説明

セルロース分解増強活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド

【課題】セルロース分解増強活性を有する単離されたポリペプチドの提供。
【解決手段】セルロース分解増強活性を有する単離されたポリペプチド、及び前記ポリペプチドをコードする単離された核酸、および、前記核酸を含んで成る、核酸構造体、ベクター及び宿主細胞。前記ポリペプチドの生成方法及び有効量のセルロース分解タンパク質と有効量の前記ポリペプチドの存在下でセルロース材料を糖化し、糖化されたセルロース材料を、1又は複数の発酵微生物と共に発酵し、有機物質を回収することを含んで成る、有機物質の生成方法。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号2のアミノ酸23〜250と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及び
(c)配列番号2のアミノ酸23〜250の1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る変異体から成る群から選択された、セルロース分解増強活性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項2】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項2記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項3記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項4記載のポリペプチド。
【請求項6】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項5記載のポリペプチド。
【請求項7】
配列番号2のアミノ酸23〜250と、少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸を有する請求項6記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る請求項1〜7のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号2、又はセルロース分解増強活性を有するそのフラグメントから成る請求項1〜8のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項10】
配列番号2から成る請求項9記載のポリペプチド。
【請求項11】
配列番号2のアミノ酸23〜250から成る請求項9記載のポリペプチド。
【請求項12】
(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
【請求項13】
(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、少なくとも中位の高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
【請求項14】
(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、少なくとも高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸23〜250の1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る変異体である請求項1記載のポリペプチド。
【請求項16】
E. コリNRRL B-30704に含まれるプラスミドpDZA2-7に含まれるポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
【請求項18】
配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列に少なくとも1つの突然変異を有し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列が配列番号2のアミノ酸23〜250から成るポリペプチドをコードする請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項19】
発現宿主におけるポリペプチドの生成を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に結合される、請求項17又は18記載のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体。
【請求項20】
請求項18記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項21】
請求項18記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項22】
請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でそのポリペプチドを生成できる細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項23】
請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る核酸構造体を含んで成る宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項24】
親細胞よりもポリペプチドを少なく生成する変異体をもたらす、請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を破壊するか又は欠失することを含んで成る、親細胞の変異体の生成方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法により生成される変異体細胞。
【請求項26】
生来の又は異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んで成る請求項24記載の変異体。
【請求項27】
(a) 請求項26記載の変異体細胞を、タンパク質の生成の助けと成る条件下で培養し;そして(b)前記タンパク質を回収することを含んで成る、タンパク質の生成方法。
【請求項28】
(a)(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、DNA集団とを、少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズし;そしてセルロース分解増強活性を有するポリペプチドをコードする、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる単離されたポリヌクレオチド。
【請求項29】
(a)(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、DNA集団とを、少なくとも中位の高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そしてセルロース分解増強活性を有するポリペプチドをコードする、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる、請求項28記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項30】
(a)(i)配列番号1のヌクレオチド67〜805、(ii)配列番号1のヌクレオチド67〜805に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)もしくは(ii)の相補的鎖と、DNA集団とを、少なくとも高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そしてセルロース分解増強活性を有するポリペプチドをコードする、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる、請求項29記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項31】
変異体ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドの生成方法であって、(a)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に少なくとも1つの突然変異を導入し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列は配列番号2のアミノ酸23〜250から成るポリペプチドをコードし;そして(b)前記変異体ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法により生成される変異体ポリヌクレオチド。
【請求項33】
ポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドをコードする請求項32記載の変異体ポリヌクレオチドを含んで成る細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けになる条件下で培養し、;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項34】
配列番号1のヌクレオチド1〜66から成るシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列に作用可能に結合されるタンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列に対して外来性の遺伝子を含んで成る核酸構造体。
【請求項35】
請求項34記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項36】
請求項34記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項37】
(a) 請求項36記載の組換え宿主細胞を、タンパク質の生成の助けと成る条件下で培養し;そして(b)前記タンパク質を回収することを含んで成る、タンパク質の生成方法。
【請求項38】
請求項1〜16のいずれかの1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)本発明のセルロース分解増強活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成るトランスジェニック植物又は植物細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けになる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項39】
請求項1記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにより形質転換されている、トランスジェニック植物、植物部分又は植物細胞。
【請求項40】
請求項1〜16のいずれか1項記載のセルロース分解増強活性を有するポリペプチド、セルロース分解活性、及び界面活性剤を含んで成る洗剤組成物。
【請求項41】
セルロース材料を分解するか又は転換するための方法であって、前記セルロース材料を、有効量のセルロース分解タンパク質により、請求項1〜16のいずれか1項記載のセルロース分解増強活性を有する、有効量のポリペプチドの存在下で処理し、ここで前記セルロース分解増強活性を有するポリペプチドの存在が、セルロース分解増強活性を有するポリペプチドの不在に比較して、セルロース材料の分解を高める方法。
【請求項42】
前記セルロース材料が、草葉性物質、農作物残留物、山林残留物、都市のごみ、古紙、及び紙パルプ工場残留物から成る群から選択される請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記セルロース材料がトウモロコシ茎である請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記1又は複数のセルロース分解酵素が、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ及びβ−グルコシダーゼから成る群から選択される請求項41記載の方法。
【請求項45】
ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、ラッカーゼ又はペルオキシダーゼから成る群から選択された、有効量の1又は複数の酵素により、前記セルロース材料を処理することをさらに含んで成る請求項41記載の方法。
【請求項46】
前記材料が、前処理工程である請求項41記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、同時糖化及び発酵工程(SSF)における段階である請求項41記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、ハイブリッド加水分解及び発酵工程(HHF)における段階である請求項41記載の方法。
【請求項49】
分解されたセルロース材料を回収することをさらに含んで成る請求項41記載の方法。
【請求項50】
前記分解されたセルロース材料が、糖である請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記糖が、グルコース、キシロース、マンノース、ガラクトース及びアラビノースから成る群から選択される請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記セルロース分解タンパク質及び/又は前記セルロース分解増強活性を有するポリペプチドが、細胞を含むか又は含まない発酵ブイヨンの形で存在する請求項41記載の方法。
【請求項53】
(a)セルロース材料を、有効量のセルロース分解タンパク質により、請求項8記載のセルロース分解増強活性を有する、有効量のポリペプチドの存在下で糖化し、ここで前記セルロース分解増強活性を有するポリペプチドの存在が、セルロース分解増強活性を有するポリペプチドの不在に比較して、セルロース材料の分解を高め;
(b)段階(a)の糖化されたセルロース材料を、1又は複数の発酵微生物と共に発酵し;そして
(c)前記酵素から有機物質を回収することを含んで成る、有機物質の生成方法。
【請求項54】
前記セルロース材料が、草葉性物質、農作物残留物、山林残留物、都市のごみ、古紙、及び紙パルプ工場残留物から成る群から選択される請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記セルロース材料がトウモロコシ茎である請求項53記載の方法。
【請求項56】
前記1又は複数のセルロース分解酵素が、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ及びβ−グルコシダーゼから成る群から選択される請求項53記載の方法。
【請求項57】
ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、ラッカーゼ又はペルオキシダーゼから成る群から選択された、有効量の1又は複数の酵素により、前記セルロース材料を処理することをさらに含んで成る請求項53記載の方法。
【請求項58】
前記エステラーゼが、リパーゼ、ホスホリパーゼ、クチナーゼ又はそれらの混合物である請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記段階(a)及び(b)が、同時糖化及び発酵において同時に行われる請求項53記載の方法。
【請求項60】
前記有機物質が、アルコール、有機酸、ケトン、アミノ酸又はガスである請求項53記載の方法。
【請求項61】
前記アルコールが、アラビニトール、ブタノール、エタノール、グリセロール、メタノール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール又はキシリトールである請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記有機酸が、酢酸、アセトン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5−ジケト−D−グルコン酸、ギ酸、フマル酸、グルカル酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、イタコン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、蓚酸、プロピオン酸、蟻酸、又はキシロン酸である請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記ケトンが、アセトンである請求項60記載の方法。
【請求項64】
前記アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン、セリン又はトレオニンである請求項60記載の方法。
【請求項65】
前記ガスが、メタン、水素、二酸化炭素、又は一酸化水素である請求項60記載の方法。
【請求項66】
前記セルロース分解タンパク質、及び/又はセルロース分解増強活性を有するポリペプチドが、細胞を有するか又は有さない発酵ブイヨンの形で存在する請求項53記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−206058(P2011−206058A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−124595(P2011−124595)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【分割の表示】特願2006−552324(P2006−552324)の分割
【原出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(500175602)ノボザイムス,インコーポレイティド (26)
【Fターム(参考)】