説明

セレン強化イーストβグルカンを含む組成物

【課題】抗酸化作用、老化防止作用、癌予防作用、及び免疫刺激作用特性を実現する。
【解決手段】0.05乃至30重量%のセレン強化イースト、1乃至90重量%のイーストβグルカン、0.5乃至60重量%のビタミンC、及び0.5乃至40重量のビタミンEを含んでなる栄養組成物である。この組成物は、0.5乃至10重量%のセレン強化イースト、20乃至58重量%のイーストβグルカン、20乃至40重量%のビタミンC、及び20乃至30重量%のビタミンEを含む。セレン強化イーストは、500乃至2000ppmのセレンを含む。イーストβグルカンは20乃至90重量%のβグルカンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康増進(health−promoting)組成物に関し、より詳細には、セレン強化イーストとイーストβグルカンとを含んでなる健康増進組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
セレンは大量摂取では有毒であるが、動物には必須の微量栄養素である。食用セレンはナッツ類、穀類、肉類、魚類、及び卵からもたらされる。ブラジル産ナッツは、世界で一番目の通常の補給源である(ブラジル産ナッツは、それ自体に必要な元素を高レベルで必要としないため、これは土壌に依存する)。腎臓、マグロ類、カニ類、ロブスターの順に高レベルであることがわかっている。しかしながら、一般に、人の食事におけるセレンの含量には限界があり、不十分である。
【0003】
人において、セレンは、グルタチオンペルオキシダーゼ及び動物並びにいくつかの植物に見られる特定の形態のチオレドキシン還元酵素(この酵素は全ての有機生命体に見出されるが、植物におけるその全ての形態がセレンを必要とするわけではない)などの抗酸化酵素を還元する補助因子として作用する微量元素の栄養素である。
グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−Px)は、過酸化物などの反応性酸素種を除去する特定の反応を触媒する。
【0004】
【化1】

【0005】
セレンはまた、3つの既知の甲状腺ホルモンの脱ヨウ素酵素の補助因子として関与することによって甲状腺を機能させる役割を果たす。
【0006】
セレンは、異常なアミノ酸であるセレノシステイン、セレノメチオニン、アミノ酸の二量体であるセレノシスチンの構成要素である、それ自体は人体の重要な構成素材である。
【0007】
さらに、セレンは、代謝、生殖(reproduction)、免疫系並びに人間の健康に影響を及ぼす酵素における重要な構成要素である。また、癌予防、抗酸化、及び老化防止(アンチエイジグ)における役割も知られている。
【0008】
通常の食事には不十分量のセレンしか存在しないため、補助食品としてセレンを供給することが有利である。セレナイト(亜セレン酸塩(selenite))の形態の無機セレン、例えば、セレン強化イーストの形態の有機セレンを供給することができる。しかしながら、無機セレンと有機セレンとの間には、吸収作用と毒性という点で著しい差異がある。すなわち、無機セレンの方が吸収しにくく、より高い毒性を有する。そのため、通常用いられる有機セレン源は、セレン強化イーストである。
【0009】
最新のバイオテクノロジーを用いることにより、セレン強化イーストを、醸造酵母を用いて無機セレンを有機セレンに転化し、次いで、有機セレンを分離して精製することにより作製することができる。セレン強化イースト中の全セレンの99%以上が有機セレンの形態であり、これはより早く吸収され、しかも低毒性である。
【0010】
イーストβグルカンは、主鎖であるβ−1,3−Dグルカンと、側鎖であるβ−1,6−D−グルカンとを有する水不溶性の多糖類である。イーストの細胞壁は重要な要素である。これは免疫性を向上して癌を予防し、細菌を抑制して病菌に対する抵抗性を増強することができる。
【0011】
近年、セレンに対する多くの研究があり、それらは主として栄養素的機序に焦点を当てたものであり、多量の製品が出現した。しかしながら、有機セレンやセレン強化イーストから作製された製品は少ない。具体的には、総合的な栄養素的因子を考慮したのではなく、セレンを供給するという唯一の目的で製品が出現したのである。さらに、イーストβグルカンの研究者等は、主としてβグルカンの抽出と精製に集中しているため、あったとしても製品は極わずかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、抗酸化作用、老化防止作用、癌予防作用及び免疫強化作用を呈するセレン強化イーストと、イーストβグルカンを含んでなる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、0.05乃至30重量%の有機セレン強化イースト、1乃至90重量%の精製イーストβグルカン、0.5乃至60重量%のビタミンC、及び0.5乃至40重量%のビタミンEを含む栄養組成物が提供される。
【0014】
この実施形態のある分類においては、組成物は、0.5乃至10重量%のセレン強化イースト、20乃至58重量%のイーストβグルカン、20乃至40重量%のビタミンC、及び20乃至30重量%のビタミンEを含む。
【0015】
この実施形態のある分類においては、セレン強化イーストは、500乃至2000ppmのセレンを含む。
【0016】
この実施形態のある分類においては、イーストβグルカンは20乃至90重量%のβグルカンを含む。
【0017】
この実施形態のある分類においては、組成物は、0乃至1重量%のビタミンA、0乃至5重量%のβカロテン、0乃至1重量%のビタミンB、0乃至1重量%のビタミンB、0乃至1重量%のビタミンB、0乃至5重量%のリコペン、0乃至20重量%のグレープシードエキス、0乃至20重量%のαリポ酸、0乃至20重量%のプロポリス、0乃至10重量%のイチョウ葉エキス、0乃至10重量%の人参エキス、0乃至30重量%の炭酸カルシウム、0乃至30重量%のグルコン酸カルシウム、0乃至30重量%の乳酸カルシウム、0乃至10重量%のグルコン酸亜鉛、0乃至10重量%の乳酸亜鉛、0乃至10重量%のグルコン酸第一鉄フマル酸エステル(塩)、0乃至1重量%の乳酸第一鉄、及び0乃至10重量%のフマル酸第一鉄をさらに含む。
【0018】
本発明による組成物は、補助材料を添加することにより、顆粒、粉末、カプセル、タブレットまたは液体の形態で調合することができる。補助材料は、制限されることなく、デンプン、粉乳、デキストリン、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルナトリウムセルロース、糖類、食品香料などである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の利点は以下を備える。
【0020】
(1)本発明は、主要なセレン源として安全で高効率の有機セレン強化イーストを採用するものであり、組成物中の該セレンの含量は、10乃至1000μg/gであり、これはその安全性と健康への効果を確保するものである。
【0021】
(2)相乗作用を促進し、有機セレンとイーストβグルカンが強化された組成物を得るために、純度の高いイーストβグルカンと天然ビタミンCとEが組成物に含有されることにより、病気に対する免疫力と抵抗力とを促進する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
【0023】
ここで用いられる場合、用語“セレン強化イースト”は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(出芽酵母)の乾燥、粉砕細胞であり、これは有機化合物中に導入したセレンを有する。ここで用いられるセレン強化イーストは、Angel Yeast Co., Ltd.(住所、中国443003湖北省宜昌市中南路24号(24
Zhongnan Rd. Yichang Hubei 443003, China)、電話0086−717−6369254)から、商品名セレン強化イースト(Selenium-enriched
Yeast)(セレン含量2000ppm)で市販されているものを購入した。ここで使用するセレン強化イーストは以下の通りである。イースト(サッカロマイセス・セレヴィシエ(出芽酵母))を、セレン酸ナトリウムで強化した培地で培養し、続いてイーストを集菌し、遠心分離し、乾燥した。
【0024】
ここで用いる場合、用語“イーストβグルカン”は、Dグルコース分子の多糖鎖を意味し、1位と3位で結合した六角のDグルコース環を有し、ここで、側鎖1,6−グルカン側鎖は、長いβ1,3グルカンバックボーンから分岐しており、イーストから生成される。ここで用いるイーストβグルカンは、Angel Yeast Co., Ltd.(住所、中国443003湖北省宜昌市中南路24号、電話0086−717−6369254)から、商品名80%イーストグルカン(80%
Yeast Glucan)で市販されているものを購入した。ここで用いるイーストβグルカンは、以下のように調製した。イーストを自己消化させて遠心分離し、次いでイースト細胞壁を採集し、それらからイーストグルカンを塩基と酸を用いて抽出した。
【0025】
ビタミンCはCSPC Weisheng Pharmaceutical(shijiashuang) Co., Ltd.(石薬集団維生薬業(石家荘)有限公司)(中国湖北省石家荘高新技術産業開発区黄河大道236号(236
Yellow Rd., Shijiazhuang New-high Technology Industry Development Zone, Hebei,
China)、電話0085−311−85388577)から商品名99%コーティングアスコルビン酸(99% Coated Ascorbic Acid)を購入した。
【0026】
ビタミンEは、BASF(巴斯夫) Vitamin Co., Ltd.(住所、中国瀋陽市瀋陽経済技術開発区Yunhai路88号(No. 88 Yunhai
Rd.,Shenyang Economy and Technology Development Zone, Shenyang, China)、電話0086−24−25360235)から商品名50%ビタミンE(50%
Vitamin E)を購入した。
【0027】
βカロテンは、BASF Vitamin Co., Ltd.(住所、中国瀋陽市瀋陽経済技術開発区Yunhai路88号(No. 88 Yunhai Rd.,
Shenyang Economy and Technology Development Zone, Shenyang, China)、電話0086−24−25360235)から商品名10%βカロテン(10%
β-carotene)を購入した。
【0028】
ビタミンBは、Guangzhou Topvita Food Ingredients Co., Ltd.(電話0086−20−38390003)から、商品名99%チアミン塩化水素(99%
Thiamine hydrochloride)を購入した。
【0029】
ビタミンBは、Guangzhou Topvita Food Ingredients Co., Ltd.(電話0086−20−38390003)から、商品名99%リボフラビン(99%
Riboflavin)を購入した。
【0030】
ビタミンBは、Guangzhou Topvita Food Ingredients Co., Ltd.(電話0086−20−38390003)から、商品名99%ピリドキシン(99%
Pyriddoxine)を購入した。
【0031】
リコペンは、Guangzhou Topvita Food Ingredients Co., Ltd.(電話0086−20−38390003)から、商品名6%リコペン(6%
Lycopene)を購入した。
【0032】
ここで用いる場合、用語“グレープシードエキス”とは、ポリフェノールを含む丸ごとのグレープシード(ぶどうの種)から産業的に誘導された、抗酸化剤と認められているオリゴマープロアントシアニジンを含む。ここで用いるグレープシードエキスは、Ningbo Osaki Biotech Co., Ltd.(寧波天鼎生物科技有限公司)(住所、中国浙江寧波北崙元宝山路521号、電話0086−574−86119676)(No.
521 Yuanbaoshan Rd. Beilun Ningbo China)、から、95%のプロアントシアニジンを有する商品名グレープシードエキス(Grape
Seed Extract)を購入した。
【0033】
αリポ酸は、Tianjin Tiancheng Pharmaceutical Co., Ltd.(天津天成製薬有限公司)(住所、中国天津市西青区楊柳青三経路鉄道北4005信箱(P.O.
BOX 4005 North Sanjing Rd. Yangliuqing Xiqing District, Tianjin, China)、電話0086−22−27390520)から、商品名99%αリポ酸(99%
α-Lipoic acid)を購入した。
【0034】
ここで用いる場合、用語“プロポリス”とは、ミツバチが樹木の芽、樹液流又はその他の植物源から集めた樹脂混合物を示す。ここで用いるプロポリスは、Henan Purui Bees Products Co., Ltd.(河南普瑞蜂業有限公司)(住所、中国461507河南省長葛市大周鎮双廟李村(Dazhou
Industrial zone, Changge, Henan, 461507, China)、電話0086−374−6865389)から商品名30−90%プロポリスパウダー(30-90%
Propolis Powder)を購入した。
【0035】
ここで用いる場合、用語“イチョウ葉エキス”は、中国、韓国、日本の一部に生息する特有種の木であり、近似種のないイチョウからの抽出物を示し、これはフラボノイドグリコシドとテルペノイド(ginkgolides、bilobalides)。ここで用いるイチョウ葉エキスは、Ningbo Osaki Biotech Co., Ltd.(寧波天鼎生物科技有限公司)(住所、中国浙江寧波北崙元宝山路521号、電話0086−574−86119676)から全部で24%以上のイチョウフラボングリコシドを有する商品名イチョウ葉エキス(Ginkgo
Biloba Leaf Extract)を購入した。
【0036】
ここで用いる場合、用語“人参エキス”は、朝鮮人参(白人参)の抽出物である。ここで用いる人参エキスは、Ningbo Osaki Biotech Co., Ltd.(寧波天鼎生物科技有限公司)(住所、中国浙江寧波北崙元宝山路521号、電話0086−574−86119676)から、20%のギンセノシドを有する商品名朝鮮人参根エキス(Panax
Ginseng Root Extract)を購入した。
【0037】
炭酸カルシウムは、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号(No.
96 Ruida Rd. Hi-Tech Industries Development Zone ZhengZhou China)、電話0086−371−67896828)から、96%以下の濃度の商品名炭酸カルシウム(Calcium
carbonate)を購入した。
【0038】
グルコン酸カルシウムは、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、99%以下の濃度の商品名グルコン酸カルシウム(Calcium
gluconate)を購入した。
【0039】
乳酸カルシウムは、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、98%以下の濃度の商品名乳酸カルシウム(Calcium
lactate)を購入した。
【0040】
グルコン酸亜鉛は、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、97%の濃度の商品名グルコン酸亜鉛(Zinc
gluconate)を購入した。
【0041】
乳酸亜鉛は、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、98%の濃度の商品名乳酸亜鉛(Zinc
lactate)を購入した。
【0042】
グルコン酸第一鉄フマル酸は、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、95%以下の濃度の商品名グルコン酸第一鉄(Ferrous
gluconate)を購入した。
【0043】
乳酸第一鉄は、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、98%以下の濃度の商品名乳酸第一鉄(Ferrous
lactate)を購入した。
【0044】
フマル酸第一鉄は、ZhengZhou RuiPu Biology Engineering Co., Ltd.(住所、中国河南省鄭州高科技工区Ruida路96号、電話0086−371−67896828)から、93%以下の濃度のフマル酸第一鉄(Ferrous
fumarate)を購入した。
【0045】
以下の実施形態は本発明を説明することのみを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0046】
この実施例の栄養組成物は、10重量%のセレン強化イースト(2000ppmのセレン含量)、30重量%のイーストβグルカン(80重量%のβグルカン含量)、20重量%のビタミンE、及び40重量%のビタミンCを含む。
【0047】
製造方法は以下のステップを含んでなる。
【0048】
a)粉砕するステップ。ビタミンCとビタミンEを超微細粉砕機で混合前に粉砕する。
【0049】
b)ふるいにかけるステップ。粉砕したビタミンCとビタミンEを、60メッシュふるいを通過させ、セレン強化イーストとイーストβグルカンを60メッシュふるいに通過させる。
【0050】
c)混合するステップ。ふるいにかけたセレン強化イーストをビタミンEと手動で混合し、該混合物を混合機中に投入し、ふるいにかけたβグルカンと粉砕したビタミンCをV型混合機に投入して45分間混合する。混合機は当該分野で既知の混合機のいずれの型であってもよい。
【0051】
d)調合するステップ。混合物をカプセルに調合する。各カプセルに1gの材料が含まれる。
【0052】
e)パッキングするステップ。200個のカプセルをビンにパッキングする。
【0053】
製品の安全性を確保するために、上記ステップの全てをGMP(適正製造基準、医薬品製造管理および品質管理基準(Good Manufacturing Practice))設備中で完了させる。
【実施例2】
【0054】
製造方法は実質的に実施例1と同じであるが、栄養組成物が30重量%のセレン強化イースト(1000ppmのセレン含量)、69重量%のイーストβグルカン(70%のβグルカンの含量)、0.5重量%のビタミンE、及び0.5重量%のビタミンCを含んでなることだけ異なる。
【実施例3】
【0055】
製造方法は実質的に実施例1と同じであるが、栄養組成物が0.05重量%のセレン強化イースト(500ppmのセレン含量)、90重量%のイーストβグルカン(90%のβグルカンの含量)、6.95重量%のビタミンE、及び3重量%のビタミンCを含んでなることだけ異なる。
【実施例4】
【0056】
この実施例の栄養組成物は、5重量%のセレン強化イースト(1000ppmのセレン含量)、30重量%のイーストβグルカン(80%のβグルカンの含量)、20重量%のビタミンE、30重量%のビタミンC、及び15重量%のショ糖を含んでなる。
【0057】
製造方法は以下のステップを含んでなる。
【0058】
a)粉砕するステップ。ショ糖、ビタミンC、及びビタミンEを超微細粉砕機で混合前に粉砕する。
【0059】
b)ふるいにかけるステップ。粉砕したショ糖、ビタミンC、及びビタミンEを、60メッシュふるいを通過させ、セレン強化イーストとイーストβグルカンを60メッシュふるいに通過させる。
【0060】
c)混合するステップ。ふるいにかけたショ糖、ビタミンC、ビタミンE、セレン強化イースト、及びイーストβグルカンを、滅菌水と共に1:10の比(m/v、g/mL)で混合し、経口投与用の液体を形成する。
【0061】
d)パッキングするステップ。経口液体をビン詰めする。各ビンに100mLずつである。
【0062】
製品の安全性を確保するために、上記ステップの全てをGMP(適正製造基準、医薬品製造管理および品質管理基準(Good Manufacturing Practice))設備中で完了させる。
【実施例5】
【0063】
この実施例の栄養組成物は、10重量%のセレン強化イースト(1500ppmのセレン含量)、40重量%のイーストβグルカン(90%のβグルカンの含量)、10重量%のビタミンE、10重量%のビタミンC、5重量%のβカロテン、5重量%のリコペン、5重量%のプロポリス、5重量%のデンプン、及び10重量%のショ糖を含んでなる。
【0064】
製造方法は以下のステップを含んでなる。
【0065】
a)粉砕するステップ。ビタミンCとビタミンEを超微細粉砕機で混合前に粉砕する。
【0066】
b)ふるいにかけるステップ。粉砕したビタミンCとビタミンEを、60メッシュふるいを通過させ、セレン強化イーストとイーストβグルカンを60メッシュふるいに通過させる。
【0067】
c)混合するステップ。ふるいにかけたセレン強化イーストをビタミンEと手動で混合し、該混合物をV型混合機に投入し、ふるいにかけたβグルカンと粉砕したビタミンCを添加し、45分間混合する。
【0068】
d)調合するステップ。混合材料をタブレットに調合する。各タブレットは1.0gである。
【0069】
e)パッキングするステップ。ビンにアルミニウム箔中にパッキングする。
【0070】
製品の安全性を確保するために、上記ステップの全てをGMP(適正製造基準、医薬品製造管理および品質管理基準(Good Manufacturing Practice))設備中で完了させる。
【実施例6】
【0071】
この実施例の栄養組成物は、17重量%のセレン強化イースト(2000ppmのセレン含量)、30重量%のイーストβグルカン(80%のβグルカンの含量)、10重量%の炭酸カルシウム、10重量%のプロポリス、5重量%のビタミンE、5重量%のβカロテン、5重量%のイチョウ葉エキス、5重量%のグレープシードエキス、5重量%のビタミンC、0.5重量%のビタミンB、0.5重量%のビタミンB、0.5重量%のビタミンB、1重量%の乳酸第一鉄、及び0.5重量%のグルコン酸亜鉛を含んでなる。
【0072】
製造方法は以下のステップを含んでなる。
【0073】
a)粉砕するステップ。ビタミンCとビタミンEを超微細粉砕機で混合前に粉砕する。
【0074】
b)ふるいにかけるステップ。粉砕したビタミンCとビタミンEを、60メッシュふるいを通過させ、セレン強化イーストとイーストβグルカンを60メッシュふるいに通過させる。
【0075】
c)混合するステップ。ふるいにかけたセレン強化イーストをビタミンEと手動で混合し、該混合物をV型混合機に投入し、ふるいにかけたイーストβグルカンと粉砕したビタミンCを混合機に添加し、45分間混合する。
【0076】
d)調合するステップ。混合物をカプセルに配置する。各カプセルに材料1.0gである。
【0077】
e)パッキングするステップ。カプセルをビンにパッキングし、ビンごとにカプセルは100個である。
【0078】
製品の安全性を確保するために、上記ステップの全てをGMP(適正製造基準、医薬品製造管理および品質管理基準(Good Manufacturing Practice))設備中で完了させる。
【実施例7】
【0079】
製造方法は実質的に実施例6と同じであるが、栄養組成物が0.5重量%のセレン強化イースト(1000ppmのセレン含量)、58重量%のイーストβグルカン(90%のβグルカンの含量)、4.5重量%のビタミンE、20重量%のビタミンC、1重量%ビタミンA、5重量%のαリポ酸、4重量%の人参エキス、2重量%の炭酸カルシウム、1重量%の乳酸亜鉛、及び4重量%のグルコン酸第一鉄を含んでなることだけ異なる。
【実施例8】
【0080】
製造方法は実質的に実施例6と同じであるが、栄養組成物が1重量%のセレン強化イースト(1500ppmのセレン含量)、20重量%のイーストβグルカン(60%のβグルカンの含量)、30重量%のビタミンE、15重量%のビタミンC、0.5重量%ビタミンA、1重量%のビタミンB、1重量%のビタミンB、1重量%のビタミンB、20重量%のグレープシードエキス、2重量%の乳酸カルシウム、2.5重量%のフマル酸第一鉄、及び5重量%のデキストリンを含んでなることだけ異なる。
【実施例9】
【0081】
組成物に対する免疫実験
体重18乃至22gの身体が清浄レベルの60匹のオスのBALB/cマウスを、Shanghai Xipu‘er−Bikai Experimental Animal Co., Ltd.(住所、中国200237上海市Laohumin路779号(No.
779 Laohumin Rd., Shanghai 200237, China)、電話0086−21−64776624)から購入し、実験グループ、4つの対照グループ、及びブランクグループにランダムに割り当てた。
【0082】
0.50g/体重1kgの実施例1の栄養組成物を、毎日の強制経口投与により実験グループに投与した。0.05g/体重1kgのセレン強化イースト(対照グループ1)、0.15g/体重1kgのイーストβグルカン(対照グループ2)、0.20g/体重1kgのビタミンC(対照グループ3)、及び0.10g/体重1kgのビタミンE(対照グループ4)を、4つの対照グループにそれぞれ投与した。生理的食塩水をブランクグループに投与した。
【0083】
3ヶ月、胸腺の重量比である重量/体重、体液性免疫機能(抗体指数)、及び細胞免疫機能(NK細胞活性)を含むマウスの複数の免疫指数を測定した。測定方法は、健康食品の評価方法と同じであった。
【表1】

【0084】
実験結果から、ブランクグループと4つの対照グループと比較した際、実施例1の栄養組成物により、マウスの免疫力を増強し、その抗体生産能とNK細胞活性を著しく向上させることが可能であり、各対照グループ(実施例1の栄養組成物の一成分を投与された)は、マウスの免疫力に対して顕著な影響はなく、実施例1の栄養組成物は、4つの対照グループと比較した場合、増強された免疫力を有するという結論が得られる。
【実施例10】
【0085】
組成物に対する抗酸化作用の実験
45乃至65歳の297人の健康な男性と女性のボランティアを選択し、実験グループ、4つの対照グループ、及びブランクグループにランダムに割り当てた。実験の間、ボランティア全員は、独自の生活と食習慣を維持した。
【0086】
各回500mgの実験2の栄養組成物を、1日2回、3ヶ月継続して実験グループに投与した。各回150mgのセレン強化イースト(対照グループ1)、各回450mgのイーストβグルカン(対照グループ2)、各回2.5mgのビタミンC(対照グループ3)、及び各回2.5mgのビタミンE(対照グループ4)を、それぞれ、1日2回、3ヶ月継続して実験グループに投与した。続いて、ボランティアの過酸化脂質(MDA)の含有量、スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、及びグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を測定した。測定方法は、健康食品の評価方法と同じであった。
【0087】
実験結果から、実施例2の栄養組成物は、一方で、人体の抗酸化能を強化し、SOD活性とGSH−PX活性を向上することができ、他方で人体内のMDA含有量を顕著に低減することができるという結論が得られる。各対照グループは、人体の抗酸化能に対して著しい影響はない。実施例2の栄養組成物は、4つの対照グループと比較して人体の抗酸化能を増強した。
【表2】

【表3】

【0088】
本発明の特定の実施形態を示し、説明してきたが、当業者等であれば、本発明から逸脱することなく、その広い見地において様々な変更並びに修正がなし得ることは明らかであろう。従って、添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の趣旨並びに範囲内であるそのような変更並びに修正の全てに範囲が及ぶものとすることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.05乃至30重量%のセレン強化イースト、
1乃至90重量%のイーストβグルカン、
0.5乃至60重量%のビタミンC、及び
0.5乃至40重量のビタミンE、
を含んでなることを特徴とする、相乗的抗酸化特性を有する栄養組成物。
【請求項2】
前記組成物が、
0.5乃至10重量%のセレン強化イースト、
20乃至58重量%のイーストβグルカン、
20乃至40重量%のビタミンC、及び
20乃至30重量のビタミンE、
を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記セレン強化イーストが、500乃至2000ppmのセレンを含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記イーストβグルカンが、20乃至90重量%のβグルカンを含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
0乃至1重量%のビタミンA、
0乃至5重量%のβカロテン、
0乃至1重量%のビタミンB
0乃至1重量%のビタミンB
0乃至1重量%のビタミンB
0乃至5重量%のリコペン、
0乃至20重量%のグレープシードエキス、
0乃至20重量%のαリポ酸、
0乃至20重量%のプロポリス、
0乃至10重量%のイチョウ葉エキス、
0乃至10重量%の人参エキス、
0乃至30重量%の炭酸カルシウム、
0乃至30重量%のグルコン酸カルシウム、
0乃至30重量%の乳酸カルシウム、
0乃至10重量%のグルコン酸亜鉛、
0乃至10重量%の乳酸亜鉛、
0乃至10重量%のグルコン酸第一鉄フマル酸エステル、
0乃至10重量%の乳酸第一鉄、及び
0乃至10重量のフマル酸第一鉄、
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
患者のスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を向上させるか、又はMDAレベルを低減するための方法であって、該患者に請求項1に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項7】
患者のスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を向上させるか、又はMDAレベルを低減するための方法であって、該患者に請求項2に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
患者のスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を向上させるか、又はMDAレベルを低減するための方法であって、該患者に請求項3に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項9】
患者のスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を向上させるか、又はMDAレベルを低減するための方法であって、該患者に請求項4に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
患者のスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)活性、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−PX)活性を向上させるか、又はMDAレベルを低減するための方法であって、該患者に請求項5に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
患者の抗体生産能を向上させるか、又はNK細胞活性を向上させる方法であって、該患者に請求項1に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
患者の抗体生産能を向上させるか、又はNK細胞活性を向上させる方法であって、該患者に請求項2に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
患者の抗体生産能を向上させるか、又はNK細胞活性を向上させる方法であって、該患者に請求項3に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項14】
患者の抗体生産能を向上させるか、又はNK細胞活性を向上させる方法であって、該患者に請求項4に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項15】
患者の抗体生産能を向上させるか、又はNK細胞活性を向上させる方法であって、該患者に請求項5に記載の前記栄養組成物を投与することを含むことを特徴とする、方法。

【公開番号】特開2009−263333(P2009−263333A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9376(P2009−9376)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(509019026)安▲チ▼酵母股▲フェン▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】