説明

センサタグ、センサシステム

【課題】センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間、任意の物理量が所定閾値を越えないよう保管しなくとも済むセンサタグ、及び当該センサタグを備えるセンサシステムを提供する。
【解決手段】センサタグ10は、製造後から流通物品への取付時までの間に氷Iの温度が0℃を超えた場合でも、金属板14を第1位置で保持するピンPと、固体状態および液体状態の間で相変態する相変態物質(氷I、水W)を保持するカバーC1とを備える。この構成では、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間に氷Iが水Wに相変態しても、水WはカバーC1によって保持される。そして、センサタグ10の流通物品への取り付け時、温度を所定温度以下にし、水Wを氷Iに相変態させると、氷Iが再び、金属板14を第1位置で保持できるようになる。この後、流通物品への取付時、ピンPをケーシング13から取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、任意の物理量を検知するセンサタグ、及び当該センサタグを備えるセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、温度管理を必要とする物品(例えば医薬品や生鮮食料品)の流通過程で、その物品が許容できない所定温度(例えば0℃)以上に上昇したかどうかを検知するセンサシステムが知られている。
例えば非特許文献1において、RFIDを用いたセンサタグを備えるセンサシステムが提案されている。
【0003】
図1は、非特許文献1のセンサタグ1の構成を示す概念図である。
センサタグ1は、2つのRFIDタグA、Bと金属板4とを備えており、流通物品に取り付けられるものである。金属板4は、図1(A)に示す初期状態において、RFIDタグA側に氷で固定されている。そのため、センサタグ1の温度が0℃以下である限り、金属板4は図1(A)に示すRFIDタグAを覆う位置で氷により保持される。
【0004】
一方、流通過程において氷の温度が所定閾値(0℃)を超えると、氷が溶けて水になり、金属板4を保持することができなくなって、金属板4は、図1(B)に示すようにRFIDタグB側に重力移動する。金属板4がRFIDタグBを覆う位置にあるときにRFIDリーダとセンサタグ1とがID情報の認証を行うと、RFIDリーダは、金属板4に覆われているRFIDタグBと通信できないため、RFIDタグAからのID情報だけをRFIDリーダが検波することになる。これにより、非特許文献1のセンサシステムは、流通過程でセンサタグ1が所定温度以上に上昇したことを検知する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】R. Bhattacharyya, C. Floerkemeier and S. Sarma、“Low-Cost,Ubiquitous RFID-Tag-Antenna-Based Sensing ”、Proceedings of the IEEE-RFID:A Unique Radio Innovation for the 21st Century、米国、IEEE、2010年9月、Vol.98 No.9、p1593-1600
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1では、センサタグ1の製造後からセンサタグ1の流通物品への取り付け時までの間に上記氷の温度が所定閾値(0℃)を超えてしまうと、氷が溶けて水になり、金属板4を保持することができなくなる。即ち、上記非特許文献1では、センサタグ1の製造後からセンサタグ1の流通物品への取り付け時までの間、センサタグ1を所定閾値以下で保管する必要がある。
【0007】
そこで、本願発明の目的は、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間、任意の物理量が所定閾値を越えないよう保管しなくとも済むセンサタグ、及び当該センサタグを備えるセンサシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のセンサタグは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0009】
(1)電磁波の受信と送信を行う第1アンテナと、
前記電磁波が前記第1アンテナで受信されたとき、前記電磁波を送信してきた通信機と前記第1アンテナを介して通信する第1デバイスと、
前記電磁波の受信と送信を行う第2アンテナと、
前記電磁波が前記第2アンテナで受信されたとき、前記電磁波を送信してきた前記通信機と前記第2アンテナを介して通信する第2デバイスと、
前記第1、第2アンテナ及び前記第1、第2デバイスを実装するケーシングと、
前記ケーシングにおける前記第2アンテナを覆わない第1位置に配置され、前記電磁波を遮蔽する遮蔽物と、
任意の物理量が所定閾値を越えるまで、前記遮蔽物を前記第1位置で保持する固体状態の相変態物質であって、前記任意の物理量が前記所定閾値を越えたとき、前記固体状態から液体状態へ相変態する相変態物質と、
前記固体状態および前記液体状態の間で相変態する前記相変態物質を保持する固液保持構造と、
前記相変態物質が前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記遮蔽物を、前記第1位置から前記第2アンテナの少なくとも一部を覆う前記ケーシングの第2位置へ強制的に移動させる移動部と、
を備える。
【0010】
この構成では、相変態物質に関する物理量が所定閾値を越えるまで、遮蔽物は第1位置で相変態物質により保持される。しかし、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間に、相変態物質に関する物理量が所定閾値を越えると、相変態物質は、固体から液体に相変態し、遮蔽物を第1位置で保持することができなくなる。
【0011】
そこで、この構成のセンサタグは、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間に相変態物質が固体から液体に相変態しても、相変態物質を保持する固液保持構造を備える。この構成では、センサタグの流通物品への取り付け時に、流通業者等が相変態物質を液体から固体に相変態させ、遮蔽物を第1位置で相変態物質に再び保持させることができるようになる。
【0012】
センサタグが流通物品に取り付けられた後、相変態物質に関する物理量が所定閾値を越えるまで、遮蔽物は第1位置で相変態物質により保持される。遮蔽物が第1位置にあるときに通信機とセンサタグとが通信を行うと、通信機は、第1デバイス及び第2デバイスの両方からの信号、又は第2デバイスからの信号だけを受信することになる。これにより、通信機は流通過程で物品に係る物理量が所定閾値を越えていないことを検知する。
【0013】
一方で、センサタグが流通物品に取り付けられた後、相変態物質に関する物理量が所定閾値を越えたとき、相変態物質が固体から液体に相変態し、移動部による力に抗することができず、遮蔽物は、第2位置へ強制的に移動させられる。即ち遮蔽物が第2アンテナを覆う。このとき、通信機とセンサタグとが通信を行うと、通信機は、第2アンテナが遮蔽されている第2デバイスと通信できないため、第1デバイスからの信号だけを通信機が受信することになる。これにより、通信機は、流通過程で物品に係る物理量が所定閾値を越えたことを検知する。
【0014】
以上より、この構成によれば、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間、任意の物理量が所定閾値を越えないようセンサタグを保管しなくとも済む。
【0015】
(2)取り外し自在に前記ケーシングに取り付けられ、前記遮蔽物を前記第1位置で保持する仮保持部を備え、
前記移動部は、前記仮保持部が前記ケーシングから取り外され、且つ前記相変態物質が前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記遮蔽物を前記第1位置から前記第2位置へ強制的に移動させる。
【0016】
この構成のセンサタグは、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間に、相変態物質に関する物理量が所定閾値を越えた場合でも、遮蔽物を第1位置で保持する仮保持部を備える。この構成では、センサタグの流通物品への取り付け時、流通業者等は、固液保持構造によって保持された相変態物質を、液体から固体に相変態させてから仮保持部をケーシングから取り外す。
【0017】
(3)前記仮保持部は、ピン又はテープである。
【0018】
(4)前記移動部は、前記遮蔽物に接続された弾性体であり、
前記相変態物質は、前記任意の物理量が前記所定閾値を越えるまで、前記弾性体の収縮力または伸張力に抗して前記遮蔽物を前記第1位置で保持し、前記遮蔽物の移動を制限する。
【0019】
この構成において弾性体は、自身の収縮力または伸張力で、遮蔽物を第2位置へ移動させようとする。そこで、この構成では、第1位置で遮蔽物を保持するため、弾性体の収縮力または伸張力に抗する相変態物質が備えられている。これにより、任意の物理量が所定閾値を越えるまで、遮蔽物は第1位置で相変態物質により保持される。
【0020】
(5)前記移動部は、前記第1位置から前記第2位置までの区間に敷かれた吸収シートであり、
前記任意の物理量は、前記相変態物質の温度であり、
前記遮蔽物は、前記電磁波を遮蔽する複数の粒子であり、前記相変態物質に含有され、
前記相変態物質は、前記仮保持部が前記ケーシングから取り外されているときに前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記吸収シートに吸収される。
【0021】
この構成では、相変態物質の温度が所定温度を超えていない場合、相変態物質が溶融せず固体状態を維持するため、吸収シートに吸収されず、遮蔽物は第1位置で保持される。また、相変態物質の温度が所定温度を超えていても、仮保持部がケーシングに取り付けられている場合、遮蔽物は仮保持部により第1位置で保持される。
【0022】
一方、仮保持部がケーシングから取り外されているときに相変態物質の温度が所定温度を超えると、遮蔽物粒子を含有した相変態物質が溶融して液体に相変態し、吸収シートに吸収されて、遮蔽物粒子が第1位置から第2位置までの区間に拡散する。即ち、遮蔽物粒子が第2アンテナ上に拡散する。そのため、通信機は、第2デバイスとの通信が不可能となり、第1デバイスからの信号のみを受信する。
【0023】
(6)前記相変態物質は、氷であり、
前記任意の物理量は、前記相変態物質の温度であり、
前記所定閾値は、水の融点である。
【0024】
(7)前記第1、第2デバイスは、前記通信機から送信される前記電磁波から動作電源を取得し、動作する。
【0025】
この構成では、センサタグに電池を搭載させなくとも済むため、センサタグを安価に製造することができる。
【0026】
(8)前記第1、第2デバイスは、ID情報を記憶し、RF信号を前記ID情報で変調するICで構成される。
【0027】
この構成では、通信機との通信にID情報を用いる。
【0028】
(9)前記第1デバイスは、第1ID情報を記憶し、RF信号を前記第1ID情報で変調してから前記第1アンテナを介して前記通信機に送信し、
前記第2デバイスは、前記第1ID情報と異なる第2ID情報を記憶し、RF信号を前記第2ID情報で変調してから前記第2アンテナを介して前記通信機に送信する。
【0029】
この構成では、通信機が、受信したID情報から、通信相手のデバイスを特定することができる。
【0030】
(10)前記第1、第2デバイスは、共振デバイスで構成される。
【0031】
この構成では、通信機との通信において共振周波数を利用する。共振デバイスは、上記(8)のRFIDのICに比べて安価に製造できる。
【0032】
(11)前記第1デバイスは、前記電磁波が前記第1アンテナで受信されたとき、第1共振周波数の前記電磁波を前記第1アンテナを介して前記通信機に送信し、
前記第2デバイスは、前記電磁波が前記第2アンテナで受信されたとき、前記第1共振周波数と異なる周波数の第2共振周波数の前記電磁波を前記第2アンテナを介して前記通信機に送信する。
【0033】
この構成では、通信機が、受信した信号の周波数から、通信相手のデバイスを特定することができる。
【0034】
(12)前記第1、第2デバイスは、圧電共振デバイスで構成される。
【0035】
この構成では、第1、第2デバイスの共振が鋭くなるため、通信機が、受信した信号の周波数から、通信相手のデバイスを容易に特定することができる。
【0036】
また、本発明のセンサシステムは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0037】
(13)上記(1)〜(12)のいずれかのセンサタグと、
前記センサタグと前記電磁波によって通信する通信機と、を備える。
【0038】
この構成により、上記(1)〜(12)のいずれかのセンサタグを用いることで、当該センサタグを備えるセンサシステムにも同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、センサタグの製造後からセンサタグの流通物品への取り付け時までの間、任意の物理量が所定閾値を越えないようセンサタグを保管しなくとも済む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】非特許文献1のセンサタグ1の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るセンサシステム100のシステム構成図である。
【図3】図2に示すセンサタグ10の構成を示す概念図である。
【図4】図3に示すセンサタグ10の側面図である。
【図5】図5(A)は、図3に示すセンサタグ10のピンP取外し時の構成を示す概念図である。図5(B)は、図5(A)に示すセンサタグ10の氷I溶融時の構成を示す概念図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ20の構成を示す概念図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ30の構成を示す概念図である。
【図8】図8(A)は、本発明の第4の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ40の構成を示す概念図である。図8(B)は、図8(A)に示すA−A線の断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ50の構成を示す概念図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係るセンサシステム600のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本願発明の第1の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るセンサシステム100のシステム構成図である。図3は、図2に示すセンサタグ10の構成を示す概念図である。図4は、図3に示すセンサタグ10の側面図である。図5(A)は、図3に示すセンサタグ10のピンP取外し時の構成を示す概念図である。図5(B)は、図5(A)に示すセンサタグ10の氷I溶融時の構成を示す概念図である。
なお、図4では、相変態物質の相変態の様子が見え易いよう、後述のレールRの図示を省略している。
【0042】
本実施形態のセンサシステム100は、UHF帯(例えば950MHz帯)パッシブRFID規格を利用してID情報の認証を行う。
なお、アンテナに励起する電力で動作するパッシブ方式の他に、電源から電力を得るアクティブ方式であっても本発明は実施可能である。
【0043】
センサシステム100は、RFIDリーダ9とセンサタグ10とを備える。このセンサシステム100は、温度管理を必要とする物品(例えば医薬品や生鮮食料品)の流通過程で、その物品が許容できない所定温度(この実施形態では0℃)以上に上昇したかどうかを検知する。流通業者等は、その物品に付されたセンサタグ10にRFIDリーダ9をかざすことにより、その物品が廃棄しなければならない状態になったかどうかを判断できる。
【0044】
RFIDリーダ9は、UHF帯パッシブRFID規格の既存のものとする。RFIDリーダ9は、図2(A)(B)に示すように、特定の周波数でRF信号を送信し、センサタグ10の応答からID情報を検波する。
【0045】
センサタグ10は、樹脂製でカード状のケーシング13と、ダイポール型のアンテナ15と、アンテナ15と接続するsensIC16と、ダイポール型のアンテナ17と、アンテナ17と接続するsensIC18と、を備える。センサタグ10は、詳細を後述するが、温度を検知するタグである。ここで、アンテナ15とsensIC16とでRFIDタグ11を構成し、アンテナ17とsensIC18とでRFIDタグ12を構成する。RFIDタグ11、12は、RFIDリーダ9の無線通信エリア内に位置したときに、RFIDリーダ9から送出されている電力搬送波から動作電源を取得し、動作する。
【0046】
アンテナ15、17は、RFIDリーダ9が送信するRF信号に結合する。sensIC16は、UHF帯パッシブRFID規格の汎用ICであり、アンテナ15で受信したRF信号を復調する。そして、sensIC16は、予め記憶しているID情報でRF信号を変調(例えばASK変調)し、アンテナ15を介してRFIDリーダ9へ送信(応答)する。同様に、sensIC18も、UHF帯パッシブRFID規格の汎用ICであり、アンテナ17で受信したRF信号を復調する。そして、sensIC18も、予め記憶しているID情報でRF信号を変調(例えばASK変調)し、アンテナ17を介してRFIDリーダ9へ送信(応答)する。なお、sensIC16とsensIC18とは、異なるID情報を予め記憶している。
【0047】
さらに、センサタグ10は、図2(A)及び図3に示すように、RFIDタグ11を覆うケーシング13表面上の位置に配置された金属板14と、ケーシング13表面に取り付けられ、金属板14をスライド自在に保持するレールRと、一方の端がケーシング13の端に固定され、他方の端が金属板14に接続されたバネ19A、19Bと、ケーシング13表面に配置された氷Iと、を備えている。
【0048】
なお、金属板14が、本発明の「遮蔽物」に相当する。また、バネ19A、19Bが、本発明の「弾性体」に相当する。また、氷Iが、本発明の「相変態物質」に相当する。また、RFIDリーダ9が、本発明の「通信機」に相当する。また、アンテナ15が本発明の「第1アンテナ」に相当し、アンテナ17が本発明の「第2アンテナ」に相当する。また、sensIC16が本発明の「第1デバイス」に相当し、sensIC18が本発明の「第2デバイス」に相当する。
【0049】
上記バネ19A、19Bは、自身の収縮する力で、金属板14をRFIDタグ12側へ移動させようとする。そこで、ケーシング13には、アンテナ17(第2アンテナ)を覆わずアンテナ15(第1アンテナ)を覆う第1位置で金属板14を保持するため、バネ19A、19Bの収縮する力に抗する氷Iが配置されている。これにより、氷Iの温度が所定温度(この実施形態では0℃)以下である限り、金属板14は図3に示すRFIDタグ11を覆う第1位置で氷Iにより保持される。
【0050】
しかしながら、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間に氷Iの温度が所定温度を超えると、氷Iは、固体から液体の水Wに相変態し、金属板14を第1位置で保持することができなくなる。
【0051】
そこで、この実施形態のセンサタグ10は、図3と図4に示すように、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間に、氷Iの温度が所定温度(0℃)を超えた場合でも、金属板14を第1位置で保持するピンPと、固体状態および液体状態の間で相変態する相変態物質(氷I、水W)をケーシング13とともに保持するカバーC1と、を備える。このピンPは、取り外し自在にケーシング13に取り付けられている。このカバーC1は、フィルム状であり、ケーシング13に固定されて氷I及び水Wを覆う。このカバーC1とケーシング13とが、本発明の「固液保持構造」に相当する。
【0052】
この構成では、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間に氷Iが固体から液体に相変態しても、水WはカバーC1によって保持される。そして、センサタグ10の流通物品への取り付け時、カバーC1によって保持された水Wを氷Iに相変態させる。これにより、氷Iが再び、金属板14を第1位置で保持できるようになる(図4(A)参照)。この後、流通業者等がピンPをケーシング13から取り外すと、センサタグ10は図5(A)に示す状態となる。
【0053】
センサタグ10が流通物品に取り付けられた後、氷Iの温度が所定温度を超えるまで、図5(A)に示すように金属板14は第1位置で氷Iにより保持される。図2(A)及び図5(A)に示すように金属板14がRFIDタグ11を覆う第1位置にあるときにRFIDリーダ9とセンサタグ10とがID情報の認証を行うと、RFIDリーダ9は、金属板14に覆われているRFIDタグ11と通信できないため、sensIC18からのID情報だけをRFIDリーダ9が検波することになる。これにより、RFIDリーダ9は流通過程でセンサタグ10が所定温度を超えていないことを検知する。
【0054】
一方、センサタグ10が流通物品に取り付けられた後、氷Iの温度が一度でも融点(所定温度)を超えると、氷Iは、固体から液体の水Wに相変態する。水Wの状態では、バネ19A、19Bの収縮する力に抗することができず、金属板14は、図2(B)及び図5(B)に示すようにRFIDタグ12側へ移動し、金属板14がRFIDタグ12を覆う。
【0055】
このとき、RFIDリーダ9とセンサタグ10とがID情報の認証を行うと、RFIDリーダ9は、金属板14に覆われているRFIDタグ12と通信できないため、sensIC16からのID情報だけをRFIDリーダ9が検波することになる。これにより、RFIDリーダ9は流通過程でセンサタグ10が所定温度以上に上昇したことを検知する。即ち、流通業者等は、流通過程で、そのセンサタグ10の付いた物品が廃棄しなければならない状態になったことを判断できる。
【0056】
なお、流通過程において氷Iの温度が一旦所定温度以上となり、その後所定温度以下に戻った場合でも、金属板14は、バネ19A、19Bの収縮する力によりRFIDタグ12側にある位置で保たれる。そのため、RFIDリーダ9は、氷Iの温度が所定温度を1回以上超えたことを検知することが可能である。
【0057】
以上より、この実施形態のセンサタグ10及びセンサシステム100によれば、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間、センサタグ10を所定温度以下で保管しなくとも済む。即ち、センサタグ10の製造後からセンサタグ10の流通物品への取り付け時までの間、センサタグ10を常温で保管できる。
【0058】
また、この実施形態のセンサタグ10では、金属板14の移動には、上記非特許文献1のように重力でなく、バネ19A、19Bの収縮力を用いている。そのため、この実施形態のセンサタグ10及びセンサシステム100によれば、流通物品へのセンサタグ10の取り付け方向の自由度を向上させることもできる。
【0059】
なお、この実施形態ではRFIDの通信を不可能にする手段として金属板14を用いたが、通信を不可能にするためには空間からみたRFIDタグ11、12のアンテナ15、17のインピーダンスを変化させることができればよいため、金属に限らない。例えば、高誘電率な誘電体、ウレタンのような樹脂、チタン酸バリウムのようなセラミックでもよい。
【0060】
同様に、この実施形態では金属板14を用いてアンテナ15、17全体を覆っているが、アンテナ15、17の当該インピーダンスを変化させることができればよいため、金属板14は、アンテナ15、17の一部を覆う配置、大きさ、形状にしてもよい。また、金属板14の形状も板状に限定されるわけではなく、線または線を複数束ねたものなどでもよい。
【0061】
また、この実施形態では所定温度を0℃とし、金属板14を保持する相変態物質に水を用いているが、所定閾値は任意に選択することができ、金属板14を保持する相変態物質は所定温度に応じて適切な材料が選択される。
【0062】
また、この実施形態ではバネ19A、19Bは収縮する方向に金属板14とバネ19A、19Bを配置したが、実施の際は、バネ19A、19Bが伸張する方向に金属板14とバネ19A、19Bを配置してもよい。
【0063】
また、この実施形態では金属板14を移動させる手段としてバネ19A、19Bを用いているが、ゴムやスポンジのような弾性体、磁石などでもよい。
【0064】
また、sensIC16やsensIC18は汎用ICに限らず、専用ICとして構成しても良い。アンテナはダイポール型に限らず、モノポール型、ループアンテナ型などを使用してもよい。また、この実施形態では日本のUHF帯パッシブRFIDでの使用を想定したが、他国のUHF帯パッシブRFID用帯域(例えば868MHz, 920MHz)を使用してもよい。
【0065】
以下、本願発明の第2の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ20の構成を示す概念図である。第2の実施形態のセンサシステムは、センサタグ20がピンPの代わりにテープT1によって金属板14を第1位置で保持する点で、第1の実施形態のセンサシステムと相違する。その他の構成については同じである。
【0066】
この実施形態では、センサタグ20の流通物品への取り付け時、流通業者等が、水Wを氷Iに相変態させた後、テープT1をケーシング13から取り外す。これにより、センサタグ20は図5(A)に示す状態となる。
【0067】
従って、この実施形態のセンサタグ20及びセンサシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
以下、本願発明の第3の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ30の構成を示す概念図である。第3の実施形態のセンサシステムは、センサタグ30がピンPの代わりに、金属板14に取り付けられたフックFとフック付バネ39A、39Bとを備える点で第1の実施形態のセンサシステムと相違する。その他の構成については同じである。
【0069】
この実施形態では、センサタグ30の流通物品への取り付け時、流通業者等が、水Wを氷Iに相変態させた後、フック付バネ39A、39Bを金属板14のフックFに連結する。これにより、センサタグ30は図5(A)に示すような状態となる。
【0070】
従って、この実施形態のセンサタグ30及びセンサシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
以下、本願発明の第4の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図8(A)は、本発明の第4の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ40の構成を示す概念図である。図8(B)は、図8(A)に示すA−A線の断面図である。第4の実施形態のセンサシステムは、センサタグ40が金属粒子を含有した氷44と吸収シート45とカバーC2、C3とテープT2とを備える点で、第1の実施形態のセンサシステムと相違する。その他の構成については同じである。
【0072】
詳述すると、センサタグ40は、図3に示すセンサタグ10と同様に、RFIDタグ11,12と、ケーシング13と、を備える。さらに、センサタグ40は、ケーシング13におけるアンテナ15(第2アンテナ)を覆わない第1位置に配置され、遮蔽物である金属粒子を含有した氷44と、第1位置から第2位置までの区間に敷かれた吸収シート45と、氷44が溶融した際に水44が外部に漏れないよう氷44を覆うカバーC2と、氷44が溶融した際に水44が外部に漏れないよう吸収シート45を覆うカバーC3と、ケーシング13表面に貼付され、カバーC2内の空間とカバーC3内の空間とを分離するテープT2と、を備える。吸収シート45の材質は不織布を用いる。
【0073】
なお、吸収シート45とカバーC3が、本発明の「移動部」に相当する。また、テープT2が、本発明の「仮保持部」に相当する。また、ケーシング13とカバーC2とテープT2が、本発明の「固液保持構造」に相当する。また、アンテナ17が本発明の「第1アンテナ」に相当し、アンテナ15が本発明の「第2アンテナ」に相当する。また、sensIC18が本発明の「第1デバイス」に相当し、sensIC16が本発明の「第2デバイス」に相当する。
【0074】
この実施形態では、センサタグ40の製造後からセンサタグ40の流通物品への取り付け時までの間に、氷44の温度が所定温度を超えた場合でも、水44はカバーC2とテープT2によって第1位置で保持される。
【0075】
そして、センサタグ40の流通物品への取り付け時、流通業者等が、カバーC2とテープT2によって保持された水44を液体から固体に相変態させた後、テープT2をケーシング13から取り外す。これにより、センサタグ40は、カバーC2内の空間とカバーC3内の空間とが連通した状態となる。
【0076】
センサタグ40が流通物品に取り付けられた後、氷44の温度が所定温度を超えるまで、氷44が溶融せず固体状態を維持するため、吸収シート45に吸収されることもない。そのため、氷44の温度が所定温度を超えていない場合では、RFIDリーダ9がRFIDタグ11およびRFIDタグ12と通信可能な状態にある。
【0077】
一方、センサタグ40が流通物品に取り付けられた後、氷44の温度が所定温度を超えると、金属粒子を含有した氷44が溶融して水44に相変態し、吸収シート45に吸収されて、金属粒子が第1位置から第2位置までの区間に拡散する。即ち、遮蔽物である金属粒子がアンテナ15上に拡散する。そのため、RFIDリーダ9は、RFIDタグ11との通信が不可能となり、RFIDタグ12からのID情報のみを受信する。
【0078】
したがって、この実施形態のセンサタグ40及びセンサシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、この実施形態のセンサタグ40及びセンサシステムによれば、多くの物品の検査を自動かつ同時に行うことができる。
【0079】
以下、本願発明の第5の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態に係るセンサシステムに備えられるセンサタグ50の構成を示す概念図である。第5の実施形態のセンサシステムは、センサタグ50がピンPの代わりに光軟化材料Oによって金属板14を第1位置で保持する点で、第1の実施形態のセンサシステムと相違する。その他の構成については同じである。光軟化材料Oの材質は、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとエオシンの混合材料を用いる。
【0080】
この実施形態では、センサタグ50の流通物品への取り付け時、流通業者等が、水Wを氷Iに相変態させた後、光軟化材料Oに光を照射する。これにより、光軟化材料Oは軟化し、センサタグ50は図5(A)に示すような状態となる。
【0081】
そのため、センサタグ50が流通物品に取り付けられた後、氷Iの温度が一度でも融点を超えると、軟化した光軟化材料O及び水Wは、バネ19A、19Bの収縮する力に抗することができず、金属板14は、図2(B)及び図5(B)に示すようにRFIDタグ12側へ移動する。
【0082】
従って、この実施形態のセンサタグ50及びセンサシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
以下、本願発明の第6の実施形態に係るセンサシステムについて説明する。
図10は、本発明の第6の実施形態に係るセンサシステム600のシステム構成図である。
【0084】
第6の実施形態のセンサシステム600は、RFIDの代わりに弾性表面波デバイス(以下、単に「saw」と称する。)66、68を用いる点で、上記第1実施形態のセンサシステム100と異なる。その他の点については、上記第1実施形態のセンサシステム100と同じである。
【0085】
詳述すると、センサシステム600は、センサタグ60と、共振リーダ69とを備える。センサタグ60は、上記第1実施形態と同様に、ケーシング13と、金属板14と、レールRと、バネ19A、19Bと、氷Iと、を備える。さらに、この実施形態のセンサタグ60は、アンテナ65、67と、アンテナ65に接続するsaw66と、アンテナ67に接続するsaw68と、を備える。ここで、アンテナ65とsaw66とでsawタグ61を構成し、アンテナ67とsaw68とでsawタグ62を構成する。
【0086】
saw66は、所定の共振周波数fr1で圧電共振する素子であり、saw68は、saw66とは異なる所定の共振周波数fr2で圧電共振する素子である。
【0087】
共振リーダ69は、共振を開始させるために、所定周波数の搬送波からなるパルス信号Sfsを生成し、アンテナに出力する。ここで、搬送波周波数は、saw66、68の共振周波数fr1、数fr2に近い周波数(例えば950MHz帯)に設定され、かつパルス幅(バースト時間)は適当な値に設定されている。
【0088】
上記パルス信号Sfsは、上記第1実施形態と同様に金属板14の位置に応じて、アンテナ65又はアンテナ67で受信され、saw66又はsaw68へ印加される。
【0089】
saw66は、パルス信号Sfsによって共振し、第1共振信号Sfr1を出力する。一方、saw68は、パルス信号Sfsによって共振し、第2共振信号Sfr2を出力する。
【0090】
共振リーダ69は、saw66又はsaw68からの出力信号をアンテナで受信して、出力信号周波数を求める。そのため、図10(B)に示すように金属板14がsawタグ62を覆う位置にあるとき、共振リーダ69をセンサタグ60にかざすと、共振リーダ69は、金属板14に覆われているsawタグ62と通信できないため、saw66からの第1共振信号Sfr1だけを共振リーダ69が受信することになる。これにより、共振リーダ69は流通過程でセンサタグ60が所定温度以上に上昇したことを検知する。
【0091】
以上より、この実施形態のセンサタグ60及びセンサシステム600によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、この実施形態のセンサタグ60及びセンサシステム600によれば、RF信号によって通信を行う第1実施形態に比べて、通信距離を長くすることができる。
【0092】
なお、この実施形態では、sawを用いたが、実施の際は、他の共振デバイス、例えば水晶振動子やセラミック振動子を用いてもよい。また周波数帯も任意に選択できる。
【0093】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
1、10、20、30、40、50、60…センサタグ
100、600…センサシステム
4…金属板
9…RFIDリーダ
11,12…RFIDタグ
13…ケーシング
14…金属板
15…アンテナ
17…アンテナ
19A、19B…バネ
39A、39B…バネ
44…氷
45…吸収シート
61、62…sawタグ
65、67…アンテナ
66、68…saw
69…共振リーダ
I…氷
W…水
C1、C2、C3…カバー
T1、T2…テープ
F…フック
O…光軟化材料
R…レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波の受信と送信を行う第1アンテナと、
前記電磁波が前記第1アンテナで受信されたとき、前記電磁波を送信してきた通信機と前記第1アンテナを介して通信する第1デバイスと、
前記電磁波の受信と送信を行う第2アンテナと、
前記電磁波が前記第2アンテナで受信されたとき、前記電磁波を送信してきた前記通信機と前記第2アンテナを介して通信する第2デバイスと、
前記第1、第2アンテナ及び前記第1、第2デバイスを実装するケーシングと、
前記ケーシングにおける前記第2アンテナを覆わない第1位置に配置され、前記電磁波を遮蔽する遮蔽物と、
任意の物理量が所定閾値を越えるまで、前記遮蔽物を前記第1位置で保持する固体状態の相変態物質であって、前記任意の物理量が前記所定閾値を越えたとき、前記固体状態から液体状態へ相変態する相変態物質と、
前記固体状態および前記液体状態の間で相変態する前記相変態物質を保持する固液保持構造と、
前記相変態物質が前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記遮蔽物を、前記第1位置から前記第2アンテナの少なくとも一部を覆う前記ケーシングの第2位置へ強制的に移動させる移動部と、
を備えるセンサタグ。
【請求項2】
取り外し自在に前記ケーシングに取り付けられ、前記遮蔽物を前記第1位置で保持する仮保持部を備え、
前記移動部は、前記仮保持部が前記ケーシングから取り外され、且つ前記相変態物質が前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記遮蔽物を前記第1位置から前記第2位置へ強制的に移動させる、請求項1に記載のセンサタグ。
【請求項3】
前記仮保持部は、ピン又はテープである、請求項2に記載のセンサタグ。
【請求項4】
前記移動部は、前記遮蔽物に接続された弾性体であり、
前記相変態物質は、前記任意の物理量が前記所定閾値を越えるまで、前記弾性体の収縮力または伸張力に抗して前記遮蔽物を前記第1位置で保持し、前記遮蔽物の移動を制限する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサタグ。
【請求項5】
前記移動部は、前記第1位置から前記第2位置までの区間に敷かれた吸収シートであり、
前記任意の物理量は、前記相変態物質の温度であり、
前記遮蔽物は、前記電磁波を遮蔽する複数の粒子であり、前記相変態物質に含有され、
前記相変態物質は、前記仮保持部が前記ケーシングから取り外されているときに前記固体状態から前記液体状態へ相変態したとき、前記吸収シートに吸収される、請求項2又は3に記載のセンサタグ。
【請求項6】
前記相変態物質は、氷であり、
前記任意の物理量は、前記相変態物質の温度であり、
前記所定閾値は、水の融点である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサタグ。
【請求項7】
前記第1、第2デバイスは、前記通信機から送信される前記電磁波から動作電源を取得し、動作する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサタグ。
【請求項8】
前記第1、第2デバイスは、ID情報を記憶し、RF信号を前記ID情報で変調するICで構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサタグ。
【請求項9】
前記第1デバイスは、第1ID情報を記憶し、RF信号を前記第1ID情報で変調してから前記第1アンテナを介して前記通信機に送信し、
前記第2デバイスは、前記第1ID情報と異なる第2ID情報を記憶し、RF信号を前記第2ID情報で変調してから前記第2アンテナを介して前記通信機に送信する、請求項8に記載のセンサタグ。
【請求項10】
前記第1、第2デバイスは、共振デバイスで構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサタグ。
【請求項11】
前記第1デバイスは、前記電磁波が前記第1アンテナで受信されたとき、第1共振周波数の前記電磁波を前記第1アンテナを介して前記通信機に送信し、
前記第2デバイスは、前記電磁波が前記第2アンテナで受信されたとき、前記第1共振周波数と異なる周波数の第2共振周波数の前記電磁波を前記第2アンテナを介して前記通信機に送信する、請求項10に記載のセンサタグ。
【請求項12】
前記第1、第2デバイスは、圧電共振デバイスで構成される、請求項10又は11に記載のセンサタグ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のセンサタグと、
前記センサタグと前記電磁波によって通信する通信機と、を備える、センサシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−243087(P2012−243087A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112498(P2011−112498)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】