説明

セレン含有導電性ポリマー及び導電性ポリマーの製造方法

【課題】工業用途に有用なバンドギャップを示し、容易に水に分散でき、及び溶液中で安定して有用な保存期間を提供できる本質的に導電性のポリマーを提供する。
【解決手段】モノマー、オリゴマー、及びポリマー導電性化合物並びに下記式


の繰り返し単位を有する化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の対象は、本願と同日付の発明の名称「複素環式縮合セレノフェンモノマー」の米国特許出願と関連し、その開示は参照によってここに含まれる。
【0002】
本発明は、複素環式縮合環モノマーの重合体を含む導電性ポリマーを制限なく含む組成物、前記組成物の製造方法、及び前記組成物を利用する用途に関する。
【背景技術】
【0003】
チオフェン及び置換チオフェンモノマーから形成されたポリマーは、比較的低いバンドギャップ(Eg)を有し、測定可能な電気伝導率を示す。多くの場合に、そのようなポリマーは本質的に導電性のポリマーと呼ばれる。用語「バンドギャップ(Eg)」とは、伝導帯及び価電子帯と呼ばれる電子エネルギー準位間のエネルギー差をいう。バンドギャップは、ポリマーを作り上げるモノマーの構造などの様々な要因に応じた特定のポリマーによって生じる。例えば、ポリチオフェンは2.1eVのバンドギャップを示し、 ポリ(2‐デシルチエノ[3,4‐b]チオフェン)は0.92eVのバンドギャップを示し、ポリ(2‐フェニルチエノ[3,4‐b]チオフェン)は0.85eVのバンドギャップを示す。
【0004】
典型的には、ポリマー骨格に芳香族の繰り返し単位のみを有する導電性ポリマーは水に不溶である。その結果、典型的にはそのようなポリマーは有機溶媒を用いて処理される。幾つかの方法が、様々な有機溶媒中で本質的に導電性のポリマーの溶解度を上げるのに採用された。そのような方法は、(1)モノマーの誘導体を形成し、特定の有機溶媒中でのモノマーの側鎖の溶解度を増加させる工程、(2)オリゴマー共役系及び柔らかいスペーサーを利用することによりポリマー骨格を変性させる工程、及び(3)電荷補償ドーパントを利用する工程を含む。
【0005】
全体を参照することによりここに含まれる米国特許第5,300,575号明細書(575号特許)には、プラスチック成形品用の帯電防止塗料として使用するのに適したポリチオフェンの分散液が開示されている。これらのポリチオフェンは、典型的にはピロールの酸化重合に使用するのに適した酸化剤の存在下で及び/又はポリアニオンの存在下で酸素又は空気を用いて、対応するモノマーを重合することにより調製する。575号特許のポリチオフェンは、2.1eVのEgを有するポリ(チオフェン)よりも比較的低い1.7eVのEgを有する。
【0006】
575号特許のポリチオフェンは、ポリ(スチレンスルホン酸)の存在下で3,4‐エチレンジオキシチオフェンを重合することにより調製する。ポリ(スチレンスルホン酸塩)が電荷補償ドーパントとして機能するアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の両方を用いて、生成した線状ポリマーを精製する。ポリ(スチレンスルホン酸塩)が水に溶解し、カチオン性ポリマー骨格と強いイオン相互作用を示すので、生成したポリマーは水中でコロイド分散液を形成する。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5300575号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
工業用途に有用なバンドギャップを示し、容易に水に分散でき、及び溶液中で安定して有用な保存期間を提供できる本質的に導電性のポリマーが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は縮合複素環基を含む新規な単一化合物、オリゴ化合物及びポリマー化合物に関する。さらに本発明は、それらを光学、電子光学又は電子デバイスでの半導体又は電荷輸送材料として利用することに関する。さらに本発明は、その新規化合物を含む光学、電子光学又は電子デバイスに関する。
【0010】
本発明は複素環式縮合環モノマー単位の重合単位から形成された組成物を含む。本発明の一の実施形態では、本発明は下記式P1の繰り返し単位を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー組成物を提供する。
【0011】
【化1】

【0012】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含んでもよく、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されてもよい。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、Fを挙げることができる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である。ポリマーは官能性又は非官能性末端基からそれぞれ選択される末端基を含んでよい。本発明の繰り返し構造は実質的に同一で、ホモポリマーを形成してよく、又は共重合に適したモノマーを選択することによりコポリマー性になることもできる。繰り返し単位は、本技術分野で知られた任意の適切な態様で終端となることができるし、官能性又は非官能性末端基を含むことができる。さらに、分散液及び溶液はP1及びポリマー酸をドープしたP1の組成物を含む。一の実施形態では、組成物はP1のポリマー酸ドープ型ポリマーの水分散液を含む。
【0013】
本発明のコポリマーとしては、下記式C1の繰り返し単位を有するモノマー、オリゴマー及びコポリマー化合物が挙げられる。
【0014】
【化2】

【0015】
式中、X、Y及びRは上記式P1の定義と同様であり、n及びmは 独立して選択された整数であり、n+mの合計は2以上であり、幾つかの場合には4を超える。末端基は官能性又は非官能性末端基からそれぞれ選択される。一の実施形態では、nは1でよい。Rは式P1で定義した基と同様である。コポリマーのn単位の部分構造及びm単位の部分構造は、限定されるものではないが、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、及びデンドリマー構造を含むコポリマーを作り上げる任意の方法で調整できる。式C1構造中のMoは、限定されるものではないがチエノ[3,4‐b]チオフェン、及び置換チオフェンを含む式C1のn単位の部分構造と共重合できる任意の電気活性又は電気不活性(non‐electroactive)モノマーでよい。
【0016】
一つのポリマーはポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)からなる。本発明のポリマーとしては、さらに電気活性モノマーの重合単位を含むコポリマーが挙げられる。電気活性モノマーは、チオフェン、チエノ[3,4‐b]チオフェン、チエノ[3,2‐b]チオフェン、置換チオフェン、置換チエノ[3,4‐b]チオフェン、置換チエノ[3,2‐b]チオフェン、ジチエノ[3,4‐b:3’,4’‐d]チオフェン、セレノフェン、置換セレノフェン、ピロール、ビチオフェン、置換ピロール、フェニレン、置換フェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、ビフェニル、テルフェニル、置換テルフェニル、フェニレンビニレン、置換フェニレンビニレン、フルオレン、置換フルオレンからなる群から選択してよい。電気活性モノマーに加えて、本発明のコポリマーは電気不活性モノマーの重合単位を含んでよい。
【0017】
本発明のポリマーはセレノロ[2,3‐c]チオフェンの重合単位を含んでよく、さらに官能性末端基であるセレノロ[2,3‐c]チオフェンを含むオリゴマー、3,4‐エチレンジオキシチオフェンの重合単位及びピロールの重合単位を含んでよい。
【0018】
従来のp‐ドーパント又はn‐ドーパントを本発明のポリマーにドープして、ポリマーの電気的性質を変性できる。
【0019】
本発明の導電性ポリマー及びそれから形成された組成物は、導電性ポリマーが有用であるような任意の目的に使用できる。 例えば、本発明の組成物は、エレクトロクロミック及びエレクトロルミネッセンスディスプレイ、電解コンデンサ、光透過性又は非透過性電極、マイクロプロセッサなどの電子感応装置のEMIシールド用の導電性ポリマー筐体、赤外線、ラジオ周波及びマイクロ波吸収シールド、柔軟性導電コネクタ、導電性ベアリング、ブラシ及び半導体の光導電体接合、電極、鉄のような腐食性材料に用いる光透過性又は非透過性の腐食防止塗装、帯電防止材料及び電子部品を包装する又は保護するための光透過性又は非透過性塗装、カーペット繊維、コンピューター室の床用ワックス、ディスプレイの帯電防止仕上げ、自動車、飛行機、及び建物の太陽エネルギー制御に用いる窓の被覆、電子機器などに用いるコンテナの静電散逸的な包装及び取り扱いなどの様々な産業用途に利用できる。
【0020】
本発明の別の実施形態は、下記式M1のモノマー又はオリゴマー構造単位から形成されたポリチオフェン及びポリセレノフェンに関する。
【0021】
【化3】

【0022】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、Fが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である。W及びW’はH、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、及びI)、有機金属(例えば、MgCl、MgBr、MgI、Sn(R)であり、RはC1−6アルキル基又はC1−6アルキルエーテル基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、ビニル単位(例えば、‐CH=CHR)であり、RはH又はC1−6アルキル基、エーテル(すなわち、‐OC1−6アルキル)、エステル(すなわち、‐COOC1−6アルキル)、‐S‐COR及び‐CORであり、RはH又はC1−6アルキル、‐C≡CH、並びにフェニル、ナフタレン、ピロール、及びチオフェンのような重合性芳香環である。
【0023】
本発明の別の実施形態は導電性ポリマー及びコポリマーの製造方法を含む。上記のモノマーの重合反応は、幾つかの反応機構の1つによって起こり得る。本発明に使用するのに適した反応としては、1)水相/酸化剤重合、2)有機溶媒相/酸化剤重合、3)水相/有機相/酸化剤重合、4)金属触媒重合、5)電気化学重合及び6)固体重合が挙げられる。
【0024】
本発明の実施形態は、セレノロ[2,3‐c]チオフェンの重合単位を含むポリマーを形成するのに十分な反応条件下、水、ポリアニオン及び酸化剤の存在下でセレノロ[2,3‐c]チオフェンを反応させる工程を含むので、セレノロ[2,3‐c]チオフェンの重合単位を含む。水相反応に使用するポリアニオンは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリホスホン酸、ポリリン酸、NAFION(登録商標)のようなフッ素化スルホン酸ポリマー、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸及びポリビニルスルホン酸からなる群から選択してよい。使用される酸は、異なる物理的及び電気的性質を提供するために分子量が変わる場合がある。さらにスルホン酸のスルホン化度も、同様に分散液の物理的及び電気的性質を調整するために幅広く変わる場合がある。水相及び有機相反応に使用される酸化剤は、Fe(SO、FeCl、Fe(ClO、H、KCr、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過マンガン酸カリウム、四フッ化ホウ酸銅、ヨウ素、空気及び酸素からなる群から選択してよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一の実施形態において、組成物を容易に調製し、容易に貯蔵し、有機溶媒から形成された分散液の使用に関する環境問題を減少させる又はなくすことができるのは、本発明のポリマー組成物の利点である。例えば、本発明の組成物の水系分散液を従来の方法によりキャストして、エレクトロクロミックディスプレイ、光透過性電極及び帯電防止塗料などの多数の用途に有用性を持つ均一な薄膜を提供できる。
【0026】
重合反応中にモノマー成分を好ましく配列して重合反応を行い、有用なバンドギャップなどの好ましい電気的性質を有する本質的に導電性のポリマーを提供することが本発明の別の利点である。
【0027】
本発明のポリマーが、限定されるものではないが、正孔注入材料、電荷輸送材料、半導体、及び/又は導体、光学、電気光学若しくは電子デバイスでは、ポリマー発光ダイオード(略してPLED)、エレクトロルミネッセンス素子、有機電界効果トランジスタ(略してFET又はOFET)、フラットパネルディスプレイ用途(例えばLCD)、無線IC(略してREID)タグ、印刷エレクトロニクス、超コンデンサ、有機太陽電池(略してOPV)、センサー、レーザー、低分子若しくはポリマー系メモリーデバイス、電解コンデンサ、耐食性塗装など、或いは水素貯蔵材料のような様々な製品を形成できるのは、本発明のまた別の利点である。
【0028】
一例として本発明の本質を説明する添付図面を併用すると、下記の特定の実施形態のより詳細な説明から本発明の他の特徴及び利点が理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明としては、縮合複素環式環状構造モノマーの重合単位を含む本質的に導電性のポリマーを含む組成物が挙げられる。ここでは、ポリマーは複素環式縮合モノマー構造繰り返し単位の重合単位を有する組成物を意味するものとする。本発明の実施形態のポリマーは、線状、分岐又は架橋ポリマー構造でよい。これらの組成物は、多数の最終用途にとって好ましい様々な性質を示すように調製できる。
【0030】
より詳細には、そのような組成物は、下記式P1の繰り返し単位を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー及びコポリマー化合物を含む。
【0031】
【化4】

【0032】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、Fが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である。さらに、分散液及び溶液はP1及びポリマー酸をドープしたP1の組成物を含む。一の実施形態では、組成物はP1のポリマー酸ドープ型ポリマーの水分散液を含む。
【0033】
ここでは、セレノロ[2,3‐c]チオフェン‐2,5‐ジイル及びセレノロ[2,3‐c]チオフェンは下記構造を意味するものとする。
【0034】
【化5】

【0035】
ここでは、セレノロ[3,4‐b]チオフェン‐2,5‐ジイル及びセレノロ[3,4‐b]チオフェンは下記構造を意味するものとする。
【0036】
【化6】

【0037】
ここでは、セレノロ[2,3‐b]セレノフェン‐2,5‐ジイル及びセレノロ[2,3‐b]セレノフェンは下記構造を意味するものとする。
【0038】
【化7】

【0039】
ここでコポリマーは、複素環式縮合モノマー構造繰り返し単位の重合単位、及び複素環式縮合モノマー構造とは異なるモノマーの重合体を有する組成物を意味するものとする。本発明の組成物は上記のホモポリマー構造に限定されないし、ヘテロポリマー又はコポリマー構造を含んでよい。コポリマー構造は、交互ポリマー(例えば、単位A及びBが交互になっている)、周期コポリマー(例えば、(A‐B‐A‐B‐B‐A‐A‐A‐A‐B‐B‐B))、ランダムコポリマー(例えば、モノマーA及びBのランダムな配列)、統計コポリマー(例えば、統計的法則に従うポリマー配列)及び/又はブロックコポリマー(例えば、共有結合により結合した1つ又は2つ以上のホモポリマー部分構造)のいかなる組み合わせでもよい。コポリマーは、生成したコポリマーが電気伝導性を維持しているならば、分岐又は架橋してよい。
【0040】
ここで用語「基板」は、本発明の組成物を堆積させるのに適した固体材料(軟質でも硬質でもよい)を意味するものとする。基板は、限定されるものではないが、ガラス、有機ポリマー、プラスチック、ケイ素、鉱物、半導体材料、セラミック、金属、酸化物、合金などを含む材料から形成できる。基板は導電性又は絶縁性でよい。
【0041】
ここで用語「電気活性モノマー」は、重合又は共重合して電気伝導性、半導体性、エレクトロルミネッセンス、エレクトロクロミック又は光起電性のような導電性を有するポリマーを得ることができるモノマーを意味するものとする。
【0042】
ここで用語「電気不活性モノマー」は、電気活性モノマーの定義で説明された性質を示さずに重合又は共重合できるモノマーを意味するものとする。
【0043】
ここで用語「バンドギャップ」は、伝導帯及び価電子帯と呼ばれる電子エネルギー準位間のエネルギー差を意味するものとする。
【0044】
ここで用語「置換」は、組成物について使われるときには、その組成物に付加された電子の豊富な基又は電子の不足した基を意味するものとする。有用な置換基としては、限定されるものではないが、H、ヒドロキシル、アリール、フェニル、シクロアルキル、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアリール、ピリジル、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシル、スルホキシル、スルホニル、アミド、及びカルボニルが挙げられる。
【0045】
ここで用語「ヘテロアリール」は、限定されるものではないが、ピリジン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、又は他の類似の環状構造のような環状構造特性を有する化合物を意味するものとする。また、ヘテロアリール基は、それ自体が付加的な置換基(例えば、この定義で開示された置換基)を有する置換基でよい。
【0046】
ここで用語「アリール」は、ベンゼン、 ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどの環状構造特性(例えば、ベンゼンの炭素6員環又は他の芳香族誘導体の縮合炭素6員環)を有する化合物を意味するものとする。例えば、アリール基はフェニル(例えばC)又はナフチル(C10)でよい。また、アリール基は、それ自体が付加的な置換基(例えば、この定義で開示された置換基)を有する置換基でよい。
【0047】
ここで用語「アルキル」は、構造式から水素1個を抜くことによりアルカンから導くことができるパラフィン系炭化水素基を意味するものとする。例えば、メチル(CH‐)、エチル(C‐)、プロピル(CHCHCH‐)、イソプロピル((CHCH‐)及びtert‐ブチル((CHC‐)である。
【0048】
ここで用語「ハロゲン」は、周期表のVIIA族の電気陰性元素(フッ素、塩素、臭素及びヨウ素)の1つを意味するものとする。
【0049】
ここで用語「ペルフルオロアルキル」は、全ての水素原子がフッ素原子によって置換されたアルキル基を意味するものとする。
【0050】
ここで用語「ペルフルオロアリール」は、全ての水素原子がフッ素原子によって置換されたアリール基を意味するものとする。
【0051】
ここで用語「スルホキシル」は、組成式RS(O)‐の基(式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアリール基である)を意味するものとする。例としては、限定されるものではないが、メチルスルホキシル、フェニルスルホキシルなどが挙げられる。
【0052】
ここで用語「スルホニル」は、組成式RS(O)‐の基(式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、又はペルフルオロアリール基)を意味するものとする。例としては、限定されるものではないが、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、p‐トルエンスルホニルなどが挙げられる。
【0053】
ここで用語「アシル」は、カルボキシル基の‐OH(ヒドロキシル)が別の置換基によって置換されて構造式R(C=O)‐を形成する有機酸基を意味するものとする。例としては、限定されるものではないが、アセチル、ベンゾイルなどが挙げられる。
【0054】
ここで用語「α位」は、任意の既知の重合法による重合を可能にする結合、環状部位、置換基又は他のポリマー成長部位を意味するものとする。
【0055】
本発明の一の実施形態に有用なモノマーとしては、線状に成長した及び/又は分岐したポリマーを形成するための3つのα位を含むセレノロ[2,3‐c]チオフェンが挙げられる。本発明のこの実施形態のポリマーは、下記式M2で表されるモノマーのα位(アスタリスクで表示されている)で反応を行うことにより、セレノロ[2,3‐c]チオフェンから成長して重合単位を形成することができる。
【0056】
【化8】

【0057】
M2モノマーの反応性α位は、追加のM1モノマーと反応して重合単位のホモポリマーを形成できるか、又は1つ若しくは2つ以上の追加の電気活性モノマー若しくは電気不活性モノマーと反応してランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、及びデンドリマー構造体などのコポリマーを形成できる。
【0058】
同様に、セレノロ[2,3‐c]チオフェンモノマーに関して上記で示した及び説明した3つのα位を持つ構造は、セレノロ[3,4‐b]チオフェン及びセレノロ[3,4‐b]セレノフェンに適用できる。さらに、上記構造は置換基及び/又はコポリマー構造を含んでよい。
【0059】
電気活性モノマーは、チオフェン、チエノ[3,4‐b]チオフェン、チエノ[3,2‐b]チオフェン、置換チオフェン、置換チエノ[3,4‐b]チオフェン、置換チエノ[3,2‐b]チオフェン、ジチエノ[3,4‐b:3’,4’‐d]チオフェン、セレノフェン、置換セレノフェン、ピロール、ビチオフェン、置換ピロール、フェニレン、置換フェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、ビフェニル及びテルフェニル、置換テルフェニル、フェニレンビニレン、置換フェニレンビニレン、フルオレン、置換フルオレンからなる群から選択してよい。電気活性モノマーに加えて、本発明のコポリマーは電気不活性モノマーの重合単位を含んでよい。
【0060】
本発明の一の実施形態は、下記式C1の繰り返し単位を有するコポリマーを含む。
【0061】
【化9】

【0062】
式中、X、Y及びRは上記式P1の定義と同様であり、n及びmは独立して選択された整数であり、n+mの合計は2以上であり、幾つかの場合には4を超える。末端基は官能又は非官能末端基からそれぞれ選択される。一の実施形態では、nは1でよい。Rは式P1で定義した基と同様である。コポリマーのn単位の部分構造及びm単位の部分構造は、限定されるものではないが、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、及びデンドリマー構造を含むコポリマーを作り上げる任意の方法で調整できる。式C1構造中のMoは、限定されるものではないがセレノロ[3,4‐b]チオフェン、セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びセレノロ[3,4‐b]セレノフェン並びに任意の他のヘテロアリール又はアリールを含む式C1のn単位の部分構造と共重合できる任意の電気活性又は電気不活性モノマーでよい。
【0063】
上記の式C1中のMoに使用してよく、本発明のポリマーに含有させてコポリマーを形成してもよい置換チエノ[3,4‐b]チオフェンは次式で表される。
【0064】
【化10】

【0065】
式中、RはC〜C12第一、第二又は第三アルキル基、フェニル、置換フェニル、シクロヘキシル、ナフタレン、ヒドロキシル、アルキルエーテル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアリール、及びスルホン酸から選択してよい。
【0066】
上記の式C1中のMoに使用してよく、本発明のポリマーに含有させてコポリマーを形成できる追加の置換チオフェンは次式で表される。
【0067】
【化11】

【0068】
式中、XはS、O、Se、又はNHを示す。
【0069】
上記の式C1中のMoに使用して、本発明のポリマーに含有させてコポリマーを形成する追加の置換チオフェンは次式で表される。
【0070】
【化12】

【0071】
式中、R及びRは、H、C1‐C4アルキル基、1,2‐シクロヘキシレンラジカル、フェニル置換フェニルなどからなる群からそれぞれ選択される。
【0072】
本発明の組成物は、官能化された及びブロックコポリマーに含有させられるか本技術分野で知られた二官能性反応物とカップリングさせられた(例えば、ヒドロキシル末端基はジイソシアネート又は酸塩化物とカップリングできた)末端基である複素環式縮合環モノマーを含むオリゴマーも意図している。そのようなオリゴマーは、本発明の組成物の共役長を制御するための使い易い方法を提供する。オリゴマー構造中の共役長は、様々な用途で好ましい性質を得るために変えることができる。
【0073】
本発明の組成物は、電気不活性モノマーの存在が生成した組成物の電気活性に悪影響を与えないならば、セレノロ[2,3‐c]チオフェンと重合できる電気不活性モノマーの繰り返し単位を含んでもよい。
【0074】
本発明の組成物は、水、水混和性有機溶媒又は有機溶媒の混合物中で所望のポリマー(コポリマー及びオリゴマーを含む)を形成する又は溶解させることにより分散液として利用できる。本発明の組成物を含む分散液は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロール・ツー・ロール印刷法、スピンコート、メニスカス及び浸漬塗装、スプレー塗装、はけ塗り、ドクターブレード塗布、カーテンキャストなどを含む従来法によって塗布できる。溶液又は分散液に含まれるポリマー(コポリマー及びオリゴマーを含む)の量は、組成物の分子量及び最終用途などの様々な要因によって変えてよい。分散液に含まれる組成物の実際の量は、必要以上の実験を行うことなく容易に決められる。
【0075】
溶媒を除去するための蒸発などの従来技術により分散フィルムを乾燥して、好ましいフィルムを提供することができる。乾燥は、室温又は生成フィルムの性質に悪影響を与えない任意の温度で行ってよい。しかし、より高い処理速度を得るためには、生成フィルムの性質に悪影響を与えない温度である限り、フィルムを高温で乾燥してよい。しかし、処理条件及び具体的なポリマー又はオリゴマーにもよるが、より高い温度が好ましいであろう。
【0076】
本発明の組成物は、帯電防止塗料、導電性塗料、エレクトロクロミックデバイス、光起電デバイス、発光ダイオード、フラットパネルディスプレイ、感光性電気回路、印刷可能な電気回路、薄膜トランジスタデバイス、バッテリー、電気スイッチ、被覆コンデンサ、耐食塗装、電磁波シールド、センサー、LED光源及び他の光電子工学品(光電子工学は、光の物理学を電気学と結びつけた技術分野である。光電子工学は、電気信号を光子信号に変換し、その逆も行うハードウェアデバイスの設計製作のような研究を包含する。電気から光への又は光から電気への変換器として動作するデバイスはいずれも光電子デバイスと見なされている)などの様々な従来用途に利用できる。本発明の組成物の電気伝導性は、必要ならば、前述のいずれかの用途の要求に応えるために、本技術分野で知られた従来の酸性ドーパント(p‐ドーパント)及び塩基性ドーパント(n‐ドーパント)をこれらの組成物にドープすることによって容易に改良できる。
【0077】
適切なp‐ドーパントとしては、HCl、HNO、HSO、HPO、HBr、HIのような鉱酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ショウノウスルホン酸、有機酸染料、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、例えばポリ(スチレンスルホン酸)及びコポリマーなどのスルホン酸ポリマーのような有機スルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、アジピン酸、アゼライン酸、シュウ酸、及びポリ(アクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(メタクリル酸)のようなポリカルボン酸ポリマーのようなカルボン酸、ホスホン酸、リン酸、フッ素化イオン交換ポリマー(例えばNafion(登録商標))並びにこれらの酸を含むコポリマーが挙げられる。本発明の組成物の好ましい電気活性の特徴を得るために、鉱酸/有機酸のような従来の混合ドーパントを利用することもできる。
【0078】
p型ドープを行うことができる一方、限定されるものではないがNa、K、Li及びCaなどの従来の塩基性ドーパントで本発明の組成物をn型ドープすることもできる。他の適切なドーパントとしてはI、(PF、(SbF、及びFeClが挙げられる。
【0079】
本発明の組成物は、発光ダイオード(LED)の特定の成分を加工するための使用に最適である。典型的にはLEDは、基板、並びにインジウムスズ酸化物(ITO)アノード、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及びカソードなどの多数の層を有する。本発明のp型ドープ組成物は、LEDのインジウムスズ酸化物アノードの後継種として最適である。本発明のp型ドープ組成物は、LEDの正孔注入層として利用するのにも最適である。本発明の非ドープ組成物は、LEDの正孔輸送層、発光層及び/又は電子輸送層に利用できる。本発明のp型ドープ組成物は、有機光電池のインジウムスズ酸化物電極の後継種として最適である。本発明のp型ドープ組成物は、有機光電池の正孔抽出層として使用するのにも最適である。本発明の非ドープ組成物は、有機光電池の正孔輸送層、光吸収層及び/又は電子輸送層に利用できる。本発明のp型ドープ組成物は、電解コンデンサの酸化マンガン電極の後継種として最適である。
【0080】
例えばレーザー色素、他の電気活性ポリマー、電気活性有機金属化合物などの正孔輸送又は電子輸送材料のような他の電気活性材料と本発明の組成物の混合物も本発明として具体化されている。
【0081】
本発明の組成物は、光透過性電極、透明な導電性粘着剤、ステルス塗料、透明なEMFシールド、タッチスクリーン、フラットスクリーンディスプレイ、携帯用途の平面アンテナ、透明な蓄電板などに使用する光透過性導電性塗料を調製するのに利用することもできる。本発明のポリマーの付加的な用途としては、限定されるものではないが、正孔注入材料、電荷輸送材料、半導体、及び/又は導体、光学、電気光学若しくは電子デバイスでは、ポリマー発光ダイオード(略してPLED)、エレクトロルミネッセンス素子、有機電界効果トランジスタ(略してFET又はOFET)、フラットパネルディスプレイ用途(例えばLCD)、無線IC(略してREID)タグ、印刷エレクトロニクス、超コンデンサ、有機太陽電池(略してOPV)、センサー、レーザー、低分子若しくはポリマー系メモリーデバイス、電解コンデンサ、或いは水素貯蔵材料を挙げることができる。
【0082】
光起電デバイスはLEDと明確な類似点を有し、本発明の組成物を用いて同様に製造できる。LEDデバイスの光を生むためにデバイスを横切って印加された電圧の代わりに、光の入力(例えば太陽光)がデバイスを横切って電圧差を生み、電流を作る。LEDと光起電デバイスの層は似ているが、等しくはない。集光有機物又はポリマーは、所望によりアノード及びカソードの間に設置された正孔輸送/電子輸送層と中間層を含む。本発明の組成物は、アノード及び(ドープされた)正孔注入層として又は(ドープされていない)集光層に利用できる。
【0083】
光電池は、電磁波線を電気エネルギーに変換する電気化学的デバイスを含む。理論に結び付けようとしなくても、(励起状態を作り出す、励起子と呼んでもよい)光子の吸収後に起こる電荷分離現象によって、この変換は行われるであろう。典型的には、n型半導体と密接に接触したp型半導体のような半導体ドメインは、2本の電極(少なくとも1本の電極は、光子を通過させるのに十分な透過性を有する)間の1層又は2層以上の活性層に挟まれている。
【0084】
光電池は、少なくとも4つの構成要素を含み得るが、その内の2つは電極である。1つの構成要素は、プラスチック又はガラス基板上のインジウムスズ酸化物層のような透過性の第一の電極である。この層は、電荷キャリヤー、典型的にはアノードとして機能する。さらに、アノードは外光をデバイスに入れる。別の構成要素としては、典型的にはカルシウム又はアルミニウムのような金属から加工された第二の電極が挙げられる。プラスチック又はガラスシートのような支持面上にこの金属を塗装してもよい。第二の電極も電流を伝える。これらの電極間には、分離層又はp型半導体及びn型半導体の混合体などの第三及び第四の構成要素がある。p型材料は集光成分又は集光層と見なすことができる。p型材料は、特定のエネルギーの光子を吸収し、電子が励起エネルギー状態に遷移する状態を生む。電子は基底状態のエネルギー準位の正電荷又は「正孔」から離れて遷移する。本技術分野で知られているように、これは励起子形成として知られている。励起子はp型材料及びn型材料間の接合部に移動し、電荷分離又は励起子の分離を起こす。電子及び正孔の電荷がn型材料及びp型材料を通過してそれぞれの電極に導かれるので、電池から電流が流れる。p型半導体は、限定されるものではないが、セレノロ[3,4‐b]チオフェン、セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びセレノロ[3,4‐b]セレノフェンを含有するオリゴマー、コポリマー及びポリマーなどの本発明の実施形態のオリゴマー、コポリマー又はポリマー材料を含む材料の混合物又は混和物を含んでよい。n型成分は、例えば炭素フラーレン、二酸化チタン、カドミウムセレン、及びポリマー並びに実質的にn型挙動を示すように設計された低分子などの強い電子親和力を有する材料を含んでよい。
【0085】
説明した水分散液は、有機発光ダイオードの正孔注入層として使用できる。通常は、これらのデバイスは図1に示した積層図で最も良く表される。有機発光素子は様々な材料の層を大量に含み、好ましい効果を得ることができる。通常、デバイスは基板(1)、アノード(2)、正孔注入層(4)、発光ポリマー(6)、及びカソード(8)からなる。中間層は図1で表した様々な層の間に設置してよい。さらに、正孔注入層(3)は、正孔注入層(3)だけでなくアノード(2)として機能させて、デバイス構造をより簡易化してもよい。
【0086】
説明した水分散液は、光起電デバイスの正孔注入層としても使用できる。通常は、これらのデバイスは図2に示した積層図で最も良く表される。光起電デバイスは様々な材料の層を大量に含み、好ましい効果を得ることができる。通常、このデバイスは基板(1)、所望によりアノード(2)、所望により中間層(3)、正孔注入(正孔抽出)層(4)、所望により中間層(5)、活性層(電子供与体及び電子受容体材料の混合物)(6)、所望により中間層(7)及びカソード(8)からなる。中間層は図2で表した様々な層の間に設置してよい。
【0087】
本発明の組成物は、本技術分野で知られた従来の基板を横切る電圧の印加によって透明基板中の光の透過を可能にする又は防止するエレクトロクロミックデバイスを作るのに利用できる。本発明の組成物の他の使用としては、電磁波シールド及び防眩ミラーが挙げられる。
【0088】
本発明のドープ組成物は、水系若しくは有機溶媒系の溶液又は分散液として(定義の段落で列挙された)基板に塗布される帯電防止塗料に利用できる。そのような帯電防止塗料としては、導電性及びフィルム物性(例えば、適切な基板への粘着力)の均衡を得るための乳濁液を含む他のポリマーとの混合物を挙げることができる。本発明の組成物は、帯電防止塗装及び電気めっき法、印刷可能な電気回路、感光性電気回路、半導体デバイスなどに用いる上記で示した様々な基板などの様々な商品を導電性にするために、それらの商品に加える塗料又は添加剤としても利用できる。
【0089】
さらに、本発明は式P1の構造単位からなるポリマーを含む光起電デバイスに関する。この光起電デバイス型は下記構造を含んでよい。
第一層:
プラスチック又はガラス基板上のインジウムスズ酸化物層のような酸化物を含む電極、
第二層:
ドープ型導電性ポリマー及びポリアニオン(すなわちPEDOT/PSS)を含む水分散液から形成された導電性フィルム、
第三層及び/又は第四層:
p型半導体及びn型半導体の分離層又は混合物(ただしp型材料は下記繰り返し構造P1を有するモノマー、オリゴマー、コポリマー又はポリマー材料を含む。
【0090】
【化13】

【0091】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、又はFが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)、及び
第四層:
典型的にはカルシウム又はアルミニウムのような金属から作られた第二の電極。
【0092】
さらに、本発明は式P1の構造単位からなるポリマーを含む光起電デバイスに関する。この光起電デバイス型は下記構造を含んでよい。
第一層:
プラスチック又はガラス基板上のインジウムスズ酸化物層のような酸化物を含む電極、
第二層:
セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びフッ素化スルホン酸ポリマーのドープ型重合単位を含む水分散液から形成された導電性フィルム、
第三層及び/又は第四層:
p型半導体及びn型半導体の分離層又は混合物(ただしp型材料は下記繰り返し構造P1を有するモノマー、オリゴマー、コポリマー又はポリマー材料を含む。
【0093】
【化14】

【0094】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、又はFが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)、及び
第四層:
典型的にはカルシウム又はアルミニウムのような金属から作られた第二の電極。
【0095】
さらに、本発明は式P1の構造単位からなるポリマーを含む光起電デバイスに関する。この光起電デバイス型は下記構造を含んでよい。
第一層:
プラスチック又はガラス基板上のインジウムスズ酸化物層のような酸化物を含む電極、
第二層:
セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びフッ素化スルホン酸ポリマーのドープ型重合単位を含む水分散液から形成された導電性フィルム、
第三層及び/又は第四層:
p型半導体(p型材料はポリチオフェン及び/又はポリセレノフェンである)及びn型半導体(n型半導体はフラーレン及び/又は低分子及び/又はオリゴマー/ポリマーn型半導体である)の分離層又は混合物、
第四層:
典型的にはカルシウム又はアルミニウムのような金属から作られた第二の電極。
【0096】
本発明の特定の実施形態が透過性/導電性材料のような組成物の使用に関連する一方で、本発明の組成物を主成分とする導電性の非透過性塗料には、透明性は重要ではないが電気伝導性が重要な具体的な用途の実用性がある。帯電防止塗装のような特定の用途では、様々な導電塗料性だけでなく透明性まで失う結果となるであろう色素沈着を必要とすることがある。一般に、これらの材料を用いるプリント基板も透明性を必要としないであろう。
【0097】
本発明は、電解コンデンサ中の固体電解質としての特定のポリチオフェン及びポリセレノフェン(例えば式P1)の使用、並びに固体電解質としてこれらのポリチオフェン及びポリセレノフェンを含む電解コンデンサに関する。特に、本発明の特定の実施形態は、限定されるものではないが、式P1の材料を含むセレノロ[3,4‐b]チオフェン、セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びセレノロ[2,3‐c]セレノフェンなどのオリゴマー、コポリマー及びポリマーの水分散液を含む。
【0098】
さらに本発明は、式P1の構造単位からなるポリマーを固体電解質として含む電解コンデンサに関する。この固体電解コンデンサ型は下記構造を有する。
第一層:
例えばアルミニウム、ニオブ又はタンタルのような易酸化性金属箔、
第二層:
金属酸化物層、
第三層:
下記繰り返し構造P1を有する導電性モノマー、オリゴマー、コポリマー又はポリマー材料
【0099】
【化15】

【0100】
(式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、又はFが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)、及び必要に応じて、
第四層:
例えば、導電性の銀、銅又はカーボンブラックを充填した塗料などの電流の良導体である物質の薄層のような接触部。
【0101】
上記コンデンサは式P1のポリマーについて説明したが、コポリマーを使用してもよい。本発明は、特に電解コンデンサの固体電解質として最適な特定のチオフェンの酸化重合により得ることができるポリチオフェンを含む。これらの特定のポリチオフェンは、それらの導電性に影響を与えることなく、電解コンデンサ中のアノードとして使用される金属箔に、著しく単純な態様で粘着的に塗布できるので、例えば高い、実質的に周波数に依存しない静電容量のような素晴らしい電気的性質、さらには低い誘電損失及び低い漏れ電流によって区別されるコンデンサを提供できる。
【0102】
本発明に使用されるポリチオフェン及びポリセレノフェンは、酸化物塗料で被覆された及びアノードとして使用された金属箔の側面上で直接製造してもよい。ある場合には、これらの箔はアルミニウム、ニオブ又はタンタルから作られる。必要に応じて、酸化物で被覆された金属箔の側面上にそれぞれ交互に又は、適切には同時に必要ならば溶液状のセレノロ[2,3‐c]チオフェン‐2,5‐ジイル、セレノロ[3,4‐b]チオフェン‐2,5‐ジイル、又はセレノロ[3,4‐b]‐セレノフェン‐2,5‐ジイル含有化合物のようなモノマー及びその酸化剤を適用して、本発明のモノマーを酸化重合することにより、ポリチオフェン及びポリセレノフェンを製造する。適切な場合には、その塗料を暖めることにより、使用した酸化剤の活性に応じて酸化重合が完了する。また、本発明のポリマーを含む分散液を金属酸化物表面上に直接塗布して導電層を形成してよい。
【0103】
ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、マンニトール、プロピレン1,3‐グリコール、ブタン1,4‐グリコール、N‐メチルピロリドン、ソルビトール、グリセロール、炭酸プロピレン及び他の適切な高沸点有機物のような添加剤を本発明の組成物の分散液に加えて導電性を得てもよい。
【0104】
さらなる添加剤としては、微粒子状の銅、銀、ニッケル、アルミニウム、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどのような導電性フィラーが挙げられる。タルク、雲母、珪灰石、シリカ、クレー、TiO、染料、顔料などのような非導電性フィラーを分散液に加えて、膨張係数、表面硬度、表面色などのような特定の性質を高めることもできる。
【0105】
材料の最終用途に応じて、さらに追加できる水溶性又は水分散性材料の例としては、限定されるものではないが、ポリマー、染料、塗布助剤、カーボンナノチューブ、ナノワイヤー、界面活性剤(例えば、構造式RCHCHO(CHCHO)H(式中、R=F(CFCF、x=0〜約15、y=1〜約7)の(例えばDuPont社から市販されている)Zonyl(登録商標)FSOシリーズ非イオン性フルオロ界面活性剤のようなフルオロ界面活性剤、(例えばエア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドから市販されている)Dynol(商標)及びSurfynol(登録商標)シリーズのようなアセチレンジオール系界面活性剤)、有機及び無機導電性インク及びペースト、電荷輸送材料、架橋剤、これらの組み合わせが挙げられる。その材料は単一分子又はポリマーでよい。他の水溶性又は水分散性ポリマーの例は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアミン、ポリピロール、ポリアセチレン、及びこれらの組み合わせのような少なくとも1種の導電性ポリマーを含む。
【0106】
本発明の組成物の分散液は、特定の用途で必要とされた場合には酸化防止剤、紫外線(UV)安定剤及び界面活性剤を含んでもよい。典型的には、界面活性剤を分散液に加えて安定性、表面張力、及び表面湿潤性を制御する。界面活性剤はアセチレンジオールを含んでよい。(会合性増粘剤のような)粘度調整剤をそのような分散液に加えて、粘度を特定の最終用途に調整することもできる。
【0107】
本発明の組成物は様々な方法により調製できる。ポリ(セレノロ[3,4‐b]チオフェン)を形成するのに十分な反応条件下、水の存在下でセレノロ[2,3‐c]チオフェン‐2,5‐ジイル、セレノロ[3,4‐b]チオフェン‐2,5‐ジイル、又はセレノロ[3,4‐b]‐セレノフェン‐2,5‐ジイルを含有する化合物、ポリアニオン及び酸化剤を反応させる水相重合法を用いて、本発明の組成物を調製できる。別の実施形態では、ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)を形成するのに十分な反応条件下、水の存在下でセレノロ[2,3‐c]チオフェン、ポリアニオン及び酸化剤を反応させる。重合を行う温度は重要ではないが重合速度に影響することがある。
【0108】
本発明の別の実施形態は、下記式M1の構造単位から形成されているポリチオフェン及びポリセレノフェンの使用に関する。
【0109】
【化16】

【0110】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、若しくはエポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、Fが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である。W及びW’はH、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、及びI)、有機金属(例えば、MgCl、MgBr、MgI、Sn(R)であり、RはC1−6アルキル基又はC1−6アルキルエーテル基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、ビニル単位(例えば、‐CH=CHR)であり、RはH又はC1−6アルキル基、エーテル(すなわち、‐OC1−6アルキル)、エステル(すなわち、‐COOC1−6アルキル)、‐S‐COR及び‐CORであり、RはH又はC1−6アルキル、‐C≡CH、並びにフェニル、ナフタレン、ピロール、及びチオフェンのような重合性芳香環である。置換された本組成物の誘導体は、第二又は第三の置換基を追加する前後に形成できる。
【0111】
ホモポリマー及びコポリマーを製造するのに適したモノマーは、W及びW’がHであるものであり、下記式M3で表される。
【0112】
【化17】

【0113】
XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、Rは式M1について上記で説明した基である。
【0114】
本発明のポリマーは、下記式P1の繰り返し単位を有するホモポリマーを含む。
【0115】
【化18】

【0116】
式中、XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基である。RはP1の環状構造に結合できる任意の置換基でよい。Rとしては、水素若しくはその同位体、ヒドロキシル基、C‐C20第一、第二若しくは第三アルキル基などのアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、又は1つ若しくは2つ以上のスルホン酸基(又はその誘導体)、リン酸基(又はその誘導体)、カルボン酸基(又はその誘導体)、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基で置換されたアルキル基若しくはフェニル基が挙げられる。特定の実施形態では、Rはα位に反応部位を含み、セレン含有環状構造の分岐オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造が形成されることがある。特定の実施形態では、Rとしては、水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、Fが挙げられる。R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である。本発明の繰り返し構造は、実質的に同一であり、ホモポリマーを形成してよく、又は各々の単位ごとに独立して選択されたRを有して、コポリマー化合物を提供してよい。その繰り返し単位は、本技術分野で知られた任意の適切な態様で終了してよく、また官能性又は非官能性末端基を含んでよい。
【0117】
さらに本発明は、分岐した又は架橋したオリゴマー、ポリマー及びコポリマーを含む。
例えば、P1及びM1で定義したRはα位を含有してよいので、分岐又は架橋が起こり得る。下記構造は、本発明の実施形態の分岐ポリマー材料を示す。
【0118】
【化19】

【0119】
式中、X、Y及びRは上記の式P1で定義したものである。本発明は、上記で示した構造には限定されず、置換基を含むオリゴマー及びコポリマー構造を含んでよい。
【0120】
モノマーの共重合単位からなる導電性オリゴマー及びポリマーは、本発明の別の態様であり、下記式P2で表すことができる。
【0121】
【化20】

【0122】
式中、X、Y及びRは上記の式P1で定義したものであり、nは整数である。A、B及びDは互いに独立しており、また幾つも存在する場合には互いに独立して、所望により1つ又は2つ以上のR基で置換された‐CZ=CZ‐、‐C≡C‐又はアリーレン若しくはヘテロアリーレン基である。Z及びZは互いに独立してH、F、Cl又はCNである。a、b、d、eは、互いに独立した0、1、2又は3などの整数である。
【0123】
式P2のコポリマーは本技術分野で知られた任意の態様で終了してよく、またいかなる既知の重合末端基を含んでもよい。
【0124】
本発明の他の実施形態のコポリマー構造は下記構造を含む。
【0125】
【化21】

【0126】
【化22】

【0127】
【化23】

【0128】
【化24】

【0129】
本発明の他の実施形態の付加的なコポリマー構造としては下記構造が挙げられる。
【0130】
【化25】

【0131】
【化26】

【0132】
【化27】

【0133】
【化28】

【0134】
本発明の他の実施形態のさらに付加的なコポリマー構造は下記構造を含む。
【0135】
【化29】

【0136】
【化30】

【0137】
【化31】

【0138】
【化32】

【0139】
上記のモノマー又はオリゴマー化合物の重合は、幾つかの反応機構の1つによって行うことができる。可能な反応機構としては、1)水相/酸化剤重合、2)有機溶媒相/酸化剤重合、3)水相/有機相/酸化剤重合、4)金属触媒重合、5)電気化学重合及び6)固体重合が挙げられる。
【0140】
水相重合の典型的な反応条件としては、温度が0〜約100℃の範囲であることが挙げられる。反応が完了して好ましい重合度が得られるまでの間は重合を続ける。重合度は本発明の重要な要素ではないが、最終用途に応じて変わるであろう。好ましい重合度は最終用途によって決まるであろうし、普通の当業者ならば必要以上の実験を行うことなく容易に決められる。重合時間は、数分から約48時間までの範囲であり、重合に使用された反応器の寸法、重合工程で用いた重合温度及び酸化剤などの複数の要因によって決めてよい。
【0141】
水溶液重合法に用いるポリアニオン及び酸化剤の量は広範に変えられる及び必要以上の実験を行うことなく任意の重合に応じて決定できる。例えば、典型的には、好ましいポリアニオンに対するセレノロ[3,4‐b]チオフェンモノマーの質量比は0.001〜50、場合によっては0.05〜1.0の範囲である。典型的には、好ましい酸化剤に対するセレノロ[3,4‐b]チオフェンモノマーのモル比は、0.01〜12、場合によっては0.1〜8.0の範囲である。別の例では、典型的には、好ましいポリアニオンに対するセレノロ[2,3‐c]チオフェンモノマーの質量比は0.001〜50、場合によっては0.05〜1.0の範囲である。典型的には、好ましい酸化剤に対するセレノロ[2,3‐c]チオフェンモノマーのモル比は0.01〜12、場合によっては0.1〜8.0の範囲でよい。
【0142】
ポリアニオンは、限定されるものではないが、pKが6以下のような酸強度のコロイドを形成するのに十分な酸強度を有するポリマー酸を含んでよい。適切なポリアニオンとしては、ポリホスホン酸及びポリリン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸のようなポリカルボン酸、並びにポリスチレンスルホン酸及びポリビニルスルホン酸のようなスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸‐co‐マレイン酸のような混合ポリ酸、並びにフッ素化スルホン酸ポリマー及びNAFION(登録商標)のようなコロイド形成ポリマー酸のアニオンが挙げられる。ポリカルボン酸及びポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸とアクリレート及びスチレンのような他のモノマーとのコポリマーでもよい。ポリアニオンを供給する酸の分子量は1,000〜500,000、場合によって2000〜500,000、そして必要ならば約70,000の範囲でよい。ポリアニオンを誘導する酸は市販されているし、又は既知の方法により製造してよい。さらに、通常は当量(EW)として表現される酸含有量を著しく変えて、好ましい電子物性を得てもよい。
【0143】
本発明の使用に適した一つのポリアニオンとしては、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)社(デラウェア州ウィルミントン市)からNafion(登録商標)分散液として市販されているフッ素化スルホン酸ポリマーのようなフッ素化スルホン酸ポリマーの水分散液が挙げられる。適切なFSAポリマーの例は、下記構造を有するコポリマーを含む。
【0144】
【化33】

【0145】
コポリマーは、テトラフルオロエチレン及びm=1のペルフルオロ(4‐メチル‐3,6‐ジオキサ‐7‐オクテン‐1‐スルホン酸)を含む。
【0146】
本発明の別の実施形態としては、構造式P1の組成物及びP1のポリマー酸ドープ型組成物を含む水溶性及び非水溶性溶媒の分散液及び溶液が挙げられる。ポリマー酸ドープ型組成物は、繰り返し単位P1を含む及び、限定されるものではないが、フッ素化スルホン酸ポリマー又はポリ(スチレンスルホン酸)のようなポリマー酸の存在下でのモノマー又はオリゴマーの反応から生じた重合反応生成物を有する組成物である。ポリマー酸ドープ型組成物は、スルホン化ポリマー又はオリゴマー基(P1のモノマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマー構造と共有結合、イオン結合又は他の結合をしている反応生成物又は化合物)を含んでよい。一の実施形態では、組成物はP1のポリマー酸ドープ型ポリマーの水分散液を含む。
【0147】
本発明に使用するのに適した酸化剤としては、ピロールの酸化重合に適することが分かっている酸化剤が挙げられる。例えば、「J. Am. Chem. Soc.」1963年第85巻、p.484には、これらの酸化剤が説明されている。取り扱いが容易である安価な酸化剤としては、例えば、限定されるものではないが、Fe(SO、FeCl、Fe(ClO並びに有機残基、H、KCr、過硫酸アルカリ又はアンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム及び四フッ化ホウ酸銅のような銅塩を含む有機酸及び無機酸の鉄(III)塩などの鉄(III)塩が挙げられる。さらに、ヨウ素、空気及び酸素は、酸化剤として有利に使用できる。過硫酸塩並びに有機残基を含む有機酸及び無機酸の鉄(III)塩は、腐食性ではないので有用である。
【0148】
有機酸の鉄(III)塩に関する例は、メタン又はドデカンスルホン酸のようなC1‐30アルキルスルホン酸、2‐エチルヘキシルカルボン酸のような脂肪族C1‐20カルボン酸、トリフルオロ酢酸及びペルフルオロオクタン酸のような脂肪族ペルフルオロカルボン酸、シュウ酸のような脂肪族ジカルボン酸並びに、ベンゼンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸のような(所望によりC1‐20アルキル基で置換された)芳香族スルホン酸の鉄(III)塩、並びに前述の有機酸の鉄(III)塩の混合物である。有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例は、例えばラウリル硫酸の鉄(III)塩のような、C1‐20アルカノールの硫酸半エステルの鉄(III)塩である。これら上述の有機酸の鉄(III)塩の混合物を用いることもできる。
【0149】
本発明の実施形態のモノマーの酸化重合には、理論上はモノマーのmol毎に2〜2.5当量の酸化剤が必要である(例えば、「ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・パートエー・ポリマー・ ケミストリー(J. Polym. Sc. Part A: Polymer Chemistry」、1988年第26巻、S、p.1287を参照)。しかしながら実際には、酸化剤は若干過剰に(例えばモノマーのmol毎に0.1〜2当量は過剰に)適用される。
【0150】
過硫酸塩並びに有機ラジカルを含む有機酸の及び無機酸の鉄(III)塩を使用するときには、それらに腐食作用がないこと及び、特に、それらの使用時に式M1のモノマーの酸化が緩やかに進行するので、モノマー及び酸化剤を溶液状で又は印刷ペーストから金属箔上へ同時に塗布できることは、重要な塗布の利点となる。この実施形態では、溶液又はペーストの塗布後に、被覆された金属箔を暖めることにより酸化を促進できる。
【0151】
FeCl、H又は過ホウ酸のような他の上記の酸化剤を使用すると、酸化重合が急激に進行するため、被覆する基板上に酸化剤とモノマーを分けて塗布する必要が生じる一方で、もはや暖める必要はなくなる。
【0152】
有機ラジカルを含む無機酸の鉄(III)塩に関する例は、硫酸とC‐C20アルカノールのモノエステルの鉄(III)塩、例えばラウリル硫酸の鉄(III)塩である。
【0153】
ホモポリマーなどのポリマーは、下記の水相反応により形成することができる。
【0154】
【化34】

【0155】
本発明のコポリマーは、下記反応により形成することができる。
【0156】
【化35】

【0157】
上記の共重合反応では共重合剤として置換チオフェンが示されているが、幾つの化合物(すなわち任意のアリール、ヘテロアリール)でも本発明の重合反応に使用できる。
【0158】
一般に有機溶媒相では、使用した酸化剤及び所望の反応時間に応じて、約20〜250℃の温度で、場合によっては20〜200℃の温度で、上記モノマーの酸化重合を行う。ホモポリマーなどのポリマーは、下記の有機相反応により形成することができる。
【0159】
【化36】

【0160】
別の実施形態では、ホモポリマーなどのポリマーは下記の水相反応により形成することができる。
【0161】
【化37】

【0162】
本発明のコポリマーは下記反応により形成することができる。
【0163】
【化38】

【0164】
上記の共重合反応では共重合剤として置換チオフェンが示されているが、幾つの化合物(すなわち任意のアリール、ヘテロアリール)でも本発明の重合反応に使用できる。
【0165】
一般に有機溶媒相では、使用した酸化剤及び所望の反応時間に応じて、約20〜250℃の温度で、場合によっては20〜200℃の温度で、上記モノマーの酸化重合を行う。ホモポリマーなどのポリマーは、下記の有機相反応により形成することができる。
【0166】
【化39】

【0167】
同様に水相では、追加のモノマー構造体を提供することにより、コポリマーを形成してもよい。式M1及び/又は酸化剤のモノマーを使用するのに適した溶媒は、特に、その反応条件下で不活性な下記の有機溶媒である。
メタノール、エタノール及びi‐プロパノールのような脂肪族アルコール、
アセトン及びメチルエチルケトンのような脂肪族ケトン、
酢酸エチル及び酢酸ブチルのような脂肪族カルボン酸エステル、
トルエン及びキシレンのような芳香族炭化水素、
ヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素、
ジクロロメタン及びジクロロエタンのような塩素化炭化水素、
アセトニトリルのような脂肪族ニトリル、
ジメチルスルホキシド及びスルホランのような脂肪族スルホキシド及びスルホン、
メチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドのような脂肪族カルボキサミド、
ジエチルエーテル及びアニソールのような脂肪族及び芳香族脂肪族エーテル。
さらに、水又は水と上記有機溶媒の混合物を溶媒として使用することもできる。
【0168】
有機相酸化反応に使用するのに適した酸化剤としては、上記で検討した水相酸化反応に使用するのに適した酸化剤と同じものが挙げられる。
【0169】
モノマー又はオリゴマーと酸化剤を別々に塗布する場合には、最初に酸化剤の溶液で、次にモノマー溶液で基板を被覆できる。適切なときにモノマー及び酸化剤を同時に基板上へ塗布すると、基板は一液(すなわちモノマー及び酸化剤を含む溶液)でしか被覆されない。この同時の塗布の間にモノマーの一部が蒸発するから、予想されるモノマー損失に応じて減少する量の酸化剤を本方法の手順により溶液に加える。
【0170】
さらに、上記溶液は、ポリ(酢酸ビニル)、ポリカーボネート、ポリ(酢酸ブチル)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン、並びにピロール/アクリレート、酢酸ビニル/アクリレート及びエチレン/酢酸ビニルのコポリマー(それぞれが有機溶媒に可溶である)のような有機溶媒に可溶な有機バインダーを含んでよい。ポリビニルアルコール増粘剤のような水溶性バインダーを使用することも可能である。
【0171】
重合及び所望のポリマーの性質は、どのようなW基及びW’基を存在させるかによって、制御することができる。次の既知の方法により炭素‐炭素結合形成反応を完了してもよい。本開示のモノマーを使用する適切な既知の方法としては、限定されるものではないが、Suzuki反応、Yamamoto反応、Heck反応、Stille反応、Sonogashira反応、Kumada-Corriu反応、Riecke反応、及びMcCullogh反応が挙げられる。
【0172】
式M1のモノマー自体が、公開文献で説明されているような金属触媒重合に役立つ(例えば、参照によってここに含まれるHeck著「Chem. Rev.」2000年、第100巻、p.3009〜3066、Stille著「Chem. Rev.」2003年、第103巻、p.169〜196、Suzuki著「Chem. Rev.」1995年、第95巻、p.2457〜2483、Sonogashira及びHagihara共著「Chem. Rev.」2003年、第103巻、p.1979〜2017、並びにKumada及びCorriu共著「Chem. Rev.」2002年、第102巻、p.1359〜1469を参照)。W基及びW’基の性質によって反応条件は著しく変わり得る。
【0173】
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)のようなオリゴマー及びポリマーを製造する代わりの方法は、三電極配置を用いて電気化学電池中でセレノロ[2,3‐c]チオフェンを重合させる電気化学法に関連する。適切な三電極配置は、白金、金及びガラス状炭素のボタン作用電極、白金フラッグ対極並びにAg/Ag非水溶性参照電極からなる群から選択されるボタン作用電極を含む。適切な電解質は、過塩素酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリル、リチウムトリフレート/アセトニトリル及びヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリルからなる群から選択される。
【0174】
ホモポリマーなどのポリマーは下記の電気化学反応により形成してよい。
【0175】
【化40】

【0176】
1.1Vを超えるピーク電位でセレノロ[2,3‐c]チオフェンに電気化学酸化を受けさせて、作用電極の表面上にポリマー(ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン))を提供することができる。
【0177】
本発明の組成物を製造する電気化学法を実施するために従来の電解槽を利用できる。本発明の組成物を製造する作用電極は白金電極を含むことがあり、効果的な電解質はヘキサフルオロリン酸塩を含む。
【0178】
電極表面上に電気沈殿している導電性ポリマーの酸化還元に相当する低レドックス工程の電流感度が増加することから重合が明らかになる。
【0179】
ポリ(スチレンスルホン酸)又はNAFION(登録商標)のようなポリアニオン並びに過硫酸アンモニウム及び/又は硫酸鉄(III)のような化学酸化剤を利用して水溶液中でセレノロ[2,3‐c]チオフェンの酸化重合を行うことができる。
【0180】
上述の重合は単独重合に関しているが、セレノロ[2,3‐c]チオフェンと3,4‐エチレンジオキシチオフェン又はピロールのような別のモノマーとの共重合を行うことも可能である。
【実施例】
【0181】
下記の実施例は組成物の製造方法及び使用方法をさらに説明するために提供されるのであって、本発明の特許請求の範囲を制限することを目的とするものではない。特に言及しない限り、実施例中の部及びパーセント(%)は質量を基準とする。
【0182】
実施例1
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の水中合成
50mgのセレノロ[2,3‐c]チオフェン及び830mgの18%ポリ(スチレンスルホン酸)の脱イオン水溶液10mLを25mLの一口フラスコに加えた。その混合物を600rpmで撹拌した。113.0mg(0.48mmol)の(NH及び2mgのFe(SOを反応フラスコに加えた。酸化重合を1時間以上行なった。重合後、イオン交換カラム(Amberlite IR-120及びMP62)により水溶液を精製して濃い黒色のポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水分散液を得た。ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)の混合物を1,000rpmでガラス基板上にスピンコートすることにより透明フィルムを調製し、導電面を得た。
【0183】
実施例2
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の水中合成
50mgのセレノロ[2,3‐c]チオフェン及び5.55gの18%ポリ(スチレンスルホン酸)の脱イオン水溶液45mLを100mLの一口フラスコに加えた。その混合物を1200rpmで置換した。300mg(1.98mmol)のFe(SOを脱イオン水7mLに溶解させて反応フラスコに加えた。酸化重合を1時間以上行なった。重合後、イオン交換カラムにより水溶液を精製して、濃い黒色のポリ(1H‐チエノ[3,4‐d]イミダゾール‐2(3H)‐オン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水分散液を得た。ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)の混合物を1,000rpmでガラス基板上にスピンコートすることにより透明フィルムを調製し、導電面を得た。
【0184】
実施例3
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の水中合成
50mgのセレノロ[2,3‐c]チオフェン及び8.4gの12%NAFION(登録商標)過フッ素化イオン交換樹脂の脱イオン水分散液42mLを100mLの一口フラスコに加えた。その混合物を1200rpmで撹拌した。300mg(1.98mmol)のFe(SOを脱イオン水7mLに溶解させて反応フラスコに加えた。酸化重合を1時間以上行なった。重合後、イオン交換カラムにより水溶液を精製して、約2.0のpHを示している濃い黒色のポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/NAFION(登録商標)水分散液を得た。ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/NAFION(登録商標)の混合物を1,000rpmでガラス基板上にスピンコートすることにより透明フィルムを調製し、導電面を得た。
【0185】
実施例4
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の水中合成
50mgのセレノロ[2,3‐c]チオフェン及び8.4gの12%NAFION(登録商標)過フッ素化イオン交換樹脂の脱イオン水分散液42mLを100mLの一口フラスコに加えた。その混合物を1200rpmで撹拌した。113.0mg(0.48mmol)の(NH及び2mgのFe(SOを反応フラスコに加えた。酸化重合を1時間以上行なった。重合後、イオン交換カラム(Amberlite IR-120及びMP62)によりその水溶液を精製して、濃い黒色のポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/NAFION(登録商標)水分散液を得た。ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)/NAFION(登録商標)の混合物を1,000rpmでガラス基板上にスピンコートすることにより透明フィルムを調製し、導電面を得た。
【0186】
実施例5
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の溶媒(その場)合成
280mgのセレノロ[2,3‐c]チオフェンを無水n‐ブタノール15mLに溶解させた。2.25g(3.3mmol)のp‐トルエンスルホン酸鉄(III)六水和物を無水n‐ブタノール5mLに溶解させてモノマー溶液に加え、深紅色の溶液を得た。その混合物をガラス基板上にドロップキャストして乾燥させた。120℃以下の温度で、15分間以下でその乾燥フィルムを硬化させた。4点プローブ測定を行なったところ生成フィルムは導電性だった。形成したポリマーフィルムは、可視スペクトル帯を弱く均一に吸収するので、裸眼では灰色に見えた。
【0187】
実施例6
ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)の電気化学合成及び特性
セレノロ[2,3‐c]チオフェンをヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリル溶液に溶解させて、モノマーを5mM及び電解質を100mMの濃度に調整し、白金ボタン(platinum button)作用電極(直径2mm)、白金フラッグ対極(1cm)、及びAg/Ag非水溶性参照電極(フェロセン溶液で較正することにより算出すると真空準位に対して4.82Vだった)を用いて三電極配置を採用して電気化学的に重合した。そのモノマーは5.6eVの時点で低い酸化電位を示した。繰り返し走査中の低レドックス電位では電流感度が一定間隔で増加することから、重合を確認した。
【0188】
ポリマーの電子特性は、100mMアセトニトリルのヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム溶液で評価した。走査速度依存性は、25、50、100、200及び400mV/sの走査速度で評価した。ポリ(セレノロ[2,3‐c]チオフェン)が電極の表面に付着したことを示す走査速度では、ポリマーの還元工程のピーク電流が線形で計測されることが分かった。形成されたポリマーをサイクリック・ボルタンメトリーによって評価すると−4.1eVのHOMOを示した。光学バンドギャップは0.9eVであることが分かった。示差パルス・ボルタンメトリーは、−4.15eVのHOMOを生じさせた。
【0189】
実施例7
PLEDデバイス
洗剤、脱イオン水、メタノール、イソプロパノール、及びアセトンを用いて脱イオン水中で連続的に超音波処理することにより、10〜15Ω/□の表面抵抗率を持つ3パターンのITO基板を洗浄した(各々5〜10分間)。異なる洗浄溶剤でITO基板を乾燥させた(本実施例に使用した基板は図1の層1及び層2(層1はガラスであり、層2はITOである)に関する)。次に、SPI Prep II プラズマエッチャーの酸素プラズマを用いてITO基板を約10分間処理した。その後、Laurell型WS-400-N6PPスピナー上で、実施例3の分散液を用いてITO基板を1500rpmで1分間スピンコートした(この分散液は図1の層4に関するが、必要に応じて、性能を向上させるために、層4を堆積させる前に、図1の層3として示した1つ又は2つ以上の中間層材料を堆積させてよい)。次に、ITO基板を180℃で15分間アニールした。アニール後に、約80nm厚の(Sumitomo Chemical社製)LUMATION Green 1304の層をトルエン溶液からスピンコートした(LUMATION Green 1304は図1の層6に相当する。本実施例ではこの層を層4に直接堆積させたが、必要に応じて、1つ又は2つ以上の中間層を層4及び層6の間に堆積させて所望の性能を得てもよい)。次に、窒素保護下のホットプレート上で、そのサンプルを130℃で20分間ベーキングした。次に、アルゴン雰囲気下のグローブボックスの内部に置かれた真空乾燥チャンバーの中にサンプルを移した。約1.5Å(10−10m)/sの速度でマスクによって、5nm厚のBaの層を1×10−7Torr(1Torr≒133.322Pa)を下回る圧力で真空蒸着し、次に約3.0〜4.0Å/sの堆積速度で別の120nm厚のAgの層(この層は図1の層8に相当する)をBa層表面に真空蒸着した。次に、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で、このデバイスをガラス製蓋及び紫外線硬化性エポキシで密閉した。グローブボックスからデバイスを取り出し、次いで発電特性(I‐V曲線)及び輝度を測定した。このデバイスは5000cd/mでは12.5cd/Aの、2500cd/mでは12.6cd/Aの、及び1000cd/mでは12.3 cd/Aの電流輝度効率を示した。特性解析後、続いて5000cd/mの初期輝度でのDC寿命試験に用いるCDT Eclipse PLED寿命試験器上にデバイスを置いた。デバイスの半減期とは、デバイスの輝度が初期値5000cd/mの50%(すなわち25000cd/m)に達するまでにかかる時間をいう。このデバイスの半減期は660時間であった。
【0190】
本発明の特定の実施形態について説明したが、当然のことながら、当業者が本発明の範囲を逸脱することなく様々な変化を加え、その要素を均等物(均等方法)に置換することがあり得る。さらに、本発明の教示によって、その基本的な範囲から逸脱することなく、多くの改質を行って特定の状況又は材料に適合させることがある。したがって、本発明は本発明を実施するのに考慮された最良の形態として開示された特定の実施形態にも限定されないが、本発明は付随する特許請求の範囲内に入る全ての実施形態を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】本発明のポリマーを含む1又は2以上の層を含む発光素子の図である。
【図2】本発明のポリマーを含む1又は2以上の層を含む光起電デバイスの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の繰り返し単位
【化1】

(XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基又はα位である)を含む化合物、及び
溶媒又は水
を含む混合物を準備する工程、
導電性を有するポリマー材料を製造するために十分な時間及び十分な温度で混合物を反応させる工程
を含む導電性ポリマー組成物の製造方法。
【請求項2】
Rが水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rが水素、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、F、Cl、Br、I又はCNによる一置換又は多置換でもよいC‐C12第一、第二又は第三アルキル基(1つ又は2つ以上の非隣接CH基が独立して、O及び/又はS原子が互いに直接結合しないような形の‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐NR’‐、‐SiR’R’’‐、‐CO‐、‐COO‐、‐OCO‐、‐OCO‐O‐、‐S‐CO‐、‐CO‐S‐、‐CH=CH‐若しくは‐C≡C‐で置き替えられていてもよい)、フェニル基及び置換フェニル基、シクロヘキシル基、ナフタレン基、ヒドロキシル基、アルキルエーテル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、カルボン酸基、エステル基及びスルホン酸基、ペルフルオロ基、SF、F並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、R’及びR’’が互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに混合物がポリアニオンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリアニオンが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリホスホン酸、ポリリン酸、フッ素化スルホン酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ビニルカルボン酸とアクリル酸エステル又はスチレンとのコポリマー、ビニルスルホン酸とアクリル酸エステル又はスチレンとのコポリマー、及びこれらの組み合わせのアニオンからなる群から選択されるアニオンを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ポリアニオンを供給するアニオンの分子量が約1,000〜500,000である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
さらに混合物が酸化剤を含む請求項4に記載の方法。
【請求項8】
さらに混合物が酸化剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
混合物が水を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
混合物が有機溶媒を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
混合物が有機溶媒及び水を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
酸化剤が、鉄(III)塩、H、KCr、過硫酸アルカリ、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム、銅塩、ヨウ素、空気及び酸素からなる群から選択される化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
反応させる工程が、混合物中に電流を供給して化合物を重合させる工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
混合物を約5分〜48時間反応させる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
混合物の温度を約0℃〜100℃の温度に維持する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
さらに混合物が、HCl、HNO、HSO、HPO、HBr、HI、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ショウノウスルホン酸、有機酸染料、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ポリ(スチレンスルホン酸)、 フッ素化スルホン酸ポリマー、スルホン酸のコポリマー、アジピン酸、アゼライン酸、シュウ酸、ポリ(アクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(メタクリル酸)及びカルボン酸のコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるドーパント化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
さらに混合物が、Na、K、Li、Ca、I、PF、SbF、及びFeClからなる群から選択されるドーパント化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
さらに混合物がフッ素化スルホン酸ポリマーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
さらに混合物がポリスチレンスルホン酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
下記式の繰り返し単位
【化2】

(XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基又はα位である)を含むモノマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマー化合物を含む組成物。
【請求項21】
Rが水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択される請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
化合物が下記繰り返し単位
【化3】

を含む請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
化合物が下記繰り返し単位
【化4】

を含む請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
化合物が下記繰り返し単位
【化5】

を含む請求項20に記載の組成物。
【請求項25】
下記式の繰り返し単位
【化6】

(XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基又はα位である)を含むコロイドを形成するのに十分な酸強度のポリマー酸でドープされた半導性モノマー、半導性オリゴマー、半導性ポリマー又は半導性コポリマー組成物、及び
溶媒又は水
を含む組成物。
【請求項26】
組成物が水分散液である請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
組成物が溶液である請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
組成物が有機溶媒及び水を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
ポリマー酸がポリ(スチレンスルホン酸)である請求項25に記載の組成物。
【請求項30】
ポリマー酸がフッ素化スルホン酸ポリマーである請求項25に記載の組成物。
【請求項31】
Rが水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択される請求項25に記載の組成物。
【請求項32】
化合物が下記繰り返し単位
【化7】

を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項33】
化合物が下記繰り返し単位
【化8】

を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項34】
化合物が下記繰り返し単位
【化9】

を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項35】
化合物が下記繰り返し単位
【化10】

(式中、n及びmは独立して選択された整数(n+mの合計は2以上である)であり、Moは電気活性モノマー又は電気不活性モノマーを含む)を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項36】
Moがセレノロ[3,4‐b]チオフェン、セレノロ[2,3‐c]チオフェン及びセレノロ[2,3‐c]セレノフェンからなる群から選択される請求項33に記載の組成物。
【請求項37】
Moがチオフェン、チエノ[3,4‐b]チオフェン、チエノ[3,2‐b]チオフェン、置換チオフェン、置換チエノ[3,4‐b]チオフェン、置換チエノ[3,2‐b]チオフェン、ジチエノ[3,4‐b:3’,4’‐d]チオフェン、ピロール、ビチオフェン、置換ピロール、フェニレン、置換フェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、ビフェニル、テルフェニル、置換テルフェニル、フェニレンビニレン、置換フェニレンビニレン、フッ素、置換フッ素からなる群から選択される請求項33に記載の組成物。
【請求項38】
Moが下記式の化合物
【化11】


【化12】

(式中、XはS、O、Se、又はNHを示す)
;及び
【化13】

(式中、R及びRは、H、C1‐C4アルキル基、1,2‐シクロヘキシレンラジカル、フェニル置換フェニル及びこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立して選択される)からなる群から選択される請求項33に記載の組成物。
【請求項39】
化合物が下記繰り返し単位
【化14】

(式中、n、1、b、d、eは整数であり、A、B及びDは‐CZ=CZ‐、‐C≡C‐、アリーレン、ヘテロアリーレン、置換‐CZ=CZ‐、置換‐C≡C‐、置換アリーレン、及び置換ヘテロアリーレン(置換‐CZ=CZ‐、置換‐C≡C‐、置換アリーレン、及び置換ヘテロアリーレンはそれぞれRで置換されている。またZ及びZはH、F、Cl及びCNからなる群からそれぞれ選択される)からなる群からそれぞれ選択される)を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項40】
化合物が、
【化15】


【化16】


【化17】


【化18】


【化19】


【化20】


【化21】

;及び
【化22】

(式中、Rは水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択され、R’及びR’’は互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)からなる群から選択される繰り返し単位を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項41】
化合物が、
【化23】


【化24】


【化25】


【化26】


【化27】


【化28】


【化29】

;及び
【化30】

(式中、Rは水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択され、R’及びR’’は互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)からなる群から選択される繰り返し単位を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項42】
化合物が、
【化31】


【化32】


【化33】


【化34】


【化35】


【化36】


【化37】

;及び
【化38】

(式中、Rは水素、水素の同位体、ヒドロキシル基、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルチオアルキル基、アルキニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アミド基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアリールアミノ基、アリールチオ基、ヘテロアリール基、アリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、並びに1つ又は2つ以上のスルホン酸基、スルホン酸誘導体基、リン酸基、リン酸誘導体基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、ハロ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、エポキシ基及びこれらの組み合わせで置換されたアルキル基及びフェニル基からなる群から選択され、R’及びR’’は互いに独立してH又は、1〜12個の炭素原子を有するアリール基若しくはアルキル基である)からなる群から選択される繰り返し単位を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項43】
ポリマーが下記式の構造
【化39】

を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項44】
組成物が、微粒子状の銅、銀、ニッケル、アルミニウム、カーボンブラック、タルク、雲母、珪灰石、シリカ、クレー、TiO、染料、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を含む請求項25に記載の組成物。
【請求項45】
下記式の繰り返し単位
【化40】

(XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基又はα位である)を含む化合物、及び
溶媒
を含む分散液を準備する工程、
分散液を基板に塗布する工程、並びに
導電性ポリマー層を形成するために溶媒を除去する工程
を含むポリマー塗料の製造方法。
【請求項46】
基板が、ガラス、有機ポリマー、プラスチック、ケイ素、鉱物、半導体材料、セラミック、金属及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
基板及び導電性ポリマーが、帯電防止被覆基板、導電性被覆基板、エレクトロクロミックデバイス、光起電デバイス、発光ダイオード、フラットパネルディスプレイ、感光性電気回路、印刷可能な電気回路、薄膜トランジスタデバイス、バッテリー、電気スイッチ、被覆コンデンサ、耐食被覆基板、電磁波シールド材料、センサー及び他の電子光学デバイスからなる群から選択されるデバイスを形成する請求項45に記載の方法。
【請求項48】
塗布する工程が、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロール・ツー・ロール印刷、スピンコート、メニスカス及びシングル・インライン・パッケージ塗装、スプレー塗装、はけ塗り、ブレード塗布、カーテンキャスト及びこれらの組み合わせからなる群から選択される塗布法の1つを含む請求項45に記載の方法。
【請求項49】
除去する工程が、室温での蒸発を含む請求項45に記載の方法。
【請求項50】
除去する工程が、分散液を加熱する工程を含む請求項45に記載の方法。
【請求項51】
形成されたポリマーが電気的性質を有する請求項45に記載の方法。
【請求項52】
電気的性質が、電気伝導性、半導体性、エレクトロルミネッセンス、エレクトロクロミック性、光起電性及びこれらの組み合わせからなる群から選択される性質を含む請求項45に記載の方法。
【請求項53】
基板材料、及び
下記式の繰り返し単位
【化41】

(XはS又はSeであり、YはS又はSeであり、X及びYの一方又は双方がSeであり、Rは置換基又はα位である)を含むモノマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマー化合物を含む基板の少なくとも一部分の上に配置された少なくとも1つの層
を含む電子デバイス。
【請求項54】
デバイスが、帯電防止被覆基板、導電性被覆基板、エレクトロクロミックデバイス、光起電デバイス、発光ダイオード、フラットパネルディスプレイ、感光性電気回路、印刷可能な電気回路、薄膜トランジスタデバイス、バッテリー、電気スイッチ、被覆コンデンサ、耐食被覆基板、電磁波シールド材料、センサー及び他の電子光学デバイスからなる群から選択されるデバイスである請求項53に記載のデバイス。
【請求項55】
基板が導電性材料からなる請求項53に記載のデバイス。
【請求項56】
基板が電気絶縁材料からなる請求項53に記載のデバイス。
【請求項57】
デバイスが光電池である請求項53に記載のデバイス。
【請求項58】
化合物がp型半導体材料である請求項53に記載のデバイス。
【請求項59】
さらに、化合物又は基板のいずれかの上に配置されたn型半導体材料の層を含む請求項53に記載のデバイス。
【請求項60】
基板が易酸化性金属含有層を含み、さらにデバイスが基板の表面の少なくとも一部分の上に配置された金属酸化物含有層を含む請求項53に記載のデバイス。
【請求項61】
金属が、アルミニウム、ニオブ及びタンタルからなる群から選択される請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
さらに、導電性材料含有酸化物を含む層の表面の少なくとも一部分の上に配置された層を含む請求項60に記載のデバイス。
【請求項63】
導電性材料が、銀、銅又はカーボンブラックからなる群から選択される請求項60に記載のデバイス。
【請求項64】
前記の層が正孔注入層である請求項53に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−74055(P2009−74055A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−179550(P2008−179550)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】