説明

センサシート、検出回路、タッチパネル装置、およびタブレット入力装置

【課題】高い検出感度を有し且つ全面をムラなく照光することができるセンサシート、検出回路、タッチパネル装置、およびタブレット入力装置を提供すること。
【解決手段】保持体4と、保持体4の厚さ方向における一方のみの面上に互いに離間して配置された3つ以上の検出電極7と、保持体4の厚さ方向から見たときに3つ以上の検出電極7と重なるように前記一方とは反対側の面上に配置された複数の中継電極10と、前記反対側の面上に配置された配線であって各前記中継電極に電気的に接続されているとともに検出回路に電気的に接続される配線9と、を備え、複数の中継電極10のうちの1つの中継電極10は、3つ以上の検出電極7のうちの1つの検出電極7と対向し、且つ、保持体4の厚さ方向から見たときに、当該1つの検出電極7に隣接する他の検出電極7の輪郭線の外側領域に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシート、検出回路、タッチパネル装置、およびタブレット入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器に対して入力をするための入力装置として、スタイラスペンや使用者の指など(以下、これらを「入力体」と称する。)を接触させるためのパネル面を有し、このパネル面に入力体が接触した際に入力体の位置を検出して入力体の座標情報として電子機器へ出力するタッチパネル装置が知られている。
また、近年、複数の位置に同時に入力体が接触したときに入力体が接触した位置をそれぞれ検出するマルチタッチ式のセンサシートを備えたタッチパネル装置が普及している。
【0003】
例えば特許文献1には、複数のセンサ電極(透明電極)を備えたタッチパネルが記載されている。特許文献1に記載のタッチパネルにおいては、各センサ電極には、各センサ電極と入力体との間の静電容量を検出するためのタッチパネルコントローラと接続するための配線が個別に設けられている。特許文献1に記載のタッチパネルに設けられた配線は、複数のセンサ電極の間を通るように引き回されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−170784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のタッチパネルの配線は、入力体に対する対向面積が小さな線状とされており、入力体が配線に近接した場合に当該配線と接続されたセンサ電極に入力体が近接したものと誤検出される可能性が低く抑えられている。しかしながら、配線を細くすると、配線の抵抗が高くなってしまう。また、配線の抵抗値を下げる目的で配線を金属製とすると、このタッチパネルの全面を照光させる場合に、金属製の配線によって照明光が遮られることによる暗部が生じ、明暗のムラが生じてしまう。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い検出感度を有し且つ全面をムラなく照光することができるセンサシート、検出回路、タッチパネル装置、およびタブレット入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のセンサシートは、入力体が近接したことと近接した前記入力体の位置とを検出する検出回路に接続される入力装置用のセンサシートであって、保持体と、前記保持体の厚さ方向における一方のみの面上に互いに離間して配置され、前記入力体が近接したときに前記入力体との間の静電容量が変化する3つ以上の検出電極と、前記保持体の厚さ方向から見たときに前記3つ以上の検出電極と重なるように前記一方とは反対側の面上に配置された複数の中継電極と、前記反対側の面上に配置された配線であって各前記中継電極に電気的に接続されているとともに前記検出回路に電気的に接続される配線と、を備え、前記複数の中継電極のうちの1つの中継電極は、前記3つ以上の検出電極のうちの1つの検出電極と対向し、且つ、前記保持体の厚さ方向から見たときに、当該1つの検出電極に隣接する他の検出電極の輪郭線の外側領域に配置されていることを特徴とするセンサシートである。
【0008】
また、前記保持体は、光透過性を有し、前記保持体の厚さ方向へ照明光を出射させる出光部を有することが好ましい。
また、前記3つ以上の検出電極は、三角格子状に配置されていることが好ましい。
また、前記3つ以上の検出電極は、前記保持体の厚さ方向から見たときの輪郭形状が正多角形状であることが好ましい。
【0009】
また、前記検出電極は4つ以上設けられ、正方格子状に配置されていてもよい。
【0010】
本発明の検出回路は、本発明のセンサシートに接続される入力装置用の検出回路であって、前記複数の配線に対して電気的に接続され静電容量の変化を検出する検出部と、前記検出部に対して電気的に接続され、前記複数の検出電極に対する静電容量の変化量の閾値が設定されており、前記複数の検出電極のうち前記閾値を超える前記変化量が検出された検出電極であって互いに隣り合う検出電極を1つの検出電極群として、前記複数の検出電極を1つ以上の前記検出電極群に群分けする群分け部と、前記群分け部において群分けされた前記検出電極群のそれぞれに対して、それぞれの前記検出電極群毎に前記変化量が大きい順に3つ以上の検出電極を抽出し、抽出された検出電極における前記変化量と前記座標とに基づいて、前記保持体の面上における前記入力体の座標を算出する位置算出部と、を備え、前記入力体が前記検出電極に近接したときにおける前記入力体と前記検出電極との間の静電容量の変化を、前記中継電極を介して検出することを特徴とする検出回路である。
【0011】
また、本発明のタッチパネル装置は、本発明の検出回路と、前記検出回路に接続された請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシートと、前記センサシートの厚さ方向に前記センサシートと重ねて設けられた表示装置と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置である。
【0012】
また、本発明のタブレット入力装置は、本発明の検出回路と、前記検出回路に接続された請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシートと、を備えることを特徴とするタブレット入力装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサシートおよびタッチパネル装置によれば、全面をムラなく照光することができる。
また、本発明の検出回路によれば、検出電極と入力体との間の静電容量の変化を、中継電極を介して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態のタブレット入力装置の平面図である。
【図2】図1のA1−A1線における断面図である。
【図3】図2のA2−A2線における断面図である。
【図4】図2のA3−A3線における断面図である。
【図5】同タブレット入力装置の構成を示すブロック図である。
【図6】同タブレット入力装置の動作を説明するための図である。
【図7】同タブレット入力装置及び検出回路の動作を示すフローチャートである。
【図8】同タブレット入力装置の作用を説明するための図である。
【図9】同実施形態のタブレット入力装置の変形例を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第2実施形態のタッチパネル装置の一部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態のセンサシート3、およびタブレット入力装置1について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のタブレット入力装置の平面図である。図2は、図1のA1−A1線における断面図である。図3は、図2のA2−A2線における断面図である。図4は、図2のA3−A3線における断面図である。図5は、同タブレット入力装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態のタブレット入力装置1は、入力体100(図2参照)が近接したことと、近接した入力体100の位置とをそれぞれ検出し、入力体100による入力操作を受け付けるものである。なお、タブレット入力装置1における入力体100としては、たとえば人の指を挙げることができる。なお、入力体100は人の指に限られるものではない。入力体100としては、スタイラスペンやその他の導体を適宜採用することができる。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のタブレット入力装置1は、パネル部2と、パネル部2に対して電気的に接続された検出回路20とを備える。
図2に示すように、パネル部2は、センサシート3と、センサシート3に積層された加飾層13とを備える。以下では、センサシート3がある側を下とし、加飾層13がある側を上として説明を行う。
【0018】
センサシート3は、保持体4と、検出層6と、中継層9とを備える。
図3および図4に示すように、保持体4は、樹脂によって形成された薄板状、フィルム状、あるいは膜状の絶縁部材である。本実施形態では、保持体4は高透明のシリコーンゴムからなり、光透過性を有する。本実施形態では、保持体4の厚さ寸法は0.2mmとなっている。保持体4には、照明光Lを発する光源5を取り付けることができるようになっている。保持体4に取り付けられる光源5としては、例えばLEDや冷陰極管等を適宜選択して採用することができる。さらに、上記光源5から発せられた照明光Lは、保持体4の内部を通じて保持体4内に広がり、保持体4において少なくとも検出電極7が配された側の面(以下、「出光部4a」と称する。)から出光される。出光部4aは、上記光源5から発せられた光を出射させるための出光パターン(不図示)が例えば印刷等に形成されたものであってもよい。
【0019】
図2に示すように、検出層6は、光透過性を有する複数の検出電極7と、複数の検出電極7が固定された検出側支持基材8とを有する。
【0020】
図2及び図3に示すように、検出電極7は、保持体4の厚さ方向における一方の面上に互いに離間して3つ以上配置されている。本実施形態では、検出電極7は、保持体4の厚さ方向において加飾層13側に向けられた面上にのみに形成されている。複数の検出電極7のそれぞれの形状は、保持体4の厚さ方向から見たときの輪郭形状が正六角形となっている。検出電極7は少なくとも3つ以上配置されており、本実施形態では67個の検出電極7が保持体4上に設けられている。なお、検出電極7の数は、3つ以上であれば、パネル部2の大きさに応じて適宜増減することができる。本実施形態では、複数の検出電極7は保持体4の面上において三角格子状に配置されており、検出電極7は、検出電極7のそれぞれの中心O1が、互いに隣接する3つの検出電極7において正三角形の頂点をなすように配置されている。
【0021】
また、光透過性を有する検出電極7の材質としては、たとえば透明導電性樹脂材料を採用することができる。具体的には、検出電極7の材料としては、ポリチオフェン系導電性高分子を用いた信越ポリマー製SEPLEGYDA(登録商標)、酸化インジウムスズ(ITO)などを採用することができる。
【0022】
図2に示すように、検出側支持基材8は、光透過性を有する板状、シート状、フィルム状、もしくは膜状の部材であって、各検出電極7が下面に固定された状態で配されている。本実施形態では、検出側支持基材8に各検出電極7がパターン形成されたあと、各検出電極7が保持体4と接するように検出層6と保持体4とが接着剤若しくは粘着剤により貼り合わせられている。
【0023】
本実施形態では、保持体4及び検出層6は、いずれも光透過性を有している。このため、保持体4内に光源5から照明光Lが照射された場合、出光部4a側においては、センサシート3の全面が照光される。すなわち、本実施形態における保持体4は、センサシート3におけるライトガイドとして機能する。
なお、センサシート3を照光する必要がない場合には、保持体4、検出電極7、及び検出側支持基材8が光透過性を有している必要はない。また、センサシート3を照光する必要がない場合には、検出電極7の材料として、金属ペーストの硬化物、カーボン、及び金属箔等、光不透過の材料を使用することができる。
【0024】
図2及び図4に示すように、中継層9は、複数の中継電極10と、各中継電極10に接続された複数の配線11と、これらに中継電極10及び配線11が固定された中継側支持基材12とを有する。
【0025】
中継電極10は、保持体4において検出電極7が配された側の面とは反対側の面上に設けられている。中継電極10は、複数の検出電極7と同じ数だけ設けられている。さらに、各中継電極10は、各検出電極7に対して対向配置されている。さらに、複数の中継電極10のうちの一つの中継電極10は、保持体4の厚さ方向から見たときに、当該一つの中継電極10と対向する1つの検出電極7に隣接する他の検出電極7の輪郭線の外側領域に配置されている。本実施形態では、保持体4の厚さ方向から見たときに、1つの検出電極7の輪郭線の内側領域に1つの中継電極10が収まっている。保持体4の厚さ方向から見たときの中継電極10の形状は、円形となっている。なお、保持体4の厚さ方向から見たときの中継電極10の形状は、検出電極7と相似形であってもよい。中継電極10の材料は、電気抵抗が低い材料であることが好ましい。例えば、中継電極10の材料としては、保持体4にスクリーン印刷された金属粒子ペーストを硬化させてなる導体層、スパッタリング等によって保持体4に成膜された金属薄膜、あるいは接着剤や粘着剤によって保持体4に貼り付けられた金属シートなどを挙げることができる。また、中継電極10は、光透過性を有していてもよい。光透過性を有する材料としては、例えば信越ポリマー製SEPLEGYDA(登録商標)や酸化インジウムスズ(ITO)などを採用することができる。
【0026】
図4に示すように、配線11は、中継電極10のそれぞれに一端が接続されており、保持体4の厚さ方向の両面のうち中継電極10が配された側の面に沿っていずれかの引き出し部12a(後述)へ向かって延びている。さらに、配線11は、後述する引き出し部12aにおいて等間隔に整列して配置されている。本実施形態では、配線11は、光透過性を有していてもよいし、光透過性を有していなくてもよい。配線11の具体的な材料は、上記中継電極10の材料として例示した材料から適宜選択して採用されてよい。配線11は、線幅が狭い方が好ましい。配線11の線幅を狭くすることにより、配線11と入力体100との対向面積を小さくすることができ、入力体100が配線11に近接した場合に受けるノイズが低く抑えられる。
【0027】
図2及び図4に示すように、中継側支持基材12は、板状、シート状、フィルム状、若しくは膜状に形成された部材であり、中継電極10及び配線11が上面に形成されている。中継側支持基材12には、配線11を引き出すための引き出し部12aが形成されており、引き出し部12aにおいて検出回路20に接続できるようになっている。引き出し部12aは、中継側支持基材12の四隅のそれぞれに設けられている。これにより、配線11の長さのばらつきを軽減し、配線11の長さが異なることによる信号の遅延や、配線11の長さが長くなることによるノイズの混入などを軽減することができる。本実施形態では、引き出し部12aの先端は、ZIFソケット(Zero Insertion Force socket)に接続できるように形成されており、検出回路20に対して各配線11を着脱可能に接続できるようになっている。
また、中継側支持基材12として、PCB(Printed Circuit Board)を採用することもできる。この場合、中継側支持基材12上に後述する検出回路20を実装することもできる。
【0028】
加飾層13(図2参照)は、光透過性の樹脂やガラスなど、若しくはこれらの複合材料等によって形成された層であり、文字、図形、記号その他の模様が形成されている。加飾層13は、例えば印刷によって形成することができる。また、加飾層13には、凹凸形状が形成されていてもよい。凹凸形状の例としては、タブレット入力装置1におけるホームポジションを触覚によって使用者に認識させるための凹凸、入力可能範囲を触覚によって使用者に認識させるための枠、若しくは点字などを設けることができる。加飾層13に凹凸を設ける方法としては、印刷や、各種成形型を使用した成形等を用いることができる。また、加飾層13は、外力がセンサシート3に伝わったり水分がセンサシート3に進入することからセンサシート3を保護するための層としても機能させることができる。
【0029】
次に、検出回路20の構成について、検出回路20によって行われる処理とともに説明する。図6は、本実施形態のタブレット入力装置の動作を説明するための図である。図7は、タブレット入力装置及び検出回路の動作を示すフローチャートである。図8は、タブレット入力装置の作用を説明するための図である。
【0030】
図1に示すように、検出回路20は、センサシート3における引き出し部12aに接続されている。また、図5に示すように、検出回路20は、検出部21と、群分け部22と、位置算出部23と、出力部24と、を備える。
【0031】
検出部21は、センサシート3と検出回路20とが接続されたときには、センサシート3に形成された各中継電極10に対して配線11を介して電気的に接続されるようになっている。検出部21には、それぞれの中継電極10に対して検出動作を行うための時間幅と、複数の中継電極10に対して検出動作を行う順序とが定められている。これにより、検出部21は、予め定められた時間幅をもって複数の中継電極10に対して順次検出動作を行い、複数の中継電極10のそれぞれから静電容量の変化量の信号を受信することができる(図7に示すステップS1)。
【0032】
また、検出部21は、すべての中継電極10に対する検出動作が一巡したら、検出された静電容量の変化量の信号を、検出した順序どおりに群分け部22へ出力するようになっている。検出部21は、検出電極7と入力体100との間の静電容量の変化を中継電極10を介して繰り返し検出し、検出された静電容量の変化量の信号を群分け部22へ繰り返し出力するようになっている。中継電極10と検出電極7との間の静電容量は一定であり、検出電極7と入力体100との間の静電容量は検出電極7と入力体100との距離に応じて変化する。このため、本実施形態において、検出部21において検出される静電容量の変化は、検出電極7に対する入力体100の位置に基づいた変化となっている。
【0033】
群分け部22は、検出部21に対して電気的に接続されており、検出部21によって出力された静電容量の変化量が入力されるようになっている。また、群分け部22は、複数の中継電極10のそれぞれにおける静電容量が一定以上上回って変化した場合に中継電極10から入力されたと判定するための閾値が設定されている。
【0034】
本実施形態において群分け部22に設定された閾値は、パネル部2の上面における一箇所に入力体100を接触させたときに少なくとも3つの検出電極7において入力されたと判定されるようにその値が定められている。検出部21から群分け部22へ出力された信号が閾値を超えている場合には、その検出電極7に対して入力があったものと群分け部22が判定するようになっている。なお、検出電極7における静電容量の変化量が閾値を下回っている場合には、入力がなかったものと群分け部22が判定するようになっている。また、当該閾値は、配線11に入力体100が近接した場合における静電容量の変化量も勘案して適宜設定される。
このように閾値が設定されていることによって、上記閾値を超える静電容量の変化があったことが群分け部22において判定されたときには、入力体100による入力が検出電極7に対してなされたことが検出されている。
【0035】
さらに、群分け部22には、複数の検出電極7のそれぞれにおける互いの位置関係が記憶されている。すなわち、群分け部22には、保持体4の面上における複数の検出電極7の座標がそれぞれ記憶されている。本実施形態では、複数の検出電極7に対応する座標は、パネル部2の厚さ方向から見たときに複数の検出電極7を囲む包絡線(図6に二点鎖線で示し符号Iを付した部分)によって形成される矩形領域における長辺と短辺とに沿って延びる互いに直交する2軸線による直交座標系に基づいて定められている。この直交座標系における原点はパネル部2の面方向における適宜の位置に定めることができる。たとえば、本実施形態では、原点は、すべての検出電極7を囲む矩形領域における一角に定められている。また、複数の検出電極7の座標としては、保持体4の厚さ方向から見たときにおける各検出電極7の中央位置の座標が採用されている。なお、本実施形態では、各検出電極7の中央位置と、当該検出電極7に対して対向配置された検出電極7の中央位置とは、保持体4の厚さ方向から見たときに一致している。以下では、図6に示すように、上記矩形領域における長辺方向をX軸方向、短辺方向をY軸方向として説明する。
【0036】
また、群分け部22は、群分け部22に記憶されている検出電極7の座標と、検出部21から入力された信号とに基づいて、複数の検出電極7のうち閾値以上の変化量が検出された検出電極7であって互いに隣り合う検出電極7を抽出するようになっている。さらに、群分け部22は、閾値以上の変化量が検出された検出電極7によって1つ以上の検出群G(検出群G1,G2、図8参照)を設定し(図7に示すステップS2)、検出群Gのそれぞれに含まれる検出電極7の座標とそれらの検出電極7における静電容量の変化量を電磁的な情報として記憶するようになっている。
【0037】
図8に示すように、本実施形態において、1つの検出群Gが設定されたときにこの検出群Gに含まれる検出電極7の数は3つ以上である。なお、1つの検出電極7には1つの中継電極10が対向配置されているので、検出群Gに含まれる中継電極10の数は、検出群Gに含まれる検出電極7と同数である。また、静電容量の変化量が閾値を超える検出電極7であっても、隣接する検出電極7において静電容量の変化量が閾値を超える検出電極7が1つもない場合には、1つの検出電極7のみによる検出群Gは設定されない。これにより、1つの検出電極7にのみ静電容量の変化が生じるような狭い範囲における静電容量の変動は入力として判定されないため、検出電極7に伝わるノイズによって誤検出が発生することを軽減することができる。また、互いに隣接する2つの検出電極7のみでは検出群Gは設定されない。
【0038】
群分け部22において記憶される検出群Gの上記情報は、群分け部22において群分けされた検出群Gのすべてであってもよいし、例えば10群以下、あるいは5群以下などに限定されていてもよい。これは、タブレット入力装置1において想定される同時入力(例えば両手の10指や、いずれか2、3本の指による操作などで同時にパネル部2の上面に触れること)の数量に合わせて適宜増減して定めることができる。
【0039】
群分け部22において記憶される検出群Gの数が少ないと複数の入力体100が検出電極7に近接して行われる同時入力を受付可能な数量が少ない反面、検出回路20全体および検出回路20から出力される後述する座標情報Mを処理する電子回路における処理が軽くなる。逆に、群分け部22において記憶される検出群Gが多いと、検出回路20における処理は重くなる反面、同時入力を受け付け可能な数量が増える。なお、群分け部22において記憶できる検出群Gの数量は、検出回路20の製造後に別に設定変更することができるようになっていてもよい。
【0040】
群分け部22に記憶された検出群Gの情報は一定間隔で更新される。たとえば、群分け部22においては、すべての検出電極7に対する静電容量の変化量が検出部21によって入力されるたびに、入力された新たな変化量に基づいて検出群Gの情報を更新するようになっている。
【0041】
位置算出部23は、群分け部22に対して電気的に接続されており、群分け部22において記憶された検出群Gの情報を参照できるようになっている。また、位置算出部23は、群分け部22において群分けされた検出群Gのそれぞれに対して、それぞれの検出群G毎に変化量が大きい順に3つの検出電極7を順位付けする(図7に示すステップS3)。さらに、位置算出部23は、順位付けされた上位3つの検出電極7における座標と静電容量の変化量とをそれぞれ記憶するようになっている。これにより、位置算出部23において抽出されて記憶された検出群Gあたり3つの検出電極7が演算対象検出電極T(図8参照)として設定されるようになっている(図7に示すステップS4)。
【0042】
さらに、位置算出部23は、演算対象検出電極Tにおける静電容量の変化量と演算対象検出電極Tの座標とに基づいて、センサシート3上における入力体100の座標を算出するようになっている(図7に示すステップS5)。また、本実施形態では、位置算出部23は、入力体100による入力の大きさも算出するようになっている。
位置算出部23は、入力体100の座標および入力体100による入力の大きさを算出したら、その座標と入力の大きさとをそれぞれ出力部24へ出力するようになっている。
【0043】
位置算出部23における座標の算出は次のように行われる。以下では、1つの検出群Gにおける入力体100の座標の算出について説明する。複数の検出群Gに対する算出は、1つの検出群Gに対する算出と同様の算出方法を順次適用することによって行われる。
【0044】
まず、1つの検出群Gにおける演算対象検出電極Tについて、演算対象検出電極Tに含まれる3つの検出電極7の座標を参照する。以下、演算対象検出電極Tに含まれる3つの検出電極7の座標をそれぞれ(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)とし、それぞれの検出電極7において検出部21に対して入力された静電容量の変化量の信号における検出値がそれぞれS1、S2、S3であったとする。このとき、位置算出部23は、演算対象検出電極Tにおける上記座標のそれぞれが代入された以下の式1、式2からなる演算式に上記検出値を代入することによって入力体100の座標を算出する。
【0045】
【数1】

【0046】
上記式1におけるXは、上記直交座標系における入力体100のX座標を示し、上記式2におけるYは、上記直交座標系における入力体100のY座標を示している。また、上記式3におけるZは、入力体100による入力の大きさが位置算出部23によって算出された値を示している。また、X、Y、Zにおけるiは正の整数であり、複数の検出群Gが設定された場合において検出群Gごとに異なる値が割り当てられる。
上記式1および式2によって、演算対象検出電極Tに含まれる3つの検出電極7におけるX座標とY座標とがそれぞれ静電容量の変化量によって重み付けされた加重平均値が入力体のX座標およびY座標となる。
また、上記式3によって、演算対象検出電極Tにおける検出値S1、S2、S3の和が入力体100による入力の大きさとなる。
【0047】
位置算出部23において入力体100のX座標とY座標とがそれぞれ算出されたら、位置算出部23は、このX座標およびY座標、および入力体100による入力の大きさを、入力体100の座標および入力の大きさとして出力部24へ出力する。
本実施形態では、位置算出部23は、一定時間ごとに入力体100の座標および入力の大きさを繰り返し算出して、算出された座標および入力の大きさをそれぞれ出力部24へ出力するようになっている。
【0048】
出力部24は、位置算出部23に対して電気的に接続されており、位置算出部23から出力された入力体100の座標と入力の大きさが入力されるようになっている。出力部24は、たとえば検出回路20に接続される図示しない他の電子回路に対して電気的に接続できるようになっており、位置算出部23において算出された座標と入力の大きさを、座標情報M(図5参照)として他の電子回路に対して出力するようになっている(図7に示すステップS6)。
【0049】
以上に説明した構成のタブレット入力装置1の作用について、センサシート3および検出回路20の作用を中心に説明する。
【0050】
タブレット入力装置1の使用時には、ユーザは、タブレット入力装置1を手に持ったり机等の置いたりした状態でタブレット入力装置1を使用することができる。たとえば、ユーザは、パネル部2の上面における位置A、位置B(図8参照)に入力体100(図2参照)を接触させる。
【0051】
これにより、センサシート3において入力体100が近接した位置にある検出電極7とその入力体100との間にはキャパシタが形成される。すると、入力体100が近接する前と比較して、入力体100が近接した検出電極7においては静電容量が増加する。また、入力体100と検出電極7との間の距離に応じて、入力体100に最も近い位置にある検出電極7における静電容量が最も大きく、入力体100からの距離が遠くなるに従って検出電極7における静電容量は小さくなる。このため、入力体100が接触した位置A、位置Bのそれぞれにおいて検出電極7の静電容量は検出電極7ごとに異なる。
【0052】
センサシート3の検出電極7において静電容量が変化すると、検出回路20の検出部21(図5参照)において、検出電極7における静電容量の変化が中継電極10を介して検出される。これにより、検出部21においては、入力体100と検出電極7との間の距離に対応した変化量が検出される。
さらに、検出部21による検出結果に基づいて、入力体100が近接した検出電極7のうち閾値以上静電容量が変化した検出電極7と対向配置された中継電極10(図8に示す中継電極10A−1ないし5および中継電極10B−1ないし6)がそれぞれ検出群Gとして群分け部22に記憶される。
【0053】
たとえば、センサシート3において離間した2つの位置A、位置Bにそれぞれ入力体100を近接させた場合には、図8に示すように2つの検出群Gが群分け部22によって抽出され、それぞれが別の検出群Gとして群分け部22に記憶される。また、たとえば入力体100をそろえて隣接する2つの位置に入力体100を近接させた場合には、1つの検出群Gが群分け部22によって抽出されて記憶される。このように、本実施形態では、静電容量の変化量が閾値以上である検出電極7のまとまりが、静電容量の変化量が閾値未満である検出電極7を間に挟んだ状態であるときに、複数の検出群Gとして抽出される。
【0054】
群分け部22によって検出群Gが記憶されたら、位置算出部23によって、検出群Gのそれぞれにおける入力体100の位置が上述の式1、式2に基づいて算出され、また、入力体100による入力の大きさが上記式3に基づいて算出され、出力部24へ出力される。
【0055】
出力部24は、例えば外部の電子回路へと座標情報Mを出力する。外部の電子回路へと出力された座標情報Mは、各種アプリケーションに対する命令操作などとして、当該電子回路やその電子回路上で動作するプログラム等によって処理される。
【0056】
以上に説明したように、本実施形態のセンサシート3によれば、保持体4の出光部4a側には、光透過性を有する検出層6が配され、保持体4において検出電極7が配された面とは反対の面に中継電極10及び配線11が配されているので、高い検出感度を有し且つ全面をムラなく照光することができる。
【0057】
また、検出電極7が三角格子状に配置されているので、保持体4の面上における検出電極7の密度を高めることができ、入力体100の位置を検出する精度を高めることができる。なお、センサシート3の厚さ方向から見たときの検出電極7の輪郭形状が正六角形であると、検出電極7の形状を円形に近づけつつも、各検出電極7の隙間を少なくすることができる。
【0058】
また、本発明の検出回路20によれば、群分け部22が検出電極7を検出群Gに群分けし、入力体100である指の座標をそれぞれの検出群Gに対して位置算出部23が算出するので、複数の位置に同時に複数の入力体100を近接させることによる同時入力において複数の入力体100のそれぞれの位置を検出することができる。
【0059】
また、入力体100と検出電極7との間の距離よりも、入力体100と配線11との間の距離が長いので、入力体100と配線11との間の静電容量の変化を小さく抑えることができ、誤動作が起こる可能性が低く抑えられている。
【0060】
また、検出電極7と中継電極10とを電気的に接続するための配線11等の形成(いわゆる層間接続)を必要としないので、構造が単純であり、製造が容易である。
【0061】
このように、本実施形態のセンサシート3と検出回路20とを備えることによって、検出感度が高く、且つ全面照光できるタブレット入力装置1を提供することができる。また、本実施形態のタブレット入力装置1は、複数の入力体100による同時入力(マルチタッチ)に対応することができる。
【0062】
(変形例)
次に、本実施形態のセンサシートの変形例について説明する。図9は、本変形例のセンサシートの構成を説明するための模式図である。
本変形例におけるセンサシート3Aは、第1実施形態で説明した検出電極7とは配置が異なる検出電極7X(図9参照)を備える。本変形例における検出電極7Xは、保持体4(図2参照)の一方の面上に正方格子状に配列されている。また、保持体4の厚さ方向から見たときの各検出電極の形状は、正方形状となっている。また、各検出電極7Xと対向配置される中継電極10Xも、各検出電極7Xと同様に正方格子状に配列されている。
具体的には、図9に示すように、検出電極7Xは、対角線がX軸およびY軸に対して平行とされた正方格子状に配列されている。
【0063】
このような構成のセンサシート3Aに接続される検出回路20A(図1参照)は、図5に示すように、群分け部22に代えて、第1実施形態の群分け部22とは異なる動作をする群分け部22Aを有する。群分け部22Aにおいて設定する検出群Gには4つ以上の検出電極7Xが含まれ、群分け部22Aによって、検出群Gのそれぞれにおいて静電容量の変化量を示す信号の検出値が最も高いものから順に4つの検出電極7Xが選択されるようになっている。たとえば、図9に示すように、位置Cに入力体100を近接させた場合には、位置Cに対する距離が短い順に4つの検出電極7C−1ないし4が選択される。
【0064】
さらに、位置算出部23においては処理内容が上述の実施形態と異なり、群分け部22Aによって選択された4つの検出電極7Xの座標が上述の実施形態と同様に静電容量の検出値によって加重平均されて入力体100の座標が算出される。
【0065】
本変形例の構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、上述の実施形態において3つの検出電極7Xから入力体100の座標を算出する場合と比較して、本変形例では演算対象検出電極Tとなる検出電極の数が1つ多いので、検出電極7Xに外部から伝わるノイズの影響を軽減することができ、入力体100の位置を検出する精度をさらに高めることができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のセンサシート、およびタッチパネル装置について図面を参照して説明する。図10は、本実施形態のタッチパネル装置の一部の構成を示す断面図で、図1のA1−A1線と同様の断面を示す断面図である。
【0067】
本実施形態のタッチパネル装置30は、入力体100(図2参照)が近接したことと、近接した入力体100の位置とをそれぞれ検出し、入力体100による入力操作を受け付けるものである。なお、タッチパネル装置30における入力体100としては、たとえば人の指を挙げることができる。なお、入力体100は人の指に限られるものではない。入力体100としては、スタイラスペンその他の導体や、棒状等に成形された誘電体等を適宜採用することができる。さらに、タッチパネル装置30は、液晶ディスプレイ等の表示装置31と重ねて取り付けることができるようになっている。なお、本実施形態では、表示装置31が透過型液晶パネルを有している場合を例に説明する。
【0068】
図10に示すように、本実施形態では、第1実施形態で説明したセンサシート3とは構造が異なるセンサシート3Bを備える。センサシート3Bは、表示装置31の裏面側に例えば粘着剤32によって取り付けられ、使用者にはセンサシート3Bが見えないようになっている。また、第1実施形態で説明したセンサシート3の照光は、本実施形態のセンサシート3Bにおいても行なわれ、表示装置におけるバックライトとして使用される。
【0069】
センサシート3Bは、保持体4と、保持体4において表示装置側に配された検出電極7と、保持体4において検出電極7が配された面と反対側の面に配された中継電極10および配線11とを備えている。各検出電極7と各中継電極10との位置関係は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
本実施形態では、検出電極7と中継電極10とは、いずれも保持体4に固定されている。これは、例えば検出電極7及び中継電極10をスクリーン印刷等によって保持体4に形成することにより構成することができる。そして、本実施形態では、第1実施形態で説明した検出側支持基材8及び中継側支持基材12は設けられていない。このため、第1実施形態で説明したセンサシート3よりも薄型となっている。
このような構成であっても、第1実施形態で説明したセンサシート3と同様の作用効果を奏する。
【0071】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、センサシート3の厚さ方向から検出電極7を見たときの検出電極7の輪郭形状は六角形には限られない。また、検出電極7の形状は、正多角形には限られない。例えば、センサシート3の厚さ方向から見たときに検出電極7と配線11とが重ならないように検出電極7が変形されていてもよい。また、全ての検出電極7が同形同大である場合には限られず、検出電極7の形状が互いに異なっていてもよい。例えば、入力体100の位置検出をする分解能として要求される仕様に対応し、面積の大きな検出電極7が配された領域と、面積の小さな検出電極7が配された領域とが混在していてもよい。
【0072】
また、センサシート3の厚さ方向から中継電極10を見たときの中継電極10の輪郭形状は、円形には限られない。
【0073】
また、本実施形態では検出電極7における静電容量の変化量が閾値と等しい場合にはその検出電極7を検出群Gに含むように設定されているが、検出電極7における静電容量の変化量が閾値と等しい場合にはその検出電極7を検出群Gに含まないものとして設定しても構わない。
【0074】
また、検出回路20の位置算出部23における演算式において、演算対象検出電極TのそれぞれのX座標およびY座標のそれぞれに対して、センサシート3の構成や検出回路20における処理内容に応じて別途定める係数をかけたり、センサシート3の構成や検出回路20における処理内容に応じて別途乗数を定めて演算対象検出電極TのそれぞれのX座標およびY座標を変換してもよい。これにより、タブレット入力装置1やタッチパネル装置30における検出感度のチューニングを容易にすることができる。
【0075】
また、保持体4の材質としては、シリコーンゴムの他、ポリカーボネート、ウレタン、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等も好適に採用することができる。また、保持体4の厚さ寸法については、0.2mm以上若しくは0.2mm未満であってもよい。
また、保持体4は、センサシート3が照光される場合には照明光を導くライトガイドであることが好ましいが、照光の必要がなければライトガイドである必要はない。保持体4をライトガイドとして用いる場合には保持体4としてたとえばシリコーンゴムを好適に使用することができる。また、保持体4をライトガイドとして使用する必要がない場合には保持体4としてたとえば粘着剤、接着剤、基材フィルムの両面に粘着層を有する両面テープ等が検出電極7と中継電極10との間に介在された形態とすることもできる。
【0076】
また、保持体4と検出回路20との接続は引き出し部12aにおけるZIFソケットに限られるものではない。例えば、検出回路20において検出部21に信号を入力するための端子が接触するためのランドが保持体4に形成されていたり、検出回路20と保持体4とを導電ゴムによるゴムコネクタを介して接続するためのランドが保持体4に形成されていてもよい。例えば、保持体4は、回路基板であってもよい。
【0077】
また、検出電極7の材料として、金属ナノワイヤーを含む透明導電膜を採用してもよい。金属ナノワイヤーの具体例としては、銀、金、銅、ステンレス鋼等を挙げることができる。また、
【0078】
また、配線11の材質としては、金属箔あるいは金属粒子を含んだインク、金属細線を含んだインク、カーボンを含んだインク、導電性高分子を含んだインクなどの導電インクを用いることができる。導電インクの選定は、抵抗値、光透過性、成型時の伸びに基づいて適宜選定することができる。
【0079】
また、上述の各実施形態では、保持体4の厚さ方向から見たときに、各検出電極7の中央位置と、当該検出電極7に対して対向配置された検出電極7の中央位置とが一致している場合を示したが、各検出電極7の中央位置と、当該検出電極7に対して対向配置された検出電極7の中央位置とが一致していなくてもよい。
【0080】
また、上述の各実施形態では、1つの検出電極7に対して1つの中継電極10が対向配置されている例を示したが、1つの検出電極7に対して複数の中継電極が対向配置される場合もあってよい。
【0081】
また、上述の実施形態および変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 タブレット入力装置
2 パネル部
3 センサシート
4 保持体
4a 出光部
5 光源
6 検出層
7 検出電極
8 検出側支持基材
9 中継層
10 中継電極
11 配線
12 中継側支持基材
12a 引き出し部
13 加飾層
20 検出回路
21 検出部
22 群分け部
23 位置算出部
24 出力部
G(G1,G2) 検出群
L 照明光
M 座標情報
T 演算対象検出電極
O1 中心
100 入力体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力体が近接したことと近接した前記入力体の位置とを検出する検出回路に接続される入力装置用のセンサシートであって、
保持体と、
前記保持体の厚さ方向における一方のみの面上に互いに離間して配置され、前記入力体が近接したときに前記入力体との間の静電容量が変化する3つ以上の検出電極と、
前記保持体の厚さ方向から見たときに前記3つ以上の検出電極と重なるように前記一方とは反対側の面上に配置された複数の中継電極と、
前記反対側の面上に配置された配線であって各前記中継電極に電気的に接続されているとともに前記検出回路に電気的に接続される配線と、
を備え、
前記複数の中継電極のうちの1つの中継電極は、前記3つ以上の検出電極のうちの1つの検出電極と対向し、且つ、前記保持体の厚さ方向から見たときに、当該1つの検出電極に隣接する他の検出電極の輪郭線の外側領域に配置されている
ことを特徴とするセンサシート。
【請求項2】
前記保持体は、
光透過性を有し、
前記保持体の厚さ方向へ照明光を出射させる出光部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサシート。
【請求項3】
前記3つ以上の検出電極は、三角格子状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサシート。
【請求項4】
前記3つ以上の検出電極は、前記保持体の厚さ方向から見たときの輪郭形状が正多角形状であることを特徴とする請求項1に記載のセンサシート。
【請求項5】
前記検出電極は4つ以上設けられ、正方格子状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサシート。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシートに接続される入力装置用の検出回路であって、
前記複数の配線に対して電気的に接続され静電容量の変化を検出する検出部と、
前記検出部に対して電気的に接続され、前記複数の検出電極に対する静電容量の変化量の閾値が設定されており、前記複数の検出電極のうち前記閾値を超える前記変化量が検出された検出電極であって互いに隣り合う検出電極を1つの検出電極群として、前記複数の検出電極を1つ以上の前記検出電極群に群分けする群分け部と、
前記群分け部において群分けされた前記検出電極群のそれぞれに対して、それぞれの前記検出電極群毎に前記変化量が大きい順に3つ以上の検出電極を抽出し、抽出された検出電極における前記変化量と前記座標とに基づいて、前記保持体の面上における前記入力体の座標を算出する位置算出部と、
を備え、
前記入力体が前記検出電極に近接したときにおける前記入力体と前記検出電極との間の静電容量の変化を、前記中継電極を介して検出する
ことを特徴とする検出回路。
【請求項7】
請求項6に記載の検出回路と、
前記検出回路に接続された請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシートと、
前記センサシートの厚さ方向に前記センサシートと重ねて設けられた表示装置と、
を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項8】
請求項6に記載の検出回路と、
前記検出回路に接続された請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシートと、
を備えることを特徴とするタブレット入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105378(P2013−105378A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249721(P2011−249721)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】