説明

セルロース製品

本発明は、(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)ミクロフィブリル状多糖を添加するステップ、(iii)熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、(iv)懸濁液を脱水しセルロース製品を形成するステップを含む、セルロース製品を製造する方法に関する。本発明はまた、(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)懸濁液に針葉樹および/または広葉樹由来のミクロフィブリル状多糖を添加し、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、(iii)懸濁液を脱水しセルロース製品を形成するステップを含む、単層のセルロース製品を製造する方法に関する。本発明はさらに、前記方法から得られるセルロース製品に関する。本発明はまた、ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアを含む組成物およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単層のセルロース製品などのセルロース製品を製造するための方法およびセルロース系懸濁液に添加するのに適した組成物に関する。本発明はまた、前記方法により入手し得るセルロース製品、および前記セルロース製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、製紙産業内での開発は、一方で、強度特性などのさらなる特性を増加または実質的に維持しながら、板材製品などのセルロース製品の坪量を低減することに焦点が当てられている。
【0003】
国際公開第00/14333号は、強度特性を改善するために、バルク層中に結合剤としてラテックスを用いる方法に関する。しかし、国際公開第00/14333号は、必要とされる化学薬品の量が多いことやラテックス結合剤の適用に関連する問題を有している。例として挙げると、ラテックスがウエットエンドで添加されると、繊維上にラテックスが保持されるという問題によって、堆積の問題やウエットエンドでの化学バランスの乱れが引き起こされることがある。すでに成形されている紙材または板材の層に既存の装置を用いてラテックスを添加する場合には、適用の問題も生じ得る。ラテックスはまた、再パルプ化性の問題も引き起こし得る。
【0004】
米国特許第6,902,649号には、製紙に用いることができる非木材由来の種子ベース強化繊維添加剤(EFA)が開示されている。米国特許第6,902,649号は、繊維代替材料として用いられたEFAが、適用において紙の強度特性を維持または増強でき、それにより紙の基準重量を減少させると述べている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、形成されるセルロースシートの坪量を減少させるために、より少量のセルロース材料を使用しながら、引っ張り強度などの強度特性を含むその特性を実質的に維持および/または増強している、セルロース製品、特に、単層のセルロース製品を製造する新規の方法を提供することである。本発明の別の目的は、曲げ抵抗を実質的に維持または増強できる一方で、引っ張り強度、Z−強度、および/またはその他の強度を含む、セルロース製品の少なくとも1つの特性を改善または実質的に維持しているセルロース製品、特に、単層のセルロース製品を提供することである。本発明の別の目的は、そのようなセルロース製品を提供するために、予混合物として使用し得る組成物を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)ミクロフィブリル状多糖を添加するステップ、(iii)熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、および(iv)懸濁液を脱水しセルロース製品を形成するステップを含む、セルロース製品を製造する方法に関する。
【0007】
本発明はまた、(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)懸濁液に針葉樹(softwood)および/または広葉樹(hardwood)由来のミクロフィブリル状多糖を添加し、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、(iii)懸濁液を脱水し単層のセルロース製品を形成するステップを含む、単層のセルロース製品を製造する方法に関する。
【0008】
本明細書に用いる場合、「セルロース製品」という用語は、特に、パルプ束ならびに紙、板紙および板材などのシートおよびウェブ状のセルロース製品を含む。セルロース製品は、セルロース繊維を含む1層または数層の層を含み得る。
【0009】
本明細書に用いる場合、「セルロース製品」という用語は、例えば、セルロース繊維および硬質板材を含む板紙、例えば、上面および、場合により、背面において塗工された(晒化学パルプの1層または数層の層からなる)板材を含む硬質晒硫酸塩板材(SBS);硬質未晒硫酸塩板材(SUS)および未晒化学パルプから作製され得る(しばしば上面、および時には背面において塗工され、板材中に数層の未晒化学パルプからなり得る)硬質未晒板材(SUB);カートン板材、例えば、晒化学パルプまたは未晒化学パルプの層間に機械パルプの中間層を有して作製され得る(通常、上面が塗工され高度の曲げ硬さを有する低密度板材である)折りたたみ箱用板材(FBB)、折りたたみカートン板材、防腐処理された、防腐処理されていない包装用およびレトルト可能の板材を含む液体包装用板材(LPB);(種々のタイプの再生繊維の中間層および通常化学パルプで作製される上層を含み得る)白色ライニング硬質ボール紙(WLC);丸溝付き板材および波型溝付き板材、未晒クラフト紙、灰色硬質ボール紙および再生板材;ライナー、ライナー板材およびコンテナ板材、カップボード、完全晒または未晒クラフトライナー、テストライナー、未晒クラフトライナー、OCCなどの未晒テストライナーおよび再生ライナー、未晒化学パルプまたは茶色の再生繊維から作製される背面層および晒化学パルプから作製される上層から成り、時にはGCCおよびPCCなどのフィラーを含む白色上面ライナー;石膏ボード、コアボード、通常内層が再生ファイバーからなり、紙の外層が高い引っ張り強度を有する硬質ファイバーボード;サック紙、ならびに包装紙を含む。
【0010】
一実施形態によれば、本発明は、ミクロフィブリル状多糖および、場合により、セルロース製品全体に分布している、例えば、セルロース製品全体に実質的に均一に分布している、熱可塑性ミクロスフェアを含む単層のセルロース製品などの、セルロース製品を提供する。一実施形態によれば、単層のセルロース製品は、以下にさらに開示されるように、任意の数の非セルロース系コーティングまたは層、例えば、ポリマーフィルム、金属化フィルム、バリヤー層を用いて塗工または積層され得る。
【0011】
「ミクロフィブリル状多糖」という用語は、制限されることなく、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、グアーガム、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、キサンタン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、アルテルナン、ジェラン、ムタン、デキストラン、プルラン、フルクタン、ロカストビーンガム、カラギーナン、グリコーゲン、グリコサミノグリカン、ムレイン、細菌莢膜多糖類、およびこれらの誘導体を含む多糖から誘導される化学種を含むことを意図している。
【0012】
一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖は、最も普通に選択されるミクロフィブリル状多糖であり、そのため、以下、本明細書においてより詳しく説明されるミクロフィブリル状セルロースである。ミクロフィブリル状セルロースを調製するためのセルロース源としては、以下のものが含まれる。すなわち、(a)例えば、化学パルプ、機械パルプ、熱機械パルプ、化学熱機械パルプ、再生繊維からなどの、広葉樹および針葉樹から誘導される木質繊維、(b)綿からなどの種子繊維、(c)大豆皮、エンドウ豆皮、トウモロコシ皮からなどの種子皮繊維、(d)亜麻、麻、ジュート、ラミー、ケナフからなどの鞘皮繊維、(e)マニラ麻、サイザル麻からなどの葉繊維、(f)バガス、トウモロコシ、小麦からなどの茎またはわらの繊維、(g)竹からなどの草繊維、(h)ベロニアなどの藻からのセルロース繊維、(i)細菌または真菌、ならびに(j)野菜および果物、特に甜菜、およびレモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツなどのかんきつ類の果物からなどの実質細胞、である。これらのセルロース材料の微結晶形態も使用し得る。セルロース源としては、(1)亜硫酸塩、クラフト(硫酸塩)、または予め加水分解されたクラフトのパルプ化工程から製造された、精製され、場合により晒された木材パルプ、および(2)精製された綿くずが含まれる。セルロース源は、限定されるものではなく、合成セルロースまたはセルロース類似物を含む任意の源を使用し得る。一実施形態によれば、ミクロフィブリル状セルロースなどのミクロフィブリル状多糖は、広葉樹および/または針葉樹から誘導される。
【0013】
本発明の目的のためには、多糖ミクロフィブリルは、直径が小さく、直径対長さの比が大きく、大きさにおいて天然に存在するセルロースミクロフィブリルの大きさに相当する下位構造体を指す。本明細書ではミクロフィブリルおよびミクロフィブリル化という語を使うが、これらの用語はまた、本明細書ではナノメートルの大きさを有する(セルロース性のまたは他の)(ナノ)フィブリルを包含することを意図している。
【0014】
一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖、例えば、ミクロフィブリル状セルロースは、例えば、グラフト、架橋、例えば、過酸化水素、フェントン(Fenton)反応、および/またはTEMPOの使用による化学的酸化、吸着などの物理的修飾、例えば、化学吸着、および酵素による修飾の手段で修飾される。組み合わせの技術もまた、ミクロフィブリル状セルロースを修飾するために使用し得る。
【0015】
セルロースは、自然界において、組織および配向のいくつかの階層レベルにおいて見出され得る。セルロース繊維は、その内部にミクロフィブリルが配列されている層状二次壁構造を含む。ミクロフィブリルは、複数のミクロフィブリルを含んでおり、これはさらに結晶性および非晶性領域に配列されたセルロース分子を含んでいる。セルロースミクロフィブリルは、植物の種により異なるが、直径が約5から約100ナノメートルの範囲にあり、最も典型的には直径は約25から約35ナノメートルの範囲にある。ミクロフィブリルは、非晶質ヘミセルロース(特にキシログルカン)、ペクチン質多糖、リグニン、およびヒドロキシプロリンに富んだ糖タンパク質(エクステンシンを包む)のマトリクス内において平行に走る束で存在する。ミクロフィブリルは、およそ3〜4nmの間隔を空けて配置され、そのすき間は上に列挙されたマトリクス化合物によって占められている。
【0016】
一実施形態によれば、多糖は、形成されたミクロフィブリル状多糖の(Micromeritics ASAP 2010装置を使用してBET法に従って177°KにおけるNの吸着によって測定される)最終比表面積が、約1.5から約15、または約3から約10などの、約1から約100m/gである程度まで、精製されまたは層間剥離される。得られたミクロフィブリル状多糖の水性懸濁液の粘度は、約200から約4000、または約500から約3000、または約800から約2500mPa秒であり得る。安定度は、懸濁液の沈降程度の尺度であるが、約80から約100などの、約60から100%であり得るが、ここで、100%とは、少なくとも6カ月間沈降がないことを表す。
【0017】
一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖は、約0.05から約0.5、例えば、約0.1から約0.4、または約0.15から約0.3mmの算術繊維長を有する。一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖は、セルロース製品の重量基準で、約0.1から約50重量%の、例えば、約1から約25または約1から約15または約1から約10などの約0.5から約30重量%の量で、セルロース懸濁液に添加される。
【0018】
層間剥離されていない木材繊維、例えばセルロース繊維は、ミクロフィブリル状繊維と明確に異なる。何故ならば、層間剥離されていない木材繊維の繊維長は、通常、約0.7から約3mmの範囲にあるからである。セルロース繊維の比表面積は、通常、約0.5から約1.5m/gである。層間剥離は、多糖の繊維を層間剥離するのに適した各種の装置で実施し得る。繊維を処理するための前提条件は、該装置をフィブリルが繊維壁から引き離されるような方法で制御することである。このことは、繊維同士、層間剥離が行われている装置の壁または他の部分に対して、繊維を擦ることによって達成し得る。一実施形態によれば、層間剥離は、ポンプ送り、混合、加熱、水蒸気爆発、加圧−減圧サイクル、衝撃磨砕、超音波、マイクロ波爆発、粉砕、およびこれらの組み合わせによって達成される。本明細書に開示された機械的操作のいずれにおいても、本明細書に定義されたミクロフィブリル状多糖を得るのに十分なエネルギーがかけられることが重要である。
【0019】
一実施形態によれば、熱可塑性ミクロスフェアは、膨張させられるが、予め膨張させたミクロスフェアとして添加するか、または、好ましくは、セルロース製品の製造方法、例えば、熱がかけられる乾燥段階で、または別の方法段階で、例えば、シリンダーヒーターまたはラミネーター中で、加熱により膨張させられる、未膨張の熱膨張可能なミクロスフェアとして添加する。ミクロスフェアは、セルロース製品がまだ湿っているときにまたは完全にもしくはほとんど完全に乾燥されたときに、膨張させ得る。ミクロスフェアは、その水性スラリーの形で添加されるのが好ましく、場合により、紙料に供給するのが望ましい他の添加剤を含有し得る。添加される熱可塑性ミクロスフェアの量は、セルロース製品の重量基準で、例えば、約0.05から約10などの約0.01から約10で、例えば、約0.1から約10、約0.1から約5、または約0.4から約4重量%であり得る。
【0020】
一実施形態によれば、本明細書に記載の熱膨張性の熱可塑性ミクロスフェアは、発泡剤を封じ込めている熱可塑性ポリマーのシェルを含む。発泡剤は、好ましくは、熱可塑性ポリマーシェルの軟化温度以下の沸騰温度を有する液体である。加熱されると、発泡剤は、シェルが軟化するのと同時に内部圧力を増加させて、ミクロスフェアの有意の膨張をもたらす。膨張可能なおよび予め膨張させた熱可塑性ミクロスフェアの双方が、Expancel(登録商標)(Akzo Nobel社)の商標下に商業的に入手可能であり、各種の形態で、例えば、乾燥自由流動性粒子として、水性スラリーとして、または部分的に脱水されたウェットケーキとして市販されている。これらはまた、文献、例えば、米国特許第3,615,972号、第3,945,956号、第4,287,308号、第5,536,756号、第6,235,800号、第6,235,394号および第6,509,384号、米国特許出願公開第2005/0079352号、欧州特許第486080号および欧州特許第1288272号、国際公開第2004/072160号、国際公開第2007/091960号および国際公開第2007/091961号、ならびに特開昭62−286534号、特開2005−213379号および2005−272633号に十分に記載されている。
【0021】
一実施形態によれば、熱可塑性ミクロスフェアの熱可塑性ポリマーシェルは、好ましくは、不飽和モノマーを重合することによって得られるホモポリマーまたはコポリマーから作られる。これらのモノマーは、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルまたはクロトニトリルなどのニトリル含有モノマー、メチルアクリレートまたはエチルアクリレートなどのアクリルエステル、メチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートまたはエチルメタクリレートなどのメタクリルエステル、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル、メチルビニルエーテルまたはエチルビニルエーテルのようなアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル、ビニルピリジンなどの他のビニルモノマー、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、スチレン、ハロゲン化スチレンまたはα−メチルスチレンなどのスチレン類、あるいはブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンなどのジエンであり得る。上述のモノマーの任意の混合物も使用し得る。
【0022】
一実施形態によれば、熱可塑性ミクロスフェアの発泡剤は、プロパン、ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ネオヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタンもしくはイソオクタンなどの炭化水素またはこれらの混合物を含む。これらの他に、石油エーテル、または塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロメタン、パーフルオロ炭化水素等などの塩素化もしくはフッ素化炭化水素などの他の種類の炭化水素も使用し得る。
【0023】
一実施形態によれば、本発明に適した膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアは、約1から約500μm、例えば、約5から約100μm、または約10から約50μmの体積平均直径を有する。膨張が開始する温度は、Tstartと呼ばれるが、好ましくは、約60から約150℃、最も好ましくは、約70から約100℃である。最大膨張に達する温度は、Tmaxと呼ばれるが、好ましくは、約90から約180℃、最も好ましくは、約115から約150℃である。
【0024】
一実施形態によれば、本発明に適した予め膨張させた熱可塑性ミクロスフェアは、約10から約120μm、最も好ましくは約20から約80μmの体積平均直径を有する。密度は、好ましくは、約5から約150g/dm、最も好ましくは、約10から約100g/dmである。予め膨張させた熱可塑性ミクロスフェアは、そのままの形で商業的に入手可能であるが、膨張させていない膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアを、例えば、紙料に添加する直前に、加熱によりその場で膨張させることにより提供することも可能であり、これは、膨張可能なミクロスフェアが約100℃未満のTstartを有する場合、加熱媒体として水蒸気を使用し得るので容易に行われる。
【0025】
一実施形態によれば、水性懸濁液に添加される熱可塑性ミクロスフェアに対するミクロフィブリル状多糖の重量比は、約1:100から約200:1、例えば、約1:20から約40:1、または約1:5から約20:1、または約1:2から約10:1、または約1:1から約8:1、または約2:1から約5:1の範囲である。一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアは、別々に任意の順序で添加される。一実施形態によれば、ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアは、予混合物として添加される。一実施形態によれば、予混合物は、陽イオン性ポリ電解質などの少なくとも1種のポリ電解質をさらに含む。
【0026】
一実施形態によれば、セルロース製品は、積層体である。「積層体」という用語は、紙および/または板材の少なくとも2つの層を含むセルロース製品を意味する。しかし、積層体はまた、1つまたは複数の層中の種々のポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよび/またはポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、およびセルロースエステルのフィルム、および/または金属層、例えば、アルミニウムフィルム、SiO−(ここで、0<x≦2)を堆積したポリマーフィルム、米国特許出願公開第2006/135676号にさらに開示されているような、シリカをブレンドしたポリビニルアルコール(PVOH)、またはガスに対するバリヤーとして機能でき、水、水蒸気、炭酸ガス、および酸素に対して低または不透過性を有し得る金属化ポリマーフィルムを含む、紙および/または板材以外の他の材料のさらなる層を含み得る。適切な酸素バリヤーの例としては、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、PAN(ポリアクリロニトリル)、アルミニウム、例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートの金属化フィルム、SiO(ここで、0<x≦2)を堆積したフィルム、粘土を含有させたポリマーなどの無機板状の鉱物含有のポリマーが含まれる。
【0027】
一実施形態によれば、積層体は、少なくとも1層のセルロース層、少なくとも1層の液体バリヤー層、および少なくとも1層のガスバリヤー層を含む包装用積層体であり、前記紙または板紙は、好ましくは、少なくともその端部において、膨張させられたまたは未膨張の膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアを含む。
【0028】
一実施形態によれば、セルロース製品は、3層の紙または板紙を含む液体包装用積層体であり、好ましくは、そのうちの少なくとも中間層は、ミクロフィブリル状多糖および/または熱可塑性ミクロスフェアを含む。
【0029】
一実施形態によれば、包装用積層体は、紙または板紙の基礎層(複数可)の両側に、少なくとも1層、好ましくは、少なくとも2層の液体バリヤー層を含む。液体バリヤー層は、水に対して透過性を全くまたはごくわずかしか示さない任意の材料により作製され得る。適切な材料としては、高密度または直鎖低密度ポリエチレンのようなポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、およびこれらの物理的または機械的混合物が含まれる。エチレンとプロピレンの共重合体などの共重合体も使用し得る。液体バリヤー層(複数可)は、種々の積層法等などの任意の既知の方法によって適用し得る。
【0030】
一実施形態によれば、包装用積層体はさらに、ガスバリヤー層を、好ましくは、基礎層とパッケージの内側に面するように意図されている液体不透過性層との間に含む。分子状酸素に対して透過性を全くまたはごくわずかしか示さない任意の材料を使用し得る。材料の例としては、アルミニウム箔のような金属箔、シリカコーティング、例えば、コロイド状シリカおよび、場合により、国際公開第2006/065196号に記載されている種々の添加剤を含むコーティング組成物で適用されるもの、またはプラズマ蒸着で製造されるものが含まれる。その他の可能な材料としては、ポリビニルアルコールまたはエチレンとビニルアルコールの共重合体のようなポリマーが含まれる。ガスバリヤー層は、種々の積層法等の任意の公知の方法によって適用され得る。
【0031】
一実施形態によれば、本発明は、好ましくは、少なくともその端部において、膨張させられたまたは未膨張の膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアを含む紙または板紙のシートまたはウェブに、少なくとも1層の液体バリヤー層および少なくとも1層のガスバリヤー層を適用するステップを含む、包装用積層体の製造のための方法に関する。
【0032】
一実施形態によれば、セルロース製品は、少なくとも1層の紙または板紙の基礎層および少なくとも1層の液体バリヤー層、および好ましくは、少なくとも1層のガスバリヤー層を含む包装用積層体で作製された、食物または飲料製品のためのシールされたパッケージであり、前記紙または板紙は、好ましくは、少なくともその端部において、膨張させられたまたは未膨張の膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアを含む。
【0033】
一実施形態によれば、単層のセルロース製品において、坪量は、約60から約700または、約90から約500または、約100から約500などの約80から約600などの、約40から約1500g/mである。密度は、好ましくは、約150から約1000または約200から約800などの約100から約1200kg/mである。
【0034】
一実施形態によれば、2層の板材セルロース製品においては、1層当たりの坪量は、約50から約400または約100から約300g/mなどの、約25から約750g/mである。2層の密度は、好ましくは、約300から約1200kg/m、最も好ましくは、約400から約1000kg/m、または約450から約900kg/mである。合計の坪量は、好ましくは、約50から約1500g/m、最も好ましくは、約100から約800g/mまたは約200から約600g/mである。合計の密度は、好ましくは、約300から約1200kg/m、最も好ましくは、約400から約1000kg/mまたは約450から約900kg/mである。
【0035】
一実施形態によれば、3層以上の層を有するセルロース製品においては、外層は、約20から約400または約30から約200などの約10から約750g/mの坪量を有する。外層の密度は、好ましくは、約300から約1200kg/m、最も好ましくは、約400から約1000kg/mまたは約450から約900kg/mである。中央の、または外層ではない1または複数の層は、好ましくは、約10から約750g/m、最も好ましくは、約25から約400g/mまたは約50から約200g/mの坪量を有する。中央の、または外層ではない1または複数の層の密度は、好ましくは、約10から約800g/m、最も好ましくは、約50から約700g/mまたは約100から約600g/mである。合計坪量は、好ましくは約30から約2250g/m、最も好ましくは、約65から約800g/mまたは約110から約600g/mである。合計の密度は、好ましくは、約100から約1000kg/m、最も好ましくは、約200から約900kg/mまたは約400から約800kg/mである。
【0036】
一実施形態によれば、セルロース製品は、液体バリヤーおよびガスバリヤーをそれぞれ提供するための別々の層を有するが、ある実施形態では、液体バリヤー層およびガスバリヤー層は、液体バリヤーおよびガスバリヤー特性を共に有する材料の単層により提供される。
【0037】
一実施形態によれば、多層セルロース製品は、1つまたはいくつかのウェブ形成性単位で別々に個別の層を形成し、次いで湿潤状態でそれらを共に横に広げることにより製造され得る。本発明の多層セルロース製品の適切な等級の例としては、セルロース繊維および熱可塑性ミクロスフェアおよびミクロフィブリル状多糖を含む少なくとも1層の前記セルロース層を含む層を、3から7層含むものが含まれる。3層以上の層を有する多層セルロース製品においては、中間層の少なくとも1層などが、熱可塑性ミクロスフェアおよびミクロフィブリル状多糖を含む。
【0038】
一実施形態によれば、セルロース製品の少なくとも1層は、別の層に対して積層される前に別々の段階で形成されプレスされ得る。プレスされる段階に続いて、積層体は、乾燥ワイヤー/フェルト、空気乾燥機、金属ベルト等が附属しているかまたは附属していないシリンダー乾燥機などの既存の乾燥装置中で乾燥され得る。乾燥後にまたは乾燥工程の間に、積層体に別の層が塗工され得る。
【0039】
一実施形態によれば、水性懸濁液は、硫酸塩(クラフト)パルプおよび亜硫酸パルプなどの化学パルプ、オルガノソルブパルプ、再生繊維、ならびに/または、例えば、リファイナー機械パルプ(RMP)、加圧リファイナー機械パルプ(PRMP)、前処理リファイナー化学アルカリ性過酸化物機械パルプ(P−RC APMP)、熱機械パルプ(TMP)、熱機械化学パルプ(TMCP)、高温度TMP(HT−TMP)RTS−TMP、アルカリ性過酸化物パルプ(APP)、アルカリ性過酸化物機械パルプ(APMP)、アルカリ性過酸化物熱機械パルプ(APTMP)、熱パルプ、粉木パルプ(GW)、石粉木パルプ(SGW)、圧力粉木パルプ(PGW)、超圧力粉木パルプ(PGW−S)、熱粉木パルプ(TGW)、熱石粉木パルプ(TSGW)、化学機械パルプ(CMP)、化学リファイナー機械パルプ(CRMP)、化学熱機械パルプ(CTMP)、高温度CTMP(HT−CTMP)、亜硫酸塩修飾熱機械パルプ(SMTMP)、リジェクトCTMP(CTMPR)、粉木CTMP(G−CTMP)、セミ化学パルプ(SC)、中性亜硫酸塩セミ化学パルプ(NSSC)、高収率亜硫酸塩パルプ(HYS)、バイオ機械パルプ(BRMP)、OPCO法、爆発パルプ化法、Bi−Vis法、希釈水スルホン化法(DWS)、スルホン化長繊維法(SLF)、化学処理長繊維法(CTLF)、長繊維CMP法(LFCMP)、およびこれらの変形法に従って製造されたパルプならびにこれらの組み合わせを含む機械パルプからのセルロース繊維を含む。パルプは、晒または未晒パルプであり得る。一実施形態によれば、水性懸濁液は、機械パルプ、再生パルプ、および/またはクラフトパルプを含む。
【0040】
セルロース繊維は、広葉樹、針葉樹種、および/または非木材から誘導され得る。広葉樹および針葉樹の例としては、樺、ブナ、ヨーロッパアスペンなどのアスペン、ハンノキ、ユーカリ、カエデ、アカシア、混合熱帯広葉樹、タエダマツなどのマツ、モミ、アメリカツガ、カラマツ、クロトウヒまたはドイツトウヒなどのトウヒ、およびこれらの混合物が含まれる。非木材植物原料は、例えば、穀物のわら、小麦わら、クサヨシ、アシ、亜麻、麻、ケナフ、ジュート、ラミー、種子、サイザル麻、マニラ麻、コイア、竹、バガス、またはこれらの組み合わせから提供され得る。
【0041】
一実施形態によれば、水性懸濁液のセルロース繊維は、広葉樹および/または針葉樹種から誘導される。
【0042】
一実施形態によれば、セルロース製品の外層の少なくとも1層は、本明細書に開示された方法のいずれかまたは化学パルプを得るための他の慣用の方法に従って得られた化学パルプから製造される。パルプは、晒または未晒であり得る。
【0043】
一実施形態によれば、積層体、例えば、液体包装用板材などの板材は、少なくとも3層を含んで形成されるが、その際、ミクロフィブリル状多糖および、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを含む水性懸濁液から形成される内層、および前記内層のそれぞれの面に接合される別の層を、直接または間接に接合することにより製品が得られる。前記別の層は、ミクロフィブリル状多糖および、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを含むかまたは含まない水性懸濁液から製造される。
【0044】
別の層、例えば、バリヤー層は、形成されそして上述のように外層上に接合され得る。いずれの層も、積層体の、例えば、印刷特性を改善するために塗工され得る。一実施形態によれば、いずれの塗工されたまたは非塗工の層も、プラスチックまたはポリマーの層で順次塗工され得る。そのような塗工は、液体の浸透をさらに減少させ、製品のヒートシール特性を改善し得る。
【0045】
一実施形態によれば、積層体の少なくとも1層は、本明細書に開示された方法のいずれかまたはパルプを得るための他の慣用法に従って、木材または非木材パルプから得られた機械および/または化学パルプから製造される。一実施形態によれば、層は、合計パルプ重量基準で、少なくとも約40、例えば、少なくとも約50、例えば、少なくとも約60または少なくとも約75重量%の機械パルプから製造される。パルプは晒または未晒であり得る。
【0046】
一実施形態によれば、水性懸濁液は、約0.01から約50、例えば、約0.1から約25または約0.1から約10重量%の量のセルロース繊維の濃度を有する。
【0047】
一実施形態によれば、水性懸濁液は、例えば、カオリン、粘土、二酸化チタン、石膏、タルク、ならびに、例えば、白亜、粉砕大理石、粉砕炭酸カルシウム、および沈降炭酸カルシウムなどの天然および合成双方の炭酸カルシウムなどの慣用の種類の鉱物フィラーを含む。水性懸濁液はまた、濾水性および保持力向上用化学薬品、乾燥紙力増強剤、ロジン、ケテンダイマー、ケテンマルチマー、無水アルケニルコハク酸等に基づいたものなどのサイズ剤などの慣用種の製紙用添加剤を含む。
【0048】
セルロース製品は、さらに、脱水前に紙料に添加される湿潤強度増強剤を含み得る。適切な湿潤強度増強剤としては、ポリアミンエピハロヒドリン、ポリアミドエピハロヒドリン、ポリアミノアミドエピハロヒドリン、尿素/ホルムアルデヒド、尿素/メラミン/ホルムアルデヒド、フェノール/ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド/グリオキザール縮合物、ポリビニルアミン、ポリウレタン、ポリイソシアネート、およびこれらの混合物の樹脂が含まれるが、なかではポリアミノアミドエピハロヒドリン(PAAE)が特に好ましい。
【0049】
一実施形態によれば、湿潤および乾燥紙力増強剤は、約0.5から約10kg/パルプトンなどの約0.1から約30kg/セルロース製品トンの量で添加され得る。一実施形態によれば、1種または複数のサイズ剤は、約0.5から約4などの約0.1から約10kg/セルロース製品トンの量で添加され得る。別の紙用化学薬品が、慣用の様式および量で水性懸濁液に添加され得る。
【0050】
一実施形態によれば、本発明は、木材含有紙または板材および/または再生繊維、種々の種類の本、および新聞紙を基にした紙または板材を製造する製紙機、ならびに/または非木材を含む印刷用および書類用紙を製造する機械において適用される。
【0051】
一実施形態によれば、本発明は、さらに、本明細書で開示されているように、ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアを含む組成物に関する。一実施形態によれば、組成物は水性である。一実施形態によれば、組成物中の熱可塑性ミクロスフェアに対するミクロフィブリル状多糖の重量比は、約1:100から約200:1、例えば、約1:20から約40:1または約1:5から約20:1または約1:2から約10:1または約1:1から約8:1または約2:1から約5:1の範囲である。
【0052】
一実施形態によれば、本発明は、さらに、セルロース製品の製造における組成物の使用に関する。
【0053】
本発明はまた、本明細書に規定される方法により得られるセルロース製品に関する。本発明はまた、ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアを含むセルロース製品に関する。本発明はまた、ミクロフィブリル状多糖を含む単層のセルロース製品に関する。本発明はまた、ミクロフィブリル状多糖および、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを含む単層のセルロース製品に関する。
【0054】
一実施形態によれば、セルロース製品中の熱可塑性ミクロスフェアに対するミクロフィブリル状多糖の重量比は、約1:100から約200:1、例えば、約1:20から約40:1または約1:5から約20:1または約1:2から約10:1または約1:1から約8:1または約2:1から約5:1の範囲である。
【0055】
一実施形態によれば、組成物は、陽イオン性電解質などの電解質を含む。
【0056】
一実施形態によれば、セルロース製品は、その特性のいずれかを含み、本明細書において得られるいかなるものでもあり得る。例えば、坪量は、本明細書において規定される範囲内であり得る。一実施形態によれば、セルロース製品は、本明細書において開示されている任意のパルプ、特に、機械パルプ、再生パルプおよび/またはクラフトパルプをも含み得る。
【0057】
本発明はまた、例えば、液体包装用板材、折りたたみ箱用板材、またはライナーとしてのセルロース製品の使用に関する。一実施形態によれば、製品は、液体、食物または非食用製品のためのシールされたパッケージの製造に使用し得る、包装用積層体の形態で使用される。一実施形態によれば、本発明は、包装用積層体から容器を形成するステップ、食物または飲料製品を容器に充填するステップ、および容器をシールするステップの各ステップを含む、シールされたパッケージを製造するためのセルロース製品の使用に関する。その工程においては、前記包装用積層体は、少なくとも1層の紙または板紙の基礎層および少なくとも1層の液体バリヤー層、ならびに、好ましくは、少なくとも1層のガスバリヤー層を含み、前記紙または板紙は、好ましくは、少なくともその端部において、膨張されたまたは未膨張の膨張可能な熱可塑性ミクロスフェアを含む。
【0058】
一実施形態においては、セルロース製品は、パッケージが充填されシールされた後には加熱される必要のない食物を包装するのに用いる。通常、そのようなパッケージは、ミルク、ジュースおよびその他のソフトドリンク、スープならびにトマト製品のような飲料のために用いられる。
【0059】
他の実施形態においては、セルロース製品パッケージは、充填されシールされたパッケージが内容物の寿命を延ばすために熱処理される食物または飲料のために用いられる。そのようなパッケージは、あらゆる種類の食物製品、特に、伝統的にはブリキ缶に詰められたようなもののために使用でき、本明細書では、レトルト可能なパッケージと呼ばれ、材料は、それゆえ、レトルト可能な包装用積層体またはレトルト可能板紙となる。レトルト可能な包装用積層体の望ましい特性としては、高温および高圧、例えば、約110から約150℃で約30分から約3時間の時間、飽和水蒸気での処理に耐え得る特性が含まれる。
【0060】
本発明を以上のように記述したが、同様なことが多くの方法において変化させ得ることは明らかである。以下に記述する実施例は、記述された本発明が、いかにその範囲を制限することなく実施し得るかということをさらに示すであろう。
【0061】
別に記載されない限り、全ての割合および百分率は、重量比で表した割合および百分率である。
【実施例1】
【0062】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Timsforsテストライナー(Shopper Riegler 47)から製造した。混合槽から横方向ノズルを通して回転ドラム中へ、ワイヤー上の水フィルム上へ、紙料(パルプ濃度:0.5%、伝導度2000μm/秒、pH7)をポンプ送液して、ダイナミックシートフォーマーにおいて紙のシートを形成し、シートを形成するように紙料を脱水し、シートをプレスして乾燥した。ポンプ送液とシート形成の前の懸濁液に添加した化学薬品の量(セルロース製品の重量基準で)および添加時間(秒)は、以下の通りであった。
【0063】
【表1】

脱水時間は90秒であった。紙シートは、ロールプレス中で3バールでプレスし、その後105℃で、16分間でプレーンドライヤー中で乾燥した。
【0064】
B)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2%および5%(セルロース製品の重量基準で)のPC155(陰イオン性ジャガイモデンプン)をそれぞれ加えた(B1−B2)。
【0065】
C)およそ170g/mの坪量を有する単層の紙系製品を、A)と同様にして調製したが、2、5および10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)を加えた(C1−C3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.29mm(Kajaani FS−100繊維長分析機)、比表面積:5g/m(Micrometrics ASAP 2010装置を用いるBET法)、粘度:808mPa秒、安定度:100%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):4.0(g/g)(SCAN−C 62:00)。
【0066】
A)、B)およびC)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗および多孔率について分析した(表2参照)。
【0067】
【表2】

【実施例2】
【0068】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Sodra Cell AB社からのCTMPパルプ(CSF 400)から製造した。紙のシートを、実施例1と同様にして形成したが、パルプの伝導度は1500μm/秒であった。ポンプ送液とシート形成の前の懸濁液に添加した化学薬品の量(セルロース製品の重量基準で)および添加時間(秒)は、実施例1と同様であった。シートは、実施例1と同様に脱水し、プレスして乾燥した。
【0069】
B)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2%および5%(セルロース製品の重量基準で)のPC155(陰イオン性ジャガイモデンプン)をそれぞれ加えた(B1−B2)。
【0070】
C)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2、5および10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(Iggesund社からの完全晒樺クラフトパルプ繊維から調製した)を加えた(C1〜C3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.37mm(L&W 繊維試験機)、安定度:94%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):6.8(g/g)(SCAN−C 62:00)。
【0071】
A)、B)およびC)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗および多孔率について分析した(表3参照)。
【0072】
【表3】

【実施例3】
【0073】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、実施例1と同様にして、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Timsforsテストライナーから製造したが、化学薬品は加えなかった。紙のシートを、実施例1と同様に形成し、脱水し、プレスして乾燥した。
【0074】
B)170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2、5および10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)をそれぞれ加えた(B1−B3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.29mm(Kajaani FS−100繊維長分析機)、比表面積:5g/m(Micrometrics ASAP 2010装置を用いるBET法)、粘度:808mPa秒、安定度:100%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):4.0(g/g)(SCAN−C 62:00)。
【0075】
A)およびB)に従って調製された紙製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗および多孔率について分析した(表4参照)。
【0076】
【表4】

【実施例4】
【0077】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、実施例1と同様にして、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Sodra Cell AB社からのCTMPパルプ(CSF 400)から製造したが、化学薬品は加えなかった。紙のシートを、実施例1と同様に形成し、脱水し、プレスして乾燥した。
【0078】
B)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2、5および10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(Iggesund社からの完全晒樺クラフトパルプ繊維から調製した)加えた(B1〜B3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.37mm(L&W 繊維試験機)、安定度:94%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):6.8(g/g)(SCAN−C 62:00)。
【0079】
A)およびB)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗および多孔率について分析した(表5参照)。
【0080】
【表5】

【実施例5】
【0081】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Timsforsテストライナー(Shopper Riegler 47)から製造した。混合槽から横方向ノズルを通して回転ドラム中へ、ワイヤー上の水フィルム上へ、紙料(パルプ濃度:0.5%、伝導度2000μm/秒、pH7)をポンプ送液して、ダイナミックシートフォーマーにおいて紙のシートを形成し、シートを形成するように紙料を脱水し、シートをプレスして乾燥した。ポンプ送液とシート形成の前の懸濁液に添加した化学薬品の量(セルロース製品の重量基準で)および添加時間(秒)は、以下の通りであった。
【0082】
【表6】

脱水時間は90秒であった。紙シートは、プレーンプレス中で4.85バールで7分間プレスし、その後120℃で光ドライヤー(Japo自動艶出しドライヤー)中で乾燥した。
【0083】
B)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、1および2%(セルロース製品の重量基準で)の820 SL 80を加えた(B1−B2)。
【0084】
C)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、1%の820 SL 80を、5、10および15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)と予め混合した(C1〜C3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.29mm(Kajaani FS−100繊維長分析機)、比表面積:5g/m(Micrometrics ASAP 2010装置を用いるBET法)、粘度:808mPa秒、安定度:100%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):4.0(g/g)(SCAN−C 62:00)。
【0085】
D)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2%の820 SL 80を、5、10および15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)と予め混合した(D1〜D3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0086】
E)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、B)と同様にして調製したが、10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)を加えた(E1〜E2)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0087】
A)、B)、C)、D)およびE)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗、エッジウィックおよび多孔率について分析した(表7aおよび7b参照)。
【0088】
【表7a】

【0089】
【表7b】

【実施例6】
【0090】
A)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1)を、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、M−real社からの広葉樹CTMPパルプ(CSF 465)から製造した。混合槽から横方向ノズルを通して回転ドラム中へ、ワイヤー上の水フィルム上へ、紙料(パルプ濃度:0.5%、伝導度1500μm/秒、pH7)をポンプ送液し、ダイナミックシートフォーマーにおいて紙のシートを形成し、シートを形成するように紙料を脱水し、シートをプレスして乾燥した。ポンプ送液とシート形成の前の懸濁液に添加した化学薬品の量(セルロース製品の重量基準で)および添加時間(秒)は、以下の通りであった。
【0091】
【表8】

脱水時間は90秒であった。紙シートは、プレーンプレス中で4.85バールで7分間プレスし、その後120℃で光ドライヤー(Japo自動艶出しドライヤー)中で乾燥した。
【0092】
B)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、1および2%(セルロース製品の重量基準で)の820 SL 80を加えた(B1−B2)。
【0093】
C)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、1%の820 SL 80を、5、10および15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)と予め混合した(C1〜C3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.41mm(L&W繊維試験機)および安定度:94%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):6.8g/g。
【0094】
D)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2%の820 SL 80を、5、10および15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)と予め混合した(D1〜D3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0095】
E)およそ170g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、B)と同様にして調製したが、10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(スウェーデン国、Sodra Cell AB社からの未晒クラフトパルプから調製した)を加えた(E1〜E2)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0096】
A)、B)、C)、D)およびE)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗、エッジウィックおよび多孔率について分析した(表9aおよび9b参照)。
【0097】
【表9a】

【0098】
【表9b】

【実施例7】
【0099】
A)およそ100、150、190、230および280g/mの坪量を有する単層のセルロース製品(A1〜A5)を、ダイナミックシートフォーマー(スウェーデン国、Fibertech AB社から供給されたFormette Dynamic)を用いて、Ostrand社からの針葉樹CTMPパルプ(CSF 500)から製造した。混合槽から横方向ノズルを通して回転ドラム中へ、ワイヤー上の水フィルム上へ、紙料(パルプ濃度:0.5%、伝導度1500μm/秒、pH7)をポンプ送液し、ダイナミックシートフォーマーにおいて紙のシートを形成し、シートを形成するように紙料を脱水し、シートをプレスして乾燥した。ポンプ送液とシート形成の前の懸濁液に添加した化学薬品の量(セルロース製品の重量基準で)および添加時間(秒)は、以下の通りであった。
【0100】
【表10】

脱水時間は90秒であった。紙シートは、プレーンプレス中で4.85バールで7分間プレスし、その後120℃で光ドライヤー(Japo自動艶出しドライヤー)中で乾燥した。
【0101】
B)およそ100、150および190g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、2%(セルロース製品の重量基準で)の820 SL 80を加えた(B1−B3)。
【0102】
C)およそ100、150および190g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、B)と同様にして調製したが、5%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)と混合した(C1〜C3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、以下の通りであった。繊維長:0.41mm(L&W繊維試験機)および安定度:94%(0.5%パルプ懸濁液の沈降度)、水保持値(WRV):6.8g/g。
【0103】
D)およそ100、150および190g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、B)と同様にして調製したが、10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)と混合した(D1〜D3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0104】
E)およそ100、150および190g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、5%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)を加えた(E1〜E3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0105】
F)およそ100、150および190g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)を加えた(F1〜3)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0106】
G)およそ150g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、3%(セルロース製品の重量基準で)の820 SL 80を加えた(G1)。
【0107】
H)およそ150g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、G)と同様にして調製したが、10%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)を加えた(H1)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0108】
I)およそ150g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、G)と同様にして調製したが、15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)を加えた(I1)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0109】
J)およそ150g/mの坪量を有する単層のセルロース製品を、A)と同様にして調製したが、15%(セルロース製品の重量基準で)のミクロフィブリル状セルロース(ポルトガル国からのECF晒グロブルス ユーカリクラフトパルプから調製した)を加えた(J1)。ミクロフィブリル状セルロースの特性は、C)に記載したものと同様であった。
【0110】
A)、B)、C)、D)、E)、F)、G)、H)、I)およびJ)に従って調製された単層のセルロース製品を、その坪量、密度、引っ張り強度、破裂強度、Z−強度、幾何学的曲げ抵抗および多孔率について分析した(表11a−11d参照)。
【0111】
【表11a】

【0112】
【表11b】

【0113】
【表11c】

【0114】
【表11d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)ミクロフィブリル状多糖を添加するステップ、(iii)熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、(iv)懸濁液を脱水しセルロース製品を形成するステップを含む、セルロース製品を製造する方法。
【請求項2】
(i)セルロース繊維の水性懸濁液を用意するステップ、(ii)懸濁液に針葉樹および/または広葉樹由来のミクロフィブリル状多糖を添加し、場合により、熱可塑性ミクロスフェアを添加するステップ、(iii)懸濁液を脱水しセルロース製品を形成するステップを含む、単層のセルロース製品を製造する方法。
【請求項3】
熱可塑性ミクロスフェアに対するミクロフィブリル状多糖の重量比が、約1:100から約200:1の範囲である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ミクロフィブリル状多糖が、セルロース製品の重量基準で、約0.1から約50重量%の量で添加される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ミクロフィブリル状多糖が、ミクロフィブリル状セルロースである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ミクロフィブリル状セルロースが、広葉樹および/または針葉樹由来である、請求項1、および3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
熱可塑性ミクロスフェアが、セルロース製品の重量基準で、約0.01から約10重量%の量で添加される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
セルロース製品が、板紙である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
懸濁液が、機械パルプ、再生パルプ、および/またはクラフトパルプを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
セルロース製品が単層の板材である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアが、予混合物として添加される、請求項1、および3から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアを含む、組成物。
【請求項13】
水性である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
熱可塑性ミクロスフェアに対するミクロフィブリル状多糖の重量比が、約1:100から約200:1の範囲である、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
セルロース製品の製造における、請求項12から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法により得られるセルロース製品。
【請求項17】
ミクロフィブリル状多糖および熱可塑性ミクロスフェアを含む、セルロース製品。
【請求項18】
針葉樹および/または広葉樹由来のミクロフィブリル状多糖を含む、単層のセルロース製品。
【請求項19】
板材または板紙である、請求項17または18に記載のセルロース製品。
【請求項20】
単層の製品である、請求項16、17および19のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項21】
約90から約500g/mの範囲の坪量を有する、請求項16から20のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項22】
ミクロフィブリル状多糖が、針葉樹および/または広葉樹由来である、請求項16、17、19および20のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項23】
機械パルプ、再生パルプ、および/またはクラフトパルプを含む、請求項16から22のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項24】
ミクロフィブリル状多糖を、セルロース製品の重量基準で、約0.1から約50重量%の量で含む、請求項16から23のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項25】
熱可塑性ミクロスフェアを、セルロース製品の重量基準で、約0.01から約10重量%の量で含む、請求項16から24のいずれか一項に記載のセルロース製品。
【請求項26】
液体パッケージ用板材、折りたたみ箱用板材、またはライナーとしての、請求項16から25のいずれか一項に記載のセルロース製品の使用。


【公表番号】特表2011−524476(P2011−524476A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514005(P2011−514005)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057322
【国際公開番号】WO2009/153225
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】