説明

セルフ・チェックアウト・ステーションに対して遠隔地介入サポートを提供するためのシステムおよび方法

【課題】小売現場から離れた遠隔地に位置するオペレータにより、小売現場のところのセルフ・チェックアウト・ステーションをアシストする。
【解決手段】このシステムは、小売現場に位置するチェックアウト・ステーションと、そこに装着されているビデオ・カメラおよびマイクロフォンと、ビデオ・カメラおよびマイクロフォンから映像および音声データを収集し、チェックアウト・ステーションから動作データを収集するためのデータ通信装置と、データ通信装置から映像、音声および動作データを受信するための介入サービス・ステーションとを含む。この介入サービス・ステーションは、小売現場から離れたところに位置し、介入サービス・ステーションのところのオペレータが、チェックアウト・ステーションの動作に介入することができるように、データ通信装置から受信した動作データに応じて、チェックアウト・ステーション・コマンドを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売施設で使用されるセルフ・チェックアウト・ステーションに関し、特に、遠隔地の店員が監視するセルフ・チェックアウト・ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
食料品店および他の小売店で使用されるセルフ・チェックアウト・ステーションは周知である。このステーションの場合には、消費者は購入する物品を走査することができるので、ステーションは物品および対応する価格を識別することができる。消費者が、購入するすべての物品を端末装置に提示したことを示すと、小計が累計され、すべての税および割引きが計算され、合計支払金額が消費者に表示される。次に、ステーションにいる消費者は、支払い方法を選択することができる。ステーションは、消費者にメニュー選択を提示するので、購入金額を小売業者の口座に振り込むことができる。支払いを確認すると、物品が消費者に渡される。
【0003】
セルフ・チェックアウト・ステーションは、通常、端末装置と、単価コード(UPC)を読み取り、物品の重量を判定するためのスキャナ/秤と、レジ係用のキーパッドおよびディスプレイと、支払い入力のためのPOS端末装置と、レシート・プリンタと、釣銭機と、走査した物品を保持するためのチェックアウト・エリアとを含む。また、端末装置は、ディスプレイと、プロセッサと、メモリと、プログラムされた命令と、ステーションの動作を制御するためのデータ周辺機器とを含む。プログラムされた命令は、物品の価格について問合せを行い、合計を計算し、セルフ・チェックアウト・ステーションを通しての物品の購入に関連する他の機能を行うモジュールを含むことができる。また、ある種のチェックアウト・ステーションは、消費者がすべての物品を走査しないで店を出るか、または走査した物品を走査していないもっと高価な物品と交換する可能性を低減するために、秤のようなセンサからのデータを使用するセキュリティ・アプリケーション・プログラムを含むことができる。
【0004】
通常は、2つ以上のセルフ・チェックアウト・ステーションが相互に近接して位置していて、チェックアウト店員のいるステーションが近くに位置する。チェックアウト店員は、セルフ・チェックアウト・ステーションを使用するのが初めてという消費者、物品をうまく走査することができない消費者、またはうまく支払い等を行うことができない消費者の手助けをすることができる。すなわち、店員の最も重要な仕事は、セルフ・チェックアウト・ステーションを利用している顧客を助けることであるので、ステーションはチェックアウトを行っている顧客を効率的に迅速に処理する。セキュリティの監視を助けるためにこれらの店員を利用することができるが、実際には、このような仕事のために、その最も重要な仕事の効率が低下する。
【0005】
セルフ・チェックアウト・ステーションの導入以来、セルフ・チェックアウト・ステーションの店員の効果および効率に関して種々の問題が発生してきた。一例を挙げると、店員は、一度に1人の顧客にしか物理的に対応できない。そのため、店員が、長い行列をつくらせないで、また顧客をいらいらさせないで、効果的にサービスを行うことができるセルフ・チェックアウト・ステーションの数が制限される。また、店員は、セルフ・チェックアウト・ステーションの顧客にサービスを行うためのその利用度に影響を与える他の面倒なことにより影響を受ける。このような面倒なこととしては、他の従業員またはセルフ・チェックアウト・ステーションを使用していない顧客との会話等がある。さらに、すべてのまたはほとんどのセルフ・チェックアウト・ステーションを使用している時間帯には、セルフ・チェックアウト・ステーション・エリアの所に物理的に位置する店員の限定された資源に特に仕事が集中する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの問題の1つの解決方法は、セルフ・チェックアウト・ステーション・サービスのために利用できる店員の数を増やすことであるが、そうするとレジ係を減らすためにセルフ・チェックアウト・ステーションを設置する意味がなくなってしまう。また、この解決方法を使用すると、小売施設の運営コストが高くなる。何故なら、人件費はビジネスの最も高いコストのうちの1つであるからである。予想されるピーク時のために追加の人員を雇った場合でも、ピーク時の識別、およびピーク時の追加人員のスケジュール作成だけでも面倒な仕事になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
セルフ・チェックアウト・ステーションの顧客にサービスするためのセルフ・チェックアウト・ステーション・エリアのところでの店員の配置から発生する問題を解決するために、離れた場所のセルフ・チェックアウト・ステーション・サービスのためのシステムおよび方法を以下に開示する。このシステムは、小売現場に位置するチェックアウト・ステーションと、チェックアウト・ステーションのところに装着されているビデオ・カメラおよびマイクロフォンと、ビデオ・カメラおよびマイクロフォンから映像および音声データを収集し、チェックアウト・ステーションから動作データを収集するためのデータ通信装置と、データ通信装置から映像、音声および動作データを受信するための介入サービス・ステーションとを含む。この介入サービス・ステーションは、小売現場から離れたところに位置していて、介入サービス・ステーションのところのオペレータが、チェックアウト・ステーションの動作に介入することができるように、データ通信装置から受信した動作データに応じて、チェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、このコマンドをチェックアウト・ステーションに送信するためのチェックアウト・ステーション・コマンド発生器を含む。
【0008】
このシステムにより実施することができる方法は、小売現場に位置するチェックアウト・ステーションのところで映像、音声および動作データを生成するステップと、チェックアウト・ステーションから映像、音声および動作データを送信するステップと、小売現場から離れた場所に位置する介入サービス・ステーションのところでチェックアウト・ステーションから映像、音声および動作データを受信するステップと、介入サービス・ステーションのところのオペレータが、チェックアウト・ステーションの動作に介入することができるように、データ通信装置から受信した動作データに応じて、チェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、このコマンドをチェックアウト・ステーションに送信するステップとを含む。
【0009】
本発明のいくつかの利点および特徴は、添付の図面を見て、本発明の詳細な説明を読めば理解することができるだろう。
【0010】
本発明は、種々の構成要素および構成要素の配置および種々の方法で実行することができる。図面は例示としてのものであり、他の実施形態を説明するだけのためのものであって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の原理により修正することができるチェックアウト・ステーションである。チェックアウト・ステーション10は、フィーダ・ユニット14と、チェックスタンド18とを含む。フィーダ・ユニット14は、フィーダ・ベルト20と、フィーダ・ベルト20を作動するモータおよび制御回路用のハウジング22とを含む。フィーダ・ユニット14は、移動できるようにチェックスタンド18と結合しているので、フィーダ・ベルトをスキャナ/秤26と整合することができる。チェックスタンド18は、スキャナ/秤ユニット26と、消費者端末装置34と、支払データを入力するための支払端末装置38と、レシート・プリンタ44とを含む。スキャナ/秤ユニット26は、製品または梱包に貼付されているバーコードからデータを入力するために、ガラスまたは他の透明なプラテン上のレーザ光線を使用する。また、ユニット26は、重量ベースの価格/単位で販売される物品の重量を測定するための秤を含むことができる。消費者端末装置34は、スキャナ/秤ユニット26を通して入力された場合、物品データを表示する。支払端末装置38は、クレジット・カード、デビット・カード、および他の支払方法をサポートするカード・リーダ32を内蔵する任意の周知のPOS端末装置であってもよい。レシート・プリンタ44は、消費者に購入した物品を箇条書きにしたレシートと支払方法を提供する。
【0012】
レシート・プリンタ44およびスキャナ/秤ユニット26は、そのフロアのためのセキュリティ秤48を有するバッグ収容部46により分離することができる。消費者が走査し、計量した物品を保管するためのバッグは、バッグ収容部46内の吊りレール50から吊り下がっている。セキュリティ秤48は、走査した物品だけがセキュリティ秤上に載っていることを確認するために、走査したユニット製品コード(UPC)を使用して、スキャナ/秤ユニット26またはデータベースから入手した物品重量データを使用する。端末装置34内で動作しているセキュリティ・アプリケーション・プログラムは、走査していない物品がセキュリティ秤エリア内に追加されたか否かを確認するために、セキュリティ秤48を監視する。調査を必要とする異常な状態は、チェックスタンド18のインジケータ・ポール52の端末端部に装着されている3色インジケータ内の警報または警告光の色を点灯することにより知らせることができる。チェックスタンド・エリアに対応する映像データを生成するために、セキュリティ・カメラ56をインジケータ・ポール52上に装着することができる。ステーションが動作するために必要なデータベース、ディスク・ドライブまたは他のコンピュータの周辺機器は、チェックスタンド18内に位置する周辺機器トレー60内に収容することができる。また、チェックスタンド18は、トランザクションに対する支払いとして、消費者から紙幣および硬貨を受け取るための上部通貨モジュール40を含む。また、モジュール40は、消費者の釣り銭の硬貨部分を返却する硬貨ディスペンサ36を含み、一方、下部通貨モジュール42は、消費者の釣り銭の紙幣部分を返却する。また、モジュール40は、消費者から受領する現金を消費者に払い出される釣り銭で供給するために、現金リサイクル・ユニット(図示せず)を含むこともできる。
【0013】
図1に示すように、消費者は、フィーダ・ベルト20上に物品を置くことができ、物品を遮断機構がベルト20を停止させるベルト20の端部に運ぶために、ベルト20が駆動される。次に、消費者は、ベルト20から物品を取り出し、製品データ検索および/または計量のために、スキャナ/秤26を通して一度に1つずつ物品を移動することができる。代替的に、消費者は、購入のための物品が入っているカートを隣接するフィーダ・ユニット14のところに引っ張り、物品をカートからスキャナ/秤26上に置くことができる。次に、走査した物品を、セキュリティ秤48上のバッグ内に入れることができる。すべての物品の走査が終わると、消費者は、支払端末装置38または通貨モジュール40を通して支払いを行い、モジュール44から釣り銭を受け取り、プリンタ44からレシートを受け取ることができる。次に、消費者は、セキュリティ秤48からバッグを取り出し、ステーション10から出ることができる。チェックアウト・ステーション10の動作は、通常端末装置34に内蔵されているプロセッサにより制御される。
【0014】
図2は、小売現場のところのセルフ・チェックアウト・ステーションの動作に遠隔地から介入するためのシステムのブロック図である。システム100は、小売現場102に位置する上記および図1のセルフ・チェックアウト・ステーションのような複数のセルフ・チェックアウト・ステーション110、110、110および110を含む。介入イベントについて監視することができる図2のセルフ・チェックアウト・ステーションの数は、例示としてのものに過ぎない。また、システム100は、ネットワーク・ハブ108を通してセルフ・チェックアウト・ステーション110、110、110および110と結合しているサーバ104を含む。各セルフ・チェックアウト・ステーションは、その関連するセルフ・チェックアウト・ステーションとネットワーク・ハブ108との間でデータを送受信する内部高速データ通信ハブを含む。
【0015】
サーバ104は、セルフ・チェックアウト・ステーションと結合している高速データ・ハブを通してサーバ104と通信することができる、セルフ・チェックアウト・ステーションの構成要素内で実行するクライアント・アプリケーションに対してサーバとして動作するのに十分なリソースを有する任意のコンピュータであってもよい。好適には、サーバ104は、128MBのRAMおよび60GBのハード・ドライブを備える、1.8GHzで動作する少なくとも1つのペンティアム(登録商標)・プロセッサを有することが好ましい。ハード・ドライブは、サーバと結合している各セルフ・チェックアウト・ステーションに対して格納スペースを割り当てるために分割することができるが、例えば、フォルダおよびファイルのような他のデータ構造も、各チェックアウト・ステーションに対応するデータを格納するために使用することができる。代替的に、サーバ104は、セルフ・チェックアウト・ステーションから受信した動作データを格納するために、および製品識別および小売店で販売されるアイテムの価格データを格納しているデータベースに問合せを行うためのデータベース管理システム(図示せず)と結合することができる。好適には、サーバ104は、1つまたは複数のハード・ドライブを含むことが好ましい。各ハード・ドライブは、図2に示すように、サーバと結合しているセルフ・チェックアウト・ステーションのうちの1つに対応する。ハード・ドライブは、ドライブに対応するチェックアウト・ステーションに関するデータを格納するために使用される。このアーキテクチャの場合、サーバ104は、製品識別および価格データベースを含むデータベース動作のためのデータベース管理システム(図示せず)と結合している。
【0016】
サーバ104のプロセッサは、各セルフ・チェックアウト・ステーションのためのセルフ・チェックアウト・ステーション制御アプリケーション画像を実行するための中央プロセッサとして動作することができる。サーバ104は、すべてのセルフ・チェックアウト・ステーションを制御する1つのセルフ・チェックアウト・ステーション制御アプリケーションを有することができるし、またはサーバ104は、サーバ104と結合している各セルフ・チェックアウト・ステーション用のセルフ・チェックアウト・ステーション制御アプリケーションの画像を実行することができる。代替的に、各セルフ・チェックアウト・ステーションは、チェックアウト・ステーション内でセルフ・チェックアウト・ステーション制御アプリケーションを実行するためのそれ自身のプロセッサを有することができる。制御アプリケーションは、チェックアウト・ステーションのためのデータを処理し、チェックアウト・ステーションの動作を制御するプログラムである。
【0017】
セルフ・チェックアウト・ステーションが生成したデータは、システム100で実施されるネットワーク・プロトコルにより識別される。好適には、ネットワーク・プロトコルは、イーサネット(登録商標)10BaseTバックボーン上で実施されるUSBプロトコルであることが好ましいが、サーバ104、ネットワーク・ハブ108およびサーバ104と結合しているセルフ・チェックアウト・ステーションが構成しているネットワークを通して通信されるデータのソースおよび受信人を識別するために他のプロトコルを使用することもできる。セルフ・チェックアウト・ステーション制御アプリケーションは、セルフ・チェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、および/またはセルフ・チェックアウト・ステーションに対応するデータ・リポジトリ内に動作データを格納するためにデータを処理する。データ・リポジトリは、サーバ104と結合することができ、その場合、セルフ・チェックアウト・ステーションの構成要素コマンド、または制御アプリケーションが生成した動作データ、または制御アプリケーション画像をネットワーク・ハブ108を通して通信することができる。ネットワーク・ハブ108は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)ハブであってもよいし、または無線ネットワーク・ハブであってもよい。例えば、ネットワーク・ハブ108は、テキサス州オースチン所在のDigi社が市販しているUSB Over IPハブであってもよい。
【0018】
セルフ・チェックアウト・ステーション内のネットワーク・ハブ108および高速通信ハブは、少なくとも12Mbpsの速度で通信する。好適には、セルフ・チェックアウト・ステーション内のハブは、USB Anywhereハブのような、12Mbps〜480Mbpsの範囲内の通信をサポートするUSB2.0ハブであることが好ましい。一実施形態の場合には、サーバ104は、セルフ・チェックアウト・ステーション内でハブ108と高速ハブの間に維持されている速度で、サーバ104とハブ108との間でデータ通信を可能にするUSB2.0ホスト・コントローラを含む。また、サーバ104は、Windows(登録商標)2000、Windows(登録商標) XP、NT4.0のようなオペレーティング・システム、Inside Out Networks 4.0 USBスタックのようなネットワーク通信スタックを含む。代替的に、サーバとチェックアウト・ステーションの間で高速データ通信を行うために、1394Firewire仕様を実施する通信部品を使用することもできる。ハブ108を通してのサーバ104とセルフ・チェックアウト・ステーションの間の高速データ通信を、無視できる程度の遅延で現場位置102のところで行うことができる。
【0019】
図3は、セルフ・チェックアウト・ステーション110のうちの1つのブロック図である。類似の構成要素に対して類似の参照番号を使用しているが、セルフ・チェックアウト・ステーション110は、セキュリティ秤48と、キャッシュ・リサイクル・ユニット134と、硬貨受領装置40と、プリンタ44と、磁気カード・リーダ32と、スキャナ/秤26と、硬貨ディスペンサ36が結合しているUSB2.0インタフェース130とを含む。また、インタフェース130の1つのポートに追加の装置を結合するために、USBまたはRS−232Cインタフェース138を使用することができる。インタフェース130は、例えば、Edgeport8/7ポートUSBハブであってもよい。インタフェース130と結合している構成要素は、RS−232C、USB1.1またはUSB2.0仕様により通信することができる。インタフェース130は、構成要素から高速データ・ハブ112への通信を多重化する。インタフェース130を通してのセルフ・チェックアウト・ステーション構成要素とハブ112の間の通信は、構成要素がサポートする速度で行われる。例えば、RS−232C仕様で通信する硬貨受領装置は、この仕様によりサポートされている速度でメッセージを送受信し、一方、USB1.1仕様で通信する構成要素は、この仕様によりサポートされている速度でメッセージを送受信する。メッセージが高速ハブ108に到着すると、メッセージをネットワーク・ハブ108を通して中央プロセッサにもっと速いデータ速度で送信することができ、セルフ・チェックアウト構成要素宛のメッセージは、チェックアウト・ステーション110内の内部通信のためのハブ112に到着するまで、速いデータ速度で提供される。同様に、ハブ112と、モニタ34、キーボード38のようなハブ112と結合しているチェックアウト・ステーション構成要素のうちの1つ、または任意のUSB装置140、またはUSBポート144と結合している装置との間の通信は、構成要素の速度のままである。
【0020】
図2に示すように、小売現場102のところのセルフ・チェックアウト・ステーションは、ネットワーク118を通して、セルフ・チェックアウト・ステーションから離れている場所114に位置する介入サービス・ステーション120、120、120および120のうちの1つと通信することができる。介入サービス・ステーション120に送られた動作データは、図3に示すようなセルフ・チェックアウト・ステーションの構成要素が生成した動作データを含む。さらに、セキュリティ・カメラ56は、消費者が、セルフ・チェックアウト・ステーションを作動するために立っているチェックスタンド・エリアの映像データを生成する。また、セルフ・チェックアウト・ステーションは、ビデオ・カメラ56に内蔵されているか、またはチェックスタンド18に内蔵されているマイクロフォンを含むことができる。マイクロフォンは、音声データを提供するためにデジタル化することができる音声信号を生成する。
【0021】
システム100内の各セルフ・チェックアウト・ステーション110は、動作データ・メッセージを生成し、ハブ108を通して通信するサーバ104からデータを要求する。セルフ・チェックアウト・ステーション110が介入イベントを検出した場合には、セルフ・チェックアウト・ステーションに対する制御アプリケーションの介入イベント評価装置が、介入イベント識別子およびイベントに対する時間を生成する。次に、制御アプリケーションは、介入要求を生成すべきか否かを判定する。この判定は、介入イベントが検出されてからの経過時間をベースとして行うことができる。経過時間を計算し、その結果をしきい値と比較することにより、制御アプリケーションは、経過時間がしきい値を超えた場合に介入要求を生成する。現場の店員の助けを借りることができないこと、またはセルフ・チェックアウト・ステーションとの物理的相互作用を必要としないイベントに対応するイベント識別子のような介入要求を生成するために、他の基準を使用することもできる。介入要求が生成されると、制御アプリケーションは、キュー・マネージャ116に対応する要求に対する宛先アドレスを識別する。セルフ・チェックアウト・ステーション110内の高速ハブ112は、ネットワーク118を通して遠隔地114のところのキュー・マネージャ116に経路指定されるハブ108に介入要求を送信する。
【0022】
キュー・マネージャ114は、遠隔地114のところの次に使用できる介入サービス・ステーション120に介入要求を経路指定する。キュー・マネージャが介入要求に介入ステーション120を割り当てると、キュー・マネージャは、介入サービス・ステーションと介入要求を生成したセルフ・チェックアウト・ステーションとの間のセッションを開く。その後で、セルフ・チェックアウト・ステーションから受信したメッセージが、介入イベントが解決してセッションが終了するまで、同じ介入サービス・ステーションに経路指定される。
【0023】
介入サービス・ステーション120のところでは、介入イベントおよびイベントが発生したセルフ・チェックアウト・ステーションの位置を識別する表示が、介入要求から生成される。ステーション120は、自動的にまたはオペレータの相互作用を通してセルフ・チェックアウト・ステーションから映像および音声データを要求することができる。このデータ要求は、ネットワーク118でキュー・マネージャ116を通して、またハブ108を通して介入要求を生成したセルフ・チェックアウト・ステーション110に送られる。好適には、セルフ・チェックアウト・ステーション110は、データ上に書き込む前にカメラ56からの映像データをバッファするための映像データ・バッファを含むことが好ましい。このバッファにより、セルフ・チェックアウト・ステーション110は、発生した場合、そのイベントの映像データを保持することができる。介入サービス・ステーション120に映像ストリームを送ることにより、オペレータはイベントを見ることができる。セルフ・チェックアウト・ステーションから提供されたこれらの映像データおよび動作データにより、オペレータは、セルフ・チェックアウト・ステーションの状態を容易に評価することができ、イベントを解決するための一連の行動を容易に定式化することができる。
【0024】
イベントを解決するために、介入サービス・ステーション120のオペレータは、グラフィック・ユーザ・インタフェース等を通して、ステーションにセルフ・チェックアウト・ステーションを作動するためのチェックアウト・ステーション・コマンドを生成させる。これらのコマンドは、実行のためにセルフ・チェックアウト・ステーションに送信される。これらのコマンドの実行へのフィードバックは、セルフ・チェックアウト・ステーションおよび/またはセルフ・チェックアウト・ステーションが生成した映像および音声データから送られた動作データを通して入手される。これら種々のデータから、介入サービス・ステーションのオペレータは、イベントが解決したこと、それ故、セルフ・チェックアウト・ステーションとの通信セッションを終了することができることを判断することができる。オペレータが現場の店員の介入が必要であると判断した場合には、オペレータは、このような店員に、ページャ、無線VoIP電話呼出し、携帯電話呼出し、3色インジケータ54の赤ランプを点灯するためにセルフ・チェックアウト・ステーション・コマンド等により信号を送ることができる。また、信号は、この問題のオペレータの識別、および現場のイベントを解決するために店員が取るべき行動を含むことができる。
【0025】
介入イベントによる消費者のいらいらをさらに解消するために、介入サービス・ステーションのところにビデオ・カメラおよびマイクロフォンを設置することができる。このカメラおよびマイクロフォンは、消費者と人的相互作用を行うために、オペレータの顔の映像データおよびオペレータの声の音声データを提供する。このようにして、消費者は、店員がイベントを解決しようとしていること、またイベントについて消費者の説明を聞くことを認識する。このタイプの相互作用により、消費者が、イベントの解決方法を機械との素っ気ない相互作用であると認識する可能性が少なくなる。代わりに、消費者は、セルフ・チェックアウト・ステーションのところで発生した問題を解決するのに誰かを利用できると感じる。また、この感じにより、セルフ・チェックアウト・ステーションのところのセキュリティが絶えず警戒を怠っていないという感じをさせる一助になり、また消費者が自分が、検出されないでチェックアウト・ステーションのところで、あるタイプの詐欺を行うことができないと思わせる一助になる。
【0026】
図2のネットワーク118は、ワイド・エリア・コンピュータ・ネットワーク(WAN)または他の通信ネットワークであってもよい。WANは、小売商人のセルフ・チェックアウト・ステーションだけを、1つまたは複数の遠隔地の介入サービス・ステーションと結合する閉じたネットワークであってもよい。また、WANは、公衆通信網を提供するインターネットのようなオープン・ネットワークであってもよい。データのセキュアな通信を確実に行うために、データ・ハブ108およびキュー・マネージャ116は、データ暗号および解読モジュールを備えることができる。これらのモジュールは、セルフ・チェックアウト・ステーションと介入サービス・ステーションとの間で通信したデータを暗号化し解読するための、RSAまたは他の公開/秘密鍵スキームのような周知のデータ暗号化および解読方法を使用することができる。
【0027】
図4は、上記システム100により実施することができる方法である。この方法は、介入イベントを検出するセルフ・チェックアウト・ステーションから開始することができる(ブロック200)。セルフ・チェックアウト・ステーションの制御アプリケーションは、介入要求を生成すべきか否かを判定する(ブロック204)。要求を生成しない場合には、アプリケーションは、要求を生成するためのしきい値条件に達するまで待機する。要求が生成されると、要求は解決のための介入サービス・ステーションに送信される(ブロック208)。また、セルフ・チェックアウト・ステーションは、介入イベントを分析するために介入サービス・ステーションに、動作、映像および音声データを送信する(ブロック210)。介入サービス・ステーションのところのオペレータは、ステーションに、イベントを解決する目的で、セルフ・チェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、送信させる(ブロック214)。セルフ・チェックアウト・ステーションは、介入サービス・ステーションから受信したコマンドを実行する(ブロック218)。セルフ・チェックアウト・ステーションは、オペレータがイベントが解決され、もう他のコマンドは必要ないと判断するまで、介入サービス・ステーションに映像、音声および動作データを引き続き送信する(ブロック220)。イベントが解決すると、介入サービス・ステーションとセルフ・チェックアウト・ステーションとの間の通信セッションが終了する(ブロック224)。
【0028】
動作中、複数のセルフ・チェックアウト・ステーション、チェックアウト・ステーションまたは遠隔地に店員がいるステーションは、セルフ・チェックアウト・ステーションのところで介入イベントを解決するための介入要求を生成する制御アプリケーションの提供を受ける。セルフ・チェックアウト・ステーションは、ネットワークを通して複数の介入サービス・ステーションと結合している。その後で、介入要求を生成すべきか否かを判定するために、制御アプリケーションにより介入イベントが評価される。介入要求が生成されると、介入要求は、介入サービス・ステーションに送信される。セルフ・チェックアウト・ステーションが生成した動作データと一緒のセルフ・チェックアウト・ステーションからの映像および音声データは、介入サービス・ステーションに送信される。介入イベントを解決し、または現場の人にイベントの解決を知らせるために、これらのデータは、介入サービス・ステーションのところのオペレータにより使用される。また、オペレータの映像および音声データは、消費者に人によりイベントが解決中であることを知らせるために、セルフ・チェックアウト・ステーションに提供することができる。
【0029】
上記システムおよび方法は、小売現場にもっと多くのセルフ・チェックアウト・ステーション店員を配備しなくても、セルフ・チェックアウト・ステーションのところでの介入イベントの解決を強化する。実際には、介入サービス・ステーションが生成した現場の店員の信号を処理するための指定の従業員以外には現場の店員は必要ではない。遠隔地の店員は、1つまたは複数の遠隔地に配備することができ、遠隔地のところの介入サービス・ステーションは、異なる小売現場に位置するセルフ・チェックアウト・ステーションのところでイベントを解決することができる。このようにして、セルフ・チェックアウト・ステーションの監視を集中的に行うことができ、セルフ・チェックアウト・ステーションを使用する有意のコスト分を、ローカル小売現場の動作から低減または除去することができる。
【0030】
例示としてのプロセスおよびシステム構成要素により本発明を説明し、種々のプロセスおよび構成要素をかなり詳細に説明してきたが、本出願人は、添付の特許請求の範囲をこれに限定するつもりはない。当業者であれば他の利点および修正を容易に思い付くことができるだろう。それ故、最も広義の態様での本発明は、特定の詳細、実施、または図示し説明した説明のための例に限定されない。それ故、出願人の一般的発明概念の精神および範囲から逸脱することなしに、このような詳細を種々に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】セルフ・チェックアウト・ステーションで起きる介入イベントを解決するための遠隔介入サービス・ステーションと通信することができるセルフ・チェックアウト・ステーションの斜視図である。
【図2】図1のセルフ・チェックアウト・ステーションで発生する介入イベントを遠隔地から解決するためのシステムのブロック図である。
【図3】遠隔介入サービス・ステーションと通信することができるセルフ・チェックアウト・ステーションのブロック図である。
【図4】図2のシステムにより実施することができる方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地からチェックアウト・ステーションの動作に介入するためのシステムであって、
小売現場に位置するチェックアウト・ステーションと、
前記チェックアウト・ステーションのところに装着されているビデオ・カメラおよびマイクロフォンと、
前記ビデオ・カメラおよびマイクロフォンから映像および音声データを収集し、前記チェックアウト・ステーションから動作データを収集するためのデータ・ハブと、
前記データ通信装置から映像、音声および動作データを受信するための介入サービス・ステーションであって、前記小売現場から離れたところに位置する介入サービス・ステーションとを備え、
前記介入サービス・ステーションのところのオペレータが、前記チェックアウト・ステーションの動作に介入することができるように、前記介入サービス・ステーションが、前記データ通信装置から受信した前記動作データに応じて、前記チェックアウト・ステーションにチェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、送信するためのチェックアウト・ステーション・コマンド発生器を含むシステム。
【請求項2】
前記チェックアウト・ステーションが、
前記データ・ハブが前記介入サービス・ステーションに、前記映像、音声および動作データを送信するか否かを判定するための遠隔介入評価装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チェックアウト・ステーションが、
イベントの時間を含む介入要求を生成するための介入イベント要求発生器と、
前記映像、音声および動作データが、前記介入サービス・ステーションに送信されるか否かを判定するために、イベントの時間からの経過時間を計算するための遠隔介入評価装置とをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記小売現場から離れた場所に位置する複数の介入サービス・ステーションと、
前記複数の介入サービス・ステーションと前記チェックアウト・ステーションとの間に結合されている介入キュー・マネージャであって、前記複数の介入サービス・ステーションのうちのどれが介入要求を受信するのかを判定するための介入キュー・マネージャとをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記データ通信装置および前記介入サービス・ステーションが、それぞれ、
通信のための前記映像、音声および動作データのセキュリティを確保するためのデータ暗号化および解読モジュールを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記介入サービス・ステーションが、
前記チェックアウト・ステーションに送信するためのオペレータの映像および音声データを生成するためのビデオ・カメラおよびマイクロフォンと、
前記生成したチェックアウト・ステーション・コマンドと一緒に前記チェックアウト・ステーションに送信される前記映像および音声データを収集するためのデータ・ハブとをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
複数の小売現場に位置している複数のチェックアウト・ステーションであって、前記複数のチェックアウト・ステーションのうちの1つのチェックアウト・ステーションからの介入要求が、前記複数の介入サービス・ステーションのうちの1つの介入サービス・ステーションにより受信されるように、前記複数の介入サービス・ステーションと結合している複数のチェックアウト・ステーションをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記小売現場から離れて位置する複数の介入サービス・ステーションと、
前記複数の介入サービス・ステーションと前記チェックアウト・ステーションとの間に結合している介入キュー・マネージャであって、前記複数の介入サービス・ステーションのうちのどれが介入要求を受信するのかを判定するための介入キュー・マネージャとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
複数の小売現場に位置している複数のチェックアウト・ステーションであって、前記複数のチェックアウト・ステーションのうちの1つのチェックアウト・ステーションからの介入要求が、前記複数の介入サービス・ステーションのうちの1つの介入サービス・ステーションにより受信されるように、前記複数の介入サービス・ステーションと結合している複数のチェックアウト・ステーションをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
遠隔地からチェックアウト・ステーションの動作に介入するための方法であって、
小売現場に位置するチェックアウト・ステーションのところで映像、音声および動作データを生成するステップと、
前記チェックアウト・ステーションから前記映像、音声および動作データを送信するステップと、
前記小売現場から離れた場所に位置する介入サービス・ステーションのところの前記チェックアウト・ステーションから前記映像、音声および動作データを受信するステップと、
前記介入サービス・ステーションのところのオペレータが、前記チェックアウト・ステーションの動作に介入することができるように、前記セルフ・チェックアウト・ステーションから受信した前記動作データに応じて、チェックアウト・ステーション・コマンドを生成し、前記チェックアウト・ステーションに送信するステップとを含む方法。
【請求項11】
介入イベントが、前記チェックアウト・ステーションのところで発生したと判定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
イベントの時間を含む介入要求を生成するステップと、
介入イベントが発生したか否かを判定するために、イベントの時間から経過時間を計算するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記小売現場から離れた場所に位置する複数の介入サービス・ステーションのうちのどの介入サービス・ステーションが介入要求を受信するのかを判定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
通信のためのデータのセキュリティを確保するために、前記映像、音声および動作データを暗号化し、解読するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記チェックアウト・ステーションに送信するために前記介入サービス・ステーションのオペレータの映像および音声データを生成するステップと、
前記生成したチェックアウト・ステーション・コマンドと一緒に前記オペレータの前記映像および音声データを送信するステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のチェックアウト・ステーションのうちの1つのチェックアウト・ステーションからの介入要求が、前記複数の介入サービス・ステーションのうちの1つの介入サービス・ステーションにより受信されるように、複数の小売現場に位置する複数のチェックアウト・ステーションを、前記複数の介入サービス・ステーションと結合するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記小売現場から離れて位置する複数の介入サービス・ステーションのうちのどの介入サービス・ステーションが介入要求を受信するのかを判定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のチェックアウト・ステーションのうちの1つのチェックアウト・ステーションからの介入要求が、前記複数の介入サービス・ステーションのうちの1つの介入サービス・ステーションにより受信されるように、複数の小売現場に位置する複数のチェックアウト・ステーションを前記複数の介入サービス・ステーションと結合するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate