説明

セルラー搬送波を用いた監視及び報告システム

【課題】本発明は、自動販売機の複数の小ユニット中の1つと関連するメモリ内にあるソフトウェアコードを修正、補足または交換する方法に関する。
【解決手段】複数のセルラー搬送波のうちの1つを使用して中央局と通信できる自動販売機(2,4,6)は遠隔測定装置(22)を含む。遠隔測定装置は、セルラー送受信機と、ディジタルシグナルプロセッサ式モデム(44)と、各セルラー搬送波のためのプロトコルに対応するソフトウェアを格納するメモリ(42)とを含む。自動販売機の小ユニットと関連するメモリにあるソフトウェアコードは、セルラー搬送波を使用して遠隔局から遠隔測定装置へソフトウェアの断片を送信し、遠隔測定装置でソフトウェアコードの断片を組み立て、組み立てられたソフトウェアコードを小ユニットのうちの指定された小ユニットへ中継することによりアップグレードさもなければ修正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、セルラー搬送波を用いた監視及び報告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の形態の監視及び報告システムが自動販売機に組み付けられていることがある。これらのシステムは、特に、在庫変化、保守要求事項、サービス呼び出し、代金受け取り、特定商品の要求、販売状況、種々のアラーム状態等の、販売機内の種々の事象の定期的な監視及び報告を提供することができる。
【0003】
監視及び報告システムの中には、離れた場所で多数の自動販売機からのデータを受信する中央コンピュータ複合体を含むものがある。このようなシステムでは、たとえば、標準的な電話線または無線通信の使用により、中央コンピュータと個別の自動販売機間で通信リンクが確立される。予め決められた時間間隔において、各自動販売機は、通信リンクにアクセスし、中央コンピュータを呼び出す。通信が確立されると、自動販売機は、その状態の関連情報を送信することができる。このようなシステムは、無用なサービス呼び出しをなくすのを助けることができ、より良い供給ルート計画を促進する。監視及び報告システムは、販売増加ばかりでなく会計監査の実施の改善に導くことができる。
【0004】
セルラー通信システムの使用は、陸上電話線や他の無線リンクに勝るいくつかの利点があるので、一般的な遠隔通信に関してますます普及するようになった。自動販売機監視及び報告システムにこのような通信システムを使用するのを拡張するのが望ましい。
【0005】
しかしながら、現在、セルラーデータ通信システムに関して多数のセルラー搬送波が存在している。これらの搬送波は、たとえば、RAM Mobitex、ARDIS/DATA−TAC、セルラー ディジタル パケット データ(CDPD)及び回路切換式セルラー(CSC)を含む。これらのシステムは各々、信号を送受信するための異なる周波数または周波数範囲ばかりでなくそれ自身のプロトコルを使用して動作する。したがって、たとえば、CDPD及びCSCは、824〜849メガヘルツ(MHz)の範囲の送信周波数と869〜894MHzの範囲の受信周波数で動作する。一方、RAM Mobitexは、896〜902MHzの範囲の送信周波数と935〜941MHzの範囲の受信周波数を使用する。ARDIS/DATA−TACは、806〜849MHzの送信周波数と851〜869MHzの受信周波数を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
あるセルラー搬送波の他のセルラー搬送波に対する実際のもしくは認知されている利点または欠点に基づいて、自動販売機ネットワークの所有者または運営者は、特定のセルラー搬送波を選んで、自動販売機監視及び報告システムを維持するのを望むことができる。しかしながら、システムにおける各自動販売機は、特定のセルラー搬送波プロトコルにしたがって指定された周波数範囲を使用して情報を送受信できる遠隔測定装置で設計されなければならない。この必要条件は、自動販売機監視および報告システムにおける機械が互いに異なり得るので、さらに複雑になっている。したがって、多数のセルラー搬送波のどれか1つと共に使用するのに適合し、かつ異なるタイプの自動販売機に容易に組み込むことができる標準的な自動販売機遠隔測定装置を提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[発明の概要]
一般に、一態様では、本発明は、監視システムにおいて使用される遠隔測定装置を特徴とする。この遠隔測定装置は、セルラー送受信機と、ディジタルシグナルプロセッサ式モデムと、複数のセルラー搬送波のためのプロトコルに対応するメモリ格納ソフトウェアとを含む。遠隔測定装置は、セルラー搬送波中の第1のセルラー搬送波を使用する中央局に監視情報を提供するように構成することができ、また、第1のセルラー搬送波を使用して中央局から受信される信号に応答して、続いてセルラー搬送波中の第2のセルラー搬送波を使用して信号を送受信するように再構成することができる。
【0008】
他の態様では、本発明は、多数のセルラー搬送波中のどれか1つを使用して中央局と通信できる自動販売機を特徴とする。この自動販売機は、セルラー送受信機と、ディジタルシグナルプロセッサ式モデムと、各セルラー搬送波のためのプロトコルに対応するメモリ格納ソフトウェアとを有する遠隔測定装置を含む。遠隔測定装置は、セルラー搬送波中の第1のセルラー搬送波を使用して中央局から受信される信号に応答し、続いてセルラー搬送波中の第2のセルラー搬送波を使用して信号を送受信するように再構成することができる。また、本発明は、上述のように、中央局と複数の自動販売機とを含む監視及び報告システムを特徴とする。
【0009】
種々の実行の際、本発明は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含む。自動販売機は、自動販売機内で起こって監視される事象に対応するデータを累積するように構成されたプロセッサを含むことができる。ディジタルシグナルプロセッサ式モデムは、セルラー送受信機により中央局に累積データを送信するように構成される。プロセッサは、自動販売機に預けられたお金及び自動販売機から返却されるお金に対応するデータや、自動販売機内の在庫のデータや、自動販売機のアラーム状況に対応するデータや、他の自動販売機データを累積するように構成することができる。
【0010】
セルラー送受信機は、セルラー搬送波中の選択された1つのセルラー搬送波の周波数範囲内の信号を送受信するように調整される周波数帯域フィルタを含むことができる。セルラー送受信機は、各々少なくとも1つの関連する可変周波数帯域フィルタを有する送信機及び受信機を含むことができる。周波数帯域フィルタは、たとえば、多重表面音波フィルタまたは電圧調整式帯域通過フィルタを含むことができる。
【0011】
セルラー送受信機は、アンテナと、送信機と、受信機と、セルラー送受信機が半二重通信搬送波を使用して信号を送受信できるように構成されたスイッチまたはセルラー送受信機が二重通信搬送波を使用して信号を送受信できるように構成された二重通信装置とを含むことができる。また、セルラー送受信機は、二重通信搬送波及び半二重通信搬送波の両方で送受信できるように構成することもできる。
【0012】
また、本発明は、中央局と、遠隔測定装置を含む自動販売機との間で情報を通信する方法を特徴とする。この方法は、第1のセルラー搬送波を使用して、中央局から自動販売機へ第2のセルラー搬送波に対応する識別コードを送信するステップと、送信ステップに応答して、第2のセルラー搬送波を使用して中央局への及び中央局からの後続の通信を送受信するように自動的に遠隔測定装置を再構成するステップとを含む。
【0013】
自動販売機からのデータは、累積され、第2のセルラー搬送波を使用して中央局へ送信される。
【0014】
さらに、遠隔測定装置の再構成は、遠隔測定装置のメモリに格納されたソフトウェアコードにアクセスすることを含むことができ、格納されたソフトウェアコードは、第2のセルラー搬送波と共に使用するためのプロトコルに対応している。また、遠隔測定装置の再構成は、遠隔測定装置のセルラー送受信機と関連する帯域通過フィルタを調整するステップを含む。このフィルタは、送受信機が、第2のセルラー搬送波に対応する周波数の情報を送受信するように整えられている。
【0015】
一般に、他の態様において、本発明は、自動販売機の複数の小ユニット中の1つと関連するメモリ内にあるソフトウェアコードを修正、補足または交換する方法を特徴とする。この方法は、あるセルラー搬送波を使用して遠隔局から自動販売機の遠隔測定装置へソフトウェアコードの断片を送信するステップと、遠隔測定装置でソフトウェアコードを組み立てるステップと、組み立てたソフトウェアコードを自動販売機の小ユニット中の指定された小ユニットへ中継するステップとを含む。
【0016】
種々の実行において、本発明は、以下の特徴のうちの1つまたはそれ以上を特徴とする。組み立てられたソフトウェアは、たとえば、コインメカニズム、紙幣検査装置または電子金銭装置に中継され、コインメカニズム、紙幣検査装置または電子金銭装置の既存のソフトウェアを更新することができる。また、組み立てられたソフトウェアは、自動販売機の自動販売動作制御システムに中継され、自動販売動作制御システムの既存のソフトウェアを更新することができる。さらに、この方法は、自動販売機における他の小ユニットと関連するソフトウェアコードをアップグレードまたは修正するのに使用することができる。
【0017】
関連する態様では、本発明は、自動販売機中のソフトウェアコードを修正、補足または交換する方法を特徴とする。この方法は、あるセルラー搬送波を使用して遠隔局から自動販売機の遠隔測定装置へソフトウェアコードの断片を送信するステップと、遠隔測定装置でソフトウェアコードの断片を組み立てるステップと、少なくとも一部の旧ソフトウェアコードがもはや後続の自動販売機動作中アクセスされないように、自動販売機を再構成するステップとを含む。
【0018】
この方法は、自動販売機の現在未使用のメモリバンクに組み立てられたソフトウェアコードを格納するステップと、旧ソフトウェアコードと組み立てられたソフトウェアコードを含むメモリバンクを交換するステップを含むことができる。さらに、遠隔測定装置の動作に関連するソフトウェアコードさえも、アップグレードされたソフトウェアコードと交換することができる。
【0019】
さらに他の態様では、本発明は、あるセルラー搬送波を使用して中央局と通信できる自動販売機を特徴とする。この自動販売機は、ディジタルシグナルプロセッサ式モデムに接続されたセルラー送受信機と、セルラー送受信機に接続されたアンテナを有する遠隔測定装置を含む。自動販売機は、さらに、遠隔測定装置に接続された、人間が知覚できるインジケータも含む。人間が知覚できるインジケータと関連する信号は、アンテナによる信号受信の品質を表す。
【0020】
ある実行時、発光素子は、受信機信号強度指示に応じて遠隔測定装置で制御される点滅速度を有する発光ダイオードとすることができる。
【0021】
また、本発明は、あるセルラー搬送波を使用して中央局と通信できる自動販売機をサービスする方法を含み、この自動販売機は、セルラー送受信機と、セルラー送受信機に接続されたアンテナを有する遠隔測定装置を含む。この方法は、セルラー送受信機において外部信号を受信するステップと、受信信号に基づいて遠隔測定装置において受信信号強度指示を発生するステップと、受信信号強度指示に基づいて発光素子の点滅速度を制御するステップと、点滅速度に基づいてアンテナを位置決めするステップとを含む。
【0022】
さらなる態様において、本発明は、あるセルラー搬送波を使用して中央局と通信できる自動販売機であって、平面アンテナに接続されたセルラー送受信機と、自動販売機において起こって監視された事象に対応するデータを累積するように構成されたプロセッサと、セルラー送受信機及びプロセッサに接続されたディジタルシグナルプロセッサ式モデムとを含む自動販売機を特徴とする。ディジタルシグナルプロセッサ式モデムは、セルラー送受信機で累積データを中央局へ送信するように構成されている。平面アンテナは、自動販売機の上部または側部の内側に設計することができる。
【0023】
種々の実行時、本発明は、以下の利点のうちの1つまたはそれ以上を提供する。たとえば、自動販売機は、異なるセルラー搬送波を使用して遠隔場所へ累積データを、たとえば、上記搬送波を使用する相対コストに依存するまたは上記搬送波が提供する種々の他の利点に依存する異なる時間に報告することができる。搬送波の変更は、サービスマンによる現場呼び出しなしに遠隔に実行することができる。したがって、本発明により、搬送波を望ましい回数切り換えることができる。
【0024】
また、本発明は、自動販売機機能と関連するソフトウェアコードを遠隔的にアップグレードするかさもなければ修正または交換する技術を提供する。また、ソフトウェアのアップグレードは、サービスマンが各自動販売機を訪問する必要なしに多数の自動販売機で実行することができる。したがって、ソフトウェアのアップグレードまたは変更は、自動販売機動作の改善とより良い顧客の満足とを提供するようにより迅速に行われる。さらに、ソフトウェアのアップグレードは、通常の自動販売動作の最小の中断を伴って実現される。
【0025】
上述され、以下にさらに詳細に説明される技術は、サービスマンのより効率的な利用を提供することができると共に、自動販売機ネットワークと関連する情報収集の品質を改善することができる。
【0026】
また、本発明は、自動販売機へ現場訪問を行う必要がある場合にアンテナ受信困難を修正するサービスマンを助ける技術を提供する。加うるに、平面アンテナの使用は、アンテナの偶発的な損傷を軽減できるばかりでなく、アンテナの破壊の見込みを軽減することができる。さらに、平面アンテナの使用は、自動販売機の全体外観を損なわない。
【0027】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による自動販売機監視及び報告システムのブロック図である。
【図2】本発明による遠隔測定装置および自動販売機インターフェース基板のブロック図である。
【図3】本発明による自動販売機から中央局へ情報を報告する方法のフローチャートである。
【図4】自動販売機の遠隔測定装置と中央局間で情報を送るのに使用されるセルラー搬送波を切り換える方法のフローチャートである。
【図5】本発明によるセルラー送受信機の一実施例を示す。
【図6】本発明による遠隔測定装置を含む自動販売機の選択された小ユニットを示す機能ブロック図である。
【図7】本発明による自動販売機の小ユニットまたは遠隔測定装置のうちの1つにあるソフトウェアまたは他のコードをアップグレードする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[好適な実施例の説明]
図1は、各々が以下により詳細に説明される遠隔測定装置を含む複数の自動販売機2、4及び6を示す。以下の説明で用いられているように、用語“自動販売機"は、ATM機やキオスク等のサービスを提供する機械ばかりでなく、飲物、スナック、キャンディ、化粧品、おもちゃまたは他の品物の自動販売機を含むが、これらに限らない。自動販売機2、4及び6は、移動電話交換局(MTSO)14で接続されたいくつかのセルラーネットワーク10,12のうちの1つを介して遠隔の中央コンピュータ端末または情報管理システム8と通信することができる。各セルラーネットワーク10,12は、いくつかのセルラー搬送波、すなわちネットワークプロバイダ中の異なるものと関連している。各セルラーネットワーク10、12は、受信信号を再送信することができる1つ以上のセルサイトを含む。
【0030】
情報管理システム8は、種々の自動販売機2、4及び6からの状態報告を定期的に受信し、受信情報を処理する中央監視端末として機能する。また、情報管理システム8は、以下にさらに説明されるように、自動販売機2、4及び6からの状態報告を要求し、他の機能、たとえば、あるセルラー搬送波から他のセルラー搬送波への切り換えや自動販売機のソフトウェアコードの修正を実行するように自動販売機に命令することができる。図1に示されるように、情報管理システム8は、モデム18及びコンピュータ20を含む。しかしながら、このモデムは、情報管理システム8から独立させることができる。また、いくつかの実行においては、情報管理システム8は、複数のコンピュータまたはプロセッサを含む。
【0031】
図2は、自動販売機のどれか、たとえば自動販売機2に組み込むことができる遠隔測定装置22のブロック図を示す。また、顧客仕様の回路基板が、自動販売機2の種々の他の構成要素と遠隔測定装置22の間のインターフェースとして備えられている。
【0032】
回路基板24の設計は、それが使用されるべき特定の自動販売機2に適合するように調整することができる。回路基板24の入力ポートは、自動販売機内で生じる選択された信号または他の事象を監視するための自動販売機内の場所に接続されている。一般に、回路基板24は、いくつかが単一事象の発生に関連しておりまたいくつかが事象の組み合わせまたは連続に関連している、種々の信号を監視するように設計される。たとえば、選択された商品を分配するのに使用されるそれぞれの販売用モータまたはソレノイドは監視され、どの商品が販売されているかの指示を提供することができる。販売モータまたはソレノイド信号は、たとえば、参照によりその全体がここに含まれる米国特許第4,412,292号に開示されているようにAC光アイソレータ28を介してマルチプレクサ30へ供給される。また、販売状態及び電源入力と、“販売"指示信号と、“修正−変更専用"信号と、“販売リレー"信号と、他の選択されたAC信号も、AC光アイソレータを介してマルチプレクサ30に供給される。同様に、自動販売機2からの他の信号は、たとえば上述の米国特許第4,412,292号に開示されているように、DC光アイソレータ32を介してマルチプレクサ30へ供給される。これらのDC信号は、種々の金種のコインが自動販売機に入れられた時やコインが自動販売機2からつり銭として返却された時、コインチェンジャメカニズムで発生する信号を含む。さらに、他のAC及び/またはDC信号つまり自動販売機の事象は、監視及び報告システムの特定の目標に依存して監視することができる。一般に、監視された信号は、いずれかの所定時間における種々のアラームまたは他の状態ばかりでなく、自動販売機の商品在庫状態及び自動販売機内の通貨量も判定する能力を提供する。
【0033】
回路基板24の出力ポートは、遠隔測定装置22の入力への標準化接続を提供するように設計される。一実施例では、回路基板24のマルチプレクサ30からの出力は、遠隔測定装置22の処理モジュール36に直接供給される。このような実施例では、自動販売機内で起こって監視された信号の処理は、回路基板24よりむしろ遠隔測定装置22で生じる。これにより、回路基板24は、簡単な設計を用いて比較的安価に製造することができる。
【0034】
遠隔測定装置22は、処理モジュール36及びセルラー送受信機38を含む。処理モジュール36は、マイクロプロセッサ40、メモリ42及びディジタルシグナルプロセッサ式(DSP式)モデム44を有する。1つの適切なDSP式モデムは、ユー・エス・ロボティクス(U. S. Robotics)社から市販されているモデルXJ1560である。メモリ42は、リードオンリーメモリ(ROM)等の不揮発性メモリとランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリを含む。メモリ42は、搬送波識別コード、遠隔測定装置22の電子的シリアルナンバー、システム識別コード等の情報を格納するための他の形態のメモリ、たとえば不揮発性ランダムアクセスメモリを含むことができる。加うるに、メモリ42は、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)等の”フラッシュメモリ”を含むこともできる。
【0035】
自動販売機2の信号は、回路基板24で監視されるとき、マイクロプロセッサ40に送られる。マイクロプロセッサ40は、ROM中に格納されているソフトウェアプログラムまたはコードにしたがって受信信号を累積、処理するように構成されている。マイクロプロセッサ40は、処理された信号に基づいて自動販売機2の状態に関する規定データをRAMに格納する。上述のように、一実施例では、格納されるデータは、自動販売機の在庫や自動販売機に貯蔵されている通貨量に関する。
【0036】
メモリ42ばかりでなくマイクロプロセッサ40にも接続されているDSP式モデム44は、いくつかの機能に役立つ。第一に、DSP式モデム44は、オーディオ信号処理機能を実行する。第二に、DSP式モデム44は、いくつかのセルラー通信プロトコルの中から予め選択されたプロトコルにしたがってモデムシグナリング機能を実行する。利用可能な通信プロトコルに対応するソフトウェアまたはコードは、メモリ42に含められるフラッシュメモリに格納されている。一実施例において、たとえば、メモリ42に格納されている利用可能なセルラー通信プロトコルは、CDPD、RAM Mobitex及びARDIS/DATA−TACを含む。また、DSP式モデム44は、それぞれ、発信データ信号及び着信データ信号に対するデータ圧縮及び圧縮解凍機能を実行する。マイクロプロセッサ40及びDSP式モデム44は、ディジタル入力及び出力線46と制御線48とによって接続されている。マイクロプロセッサ40およびDSP式モデム44は、独立した構成要素として図2に示されているが、1個の集積ユニットまたは集積回路チップとして構成することもできる。
【0037】
セルラー送受信機38は、送信機50及び受信機52を含む。一実施例において、送信機50は、利用可能なセルラー通信ネットワークと関連する受信周波数の全範囲を扱うことができるGaAsモノリシック集積回路である。他の標準的な送受信機のように、セルラー送受信機38は、UHF及びVHF電圧制御発振器を含む。しかしながら、いくつかの実施例においては、UHF電圧制御発振器の周波数範囲は、利用可能なセルラー搬送波と関連する送受信周波数範囲に依存して、たとえば、特別なバラクタ同調素子の追加によって調整される必要がある。
【0038】
アンテナ54は、送受信スイッチ56を介して送信機50および受信機52に接続され、RAM MobitexやARDIS/DATA−TAC等の半二重通信システムが使用されるのを可能にしている。送受信スイッチ56は、単極双投スイッチとすることができ、送信機50と受信機52間でアンテナ54の接続を切り換える。
【0039】
送信機50及び受信機52は各々、それぞれと関連する1つ以上の帯域通過フィルタ58,60を備えている。帯域通過フィルタ58,60は、個別のセルラー搬送波と関連する送信及び受信周波数範囲に対応するように自動的に切り換えまたは調整することができる。一実施例において、たとえば、帯域通過フィルタ58,60は各々、複数の表面音波フィルタからなる切り換え可能な帯域通過フィルタである。フィルタ58における表面音波フィルタの数は、利用可能なセルラー搬送波と関連する異なる送信周波数範囲の合計数に一致する。同様に、フィルタ60における表面音波フィルタの数は、利用可能なセルラー搬送波と関連する異なる受信周波数範囲の合計数に一致する。各表面音波フィルタは、指定周波数範囲の信号を通過させるように整えられている。指定周波数範囲外の信号は減衰させられる。
【0040】
表面音波フィルタと関連し、マイクロプロセッサ40で制御される切換回路は、適切な表面音波フィルタを、監視及び報告システムに使用されている特定のセルラー搬送波に依存して、それぞれ、送信機50と受信機52に接続する。この目的で、高速のシリアルリンク62が備えられ、マイクロプロセッサ40をセルラー送受信機38に接続する。シリアルリンク62を介して、制御信号を送ることができる。また、データパス64が備えられ、DSP式モデム44を、それぞれ、送信機50と受信機52に接続する。DSP式モデム44から送信機50への、及び受信機52からDSP式モデム44へのオーディオ信号は、データパス64を介して伝わる。
【0041】
他の実施例において、切り換え可能な帯域通過フィルタに代えて、電圧調整式帯域通過フィルタを、それぞれ、送信機50及び受信機52に接続しても良い。制御回路を介してバイアス電圧を印加することにより、フィルタは、特定のセルラーネットワークに対応する関連周波数範囲を監視及び報告システムで使用されるように調整することができる。バイアス電圧を調整する制御信号が、マイクロプロセッサ40からシリアルリンク62を介してセルラー送受信機38へ送られる。
【0042】
たとえば、遠隔測定装置22が、自動販売機に最初から据え付けられている場合は、DSP式モデム44は、利用可能なセルラー搬送波中の特定のセルラー搬送波、たとえばCDPDと関連するプロトコルを使用して動作するように構成されている。帯域通過フィルタ58,60は、このセルラー搬送波を使用して信号を送受信する周波数範囲に対応するように整えられている。たとえば、定期的に、24時間毎に一度、遠隔測定装置22は、自動販売機2から情報管理システム8へ前に累積された情報を報告する(図1)。この目的で、遠隔測定装置22は、クロックも含む。このクロックは、たとえば、マイクロプロセッサ40と関連する内部ソフトウェア信号とすることができる。かけがえとして、クロックとして外部チップを使用しても良い。
【0043】
図3は、一般に、利用可能なセルラー搬送波中のセルラー搬送波、たとえばCDPDを使用して情報を情報管理システム8へ報告する方法を示すフローチャートである。説明のため、セルラーネットワーク10が、CDPD搬送波と関連すると仮定される。
【0044】
図3においてステップ100で示されるように、指定時刻において、マイクロプロセッサ40は、制御信号をセルラー送受信機38に送り、セルラー送受信機38をオンにするかまたはパワーアップする。次に、ステップ102で示されるように、マイクロプロセッサ40は、DSP式モデム44に命令して、データの行き先番号をダイアルさせる。次に、ステップ104で示されるように、情報管理システム8の電話番号がメモリ42から読み出され、DSP式モデム44がその番号をダイアルする。次に、ステップ106で示されるように、発信音を受信後、DSP式モデム44は、CDPDプロトコルにしたがって通信中に使用されるべきデータ転送の速度及び他の特性について応答側モデムと取り決める。次に、ステップ108で示されるように、自動販売機から前に累積された情報が、ディジタルフォーマットでマイクロプロセッサからDSP式モデムへ転送される。
【0045】
次に、ステップ110で示されるように、DSP式モデム44は、ディジタルデータを圧縮し、圧縮したデータを標準プロトコルにしたがって分割する。たとえば、圧縮データを32バイト断片に分割するX.25プロトコルを使用することができる。また、ステップ112で示されるように、行き先情報が、圧縮、分割されたデータに追加される。次に、ステップ114で示されるように、DSP式モデム44は、このデータをオーディオ信号に変換し、送信機50に送る。次に、ステップ116で示されるように、送信機50は、セルラーネットワーク10を介してオーディオ信号を送信し、送信された信号は、続いて情報管理システム8で受信される。次に、ステップ118で示されるように、情報管理システム8が、1台以上の自動販売機からデータまたは他の情報を受信すると、システム8内のコンピュータ20は、たとえば、ソフトウェアプログラムにしたがってまたはユーザーコマンドに応じて、受信信号を格納し処理する。
【0046】
図3のフローチャートで示される方法は、遠隔測定装置22が通信と情報の転送を開始することを示しているが、情報管理システム8が、同様に、遠隔測定装置22と通信し、遠隔測定装置22がマイクロプロセッサ40に累積されたデータを転送するように要求することもできる。また、図1では、1つだけの情報管理システム8が示されているが、いくつかの実施例では、遠隔測定装置22は、たとえば、構内ネットワークまたは広域ネットワークを含むことができる複数の中央局またはホストと通信する。
【0047】
加うるに、一実施例においては、自動販売機2、4及び6は各々、遠隔測定装置を含み、他の自動販売機と無関係に、累積された自動販売機データを報告する。しかしながら、コストを減らすために、各々が処理モジュール36を含む数台の自動販売機は、1台にある1つのセルラー送受信機38にリンクすることができる。
【0048】
図4は、自動販売機、たとえば自動販売機2の遠隔測定装置22と、情報管理システム8の間で情報を送信するのに使用されるセルラー搬送波を変更する方法を示すフローチャートである。説明の目的で、監視及び報告システムが、現在第1のセルラー搬送波を使用中であり、第2のセルラー搬送波に切り換えるように命令されると仮定される。ソフトウェアプログラムまたはコードは、第1及び第2のセルラー搬送波のプロトコルに対応し、メモリ42に格納される。
【0049】
図4のステップ130で示されるように、情報管理システム8は、DSP式モデム44とのクローズドセションを開始する。関連ヘッダは、クローズドセションが開始されていることをDSP式モデム44に警告する。ステップ132で示されるように、第1のセルラー搬送波を使用して、情報管理システム8は、第2の搬送波に対応する搬送波識別コードとシステム識別コードとを送信する。いくつかの実施例において、情報管理システム8は、遠隔測定装置に対応する電子シリアルナンバーも送信する。電子シリアルナンバーは、遠隔測定装置が第2のセルラー搬送を使用して情報を送信する時に、それを識別するのに使用される。ステップ134で示されるように、新たな搬送波識別コード及びシステム識別コードの受信に基づき、DSP式モデム44は、情報管理システム8との後続の通信が第2のセルラー搬送波を使用するように、自動的に再構成される。特に、DSP式モデム44は、後続の通信中、第2のセルラー搬送波のプロトコルに対応する、メモリ42に格納されているコードを使用する。さらに、ステップ136で示されるように、それぞれ、送信機50及び受信機52と関連する帯域通過フィルタ58,60は、第2のセルラー搬送を使用して信号を送受信するのに適切な周波数範囲に対応するように再構成される。次に、ステップ138で示されるように、初期化またはセットアップルーチンの一部として、DSP式モデム44は、試験パケットを第2のセルラー搬送波を使用して情報管理システム8へ送る。この試験パケットは、第2のセルラー搬送波に対応し、メモリ42に格納されているプロトコルにしたがって送信される。次に、ステップ140で示されるように、情報管理システム8は、試験パケットを受信し、受取通知メッセージを第2のセルラー搬送を使用して遠隔測定装置22へ送信する。遠隔測定装置22が、その試験パケットの送信に続いて予め決められた時間内に受け取り通知メッセージを受信した場合は、ステップ142で示されるように、遠隔測定装置22と情報管理システム8間の後続の通信は、第2のセルラー搬送波と関連するプロトコル及び周波数にしたがって処理される。一方、受取通知メッセージが予め決められた時間内に受信されなかった場合は、ステップ144で示されるように、遠隔測定装置22は、遠隔測定装置への及び遠隔測定装置からの後続の通信が、第1のセルラー搬送波と関連するプロトコルおよび周波数にしたがって処理され続けように、自動的に再構成される。
【0050】
図5は、遠隔測定装置22が、RAM MobitexやARDIS/DATA−DAC等の半二重通信セルラーネットワークか、CSC等の二重通信セルラーネットワークのいずれかを使用して情報を送受信することが可能な、セルラー送受信機38の他の実施例を示す。二重通信システムは、情報が同時に送受信されるのを可能にする。
【0051】
図5で示されるように、セルラー送受信機は、高度移動電話システム(AMPS)二重通信装置66を含む。二重通信装置66は、アンテナポート68、送信機ポート70及び受信機ポート72を有する3端子装置である。アンテナポート68は、受信機ポート72に対して869〜894MHzの周波数で低インピーダンスかつ他の周波数で高インピーダンスを有する。また、アンテナポート68は、送信機ポート70に対して824〜849MHzの周波数で低インピーダンスかつ他の周波数で高インピーダンスを有する。
【0052】
また、アンテナ54は、それぞれスイッチ74,76で送信機50および受信機52に接続されている。図示の特定の実施例において、スイッチ74,76は、GaAs単極単投スイッチである。二重通信セルラー搬送波が、情報の送受信に使用された場合は、スイッチ74,76は、それぞれ開状態にあり、信号は二重通信装置66を流れる。しかしながら、半二重通信セルラー搬送波が使用された場合は、スイッチ74,76のうちの一方がその開状態つまり非導通状態になり、他方がその閉状態つまり導通状態になる。詳細には、セルラー送受信機38が半二重通信セルラー搬送波を使用して送信された情報を受信中の場合は、スイッチ76は、受信機52に対してその閉状態にあり、スイッチ74は、送信機50に対してその開状態にある。その反対が、セルラー送受信機38が二重通信セルラー搬送波を使用して情報を送信する場合に起こる。スイッチ74,76のポジションは、シリアルリンク62を介してマイクロプロセッサ40から送信される信号で制御することができる。
【0053】
さらに他の実施例において、人間が知覚可能なインジケータ、たとえば発光ダイオード(LED)78(図2参照)が、処理モジュール36に接続されている。LED78の点滅速度は、着信受信信号の強度の指示を与えるように制御される。セルラー送受信機38は、標準的な受信信号強度指示(RSSI)をシリアルリンク62を介してマイクロプロセッサ40へ供給するように構成されている。マイクロプロセッサ40またはDSP式モデム44は、RSSI信号を、LED78の点滅速度を制御する別の信号に変換する。点滅速度は、サービスマンにより、アンテナのポジションを調整して着信信号の受信を最大にするのに利用される。
【0054】
LEDの使用は、アンテナ54のポジションを調整する低コストの技術を提供するが、サービスマンが知覚できる可変信号を与える他のインジケータを使用しても良い。このようなインジケータは、他の発光素子ばかりでなくバーグラフやディジタルディスプレイを含む。また、インジケータの音量または音色がDSP式モデム44またはマイクロプロセッサ40で制御される、音声インジケータを使用しても良い。
【0055】
アンテナ54は、セルラー通信でしばしば使用されるもののような標準的なホイップアンテナとすることができる。かけがえとして、平面アンテナを自動販売機の上部または側部の内側に設計しても良い。平面アンテナは、長穴付きグリルとマイクロストリップラインPCBアンテナ技術の組み合わせを使用して構築することができる。板金が長穴でプレス加工され、エッチングされたガラスエポキシ樹脂プリント配線基板が、長穴の後に位置決めされる。平面アンテナを使用しないとき覆うための板を備えても良い。
【0056】
また、マイクロプロセッサ40またはDSP式モデム44は、RFチャンネルに乗る着信信号と関連するノイズの強度を測定するように構成することもできる。DSP式モデム44は、フィードバックを用いて、ピーク対ピーク発信オーディオ信号の振幅を調整し、ノイズを最少限にする。
【0057】
上述の一実施例において、遠隔測定装置22は、たとえば紙幣検査及びコイン確認ユニットが組み付けられる処理ユニットを含む、自動販売機2内の他の機能ユニットから独立したユニットとして備えられる。このような実施例により、その構築が互いに異なっても良い遠隔測定装置22と既存の自動販売機の使用が可能となる。しかしながら、遠隔測定装置22は、独立したユニットにする必要はなく、自動販売機の他の機能ユニットと共に1つのユニットとして一体化することができる。これらの実施例においては、回路基板24の使用は無用とすることができ、マイクロプロセッサ40は、自動販売機内にあり他の自動販売機機能を実行する同じマイクロプロセッサまたは他のプロセッサまたは制御回路とすることもできる。また、以下により詳細に説明されるように、これらの実施例は、紙幣検査およびコイン確認等の他の自動販売機機能と関連するソフトウェアをより容易にアップグレードまたは修正する技術を提供する。
【0058】
図6は、自動販売機、たとえば自動販売機2の選択された小ユニットを示す機能ブロック図である。小ユニットは、コインメカニズム92、紙幣検査装置94、電子金銭装置96及び販売動作制御システム98を含むことができる。小ユニット92,94,96及び98は、自動販売機と関連する種々の機能を実行するためのソフトウェアまたはコードを含む。たとえば、コインメカニズム及び紙幣検査装置ユニット92,94は、自動販売機に挿入されたコインまたは紙幣の金種と有効性を検査する。同様に、電子金銭装置は、自動販売機から品物を購入する顧客が使用するデビットカード、クレジットカードまたはスマートカードと関連する種々の検査機能を実行する。販売動作制御システム98は、要求された販売が許されるか否かの決定や、要求された商品を送り出すための販売モータの制御のような機能を含み、自動販売機からの商品の販売全体を制御する。小ユニット92,94,95及び98の各々のソフトウェアまたはコードは、EEPROM等のフラッシュメモリに格納することができる。
【0059】
また、図6の自動販売機は、送信機82、DSP式モデム84、マイクロプロセッサ86及びメモリ88を有する遠隔測定装置80も含む。一般に、遠隔測定装置80は、遠隔測定装置22と同じである。加うるに、遠隔測定装置80は、バス91を介して小ユニット92,94,96および98に直接通信することができる。さらに、メモリ88は、たとえばROMに格納することができるソフトウェアアセンブリプログラムを含む。また、メモリ88は、EEPROM等のフラッシュメモリ90も有する。フラッシュメモリ90は、複数のメモリバンクを含む。メモリ90内のメモリバンクのいくつかは、最初に、それぞれ、マイクロプロセッサ86及びDSP式モデム84の実行コードを格納するのに使用される。フラッシュメモリ90内の追加のメモリバンクは、以下にさらに説明されるように、情報管理システム8から受信し、DSP式モデム44で組み立てられたソフトウェアまたはコードを格納するのに使用される。
【0060】
遠隔測定装置80は、図3〜4に関して説明されているようなセルラー搬送波を使用して情報管理システム8と通信するように構成される。さらに、遠隔測定装置80または他の自動販売機ユニット92,94,96もしくは98のうちの1つに存在するソフトウェアまたはコードを、図7のフローチャートに示されるように遠隔的にアップグレードしたり、修正したり、交換したりすることができる。説明の目的で、以下の説明では、遠隔測定装置80と情報管理システム8はCDPDを使用して通信中であると仮定される。しかしながら、他のセルラー搬送波を使用しても良い。
【0061】
図7において、ステップ150で示されるように、情報管理システム8は、自動販売機のソフトウェアコードをアップグレード、修正または交換したい場合は、固定長の複数のパケットを遠隔測定装置80へ送信する。各パケットは、新しいまたは修正されたソフトウェアコードの一部すなわち断片を含む。関連ヘッダ情報は、受信したパケットが、新しいまたは修正されたコードばかりでなく、送信コードが遠隔測定装置80自体のコードを修正するためのものであるか否かまたは自動販売機小ユニット92,94,96もしくは98中の1つに関するコードを修正するためのものであるか否かを示す識別子も含むことを、遠隔測定装置80へ知らせる。パケットが受信されると、ステップ152で示されるように、DSP式モデム84は、メモリ88に格納されているアセンブリプログラムにしたがって新しいコードを組み立てる。コードが組み立てられると、ステップ154で示されるように、コードは、フラッシュメモリ90内の現在未使用のメモリバンクに格納される。ステップ156で示されるように、最後のパケットまたは他の信号は、情報管理システム8に送られ、新しいコードが全て送信されたことを示す。
【0062】
コードのパケットが、遠隔測定装置80で全て受信され、組み立てられると、ステップ158で示されるように、遠隔測定装置80は、受取通知メッセージ及び巡回冗長チェック(CRC)メッセージを情報管理システム8に送信し、新しいコードの受信を確認する。情報管理システム8で受信されたCRCメッセージが、新しいソフトウェアが遠隔測定装置80で正確に受信されたことを示している場合は、ステップ160で示されるように、情報管理システム8は、最後の確認メッセージを遠隔測定装置80に送る。
【0063】
次に、ステップ162で示されるように、新しいコードが、自動販売機小ユニット92,94,96または98のうちの1つに向けられている場合は、遠隔測定装置80は、組み立てられたソフトウェアを特定の行き先小ユニットへ中継し、ここで、新しいコードは、適切なものとして、その小ユニットと関連する既存のコードと統合または交換される。次いで、コードの組み立てられたパケットを格納するために使用されているメモリバンクは、後続の動作に使用することができる。遠隔測定装置80以外に4つの小ユニット92,94,96及び98だけが、図6で示されているが、自動販売機は、そのソフトウェアまたはコードがこのようにアップグレードさもなければ修正される他の小ユニットを含むことができる。
【0064】
ステップ164で示されているように、新しいコードは、遠隔測定装置80自身の動作に使用されるためのものであれば、遠隔測定装置80は、メモリ90のメモリバンクを交換し、その結果、新たに受信され組み立てられたコードが、後続の動作で使用される。したがって、自動販売機は、少なくとも一部の旧ソフトウェアコードがもはや後続の自動販売動作中アクセスされないように、再構成される。交換またはアップグレードされた旧コードを格納するのに前に使用されていたメモリバンクは、後続のソフトウェアアップグレード中、新たに受信され組み立てられたコードを格納するのにその後使用することができる。
【0065】
遠隔測定装置80は、ソフトウェアアップグレードを実行するとき、自動販売機のどの小ユニットがアップグレードされたか、同様にどのソフトウェア修正が受信されたかを覚えている。この情報は、遠隔測定装置80と関連する不揮発性メモリに格納することができる。いくつかの実施例において、遠隔測定装置80は、秘密保護の理由で、ソフトウェアアップグレードを実行するに先立って、許可を要請するために他のホストと交信するように要求することができる。
【0066】
他の実施例は、請求項の範囲内で企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルラー搬送波中のいずれか1つを使用して中央局と通信することができる自動販売機であって、セルラー送受信機と、デジタルシグナルプロセッサ式モデムと、上記各セルラー搬送波のためのプロトコルに対応するソフトウェアを格納するメモリとからなる遠隔測定装置を含み、上記遠隔測定装置は、上記セルラー搬送中の第1のセルラー搬送波を使用して中央局から受信される信号に応答し、上記セルラー搬送波中の第2のセルラー搬送波を使用してその後信号を送受信するように再構成される自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、自動販売機内で起こって監視された事象に対応するデータを累積するように構成されたプロセッサを含み、前記デジタルシグナルプロセッサ式モデムは、上記累積データを前記セルラー送受信機を介して前記中央局へ送信するように構成されている自動販売機。
【請求項3】
請求項2記載の自動販売機において、前記プロセッサは、自動販売機に預けられるお金及び自動販売機から返却されるお金に対応するデータを累積するように構成されている自動販売機。
【請求項4】
請求項2記載の自動販売機において、前記プロセッサは、自動販売機内の在庫に対応するデータを累積するように構成されている自動販売機。
【請求項5】
請求項2記載の自動販売機において、前記プロセッサは、自動販売機のアラーム状態に対応するデータを累積するように構成されている自動販売機。
【請求項6】
請求項1記載の自動販売機において、前記セルラー送受信機は、前記セルラー送受信機が前記セルラー搬送波中の選択されたセルラー搬送波の周波数範囲の信号を送受信するように調整することができる周波数帯域フィルタを含む自動販売機。
【請求項7】
請求項6記載の自動販売機において、前記セルラー送受信機は、各々が少なくとも1つの関連する可変周波数帯域フィルタを有する送信機と受信機を含む自動販売機。
【請求項8】
請求項7記載の自動販売機において、前記周波数帯域フィルタは、複数の表面音波フィルタを含む自動販売機。
【請求項9】
請求項7記載の自動販売機において、前記周波数帯域フィルタは、電圧調整式帯域通過フィルタを含む自動販売機。
【請求項10】
請求項1記載の自動販売機において、前記セルラー送受信機は、アンテナと、送信機と、受信機と、前記セルラー送受信機が半二重通信搬送波を使用して信号を送受信することができるように構成されたスイッチとからなる自動販売機。
【請求項11】
請求項1記載の自動販売機において、前記セルラー送受信機は、アンテナと、送信機と、受信機と、前記セルラー送受信機が二重通信搬送波を使用して信号を送受信することができるように構成された二重通信装置とからなる自動販売機。
【請求項12】
請求項1記載の自動販売機において、前記セルラー送受信機は、
アンテナと、
送信機と、
受信機と、
上記アンテナと接続された第1のポートと、上記受信機に接続された第2のポートと、上記送信機に接続された第3のポートとを有する二重通信装置と、
上記アンテナと上記送信機の間に接続された第1のスイッチと、
上記アンテナと上記受信機の間に接続された第2のスイッチとからなり、
それにより、前記セルラー送受信機は、二重通信搬送波または半二重通信搬送波のどちらかを使用して信号を送受信することができる自動販売機。
【請求項13】
中央局と、複数のセルラー搬送中のいずれか1つのセルラー搬送波を使用して上記中央局と通信することができる複数の自動販売機とからなり、上記自動販売機は各々、セルラー送受信機と、デジタルシグナルプロセッサ式モデムと、上記各セルラー搬送波のためのプロトコルに対応するソフトウェアを格納するメモリとからなる遠隔測定装置を含み、上記遠隔測定装置は、上記セルラー搬送波中の第1のセルラー搬送波を使用して上記中央局から受信される信号に応答し、上記セルラー搬送波中の第2のセルラー搬送波を使用して後で信号を送受信するように再構成することができる監視及び報告システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、各セルラー送受信機は、セルラー送受信機が、前記セルラー搬送波中の選択された1つのセルラー搬送波の周波数範囲で信号を送受信するように調整することができる周波数帯域フィルタを含む監視及び報告システム。
【請求項15】
中央局と、遠隔測定装置を含む自動販売機との間で情報を通信する方法であって、第2のセルラー搬送波に対応する識別コードを上記中央局から上記自動販売機へ第1のセルラー搬送波を使用して送信するステップと、上記送信ステップに応じて、上記第2のセルラー搬送を使用して上記中央局への及び上記中央局からの後続の通信を送受信するように、自動的に上記遠隔測定装置を再構成するステップとからなる方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記再構成ステップは、前記遠隔測定装置内のメモリに格納されているソフトウェアコードにアクセスするステップを含み、上記格納されているソフトウェアコードは、前記第2のセルラー搬送波と共に使用されるプロトコルに対応している方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、前記再構成ステップは、前記遠隔測定装置の前記セルラー送受信機と関連する帯域通過フィルタを調整するステップを含む方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記調整ステップは、前記送受信機が前記第2のセルラー搬送波に対応する周波数で情報を送受信するように、前記フィルタを整えるステップを含む方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法において、さらに、自動販売機の前記遠隔測定装置から前記中央局へ前記第2のセルラー搬送波を使用して情報を送信するステップを含む方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法において、自動販売機からのデータを累積するステップと、累積データを前記中央局へ前記第2のセルラー搬送波を使用して送信するステップを含む方法。
【請求項21】
セルラー搬送波を使用して中央局と通信することができる自動販売機であって、デジタルシグナルプロセッサ式モデムに接続されたセルラー送受信機と、上記セルラー送受信機に接続されたアンテナとからなる遠隔測定装置を含み、上記自動販売機は、さらに、上記遠隔測定装置に接続された人間が知覚できるインジケータを含み、上記人間が知覚できるインジケータと関連する信号は、上記アンテナによる信号受信の品質を表す自動販売機。
【請求項22】
請求項21記載の自動販売機において、前記人間が知覚できるインジケータは、発光素子である自動販売機。
【請求項23】
請求項23記載の自動販売機において、前記発光素子は、受信信号強度指示に応じて前記遠隔測定装置により制御される点滅速度を有する発光ダイオードである自動販売機。
【請求項24】
セルラー搬送波を使用して中央局と通信することができる自動販売機をサービスする方法であって、上記自動販売機は、セルラー送受信機と、上記セルラー送受信機に接続されたアンテナとからなる遠隔測定装置を含む方法において、
上記セルラー送受信機で外部信号を受信するステップと、
受信信号に基づいて上記遠隔測定装置で受信信号強度指示を発生するステップと、
上記受信信号強度指示に基づいて人間が知覚できる信号を発生するステップとからなる方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、前記発生ステップは、前記受信信号強度指示に基づいて発光素子を制御するステップを含む方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、前記発生ステップは、発光素子の点滅速度を制御するステップと、上記点滅速度に基づいて前記アンテナのポジションを調整するステップとを含む方法。
【請求項27】
自動販売機の複数の小ユニットのうちの1つと関連するメモリ内にあるソフトウェアコードを修正、補足または交換する方法であって、遠隔局から上記自動販売機の遠隔測定装置へセルラー搬送波を使用してソフトウェアコードの断片を送信するステップと、上記遠隔測定装置で上記ソフトウェアコードの断片を組み立てるステップと、上記組み立てられたソフトウェアコードを、自動販売機の上記小ユニットのうちの指定された小ユニットへ中継するステップとからなる方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、前記組み立てられたソフトウェアを自動販売機のコインメカニズムへ中継し、上記コインメカニズムの既存のソフトウェアをアップグレードするステップを含む方法。
【請求項29】
請求項27記載の方法において、前記組み立てられたソフトウェアを自動販売機の紙幣検査装置へ中継し、上記紙幣検査装置の既存のソフトソフトウェアをアップグレードするステップを含む方法。
【請求項30】
請求項27記載の方法において、前記組み立てられたソフトウェアを自動販売機の電子金銭装置へ中継し、上記電子金銭装置の既存のソフトソフトウェアをアップグレードするステップを含む方法。
【請求項31】
請求項27記載の方法において、前記組み立てられたソフトウェアを自動販売機の販売動作制御システムへ中継し、上記販売動作制御システムの既存のソフトソフトウェアをアップグレードするステップを含む方法。
【請求項32】
自動販売機内のメモリに存在するソフトウェアコードを修正、補足または交換する方法であって、
遠隔局から自動販売機の遠隔測定装置へセルラー搬送波を使用してソフトウェアコードの断片を送信するステップと、
上記遠隔測定装置で上記ソフトウェアの断片を組み立てるステップと、
少なくとも一部の旧ソフトウェアコードがもはや後続の自動販売機動作中アクセスされないように自動販売機を再構成するステップとからなる方法。
【請求項33】
請求項30記載の方法において、前記組み立てられたソフトウェアコードを自動販売機の現在未使用のメモリバンクに格納するステップを含み、前記再構成ステップは、前記旧ソフトウェアコードを含むメモリと前記組み立てられたソフトウェアコードを含むメモリバンクを交換するステップを含む方法。
【請求項34】
請求項30記載の方法において、前記再構成ステップは、前記遠隔測定装置の動作と関連する前記旧ソフトウェアコードの少なくとも一部を前記組み立てられたソフトウェアコードと交換するステップを含む方法。
【請求項35】
セルラー搬送波を使用して中央局と通信することができる自動販売機であって、遠隔測定装置を含み、上記遠隔測定装置は、
平面アンテナと接続されたセルラー送受信機と、
自動販売機内で起こって監視される事象に対応するデータを累積するように構成されたプロセッサと、
上記セルラー送受信機及び上記プロセッサに接続されたデジタルシグナルプロセッサ式モデムとからなり、上記デジタルシグナルプロセッサ式モデムは、所上記セルラー送受信機を介して上記累積データを上記中央局へ送信するように構成されている自動販売機。
【請求項36】
請求項35記載の自動販売機において、前記アンテナは、自動販売機の上部の内側に設計されている自動販売機。
【請求項37】
請求項35記載の自動販売機において、前記アンテナは、自動販売機の側部の内側に設計されている自動販売機。
【請求項38】
監視システムに使用される遠隔測定装置であって、
セルラー送受信機と、
デジタルシグナルプロセッサ式モデムと、
複数のセルラー搬送波のためのプロトコルに対応するソフトウェアを格納するメモリとからなり、上記セルラー搬送波中の第1のセルラー搬送波を使用して中央局に監視された情報を供給するように構成可能であると共に、上記第1のセルラー搬送波を使用して上記中央局から受信される信号に応答し続いて上記セルラー搬送波中の第2のセルラー搬送波を使用して信号を送受信するように再構成することができる遠隔測定装置。
【請求項39】
請求項38記載の遠隔測定装置において、紙幣検査ユニットの一部として一体化されている遠隔測定装置。
【請求項40】
請求項38記載の遠隔測定装置において、コインメカニズムの一部として一体化されている遠隔測定装置。
【請求項41】
請求項38記載の遠隔測定装置において、前記中央局に会計監査情報を供給するように構成されている遠隔測定装置。
【請求項42】
請求項38記載の遠隔測定装置において、自動販売機との接続のために構成されている遠隔測定装置。
【請求項43】
請求項38記載の遠隔測定装置において、前記セルラー送受信機は、前記セルラー送受信機が、前記セルラー搬送波中の選択された1つのセルラー搬送波の周波数範囲の信号を送受信するように調整可能な周波数帯域フィルタを含む遠隔測定装置。
【請求項44】
請求項43記載の遠隔測定装置において、前記セルラー送受信機は、各々が少なくとも1つの関連する可変周波数帯域フィルタを有する、送信機及び受信機を含む遠隔測定装置。
【請求項45】
請求項44記載の遠隔測定装置において、前記周波数帯域フィルタは、複数の表面音波フィルタからなる遠隔測定装置。
【請求項46】
請求項44記載の遠隔測定装置において、前記周波数帯域フィルタは、電圧調整式帯域通過フィルタからなる遠隔測定装置。
【請求項47】
請求項38記載の遠隔測定装置において、前記セルラー送受信機は、アンテナと、送信機と、受信機と、半二重通信搬送波を使用して信号を送受信できるように構成されたスイッチとからなる遠隔測定装置。
【請求項48】
請求項38記載の遠隔測定装置において、前記セルラー送受信機は、アンテナと、送信機と、受信機と、二重通信搬送波を使用して信号を送受信できるように構成された二重通信装置とからなる遠隔測定装置。
【請求項49】
請求項38記載の遠隔測定装置において、前記セルラー送受信機は、
アンテナと、
送信機と、
受信機と、
上記アンテナに接続された第1のポートと、上記受信機に接続された第2のポートと、上記送信機に接続された第3のポートとを有する二重通信装置と、
上記アンテナと上記送信機の間に接続された第1のスイッチと、
上記アンテナと上記受信機の間に接続された第2のスイッチとからなり、
それにより、上記セルラー送受信機は、二重通信搬送波または半二重通信搬送波のいずれかを使用して信号を送受信することができる遠隔測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−113734(P2012−113734A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−29465(P2012−29465)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2008−188476(P2008−188476)の分割
【原出願日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】