説明

セルロイド平板を利用した眼鏡フレーム及びその製造方法

本発明は、眼鏡フレーム及びその製造方法に関し、より詳細には、プラスチック製の一種であるセルロイド平板を加工し、眼鏡フレームのフロント部分を形成し、眼鏡フレームのフロントに眼鏡テンプルを装着して製造されるセルロイド平板を利用した眼鏡フレーム及びその製造方法に関する。本発明は、射出金型及び射出成形が不要であり、ヒンジ部をフロントと共に加工し、人の多様な顔大きさに対して1つの大きさの眼鏡フレームのフロントで製造することができるという長所を有する。また、デザインだけを変えれば、1つの大きさのフロントで多様なデザインを具現することができるという長所を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡フレーム及びその製造方法に関し、より詳細には、プラスチック製の一種であるセルロイド平板を加工し、眼鏡フレームのフロント部分を形成し、眼鏡フレームのフロントに眼鏡のテンプル(つる)を装着して製造されるセルロイド平板を利用した眼鏡フレーム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡は、視力を補正し保護する機能に加えて、着用者の印象に変化を与えるアクセサリー(Accessory)の機能を兼ねている。特に、流行に敏感な若い階層の眼鏡着用者の大部分は、デザインが異なる多数個の眼鏡を購入し、交替しながら着用している。眼鏡フレームは、プラスチックまたは金属製で製作されることが多い。プラスチックの場合、射出成形を通じて眼鏡フレームのフロントを形成し、フロントに眼鏡テンプルを装着し、眼鏡フレームを完成している。金属製眼鏡フレームの場合も、射出成形や鍛造を利用してフロントを形成し、フロントに眼鏡テンプルを装着し、眼鏡フレームを完成している。
【0003】
従来、プラスチック眼鏡フレームの大部分は、射出成形でフロントを形成し、形成されたフロントの側面のヒンジ部にテンプルを装着し、眼鏡フレームを完成して来た。従来のプラスチック眼鏡フレームの場合、ヒンジ部が眼鏡テンプルと同じ平面に位置するように射出成形されるか、または眼鏡テンプルを射出成形されるフロントの側面に位置させた後、眼鏡テンプルの前段部をフロントとともに形成することが一般的であった。
【0004】
したがって、従来のプラスチック眼鏡フレームの場合、人の顔の大きさに合わせて多様な大きさの眼鏡フレームを製造することが難しいという限界点があった。また、多様な大きさで製作しているので、射出成形のための金型が多様な形態で必要であるという問題点があった。
【0005】
また、従来の切削加工を用いた眼鏡フレームのフロントの製造においても、ヒンジ部を形成することもできたが、従来のヒンジ部がよく折れる問題点があり、切削加工を用いたプラスチック眼鏡フレームの製造は試みもなされていなかった。
【0006】
また、プラスチック射出成形の場合、射出金型が多様に存在しなければならないので、製造費用が上昇することができるという問題点もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、射出金型及び射出成形を必要としない眼鏡フレーム及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、ヒンジ部をフロントと共に加工し、人の多様な顔大きさに適用可能な眼鏡フレーム及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、既に製造されたプラスチック板を使用することによって、成形のための金型を必要としないので、製造が簡単で、且つ費用が節減された眼鏡フレーム及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、フロントと同じ平面に形成されるヒンジ部の連結部品が堅固な眼鏡フレーム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるセルロイド平板を利用した眼鏡フレームの製造方法は、セルロイド平板を切削し、ヒンジ部200が側面部に突出形成された眼鏡フレームのフロント10を加工し、前記フロント10の眼球部100の内周面にレンズ装着溝101を形成する段階と;前記加工されたフロント10の側面に突出形成されたヒンジ部200に、眼鏡テンプル500と連結するためにヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通する2つの穿孔201を形成する段階と;前記穿孔201が形成されたヒンジ部200の側面部に眼鏡テンプルを挿入するためのスロット204を形成する段階と;一端に貫通孔502が形成され、前記スロット204の幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部501と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部503で構成された眼鏡テンプルを形成する段階と;前記ヒンジ部200に形成されたスロット204に前記L字状連結部501の一端を挿入し、前記穿孔201と前記貫通孔502に締結手段を挿入固定させて、前記フロント10に眼鏡テンプル500を締結する段階と;を備える。
【0012】
本発明において、フロント10のヒンジ部200に形成される穿孔201は、前面から背面に所定角度で傾いて形成されることができる。穿孔201が所定角度で傾いて形成されるので、大きいせん断力と応力を受けることができるという長所がある。すなわち、一字型に形成されるものより、所定角度で傾いて形成されるので、穿孔とリベットが接触する断面積が大きくなり、それにより、大きいせん断力や応力を受けることができるようになる。また、引張または圧縮力が作用する場合、穿孔が傾いて形成されているので、分散力が作用するようになり、それにより、さらに大きい引張または圧縮力に耐えることができるという長所を有する。
【0013】
本発明において、フロント10と眼鏡テンプル500の締結手段は、リベット210で構成されることができる。リベット210をテーパ付きピンの形状で構成する場合リベット固定ピンがない場合にも使用可能である。但し、この場合、テーパ付きリベットは、穿孔201を通じて圧入して固定しなければならない。通常、フロントと眼鏡テンプルの締結手段は、2つのリベット210と固定ピン220で構成されることができる。2つのリベットは、穿孔201及び眼鏡テンプルの貫通孔502を通じて挿入され、挿入されたリベットの端部には、固定ピン220が挿入された後、圧縮力を加えてリベットの端部を圧着し、固定ピンとともに固定されるようにする。リベットを卵円形で形成する場合には、1つのリベットでも装着可能である。また、リベットのヘッドが1つであり、テンプルが2つであるリベットで製造することも可能である。1つのヘッドにする場合、ヘッドが大きくなり、そのため、ヘッド部に商標などを表示することができるという長所を有することができる。また、ヒンジ部200には、リベットのヘッド部211が挿入されて保持されるヘッド保持溝202と、固定ピン220が挿入されて保持される固定ピン保持溝203とがさらに形成されることができる。保持溝が存在するので、さらに堅固にリベットを通じて眼鏡テンプルを装着することができるようになり、長期間の使用によっても眼鏡テンプルが搖れることを防止することができる。
【0014】
本発明において、固定ピン220は、2つのリベット貫通孔221が形成される卵円形、四角形、菱形または8字形であることができる。リベット貫通孔221が形成されることができる面積を有するものなら、いずれの形態でも形成されることができる。もし楕円形状よりなる1つのリベットを使用する場合、1つのリベット貫通孔を形成すれば良い。
【0015】
また、本発明の他の態様によるセルロイド平板を利用して製造される眼鏡フレームは、内周面にレンズが挿入されて装着されるレンズ装着溝101が形成される左右側の眼球部100と、前記左右側の眼球部100を互いに連結する連結部300と、前記眼球部100の背面の内側に形成される鼻パッド部400と、前記眼球部100の一側に形成され、眼鏡テンプル500が連結されるヒンジ部200とで構成されるフロント10と;前記フロント10に形成されたヒンジ部200に装着される眼鏡テンプル500と;を備え、前記ヒンジ部200には、2つの穿孔201が形成され、前記穿孔201は、ヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通し、前記ヒンジ部200の側面部には、前記穿孔201と交差するスロット204が形成され、前記眼鏡テンプルは、一端に貫通孔502が形成され、前記スロットの幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部501と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部503とで構成され、前記眼鏡テンプル500のL字状連結部501は、前記スロット204に挿入され、前記ヒンジ部200の穿孔201及び前記眼鏡テンプルの貫通孔502を通じて挿入されたリベット210により前記眼鏡テンプル500が前記フロント10に固定装着される。
【0016】
本発明のヒンジ部200には、2つの穿孔201が形成され、穿孔201は、ヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通し、ヒンジ部200の側面部には、穿孔201と交差するスロット204が形成されることができる。穿孔201が所定角度で傾いて形成されることは、大きい力が作用する場合にも、ヒンジ部に損傷が発生しないようにするためである。穿孔が傾いて形成されているので、リベットと接触する面積が広くなり、面積が広くなることによって、作用する荷重に耐えることができる許容応力も大きくなることができる。したがって、眼鏡フレームの堅固性が保障されることができる。スロット204は、眼鏡テンプルを挿入して固定するためのものである。スロット204と穿孔201は、互いに交差して形成され、穿孔201は、スロットによって2つの部分に分割される。したがって、スロット204には、眼鏡テンプルの連結部が挿入され、穿孔201を通じてリベットが貫通し、リベットを用いて眼鏡テンプル500を固定することができるようになる。すなわち、眼鏡テンプル500のL字状連結部501には、貫通孔502が形成されてスロット204に挿入され、ヒンジ部200の穿孔201及び眼鏡テンプルの貫通孔502を通じて貫通されたリベット210と固定ピン220により眼鏡テンプル500がフロント10に固定装着される。固定ピン220は、2つのリベット貫通孔221が形成される卵円形、四角形、菱形または8字形であることができる。その他、2つのリベット貫通孔221が形成されることができるいずれの形状も適用することができる。もし卵円形リベットなら、固定ピン220に卵円形リベット貫通孔を形成して適用することもできる。また、テーパー形状のリベットを圧入し、眼鏡テンプルを固定する場合には、固定ピンなしも眼鏡テンプルをフロントに固定装着することができる。また、2つのリベットを1つのヘッドを有するリベットで製造する場合には、リベットのヘッドが大きくなるので、ヘッド部分に商標などを表示することができる長所を有することができる。また、リベットを卵円形で形成し、ヘッドも卵円形で形成する場合、1つのリベットでも眼鏡テンプルをフロントに締結することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、射出金型及び射出成形を必要とせず、ヒンジ部をフロントと共に加工し、人の多様な顔大きさに対して1つの大きさの眼鏡フレームのフロントで製造することができるという長所を有する。また、デザインだけを変えれば、1つの大きさのフロントで多様なデザインを具現することができるという長所を有する。
【0018】
また、本発明は、既に製造されたセルロイド平板を使用することによって、成形のための金型を必要としないので、製造が簡単であり、且つ費用が節減されることができるという長所を有する。また、本発明は、フロントと同じ平面に形成されるヒンジ部に所定角度で傾いた穿孔を形成することによって、眼鏡テンプルとの堅固な締結が可能な眼鏡フレームを具現することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による眼鏡フレームの製造方法を示す流れ図である。
【図2】セルロイド板を示す斜視図である。
【図3】本発明によって形成された眼鏡フレームのフロントを示す斜視図である。
【図4】ヒンジ部に穿孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】ヒンジ部の穿孔部分の第1実施例を示す平面図及び断面図である。
【図6】ヒンジ部の穿孔部分の第2実施例を示す平面図及び断面図である。
【図7】ヒンジ部にスロットを形成した第1実施例を示す平面図及び断面図である。
【図8】ヒンジ部にスロットを形成した第2実施例を示す平面図及び断面図である。
【図9】ヒンジ部にスロットを形成した第3実施例を示す平面図及び断面図である。
【図10】ヒンジ部にスロットを形成した第4実施例を示す平面図及び断面図である。
【図11】ヒンジ部が完成された状態を示すフロント斜視図である。
【図12】ヒンジ部と眼鏡テンプルの締結構造を示す斜視図である。
【図13】固定ピンの実施例を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施のための最良の形態は、セルロイド平板を切削し、ヒンジ部200が側面部に突出形成された眼鏡フレームのフロント10を加工し、前記フロント10の眼球部100の内周面にレンズ装着溝101を形成する段階と;前記加工されたフロント10の側面に突出形成されたヒンジ部200に眼鏡テンプル500と連結するためにヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通する2つの穿孔201を形成する段階と;前記穿孔201が形成されたヒンジ部200の側面部に眼鏡テンプルを挿入するためのスロット204を形成する段階と;一端に貫通孔502が形成され、前記スロット204の幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部501と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部503とで構成された眼鏡テンプルを形成する段階と;前記ヒンジ部200に形成されたスロット204に前記L字状連結部501の一端を挿入し、前記穿孔201と前記貫通孔502に締結手段を挿入固定させて、前記フロント10に眼鏡テンプル500を締結する段階と;を備える。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。但し、これは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が発明を容易に実施することができる程度に詳細に説明するためのものであって、本発明の技術的思想及び範疇が限定されることを意味するわけではない。
【0022】
まず、本発明の好ましい実施例を説明するに先立って、本発明の様々な実施例において技術的特徴が同一の構成に対しては、同一の符号を使用していることを明らかにする。
【0023】
図1は、本発明による眼鏡フレームの製造方法を示す流れ図であり、図2は、セルロイド板を示す斜視図であり、図3は、本発明によって形成された眼鏡フレームのフロントを示す斜視図であり、図4は、ヒンジ部に穿孔を形成した状態を示す斜視図であり、図5は、ヒンジ部の穿孔部分の第1実施例を示す平面図及び切断図であり、図6は、ヒンジ部の穿孔部分の第2実施例を示す平面図及び切断図であり、図7は、ヒンジ部にスロットを形成した第1実施例を示す平面図及び切断図であり、図8は、ヒンジ部にスロットを形成した第2実施例を示す平面図及び断面図であり、図9は、ヒンジ部にスロットを形成した第3実施例を示す平面図及び切断図であり、図10は、ヒンジ部にスロットを形成した第4実施例を示す平面図及び切断図であり、図11は、ヒンジ部が完成された状態のフロントを示す斜視図であり、図12は、ヒンジ部と眼鏡テンプルの締結構造を示す斜視図であり、図13は、固定ピンの実施例を示す平面図である。
【0024】
図1を参照して本発明による眼鏡フレームの製造方法を説明する。本発明による眼鏡フレームの製造方法は、セルロイド平板を切削し、ヒンジ部200が側面部に突出形成された眼鏡フレームのフロント10を加工し、前記フロント10の眼球部100の内周面にレンズ装着溝101を形成する段階S1と;前記加工されたフロント10の側面に突出形成されたヒンジ部200に眼鏡テンプル500と連結するためにヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通する2つの穿孔201を形成する段階S2と;前記穿孔201が形成されたヒンジ部200の側面部に眼鏡テンプルを挿入するためのスロット204を形成する段階S3と;一端に貫通孔502が形成され、前記スロット204の幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部501と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部503とで構成された眼鏡テンプルを形成する段階S4と;前記ヒンジ部200に形成されたスロット204に前記L字状連結部501の一端を挿入し、前記穿孔201と前記貫通孔502に締結手段を挿入固定させて前記フロント10に眼鏡テンプル500を締結する段階S5と;を備える。
【0025】
図2〜図13を参照して本発明による眼鏡フレームの製造方法に対して具体的に説明する。本発明による眼鏡フレームの製造方法は、図2及び図3に示されたように、まず、セルロイド平板1を切削加工し、眼鏡フレームのフロント10を形成する。セルロイド平板1は、切削加工で形成され、切削加工は、MC(Machining Center)加工を利用して平板を加工する。セルロイド平板1にコンピュータを利用して所望のデザインの眼鏡フレームフロントを描いて、描かれたデザインによってMC加工をし、フロント10を形成するようになる。図3には、切削加工を通じて加工された眼鏡フレームのフロント10を示している。フロント10は、眼球部100と、眼球部を連結する連結部300と、眼球部100の外側に形成されたヒンジ部200と、フロント10の内側に形成され、眼鏡フレームを人の鼻部位に固定する鼻パッド400とで構成される。
【0026】
図4〜図6は、ヒンジ部200に穿孔を形成する段階を示す図である。図4は、ヒンジ部200に穿孔が形成された状態を示す斜視図であり、図5と図6は、穿孔201の実施例を示す図である。図5において、穿孔201は、ヒンジ部200の前面と背面を通じて所定角度で傾いて形成されている。穿孔201を所定角度で傾いて形成することは、眼鏡テンプル500に大きい荷重が作用し、ヒンジ部200にその力が及ぶ場合にも、折れやすいなどの問題点を解決するためのものである。穿孔201が所定角度で傾いて形成されることによって、せん断力や引張または圧縮力が作用する場合、適用断面積が大きくなり、許容できる許容応力が大きくなり、ヒンジ部が容易に折れることを防止し、眼鏡フレームの耐久性を良好にする。図6は、ヒンジ部200の前面にリベット保持溝202を形成し、背面には、固定ピン保持溝203を形成した状態の実施例を示す図である。リベット保持溝202と固定ピン保持溝203を形成することによって、リベットのヘッド部分や固定ピンが突出することを防止することができる。また、リベットや固定ピンが突出しないため、洗練されたデザインを形成することもできる。
【0027】
図7〜図10は、ヒンジ部200の側面にスロット204を形成する段階を示す図である。図7では、リベット保持溝202と固定ピン保持溝203が形成されていない状態でスロット204が形成された実施例を示す図である。図面から分かるように、スロット204は、穿孔201と交差して形成され、スロット204により、穿孔201は、2つの部分に分割される。図8は、リベット保持溝202と固定ピン保持溝203が形成された状態でスロット204が形成された実施例を示す図である。同図では、リベット保持溝202と固定ピン保持溝203が形成され、リベットで眼鏡テンプルを固定装着する場合、リベットや固定ピンが突出しないようにする。図9及び図10は、スロット204を上下全体長さに形成せず、上下部分に一定の壁を形成した状態の実施例である。図9に示されたように、スロット204の上下部には、スロット壁205が形成されている。スロット壁205が形成されているため、スロット204の内部に挿入された眼鏡テンプル500は、さらに堅固に固定されることができ、長時間の使用によって眼鏡テンプルが搖れることを防止することができるという長所を有する。図10は、リベット保持溝202と固定ピン保持溝203が形成された状態でスロット204が形成されたことを示す図である。図10でも、図9と同様に、スロット壁205が形成される。
【0028】
図11は、完成されたフロント10を示す図である。同図で、ヒンジ部200には、穿孔201とスロット204が形成されている。
【0029】
図12は、眼鏡テンプル500をフロント10に締結する状態を示す斜視図である。同図で、眼鏡テンプル500のL字状連結部501の一端には、リベット貫通孔501が形成され、前記L字状連結部501の一端は、スロット204に挿入され、連結部501が挿入されれば、穿孔201を通じてリベット210が挿入され、リベット210の他端は、固定ピン220に挿入される。リベット210が固定ピン220に挿入された状態で、固定ピン220のリベット貫通孔221を通じて突出したリベットの端部は、固定ピン220が抜けないように圧縮を加えてヘッドを形成し、固定ピン220と共に固定させる。したがって、L字状連結部501の長さによって多様な大きさの眼鏡フレームを形成することができる。すなわち、L字状連結部501の貫通孔502が形成された側の長さを長くすれば、フロント10の長さを一定に形成する場合でも、多様な大きさの眼鏡フレームを形成することができる。図示してはいないが、2つのリベット210を1つのヘッドと2つのテンプルを有するように形成することもできる。また、リベット210を卵円形で形成する場合、1つのリベットだけでも眼鏡テンプル500をフロント910に装着することができる。また、リベット210をテーパー形状で製造し、穿孔を通じて圧入する方式で固定する場合には、固定ピン220なしも眼鏡テンプル500をフロント10に固定装着することができる。
【0030】
図13は、多様な形状の固定ピン220を示す図である。同図で、固定ピン220は、卵円形、8字形、四角形及び菱形で形成されることができる。その他、多様な形状で固定ピン220を形成することができることは自明な事項と言える。固定ピン220を2つで形成することなく、1つで形成することによって、さらに堅固に眼鏡テンプル500を固定することができるという長所を有し、したがって、眼鏡テンプルが長期間の使用によっても容易に搖れることを防止することができるようになる。
【0031】
本発明による眼鏡フレームは、図12に示されたように、内周面にレンズが挿入されて装着されるレンズ装着溝101が形成される左右側の眼球部100と、前記左右側の眼球部100を互いに連結する連結部300と、前記眼球部100の背面の内側に形成される鼻パッド部400と、前記眼球部100の一側に形成され、眼鏡テンプル500が連結されるヒンジ部200とで構成されるフロント10と;前記フロント10に形成されたヒンジ部200に装着される眼鏡テンプル500と;を備える。ヒンジ部200には、2つの穿孔201が形成され、前記穿孔201は、ヒンジ部200の前面と背面を所定角度で傾いて貫通し、前記ヒンジ部200の側面部には、前記穿孔201と交差するスロット204が形成される。前記眼鏡テンプル500のL字状連結部501には、貫通孔502が形成され、前記スロット204に挿入され、前記ヒンジ部200の穿孔201及び前記眼鏡テンプルの貫通孔502を通じて貫通されたリベット210と固定ピン220により前記眼鏡テンプル500が前記フロント10に固定装着される。固定ピン220の形状は、卵円形、8字形、四角形及び菱形で形成されることができることは、前述した通りである。また、穿孔201が傾いて形成されることによる効果も、前述した通りである。このように、本発明による眼鏡フレームは、セルロイド平板を利用して製造されるものなので、別途の金型を必要とせず、穿孔201を傾くように形成することによって、耐久性及び堅固性を有することができ、セルロイド平板を利用することによって、さらに軽いながらも耐久性がある眼鏡フレームを具現することができるという長所を有する。また、フロント10は、プラスチックで形成し、眼鏡テンプル500は、金属フレームで形成することによって、多様なカラーとデザインで構成することができるという長所を有する。
【0032】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、プラスチック製の一種であるセルロイド平板を加工し、眼鏡フレームのフロント部分を形成し、眼鏡フレームのフロントに眼鏡テンプルを装着して製造されるセルロイド平板を利用した眼鏡フレーム及びその製造方法に関し、多様な形状の眼鏡フレームを製造することができる産業上の利用可能性が非常に高い発明である。
【符号の説明】
【0034】
1 セルロイド平板
10 フロント
100 眼球部
101 レンズ装着溝
200 ヒンジ部
201 穿孔
202 リベットヘッド保持溝
203 固定ピン保持溝
204 スロット
205 スロット壁
210 リベット
211 リベットヘッド
220 固定ピン
221 リベット貫通孔
300 連結部
400 鼻パッド
500 眼鏡テンプル
501 L字状連結部
502 貫通孔
503 耳掛け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロイド平板を切削し、ヒンジ部が側面部に突出形成された眼鏡フレームのフロントを加工し、前記フロントの眼球部の内周面にレンズ装着溝を形成する段階と;
前記加工されたフロントの側面に突出形成されたヒンジ部に、眼鏡テンプルと連結するためにヒンジ部の前面と背面を所定角度で傾いて貫通する2つの穿孔を形成する段階と;
前記穿孔が形成されたヒンジ部の側面部に眼鏡テンプルを挿入するためのスロットを形成する段階と;
一端に貫通孔が形成され、前記スロットの幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部とで構成された眼鏡テンプルを形成する段階と;
前記ヒンジ部に形成されたスロットに前記L字状連結部の一端を挿入し、前記穿孔と前記貫通孔に締結手段を挿入固定させて、前記フロントに眼鏡テンプルを締結する段階と;を備えることを特徴とするセルロイド平板を利用した眼鏡フレームの製造方法。
【請求項2】
前記締結手段は、リベットで構成されることを特徴とする請求項1に記載のセルロイド平板を利用した眼鏡フレームの製造方法。
【請求項3】
前記リベットを固定するための固定ピンがさらに付加され、
前記固定ピンは、2つのリベット貫通孔が形成される卵円形、四角形、菱形または8字形であることを特徴とする請求項2に記載のセルロイド平板を利用した眼鏡フレームの製造方法。
【請求項4】
前記ヒンジ部には、前記リベットのヘッド部が挿入されて保持されるヘッド保持溝と、前記固定ピンが挿入されて保持される固定ピン保持溝とがさらに形成されることを特徴とする請求項3に記載のセルロイド平板を利用した眼鏡フレームの製造方法。
【請求項5】
セルロイド平板を利用して製造される眼鏡フレームにおいて、
前記眼鏡フレームは、
内周面にレンズが挿入されて装着されるレンズ装着溝が形成される左右側の眼球部と、前記左右側の眼球部を互いに連結する連結部と、前記眼球部の背面の内側に形成される鼻パッド部と、前記眼球部の一側に形成され、眼鏡テンプルが連結されるヒンジ部とで構成されるフロントと;前記フロントに形成されたヒンジ部に装着される眼鏡テンプルと;を備え、
前記ヒンジ部には、2つの穿孔が形成され、前記穿孔は、ヒンジ部の前面と背面を所定角度で傾いて貫通し、前記ヒンジ部の側面部には、前記穿孔と交差するスロットが形成され、
前記眼鏡テンプルは、一端に貫通孔が形成され、前記スロットの幅に対応する金属材平板で構成されたL字状連結部と、前記L字状連結部の他端に内側に折り曲げられるようにヒンジ結合される耳掛け部とで構成され、
前記眼鏡テンプルのL字状連結部は、前記スロットに挿入され、前記ヒンジ部の穿孔及び前記眼鏡テンプルの貫通孔を通じて挿入されたリベットにより前記眼鏡テンプルが前記フロントに固定装着されることを特徴とするセルロイド平板を利用した眼鏡フレーム。
【請求項6】
前記リベットを固定するための固定ピンがさらに付加され、
前記固定ピンは、2つのリベット貫通孔が形成される卵円形、四角形、菱形または8字形であることを特徴とする請求項5に記載のセルロイド平板を利用した眼鏡フレーム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2012−523592(P2012−523592A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505837(P2012−505837)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006958
【国際公開番号】WO2011/108791
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(511247080)
【氏名又は名称原語表記】CHANG,Jung Tae
【Fターム(参考)】