説明

セルロース含有塊

本発明は、a)有機材料及び液体分を含んだ投入物を調製するステップと、b)前記投入物を、40〜90℃、好ましくは50〜80℃、最も好ましくは約60℃の温度で湿式混合操作にかける、又は電磁場の活性領域に曝露するステップとを含む、有機材料を含んだセルロース含有塊を作製する方法に関する。本発明の更なる実施形態によれば、異なるタイプのセルロースを前記投入物に加える。さらに、前記セルロース含有塊を基にしたコンポジット素材の製造方法、並びに前記コンポジット素材で製造する製品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、請求項1に記載のセルロース含有塊を作製する方法、請求項17に記載のセルロース含有塊、請求項18に記載のコンポジット素材を製造する方法、請求項23に記載のコンポジット素材、及び請求項24に記載の製品、を対象とする。
【0002】
こうした方法は、多岐にわたる実際的使用に採り入れ得る。例えば、新しい建築素材、様々な金物、装飾品、内装品、抵抗性及び堅ろう性の高い様々な仕上げ塗装材などを、穀類(例えばトウモロコシ、ライ麦、小麦、エンバク、大麦、モロコシ、アブラナ、イネなど、及びそれらの組合せ)、ステープル繊維(綿、亜麻、麻など)の農場廃棄物から製造すれば、こうした製造は、投入物が廉価であることから、経済的に見合うものとなる。
【0003】
[発明の背景]
現在、例えばこん包用途及び建築用途に適当な、いくつかの有機由来コンポジット素材が既知である。木質繊維がごく一般的であるが、作物又は穀類からの他の天然繊維も、繊維性充填材として、時折使われている。
【0004】
米国特許出願公開第2006/043629A号は、天然繊維(草、イネわら、小麦わら、工業用大麻、パイナップル葉繊維など)を、大豆系バイオプラスチック母材と共に、カップリング剤、即ち官能性モノマーで改質したポリマーを用いて加工し、強化バイオコンポジットを製造することを提案している。さらに、官能性モノマーで改質した大豆粉の使用を、反応押出及び射出成形などの工業用途に関して説明している。
【0005】
米国特許出願公開第2008/181969A号は、カップリング剤によってポリマー成分に架橋している、木質繊維、わら、草、及び他の有機材料などの、セルロース成分を含むコンポジット素材の変色、及び構造的な、即ち化学的又は力学的な劣化に対処している。グラフト化無水マレイン酸のポリマー又はコポリマーなどのカップリング剤は、ポリマー成分及びセルロース成分の内部に、又はその両成分の間に、共有結合を形成できる官能基を組み入れている。
【0006】
[解決しようとする課題]
本発明の目的は、セルロース含有塊の改善された作製方法を提供すること、前記セルロース含有塊を提供すること、並びに有機材料の元の構造を含んだ高強度コンポジット素材の製造方法であって、該有機材料が、異なるポリマー同士間、及び/又は異なる物質、官能基、側鎖及び/又はその残余の部分同士間の細胞内及び細胞間構造結合を通じて天然形状(例えば茎)を進化させている、高等植物に由来することが好ましい方法を提供することである。
【0007】
[発明の概要]
本発明は、廉価な有機原材料として、好ましくは、セルロース、即ちβ−1,4結合したD−グルコースからなる高分子多糖若しくはグルカン、又はキチン、即ちβ−1,4結合したN−アセチル−D−グルコサミンからなるグリカンを、十分な量で含有する高等植物の茎部分、細胞外皮又は細胞膜でできている、高強度のコンポジット素材及び様々な物品の製造に関する。本出願において、セルロース含有塊、投入物及び/又はコンポジットという用語は、キチン含有塊、投入物及び/又はコンポジット、或いは、セルロース及びキチンの混合物含有塊、投入物及び/又はコンポジットも含むこととする。セルロース−地球上で最も一般的な有機化合物−は、β−グルコース単位のポリマー鎖中に組み込まれた、式[C(OH)]nを有する高分子多糖(グリカン)であり、nは、数百〜数千範囲である。本発明は、有機材料、例えば植物性粒子を互いに結合させるのに、外来性のポリマー成分の使用を必要とせずに、コンポジット素材を製造することを可能にする。本出願に関しては、外来性の、という用語は、ポリマー成分が、加工される有機原材料に由来しないことを意味する。セルロース含有塊を作製するこの新規な方法の本質的な特徴は、有機材料を人工電磁場の活性領域に曝露することである。
【0008】
高強度の製品に適当なコンポジット素材の製造に用い得るセルロース含有塊の新しい作製方法は、少なくとも、
a)有機材料及び液体分を含む投入物を調製するステップと、
b)前記投入物を、70〜120℃、好ましくは80〜100℃、最も好ましくは約92〜94℃の範囲の温度で湿式破砕操作にかけるステップと
を含む。
好ましい実施形態によれば、前記投入物を、ステップb)に加えて、又はステップb)の代替として、人工電磁場の活性領域に曝露する。
【0009】
好ましい実施形態によれば、製造の間、液状及び/又はペースト状の塊が生成するまで、投入物の天然形状、並びに細胞内及び細胞間の構造の有機的結合が破壊される。この塊は、鋳物砂としてさらに使用され、つまり、この塊は幾何学的に新しい形に再形成され、構造結合は回復し、同時にこのペーストは硬化する。硬化済みのペーストが、最終使用品となる。
【0010】
これ以降、投入物という用語は、電磁場に曝露させる出発物質又は物質の混合物を指すのに使用し、他方、セルロース含有塊という用語は、本発明に準拠した前述の方法により作製される生成物を意味する。前記生成物は、多岐にわたる製品の製造にさらに用いられることから、中間製品(産出物とも呼ぶ)であると見なされる。
【0011】
この方法の発想は、製造の間、均一な液状及び/又はペースト状の塊が生成するまで、投入物の天然形状、並びに細胞内及び細胞間の構造の有機的結合が破壊される、という事実に基づいている。こうしたセルロース含有塊は、鋳物砂としてさらに使用され、つまり、この塊は幾何学的に新しい形に再形成され、構造結合は回復し、同時にこのペーストは硬化する。硬化済みのペーストが、最終使用品となる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、追加のセルロース、好ましくはメチルセルロース、及び/又はカルボキシメチルセルロース、好ましくはナトリウム塩の形のカルボキシメチルセルロース、及び/又は微結晶性セルロースを、セルロース含有塊に添加する。本発明のさらに好ましい実施形態によれば、追加のセルロースを、湿式破砕操作で生じた濃縮セルロース含有画分として少なくとも部分的に添加する。湿式破砕中又は後に分離されたセルロース含有液体画分は、画分が含水量に関して所望のレベルのセルロース含有量になるまで、濾過又は脱水によって濃縮することができる。
【0013】
本特許出願において、有機材料という用語は、あらゆるセルロース含有材料を含むと理解される。好ましくは、投入有機材料は、セルロース分子が混合した繊維を含む。有機材料が、高等植物に、好ましくは、禾穀類などのイネ科(禾本科)のイネ科植物の群に、又は綿、麻、若しくは亜麻、又はそれらの混合物に由来すると有利である。有機材料として、穀物のわら、又はイネのわら、又はそれらの混合物のうち少なくとも1種を使用した試験において、良好な結果が生じている。
【0014】
有機材料は、電磁場曝露に先立つ前加工ステップにおいて、小粒子、又はパルプにまで縮小してしまうのが好ましい。投入物の有機材料は、その材料の種類及び条件に応じて、前加工/前処理を行うのが好ましい。前記条件とは、湿度、清浄度、天然又は人工の無関係な要素の存在、微生物個体群、超微細原繊維の形をしたミセル束の発生を招くβ−セルロースの純粋な投入材料における比率である。原繊維と、これらの原繊維を最も硬い繊維へと凝集させるセルロースとの間で、有機基材の含有率を前もって決定しておくことが有利であると判明した。ペクチンのような凝集性又はゲル化物質を含有する有機材料は、概して適当であるが、元来さらに疎水性であるスベリン又はクチンのような物質を含有する有機材料も適当である。代替として、リグニンを含有する有機材料を使用してもよい。セルロース含有塊のこうした物質と他の二次的な物質との相互関係を変えることにより、製品又は製造した物品の基本的な特徴及び性質を前もって規定し得る。
【0015】
有機材料の前処理は、浸軟を含み、電気力学的曝露、流体力学的曝露、及び超音波曝露、並びに煮沸、蒸気処理、及び植物原材料を加工する他の既知の方法が、それを補完する。セルロース繊維は、鋼鉄にはわずかに及ばないものの断裂に対する高い耐性、並びに力学的及び物理的曝露の変動に対する耐性という顕著な特徴を有する。有機材料が、わら、例えばイネ又は小麦又はライ麦のわらである場合、約8以上、より好ましくは約8.4以上のpH値を有する液体を浸軟の目的で使用してもよく、それに続き、及び/又はそれと同時に、電気力学的曝露、流体力学的曝露、超音波曝露、煮沸、蒸気処理、又はそれらの組合せを行ってもよい。
【0016】
リグノセルロースバイオマスでは、結晶性セルロース原繊維が、あまり良く組織化されていないヘミセルロースマトリクス中に包埋され、そのヘミセルロースマトリクスが、次いで外側のリグニンシールに包囲されていることが、従来技術、例えば国際公開第08/112191号から周知である。天然のセルロース材料を加水分解酵素と接触させると、一般に、理論的に予測される結果の20%未満のセルロース加水分解収率しか得られない。したがって、バイオマス中の多糖類(セルロース及びヘミセルロース)の酵素加水分解を試みる前に必ずバイオマスの何らかの「前処理」が実施される。前処理は、リグノセルロースバイオマスを、セルラーゼ酵素系に対して抵抗性であるその天然型から、セルロース加水分解を効果的にするための形態に変換するプロセスを指す。未処理のバイオマスと比較すると、効果的に前処理されたリグノセルロース材料は、セルラーゼ酵素が接近しやすい増大された表面積(多孔性)、及びリグニンの可溶化又は再分配を特徴とする。多孔性の増大は、主にセルロース結晶化度の破壊、ヘミセルロースの破壊/可溶化、並びにリグニンの再分配及び/又は可溶化の組合せからもたらされる。これらの要因のいくつか(又は全部)を達成する際の相対的な有効性は、様々な既存の前処理プロセス間で大きく異なる。これらの前処理プロセスとしては、希酸、蒸気爆砕、ハイドロサーマルプロセス、水性媒体中で有機溶媒を用いる「オルガノソルブ」プロセス、アンモニア繊維爆砕(AFEX)、アンモニア、NaOH、又は石灰などの塩基を使用する強アルカリプロセス、及び高濃度リン酸処理が挙げられる。前述のような当技術分野から公知の方法、及びセルロース含有バイオマテリアルを処理するための公知のさらなる方法は、有利なことには本発明による方法ステップと組み合わせることができる。
【0017】
セルロース含有塊(即ち産出物)の所望の性質、及び/又は前加工の調製に依存するが、内在性の液体分、即ち有機原材料自体がもたらす、又は有機原材料に由来する液体分は十分であり、外来性又は追加の液体を添加する必要はない。本発明の最も単純な実施形態において、液体分は水で形成される。しかし、有機の溶媒若しくはガス、又は他の流体のような他の液体も、製造効率及び後にコンポジット素材で形成する物品の特性についての要求次第で、液体分として適当である場合がある。しかし、重要なのは、有機材料と共にある液体分の本来の機能が、達成可能なことである。水以外の液体の場合、本発明の好ましい実施形態にとって不可欠なのは、セルロース含有塊を作製した後に、必要であれば、適切な方法によって、液体分の過剰分が抽出可能なことである。
【0018】
所期の用途及び所期の加工法に応じて、液体分は、例えば有機材料を柔らかくするために、溶媒を含むことが好ましい。
【0019】
構造結合の回復過程は、均質な塊が新しい金型の中で硬化している間に出現し、前記過程は、実際のところ、残存しているβ−グルコース分子n個がポリマー式[C(OH)に共通の分子状化合物に組み込まれることである。各残存物における3つのヒドロキシ基[(OH)基]のグルコース分子の既知である存在が、側鎖のヒドロキシ基を介して、その基から水分子を抜き取ることにより、グルコース分子のすべての残存対の相互結合が起きるということを、明らかなこととしている。したがって、均質な塊中での構造結合の回復は、この塊が脱水したときに意図せずに起こり、塊の硬化がもたらされる。
【0020】
試験によれば、これ以降産出物とも呼ばれるセルロース含有塊の性質は、電磁場の活性領域(active zone)に曝露される投入物がある量の強磁性粒子を含んだときに強化されることが示された。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明による方法は、反応容量を有する反応器を準備するステップと、物理的及び/又は化学的反応に関与する複数の物質で前記反応器の前記反応容量を充填するステップと、所定分の強磁性粒子を前記反応容量に添加するステップと、その反応容量を有する前記反応器を少なくとも2個の誘導子の間に配置して、前記誘導子の磁場が前記反応器の前記反応容量において互いに干渉するようにするステップと、前記誘導子の各々に所定の振幅及び周波数の交流を供給するステップとを含む。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、強磁性粒子は、約0.3〜約25mmの範囲、好ましくは約3〜約5mmの範囲の平均長を有し、且つ約0.1〜約5mm、好ましくは約0.1〜約2.5mmの直径を有する。粒子の直径と長さの比が1:3〜1:5の間であることが特に有利であると判明した。好ましい実施形態によれば、粒子は円筒形である。本発明の教示に基づけば、強磁性粒子の寸法は、投入材料に依存し、その材料に従って最適化することができ、上述の範囲から外れてもよいことを、当業者であれば認識されよう。
【0023】
強磁性粒子の寸法と形状は、セルロース含有塊の性質、その加工性及び/又はその製造効率に応じて選択し得る。それゆえに、他の寸法の強磁性粒子が本発明の実施に適当な場合もある。
【0024】
試験によれば、高品質なセルロース含有塊が、強磁性粒子の投入物に対する比率が約1〜約20重量%である場合に得られたことが示された。投入物の液体分は、0〜約40%の間であってもよい。しかし、この方法の更なる実施形態においては、これ以外の比率を、セルロース含有塊の加工性及び/又は製造効率についての特定の要求に従って、選択してもよい。この比率は、工程の種類(周期的又は定常的)、及びその工程を行う容器の体積に依存する。投入材料がわらの好ましい実施形態において、2ゾーン容器の使用体積は180mlであり、強磁性粒子の量は14g/ゾーンであった。粒子の平均径は250μm、平均長は1500μmであった。液体と投入物の比は、1:3であった。容器は、連続式であった。曝露の時間は、20秒までとした。
【0025】
強磁性粒子は、有機材料の、細胞レベル以上及び以下での崩壊、並びに細胞内及び/又は細胞間構造の有機結合の破壊を支援する。強磁性粒子の撹拌された流動層は、エネルギーが満ちており、当技術分野で既知の手段と比較すると、全範囲の有機材料を破壊する能力が増強している。より均質なセルロース含有塊が生成するまで、力学的な破砕、破壊、及び/又は粉砕によって。有機材料の崩壊は、本発明のキーポイントである。
【0026】
本発明の方法のもう1つの利点は、強磁性粒子の力学的な撹拌効果にある。前記強磁性粒子は、液体分、存在する場合の溶媒、及び有機材料の混合効果に資するので、セルロース含有塊の質はさらに改善する。
【0027】
セルロース含有塊は、幅広い形状、形態、及び意匠を有する広大な範囲のコンポジット製品に向けた基本材料となる。前記コンポジットは、キャスティング、成形(moulding)、加圧成形、押出成形のような直接的な成形法で、又は続いてその成形品を機械加工することで、製造してもよい。
【0028】
電磁場の活性領域は、少なくとも2個の線形電磁誘導子の間に位置し、その誘導子は、約1mm〜約5m、好ましくは約50mm〜約1mの間隙で互いに離れている。
【0029】
セルロース含有塊及び/又はコンポジット品が満たさなければならない要件に応じて、非保持性材料、即ち低保磁力材料である強磁性粒子の量を、投入物の電磁場曝露の前及び/又は間に、投入材料に添加する。
【0030】
製造をバッチ方式に設定する好ましい実施形態によれば、非強磁性の混合容器は、投入物の電磁場曝露の間、受け器として働く。前記混合容器は、要件に応じて、撹拌された流動層が領域の空間全体で生成するように、誘導子の間の全間隔まで拡張してもよい。他の受け器、又は連続製造法式の流路もまた、本発明の実施のために適当である。
【0031】
活性領域で加工しようとする投入物中に、非保持性材料、即ち低保磁力材料である強磁性粒子が存在することは、誘導子の間の距離が約1m又は数mもある大規模な操作においては特に有利である。誘導子間の距離がこのように長い場合は、距離に応じて強磁性粒子を増量することが好ましい。
【0032】
線形電磁誘導子は、反対の方向から相互へと向かう交流電磁場を発生させる。活性領域中のすべての点において、誘導子は、誘導子の間に位置する共通軸のまわりをスピンする磁気成分の強さのホドグラフが円形又は楕円形である共通の交流電磁場を励起する。軸上のすべての点において磁気成分の大きさはゼロに等しいが、他のすべての方向及び/又は点では、誘導子で予め決定された振幅値まで上がる。試験によれば、誘導子の間の間隙50mmの中央で振幅値が約0.2テスラ(SI単位はT)から0.25Tであるという良好な結果が、180ml容器中に14gの強磁性粒子が存在し、誘導子間の活性領域が50×165×80mmであり、磁力が約0.03Tであるときに達成され得ることが立証された。投入物の磁場曝露の期間は、約20秒であった。
【0033】
活性領域における有機材料の粒子に対する強磁性粒子の破壊的影響は、以下でさらに詳しく説明する。磁気成分A(Aは磁場のベクトルポテンシャル)及びB(Bは磁場誘導。AとBは式B=rotAの関係にある)による、細胞内及び細胞間の構造体に対する強磁性粒子の衝撃は、活性領域内で磁気抵抗Rの低下により増幅し、この活性領域中での磁束の増加をもたらす。rotAという用語は、ベクトルポテンシャルの回転を意味する。
【0034】
強磁性粒子は、すべての点iにおいてH=一定の下で大きさBを上げるため、gradAの活性値が上がる。gradAは、勾配Aを意味する。
【0035】
投入物及びセルロース含有塊の所望の特性により、少なくとも2個の電磁誘導子によって生み出された電磁場は、約0.01〜約20T、好ましくは約0.01〜約10T、最も好ましくは約0.03〜約1.2Tの磁力を有する。
【0036】
投入物の電磁場曝露の時間は、印加する磁力、及び処理する材料に依存する。優れた性質を有するセルロース含有塊を意味する良好な結果は、前記曝露の期間が約1秒〜約3時間、好ましくは約5秒〜約5分、最も好ましくは約20秒で達成された。セルロース含有塊の均質度は、誘導子の電気的パラメータにより調節可能である。
【0037】
好ましい実施形態によれば、湿式破砕操作は、セルロース含有投入物、例えばわらを微粉砕する高周波切断ストロークを備えた高速切断ミルで行う。乾式破砕向けの微細切断ミルCONDUX CS 500又はCS 1000Zタイプは、Netzsch−Condux Mahltechnik GmbH、Rodenbacher Chausee 1、D−63457 Hanau/Wolfgang、ドイツから入手可能であり、これを高温で投入物を湿式破砕できるように適合させ、使用した。
【0038】
湿式破砕ステップの後、中間製品は、さらに好ましい実施形態によれば、例えば、Gebr.Lodige Maschinenbau GmbH、Elsener Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツから入手可能なHigh−performance Ringlayer Mixer CoriMix(登録商標)CMにおいて追加のセルロースと混合することができる。こうしたミキサーは、実際には、混合しているだけでなく、さらにホモジナイズし、細分もしている。これらの好ましい性能は、混合機構の最高40m/sの高周速に基づいている。生じた遠心力により、少なくとも1種の有機材料及び高温液体分を含む投入物の同心環状層が形成される。その環状層のプロフィルは、回転する特殊形状の混合器具とミキサー壁との間の高い差動速度から生じる高い混合強度を特徴とする。製品は、混合室を通してプラグ様フロー(plug−like flow)で移動し、滞留時間は、充填度合い、回転数、混合器具の幾何形状及び調節並びに混合容器の長さ、及び体積流量から影響を受ける。混合室は、様々な剪断強度の領域に分けることができ、好ましくは、ミキサーは、Lodige Maschinenbau GmbHから入手可能で、既知でもある乱流ミキサーと組み合わせる。
【0039】
微結晶性セルロース(MCC)の形のセルロース、精製セルロース原料の非晶質(繊維状セルロース)領域を加水分解によって除去して得た結晶性凝集体から主になる高結晶性粒子状セルロースを、セルロース含有塊に添加することが有利であることが一連の実験において示された。5〜10重量%、好ましくは7重量%のMCCを、各実験の各バッチに添加した。
【0040】
微結晶性セルロースを添加すると、とりわけ、主に穀物わらを含有する投入物に添加すると、高強度のコンポジット素材の製造に好ましくは使用されるセルロース含有塊がもたらされた。微結晶性セルロース含有塊から製造した前記コンポジット素材は、微結晶性セルロースを添加せずに製造した同様のコンポジットと比較すると、硬度及び引張強度が増大した。
【0041】
混合が終了すると、セルロース含有塊は、コンポジット素材の製造、及び前記セルロース含有塊の所望の製品の製造のために、使用する準備が整う。本発明の好ましい実施形態に準拠した製品を製造する技術及び技法は、少なくとも次の基本的なステップを含む。
1.上述した追加の製造技法を含む投入物(必要に応じて添加剤/改質剤を含む)を予備調製するステップ。
2.電磁的曝露のステップ。
3.製品(最終使用品)を製造するまで、セルロース含有塊の硬化及び成形のうち少なくとも一方による後加工のステップ。
本発明によれば、2番目のステップは任意選択的である。
【0042】
製品という用語は、例えばパネルのような最終製品、並びに例えばサンドイッチ構造体などの積層構造体のコア材料などの半製品を包含する。後者の場合、製品のある種の性質を改善してもよく、それは例えば、前記半製品に少なくとも1つのライナーを接着結合させることによる。前記サンドイッチ構造体の利点は、構造上の強さ、構造物の軽量性、耐火性、又はそれらの組合せなどの異なる性質を、1つの製品に付与できることである。こうした製品の実施形態によれば、1層又は複数の層又はライナーを、金属、ガラス、又は炭素繊維又はメッシュで製造してもよい。
【0043】
本発明によれば、このような無機繊維であっても、投入物に添加してもよく、又は後でセルロース含有塊に添加してもよい。
【0044】
別法として、及び/又はそれに加えて、硬化済みのコンポジット素材は、適当な表面処理を受けてもよく、これについては本説明の中で、後に議論する。
【0045】
乾燥及び/又は硬化の工程は、セルロース含有塊からの過剰な液体の抜き取りを意味する。構造結合の回復過程は、セルロース含有塊が、例えばキャスト又は金型の中で硬化することによって成形されている間に、出現する。このような過程は、実際のところ、残存しているβ−グルコース分子n個がポリマー式[C(OH)に共通の分子状化合物に組み込まれることである。各残存物における3つのヒドロキシ基[(OH)基]を有するグルコース分子が存在することにより、前記残存物間の結合が、側鎖のヒドロキシ基を介して、その基から水分子を抜き取ることにより、促進されることが可能となる。したがって、セルロース含有塊中にある有機材料の構造結合の回復は、セルロース含有塊の過剰な液体が、例えば水である場合は乾固又は乾燥によって抜き取られると直ちに起こり、硬化の過程がもたらされる。
【0046】
液体分として水を使用する場合、脱水の工程は、既知の適切な技法の範囲内にあるいずれかにより、所定の温度下で実施する。前記技法は、圧縮、押出、ろ過、並びに吸着、真空乾燥、ブロー乾燥、加熱、放射線、パッティング、送風機での蒸発、及び例えば自然空気乾燥を含んだ他の乾固の方法を含み、及び/又は組み合わせることである。脱水の具体的な方法は、工程及び/又は成形しようとする物品についての特定の要件に応じて選択する。
【0047】
セルロース含有塊の特性、及び/又はコンポジット素材若しくはそれで製造しようとする製品についての要件に応じて、セルロース含有塊の後加工は、圧縮成形、射出成形のうち少なくとも1種の成形法により行う。しかし、製品を製造するための他の成形技法が適当な場合もある。
【0048】
圧縮成形による後加工の場合、混合容器又はその一部分が、同時に半型となると考えられる。一般的な成形技法は当業者にとって既知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0049】
成形及び硬化の操作は、要求及び製造効率に応じて、一緒に行うか、又は逐次に行う。
【0050】
別の後加工を実施してもよく、それは例えば、コンポジット素材で製造する物品の、湿気若しくは水に対する耐性を改善するために、又は化学的に侵襲性の環境に対する耐久性、微生物への耐性を強化するために、コンポジット素材及び/又はその製品に、特定の色、特別な臭い、又はその組合せといった特別な種類の耐性という観点からの所望の特性を付与することである。こうした目的のために、特定の改質剤及び/又は添加剤を、過剰な液体分の抜き取りに先立って、投入物の中へ、及び/又はセルロース含有塊の中へ、添加してもよい。
【0051】
要件に応じて、前記特定の改質剤及び/又は添加剤を、セルロース含有塊及び/又はコンポジット素材に特定の均質性を実現するために使用してもよい。
【0052】
特別に留意すべきは、いくつかの種類の植物の細胞は、例えばケイ酸塩などの無機鉱物のような化合物、又はシュウ酸塩などの有機鉱物のような化合物で覆われているか、又は含んでいるという事実である。指示により選択した、例えば鉱物のような前記化合物をある一定量含んだ有機材料は、エンドユーザーが要求する特定の性質を提供することを、本発明に準拠したセルロース含有塊及びコンポジット素材に付与するために、使用し得る。それは例えば、前述した材料がもつ、導電性、伝熱性(即ち熱伝導性)、防音性、湿気による変形に対する耐性、化学物質及び微生物に晒されることへの耐性などの特性及び性質を獲得できる、又は顕著に改善できる能力を採り入れた原材料を選択することである。さらに、セルロース含有塊が、コンポジット素材への要件を満たしていない場合は、外来性の改質剤を加えてもよい。
【0053】
消費者が優先的に求める性質を含む所定の性質(抵抗性、ヒドロパシー、化学的に侵襲性の環境に対する耐久性、微生物への耐性、追加の及び/又は特別な種類の抵抗性、色、臭いなど)を有する素材の製造は、脱水前に特定の改質剤を均質な塊中に加えることで、及び/又は均質な塊を硬化のために調製するときに特別な補完的技法を用いることで、達成される。
【0054】
次に、表面処理の2、3の可能性について簡単に述べる。コンポジット素材で製造する製品についての要件に応じて、ある種の特性は、例えば1層又は複数の被膜を、含浸、例えば浸漬により塗布することによって、達成可能である。さらに、特定の色の被覆層も同様に塗布可能である。
【0055】
上記説明における言明のすべては、セルロース含有塊、コンポジット素材の製造方法、コンポジット素材自体並びにコンポジット素材で製造したものについても、同様に適用される。
【実施例】
【0056】
(実施例1)
有機原材料として、穀物である作物の茎の部分を選択する。作物の花穂は、ないことが好ましい。収穫の後に、わらを入手するのが好ましい。本実施例では、小麦のわらを使用する。
【0057】
わらの茎を、平均約5〜7mmの小片になるまで刻み、それを水と混合し、投入物中のこの有機の粒子が約0.8〜1mmの平均寸法を有するまで浸軟させて、わらを前処理した。本実施例では、この水性の混合物のpH値を8.4超の値にし、1.5〜2時間、浸軟させた。更なる実施例では、浸軟の時間を1.5〜2分にまで短縮した。添加したのは、わら3に対して水1(重量/重量)である。
【0058】
浸軟の後、わらの塊を含んだ投入物を、2個の誘導子の間の活性領域に設置しようとする、混合容器として働くステンレス鋼容器に注ぎ込んだ。
【0059】
250μmの平均径、1500μmの平均長を有する円筒形の強磁性粒子14gの量を、容器中のわら及び水の混合物に添加し、次いで、セルロース含有塊を、すべての点iにおいてH=一定の下で大きさBを上げるために磁場に曝露することにより活性値。
【0060】
交流電磁場が発生し、混合容器中にある誘導子の間(50mmの間隙幅径)の80cmの活性領域を貫通した。この磁場は、磁気成分のベクトルが、誘導子の間に画定された中心軸の点を除く任意の点iにおいて、divB=0の場合にB=μ、ゆえにrotA=Bとなるように、円形又は/及び楕円形ホドグラフを創出することをもたらした。磁気成分の強さは、中心軸上の任意の点jでゼロに等しく、H=0、B=0、及びrotA=0という条件が満たされた。このように、AからAまでの振幅値を有する磁場のベクトルポテンシャルAの活性が、gradAが誘導子の間の空間で有効となるように、交流電磁場内で生み出された。
【0061】
約0.3Tと測定された磁力を印加した。投入物を、前記交流磁場に20秒間曝露した。電源は、50Hzとした。
【0062】
磁場を印加すると、強磁性粒子は、投入物を容器の中で活発に撹拌した。この過程において、各強磁性粒子は、容器内の異なる点iでは強度ベクトルHのホドグラフが異なる相互作用のために、マイクロミキサー及びマイクログラインダーの役割を果たした。
【0063】
投入物の電磁場曝露を終了した後、セルロース含有塊中に残存した有機材料の平均粒径を有する粒子は、1μm以上と測定された。しかし、この磁気処理は、投入材料の十分な崩壊を確実にしたので、細胞、並びに細胞内及び細胞間の構造体の十分な個数が破壊される。
【0064】
次に、セルロース含有材料を、混合容器から、ブフナー漏斗の形をした型へ移した。ろ過の速度を上げるために吸引ろ過法を使用し、その後、コンポジット素材の乾燥固体片が残されるように、セルロース含有塊を放置して乾燥した。本実施例において、この蒸発の工程には、温度30℃でコンポジット素材の質量が不変となるまで、ろ過と自然乾燥を組み合わせた方法を包含させた。この試料生成物が構造試験及び強度試験を受けるまで、乾燥は、重量測定法により制御した。
【0065】
(実施例2〜13)
本実施例番号2及び以下の実施例番号3〜13において、次の基本的な設定を使用した。
【0066】
小麦わらは、わらの茎を、平均約5〜7mmの小片になるまで刻んで前処理した。刻んだわら100gをマスター溶液(master solution)1000mlと混合して、試行バッチを製造した。全試行バッチを6時間静置してから、さらなる処理ステップを行った。
【0067】
実験2〜13の各々において、カルボキシメチルセルロース(CMC)を使用した。本実験で使用したカルボキシメチルセルロース(CMC)は、Fischer Chemicals Chemicals AG、Riesbachstrasse 57、CH−8034 Zurich、スイスから得られ、CASナンバーは9004−32−4であった。各実験において、各試行バッチに7gのCMCを添加し、混合した。別の実験では、微結晶性セルロース(MCC)を使用し、好ましい実施形態によれば、その平均サイズ範囲は、約15〜40ミクロンであった。
【0068】
実験のうちの4つでは、投入物を、上述の線形電磁誘導子間に生成した電磁場の活性領域に曝露させた。電磁場への曝露時間を、下の表1の欄「誘導子」に示している。
【0069】
実験3、6、9、及び12では、マスター溶液中のわら材料を、下の加熱処理の欄に示すように3時間加熱処理する。実施例12のNaOHベースの混合物は、加熱処理後に中和する。
【0070】
その後、すべての実験試料を濾紙上に移動させた。過剰な水を圧流し、残った濾滓を2時間静置した。
【0071】
実験2、5、8、及び11の試料を、誘導子間の活性領域に1分間曝露させてから、フィルターに移動させた。
【0072】
その後、すべての試料を、乾燥の欄に示すように、温度80〜85℃の間で16又は24時間乾燥させた。
【0073】
【表1】

【0074】
実験2〜13で得た試験ブロックについて実施した規格外機械的試験から、実施例2及び5に従って製造した材料が最も高い硬度及び強度を有することが明らかになった。実験2〜8及び11〜13によるすべての試料から、成形コンポジットの製造に適当なセルロース含有塊がもたらされた。しかし、実施例9及び10によるセルロース含有塊で製造した試験ブロックの固有の強度及び安定性は、かなり低かった。
【0075】
(実施例14)
小麦わらは、わらの茎を、平均約5〜7mmの小片になるまで刻んで前処理した。刻んだわら100kgを温水1000lと混合して、試行バッチを製造した。試行バッチはすべて、Netzsch−Conduxから入手可能なCONDUX 微細切断ミルCS 500でバッチを製造した直後に湿式破砕した。湿式破砕中、水とわらとの混合物の好ましい温度範囲を、約92〜94℃で維持した。破砕加工製品は、優れた繊細さ及び均質性を有しており、コンポジット素材の製造、及び前記セルロース含有塊の所望の製品の製造に既に適していた。
【0076】
(実施例15)
小麦わらは、わらの茎を、平均約5〜7mmの小片になるまで刻んで前処理した。刻んだわら100kgを温水1000lと混合して、試行バッチを製造した。先と同様に、試行バッチはすべて、Netzsch−Conduxから入手可能なCONDUX 微細切断ミルCS 500でバッチを製造した直後に湿式破砕した。湿式破砕中、水とわらとの混合物の好ましい温度範囲を、約92〜94℃で維持した。湿式破砕中、水性液体のセルロース含有画分を分離し、ミルから抜き取った。前記温液体画分は、ミルへ再循環させることができる。しかし、好ましい実施形態に従って、これを、濾過又は脱水によってさらに濃縮し、混合中に添加した。Cebr.Lodige Maschinenbau GmbHから入手可能なhigh−performance Ringlayer Mixer CoriMix(登録商標)CMにおいて、再度混合を行った。
【0077】
上記の実験は、本発明に従って、セルロースベースの粘着材及び結合材を添加すると、好ましくは、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースのような水溶性形態では、製造した塊及び材料の特性が増強されることを示している。
【0078】
さらなる好ましい実施形態では、微結晶性セルロース及び/又は粉末セルロースを添加すると、さらなる所望の特性が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース含有塊を作製する方法であって、
少なくとも1種の有機材料及び液体分を含む投入物を調製するステップと、
前記投入物を、70〜120℃、好ましくは80〜100℃、最も好ましくは約92〜94℃の範囲の温度で湿式混合操作にかけるステップとを含む方法。
【請求項2】
湿式混合中又は後に水性液体のセルロース含有画分を分離するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
追加のセルロース、好ましくはメチルセルロース、及び/若しくはカルボキシメチルセルロース、好ましくはナトリウム塩の形のカルボキシメチルセルロース、及び/若しくは微結晶性セルロースを、セルロース含有塊に添加するステップ、
又は湿式混合操作で生じたセルロース含有画分を濃縮若しくは脱水の後に戻すことによってセルロースを添加するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
投入物を電磁場の活性領域に曝露し、投入物が好ましくは複数の強磁性粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
強磁性粒子の平均長が、約0.3〜約25mmの範囲、好ましくは約3〜約5mmの範囲にあり、強磁性粒子の平均径が、約0.1〜約5mmの範囲、好ましくは約0.1〜約2.5mmの範囲にある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
強磁性粒子が、約1:3〜1:5の直径対長さの比、及び好ましくは基本的に円筒形を有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
投入物に対する強磁性粒子の比率が、約1〜約25重量%、好ましくは約10〜約15重量%である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記活性領域が、反対方向から相互に向かう電磁場を発生させる線形電磁誘導子の間に生成し、前記誘導子が、好ましくは、前記誘導子の間に位置する共通軸のまわりをスピンする磁気成分の強さの円形又は楕円形ホドグラフを有する共通の交流電磁場を励起する、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記電磁誘導子が、1mm〜約5m、好ましくは約50mm〜約1mと測定される距離だけで相互に離れている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電磁誘導子の磁力が、約0.01〜約20テスラ、好ましくは約0.01〜約10テスラと測定される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記曝露の期間が、約1秒〜約3時間、好ましくは約5秒〜約5分、最も好ましくは約20秒又は60秒と計測される、請求項2〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記有機材料が、繊維を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記有機材料が、高等植物に由来し、好ましくはイネ科(禾本科)のイネ科植物の群から選択され、穀物である作物が特に好ましく、綿、麻、亜麻、又はそれらの混合物から選択される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記有機材料が、穀物わら及びイネわらのうち少なくとも1種に由来する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体分が、水及び1種の溶媒のうち少なくとも1種を含む、請求項2〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記有機材料が、約8、より好ましくは8超、最も好ましくは8.4超のpH値を有する液体中での浸軟、電気力学的曝露、流体力学的曝露、超音波曝露、煮沸、蒸気処理のうち少なくとも1種により前処理される、請求項2〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法により作製される、セルロース含有塊。
【請求項18】
請求項17に記載のセルロース含有塊を含んだコンポジット素材を製造する方法。
【請求項19】
少なくとも1種の添加剤又は1種の改質剤が、投入物又はセルロース含有塊のうち少なくとも一方に添加される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
セルロース含有塊がホモジナイズされる、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
セルロース含有塊が、圧縮成形、射出成形のうち少なくとも1種の成形法によって後加工される、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記液体内容物の過剰部分が、乾燥及び硬化のうち少なくとも一方により抜き取られる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法により製造される、コンポジット素材。
【請求項24】
請求項23に記載のコンポジット素材から製造される、製品。
【請求項25】
含浸、例えば浸漬によりコーティングされる、請求項24に記載の製品。
【請求項26】
後加工済みのセルロース含有塊に接着結合した、少なくとも1つのライナーを含む、請求項24又は25に記載の製品。

【公表番号】特表2013−506723(P2013−506723A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531336(P2012−531336)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064189
【国際公開番号】WO2011/039121
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512075084)
【出願人】(509314965)フィリップ セイント ゲア アーゲー (4)
【Fターム(参考)】