説明

センサネットワークシステム

【課題】 室内に設置した多数個のセンサ無線タグから出力されるセンサ情報に基づいて被制御装置を的確に制御するとともに、各センサ無線タグとその設置位置との関連付けを専門知識を不要として簡易な処理により行うことを可能とする。
【解決手段】 室内3に固定設置した撮像装置7により各センサ無線タグ6の点灯された発光体13の撮像が行われ、管理コンピュータ5により撮像画像の解析と登録した自他識別情報とに基づいて各センサ無線タグ6と室内におけるその設置位置とを関連付けして登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の各位置にセンサ無線タグを設置し、例えば設置位置の温度や湿度情報を計測して管理コンピュータにより空調装置等の被制御装置の運転を制御して環境管理等を行うセンサネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内等の環境を管理する環境管理システムは、室内の各所に設置された各センサにより計測した温度や湿度情報に基づいて管理コンピュータにより例えば暖房装置や冷房装置或いは空調装置等の運転を制御して所定の環境条件に保持されるようにする。環境管理システムにおいては、各センサと管理コンピュータとを無線により接続して計測情報の授受が行われるように構成したシステムも提案されている。
【0003】
特許文献1には、無線送信部のみを備える複数の送信端末と、互いに異なる受信周波数が設定される複数の無線受信部を有する1の受信端末とを備え、各送信端末と受信端末との間で割り当てられた所定の周波数により情報の授受を行う環境管理システムが提案されている。かかる環境管理システムにおいては、受信端末において受信情報が周波数情報に基づいてどの送信端末から送信されたものかが識別され、自動化が図られる。
【0004】
また、特許文献2には、工場等において各機械に発光装置を取り付けるとともに天井にカメラを設置し、各機械のスイッチ操作が行われると点灯する発光装置をカメラにより撮影することによって稼働状態を検出する管理システムが開示されている。かかる管理システムにおいては、カメラが撮影した光の点滅による各機械の稼働状態がシリアルデータとして管理装置に送信されて検出が行われる。
【特許文献1】特開2005−51557公報
【特許文献2】特開平5−38657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示された環境管理システムは、多数個の送信端末を周波数情報に基づいて自動識別することから、ポーリング方式を採用する通信システムと比較して送信端末のコストアップや大型化を抑制することが可能とされる。しかしながら、かかる環境管理システムにおいては、各送信端末とその設置位置とを初期登録するためにシステムに精通した専任の担当者が必要となり、また手間と時間を要するといった問題があった。また、かかる環境管理システムにおいては、運用の過程で送信端末の設置位置を変更する場合でも、専任担当者により変更位置をシステムソフトウェアに再入力する処理が必要であり、システム運用が面倒であった。
【0006】
また、特許文献2に開示された機械稼働状態の管理システムにおいては、カメラの撮影画像により設置された機械の稼働状態を自動的かつ簡易に把握することが可能である。しかしながら、かかる管理システムは、機械のオンオフ状態のみを監視する単純なシステムであるとともに、室内に設置された多くの機械についてその位置を予め管理装置に登録する処理が必要である。また、管理システムにおいては、例えばカメラに首振り機構を設けて室内に設置された多くの機械を撮影することが可能であるが、カメラにより撮影した画像と機械との関連付けが必要である。
【0007】
本発明は、室内に設置した多数個のセンサ無線タグから出力されるセンサ情報に基づいて被制御装置を的確に制御するとともに、各センサ無線タグとその設置位置との関連付け
を専門知識を不要として簡易な処理により行うことを可能とするセンサネットワークシステムを提供することを目的に提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成する本発明にかかるセンサネットワークシステムは、無線タグリーダ機能を有するとともに被制御装置に対して所定の制御信号を出力する管理コンピュータと、室内の所定位置に設置される多数個のセンサ無線タグと、室内に固定設置されて発光体を点灯した各センサ無線タグを撮像してその画像情報を管理コンピュータに出力する1個又は複数個の撮像装置とから構成される。センサネットワークシステムは、各センサ無線タグが、管理コンピュータとの間において無線接続を行うアンテナ部及び高周波信号処理部と、発光体と、センサ部と、自他識別情報を記憶するメモリ部と、構成各部の制御動作を行う制御部とを備える。センサネットワークシステムは、各センサ無線タグが、それぞれの自他識別情報をメモリ部に記憶する。センサネットワークシステムは、任意のセンサ無線タグが選択されて、撮像装置による撮像が可能な室内の管理対象となる所定の位置にそれぞれ設置される。センサネットワークシステムは、各センサ無線タグを室内に設置した後に、任意に選択したセンサ無線タグから順次その自他識別情報を管理コンピュータに対して無線出力するとともに発光体を点灯する。センサネットワークシステムは、撮像装置が、発光体を点灯する各センサ無線タグを撮像し、管理コンピュータに対して画像情報を出力する。センサネットワークシステムは、管理コンピュータにおいて、センサ無線タグから送信された自他識別情報と撮像装置から出力された画像情報を画像処理して得た室内の平面情報に基づいて、室内における当該センサ無線タグの設置位置を識別して自他識別情報に関連付けして登録する初期登録を行う。
【0009】
また、上述した目的を達成する本発明にかかるセンサネットワークシステムは、無線タグリーダ機能を有するとともに被制御装置に対して所定の制御信号を出力する管理コンピュータと、室内の所定位置に設置される多数個のセンサ無線タグと、室内に固定設置されて発光体を点灯した各センサ無線タグを撮像してその画像情報を管理コンピュータに出力する1個又は複数個の撮像装置とから構成される。センサネットワークシステムは、管理コンピュータにおいて室内に設置する各センサ無線タグの自他識別情報を予め登録する。センサネットワークシステムは、各センサ無線タグが撮像装置による撮像が可能な室内の管理対象となる所定の位置にそれぞれ設置される。センサネットワークシステムは、管理コンピュータから、選択した任意の自他識別情報に対応する所定のセンサ無線タグに対して発光体の点灯指示信号が出力されるとともに撮像装置に対して撮像動作の指示信号が出力される。センサネットワークシステムは、撮像装置が、点灯指示信号により発光体を点灯させたセンサ無線タグを撮像してその画像情報を管理コンピュータに出力する。センサネットワークシステムは、管理コンピュータにおいて、画像情報を画像処理して得た室内の平面情報に基づいて室内における当該センサ無線タグの設置位置を識別し、自他識別情報に関連付けして登録する初期登録が行われる。センサネットワークシステムは、各センサ無線タグに対して順次上述した初期登録処理が行われて、室内における各センサ無線タグの設置状態が登録される。
【0010】
センサネットワークシステムにおいては、管理コンピュータに登録された各センサ無線タグから管理コンピュータに対して、それぞれの自他識別情報とともにセンサ部により検出したセンサ情報が無線出力される。センサネットワークシステムにおいては、管理コンピュータにおいて、受信した自他識別情報と登録情報とを比較して室内の所定位置における状況を把握し、被制御装置に対して所定の制御信号を出力する。
【0011】
センサネットワークシステムにおいては、初期設定を行った後に必要に応じて任意のセンサ無線タグを適宜の位置に移動し、当該位置におけるセンサ情報を取得するシステム運用が図られる。センサネットワークシステムにおいては、当該センサ無線タグを移設した
後に、上述した初期登録操作と同様に当該センサ無線タグからの自他識別情報の出力と発光体の点灯及び撮像装置による撮像と撮像画像の出力とが行われ、管理コンピュータにおいて当該センサ無線タグの設置位置の更新登録が行われる。
【0012】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、センサ無線タグとして電源を内蔵して電源の接続を不要とするアクティブ型無線タグを用いることにより、各センサ無線タグを室内の任意の位置に設置することが可能である。
【0013】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、センサ無線タグのセンサ部が例えば少なくとも室内温度を計測する温度計測センサであり、また管理コンピュータにより制御する被制御装置が例えば冷暖房空調装置とする。センサネットワークシステムにおいては、室内の多数箇所に設置した各センサ無線タグにおいて計測した温度情報に基づいて、管理コンピュータが冷暖房空調装置の運転を精密に制御して精度の高い環境管理を実施する。
【0014】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、各センサ無線タグに、発光体として、発光ダイオードが備えられる。センサネットワークシステムにおいては、低電力消費特性や高輝度特性に優れた発光ダイオードを用いることにより、比較的長期間の使用が可能であるとともに撮像装置による点灯状態の撮像が確実に行われるようになる。
【0015】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、発光ダイオードが赤外発光ダイオードであるとともに、撮像装置が赤外線カメラによって構成され、室内を低照度の状態にして撮像装置による撮像が行われる。センサネットワークシステムにおいては、室内に設置された各センサ無線タグが確実に撮像されて管理コンピュータに登録されるようになる。
【0016】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、発光ダイオードが可視光発光ダイオードであるとともに、撮像装置が高感度カメラによって構成され、室内を低照度の状態にして撮像装置による撮像が行われる。センサネットワークシステムにおいては、室内に設置された各センサ無線タグが確実に撮像されて管理コンピュータに登録されるようになる。
【0017】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、撮像装置として室内全域を一括して撮像可能な魚眼撮像レンズを有する個体撮像素子カメラが用いられる。センサネットワークシステムにおいては、撮像装置により撮像された魚眼画像情報を管理コンピュータにおいて平面情報に変換して各センサ無線タグの設置位置を識別する。
【0018】
本発明にかかるセンサネットワークシステムは、各センサ無線タグが室内に設置された機器や備品にそれぞれ貼着して設置されるとともに、メモリ部に当該機器や備品に関する所定の管理情報を記憶する。センサネットワークシステムにおいては、各センサ無線タグからこれら管理情報が自他識別情報とともに管理コンピュータに出力されることにより、管理コンピュータにおいて室内における当該機器や備品の設置位置が把握される。
【発明の効果】
【0019】
以上のように構成された本発明にかかるセンサネットワークシステムによれば、室内に固定設置した撮像装置により発光体を点灯したセンサ無線タグの撮像が行われ、管理コンピュータにより当該センサ無線タグの自他識別情報と撮像画像から得た室内の平面情報との解析に基づき室内における当該センサ無線タグの設置位置との関連付けを行って登録する。したがって、センサネットワークシステムによれば、多数個のセンサ無線タグとそれぞれの設置位置との新規登録或いは変更登録操作がシステムに精通した専任担当者を不要として極めて簡易かつ正確に行うことが可能である。センサネットワークシステムによれば、効率的なシステム運用が図られるようになり、室内に設置した多数個のセンサ無線タグから出力されるセンサ情報に基づいて被制御装置を的確に制御することを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態として示すセンサネットワークシステム1について図面を参照して詳細に説明する。センサネットワークシステム1においては、建物2の室内3における温度や湿度等の環境条件を任意の多数ポイントにおいて所定のタイミングで自動的に計測する。センサネットワークシステム1においては、この計測結果に基づいて例えば暖房装置や冷房装置或いは空調装置や加湿装置等の被制御装置4の運転を自動制御し、建物2の室内3が常に最適な温度・湿度の環境状態に設定されるようにする。
【0021】
センサネットワークシステム1は、図1に示すように、管理コンピュータ5と、室内3の計測ポイントにそれぞれ設置された多数個のセンサ無線タグ6A〜6N(以下、個別に説明する場合を除いてセンサ無線タグ6と総称する。)と、室内3の天井に設置された1個又は複数個の赤外線カメラ7とから構成される。センサネットワークシステム1においては、詳細を後述するように各センサ無線タグ6により計測された各位置の温度・湿度情報が無線タグリーダ機能を有する管理コンピュータ5によって読み取られるとともに、この管理コンピュータ5から被制御装置4に対して制御信号が出力されてその運転制御が行われて室内3を最適な環境状態に保持する。
【0022】
なお、センサネットワークシステム1においては、図1に示すように各センサ無線タグ6を室内3内に設置する場合に、この室内3に設置された各種の機器や備品等の管理対象物8A〜6N(以下、個別に説明する場合を除いて管理対象物8と総称する。)の表面に貼着し、各位置の温度・湿度センサ機能ばかりでなくこれら管理対象物8の管理用タグとしても機能するように構成してもよい。また、センサネットワークシステム1は、1台の管理コンピュータ5により複数台の被制御装置4を制御するようにしてもよいことは勿論である。
【0023】
センサネットワークシステム1においては、管理コンピュータ5とセンサ無線タグ6とが、適宜の1対Nの近距離無線通信方式を利用して無線接続される。センサネットワークシステム1においては、管理コンピュータ5とセンサ無線タグ6とが直接無線接続されるばかりでなく、例えば電波が届かない広大な室内や多数階の建物2の環境管理を行う場合或いは搬送周波数特性等に応じて適宜に設置した中継機能を介して無線接続するようにしてもよい。センサネットワークシステム1においては、この場合に室内の適宜の位置に中継アンテナ装置を設置し、この中継アンテナ装置と管理コンピュータ5とを例えばブルートゥース無線通信方式等による無線接続或いはUSB方式等による有線接続により接続するとともに、中継アンテナ装置と各センサ無線タグ6とを無線接続する。
【0024】
管理コンピュータ5は、各センサ無線タグ6を登録するとともに、各センサ無線タグ6に対して自他識別情報(以下、ID情報という。)を付与する。管理コンピュータ5は、後述する初期設定操作に基づいて、登録した各センサ無線タグ6に対応してそれぞれのID情報に関連付けして室内3における設置位置情報を登録する。なお、管理コンピュータ5は、例えば各センサ無線タグ6が貼着される管理対象物8に関する管理情報についても、ID情報に関連付けして登録するようにしてもよい。
【0025】
管理コンピュータ5は、上述した無線通信方式による送受信機能を備え、後述するようにセンサ無線タグ6に対して計測指示を行うことにより各センサ無線タグ6から送信される計測情報を受信する。また、管理コンピュータ5は、後述するように赤外線カメラ7と無線或いは有線により接続され、この赤外線カメラ7から出力される室内3を撮像した画像情報を取り込み、この画像情報について演算処理を施して平面画像に変換する画像変換機能を有している。
【0026】
管理コンピュータ5は、後述するように各センサ無線タグ6に対して温度・湿度の計測を指示する制御信号を無線出力する。管理コンピュータ5は、各センサ無線タグ6から送信される計測情報に添付されたID情報を識別し、このID情報と対応された設置位置情報とに基づいて各センサ無線タグ6が設置された室内3における所定位置の温度・湿度の計測情報を得る。管理コンピュータ5は、この計測情報に基づいて被制御装置の運転を制御する制御信号を出力する。なお、管理コンピュータ5は、上述した計測情報や被制御装置の運転に関する情報を蓄積集計して、例えば管理レポートを作成する機能等も有している。
【0027】
センサ無線タグ6は、例えばID情報を埋め込んだタグから所定の情報を無線により授受するRFID(Radio Frequency Identification)技術に用いられる無線タグであり、上述した無線通信方式により管理コンピュータ5との間で無線による所定情報の授受を行う機能を有している。センサ無線タグ6は、詳細を省略するがベース体上に所定の機能を有するICチップを搭載した例えばカード型或いはラベル型等の外形仕様を有するタグである。センサ無線タグ6は、ベース体に設けた粘着テープ等により、図1に示すように室内3の各位置に配置された机や作業台等の管理対象物8の表面に剥離自在とされて設置される。なお、センサ無線タグ6は、上述したように管理対象物8が資産管理の対象となる機器等に貼着されてもよい。
【0028】
センサ無線タグ6は、具体的には図2に示すように、構成各部の動作制御を行う制御部9と、管理コンピュータ5との間で無線信号の授受を行うアンテナ10と、このアンテナ10で送受信する無線信号を処理する高周波信号処理部11と、上述したID情報や所定情報等を記憶する書き換え可能なメモリ部12とを備えている。センサ無線タグ6は、赤色光を出射する赤色LED(Light Emitting Diode:固体発光素子)13と、この赤色LED13の点灯及び消灯を制御するLED駆動回路部14を備えている。
【0029】
センサ無線タグ6は、センサ機能として、設置場所の温度と湿度とを計測する温度・湿度センサ部15を備えている。温度・湿度センサ部15は、制御部9から出力される計測指示信号に基づいて温度と湿度とを計測して、計測情報を制御部9に出力する。センサ無線タグ6は、この計測情報を制御部9から高周波信号処理部11へと出力し、計測信号に変換してアンテナ10から管理コンピュータ5に送信する。
【0030】
センサ無線タグ6は、自己電源となる電池16を有する電源回路部17を備えており、この電源回路部17から構成各部に対して所定電圧のDC電源を供給することにより構成各部の動作が行われるいわゆるアクティブ型タグである。センサ無線タグ6は、例えば起動スイッチ18を備え、この起動スイッチ18のスイッチング操作により各部に対して電源の供給が行われるようにする。
【0031】
なお、センサ無線タグ6は、図示を省略するが外部接続端子部を有し、この外部接続端子部を介して接続された適宜の入力装置によって、所定の情報が入力されてメモリ部12に記憶されるようにしてもよい。センサ無線タグ6には、この記憶情報として、例えば貼着する管理対象物8の固定資産情報や適宜の管理情報が記憶される。
【0032】
赤外線カメラ7は、詳細を省略するがカメラ本体19の撮像部に赤外線フィルタ20と魚眼レンズ21とを取り付けたカラーCCD(Charge-Coupled Device:電荷結合素子)もしくはカラーCMOS赤外広角カメラである。赤外線カメラ7は、例えばアンテナ22を含むブルートゥース無線通信方式等による無線送受信機能或いはUSB方式等による有線接続機能を有して管理コンピュータ5と接続され、後述するように室内3を撮像した画像情報を出力するとともに撮像指示信号を受信して室内3の撮像を行う。
【0033】
赤外線カメラ7は、図1に示すように室内3の天井3Aに固定した状態で設置される。赤外線カメラ7は、上述したように撮像レンズとして魚眼レンズ21が用いられることにより、固定ポイントから管理対象物8等に貼り付けた全てのセンサ無線タグ6を撮像することが可能である。赤外線カメラ7は、上述したように無線或いは有線により管理コンピュータ5と接続され、管理コンピュータ5と制御信号や画像情報の授受を行う。赤外線カメラ7は、後述するように室内3の照明装置を全て消灯して低照度とした状態で、管理コンピュータ5から出力される撮像指示信号に基づいて室内3を所定のタイミングで撮像してその画像情報を管理コンピュータ5に出力する。
【0034】
以上のように構成されるセンサネットワークシステム1においては、室内3に管理コンピュータ5や赤外線カメラ7を設置してその接続を行った後に、図3に示す手順にしたがって赤外線カメラ7による撮像画像に基づいて管理コンピュータ5で生成する平面情報の調整が行われる。センサネットワークシステム1においては、室内3の全てが見渡せるようにして天井3Aに赤外線カメラ7を設置し、この赤外線カメラ7と管理コンピュータ5とを上述した無線或いは有線による接続を行う(s−1)。
【0035】
センサネットワークシステム1においては、接続状態の確認を行った後に、管理コンピュータ5から赤外線カメラ7に対して室内3のテスト撮像を指示する制御信号が出力される(s−2)。センサネットワークシステム1においては、赤外線カメラ7が、この撮像指示に基づいて室内3を撮像して画像情報を管理コンピュータ5に出力する(s−3)。センサネットワークシステム1においては、赤外線カメラ7から出力された画像情報に基づいて管理コンピュータ5において所定の画像処理を施して、画像情報と室内3の実際位置とを対応付ける位置情報テーブルを作成して格納する(s−4)。
【0036】
ところで、赤外線カメラ7は、上述したように魚眼レンズ21を備えることから設置点を中心として360°の全範囲で室内3を撮像することが可能であり、図4に示すような円形の撮影画像を得る。なお、同図は、後述する各センサ無線タグ6の赤色LED13が点灯した状態を撮像した図であり、テスト画像には光点が撮影されていない。赤外線カメラ7は、魚眼レンズ21の特性により、中心から周辺に向かうにしたがって次第に遠近間隔が小さくなる撮影画像となる。
【0037】
管理コンピュータ5においては、上述した赤外線カメラ7の撮影画像を、例えば図4に示すようにソフトウェア処理により中心から周辺に向かって例えば7つの同心円領域A−0〜A−7に区割りするとともにこれら同心円領域A−0〜A−7を円周方向に対して8つの扇状領域B−0〜B−8に区割りする。管理コンピュータ5においては、この区割りに基づいて図5に示すように室内3を縦7×横8の56領域に区割りしてセンサ無線タグ6の設置位置を対応付けする平面情報を作成する。なお、センサネットワークシステム1においては、各センサ無線タグ6の設置位置をさらに詳細に把握する必要がある場合には、上述した領域区割りをさらに細分化すればよい。センサネットワークシステム1においては、かかる画像処理法に限定されず適宜の画像処理技術を用いて同様にして赤外線カメラ7の撮影画像から各センサ無線タグ6の設置位置を認識するようにしてもよい。
【0038】
センサネットワークシステム1においては、図6に示した手順により管理コンピュータ5に使用する各センサ無線タグ6を登録する処理と、各センサ無線タグ6を室内に設置する作業と、設置した各センサ無線タグ6と室内3におけるその設置位置を関連付けする処理とからなる初期設定操作を行う。センサネットワークシステム1においては、使用する各センサ無線タグ6にそれぞれID情報が付与され、このID情報をメモリ部12に記憶する処理が行われる(s−10)。
【0039】
センサネットワークシステム1においては、例えばセンサ無線タグ6を適宜の入力処理装置に装填し、所定様式のID情報或いは必要に応じて仕様情報を入力してメモリ部12に記憶する。また、センサネットワークシステム1においては、センサ無線タグ6を所定の管理対象物8に用いてその管理を行うために用いる場合に、当該管理対象物8に関する管理情報を入力してメモリ部12に記憶するようにしてもよい。なお、センサ無線タグ6は、製造段階でID情報や仕様情報がメモリ部12に記憶されて提供されるようにしてもよい。センサ無線タグ6には、例えば付与されたID情報を表示するラベルを貼り付けることにより、直接確認することが可能なようにすることが好ましい。
【0040】
センサネットワークシステム1においては、多数個のセンサ無線タグ6が室内3において温度等を計測しようとする適宜の位置或いは管理対象物8に対して、赤外線カメラ7により撮像可能とする状態で設置される(s−11)。各センサ無線タグ6は、後述する処理によりそれぞれに付されたID情報と設置位置との関連付けが行われることから、特に設置位置が決められておらずランダムに選択されて設置される。また、各センサ無線タグ6は、設置してシステムが稼働した後にも、室内3の適宜の位置に移動して設置することが可能である。
【0041】
センサネットワークシステム1においては、室内3の各センサ無線タグ6を設置する作業が完了すると、管理コンピュータ5に対して設置完了の報告が行われる。この設置完了報告は、各センサ無線タグ6を設置した後に、例えば管理コンピュータ5の表示画面に表示されている「センサ無線タグ設置完了」アイコンをクリック操作することにより行われる。センサネットワークシステム1においては、この設置完了報告に基づいて管理コンピュータ5において、例えば室内3の設定温度・湿度の設定等のシステムセットアップの処理を行う(s−12)。
【0042】
センサネットワークシステム1においては、各センサ無線タグ6と設置位置との関連付け処理を行うが、その前作業として室内3の照明を消灯して低照度の状態とする。センサネットワークシステム1においては、上述したように赤外線カメラ7とセンサ無線タグ6の赤色LED13及び低照度の環境により、センサ無線タグ6の点灯された赤色LED13が明瞭に撮像されるようにする。
【0043】
センサネットワークシステム1においては、室内3に設置された任意のセンサ無線タグ6が選択され、その起動スイッチ18のスイッチング操作が行われる。当該センサ無線タグ6は、これによりメモリ部12から記憶したID情報と管理情報等を読み出して管理コンピュータ5に対して無線出力するとともに、赤色LED13が点灯する(s−13)。
【0044】
センサネットワークシステム1においては、管理コンピュータ5において、受信したID情報等の登録の有無が確認され、未登録である場合に当該ID情報等を登録する処理が行われる。また、管理コンピュータ5は、このID情報の登録処理を終了すると、赤外線カメラ7に対して室内3の撮像を指示する指示信号を出力する(s−14)。
【0045】
センサネットワークシステム1においては、赤外線カメラ7が、管理コンピュータ5からの指示に基づいて室内3を撮像する(s−15)。赤外線カメラ7は、撮影画像に所定の処理を施して生成した画像情報を管理コンピュータ5へと出力する。なお、撮影画像には、赤色LED13が点灯された当該センサ無線タグ6のみが撮像される。
【0046】
センサネットワークシステム1においては、管理コンピュータ5において、赤外線カメラ7から出力された画像情報に基づいて上述した画像処理が施され、位置情報テーブルが読み出されて当該センサ無線タグ6の室内3における設置位置を判定してそのID情報に関連付けして設置位置情報を登録する処理を行う(s−16)。管理コンピュータ5は、このID情報−設置位置情報の登録処理を完了すると、当該ID情報に基づいてセンサ無線タグ6を指定して登録完了の通知を行う。
【0047】
センサネットワークシステム1においては、管理コンピュータ5から出力された登録完了通知に基づいて、当該センサ無線タグ6においてスタンバイ状態への移行処理が行われる(s−17)。センサ無線タグ6は、制御部9からLED駆動回路部14に出力される制御信号により、赤色LED13が消灯し、また温度・湿度センサ部15による計測動作が可能な状態となる。
【0048】
センサネットワークシステム1においては、以下同様の手順により各センサ無線タグ6についてID情報と設置位置との関連付け処理が行われる。センサネットワークシステム1においては、説明の便宜上同時に図示したが、室内3に設置された9個のセンサ無線タグT1〜T9が赤外線カメラ7によりそれぞれ図4に示すように撮像される。センサネットワークシステム1においては、この撮像画像に基づいて管理コンピュータ5において画像処理が施され、これらセンサ無線タグT1〜T9が図5に示す室内3を平面的に56領域に区割りしてなる位置情報テーブル上に位置付けされる。
【0049】
センサネットワークシステム1においては、初期設定操作の手順として上述したように各センサ無線タグ6側から管理コンピュータ5に対して順次ID情報を出力してその登録と設置位置との関連付けが行われるようにしたが、本発明はかかる手順に限定されないことは勿論である。図7に示したセンサネットワークシステム30は、上述した構成をセンサネットワークシステム1と同等とするが、初期設定操作の手順において各センサ無線タグ6を室内3に設置した状態で管理コンピュータ5側から各センサ無線タグ6に対して駆動制御が行われてその登録と設置位置との関連付けする手順を異にする。
【0050】
すなわち、センサネットワークシステム30においても、上述した手順と同様に、使用する各センサ無線タグ6にそれぞれID情報が付与され、このID情報をメモリ部12に記憶する処理が行われる(s−30)。また、センサネットワークシステム30においては、管理コンピュータ5にもこれらのID情報と仕様等の内容が予め登録される(s−31)。センサネットワークシステム30においては、このID情報の付与と登録の処理を従来一般に行われている適宜の方法により管理コンピュータ5と各センサ無線タグ6との間で行われる。
【0051】
センサネットワークシステム30においては、例えば管理コンピュータ5や適宜の入力装置とセンサ無線タグ6とを接続し、ID情報の付与とその授受及び登録の処理を行うようにしてもよい。また、センサネットワークシステム30においては、例えば製造段階でセンサ無線タグ6に予め付与された型番等の情報を管理コンピュータ5に入力し、管理コンピュータ5においてこの入力情報に基づいて当該センサ無線タグ6にID情報を自動付与してフィードバックするようにしてもよい。センサネットワークシステム30においては、この場合に入力情報に基づいて管理コンピュータ5から当該センサ無線タグ6を呼び出し、ID情報を出力してメモリ部12に記憶させるようにする。
【0052】
センサネットワークシステム30においては、各センサ無線タグ6がランダムに選択されて室内3の任意の位置にそれぞれ設置され(s−32)、この設置作業が完了すると管理コンピュータ5において設置完了に伴うシステムセットアツプ処理が行われる(s−33)。各センサ無線タグ6は、設置した状態で起動スイッチ18がオン状態とされる。なお、センサネットワークシステム30においては、特に必須とするものでは無いが、例えば設置完了報告に基づいて、管理コンピュータ5において各ID情報を呼び出して当該ID情報が付与されたセンサ無線タグ6との接続状態を確認する処理を行うようにしてもよい。
【0053】
センサネットワークシステム30においては、管理コンピュータ5において、例えばID情報の登録順等により登録したID情報を選択し、当該ID情報が付されたセンサ無線タグ6に対して登録処理を行うための指示信号を無線出力する(s−34)。管理コンピュータ5は、ID情報が登録されているが、室内3に実際には設置されていないセンサ無線タグ6の場合に、後述する受信確認のフィードバックが無いことによりその確認が行われる。なお、センサネットワークシステム30においては、この場合に前作業として室内3の照明を消灯して低照度の状態とする。
【0054】
センサネットワークシステム30においては、センサ無線タグ6が、管理コンピュータ5から出力された指示信号を受信すると受信確認の信号を出力することにより室内3に設置されていることが確認されるようにする。センサ無線タグ6は、指示信号に基づいて制御部9からLED駆動回路部14に対して駆動信号が出力され、赤色LED13の点灯が行われる(s−34)。
【0055】
センサネットワークシステム30においては、上述したセンサネットワークシステム1の手順と同様にして当該センサ無線タグ6と室内3におけるその設置位置との関連付け処理が行われて管理コンピュータ5に登録されるようにする。すなわち、センサネットワークシステム30においても、管理コンピュータ5から上述したセンサ無線タグ6への指示信号の出力とともに赤外線カメラ7に対して撮像室内3の撮像を指示する指示信号を出力する。センサネットワークシステム30においても、赤外線カメラ7が、管理コンピュータ5からの指示に基づいて室内3を撮像する(s−36)。赤外線カメラ7は、撮影画像に所定の処理を施して生成した画像情報を管理コンピュータ5へと出力する。
【0056】
センサネットワークシステム30においても、管理コンピュータ5において、赤外線カメラ7から出力された画像情報に基づいて上述した画像処理が施され、位置情報テーブルが読み出されて当該センサ無線タグ6の室内3における設置位置を判定してそのID情報に関連付けして設置位置情報を登録する処理を行う(s−37)。センサネットワークシステム30においては、このID情報−設置位置情報の登録処理を完了すると、管理コンピュータ5から当該ID情報に基づいてセンサ無線タグ6に対して登録完了の通知が行われ、この登録通知に基づいて当該センサ無線タグ6においてスタンバイ状態への移行処理が行われる(s−38)。センサネットワークシステム30においては、以下同様の手順により管理コンピュータ5において次のID情報が選択され、当該センサ無線タグ6について上述したID情報と設置位置との関連付け処理が行われる。
【0057】
センサネットワークシステム1、30においては、上述した一連の操作により、初期設定操作を終了する。センサネットワークシステム1、30においては、例えば管理コンピュータ5に表示される手順にしたがって各処理を行えばよく、簡易な作業であることから専任のシステム管理者でなくとも初期設定操作を行うことを可能とする。
【0058】
以上のように構成されたセンサネットワークシステム1、30においては、図8に示すように管理コンピュータ5から各センサ無線タグ6に対して温度・湿度の計測を指示する指示信号が無線出力される(s−40)。センサネットワークシステム1、30においては、各センサ無線タグ6が、アンテナ10により指示信号を受信すると高周波信号処理部11において所定の信号処理を行って処理信号を制御部9へと出力することにより計測指示を認識する。センサネットワークシステム1、30においては、各センサ無線タグ6が、制御部9から温度・湿度センサ部14に対して計測動作の起動を指示する制御信号を出力して温度・湿度の計測が行われる(s−41)。
【0059】
センサネットワークシステム1、30においては、各センサ無線タグ6が、温度・湿度センサ部15により所定の計測動作を行って制御部9に対して計測結果を出力する。センサネットワークシステム1、30においては、各センサ無線タグ6が、制御部9において計測結果に基づいて計測情報を作成するとともにメモリ部12から登録されたID情報を読み出し、これら計測情報とID情報とを高周波信号処理部11に出力する。センサネットワークシステム1、30においては、各センサ無線タグ6が、高周波信号処理部11においてこれら計測情報とID情報とに対して高周波信号処理を施こしてアンテナ10を介して管理コンピュータ5へと無線出力する(s−42)。
【0060】
センサネットワークシステム1、30においては、管理コンピュータ5が各センサ無線タグ6から無線出力されたID情報と計測情報とを受信すると、ID情報に基づいて対象とするセンサ無線タグ6を識別するとともに、当該センサ無線タグ6の設置位置における温度・湿度の個別判定が行われる(s−43)。センサネットワークシステム1、30においては、管理コンピュータ5において、各センサ無線タグ6から出力される上述したID情報と計測情報とに基づく個別判定により室内3の全体の環境状態が判定され、被制御装置4の運転の要否が判断される(s−44)。
【0061】
センサネットワークシステム1、30においては、管理コンピュータ5が、この判定結果に基づいて被制御装置4に対して運転を制御する制御信号を出力する。センサネットワークシステム1、30においては、被制御装置4が制御信号に基づいて運転を制御されることにより、室内3が常に最適な温度・湿度の環境状態に設定されるようにする(s−45)。
【0062】
なお、上述したセンサネットワークシステム1、30においては、室内3に多数個のセンサ無線タグ6を設置して多数ポイントで温度・湿度の計測を行うようにしたが、かかる適用例に限定されるものでは無い。センサネットワークシステム1、30は、例えば各階の各部屋にセンサ無線タグ6を設置し、これらセンサ無線タグ6から出力される計測情報に基づいて建物2の全体を管理するシステムであってもよい。
【0063】
センサネットワークシステム1、30においては、この場合に各階の各部屋毎に赤外線カメラ7が設置され、上述した室内3に設置したセンサ無線タグ6の登録が行われるようにする。センサネットワークシステム1、30においては、各赤外線カメラ7にもID情報を設定し、このID情報に基づいて各赤外線カメラ7を個別に駆動するとともにセンサ無線タグ6の識別が行われるようにする。
【0064】
また、センサネットワークシステム1、30においては、上述したように管理コンピュータ5からセンサ無線タグ6に対して出力される計測指示信号に基づいて温度・湿度の計測を行うようにしたが、かかる構成に限定されるものでは無い。各センサ無線タグ6は、例えば計時機能のクロック部を設け、このクロック部から制御部9に対して所定の時間毎に出力される時間信号に基づいて計測動作が自動的に行われるように構成してもよい。
【0065】
センサネットワークシステム1、30においては、上述した手順によって初期設定が行われてシステム運用が図られるが、何らかの理由によりセンサ無線タグ6の一部を移動したり交換することがある。センサネットワークシステム1、30においては、上述した初期設定操作と同様の操作を行って、当該センサ無線タグ6の変更或いは新規登録が行われるようにする。なお、センサネットワークシステム1、30においては、既設のセンサ無線タグ6を交換したり、撤去した場合には管理コンピュータ5に登録した情報を削除することが好ましい。
【0066】
また、上記センサネットワークシステム1、30においては、赤外発光ダイオードと赤外線カメラについて説明を行ったが、センサ無線タグ6の発光LEDを、可視光を出射する可視光発光ダイオードとし、赤外線カメラ7の代わりに高感度カメラを設置したシステムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態として示すセンサネットワークシステムの構成図である。
【図2】同センサネットワークシステムに用いられるセンサ無線タグのブロック図である。
【図3】同センサネットワークシステムにおける赤外線カメラの設置と登録手順を説明するフローチャトである。
【図4】赤外線カメラによる撮像画像の説明図である。
【図5】赤外線カメラの撮像画像に画像処理を施して室内におけるセンサ無線タグの設置位置を示した位置情報テーブルの説明図である。
【図6】センサネットワークシステムにおける各センサ無線タグの設置及び登録手順を説明するフローチャトである。
【図7】他のセンサネットワークシステムにおける各センサ無線タグの設置及び登録手順を説明するフローチャトである。
【図8】センサネットワークシステムにおける計測及び環境制御の手順を説明するフローチャトである。
【符号の説明】
【0068】
1 センサネットワークシステム
2 建物
3 室内
4 被制御装置
5 管理コンピュータ
6 センサ無線タグ
7 赤外線カメラ
8 管理対象物
9 制御部
10 アンテナ
11 高周波信号処理部
12 メモリ部
13 赤色LED
14 LED駆動回路部
15 温度・湿度センサ部
16 電池
17 電源回路部
18 起動スイッチ
19 カメラ本体
20 赤外線フィルタ
21 魚眼レンズ
22 アンテナ
30 センサネットワークシステム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグリーダ機能を有し、被制御装置に対して所定の制御信号を出力する管理コンピュータと、
前記管理コンピュータとの間において無線接続を行うアンテナ部及び高周波信号処理部と、発光体と、センサ部と、自他識別情報を記憶するメモリ部と、構成各部の制御動作を行う制御部とを備え、室内の適宜の位置に設置される多数個のセンサ無線タグと、
室内に固定設置され、前記発光体を点灯した前記各センサ無線タグを撮像してその画像情報を前記管理コンピュータに出力する1個又は複数個の撮像装置とから構成され、
室内にそれぞれ設置した前記各センサ無線タグが、前記発光体を順次点灯するとともに前記管理コンピュータに対してそれぞれの自他識別情報を無線出力し、
前記撮像装置が、前記発光体を点灯した前記センサ無線タグを撮像して前記管理コンピュータに対して画像情報を出力し、
前記管理コンピュータが、前記センサ無線タグから出力された前記自他識別情報と前記撮像装置から出力された前記画像情報を画像処理して得た室内の平面情報とに基づいて、室内における当該センサ無線タグの設置位置を識別して登録する初期登録を行い、
前記各センサ無線タグが、それぞれの前記自他識別情報とともに前記センサ部により検出したセンサ情報を前記管理コンピュータに対して無線出力すると、前記管理コンピュータにおいて室内の各位置における状況把握を行って前記被制御装置に対して制御信号を出力することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項2】
無線タグリーダ機能を有し、被制御装置に対して所定の制御信号を出力する管理コンピュータと、
前記管理コンピュータとの間において無線接続を行うアンテナ部及び高周波信号処理部と、発光体と、センサ部と、自他識別情報を記憶するメモリ部と、構成各部の制御動作を行う制御部とを備え、室内の適宜の位置に設置される多数個のセンサ無線タグと、
室内に固定設置され、前記発光体を点灯した前記各センサ無線タグを撮像してその画像情報を前記管理コンピュータに出力する1個又は複数個の撮像装置とから構成され、
前記管理コンピュータにおいて前記各センサ無線タグの前記自他識別情報を予め登録するとともに、前記各センサ無線タグが室内の前記撮像装置による撮像が可能な任意の位置にそれぞれ設置され、
前記管理コンピュータから選択した前記自他識別情報に対応する所定の前記センサ無線タグに対して前記発光体の点灯指示信号が出力されるとともに前記撮像装置に対して撮像動作の指示信号が出力され、
前記撮像装置が、前記点灯指示信号により前記発光体を点灯させた前記センサ無線タグを撮像してその画像情報を前記管理コンピュータに出力し、
前記管理コンピュータにおいて、前記画像情報を画像処理して得た室内の平面情報に基づいて室内における当該センサ無線タグの設置位置を識別して登録する初期登録を行い、
前記各センサ無線タグが、それぞれの前記識別情報とともに前記センサ部により検出したセンサ情報を前記管理コンピュータに対して無線出力すると、前記管理コンピュータにおいて室内の各位置における状況把握を行って前記被制御装置に対して制御信号を出力することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項3】
前記センサ無線タグが、電源を内蔵するアクティブ型無線タグであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項4】
前記センサ無線タグの前記センサ部が、少なくとも室内の温度を計測する温度計測センサを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項5】
前記センサ無線タグに設けられた前記発光体が発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項6】
前記発光ダイオードが赤外発光ダイオードであるとともに、前記撮像装置が赤外線カメラであり、室内を低照度の状態にして前記撮像装置による撮像が行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項7】
前記発光ダイオードが可視光発光ダイオードであるとともに、前記撮像装置が高感度カメラであり、室内を低照度の状態にして前記撮像装置による撮像が行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項8】
前記撮像装置が、室内全域を一括して撮像可能な魚眼撮像レンズを有する個体撮像素子カメラであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項9】
前記各センサ無線タグが、室内に設置された機器や備品にそれぞれ貼着して設置され、前記メモリ部に当該機器や備品に関する所定の管理情報を記憶し、これら管理情報が前記識別情報とともに前記管理コンピュータに登録されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−233619(P2007−233619A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53422(P2006−53422)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】