説明

セルフ・チェックアウト・システム

【課題】複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションおよび少なくとも1つのリモート補助端末を備えるセルフ・チェックアウト・システムを提供する。
【解決手段】複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションは、バーコード・スキャナと、秤と、支払端末とを備え、リモート補助端末が、複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡していて、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの秤のところでのリセット・ゼロ動作をトリガするために使用され、リセット・ゼロ・オプションの作動の後で、リセット・ゼロ命令が秤のためのリセット・ゼロ動作を行うプロセッサに配信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、セルフ・チェックアウト端末のところでの取引を容易にするための方法およびシステムに関し、特に、秤を備えるセルフ・チェックアウト端末のところでの取引を容易にするためのセルフ・チェックアウト・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品雑貨店および他の小売店のセルフ・チェックアウト端末(本明細書においては、「セルフ・チェックアウト・ステーション」とも呼ぶ)は周知のものである。このような端末を使用すれば、消費者は、レジ係がいなくても小売店または他の店舗内で取引を行うことができる。複数のセルフ・チェックアウト・レーンを監視するのに1人のセルフ・チェックアウト係ですむ。セルフ・チェックアウト係は、一般に、セキュリティのためにセルフ・チェックアウト・レーンを監視する。同時に、セルフ・チェックアウト店員は、セルフ・チェックアウト処理に問題が起きた場合には顧客を助けることができる。
【0003】
セルフ・チェックアウト端末を使用する場合には、個々の消費者は、キーパッド、秤およびバーコード・スキャナのような端末のところのセンサに購入するアイテムを提示する。そのため端末はアイテムおよび対応する価格を識別することができる。消費者が購入するすべてのアイテムを端末に提示したことを示すと、小計が累計され、すべての税金および割引が計算され、支払合計金額が消費者に表示される。次に、消費者は、端末のところで支払い方法を選択することができる。端末は消費者にメニュー選択を提示するので、購入金額が小売業者の口座に払い込まれる。支払いが確認されると、消費者はアイテムを手に入れることができる。
【0004】
セルフ・チェックアウト端末は、通常、ディスプレイと、万国製品コード(すなわち、バーコード)を読み取るための製品スキャナと、走査した場合にアイテムを保持するためのチェックアウト・エリア(本明細書においては、バッグ・エリアとも呼ぶ)とを含む。チェックアウト・エリアは、購入が確認されたアイテムを顧客がバッグに入れることができる収集エリアに運ぶためのモータ駆動ベルトを含むことができる。
【0005】
顧客が購入した多くのアイテムは、価格を判定するために万国製品コードを走査するだけでよい。しかし、他のアイテムの価格は、その重量により決まる。これらの製品の場合には、端末上に秤を設置しなければならない。この秤は、多くの場合、製品スキャナと一緒に1つのユニットとして一体化されている。より詳細に説明すると、このような秤は、通常、1つまたは複数のロードセルにより支持されている秤プラットフォームを含む。プラットフォームの中央には、製品スキャナからの走査ビームが投影されるアパーチャが通常設けられている。
【0006】
製品スキャナに関連する上記秤の他に、多くのセルフ・チェックアウト端末は、また、バッグ・エリアまたはベルト内に位置する他の秤を含む。このような秤は、走査後のチェックアウト中アイテムを追跡するのを助け、消費者がすべてのアイテムを走査しないで店を出たり、走査したアイテムを走査していないより高価なアイテムと交換する可能性を低減するために動作する。バッグ・エリア上に位置するアイテムの重量を監視することにより、セキュリティ・アプリケーションは、消費者による詐欺または操作ミスを検出するために、消費者のある種の行動を判定することができる。例えば、バッグ・エリアの秤が検出した重量の変化は、バッグ・エリア上に今置かれたアイテムの重量を判定するために使用することができる。次に、このアイテムの重量をデータベースまたは他のメモリに格納しているそのアイテムの予想した重量と比較することができる。重量が異なる場合には、セキュリティ・アプリケーション・プログラムは、消費者に通知し、違いを修正するためにアイテムを取り出し、もう一度走査するように消費者にプロンプトする。走査に成功し顧客がバッグにアイテムを入れると、バッグをバッグ・エリアから取り出すことができる。バッグを取り出すと、バッグ・エリア内に置かれる次の組のアイテムのために秤をゼロにリセットしなければならない。
【0007】
価格をつけるための適切な計量、およびセキュリティ目的のための適切な計量を含むセルフ・チェックアウト処理の動作を確実に円滑なものにするために、セルフ・チェックアウト端末の秤は、正確なものでなければならない。例えば、秤は、アイテムを計量していない場合には、通常はゼロである所定の基準値を表示しなければならない。これにより計量中の商品による出力表示の変化が、商品の本当の重量を確実に正確に表示することができる。使用中、秤のゼロ基準は、秤のプラットフォームまたはロードセル上の異物の堆積、秤のプラットフォームの位置の変化、電子構成要素に対する温度の影響、(特に重いものを計量した後の)ヒステリシスを含む種々の原因により変化する場合がある。セルフ・チェックアウト端末においては、特にゼロ基準の変化がよく起こる。何故なら、秤のプラットフォームの日常の清掃を行うレジ係がいないからである。さらに、セルフ・チェックアウトのところの秤は、通常、顧客によりかなり手荒く使用され、そのため秤のプラットフォームがずれ、ヒステリシスが起こる。
【0008】
そのプラットフォーム上に商品が載っていない秤は、秤を使用する前にゼロの基準値を指していなければならない。製品スキャナに関連する秤が、正しくゼロを指していない場合には、秤が示す製品の重量は不正確なものになり、そのため顧客が支払う金額も不正確なものになる。同様に、バッグ・エリアの秤が正しくゼロを指していない場合には、走査したアイテムの重量は不正確なものになり、そのためセキュリティ目的に遅延を生じる。それ故、そのプラットフォーム上に商品が載っていない秤がゼロ以外の基準値を示した場合には、セルフ・チェックアウト端末は、使用する前に秤をゼロにリセットしなければならないことを示すある種の警報を発する。この警報は、通常、RAP(リモート補助プログラム)スタンドから複数のセルフ・チェックアウト端末を監視しているセルフ・チェックアウト店員に送られる。
【0009】
秤をゼロにリセットするために、RAP店員は、ゼロを表示していない秤に近づいて、秤上のリセット・ボタンを押さなければならない。リセット・ボタンは、秤上の外部から見えるものであってもよいし、ドアまたは他のカバーの背後に内蔵されているものであってもよい。リセット・ボタンを押す前に、店員は、秤の表示をゼロ以外のものにしているアイテムまたは屑が秤の上に残っていないことを確認するように要求される。秤からすべての屑が除去されると、店員はリセット・ボタンを押し、新しい基準重量が秤に対して「ゼロ」となるように、秤がリセットされる。米国特許第4,751,661号および米国特許第5,086,879号に開示されているようなこのようなリセット・ゼロ処理は当業者であれば周知のものである。
【0010】
セルフ・チェックアウト処理中、ゼロへのリセット手順は、特に問題を起こしやすい。何故なら、店員は、ゼロ・リセット・ボタンを押すためにRAPスタンドを離れなければならないからである。店員が他の顧客の相手をしていたり、またはRAPスタンドのところで他の仕事をしている場合には、ゼロ・リセットを必要としている特定の端末に行くまでに少し時間がかかる場合がある。その間、顧客は並んで待つことになり、ゼロ・リセットを必要としている端末を使用することができない。そうすると、店舗および/または一般的にセルフ・チェックアウト処理を行っている顧客がいらいらすることになる。さらに、すでに説明したように、セルフ・チェックアウトのところの秤は、特にゼロ・リセット状況に弱い。それ故、店員は、RAPスタンドとゼロ・リセットを必要としている端末との間でかなりの時間を使うことになり、そのため、店員は、RAPスタンドのところでの仕事ができなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故、ゼロ・リセットを行っている個々のセルフ・チェックアウト端末に行くのにかなりの時間をかけなくてもすむセルフ・チェックアウト・システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
セルフ・チェックアウト・システムは、複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと、少なくとも1つのリモート補助端末とを含む。複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションは、バーコード・スキャナと、少なくとも1つの秤と、支払端末とを備えているので、小売店の顧客は、レジ係の助けを借りなくても、購入するアイテムを入力し、そのアイテムの支払いを行うことができる。リモート補助端末は、複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡していて、店員は、複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの動作を監視することができる。
【0013】
時々、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの1つのところに位置する1つまたは複数の秤は、リセット・ゼロ動作を要求する。リセット・ゼロ動作をトリガするために、リモート補助端末のところにリセット・ゼロ・オプションが設けられる。例えば、リセット・ゼロ・オプションは、リモート補助端末のところの補助モニタ上に設置することができる。一実施形態の場合には、補助モニタは、タッチスクリーンであり、リセット・ゼロ・オプションはタッチスクリーン上のボタンである。画面上のリセット・ゼロ・ボタンをタッチすると、リセット・ゼロ・オプションが作動する。リセット・ゼロ・オプションの作動の後で、リセット・ゼロ命令がプロセッサに送られ、秤のためのリセット・ゼロ動作が開始する。
【0014】
システムは、また、リセット・ゼロ動作をトリガするためには、リセット・ゼロ・オプションを作動しなければならないことを店員に知らせる通知機能も提供する。店員に送られる通知は、リモート補助端末から見ることができる。一実施形態の場合には、この通知は、秤を含むセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションに送られる。このような通知は、着色光の形をとることもできる。他の実施形態の場合には、通知はリモート補助端末に送られる。この通知は、可聴警報、視覚警報、またはリモート補助端末のモニタ上に設置されている他のインジケータの形をとることができる。
【0015】
それ故、本明細書に開示するセルフ・サービス・チェックアウト・システムは、セルフ・チェックアウト・ステーションのところに位置するリセット・ゼロ・オプションのところのリセット・ゼロ動作をトリガしなくても、リセット・ゼロ動作を行うことができる。より詳細に説明すると、リセット・ゼロ動作を、リモート補助端末からトリガすることができる。これにより店員にとって貴重な時間を節約することができる。何故なら、店員は、リセット・ゼロ動作をトリガするためにセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのところに行く必要がないからである。一実施形態の場合には、店員がリセット・ゼロ・オプションを作動しなくても、リセット・ゼロ動作を自動的にトリガすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、セルフ・サービス・チェックアウト・システム10は、複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11と、少なくとも1つのリモート補助端末12とを含む。複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11は、RAPスタンドのところに位置する少なくとも1つのリモート補助端末12と両方向で通信する。セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11とリモート補助端末12との間の通信は、ハードワイヤード接続または無線接続により行うことができる。セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11は、店舗からアイテムを購入したがっている顧客と相互作用を行うように設計される。少なくとも1つのリモート補助端末12は、店舗が雇用しているセルフ・サービス・チェックアウト店員と相互作用を行うように設計される。リモート補助端末12は、複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11のところで店員が活動を監視できるようにし、必要な場合には顧客を助ける。このような助力は、補助端末12を通して遠隔に提供することもできるし、または顧客を個人的に助けるように店員に要求することもできる。
【0017】
ここで図2を参照すると、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11は、フィーダ・ユニット14およびチェックスタンド18を含むことができる。フィーダ・ユニット14は、フィーダ・ベルト20およびフィーダ・ベルト20を作動するモータおよび制御回路のためのハウジング22を含む。フィーダ・ユニット14は、移動できるようにチェックスタンド18に接続しているので、フィーダ・ベルトはスキャナ/秤ユニット26と整合することができる。チェックスタンド18は、スキャナ/秤ユニット26、消費者用端末34、支払いデータを入力するための支払端末38、およびレシート・プリンタ44を含む。スキャナ/秤ユニット26は、製品またはパッケージに貼付されているバーコードからデータを入力するために、ガラスまたは他の透明なプラテン上のレーザの光を使用する。ユニット26は、また、価格/重量単位で販売されるアイテムを計量するための秤を含む。秤で計量した重量は、消費者のディスプレイ・モニタ34に表示することができる。以下にさらに詳細に説明するように、消費者用ディスプレイ・モニタ34は、また秤をゼロにリセットし、店員の助力が必要であることを示すために動作することができる。ディスプレイ・モニタ34は、さらに他の情報を表示するために動作することができる。例えば、消費者用ディスプレイ・モニタは、スキャナ/秤ユニット26を通して走査した場合に、特定のアイテムに関連するまたはそうでない場合、取引に含まれるデータを表示する。支払端末38は、クレジット・カード、デビット・カードおよび/または他の支払い方法をサポートするために、キーパッドおよびカード・リーダを内蔵する任意の周知のPOS端末であってもよい。レシート・プリンタ44は、消費者に購入したアイテムの明細を示すレシートおよび支払い方法を提供する。
【0018】
レシート・プリンタ44およびスキャナ/秤ユニット26を分離しているのがバッグ保管場所46である。バッグ保管場所は、3つの直立壁部に隣接する床を含む。バッグ保管場所46の床は、秤48上に設置することができる。消費者は、バッグ保管場所46内のレール50から下がっているバッグに走査したアイテムを入れるので、アイテムはバッグ保管場所46および秤48の床上に位置する。セキュリティ秤48は、走査したアイテムが秤48の上に載せられたことを確認するために、製品アイテムのためのスキャナ/秤26からのアイテム重量データ、または単価コードを有するアイテムに対するデータベースから検索した重量データを、秤48により計量した重量差と比較する。チェックアウト・ステーション11内で稼働しているセキュリティ・アプリケーション・プログラムは、走査していないアイテムがセキュリティ秤エリア内に置かれたか否かを判定するために、セキュリティ秤48を監視する。調査を必要とする異常な状態は、チェックスタンド18のインジケータ・ポール52の端末端部のところに取り付けられている3色インジケータ54内の警報または警告灯の色を点灯することにより送られる。インジケータ・ポール52は、また、ビデオ信号を、セキュリティ係監視エリアまたはある種の記憶媒体に提供するための防犯カメラ56をその上に装着することができる。データベース、ディスク・ドライブ、またはステーションが動作するために必要な他のコンピュータ周辺機器は、チェックスタンド18内に位置する周辺トレイ60内に収容することができる。チェックスタンド18は、また、種々の額面の紙幣および硬貨を取引に対する支払いとして消費者から受け取るための通貨受領装置40を含み、一方、キャッシュ・ディスペンサ42は、消費者への釣り銭、または引落し口座等から要求された金額を払い戻す。
【0019】
引き続き図2を参照すると、消費者は、フィーダ・ベルト20上にアイテムを置くことができ、ベルト20は、遮断機構がベルト20を停止するベルト20の端部にアイテムを運ぶために駆動される。消費者は、ベルト20からアイテムを取り出し、アイテムを一度に1つずつアイテム製品データ検索および/または計量のためにスキャナ/秤26により移動させることにより取引を開始することができる。次に、走査したアイテムをセキュリティ秤48上のバッグに入れることができる。すべてのアイテムを走査した場合、消費者は、支払端末38、または通貨受領装置40を通して支払いを行い、キャッシュ・ディスペンサ42から釣り銭を、プリンタ44からレシートを受け取ることができる。次に、消費者は、セキュリティ秤48からバッグを取り出し、ステーション11から出て取引を終了することができる。
【0020】
ここで図3を参照すると、この図は、システムのリモート補助端末12として使用することができる例示としての補助端末を示す。リモート補助端末12は、補助ディスプレイ・モニタ160と、スピーカ164と、プリンタ166とを含む。リモート補助端末12の機能は、店員によるチェックアウト端末(すなわち、店員が操作するチェックアウト端末)に統合することができる。例えば、リモート補助端末12の機能は、すでに稼働しているまたはそうでない場合には、小売店内に位置する店員によるチェックアウト端末に組み込むことができる。
【0021】
消費者ディスプレイ・モニタ34の場合のように、好適には、補助ディスプレイ・モニタ160はリモート補助端末12を操作している店員が画面上のあるエリアをタッチした場合に、データ信号を発生することができる周知のタッチスクリーン・モニタであることが好ましい。タッチスクリーンは、リモート補助端末12を操作している店員が、特定のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11に関連するディスプレイ・モニタ34のうちの1つのモニタ上に表示することができるテキスト・メッセージを入力することができるようにするためのものである。さらに、以下にさらに詳細に説明するように、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11のうちの1つを操作している顧客が助力を要求した場合、または介入を要求した場合には、リモート補助端末を操作している店員は、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11のディスプレイ・モニタ132上にメッセージを表示させ、それにより顧客に、顧客がリモート補助端末12に近づくことができることを示す確認応答コードを入力するために、リモート補助端末12に関連するタッチスクリーン上の特定の場所または「ボタン」をタッチすることができる。
【0022】
すでに説明したように、リモート補助端末12を操作している店員は、セルフ・サービス・チェックアウト端末11のうちの1つを操作している顧客を助けることができる。例えば、顧客が、例えば、消費者キーパッド34(図示せず)の特定のキーをタッチすることにより、または消費者ディスプレイ・モニタ32のタッチスクリーン上の特定の場所をタッチすることにより、消費者がチェックアウト取引を終了する際に協力を求めていることを表示した場合、補助端末12を操作している店員は、顧客のチェックアウト取引を中止し、その後でリモート補助端末12のところに行くように顧客に指示することができる。さらに、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11を操作している顧客が、介入を必要とするある機能を実行した場合、顧客がこのような介入をはっきりと要求しなかった場合でも、補助端末12を操作している店員は、同様に、顧客のチェックアウト取引を中止し、その後で顧客にリモート補助端末12のところに行くように指示することができる。例えば、顧客が、セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11にクーポンを入力しようとした場合(セルフ・サービス・チェックアウト・ステーション11がクーポン受領装置を備えていない場合)、顧客のクーポンを入力するために、リモート補助端末12を操作している店員に顧客の取引に介入するように要求することができる。それ故、例えば、(1)クーポンを収集するために、(2)提示された小切手を受領するために、(3)クレジット・カード確認例外を処理するために、(4)顧客が走査できないまたは入力することができないアイテムの明細表示を行うために、顧客が協力を要求することができること、またはそうでない場合、介入を要求することができることを理解されたい。
【0023】
上記動作の他に、リモート補助端末12は、RAPのところの店員が、特定のチェックアウト・ステーション11の秤に対してリセット・ゼロ動作を、遠隔起動/トリガできるようにする。図4に示すように、リモート補助端末12の補助ディスプレイ・モニタ160は、複数のチェックアウト・ステーションに関連するデータを同時に提供する画面161を含む。図4の例の場合には、画面161は、各象限内に位置する4つのセルフ・チェックアウト・ステーションのうちの1つに関する情報を含む4つの象限171〜174を含む。
【0024】
象限171〜174の左側は、各チェックアウト・ステーションの代表的平面図175である。チェックアウト・ステーションに問題がある場合には、店員が問題を識別するのを助けるために問題の位置が平面図175上で点滅する。各象限の右側は、チェックアウト・ステーションの状態を示すテキスト177、および店員にとって重要である場合がある他のデータを示す。各象限の底部に沿って、顧客のチェックアウト処理を容易にするために店員がタッチすることができる一連のタッチスクリーン・ボタン179が位置する。例えば、ボタン179は、店員が、走査することができるアイテムの価格を手動で入力することができるようにするボタンを含む。
【0025】
図4の例の場合には、画面161の第1の象限171は、セルフ・チェックアウト・ステーション#1は稼働していないが、新しい顧客のチェックアウトを行うことができることを示す。同様に、第4の象限174は、セルフ・チェックアウト・ステーション#4が稼働していないことを示す。画面161の第3の象限173は、セルフ・チェックアウト・ステーション#3が顧客のチェックアウト処理を助けていることを示す。第3の象限173は、顧客が現在の顧客の総額と一緒に各アイテムを走査した場合、各アイテムを表示し、店員は顧客の取引の処理状況を監視することができる。
【0026】
図4の画面161の第2の象限172は、店員に、引き続き取引を行う前に、顧客が助力を必要としていることを示す。より詳細に説明すると、第2の象限172は、店員に、チェックアウト・ステーション#2のところのスキャナの秤が正しくゼロにリセットされていないので、それが正確でないことを示す報告を提供する。秤からアイテムを取り出した後の所定時間内に、ゼロ出力に戻るか、またはゼロからの許容できる誤差範囲内に戻ることにより秤が安定しない場合には、秤は正しくゼロにリセットされていない。例えば、秤が0.005ポンド(2.268g)より大きい出力で安定した場合には、システムは、秤がゼロに復帰しないと認識することができ、セルフ・チェックアウト端末を使用して取引を続行する前にリセット・ゼロ動作を要求することができる。効率的な方法でリセット・ゼロ処理を容易に行うために、補助ディスプレイ・モニタ160の画面161上にリセット・ゼロ・オプションを提供することにより、リセット・ゼロ・リモート・インタフェースが店員に提示される。
【0027】
リセット・ゼロ・オプションを選択する前に、秤の大皿の上にアイテムまたは屑が載っていないことを確認するために店員が簡単なチェックを行う。大皿にアイテムまたは屑が載っている場合には、店員は、顧客にスキャナの秤からすべてのアイテムおよび目で見ることができる屑を除去するように要求することができる。一実施形態の場合には、システムは、リセット・ゼロ動作が必要な場合、顧客にスキャナの秤からすべてのアイテムおよび目で見ることができる屑を除去するように自動的に指示する。スキャナの秤からすべてのアイテムおよび目で見ることができる屑が除去されたのを確認した後で、店員は画面161上のリセット・ゼロ・ボタン181にタッチしさえすればよい。このボタンにタッチした後で、システムは、リセット・ゼロ動作を必要とする秤に対してこの動作を行う。それ故、システムは、店員が、リモート補助端末から離れないでリセット・ゼロ動作を行えるようにする。リセット・ゼロ・オプションを種々の形で提供することができることを理解することができるだろう。例えば、リセット・ゼロ・オプションを、一時的なボタン181または標準ボタン179のうちの1つのような画面上のボタンとして提供することができる。他の例の場合には、リセット・ゼロ・オプションを、リモート補助端末のところに物理的ボタンまたは他の選択装置として提供することができる。
【0028】
図5は、リモート・リセット・ゼロ動作中にシステムが使用する処理ステップの例示としてのフローチャートである。この処理は、秤の計量皿の上に商品が載っていない状態でステップ210から開始する。この状態は、システムが開始する際の状態、またはアイテムを計量し、秤から除去した後の状態である。ステップ212において、秤が安定することができるように、短い休止時間が挿入される(例えば、1秒)。休止時間の後で、システムはステップ214において、秤の重量がゼロであるか否かを判定する。秤の重量がゼロである場合には、システムはステップ216に進み、そこで顧客ディスプレイ・モニタ上に「秤使用可能」が表示される。次に、システムは、ステップ218において秤の上にアイテムが置かれるのを待ち、その対象物を計量する。ステップ220において対象物が除去されると、システムはステップ210に戻り、この処理を再開する。しかし、ステップ214において、秤がゼロ(または所定の誤差範囲内)に戻らない場合には、システムは、ステップ222において秤をリセットしなければならないと表示する。この場合、システムは、リモート補助端末のところの秤をゼロにリセットしなければならないことを表示する。システムは、また、秤について助力が必要であることを顧客に表示する。例えば、セルフ・チェックアウト端末は、顧客に助力が必要であるという可聴メッセージを提供し、問題を解決するために助力を待つように顧客に要請することができる。また、顧客ディスプレイ・モニタ上に類似のテキスト・メッセージを表示することもできる。
【0029】
秤をリセット・ゼロ動作しなければならないという通知を店員が受け取った後で、商品および大きな屑を含む目立つ異物が秤から除去されたのを確認するために、店員は秤を簡単にチェックする。店員が異物を目視した場合には、店員は、顧客に秤からすべてのアイテムを除去するように要求することができる。店員が異物を認めなかった場合には、店員は、リモート補助端末の画面上のリセット・ゼロ・ボタンにタッチし、それにより秤に対してリセット・ゼロ動作を行うプロセッサに秤に対してリセット・ゼロ命令を送る。
【0030】
システムは、ステップ224において、リセット・ゼロ命令の受信を認識し、ステップ226において、リセット・ゼロ動作を行う。すでに説明したように、当業者であれば多数のリセット・ゼロ動作は周知のものである。リセット・ゼロ動作が終了すると、処理は開始に戻る。秤が正しくゼロを指す場合には、顧客に対して「秤使用可能」インジケータが、顧客ディスプレイ・モニタ上に表示される。同時に、リモート補助端末は、もはや秤に対してリセット・ゼロが必要であるという表示を行わない。
【0031】
上記実施形態は、秤が位置するセルフ・チェックアウト・ステーションのところでリセット・ゼロ・オプションを選択することにより秤に対するリセット・ゼロ動作がトリガされないセルフ・チェックアウト・システムを開示している。セルフ・チェックアウト・ステーションのところでのリセット・ゼロ動作の選択により、秤に対するリセット・ゼロ・オプションがトリガされないセルフ・チェックアウト・システムの他の実施形態の場合には、リセット・ゼロ機能が自動的に行われる。この実施形態の場合には、システムが秤が正しくゼロを指さないことがわかった場合、チェックアウト・ステーションのところの動作が一時的に中止され、顧客は、秤またはバッグ・エリアから商品および屑を含むすべての異物を除去することを要請される。光センサのようなセンサを、秤からのすべての目立つ異物の除去を確認するために秤と一緒に設置することができる。光センサが、異物を検出しない場合には、システムは自動的にリセット・ゼロ動作を行う。例えば、図5のフローチャートの場合には、リセット・ゼロ動作を行う前に、秤からすべての異物を除去することを顧客に要求するようにステップ222を修正することができる。システムが秤の上の異物を検出すると、システムは、直ちにステップ226に進み、そこでリセット・ゼロ動作が行われる。この実施形態の場合には、店員は補助ディスプレイ・モニタのところで、特定の秤に対してリセット・ゼロ動作が行われているという通知を受け取ることができるが、店員はリセット・ゼロ・オプションを選択する必要はない。代わりに、システムは自動的にリセット・ゼロ動作を行う。
【0032】
いくつかの好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば他の実施および適合も可能であることを理解することができるだろう。例えば、リモート補助端末のところの店員にリセット・ゼロ・オプションを提供するために種々のインタフェース装置を使用することができる。他の例としては、ゼロ・リセット動作を要求しているチェックアウト・ステーションの3色インジケータのところで点滅する赤い光のようなゼロ・リセットのために必要な追加のインジケータを使用することができる。さらに、システムを主としてスキャナの秤を参照しながら説明してきたが、システムは、バッグ・エリアの秤のようなセルフ・チェックアウト・ステーション上に設置された他の秤と一緒に使用することができることを理解されたい。さらに、上記他の態様を内蔵させないで入手することができる本明細書に記載する個々の進歩と比較した場合、種々の利点がある。それ故、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に記載する好ましい実施形態の説明に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】リモート・リセットを備える秤を含むセルフ・サービス・チェックアウト・システムの平面図である。
【図2】図1のセルフ・サービス・チェックアウト・システムの例示としてのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの斜視図である。
【図3】図1のセルフ・サービス・チェックアウト・システムの例示としてのリモート補助端末の正面図である。
【図4】図3のリモート補助端末の例示としての画面の図である。
【図5】リセット・ゼロ動作のための要件の通知中およびリセット・ゼロ動作をトリガするためにシステムが行うステップのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションであって、それぞれが製品スキャナおよび支払端末を含み、前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの少なくとも1つが少なくとも1つの秤を備える複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと、
b)前記複数の各セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡している少なくとも1つのリモート補助端末であって、前記リモート補助端末が、前記少なくとも1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの前記少なくとも1つの秤に対してリセット・ゼロ・オプションを提供するように構成される少なくとも1つのリモート補助端末とを備えるセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項2】
前記リモート補助端末のところで前記リセット・ゼロ・オプションが作動すると、前記少なくとも1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの前記少なくとも1つの秤に対してリセット・ゼロ命令が配信される、請求項1に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項3】
前記リセット・ゼロ命令を受信した場合に、リセット・ゼロ動作が前記少なくとも1つの秤に対して行われる、請求項2に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの秤が、統合している秤およびスキャナを備える、請求項1に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの秤がバッグ・エリアの秤を備える、請求項1に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションが、前記少なくとも1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの前記少なくとも1つの秤がリセット・ゼロ動作を要求しているという通知を提供するために動作することができる、請求項1に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項7】
前記リモート補助端末が、前記少なくとも1つのセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの前記少なくとも1つの秤がリセット・ゼロ動作を要求しているという通知を提供するために動作することができる、請求項1に記載のセルフ・チェックアウト・システム。
【請求項8】
セルフ・チェックアウト・システムを動作するための方法であって、
a)複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションを提供するステップであって、前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの少なくとも1つが少なくとも1つの秤を含むステップと、
b)前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡しているリモート補助端末を提供するステップと、
c)前記セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの前記少なくとも1つの秤がゼロを示さないという通知を表示するステップであって、前記通知を前記リモート補助端末から見ることができるステップと、
d)前記リモート補助端末のところの前記少なくとも1つの秤に対してリセット・ゼロ・オプションを提供するステップと、
e)前記リモート補助端末のところで前記リセット・ゼロ・オプションを作動するステップであって、前記リセット・ゼロ・オプションが作動すると、前記少なくとも1つの秤に対してリセット・ゼロ動作が行われるステップとを含む方法。
【請求項9】
前記セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの前記少なくとも1つの秤がゼロを示さないという通知が前記リモート補助端末のモニタ上に表示される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リセット・ゼロ・オプションを作動するステップが、前記リモート補助端末のモニタ上のボタンをタッチすることにより実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記リセット・ゼロ・オプションを作動するステップの前に、前記少なくとも1つの秤上の異物をチェックするステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記リセット・ゼロ・オプションを作動するステップの前に、前記少なくとも1つの秤から前記異物を除去するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リセット・ゼロ・オプションを実行した後で、秤使用可能インジケータを表示するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
セルフ・サービス・チェックアウト・システムを動作するための方法であって、
a)複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションを提供するステップであって、前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションのうちの少なくとも1つが秤を含むステップと、
b)前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡しているリモート補助端末を提供するステップと、
c)前記セルフ・サービス・チェックアウト・ステーションの前記秤がゼロを指さないという通知を表示するステップと、
d)前記秤に対してリセット・ゼロ動作を実行するステップであって、前記リセット・ゼロ動作が、前記秤を含む前記セルフ・チェックアウト・ステーションのところでのリセット・ゼロ・オプションの選択によりトリガされないステップとを含む方法。
【請求項15】
前記リセット・ゼロ動作が、前記複数のセルフ・サービス・チェックアウト・ステーションと連絡しているリモート補助端末のところでトリガされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リモート補助端末が、前記リセット・ゼロ・オプションを提供し、前記リモート補助端末のところでの前記リセット・ゼロ・オプションの作動が前記リセット・ゼロ動作をトリガする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記リセット・ゼロ動作が自動的にトリガされる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記リセット・ゼロ動作を実行するステップの前に前記秤上の異物を検出するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
光学式スキャナが、前記秤上の異物を検出するステップを実行するために使用される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記リセット・ゼロ動作を実行するステップの前に、前記秤から異物を除去する命令を提供するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−65827(P2008−65827A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229678(P2007−229678)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】