説明

センサ−分与装置及びセンサを引き出す機構

【課題】
【解決手段】カートリッジ組立体は、センサ−分与装置にて使用し得るようにされている。カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを備えている。端部キャップは1つの開口部を有する。使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備えている。内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置されたセンサを保持している。センサの各々が流体中の分析物質の濃度に応答して信号を発生させるのに十分な試薬を保持している。外側カートリッジは、センサが開口部を貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する。外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、少なくとも1つのセンサをその位置に保持する保持機構を有する。密封機構は、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し得るようにされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、センサ−分与装置と、試験センサを装置から引き出す機構とに関する。
【背景技術】
【0002】
体液中の分析物質を定量的に測定することは、特定の生理学的異常を診断し且つ、修復する上で極めて重要である。例えば、乳酸塩、コレステロール及びビリルビンを特定の個人にて監視しなければならない。更に、体液中のグルコースを測定することは、その食事のグルコース摂取量を調節するためその体液中の血糖レベルを定期的にチェックしなければならない糖尿病の人にとって重要である。本明細書の開示のその他の部分は、グルコースの測定を対象とするが、本発明の方法は、適宜な酵素を選択するときその他の分析物質を測定すべく使用することが可能であることを理解すべきである。
【0003】
かかる試験の結果を使用して、投与すべきインスリン(存在するならば)又はその他の医薬の必要量を判断することができる。1つの型式の血糖の試験システムにおいて、血液試料を試験するため試験センサが使用される。
【0004】
試験センサは、典型的に、血糖と反応するバイオセンシング又は試薬材料を保持している。センサの試験端は、例えば、人間の指を突き刺した後、その指に集まった血液のような試験すべき流体中に配置し得るようにされている。流体は、試験端から試薬材料まで毛管作用によってセンサ内を伸びる毛管通路内に導入され、試験すべき十分な量の流体がセンサ内に吸引されるようにする。その後、流体は、試験センサ内の試薬材料と化学的に反応する。電気化学的作用によって発生された電流は、試験される流体中の分析物質のレベルを表示する測定値に変換される。
【0005】
試験センサ接点にて発生された電気信号を監視装置に結合するため、センサ端を試験される流体中に配置する前に、センサをセンサホルダ内に挿入する必要がある。該ホルダは、センサがホルダ内に適正に挿入されたとき、試験センサの接点と結合される相応する合わさり接点を有する。その結果、ホルダは、試験センサと監視装置との間にて試験結果を集め且つ(又は)分析する境界面として作用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
殆どの試験センサは、センサ内にて試薬材料の一体性を保証し得るよう使用される前に、適宜な湿度レベルに維持する必要がある。試験センサは、個別に引き裂きパッケージ内に包装し、これらの試験センサを適宜な湿度レベルに維持することができるようにする。例えば、ブリスター型包装方法を使用することができる。この点に関して、包装物は、包装物内にて適正な湿度を維持すべく乾燥剤材料を含むことができる。一人の人が分析物質を試験すべく個々の試験センサを使用するため、シールを引き裂くことによって包装物を開放することができる。これと代替的に、一部の包装物は、ユーザが包装物の一側部に力を加えることを必要とし、その結果、試験センサが反対側部の箔を破断させ又は引き裂くことになる。理解し得るように、これらの包装物を開放することは難しくなる可能性がある。更に、包装物が開放されたならば、ユーザは、試験センサがセンサホルダに配置され、また、流体試料を試験すべく使用されるとき、試験センサが損傷され又は汚染されないことを保証する必要がある。
【0007】
特定のセンサ−分与装置において、使い捨て型試験センサの積層体がカートリッジ内に提供され、その積層体は、試験が行われる試験ステーションに向けて押し又は付勢する。押し機構がカートリッジの一端の第一の開口部内に挿入され、該機構は、開口部を通してセンサの積層体と接触する。典型的に、押し機構は、積層体中の最頂部センサを通常、カートリッジの他端に配置された第二の開口部を通って第一の開口部から試験ステーションに向けて動かす。このため、押し機構を使用することは、カートリッジに2つの開口部が存在することを必要とする。2つの開口部を有するカートリッジは、カートリッジ内の残るセンサの貯蔵寿命を維持するため、カートリッジの密封に伴う問題点を招来する可能性がある。
【0008】
一部のセンサ−分与装置において、センサを試験センサの積層体から動かす機構は、センサの積層体を収容する使い捨て型カートリッジ内に配置される。換言すれば、空のカートリッジが廃棄される毎に、センサを動かす機構も廃棄され、これによりカートリッジの交換コストを増大させることになる。
【0009】
使い捨て型カートリッジを使用する一部のセンサ分与装置において、センサをカートリッジ内にて密封し且つ、センサをカートリッジから除去することを許容する機構は、カートリッジに物理的に取り付けられる設計とされている。このため、カートリッジにセンサが無くなり、従って交換しなければならない毎に、密封機構も交換しなければならず、このためカートリッジの交換コストを増大させることになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、上述した問題点を解決する、センサ−分与装置と、センサを引き出す機構とを有することが望ましいであろう。
1つの実施の形態に従い、センサ−分与装置は、流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされている。該装置は、カートリッジ組立体と、把持機構とを備えている。カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有する。使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備えている。内側カートリッジは、その内部にて積層体に配置された複数のセンサを保持している。外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、少なくとも1つのセンサをその位置に保持する保持機構を有する。密封機構は、センサを内側カートリッジ内にて雰囲気水分から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し得るようにされている。把持機構は、センサを把持し且つ、センサを外側カートリッジの開口部を通して積層体から分与位置まで引っ張り得るようにされている。外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通過するのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する。
【0011】
別の実施の形態に従い、カートリッジ組立体は、センサ−分与装置にて使用し得るようにされている。センサ−分与装置は、流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされている。カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを備えている。使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備えている。内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持している。複数のセンサの各々が流体中の分析物質の濃度に応答して信号を発生させるのに十分な試薬を保持している。外側カートリッジは、センサが開口部を貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する。外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、少なくとも1つのセンサをその位置に保持する保持機構を有する。密封機構は、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し得るようにされている。
【0012】
1つの方法に従い、センサ−分与装置は、複数のセンサを保持するセンサパックを取り扱い得るようにされている。カートリッジ組立体と、把持機構とを有するセンサ−分与装置が提供される。カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有する。使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備えている。内側カートリッジは、その内部に積層体に配置された複数のセンサを保持している。外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、少なくとも1つのセンサをその位置に保持する保持機構を有する。外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する。密封機構は、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し得るようにされている。把持機構は、密封機構を開放位置まで動かし且つ、複数の試験センサの1つと接触するよう前進させる。試験センサは、把持機構を介してカートリッジ組立体の開口部を通して引っ張る。分析物質を有する流体を試験センサに配置する。分析物質の濃度が測定される。
【0013】
本発明は、色々な改変例及び代替的な形態にて具体化可能であるが、単に一例として特定の実施の形態を図面に示し、これらについて本明細書にて詳細に説明する。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明は、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲に属する全ての改変例、等価物及び代替例を包含するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、複数の試験センサを保持する使い捨て型カートリッジを有している。複数の試験センサを使用して、分析物質の濃度を測定する。本発明を使用して測定可能である分析物質は、グルコース、脂質プロフィール(lipid profile)(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL、及びHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビンA1C、フルクトース、乳酸塩又はビリルビンを含む。しかし、本発明は、これらの特定の分析物質に限定されず、その他の分析物質の濃度が測定可能であると考えられる。分析物質は、例えば、全血試料、血清試料、血漿試料又はISF(間質液)及び尿のようなその他の体液とすることができる。
【0015】
図面を参照すると、センサ−分与装置内にて使用し得るようにされた、図1のカートリッジ組立体10が図示されている。カートリッジ組立体10は、実質的に防湿型で且つ気密の装置である。図1のカートリッジ組立体10は、使い捨て型カートリッジ11と、端部キャップ12とを備えている。カートリッジ11は、外側カートリッジ13と、内側カートリッジ15とを備えている。内側カートリッジは、複数の試験センサ14と、機械的機構16とを備えている。端部キャップは、少なくとも1つの密封機構18を備えている。カートリッジ11は、複数の試験センサ14の各々が使用された後、使い捨て可能であるようにされている。複数の試験センサ14の各々が使用された後、カートリッジ11を端部キャップ12から分解し且つ、複数の未使用の試験センサを有する第二のカートリッジと交換することができる。
【0016】
図1を参照すると、外側カートリッジ13は、試験センサ14がカートリッジ11から出るときに通る開口部20を保持している。閉塞位置、すなわち密封位置において、開口部20は、少なくとも1つの密封機構18を使用して密封される。密封機構18は、内側カートリッジ15内にて複数の試験センサ14を保持するカートリッジ11の内部に空気及び湿気が入るのを防止し又は阻止する。開口部20は、外側カートリッジ13から内側カートリッジ15まで伸びている。開口部20は、複数の試験センサ14が同時に1つずつ貫通して動くのを許容し且つ、最終的に内側カートリッジ15及び外側カートリッジ13から出るのを許容する寸法とされている。特に、複数の試験センサ14は、同時に1つずつ、開口部20を介して内側カートリッジ15及び外側カートリッジ13から出る。
【0017】
端部キャップ12内に保持された密封機構18は、密封ドア19を備えており、該密封ドアは、該ドアが図1に示した密封位置にあるとき、開口部20にカバーをする。密封ドア19は、軸線に沿って回転し、ドア19が作動する間、開口部20に対して非整合状態となった場合、ドアが開口部20を密封するのを許容することができる。密封機構18は、開口部20を密封し且つ非密封状態とする間、密封ドア19が動くのを容易にする連結機構21を更に備えている。連結機構21は、図1に参照番号21a、21bとして示した少なくとも2つの固定点を備えている。固定点21a、21bは、密封ドア19が動く間、連結機構をその位置に維持する。
【0018】
外側カートリッジ13の内面は、図1に参照番号22として示した1つ又はより多くの部材を備えている。部材22は、これらの部材がその外面と接触するとき、内側カートリッジ15の動きを停止させ且つ、内側カートリッジ15が開口部20に向けて更に動くのを阻止する。更に、部材22が内側カートリッジと接触するとき、内側カートリッジと外側カートリッジとの間に形成された空間を使用して乾燥剤材料26を収容することができる。
【0019】
外側カートリッジ13は、内側カートリッジ15が動いているとき、複数のセンサ14の最上方センサを動かないように保持する保持機構又は作用部24を備えている。以下に更に説明するように、センサ−分与装置が作動する間、内側カートリッジ15は、開口部20の方向に向けて動く。この動きの間、保持機構24は、最上方試験センサと接触し且つ、センサ14の積層体の残りが内側カートリッジ15と共に動く間、試験センサをその位置に保持する。
【0020】
外側カートリッジ13内での内側カートリッジ15の動きは、案内機構25によって案内される。案内機構25は、センサ−分与装置が作動する間、内側カートリッジ15が直線状の形態にて動くのを保証する。作用部25は、内側カートリッジ15を直線状に動かす三角形の輪郭外形を有する。
【0021】
図1に示すように、複数の試験センサ14は内側カートリッジ15内に積層されている。複数の試験センサ14は、少なくとも1つの分析物質の試験を助け得るようにされている。上述したように、試験可能である分析物質の1つは、例えば、全血試料からのグルコースである。1つの実施の形態において、複数の試験センサ14は、試験すべき1つ又は複数の所望の分析物質と反応するよう適宜に選ばれた酵素を含むことになろう。グルコースと反応するよう使用することのできる1つの酵素は、ブドウ糖酸化酵素である。グルコース脱水素酵素のようなその他の酵素が使用可能であると考えられる。試験センサ14の一例は、ベイヤーコーポレーション(Bayer Corporation)に譲渡された米国特許明細書6,531,040号に開示されている。その他の試験センサをカートリッジ組立体10内にて使用可能であると考えられる。
【0022】
複数の試験センサ14は、異なるユーザの必要性に対応し得るよう、図1に示した数と異なる数とすることができる。典型的に、積層した試験センサは、約10ないし約100個のセンサを保持している。試験センサの貯蔵寿命及び使用寿命は限界があるため、頻繁でなく試験するユーザは、より頻繁に試験するユーザと比較して、試験センサの数が少ないカートリッジを望むであろう。
【0023】
積層した試験センサ14を上方に押すためには、1つの実施の形態に従った機械的機構16を使用する。該機械的機構16は、内側カートリッジ15内に保持され、また、複数の試験センサの1つを開口部20を介してカートリッジ11から最終的に突き出すべく位置決めするのを助ける。機械的機構は、積層した試験センサ14に圧力を加えて複数の試験センサの1つを突き出し得るように配置することのできる任意の装置である。例えば、図1に示した機械的機構16は、2つのばねと、センサの積層体を上向きの態様にて案内するセンサ圧力板17とから成っている。積層した試験センサ14を上方に付勢するための機械的機構として色々な型式のばねを使用することができる。例えば、ばねは、圧縮ばね又はねじりばねとすることができる。ばねは、単純であり、また、使用し易い点にて望ましい。本発明の特定の実施の形態は、機構16の一部として単一のばねを有することができる一方、その他のもの(図1に例示したもののような)は、機構16の一部として2つのばねを備えることができる。
【0024】
試験センサ14内の試薬を保護するのを助けるため、望ましい包装材料及び(又は)乾燥剤材料を使用することができる。使い捨て型カートリッジ11は、典型的に、試験センサ14を保持する内側カートリッジ15の内部に空気が入るのを防止し又は阻止する材料にて包装されている。使い捨て型カートリッジ11を収納すべく使用できる1つの型式の除去可能な材料は、アルミニウム箔である。その他の型式の除去可能な包装物を使用することができると考えられる。乾燥剤材料を除去可能な包装物の内部に追加して、その内部にて適宜な湿度レベルを維持するのを助けることができると考えられる。試験センサ内の試薬が湿気に対する感受性がないならば、その場合、乾燥剤(存在するならば)を多く含むことは殆ど必要なく又は全く必要ない。乾燥剤材料を有するか又は有しない除去可能な包装物は、試験センサの貯蔵寿命を延ばすのを助ける。除去可能な包装物は、カートリッジ11を端部キャップ12に取り付ける前に、除去しなければならない。
【0025】
使い捨て型カートリッジ11は、最初に、瓶又はその他の型式の容器のような重合系容器内に配置することができる。容器は、空気又は湿気が容器の内部に入るのを防止し又は阻止する望ましいシールを有する使い捨て型カートリッジと同様の形状のものとすることができる。容器は、活性ヒンジを介して容器の他の部分に取り付けられる蓋を有することができる。乾燥剤を容器内に追加することが可能であることも考えられる。乾燥剤材料を有するか又は有しない容器は、試験センサの貯蔵寿命を引き延ばすのを助ける。使い捨て型カートリッジ11は、センサ−分与装置内に配置される前に容器から除去する。
【0026】
乾燥剤材料26は、試験センサ14を保持する内側カートリッジ15の内部にて適宜な湿度レベルを維持するのを助けるべく使い捨て型カートリッジ11に追加されることが望ましい。本発明の特定の実施の形態において、乾燥剤材料26は、図1に例示するように、外側カートリッジ13と内側カートリッジ15との間の空間に追加することができる。具体的には、密封ドア19を開け且つ、センサを内側カートリッジ15から引き出す毎に、幾分かの湿気は外側カートリッジ13の内部に入る可能性があるが、かかる湿気は、乾燥剤材料26によって望ましいように吸収され、試験センサ内の試薬を劣化しないよう保護する。適正な湿度レベルを維持することにより、試験センサ内の試薬材料は保護される。乾燥剤材料26の量は、所望の貯蔵寿命(複数の試験センサの何れかが使用される前の期間)を得るのに十分でなければならない。より具体的には、貯蔵寿命とは、典型的に、カートリッジ11が包装材料(使用されるならば)から除去されるまでの期間を意味する。乾燥剤材料26の量は、また、所望の使用寿命(複数の試験センサの1つを最初に使用した後の期間)を得るのにも十分でなければならない。より具体的には、使用寿命とは、カートリッジ11が包装材料(使用されるならば)から除去された後の期間を意味する。
【0027】
使い捨て型容器、使い捨て型容器を収納する除去可能な包装物又は使い捨て型カートリッジ11を保持する容器内に含めることのできる乾燥剤の例は、商業的に入手可能な乾燥剤を含む。乾燥剤は、ボール、錠剤、粒状物又は紙を含む幾つかの形状の形態とすることができる。例えば、乾燥剤は、分子ふるい球又は厚い乾燥剤紙とすることができる。乾燥剤材料の非限定的な例は、例えば、分子ふるいビードの形態にて、ニューヨーク州、バッファローのマルチソーブ(Multisorb)から購入することができる。本発明の特定の実施の形態において、外側カートリッジは、乾燥剤にて被覆するか又はこれと代替的に、乾燥剤材料にて出来たものとしてもよい。
【0028】
乾燥剤は、湿度感受性のない試験センサに対して使用されることはないと考えられる。使用した乾燥剤(使用されるならば)の量は、試験センサの湿度感受性の程度及び所望の貯蔵寿命の期間に依存する。
【0029】
密封ドア19は、閉塞位置(図1に図示)から開放位置(図2aないし図2d、図3a及び図3bに図示)まで動き得るようにされている。閉塞位置において、密封ドア19は、カートリッジ11の内部を密封し、環境及びその環境内の全ての湿気が試験センサ14に接触するのを防止する。かかる閉塞位置において、密封ドア19は、実質的に防湿型で且つ実質的に気密のカートリッジを提供する。密封ドア19は、湿気が開口部20を介して入り且つ、複数のセンサの少なくとも貯蔵寿命及び使用寿命に亙って複数の試験センサ14に影響を与えるのを防止し又は阻止する望ましい設計とされている。密封ドア19が開放位置にあるとき、試験センサ14は、同時に1つずつ、開口部20を通って動かし、最終的に、開口部20を介して出るようにすることができる。
【0030】
端部キャップ12は、多岐に亙る材料で出来たものとすることができるが、典型的に、重合系材料にて出来ている。端部キャップ12を形成するときに使用可能である重合系材料の幾つかの例は、ポリカーボネート、ABS、ナイロン、ポリスチレン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせを含む。ハウジングを形成するとき、例えば、潤滑のためテフロン(TEFLON)(登録商標名)又は強度を増すためガラスのようなその他の添加物を追加することができる。その他の添加物を採用することが可能であると考えられる。ポリカーボネートは、耐久性のある材料であり、また、空気(特に、酸素及び湿気)が端部キャップ12に入り、また、密封ドア19を開放したとき、カートリッジ11に入る可能性があるのを防止し又は阻止する能力があることを含む、幾つかの理由のため望ましい。また、外側カートリッジが2つの別個の部分にて形成されるならば、ポリカーボネートは、それ自体に密封することができる。このことは、2つのカートリッジ部分が超音波溶接される方法にて望ましいであろう。
【0031】
端部キャップ12は、射出成形方法を含む当該技術の当業者に既知の方法により形成することができる。射出成形方法が使用されるならば、肉厚は、典型的に、通常の範囲内にて設計される。成形方法のようなその他の方法が使用可能であると考えられる。
【0032】
図2aを参照すると、1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置400が図示されている。センサ−分与装置は、分析物質の濃度を測定するため使用される。本発明を使用して測定可能である分析物質は、グルコース、脂質プロフィール(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL、及びHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビンA1C、フルクトース、乳酸塩又はビリルビンを含む。しかし、本発明は、これらの特定の分析物質に限定されず、その他の分析物質の濃度が測定可能であると考えられる。分析物質は、例えば、全血試料、血清試料、血漿試料、又はISF(間質液)及び尿のようなその他の体液とすることができる。
【0033】
センサ−分与装置400は、カートリッジ組立体10と、摺動組立体402と、装置のハウジング404とを備えている。図2aに示すように、摺動組立体402は、スライダ406と、該スライダ406に取り付けられた把持機構408とを有する。図2bないし図2dに示すように、装置のハウジング404は、カートリッジ組立体10を受け入れ得るようにされている。カートリッジ組立体10は、簡単で且つ容易な態様にてセンサ−分与装置400の装置のハウジング404から除去し且つ該装置のハウジング内に装填されることが望ましい。装置のハウジングは、測定される特定の分析物質の量に比例した測定値を表示するLCDスクリーン410を備えることができる。図2aないし図2dに示した装置のハウジング404は、カートリッジ組立体10をハウジング404の端部に装填し、該ハウジングの端部から把持機構408はカートリッジ11に向けて伸びている。側部装填型装置に代えて、装置のハウジングは底部装填型装置としてもよい。
【0034】
その他のカートリッジ及びカートリッジ組立体が使用可能であると考えられる。使用すべきカートリッジの形状に依存して、装置ハウジングの内部はカートリッジの形状に相応するよう設計変更することができる。
【0035】
図2aを参照すると、スライダ406は第一の位置にて示されている。スライダ406を前方方向(図2cの矢印Aの方向)に向けて手操作にて動かすのを続けることにより、スライダ406は、第二の位置まで動かされる(図2a、2b参照)。図2dのスライダ406は、図2cのスライダ406よりもキャリッジ組立体10により近い位置に配置される。
【0036】
摺動組立体402は、複数の試験センサ14の1つを内側カートリッジ15から把持し且つ、図3aに示すように、その試験センサを少なくとも部分的に密封機構18を通して引っ張り得るようにされている。スライダ406が第一の位置にあるとき(図2a、図2b)、把持機構408(これもまた、図2a、図2bのその第一の位置にある)は、複数の試験センサ14の何れとも接触せず、ハウジング404にてほぼ完全に保持される。スライダ406が前方方向に向けて動くと(図2cの矢印Aの方向参照)、把持機構408(図2c、図2d参照)も前方に向けて動かされる。
【0037】
図2aを再度参照すると、ハウジング404の外側は、ハウジング404の上方部分に外側通路412を形成する。スライダの動きを容易にするため、図2aのスライダ406は、外側通路412に沿って案内される(図2c参照)。スライダ406は、接続機構(図示せず)を介して把持機構と接続され、スライダ406の動きには、常に、把持機構408の動きが伴う。ユーザによる把持を容易にするため、スライダ406は、図2a、図2bに示したようなその頂部面にリッジ又は鋸歯状部分を形成することができる。
【0038】
図2aを再度参照すると、把持機構408は、内側通路414内に配置され、この内側通路は、把持機構408を第一の位置(図2a、図2b)から第二の位置(図2c、図2d、図3a、図3b)まで、また、第一の位置に戻る動きを容易にし且つ、その動き及び位置決めを案内するのを助ける。摺動組立体402はまた、把持機構408が適正な平面内にて動くのを更に保証し得るよう案内ブロック416も有する。案内ブロック416は、スライダ406の下方に配置され、また、把持機構408と共に内側通路414に沿って動く。本発明の特定の実施の形態において、案内ブロック416は、スライダ406を把持機構408と接続するための接続機構である。
【0039】
1つの方法に従い、図2aの把持機構408はハウジングの開口部420を通って伸び、その後、連結機構21(図1)に向けて伸び且つ該連結機構21と接触する。連結機構21と接触したとき、把持機構408は、カートリッジの開口部20に向けて更に伸びる。連結機構21と接触し、また、把持機構408が前方への動きを続けることにより、密封ドア19は動いて開口部20(図2c)を非密封状態にする。把持機構408は、開口部20を通る動きを続け、その後、内側カートリッジ15と接触する。内側カートリッジと接触した後、把持機構は、該把持機構が複数の試験センサ14の1つと接触する迄、前方への動きを続ける(図2c、図2d参照)。
【0040】
図2aに示すように、一定の空隙35がストッパ部材30と開口部420との間に存在するようにすることができる。以下に更に説明するように、ストッパ部材は、把持機構が単一のセンサを把持し且つ、該センサを内側カートリッジ15内に配置されたセンサ14の積層体から引き出すとき、カートリッジ11の前方への動きを停止させる。一定の空隙35は、試験センサがカートリッジ11から出た後、該試験センサに対する空間を提供する。一定の空隙35の別の用途は、センサ−分与装置400内にランセットを配置するための位置を提供することである。
【0041】
開口部420は、把持機構408をシール18及び複数の試験センサ14の1つに対して適正に整合させる。スライダ406が前方方向に動くと、把持機構408は、シール18を通して複数の試験センサ14の1つと接触し且つ、該1つの試験センサを把持する。スライダ406が第二の位置(図2c、図2d参照)まで動くと、把持機構408は、保持機構24によってその位置に締め付けられた複数の試験センサ14の1つを把持するのを継続する。把持機構408が複数の試験センサ14の1つを把持した後、スライダ406は第一の位置まで動いて戻る。スライダ406が第一の位置まで動いて戻ると、把持機構408は、センサが複数の試験センサ14の積層体から分離され且つ、シール18を少なくとも部分的に通過する迄(図3a、図3b参照)、複数の試験センサ14の1つを把持し且つ、引っ張ることを続行する。把持機構408が複数の試験センサ14の1つを把持し且つ引っ張ると、センサの積層体を備える内側カートリッジ15は、ハウジング404に向けた動きを開始する(図2c参照)。ハウジング404に向けたカートリッジ11の動きは、ストッパ部材30によって停止され、カートリッジは該ストッパ部材にてその位置に掛止する。カートリッジ11の前方への動きがストッパ部材30によって停止されると、把持機構408は、単一のセンサをセンサ14の積層体から分離させる。スライダ406が第一の位置に復帰した後、把持機構408は、センサをその把り部内に保持し且つ、ユーザが使用するのに適した態様にてセンサを提供する(図4参照)。
【0042】
試験センサ14を把持し且つ引っ張る間、内側カートリッジ15の動きは、外側カートリッジの内面における作用部22によって停止され、このことは、内側カートリッジの壁が外側カートリッジの内壁と接触するのを防止することになる(図1参照)。
【0043】
本発明の特定の実施の形態において、把持機構408は、センサ14をハウジング404内に保持された計測電子機器(図示せず)と連結する電気接点を備えている。センサ14は、摺動接点を介し又は可撓性の回路ケーブル(図示せず)を介して計測電子機器に連結することができる。
【0044】
図4には、ハウジング404がカートリッジ組立体10から分離したセンサ分与装置400が示されている。図4に示すように、単一の試験センサ14が内側カートリッジ15内に配置された複数の試験センサから分離し且つ引き出された後、スライダ406は、第一の位置に復帰し、把持機構408は、センサをその把み部内に保持し且つ、ユーザが使用するのに適した態様にてセンサを提供する。
【0045】
本発明の特定の実施の形態において、センサは、カートリッジから引き出された後、側方向を向いた状態にて提供される。
センサの試験端部は、試験すべき流体試料(例えば、全血試料)と接触するよう配置し得るようにされている。全血試料は、ランセットのような突き刺し装置によって発生させることができる。全血試料は、センサ−分与装置から分離し又はセンサ−分与装置内に一体化することができるランセットにより取得することができる。突き刺し装置は、例えば、人間の指を刺すことにより血液を取得することができる。
【0046】
1つの方法に従い、全血試料は、(a)試験センサの1つを全血試料を受け入れる位置にて前進させるステップと、(b)全血試料を発生させるステップと、(c)試験センサ及び全血試料を接触させ、血液が全体として毛管作用によりセンサ内に吸引されるようにするステップとにより、試験のため準備することができる。
【0047】
センサには、典型的に、センサの前端、すなわち試験端部からセンサ内に配設されたバイオセンシング又は試薬材料まで伸びる毛管通路が設けられている。センサの試験端部は、流体(例えば、人間の指を刺した後、その指に集まる血液)内に配置されたとき、流体の一部分は、毛管作用によって毛管通路内に吸引される。次に、流体は、センサ内の試薬材料と化学的に反応し、試験される血液中の血糖レベルを表示する電気信号が供給され、その後、電気組立体に伝送されるようにする。
【0048】
試験が完了した後、幾つかの方法によって試験センサをハウジング404から除去することができる。1つの実施の形態において、センサ−分与装置は、使用済みの試験センサをセンサ−分与装置から突き出す突き出し機構を備えることもできる。かかる実施の形態において、試験センサは、強制的に解放される。別の実施の形態において、試験センサは、試験センサの把み部を解放することにより突き出すことができ、その結果、試験センサは、重力によってセンサ−分与装置から廃棄される。更なる実施の形態において、試験センサは、センサ−分与装置から手操作にて除去することもできる。
【0049】
図3a、図3bに示すように、把持機構408は、第二の位置まで動かされたとき、カートリッジの開口部20を貫通して伸びることができる。この伸びた位置にあるとき、把持機構408は、試験センサ14の1つと接触し且つ、該1つの試験センサを把持する。
【0050】
スライダ406が後方向(すなわち、図2cに示した矢印Aの方向と反対の方向)に向けてその第二の位置から図2aの第一の位置まで動くと、把持機構408は、同時に、その第二の位置から第一の位置まで動き、その結果、把持機構408はシール18を貫通して進む。スライダ406及び把持機構408が第一の位置にある間、カートリッジ11は、実質的に防湿型で且つ気密である。センサ−分与装置は、ボタンを押すことに応答するよう、スライダ機構を自動的に作動させることが可能であると考えられる。
【0051】
ハウジング404及びスライダ406は、典型的に、重合系材料にて出来ている。重合系材料の非限定的な例は、ポリカーボネート、ABS、ナイロン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせを含む。スライダを形成する重合系材料に添加物を加えることができる。スライダは、金属材料のようなその他の材料にて出来たものとすることも可能であると考えられる。
【0052】
把持機構408は、金属又は重合系材料にて出来たものとすることができる。一部の非限定的な金属材料は、ステンレス鋼及び適宜なめっきを施した青銅を含む。重合系材料の非限定的な例は、ポリカーボネート、ABS、ナイロン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせを含む。把持機構を形成する重合系材料に添加物を加えることができる。
【0053】
センサ−分与装置400は、典型的に、血糖の試験手順の間、生成されたデータを処理し且つ(又は)記憶するマイクロプロセッサ又は同様のものを含む。このデータは、ハウジング404の表面に配置された液晶ディスプレイ410に表示することができる(図2a参照)。液晶ディスプレイは、センサ−分与装置400にて試験手順からの情報を表示する。
【0054】
センサ−分与装置が使用されているとき、表示可能である情報の一部は、次のもの、すなわち電池の表示、数値表示、残るセンサの数の表示、センサ−分与装置内へのカートリッジの装填の表示、使用血液の表示、温度表示又はそれらの色々な組み合わせを含む。
【0055】
センサ−分与装置400はまた、電池−トレー組立体の開口部を保持することもできる。電池−トレー組立体は、その内部に電池が配設される電池−トレーを有する。電池−トレー組立体は、センサ−分与装置400の一側部の開口部内に挿入する。このように挿入されたとき、電池は、回路板組立体における回路(図示せず)及び液晶ディスプレイ410を含む、装置400内の電子機器に対する電力を提供する。
【0056】
本発明は、図示した実施の形態の詳細に関して説明したが、これらの詳細は、本発明の範囲を特許請求の範囲に規定されたように制限することを意図するものではない。例えば、血糖以外の流体を試験するため、センサ−分与装置400を使用することができる。実際上、センサ−分与装置400は、試薬材料を使用して分析することのできる任意の型式の化学的性質の流体の分析に関連して使用することができる。
【0057】
代替的な実施の形態A
流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされたセンサ−分与装置であって、
端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有するカートリッジ組立体であって、使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備え、内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有し、密封機構は、実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るようにされた、上記カートリッジ組立体と、
センサを把持し且つセンサを外側カートリッジの開口部を通して積層体から分与した位置まで引っ張り得るようにされた把持機構とを備え、
外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する、上記センサ−分与装置である。
代替的な実施の形態B
流体中の分析物質の濃度を測定する機構を更に備える、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態C
把持機構は、第一の位置と第二の位置との間を往復状態にて摺動可能である、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態D
把持機構が第一の位置から第二の位置まで動くことによって、把持機構はその少なくとも一部分を密封面と密封機構との間に挿入し、シールを破断し、次に、センサをセンサと接触する位置に押すのを許容するのに十分な程度、移動して、把持機構が第二の位置から第一の位置まで移動することにより、センサは開口部を通して引っ張られるようにした、実施の形態Cのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態E
把持機構は、第一の位置から第二の位置まで移動するとき、密封機構と、積層体中の最上方センサとの双方と接触する、実施の形態Dのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態F
把持機構は、ユーザが手操作によって第一の位置と、第二の位置との間にて押すことができるようにされた、実施の形態Eのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態G
密封機構は、端部キャップに取り付けられる、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態H
密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、連結機構は密封ドアが動くのを容易にするのを助ける、実施の形態Gのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態I
開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引っ張ることを許容する、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態J
外側ハウジングは、正確に1つの開口部を有する、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態K
保持機構は、内側カートリッジが把持機構によって外側カートリッジに対して動かされる間、最上方センサをその位置に保持する、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態L
把持機構は、センサをセンサ−分与装置の電子機器に連結する電気接点を保持する、実施の形態Aのセンサ−分与装置である。
代替的な実施の形態M
流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされたセンサ−分与装置内にて使用し得るようにされたカートリッジ組立体であって、
端部キャップと、
外側カートリッジと、内側カートリッジとを備える使い捨て型カートリッジであって、内側カートリッジはその内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、該複数のセンサの各々は、流体中の分析物質の濃度に応答して信号を発生させるのに十分な試薬を支持し、外側カートリッジは、センサが開口部を貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有する、上記使い捨て型カートリッジと、
実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るようにされた密封機構とを備えるカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態N
密封機構が端部キャップに取り付けられた、実施の形態Mのカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態O
密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、該連結機構は、密封ドアが動くのを容易にするのを助ける、実施の形態Nのカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態P
開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引き出すのを許容する寸法である、実施の形態Mのカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態Q
外側カートリッジは厳密に1つの開口部を有する、実施の形態Mのカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態R
試験センサを同時に1つずつ内側カートリッジから除去し得るよう配置する機械的機構を更に有する、実施の形態Mのカートリッジ組立体である。
代替的な実施の形態S
保持機構は、内側カートリッジが外側カートリッジに対して動く間、最上方センサをその位置に保持する、実施の形態Mのカートリッジ組立体である。
代替的な方法T
複数のセンサを保持するセンサパックを取り扱い得るようにされたセンサ−分与装置を作動させる方法であって、
カートリッジ組立体と、把持機構とを有するセンサ−分与装置であって、カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有し、使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備え、内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有し、外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成し、密封機構は、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し得るようにされた、上記センサ−分与装置を提供するステップと、
密封機構を開放位置まで動かし且つ、複数の試験センサの1つと接触するよう把持機構を前進させるステップと、
試験センサを把持機構を介してカートリッジ組立体の開口部を通して引っ張るステップと、
分析物質を有する流体を試験センサの上に配置するステップと、
分析物質の濃度を測定するステップとを備える、センサ−分与装置を作動させる方法である。
代替的な方法U
分析物質はグルコースである方法Tの方法である。
代替的な方法V
把持機構を前進させるステップは、把持機構を第一の位置と第二の位置との間にて往復状態に摺動させるステップを含む、方法Tの方法である。
代替的な方法W
密封機構は端部キャップに取り付けられる、方法Tの方法である。
代替的な方法X
密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、連結機構は、密封ドアの動きを容易にするのを助ける、方法Tの方法である。
代替的な方法Y
開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引っ張るのを許容する、方法Tの方法である。
代替的な方法Z
外側ハウジングは厳密に1つの開口部を有する、方法Tの方法である。
代替的な方法AA
保持機構は、内側カートリッジが把持機構によって外側カートリッジに対して動く間、最上方センサをその位置に配置する、方法Tの方法である。
代替的な方法BB
把持機構は、センサをセンサ−分与装置の電子機器に連結する電気接点を保持する、方法Tの方法である。
【0058】
本発明は、1つ又はより多くの特定的な実施の形態に関して説明したが、当該技術の当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多数の変更を加えることが可能であることが認識されよう。これらの実施の形態及びその明らかな変形例の各々は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲に属するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従ったカートリッジ組立体の正面図である。
【図2】2aは、センサ−分与装置の把持機構が第一の位置にあり、外側カートリッジが第一の位置にある、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の頂面斜視図である。2bは、センサ−分与装置の把持機構が第一の位置にあり、外側カートリッジが第二の位置にある、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の頂面斜視図である。2cは、センサ−分与装置の把持機構が第二の位置にあり、外側カートリッジが第二の位置にある、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の頂面斜視図である。2dは、把持機構がセンサに接触する状態を示す、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の正面図である。
【図3】3aは、センサを把持し且つセンサを外側カートリッジを通して除去する状態を示す(内側カートリッジ及び端部キャップは図示せず)、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の拡大頂面斜視図である。3bは、センサを把持し且つセンサを外側カートリッジを通して除去する状態を示す(内側カートリッジ及び端部キャップは図示せず)、図1のカートリッジ組立体に取り付けられた本発明の1つの実施の形態に従ったセンサ−分与装置の斜視図である。
【図4】カートリッジ組立体から取り外された図2aのセンサ−分与装置の頂面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされたセンサ−分与装置において、
端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有するカートリッジ組立体であって、使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備え、内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有し、密封機構は、実質的に湿気不浸透性であるシールを形成し、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るようにされた、前記カートリッジ組立体と、
センサを把持し且つ、センサを外側カートリッジの開口部を通して積層体から分与した位置まで引っ張り得るようにされた把持機構とを備え、
外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成する、センサ−分与装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、流体中の分析物質の濃度を測定する機構を更に備える、センサ−分与装置。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、把持機構は、第一の位置と第二の位置との間を往復状態に摺動可能である、センサ−分与装置。
【請求項4】
請求項3に記載のセンサ−分与装置において、把持機構が第一の位置から第二の位置まで動くことによって、把持機構は、その少なくとも一部分を密封面と密封機構との間に挿入してシールを破断し、次に、センサをセンサと接触する位置に押すのを許容するのに十分な程度、移動するようにし、また、把持機構が第二の位置から第一の位置まで移動することにより、センサを開口部を通して引っ張るようにした、センサ−分与装置。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサ−分与装置において、把持機構は、第一の位置から第二の位置まで移動するとき、密封機構と、積層体中の最上方センサとの双方と接触する、センサ−分与装置。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサ−分与装置において、把持機構は、ユーザによって手操作にて第一の位置と、第二の位置との間にて押すことができるようにされた、センサ−分与装置。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、密封機構は、端部キャップに取り付けられる、センサ−分与装置。
【請求項8】
請求項7に記載のセンサ−分与装置において、密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、該連結機構は、密封ドアが動くのを容易にするのを助ける、センサ−分与装置。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引っ張ることを許容する、センサ−分与装置。
【請求項10】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、外側ハウジングは、厳密に1つの開口部を有する、センサ−分与装置。
【請求項11】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、保持機構は、内側カートリッジが把持機構によって外側カートリッジに対して動く間、最上方センサをその位置に保持する、センサ−分与装置。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサ−分与装置において、把持機構は、センサをセンサ−分与装置の電子機器に連結する電気接点を保持する、センサ−分与装置。
【請求項13】
流体の分析物質の濃度を測定し得るようにされたセンサ−分与装置内にて使用し得るようにされたカートリッジ組立体において、
端部キャップと、
外側カートリッジと、内側カートリッジとを備える使い捨て型カートリッジであって、内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、該複数のセンサの各々は、流体中の分析物質の濃度に応答して信号を発生させるのに十分な試薬を支持し、外側カートリッジは、センサが開口部を貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有する、前記使い捨て型カートリッジと、
実質的に湿気不浸透性であるシールを形成して内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るようにされた密封機構とを備える、カートリッジ組立体。
【請求項14】
請求項13に記載のカートリッジ組立体において、密封機構が端部キャップに取り付けられる、カートリッジ組立体。
【請求項15】
請求項14に記載のカートリッジ組立体において、密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、該連結機構は、密封ドアの動きを容易にするのを助ける、カートリッジ組立体。
【請求項16】
請求項13に記載のカートリッジ組立体において、開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引き出すのを許容する寸法である、カートリッジ組立体。
【請求項17】
請求項13に記載のカートリッジ組立体において、外側カートリッジは厳密に1つの開口部を有する、カートリッジ組立体。
【請求項18】
請求項13に記載のカートリッジ組立体において、試験センサを同時に1つずつ内側カートリッジから除去し得るよう配置する機械的機構を更に有する、カートリッジ組立体。
【請求項19】
請求項13に記載のカートリッジ組立体において、保持機構は、内側カートリッジが外側カートリッジに対して動く間、最上方センサをその位置に保持する、カートリッジ組立体。
【請求項20】
複数のセンサを保持するセンサパックを取り扱い得るようにされたセンサ−分与装置を作動させる方法であって、
カートリッジ組立体と、把持機構とを有するセンサ−分与装置であって、カートリッジ組立体は、端部キャップと、使い捨て型カートリッジと、密封機構とを有し、使い捨て型カートリッジは、外側カートリッジと、内側カートリッジとを備え、内側カートリッジは、その内部に積層体にて配置された複数のセンサを保持し、外側カートリッジは、内側カートリッジが動く間、センサの少なくとも1つをその位置に保持する保持機構を有し、外側カートリッジは、センサ及び把持機構が貫通して通るのを許容するのに十分な寸法の開口部を形成し、密封機構は、内側カートリッジ内のセンサを雰囲気の湿気から保護し得るよう実質的に湿気不浸透性のシールを形成し得るようにされた、前記センサ−分与装置を提供するステップと、
密封機構を開放位置まで動かし且つ、複数の試験センサの1つと接触するよう把持機構を前進させるステップと、
試験センサを把持機構を介してカートリッジ組立体の開口部を通して引っ張るステップと、
分析物質を有する流体を試験センサの上に配置するステップと、
分析物質の濃度を測定するステップとを備える、センサ−分与装置を作動させる、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、分析物質はグルコースである、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、把持機構を前進させるステップは、把持機構を第一の位置と第二の位置との間にて往復状態に摺動させるステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法において、密封機構は端部キャップに取り付けられる、方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法において、密封機構は、密封ドアと、連結機構とを有し、連結機構は、密封ドアの動きを容易にするのを助ける、方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法において、開口部の寸法は、同時に1つのセンサのみを貫通して引っ張るのを許容する、方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法において、外側ハウジングは厳密に1つの開口部を有する、方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法において、保持機構は、内側カートリッジが把持機構によって外側カートリッジに対して動く間、最上方センサをその位置に保持する、方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法において、把持機構は、センサをセンサ−分与装置の電子機器に連結する電気接点を保持する、方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−518204(P2008−518204A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537960(P2007−537960)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/037364
【国際公開番号】WO2006/047135
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)