説明

センサ、測定装置及び測定方法

【課題】ガスのガス種、圧力、又は流量を正確に測定可能なセンサを提供する。
【解決手段】被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層13と、半導体層13を加熱するヒータ131と、半導体層13の上部に埋め込まれ、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度を検出する温度検出素子(ダイオード)D1とを備え、加熱前後の半導体層13の温度差から、ガスのガス種、圧力、又は流量を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの圧力等を測定するためのセンサに係り、更にはセンサを用いた測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チャンバ内のガスのガス種、圧力又は流量を測定するセンサとしては、2つの温度検出素子(ダイオード)により検出した温度差がチャンバ内のガスのガス種、圧力又は流量に比例することを利用したセンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。即ち、一方の温度検出素子をヒータの近傍に配置してヒータの温度を検出し、ヒータを一定温度に制御する。他方の温度検出素子をヒータと熱的に分離してガスに接するように配置し、チャンバ内の温度を検出する。2つの温度検出素子で検出した温度差から、予め取得したチャンバ内のガスの圧力等に対する検量線データを参照してチャンバ内のガスの圧力等を測定する。
【0003】
しかしながら、ヒータから熱的に分離した温度検出素子がチャンバ内の温度を検出するときに、チャンバの外側に配置したチラーユニットの水温等の影響でチャンバ内の温度が変動し、チャンバ内のガスのガス種、圧力又は流量を正確に測定できない場合がある。
【特許文献1】特開2006−153769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ガスのガス種、圧力、又は流量を正確に測定可能なセンサ、測定装置及び測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の一態様によれば、(イ)被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層と、(ロ)半導体層を加熱するヒータと、(ハ)半導体層の上部に埋め込まれ、ヒータによる加熱前後の半導体層の温度を検出する温度検出素子とを備え、加熱前後の半導体層の温度差から、ガスのガス種、圧力、又は流量を測定するセンサが提供される。
【0006】
本願発明の他の態様によれば、(イ)被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層と、半導体層を加熱するヒータと、半導体層の上部に埋め込まれ、ヒータによる加熱前後の半導体層の温度を検出する温度検出素子とを有するセンサと、(ロ)加熱前後の半導体層の温度差を、それぞれ温度検出素子より入力し、ガスのガス種、圧力、又は流量を計算する測定回路とを備える測定装置が提供される。
【0007】
本願発明の他の態様によれば、(イ)被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層をヒータにより加熱するステップと、(ロ)ヒータによる加熱前後の半導体層の温度を半導体層の上部に埋め込まれた温度検出素子により検出するステップと、(ハ)検出素子からの電流または電圧をガスのガス種、圧力、又は流量に変換するステップとを含む測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガスのガス種、圧力、又は流量を正確に測定可能なセンサ、測定装置及び測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
本発明の実施の形態に係る測定装置のセンサ(センサチップ)1の平面図を図1に、対応する断面図を図2に示す。図2は、図1に示したセンサ1のA−A方向から見た階段断面構造であり、先に図2を説明する。
【0012】
図2に示すように、センサ1は、被測定対象となるガスに表面が熱的に接した第1導電型(p型)の半導体層(SOI層)13と、半導体層13の上部に埋め込まれ、半導体層13を加熱する第2導電型(n+型)の半導体抵抗領域(ヒータ)131と、半導体層13の上部に半導体抵抗領域(ヒータ)131と離間して埋め込まれ、半導体抵抗領域(ヒータ)131による加熱前後の半導体層13の温度を検出する温度検出素子(ダイオード)D1を備える。温度検出素子D1は、第1導電型(p+型)の半導体からなるアノード領域132と、アノード領域132の周囲に形成された第2導電型(n+型)の半導体からなるカソード領域133とで構成される。
【0013】
「第1導電型」と「第2導電型」とは互いに反対導電型である。即ち、第1導電型がn型であれば、第2導電型はp型であり、第1導電型がp型であれば、第2導電型はn型である。したがって、ここでは第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合について例示的に説明するが、第1導電型がn型、第2導電型がp型でもあっても、電気的な極性を反対にすれば同様な効果が得られることは容易に理解できるであろう。
【0014】
半導体層13は、支持基板11上に配置された埋め込み絶縁膜(BOX層)12上に設けられている。支持基板11及び半導体層13の材料としては、シリコン(Si)等が使用可能である。
【0015】
半導体抵抗領域131は、熱酸化膜(SiO2膜)等のフィールド絶縁膜14の開口部を介してヒータ用電極15a,15dに接続している。アノード領域132は、フィールド絶縁膜14の開口部を介してセンサ用電極15bに接続している。カソード領域133は、フィールド絶縁膜14の開口部を介してセンサ用電極15cに接続している。ヒータ用電極15a,15d及びセンサ用電極15b,15cの材料としては、アルミニウム(Al)等が使用可能である。
【0016】
半導体抵抗領域131は、周囲の半導体層13とpn接合を形成し、pn接合分離されている。pn接合が逆バイアスになるようなバイアス条件でヒータ用電極15a,15dに電流を流すと、半導体抵抗領域131のみに電流を流すことができ、半導体抵抗領域131のみをジュール加熱することができる。温度検出素子(ダイオード)D1は、順方向に一定電圧を印加され、半導体層13の温度に応じた電流(電流信号)を流す。この電流信号又は、オン抵抗の変化、立ち上り電圧の変化(拡散電位の電位)等が半導体層13の温度として検出される。
【0017】
なお、図示を省略するが、フィールド絶縁膜14、ヒータ用電極15a,15d及びセンサ用電極15b,15cの全体の上には、酸化膜(SiO2膜)、窒化膜(SiN膜)、又はPSG膜等の保護膜(パッシベーション膜)が被覆されている。保護膜の膜厚は、センサ感度を考慮すると、熱的な抵抗が無視できる程度に十分薄いほうが好ましい。図1のA−A方向から見た階段断面上では、センサ1の中央部と周辺部は空隙17で離間している。又、A−A方向から見た階段断面上では、センサ1の中央部ではBOX層12の下は空隙17となっている。
【0018】
図1に示すように、平面パターンとしては、周辺部は枠状をなし、中央部の周囲を囲むように配置されている。周辺部と中央部とは、断面図としては、図2に示すようなBOX層12、半導体層13、フィールド絶縁膜14からなる積層構造の梁で接続されている。図1に示すように、この梁のフィールド絶縁膜14の上には、ヒータ用電極15a,15d及びセンサ用電極15b,15cが延伸している。ヒータ用電極15a,15dは、周辺部に配置されたヒータ用電極パッド16a,16dにそれぞれ接続されている。センサ用電極15b,15cは、周辺部に配置されたセンサ用電極パッド16b,16cにそれぞれ接続されている。中央部において、半導体抵抗領域131が、アノード領域132及びカソード領域133の周囲に例えば環状に配置されている。
【0019】
センサ1は、図3に示すように、被測定対象となるガスを収納するチャンバ2内に配置される。チャンバ2内には被測定対象となるガスが、特定のガス圧で充填もしくは、特定のガス流量等で流される。図1及び図2に示したセンサ1は、図3に示すようにパッケージベース3の下面の中央部に裏面側から載置される。パッケージベース3の下面の周辺部は、Oリング3aを介してチャンバ2の開口の周辺部に接し密閉構造を構成している。パッケージベース3は、円筒状の懸架部(懸架リング)41により固定具4に固定されている。固定具4は押さえ5a,5bを用いてチャンバ2の固定部(固定リング)42に固定されている。図1及び図2に示したセンサ1のヒータ用電極15a,15d及びセンサ用電極15b,15cは、図3に示した配線8a,8b,8c,8d,9a,9b及びコネクタ6等を介して測定回路10に接続されている。チャンバ2の下面側の外側には、チラーユニット7が配置されている。チラーユニット7には、チャンバ2を冷却するために一定温度の水が供給される。
【0020】
図4に示すように、測定回路10は、ヒータ131に接続されたオペアンプ101と、オペアンプ101に接続されたタイミング生成部100を備える。タイミング生成部100が、ヒータ131加熱用の駆動パルスを生成する。オペアンプ101が、外部からの制御信号CNTを受けてタイミング生成部100からの駆動パルスを増幅し、ヒータ131に伝達する。ヒータ131は、駆動パルスの電流に応じて半導体層13を加熱する。
【0021】
温度検出素子D1には、オペアンプ102,103及びA/Dコンバータ104が順次接続されている。オペアンプ102は、温度検出素子D1で検出した半導体層13の温度に対応する電流信号等を電圧信号に変換する。オペアンプ103が、オペアンプ102からの電圧信号を所望のレベルまで増幅する。A/Dコンバータ104が、オペアンプ103からのアナログ電圧信号をデジタル信号に変換する。
【0022】
A/Dコンバータ104の出力側には、加熱前温度記憶部(レジスタ)105及び加熱後温度記憶部(レジスタ)106が接続される。加熱前温度記憶部105及び加熱後温度記憶部106には温度差算出部107が接続される。温度差算出部107には、温度差記憶部108が接続され、温度差記憶部108には測定部109が接続される。
【0023】
加熱前温度記憶部105は、タイミング生成部100からヒータ131に対する加熱前のクロック信号に同期して、ヒータ131による加熱前の半導体層13の温度に対応するA/Dコンバータ104からのデジタル信号を記憶する。加熱後温度記憶部106は、タイミング生成部100からヒータ131に対する加熱後のクロック信号に同期して、ヒータ131による加熱後の半導体層13の温度に対応するA/Dコンバータ104からのデジタル信号を記憶する。
【0024】
温度差算出部107が、加熱前温度記憶部105に記憶したヒータ131による加熱前の半導体層13の温度及び加熱後温度記憶部106に記憶したヒータ131による加熱後の半導体層13の温度を読み出して、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差を算出する。温度差記憶部108が、タイミング生成部100から生成されるクロック信号に同期して、温度差算出部107により算出されたヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差を記憶する。測定部109が、温度差記憶部108に記憶したヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差を読み出して、予め取得した検量線データを参照して温度差からチャンバ2内のガスの圧力を測定する。
【0025】
温度差算出部107には、出力部110が接続される。出力部110は、温度差記憶部108に記憶された温度差を出力する。出力部110は、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度や、測定したチャンバ2内のガスの圧力等を表示するようにしても良い。出力部110としては、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、インクジェットプリンタ、又はレーザプリンタ等を用いることができる。
【0026】
測定部109には、表示部111が接続される。表示部111としては、例えば発光ダイオード(LED)が使用可能である。表示部111は、測定部109により測定したガスの圧力に応じて、ガスの圧力の高さが分かるようにLED表示する。
【0027】
図5(a)にヒータ131の駆動パルスのタイミングを示し、図5(b)にチャンバ2内が大気圧の場合のヒータ131の放熱状況を示す。ヒータ131による加熱を行う1ms〜20ms程度前の時刻t1において、温度検出素子D1が、図5(b)に示すようにヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T11を検出する。ヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T11は、チャンバ2内の温度と略等しい。
【0028】
時刻t2〜t3において、図5(a)に示すように、ヒータ131に駆動パルスを与える。駆動パルス幅Wpは1ms〜900ms程度、周期は1ms〜900ms程度である。駆動パルスに応じて図5(b)に示すようにヒータ131の温度が上昇する。
【0029】
時刻t3において図5(a)に示すように駆動パルスをオフ状態にすると、図5(b)に示すようにヒータ131の温度が低下していく。時刻t3から1ms〜50ms程度経過した時刻t4において、温度検出素子D1が、ヒータ131による加熱後の半導体層13の温度T12を検出する。
【0030】
チャンバ2内の温度は、チラーユニット7に供給される水温等の外部の影響を受けて変化する場合がある。このため、時刻t1において検出するヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T11の測定の意味するところは、この外部からの影響を受けた結果の温度を測定することにある。時刻t4において検出するヒータ131による加熱後の半導体層13の温度T12も外部からの影響を受けるが、この影響は事前にt1で測定した結果と同一とであることは自明である。このため時刻t1において検出したヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T11と、時刻t4において検出したヒータ131による加熱後の半導体層13の温度T12との温度差ΔT1は、チャンバ2内のガスの圧力のみに依存し、チャンバ2内の温度が変化しても影響を受けず一定である。したがって、温度差算出部107が温度差ΔT1を算出し、測定部109が温度差ΔT1からチャンバ2内のガスの圧力を測定するので、チャンバ2内の温度の影響を受けずに正確にチャンバ2内のガスの圧力を測定可能となる。更に、時刻t4から1ms〜20ms程度経過後に、表示部111により測定結果をLED表示する。
【0031】
図5(c)に、チャンバ2内が減圧状態の場合のヒータ131の放熱状況を示す。減圧状態中では、大気圧中よりも熱伝導率が低下するので、ヒータ131は緩やかに放熱する。大気圧中の場合と同様に、時刻t1において検出されるヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T21と、時刻t4において検出するヒータ131による加熱前の半導体層13の温度T22との温度差ΔT2は、チャンバ2内のガスの圧力のみに依存し、チャンバ2内の温度からは独立して影響を受けない。
【0032】
図6に、チラーユニットに供給する水温を25℃、35℃、45℃で変化させたときの、ヒータ131による加熱前後で検出した半導体層13の温度差と、チャンバ2内のガスの圧力との関係を示す。チラーユニット7の水温を変化させるとチャンバ2内の温度は変化する。図6から、チャンバ2内の温度が変化しても、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差はチャンバ2内の温度変化に影響されずに略一定であることが分かる。又、チャンバ2内のガスの圧力が高いほど、ヒータ131の温度差は小さいことが分かる。したがって、予め取得したチャンバ2内のガスの圧力の検量線データを参照して、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差ΔT1,ΔT2に基づいてチャンバ2内のガスの圧力を測定することができる。
【0033】
次に、本発明の実施の形態に係る測定方法を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
(イ)ステップS1において、温度検出素子D1が、ヒータ131による加熱前の被測定対象(ガス)に表面が熱的に接した半導体層13の温度を検出する。検出したヒータ131による加熱前の半導体層13の温度は、加熱前温度記憶部105に記憶される。
【0035】
(ロ)ステップS2において、ヒータ131に駆動パルスを与えて加熱し、オフ状態とする。
【0036】
(ハ)ステップS3では、温度検出素子D1によりヒータ131による加熱後のオフ状態において、被測定対象(ガス)に表面が熱的に接した半導体層13の温度を検出する(加熱後のオフ状態においては図5に示すように半導体層13の温度は徐々に低下していく。)。検出したヒータ131による加熱後の半導体層13の温度は、加熱後温度記憶部106に記憶される。
【0037】
(ニ)ステップS4において、温度差算出部107が、加熱前温度記憶部105に記憶されたヒータ131による加熱前の半導体層13の温度と、加熱後温度記憶部106に記憶されたヒータ131による加熱後の半導体層13の温度を読み出して、ヒータ131による加熱前後の半導体層13の温度差を算出する。算出された温度差は、温度差記憶部108に記憶される。
【0038】
(ホ)ステップS5において、測定部109が、温度差記憶部108に記憶された温度差を読み出して、温度差からチャンバ2内のガスの圧力変換する。表示部111は、測定結果をLED表示する。
【0039】
本発明の実施の形態に係るセンサ1、センサ1を用いた測定装置及び測定方法によれば、チャンバ2内の温度の変動の影響を受けずに、チャンバ2内のガスの圧力を正確に測定することができる。
【0040】
更に、センサ1の構造が簡単でありサイズも小さいので、低コストで製造可能で、歩留まりを向上することができる。
【0041】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0042】
既に述べた実施の形態の説明においては、ヒータとなる半導体抵抗領域131が半導体層13の表面に埋め込まれた場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、多結晶シリコンや高融点金属の薄膜からなる抵抗層を半導体層13の表面の上に堆積して形成しても良い。
【0043】
又、温度検出素子D1としてダイオードを説明したが、温度検出素子D1としてダイオードの代わりにバイポーラトランジスタを使用し、ベースとエミッタのダイオード特性を利用しても構わない。又、予めチャンバ2内のガス種やガス流量との検量線データを取得しておけば、チャンバ2内のガスの圧力の他にも、ガス種やガス流量を測定することも可能である。
【0044】
更には上記の実施の形態では、チャンバ2の内部のガスの圧力等を測定する場合について説明したが、チャンバは必ずしも必要ではない。例えば、配管中のガスの流量、空調ダクト内の空気の流量等の測定に用いることも可能であり、更には無限大の容積とみなせる地球の大気の圧力を測定対象としても良い。
【0045】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る測定装置のセンサの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る測定装置のセンサの一例を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る測定装置のセンサの実装例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る測定装置の一例を示すブロック図である。
【図5】図5(a)、図5(b)、図5(c)は、本発明の実施の形態に係る測定方法を説明するためのグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係る圧力とヒータ加熱前後の半導体層の温度差との関係を表すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係る測定方法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
D1…温度検出素子(ダイオード)
1…センサ
2…チャンバ
3…パッケージベース
3a…Oリング
4…固定具
5a,5b…押さえ
6…コネクタ
7…チラーユニット
8a,8b,8c,8d,9a,9b…配線
10…測定回路
11…支持基板
12…埋め込み絶縁膜(BOX層)
13…半導体層(SOI層)
14…フィールド絶縁膜
15…金属膜
15a,15d…ヒータ用電極
15b,15c…センサ用電極
16a,16d…ヒータ用電極パッド
16b,16c…センサ用電極パッド
17…空隙
100…タイミング生成部
101,102,103…オペアンプ
104…A/Dコンバータ
105…加熱前温度記憶部
106…加熱後温度記憶部
107…温度差算出部
108…温度差記憶部
109…測定部
110…出力部
111…表示部
131…半導体抵抗領域(ヒータ)
132…アノード領域
133…カソード領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層と、
前記半導体層を加熱するヒータと、
前記半導体層の上部に埋め込まれ、前記ヒータによる加熱前後の前記半導体層の温度を検出する温度検出素子
とを備え、前記加熱前後の前記半導体層の温度差から、前記ガスのガス種、圧力、又は流量を測定することを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記ヒータが、前記温度検出素子とは離間して前記半導体層の上部に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層と、前記半導体層を加熱するヒータと、前記半導体層の上部に埋め込まれ、前記ヒータによる加熱前後の前記半導体層の温度を検出する温度検出素子とを有するセンサと、
前記加熱前後の前記半導体層の温度差を、それぞれ前記温度検出素子より入力し、前記ガスのガス種、圧力、又は流量を計算する測定回路
とを備えることを特徴とする測定装置。
【請求項4】
前記ヒータが、前記温度検出素子とは離間して前記半導体層の上部に埋め込まれていることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
被測定対象となるガスに表面が熱的に接した半導体層をヒータにより加熱するステップと、
前記ヒータによる加熱前後の前記半導体層の温度を前記半導体層の上部に埋め込まれた温度検出素子により検出するステップと、
前記加熱前後の前記温度差から、前記ガスのガス種、圧力、又は流量を測定するステップ
とを含むことを特徴とする測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−8045(P2010−8045A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299453(P2006−299453)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(302000081)株式会社メムス・コア (19)
【Fターム(参考)】