説明

セロトニン5−HT6受容体の調節に応答する障害の治療に好適なアゼチジン化合物

本発明は、AがC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルキル、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、アリールまたはヘタリールであり;−−−が単結合または二重結合であり;XおよびXがN、CRx1、NRx2またはCRx3x4であり;Rx1、Rx3およびRx4がH、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルなどであるか、2個のジェミナル基Rx3およびRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基または3から6員の炭素環もしくは複素環スピロ環状環を形成していることができ;Rx2が水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルなどであり;または2個の隣接する基Rx1、Rx2、Rx3もしくはRx4がXおよびXとともに5員もしくは6員の炭素環もしくは複素環縮合環を形成しており;Y、YおよびYがNまたはCRであり;RがH、ハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルなどであり;前記基X、X、Y、YおよびYのうちの最大3個がNRx1およびNから選択され;Rが水素、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−ハロアルキルなどであり;RがC−C−アルキルまたはC−C−ハロアルキルであり;nは0、1または2である式(I)の化合物;それの生理的に耐容される酸付加塩およびN−オキシド、それらを含む医薬組成物、処置を必要とする対象者に対して有効量のそのような化合物を投与する段階を有する中枢神経系の疾患、耽溺疾患もしくは肥満から選択される医学的障害の治療方法ならびに医薬組成物を製造する上でのそのような化合物の使用に関するものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアゼチジン化合物に関するものである。その化合物は貴重な治療特性を有し、特にセロトニン5−HT受容体の調節に応答する疾患の治療において好適である。
【背景技術】
【0002】
モノアミン系の神経伝達物質および局所ホルモンであるセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン、5−HT)は、トリプトファンのヒドロキシル化および脱炭酸によって形成される。それの最大濃度は、消化管の腸クロム親和性細胞で認められ、残りのものは血小板および中枢神経系(CNS)に主として存在する。5−HTは、非常に多くの生理的経路および病態生理学的経路において示唆されている。末梢では、それは多くの平滑筋と接触し、内皮依存性血管拡張を誘発する。CNSでは、それは、食欲、気分、不安、幻覚、睡眠、嘔吐および疼痛知覚の制御などの非常に多様な機能に関与するものと考えられている。
【0003】
5−HTを分泌するニューロンは、セロトニン作働性と称される。5−HTの機能は、特異的(セロトニン作働性)ニューロンとのそれの相互作用で発揮される。現在までのところ、5−HT(サブタイプ5−HT1A、5−HT1B、5−HT1D、5−HT1Eおよび5−HT1Fを有する)、5−HT(サブタイプ5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT1Cを有する)、5−HT、5−HT、5−HT(サブタイプ5−HT1Aおよび5−HT1Bを有する)、5−HTおよび5−HTという7種類の5−HT受容体が確認されている。これら受容体のほとんどが、アデニル酸シクラーゼまたはホスホリパーゼCγのいずれかの活性に影響を与えるGタンパク質にカップリングしている。
【0004】
ヒト5−HT受容体は、アデニニルシクラーゼに強くカップリングしている。それらは、脳の辺縁領域、線条体および皮質領域全体に分布しており、抗精神病薬に対して高いアフィニティを示す。
【0005】
好適な物質による5−HT受容体の調節は、記憶、認識および学習における欠陥などの認知機能障害、特にアルツハイマー病、加齢性認識衰退および軽度認識障害に関連したもの、注意力欠如障害/多動性症候群、人格障害(統合失調症など)、特には統合失調症関連の認知障害、抑鬱、不安および強迫性障害などの情動障害、パーキンソン病および癲癇などの動作または運動障害、片頭痛、睡眠障害(概日リズムの障害など)、食欲不振および過食症などの摂食障害、過敏性大腸症候群などのある種の消化管障害、卒中などの神経変性関連の疾患、脊髄または頭部の外傷および水頭症などの頭部損傷、薬物嗜癖および肥満などのある種の障害を改善することが期待される。
【0006】
5−HT受容体に対してアフィニティを有する化合物は、先行技術で、例えばWO2007/006677、WO2007/004959、WO2006/081332、WO2006/062481、WO2005/037834、WO2005/026125、WO00/05225およびWO98/27081で報告されている。
【0007】
WO01/05758には、下記式の化合物が開示されている。
【0008】
【化1】

式中、B、DおよびWは窒素またはCHであり、Zは窒素または置換された炭素原子であり、Aはアミノ部分または単環式もしくは二環式複素環部分を含む基であり、Rは特にはアリールスルホニル基であることができ、RはH、アルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される。それらの化合物は、5−HT1D受容体に関係する片頭痛の治療に用いられる。
【0009】
WO2005/037834には、下記式の化合物が開示されている。
【0010】
【化2】

式中、・・・は単結合もしくは二重結合を表し、Pは特には置換されたスルホニル基であることができ、Uは複素環であることができる窒素含有部分を含む基によって置換されたCまたはCHであり、W、W、W、YおよびZはそれぞれ炭素であるか、前記可変要素のいずれかが窒素原子であり、RおよびRm′は水素、ハロゲン、C−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−OCF、−CN、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−ハロアルキル、−NR、−NO、−CONR、−NHSOR、−NRCOR′、−SONRR′、−C(=O)R、C−C−アルコキシカルボニル、−S(O)R、−SCF、−CHF=CH、−OCFHおよびエチニルからなる群から選択される。これらの化合物は、5−HT受容体関連の障害の治療に有用であると謳われている。
【0011】
しかしながら、5−HT受容体に対して高いアフィニティを有し、この受容体に対して高い選択性を示す化合物を提供することが、現在もなお必要とされている。特に、その化合物は、α−アドレナリン受容体などのアドレナリン受容体、H−受容体などのヒスタミン受容体およびD−受容体などのドーパミン作働性受容体に対するアフィニティが低いことで、体位性低血圧、反射性頻脈、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシンおよびラベタロールの降圧作用の強化またはα−アドレナリン受容体の遮断に関連する眩暈、体重増加、鎮静、傾眠またはH−受容体の遮断に関連する中枢抑制薬の強化、またはジストニア、パーキンソニズム、静座不能、遅発性ジスキネジアもしくはラビット症候群などの錐体外路運動障害、またはD−受容体の遮断に関連するプロラクチン上昇(男性における乳汁漏出症、女性化乳房、月経性変化、性的機能障害)などの内分泌効果のようなこれら受容体の調節に関連するかなりの副作用を回避または軽減するものでなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/006677号
【特許文献2】国際公開第2007/004959号
【特許文献3】国際公開第2006/081332号
【特許文献4】国際公開第2006/062481号
【特許文献5】国際公開第2005/037834号
【特許文献6】国際公開第2005/026125号
【特許文献7】国際公開第00/05225号
【特許文献8】国際公開第98/27081号
【特許文献9】国際公開第01/05758号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、5−HT受容体に対する高いアフィニティおよび選択性を有することで、5−HT受容体に関連するかそれによって影響を受ける障害の治療を可能とする化合物を提供することにある。
【0014】
前記化合物はさらに、良好な薬理プロファイル、例えば良好な脳血漿比、良好な生物学的利用能、良好な代謝安定性またはミトコンドリア呼吸阻害の低さをも有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書で定義の式(I)の化合物、それの生理的に耐容される酸付加塩およびそれのN−オキシドが、驚くほどそして予想外に、5−HT受容体に対して選択的結合を示すことが認められた。従って本発明は、下記式(I)の化合物ならびにその化合物の生理的に耐容される酸付加塩およびN−オキシドに関するものである。
【0016】
【化3】

式中、
Aは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルキル、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、アリールまたはヘタリールであり、最後に言及した5個の基におけるシクロアルキルおよびアリール部分もしくはヘタリール部分は置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良く、
は、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ヒドロキシアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−ハロアルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、NH−C(O)−NR、NR、NR−C−C−アルキレン、O−NRからなる群から選択され、最後に言及した4個の基におけるRおよびRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシであるか、窒素原子と一体となって環員としてO、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を含んでいても良いN結合の5から7員飽和複素環、飽和もしくは不飽和3から7員複素環、フェニル、ベンジル、フェニルスルホニル、フェノキシおよびベンジルオキシを形成しており、前記3から7員複素環はN、OおよびSから選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を環員として含み、ヒドロキシ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−アルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良く、フェニル、ベンジル、フェニルスルホニル、フェノキシおよびベンジルオキシにおけるフェニル基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−ハロアルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、NH−C(O)−NR、NR、NR−C−C−アルキレン、O−NRから選択される1、2もしくは3個の置換基を有することができ、RおよびRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシであるか、窒素原子と一体となって環員としてO、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を含んでいても良いN結合5から7員飽和複素環を形成しており;
・・・は、単結合または二重結合であり;
およびXは互いから独立に、・・・が二重結合の場合はNもしくはCRx1であり、または・・・が単結合の場合はNRx2もしくはCRx3x4であり、
x1、Rx3およびRx4は互いから独立に、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシ−アルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシおよびベンジルオキシから選択され、言及した最後の4個の基は置換されていないことがきできるか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3個の置換基を有していても良く、
または2個のジェミナル基Rx3およびRx4がそれらが結合している炭素原子とともに、カルボニル基または置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基を有していても良い3員もしくは6員炭素環もしくは複素環のスピロ環状環を形成していても良く;
x2は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルであり、最後に言及した2個の基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3置換基を有していても良く、
またはRx1、Rx2、Rx3およびRx4から選択される2個の隣接基がXおよびXとともに、置換されていないかハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2、3または4個の置換基を有していても良い5員もしくは6員の炭素環または複素環縮合環を形成しており;
、YおよびYは互いから独立にNまたはCRであり、
は、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル−カルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり、最後に言及した4個の基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3個の置換基を有していても良く;
部分X、X、Y、YおよびYのうちの最大3個、すなわち0、1、2もしくは3個、特には0個もしくは1個がNRx1またはNであり;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロアルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、ホルミル、C−C−アルキルカルボニルまたはC−C−アルコキシカルボニル;
は、C−C−アルキルまたはC−C−ハロアルキルであり;
nは、0、1または2である。
【0017】
本発明はさらに、適切であれば生理的に許容される担体および/または補助物質とともに、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つの(I)の生理的に耐容される酸付加塩および/または少なくとも一つの(I)のN−オキシドを含む医薬組成物に関するものである。
【0018】
本発明はさらに、医薬組成物の製造における、適宜に少なくとも一つの生理的に許容される担体または補助物質とともに、式(I)の化合物および/またはそれの生理的に耐容される酸付加塩および/または(I)のN−オキシドの使用に関するものである。
【0019】
本発明はさらに、医薬として使用される、特には5−HT受容体リガンドによる影響に対して応答する医学的障害または疾患の治療用の医薬として使用される式(I)の化合物およびそれの生理的に耐容される酸付加塩および(I)のN−オキシドに関するものでもある。
【0020】
本発明はさらに、処置を必要とする対象者に対して、有効量の少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つの(I)の生理的に耐容される酸付加塩および/または少なくとも一つの(I)のN−オキシドを投与する段階を有する、5−HT受容体リガンドによる影響に対して応答する障害または疾患の治療方法に関するものである。前記の疾患は例えば、中枢神経系の疾患/障害、耽溺疾患または肥満である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
5−HT受容体リガンドの影響に応答する疾患には、特には、中枢神経系における障害および疾患、特には記憶、認識および学習における欠陥などの認知機能障害、特にアルツハイマー病、加齢性認識衰退および軽度認識障害に関連したもの、注意力欠如障害/多動性症候群(ADHD)、人格障害(統合失調症など)、特には統合失調症関連の認知障害、抑鬱、不安および強迫性障害などの情動障害、パーキンソン病および癲癇などの動作または運動障害、片頭痛、睡眠障害(概日リズムの障害など)、食欲不振および過食症などの摂食障害、過敏性大腸症候群などのある種の消化管障害、卒中などの神経変性関連の疾患、脊髄または頭部の外傷および水頭症などの頭部損傷、薬物嗜癖および肥満などがある。
【0022】
この文脈において、5−HT受容体リガンドによる影響に応答する疾患/障害は、5−HT受容体機能の調節によって影響を受ける疾患/障害と理解される。そのような調節は、5−HT受容体リガンド、すなわち5−HT受容体に結合することで、5−HT受容体の機能に影響を与える化合物によって行われる。
【0023】
本発明によれば、少なくとも1種類の最初に言及した意味を有する一般式(I)の化合物を上記の適応症の治療に用いる。ある構成の式(I)の化合物が異なる空間配置で存在し得る場合、例えばそれらが1以上の不斉中心、多置換環もしくは二重結合を有する場合、または異なる互変異体として存在し得る場合、エナンチオマーの混合物、特にはラセミ体、ジアステレオマーの混合物、互変異体の混合物を用いることも可能であるが、好ましくは個々の実質的に純粋な式(I)の化合物および/またはそれの塩および/またはそれのN−オキシドのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび互変異体である。
【0024】
式Iの化合物の生理的に許容される塩、特には生理的に耐容される酸との酸付加塩を用いることも同様に可能である。好適な生理的に耐容される有機および無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸塩、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸などのC−C−アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、アジピン酸および安息香酸がある。使用可能な他の酸が、文献に記載されている(Fortschritte der Arzneimittelforschung [Advances in drug research],Volume 10, pages 224ff., Birkhauser Verlag, Basle and Stuttgart, 1966)。
【0025】
同様に、化合物がキノリン部分の窒素原子などの塩基性窒素原子を含む場合、式(I)の化合物のN−オキシドを用いることが可能である。
【0026】
可変要素の上記定義で言及した有機部分は、ハロゲンという用語のように、個々の基の構成員についての個別の列記に関しての総称である。接頭語のC−Cは各場合で、その基における炭素原子の可能な数を示す。
【0027】
「ハロゲン」という用語は各場合で、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素を指し、特にはフッ素または塩素を指す。
【0028】
本明細書およびC−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキルまたはヘタリール−C−C−アルキルのアルキル部分で使用される場合の「C−C−アルキル」という用語は、各場合で1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルおよび1−エチル−2−メチルプロピルがある。
【0029】
本明細書およびC−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−ハロアルキル−カルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニルアミノのハロアルキル部分で使用される場合の「C−C−ハロアルキル」という用語は、各場合で1から6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基であって、この基の水素原子が部分的または完全にハロゲン原子で置き換わったものを指す。好ましいハロアルキル部分は、C−C−ハロアルキルから、特に好ましくはクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、1−ブロモメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルなどのC−C−ハロアルキルから選択される。
【0030】
「C−C−ヒドロキシアルキル」という用語は、1から6個、特には1から4個の炭素原子(=C−Cヒドロキシアルキル)、特には1から3個の炭素原子(=C−Cヒドロキシアルキル)を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基であって、2−ヒドロキシエチルまたは3−ヒドロキシプロピルの場合のように水素原子のうちの1個がヒドロキシ基によって置き換わっているものである。
【0031】
本明細書およびC−C−シクロアルキル−C−C−アルキルおよびC−C−ハロシクロアルキルのシクロアルキル部分で使用される場合の「C−C−シクロアルキル」という用語は、各場合でシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどの3から6個のC原子を有する脂環式基を指す。シクロアルキル基は、置換されていないか、1、2、3または4個のC−C−アルキル基、好ましくはメチル基を有していても良い。一つのアルキル基は好ましくは、1−メチルシクロプロピルまたは1−メチルシクロブチルでの場合のようにシクロアルキル基の1位にある。
【0032】
本明細書およびC−C−ハロ−アルケニルおよびアリール−C−C−アルケニルのアルケニル部分で使用される場合の「C−C−アルケニル」という用語は、各場合で2、3、4、5または6個のC原子を有する単一不飽和炭化水素を指し、例えばビニル、アリル(2−プロペン−1−イル)、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−2−イル、メタアリル(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、1−メチルブト−2−エン−1−イル、2−エチルプロプ−2−エン−1−イルなどがある。
【0033】
本明細書で使用される場合の「アリール」という用語は、各場合でフェニルおよびナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インデニルまたはインダニルなどの飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員炭素環に縮合したフェニルからなる群から選択される炭素環基を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合の「ヘタリール」という用語は、各場合で、環員としてN、OおよびSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む単環式5員もしくは6員ヘテロ芳香族基およびフェニル環または5員もしくは6員ヘテロ芳香族基に縮合した飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員複素環(その複素環は、環員としてN、OおよびSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。)からなる群から選択される環状基を指す。
【0035】
5員もしくは6員ヘテロ芳香族基の例には、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−もしくは5−ピリミジニル、ピラジニル、3−もしくは4−ピリダジニル、2−もしくは3−チエニル、2−もしくは3−フリル、1−、2−もしくは3−ピロリル、2−、3−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、2−、3−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、2−もしくは5−[1,3,4]オキサジアゾリル、4−もしくは5−(1,2,3−オキサジアゾール)イル、3−もしくは5−(1,2,4−オキサジアゾール)イル、2−もしくは5−(1,3,4−チアジアゾール)イル、2−もしくは5−(1,3,4−チアジアゾール)イル、4−もしくは5−(1,2,3−チアジアゾール)イル、3−もしくは5−(1,2,4−チアジアゾール)イル、1H−、2H−もしくは3H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、2H−トリアゾール−3−イル、1H−、2H−もしくは4H−1,2,4−トリアゾリルおよび1H−もしくは2H−テトラゾリルなどがある。
【0036】
フェニル環に縮合した飽和または不飽和5員または6員複素環の例には、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、クロメニル、クロマニル、2,3−ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ベンゾモルホリニルなどがあり、それらは置換されていないか、1、2もしくは3個の上記の基Rを有していても良い。これらの縮合ヘタリール基は、飽和もしくは不飽和で5員もしくは6員複素環のいずれかの環原子または縮合フェニル部分の炭素原子を介して、分子の残りの部分(より正確にはスルホニル基)に結合していることができる。
【0037】
5員または6員ヘテロ芳香族基に縮合した飽和または不飽和で5員または6員の複素環の例には、特にはプリニル、1,8−ナフチリジル、プテリジル、ピリド[3,2−d]ピリミジル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ピリド[3,2−b][1,4]オキサジニル、3,4−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジニルまたはピリドイミダゾリルなどがある。
【0038】
「飽和または不飽和複素環」という用語は各場合で、N、OおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む3から7員環基を指す。そのような飽和もしくは不飽和3から7員複素環の例には、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族複素環が含まれる。従って、例としては、上記で定義の5員もしくは6員ヘテロ芳香族基は別として、アジリジル、ジアリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、アゼチニル、ジおよびテトラヒドロフラニル、ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキソ−オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキソチオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニルなどがある。
【0039】
「N結合5から7員飽和複素環」の例には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニルまたはヘキサヒドロジアゼピニル、特にはピペリジニルおよびモルホリニルがある。
【0040】
5−HT受容体への結合能力に関しては、可変要素A、n、R、R、X、X、Y、YおよびYが下記に示した意味を有する式(I)の化合物が好ましい。
【0041】
本発明の好ましい態様、例えば式(I)の化合物の可変要素の好ましい意味、好ましい式(I)の化合物および本発明による方法もしくは使用の好ましい実施形態に関して下記で行う記述は、各場合で、それら自体またはそれらの組み合わせに当てはまるものである。
【0042】
好ましいものは、Aが単環式もしくは二環式アリールまたは単環式もしくは二環式ヘタリールであり、環状基Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の上記で定義の置換基Rを有していても良い式(I)の化合物である。好ましくはAは、フェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾモルホリニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ピリド[3,2−b][1,4]オキサジニル、3,4−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジニルまたはインダニルからなる群、特にはフェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾモルホリニルまたはインダニルからなる群から選択され、環状基Aは置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良い。
【0043】
本願の好ましい実施形態は、Aが、置換されていないか1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルである式(I)の化合物に関するものである。
【0044】
好ましいものは、Aが置換されていないか1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルであり、前記置換基Rが結合箇所に対してオルト位および/またはメタ位でフェニル環に結合している式(I)の化合物である。非常に好ましいものは、置換基がメタ位で置換されたフェニルである式(I)の化合物である。
【0045】
好ましいものには、基Rが互いから独立に、ハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシからなる群から選択され、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い式(I)の化合物もある。より好ましいものは、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される基Rである。
【0046】
置換基Rのうちの一つが、環員として1、2、3もしくは4個、好ましくは1、2もしくは3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む飽和もしくは不飽和の3から7員複素環であることもでき、その例にはアジリジル、ジアリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、アゼチニル、ジおよびテトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキソ−オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキソチオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、好ましくはピロリニル、モルホリニル、ピリジルおよびチアゾリルがある。
【0047】
そのような好ましい置換基Aについての例は、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、2−トリル、3−トリル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、ビフェニル−2−イル、ビフェニル−3−イル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−ジフルオロメトキシフェニル、3−ジフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−フェノキシフェニル、3−フェノキシフェニル、4−(オキサゾール−5−イル)フェニル、3−(ピロリジン−1−イル)フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、2−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル、6−モルホリニルピリジン−3−イル、6−フェノキシピリジン−3−イル、チエン−2−イル、5−メチルチエン−2−イル、5−(ピリジン−2−イル)チエン−2−イル、5−(2−メチルチアゾール−4−イル)−チエン−2−イル、5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル、2−メチルチアゾール−5−イル、2,4−ジメチル−チアゾール−5−イル、4−メチルチアゾール−2−イル、5−メチルチアゾール−2−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、1−メチルイミダゾール−4−イル、ベンゾチアゾール−7−イル、4−メチルベンゾモルホリン−8−イル、キノリン−8−イル、5−メチルピリジン−2−イル、2−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル、4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニル、キノリン−6−イル、6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル、4−メチル−3,4−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−7−イル、イソキノリン−4−イル、2,1,3−ベンゾキシジアゾール−4−イルからなる群から選択される。
【0048】
置換基Aの非常に好ましい例には、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−ジフルオロメトキシフェニル、3−ジフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニルおよび3−トリフルオロメトキシフェニルがある。
【0049】
好ましいものには、置換基Rx1、Rx3およびRx4が互いから独立に、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシからなる群から選択される式(I)の化合物もある。より好ましくは、Rx1、Rx3およびRx4は、水素、ハロゲンおよびCNから選択される。特には、Rx1は水素またはフッ素もしくは塩素などのハロゲンであり、Rx3およびRx4は水素である。最も好ましくは、Rx1、Rx3およびRx4は水素である。
【0050】
式(I)の化合物における置換基Rx2は、好ましくは水素またはC−C−アルキルである。
【0051】
式(I)の化合物における置換基Rは、好ましくは水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシからなる群から選択される。より好ましくは、Rは水素またはハロゲンである。最も好ましくは、Rは水素である。
【0052】
式(I)の化合物における基Rは好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、基Rは水素である。
【0053】
式(I)の化合物における基Rは、好ましくはC−C−アルキルである。より好ましくは、Rはメチルである。
【0054】
化合物(I)のアゼチジン部分、すなわち下記式の部分:
【0055】
【化4】

(式中、nおよびRは上記で定義の通りであり、はそれぞれRまたは芳香環への結合を示す。)は、好ましくは下記の式AZ.1、AZ.2、AZ.3、AZ.4およびAZ.5の部分から選択される。
【0056】
【化5】

【0057】
より好ましくは、アゼチジン部分はAZ.1である。従って、nは好ましくは0である。
【0058】
本発明の第1の実施形態によれば、式(I)における・・・は単結合である。この実施形態において、式(I)の化合物は好ましくは、下記式I.A.1からI.A.6の化合物から選択される。
【0059】
【化6】

式中、基A、R、R、nおよびRx2は、前記で示した意味のうちの一つを有し、Rx3およびRx3′は互いから独立に前記でRx3について示した意味のうちの一つを有し、Rx4およびRx4′は互いから独立に前記でRx4について示した意味のうちの一つを有し、R、Ry′およびRy″は互いから独立に前記でRについて示した意味のうちの一つを有する。
【0060】
特に好ましいものは、式I.A.1の化合物である。
【0061】
式I.A.1からI.A.6の化合物における基Rは好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは基Rは水素である。
【0062】
式I.A.1からI.A.6の化合物における基Rは好ましくは、C−C−アルキルである。より好ましくは、Rはメチルである。
【0063】
式I.A.1からI.A.6の化合物におけるアゼチジン部分は好ましくは、下記式AZ.1、AZ.2、AZ.3、AZ.4およびAZ.5の部分から選択される。
【0064】
【化7】

【0065】
より好ましくは、アゼチジン部分はAZ.1である。従って、nは好ましくは0である。
【0066】
本願の好ましい実施形態は、Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルである式I.A.1からI.A.6の化合物に関するものである。
【0067】
好ましいものは、Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルであり、置換基Rが結合位置に関してオルト位および/またはメタ位でフェニル環に結合している式I.A.1からI.A.6の化合物である。非常に好ましいものは、置換基Aがメタ位で置換されたフェニルである式I.A.1からI.A.6の化合物である。
【0068】
好ましいものには、基Rが互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシからなる群から選択され、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないかハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い式I.A.1からI.A.6の化合物もある。より好ましいものは、基Rが互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される式I.A.1からI.A.6の化合物である。
【0069】
好ましいものには、置換基Rx3およびRx4が互いから独立に水素からなる群から選択されるか、それらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成している式I.A.1からI.A.6の化合物もある。最も好ましくは、Rx3およびRx4は水素である。
【0070】
好ましいものには、置換基Rx3′およびRx4′が互いから独立に水素からなる群から選択されるか、それらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成している式I.A.1からI.A.4の化合物もある。最も好ましくは、Rx3′およびRx4′は水素である。
【0071】
式I.A.2、IA.3、I.A.5およびI.A.6の化合物における置換基Rx2は好ましくは、水素またはC−C−アルキルである。
【0072】
式I.A.1からI.A.6の化合物における置換基R、Ry′およびRy″は好ましくは、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシからなる群から選択される。より好ましくは、R、Ry′およびRy″は水素またはハロゲンである。最も好ましくはR、Ry′およびRy″は水素である。
【0073】
式I.A.1からI.A.6における置換基Aの非常に好ましい例には、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−ジフルオロメトキシフェニル、3−ジフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニルおよび3−トリフルオロメトキシフェニルがある。
【0074】
本発明の第2の実施形態によれば、式(I)における・・・は二重結合である。この実施形態において、式Iの化合物は、下記式I.B.1からI.B.8の化合物から選択される。
【0075】
【化8】


式中、基A、R、Rおよびnは、前記で示した意味のうちの一つを有し、Rx1およびRx1′は互いから独立に前記でRx1について示した意味のうちの一つを有し、R、Ry′およびRy″は互いから独立に前記でRについて示した意味のうちの一つを有する。
【0076】
特に好ましいものは、式I.B.1の化合物である。
【0077】
特に好ましいものには、式I.B.5の化合物もある。
【0078】
式I.B.1からI.B.8の化合物における基Rは、好ましくは水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、基Rは水素である。
【0079】
式I.B.1からI.B.8の化合物における基Rは、好ましくはC−C−アルキルである。より好ましくはRはメチルである。
【0080】
式I.B.1からI.B.8の化合物におけるアゼチジン部分は、好ましくは下記式AZ.1、AZ.2、AZ.3、AZ.4およびAZ.5の部分から選択される。
【0081】
【化9】

【0082】
より好ましくはアゼチジン部分は、AZ.1である。従って、nは好ましくは0である。
【0083】
本願の好ましい実施形態は、Aが置換されていないか1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルである式I.B.1からI.B.8の化合物に関するものである。
【0084】
好ましいものは、Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルであり、置換基Rが結合位置に関してオルト位および/またはメタ位でフェニル環に結合している式I.B.1からI.B.86の化合物である。非常に好ましいものは、置換基Aがメタ位で置換されたフェニルである式I.A.1からI.A.6の化合物である。
【0085】
好ましいものには、基Rが互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシからなる群から選択され、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないかハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い式I.B.1からI.B.8の化合物もある。より好ましいものは、基Rが互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルからなる群から選択される式I.A.1からI.A.6の化合物である。
【0086】
好ましいものには、置換基Rx1およびRx1′が互いから独立に水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシからなる群から選択される式I.B.1からI.B.3およびI.B.5からI.B.8の化合物もある。より好ましくは、Rx1およびRx1′は水素、ハロゲンおよびCNから選択される。特には、式I.B.1、I.B.2、I.B.5、I.B.6およびI.B.8におけるRx1は水素であり、式I.B.3およびI.B.7におけるRx1は水素またはフッ素もしくは塩素などのハロゲンである。式I.B.1およびI.B.5におけるRx1′は特には、水素またはフッ素もしくは塩素などのハロゲンである。最も好ましくは、Rx1およびRx1′は水素である。
【0087】
式I.A.2、IA.3、I.A.5およびI.A.6の化合物における置換基Rx2は好ましくは、水素またはC−C−アルキルである。
【0088】
式I.B.1からI.B.8の化合物における置換基R、Ry′およびRy″は好ましくは、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシからなる群から選択される。より好ましくは、R、Ry′およびRy″は水素またはハロゲンである。最も好ましくは、R、Ry′およびRy″は水素である。
【0089】
式I.B.1からI.B.8における置換基Aの非常に好ましい例には、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−ジフルオロメトキシフェニル、3−ジフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニルおよび3−トリフルオロメトキシフェニルがある。
【0090】
式I.A.1、I.A.2、I.A.3、I.A.4、I.A.5、I.A.6、I.B.1、I.B.2、I.B.3、I.B.4、I.B.5、I.B.6、I.B.7およびI.B.8によって表される好ましい化合物の例には、表1から28に挙げられた個々の化合物があり、可変要素Aおよび(Rは表Aの列1から330に示した意味を有する。
【0091】
表1
、Ry′、Ry″、Rx3、Rx4、Rx3′およびRx4′がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.1の化合物(化合物I.1からI.330)。
【0092】
【表1】












【0093】
表2
、Ry′、Ry″、Rx2、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.2の化合物(化合物I.331からI.660)。
【0094】
表3
、Ry′、Ry″、Rx2、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.3の化合物(化合物I.661からI.990)。
【0095】
表4
、Ry′、Ry″、Rx3、Rx4、Rx3′およびRx4′がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.4の化合物(化合物I.991からI.1320)。
【0096】
表5
、Ry′、Rx2、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.5の化合物(化合物I.1321からI.1650)。
【0097】
表6
、Ry′、Rx2、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.6の化合物(化合物I.1651からI.1980)。
【0098】
表7
、Ry′、Ry″、Rx1およびRx1′がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.1の化合物(化合物I.1981からI.2310)。
【0099】
表8
、Ry′、Ry″およびRx1がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.2の化合物(化合物I.2311からI.2640)。
【0100】
表9
、Ry′、Ry″およびRx1がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.3の化合物(化合物I.2641からI.2970)。
【0101】
表10
、Ry′およびRy″がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.4の化合物(化合物I.2971からI.3300)。
【0102】
表11
、Ry′、Rx1およびRx1′がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.5の化合物(化合物I.3301からI.3630)。
【0103】
表12
、Ry′およびRx1がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.6の化合物(化合物I.3631からI.3960)。
【0104】
表13
、Ry′およびRx1がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.7の化合物(化合物I.3961からI.4290)。
【0105】
表14
およびRx1がそれぞれ水素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.8の化合物(化合物I.4291からI.4620)。
【0106】
表15
、Ry′、Ry″、Rx3′およびRx4′がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.1の化合物(化合物I.4621からI.4950)。
【0107】
表16
、Ry′、Ry″およびおよびRx2がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.2の化合物(化合物I.4951からI.5280)。
【0108】
表17
、Ry′、Rx3′およびおよびRx4′がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.4の化合物(化合物I.5281からI.5610)。
【0109】
表18
、Ry′およびRx2がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.5の化合物(化合物I.5611からI.5940)。
【0110】
表19
、Ry′、Ry″、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、Rx3′とRx4′がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.1の化合物(化合物I.5941からI.6270)。
【0111】
表20
、Ry′、Ry″およびRx2がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.1の化合物(化合物I.6271からI.6600)。
【0112】
表21
、Ry′、Rx3およびRx4がそれぞれ水素であり、Rx3′とRx4′がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.4の化合物(化合物I.6601からI.6930)。
【0113】
表22
、Ry′およびRx2がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.6の化合物(化合物I.6931からI.7260)。
【0114】
表23
、Ry′およびRy″がそれぞれ水素であり、Rx3とRx4そしてRx3′とRx4′がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.1の化合物(化合物I.7261からI.7590)。
【0115】
表24
およびRy′がそれぞれ水素であり、それぞれRx3とRx4、Rx3′とRx4′がそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を形成しており、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.A.4の化合物(化合物I.7591からI.7920)。
【0116】
表25
、Ry′、Ry″およびRx1がそれぞれ水素であり、Rx1′が塩素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.1の化合物(化合物I.7921からI.8250)。
【0117】
、Ry′、Ry″およびRx1がそれぞれ水素であり、Rx1′がフッ素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.1の化合物(化合物I.8251からI.8580)。
【0118】
、Ry′およびRx1がそれぞれ水素であり、Rx1′が塩素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.1の化合物(化合物I.8581からI.8910)。
【0119】
、Ry′およびRx1がそれぞれ水素であり、Rx1′がフッ素であり、可変要素A、Rおよび(Rが表Aの列1から330のうちの一つに示した意味を有する式I.B.1の化合物(化合物I.8911からI.9240)。
【0120】
本発明の化合物Iは、下記の合成経路A、BおよびCに示した方法に従って得ることができる。
【0121】
1.一般合成経路
【0122】
【化10】

【0123】
図式 1において、R1′は水素とは異なる基Rであるか、例えばBocなどの好適なN−保護基であり、HalおよびHal′はハロゲン、特にはBrまたはIである。図式1によれば、文献(Tetrahedron 1987, 43, 2203-2212;J. Org. Chem. 1988, 53, 2390-2392)に記載の方法に従ってハロゲン化合物(II)を有機亜鉛試薬に変換し、次に文献(Synlett 1998, 4, 379-380;J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 12527-12530)に記載の方法と同様にして、適切な二環式ハロ化合物(III)とのPd(0)介在交差カップリング反応を行って、アゼチジン置換された化合物(I′)を得る。あるいは、中間体で発生した有機亜鉛試薬を、例えばCuCN・2LiClで金属交換し、次に、式(III)の化合物と反応させて、式(II)の化合物に変換することができる。アゼチジン部分の遊離アミノ官能基を、N−R1′−結合の開裂(例えば、Bocカーバメートの場合にはトリフルオロ酢酸を使用)によって再生し、次に適切なアシルクロリドとの反応によってアミドに変換する。
【0124】
得られたスルホンアミド(I′)において基R1′が所望の基Rではなくそれの前駆体である場合、化合物を下記に説明する方法に従って修飾して、所望の置換基Rを得ることができる。前駆体は、容易に脱離して、所望の基Rに代えることができる基であるか、修飾してRを与えることができる基である。その前駆体は、ブチルオキシカルボニル(Boc)などのN−保護基(PG)であることもできる。
【0125】
1′がアリルである場合、そのアリル基を開裂させて、R1′が水素である化合物を得ることができる。そのアリル基の開裂は、例えば、文献から公知の方法(メルカプト安息香酸の存在下でのN−アリル脱離に関しては、WO94/24088を参照し、1,3−ジメチルバルビツール酸存在下での脱離に関してはJ. Am. Chem. Soc. 2001, 123 (28), pp. 6801-6808およびJ. Org. Chem. 2002, 67(11) pp.3718-3723を参照)を用い、有利にはホスフィン配位子、例えばトリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン類、トリブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類およびトリシクロヘキシルホスフィンなどのシクロアルキルホスフィン類、特には2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチルまたは1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのホスフィンキレート配位子と組み合わせて、触媒量のパラジウム(0)化合物または例えば二塩化パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの反応条件下でパラジウム(0)化合物を形成することができるパラジウム化合物の存在下に、化合物(I′−1)[R′=アリル]をメルカプト安息香酸または1,3−ジメチルバルビツール酸などのアリル捕捉剤と反応させることで行われる。あるいは、N−アリルの開裂は、文献(J. Chem. Soc, Perkin Transaction I: Organic and Bio-Organic Chemistry 1999 (21) pp. 3089-3104およびTetrahedron Asymmetry 1997, 8(20), pp. 3387-3391参照)から公知の方法を用いて、トリス(トリフェニルホスフィン)クロロロジウム(I)などのロジウム化合物の存在下に反応させることで行うこともできる。
【0126】
R′がベンジルである場合、この置換基を開裂させて、R′がHである化合物(I′−1)を得ることもできる。開裂の反応条件は当業界で公知である。代表的には、ベンジル基は、Pd/炭素または水酸化パラジウムなどの好適なPd触媒の存在下での水素化反応によって除去される。
【0127】
1′も保護基であることができる。その保護基を除去して、Rが水素である化合物(I′−1)を得ることができる。好適な保護基は当業界で公知であり、例えばtert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、トリフェニルメチル(Trt)およびニトロベンゼンスルフェニル(Nps)から選択される。好ましい保護基はBocである。保護基は、例えばHClまたはHBrなどのハロゲン酸、ギ酸もしくはトリフルオロ酢酸などの酸による保護されたアミンの処理または適宜にPd触媒存在下での水素化などの公知の方法によって除去することができる。
【0128】
次に、得られたR1′がHである化合物を、アルキル化の意味において公知の方法で、化合物R−Xと反応させることができる。この化合物において、RはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキル−C−C−アルキルであり、Xは例えばハロゲン、トリフルオロメチルスルホネート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルサルフェートなどの求核的に置換可能な脱離基である。そのアルキル化に必要な反応条件は、文献(例えば、Bioorganic and Medicinal Chemistry Lett. 2002, 12(7), pp. 2443-2446、さらには2002, 12(5), pp. 1917-1919参照)に十分に開示されている。
【0129】
そのアルキル化は、還元的アミノ化の意味において、還元剤の存在下、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムまたは水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムなどのホウ素水素化物の存在下にR1′=Hである化合物(I′)を好適なケトンまたはアルデヒドと反応させることで行うこともできる。当業者であれば、例えば文献(Bioorganic and Medicinal Chemistry Lett. 2002, 12(5), pp. 795-798および12(7) pp.1269-1273)から、還元的アミノ化に必要な反応条件については熟知しているものである。
【0130】
1′が水素である場合、得られたスルホンアミド(I′−1)をアシルハライドとさらに反応させて、R1′がC−C−アルキルカルボニルである式Iの化合物を得ることもできる。これらの化合物におけるカルボニル基を、ジボランで還元して、RがC−C−アルキルである一般式Iの化合物を得ることができる。そのカルボニル基をフッ素化剤と反応させて、R1′が1,1−ジフルオロアルキルである化合物Iを得ることもできる。アシル化および還元は、マーチの著作(Jerry March, Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. J. Wiley & Sons, New York 1985, p.370 and 373(アシル化)およびp.1099f.)およびその刊行物で引用の文献(アシル化に関しては、Synth. Commun. 1986, 16, p. 267も参照し、還元に関してはJ. Heterocycl. Chem. 1979, 16, p. 1525も参照)に記載されている標準的な方法によって行うことができる。
【0131】
化合物(III)を得る合成経路を図式2に示してある。
【0132】
【化11】

【0133】
図式1において、Halはハロゲン、特にはBrまたはIである。式(III)のスルホンアミド化合物は、式(IV)の二環式アミノ化合物を好適なスルホン酸誘導体と反応させることで得ることができる。好適なスルホン酸誘導体は、例えばスルホニルクロリドA−SOClである。そのスルホン化反応は好ましくは、当業界での標準的な手順に従い、塩基存在下に行う。上記図式2に示した反応では、スルホン化は、それぞれスルホンアミド化合物またはスルホン酸エステルの製造において一般的な反応条件下で行い、その条件については、文献(例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York, 1985 p 444ffおよびそこに引用されている文献、European J. Org. Chem. 2002 (13), pp. 2094-2108、Tetrahedron 2001, 57 (27) pp. 5885-5895、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 2000, 10(8), pp. 835-838およびSynthesis 2000 (1), pp. 103-108)に記載されている。その反応は一般的に、例えばエーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルまたはテトラヒドロフランなど)、ハロ炭化水素(塩化メチレンなど)、脂肪族もしくは脂環式炭化水素(ペンタン、ヘキサンまたはシクロヘキサンなど)または芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、クメンなど)、極性非プロトン性溶媒(ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)またはアセトニトリルなど)などの不活性溶媒中または上記溶媒の混合物中で行う。A−SOClとの反応は一般的に、補助塩基の存在下に行う。好適な塩基は、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどの無機塩基、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物、ならびに例えばトリエチルアミンなどのトリアルキルアミン類またはピリジン、ルチジンなどのピリジン化合物などの有機塩基である。後者の化合物は、同時に溶媒として用いることができる。補助塩基は一般的に、アミノ化合物(IV)に基づいて少なくとも等モル量で使用する。
【0134】
スルホニルクロリドCl−SO−Aは市販されているか、標準的な合成方法に従って製造することができる。スルホニルクロリドを製造する上でのある特に好適な合成方法について、文献(Synthesis 1986, 852-854またはTetrahedron Letters 47 (2006), 4125-4128)に記載されている。そのスルホニルクロリドは、ハロゲン化(臭素化)芳香族化合物をn−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムと反応させてリチウム化芳香族化合物を形成し、それを二酸化硫黄と反応させて芳香族スルフィン酸リチウム化合物を形成し、それを最後に塩化スルフ率と反応させることで相当するスルホニルクロリドに変換することによって製造する。スルホニルクロリドは、酸性条件下で好適なアミン前駆体A−NHを亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、酢酸中にて二酸化硫黄と反応させることで(図式(iii);J. Org. Chem., 1960, 25, 1824-26);好適なヘタリール−チオールHS−Aまたはヘタリール−ベンジル−チオエーテルC−CH−S−Aを塩素で酸化して(Synthesis, 1998, 36-38;J. Am. Chem. Soc, 1950, 74, 4890-92)直接相当するスルホニルクロリドとすることで製造することもできる。さらに別のものが当業界で公知であるか、標準的な方法によって製造可能である。フッ素化基Rを含むスルホニルクロリドは、異なる合成経路によって、例えば好適なヒドロキシまたはオキソ前駆体(例えば、ヒドロキシまたはオキソ置換された基を有する化合物Cl−SO−A)をDAST(三フッ化ジエチルアミノ硫黄)、モルホリン−DAST、デオキソ−フルオル(ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド)、イシカワ試薬(N,N−ジエチル−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)アミン;Journal of Fluorine Chemistry, 1989, 43, 371-377)などのフッ素化試薬と反応させることで製造することができる。より一般的には、ヒドロキシ置換された基を有するがクロロスルホニル基を持たない芳香族化合物のヒドロキシ基を脱離基に変換し、それをフッ素化物イオンと置き換える(J. Org. Chem., 1994, 59, 2898- 22901;Tetrahedron Letters, 1998, 7305-6;J. Org. Chem., 1998, 63, 9587-9589;Synthesis, 1987, 920-21)。次に、クロロスルホン酸で直接クロルスルホニル化(Heterocycles, 2001 , 55, 9, 1789-1803;J. Org. Chem., 2000, 65, 1399-1406)または最初にスルホン酸誘導体を製造し、次に例えばクロロスルホン酸、五塩化リンでスルホニルクロリドに変換する2段階方法(Eur. J. Med. Chem., 2002, 36, 809-828)などを行うことで、所望のスルホニルクロリドを得る(Tetrahedron Letters, 1991 , 33,50 7787-7788)。
【0135】
あるいは、本発明の化合物I(それぞれ化合物I′)は、図式3に示した合成経路Bによって得ることができる。
【0136】
【化12】

【0137】
図式3において、可変要素R1′、HalおよびHal′は、図式1および2の文脈で示した意味のうちのいずれかを有し、PGはトリイソプロピルシリル(TiPS)などのN−保護基である。化合物(II)および化合物(IV−PG)のカップリングは、化合物(II)および(III)のカップリングに関して上記の条件下で行うことができる。化合物(V)の保護基PGの開裂とそれに続く式(III)のスルホンアミドの合成について前述した条件を用いる遊離したアミノ基のスルホン化によって、式(I′)の化合物が得られる。
【0138】
置換基Aは、各種スルホニルクロリドを用いることで、あるいは公知の方法によってスルホンアミド(I′)の形成後に基Aの置換基を修飾することで変えることができる。例えば、Ar基の臭素置換基は、文献(Tetrahedron Asym. 1999, 10, 1831)に記載の手順に従って、N−結合ピロリジニル基によって置き換えることができる。このPd介在カップリングは、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルなどの全ての窒素含有複素環に適用可能である。その反応は、ハロゲン、アルキルまたはフッ素化アルキルなどの1以上の置換基を有する複素環化合物にも適用可能である。基Aの臭素置換基はさらに、ブロモ化合物を、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)などの適切なPdカップリング触媒の存在下にスズ酸アルケニルトリブチルと反応させるスティルカップリングに従ってイソプロペニル基によって置き換えることができる(例えば、Tetrahedron, 2003, 59(34), 6545およびBioorg. Med. Chem. 1999, 7(5), 665参照。)。イソプロペニル基は次に、公知の水素化法によってイソプロピル基に変換することができる。スティルカップリングに代えて、スズキまたはスズキ−ミヤウラカップリングも金属交換に用いることができる。この場合、ブロモ化合物をトリフルオロホウ酸アルケニルなどの活性化ボロン酸化合物またはそれの誘導体と反応させる(条件については、例えばJ. Org. Chem. 2002, 67, 8424-8429;synthesis 2006, 860-864参照)。
【0139】
2.具体的な合成
2.1:・・・が単結合である化合物Iおよびそれの前駆体の合成
・・・が単結合である式Iの(それぞれ式I′の)化合物、特には縮合ジヒドロ−ピロール環を含む式Iの化合物は、例えば下記の方法に従って製造することができる。
【0140】
【化13】

【0141】
図式4において、R1′は図式1および2の文脈で与えた意味のうちのいずれかを有する。二環式核が縮合ジヒドロ−ピロール環である本発明による化合物は、二環式核として縮合ピロール環を含む相当する化合物の水素化によって製造することができる。好適な条件は、例えば文献(Chem. Rev. 1969, 69, 785;The chemistry of indoles, academic press, New York, 1970, 129-135;Hetrocyclic compounds, Indoles, Part One, WJ. , Ed., Wiley, New York1972, 163-177またはComprehensive Organic Chemistry, I. Flemming, Ed., Pergamon, Oxford, Vol. 8)に記載されている。水素化の標準的な条件は、例えばメタノールなどの不活性溶媒に縮合ピロール化合物を溶解させ、それをPd/Cの存在下に大気圧より高いH圧(例えば、1KPa(10mbar))下で反応させるというものであると考えられる。N−(フェニルスルホニル)インドール類の還元の別の方法は、文献(Tetrahedron Letters, 1989, 30(49), 6833-6836)に記載されている。この方法によれば、トリフルオロ酢酸中での水素化シアノホウ素ナトリウムとの反応によって、N−(フェニルスルホニル)インドール類を相当する2,3−ジヒドロインドール類に変換することができる。この条件下では、インドール類以外の式(I−ピロール)の化合物も還元することができる。式(I−ピロール)の化合物のエナンチオマー選択的水素化は、例えばキラル触媒を用いて文献(Tetrahedron Assym., 2006, 17, 521-535)に記載の条件下で行うことができる。
【0142】
2.2:化合物(II)およびそれの前駆体の合成
式IIの化合物は、下記のように合成することができる。
【0143】
【化14】

【0144】
1−ベンゾヒドリル−アゼチジン−3−オール化合物を原料とし、アミンのPd介在脱保護(Tetrahedron 2002, 58, 9865-9870)、カーバメート形成およびそれに続くハロゲン化によって、Zn挿入を受けやすい中間体のヨウ素化合物を形成する(Tetrahedron 1987, 43, 2203-2212;J. Org. Chem. 1988, 53, 2390-2392)。そうして得ることができる有機亜鉛化合物は、上記で説明した合成経路AまたはBで用いることができる。アゼチジン−3−オール化合物の合成については、例えば文献(J. Med. Chem. 1994, 37, 4195-4210またはHelvetica Chimica Acta 1995, 78, 1238-1246)に記載されている。
【0145】
3.エナンチオマー的に純粋な化合物Iの合成
エナンチオマー的に純粋な化合物(I)は、それの好適な前駆体に標準的な分割技術を適用することで得ることができる。例えば、化合物(II)(上記の図式1を参照)または化合物(V)(上記の図式3参照)(R1′はHであるか、ベンジルなどの好適な保護基であることができる。)を、例えば酒石酸またはそれの誘導体などのキラル酸と反応させて、2種類のジアステレオマー塩を得ることができる。これらは、一般的な方法で、例えば抽出もしくはクロマトグラフィー法によって、または好ましくは分別結晶によって分離することができる。そうして分離されたジアステレオマー塩を次に、その塩を好適な塩基と反応させて化合物(I′)または(V)のS−もしくはR−エナンチオマーを得ることで、エナンチオマー的に純粋な化合物(I′)または(V)に変換する。好適な塩基は、例えば水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物、そして酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物;例えばナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレートまたはナトリウム−tert−ブタノレートのようなアルコレート類、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類およびピリジン、ピコリンおよびルチジンなどの窒素含有塩基性複素環化合物などの有機塩基である。
【0146】
別段の断りがない限り、上記の反応は、室温と使用溶媒の沸点の間の温度で溶媒中にて行う。あるいは、マイクロ波を用いて反応混合物に反応に必要な活性化エネルギーを導入することができ、それの何らかが、特には、遷移金属によって触媒される反応の場合には(マイクロ波を用いる反応に関しては、Tetrahedron 2001, 57, p. 9199 ff. p. 9225 ffを参照し、一般法では″Microwaves in Organic Synthesis″, Andre Loupy (Ed.), Wiley-VCH 2002を参照する。)有効であることが明らかになっている。
【0147】
化合物Iの酸付加塩は、適切な場合には、例えばアセトニトリル、メタノール、エタノールまたはプロパノールなどの低級アルコール、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルなどのエーテル、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトンまたは酢酸エチルなどのエステル、それらの混合物ならびにそれらの水との混合物などの有機溶媒中の溶液での遊離塩基の相当する酸との混合によって、一般的な方法で製造される。
【0148】
本発明の化合物は、部分作働薬活性を含むドーパミン5−HT受容体作働薬または逆作働薬活性を含むドーパミン5−HT受容体拮抗薬であることができる。
【0149】
本発明による式Iの化合物は、5−HT受容体に対して驚くほど高いアフィニティを有する。本発明による化合物の5−HT受容体受容体に対する高アフィニティは、通常50nM(nmol/L)未満、好ましくは10nM未満、特には5nM未満の非常に低いイン・ビトロでの受容体結合定数(K(5−HT)値)で反映されている。例えば、5−HT受容体に対する結合アフィニティを求める受容体結合試験には、H−LSDの置換を用いることができる。
【0150】
さらに、式Iの化合物は、ドーパミン受容体、アドレナリン受容体、ムスカリン受容体、ヒスタミン受容体、アヘン剤受容体、特にはドーパミンアミンD、α−アドレナリンおよびヒスタミンH受容体などの他の受容体に対してはアフィニティが低いことから、他の選択性が比較的低い5−HTリガンドより生じる副作用が少ない非常に選択的な5−HT受容体リガンドである。
【0151】
例えば、本発明による化合物の5−HT/D、5−HT/α−アドレナリンまたは5−HT/H選択性、すなわち受容体結合定数の比率K(D)/K(5−HT)、またはK(H)/K(5−HT)は、通常は少なくとも25、好ましくは少なくとも50、さらに良好には少なくとも100である。
【0152】
、DおよびD受容体についての受容体結合試験を実施する上で、例えば[H]SCH23390または[125I]スピペロンの置き換えを用いることができる。
【0153】
さらに、式Iの化合物は、その構造的特徴から、他の公知の5−HT受容体リガンドと比較して高い脳透過性を示しやすい。
【0154】
その化合物は、結合プロファイルのため、5−HT受容体リガンドに応答する(または5−HT受容体リガンドでの治療に感受性である)疾患の治療において用いることができる。すなわちそれら化合物は、5−HT受容体に対する影響(調節)を行うことで、臨床像における改善または疾患の治癒を生じる医学的障害または疾患の治療において有効である。これらの疾患の例は、中枢神経系の障害または疾患である。
【0155】
中枢神経系の障害または疾患とは、脊髄および特には脳に影響を与える障害を意味するものと理解される。本発明による意味において「障害」という用語は、病的な状態または機能と通常見なされ、それ自体が特定の徴候、症状および/または機能不全の形で現れ得る障害および/または異常を指す。本発明による治療は、個々の障害、すなわち異常または病的状態に対するものであることができるが、それは本発明に従って治療が可能な、互いに原因的に関連していることでパターンにまとめられるいくつかの異常、すなわち症候群である可能性もある。
【0156】
本発明に従って治療可能な障害は、特には、5−HT受容体の調節に応答する障害である。それには、記憶、認識および学習における欠陥などの認知機能障害、特にアルツハイマー病、加齢性認識衰退および軽度認識障害に関連したもの、注意力欠如障害/多動性症候群、人格障害(統合失調症など)、特には統合失調症関連の認知障害、抑鬱、不安および強迫性障害などの情動障害、パーキンソン病および癲癇などの動作または運動障害、片頭痛、睡眠障害(概日リズムの障害など)、食欲不振および過食症などの摂食障害、過敏性大腸症候群などのある種の消化管障害、卒中などの神経変性関連の疾患、脊髄または頭部の外傷および水頭症などの頭部損傷、薬物嗜癖および肥満などがある。
【0157】
耽溺障害には、医薬または麻薬などの向精神剤の乱用によって生じる心理的障害および行動的障害、および強迫性賭博などの他の耽溺障害(他のものに分類されない衝動調節障害)などがある。常習性薬物の例には、オピオイド類(例:モルヒネ、ヘロイン、コデイン);コカイン;ニコチン;アルコール;GABAクロリドチャンネル複合体と相互作用する物質、鎮静剤、睡眠薬または精神安定薬、例えばベンゾジアゼピン類;LSD;カンナビノイド類;3,4−メチレンジオキシ−N−メチルアンフェタミン(エクスタシー)などの精神運動興奮薬;メチルフェニデートおよびカフェインなどの他の刺激剤などのアンフェタミンおよびアンフェタミン様物質がある。特別の注意を必要とする常習性薬物は、オピオイド類、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン様物質、ニコチンおよびアルコールである。
【0158】
耽溺障害の治療に関しては、特に好ましいものは、それ自体は向精神効果を持たない式Iの本発明による化合物である。それは、本発明に従って用いることができる化合物の投与後に、向精神剤、例えばコカインの自己投与を減らすラットを用いる試験で認めることもできる。
【0159】
本発明の別の態様によれば、本発明による化合物は、原因が少なくとも部分的に5−HT受容体の異常活性によるものである可能性がある障害の治療において好適である。
【0160】
本発明の別の態様によれば、治療は特には、適切な医学的治療の意味で、好ましくは外因的に投与された5−HT受容体への結合相手(リガンド)の結合によって影響され得る障害に関するものである。
【0161】
本発明による化合物によって治療可能な疾患は非常に多くの場合、漸進的進行を特徴とし、すなわち上記の状態が経時的に変化し、重度は通常は大きくなり、状態は交互に現れる可能性があるか、他の状態が以前からの既存の状態に加わるように思われる場合がある。
【0162】
式Iの化合物は、中枢神経系の障害、特には上記の状態に関連する多くの徴候、症状および/または機能不全を治療するのに用いることができる。これらの徴候、症状および/または機能不全には例えば、現実に対する歪んだ関係、通常の社会規範および生活上の要求に従う洞察および能力の欠如、気質の変化、空腹、睡眠、口渇などの個人的衝動および気分における変化、観察および組み合わせを行う能力における障害、人格変化、特には情動不安定、幻覚、自我障害、滅裂、両価性、自閉症、離人症または幻覚、妄想観念、断続言語、連合運動の欠如、小股歩行、胴体および四肢の傾斜姿勢、振戦、顔面表現の乏しさ、単調言語、抑鬱、感情鈍麻、自発性欠如および不決断、連合能力低下、不安、神経興奮、吃音、対人恐怖、パニック障害、依存性関連の禁断症状、誇大症候群、興奮状態および混乱状態、神経不安、運動障害症候群およびチック障害(例:ハンチントン舞踏病)、ジル−ド−ラ−ツレット症候群、眩暈症候群(例:末梢体位性、回転性および前庭性の眩暈)、うつ病、ヒステリー、心気症などがある。
【0163】
本発明による意味での治療には、急性もしくは慢性の徴候、症状および/または機能不全の治療だけでなく、予防的処置(予防)、特には再発もしくは相の予防としての処置も含まれる。治療は対症的であることができ、例えば症状の抑制に向けたものであることができる。それは短期で行うことができ、中期で行うことができ、または例えば維持療法の一環として長期治療であることもできる。
【0164】
本発明による化合物は、中枢神経系の疾患の治療に、より好ましくは認知機能障害の治療に、特には統合失調症またはアルツハイマー病に関連する認知機能障害の治療に特に好適である。
【0165】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物は、例えば精神障害およびそれに関連する行動障害などの医薬、麻薬、ニコチンまたはアルコールなどの向精神剤の乱用によって生じる耽溺疾患の治療に特に好適である。
【0166】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物は、肥満などの栄養障害、ならびに心血管疾患、消化系疾患、呼吸器疾患、癌またはII型糖尿病などのそれに関連する疾患の治療において特に好適である。
【0167】
治療の文脈の範囲内において、記載の化合物の本発明による使用には、方法が関与する。この方法では、概して医薬および動物薬の実務に従って製剤された有効量の1以上の化合物を治療対象の個体、好ましくは哺乳動物、特にはヒト、繁殖動物または家畜に投与する。そのような治療が適応であるか否かおよびそれが取る形態は、個々の症例によって決まるものであり、存在する徴候、症状および/または機能不全、ある種の徴候、症状および/または機能不全発症のリスク、ならびに他の因子を考慮する医学的評価(診断)に従うものである。
【0168】
治療は通常、1日1回またはそれ以上、適宜に他の活性化合物もしくは活性化合物含有薬と一緒もしくは交互に投与することで行って、治療を受ける個体が、好ましくは経口投与の場合で約0.1から1000mg/kgまたは非経口投与の場合で約0.1から100mg/kgの1日用量の投与を受けるようにする。
【0169】
本発明はまた、個体、好ましくは哺乳動物、特にはヒト、繁殖動物または家畜の治療用の医薬組成物の製造に関するものでもある。従って、式Iの化合物は通常、少なくとも1種類の本発明による化合物と適宜に他の活性化合物とともに製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物の形態で投与される。それらの組成物は、例えば経口、直腸、経皮、皮下、静脈、筋肉または鼻腔内経路によって投与することができる。
【0170】
好適な医薬製剤の例には、粉剤、粒剤、錠剤、特にはフィルムコート錠、ロゼンジ剤、小袋剤、カシェ剤、糖衣錠、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセルなどのカプセル、坐剤または膣製剤などの固体医薬製剤;軟膏、クリーム、ヒドロゲル、ペーストまたは貼付剤などの半固体医薬製剤;および液剤、乳濁液、特には水中油型乳濁液、懸濁液、例えばローション、注射製剤および注入用製剤ならびに点眼剤および点耳剤などの液体医薬製剤がある。埋め込み投与機器を用いて、本発明による阻害薬を投与することもできる。さらに、リポソームやミクロスフェアの使用も可能である。
【0171】
組成物を製造する場合、本発明による化合物を適宜に1以上の賦形剤と混合またはそれで希釈する。賦形剤は、活性化合物用の媒体、担体または媒質として働く固体、半固体または液体材料であることができる。
【0172】
好適な賦形剤は、専門の医薬研究書に列記されている。前記製剤はさらに、製薬上許容される担体または潤滑剤;湿展剤;乳化剤および懸濁剤;保存剤;酸化防止剤;抗刺激剤;キレート剤;コート助剤;乳濁液安定剤;フィルム形成剤;ゲル形成剤;臭気マスク剤;矯味薬;樹脂;親水コロイド;溶媒;溶解剤;中和剤;拡散促進剤;顔料;4級アンモニウム化合物;再脂肪剤および過脂肪剤;軟膏、クリームもしくはオイル基剤;シリコーン誘導体;展着助剤;安定剤;滅菌剤;坐剤基剤;結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤もしくはコーティング剤などの錠剤賦形剤;推進剤;乾燥剤;乳白剤;増粘剤;ロウ類;可塑剤;白油などの従来の補助物質を含むことができる。これに関する製剤は、文献(例えば、Fiedler, H.P., Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik and angrenzende Gebiete [Encyclopedia of auxiliary substances for pharmacy, cosmetics and related fields], 4th edition, Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag, 1996)に記載の専門知識に基づいたものである。
【0173】
下記の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0174】
I.製造実施例
化合物は、400MHzまたは500MHzNMR装置(Bruker AVANCE)でのd−ジメチルスルホキシドまたはCDODもしくはCDCl中にてのH−NMRによって、またはC18材料での急勾配でのHPLC−MSによって記録される質量分析(エレクトロスプレーイオン化(ESI)モード)または融点によって特性決定した。
【0175】
核磁気共鳴スペクトル特性(NMR)は、百万分の部数単位(ppm)で表現される化学シフト(δ)に関係するものである。H NMRスペクトラムにおけるシフトの相対面積は、分子中の特定の機能型における水素原子の数に相当する。多重性に関するシフトの性質は、一重線(s)、広い一重線(bs)、二重線(d)、広い二重線(bd)、三重線(t)、広い三重線(bt)、四重線(q)、五重線(quint.)および多重線(m)として示される。
【0176】
(実施例1)
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物1)の製造
a)1−(4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−5−ヨード−1H−インドールの製造
5−ヨード−1H−インドール(2.0g、8.23mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)(10mL)に溶かし、冷却して0℃とした。水素化ナトリウム(494mg、12.34mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。4−(ジフルオロメトキシ)−ベンゼン−スルホニルクロリド(2.196g、9.05mmol)をDMF(5mL)に溶かし、反応混合物に少量ずつ加えた。撹拌を45分間続けた。冷水(150mL)を反応混合物に加えた。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去して、結晶固体を得た(3.0g、81%)。ESI−MS[m/z]:449.95[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=8.05(d、2H)、8.0(s、1H)、7.85(d、1H)、7.8(d、1H)、7.65(d、1H)、7.4(t、J=70Hz、1H)、7.35(d、2H)、6.8ppm(d、1H)。
【0177】
b)3−[1−(4−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
不活性雰囲気中、亜鉛末(300mg、4.59mmol)をジメチルアセトアミド(1.6mL)中で高撹拌し、加熱して65℃とした。次に、トリメチルクロロシラン(70μL、0.57mmol)およびジブロモエタン(50μL、0.57mmol)を反応混合物に加え、反応混合物を65℃でさらに30分間撹拌した。ジメチルアセトアミド(2mL)中の3−ヨード−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0g、3.53mmol)を上記で調製した溶液に65℃で滴下し、反応混合物を放冷して室温とした。ジメチルアセトアミド(4mL)中の1−(4−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−5−ヨード−1H−インドール(961mg、2.12mmol)を反応混合物に加えた。次に、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン(52.4mg、0.06mmol)およびヨウ化銅(I)(24.4mg、0.13mmol)を加えた。反応混合物を加熱して80℃として1時間経過させてから、それを冷却して室温とし、水(150mL)で反応停止した。塩化アンモニウム(2g)を加え、反応混合物をジエチルエーテル(150mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去して油状物を得た(950mg)。粗生成物を溶離液としてジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、精製した生成物(553mg、52%)を得た。ESI−MS[m/z]:423.05[M−(C)+H]
【0178】
c)5−アゼチジン−3−イル−1−(4−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩の製造
3−[1−(ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(533mg、1.11mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした。トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を溶媒留去して乾固させた。酢酸エチル(50mL)を加えた。有機相を飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して乾固させて粗生成物を得た(420mg、82%)。粗生成物(245mg)をエーテル(50mL)に溶かし、塩酸のエーテル中溶液で処理した。沈殿を回収して生成物を得た。ESI−MS[m/z]:379.05[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=9.1(bs、2H)、8.05(d、2H)、7.95(d、1H)、7.85(d、1H)、7.65(d、1H)、7.45(d、1H)、7.4(t、J=70Hz、1H)、7.35(d、2H)、6.85(d、1H)、4.25(m、2H)、4.2(m、1H)、4.1ppm(m、2H)。
【0179】
(実施例2)
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール塩酸塩(化合物2)の製造
a)1−ベンゼンスルホニル−5−ヨード−1H−インドールの製造
1.a)下に記載の方法により、本化合物を、5−ヨード−1H−インドールおよびベンゼンスルホニルクロリドから製造した。
【0180】
b)3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
1.b)下に記載の方法により、本化合物を、1−ベンゼンスルホニル−5−ヨード−1H−インドールおよび3−ヨードアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造した。ESI−MS[m/z]:357.05[M−(C)+H]
【0181】
c)5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール塩酸塩の製造
1.c)下に記載の方法により、本化合物を、3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造した。ESI−MS[m/z]:313.05[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=9.4(bs、1H)、9.1(bs、1H)、8.0(d、2H)、7.95(d、1H)、7.85(d、1H)、7.7(m、2H)、7.6(m、2H)、7.4(d、1H)、6.85(d、1H)、4.25(m、2H)、4.15(m、1H)、4.05ppm(m、2H)。
【0182】
(実施例3)
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物3)の製造
a)5−ヨード−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドールの製造
1.a)下に記載の方法により、本化合物を、5−ヨード−1H−インドールおよび4−オキサゾール−5−イルベンゼンスルホニル−クロリドから製造した。
【0183】
b)3−[1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
1.b)下に記載の方法により、本化合物を、5−ヨード−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドールおよび3−ヨードアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造した。ESI−MS[m/z]:380.05[M−Boc+H]
【0184】
c)5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドールの製造
1.c)下に記載の方法により、本化合物を、3−[1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造した。ESI−MS[m/z]:380.05[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=8.75(bs、1H)、8.55(s、1H)、8.1(d、2H)、7.95(d、1H)、7.9(m、4H)、7.65(s、1H)、7.4(d、1H)、6.85(d、1H)、4.25(m、2H)、4.2(m、1H)、4.1ppm(m、2H)。
【0185】
(実施例4)
1−(4−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−1H−インドール塩酸塩(化合物4)の製造
5−アゼチジン−3−イル−1−(ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール(100mg、0.24mmol)およびプロピオンアルデヒド(30μL、0.34mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(10mL)に溶かした。酢酸(26μL、0.51mmol)および水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(145mg、0.69mmol)をその順に加え、反応混合物を10分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をHO(20mL)およびジエチルエーテル(50mL)に溶かした。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して乾固させた。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール(90:10)を溶離液として用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、精製した生成物を得て、それを次に塩酸塩に変換した(41mg、37%)。ESI−MS[m/z]:421.10[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=10.75(bs、1H)、8.05(d、2H)、7.95(d、1H)、7.85(d、1H)、7.7(s、1H)、7.45(bs、1H)、7.4(t、J=70Hz、1H)、7.35(d、2H)、6.85(d、1H)、4.4−4.1(m、5H)、3.15(bs、2H)、1.55(m、2H)、0.95ppm(t、3H)。
【0186】
(実施例5)
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1H−インドール塩酸塩(化合物5)の製造
化合物4について記載の方法により、本化合物を、5−アゼチジン−3−イル−1−(ベンゼンスルホニル)−1H−インドールから製造した。ESI−MS[m/z]:355.15[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=10.8(bs、1H)、7.95(d、2H)、7.9(d、1H)、7.85(d、1H)、7.7(d、2H)、7.6(m、2H)、7.4(m、1H)、6.85(d、1H)、4.4(bs、2H)、4.3(bs、1H)、4.1(bs、2H)、3.15(bs、2H)、1.55(m、2H)、0.95ppm(t、3H)。
【0187】
(実施例6)
1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1H−インドール塩酸塩(化合物6)の製造
化合物4について記載の方法により、本化合物を、5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドールから製造した。ESI−MS[m/z]:422.15[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=10.75(bs、1H)、8.55(s、1H)、8.1(d、2H)、7.9(m、5H)、7.7(s、1H)、7.4(m、1H)、6.85(d、1H)、4.4(m、2H)、4.25(m、1H)、4.1(m、2H)、3.15(m、2H)、1.55(m、2H)、0.95ppm(t、3H)。
【0188】
(実施例7)
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物7)の製造
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール(150mg、0.48mmol)をメタノール(10mL)に溶かし、1MPa(10バール)で50℃にて流量0.5mL/分のH−Cube(5%Pd/Cカートリッジ)に3回通した。反応混合物を濃縮し、残留物を水/0.1%トリフルオロ酢酸およびアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を用いるHPLCクロマトグラフィーによって精製した。残留物を塩酸塩に変換して、生成物を得た(26mg、15%)。ESI−MS[m/z]:315.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=9.15(bs、1H)、8.8(bs、1H)、7.85(d、2H)、7.7(t、1H)、7.6(m、2H)、7.45(d、1H)、7.25(s、1H)、7.2(d、1H)、4.2(m、2H)、4.1−3.9(m、5H)、2.95ppm(t、3H)。
【0189】
(実施例8)
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(化合物8)の製造
化合物7について記載の方法により、本化合物を、5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イルベンゼンスルホニル)−1H−インドールから製造した。ESI−MS[m/z]:382.05[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.7(bs、1H)、8.55(s、1H)、7.9(m、5H)、7.45(d、1H)、7.25(s、1H)、7.2(d、1H)、4.2(m、2H)、4.1−3.9(m、5H)、2.95ppm(t、3H)。
【0190】
実施例8a
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物8a)
【0191】
(実施例9)
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物9)の製造
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−1H−インドール、(50mg、0.13mmol)をメタノール(20mL)に溶かし、1MPa(10バール)で50℃にて流量5mL/分でH−Cube(5%Pd/Cカートリッジ)に通した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物にアセトニトリルおよび水を加え、溶液を凍結乾燥して生成物を得た(38mg、76%)。ESI−MS[m/z]:357.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=10.35(bs、1H)、7.85(d、2H)、7.7(t、1H)、7.6(t、2H)、7.45(d、1H)、7.3(s、1H)、7.2(d、1H)、4.35(m、1H)、4.2(m、1H)、4.05−3.9(m、5H)、3.15(m、2H)、2.95(t、3H)、1.5(m、2H)、0.9(t、3H)。
【0192】
実施例9a
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(化合物9a)
【0193】
(実施例10)
1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物10)の製造
化合物9について記載の方法により、本化合物を、1−(4−オキサゾール−5−イルベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1H−インドールから製造した。ESI−MS[m/z]:424.15[M+H]
【0194】
実施例10a
1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(化合物10a)の製造
【0195】
(実施例11)
3−[1−(4−イソプロピル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物11)の製造
a)5−ヨード−1−トリイソプロピルシラニル−IH−インドールの製造
5−ヨード−1H−インドール(5.0g、20.57mmol)をCHCl(50mL)およびDMF(1mL)に溶かし、冷却して0℃とした。水素化ナトリウム(1.234g、30.86mmol)を少量ずつ加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。トリイソプロピルクロロシラン(4.54mL、20.57mmol)を反応混合物にゆっくり加え、撹拌を1時間続けた。冷水(200mL)を反応混合物に加え、それをで酢酸エチル(100mL)2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去して油状物を得た(8.8g、99%)。
【0196】
b)3−(1−トリイソプロピルシラニル−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
不活性雰囲気中、亜鉛末(300mg、4.59mmol)をジメチルアセトアミド(1.6mL)中で高撹拌し、加熱して65℃とした。次に、トリクロロメチルシラン(70μL、0.57mmol)およびジブロモエタン(50μL、0.57mmol)を加え、反応混合物を65℃でさらに30分間撹拌した。ジメチルアセトアミド(2mL)中の3−ヨード−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0g、3.53mmol)を、上記で調製した溶液に65℃で滴下し、反応混合物を放冷して室温とした。ジメチルアセトアミド(4mL)中の5−ヨード−1−トリイソプロピルシラニル−1H−インドール(855mg、1.98mmol)を反応混合物に加えた。次に、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン(52.4mg、0.06mmol)およびヨウ化銅(I)(204.4mg、0.13mmol)を加えた。反応混合物を加熱して80℃として2時間経過させ、冷却して室温とし、水(150mL)で反応停止した。塩化アンモニウム(2g)を加え、反応混合物をジエチルエーテル(150mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去して油状物を得た(1.1g、純度64%)。
【0197】
c)3−(1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
3−(1−トリイソプロピルシラニル−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.1g、純度64%、1.63mmol)をTHF(20mL)に溶かした。フッ化テトラブチルアンモニウム(3.25mL、THF中1M溶液)を加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をHO(50mL)およびジエチルエーテル(50mL)に溶かした。粗生成物を、溶離液としてジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、精製した生成物を得た(275mg、2段階で51%)。
【0198】
d)3−[1−(4−イソプロピル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
3−(1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(135mg、0.5mmol)をDMF(10mL)に溶かし、冷却して0℃とした。水素化ナトリウム(35.7mg、0.74mmol)を加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。4−イソプロピル−ベンゼン−スルホニルクロリド(98μL、0.55mmol)を反応混合物にゆっくり加えた。撹拌を10分間続けた。冷水(100mL)を反応混合物に加え、それをジエチルエーテル(80mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去して、結晶固体を得た(75mg、33%)。ESI−MS[m/z]:355.15[M−(Boc)+H]
【0199】
(実施例12から18)
これらの化合物を、化合物11について記載の方法により、3−(1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび好適なスルホニルクロリド化合物から製造した。
【0200】
実施例12
3−[1−(4−オキサゾール−5−イルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物12)
【0201】
実施例13
3−[1−(3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物13)
ESI−MS[m/z]:425.15[M−(C)+H]
【0202】
実施例14
3−[1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物14)
ESI−MS[m/z]:441.15[M−(C)+H]
【0203】
実施例15
3−[1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物15)
ESI−MS[m/z]:423.15[M−(C)+H]
【0204】
実施例16
3−[1−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物16)
ESI−MS[m/z]:425.40[M−(C)+H]
【0205】
実施例17
3−[1−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物17)
ESI−MS[m/z]:441.40[M−(C)+H]
【0206】
実施例18
3−[1−(ピリジン−3−スルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物18)
ESI−MS[m/z]:358.35[M−(C)+H]
【0207】
(実施例19)
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物19)の製造
3−[1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物13)(400mg、0.83mmol)を0℃でギ酸(4.7mL)に溶かし、2時間撹拌した。反応混合物を30℃で溶媒留去して乾固させた。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶かし、1M NaOH水溶液(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、留去して乾固させて粗生成物を得た(231mg、82%)。粗生成物をエーテル(50mL)に溶かし、塩酸のエーテル中溶液で処理し、沈殿を回収して生成物を得た(151mg、44%)。
【0208】
ESI−MS[m/z]:381.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=9.0(bs、2H)、8.3(m、2H)、8.1(d、1H)、8.0(d、1H)、7.95(d、1H)、7.85(t、1H)、7.7(s、1H)、7.45(d、1H)、6.9(d、1H)、4.25(m、2H)、4.2(m、1H)、4.05ppm(m、2H)。
【0209】
(実施例20から24)
化合物19について記載の方法により、これらの化合物を、相当する化合物14から18から製造した。
【0210】
実施例20
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物20)
ESI−MS[m/z]:397.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=9.0(bs、2H)、8.05−7.95(m、3H)、7.9(d、1H)、7.75(d、2H)、7.7(s、1H)、7.4(d、1H)、6.9(d、1H)、4.25(m、2H)、4.2(m、1H)、4.1ppm(m、2H)。
【0211】
実施例21
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物21)
ESI−MS[m/z]:379.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=9.05(bs、2H)、7.95(d、1H)、7.9(d、1H)、7.85(d、1H)、7.8(s、1H)、7.65(m、2H)、7.55(d、1H)、7.4(d、1H)、7.35(t、J=70Hz、1H)、6.9(d、1H)、4.25(m、2H)、4.2(m、1H)、4.1ppm(m、2H)。
【0212】
実施例22
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール(化合物22)
ESI−MS[m/z]:381.40[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.60(bs、1H)、8.10(d、1H)、7.95(t、1H)、7.85(m、2H)、7.75(m、2H)、7.60(d、1H)、7.45(d、1H)、6.95(d、1H)、4.30−4.15(m、3H)、4.1ppm(m、2H)。
【0213】
実施例22a
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物22a)
【0214】
実施例23
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール(化合物23)
ESI−MS[m/z]:397.40[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.60(bs、1H)、8.30(d、1H)、7.90(t、1H)、7.75−7.65(m、4H)、7.60(d、1H)、7.35(d、1H)、6.90(d、1H)、4.30−4.15(m、3H)、4.1ppm(m、2H)。
【0215】
実施例23a
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物23a)
【0216】
実施例24
アゼチジン−3−イル−1−(ピリジン−3−スルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物24)
ESI−MS[m/z]:314.10[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=9.40(bs、1H)、9.2(s、1H)、9.1(bs、1H)、8.85(d、1H)、8.40(d、1H)、8.05(d、1H)、7.90(d、1H)、7.70(s、1H)、7.65(m、1H)、7.45(d、1H)、6.90(d、1H)、4.30−4.15(m、3H)、4.1ppm(m、2H)。
【0217】
(実施例25)
5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物25)の製造
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール(化合物22)(70mg、0.17mmol)、酢酸(13μL、0.25mmol)および水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(53.4mg、0.25mmol)を0℃でTHF(10mL)に溶かした。プロピオンアルデヒド(21μL、0.29mmol)をTHF(1mL)に溶かし、反応混合物にゆっくり加えた。5分後、反応混合物を濃縮し、残留物を飽和NaHCO水溶液および酢酸エチルに溶かした。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、塩酸のジエチルエーテル中溶液(1mL)を加えた。溶液を溶媒留去して乾固させた。ジエチルエーテル(50mL)を加え、混合物を終夜撹拌した。沈殿を濾過し、乾燥させて、白色固体を得た(48mg、62%)。ESI−MS[m/z]:423.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=10.85(bs、1H)、8.35(m、2H)、8.15(d、1H)、8.0(m、2H)、7.85(t、1H)、7.7(s、1H)、7.45(m、1H)、6.9(d、1H)、4.25(m、2H)、4.4−4.1(m、5H)、3.15(bs、2H)、1.55(m、2H)、0.95ppm(t、3H)。
【0218】
(実施例26)
5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物26)
実施例25に記載の実験手順により、本化合物を化合物20から製造した。ESI−MS[m/z]:439.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=10.85(bs、1H)、8.05(m、2H)、7.95(d、1H)、7.9(d、1H)、7.75(m、2H)、7.7(s、1H)、7.45(m、1H)、6.9(d、1H)、4.4(bs、2H)、4.3(bs、1H)、4.1(bs、2H)、3.15(bs、2H)、1.55(m、2H)、0.9ppm(t、3H)。
【0219】
(実施例27)
5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物27)
実施例25に記載の実験手順により、本化合物を化合物21から製造した。ESI−MS[m/z]:421.15[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=10.7(bs、1H)、7.95(d、1H)、7.9(d、1H)、7.85(d、1H)、7.8(s、1H)、7.7(s、1H)、7.65(t、1H)、7.55(s、1H)、7.4(d、1H)、7.35(t、J=70Hz、1H)、6.9(d、1H)、4.4(bs、2H)、4.15(bs、3H)、3.15(bs、2H)、1.55(m、2H)、0.9ppm(t、3H)。
【0220】
(実施例28から43)
これらの化合物を、上記で記載の方法によって製造した。
【0221】
実施例28
5−(1−エチルアゼチジン−3−イル)−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール塩酸塩(化合物28)
【0222】
実施例29
5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール塩酸塩(化合物29)
【0223】
実施例30
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物30)
ESI−MS[m/z]:383.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−メタノール):δ=8.1(d、1H)、8.0(s、1H)、7.95(d、1H)、7.8(t、1H)、7.65(d、1H)、7.3(d、1H)、7.25(s、1H)、4.4(m、2H)、4.25(m、3H)、4.0(t、2H)、2.95ppm(t、2H)。
【0224】
実施例31
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル)−3−クロロ−1H−インドール塩酸塩(化合物31)
a)3−(1−ベンゼンスルホニル−3−クロロ−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1333mg、3.23mmol)および1−クロロピロリジン−2,5−ジオン(484mg、3.55mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶かした。反応混合物をマイクロ波ユニットにおいて100℃で1時間撹拌した。揮発性化合物を減圧下に留去し、残留物をセライトに吸収させ、次に溶離液としてシクロヘキサンおよび酢酸エチル(0%から30%)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して精製した生成物を得た(894mg、収率56%)。
【0225】
ESI−MS[m/z]:391.1[M+H−tBu]
【0226】
b)5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル)−3−クロロ−1H−インドール塩酸塩の製造
3−(1−ベンゼンスルホニル−3−クロロ−1H−インドール−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(894mg、2.0mmol)を0℃でギ酸(5mL)に溶かした。反応混合物を室温で5時間撹拌した。次に、揮発性化合物を減圧下に留去して、白色固体を得た。残留物に、アセトニトリルおよび塩酸(0.1M溶液)を加え、溶液を凍結乾燥させて、生成物を得た(552mg、68%)。
【0227】
ESI−MS[m/z]:347.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=9.25(bs、1H)、8.9(bs、1H)、8.2(s、1H)、8.05(m、3H)、7.75(t、1)、7.65(m、3H)、7.55(d、1H)、4.25(m、3H)、4.1ppm(m、2H)。
【0228】
実施例32
4−(5−(5−(アゼチジン−3−イル)−1H−インダゾール−1−イルスルホニル)−2−フルオロフェニル)オキサゾール・ギ酸塩(化合物32)の製造
a)3−(1−(4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
下記の実施例44.c)に記載の方法と同様にして、本化合物を、3−(1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルおよび4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)ベンゼン−1−スルホニルクロリドから製造した。ESI−MS[m/z]:499.1[M+H]
【0229】
b)4−(5−(5−(アゼチジン−3−イル)−1H−インダゾール−1−イルスルホニル)−2−フルオロフェニル)オキサゾール・ギ酸塩の製造
下記の実施例44.d)に記載の方法と同様にして、本化合物を、3−(1−(4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルから製造した。ESI−MS[m/z]:399.1[M+H]
【0230】
実施例33
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(ナフタレン−2−スルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物33)
ESI−MS[m/z]:363.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.65(bs、1H)、8.1(d、1H);8.05(d、1H)、7.95(d、1H)、7.9(d、1H)、7.8(d、1H);7.75(m、1H)、7.7−7.6(m、3H)、7.4(m、1H)、6.8(d、1H)、4.4−4.25ppm(m、5H)。
【0231】
実施例34
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物34)
ESI−MS[m/z]:331.0[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.15(m、1H)、7.9(d、1H)、7.75−7.70(m、2H)、7.65(bs、1H)、7.45(m、1H)、7.35(m、1H)、7.25(m、1H)、6.8(d、1H)、4.45−4.35(m、3H)、4.30ppm(m、2H)。
【0232】
実施例35
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物35)
ESI−MS[m/z]:405.1[M+H]H−NMR500MHz、d−MeOD):δ=7.95(d、1H)、7.7−7.65(m、3H)、7.5(t、1H)、7.45−7.35(m、4H)、7.25(m、1H)、7.2(m、1H)、6.95(d、2H)、6.8(d、1H)、4.5−4.3ppm(m、5H)。
【0233】
実施例36
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物36)
ESI−MS[m/z]:347.0[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.05(d、1H)、7.95(m、1H)、7.9(m、1H)、7.75(d、1H)、7.7−7.65(m、2H)、7.55(t、1H)、7.45(m、1H)、6.85(d、1H)、4.5−4.3ppm(m、5H)。
【0234】
実施例37
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物37)
ESI−MS[m/z]:331.0[M+H]H−NMR(400MHz、d−MeOD):δ=8.05(d、1H)、7.8(m、1H)、7.75(d、1H)、7.7(m、1H)、7.65(bs、1H)、7.6(m、1H)、7.4(m、2H)、6.85(d、1H)、4.45−4.3ppm(m、5H)。
【0235】
実施例38
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物38)
ESI−MS[m/z]:383.0[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.15(d、1H)、8.05(s、1H);8.0(d、1H)、7.8(t、1H)、7.65(d、1H)、7.3(d、1H)、7.27(s、1H)、4.4(m、2H)、4.25(m、3H)、4.05(t、2H)、2.95ppm(t、2H)。
【0236】
実施例39
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物39)
ESI−MS[m/z]:331.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.1−8.05(m、3H)、7.75(d、1H)、7.7(s、1H)、7.4(m、1H)、7.3(m、2H)、6.85(d、1H)、4.5−4.3ppm(m、5H)。
【0237】
実施例40
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(1−ビフェニル−2−スルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物40)
ESI−MS[m/z]:389.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=8.3(m、1H)、7.75(m、1H)、7.7(m、1H)、7.6(bs、1H)、7.5(d、1H)、7.4(m、1H)、7.35−7.3(m、3H)、7.25(m、1H)、7.0(m、2H)、6.75(d、1H)、6.4(d、1H)、4.45(m、2H)、4.4−4.3ppm(m、3H)。
【0238】
実施例41
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(ナフタレン−1−スルホニル)−1H−インドール塩酸塩(化合物41)
ESI−MS[m/z]:363.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=9.55(bs、1H)、9.2(bs、1H)、8.6(d、1H)、8.45(d、1H)、8.3(d、1H)、8.1(d、1H)、8.05(d、1H)、7.7(m、3H)、7.65(m、2H)、7.3(d、1H)、6.8(d、1H)、4.2(m、2H)、4.1(m、1H)、4.0ppm(m、2H)。
【0239】
実施例42
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物42)
ESI−MS[m/z]:399.0[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=7.85(m、1H)、7.7−7.6(m、4H)、7.3(d、1H)、7.25(s、1H)、4.4(m、2H)、4.25(m、3H)、4.05(t、2H)、3.0ppm(t、2H)。
【0240】
実施例43
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール塩酸塩(化合物43)
ESI−MS[m/z]:381.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−MeOD):δ=7.7(d、1H)、7.65−7.6(m、2H)、7.55(s、1H)、7.45(d、1H)、7.3(d、1H)、7.25(s、1H)、6.9(t、1H)、4.4(m、2H)、4.25(3H)、4.0(t、2H)、3.0ppm(t、2H)。
【0241】
(実施例44)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール・ギ酸塩(化合物44)の製造
a)5−ヨード−1H−インダゾールの製造
5−ブロモ−1H−インダゾール(2.0g、10.15mmol)をジオキサン(50mL)に溶かし、N雰囲気下に撹拌した。ヨウ化銅(97mg、0.51mmol)、ヨウ化ナトリウム(3.04g、20.3mmol)およびトランス−1,2−ビス−(メチルアミノ)−シクロヘキサン(147mg、1.02mmol)を加え、反応混合物を110℃で68時間撹拌した。その溶液を冷却したものを濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をDCM(20mL)に溶かし、アンモニア水溶液で抽出した(1M、10mLで5回)。有機相をNa水溶液で3回洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、生成物を白色固体として得た(2.43g、100%)。ESI−MS[m/z]:244.9[M+H]
【0242】
b)3−(1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
(1−(tert−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イル)亜鉛(II)ヨージドを前述の方法に従って製造した。ジメチルアセトアミド(DMA、19mL)中の5−ヨード−1H−インダゾール(1.82g、7.46mmol)を、(1−(tert−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イル)亜鉛(II)ヨージド(18.64mmol)のDMA(18.6mL)中溶液に加えた。次に、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン(183mg、0.22mmol)およびヨウ化銅(I)(170mg、0.89mmol)を加えた。反応混合物を加熱して80℃として12時間経過させてから、それを冷却して室温とし、水(40mL)およびMTBE(40mL)で反応停止した。塩化アンモニウム(1M)を加えた。層を分離後、有機層をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去して油状物を得た(3g)。粗生成物を、溶離液としてジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、精製された生成物を得た(1.20g、59%)。
【0243】
ESI−MS[m/z]:274.1[M−(C)+H]
【0244】
c)3−(1−(3−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
3−(1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.73mmol)をピリジン(3mL)に溶かし、4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリド(192mg、0.77mmol)を0℃で加えた。室温で60時間撹拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、揮発性化合物を減圧下に留去した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(CHCl:メタノール、95:5)によって精製して、標題化合物(172mg、49%)を白色非晶質固体として得た。
【0245】
ESI−MS[m/z]:480.1[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.6(s、2H)、8.1(d、1H)、7.8(s、1H)、7.8(d、1H)、7.65(m、2H)、7.55(m、1H)、4.3(m、2H)、3.95(m、1H)、3.85(m、2H)、1.4(s、9H)。
【0246】
d)5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール・ギ酸塩の製造
3−(1−(3−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(154mg、0.32mmol)を0℃でギ酸(2mL)に溶かした。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次に、揮発性化合物を減圧下に留去して、生成物を白色固体として得た。
【0247】
ESI−MS[m/z]:380.0[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.6(s、1H)、8.3(s、3H)、8.1(d、1H)、7.9(s、1H)、7.8(m、1H)、7.65(m、2H)、7.5(m、1H)、4.2(m、2H)、4.0(m、2H)、3.9(m、1H)。
【0248】
(実施例45)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール・ギ酸塩(化合物45)の製造
a)3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
44.c)下に記載の方法により、本化合物を、3−(1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルおよびベンゼンスルホニルクロリドから製造した。ESI−MS[m/z]:414.1[M+H]
【0249】
b)5−(アゼチジン−3−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール・ギ酸塩の製造
44.d)下に記載の方法により、本化合物を、3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール−5−イル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルから製造した。
【0250】
ESI−MS[m/z]:314.1[M+H]H−NMR(400MHz、d−DMSO):δ=8.55(s、1H)、8.3(s、3H)、8.1(d、1H)、7.9(m、3H)、7.7(m、2H)、7.6(m、2H)、4.2(m、2H)、4.05(m、2H)、3.9(m、1H)。
【0251】
(実施例46)
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン・ギ酸塩(化合物46)の製造
a)3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
不活性雰囲気中、亜鉛末(223mg、3.41mmol)をジメチルアセトアミド(1.5mL)中で高撹拌し、加熱して65℃とした。次に、トリクロロメチルシラン(50μL、0.38mmol)およびジブロモエタン(30μL、0.38mmol)を加え、反応混合物を65℃でさらに30分間撹拌した。ジメチルアセトアミド(2mL)中の3−ヨード−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(462mg、1.89mmol)を、上記の調製した溶液に65℃で滴下し、30分間撹拌した。ジメチルアセトアミド(4mL)中の5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(697mg、2.46mmol)を反応混合物に加えた。次に、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)−ジクロロメタン(93mg、0.11mmol)およびヨウ化銅(I)(108mg、0.57mmol)を加えた。反応混合物を加熱して85℃として5時間経過させ、冷却して室温とし、酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過した。残留物を水で3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:シクロヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(104mg、収率20%)。
【0252】
ESI−MS[m/z]:274.1[M+H]
【0253】
b)3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(56mg、0.2mmol)をDMA(2mL)に溶かし、冷却して0℃とした。水素化ナトリウム(16mg、0.37mmol、55%)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。ベンゼンスルホニルクロリド(40μL、0.29mmol)を反応混合物にゆっくり加えた。撹拌を3時間続けた。水および酢酸エチルを反応混合物に加えた。有機相を水で3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た(10mg、収率12%)。
【0254】
ESI−MS[m/z]:414.1[M+H]
【0255】
c)5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン・ギ酸塩の製造
3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(7mg、0.02mmol)を0℃でギ酸(1mL)に溶かした。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次に、揮発性化合物を減圧下に溶媒留去して、生成物を得た(5mg、収率74%)。
【0256】
ESI−MS[m/z]:314.1[M+H]H−NMR(500MHz、d−DMSO):δ=8.45(bs、1H)、8.45(s、1H)、8.2(s、1H)、8.1(d、2H)、7.9(d、1H)、7.7(t、1H)、7.6(m、2H)、6.85(d、1H)、4.2(m、3H)、4.1(m、2H)。
【0257】
(実施例47)
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン塩酸塩(化合物47)の製造
a)3−[1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
実施例46.b下に記載の方法により、本化合物を、3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドから製造した。
【0258】
ESI−MS[m/z]:480.1[M+H]
【0259】
b)5−アゼチジン−3−イル−1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン塩酸塩の製造
実施例46.cに記載の方法と同様にして、本化合物を3−[1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造し、次に塩酸塩に変換した。
【0260】
ESI−MS[m/z]:380.1[M+H]
【0261】
(実施例48)
5−(アゼチジン−3−イル)−3−クロロ−1−(3−ジフルオロメトキシフェニルスルホニル)−1H−インドール(化合物48)
ESI−MS[m/z]:413.1[M+H]
【0262】
(実施例49)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(8−キノリニルスルホニル)−1H−インドール、トリフルオロ酢酸塩(化合物49)
ESI−MS[m/z]:364.0[M+H]
【0263】
(実施例50)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニルスルホニル)−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物50)
ESI−MS[m/z]:398.1[M+H]
【0264】
(実施例51)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[5−(2−メチルチアゾール−4−イル)−2−チエニルスルホニル]−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物51)
ESI−MS[m/z]:416.0[M+H]
【0265】
(実施例52)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[6−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イルスルホニル]−1H−インドール(化合物52)
ESI−MS[m/z]:399.1[M+H]
【0266】
(実施例53)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(6−キノリニルスルホニル)−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物53)
ESI−MS[m/z]:364.1[M+H]
【0267】
(実施例54)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(5−メチルピリジン−2−イルスルホニル)−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物54)
ESI−MS[m/z]:328.1[M+H]
【0268】
(実施例55)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルスルホニル)−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物55)
ESI−MS[m/z]:393.1[M+H]
【0269】
(実施例56)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−7−イルスルホニル)−1H−インドール・トリフルオロ酢酸塩(化合物56)
ESI−MS[m/z]:385.2[M+H]
【0270】
(実施例57)
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[2−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イルスルホニル]−1H−インドール(化合物52)
ESI−MS[m/z]:399.1[M+H]
【0271】
II.生物学的検討
下記のクローニングヒト受容体に結合する放射性リガンドの置き換え
1.超音波処理および分画遠心法による膜の調製
相当する受容体(5−HT、α−アドレナリン、ドーパミンDまたはヒスタミンH受容体)を発現する安定なクローン細胞系からの細胞をPBS(Ca++、Mg++を含まない)で洗浄し、0.02%EDTAを含むPBSに回収した。4℃で10分間にわわたり500gで遠心することで細胞を回収し、PBSで洗浄し、遠心した(500g、10分、4℃)。ペレットを用時まで−80℃で保存した。膜調製のため、解凍した細胞ペレットを氷冷ショ糖緩衝液(0.25Mショ糖、10mm Hepes(pH7.4)、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)のDMSO中溶液、5μg/mLペプスタチン−A、3mM EDTA、0.025%バシトラシン)に再懸濁させ、ブランソン・ソニフィア(Branson Sonifier)W−250(設定:タイマー4;出力制御3;負荷サイクル定数;2から3サイクル)で均質化した。顕微鏡を利用して、細胞破壊を調べた。残った破壊されていない細胞を、4℃で10分間にわたり1000gでペレットとした。ショ糖緩衝液の上清を、4℃で60000gにて1時間遠心した(ベックマン(Beckman)ウルトラセントリフュージ(Ultracentrifuge)XL80)。そのペレットを、10mL血清用ピペットでピペット採取することで氷冷したTris緩衝液30mL(20mM Tris(pH7.4)、5μg/mLペプスタチンA、0.1mM PMSF、3mM EDTA)中に再懸濁させ、4℃で60000gにて1時間遠心した。最終の再懸濁を、血清用ピペットによる加圧とそれに続くブランソン・ソニフィアW−250での超音波処理(設定:タイマー1;出力制御3;負荷サイクル定数;1サイクル)によって、少量の氷冷Tris緩衝液(上記参照)中で行った。タンパク質濃度を測定し(BCA−キット;Pierce)、小分けサンプルを−80℃で、または長期保存には液体窒素中で保存した。
【0272】
2.受容体結合実験
受容体結合実験はいずれも、各種濃度の試験化合物(10−5Mから10−9M、10倍連続希釈、2連で測定)の存在下に、総容量200μLで相当するアッセイ緩衝液中で実施した。トムテク・マクIII U(Tomtec MachIII U)96ウェルプレートハーベスタを用い、ポリエチレンイミン(PEI 0.1%または0.3%)予浸したパッカード・ユニフィルター・プレート(Packard Unifilter Plate)(GF/CまたはGF/B)での濾過によってアッセイを終了した。乾燥室中、55℃で2時間にわたってプレートを乾燥させた後、シンチレーションカクテル(ベータプレート・シンチ(BetaPlate Scint);パーキン・エルマー)を加えた。シンチレーション混合物を加えてから2時間後に、マイクロベータ・トリルクス(Microbeta Trilux)で放射能を測定した。ムンソンらの報告(Munson and Rodbard, Analytical Biochemistry 107, 220-239 (1980))に記載の「LIGAND」と類似のプログラムである統計解析システム(Statistical Analysis System:SAS)を用い、反復非線形回帰分析によって、液体シンチレーションカウンティング由来のデータを解析した。
【0273】
a)5−HT受容体結合アッセイ
h−5−HT6受容体(NCBI参照配列XM001435)を安定に発現するHEK293細胞を、25mM HEPES、10%ウシ胎仔血清および1から2mMグルタミンを補給したRPMH640培地で培養した。膜の調製は、セクション1に記載の方法に従って実施した。これらの膜については、飽和結合実験により、[H]−LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド;アマシャム(Amersham)、TRK1038)に関する1.95nMのKを測定した。アッセイ当日、膜を解凍し、アッセイ緩衝液(50mM Tris−HCl、5mM CaCl、0.1%アスコルビン酸、10μMパージリン、pH7.4)で8μgタンパク質/アッセイの濃度に希釈し、緩やかに渦撹拌することで均質化した。阻害試験には、アッセイ緩衝液中各種濃度の試験化合物の存在下に、1nM[H]−リゼルギン酸ジエチルアミドをインキュベートした。非特異的結合を1μMメチオテピンで決定した。結合反応を、室温で3.5時間行った。インキュベーション中、プレートをプレート振盪器上にて100rpmで振盪し、パッカード・ユニフィルターGF/C(0.1%PEI)プレートでの濾過と、次に氷冷50mM Tris−HCl、5mM CaClでの洗浄サイクル2回によって停止した。
【0274】
a)ドーパミンD受容体結合アッセイ
ドーパミンD受容体(NCBI参照配列NM_000795)を安定に発現するHEK293細胞を、25mM HEPES、10%ウシ胎仔血清および1から2mMグルタミンを補給したRPM11640培地で培養した。膜調製を、セクション1に記載の方法に従って行った。これらの膜については、飽和結合実験により、[125I]−ヨードスピペロン(Perkin Elmer Life Sciences、NEX284)に関する0.22nMのKを測定した。アッセイ当日、膜を解凍し、アッセイ緩衝液(50mM Tris−HCl、120mM NaCl、5mM MgCl、5mM KCl、1.5mM CaCl、pH7.4)で15μgタンパク質/アッセイの濃度に希釈し、緩やかに渦撹拌することで均質化した。阻害試験には、アッセイ緩衝液中各種濃度の試験化合物の存在下に、0.01nM[125I]−ヨードスピペロン(Perkin Elmer Life Sciences、NEX284)をインキュベートした。非特異的結合を1μMハロペリドールで決定した。結合反応を、室温で1時間行い、パッカード・ユニフィルターGF/B(0.1%PEI)プレートでの濾過と、次に氷冷7%ポリエチレングリコール溶液での洗浄サイクル6回によって停止した。
【0275】
b)α−アドレナリン受容体結合アッセイ
α−アドレナリン受容体(NCBI参照配列NM_033303)を安定に発現するCHO−K細胞を、25mM HEPES、10%ウシ胎仔血清および1から2mMグルタミンを補給したRPM11640培地で培養した。膜調製を、セクション1に記載の方法に従って行った。これらの膜については、飽和結合実験により、[H]−プラゾシン(Perkin Elmer Life Sciences、NET823)に関する0.12nMのKを測定した。アッセイ当日、膜を解凍し、アッセイ緩衝液(50mM Tris−HCl、pH7.4)で4μgタンパク質/アッセイの濃度に希釈し、緩やかに渦撹拌することで均質化した。阻害試験には、アッセイ緩衝液中各種濃度の試験化合物の存在下に、0.1nM[H]−プラゾシン(Perkin Elmer Life Sciences、NET823)をインキュベートした。非特異的結合を1μMフェンとラミンで決定した。結合反応を、室温で1時間行い、パッカード・ユニフィルターGF/C(0.1%PEI)プレートでの濾過と、次に氷冷アッセイ緩衝液での洗浄サイクル3回によって停止した。
【0276】
c)H受容体結合アッセイ
ヒスタミンH受容体(Nユーロスクリーン(Euroscreen)−ES−390−C、NCBI参照配列NM_000861)を安定に発現するCHO−K細胞を、25mM HEPES、10%ウシ胎仔血清および1から2mMグルタミンを補給したRPM11640培地で培養した。膜調製を、セクション1に記載の方法に従って行った。これらの膜については、飽和結合実験により、[H]−ピリラミン(Perkin Elmer Life Sciences、NET594)に関する0.83nMのKを測定した。アッセイ当日、膜を解凍し、アッセイ緩衝液(50mM NaHPO、50mM KHPO、pH7.4)で6μgタンパク質/アッセイの濃度に希釈し、緩やかに渦撹拌することで均質化した。阻害試験には、アッセイ緩衝液中各種濃度の試験化合物の存在下に、1nM[H]−ピリラミン(Perkin Elmer Life Sciences、NET594)をインキュベートした。非特異的結合を1μMピリラミンで決定した。結合反応を、室温で50分間行い、パッカード・ユニフィルターGF/C(0.3%PEI)プレートでの濾過と、次に氷冷アッセイ緩衝液での洗浄サイクル2回によって停止した。
【0277】
3.データ解析
ムンソンらの報告(Munson and Rodbard, Anal. Biochem. 1980, 107, 220-239)に記載の「LIGAND」と類似のプログラムである統計解析システム(Statistical Analysis System:SAS)を用い、反復非線形回帰分析によって、液体シンチレーションカウンティング由来のデータを解析した。フェルドマンの報告(Anal. Biochem., 1972, 48, 317-338)に記載の式に従って、適合化を行った。IC50、nHおよびK値は、幾何平均として表した。試験化合物に対して低アフィニティの受容体については、最高試験化合物濃度が特異的放射性リガンド結合の30%未満を阻害した場合、K値は、チェンおよびプルソフ(Cheng and Prusoff)の式(Biochem. Pharmacol., 1973, 22, 2099-2108)に従って求め、不等号(>)で表した。
【0278】
受容体結合試験の結果を、本明細書で前述したように、それぞれ受容体結合定数K(5−HT)、K(D)、K(α−アドレナリン)およびK(H)で表し、表Iに示してある。
【0279】
これらの試験では、本発明による化合物は、5−HT受容体に対して非常に良好なアフィニティを示している(Ki<250nMまたは<50nMまたは<20nM、非常に多くの場合で<1nM)。さらに、それらの化合物は、D、α−アドレナリンまたはH受容体に対するアフィニティと比較して、5−HT受容体に対して選択的に結合する。これらの化合物は、D、α−アドレナリンまたはH受容体に対してほとんどアフィニティを示さない(K>250nMまたは>1000nM、非常に多くの場合>10000nM)。
【0280】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物
【化1】

[式中、
Aは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルキル、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、アリールまたはヘタリールであり、最後に言及した5個の基におけるシクロアルキルおよびアリール部分もしくはヘタリール部分は置換されていないか、1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良く、
は、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ヒドロキシアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−ハロアルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、NH−C(O)−NR、NR、NR−C−C−アルキレン、O−NRからなる群から選択され、最後に言及した4個の基におけるRおよびRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシであるか、窒素原子と一体となって環員としてO、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を含んでいても良いN結合の5から7員飽和複素環、飽和もしくは不飽和3から7員複素環、フェニル、ベンジル、フェニルスルホニル、フェノキシおよびベンジルオキシを形成しており、前記3から7員複素環はN、OおよびSから選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を環員として含み、ならびにヒドロキシ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−アルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良く、ならびにフェニル、ベンジル、フェニルスルホニル、フェノキシおよびベンジルオキシにおけるフェニル基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−ハロアルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、NH−C(O)−NR、NR、NR−C−C−アルキレン、O−NRから選択される1、2もしくは3個の置換基を有することができ、RおよびRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシであるか、窒素原子と一体となって環員としてO、SおよびNから選択される別のヘテロ原子を含んでいても良いN結合の5から7員飽和複素環を形成しており;
・・・は、単結合または二重結合であり;
およびXは互いから独立に、・・・が二重結合の場合はNもしくはCRx1であり、または・・・が単結合の場合はNRx2もしくはCRx3x4であり、
x1、Rx3およびRx4は互いから独立に、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシ−アルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシおよびベンジルオキシから選択され、言及した最後の4個の基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3個の置換基を有していても良く、
または2個のジェミナル基Rx3およびRx4がそれらが結合している炭素原子とともに、カルボニル基または置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基を有していても良い3から6員炭素環もしくは複素環のスピロ環状環を形成していても良く;
x2は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルであり、最後に言及した2個の基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3置換基を有していても良く、
またはRx1、Rx2、Rx3およびRx4から選択される2個の隣接基がXおよびXとともに、置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2、3または4個の置換基を有していても良い5員もしくは6員の炭素環または複素環縮合環を形成しており;
、YおよびYは互いから独立にNまたはCRであり、
は、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル−カルボニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり、最後に言及した4個の基は置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−フルオロアルコキシから選択される1、2または3個の置換基を有していても良く;
部分X、X、Y、YおよびYのうちの最大3個がNRx1またはNであり;
ならびに、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロアルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、ホルミル、C−C−アルキルカルボニルまたはC−C−アルコキシカルボニルであり;
は、C−C−アルキルまたはC−C−ハロアルキルであり;
nは、0、1または2である。]
ならびに該化合物の生理的に耐容される酸付加塩およびN−オキシド。
【請求項2】
Aが単環式もしくは二環式アリールまたは単環式もしくは二環式ヘタリールであり、前記環状基Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の請求項1で定義の置換基Rを有していても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、フェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾモルホリニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ピリド[3,2−b][1,4]オキサジニル、3,4−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジニルまたはインダニルであり、前記環状基Aが置換されていないか、1、2もしくは3個の請求項1で定義の置換基Rを有していても良い請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが、置換されていないか1、2もしくは3個の請求項1で定義の置換基Rを有していても良いフェニルである請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、置換されていないか1、2もしくは3個の請求項1で定義の置換基Rを有していても良いフェニルであり、前記置換基Rが結合位置に関してオルト位および/またはメタ位で前記フェニル環に結合している請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシから選択される1、2もしくは3個の基Rを有しており、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないかハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルから選択される1、2もしくは3個の基Rを有する請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Aが、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2−トリル、3−トリル、2−イソプロピル−フェニル、3−イソプロピルフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、ビフェニル−2−イル、ビフェニル−3−イル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−ジフルオロメトキシフェニル、3−ジフルオロ−メトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−フェノキシフェニル、3−フェノキシフェニル、4−(オキサゾール−5−イル)フェニル、3−(ピロリジン−1−イル)フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、2−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル、6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル、6−フェノキシピリジン−3−イル、チエン−2−イル、5−メチルチエン−2−イル、5−(ピリジン−2−イル)チエン−2−イル、5−(2−メチルチアゾール−4−イル)−チエン−2−イル、5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル、2−メチルチアゾール−5−イル、2,4−ジメチル−チアゾール−5−イル、4−メチルチアゾール−2−イル、5−メチルチアゾール−2−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、1−メチルイミダゾール−4−イル、ベンゾチアゾール−7−イル、4−メチルベンゾモルホリン−8−イル、キノリン−8−イル、5−メチルピリジン−2−イル、2−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル、4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニル、キノリン−6−イル、6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル、4−メチル−3,4−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−7−イル、イソキノリン−4−イル、2,1,3−ベンゾオキシジアゾール−4−イルからなる群から選択される請求項2から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
x1、Rx3およびRx4が互いから独立に、水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルおよびC−C−ハロアルコキシから選択される請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
x1、Rx3およびRx4が互いから独立に、水素、ハロゲンおよびCNから選択される請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
x1、Rx3およびRx4が水素である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
x2が水素またはC−C−アルキルである請求項1から11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
が水素、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキルまたはC−C−ハロアルコキシである請求項1から12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
が水素またはハロゲンである請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルまたはC−C−シクロアルキルである請求項1から14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
が水素である請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
nが0である請求項1から16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
・・・が単結合である請求項1から17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
式I.A.1からI.A.6の化合物
【化2】


[式中、
基A、R、R、nおよびRx2は請求項1から18のいずれかにおいて与えられたいずれかの意味を有し、ならびにRx3およびRx3′は互いから独立に請求項1から18のいずれかにおいてRx3について示されたいずれかの意味を有し、Rx4およびRx4′は互いから独立に請求項1から18のいずれかにおいてRx4について示されたいずれかの意味を有し、ならびにR、Ry′およびRy″は互いから独立に請求項1から18のいずれかにおいてRについて示されたいずれかの意味を有する。]
から選択される請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
請求項19に記載の式I.A.1の化合物。
【請求項21】
Aが置換されていないか請求項1で定義の1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルである請求項19または20に記載の化合物。
【請求項22】
Aが、置換されていないか請求項1で定義の1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルであり、前記置換基Rが結合位置に関してオルト位および/またはメタ位で前記フェニル環に結合している請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシから選択される1、2もしくは3個の基Rを有し、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い請求項19から22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルから選択される1、2もしくは3個の基Rを有する請求項19から23のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
、Ry′およびRy″が水素である請求項19から24のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
x2、Rx3、Rx4、Rx3′およびRx4′が水素である請求項19から25のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
が、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルまたはC−C−シクロアルキルである請求項19から26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
が水素である請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
nが0である請求項19から28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
・・・が二重結合である請求項1から17のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
下記式I.B.1からI.B.8の化合物
【化3】


[式中、
基A、R、Rおよびnは請求項1から30のいずれかで示したいずれかの意味を有し、Rx1およびRx1′は互いから独立に請求項1から30のいずれかでRx1について示したいずれかの意味を有し、ならびにR、Ry′およびRy″は互いから独立に請求項1から30のいずれかでRについて示したいずれかの意味を有する。]
から選択される請求項21に記載の化合物。
【請求項32】
請求項22に記載の式I.B.1の化合物。
【請求項33】
Aが置換されていないか請求項1で定義の1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルである請求項31または32に記載の化合物。
【請求項34】
Aが、置換されていないか請求項1で定義の1、2もしくは3個の置換基Rを有していても良いフェニルであり、前記置換基Rが結合位置に関してオルト位および/またはメタ位で前記フェニル環に結合している請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキル、オキサゾリル、フェニルおよびフェノキシから選択される1、2もしくは3個の基Rを有し、最後に言及した2個の基におけるフェニル基が置換されていないか、ハロゲン、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い請求項31から34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
Aが、互いから独立にハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルから選択される1、2もしくは3個の基Rを有する請求項31から35のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
、Ry′およびRy″が水素である請求項31から36のいずれかに記載の化合物。
【請求項38】
x1が水素であり、ならびにRx1′が水素またはハロゲンである請求項31から37のいずれかに記載の化合物。
【請求項39】
が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルまたはC−C−シクロアルキルである請求項31から38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
が水素である請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
nが0である請求項31から40のいずれかに記載の化合物。
【請求項42】
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
1−(4−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−1H−インドール、
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1H−インドール、
1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
1−ベンゼンスルホニル−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
1−(4−オキサゾール−5−イル−ベンゼンスルホニル)−5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
3−[1−(4−イソプロピル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(4−オキサゾール−5−イルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[1−(ピリジン−3−スルホニル)−1H−インドール−5−イル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
アゼチジン−3−イル−1−(ピリジン−3−スルホニル)−1H−インドール、
5−(1−プロピル−アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(1−プロピルアゼチジン−3−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(1−エチルアゼチジン−3−イル)−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール、
5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル)−3−クロロ−1H−インドール、
4−(5−(5−(アゼチジン−3−イル)−1H−インダゾール−1−イルスルホニル)−2−フルオロフェニル)オキサゾール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(ナフタレン−2−スルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(1−ビフェニル−2−スルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(ナフタレン−1−スルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(3−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホニル)−1H−インダゾール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール、
5−アゼチジン−3−イル−1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
5−アゼチジン−3−イル−1−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
5−(アゼチジン−3−イル)−3−クロロ−1−(3−ジフルオロメトキシフェニルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(8−キノリニルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−3−(オキサゾール−4−イル)フェニルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[5−(2−メチルチアゾール−4−イル)−2−チエニルスルホニル]−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[6−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イルスルホニル]−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(6−キノリニルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(5−メチルピリジン−2−イルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−(4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−7−イルスルホニル)−1H−インドール、
5−(アゼチジン−3−イル)−1−[2−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−3−イルスルホニル]−1H−インドール
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の生理的に耐容される酸付加塩およびN−オキシド。
【請求項43】
任意選択で少なくとも一つの生理的に許容される担体または補助物質と組み合わせて、少なくとも一つの請求項1から42のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項44】
中枢神経系の疾患、耽溺疾患または肥満から選択される医学的障害の治療方法であって、該治療を必要とする対象者に対して、有効量の少なくとも一つの請求項1から42のいずれかに記載の化合物を投与する段階を有する、前記方法。
【請求項45】
医学的障害が中枢神経系の疾患である請求項44に記載の方法。
【請求項46】
認知機能障害の治療のための請求項45に記載の方法。
【請求項47】
アルツハイマー病関連の認知機能障害の治療のための請求項46に記載の方法。
【請求項48】
統合失調症関連の認知機能障害の治療のための請求項46に記載の方法。
【請求項49】
医学的障害が耽溺疾患である請求項44に記載の方法。
【請求項50】
医学的障害が肥満である請求項44に記載の方法。
【請求項51】
医薬組成物を製造するための請求項1から42のいずれかの記載の化合物の使用。
【請求項52】
請求項44から40のいずれかで定義の医学的障害の治療のための医薬組成物を製造するための、請求項1から42のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項53】
医薬として使用するための請求項1から42のいずれかに記載の化合物。
【請求項54】
請求項44から50のいずれかに定義の医学的障害の治療のための医薬として使用される、請求項1から35のいずれかに記載の化合物。

【公表番号】特表2010−521521(P2010−521521A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554035(P2009−554035)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053389
【国際公開番号】WO2008/116833
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502104228)アボット ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (89)
【Fターム(参考)】