説明

セルレベルでヒューズを設けたバッテリパック及びそれを用いる方法

【課題】短絡におけるアーク放電を低減するように設計されたバッテリパックの提供。
【解決手段】バッテリパックの小さな領域にしか影響を与えないことにより、バッテリパックの費用、複雑性、重量、寸法に小さな影響しか与えないで、バッテリパックの性能の改善、システムの信頼性及びシステムの安全性を実現する。バッテリパックは、1つのバッテリに関連する可融相互接続、又は、1つのバッテリに関連する特定の可融相互接続が、短絡の間の最後の相互接続となるように設計される。予め選択された相互接続のアーク放電が持続する危険性は、迅速な相互接続の開放によって最小限に抑えられる。結果として、損傷の可能性及び過度の加熱もまた最小限に抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にバッテリパックに関し、特に、短絡におけるアーク放電を低減するように設計されたバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
アーク放電は良く知られる現象で、電子回路内の電流が遮断されたときに発生し、アーク放電は回路に新たに形成される間隙を横切って形成される。例えば、閉じ込め、冷却、不十分な電圧/電流などによって、アーク放電がすぐに消えない場合、アーク放電により生成された非常に強い熱は、隣接する材料及び部品を燃やさなくとも損傷するかもしれない。したがって、高電流回路に使用されることが意図されたヒューズ及び回路遮断器、リレー、スイッチの設計において特別な予防措置がとられなければならない。しかしながら、不慮の事故のために発生するかもしれない意図しない回路の遮断(例えば、工具がバッテリパックに落下する、バッテリパックが落下する、車の衝突によりバッテリが損傷する、など)を管理することは難しい。
【0003】
典型的なバッテリパックにおいて、ヒューズが不慮の短絡の影響を低減するために使用される。ある実施例では、ヒューズは、バッテリパックを負荷に結合する1つ又は両方の相互接続に直列に配置される(図1)。バッテリパックが図2に示されるように複数のセルを含む場合、バッテリパックは図1に示されるようにひとつのヒューズに頼ってもよく、又は、各々のセルは図2に示されるように個別のヒューズすなわち可融相互接続を経由して接続されても良い。
【0004】
回路の保護に備える方法にかかわらず、回路の溶断要素が、隣接するセル/要素の損傷や過度の加熱を回避するために十分迅速に溶断することが望ましい。これは、過度の加熱が1つ以上のセルにおける熱暴走を即座に引き起こすかもしれないことから、相互に密接して梱包される多くのセルを利用するバッテリパックにおいて特に望ましい。熱の暴走が起きている間、大量の熱エネルギが急速に放出され、これにより全てのセルが900℃以上にまで加熱される。熱の暴走を起こしているセルの温度上昇により、バッテリパック内の隣接するセルの温度もまた上昇し、この効果は、大きなバッテリパック内に近接包装することによって増幅される。もし、これらの隣接したセルの温度が妨げられずに上昇することが許されると、隣接するセルも熱の暴走の状態に入るかもしれず、これはバッテリパック全体に伝播し得るカスケード効果を導く。この結果、このバッテリパックを用いるシステムは、バッテリパックからの電力が遮断されるだけではなく、熱暴走及び付随する熱エネルギの放出により2次的な広範な損傷を受ける可能性が高い。
【0005】
図2に示されるように、並列に接続されたバッテリパックにおいて、短絡が起きたときこれは全てのセルに広がる。この結果、典型的には、ヒューズ/可融相互接続は、全てのヒューズ/可融相互接続の結合が切れるまで次々と切れる。ヒューズ/可融相互接続が切れる順番は、それぞれのヒューズ/可融相互接続間における熱容量や電気インピーダンス等の違いのような小さな差異に依存する。セルのグループ内で最後のヒューズ/可融相互接続は、最もアーク放電が起こりやすいヒューズ/可融相互接続である。従来のバッテリパックにおいて、ヒューズ/可融相互接続の切れる順番は制御されないので、それぞれのヒューズ/可融相互接続はアーク放電の危険性を最小限に抑えるように設計されなければならず、又は、アーク放電の潜在的な影響を低減するための他の方法が採用されなければならない。しかしながら、この方法は費用、複雑性、重量の増加を招き、これら全ては、ハイブリット及び電気自動車に採用されるような大きなバッテリパックにおいて極めて大きな影響を与える。したがって、必要とされるものは、バッテリパックの製造費用、複雑性、重量に大きな影響を与えないで、バッテリパック内でのアーク放電に付随する危険性を最小限に抑える手段である。本装置はそのような手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、バッテリパック及びバッテリパックモジュールを提供し、これらは、バッテリパック/バッテリモジュールの小さな領域にしか影響を与えずに、改良されたバッテリパックの性能、システムの信頼性、システムの安全性を実現し、これによって、バッテリパックの費用、複雑性、重量、寸法に小さな影響しか与えない。バッテリパック/バッテリモジュールは、1つのバッテリと関連する可融相互接続、又は、1つのバッテリと関連する1つの特定の可融接続が短絡の間に溶断する最後の相互接続となるように設計される。予め決められた相互接続の持続するアーク放電の危険性は相互接続の迅速な開放によって最小限に抑えられる。その結果、損傷の危険性及び過度の加熱もまた最小限に抑えられる。
【0007】
本発明の1つの特徴において、バッテリパック短絡回路管理システムは、(i)第1及び第2のコレクタ板に接続された複数のセルであって、1つを除く全てのセルの第1及び第2のセルの端子が、各々、第1及び第2の複数の相互接続によって第1及び第2のコレクタ板に接続された複数のセルと、(ii)第1の可融相互接続は他のセルの第1のセル端子を第1のコレクタ板に電気的に接続し、かつ、第2の可融相互接続は他のセルの第2のセル端子を第2のコレクタ板に電気的に接続し、また、(iii)第1及び第2の可融相互接続の少なくとも1つに対応するアーク放電抑制システムとを含む。少なくとも1つの構成において、第1の可融相互接続の通電容量は、第1の複数の可融相互接続の各々の通電容量よりも大きく、かつ、第2の複数の可融相互接続の各々の通電容量よりも大きく、また、第2の可融相互接続の通電容量は第1の複数の相互接続の通電容量よりも大きく、かつ、第2の複数の可融相互接続の各々の通電容量よりも大きい。少なくとも1つの構成において、第1の可融相互接続のインピーダンスは第1及び第2の複数の可融相互接続のインピーダンスよりも低く、第2の可融相互接続のインピーダンスは、第1及び第2の複数の可融相互接続の各々のインピーダンスよりも低い。第1の可融相互接続のインピーダンスは、第2の可融相互接続のインピーダンスよりも低く、この場合、アーク放電抑制システムは第1の可融相互接続に好ましくは限定される。相互接続(すなわち、第1の可融相互接続、第2の可融相互接続、第1の複数の可融相互接続、第2の複数の可融相互接続)の通電容量(例えば、インピーダンス)は、長さ、厚さ、相互接続の構成を操作すること、又は、特定のセルの接続に用いられる相互接続の数を変えることによって、選択/変更されても良い。アーク放電抑制システムは、(i)電気的に非伝導な絶縁構造、及び/又は、(ii)予め選択された相互接続に並列に接続されたキャパシタを利用し、及び/又は、(iii)PTC素子に直列なサイリスタとの組合わせ、予め選択された相互接続に並列に接続された組合わせを利用し、及び/又は、(iv)永久磁石を利用し、及び/又は、(v)セル及びコレクタ板から分離されたコレクタブロックを利用し、予め選択された相互接続がセルをコンタクトブロックに接続し、かつ、高い通電容量の二次的な相互接続がコンタクトブロックをコレクタ板に接続するものであっても良い。バッテリパック短絡回路管理システムはコレクタ板から延びる薄型の相互接続の接続領域をさらに含んでいても良い。バッテリパック短絡回路管理システムは、さらに他のセルからセルを分離する電気的に非伝導で断熱的な構造を含んでいても良い。
【0008】
本発明の他の特徴において、バッテリパック内のアーク放電を制御する方法が提供され、このバッテリパックは並列構造に配置された複数のセルと、第1のコレクタ板と、第2のコレクタ板とを含む。この方法は、以下のステップを含む。(i)各々の第1の複数の可融相互接続のために第1の通電容量を選択し、かつ、第1のセルを除く複数のセルの各々の第1の端子を第1のコレクタ板に電気的に結合し、(ii)各々の第2の複数の可融相互接続のために通電容量を選択し、かつ、第1のセルを除く複数のセルの各々の第2の端子を第2のコレクタ板に電気的に結合し、(iii)第1の可融相互接続のために第1及び第2の通電容量よりも高い第3の通電容量を選択し、かつ、第1のセルの第1の端子を第1のコレクタ板に電気的に結合し、第1の可融相互接続は第1及び第2の複数の相互接続のうちのひとつではなく、(iv)第2の可融相互接続のために第1及び第2の通電容量よりも高い第4の通電容量を選択し、かつ、第1のセルの第2の端子を第2のコレクタ板に電気的に結合し、第2の可融相互接続は第1及び第2の複数の相互接続のうちのひとつではなく、この方法は、(v)第1のセルにアーク放電抑制システムを実装する。少なくとも1つの構成において、第1の複数の可融相互接続のために第1のインピーダンスを選択し、第1の複数の可融相互接のために第2のインピーダンスを選択し、第1の可融相互接続のために第3のインピーダンスを選択し、第3のインピーダンスは第1及び第2のインピーダンスよりも低くなるように選択され、かつ、第2の可融相互接続のために第4のインピーダンスを選択し、第4のインピーダンスは、第1及び第2のインピーダンスよりも低くなるように選択されるようなステップをさらに備える。アーク放電抑制システムは、少なくとも一部において、第1及び第2の可融相互接続が同じ通電容量及び/又はインピーダンスを有しているかどうかに依存して、第1及び第2の可融相互接続、又は、第1の可融相互接続のみに適用されても良い。アーク放電抑制システムを実装するステップは、以下のステップを含んでもよい。(i)電気的に非伝導な絶縁構造内にひとつ又は両方の可融相互接続を配置し、(ii)電気的に非伝導な絶縁構造内に可融相互接続及び第1のセルの両方を配置し、(iii)電気的に非伝導な物質で1つもしくは両方の可融相互接続を被覆し、(iv)短絡の間に可融相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電から電流を引き抜き、(v)短絡の間に可融相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電の長さを伸ばし、及び、偏向し、かつ、(vi)第1のセルとコレクタ板の間にコンタクトブロックを介在させ、コンタクトブロックは、可融相互接続よりも高い通電容量を有する二次的な可融相互接続によってコンタクト板に接続される。この方法は、迅速融解経路を有する1つ又は両方のコレクタ板を構成するステップをさらに含んでも良い。この方法のインピーダンス選択ステップは、以下のステップをさらに含んでも良い。(i)所望のインピーダンスを実現するための特定の相互接続の長さを選択し、(ii)所望のインピーダンスを実現するための特定の相互接続の厚さを選択し、及び/又は(iii)所望のインピーダンスを実現するために相互接続の数を変更する。
【0009】
本発明の本質及び利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術に従って、バッテリパックと負荷の間の相互接続にフューズを利用したバッテリパックを示す。
【0011】
【図2】各々のセルが独立したフューズ又は可融相互接続を介して接続されている並列に接続された複数のセルを利用するバッテリパックを示す。
【0012】
【図3】ひとつのセルに関連した可融相互接続が最後に溶断するように予め決められたバッテリパックの上面図を表す。
【0013】
【図4】1つの相互接続が最後に溶断するように予め決められた望ましい実施形態を表す。
【0014】
【図5】相互接続のインピーダンスを制御するために相互接続の構成を制御すること表す。
【0015】
【図6】相互接続のインピーダンスを制御するために相互接続の長さを制御すること表す。
【0016】
【図7】相互接続のインピーダンスを制御するために相互接続の厚さを制御すること表す。
【0017】
【図8】各々のセルをコレクタ板に結合する相互接続の数を制御することによって相互接続のインピーダンスを制御することを示す。
【0018】
【図9】図8に示される実施形態の変形例を表す。
【0019】
【図10】図7に示される実施形態の変形例を表す。
【0020】
【図11】複数のインピーダンス制御技術の組合わせを使用して相互接続のインピーダンスを制御することを示す。
【0021】
【図12】狭い電流コレクタ経路を使用してアーク放電を消す技術を示す。
【0022】
【図13】アーク放電の増大を補助できない絶縁された非伝導的な領域に相互接続が配置されたアーク放電を消す技術を示す。
【0023】
【図14】図13に示される技術に適用できる非伝導的な溝の横断面図を示す。
【0024】
【図15】図13に示される技術に適用できる非伝導的なチューブの横断面図を示す。
【0025】
【図16】キャパシタを使用してアーク放電を消す技術を示す。
【0026】
【図17】サイリスタ及びPTC要素を使用してアーク放電を消す技術を示す。
【0027】
【図18】アーク放電の長さを延ばすために永久磁石を使用してアーク放電を消す技術を示す。
【0028】
【図19】コンタクトブロック及び二次的な相互接続を使用してアーク放電を消す技術を示す。
【0029】
【図20】隣接したセル及び構造への付随した損傷を避けるために影響を受けたセルを熱的に絶縁する技術を示す。
【0030】
【図21】隣接したセル及び構造への付随した損傷を避けるために影響を受けたセルを熱的に絶縁するための代替技術であって、絶縁構造を使用する技術を示す。
【0031】
【図22】隣接したセル及び構造への付随した損傷を避けるために影響を受けたセルを熱的に絶縁するための代替技術であって、影響を受けたセルの周囲を覆う冷却チューブを使用する技術を示す。
【0032】
【図23】隣接したセル及び構造への付随した損傷を避けるために影響を受けたセルを熱的に絶縁するための代替技術であって、影響を受けたセルをグループ内の他のセルから分離する冷却チューブを使用する技術を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の文章では、用語「バッテリ」、「セル」および「バッテリセル」は、交換可能に使用され、化学的性質および構成上、様々な異なるセルタイプの何れであってもよく、リチウムイオン(例えば、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、他のリチウム金属酸化物など)、リチウムイオンポリマー、ニッケル金属水素化物、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、または他のバッテリタイプ/構成が含まれるが、これに限定されるものではない。ここで使用される用語「バッテリパック」は、単独のピースまたは複数のピースからなるハウジング内に収められた多数の個別のバッテリのことであり、個々のバッテリは、特定のアプリケーションにおける所望の電圧および容量を得るために電気的に互いに接続される。用語「電気インピーダンス」および「インピーダンス」は、ここでは交換可能に使用され、これらはその構成部品の電気的なインピーダンスのことである。ここで使用される可融相互接続は、バッテリ相互接続、典型的には、ワイヤーボンディングを指し、これは、極度に加熱することなく予定された電流が通過することを許容するが、短絡において起こりうる過電流では、溶断するように設計されている。このような可融相互接続は、本出願と同一人に譲渡された米国特許第7,671,565号明細書に詳細に記載されており、その開示内容は全ての目的のためにここに組み込まれる。複数の図面で使用される同一の要素符号は、等しい機能を有する同じ構成要素を指すと理解されるべきである。さらに、添付図面は、本発明の範囲を単に例示することを意図したもので、本発明の内容を限定することを意図したものではなく、縮尺どおりに認識されるべきではない。
【0034】
本発明において、バッテリパックあるいはバッテリパックモジュールは、好ましくは、そのバッテリパック/バッテリモジュールのその他のセルに使われる相互接続の通電容量よりも高い通電容量を有する相互接続を利用することによって、短絡の最後に特定の1組のセル相互接続が溶断するように設計されている。そして、この予め特定された相互接続における持続するアーク放電の危険性は、迅速な相互接続の切断により最小限に抑えられるであろう。その結果、損傷、過度の発熱及び熱の暴走の可能性の危険性もまた最小限に抑えられる。以下で詳述されるように、どの相互接続が最後に溶断するかを予め決める多くの方法があり、また、この所定の相互接続において持続するアーク放電の危険性を最小限に抑える多くの方法がある。
【0035】
図3は本発明を利用したバッテリパック301の概念図である。以下でさらに詳述されるように、本発明は、セルの数、又は、そのセルのグループがバッテリパックの全体を構成するか、直列に相互接続された複数のバッテリモジュールのうちの1つのみを構成するかにかかわらず、並列に配置されたいかなるセルのグループにおいて利用されてもよい。バッテリパック301の中には複数のセル303a〜303zがあり、これらは実質的に同じ設計、すなわち、同じバッテリの化学的性質、同じエネルギ密度、同じ構造、同じ電圧/電流特性等であることが好ましい。特徴的に、各々のセルはコレクタ板、例えば、コレクタ板305/306に電気的に接続される。コレクタ板は、配線307/308を経由して、意図された負荷、又は他のバッテリパックモジュールに電気的に接続される。なお、フューズは一方又は両方の配線307/308、例えば、他のバッテリパックモジュールの接続より前に接続されてもよい。
【0036】
セルは、予定された電流を通すが、短絡において起こりうる過電流では溶断(すなわち断線)するように設計されている可融相互接続、例えば、可融ワイヤーボンディングを使用してコレクタ板に接続されている。本発明の一実施形態において、1つを除いた全てのセルの接続に使用される相互接続(すなわち相互接続309)は、実質的に同じ電気的及び温度特性を有している。この結果、従来のバッテリパックと同様に、回路が短絡している間の相互接続309の溶断の順番は、製造の過程で生じる相互接続の僅かな差異、例えば、相互接続の厚さや横断面の僅かな差異などによって決定されるため予測できない。本実施形態では、ひとつのセル、例えば、図3におけるセル303zは電気的にコレクタ板305/306に相互接続311を介して接続され、相互接続311は、短絡の間に溶断する相互接続の最後の組となるように設計されている。相互接続311が他の全てのセルの相互接続すなわち相互接続309の後に断線することを確実にするために相互接続311はその他の相互接続よりも高い通電容量を有する。少なくとも1つの構成において、相互接続311はその他の相互接続よりも低い電気インピーダンスを有する。低い電気インピーダンスを実現するために、相互接続311はわずかに異なる材料組成を有していても良く、または、他の相互接続よりも厚く又は短くても良い。これに代えて、相互接続311は複数の個々の相互接続309から形成されて所望のインピーダンスを実現しても良い。相互接続311が溶断するときのアーク放電を最小限に抑えるために多くの技術が使用されていても良く、これらの技術は図3において相互接続311を囲むように表されているシールド313によって示されている。
【0037】
前述したように、短絡において最後に断線する特定の相互接続あるいは相互接続の組を指定することによって、バッテリパックすなわちバッテリモジュールの全体の設計に小さな変更を要求するだけで、持続するアーク放電の危険性が最小限に抑えられる。特に、指定された相互接続のみ、潜在的には指定された相互接続に囲まれる領域がアーク放電を最小限に抑えるように設計されなければならない。この結果、バッテリパック/バッテリモジュールの小さな領域にしか影響しないでバッテリパックの性能、システムの信頼性、システムの安全性の改良全てが達成され、そして、これはバッテリパックの費用、複雑性、重量、寸法に僅かな影響しか及ぼさない。
【0038】
本発明の目的は、バッテリパックの設計への影響を最小限に抑えつつ持続するアーク放電の危険性を最小限に抑えることであるが、図3に表されるように1組の相互接続に対してよりむしろ1つの相互接続に対してアーク放電の発生を制限するのが好ましいことがわかる。この目的を達成するために、1つのセルに関連付けられた相互接続は図3に関連して示されるように並列に配置された同じグループにおける他のセルよりも低い電気インピーダンスを有するように製造される。さらに、図4に示されるように、2つのインピーダンスの低い相互接続、例えば相互接続401及び403は異なるインピーダンスを有する。この例において、相互接続401は相互接続309よりも低い電気インピーダンスを有し、相互接続403は相互接続401よりも低いインピーダンスを有する。この結果、セル303zの可融相互接続は最後に溶断することになり、そして、これら2つの相互接続のうち相互接続403は最後に溶断する。この方法により、シールド313によって図4に表される、持続するアーク放電を最小限に抑えるために適用されるどのような技術でも、1つの相互接続(例えば相互接続403)に限ることができ、これにより、潜在的にバッテリパック及びバッテリモジュールの設計の複雑性と費用は大きく減少する。
【0039】
ある並列配列されたセルのグループに対応する相互接続のグループの中で選択された相互接続が最後に溶断することを確実にするために特定の可融相互接続又は1組の相互接続のインピーダンスを変更するために用いられる多くの技術があることが理解されるであろう。図5〜11は、本発明者が本発明と共に使用するのに特に適切であることを見出したいくつかの技術を示している。なお、図5〜11は、並列に配列されている3つのセルを示しているだけであるが、これらの技術はより大きい又はより小さいセルのグループの使用においても適切である。さらに、図5〜11は特定の組の相互接続のインピーダンスを変えるために使用されても良い異なる技術を示しているだけであり、これらの技術は、本明細書の異なる部分にさらに詳細に記載されているアーク放電を最小限に抑えるいかなる種類の技術にも使用されることが理解されるであろう。
【0040】
図5〜11において3つのセル501a〜501cが一組のコレクタ板503/504に電気的に接続されるように示されている。これらの図において、セル501a及び501bと関連付けられた相互接続はセル501cに関連付けられた相互接続よりも前に溶断するように設計される。
【0041】
図5において、セル501a及び501bは可融相互接続505を介してコレクタ板503/504に電気的に接続されており、セル501cは可融相互接続507を介して1組のコレクタ板503/504に電気的に接続される。本実施形態において、相互接続505及び507の構造は異なり、相互接続507に対して選択された構造は相互接続505に対して選択された材質よりも低い電気インピーダンスを有する。例えば、相互接続に対してアルミと銅からなるワイヤーボンディングの使用を仮定して、所望の低いインピーダンスを実現するためにワイヤーボンディング507における銅の濃度は増加されても良い。
【0042】
図6において、相互接続601と相互接続603との間の所望のインピーダンスの差は、相互接続の長さを変えることによって実現される。図のように、相互接続601は相互接続603よりも長いため、相互接続603に対して低いインピーダンスをもたらす。
【0043】
図7において、相互接続701と相互接続703との間の所望のインピーダンスの差は、相互接続の厚さを変えることによって実現される。図のように、相互接続703は相互接続701よりも厚いため、相互接続703に対して低いインピーダンスをもたらす。
【0044】
図8において、所望のインピーダンスの差は、セル501cに複数の相互接続を使用することによって実現され、低いインピーダンスをもたらす。図のように、セル501a及び501bは各々、コレクタ板503及び504に接続するためにセルの側面の両方に1つの相互接続801を使用し、セル501cはコレクタ板に接続するためにセルの側面の両方に1組の相互接続801を使用する。
【0045】
図5〜8は、他の相互接続と比べて異なる電気インピーダンスの1組の相互接続を表し、図4に関連して示されるように最後に溶断する特定の相互接続を予め決めるために、同じ技術が、選択された相互接続の組からなる2つの相互接続の間のインピーダンスを変更することに用いられても良い。例えば、図9に示される本実施形態は図8に示される技術を利用しており、図10に示される実施形態は図7に示される技術を利用する。図9において、コレクタ板503と連結されたセル501cの側面は2つの相互接続801を使用し、コレクタ板504と連結されたセル501cの側面は3つの相互接続を利用する。3つの相互接続のインピーダンスは2つの相互接続のインピーダンスよりも小さくなるため、セル501cの右側の相互接続は最後に溶断するであろう。同様に、図10において、相互接続1005は相互接続1003よりも厚く、相互接続1003は他の相互接続1001より厚い。この結果、短絡において相互接続1005が最後に溶断する。相互接続のインピーダンスを操作するために使用されるいかなる技術も、最後に溶断する相互接続を予め決めるのに使用されても良いことが理解されるであろう。
【0046】
相互接続のインピーダンスを制御するために上述のように相互接続の構造あるいは寸法を変えることに加えて、これらのいかなる技術も相互に組み合わせて使用されても良い。例えば、所望のインピーダンスを実現するために、図11に示すように厚さ及び長さが共に変更されても良い。図のように、相互接続1103は、相互接続1101よりも短くかつ厚く、相対的なインピーダンスを下げる。同様に、相互接続1105は、相互接続1103よりも短くかつ厚く、短絡の際最後に溶断する相互接続となる。
【0047】
上述のとおり、どのセル相互接続が短絡において最後に溶断するかを予め決めることに加えて、本発明は最後の相互接続が溶断するときに発生するいかなるアーク放電も迅速に消す可融相互接続及び/若しくは相互接続の構造を利用する。持続するアーク放電の危険性及び付随的な損傷の危険性を減らすことによって、過度の発熱及び熱暴走の可能性が最小限に抑えられる。溶断する際に迅速に開放する相互接続を供するのに使用される可能性のある多くの適用可能な技術があることが理解されるであろう。したがって、図12〜21は、単に例示することを意図したもので、本発明の内容を限定することを意図したものではない。本発明は疑いなく、少数あるいは多数の並列配置されたセルからなるバッテリモジュール及びバッテリパックに適用できるが、図5〜11のように、説明の目的のために少数のセルしか使用されない。図12〜21には、最後に溶断する相互接続を予め決めるために厚さを変える可融相互接続が示されており、どの相互接続が最後に溶断するかを決めるためのいかなる技術とともに迅速にアーク放電を消すためのいかなる技術が用いられてもよいと理解されるべきである。しかし、図12〜21では、特定のセルに連結された両方の相互接続が最後に溶断するように予め決められているが、例えば図9〜11に関連して示されるように、1つの相互接続が最後に溶断するように予め選択される場合に、これらの技術が使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0048】
図12〜21は、3つのセル501a〜501cが1組のコレクタ板503/504に電気的に接続される図7に表される構造に基づいている。上述のとおり、相互接続703のインピーダンスは相互接続701のインピーダンスよりも低く設計されるため、可融相互接続701は相互接続703より前に溶断する。
【0049】
最後の相互接続が溶断するときに生じる可能性があるアーク放電を消す方法のひとつは、コレクタ板及び取り囲んでいる電導性の領域を、新たに形成されるアーク放電が持続できないような方法で設計することである。したがって、アーク放電は過度の損傷が生じる前に消される。例えば、図12に示される実施形態では、コレクタ板504は、可融相互接続703が取り付けられる相対的に狭い材料の領域1201を有する。領域1201によってもたらされるコレクタの経路は通常のバッテリパックの操作のために十分な通電容量を提供するように設計されおり、相互接続703が溶断するとき領域1201はすぐに融解するように十分に薄い。近くに電導性のある構造が備えられていないとすると、領域1201の迅速な除去は、アーク放電の経路をアーク放電を消すのに十分な程度まですぐに伸ばす。
【0050】
迅速にアーク放電を消す他の方法は、アーク放電の成長を維持できない絶縁された非伝導性の領域に相互接続を配置する方法である。この方法において、図13に示されるように、相互接続の両端における導電性の構造、つまり、セル501c及びコレクタ503/504は、絶縁構造1301の中の相互接続が溶断するとすぐにそれ自体でアーク放電を消すように十分に離間されなければならない。好ましくは、その相互接続が例えばワイヤーボンディングによってセル及びコレクタ板に接続されたあと、絶縁構造1301は非電導性の物質で相互接続を完全に被覆することによって形成されても良い。非電導性のエポキシ樹脂、接着剤、埋め込み用樹脂のようないかなる種類の周知の非電導性の材質がこの目的に使用されても良い。これに代えて、この相互接続は非電導性の溝若しくはチューブ内に配置することによって絶縁されても良い。図14において、非電導性の溝1401の横断面図が図14に示されており、非電導性の溝1501の横断面図が図15に示されている。絶縁部材の形状を含む正確な構造は、セル及びコレクタの相対的な位置を含むバッテリパック/モジュールの構造に依存し、これらの図は本方法を単に例示することを意図したものであることが理解されるであろう。
【0051】
最後の相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電を消すために使用される可能性のある他の方法が図16に記載されている。この方法では、キャパシタが最後に溶断するように予め選択された1つの相互接続あるいは複数の相互接続に対して並列に配置される。この方法は、例えば図5〜8のように、一組の相互接続が予め選択されるとき使用されてもよいが、例えば図9〜11のようにひとつの相互接続が選択されるときに使用されるのが好ましく、これにより、費用と製造上の複雑性を最小限に抑える。したがって、図16に示される一般的な実施形態では、セル501cの右側の相互接続が最後に溶断するように予め選択されている。図10に関連して記載されるような相互接続の厚さをコントロールすることによってこの実施形態における事前選択は実現されるが、他の開示された技術もまた相互接続のインピーダンスを変えること及び最後に溶断する1つの相互接続を事前に選択することに用いられても良いことが理解されるであろう。
【0052】
このセルグループ内のセルの予定された動作電圧を基に選択される高電圧キャパシタ1601は相互接続1005と並列である。相互接続が溶断し電圧が上がり始めるとき、キャパシタのインピーダンスがアーク放電の経路と同等か若しくは低いと仮定すると、キャパシタはアーク放電から電流を奪い、これにより、効率的にアーク放電を消すことが出来る。例えば、100アンペアで25マイクロ秒持続するアーク放電を伴う280ボルトのバッテリパック内の短絡を仮定すると、約2.5クーロンの電荷がそのアークを通過する。したがって、200ボルト、12.5ミリファラッドかそれより小さいキャパシタが、この例ではアーク放電が持続しないようにアーク放電の出力を軽減するために使用できる。
【0053】
図17は最後の相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電を消すための上述された技術の変形例を示している。この実施形態において、キャパシタ1601は、高電圧、正の温度係数を有する(PTC)素子1703と直列であるように、サイリスタ1701と置き換えられる。この方法ではサイリスタが望ましいが、サイリスタ1701は高電圧で低い抵抗を示す他の要素に置き換えられても良いことが理解されるであろう。図示される実施形態において、相互接続が溶断して電圧が上がり始めるにつれ、サイリスタ1701は電導性になり、PTC素子1703にエネルギが流れ込むことを許容するようになる。PTC1703が十分に高温になると、切れて、溶断した相互接続によって引き起こされたアーク放電は消される。PTC素子1703はセル501cに隣接して示されているが、セルの高い温度によって誤って切れないことを確実にするために熱的に分離されている必要がある可能性も理解されるであろう。
【0054】
上述したように、相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電を消すためのひとつの方法は、アーク放電が持続できない十分な程度にアークの長さを伸ばすことがある。この方法は、図12に示された実施形態に基づく。図18は、同じ方法に基づく他の実施形態を示しているが、異なる手段を用いてアークの長さを伸ばしている。図示されるように、最後に溶断するように予め選択された相互接続703の各々の近くに永久磁石1801/1802が配置される。バッテリパック/モジュールが図9〜11に関連して上述されたように最後に溶断するように予め選択されたひとつの相互接続を有するように構成されていれば、ひとつの磁石のみが必要とされることが理解されるであろう。
【0055】
図18に示される実施形態において、相互接続が溶断するとき、形成されたアーク放電は隣接した永久磁石例えば磁石1801及び1802に引きつけられる。この引力は、新たに構成されるアーク放電の経路を変更する。磁石を相互接続からいくらか離して配置することによって、また、アークを他の電導性の表面/構造に向けて引っ張らないように磁石を配置することによって、アークの長さは簡単に伸ばされ、アーク放電の持続を難しくさせる。
【0056】
図19に示される実施形態において、予め選択された可融相互接続は、セル端子を電気的に絶縁されたコンタクトブロック1901に接続する。第2の可融相互接続1903はコンタクトブロック1901をコレクタ板504に接続する。相互接続1903のインピーダンスは703よりも低い。その結果、相互接続703は溶断する最後の相互接続となり、それが溶断してアーク放電が形成されるとすぐに相互接続1903が溶断し、これにより、アークの長さを伸ばしアーク放電が消える。なお、相互接続1903は好ましくは可融相互接続であるが、フューズはアーク放電を消すためにこの位置で使用されても良い。
【0057】
相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電を消すために使用される技術にかかわらず、バッテリパック/モジュール内の他のセルのアーク放電の効果の影響を促進するために、好ましくは、1以上の技術が使用されても良い。単独もしくは組み合わせて使用されてもよい技術は、(i)図20に示されるように、グループ内の他のセルから対応するセルと一緒に最後に溶断するように予め選択される相互接続の間に追加的拒理を設けること、(ii)図21に示されるように、グループ内の他のセルから対応するセル及び予め選択された相互接続を熱的に絶縁することであって、この方法は高温材料あるいは断熱材(例えばセラミックから加工される)から製造される絶縁構造2101を使用する。及び/又は(iii)例えば、図22に示されるようにこのセルの周りを冷却チューブ2201で包むことによって、図23に示されるように冷却チューブにより他のセルから影響を受けたセルを分離することによって、又は、そのグループ内の他のセルにもたらされる追加の冷却を提供することによって、予め選択された相互接続に対応するセルのためにより大きな冷却システムを提供すること、を含む。
【0058】
この技術に精通している者によって理解されるように、本発明はその趣旨及び本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形式に具現化されてもよい。例えば、本発明は可融相互接続に関して説明され、円筒状のセルで描かれたが本発明はそれに限定されない。したがって、ここでの開示及び記述は例示を意図し、以下の請求項の範囲の限定を意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを備え、前記セルの各々は第1のコレクタ板及び第2のコレクタ板に電気的に接続され、かつ、前記複数のセルは電気的に並列に接続され、
第1のセルを除く前記複数のセルの各々の第1の端子を前記第1のコレクタ板に電気的に接続する第1の複数の可融相互接続を備え、前記第1の複数の可融相互接続は第1の通電容量を有し、
前記第1のセルを除く前記複数のセルの各々の第2の端子を前記第2のコレクタ板に電気的に接続する第2の複数の可融相互接続を備え、前記第2の複数の可融相互接続は第2の通電容量を有し、
前記複数のセルにおける前記第1のセルの第1の端子を前記第1のコレクタ板に電気的に接続する第1の可融相互接続を備え、前記第1の可融相互接続は第3の通電容量を有するように選択され、前記第3の通電容量は前記第1の通電容量よりも高く、前記第3の通電容量は前記第2の通電容量よりも高く、かつ、前記第1の可融相互接続は前記第1及び第2の複数の可融相互接続のうちのひとつではなく、
前記第1のセルの第2の端子を前記第2のコレクタ板に電気的に接続する第2の可融相互接続を備え、前記第2の可融相互接続は第4の通電容量を有するように選択され、前記第4の通電容量は前記第1の通電容量よりも高く、第4の通電容量は前記第2の通電容量よりも高く、かつ、前記第2の可融相互接続は、前記第1及び第2の複数の可融相互接続のうちのひとつではなく、かつ、
前記第1及び第2の可融相互接続の少なくとも一方に対応するアーク放電抑制システムを備え、前記アーク放電抑制システムは前記第1のセルを除く前記複数のセルと共に利用されないバッテリパック短絡回路管理システム。
【請求項2】
前記第1の通電容量は、第1のインピーダンスに対応し、前記第2の通電容量は第2のインピーダンスに対応し、前記第3の通電容量は第3のインピーダンスに対応し、前記第3のインピーダンスは前記第1のインピーダンスよりも低く、かつ、前記第2のインピーダンスよりも低く、前記第4の通電容量は第4のインピーダンスに対応し、前記第4のインピーダンスは前記第1のインピーダンスよりも低く、かつ、前記第2のインピーダンスよりも低い請求項1に記載のバッテリパック短絡回路管理システム。
【請求項3】
前記第3のインピーダンスは、前記第4のインピーダンスよりも低く、前記アーク抑制システムが、前記第1の可融相互接続に対応する請求項2に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項4】
第1の可融相互接続に対応する相互接続の長さは、前記第1及び第2の複数の可融相互接続に対応する相互接続よりも短く、かつ、前記第2の可融相互接続に対応する相互接続に対応する相互接続の長さは前記第1及び第2の複数の可融相互接続に対応する相互接続の長さよりも短い請求項1〜3に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項5】
前記第1の可融相互接続に対応する相互接続の厚さは、前記第1及び第2の複数の可融相互接続に対応する相互接続の厚さよりも大きく、かつ、前記第2の可融相互接続に対応する相互接続の厚さは前記第1及び第2の複数の可融相互接続に対応する相互接続の厚さよりも大きい請求項1〜4に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項6】
前記第1の可融相互接続は、少なくとも2つの独立した相互接続を備え、前記第2の可融相互接続は、少なくとも2つの独立した相互接続を備え、かつ、前記第1及び第2の複数の可融相互接続の各々の可融相互接続は1つの独立した相互接続を備える請求項1〜5に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項7】
前記第1の相互接続及び前記第2の相互接続は第1の材質を備え、前記第1及び第2の複数の可融相互接続は第2の材質を備え、前記第1の材質は前記第2の材質よりも低いインピーダンスを備える請求項1〜6に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項8】
前記アーク放電抑制システムは、電気的に非伝導な絶縁構造をさらに備え、前記第1の可融相互接続は電気的に非伝導な絶縁構造の中に配置される請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項9】
前記電気的に非伝導な絶縁構造は、前記第1の可融相互接続に適用される非電導な材質を備える請求項8に記載のバッテリパック短絡回路制御システム。
【請求項10】
前記アーク放電抑制システムは、前記第1の可融相互接続と並列に接続されるキャパシタをさらに備える請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項11】
前記アーク放電抑制システムは、正の温度係数の(PTC)要素と直列に接続されるサイリスタとの組合わせをさらに備え、前記組合わせは前記第1の可融相互接続に並列に接続される請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項12】
前記アーク放電抑制システムは、前記第1の可融相互接続に隣接した位置に取り付けられた永久磁石をさらに備える請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項13】
前記アーク放電抑制システムは前記第1のコレクタ板及び前記第1のセルの前記第1の端子から分離したコンタクトブロックをさらに備え、前記第1の可融相互接続は、前記第1のセルの前記第1の端子を前記コンタクトブロックに電気的に接続し、かつ、二次的な可融相互接続は、前記コンタクトブロックを前記第1のコレクタ板に電気的に接続し、前記二次的な可融相互接続は第5の通電容量を有し、前記第5の通電容量は前記第3の通電容量よりも高い請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項14】
前記コレクタ板は前記第1の相互接続が取り付けられる接続領域をさらに備え、前記接続領域は、前記コレクタ板から離れるように延び、かつ、前記接続領域はコレクタ板の他の部分よりも薄い請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項15】
前記第1のセル以外の前記複数のセルから前記第1のセルを分離する電気的に非伝導的で断熱絶縁構造を備える請求項1〜7に記載のバッテリパック短絡制御システム。
【請求項16】
バッテリパック内のアーク放電の形成を制御する方法であって、前記バッテリパックが並列構造に配置された複数のセルと、第1のコレクタ板及び第2のコレクタ板とを備え、
第1の複数の可融相互接続のために第1の通電容量を選択し、
第1のセルを除く前記複数のセルの各々の第1の端子を前記第1のコレクタ板に前記複数の可融相互接続によって電気的に結合し、
第2の複数の可融相互接続のために第2の通電容量を選択し、
前記第1のセルを除く前記複数のセルの各々の第2の端子を前記第2のコレクタ板に、前記第2の複数の相互接続によって電気的に結合し、
第1の可融相互接続のために第3の通電容量を選択し、前記第1の可融相互接続は、前記第1及び第2の複数の相互接続のうちの1つではなく、かつ、前記第3の通電容量は前記第1の通電容量及び前記第2の通電容量よりも高くなるように選択され、
前記第1のセルの第1の端子を前記第1のコレクタ板に、前記第1の可融相互接続によって電気的に結合し、
第2の可融相互接続のために第4の通電容量を選択し、前記第2の可融相互接続は前記第1及び第2の複数の相互接続のうちの1つではなく、かつ、前記第4の通電容量は前記第1の通電容量及び前記第2の通電容量よりも高くなるように選択され、
前記第1のセルを前記第2のコレクタ板に、前記第2の可融相互接続によって電気的に結合し、
アーク放電抑制システムは、前記第1のセルを実装し、前記アーク放電抑制システムは、前記複数のセルの前記第1のセルにのみ実装される
ステップを備えるバッテリパック内のアーク放電の形成を制御する方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記第1の複数の可融相互接続のための第1のインピーダンスを選択し、
前記第2の複数の可融相互接続のための第2のインピーダンスを選択し、
前記第1の可融相互接続のための第3のインピーダンスを選択し、前記第3のインピーダンスは前記第1のインピーダンス及び前記第2のインピーダンスよりも低くなるように選択され、
前記第2の可融相互接続のための第4のインピーダンスを選択し、前記第4のインピーダンスは前記第1のインピーダンス及び前記第2のインピーダンスよりも低くなるように選択されるステップをさらに備える請求項16に記載の前記方法。
【請求項18】
前記アーク放電抑制システムを実装する前記ステップが、第1の電気的に非伝導な絶縁構造の中の前記第1の可融相互接続を配置し、かつ、第2の電気的に非伝導な絶縁構造の中の前記第2の可融相互接続を配置するステップをさらに備え、
前記第1の電気的に非伝導な絶縁構造は、前記第1の可融相互接続を前記第1の複数の可融相互接続から分離し、かつ、前記第2の電気的に非伝導な絶縁構造は、前記第2の可融相互接続を前記第2の複数の可融相互接続から分離する請求項16及び請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アーク放電抑制システムを実装する前記ステップが、前記第1及び第2の可融相互接続を電気的に非伝導な材質によって被覆するステップをさらに備える請求項16及び請求項17に記載の方法。
【請求項20】
短絡の間、前記複数のセルのうちの、前記第1の可融相互接続または前記第2の可融相互接続が最後に溶断し、かつ、前記アーク放電抑制システムを実装する前記ステップが、前記第1または第2の可融相互接続が溶断するときに形成されるアーク放電から電流を奪うステップをさらに備え、前記電流を奪うステップは前記アーク放電を消す請求項16及び請求項17に記載の方法。
【請求項21】
短絡の間、前記複数のセルのうち、前記第1の可融相互接続または前記第2の可融相互接続回路が最後に溶断し、前記第1または第2の可融相互接続が溶断するときにアーク放電が形成され、かつ、前記アーク放電抑制システムを実装する前記ステップが、前記アーク放電に対応するアークを偏向させまたは伸ばすステップをさらに備え、前記アーク放電を偏向させまたは伸ばすステップが、前記アーク放電を消す請求項16及び請求項17に記載の方法。
【請求項22】
第1の迅速融解経路で前記第1のコレクタ板を構成し、前記第1の可融相互接続が前記第1の迅速融解経路に取付けられ、
第2の迅速融解経路で前記第2のコレクタ板を構成し、前記第2の可融相互接続は前記第2の迅速融解経路に取付けられる
ステップをさらに備える請求項16及び請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−44860(P2012−44860A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−169145(P2011−169145)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】