期制御部,及び,6はRSSI/CINR測定部を示す。また、参照符号7はBS情報テーブル,8はセルサーチ周期決定部,9は接続管理部,及び,10はセルサーチ周期決定テーブルを示す。
【0039】
図4に示されるように、セルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS401において、セルサーチ周期決定部8によりセルサーチ周期の初期値を決定し、ステップS402に進む。
【0040】
ステップS402では、RSSI/CINR測定部6によりSBS(通信中基地局)のRSSI(受信信号強度)/CINR(受信信号品質)を測定し、BS情報テーブル7に記憶する。さらに、ステップップS403に進んで、セルサーチ周期が到達したかどうかを判定する。
【0041】
ステップS403において、セルサーチ周期が到達したと判定すると、ステップS404に進んで、接続管理部9が同期制御部5に対して同期の切り替え指示を出力し、さらに、ステップS405に進む。なお、ステップS403において、セルサーチ周期が到達していないと判定すると、ステップS402に戻り、セルサーチ周期が到達したと判定するまで同様の処理を繰り返す。
【0042】
ステップS405では、RSSI/CINR測定部6によりNBS(隣接基地局)のRSSI/CINRを測定し、BS情報テーブル7に記憶する。さらに、ステップS406に進んで、セルサーチ周期決定部8により、BS情報テーブル7から各BSの最新のCINR値と前回測定時のCINR値を取得してCINR変化量を計算する。
【0043】
そして、ステップS407に進んで、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。なお、ステップS407において、セルサーチ周期を決定すると、ステップS402に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0044】
図5に示す端末TRにおいて、RFアンテナ1は、例えば、WiMAX等の規格に従った周波数により基地局との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、データ送受信部3は、RFアンテナ1及び無線受信部2を介して基地局から受け取った受信データ、並びに、無線送信部4及びRFアンテナ1を介して出力する送信データの処理を行う。
【0045】
ここで、図5に示す第1実施例の端末TRにおいて、RSSI/CINR測定部6により測定した各BS(SBS,NBS)のRSSI/CINR値は、BS情報テーブル7に複数回分記憶される。
【0046】
また、各BSの最新のCINR値及び前回測定時のCINR値は、セルサーチ周期決定部8によりBS情報テーブル7から取得され、前回測定時からのCINR変化量が計算される。
【0047】
さらに、セルサーチ周期決定部8は、各BSの最新のCINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。なお、セルサーチ周期決定部8は、セルサーチ周期決定テーブル10を参照することなく、CINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期を決定することも可能である。
【0048】
図6は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図7は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図4におけるステップS407の詳細を説明するためのものである。
【0049】
図6に示すセルサーチ周期決定テーブル(10)は、SBS及びNBSに対するCINR値、CINR値の大小関係,並びに,CINRの変化量(CINR変化量)大小関係をキーとして、セルサーチ周期を決定する。
【0050】
すなわち、SBS及びNBSに対する『高』,『中』,『低』の3段階に分類されたCINR値,SBSとNBSの間におけるCINR値及びCINR変化量の大小関係に従って、例えば、『1』〜『9』の9段階のセルサーチ周期が決定される。
【0051】
ここで、例えば、セルサーチ周期『1』は1secで、セルサーチ周期『9』は9secというように決定する。なお、セルサーチ周期の段階『1』〜『9』に対する実際のセルサーチ周期時間は、上記の例に限定されず、適切な相対値、或いは、絶対値(具体的な時間)として設定することができる。
【0052】
すなわち、図7に示されるように、図6のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS701において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0053】
さらに、ステップS702に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS703に進む。ステップS703では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS704に進む。
【0054】
ステップS704では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS705に進む。ステップS705では、ステップS701〜S704で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図6)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0055】
具体的に、例えば、SBSのCINR値が『高』,NBSのCINR値が『低』、CINR値の大小関係がSBS≧NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS≧NBSのとき、セルサーチ周期は『9』として決定される。
【0056】
また、例えば、SBS及びNBSのCINR値が両方とも『中』、CINR値の大小関係がSBS≧NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS<NBSのとき、セルサーチ周期は『5』として決定される。
【0057】
さらに、例えば、SBSのCINR値が『低』,NBSのCINR値が『高』、CINR値の大小関係がSBS<NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS<NBSのとき、セルサーチ周期は『1』として決定される。
【0058】
上述した例では、SBS及びNBSのCINR値は、所定の閾値により『高』,『中』,『低』の3段階に分類されているが、3段階より少なく(すなわち、2段階)或いは3段階より多く(例えば、4段階や8段階等)に分類することもできる。
【0059】
また、CINR変化量については、各BS(SBSとNBS)の大小関係をセルサーチ周期決定テーブルのキーとしているが、CINR値と同様に、CINR変化量自体に閾値を設けて複数の段階に分けてセルサーチ周期決定テーブルを構成してもよい。
【0060】
図8は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図9は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【0061】
ここで、図8と前述した図4との比較から明らかなように、図8におけるステップS801〜S806の処理は、図4におけるステップS401〜S406の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0062】
本第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、ステップS807において、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値,CINR変化量及び移動速度情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。
【0063】
すなわち、ステップS807では、前述したステップS407における各BSのCINR値及びCINR変化量に加えて、各BSの移動速度情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期の決定を行う。
【0064】
ここで、第2実施例のセルサーチ周期決定方法では、移動速度に応じてCINRの評価方法を変更し、また、第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、移動速度に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0065】
なお、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末TRは、図9と前述した図5との比較から明らかなように、図5に示す第1実施例のTRに対して、移動速度計測部11が追加されている。そして、セルサーチ周期決定部8により、各BSの移動速度情報も含めてセルサーチ周期決定テーブル10が参照され、セルサーチ周期が決定される。
【0066】
ここで、移動速度計測部11としては、知られている様々なものを適用することができるが、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用した移動速度計測装置を適用することができる。
【0067】
図10は、第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図10と前述した図6との比較から明らかなように、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルでは、SBSとNBSのCINR値の大小関係の比較を、NBSのCINR値として『NBS+α』を使用している。
【0068】
すなわち、本第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、NBSのCINR値として、移動速度に応じた係数αを加算した値(NBS+α)を使用し、SBSのCINR値との大小関係を判定する。
【0069】
そして、第1実施例と同様に、CINR値の分類結果、CINR値及びCINR変化量の大小関係をキーにして、セルサーチ周期決定テーブルを参照してセルサーチ周期を決定する。
【0070】
図11は、第2実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図8におけるステップS807の詳細を説明するためのものである。
【0071】
図11に示されるように、図10のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS1101において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0072】
さらに、ステップS1102に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS1103に進む。ステップS1103では、移動速度計測部11から移動速度を取得して係数α値を決定して、ステップS1104に進む。
【0073】
ステップS1104では、SBSのCINR値とNBSのCINR値+α(NBS+α)の大小関係を判定して、ステップS1105に進む。ステップS1105では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS1106に進む。
【0074】
ステップS1106では、ステップS1101〜S1105で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図10)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0075】
このように、本第2実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR値の大小関係の判定の際に、NBSのCINR値に移動速度に応じた係数αを加算した値とSBSのCINR値の大小関係を判定する。
【0076】
図12は、第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図12と前述した図6との比較から明らかなように、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルでは、SBSとNBSのCINR変化量の大小関係の比較を、NBSのCINR変化量として『NBS+β』を使用している。
【0077】
すなわち、本第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法では、NBSのCINR変化量として、移動速度に応じた係数βを加算した値(NBS+β)を使用し、SBSのCINR変化量との大小関係を判定する。
【0078】
そして、第1実施例と同様に、CINR値の分類結果、CINR値及びCINR変化量の大小関係をキーにして、セルサーチ周期決定テーブルを参照してセルサーチ周期を決定する。
【0079】
図13は、第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図8におけるステップS807の詳細を説明するためのものである。
【0080】
図13に示されるように、図12のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS1301において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0081】
さらに、ステップS1302に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS1303に進む。ステップS1303では、移動速度計測部11から移動速度を取得して係数β値を決定して、ステップS1304に進む。
【0082】
ステップS1304では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1305に進む。ステップS1305では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1306に進む。
【0083】
ステップS1306では、ステップS1301〜S1305で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0084】
このように、本第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に移動速度に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0085】
図14は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図15は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【0086】
ここで、図14と前述した図4との比較から明らかなように、図14におけるステップS1401〜S1406の処理は、図4におけるステップS401〜S406の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0087】
本第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、ステップS1407において、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値,CINR変化量及び位置情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。
【0088】
すなわち、ステップS1407では、前述したステップS407における各BSのCINR値及びCINR変化量に加えて、各BSの位置情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照してセルサーチ周期の決定を行う。
【0089】
ここで、第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、位置情報に応じてCINRの評価方法を変更し、また、第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、位置情報に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0090】
なお、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末TRは、図15と前述した図5との比較から明らかなように、図5に示す第1実施例のTRに対して、位置情報計測部12が追加されている。そして、セルサーチ周期決定部8により、各BSの位置情報も含めてセルサーチ周期決定テーブル10が参照され、セルサーチ周期が決定される。
【0091】
ここで、位置情報計測部12としては、知られている様々なものを適用することができるが、例えば、GPSを利用した位置情報計測装置を適用することができる。
【0092】
図16〜図18は、第4〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、それぞれ図14におけるステップS1407の詳細を説明するためのものである。
【0093】
なお、図16〜図18において、ステップS1601,S1701,S1801、及び、ステップS1602,S1702,S1802は、例えば、図7におけるステップS701及びS702と同様であり、その説明は省略する。
【0094】
図16に示されるように、第4実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1603において、位置情報計測部12から位置情報を取得して係数α値を決定して、ステップS1604に進む。ステップS1604では、SBSのCINR値とNBSのCINR値+α(NBS+α)の大小関係を判定して、ステップS1605に進む。
【0095】
ステップS1605では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS1606に進む。ステップS1606では、ステップS1601〜S1605で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図10)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0096】
このように、本第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR値の大小関係の判定の際に、NBSのCINR値に位置情報に応じた係数αを加算した値とSBSのCINR値の大小関係を判定する。
【0097】
図17に示されるように、第5実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1703において、位置情報計測部12から位置情報を取得して係数β値を決定して、ステップS1704に進む。ステップS1704では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1705に進む。
【0098】
ステップS1705では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1706に進む。ステップS1706では、ステップS1701〜S1705で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0099】
このように、本第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に位置情報に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0100】
図18に示されるように、第6実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1803において、前回計測時からの経過時間を計算し、その経過時間を元に係数β値を決定して、ステップS1804に進む。ステップS1804では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1805に進む。
【0101】
ステップS1805では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1806に進む。ステップS1806では、ステップS1801〜S1805で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0102】
このように、本第6実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に前回測定時からの経過時間に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0103】
図19は、SBSのCINRが高い場合を示す図であり、図20は、SBSのCINRが低い場合を示す図である。
【0104】
図19に示されるように、端末TRが通信中基地局(SBS)の近くで隣接基地局(NBS)から遠いとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsの中央付近でNBSの通信エリアARnの外側のとき、SBSのCINR値は高く、NBSのCINR値は低くなる。この場合、早急なハンドオーバーの必要が無いため、セルサーチ周期は長時間(例えば、周期が『7』〜『9』)に設定される。
【0105】
図20に示されるように、TRがSBSから遠くでNBSから遠いとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsのエッジ近くでNBSの通信エリアARnの内側のとき、SBS及びNBSのCINR値は低くなる。この場合、早急なハンドオーバーの必要となるため、セルサーチ周期は短時間(例えば、周期が『1』〜『3』)に設定される。
【0106】
図21は、SBSのCINR変化量が大きい場合を示す図であり、図22は、SBSのCINR変化量が小さい場合を示す図である。
【0107】
図21に示されるように、TRがSBSに対して放射状に移動するとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsのエッジからSBSに向かって移動するとき、SBSのCINR変化量は大きくなる。図21の場合、TRがSBSに向かって移動するため、SBSのCINR値は大きくなり、早急なハンドオーバーの必要が無いためセルサーチ周期は長時間に設定される。
【0108】
図22に示されるように、TRがSBSからほぼ同心円状に遠くへ移動するとき、SBSのCINR変化量は小さいが、TRがSBSから離れているため早急なハンドオーバーが必要となる可能性が高く、セルサーチ周期は短時間に設定される。
【0109】
すなわち、図6に示す第1実施例のセルサーチ周期決定方法に適用されるセルサーチ周期決定テーブルのように、SBSのCINR値が高いほど、セルサーチ周期は長く設定され、NBSのCINR値が高いほど、セルサーチ周期は短く設定される。
【0110】
さらに、SBSのCINR値がNBSのCINR値よりも高いほど、セルサーチ周期は長く設定され、SBSのCINR変化量がNBSのCINR変化量よりも高いほど、セルサーチ周期は長く設定される。
【0111】
このように、例えば、図6に示すセルサーチ周期決定テーブルに従ってセルサーチ周期を決定することにより、早急なハンドオーバーが必要な状況では、セルサーチ周期を短く(セルサーチの頻度を高く)することができる。この結果、例えば、CINR値の高い周辺基地局(NBS)を早期に検出して、円滑にハンドオーバーを行うことができ、通信速度の低下を防ぐことができる。
【0112】
また、早急なハンドオーバーが必要でない状況では、セルサーチの周期を長く(セルサーチの頻度を低く)することにより、全体としてのセルサーチの回数を削減し、通信速度の低下と共に、消費電力を低減することが可能になる。
【0113】
図23は、端末の移動速度が速い場合を示す図であり、図24は、端末の移動速度が遅い場合を示す図である。図23及び図24を参照して、前述した第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0114】
まず、第2実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数αを移動速度に応じて変化させる。
【0115】
すなわち、図23に示されるように、一般的に、現在のTRの移動速度が速いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が長くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0116】
そのため、現在のTRの移動速度が速い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を小さくしてセルサーチの頻度を高く(セルサーチ周期を短く)することで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0117】
逆に、図24に示されるように、現在のTRの移動速度が遅いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が短くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性は低くなる。
【0118】
そのため、現在のTRの移動速度が遅い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を大きくして、セルサーチの頻度を低く(セルサーチ周期を長く)することで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0119】
次に、第3実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを移動速度に応じて変化させる。
【0120】
すなわち、上述した図23に示されるように、一般的に、現在のTRの移動速度が速いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が長くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0121】
そのため、現在のTRの移動速度が速い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0122】
逆に、上述した図24に示されるように、現在のTRの移動速度が遅いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が短くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性は低くなる。
【0123】
そのため、現在のTRの移動速度が遅い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくして、セルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0124】
図25は、端末の現在位置がセルエッジに近い場合を示す図であり、図26は、端末の現在位置が基地局に近い場合を示す図である。図25及び図26を参照して、前述した第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0125】
まず、第4実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数αを位置情報に応じて変化させる。
【0126】
すなわち、図25に示されるように、一般的に、現在のTRの位置がSBSの通信範囲のエッジ(セルエッジ)に近いほど、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0127】
そのため、現在のTRの位置がセルエッジに近い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0128】
逆に、図26に示されるように、現在のTRの位置がSBSに近い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を大きくして、セルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0129】
次に、第5実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを位置情報に応じて変化させる。
【0130】
すなわち、上述した図25に示されるように、一般的に、現在のTRの位置がSBSのセルエッジに近いほど、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0131】
そのため、現在のTRの位置がSBSのセルエッジに近い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0132】
逆に、上述した図26に示されるように、現在のTRの位置がSBSに近い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくしてセルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0133】
図27は、前回測定時からの経過時間が長い場合を示す図であり、図28は、前回測定時からの経過時間が短い場合を示す図である。図27及び図28を参照して、前述した第6実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0134】
ここで、図27及び図28は、前述した図23及び図24と類似しているが、図23及び図24では、TRの移動速度が異なるのに対して、図27及び図28では、TRの移動速度は等しく、経過時間が異なっている。
【0135】
第6実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを前回測定時からの経過時間に応じて変化させる。
【0136】
図27に示されるように、一般的に、前回測定時からの経過時間が長いほど、短期的なCINR変化量を把握することができないため、早急なハンドオーバーが必要になるか否かを判断することが難しい。
【0137】
そのため、前回測定時からの経過時間が長い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高く(次のセルサーチまでの時間を短く)することで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0138】
逆に、図28に示されるように、前回測定時からの経過時間が短いほど、短期的なCINR変化量を把握することができているため、早急なハンドオーバーが必要になるか否かを判断することは比較的容易である。
【0139】
そのため、前回測定時からの経過時間が短い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくしてセルサーチの頻度を低く(次のセルサーチまでの時間を長く)することで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0140】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定し、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とするセルサーチ周期決定方法。
【0141】
(付記2)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0142】
(付記3)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0143】
(付記4)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0144】
(付記5)
前記セルサーチ周期の決定を、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比及び前記隣接基地局の信号対干渉雑音比を、所定の閾値によりそれぞれ複数段階に分類して組み合わせた条件、並びに、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件、を加えて行う、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0145】
(付記6)
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記5に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0146】
(付記7)
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記5に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0147】
(付記8)
基地局と無線通信を行う無線通信装置において、
通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する測定部と、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記算出した前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいてセルサーチを行うセルサーチ周期を決定するセルサーチ周期決定部と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
【0148】
(付記9)
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記移動速度計測部により計測された前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0149】
(付記10)
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0150】
(付記11)
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0151】
(付記12)
前記セルサーチ周期決定部は、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比及び前記隣接基地局の信号対干渉雑音比を、所定の閾値によりそれぞれ複数段階に分類して組み合わせた条件、並びに、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件、を加えて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0152】
(付記13)
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記12に記載の無線通信装置。
【0153】
(付記14)
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記12に記載の無線通信装置。
【0154】
(付記15)
複数の基地局と、複数の無線通信装置を有する無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、所定の前記無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局を含み、
所定の前記無線通信装置は、付記8乃至付記14のいずれか1項に記載の無線通信装置である、
ことを特徴とする無線通信システム。
【符号の説明】
【0155】
1 RFアンテナ
2 無線受信部
3 データ送受信部
4 無線送信部
5 同期制御部
6 RSSI/CINR測定部
7 BS情報テーブル
8 セルサーチ周期決定部
9 接続管理部
10 セルサーチ周期決定テーブル
11 移動速度計測部
12 位置情報計測部
NBS 隣接基地局(Neighbor Base Station)
SBS 通信中基地局(Serving Base Station)
TR 無線通信装置(端末)
【技術分野】
【0001】
この出願で言及する実施例は、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のような無線通信技術の規格を適用した移動無線通信システムが実用化され、さらに、速度や伝達距離を向上させた、或いは、さらなる高速移動体通信用の規格も策定されている。
【0003】
WiMAXのような移動無線通信システムにおいて、無線通信装置(端末)は、ある特定の1台の基地局と通信を行う。このとき、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局の受信信号強度(RSSI:Receive Signal Strength Indication)/受信信号品質(CINR)の低下を検出した場合、端末は、基地局の切り替えを行う。ここで、CINRは、信号対干渉雑音比(或いは、搬送波対干渉雑音比:Carrier to Interference and Noise Ratio)とも呼ばれる。
【0004】
すなわち、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局のRSSI/CINRの低下を検出した場合、端末は、通信の状態を維持しながら通信先の基地局をRSSI/CINRが高い基地局へと切り替える。このように、端末が通信の状態を維持しながら通信先の基地局を切り替える動作をハンドオーバーと呼ぶ。
【0005】
端末では、自身の移動に伴うハンドオーバーを円滑に行うために、通信を行っている基地局のRSSI/CINRが通信を行えなくなるまで低下する前に、予め周辺の基地局のRSSI/CINRの測定を行っておく必要がある。
【0006】
ここで、本明細書では、通信を行っている基地局を通信中基地局(SBS:Serving Base Station)と称し、周辺の基地局を隣接基地局(NBS:Neighbor Base Station)と称する。
【0007】
上述した端末がSBSとの通信を行いながら、NBSのRSSI/CINRの測定を行う動作を、セルサーチ(セル監視、スキャン)と呼ぶが、このセルサーチを行うタイミングを決定する一般的な方法としては、例えば、次の2つの方法が知られている。
【0008】
すなわち、第1の方法は、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行うものであり、第2の方法は、SBSのRSSI/CINRに関わらず、周期的にセルサーチを行うものである。
【0009】
ところで、従来、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムとしては、様々なものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−221671号公報
【特許文献2】特開2009−071386号公報
【特許文献3】特開2001−169339号公報
【特許文献4】特開2006−303733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、セルサーチを行うタイミングの決定方法としては、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行う第1の方法と、SBSのRSSI/CINRに関わらず周期的にセルサーチを行う第2の方法が知られている。
【0012】
しかしながら、これら第1及び第2の方法では、必要なタイミングでセルサーチが行われずに通信のロスが発生して通信速度が低下し、或いは、冗長なセルサーチを行うことにより消費電力の増大及び通信速度の低下を招くことになる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態のセルサーチ周期決定方法は、無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する。
【0014】
さらに、前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出する。そして、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する。
【発明の効果】
【0015】
開示のセルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムは、通信速度を向上させると共に、消費電力を低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、無線通信システムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、ハンドオーバー候補の受信レベルが高い場合の例を示す図である。
【図3】図3は、ハンドオーバー候補の受信レベルが低い場合の例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ(スキャン)周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される無線通信装置(端末)の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図11】図11は、第2実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。
【図13】図13は、第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】図14は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】図15は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【図16】図16は、第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図17】図17は、第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図18】図18は、第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図19】図19は、通信中基地局(SBS:Serving Base Station)のCINRが高い場合を示す図である。
【図20】図20は、SBSのCINRが低い場合を示す図である。
【図21】図21は、SBSのCINR変化量が大きい場合を示す図である。
【図22】図22は、SBSのCINR変化量が小さい場合を示す図である。
【図23】図23は、端末の移動速度が速い場合を示す図である。
【図24】図24は、端末の移動速度が遅い場合を示す図である。
【図25】図25は、端末の現在位置がセルエッジに近い場合を示す図である。
【図26】図26は、端末の現在位置が基地局に近い場合を示す図である。
【図27】図27は、前回測定時からの経過時間が長い場合を示す図である。
【図28】図28は、前回測定時からの経過時間が短い場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムの実施例を詳述する前に、無線通信システムの全体構成、並びに、セルサーチ周期の決定における問題点を、図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
なお、本明細書では、通信を行っている基地局を通信中基地局(SBS:Serving Base Station)と称し、周辺の基地局を隣接基地局(NBS:Neighbor Base Station)と称するのは、前述した通りである。
【0019】
図1は、無線通信システムの全体構成の一例を示す図であり、例えば、WiMAXのような無線通信技術の規格を適用した移動無線通信システムの例を示す。図1に示されるように、無線通信システムは、複数の基地局A,B、及び、複数の無線通信装置(端末)C〜Gを含み、これら各基地局及び端末は、無線ネットワーク(エア等)RNを介して接続される。
【0020】
なお、図1において、無線通信システムは、2つの基地局A,B、及び、5つの端末C〜Gを含むように描かれているが、実際には、遥かに多くの基地局及び端末を含んでいるのはいうまでもない。
【0021】
ところで、WiMAXのような移動無線通信システムにおいて、各端末C〜Gは、それぞれ特定の1台の基地局A,Bと通信を行う。このとき、端末自身の移動に伴って、通信中の基地局のRSSI/CINRの低下を検出した場合、端末は、通信の状態を維持しながら通信先の基地局をRSSI/CINRが高い基地局へと切り替えるハンドオーバーを行う。
【0022】
端末は、自身の移動に伴うハンドオーバーを円滑に行うために、SBSとの通信を行いながら、NBSのRSSI/CINRを測定するセルサーチを行う。このセルサーチを行うタイミングとしては、前述したように、主として次の2つの方法により決定される。
【0023】
すなわち、第1の方法は、SBSのRSSI/CINRが閾値以下に低下した時点でセルサーチを行うものであり、第2の方法は、SBSのRSSI/CINRに関わらず、周期的にセルサーチを行うものである。
【0024】
しかしながら、上述の第1及び第2の方法では、必要なタイミングでセルサーチが行われないことにより通信のロスが発生して通信速度が低下し、或いは、冗長なセルサーチを行うことにより消費電力の増大及び通信速度の低下を招くことになる。
【0025】
さらに、例えば、通信を行っている基地局の受信電界レベルに応じて、セルサーチを行う周期を制御する手法も考えられるが、その場合には、次のような問題がある。図2は、ハンドオーバー候補の受信レベルが高い場合の例を示す図であり、図3は、ハンドオーバー候補の受信レベルが低い場合の例を示す図である。
【0026】
図2及び図3において、参照符号ARsは、SBS(通信中基地局)の通信エリア(サービスエリア)を示し、ARnは、NBS(隣接基地局)の通信エリアを示し、そして、TRは、端末(無線通信装置)を示す。
【0027】
すなわち、図2は、SBSの受信電界レベルが高い状態で、ハンドオーバー候補であるNBSの受信電界レベルが高い場合を示し、図3は、SBSの受信電界レベルが高い状態で、NBSの受信電界レベルが低い場合を示す。
【0028】
図2及び図3の場合、端末TRと通信中基地局SBSの距離は等しくて短く、SBSの受信電界レベルは、両方とも高い状態になっている。さらに、図2の場合、TRは、隣接基地局NBSの通信エリアARnの内側でNBSの受信電界レベルも高い状態になっている。これに対して、図3の場合、TRは、NBSの通信エリアARnの外側でNBSの受信電界レベルは低い状態になっている。
【0029】
ところで、図2のようにNBSの受信電界レベルが高い場合は、図3のようにNBSの受信電界レベルが低い場合よりもハンドオーバーが必要になる可能性が高いため、セルサーチの周期を短くしてセルサーチを頻繁に行う必要がある。
【0030】
しかしながら、例えば,SBSの受信電界レベルに応じてセルサーチ周期を制御する手法では、図2の場合と図3の場合でSBSの受信電界レベルが同じであるため、セルサーチ周期は同一になる。
【0031】
そのため、必要以上にセルサーチが行われることにより通信速度が低下すると共に消費電力が増大し、或いは、必要なタイミングでセルサーチが行われないことにより通信のロスが発生して通信速度が低下するといった問題がある。
【0032】
以下、セルサーチ周期決定方法、無線通信装置及び無線通信システムの実施例を詳述するが、その前に、第1〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法の概略を説明する。
【0033】
第1実施例のセルサーチ周期決定方法は、動的に周期を変更しながら周期的にセルサーチを行う端末において、通信中基地局(SBS)と隣接基地局(NBS)の各基地局のCINR及び前回測定時からのCINR変化量を元にセルサーチ周期を決定する。
【0034】
第2実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、移動速度に応じてCINRの評価方法を変更する。第3実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、移動速度に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。第4実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、位置情報に応じてCINRの評価方法を変更する。
【0035】
第5実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、位置情報に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。第6実施例のセルサーチ周期決定方法は、上記セルサーチ周期の決定の際に、前回測定時からの経過時間に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0036】
以下、上述した第1〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法及び無線通信装置(端末)を、添付図面を参照して詳述する。
【0037】
図4は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ(スキャン)周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図5は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される無線通信装置(端末TR)の一例を示すブロック図である。
【0038】
図5において、参照符号1はRFアンテナ,2は無線受信部,3はデータ送受信部,4は無線送信部,5は同期制御部,及び,6はRSSI/CINR測定部を示す。また、参照符号7はBS情報テーブル,8はセルサーチ周期決定部,9は接続管理部,及び,10はセルサーチ周期決定テーブルを示す。
【0039】
図4に示されるように、セルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS401において、セルサーチ周期決定部8によりセルサーチ周期の初期値を決定し、ステップS402に進む。
【0040】
ステップS402では、RSSI/CINR測定部6によりSBS(通信中基地局)のRSSI(受信信号強度)/CINR(受信信号品質)を測定し、BS情報テーブル7に記憶する。さらに、ステップップS403に進んで、セルサーチ周期が到達したかどうかを判定する。
【0041】
ステップS403において、セルサーチ周期が到達したと判定すると、ステップS404に進んで、接続管理部9が同期制御部5に対して同期の切り替え指示を出力し、さらに、ステップS405に進む。なお、ステップS403において、セルサーチ周期が到達していないと判定すると、ステップS402に戻り、セルサーチ周期が到達したと判定するまで同様の処理を繰り返す。
【0042】
ステップS405では、RSSI/CINR測定部6によりNBS(隣接基地局)のRSSI/CINRを測定し、BS情報テーブル7に記憶する。さらに、ステップS406に進んで、セルサーチ周期決定部8により、BS情報テーブル7から各BSの最新のCINR値と前回測定時のCINR値を取得してCINR変化量を計算する。
【0043】
そして、ステップS407に進んで、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。なお、ステップS407において、セルサーチ周期を決定すると、ステップS402に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0044】
図5に示す端末TRにおいて、RFアンテナ1は、例えば、WiMAX等の規格に従った周波数により基地局との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、データ送受信部3は、RFアンテナ1及び無線受信部2を介して基地局から受け取った受信データ、並びに、無線送信部4及びRFアンテナ1を介して出力する送信データの処理を行う。
【0045】
ここで、図5に示す第1実施例の端末TRにおいて、RSSI/CINR測定部6により測定した各BS(SBS,NBS)のRSSI/CINR値は、BS情報テーブル7に複数回分記憶される。
【0046】
また、各BSの最新のCINR値及び前回測定時のCINR値は、セルサーチ周期決定部8によりBS情報テーブル7から取得され、前回測定時からのCINR変化量が計算される。
【0047】
さらに、セルサーチ周期決定部8は、各BSの最新のCINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。なお、セルサーチ周期決定部8は、セルサーチ周期決定テーブル10を参照することなく、CINR値及びCINR変化量を元にセルサーチ周期を決定することも可能である。
【0048】
図6は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図7は、第1実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図4におけるステップS407の詳細を説明するためのものである。
【0049】
図6に示すセルサーチ周期決定テーブル(10)は、SBS及びNBSに対するCINR値、CINR値の大小関係,並びに,CINRの変化量(CINR変化量)大小関係をキーとして、セルサーチ周期を決定する。
【0050】
すなわち、SBS及びNBSに対する『高』,『中』,『低』の3段階に分類されたCINR値,SBSとNBSの間におけるCINR値及びCINR変化量の大小関係に従って、例えば、『1』〜『9』の9段階のセルサーチ周期が決定される。
【0051】
ここで、例えば、セルサーチ周期『1』は1secで、セルサーチ周期『9』は9secというように決定する。なお、セルサーチ周期の段階『1』〜『9』に対する実際のセルサーチ周期時間は、上記の例に限定されず、適切な相対値、或いは、絶対値(具体的な時間)として設定することができる。
【0052】
すなわち、図7に示されるように、図6のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS701において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0053】
さらに、ステップS702に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS703に進む。ステップS703では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS704に進む。
【0054】
ステップS704では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS705に進む。ステップS705では、ステップS701〜S704で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図6)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0055】
具体的に、例えば、SBSのCINR値が『高』,NBSのCINR値が『低』、CINR値の大小関係がSBS≧NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS≧NBSのとき、セルサーチ周期は『9』として決定される。
【0056】
また、例えば、SBS及びNBSのCINR値が両方とも『中』、CINR値の大小関係がSBS≧NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS<NBSのとき、セルサーチ周期は『5』として決定される。
【0057】
さらに、例えば、SBSのCINR値が『低』,NBSのCINR値が『高』、CINR値の大小関係がSBS<NBS、そして、CINR変化量の大小関係がSBS<NBSのとき、セルサーチ周期は『1』として決定される。
【0058】
上述した例では、SBS及びNBSのCINR値は、所定の閾値により『高』,『中』,『低』の3段階に分類されているが、3段階より少なく(すなわち、2段階)或いは3段階より多く(例えば、4段階や8段階等)に分類することもできる。
【0059】
また、CINR変化量については、各BS(SBSとNBS)の大小関係をセルサーチ周期決定テーブルのキーとしているが、CINR値と同様に、CINR変化量自体に閾値を設けて複数の段階に分けてセルサーチ周期決定テーブルを構成してもよい。
【0060】
図8は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図9は、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【0061】
ここで、図8と前述した図4との比較から明らかなように、図8におけるステップS801〜S806の処理は、図4におけるステップS401〜S406の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0062】
本第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、ステップS807において、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値,CINR変化量及び移動速度情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。
【0063】
すなわち、ステップS807では、前述したステップS407における各BSのCINR値及びCINR変化量に加えて、各BSの移動速度情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期の決定を行う。
【0064】
ここで、第2実施例のセルサーチ周期決定方法では、移動速度に応じてCINRの評価方法を変更し、また、第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、移動速度に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0065】
なお、第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末TRは、図9と前述した図5との比較から明らかなように、図5に示す第1実施例のTRに対して、移動速度計測部11が追加されている。そして、セルサーチ周期決定部8により、各BSの移動速度情報も含めてセルサーチ周期決定テーブル10が参照され、セルサーチ周期が決定される。
【0066】
ここで、移動速度計測部11としては、知られている様々なものを適用することができるが、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用した移動速度計測装置を適用することができる。
【0067】
図10は、第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図10と前述した図6との比較から明らかなように、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルでは、SBSとNBSのCINR値の大小関係の比較を、NBSのCINR値として『NBS+α』を使用している。
【0068】
すなわち、本第2及び第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、NBSのCINR値として、移動速度に応じた係数αを加算した値(NBS+α)を使用し、SBSのCINR値との大小関係を判定する。
【0069】
そして、第1実施例と同様に、CINR値の分類結果、CINR値及びCINR変化量の大小関係をキーにして、セルサーチ周期決定テーブルを参照してセルサーチ周期を決定する。
【0070】
図11は、第2実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図8におけるステップS807の詳細を説明するためのものである。
【0071】
図11に示されるように、図10のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS1101において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0072】
さらに、ステップS1102に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS1103に進む。ステップS1103では、移動速度計測部11から移動速度を取得して係数α値を決定して、ステップS1104に進む。
【0073】
ステップS1104では、SBSのCINR値とNBSのCINR値+α(NBS+α)の大小関係を判定して、ステップS1105に進む。ステップS1105では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS1106に進む。
【0074】
ステップS1106では、ステップS1101〜S1105で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図10)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0075】
このように、本第2実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR値の大小関係の判定の際に、NBSのCINR値に移動速度に応じた係数αを加算した値とSBSのCINR値の大小関係を判定する。
【0076】
図12は、第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定テーブルの一例を説明するための図である。図12と前述した図6との比較から明らかなように、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルでは、SBSとNBSのCINR変化量の大小関係の比較を、NBSのCINR変化量として『NBS+β』を使用している。
【0077】
すなわち、本第3,第5及び第6実施例のセルサーチ周期決定方法では、NBSのCINR変化量として、移動速度に応じた係数βを加算した値(NBS+β)を使用し、SBSのCINR変化量との大小関係を判定する。
【0078】
そして、第1実施例と同様に、CINR値の分類結果、CINR値及びCINR変化量の大小関係をキーにして、セルサーチ周期決定テーブルを参照してセルサーチ周期を決定する。
【0079】
図13は、第3実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図8におけるステップS807の詳細を説明するためのものである。
【0080】
図13に示されるように、図12のセルサーチ周期決定テーブルに従ったセルサーチ周期決定処理が開始すると、ステップS1301において、SBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定する。
【0081】
さらに、ステップS1302に進んで、NBSのCINR値について、閾値を用いて大中小(『高』,『中』,『低』)を判定して、ステップS1303に進む。ステップS1303では、移動速度計測部11から移動速度を取得して係数β値を決定して、ステップS1304に進む。
【0082】
ステップS1304では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1305に進む。ステップS1305では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1306に進む。
【0083】
ステップS1306では、ステップS1301〜S1305で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0084】
このように、本第3実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に移動速度に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0085】
図14は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図15は、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末の一例を示すブロック図である。
【0086】
ここで、図14と前述した図4との比較から明らかなように、図14におけるステップS1401〜S1406の処理は、図4におけるステップS401〜S406の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0087】
本第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、ステップS1407において、セルサーチ周期決定部8により、各BSのCINR値,CINR変化量及び位置情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照して、セルサーチ周期を決定する。
【0088】
すなわち、ステップS1407では、前述したステップS407における各BSのCINR値及びCINR変化量に加えて、各BSの位置情報を元にセルサーチ周期決定テーブル10を参照してセルサーチ周期の決定を行う。
【0089】
ここで、第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、位置情報に応じてCINRの評価方法を変更し、また、第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、位置情報に応じてCINR変化量の評価方法を変更する。
【0090】
なお、第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法が適用される端末TRは、図15と前述した図5との比較から明らかなように、図5に示す第1実施例のTRに対して、位置情報計測部12が追加されている。そして、セルサーチ周期決定部8により、各BSの位置情報も含めてセルサーチ周期決定テーブル10が参照され、セルサーチ周期が決定される。
【0091】
ここで、位置情報計測部12としては、知られている様々なものを適用することができるが、例えば、GPSを利用した位置情報計測装置を適用することができる。
【0092】
図16〜図18は、第4〜第6実施例のセルサーチ周期決定方法におけるセルサーチ周期決定部の処理の一例を説明するためのフローチャートであり、それぞれ図14におけるステップS1407の詳細を説明するためのものである。
【0093】
なお、図16〜図18において、ステップS1601,S1701,S1801、及び、ステップS1602,S1702,S1802は、例えば、図7におけるステップS701及びS702と同様であり、その説明は省略する。
【0094】
図16に示されるように、第4実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1603において、位置情報計測部12から位置情報を取得して係数α値を決定して、ステップS1604に進む。ステップS1604では、SBSのCINR値とNBSのCINR値+α(NBS+α)の大小関係を判定して、ステップS1605に進む。
【0095】
ステップS1605では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量の大小関係を判定して、ステップS1606に進む。ステップS1606では、ステップS1601〜S1605で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図10)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0096】
このように、本第4実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR値の大小関係の判定の際に、NBSのCINR値に位置情報に応じた係数αを加算した値とSBSのCINR値の大小関係を判定する。
【0097】
図17に示されるように、第5実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1703において、位置情報計測部12から位置情報を取得して係数β値を決定して、ステップS1704に進む。ステップS1704では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1705に進む。
【0098】
ステップS1705では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1706に進む。ステップS1706では、ステップS1701〜S1705で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0099】
このように、本第5実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に位置情報に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0100】
図18に示されるように、第6実施例のセルサーチ周期決定方法は、ステップS1803において、前回計測時からの経過時間を計算し、その経過時間を元に係数β値を決定して、ステップS1804に進む。ステップS1804では、SBSのCINR値とNBSのCINR値の大小関係を判定して、ステップS1805に進む。
【0101】
ステップS1805では、SBSのCINR変化量とNBSのCINR変化量+β(NBS+β)の大小関係を判定して、ステップS1806に進む。ステップS1806では、ステップS1801〜S1805で得られた結果を元にセルサーチ周期決定テーブル(図12)を参照してセルサーチ周期を決定し、セルサーチ周期決定処理を終了する。
【0102】
このように、本第6実施例のセルサーチ周期決定方法では、各BSのCINR変化量の大小関係の判定の際に、NBSのCINR変化量に前回測定時からの経過時間に応じた係数βを加算した値とSBSのCINR変化量の大小関係を判定する。
【0103】
図19は、SBSのCINRが高い場合を示す図であり、図20は、SBSのCINRが低い場合を示す図である。
【0104】
図19に示されるように、端末TRが通信中基地局(SBS)の近くで隣接基地局(NBS)から遠いとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsの中央付近でNBSの通信エリアARnの外側のとき、SBSのCINR値は高く、NBSのCINR値は低くなる。この場合、早急なハンドオーバーの必要が無いため、セルサーチ周期は長時間(例えば、周期が『7』〜『9』)に設定される。
【0105】
図20に示されるように、TRがSBSから遠くでNBSから遠いとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsのエッジ近くでNBSの通信エリアARnの内側のとき、SBS及びNBSのCINR値は低くなる。この場合、早急なハンドオーバーの必要となるため、セルサーチ周期は短時間(例えば、周期が『1』〜『3』)に設定される。
【0106】
図21は、SBSのCINR変化量が大きい場合を示す図であり、図22は、SBSのCINR変化量が小さい場合を示す図である。
【0107】
図21に示されるように、TRがSBSに対して放射状に移動するとき、例えば、TRがSBSの通信エリアARsのエッジからSBSに向かって移動するとき、SBSのCINR変化量は大きくなる。図21の場合、TRがSBSに向かって移動するため、SBSのCINR値は大きくなり、早急なハンドオーバーの必要が無いためセルサーチ周期は長時間に設定される。
【0108】
図22に示されるように、TRがSBSからほぼ同心円状に遠くへ移動するとき、SBSのCINR変化量は小さいが、TRがSBSから離れているため早急なハンドオーバーが必要となる可能性が高く、セルサーチ周期は短時間に設定される。
【0109】
すなわち、図6に示す第1実施例のセルサーチ周期決定方法に適用されるセルサーチ周期決定テーブルのように、SBSのCINR値が高いほど、セルサーチ周期は長く設定され、NBSのCINR値が高いほど、セルサーチ周期は短く設定される。
【0110】
さらに、SBSのCINR値がNBSのCINR値よりも高いほど、セルサーチ周期は長く設定され、SBSのCINR変化量がNBSのCINR変化量よりも高いほど、セルサーチ周期は長く設定される。
【0111】
このように、例えば、図6に示すセルサーチ周期決定テーブルに従ってセルサーチ周期を決定することにより、早急なハンドオーバーが必要な状況では、セルサーチ周期を短く(セルサーチの頻度を高く)することができる。この結果、例えば、CINR値の高い周辺基地局(NBS)を早期に検出して、円滑にハンドオーバーを行うことができ、通信速度の低下を防ぐことができる。
【0112】
また、早急なハンドオーバーが必要でない状況では、セルサーチの周期を長く(セルサーチの頻度を低く)することにより、全体としてのセルサーチの回数を削減し、通信速度の低下と共に、消費電力を低減することが可能になる。
【0113】
図23は、端末の移動速度が速い場合を示す図であり、図24は、端末の移動速度が遅い場合を示す図である。図23及び図24を参照して、前述した第2及び第3実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0114】
まず、第2実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数αを移動速度に応じて変化させる。
【0115】
すなわち、図23に示されるように、一般的に、現在のTRの移動速度が速いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が長くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0116】
そのため、現在のTRの移動速度が速い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を小さくしてセルサーチの頻度を高く(セルサーチ周期を短く)することで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0117】
逆に、図24に示されるように、現在のTRの移動速度が遅いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が短くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性は低くなる。
【0118】
そのため、現在のTRの移動速度が遅い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を大きくして、セルサーチの頻度を低く(セルサーチ周期を長く)することで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0119】
次に、第3実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを移動速度に応じて変化させる。
【0120】
すなわち、上述した図23に示されるように、一般的に、現在のTRの移動速度が速いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が長くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0121】
そのため、現在のTRの移動速度が速い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0122】
逆に、上述した図24に示されるように、現在のTRの移動速度が遅いほど、単位時間あたりのTRの移動距離が短くなるため、早急なハンドオーバーが必要になる可能性は低くなる。
【0123】
そのため、現在のTRの移動速度が遅い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくして、セルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0124】
図25は、端末の現在位置がセルエッジに近い場合を示す図であり、図26は、端末の現在位置が基地局に近い場合を示す図である。図25及び図26を参照して、前述した第4及び第5実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0125】
まず、第4実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図10に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数αを位置情報に応じて変化させる。
【0126】
すなわち、図25に示されるように、一般的に、現在のTRの位置がSBSの通信範囲のエッジ(セルエッジ)に近いほど、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0127】
そのため、現在のTRの位置がセルエッジに近い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0128】
逆に、図26に示されるように、現在のTRの位置がSBSに近い場合は、図10のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数αの値を大きくして、セルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0129】
次に、第5実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを位置情報に応じて変化させる。
【0130】
すなわち、上述した図25に示されるように、一般的に、現在のTRの位置がSBSのセルエッジに近いほど、早急なハンドオーバーが必要になる可能性が高くなる。
【0131】
そのため、現在のTRの位置がSBSのセルエッジに近い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高くすることで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0132】
逆に、上述した図26に示されるように、現在のTRの位置がSBSに近い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくしてセルサーチの頻度を低くすることで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0133】
図27は、前回測定時からの経過時間が長い場合を示す図であり、図28は、前回測定時からの経過時間が短い場合を示す図である。図27及び図28を参照して、前述した第6実施例のセルサーチ周期決定方法をより詳しく説明する。
【0134】
ここで、図27及び図28は、前述した図23及び図24と類似しているが、図23及び図24では、TRの移動速度が異なるのに対して、図27及び図28では、TRの移動速度は等しく、経過時間が異なっている。
【0135】
第6実施例のセルサーチ周期決定方法においては、図12に示すセルサーチ周期決定テーブルの係数βを前回測定時からの経過時間に応じて変化させる。
【0136】
図27に示されるように、一般的に、前回測定時からの経過時間が長いほど、短期的なCINR変化量を把握することができないため、早急なハンドオーバーが必要になるか否かを判断することが難しい。
【0137】
そのため、前回測定時からの経過時間が長い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を小さくしてセルサーチの頻度を高く(次のセルサーチまでの時間を短く)することで、早急なハンドオーバーが必要な状況に対応することができる。
【0138】
逆に、図28に示されるように、前回測定時からの経過時間が短いほど、短期的なCINR変化量を把握することができているため、早急なハンドオーバーが必要になるか否かを判断することは比較的容易である。
【0139】
そのため、前回測定時からの経過時間が短い場合は、図12のセルサーチ周期決定テーブルにおける係数βの値を大きくしてセルサーチの頻度を低く(次のセルサーチまでの時間を長く)することで、通信速度の低下を防ぐと共に消費電力を低減することができる。
【0140】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定し、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とするセルサーチ周期決定方法。
【0141】
(付記2)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0142】
(付記3)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0143】
(付記4)
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0144】
(付記5)
前記セルサーチ周期の決定を、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比及び前記隣接基地局の信号対干渉雑音比を、所定の閾値によりそれぞれ複数段階に分類して組み合わせた条件、並びに、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件、を加えて行う、
ことを特徴とする付記1に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0145】
(付記6)
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記5に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0146】
(付記7)
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させる、
ことを特徴とする付記5に記載のセルサーチ周期決定方法。
【0147】
(付記8)
基地局と無線通信を行う無線通信装置において、
通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する測定部と、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記算出した前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいてセルサーチを行うセルサーチ周期を決定するセルサーチ周期決定部と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
【0148】
(付記9)
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記移動速度計測部により計測された前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0149】
(付記10)
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0150】
(付記11)
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0151】
(付記12)
前記セルサーチ周期決定部は、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比及び前記隣接基地局の信号対干渉雑音比を、所定の閾値によりそれぞれ複数段階に分類して組み合わせた条件、並びに、
前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件、を加えて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信装置。
【0152】
(付記13)
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記12に記載の無線通信装置。
【0153】
(付記14)
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局の信号対干渉雑音比と前記隣接基地局の信号対干渉雑音比の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする付記12に記載の無線通信装置。
【0154】
(付記15)
複数の基地局と、複数の無線通信装置を有する無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、所定の前記無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局を含み、
所定の前記無線通信装置は、付記8乃至付記14のいずれか1項に記載の無線通信装置である、
ことを特徴とする無線通信システム。
【符号の説明】
【0155】
1 RFアンテナ
2 無線受信部
3 データ送受信部
4 無線送信部
5 同期制御部
6 RSSI/CINR測定部
7 BS情報テーブル
8 セルサーチ周期決定部
9 接続管理部
10 セルサーチ周期決定テーブル
11 移動速度計測部
12 位置情報計測部
NBS 隣接基地局(Neighbor Base Station)
SBS 通信中基地局(Serving Base Station)
TR 無線通信装置(端末)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定し、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とするセルサーチ周期決定方法。
【請求項2】
基地局と無線通信を行う無線通信装置において、
通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する測定部と、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記算出した前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいてセルサーチを行うセルサーチ周期を決定するセルサーチ周期決定部と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記移動速度計測部により計測された前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項6】
複数の基地局と、複数の無線通信装置を有する無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、所定の前記無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局を含み、
所定の前記無線通信装置は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置である、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定し、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、
前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいて、セルサーチを行うセルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とするセルサーチ周期決定方法。
【請求項2】
基地局と無線通信を行う無線通信装置において、
通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局それぞれの信号対干渉雑音比を測定する測定部と、
前記通信中基地局及び前記隣接基地局それぞれの、前回測定した前記信号対干渉雑音比からの変化量を算出し、前記算出した前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づいてセルサーチを行うセルサーチ周期を決定するセルサーチ周期決定部と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
前記無線通信装置の移動速度を計測する移動速度計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記移動速度計測部により計測された前記無線通信装置の移動速度に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信装置の位置情報を計測する位置情報計測部を有し、
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前記無線通信装置の位置情報に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記セルサーチ周期決定部は、前記通信中基地局における信号対干渉雑音比の変化量と前記隣接基地局における信号対干渉雑音比の変化量の大小関係に基づく条件を、前回測定時からの経過時間に応じて変化させて、前記セルサーチ周期を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項6】
複数の基地局と、複数の無線通信装置を有する無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、所定の前記無線通信装置が通信を行っている通信中基地局、及び、前記通信中基地局に隣接する隣接基地局を含み、
所定の前記無線通信装置は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置である、
ことを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−38486(P2013−38486A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170786(P2011−170786)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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