説明

セルロース系混繊維/布帛の分解方法および得られた分解物

【課題】 PET/綿混布帛の分解方法の提供。
【解決手段】 セルロース系混繊維/布帛を加アルカリ溶液分解をマイクロウェーブ処理により行うことを特徴とするセルロース系混繊維/布帛の分解方法。高誘電率の高沸点物質の共存下で行う。高誘電率の高沸点物質はグリコール系物質である。グリコール系物質はエチレングリコールである。アルカリ溶液は5〜40重量%の水酸化ナトリウムの水溶液である。高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置を用いたマイクロウェーブ処理である。上記いずれかに記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法によって得られた分解物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロウェーブ処理によるセルロース系混繊維/布帛の分解方法および得られた分解物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護のために、資源の有効利用、特に回収再利用、いわゆるリサイクルが行われてきつつある。例えば、使用済みのガラスや紙を回収して選別し再生原料として利用することは、事業として確立されている。また、ペットボトルのような熱可塑性プラスチック成形品では、使用済み製品を回収して選別し、再溶融し成形して再利用することが事業化されている。さとうきびの絞りかすであるバガス、間伐材等のセルロース系廃バイオマスは、現在殆ど廃棄又は焼却されているが、循環型社会の構築に向けて、これらを有効利用する手段が求められている。
【0003】
縫製品については、一部では、古着等としての再使用、解体した布帛、繊維、縫製用副資材(ボタン等)の再利用という形でのリサイクルが行われている。しかしながら、縫製品の場合は、紙、ガラス、樹脂成形品のように回収品を素材原料まで戻して再利用するというリサイクルは行われていない。この理由として、縫製品自身が解体、再生まで考慮した形態に作製されていないこととともに、縫製品を構成する素材の材質が、再生に都合のよい材質に統一されていない、つまり構成材質が多岐にわたっていることが挙げられる。
特許文献1では、ポリエステル繊維分のみを分離するために、ポリエステル繊維系の製品で混用使用されている木綿繊維等のセルロース成分をセルラーゼ酵素によりポリエステル成分に影響を与えることなく分解分離し、ポリエステル繊維系製品からセルロース系繊維成分を除去しポリエステル繊維分のみに分離している。
【0004】
一方、寝具用シーツに使用されるリネン類はPET(ポリエチレンテレフタレート)とcotton(綿)の混紡糸から製造されているものもある。シーツ等のリネン類は清潔感が重要視されることから、洗濯での毛羽立ちや、わずかなシミ、キズ等でもその商品価値が激減するため、繰返し使用には限度がある。このため国内だけで年間約1万トンもが焼却処分されている。リネンに含まれる綿は化学的加工などは施されておらず、高純度、高重合度のセルロースである。廃リネン類1万トンから高純度セルロースは約3000トン得られる推計であるが、この高純度セルロースの回収ルートは未確立であり、リサイクルおよび有効活用の推進は急務の課題である。すなわち、処理された複合材料の各構成要素の新規な使用が可能となるように、複合材料であるセルロース系混繊維/布帛におけるセルロースおよびポリエチレンテレフタレートを再利用する方法が求められている。
【0005】
セルロースは、グルコースがβ1、4結合した直鎖状の高分子である。セルロースは多くの水酸基を有し、該水酸基が分子内で水素結合するのに加えて、分子間も水素結合が形成され、強固な構造となっている。セルロースの構成糖はグルコースであり、セルロースを加水分解することにより、セロオリゴ糖、さらにはグルコースを得ることができる。グルコースは、それ自身重要な食品素材であり、醗酵することによりエタノールが、あるいは微生物若しくは酵素又は化学変換することによってフラクトース等の糖類、クエン酸等の有機酸、ソルビトール等の糖アルコール等の素材を得ることができる。また、セロオリゴ糖は各種オリゴ糖と同様に、その生理機能が明らかとなりつつあり(非特許文献1)、機能性食品素材として期待されている。このように、セルロースを原料として、それをセロオリゴ糖あるいはグルコースにまで加水分解することによって、食品・エネルギー・飼料・化学工業製品等の分野で多くの素材を提供することができる。
【0006】
従来、セルロース系バイオマスからグルコース等の有用物質を取り出すことは、澱粉・糖系バイオマス(穀物類、イモ類、ビート等)から糖を取り出すことと比べてエネルギーが多くかかるなどの問題があり、困難であった。たとえば、セルロースも澱粉もグルコースが多数結合した高分子であるが、澱粉は水溶液を加熱すれば、容易にグルコースに加水分解されるのに対し、セルロースは同程度の加熱では加水分解されない。
これに対し、超臨界状態又は亜臨界状態の水を用いて、セルロースの水素結合の一部を解離させ、部分加水分解により低分子化されたセルロースが水に可溶化される発明が開示されている(特許文献2)。また、セルロースを効率よく分解することができる方法として、セルロースを、水と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体中で加水分解することを特徴とするセルロースの分解方法が提案されている(特許文献3)。
【0007】
一方、PET(ポリエチレンテレフタレート)については、ポリエチレンテレフタレート廃棄物の様々な出所が存在する。主な出所の1つは飲料パッケージからのものである。この出所から回収されたポリエチレンテレフタレートは、数々の種類の廃棄材、特にパッケージ用のストッパー、接着剤およびラベルなどを含む。しかし、そのリサイクルは、費用はかかるが、複合材料のそれより一般に容易である。PET(ポリエチレンテレフタレート)、とりわけPET廃棄物のグリコール分解はよく知られている。それにより、主な用途が、イソシアネートの配合および添加後の硬質ポリウレタン・フォームの製造であるポリオールが得られる。
【0008】
このような事情において、複合材料であるセルロース系混繊維/布帛におけるセルロー
スおよびポリエチレンテレフタレートを処理し、過大な追加コストなしに回収された様々
な製品の再利用を可能にする方法を開発することができれば、特に利点があるであろう。
【0009】
【特許文献1】特表平08−158265号公報
【特許文献2】特開2002−20401号公報
【特許文献3】特開2006−263527号公報
【非特許文献1】Cellulose Communications Vol.5 No.2、1998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、PET(ポリエチレンテレフタレート)および固体状セルロースを簡単な処理により分解し液化する、セルロース系混繊維/布帛、特にPET/綿混布帛の分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の(1)〜(6)記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法を要旨とする。
(1)セルロース系混繊維/布帛を加アルカリ溶液分解をマイクロウェーブ処理により行うことを特徴とするセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
(2)高誘電率の高沸点物質の共存下で行う(1)記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
(3)高誘電率の高沸点物質がグリコール系物質である(2)記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
(4)グリコール系物質がエチレングリコールである(3)記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
(5)アルカリ溶液が5〜40重量%の水酸化ナトリウムの水溶液である(1)ないし(4)のいずれかに記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
(6)高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置を用いたマイクロウェーブ処理である(1)ないし(5)のいずれかに記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【0012】
本発明は、以下の(7)記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法によって得られた分解物を要旨とする。
(7)(1)ないし(6)のいずれかに記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法によって得られた分解物。
【発明の効果】
【0013】
複合材料であるセルロース系混繊維/布帛におけるセルロースおよびポリエチレンテレ
フタレートをマイクロ波照射により加溶媒分解(アルカリ水溶液の存在下で分解)を実施すると、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物を、セルロースの加溶媒分解に利用することができる。
アルカリの存在下でマイクロ波照射することにより反応条件が著しく緩和できること、反応速度が著しく大きくなること、ポリエチレンテレフタレートのみならず廃リネン類から得られる高純度セルロース(固体状セルロース)を完全に液化し、液体として回収できることなどの特徴を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[複合材料であるセルロース系混繊維/布帛]
本発明のPET/綿混布帛とは、綿、レーヨン、ポリノジック等セルロース系繊維を単独または湿織して得られたセルロース系繊維糸を用いた編織物、セルロース系繊維とポリエステル、ナイロン等合成繊維を用いた編織物を言い、廃棄リネンセルロース布帛とはPET/綿混布帛を使い古した布帛を言う。処理対象とする布帛の大きさは、特に限定されるものでは無く、例えば反応容器の投入口の形状に合わせて粗く切断処理されていてもよい。好ましくは廃棄リネンセルロース布帛は、廃リネン類を切断・剪断するような機械を用いて数十センチメートル程度より小さい大きさの細片に細断するとよい。
【0015】
[セルロース系混繊維/布帛の分解]
従来、セルロースからセロオリゴ糖やグルコースを得るために、多くの研究がなされてきた。例えば、(1)熱分解法、(2)酸触媒を用いた方法、(3)亜臨界、超臨界水を用いた方法、(4)酵素による方法が知られているが、(1)の方法では、反応制御が不可能でグルコースの収率が低い、(2)の方法では、高濃度の酸または高温の酸によって処理するために、設備が腐食する、硫酸回収にコストがかかる、(3)の方法では、反応速度が早くなるものの、亜臨界以上の高温の条件では、加水分解によりグルコースが生成すると共に、グルコースの熱分解反応も進んでしまい、逆に収率が低下する、(4)の方法では、反応速度が遅く、工業的な生産方法としては利用できない。上記のような問題全てに共通する原因は、セルロースの構成糖であるグルコースが本来親水性であるにも関わらず、セルロース繊維が水に不溶であることである。このような水への不溶性は、セルロース分子同士が強い水素結合により会合し、結晶化しているためであると考えられる。このため、セルロースを加水分解するためには、強酸を用い、高温で長時間、反応を行う必要がある。以上のことから、効果的にセルロースを加水分解するために、セルロースを水に可溶化するための適切な前処理技術の開発が求められている。
本発明は、高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置を用いると、ポリエステル繊維系の製品で混用使用されている木綿繊維等を構成するPETはアルカリが存在すると200℃以下数分以内の短時間に完全に液化し、PETの分解物であるエチレングリコール(EG)が共存すると、セルロースもよく溶けることを見出したものである。すなわち、複合材料であるセルロース系混繊維/布帛におけるセルロースおよびポリエチレンテレフタレートを高温高圧条件下でのマイクロ波照射により加溶媒分解(アルカリ水溶液の存在下で分解)を実施すると、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解で得られた加溶媒分解生成物を、セルロースの加溶媒分解に利用することができる。
【0016】
[アルカリ溶液]
高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置を用いると、ポリエステル繊維系の製品で混用使用されている木綿繊維等を構成するPETはアルカリが存在すると200℃以下数分以内の短時間に完全に液化し、PETの分解物であるエチレングリコール(EG)が共存すると、セルロースもよく溶ける。アルカリは、アルカリ溶液として存在させるが、より具体的には5〜40重量%の水酸化ナトリウム水溶液として用いる。すなわち、アルカリ加水分解するために用いる反応溶媒は水である。この水は、特に制限は無いが、好ましくは蒸留水あるいはイオン交換水など精製されたもので不純物の少ない水が好ましい。塩基性物質として、水中で100%解離して化学量論的にイオンの濃度が計算できるアルカリ金属水酸化物などが好ましく、特に好ましくは、NaOHおよび/またはKOHが挙げられる。浴比、すなわち処理対象の出発物質である布帛の水に対する濃度である。布帛の水に対する濃度は、実験により、NaOH濃度10重量%、高温高圧下、10分程度の時間の条件で、布帛重量に対して、湿らす程度〜2倍量以下の溶媒でも、効率的に処理できることがわかった。
【0017】
[マイクロ波照射]
マイクロ波照射することにより反応条件が著しく緩和でき、反応速度が著しく大きくなり、廃リネン類から得られるポリエチレンテレフタレートおよび高純度セルロース(固体状セルロース)を完全に液化し、液体として回収できる。本発明の方法では、マイクロ波照射による加熱効率を増加させるために、流体に高誘電率の高沸点物質を共存させることができる。これらの物質として、例えば、水、アルコール、グリコール系物質、イオン性液体、グラファイト、カーボンブラックなどが例示される。グリコール系物質の種類には、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、2 ブタンジオール、1、3 ブタンジオール、2-メチルプロパンジオール1、3 、ネオペンチルグリコール、2、2、3 トリメチルペンタンジオール1、3 、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物が挙げられる。高沸点物質であるエチレングリコールが好ましいものとして例示される。また、本発明では、ポリエチレンテレフタレートの加溶媒分解(アルカリ水溶液の存在下で分解)で得られた加溶媒分解生成物を、セルロースの加溶媒分解に利用することができる。
反応を進行させる目的で触媒を使用することができる。その触媒としては、例えば、金属の有機酸塩、アルコキサイド、キレート化合物などがあり、樹脂物性を損なわない化合物、量を選定し使用することが望ましい。その触媒の添加量としては、グリコールとPETとの総重量に対して、好ましくは0.01〜1.0重量%である。その化合物としては、好ましくは錫化合物が挙げられ、その中でも特にモノブチル錫化合物が好ましい。
【0018】
[マイクロ波加熱装置]
高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置としては市販品を用いることができる。マイクロ波照射、高温、高圧条件下、物質を分解するために用いる装置が利用できる。前記目的を達成するために、マイクロ波加熱装置は、内部に被加熱物を収容する加熱用筐体部と、加熱用筐体の内部にマイクロ波電力を供給するためのマイクロ波電力供給部と、加熱用筐体の内部を高圧にするための加圧系統部とを有する。さらに、被加熱物を入れる加熱用筐体を密閉構造とし、これに加圧装置により大気圧以上の圧力をかけながらマイクロ波加熱を行う構成とする。また、マイクロ波加熱を均一に行うための均一化手段を加熱用筐体内に有すると共にそれを駆動する駆動部分を加熱用筐体とは別な密閉構造とし、加熱用筐体内の圧力よりも幾分か高くなる状態に加圧せしめる。
本発明の実施例では装置はETHOS TC(マイルストーンゼネラル株式会社製)を用いたが、これに限定されるわけではない。
【0019】
[分解物]
ポリエチレンテレフタレートの、本質的にポリオールからなる加溶媒分解生成物を、完全に満足できる品質をもつポリウレタン・フォームをそれから製造するように、再利用することを可能にする。
セルロースは、グルコースがβ1、4結合した直鎖状の高分子である。セルロースは多くの水酸基を有し、該水酸基が分子内で水素結合するのに加えて、分子間も水素結合が形成され、強固な構造となっている。セルロースの構成糖はグルコースであり、セルロースを加水分解することにより、セロオリゴ糖、さらにはグルコースを得ることができる。本発明の分解物は水溶性セロオリゴ糖類および関連オリゴ糖類である。
【0020】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
[セルロース系繊維として、PET/綿混布帛のマイクロウェーブ(MW)処理]
MW分解反応の溶媒として10 wt%水酸化ナトリウムを用いた。
マイクロ波処理はETHOS TC (マイルストーンゼネラル株式会社製を用い、マイクロ波出力および時間は、250W(1分)−600W(1分)−1000W(2分)とし、 3回繰返した。処理後の分解度あいは布帛の形状変化および分解液の透明性で判断し、○;分解液化またはわずかな残渣あり、×;布帛形状保持の2段階で評価した。表1にその結果を示す。またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【実施例2】
【0022】
[セルロース系繊維として綿布帛のMW処理]
反応条件は実施例1と同様にしておこなった。
実施例1と同様に評価を行った。表1にその結果を示す。
またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【比較例1】
【0023】
実施例2において、溶媒を変えた以外は実施例2と同様にして、綿布帛についてMW処理を行った。
溶媒;10重量%水酸化ナトリウム+エチレングリコール(14重量%対溶媒)
実施例1と同様に評価を行った。表1にその結果を示す。
またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【比較例2】
【0024】
実施例2において、溶媒を変えた以外は実施例2と同様にして、綿布帛についてMW処理を行った。
溶媒;水+エチレングリコール(14重量%対溶媒)
実施例1と同様に評価を行った。表1にその結果を示す。
またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【比較例3】
【0025】
セルロース系物質として、粉末状精製コットンリンターをもちいた。反応溶媒は実施例2と同様であり、
MW処理は1回のみ行った。
実施例1と同様に評価を行った。表1にその結果を示す。
またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【比較例4】
【0026】
比較例3に対し、溶媒を変えた以外は比較例3と同様にして、 MW処理を行った。
溶媒;水+エチレングリコール(14重量%対溶媒)
実施例1と同様に評価を行った。表1にその結果を示す。
またセルロース系布帛に対するMW処理後の写真を図1に示した。
【0027】
【表1】

【0028】
表1の実施例1から明らかなように、PET/綿混布帛はアルカリ溶液中、MW処理を行うことで、ほぼ分解反応が進行した。一方、実施例2では、綿布帛は分解されず布帛形態を保持したままであった。実施例2に対して、エチレングリコールを溶媒の14wt%となるよう添加した比較例1では、実施例1と同程度の分解反応が進行した。比較例2では実施例2に対して、アルカリを使用せず、分解処理を行った。この場合、分解は全く進行しなかった。
つぎに、粉末状の精製コットンリンターをMW処理した比較例3および比較例4ではどちらも完全に分解されたが、分解後の溶液はとくに茶色く着色していた。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明により、アルカリ溶液中、セルロース類をMW処理することによって短時間で効率的な分解反応が達成された。本発明はセルロース系廃棄物の処理方法として従来技術の問題点を克服、解決でき、さらには分解液に含まれる水溶性セロオリゴ糖類を様々な化学原料および生理活性物質として利用するためのセルロース系バイオマス変換法として期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】セルロース系布帛のMW処理後の状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース系混繊維/布帛を加アルカリ溶液分解をマイクロウェーブ処理により行うことを特徴とするセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項2】
高誘電率の高沸点物質の共存下で行う請求項1記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項3】
高誘電率の高沸点物質がグリコール系物質である請求項2記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項4】
グリコール系物質がエチレングリコールである請求項3記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項5】
アルカリ溶液が5〜40重量%の水酸化ナトリウムの水溶液である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項6】
高温高圧条件下でのマイクロ波による加熱装置を用いたマイクロウェーブ処理である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセルロース系混繊維/布帛の分解方法によって得られた分解物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−1734(P2009−1734A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166055(P2007−166055)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(502407130)株式会社プレックス (75)
【Fターム(参考)】