説明

セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛

【課題】本発明は、セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛を開発すべく研究を重ねた結果、セルロース繊維のヒドロキシル基と反応することができる樹脂に単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物またはそれにウレタン樹脂を添加することで上記課題を達成できることを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
綿100%繊維のようなセルロース繊維は、洗濯乾燥時にしわになりやすく、アイロンがけが必要になるため、通常、グリオキザール樹脂を使用し、セルロース繊維に防しわ処理を施すのが一般的であった。(特許文献1〜2)しかしながら、グリオキザール樹脂をセルロース繊維に反応させると、防しわ効果が発現されるものの、その性能はノーアイロンではいけないのが現状である。
【特許文献1】特開昭61−34281号公報
【特許文献2】特開平2−84561号公報
【0003】
糖類を使用する形態安定加工の報告として、特許文献3では洗濯時に天然糖類を投入することにより防しわ性が付与されることが報告されているが耐久性が無い。また特許文献4のように樹脂加工でトレハロースを併用することにより耐久性の形態安定性の向上として報告されているがその性能はノーアイロンでいけるところまで至っていない。
【特許文献3】特開2005−120488号公報
【特許文献4】特開2007−270416号公報
【0004】
このような実情のもと、家庭洗濯後にノーアイロンでしわのないセルロース繊維及びセルロース繊維製品の開発が要望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、セルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛を開発すべく研究を重ねた結果、セルロース繊維のヒドロキシル基と反応することができる樹脂に単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物またはそれにウレタン樹脂を添加することで上記課題を達成できることを見出した。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、家庭洗濯後にノーアイロンによるしわのないセルロース繊維及びセルロース繊維製品の形態安定加工方法及び加工布帛を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<(A)成分>本発明で用いるセルロース繊維のヒドロキシル基と反応することができる樹脂としては、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素、ジメチルジヒドロキシエチレン尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールアルキルトリアゾン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが利用でき、最も好ましくはジメチロールジヒドロキシエチレン尿素が好ましい。また、それらは、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0009】
<(B)成分>本発明の(B)成分は、単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物であり、(A)成分と併用することで形態安定性を向上させる剤である。
【0010】
本発明において(B)成分として、具体的にはグルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、タロース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース等の単糖及びオリゴ糖、もしくはこれらの糖を還元して得られるソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコールに置換基を導入した化合物(糖誘導体)である。単糖、オリゴ糖又は糖アルコールとしては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1〜40のものが望ましく、1〜10(すなわち、単糖及び重合度2〜10以下のオリゴ糖)が特に望ましい。導入可能な置換基としては、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アミン基、4級アンモニウム基、カルボキシル基等が挙げられ、単糖及びオリゴ糖、もしくはこれらの糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物である。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0011】
<(C)成分>本発明の(C)成分は、ウレタン樹脂で(A)成分(B)成分と併用することで形態安定性を向上させる剤である。
【0012】
本発明の(C)成分のウレタン樹脂は反応性プレポリマータイプ、ポリウレタンタイプで好ましくは反応性ウレタンプレポリマータイプが好ましい。
【0013】
本発明におけるポリウレタンタイプとは、乳化剤を使用するノニオン系の強制乳化型のポリウレタンエマルジョンもしくは、乳化剤を使用しない自己乳化型のポリウレタンエマルジョンで特に限定されるものではない。強制乳化型のポリウレタンエマルジョンは、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル等のエチレンオキサイド付加タイプの乳化剤でこれらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。自己乳化型のポリウレタンエマルジョンは、アニオン性及びカチオン性を示す物質をウレタン骨格中に導入する通常公知の方法による。アニオン性を付与するものとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを挙げる事が出来る。またこれらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミンなどのアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどで中和して使用される。カチオン性を付与するものとしては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることが出来る。また、これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらは、塩酸、硝酸、酢酸などの有機酸や無機酸などで中和して使用され、ジメチル塩酸、ジエチル硫酸、エピクロルヒドリンなどで4級化して使用される。
【0014】
ポリウレタンを形成するイソシアネート成分は、従来からよく用いられている芳香族、脂肪族、および脂環族のポリイソシアネートを使用する。例えば、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネートなどのポリイソシアネートがあげられる。特に好ましいポリイソシアネートとしては、キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0015】
ポリウレタンを形成するポリオール成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルを単独または、2種以上を重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルポリオール、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステルなどのモノカルボン酸グリシジルエステルもしくは、ダイマー酸などを還元させて得られるアルコール成分、または、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコールと前記多塩基酸とを脱水縮合させて得られる脱水縮合系ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合させて得られる開環重合系ポリエステルポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの各種イソシアネート成分ならびに、ポリオール成分は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0016】
鎖伸長剤としては、各種の低分子ポリオールや低分子ポリアミンを用いることができ、例えば低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。低分子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボランジアミン、ジアノジフェニルメタン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミンなどが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
ポリウレタンエマルジョンの合成は、必要に応じ溶剤中でポリイソシアネート成分、鎖伸長成分を同時に仕込み反応させ、ポリマー化をするワンショット法、ポリオールとポリイソシアネートを反応させ、鎖伸長成分を仕込みポリマー化するプレポリマー法、ポリイソシアネート成分の一部とポリオールを反応後、残りのポリイソシアネート成分と鎖伸長成分を仕込みポリマー化するプレポリマー法等が挙げられる。
【0018】
次に、本発明に言う反応性ウレタンプレポリマーについて説明する。本発明の反応性ウレタンプレポリマーは、その分子末端にブロック剤でブロックしたイソシアネート基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルカリ金属で置換されたカルボキシル基ならびにスルホン酸基を有していることが好ましい。
【0019】
ブロック剤としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、エチルメルカプタン等の脂肪族メルカプタン、β‐チオナフトール等の芳香族メルカプタン、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類、フェノール、重亜硫酸塩などが挙げられる。
【0020】
本発明において、反応性ウレタンは2個以上の活性水素原子を有するポリオール化合物と有機ポリイソシアネート化合物を反応させることにより製造することが出来る。2個以上の活性水素原子を有するポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを例示することが出来る。ポリエーテルポリオールの例としては、三官能であるグリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのアルカノールアミン類、ペンタエリスリトールなどの四官能のアルコールなどを出発点とし、塩基性触媒の存在下にアルキレンオキサイドを重付加してポリエーテルポリオールを挙げることが出来る。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0021】
また、ポリエステルポリオール成分を構成する二塩基酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族二塩基酸が挙げられる。ポリエステルポリオールを構成する二価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式グリコール、ビスフェノールらの二価アルコール成分と上記二塩基酸成分とを縮合反応することにより、ポリエステルポリオールが得られる。
【0022】
次に反応性ウレタンプレポリマーに用いる有機ポリイソシアネート化合物としては、前述したポリウレタン系化合物に使用するイソシアネート化合物と同様のものを用いることができる。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0023】
なお、反応性ウレタンプレポリマーに用いる鎖伸長成分としては、前述したポリウレタン系化合物に使用する鎖伸長成分と同様のものを用いることができる。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0024】
この処理液には、それ以外にも目的に応じて適宜蛍光増白剤や染料、pH調整剤、界面活性剤、シリコーン系樹脂等の柔軟剤、ポリエチレン系樹脂等の引裂強力低下防止剤、ホウ酸塩等の黄変防止剤等を併用させることができる。
【0025】
本発明においてセルロース繊維は、従来公知のセルロース繊維であり、例えば木綿、麻などの天然セルロース、レーヨンなどの再生セルロース、又はこれらの混紡品である。特に木綿の場合、原綿そのもの、苛性マーセル化した木綿、液体アンモニアで処理した木綿なども、本発明のセルロース繊維に包含される。
【0026】
本発明において使用するセルロース繊維に非セルロース系合成繊維を混紡、交撚、混編させることができ、非セルロース系合成繊維としては、例えば、ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリアミド、液晶ポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、スパンデックス等を上げることができる。上記合成繊維の中でも、ポリエステル、ポリアミド、アクリル及びポリプロピレンが好ましく、ポリエステルが特に好ましい。セルロース繊維に上記合成繊維が混紡される場合、混紡割合は特に限定されるものではない。
【0027】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例で用いた評価法および綿織物及びポリエステル/綿混紡織物を以下に示す。
綿織物は目付123g/mを精練、漂白、シルケット処理後の綿ブロードを使用した。
ポリエステル/綿混紡織物は綿50%、ポリエステル50%を精練、漂白、シルケット処理後のポリエステル/綿ブロードを使用した。
W&W性:JIS L 0217 103法による洗濯を10回繰り返した後、JIS L 1042 6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置した後、AATCC124−1984 5段階レプリカ法にもとづいて判定を行った。
5級(良好)〜1級(不良)
以下、部は重量部、%は重量%を示す。
【0028】
(合成例)以下本発明で使用する(成分A)及び(成分C)の合成方法について説明する。
【0029】
(合成例1)反応容器中で、1モルのグリオキザール(40.3%のグリオキザール、4.7%ホルムアルデヒド水溶液)を2モルのホルムアルデヒド(50%ホルマリン水溶液)、1モルの尿素及び1.5モルのエチレングリコールを混合する。混合液のpHをNaOHの添加によってpH6〜7の範囲内に調整し、混合物を60℃で3時間反応させながら、その範囲内に維持する。仕上生成物の重量を基準として約0.5重量%のクエン酸を加えpHを硫酸の添加によってpH3.0に調整する。混合物の温度を60℃で1時間保ち、次に25℃まで冷却しpHをNaOHの添加によって4.5〜5.5に調整し、水希釈して40%の低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂を得た。
【0030】
(合成例2)反応容器中でポリオキシアルキレントリオール(重量平均分子量3000)300部とヘキサメチレンジイソシアネート50.4部を加え、100℃で120分反応後、遊離イソシアネート基含有量3.6%のウレタンプレポリマーを得た、このプレポリマーを40℃以下に冷却後、メチルエチルケトオキシム261gを加え、80℃45分ブロック化反応をし、水希釈して25%のブロックタイプ反応型ウレタンプレポリマー化合物を得た。
【0031】
水溶性糖類及びウレタン樹脂を添加することによって形態安定性が向上することを以下で証明する。
【実施例1】
【0032】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、スクロースプロピレンオキサイド(以下プロピレンオキサイドをPOとする)付加物3.5%を加え、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【実施例2】
【0033】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、ソルビトールPO付加物3.5%、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【実施例3】
【0034】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、スクロースPO付加物3.5%、合成例2で合成した反応型ウレタンプレポリマー化合物1.5%を加え、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【実施例4】
【0035】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、ソルビトールPO付加物3.5%、合成例2で合成した反応型ウレタンプレポリマー化合物1.5%を加え、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【実施例5】
【0036】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、スクロースPO付加物3.5%を加え、残りを水で希釈した加工液にポリエステル/綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【実施例6】
【0037】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、スクロースPO付加物3.5%、合成例2で合成した反応型ウレタンプレポリマー化合物1.5%を加え、残りを水で希釈した加工液にポリエステル/綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例1)
【0038】
綿ブロード生地を水で含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例2)
【0039】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例3)
【0040】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、合成例2で合成した反応型ウレタンプレポリマー化合物1.5%を加え、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を浸漬し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後。次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例4)
【0041】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、ソルビトール3.5%、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例5)
【0042】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、トレハロース3.5%、残りを水で希釈した加工液に綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例6)
【0043】
ポリエステル/綿ブロード生地を水で含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例7)
【0044】
グリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、残りを水で希釈した加工液にポリエステル/綿ブロード生地を含浸し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後、次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
(比較例8)
【0045】
合成例1で合成された低ホルマリンタイプグリオキザール樹脂10%、触媒(50%塩化マグネシウム水溶液)3%、合成例2で合成した反応型ウレタンプレポリマー化合物1.5%を加え、残りを水で希釈した加工液にポリエステル/綿ブロード生地を浸漬し、マングルでピックアップが70%になるように絞った後、ピンテンター乾燥機にて110℃で2分間予備乾燥後。次いで該布帛をピンテンターベーキングマシンにて160℃で2分間、熱処理を施し、加工製品とした。
【0046】
実施例1〜4と比較例1〜5の形態安定性(綿ブロード生地)の評価を表1に示す。
【0047】
実施例5〜6と比較例6〜8の形態安定性(ポリエステル/綿ブロード生地)の評価を表2に示す。
【0048】
【表1】

【表2】

【0049】
上記の結果から単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物を併用することで、家庭洗濯後にしわになりにくいノーアイロンによる形態安定加工方法及び加工布帛を提供することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース繊維のヒドロキシル基と反応することができる樹脂(A)、及び単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物(B)で加工することを特徴とする形態安定加工方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法で得られた形態安定加工布帛。
【請求項3】
セルロース繊維のヒドロキシル基と反応することができる樹脂(A)及び単糖もしくはオリゴ糖又は単糖もしくはオリゴ糖を還元して得られる糖アルコールの少なくとも一つの水酸基の水素原子がヒドロキシアルキル基で置換された化合物(B)、及びウレタン樹脂(C)で加工することを特徴とする形態安定加工方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法で得られた形態安定加工布帛。

【公開番号】特開2009−133021(P2009−133021A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308665(P2007−308665)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(391034938)大原パラヂウム化学株式会社 (19)
【Fターム(参考)】