説明

セルロース脂肪酸エステルを含むパーソナルケア製品

炭化水素、アルキルエステル、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール及びシリコーン油からなる群から選ばれた少なくとも1種の、化粧品として許容され得る溶剤中に可溶性である、炭素数6〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度が約1.0超の長鎖脂肪酸セルロースエステル(LCCE)を含むパーソナルケア製品組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸セルロースエステルを含むパーソナルケア製品に関する。更に詳しくは、本発明は、炭素数6〜18のエステル置換基の置換度(DS)が約1.0超である脂肪酸セルロースエステルを含むパーソナルケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースの脂肪酸エステル、特にセルロースの長鎖エステルは、化学的には、セルロース中のグルコース部分(moiety)のヒドロキシル上にエステル化された長鎖飽和脂肪酸部分(moiety)を有する。このようなセルロース長鎖エステルを合成するための方法及び操作(procedure)は当業界でよく知られている。例えば、非特許文献1は、出発セルロースアセテートと同じ重合度を保持するために酸塩化物−ピリジン操作によってアセテートからパルミテートまでの一連のセルロースエステルを製造することを記載している。非特許文献2は、真空を用いることによって、縮合反応時に生成する塩化水素を除去し、それによって反応物から溶媒を除去することによって、セルロースのパルミトイル脂肪酸エステルを製造する方法を記載している。
【0003】
部分置換セルロースエステルの直接合成は、これまでは、特許文献1に示されるように、溶液中におけるセルロースのアシル化によって教示されている。塩化リチウムとアミド溶媒(1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)又はN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC))との混合物中にセルロースを最初に溶解させる場合には、セルロースを、触媒の存在下又は不存在下で、カルボン酸無水物でアシル化して、添加する無水物の当量にのみ依存して部分置換又は全置換セルロースエステルを生成させることができる。セルロースと長鎖カルボン酸とのエステルはこれまではこのようにして製造されている。
【0004】
特許文献2は、チタン含有触媒を用いる、カルボキサミド希釈剤又は尿素系希釈剤中セルロースとカルボン酸無水物のようなアシル化剤との反応による、全置換より少ない置換度のセルロースエステルを製造する直接不均一法を記載している。
【0005】
更に、特許文献3は、不溶性スルホン酸樹脂触媒を用いる、カルボキシ希釈剤又は尿素系希釈剤中セルロースとカルボン酸無水物のようなアシル化剤との反応による、全置換より少ない置換度のセルロースエステルを製造する直接不均一法を記載している。
【0006】
商業的には、部分置換セルロースエステルは、被覆(コーティング)、プラスチック、繊維及びフィルムの製造のような用途において利用されてきた。被覆(コーティング)の分野においては、比較的大きい溶解度及びヒドロキシル基含量が高く評価されている。パーソナルケアの分野においては、炭素数2〜4の置換基のみを有するセルロースエステル、例えばセルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートがフィンガーネイル・コーティングにおける一次又は二次皮膜形成剤として使用されている。更に、特許文献4は、置換セルロースエステルの使用、特に、遊離ヒドロキシル部分が、炭素数4〜50の1つ又はそれ以上の置換基を有する疎水基で置き換えられた脂溶性セルロースエステルの使用を開示している。特許文献4は、「脂溶性(liposoluble)」を、周囲温度及び圧力において液体脂肪相の主たる油中への溶解度が少なくとも1重量%であると定義する。しかし、意外なことに、特許文献4に開示された長鎖脂肪酸セルロースエステルは、化粧品及びパーソナルケア用途において一般的に使用される溶剤又は有機キャリヤーに可溶でないことが発見された。
【0007】
油性の又は油相を有する化粧品及びパーソナルケア製品は、唇又は皮膚上ではあまり耐久性がない。例えばカラー化粧品は、ぼかす又は塗りつける力に供された場合に、特に汗を伴う場合には、わずかな時間で消えてなくなる。スキンケア製品、例えば日焼け止め剤の場合には、衣類の接触時にこすり取れ、又は水泳の間に洗い流される。また、ゆっくりと浸透する活性成分を含む組成物は、活性成分をできるだけ長時間、皮膚に吸収させるために、皮膚に長時間残すことが必要である。このような組成物の耐久性及び耐水性を改善するためには、それらは油溶性皮膜形成剤を含むのが望ましい。
【0008】
カラー化粧品、デオドラント、スキンケアクリーム及びローション並びに毛髪化粧料のような組成物は、スティックの形態で適用できるように又は手に注いで収容して、指で適用できるように、増粘する必要がある。増粘はまた、対象とする基材(又は下地)(substrate)から組成物が溶けて流れ出すか又はしたたり出るのではなく、組成物が配置された場所にとどまるので有益である。増粘組成物は、容易に広げることができるように又は噴霧時に微細な液滴を提供し且つ均一に分布できるように、剪断減粘性であるのが望ましい。
【0009】
【特許文献1】米国特許第2,976,277号
【特許文献2】米国特許第5,929,229号(Edgarら)
【特許文献3】米国特許第6,160,111号(Edgarら)
【特許文献4】WO 2005/013926
【非特許文献1】Malm,C.J.;Mench,J.W.;Kendall,D.L.;Hiatt,G.D.;”Aliphatic Acid Esters of Cellulose:Preparation by Acid Chloride−Pyridine Procedure”,Ind.Eng.Chem.1951,43,684
【非特許文献2】Kwatra,H.S.;Caruthers,J.M.;and Tao,B.Y.,”Synthesis of Long Chain Fatty Acids Esterified onto Cellulose via the Vacuum−Acid Chloride Process”,Ind.Eng.Chem.1992,31,2647〜2651
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、良好な性能、長時間持続性、適当な質感を有し且つ適用が容易なパーソナルケア製品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
意外なことに、セルロース部分における、炭素数6〜18のエステル置換基の置換度(DS)が約1.0超である長鎖脂肪酸セルロースエステル(LCCE)は、炭化水素、アルキルエステル、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール及びシリコーン油から選ばれた少なくとも1種の化粧品として許容され得る溶剤中に可溶性であることが発見された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のパーソナルケア製品としては、デオドラント、制汗剤、制汗デオドラント、シェービング製品、スキンローション、モイスチャライザー、収斂用化粧水、浴用製品、クレンジング製品、ヘアケア製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレイ、染毛剤、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ヘアウェーブ製品、縮毛矯正剤(ヘアストレートナー)、マニキュア製品、マニキュア液、マニキュア除去液、ネイルクリーム、ネイルローション、キューティクル軟化剤、保護クリーム、日焼け止め製品、防虫剤、アンチエイジング製品、カラー化粧品、リップスティック、ファンデーション、フェースパウダー、アイライナー、アイシャドウ、ほお紅、メーキャップ、マスカラ、セルロース成分が従来添加されているパーソナルケア製剤及び皮膚に適用できる医薬組成物の局所適用用薬物送達システムが挙げられる。本発明によれば、パーソナルケア製品は、セルロース部分における、炭素数9〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度(DS)が約1.0超である長鎖脂肪酸セルロースエステル(LCCE)を含む。長鎖脂肪酸セルロースエステルは、炭素数9〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度が、好ましくは約1.5超、より好ましくは約2.0超、最も好ましくは約2.5超である。意外にも、LCCEは、炭化水素、アルキルエステル、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール及びシリコーン油から選ばれた少なくとも1種の化粧品として許容され得る溶剤中に可溶性である。特に好ましい実施態様において、セルロース部分は0.5未満、好ましくは約0.3未満のアセチル置換度を有する。
【0013】
典型的には、パーソナルケア製品は、製品組成物中の成分の総重量に基づき、約0.1〜約10重量%のLCCEを含む。望ましくは、パーソナルケア製品は、約0.5〜8重量%、より好ましくは約0.5〜約5重量%のLCCEを含む。
【0014】
一般に、セルロース脂肪酸エステルは、種々の方法、例えば市販セルロースエステルの脂肪酸による酸触媒エステル交換;市販セルロースエステルの脂肪酸による塩基触媒エステル交換;脂肪酸無水物を用いるセルロースの酸触媒直接エステル化;脂肪酸塩化物を用いるセルロースの酸触媒直接エステル化;及び脂肪酸混合無水物を用いるセルロースの酸触媒直接エステル化によって製造できる。長鎖脂肪酸セルロースエステルの製造に使用するセルロースは種々の供給源に由来することができる。LCCEの製造に有用なセルロース供給源としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、コットンリンター、バクテリアセルロース及び再生セルロースが挙げられる。LCCEの製造に使用する方法及び操作は、Gedon,S.;Fengl,R.”Cellulose Esters”,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,vol.5,John Wiley & Sons,New York,1993,496−529頁(当業者が本発明に使用する出発原料を製造できるように充分に詳細にセルロースエステルの製造を記載している)及び前述の文献及び特許により詳細に記載されており、それぞれの全開示を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0015】
望ましくは、LCCEは、約1.0超のC6〜C18脂肪残基量を含む置換度を有する。本明細書中で使用する用語「置換度」、「DS」又は「DS/AGU」は、理論上の最大DSが3であるセルロースポリマーのアンヒドログルコース環当たりのアシル置換基の平均数を意味する。本発明において有用なLCCEは、約1.0超の、好ましくは約1.5超の、より好ましくは約2.0超の総DS/AGUを有する。本発明のセルロースエステルに関しては、DS又はDS/AGUは、公知の任意の方法を用いて測定できる。例えばプロトンNMRを用いて測定できる。DSは、数滴のトリフルオロ酢酸(全てのヒドロキシルプロトンをダウンフィールド(downfield)にシフトさせるため)を含む又はテトラヒドロフラン(THF)若しくはd−6ジメチルスルホキシド(DMSO)中で、又は数滴のトリフルオロアセチルイソシアネートを含むテトラクロロエタン中で、1H NMRによって、或いはセルロースエステルのサンプルを加水分解してから、遊離カルボン酸をガスクロマトグラフィーによって定量化することによって測定できる。
【0016】
本発明のLCCEは、典型的には、THF中においてゲル透過クロマトグラフィーによって測定した重量平均分子量(Mw)が約20,000〜約8,000,000である。
【0017】
本発明のパーソナルケア製品において有用な好ましいセルロースエステルとしては、セルロースイソステアレート、セルロースパルミテート、セルロースノナノエート、セルロースヘキサノエート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートノナノエート、セルロースアセテートラウレート、セルロースアセテートステアレート、セルロースヘキサノエートプロピオネート及びセルロースノナノエートプロピオネートが挙げられる。
【0018】
本発明のパーソナルケア製品への使用に適当な、より好ましいLCCEは、化粧品及びパーソナルケア用途に一般に使用される溶剤又は有機キャリヤー中に可溶なもの、例えばセルロースイソステアレート、セルロースノナノエート、セルロースアセテートノナノエート及びそれらの混合物である。本明細書中で使用するLCCEは、LCEEが油相溶剤又はキャリヤー中に、組成物の総重量に基づき、1重量%又はそれ以上の濃度で完全に溶解し且つ混合物が、室温(25℃)への冷却及び少なくとも24時間の同温度への保持後に、透明な均質液体、ゲル又はワックス状固体を形成する場合に、「可溶」である。この溶液は、成分を撹拌又は他のかき混ぜによって、約90℃以下の温度に加熱することによって生成できる。化粧品及びパーソナルケア用途に一般に使用する溶剤又は有機キャリヤーとしては、炭化水素、アルキルエステル、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール及びシリコーン油が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0019】
典型的な炭化水素としては、イソパラフィン、水素化ポリイソブテン、イソドデカン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、イソペンタン、マイクロクリスタリンワックス、鉱油、ミネラルスピリット、パラフィン、ペトロラタム、スクアレン、ポリエチレン、天然ワックス、例えばカルナバワックス及びカンデリラワックス並びにそれらの混合物が挙げられる。更なる炭化水素の例はCTFA International Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition,2004の2136〜2137頁に示されており、この文献を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0020】
適当なアルキルエステルは、本発明のセルロースエステルが可溶であるもの、好ましくは、アルキル部分が少なくとも8個の炭素原子を有するものである。これらの例としては、酢酸アルキル、ベヘン酸アルキル、乳酸アルキル、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、典型的なアルキル脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸アルキル、パルミチン酸アルキル、ミリスチン酸アルキル及びラウリン酸アルキル並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0021】
典型的な油脂、更に脂肪酸のグリセリルエステル(トリグリセリド)と定義されるものも、また、グリセリン及び脂肪酸の合成的に製造されたエステルを含む。例としては、大豆油、コーン油、菜種油、オリーブ油、ヒマワリ油、トリオレイン、トリステアリン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド及びそれらの混合物が挙げられる。
【0022】
典型的な脂肪酸は、動物性又は植物性油脂の加水分解によって得られる。例としては、吉草酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、ヤシ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
典型的な脂肪族アルコールは、脂肪酸をヒドロキシ官能基に還元することによって得られるものである。適当な脂肪族アルコールの例としては、C9〜C30アルコール(分岐鎖及び直鎖)である。これらには、ラウリルアルコール、イソラウリルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルテトラデカノール、ドデシルヘキサデカノール、ヘキサデシルエイコサノール及びそれらの混合物がある。
【0024】
シリコーン油としては、セルロースエステルの油性溶液と相溶性のもの、例えば揮発性及び不揮発性シリコーン油(直鎖及び環状)が挙げられる。例としては、ジメチコン、ヘキサデシルメチコン、ステアリルジメチコン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、フェニルトリメチコン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
セルロース脂肪酸エステルは、油性化粧品中に又は化粧品/パーソナルケア・エマルジョン中の油相の一部として典型的に使用される液体キャリヤー中に可溶である。化粧品/パーソナルケア・エマルジョンとしては、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン及び複合エマルジョン、例えば油/水/油型(oil−in−water−in−oil)エマルジョン及び水/油/水型(water−in−oil−in−water)エマルジョンが挙げられる。このようなエマルジョンは典型的には、どちらか一方が連続相を形成し、そして他方が、典型的には連続相中にミセルの形態で懸濁された不連続相を形成するように、油相と水相とを混合させる乳化剤又は界面活性剤を含む。このようなエマルジョンにおいて、油相は、油性製品中の典型的な有機キャリヤーとして前述したような成分を含むことができる。水相又は水性相は、水と相溶性であり且つ/又は水に可溶である任意の成分を含むことができる。スキンケア製品に関しては、これらは典型的には、ヒューメクタント、例えばグリコール類、糖類などを含む。適当なグリコール類の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類及びグリセリンが挙げられる。糖類の例としては、グルコース、フルクトース、イノシトール及びスクロースが挙げられる。他の水溶性成分としては、ゲル化剤、例えば水溶性又は水膨潤性ガム、並びに水溶性ポリマー、例えばアクリル酸及びそのエステルのポリマーが挙げられる。
【0026】
他の適当なパーソナルケア成分としては、例えば洗浄剤、エモリエント、モイスチャライザー、顔料、例えば真珠箔顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、酸化防止剤、制汗剤、口腔ケア剤、エクスフォリアント(exfoliant)、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン類、紫外線吸収剤、ジヒドロキシアセトン、美白剤、抗ニキビ剤、植物エキス、シリコーン油、有機油、ワックス、接着促進剤、可塑剤、皮膜形成剤、例えば毛髪固定剤、増粘剤、増量剤及び結合剤、アルコール及び他の有機溶剤並びに噴射剤が挙げられる。
【実施例】
【0027】
本発明を、以下に示す具体例によってより詳細に説明する。これらの例は、説明のための実施態様であり、本発明を制限することを目的とせず、むしろ、添付した「特許請求の範囲」の範囲及び内容の中で広く解釈すべきであることを理解されたい。例中の全ての部及び百分率は、特に断らない限り、重量基準である。
【0028】
例1(比較例)
C.J.Malm,et al,Industrial and Engineering Chemistry,vol 43,684−688頁,1951に記載されたのと同様な方法であるピリジン−酸塩化物法によって、セルロースアセテートからセルロースアセテートノナノエートを製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。N−メチルピロリドン−(C59NO),(NMP) 500mL;ピリジン−(C55N) 17mL;オーブン乾燥セルロースアセテート(見掛けのアセチルが31.0〜33.0重量%、ピリジン中の極限粘度数が約0.88dL/g及びN−メチルピロリドン中でサイズ排除クロマトグラフィーによって測定された重量平均分子量が約47,500ダルトンであるセルロースアセテート)30g。セルロースアセテートは、Gedon,S.;Fengl,R.”Cellulose Esters,”Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,vol.5,John Wiley & Sons,New York,1993,496−529頁に記載されたのと同様な方法で製造した。この混合物を、セルロースアセテートが溶解するまで、室温で攪拌した。この混合物に、塩化ノナノイル(C917ClO)27mLを、絶えず撹拌しながら約30分間かけて滴加した。塩化ノナノイルの添加後、混合物全体を90〜91℃に加温し、同温度で24時間撹拌した。24時間後、残りの塩化ノナノイルを全て確実に分解させるために、反応混合物に脱イオン水35mLを添加した。反応混合物をメタノール中に撹拌しながら入れることによって、得られたセルロースエステル生成物を沈殿させた。生成物から溶媒を洗い流すためにメタノールを数回交換した後、脱イオン水を用いてタップ・ウォッシュ・バッグ(tap wash bag)中で生成物を一晩中洗浄した。生成物を50〜80℃において真空オーブン中で窒素パージ下で24時間乾燥させた。得られた乾燥生成物をNMRで分析し、1.818のDSアセチル及び0.902のDSノナノイルを含むことがわかった。重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定すると、1.09×105ダルトンであった。生成物はアセトンに可溶であったが、イソヘキサデカン、(Creasil IH(登録商標))中にもイソドデカン、(Creasil ID(登録商標))中にも溶解しなかった。Creasil IH(登録商標)及びCreasil ID(登録商標)は、Optima Specialty Chemical LLCの登録商標名である。
【0029】
例2(比較例)
セルロースアセテートノナノエートを、セルロースアセテートからピリジン−酸塩化物法によって製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。N−メチルピロリドン292mL;ピリジン28mL;前記比較例1に記載したのと同様な方法で製造したオーブン乾燥セルロースアセテート(見掛けのアセチルが17.0〜19.0重量%及びN−メチルピロリドン中でサイズ排除クロマトグラフィーによって測定された重量平均分子量が約20,000ダルトンであるセルロースアセテート)30g。この混合物を、セルロースアセテートが溶解するまで、室温で攪拌した。セルロースエステルが溶解された後、反応物から残りの水全てを確実に除去するために、溶媒18mLを留去した。この混合物に、塩化ノナノイル(C917ClO)73mLを、絶えず撹拌しながら、約30分間かけて滴加した。塩化ノナノイルの添加後、混合物全体を95℃に加温し、同温度で24時間撹拌した。24時間後、残りの塩化ノナノイルを全て確実に分解させるために、反応混合物に脱イオン水35mLを添加した。反応混合物を50/50脱イオン水/メタノール混合物中に撹拌しながら入れることによって、得られた生成物セルロースエステルを沈殿させた。生成物から溶媒を洗い流すためにメタノールを数回交換した後、脱イオン水を用いてタップ・ウォッシュ・バッグ中で生成物を一晩中洗浄した。生成物をアセトンに溶解させ、沈殿させ、前記操作によって洗浄して、小粒子沈殿物を生成した。生成物を50〜80℃において真空オーブン中で窒素パージ下で24時間乾燥させた。得られた乾燥生成物をNMRで分析し、0.76のDSアセチル及び2.44のDSノナノイルを含むことがわかった。総DSは3.0より大きい。これは、おそらく、生成物が遊離酸不純物を含む可能性があるためである。重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定すると、6.5×104ダルトンであることがわかった。生成物はアセトンに可溶性であり、トルエンに可溶性であり、イソヘキサデカン又はイソドデカン中でわずかに膨潤した。
【0030】
例3(比較例)
セルロースアセテートブチレートノナノエートを、セルロースアセテートブチレートからピリジン−酸塩化物法によって製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。N−メチルピロリドン483mL;ピリジン46mL;オーブン乾燥セルロースアセテートブチレート(CAB)(アセチル量が約4.01重量%、ブチル量が約28.37重量%及びヒドロキシル量が約1.03重量%;N−メチルピロリドン中でサイズ排除クロマトグラフィーによって測定された重量平均分子量が約40,600)30g。(CABは、Gedon,S.;Fengl,R.”Cellulose Esters,”Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,vol.5,John Wiley & Sons,New York,1993,496−529頁に記載されたのと同様な方法で製造した。)この混合物を、CABが溶解するまで、室温で攪拌した。CABの溶解後、反応混合物から溶媒30mLを留去した。この混合物に、塩化ノナノイル(C917ClO)81mLを、絶えず撹拌しながら約45分間にわたって滴加した。塩化ノナノイルの添加後、混合物全体を95℃に加温し、同温度で24時間撹拌した。24時間後、残りの塩化ノナノイルを全て確実に分解させるために、反応混合物に脱イオン水35mLを添加した。反応生成物は反応フラスコ中ではゲル化された塊であった。反応混合物を50/50脱イオン水/メタノール混合物中に撹拌しながら入れることによって、得られたセルロースエステル生成物を沈殿させ、柔らかい沈殿物(沈澱液中に依然として残される場合には塊を再形成しなければならない)を生成した。3回の再溶解及び再沈澱並びに洗浄後、生成物は粒子沈殿物を生成した。生成物から溶媒を洗い流すためにメタノールを数回交換した後、脱イオン水を用いてタップ・ウォッシュ・バッグ中で生成物を一晩中洗浄した。生成物を50℃において真空オーブン中で窒素パージ下で24時間乾燥させた。得られた乾燥生成物は、ノナノイル範囲におけるブチリルシグナルによる干渉のため、NMRで分析するのが困難であった。重量平均分子量(Mw)を、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定し、1.4×105ダルトンであることがわかった。生成物はアセトンに可溶であったが、トルエンに可溶性であり、イソヘキサデカンにもイソドデカンにも溶解しなかった。
【0031】
例4(比較例)
セルロースアセテートラウレートを、セルロースアセテートからピリジン−酸塩化物法によって製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。ピリジン324mL、及び前記比較例1に記載したのと同様なオーブン乾燥セルロースアセテート30g。この混合物を、セルロースアセテートが溶解するまで、室温で攪拌した。セルロースアセテートの溶解後、反応混合物から溶媒20mLを留去した。この混合物に、塩化ラウロイル(C931ClO)43mLを、絶えず撹拌しながら約30分間かけて滴加した。塩化ラウロイルの添加後、混合物全体を90〜91℃に加温し、同温度で24時間撹拌した。24時間後、残りの塩化ラウロイルを全て確実に分解させるために、反応混合物に脱イオン水25mLを添加した。反応混合物を脱イオン水に撹拌しながら入れることによって、得られたセルロースエステル生成物を沈殿させた。生成物から溶媒を洗い流すためにメタノールを数回交換した後、脱イオン水を用いてタップ・ウォッシュ・バッグ中で生成物を一晩中洗浄した。生成物を80℃において真空オーブン中で窒素パージ下で24時間乾燥させた。得られた乾燥生成物をNMRで分析し、1.92のDSアセチル及び1.42のDSラウレートを含むことがわかった。総DSは3.0より大きい。これはおそらく、生成物が遊離酸不純物を含む可能性があるためである。重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定し、9.2×104ダルトンであることがわかった。生成物はアセトン、塩化ジメチル及び酢酸n−プロピルに可溶であり、トルエンに部分可溶性であったが、イソヘキサデカン又はイソドデカン、酢酸又はイソプロパノールには溶解しなかった。
【0032】
例5(比較例)
セルロースアセテートパルミテートを、セルロースアセテートからピリジン−酸塩化物法によって製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。ピリジン307mL;N−メチルピロリドン21mL;及び比較例1に記載したのと同様なオーブン乾燥セルロースアセテート30g。この混合物を、セルロースアセテートが溶解するまで、室温で攪拌した。セルロースアセテートの溶解後、反応混合物から溶媒31mLを留去した。この混合物に、塩化パルミトイル(C1223ClO)56mLを、絶えず撹拌しながら約30分間かけて滴加した。塩化パルミトイルの添加後、混合物全体を95℃に加温し、同温度で24時間撹拌した。24時間後、残りの塩化パルミトイルを全て確実に分解させるために、反応混合物に脱イオン水25mLを添加した。反応混合物をアセトン溶液に撹拌しながら入れることによって、得られた生成物セルロースエステルを沈殿させ、アセトン溶液から再沈殿させた。生成物から溶媒を洗い流すために数回メタノール洗浄後、脱イオン水を用いてタップ・ウォッシュ・バッグ中で生成物を一晩中洗浄した。生成物をメタノールを用いて12時間ソックスレー抽出し、80℃において真空オーブン中で窒素パージ下で24時間乾燥させた。重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定し、1.10×105ダルトンであることがわかった。この例からの生成物はイソヘキサデカン又はイソドデカン、酢酸又はイソプロパノール中でごくわずかに膨潤した。
【0033】
例6(比較例)
Morooka,T.,Norimot,M.,Yamada,T.,Jour.Applied Polymer Science,1984,29,3981に記載されたトリフルオロ酢酸無水物−ステアリン酸法を用いて、α−セルロース含量が94重量%超の針葉樹パルプ(Rayonierから入手可能)から、セルロースステアレートを製造した。
【0034】
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。トリフルオロ酢酸無水物78.4mL(117g)及びステアリン酸194g。ステアリン酸が溶解し且つ混合無水物溶液が形成されるまで、混合物を50℃において撹拌した。撹拌しながら、この溶液に前記針葉樹パルプセルロース10gを添加し、反応混合物を一晩中、絶えず撹拌しながら50℃に保持した。トルエン約200mLを添加して、この混合物を稀釈した。この稀釈混合物の1/2をメタノール中に沈殿させた。
【0035】
この混合物の残りの1/2に硫酸(0.1g)を添加した。この混合物を50℃において約3時間撹拌した。硫酸を酢酸マグネシウム四水和物で中和した。次いで、この反応混合物をメタノール中に沈殿させた。
【0036】
次に、この実験の両方の部分を最初に脱イオン水中で、次いでメタノール中で洗浄した。最初の1/2と次の1/2の両方からの生成物エステルは、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定した場合に、重量平均分子量が約3.5×106であった。形成された両方の1/2からの生成物エステルは、イソドデカン中では濁りを帯びたゲルを形成し、イソヘキサデカン中では濁りを帯びた分散液を形成した。
【0037】
例7(実施例)
撹拌機及び冷水凝縮器/蒸留カラムを装着し且つシリコーン油浴中に配置した1リットルの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。トリフルオロ酢酸無水物34.3mL(51g)及びステアリン酸93gを、ステアリン酸が溶解し且つ混合無水物溶液が形成されるまで、50℃において撹拌した。この溶液に、比較例2に記載したのと同様なオーブン乾燥セルロースアセテート10gを添加した。連続的に撹拌しながら、反応混合物を50℃に保持し、5時間反応させた。得られた生成物を、メタノール中への沈澱(5X vol.vol.)によって単離した。沈澱セルロースアセテートステアレート生成物をメタノールで、次に脱イオン水で、そして再びメタノールで洗浄した。生成物を35℃において窒素パージを用いて真空オーブン中で乾燥させた。生成物は、2.95のDSステアレート及び0.82のDSアセテートを有し、イソヘキサデカン及びイソドデカンの両方に可溶であった。おそらく生成物が遊離酸不純物を含む可能性があるために、総DSは3.0超である。生成物の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーによって測定し、6.5×104ダルトンであることがわかった。
【0038】
例8(実施例)
セルロースノナノエートを、木材パルプからトリフルオロ酢酸無水物−ノナン酸法を用いて製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器を装着し且つシリコーン油浴中に配置した500mLの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。ノナン酸44g及びトリフルオロ酢酸無水物49g。この混合物を50℃で1時間加熱して、混合無水物を形成した。撹拌しながら、この溶液にα−セルロース含量が95重量%超の針葉樹パルプ5gを添加した。この反応混合物を一晩中絶えず撹拌しながら、50℃に保持した。次いで、この反応混合物をメタノール中に沈殿させ、最初に脱イオン水中で、次にメタノール中で洗浄した。沈殿させ、洗浄した生成物を50℃において真空下で乾燥させた。得られたセルロースノナン酸エステルは3.0のDSノナノエートを有し、イソドデカン及びイソヘキサデカン中に可溶であった。生成物の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーによって測定し、6.3×105ダルトンであることがわかった。
【0039】
例9(比較例)
セルロースアセテートノナノエートを、セルロースアセテートからトリフルオロ酢酸無水物−ノナン酸法を用いて製造した。
撹拌機及び冷水凝縮器を装着し且つシリコーン油浴中に配置した500mLの3つ口丸底フラスコに、以下の試薬を以下の順序で加えた。ノナン酸44g及びトリフルオロ酢酸無水物49g。この混合物を50℃で1時間加熱して、混合無水物を形成した。この溶液に撹拌しながら、比較例2に記載したのと同様なセルロースアセテート5gを添加し、この混合物を絶えず撹拌しながら、一晩中50℃に保持した。次いで、この反応混合物をメタノール中に沈殿させ、最初に脱イオン水中で、次にメタノール中で洗浄した。沈殿させ、洗浄した生成物を50℃において真空下で乾燥させた。得られたセルロースアセテートノナノエートエステルは、2.48のDSノナノエート及び1.02のDSアセテートを有し、イソドデカン及びイソヘキサデカン中に不溶であった。おそらく生成物が遊離酸不純物を含む可能性があるために、総DSは3.0より大きい。生成物の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン中でゲル透過クロマトグラフィーによって測定し、3.9×104ダルトンであることがわかった。
【0040】
例10〜23(実施例)
トリフルオロ酢酸無水物−カルボン酸法を用いてコットンリンターから製造される、長鎖飽和脂肪酸のセルロースエステル及び混合セルロースアセテートエステル。
長鎖飽和脂肪酸のセルロースエステル及び混合セルロースアセテートエステルは、以下の表Iに示した量の試薬を用いて製造した。500mLの3つ口丸底フラスコに、撹拌機及び冷水冷却真空蒸留装置を装着し、シリコーン油浴中に配置した。各実施例バッチについて適当な量及び型のカルボン酸をフラスコに加えた。次に、指定量のトリフルオロ酢酸無水物(TFAA)を撹拌しながら滴加した。連続的に撹拌しながら、混合物を50℃まで加熱し、同温度に30〜45分間保持して、混合無水物を形成させた。この溶液に、指定量のコットンリンターセルロース(市販綿ボールから単離された高純度溶解グレードセルロース)を加え、反応が完了するまで、反応混合物を絶えず撹拌しながら、50〜52℃に3〜4時間保持した。むらのない溶液を生成するために又は生成物のゲル化が起こる場合には、反応混合物をテトラヒドロフラン又はN−メチルピロリドンでその容積の4倍まで稀釈した。メタノール/水の50/50w/w混合物を、残りの無水物を分解するには充分であるがセルロースエステル生成物の沈澱を引き起こすには不充分な量で、急速撹拌しながら滴加した。次いで、この溶液を周囲温度まで冷却し、「ドープ」と称する粘稠でむらのない混合物を生成した。LCCE生成物を分離するために、ドープを分液漏斗に移した。ドープ1部に対してヘプタン/塩化メチレン(9/1w/w)9部を加え、ドープと混合した。次に、相分離が起こるまで、少しずつメタノールを添加し、ドープと混合した。混合物は、メタノールの添加の間で休ませた。液体の多い相を排水した。少量のメタノールの添加が生成物を沈殿し始めるまで、メタノール添加及び相分離を繰り返した。この抽出プロセスから得られたドープを過剰のメタノール中にかき混ぜながら入れて、生成物を沈殿させた。生成物を濾過によって沈澱液から分離し、メタノールで数回洗浄し、次いで真空及び窒素下で50℃において乾燥させた。得られたセルロースエステルの分子量及び熱転移を測定した。これらを表IIに示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
表IIIは、本発明の長鎖セルロースエステル(例10〜12からのセルロースノナノエート併合サンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1、2及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0044】
【表3】

【0045】
表IVは、本発明の長鎖セルロースエステル(例13〜15からのセルロースアセテートノナノエート併合サンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1、2及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。セルロースアセテートノナノエートは2.6のDS LCCE及び0.42のDSアセテートを有していた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0046】
【表4】

【0047】
表Vは、本発明の長鎖セルロースエステル(例16及び17からのセルロースイソステアレート併合サンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1、2及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0048】
【表5】

【0049】
表VIは、本発明の長鎖セルロースエステル(例19からのセルロースアセテートイソステアレートサンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1、2及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0050】
【表6】

【0051】
表VIIは、本発明の長鎖セルロースエステル(例20〜22からのセルロースステアレート併合サンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0052】
【表7】

【0053】
表VIIIは、本発明の長鎖セルロースエステル(例23からのセルロースアセテートステアレートサンプル)を、指定した化粧品として許容され得る溶剤と1、2及び4重量%の濃度で混合することによって得られた混合物の説明を示す。各混合物について、溶剤及びLCCEを小バイアル中に量り入れた。バイアルに蓋をし、約65℃において一晩回転させた。混合物を、室温に1〜3ヶ月放置後に観察した。
【0054】
【表8】

【0055】
前記表III〜VIIIにおいて、粘度は、1〜5rad/秒の剪断速度を用いて測定した。低粘度は500センチポアズ未満と、中粘度は500〜2000センチポアズと、高粘度は2000センチポアズ超と定義した。
【0056】
例24(比較例)
塩化イソステアロイルの製造:
凝縮器型蒸留ヘッド、機械的撹拌機及びサーモスタット制御油浴を装着した丸底フラスコに、イソステアリン酸(80.1g,0.28モル,A&E Connockから入手可能)を加えた。2リットルの油の初期温度は、約25℃とした。50分かけて、絶えず撹拌しながら、塩化チオニル(39g,0.33モル,Aldrich Chemical Companyから入手可能)をイソステアリン酸に滴加した。添加がほぼ半分終わったところで、油浴温度を35℃に上昇させ、反応物を更に2時間撹拌した。蒸留カラムに真空(90mmHg)を適用し、油浴温度を50℃に上昇させた。未反応の塩化チオニル(4.5g)を生成物から留去して、塩化イソステアロイル85gを生成した。これを、これ以上精製することなく使用した。
【0057】
PCT国際特許出願公開公報第WO 2005/013926号の例1に記載された操作に従って、イソステアリルエステル側基を有するセルロースアセテートブチレートの検体を製造しようと試みた。バッチサイズは、前記PCT国際特許出願公開公報の例1に開示されたバッチサイズの25%とした。撹拌機、無水硫酸カルシウムが充填された乾燥管への通気孔が付けられた冷水冷却凝縮器、及び乾燥窒素入口管を装着し、且つシリコーン油浴中に配置された室温の1000mLの3つ口丸底フラスコに、試薬を以下の順序で加えた。
トルエン(Burdick and Jackson−−B&J高純度溶剤グレード)225g;及び
メチルエチルケトン(Mallinckrodt−分析試薬グレード)225g。
【0058】
急速撹拌しながら、セルロースアセテートブチレート(EASTMAN CAB−553−0.4−ブチリル46.43重量%)25gをゆっくりと添加し、1時間の間、絶えず撹拌しながら50℃に加熱することによって溶解させた。混合物を室温に冷却した。この混合物にトリエチルアミン(Aldrich)を5.0g添加する。絶えず撹拌しながら乾燥窒素雰囲気下で、フラスコを氷浴中で+5℃まで冷却した。混合物が+5℃の温度に達したら、製造した前記塩化イソステアロイル14.22g(トルエン25g及びメチルエチルケトン25g中に溶解)を、1時間30分かけて添加用漏斗から滴加した。添加の間に数回、手持ち式電子温度計で温度を測定した。反応混合物中で達した最大温度は、7.1℃であった。反応混合物を氷浴から取り出し、室温(22℃)に戻し、絶えずゆっくりと撹拌しながら同温度に18時間保持した。トリエチルアミン塩酸塩と考えられる結晶が反応混合物を濁らせたが、フラスコの側面には見られなかった。
【0059】
得られた混合物を、中程度のガラス濾過器(medium fitted glassfilter)で、次いで濾紙を通して濾過した。反応混合物の一部分を、メタノール、エタノール及びイソプロパノール中に個別にかき混ぜて入れた。濾過できる沈殿物は形成されず、濾過可能な沈殿物を含まない濁りを帯びた黄色溶液又は乳白色溶液のみが形成された。反応混合物の残りをメタノール/水(50/50w/w)中にかき混ぜて入れると、乳白色の溶液が形成され、油脂状の黄色液体沈殿相がゆっくり形成された。沈殿物は、沈澱液中の水による未反応塩化イソステアロイルの分解によって生じたイソステアリン酸であると考えられ、サンプルは単離しなかった。測定可能なセルロースアセテートブチレートイソステアレートはこの方法では回収されなかった。
【0060】
例24A(実施例)
生成物をアルコールの代わりにヘプタン中で沈殿させる以外は、PCT国際特許出願公開第WO2005/013926号の例1に記載された操作に従って、セルロースアセテートブチレートイソステアレートの検体を製造した。2つのバッチを製造した。各バッチサイズは、国際特許出願公開第WO2005/013296号の特許公開公報の例1に開示されたバッチサイズの25%とした。撹拌機、無水硫酸カルシウムが充填された乾燥管への通気孔が付けられた冷水冷却凝縮器、及び乾燥窒素入口管を装着し、且つシリコーン油浴中に配置された2つの1000mLの3つ口丸底フラスコのそれぞれに、試薬を以下の順序で加えた。
トルエン(Burdick and Jackson−−B&J高純度溶剤グレード)をフラスコ当たり225g;及び
メチルエチルケトン(Mallinckrodt−分析試薬グレード)をフラスコ当たり225g。
【0061】
急速撹拌しながら、セルロースアセテートブチレート(EASTMAN CAB−553−0.4−ブチリル46.43重量%)25gを各フラスコにゆっくりと添加し、1時間の間、絶えず撹拌しながら50℃に加熱することによって溶解させた。混合物を室温に冷却し、各フラスコにトリエチルアミン(Aldrich)を7.5g添加した(生成物エステルのHCL分解を防ぐために、過剰のトリエチルアミンを用いた)。絶えず撹拌しながら乾燥窒素雰囲気下で、両フラスコを氷浴中で+5℃まで冷却した。
【0062】
混合物が+5℃の温度に達したら、製造した前記塩化イソステアロイル20.00g(トルエン25g及びメチルエチルケトン25g中に溶解)を、約1時間30分かけて添加用漏斗から各フラスコに滴加した。添加の間に数回、手持ち式電子温度計でフラスコの温度を測定した。反応混合物中で達した最大温度は、7.6℃であった。反応混合物を氷浴から取り出し、室温(22℃)に戻し、絶えずゆっくりと撹拌しながら同温度に18時間保持した。トリエチルアミン塩酸塩と考えられる結晶が反応混合物を濁らせたが、フラスコの側面には見られなかった。
【0063】
両フラスコから得られた混合物を合し、中程度のガラス濾過器(medium fritted glass filter)で、次いで濾紙を通して濾過し、ヘプタン中で沈殿させた。混合物は白色フレーク状沈殿物を生成した。この沈殿物は、沈澱液から濾過するのに充分に大きく且つ固かった。沈殿物をヘプタン中で2回洗浄し、窒素及び真空下で55℃において一定重量まで乾燥させた。回収された沈殿物は重さが46.96gであり、イソステアレートに関するDSが0.17であった。生成物は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定された場合に重量平均分子量が3.2×104であった。生成物はイソドデカン及びイソヘキサデカンに中に不溶であった。
【0064】
例25〜27(実施例)
溶液のドローダウンを行い且つ乾燥させてフィルムを形成する意図を持って、種々の溶剤を、どれがセルロースノナノエート(CN)、セルロースアセテートノナノエート(CAN)及びセルロースイソステアレート(CIS)を最高濃度で可溶化するかについて判定するために調べた。試験した溶剤は、酢酸メチル、酢酸ブチル、n−メチルピロリドン、ミネラルスピリット、シクロヘキサノン、イソホロン、メタノール及びAromatic 100炭化水素液(ExxonMobil)である。Aromatic 100炭化水素液が最も適当であることがわかった。これは、3種全てのLCCEを15重量%で可溶化した。他の溶剤は10重量%超の濃度ではLCCEを可溶化しないであろう。指定したLCCEの溶液をAromatic 100液中15重量%の濃度で作った。溶液のドローダウンを金属プレート及びLenetaチャートペーパー紙上に行った。フィルムを室温で乾燥させた。得られたフィルムは透明で、約2milの平均厚を有していた。フィルムを、振り子硬度(ASTM D4366−87)、ツーコン硬度(ASTM D1474)、光沢度、及びフレックスバー試験(flex bar test)及び触感評価による柔軟性に関して評価した。結果を以下の表IXに示す。各試験結果は、3つの測定値の平均である。
【0065】
【表9】

【0066】
例28〜31(実施例)
以下の例中では、パーソナルケア製品(マスカラ)を、適切に化粧品として許容され得る溶剤中に可溶な前記長鎖脂肪酸セルロースエステルを用いて製造した。指定量のワックス、ステアリン酸、パルミチン酸エチルヘキシル及びLCCEをビーカー中に量り入れ、80℃まで加熱した。成分を溶融時に混合して、均質混合物を得た。アラビアゴムを水に添加し、室温で一晩加水分解させた。水/ゴム混合物を、撹拌しながら50℃に加熱すると同時に、ヒドロキシエチルセルロース、次いでトリエタノールアミンをゆっくりと添加した。水性相を80℃に加熱し、次いでワックス相を、混合しながらゆっくりと水性相に添加した。混合物を40℃に冷却し、防腐剤を添加した。ブレンドされるまで混合を続けた。結果を以下の表Xに示す。
【0067】
【表10】

【0068】
CNを用いた例は、クリーム様のコンシステンシーを有していた。まつげに適用後、それはまつげを1本1本バラバラにし且つくっきりさせる。CANを用いた比較例として示した配合物は、CANが溶融ワックス相成分中に溶解しなかったので、完成しなかった。CISを用いた第1の例は、マスカラとしての使用には適さない固体を形成した。ワックス相濃度を低減させてCISを用いた第2の配合物は、クリーム様のコンシステンシーを有していた。まつげに適用後、それはまつげを1本1本バラバラにし且つくっきりさせる。この例の配合物をまた、皮膚に適用して、広げた。それは容易に広がり、広げる際の使用感が滑らかであり、皮膚に耐水性フィルムを残した。当業界で知られるように、前記配合物には顔料を添加できる。
【0069】
例32(実施例)
以下の例においては、パーソナルケア製品(リップスティック)を、適切に化粧品として許容され得る溶剤中に可溶な前記長鎖脂肪酸セルロースエステルを用いて製造した。成分をジャーに量り入れ、95℃のオーブン中に入れた。成分全てが溶融した後、それらを均質になるまで混合した。混合物が冷めるにつれて、リップスティック金型中に注いだ。得られたリップスティックを、皮膚に適用することによって評価した。指定量及び成分を以下の表XIに示す。
【0070】
【表11】

【0071】
スティックは、滑りは悪かったが、色の付着はよかった。適用の数分後、それは乾いた使用感になり、油脂状ではなかった。色はよく密着した;擦れて取れることはないであろう。
【0072】
例33〜35(実施例)
以下の例においては、ヘアスタイリング製品を製造した。髪をとかし、湿らせ、過剰の水を取り除くことによって、髪の房を作成した。等量(0.2g)の、イソドデカン中4%のCN、CAN及びCISの各溶液又はゲルを約2.8gの髪の房に、前記溶液又はゲルを指で髪に染みこませることによって適用した。溶液又はゲルの適用後、髪の房をとかし、一晩空気乾燥させた。乾燥後、ヘアアイロンを用いて、髪の房をカールした。未処理の髪の房に比べて、LCCE処理した髪の房はとかしやすく、よりつやがあり、高湿条件下でカール保留性に優れていた。CN及びCISは、CANに比較してより多くのつや及びより優れたホールドを与えた。CISは柔軟性のあるホールドを与え、CNはより固いホールドを与えた。適用後、髪の房をシャンプーで洗浄した。LCCEは髪から洗い流すのが困難であった。髪を乾燥させた後、残りのLCCEが髪の上に白い斑点として見られた。
【0073】
よく洗い流せないことによって示されるように、LCCEは髪への直接性に優れ、従って、一時染毛剤として役立つことは明らかである。染毛剤を、LCCEのイソドデカン中溶液に混和し、髪に適用する。
【0074】
低VOC規制を満たす低VOC製品を製造するために、イソドデカンの代わりにイソヘキサデカンを用いた。髪の房は、乾燥により多くの時間を必要とし、室温で数時間後に油状の使用感を保留した。しかし、熱、例えば、ヘアドライヤー又はヘアアイロンでの処理により、イソヘキサデカン溶剤は直ちに取り除かれ、つやのある仕上げ、優れた扱いやすさ及びカール保留性が残された。
【0075】
例36(実施例)
以下の表XIIに指定した組成を有する日焼け防止製品を製造した。
【0076】
【表12】

【0077】
油相成分及び水相成分を80℃で別々に混合し、次いで合して、高剪断ミキサーを用いて10分間混合した。得られた低粘度エマルジョンは、皮膚への適用時に滑らかな使用感を有し、耐水性フィルムを残した。
【0078】
例37及び38(実施例)
以下の表XIIIに指定した組成(重量%)を有する制汗剤製品を製造した。アルミニウム/ジルコニウムテトラクロロハイドレックス−Gly(AAZG−7167,Summit Research Lab)以外の成分をビーカーに量り入れ、撹拌しながら85℃に加熱した。混合物が均質に見えたら、テトラクロロハイドレックス−Glyを添加し、高速分散装置を用いて分散させた。配合物を82℃で10分間混合し、次いで冷却させた。温度が60℃に達したら、混合物を制汗剤スティック容器中に注いだ。室温に一晩放置後、制汗剤スティックを評価した。いずれも凝固して、白色不透明のスティックを形成した。皮膚に適用すると、いずれも滑らかな使用感を有する。
【0079】
【表13】

【0080】
CISを含む配合物は、皮膚上により多くの材料を付着していることが観察された。乾燥後、CIS配合物は、皮膚により心地よい使用感を与え、皮膚引き締めの感覚はなかった。非常に激しくこすった場合には、CISを含むサンプルは皮膚からめくれあがった。これは、フィルムは後に残されるが、CISを含むサンプルはこの効果を持たなかったことを示す。
【0081】
本発明について詳述したが、当業者ならば、本明細書中に開示及び記載した本発明の範囲及び精神から逸脱しないならば、本発明の種々の態様に変更を行えることがわかるであろう。従って、本発明の範囲は、説明及び記載した具体的な実施態様に限定するものではなく、本発明の範囲はむしろ、添付した「特許請求の範囲」及びそれらの同等物によって決定されるものとする。更に、本明細書中に示した全ての特許、特許出願、刊行物及び参考文献は引用することによって、本発明の実施に関連する全ての開示についてそれらの全体を本明細書中に組み入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素、アルキルエステル、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール及びシリコーン油からなる群から選ばれた、少なくとも1種の化粧品として許容され得る溶剤中に可溶性である、炭素数6〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度が約1.0超の長鎖脂肪酸セルロースエステル(LCCE)を含んでなるパーソナルケア製品組成物。
【請求項2】
長鎖脂肪酸セルロースエステルの量が、前記組成物中に存在する成分の総重量に基づき、約0.1〜約50重量%である請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項3】
長鎖脂肪酸セルロースエステルの量が、前記組成物中に存在する成分の総重量に基づき、約0.5〜約30重量%である請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項4】
長鎖脂肪酸セルロースエステルの量が、前記組成物中に存在する成分の総重量に基づき、約0.5〜約15重量%である請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項5】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルが、約1.5超の、炭素数8〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度を有する請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項6】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルが、約2.0超の、炭素数9〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度を有する請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項7】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルが、約2.5超の、炭素数9〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度を有する請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項8】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルが約0.5未満のアセチル置換度を有する請求項1、5、6又は7のいずれか1項に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項9】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルが約0.3未満のアセチル置換度を有する請求項8に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項10】
前記長鎖脂肪酸セルロースエステルがセルロースパルミテート、セルロースノナノエート、セルロースイソステアレート、セルロースヘキサノエート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートノナノエート、セルロースアセテートラウレート、セルロースアセテートステアレート、セルロースヘキサノエートプロピオネート及びセルロースノナノエートプロピオネートからなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項11】
化粧品として許容され得る前記炭化水素溶剤がイソパラフィン、水素化ポリイソブテン、イソドデカン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、イソペンタン、マイクロクリスタリンワックス、鉱油、ミネラルスピリット、パラフィン、ペトロラタム、スクアレン、ポリエチレン、カルナバワックス、カンデリラワックス及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項12】
化粧品として許容され得る前記アルキルエステル溶剤が酢酸アルキル、ベヘン酸アルキル、乳酸アルキル、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、典型的なアルキル脂肪酸エステル、例えばステアリン酸アルキル、ミリスチン酸アルキル及びラウリン酸アルキル並びにそれらの混合物からなる群から選ばれ、前記アルキル部分の炭素数が少なくとも8である請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項13】
化粧品として許容され得る前記油脂が大豆油、菜種油、オリーブ油、ヒマワリ油、トリオレイン、トリステアリン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項14】
化粧品として許容され得る前記脂肪酸が吉草酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、ヤシ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項15】
化粧品として許容され得る前記脂肪族アルコールがC9〜C18アルコールから選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項16】
化粧品として許容され得る前記シリコーン油がジメチコン、ヘキサデシルメチコン、ステアリルジメチコン及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項17】
前記パーソナルケア製品がデオドラント、制汗剤、制汗デオドラント、シェービング製品、スキンローション、モイスチャライザー、収斂用化粧水、浴用製品、クレンジング製品、ヘアケア製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレイ、染毛剤、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ヘアウェーブ製品、縮毛矯正剤(ヘアストレートナー)、マニキュア製品、マニキュア液、マニキュア除去液、ネイルクリーム、ネイルローション、キューティクル軟化剤、保護クリーム、日焼け止め製品、防虫剤、アンチエイジング製品、カラー化粧品、リップスティック、ファンデーション、フェースパウダー、アイライナー、アイシャドウ、ほお紅、メーキャップ及びマスカラからなる群から選ばれる請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項18】
洗浄剤、エモリエント、モイスチャライザー、顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、酸化防止剤、制汗剤、口腔ケア剤、エクスフォリアント、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン類、紫外線吸収剤、ジヒドロキシアセトン、美白剤、抗ニキビ剤、植物エキス、シリコーン油、有機油、ワックス、定着剤、可塑剤、皮膜形成剤、例えば毛髪固定剤、増粘剤、増量剤及び結合剤、アルコール及び噴射剤を更に含む請求項1に記載のパーソナルケア製品組成物。
【請求項19】
炭素数9〜18の脂肪酸からのエステル置換基又は残基の置換度が約1.0超であり且つアセチル部分の置換度が約0.5未満である長鎖脂肪酸セルロースエステル(LCCE)を含み、前記LCCEがイソパラフィン、水素化ポリイソブテン、イソドデカン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、イソペンタン、鉱油、ミネラルスピリット、パラフィン、ペトロラタム、スクアレン及びC9〜C18アルコールからなる群から選ばれた、少なくとも1種の化粧品として許容され得る溶剤中に可溶性であるパーソナルケア製品組成物。

【公表番号】特表2008−513480(P2008−513480A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532520(P2007−532520)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/033244
【国際公開番号】WO2006/034071
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】