説明

セルロースポリマーを有する試験センサ試薬

体液中の分析対象物の濃度を測定するための試験センサ試薬には、試験センサの安定性を向上させ、そして合計アッセイ時間を減少させるためのセルロースポリマーが含まれる。試験センサ試薬にはまた、酵素、電子伝達メディエータ、およびレオロジー添加剤が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野
[0001] 本発明は、一般的には、試験センサにおいて使用される試薬に関し、そしてより具体的には試験センサの安定性を向上させそして合計アッセイ時間を減少させるためのセルロースポリマーを有する試薬に関する。
【0002】
発明の背景
[0002] 体液中の分析対象物の定量的測定は、特定の生理学的異常の診断および維持管理において、非常に重要である。例えば、特定の個体においては、乳酸、コレステロール、およびビリルビンを、モニタリングしなければならない。特に、体液中のグルコースの測定は、体液中のグルコースレベルを頻繁にチェックして、食餌中のグルコース取り込みを制御しなければならない糖尿病個体にとっては重要である。そのような試験の結果を使用して、あるとすれば、インスリンまたはその他の薬物治療の何を投与する必要があるかを決定することができる。血中グルコース試験システムの一つの型において、試験センサを使用して、血液サンプルなどの液体を試験する。
【0003】
[0003] 試験センサは、目的とする分析対象物(例えば、血中グルコース)と反応しうる、バイオセンシング物質または試薬物質を含有する。試験センサの試験終端部(testing end)は、試験される液体(例えば、指を刺した後、そのヒトの指にたまった血液)中に静置されるように構成される。液体は、試験終端部から試薬物質まで試験センサ中を伸長する毛細管チャンネル中に、毛細管作用により引き込まれ、それにより試験される十分量の液体が、試験センサ中に引き込まれる。いくつかの試験センサでは、液体は次に、試験センサ中の試薬物質と化学的に反応して、試験される液体中のグルコースレベルの指標である電気的シグナルを生じる。
【0004】
[0004] 現在の試験センサによる問題の一つは、試薬がセンサの安定性を妨害する構成成分を含有する場合があることである。特に、いくつかの構成成分(例えば、ポリエチレンオキシド(“PEO”))は、酵素や電子伝達メディエータなどの試験センサにとって重要であるその他の構成成分と不適合である可能性がある。例えば、酵素や電子伝達メディエータと不適合である構成成分と共に製剤化される試薬を有する試験センサは、時間の経過とともに、試験センサの安定性が悪くなる可能性がある。この不安定性は、合計アッセイ時間が約35秒未満である場合に、特に明らかである。したがって、試験センサの安定性を向上させる構成成分を有する試験センサ試薬を有することが、好ましい。
【0005】
発明の概要
[0005] 本発明の一態様によれば、試験センサ試薬組成物が、液体サンプルの分析対象物濃度を決定することを支援するように構成される。試薬は、酵素、電子伝達メディエータ、セルロースポリマー、およびレオロジー添加剤を含む。
【0006】
[0006] 本発明の別の態様によれば、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法は、分析対象物濃度を測定することを支援するように構成される電気化学的試験センサを提供する工程を含む。電気化学的試験センサは、カウンタ電極および作用電極を含む複数の電極、液体受け領域、およびセルロースポリマーを含む試験センサ試薬、を含む。この方法にはまた、約35秒未満のアッセイ時間内に、分析対象物濃度を測定する工程が含まれる。
【0007】
[0007] 本発明の別の態様によれば、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法は、被検体の指を刺して液体サンプルを生成する工程、少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを、試験センサ中に静置する工程、液体サンプルを、試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と、接触させる工程、液体サンプル中の分析対象物の指標である電気的シグナルを提供する工程、そして電気的シグナルを使用して分析対象物を測定する工程、を含む。
【0008】
[0008] 本発明の別の態様によれば、試験センサ中で使用するためのカートリッジは、複数の試験センサ、および複数の試験センサを保存するために構成されるハウジングを含む。各試験センサには、試験センサを安定化させ、そして合計アッセイ時間を約35秒未満にまで減少させるように構成されるセルロースポリマーを含む試薬が含まれる。
【0009】
[0009] 本発明の別の態様によれば、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法は、被検体の指を刺して液体サンプルを生成する工程、少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを試験センサ中に静置する工程、液体サンプルを試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と接触させる工程、そして液体サンプルの分析対象物濃度を測定する工程、を含む。
【0010】
[0010] 本発明のさらなる態様によれば、基材上へのスクリーンプリンティングの方法は、感光性エマルジョンを有する第一の部分、および感光性エマルジョンが存在しない状態で形成される第二の部分、が含まれるスクリーンを提供する工程、スクリーン上で液体サンプルの分析対象物濃度を測定することを支援するための溶媒、セルロースポリマー、および酵素を含む試薬を供給する工程、そしてスクリーンの第二の部分を介して、基材上の試薬と接触させる工程、を含む。
【0011】
[0011] 本発明の上述した概要は、本発明のそれぞれの態様またはすべての側面を示すことを意図したものではない。本発明のさらなる特徴や利点が、以下に記載するような詳細な説明、図面、および請求の範囲から明らかになるだろう。
【0012】
発明の態様の説明
[0020] 本発明は、複数の電気化学的試験センサまたは光学的試験センサを含有する、単一のセンサ装置またはセンサ-分注装置(dispensing instruments)中で使用される試薬に関するものである。電気化学的試験センサまたは光学的試験センサを使用して、液体中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を測定する。本発明の試薬を使用して測定することができる分析対象物には、グルコース、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL、およびHDL)、ヘモグロビンA1C、フルクトース、乳酸、またはビリルビンが含まれる。しかしながら、本発明は、これらの特定の分析対象物を測定することには限定されず、そしてその他の分析対象物濃度を測定することができることが企図される。分析対象物は、例えば、全血サンプル、血清サンプル、血漿サンプル、またはISF(間質液)や尿などのその他の体液中に存在していてもよい。
【0013】
[0021] 複数の試験センサは、典型的には、ディスポーザブルのカートリッジまたはコンテナ中で保存される。一態様において、複数の試験センサは、センサパック中に保存されていてもよく、そこでは、試験センサは、センサの空洞(例えば、ブリスター-型パック)中に個別にパッケージングされる。センサ-分注装置20中に静置されるディスポーザブルのカートリッジ10の例は、図1に示される。ディスポーザブルのカートリッジ10は、ブリスター-型パックの一例である。カートリッジ10には、複数の試験センサ12が含まれ、それらはセンサの空洞14のそれぞれの中に個別に保存される。センサを個別に保持するその他のセンサパックも使用することができることが企図される。
【0014】
[0022] 代替の態様において、複数の試験センサは、図2aに示されるものなど、ディスポーザブルのカートリッジ中に積み重ねられてもよい。図2aを参照する場合、ディスポーザブルのカートリッジ50には、ハウジング52、およびスプリング56を介して、矢印Aの方向に移動される複数の積み重ねられた試験センサ54が含まれる。カートリッジ50にはまた、複数のシール58a、58bが含まれ、それらが積み重ねられた試験センサ54を湿度から保護する。試験センサ54は、1回に1つずつ、開口部60を介して、カートリッジ50から外に出る。ディスポーザブルのカートリッジ50は、図2bのセンサ-分注装置70中に保存されていてもよい。カートリッジ10、50以外のその他のカートリッジを、本発明により使用することができることが企図される。
【0015】
[0023] 図1および図2aのカートリッジ10、50または単一の試験センサのコンテナは、試験センサの数を変更することができ、それにより異なるユーザーの要求に対処する。典型的には、カートリッジまたはコンテナは、約10〜約100個の試験センサを含有し、より具体的には約25〜約50個の試験センサを含有する。試験センサの保管期限および使用期限が制限されているため、より頻繁に試験を行うユーザーとは対照的に、それほどの頻度では試験しないユーザーは、より少ない試験センサを有するカートリッジまたはコンテナを希望することが想定される。
【0016】
[0024] いくつかの態様において、カートリッジまたはコンテナ中で使用される試験センサは、典型的には、試験センサの前部または試験終端部から試験センサ中に配置されるバイオセンシングまたは試薬物質まで伸長する、毛細管チャンネルにより提供される。試験センサの試験終端部が液体(例えば、指を刺した後、ヒトの指にたまった血液)中に静置される場合、液体の一部が、毛細管作用により毛細管チャンネル中に引き込まれる。次いで、液体は試験センサ中の試薬と化学的に反応し、それにより試験される液体中の分析対象物(例えば、グルコース)レベルの指標である電気的シグナルが供給され、そして引き続いて電気的アッセンブリに伝達される。
【0017】
[0025] いくつかの試験センサにおいて、スクリーンプリンティングプロセスを介して、試薬を基材に対して塗布する。スクリーンプリンティングプロセスにより、試薬の薄層を、小型で、平坦な試験センサ(例えば、図4に示される試験センサ)に対して塗布することが可能になる。このプロセスは、一般的には延伸ステンレススチールまたはポリエステルメッシュのいずれかにより作られたスクリーン、および所望のパターンで露光される感光性エマルジョンコーティングを使用する。試薬インクは、一般的には、スクリーンに対して塗布され、そしてスクイージーブレード(squeegee blade)を使用して、スクリーンを介して、試薬を所望のパターンに押し込む。所望のパターンには、感光性エマルジョンを有するスクリーンの一部分および感光性エマルジョンを何も有さないスクリーンの別の部分が含まれていてもよい。一態様において、感光性エマルジョンを伴わないスクリーンの部分は、試薬インクと接触していてもよい。
【0018】
[0026] 試験センサに対して塗布された試薬の組成物は、試験を行って分析対象物濃度を測定するために必要とされる時間の長さ(すなわち、アッセイ時間)、試験センサの安定性、およびスクリーンプリンティングプロセスを介した試薬の塗布の容易性等の項目に影響を与える可能性がある。本発明の試薬の組成物には、所望の試験センサ特性(例えば、試験センサの安定性の増加、合計アッセイ時間の減少、および基材に対する試薬の接着性の向上)を提供する有効成分が含まれる。
【0019】
[0027] そのような所望の特性を提供する本発明の一態様には、セルロースポリマーを有する試薬が含まれる。セルロースポリマーは、試薬層の構成成分に対する結合剤として機能し、そして試薬の粘度を上昇させるための補助となる。試薬中でのセルロースポリマーの使用は、試験センサの安定性を向上させることもまた、見いだされた。特に好ましいセルロースポリマーには、ヒドロキシエチルセルロース(“HEC”)ポリマーが含まれる。HECは、その安定化特性のために好ましい。具体的には、HECが他のポリマー材料の代わりに使用される場合、グルコースオキシダーゼのグラデーションが減少すると共に、メディエータの還元の発生が減少する。これらの反応の減少は、試験センサのバックグラウンド電流を減少することにより、試験センサの安定性の向上を引き起こす。試薬製剤中で使用することができるその他の適切なポリマーには、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、またはこれらの組合せ、が含まれる。
【0020】
[0028] 本発明の一態様にしたがって、試薬は一般的に、約25,000〜約2,000,000の分子量の約1重量%〜約10重量%のセルロースポリマー、および好ましくは約300,000〜約1,000,000の分子量の約3重量%〜約6重量%のセルロースポリマー、を含む。セルロースポリマーは、様々な供給者から、商業的に入手可能である。例えば、Natrasol(登録商標)、HECポリマー、は、Hercules Inc.(Wilmington, Delaware)から入手可能である。
【0021】
[0029] 本発明の別の態様にしたがって、上述したセルロースポリマーに加えて、試薬には、追加的な構成成分(例えば、酵素、電子伝達メディエータ、およびレオロジー添加剤)が含まれる。
【0022】
[0030] 血中グルコースレベルを試験するため、グルコースオキシダーゼ酵素を使用することができる。グルコースオキシダーゼ酵素は、血液サンプル中のグルコースと反応し、そしてグルコース濃度を示す電気的シグナルを生成する。酵素活性は、標準的条件下にて、1分間あたり1μモルの基質の変化を触媒しうる酵素量として定義される、活性ユニット(U)の観点から測定することができる。試薬は、約0.5重量%から最大約5重量%のグルコースオキシダーゼ酵素を含むことができ、好ましくは約1.0重量%から最大約4.0重量%のグルコースオキシダーゼ酵素を含むことができる。
【0023】
[0031] グルコースオキシダーゼ酵素は、Biozyme Laboratories International Ltd.(San Diego, California)、Genzyme Corporation(Cambridge, Massachusetts)およびAmano Enzyme Inc.(Elgin, Illinois)などの企業から商業的に入手することができる。試験される分析対象物に依存して、グルコースの他に、血液サンプル中のその他の分析対象物を検出するため、試薬は、グルコースデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼなどのその他の酵素を含有してもよい。
【0024】
[0032] 上述したように、試薬には、電子伝達メディエータも含まれていてもよい。本発明により使用することができるメディエータの例には、フェリシアニドカリウム、フェロシアニドカリウム、フェロセンまたはその誘導体、キノンまたはその誘導体、有機導電性の塩またはビオロゲン、およびその他のメディエータが含まれる。好ましくは、電子伝達メディエータは、酸化還元対を形成することができる混合原子価化合物である。使用される電子伝達メディエータに依存して、試薬は、一般的には約1重量%〜約20重量%の電子伝達メディエータを含み、そして好ましくは約15重量%〜約20重量%の電子伝達メディエータを含む。本発明の一態様において、電子伝達メディエータは、フェリシアニドメディエータである。フェリシアニドメディエータ並びにその他の電子伝達メディエータは、Sigma-Aldrich Co.等の様々な供給者から商業的に入手できる。フェリシアニドメディエータに加えて、その他の電子伝達メディエータを、本発明において使用することができることが企図される。
【0025】
[0033] 試薬中に含まれるレオロジー添加剤には、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、またはベントナイト粘土などのスメクタイト粘土、またはその他の適切な天然物質または合成物質が含まれていてもよい。ヘクトライトは、粘土ミネラルから構成され、そしてElementis Specialities Inc.(Hightstown, New Jersey)からBentone(登録商標)として、またはSud-Chemie Inc.(Louisville, Kentucky)から商業的に入手できるOPTIGEL(登録商標)SH合成ヘクトライトとして、商業的に入手可能である。本発明により使用することができるその他のレオロジー添加剤には、その他の選鉱される(beneficiated)粘土、キサンタンガム、フュームド・シリカ、およびActive Minerals Company LLC.から商業的に入手可能なマグネシウムアルミノケイ酸塩(aluminosilicate)Acti-GelTM208が含まれてもよい。
【0026】
[0034] 本発明の試薬中で使用することができるレオロジー添加剤は、好ましくは、揺変性(thixotropic)物質または粘度-修飾性物質である。そのような物質は、試薬のスクリーンプリンティング特性を向上させる。具体的には、本発明の揺変性添加剤には、ゆっくりと時間をかけて粘度の低下を示す物質が含まれる。さらに、添加剤がより長く剪断を受ければそれだけ、本発明の揺変性添加剤の粘度もまた減少する。試薬中のレオロジー添加剤は、結合剤物質または充填剤物質としても機能することができる。
【0027】
[0035] 一態様において、試薬は、約0.1重量%〜約3重量%のスメクタイト粘土またはその他の適切なレオロジー添加剤、そして好ましくは、約0.2重量%〜約1.6重量%ののスメクタイト粘土またはその他の適切なレオロジー添加剤を含んでもよい。上述した特性を有するその他のレオロジー添加剤を、試薬中で使用することができることが企図される。使用されるレオロジー添加剤の量および型は、試薬中で使用されるポリマーに依存して、そして試薬が水溶性ベースか有機溶媒溶性ベースかに依存して、変化させることができる。
【0028】
[0036] 本発明のさらに別の態様において、試薬には、追加の構成成分(バッファーおよび湿潤剤など)が含まれていてもよい。使用することができるバッファーの例には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、およびその他の適切なバッファー(例えばリン酸バッファー)が含まれる。試薬は、約10 mモル〜約500 mモルのバッファー、そして好ましくは約25 mモル〜約200 mモルのバッファーが含まれていてもよい。その他の適切なバッファーには、酢酸ナトリウム、Hepesバッファーなどが含まれていてもよい。試薬中で使用されるバッファーは、使用される電子伝達メディエータに基づいて選択することができる。例えば、フェリシアニドメディエータが試薬中に含まれる場合、pHレベルをより低く維持しそしてフェリシアニドメディエータと反応しないバッファーが好ましい。
【0029】
[0037] 適切な湿潤剤には、フルオロカーボンベースの界面活性剤またはハイドロカーボンベースの界面活性剤が含まれていてもよい。本発明により使用することができる界面活性剤のいくつかの例には、Dow Chemical Company(Midland, Michigan)から入手するTritonTM界面活性剤、およびAir Products and Chemicals, Inc.(Allentown, Pennsylvania)から入手するSurfynol(登録商標)添加剤、が含まれる。試薬は、約0.01重量%〜約0.3重量%のフルオロカーボンベースの界面活性剤、そして好ましくは約0.02重量%〜約0.06重量%のフルオロカーボンベースの界面活性剤を含んでもよい。追加的に、あるいは代替的に、試薬は、約0.1重量%〜約5.0重量%のハイドロカーボンベースの界面活性剤、そして好ましくは約1.0重量%〜約3.0重量%のハイドロカーボンベースの界面活性剤を含んでもよい。
【0030】
[0038] 製剤の残りは、水、または選択される酵素および電子伝達メディエータに応じて変化することができるその他の適切な溶媒、を含有してもよい。溶媒は、酵素および電子伝達メディエータと不活性であるべきである。
【0031】
[0039] 図3および図4は、上述した試薬を使用するように構成される試験センサの別の態様を示す。図3は、電気化学的試験センサの分解組立図である。試験センサ110は、絶縁性ベース112を含み、その上には、第一のリード114aおよび第二のリード114b(低抵抗接点)、作用電極116、カウンタ電極118、開口部122とチャンネル125とを含む絶縁(誘電性)層120、および反応層124を含む電極パターン、を含む電気的導電パターンが、順序正しく(典型的にはスクリーンプリンティング技術により)プリンティングされる。
【0032】
[0040] 反応層124には、目的の分析対象物(例えば、グルコース)を、電極パターン116、118の構成成分により、分析対象物の生成する電流の観点から、電気化学的に測定することができる化学種に変換する試薬が含まれる。反応層124は、絶縁層120における開口部122およびチャンネル125の上に配置される。したがって、電極パターン116、118に曝露される反応層124の一部が、絶縁層120中の開口部122およびチャンネル125により定義される。作用電極116は、第1のリード114aと電気的に連結され、そしてカウンタ電極118は、第2のリード114bと電気的に連結される。トリガーカウンタ電極サブユニット119は、カウンタ電極118と電気的に連結され、そして2電極システムにおける充填不足検出電極として機能する。
【0033】
[0041] 注入口134から試験センサ110中へと液体サンプルを移動させるために絶縁層120と結合させる場合、試験センサ110には、毛細管チャンネルを形成する凹部132を有するフタ130が含まれる。毛細管チャンネルの下流末端には、毛細管チャンネルに排出口をつけるため、1またはそれ以上の開口136が含まれる-液体サンプルは試験センサ110中の注入口134から、開口部136へと流れる。使用する際、試験センサ110は、毛細管チャンネル注入口134を液体サンプルと接触させることにより、液体サンプル(例えば、患者の指から得る血液サンプル)を回収する。
【0034】
[0042] 本明細書中で記載される本発明の試薬を、様々な試験センサ中で使用することができる。試薬製剤を使用することができる試験センサのいくつかの例は、Bayer Healthcare LLC(Tarrytown, New York)から入手可能な、AscensiaTM BREEZETM血中グルコース測定装置、およびAscensiaTMDEX(登録商標)2/DEX(登録商標)血中グルコース測定装置により使用されるように設計される、AscensiaTM AutodiscTM血中グルコース試験ストリップおよびGlucodisc血中グルコース試験ストリップである。
【0035】
[0043] 上述したように、セルロースベースのポリマーを有する試薬を使用することにより、試験センサの安定性が向上される。このことは、約35秒未満のアッセイ試験に対して特に当てはまり、そして特に約25秒未満のアッセイ試験については特に好ましい。試験センサの安定性の向上は、試験センサのより長い保管期限およびより長い使用期限を導く。
【実施例】
【0036】
[0044] 試験センサの安定性、時間および温度の関数としての試薬バックグラウンドの変化、および温度安定性を比較するため、実施例1中で以下に記載するように、HEC-ベースの試薬を有する一群の試験センサを提供した。実施例2中で以下に記載するように、PEO-ベースの試薬を有する別の群の試験センサを提供した。試験の結果は、実施例3、4および5に記載し、そして図5、図6および図7a〜図7dに示す。
【0037】
発明の実施例1:HEC-ベースの試薬
【0038】
【表1】

【0039】
比較実施例2:PEO-ベースの試薬
【0040】
【表2】

【0041】
実施例3
[0045] 試験センサの安定性を評価するため、2ロットの試験センサについて試験を行い、試験センサを-20℃および50℃で2週間および4週間保存した後に生じた、グルコースオキシダーゼ回復の割合(%)を測定した。HEC-ベースの試薬を有するあるロットの試験センサを、PEO-ベースの試薬を有する第二のロットの試験センサと比較した。試験センサ保存期間の最後に、試験センサをバッファーを用いて抽出して、そして試験センサ抽出物中のグルコースオキシダーゼ活性を、標準的な酵素活性解析方法を使用して解析した。
【0042】
[0046] 試験の結果を、図5に示す。試験センサの両方のロットとも、同一量の試薬中グルコースオキシダーゼと共に製剤化したが、HEC-ベースの試薬についてのグルコースオキシダーゼ活性回復は、PEO-ベースの試薬についてのグルコースオキシダーゼ活性回復よりも大きかった。このことは、-20℃および50℃で2週間の期間および4週間の期間保存した、試験センサの両方のロット共に当てはまった。表からの結果は、PEO-ベースの試薬を含有する試験センサが、より多くの非-反応性グルコースオキシダーゼを含有したことを示した。これらの結果は、グルコースオキシダーゼ活性が、HECを含有した試薬を有する試験センサについて、ほぼ100%の回復のいくつかの事例において、異なる温度でそして長期間にわたってより安定であることを示した。このことは、試験センサの保管期限のあいだ、より安定な試験センサであると言い換えられる。
【0043】
実施例4
[0047] 図6は、HEC-ベースの試薬を有する試験センサにおける試薬バックグラウンド変化、そしてPEO-ベースの試薬を有する試験センサにおける試薬バックグラウンド変化を、5℃で最大6週間までの試薬保存時間の関数として評価するための試験の結果を示す。試薬保存時間の関数としての試薬バックグラウンドの増加は、非-グルコース関連性のフェリシアニドからフェロシアニドへの変換の結果である。それぞれの安定性チェックポイントにて、保存のあいだに生成されるフェロシアニドの相対量を定量するための流量注入システムを用いて、試薬バックグラウンドを解析した。試薬バックグラウンド増加の割合(%)を、各チェックポイントでの試薬バックグラウンド電流を、初期チェックポイントでの試薬バックグラウンド電流と比較することにより、計算した。図6に見られるように、HEC-ベースの試薬は、PEO-ベースの試薬と比較して、6週間にわたってバックグラウンドの増加がより少ないことを示した。
【0044】
実施例5
[0048] 図7a、図7b、図7cおよび図7dは、HEC-ベースの試薬とPEO-ベースの試薬とともに製剤化した加圧された試験センサについてのアッセイバイアスの比較を示す。試験センサの熱安定性を評価するため、試験センサを、-20℃および50℃で、2週間および4週間保存した。試験センサ保存期間の最後に、試験センサを、50、100、および400 mg/dLのグルコース濃度の40%ヘマトクリットの全血を用いて、評価した。サンプルあたり20回の繰り返しを、30秒および10秒のアッセイプロトコルを使用して回収した。50℃加圧試験センサおよび-20℃加圧試験センサのあいだでのグルコースアッセイ結果の差異を、計算した。50 mg/dLのグルコースを含むサンプルについて、アッセイ結果の差異は、“アッセイバイアス”として表現され(図7aおよび図7cを参照)、そして100 mg/dLのグルコースを含むサンプルについて、アッセイ結果の差異は、“アッセイ%バイアス”と表現された(図7bおよび図7dを参照)。
【0045】
[0049] 試験センサバックグラウンド変動がより低いため、試験センサの安定性の向上は、より低いグルコースレベルで、最も顕著であった。この結果から、合計アッセイ時間を30秒から10秒へと変化させた場合に、アッセイバイアスとアッセイ%バイアスにおける差異が、より顕著であることが示された。HEC-ベースの試薬は、50℃および-20℃の試験センサのあいだでアッセイバイアスを劇的に減少させた。このことは、30秒のアッセイおよび10秒のアッセイの両方について観察された。
【0046】
[0050] 本発明の試験センサ試薬が主として電気化学的試験センサと共に使用されることについて記載してきたが、本発明の試験センサ試薬が、その他の試験センサ(例えば光学的試験センサ)と共に使用されることについて構成されてもよいことが企図される。
【0047】
[0051] 代替実施態様A
液体サンプルの分析対象物濃度を測定することを支援するように構成される、酵素、電子伝達メディエータ、セルロースポリマーおよびレオロジー添加剤を含む、試験センサ試薬組成物。
【0048】
[0052] 代替実施態様B
試薬が、約3.6重量%〜約6.0重量%のセルロースポリマーを含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0049】
[0053] 代替実施態様C
試薬が、約1重量%〜約4重量%の酵素を含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
[0054] 代替実施態様D
試薬が、約15重量%〜約20重量の電子伝達メディエータを含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0050】
[0055] 代替実施態様E
試薬が、約0.2重量%〜約1.6重量%のレオロジー添加剤を含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0051】
[0056] 代替実施態様F
試薬が、約3.6重量%〜約6.0重量%のヒドロキシエチルセルロースポリマー、約1重量%〜約4重量%のグルコースオキシダーゼ酵素、約15重量%〜約20重量%のフェリシアニドメディエータ、および約0.2重量%〜約1.6重量%のスメクタイト粘土を含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0052】
[0057] 代替実施態様G
スメクタイト粘土に、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、またはそれらの組合せが含まれる、代替実施態様Fに記載の組成物。
【0053】
[0058] 代替実施態様H
試薬が、約10 mモル〜約500 mモルのクエン酸バッファーをさらに含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0054】
[0059] 代替実施態様I
クエン酸バッファーが、クエン酸、クエン酸ナトリウム、またはそれらの組合せを含む、代替実施態様Hに記載の組成物。
【0055】
[0060] 代替実施態様J
試薬が、約0.02重量%〜約0.1重量%のフルオロカーボン界面活性剤をさらに含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0056】
[0061] 代替実施態様K
試薬が、約1.0重量%〜約3.0重量%のハイドロカーボン界面活性剤をさらに含む、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0057】
[0062] 代替実施態様L
試験センサ試薬組成物を含む試験センサの合計アッセイ時間が、約35秒未満である、代替実施態様Aに記載の組成物。
【0058】
[0063] 代替プロセスM
分析対象物濃度を測定することを支援するように構成される、カウンタ電極および作用電極を含む複数の電極、液体受け領域、およびセルロースポリマーを含む試験センサ試薬、を含む電気化学的試験センサを提供する工程;そして、約35秒未満のアッセイ時間内に分析対象物濃度を測定する工程;を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【0059】
[0064] 代替実施態様N
セルロースポリマーが、ヒドロキシエチルセルロースを含む、代替プロセスMに記載の電気化学的試験センサ。
【0060】
[0065] 代替実施態様O
試験センサ試薬が、酵素、電子伝達メディエータ、およびレオロジー添加剤をさらに含む、代替プロセスMに記載の電気化学的試験センサ。
【0061】
[0066] 代替実施態様P
電子伝達メディエータが、フェリシアニドメディエータを含む、代替実施態様Oに記載の電気化学的試験センサ。
【0062】
[0067] 代替実施態様O
レオロジー添加剤が、スメクタイト粘土を含む、代替実施態様Oに記載の電気化学的試験センサ。
【0063】
[0068] 代替実施態様R
スメクタイト粘土が、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、またはこれらの組合せを含む、代替実施態様Qに記載の電気化学的試験センサ。
【0064】
[0069] 代替実施態様S
酵素が、グルコースオキシダーゼ酵素を含む、代替実施態様Oに記載の電気化学的試験センサ。
【0065】
[0070] 代替実施態様T
合計アッセイ時間が、約25秒未満に減少される、代替プロセスMに記載の電気化学的試験センサ。
【0066】
[0071] 代替プロセスU
被検体の指を刺して、液体サンプルを生成する工程;少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを、試験センサ中に静置する工程;液体サンプルを、試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と、接触させる工程;液体サンプル中の分析対象物の指標である電気的シグナルを提供する工程;そして、電気的シグナルを使用して分析対象物を測定する工程;を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【0067】
[0072] 代替プロセスV
分析対象物濃度が、約35秒未満で測定される、代替プロセスUに記載の方法。
[0073] 代替プロセスW
試薬が、ヒドロキシエチルセルロースを含む、代替プロセスUに記載の方法。
【0068】
[0074] 代替プロセスX
試薬が、グルコースオキシダーゼ酵素、フェリシアニドメディエータおよびスメクタイト粘土をさらに含む、代替プロセスWに記載の方法。
【0069】
[0075] 代替プロセスY
被検体の指を刺して、液体サンプルを生成する工程;少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを、試験センサ中に静置する工程;液体サンプルを、試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と、接触させる工程;そして、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する工程;を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【0070】
[0076] 代替プロセスZ
試験センサが、光学的試験センサである、代替プロセスYに記載の方法。
[0077] 代替プロセスAA
感光性エマルジョンを有する第一の部分、および感光性エマルジョンが存在しない状態で形成される第二の部分、が含まれるスクリーンを提供する工程;スクリーン上に、液体サンプルの分析対象物濃度を測定することを支援するための溶媒、セルロースポリマー、および酵素を含む試薬を供給する工程;そして、スクリーンの第二の部分を介して、基材上の試薬と接触させる工程;を含む、基材上へのスクリーンプリンティングの方法。
【0071】
[0078] 代替プロセスBB
試薬が、レオロジー添加剤をさらに含む、代替プロセスAAに記載の方法。
[0079] 代替プロセスCC
レオロジー添加剤が、スメクタイト粘土である、代替プロセスBBに記載の方法。
【0072】
[0080] 代替プロセスDD
スメクタイト粘土に、ヘクトライト、ベントナイト、モンモリロナイト、またはこれらの組合せが含まれる、代替プロセスCCに記載の方法。
【0073】
[0081] 代替プロセスEE
レオロジー添加剤が、揺変性(thixotropic)の物質である、代替プロセスBBに記載の方法。
【0074】
[0082] 代替プロセスFF
試薬が、電子伝達メディエータをさらに含む、代替プロセスAAに記載の方法。
[0083] 本発明は、様々な修飾や代替形式の受けやすいが、それらの具体的な態様は、例として、図面中に示され、そして本明細書中に詳細に記載される。しかしながら、本発明を開示される特定の形式に限定することを意図しておらず、逆に本発明は、添付の請求の範囲により定義されるように、発明の性質および範囲内の、すべての修飾物、均等物、代替物を包含することを意図していると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】[0012] 図1は、一態様にしたがって挿入されるセンサパックを示す開口ポジションでの、試験センサ-分注装置(dispensing instruments)の斜視図である。
【図2−1】[0013] 図2aは、一態様にしたがう複数の積み重ねられた試験センサを有するディスポーザブルのカートリッジの前面図である。
【図2−2】[0014] 図2bは、図2aのカートリッジを受けるように構成される、一態様に従うセンサ-分注装置の前面図である。
【図3】[0015] 図3は、別の態様に従う試験センサの構成成分の分解組立図である。
【図4】[0016] 図4は、図3の電気化学的試験センサの前面図である。
【図5】[0017] 図5は、本発明の一態様に従う、HEC-ベースの試薬とPEO-ベースの試薬とを有する試験センサについての、グルコースオキシダーゼ回復の割合を比較するグラフである。
【図6】[0018] 図6は、本発明の一態様に従う、HEC-ベースの試薬とPEO-ベースの試薬とを有する試験センサについての、試薬保存時間の関数としてのメディエータ安定性を比較するグラフである。
【図7−1】[0019] 図7a〜図7bおよび図7c〜図7dは、本発明の一態様に従う、HEC-ベースの試薬とPEO-ベースの試薬とを有する試験センサについての、10-秒のアッセイと30-秒のアッセイとにそれぞれ基づく、アッセイバイアスおよびアッセイ%バイアスを比較する一連のグラフである。
【図7−2】[0019] 図7a〜図7bおよび図7c〜図7dは、本発明の一態様に従う、HEC-ベースの試薬とPEO-ベースの試薬とを有する試験センサについての、10-秒のアッセイと30-秒のアッセイとにそれぞれ基づく、アッセイバイアスおよびアッセイ%バイアスを比較する一連のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルの分析対象物濃度を測定することを支援するように構成される、酵素、電子伝達メディエータ、セルロースポリマーおよびレオロジー添加剤を含む、試験センサ試薬組成物。
【請求項2】
試薬が、約3.6重量%〜約6.0重量%のセルロースポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
試薬が、約1重量%〜約4重量%の酵素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
試薬が、約15重量%〜約20重量の電子伝達メディエータを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
試薬が、約0.2重量%〜約1.6重量%のレオロジー添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
試薬が、約3.6重量%〜約6.0重量%のヒドロキシエチルセルロースポリマー、約1重量%〜約4重量%のグルコースオキシダーゼ酵素、約15重量%〜約20重量%のフェリシアニドメディエータ、および約0.2重量%〜約1.6重量%のスメクタイト粘土を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
スメクタイト粘土に、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、またはそれらの組合せが含まれる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
試薬が、約10 mモル〜約500 mモルのクエン酸バッファーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
クエン酸バッファーが、クエン酸、クエン酸ナトリウム、またはそれらの組合せを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
試薬が、約0.02重量%〜約0.1重量%のフルオロカーボン界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
試薬が、約1.0重量%〜約3.0重量%のハイドロカーボン界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
試験センサ試薬組成物を含む試験センサの合計アッセイ時間が、約35秒未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
分析対象物濃度を測定することを支援するように構成される、カウンタ電極および作用電極を含む複数の電極、液体受け領域、およびセルロースポリマーを含む試験センサ試薬、を含む電気化学的試験センサを提供する工程;そして
約35秒未満のアッセイ時間内に分析対象物濃度を測定する工程;
を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【請求項14】
セルロースポリマーが、ヒドロキシエチルセルロースを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
試験センサ試薬が、酵素、電子伝達メディエータ、およびレオロジー添加剤をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
電子伝達メディエータが、フェリシアニドメディエータを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
レオロジー添加剤が、スメクタイト粘土を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
スメクタイト粘土が、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、またはこれらの組合せを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
酵素が、グルコースオキシダーゼ酵素を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
合計アッセイ時間が、約25秒未満に減少される、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
被検体の指を刺して、液体サンプルを生成する工程;
少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを、試験センサ中に静置する工程;
液体サンプルを、試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と、接触させる工程;
液体サンプル中の分析対象物の指標である電気的シグナルを提供する工程;そして
電気的シグナルを使用して分析対象物を測定する工程;
を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【請求項22】
分析対象物濃度が、約35秒未満で測定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
試薬が、ヒドロキシエチルセルロースを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
試薬が、グルコースオキシダーゼ酵素、フェリシアニドメディエータおよびスメクタイト粘土をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
被検体の指を刺して、液体サンプルを生成する工程;
少なくとも1つの分析対象物を有する液体サンプルを、試験センサ中に静置する工程;
液体サンプルを、試験センサを安定化させることを支援するセルロースポリマーを含む試薬と、接触させる工程;そして
液体サンプルの分析対象物濃度を測定する工程;
を含む、液体サンプルの分析対象物濃度を測定する方法。
【請求項26】
試験センサが、光学的試験センサである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
感光性エマルジョンを有する第一の部分、および感光性エマルジョンが存在しない状態で形成される第二の部分、が含まれるスクリーンを提供する工程;
スクリーン上に、液体サンプルの分析対象物濃度を測定することを支援するための、溶媒、セルロースポリマー、および酵素を含む試薬を供給する工程;そして
スクリーンの第二の部分を介して、基材上の試薬と接触させる工程;
を含む、基材上へのスクリーンプリンティングの方法。
【請求項28】
試薬が、レオロジー添加剤をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
レオロジー添加剤が、スメクタイト粘土である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
スメクタイト粘土に、ヘクトライト、ベントナイト、モンモリロナイト、またはこれらの組合せが含まれる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
レオロジー添加剤が、揺変性(thixotropic)の物質である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
試薬が、電子伝達メディエータをさらに含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【公表番号】特表2009−516168(P2009−516168A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540235(P2008−540235)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/043918
【国際公開番号】WO2007/058999
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】