説明

セレン化銅粒子粉末およびその製造方法

【課題】本発明は、微粒子且つC含有量の少ないセレン化銅粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】平均1次粒径が10〜400nmの銅粒子粉末の懸濁水と、セレン化合物水溶液と、還元剤とを混合することによって反応させ、平均1次粒径が10nm以上500nm未満で炭素含有量が1質量%以下のセレン化銅粒子粉末を得る。好ましくは、1次粒子径が2μm以下の粒子からなり、銅含有量とセレン含有量の和が98質量%以上、酸素含有量が2質量%以下、塩素含有量とヨウ素含有量のそれぞれが100ppm以下、ナトリウムの含有量が1000ppm以下、リンの含量が100ppm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセレン化銅粒子粉末およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は自然エネルギーを利用する手段として、ますます注目を集めている。現在、主流の太陽電池はモジュールコストが下がらず、潜在的な市場は大きいにも関わらず、市場規模は潜在的な市場規模より小さい状態に止まっている。
I−III-VI2族系太陽電池は発電効率が高く、結晶Si系太陽電池と比較して安価に製造できる特徴がある。I属元素としてはCu、Ag、III属元素としてはGa、In、Alであり、VI属元素としてはS、Se、Teである。なかでもCuInSe2が代表的な化合物であり、バンドギャップを調節する為に、Cuの一部をAgで置換したり、Inの一部をGaやAlで置換、またはSeの一部をSやTeで置換する場合もある。本願では、これらの物質の粉末を総称して、CIS粉末、これらの物質の薄膜をCIS膜と表現することがある。
【0003】
I−III-VI2族系太陽電池は光吸収層として、CIS膜を使用するが、CIS膜の成膜法として、多元蒸着法、Se化法が実用化されている。しかしこれらの方法は、真空プロセスを使用する事から、設備投資が大きくなり、結果として太陽電池のコストが上がってしまう。
多元蒸着法は、高真空の同時蒸着装置により、CIS膜を基板上に蒸着させる方法である。この方法は、膜厚の均一性の点に難点があり、大面積化への展開が難しいとされている。セレン化法は、CIS膜の構成元素であるCu・In・Ga等をスパッタ法等で金属薄膜を形成し、その後常圧反応炉内で、金属薄膜をセレン化させてCIS膜を得る方法である。蒸着法と比較し、大面積化が容易であるとされている。一方で、セレン化する際にセレン蒸気や有毒ガスであるセレン化水素を使用する必要があり、安全対策コストが高いことが課題となっている。
【0004】
近年、真空プロセスを経ず、粉末を塗布・焼成して成膜する方式が試みられている。すなわち、CuやIn、Gaのセレン化物(CuSeやCu2Se、In2Se3、Ga2Se3などの2元系セレン化物)もしくはCuとInもしくはGaのセレン化物(CuInSe2、CuGaSe2、CuInGaSe2などの三/四元系セレン化物)のCIS粉末を作製し、塗布・焼成する方法である。
このうち、セレン化銅(Cu2Se、CuSe)粉末については、原料となるCu粉末、Se粉末を遊星ボールミルを用いたメカノケミカルプロセスで処理することにより得る方法が特許文献1に記載されている。また、Cu粉末とSe粉末を乳鉢で混合し、Ar中450℃で焼成後粉砕し、さらに、Ar中750℃で焼成するプロセスを経ることにより得る方法が特許文献2に開示されている。特許文献3の段落[0032]〜[0038]には、CuCl2とNa2Seとピリジンを反応させてCuSe粉末を得る方法や、酢酸銅とセレン化尿素を含有する水に超音波を照射してCuSe粉末を得る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−177606号公報
【特許文献2】特開昭61−222910号公報
【特許文献3】US2008/0135099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したセレン化銅、セレン化インジウム等の粉末を用いてCIS膜を形成する方法では、膜厚の均一性がよく、薄いCIS膜を得るためには、粒子径の小さい粉末を用いることが必要になる。また、粉末の粒径が大きい場合、得られる膜に空隙が生じやすくなる。特にセレン化銅は、CIS膜を形成した際、電気抵抗の低いCu2Seとして残存した場合、電気的な短絡の原因となり、粒径の大きいCu2Se粒子が残存した場合は特にその影響が大きい。
特許文献1には、セレン化銅の原料であるCu粉末とSe粉末をメカノケミカルプロセスによる処理をおこなうことにより、セレン化銅粉末を得る方法が記載されている。特許文献1には、セレン化銅粉末の粒径が小さい方が好ましいとの記載はあるが、得られたセレン化銅粉末の粒径についての記載はない。本発明者らが、特許文献1に記載の方法で製造したセレン化銅粉末の粒径について検討したところ、平均粒径が0.5μm以下のセレン化銅粉末は得ることができなかった。またこの方法では、得られるセレン化銅粉末中の酸素濃度が高くなる。
【0007】
特許文献2には、銅粉末とセレン粉末の混合粉末を400℃〜470℃で一次焼成し、焼成物を粉砕後、600℃〜850℃で二次焼成して得られるセレン化銅粉末が開示されている。この方法で得られたセレン化銅粉末は、焼結による会合粒子が生成し、平均粒径1.0μm以下の粒子を得ることは非常に困難である。また高温での焼成時に低融点のセレンの損失を促進するので、銅−セレンの組成ズレを起こし易い。
【0008】
前述したセレン化銅、セレン化インジウム等の粉末を用いてCIS膜を形成する方法では、セレン化銅粉末はペースト化して基板上に塗布されるので、より微粒子であることが望ましい。一方、平均1次粒径が0.5μm超のセレン化銅粉末を含むペーストは、焼成の熱処理の温度が600℃程度では、十分に粒子間の焼結が進まないため、空隙が多数存在する膜となる。セレン化銅粉末の粒径が大きい場合には、電気抵抗の低いCu2SeがCIS膜中に残存する場合がある。この空隙やCu2Seの存在が後にCIS膜を形成した際に、太陽電池の短絡の原因になる等の課題があった。
【0009】
特許文献3に開示のCuCl2とNa2Seとピリジンを反応させてCuSe粉末を得る方法では、有機物(ピリジン)が存在する液中でCuSe粒子を合成しており、得られるCuSe粉中のC含有量が高くなる課題がある。CuSe粉中のC含有量が高い場合、CuSe粉末を含有するペーストを塗布・焼成してCIS膜を形成する際に、CIS粉中のCの存在により、焼成が阻害されるおそれがある。また、Na2Seは高価であり、大気中で不安定な物質であることから、製造コストの点で不利である。
【0010】
特許文献3に開示の酢酸銅とセレン化尿素を含有する水に超音波を照射してCuSe粉末を得る方法では、有機化合物(酢酸銅、セレン化尿素)が存在する液中でCuSe粒子を合成しており、得られるCuSe粉中のC含有量が高くなる課題がある。
そこで、本発明は、微粒子且つC含有量の少ないことを特徴とする、セレン化銅粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らが鋭意検討した結果、銅粒子粉末を懸濁させた液と、セレンを含有する液(セレン含有液)と、還元剤とを混合することにより、セレン化銅ナノ粒子を含有する液を得て、セレン化銅ナノ粒子を含有する液を固液分離、洗浄することにより、微粒子且つC含有量の少ないことを特徴とする、セレン化銅粉末を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、第1に、平均1次粒径が10nm以上500nm未満で炭素含有量が1質量%以下であるセレン化銅粒子粉末であり、第2に、前記セレン化銅はCuSe、Cu2Se、またはCuSeとCu2Seとの混合物である第1に記載のセレン化銅粒子粉末であり、第3に、1次粒子径が2μm以下の粒子からなる第1または第2に記載のセレン化銅粒子粉末であり、第4に、銅含有量とセレン含有量の和が98質量%以上である第1〜3のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末であり、第5に、酸素含有量が2質量%以下である第1〜4のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末であり、第6に、塩素含有量およびヨウ素含有量のそれぞれが100ppm以下である第1〜第5のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末であり、第7に、ナトリウムの含有量が1000ppm以下である第1〜第6のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末であり、第8に、リンの含量が100ppm以下である第1〜第6のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末であり、第9に、銅粒子粉末の懸濁液とセレン含有液と還元剤とを混合することによって反応させるセレン化銅粒子粉末の製造方法であり、第10に、平均1次粒径が10〜400nmの銅粒子粉末の懸濁液とセレン含有液と還元剤とを混合することによって反応させるセレン化銅粒子粉末の製造方法であり、第11に、平均1次粒径が10〜400nmの銅粒子粉末の懸濁水とセレン化合物水溶液と還元剤とを混合することによって反応させるセレン化銅粒子粉末の製造方法であり、第12に、前記還元剤がヒドラジンまたはヒドラジン化合物である第9〜第11のいずれかに記載の製造方法であり、第13に、前記反応の温度が20〜100℃である第9〜第12のいずれかに記載の製造方法であり、第14に、前記銅粒子粉末が10〜60℃の銅塩水溶液にアルカリを添加して得られた粒子粉末をスラリーとし還元剤を添加して得られる第9〜第13のいずれかに記載の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、微粒子且つC含有量の少ないことを特徴とするセレン化銅粉末を得ることができる。このセレン化銅粉末を含有するペーストを塗布・焼成することにより、高品質のCIS膜を低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1で得られたセレン化銅粒子粉末のX線回折結果を示すグラフである。
【図2】実施例6で得られたセレン化銅粒子粉末のX線回折結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、以下で詳細に説明する。
本実施形態のセレン化銅粉末は、Cu2SeまたはCuSeで表される物質、およびこれらの混合物であり、かつ、炭素量が1質量%以下である物質の粉末であり、その平均粒径が10nm以上、0.5μm未満である粉末である。
なお、本願では、モル比(Cu/Se)が、1.8〜2.2であるセレン化銅をCu2Seと表現することがあり、モル比(Cu/Se)が、0.9〜1.1であるセレン化銅をCuSeと表現することがある。また、モル比(Cu/Se)が、0.9〜2.2であるセレン化銅をCu2Seで表される物質とCuSeで表される物質の混合物と表現することがある。
本実施形態のセレン化銅粉末の製造方法の概要を説明する。本実施形態のセレン化銅粉末は、銅粒子粉末を懸濁させた液と、セレンを含有する液と、還元剤とを混合することにより、セレン化銅粒子を含有する液を得る工程と、セレン化銅粒子を含有する液を固液分離、洗浄することにより、セレン化銅粉末を得ることを特徴とする。以下、詳細に説明する。
【0015】
(銅粒子粉末)
銅粒子粉末の平均1次粒子径は、10nm〜400nmであることが好ましい。銅粒子粉末の粒径が、400nmを超える場合には、平均1次粒径が500nm未満のセレン化銅粉末を得られない場合がある。10nm未満の銅粒子粉末は、得ることが難しく、得られた場合でも、粒子の分散を安定に保つ為、分散剤が必要になる。この分散剤はCやS、P等の難揮発性元素を含んでおり、CIS成膜時、不活性ガスで焼成した場合、CIS膜に残炭等の不純物残留の原因となる。
【0016】
(銅粒子粉末の製造方法)
前記銅粒子粉末の製造方法は、例えば、銅塩水溶液にアルカリを添加して、銅水酸化物粉を含有するスラリーを得て、前記銅水酸化物を還元することにより、銅粒子粉末を得る方法が挙げられる。前記銅粒子粉末は、その製法を特に限定されず、これ以外の湿式反応法や乾式法により製造されたものを用いることができる。
(銅水酸化物粉の製造工程)
前記銅塩としては、特に限定されないが、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、塩基性炭酸銅が、好適に使用できる。硝酸銅、塩化銅、硫酸銅を使用する場合には、得られる粉の洗浄を十分にして、セレン化銅粉末中の塩素や硝酸成分の残留を低減させることが好ましい。
前記アルカリとしては、特に限定されないが、NaOH、KOH、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を使用することができる。アルカリ添加は、液のpHが8〜12の範囲となるまでおこなうことが好ましい。pHが8未満までしか、アルカリを添加しない場合には、銅水酸化物の生成が十分でない場合があり、pH12を超えるまでアルカリを添加した場合には、銅水酸化物粉の粒子成長が進みすぎ、得られる銅粒子粉末の平均1次粒径が過大になる場合がある。
【0017】
アルカリを添加する銅塩水溶液の温度は、10℃〜60℃とすることが好ましい。60℃を超える場合には、銅水酸化物粉の粒子成長が進みすぎ、得られる銅粒子粉末の平均1次粒径が過大になる場合がある。10℃未満の場合には、反応に時間がかかる場合がある。
得られる銅粒子粉末の不純物含有量を低減する観点から、銅水酸化物粉を含有するスラリーは、固液分離してから、還元して銅粒子粉末を得ることが好ましい。固液分離後、純水等を用いて洗浄後に還元して銅粒子粉末を得ることが、更に好ましい。
不純物含有量の低いセレン化銅粉末を得るために、前記により得られる銅水酸化物粉の不純物含有量は、低いことが好ましい。塩素およびヨウ素およびリン、硝酸成分の濃度は、それぞれ、100ppm以下であることが好ましく、硫黄およびナトリウム成分の濃度は、それぞれ、1000ppm以下であることが好ましい。
【0018】
前記銅水酸化物粉は、加熱乾燥してから、還元工程の処理をおこなうことができる。乾燥雰囲気は、空気とすることができ、乾燥温度は20℃〜300℃とすることができる。加熱乾燥により、一部に炭酸銅が生成することがある。また、乾燥温度が高い場合には、銅水酸化物粉が銅酸化物になる場合がある。いずれの場合も、還元工程を経ることにより、銅粒子粉末を得ることができる。以降、前記銅水酸化物粉およびそれを乾燥して得られた粉をあわせて、還元原料粉と称することがある。
還元原料粉の平均1次粒径は、10nm〜400nmであることが好ましい。還元原料粉の粒径が、400nmを超える場合には、平均1次粒径が500nm未満のセレン化銅粉末を得られない場合がある。10nm未満の還元原料粉は、得ることが難しく、得られた場合でも、粒子の分散を安定に保つ為、分散剤が必要になる。この分散剤はCやS、P等の難揮発性元素を含んでおり、CIS成膜時、不活性ガスで焼成した場合、CIS膜に残炭等の不純物残留の原因となる。
還元原料粉は、その製法を特に限定されず、水酸化銅、酸化銅、炭酸銅の粉末を用いることができる。
【0019】
(還元工程)
前記還元原料粉と溶媒と還元剤とを混合することにより、銅粒子粉末を含有する液を得ることができる。
前記溶媒としては、水が好ましい。有機溶媒も使用することができるが、粒子中に有機物が残存しやすく、別に有機物除去工程が必要な場合があることや、溶媒の価格、溶媒の廃液処理のコストの観点で、水を使用することが好ましい。
還元剤としては、ヒドラジン化合物を用いることができる。ヒドラジン化合物としては、不純物の少ないセレン化銅粉末をより容易に得る観点から、ヒト゛ラシ゛ン水加物(ヒドラジン一水和物、N24・H2O)が最も好ましいが、中性硫酸ヒト゛ラシ゛ン(N222・H2SO4や硫酸ヒト゛ラシ゛ン(N24・H2SO4)、等のヒドラジン化合物を用いることもできる。また、ホルマリン、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウムなど、銅イオン(I)(II)を金属銅に還元することができる還元剤であれば使用できる。
還元工程の液温は、20℃〜100℃とすることが好ましい。20℃未満では、還元が十分進まないおそれがあり、100℃超では、溶媒の蒸発が激しくなる。
添加する還元剤の量は、前記還元原料粉を金属銅に還元できる量以上であればよい。
前記還元原料粉と溶媒と還元剤とを混合する際は、雰囲気を窒素等の不活性ガスとすることが好ましく、攪拌をおこなうことが好ましい。
【0020】
(セレン化工程)
銅粒子粉末と溶媒とセレン化合物溶液と還元剤を混合することにより、セレン化銅粉を含有する液を得ることができる。銅粒子粉末は前記還元工程で得られたものを使用することができる。
前記溶媒としては、水が好ましい。有機溶媒も使用することができるが、粒子中に有機物が残存しやすく、別に有機物除去工程が必要な場合があることや、溶媒の価格、溶媒の廃液処理のコストの観点で、水を使用することが好ましい。
前記の銅粒子粉末と溶媒は、還元工程で得られた銅粒子粉末を含有する液を使用することができる。
前記セレン化合物としては、不純物の少ないセレン化銅粉末をより容易に得る観点から、二酸化セレン(SeO2)が最も好ましいが、亜セレン酸ナトリウム(Na2SeO3)やセレン酸ナトリウム(Na2SeO4)を用いることもできる。セレン化合物溶液はセレン化合物水溶液を用いることが好ましい。
前記セレン化合物の添加量は、得ようとするセレン化銅粉の組成に応じて決めればよい。例えば、CuSe粉を得ようとする場合には、銅粒子粉末1モルに対して、Seが1モルとなるような量のセレン化合物を添加すればよく、Cu2Se粉を得ようとする場合には、銅粒子粉末1モルに対して、Seが0.5モルとなるような量のセレン化合物を添加すればよい。
還元剤としては、ヒドラジン化合物を用いることができる。ヒドラジン化合物としては、不純物の少ないセレン化銅粉末をより容易に得る観点から、ヒト゛ラシ゛ン水加物(ヒドラジン一水和物、N24・H2O)が最も好ましいが、中性硫酸ヒト゛ラシ゛ン(N222・H2SO4や硫酸ヒト゛ラシ゛ン(N24・H2SO4)、等のヒドラジン化合物を用いることもできる。また、ホルマリン、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウムなど、銅イオン(I)(II)を金属銅に還元することができる還元剤であれば使用できる。
セレン化工程の液温は、20℃〜100℃とすることが好ましい。20℃未満では、還元が十分進まないおそれがあり、100℃超では、溶媒の蒸発が激しくなる。
添加する還元剤の量は、前記セレン化合物を金属セレンに還元できる量以上であればよい。
前記の銅粒子粉末と溶媒として、還元工程で得られた銅粒子粉末を含有する液を使用する場合、還元工程とセレン化工程での還元剤添加量の合計が、前記還元原料粉を金属銅に還元し、かつ、前記セレン化合物を金属セレンに還元できる量以上であればよい。この場合、還元剤の添加は、還元工程とセレン化工程双方でおこなってもよく、還元工程のみでおこなってもよい。
前記銅粒子粉末と溶媒とセレン化合物溶液と還元剤とを混合する際は、雰囲気を窒素等の不活性ガスとすることが好ましく、攪拌をおこなうことが好ましい。
前記のセレン工程では、反応中にセレン化合物が金属セレンの形態に変化した後、銅粒子と反応して、セレン化銅粉が生成することがわかっている。セレン化合物の代わりに金属セレン粉を添加しても、セレン化銅粉を得ることができる。
【0021】
(固液分離、乾燥)
セレン化工程で得られたセレン化銅粉を含有する液を固液分離し、セレン化銅粉のケーキを得る。固液分離の方法は、ろ過、遠心分離等、公知の方法でおこなうことができる。
不純物含有量の低いセレン化銅粉を得るために、前記ケーキを純水等で洗浄することができる。
前記で得られたケーキを乾燥することにより、セレン化銅粉を得ることができる。乾燥は、加熱乾燥や真空乾燥の方法でおこなうことができる。乾燥の雰囲気は、窒素等の不活性ガスとすることが好ましく、加熱乾燥の場合、乾燥温度は50℃〜200℃とすることができる。
【0022】
(セレン化銅粉)
本発明のセレン化銅粉末は、Cu2SeまたはCuSeで表される物質、およびこれらの混合物の粉末である。
セレン化銅粉中の炭素量は1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下が一層好ましい。炭素含有量が高い場合、セレン化銅粉末を含有するペーストを塗布・焼成してCIS膜を形成する際に、セレン化銅粉中のCの存在により、焼成が阻害されるおそれがある。
セレン化銅粉の平均1次粒径が10nm以上、0.5μm未満であることが好ましい。平均1次粒径が0.5μm以上の場合、セレン化銅粉末を含有するペーストを塗布・焼成して得られるCIS膜に空隙が生じやすくなることや、電気抵抗の低いCu2Seが残存するおそれがでることから、CIS膜に電気的な短絡が発生する原因となりうるので好ましくない。平均1次粒径が10nm未満の場合には、ペースト化した場合、凝集が激しく発生することがある。セレン化銅粉の平均1次粒径は、20nm〜0.3μmであることが更に好ましく、20nm〜0.2μmであることが一層好ましい。
【0023】
セレン化銅粉の最大1次粒子径は、2μm以下であることが好ましく、400nm以下であることが更に好ましい。最大1次粒子径が大きい場合には、電気抵抗の低いCu2Seが残存するおそれがでることから、CIS膜に電気的な短絡が発生する原因となりうる。本願では、試料をSEMの5000倍で撮影した画像中に1次粒子径が2μm超および400nm超の粒子が存在するかどうかについて確認し、その結果、1次粒子径が2μmを超える粒子が認められない場合、最大1次粒子径が2μm以下であると判定し、1次粒子径が400nmを超える粒子が認められない場合、最大1次粒子径が400nm以下であると判定した。
なお、本願で、1次粒子径が2μm以下の粒子からなるセレン化銅粒子粉末とは、前記の方法で1次粒子径が2μmを超える粒子が認められないセレン化銅粒子粉末である。
【0024】
セレン化銅粉の酸素含有量は、2質量%以下であることが好ましい。酸素含有量が高い場合には、セレン化銅粉末を含有するペーストを塗布・焼成して得られるCIS膜に酸化物が多く含まれるおそれがあり、酸化物が多く含まれる場合には、結晶成長を阻害するばかりか絶縁層を形成してしまうなどの不具合が発生することがある。セレン化銅粉の酸素含有量は、1質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0025】
セレン化銅粉の塩素およびヨウ素およびリン成分の濃度は、それぞれ、100ppm以下であることが好ましく、ナトリウム成分の濃度は1000ppm以下であることが好ましい。これらの不純物含有量が多い場合には、セレン化銅粉末を含有するペーストを塗布・焼成して得られるCIS膜中の結晶粒界にこれらの不純物が偏析することがあり、それによりCIS膜の半導体特性を悪化させるおそれがある。セレン化銅粉の塩素およびヨウ素およびリン成分の濃度は、それぞれ、10ppm以下であることが更に好ましく、5ppm以下であることが一層好ましい。セレン化銅粉のナトリウム成分の濃度は、100ppm以下であることが更に好ましく、50ppm以下であることが一層好ましい。
【実施例】
【0026】
[実施例1]
5Lヒ゛ーカーに、純水 675gを入れ、硫酸銅(CuSO4・5H2O)25g(0.1mol)を加えて、硫酸銅水溶液を準備した。別に、水酸化ナトリウム(NaOH)20gを純水280gに溶解した水酸化ナトリウム水溶液を準備し、前記硫酸銅水溶液を40℃に加熱し、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液をpHが9になるまで添加し、青色のスラリーを得た。
青色スラリーをろ紙(ADVANTEC製 GRADE 4A)でろ過してケーキを得た。得られたケーキをろ紙上で純水で充分洗浄して、青色ケーキを得た。青色ケーキを大気中、200℃で12時間乾燥し、茶褐色のCuO粉を得た。得られたCuO粉をTEM観察した結果、平均1次粒径は40nmであった。さらに、定量分析の結果、銅含量は78質量%、ナトリウム900ppm硫黄500ppmであり、塩素、ヨウ素は何れも1ppm以下であった。
本願では、元素含有量の定量分析は、以下の方法でおこなった。
(1) Cu、Se、P、Cl、I
試料を硝酸と硫酸の混酸で溶解し、ICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製SPS3520V)を用いて測定し、試料中の元素含有量を求めた。
(2) Na
試料を硝酸と硫酸の混酸で溶解し、原子吸光分析装置(株式会社日立製作所製Z-6100)を用いて測定し、試料中のNa含有量を求めた。
(3) O
酸素窒素同時分析装置(LECO社製 TC-436)を用いて、試料中のO含有量を測定した。
(4) C
波長分散型蛍光X線分析で、試料中のカーボン量を評価した。評価は、装置として、波長分散型蛍光X線分析装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、S8 TIGER)を用いて試料中のカーボン含有量を測定し、カーボン含有量を質量%で算出した。
【0027】
300mLビーカーに、純水200mLと前記酸化銅(CuO)粉1.79g(Cuとして0.0225mol)を入れ、窒素雰囲気下で攪拌を行い、酸化銅分散スラリーを得た。
前記酸化銅分散スラリーを80℃に昇温し、水加ヒドラジン(ヒト゛ラシ゛ン60wt%)6g(H2NNH2:0.112mol)を投入し、攪拌して、30分間80℃を維持した状態で熟成し、金属銅ナノ粒子が分散したスラリー(金属銅ナノ粒子スラリー)を得た。前記金属銅ナノ粒子スラリーに、二酸化セレン水溶液20ml(SeO2を2.14g(0.0225mol)含有)を添加した。スラリー温度を80℃で維持した状態で、更に10分間の熟成後、再度、水加ヒドラジン9.59g(H2NNH2:0.18mol)を添加し、スラリー温度を80℃で維持した状態で、60分間熟成を行い、黒色分散液を得た。この間、攪拌を継続した。
前記、黒色分散液をろ紙(ADVANTEC製 GRADE 4A)でろ過してケーキを得た。得られたケーキをろ紙上で純水で充分洗浄して、黒色ケーキを得た。尚、ろ過後の反応ろ液を分析したが、Cuは0.1ppm以下、Seは0.01ppm以下であった。
【0028】
前記黒色ケーキをAr雰囲気中、110℃で30分間乾燥し、セレン化銅粉末を得た。この粉末に対し、X線回折装置(X-Ray Diffractometer、以下XRD、(株)島津製作所製LabX XRD−6100)による測定を行った。CuSeのピークが認められ、得られたセレン化銅粉末は、CuSeであることが確認された。結果を図1に示す。
得られたセレン化銅粉末の平均1次粒径は、得られたセレン化銅粉末のSEM写真(50000倍)を撮影し、SEM写真上で、粒子100個の1次粒子径を測定し、その平均値を計算することにより求めた。なお、粒子の輪郭が全周にわたり確認できる粒子を測定対象とした。また、粒子の1次粒子径は、粒子像を二本の平行線で挟んだときの最小間隔を短軸径としたときに、短軸径に直交する2本の平行線で粒子像を挟んだときの間隔の長さ(長軸径)とした。結果を表1に示す。
得られたセレン化銅粉末について、各元素の含有量を測定した結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果、得られたセレン化銅粉末はCuSeであることが確認された。
【0029】
【表1】

【0030】
[実施例2]
酸化銅粒子スラリーを得る方法について、硫酸銅水溶液の温度を20℃とした以外は実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果は、実施例1と同様の結果であった。
なお、CuO粒子粉末の平均1次粒径は20nmであった。
【0031】
[実施例3]
酸化銅粒子スラリーを得る方法について、硫酸銅水溶液の温度を60℃とした以外は実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。また、X線回折測定の結果は、実施例1と同様の結果であった。
なお、青色ケーキを大気中、200℃で12時間乾燥してえられたCuO粉の平均1次粒径は120nmであった。
【0032】
[実施例4]
5Lヒ゛ーカーに、純水 675gを入れ、硫酸銅(CuSO4・5H2O)25g(0.1mol)を加えて、硫酸銅水溶液を準備した。別に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)20gを純水280gに溶解した炭酸ナトリウム水溶液を準備し、前記硫酸銅水溶液を40℃に加熱し、攪拌しながら炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるまで添加し、青色のスラリーを得た。
青色スラリーをろ紙(ADVANTEC製 GRADE 4A)でろ過してケーキを得た。得られたケーキをろ紙上で純水で充分洗浄して、青色ケーキを得た。青色ケーキを大気中、60℃で12時間乾燥し、青緑色の粉末を得た。
前記青緑色の粉末をX線回折で分析すると回折ピークがあらわれず、アモルファス構造をとっている。また、銅の分析値は54質量%であり、炭酸銅または塩基性炭酸銅であると推測される。なお、本願で塩基性酸化銅粉末とは、a(CuCO3)・Cu(OH)2(0.5≦a≦4)の組成を有する銅化合物粉末を指す。
前記青緑色の粉末をTEM観察した結果、平均1次粒径は40nmであった。さらに、定量分析の結果、銅含量は54質量%、ナトリウム1000ppm、硫黄500ppmであり、塩素、ヨウ素は何れも1ppm以下であった。
以降の工程について、酸化銅(CuO) 粉1.79gを、前記青緑色の粉末(Cu含有量54質量%)2.65g(Cuとして0.0225mol)に変更した以外は、実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果は、実施例1と同様の結果であった。
【0033】
[実施例5]
スラリー温度を80℃から30℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果は、実施例1と同様の結果であった。
【0034】
[実施例6]
二酸化セレン水溶液の添加量を20mLを10mLに変更し、二酸化セレン水溶液の添加後に添加する水加ヒドラジンの添加量を9.59gから4.8gに変更した以外は、実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果を図2に示す。得られたセレン化銅粉末はCu2Seであることが確認された。
【0035】
[実施例7]
300mLヒ゛ーカーに、純水200mLを入れ、塩化銅(CuCl2・2H2O)3.84g(0.0225mol)を窒素雰囲気下で加えて、塩化銅水溶液を準備した。別に、水酸化ナトリウム(NaOH)2.2gを純水50mLに溶解した水酸化ナトリウム水溶液を準備し、前記塩化銅水溶液を40℃に加熱し、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液全量を添加し、茶色のスラリーを得た。前記酸化銅分散スラリーを80℃に昇温し、水加ヒドラジンを添加する以降の工程は、実施例1と同様にして、セレン化銅粉末を製造して、評価した。結果を表1に示す。
得られたセレン化銅粉末の評価を実施例1と同様にしておこなった。結果を表1に示す。得られたセレン化銅粉末の粒径は小さかったが、塩素とナトリウムを多量に含有しており、上記の洗浄で、取り除くことができなかった。
【0036】
[比較例1]
Se粉末0.80g(Se:0.01mol)とTOP(trioctylphosphine)10mlを20℃で48時間攪拌し、TOP-Seの溶液を得た。窒素ガス雰囲気下で、TOPO(trioctylphosphine oxide)20gを100℃に加熱した。
CuCl(1.0g,0.01mol)を溶解したTOP(15ml)を、100℃に加熱したTOPOの中に投入した。温度を100℃で1時間維持した後、250℃まで加熱した。そこに、最初に作製したTOP-Seを添加し、250℃で24時間攪拌を続けた。反応液を60℃まで冷却後、メタノールを100mL加え、常温で24時間攪拌を行った。その後、沈殿物をフィルター濾過し、500mlのメタノールで洗浄し、黒褐色のケーキを得、乾燥して粉末を得た。得られた粉末の評価を実施例1と同様にしておこない、結果を表1に示す。得られた粉末は非常に小さい粒径を有していたが、リン、カーボン、塩素の残留が多く、洗浄により除去できなかった。
【0037】
[比較例2]
300mlビーカーに純水200mlを入れ、氷浴中(実温3〜5℃)で窒素を吹き込みながら攪拌を行った。そこにNa2Se粉末 3.0g( 0.024mol)を溶解させた。さらに塩化銅(CuCl2・2H2O)3.84g(Cu:0.0225mol)を溶解した水溶液100ml投入し、1時間攪拌を維持し、濃い茶褐色のスラリーを得た。スラリーはフィルター濾過できなかった為、200mlの遠沈管を用い、遠心沈降を行い、ケーキを得た。更にそのケーキに水を150ml投入し、超音波にて再分散を行い、再び遠心分離を行った。再分散の操作を5回繰り返し、ケーキの洗浄を行い、洗浄済みケーキを得た。
生成したケーキはSEM観察でアモルファス状、もしくは非常に小さい粒子であり、TEM写真で1次粒子を観測できず、粒子である場合でも、平均1次粒径は10nm未満であると判断された。また、X線回折もハローなパターンとなり、CuSeのピークは観測できなかった。しかし、化学分析の結果、CuとSeがほぼ1:1の状態で存在しており、生成した物質はアモルファス状のセレン化物であると予想された。生成したアモルファス状のセレン化物について、実施例1と同様に評価した結果、純度は、他の実施例に比較して低かった。
【0038】
[比較例3]
平均粒径40nmの酸化銅(CuO) 0.5g(Cu:0.0063mol)とSe粉末(アルドリッチ製)0.55g(Se:0.0069mol)を秤量し、100mlの容器に入れ、10分間震盪して混合した。酸化銅とセレン粉末を混合したものをセラミック製のホ゛ート゛に置き、H2雰囲気中、350℃で30分間焼成を行った。その後、焼成した粉末をボールミルで解砕し、セレン化銅粉末を得て、実施例1と同様の方法で評価した。生成したセレン化銅粉末は原料に用いた酸化銅粒子より大きく粒成長しており、平均1次粒径は700nmで、粒径は数百nm〜数μm程度の粒度分布を持っており、不純物量も多かった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係るセレン化銅粉末によれば、セレン化銅及びセレン化インジウムを塗布し、焼成によりCIS膜化させる方法では、セレン化銅膜を空隙の少ない均一な膜厚に制御することができ、また、セレン化銅とセレン化インジウムを混合ペーストにした後に塗布し、CIS膜化させる方法でも、セレン化インジウムと反応性の良いCIS膜を得られ、有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均1次粒径が10nm以上、500nm未満で、炭素含有量が1質量%以下であるセレン化銅粒子粉末。
【請求項2】
前記セレン化銅はCuSe、Cu2Se、またはCuSeとCu2Seとの混合物、である請求項1に記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項3】
1次粒子径が2μm以下の粒子からなる、請求項1または2に記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項4】
銅含有量とセレン含有量の和が98質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項5】
酸素含有量が2質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項6】
塩素含有量およびヨウ素含有量のそれぞれが100ppm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項7】
ナトリウムの含有量が1000ppm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項8】
リンの含量が100ppm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のセレン化銅粒子粉末。
【請求項9】
銅粒子粉末の懸濁液と、セレン含有液と、還元剤とを混合することによって反応させる、セレン化銅粒子粉末の製造方法。
【請求項10】
平均1次粒径が10〜400nmの銅粒子粉末の懸濁液と、セレン含有液と、還元剤とを混合することによって反応させる、セレン化銅粒子粉末の製造方法。
【請求項11】
平均1次粒径が10〜400nmの銅粒子粉末の懸濁水と、セレン化合物水溶液と、還元剤とを混合することによって反応させる、セレン化銅粒子粉末の製造方法。
【請求項12】
前記還元剤がヒドラジンまたはヒドラジン化合物である、請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項13】
前記反応の温度が20〜100℃である、請求項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
前記銅粒子粉末が、10〜60℃の銅塩水溶液にアルカリを添加して得られた粒子粉末をスラリーとし還元剤を添加して得られる、請求項9〜13のいずれかに記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−206899(P2012−206899A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74125(P2011−74125)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(506334182)DOWAエレクトロニクス株式会社 (336)