説明

センサユニットおよび警報装置

【課題】
利便性良く物理量を検出するセンサユニット、および利便性良く物理量を検出して警報を報知する警報装置を提供する。
【解決手段】
複数種類の物理量の中から任意に選択された物理量を検出するとともに、得られた検出信号と他の同種のセンサユニットで得られた検出信号とをマージして出力するセンサユニット、および複数種類の物理量の中から任意に選択された検出対象の物理量を表す検出信号について信号処理を行い、信号処理後の信号が所定のアラーム条件に合致したか否かを判定し、アラーム条件に合致した場合にアラームを報知する警報ユニットを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を検出するセンサユニット、および物理量を検出してアラームを報知する警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院内では、各種の医療用モニタなど、医用警報信号を発するさまざまな医療機器が使用されている。これらの医療機器は、医用警報信号によって、患者の異常や医療機器の異常な動作状態を伝える。このような医療機器が複数存在する場合、それぞれの医療機器が発する医用警報信号を一箇所に集中的に集めて管理することができれば、こうした医療機器を個別に監視する場合に比べると、労力が軽減することになる。このような目的のために、医用警報信号を一箇所に集中的に集めて、まとめて管理する医用警報集中装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された医用警報集中装置は、電気的警報信号が入力されるようになっている複数の入力端子を備えており、入力端子から電気的警報信号が入力されると個々の信号に応じた表示を行い、さらに、信号源になっている機器が警報を発している状態にあることを、ブザーを鳴らして報知する機能を有している。電気的警報信号を発する機器でありさえすれば、その信号は、この医用警報集中装置に対する入力信号となるため、この装置は、医療機器以外の機器に対しても警報集中装置として機能する。
【特許文献1】特開昭62−84737公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら機器の中には、電気的警報信号ではなく音や光、磁気といった様々な種類の非電気的な物理量によって警報を発するものも多い。このような非電気的警報信号を発する機器に対しては、上記の医用警報集中装置は、このままでは警報装置としての役割を
果たさない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、物理量を利便性良く検出するセンサユニット、および物理量を利便性良く検出し検出信号を処理して警報を報知する警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明のセンサユニットは、所定の物理量を検出して電気的な検出信号に変換するセンサを備えたセンサユニット本体と、センサユニット本体に一端部が接続されそのセンサユニット本体で得られた検出信号を伝達するケーブルと、ケーブルの他端部に接続された第1の接続端子とを備えたセンサユニットであって、
上記センサユニット本体が、同種のセンサユニットの第1の接続端子と結合する第2の接続端子を備え、同種のセンサユニットのセンサユニット本体で得られて伝達されてきた検出信号と自分のセンサユニット本体で得られた検出信号とをマージして自分のケーブルに送り出すものであることを特徴とする。
【0006】
本発明のセンサユニットは、そのセンサユニットの第1の接続端子と、他の同種のセンサユニットの第2の接続端子とを結合することにより、複数台からなるセンサユニットの列を作り、それら複数のセンサユニットからの検出信号を共通の第1の接続端子から出力することができる。このようなセンサユニットの列は、検出対象となる物理量の発生源が複数存在する状況においても、複数の発生源で発生した複数の物理量を検出して検出信号を出力することができるひとつのセンサユニットとして機能する。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の警報装置は、
所定の物理量を検出して電気的な検出信号に変換するセンサを備えたセンサユニット本体と、センサユニット本体に一端部が接続され該センサユニット本体で得られた検出信号を伝達するケーブルと、ケーブルの他端部に接続された第1の接続端子とを備えたセンサユニット、および
上記第1の接続端子と結合する第3の接続端子と、上記センサユニット本体で検出される複数種類の物理量の中から選択された、前記センサユニットによる検出対象の物理量を表す検出信号について信号処理を行う信号処理部と、信号処理部での信号処理後の信号が
所定のアラーム条件に合致したか否かを判定する判定部と、判定部によりアラーム条件に合致した場合にアラームを報知するアラーム報知部とを備えた警報ユニットを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の警報装置は、検出対象となる物理量を検出するセンサを有するセンサユニットを備えている。また警報ユニットも、そのセンサユニットで検出する物理量が複数種類の物理量のうちのいずれの物理量であってもその物理量に応じた信号処理を行い、必要に応じてアラームを報知することができる。
【0009】
ここで、上記警報装置は、上記第3の接続端子を複数備え、上記信号処理部は、複数の第3の接続端子それぞれに対応してそれぞれ選択された検出対象の物理量を表す各検出信号について信号処理を行うものであってもよい。
【0010】
このように、上記第3の接続端子を複数備えることにより、上記センサユニットを複数台接続することができ、複数の機器を集中的に監視することができる。
【0011】
また、本発明の警報装置は、センサユニットが、種類の異なる複数の物理量を検出して
電気的な検出信号に変換する複数種類のセンサそれぞれを備えたセンサユニット本体を有する複数種類のセンサユニットからなるものであってもよい。
【0012】
このように、種類の異なる複数の物理量を検出する複数種類のセンサをそれぞれ有するセンサユニットを備えることにより、本発明の警報装置は、種類の異なる物理量を発生する機器に対しても警報装置として機能する。
【0013】
また、本発明の警報装置は、複数種類の物理量の中から検出対象の物理量を選択して、
信号処理部に、選択した検出対象の物理量の検出信号について信号処理を行わさせる検出物理量設定部を備えたものであってもよい。
【0014】
このような検出物理量設定部を備えると、本発明の警報装置の使用者は、上記センサユニットに検出させる物理量を、警報装置に監視される機器の性質に応じて設定することができる。
【0015】
また、上記警報装置の上記センサユニットは、上記複数種類の物理量のうちの少なくとも一つとして音を検出するものであってもよく、あるいは、光を検出するものであってもよく、あるいは、磁気を検出するものであってもよい。
【0016】
また、本発明の警報装置のアラーム報知部は、画像を表示する表示部を備え上記表示部への表示によりアラームを報知するものであってもよく、あるいは音を発する音発生部を備え上記音発生部にアラーム音を発生させることによってアラームを報知するものであってもよく、あるいは外部機器との通信を行う通信部を備え上記通信部に外部機器に向けてアラーム信号を送信させることによってアラームを報知するものであってもよい。
【0017】
また、本発明の警報装置は、検出対象の物理量についてセンサユニットがアラーム条件に合致しない状況の物理量を検出しているタイミングとセンサユニットがアラーム条件に合致した状況の物理量を検出しているタイミングの通知を受けてアラーム条件を学習するアラーム条件学習部を備えたものであってもよい。
【0018】
この場合、上記のアラーム条件学習部を備えると監視対象の機器に適したアラーム条件が学習により容易に設定される。そして、判定部は、機器がアラームを発しているか否かを、アラーム条件学習部が学習したアラーム条件に基づいて判定することができる。
【0019】
さらに上記アラーム条件学習部を備えた警報装置の場合、センサユニット本体が、同種のセンサユニットの第1の接続端子とを結合する第2の接続端子を備え、同種のセンサユニットのセンサユニット本体で得られて伝達されてきた検出信号と自分のセンサユニット本体で得られた検出信号とをマージして自分のケーブルに送り出すものものであり、上記アラーム条件学習部は複数のセンサユニットからのマージされた検出信号に対しては各センサユニットごとのアラーム条件を学習するものであってもよい。
【0020】
このような第2の接続端子を備えたセンサユニットを用いると、第1の接続端子と、他の同種のセンサユニットの第2の接続端子とを結合して、複数台からなるセンサユニットの列を作り、それら複数のセンサユニットからの検出信号を共通の第1の接続端子から出力することができる。このようなセンサユニットの列を作り、入力されたそれぞれの機器の検出信号に対するアラーム条件を学習することによって、それぞれの機器からの信号が各センサユニットごとに学習したアラーム条件に合致したか否かを判定し、合致した場合はアラームを報知することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のセンサユニットによれば、複数種類の非電気的物理量を利便性良く検出し検出信号を出力することができるとともに、得られた検出信号と他の同種のセンサユニットで得られた検出信号とをマージして出力することができる。
【0022】
また、本発明の警報装置によれば、機器から発生する物理量が複数種類の非電気的物理量のいずれであってもその物理量を利便性良く検出し、その検出された物理量に応じた信号処理および機器の状態の判定を行い、異常があればアラームを報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態の警報装置を用いて構築された医療機器の集中アラームシステムを示す図である。
【0025】
図1において、本実施形態の警報装置は、警報ユニット本体1、ホストモニタ21、ケーブル22およびセンサユニット3によって構成され、警報ユニット本体1、ホストモニタ21およびケーブル22を合わせたものが、本発明の警報ユニットに相当し、センサユニット3が、本発明のセンサユニットに相当する。本実施形態では、この警報装置を用いて、例えば製造メーカーが違うために他の機器と電気的に接続できない医療用モニタ41、人工呼吸器42、無停電電源装置(UPS)43、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45を監視する。それぞれの機器には、それぞれの機器の発する物理量を検出するセンサユニット3が、それぞれの機器にテープで取り付けられ、検出信号を警報ユニット本体1に向けて出力する。シリンジポンプ44からの信号を検出するセンサユニット3と、輸液ポンプ45からの信号を検出するセンサユニット3は、いわゆるカスケード接続されている。医療用モニタ41、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45は音によって警報を発し、人工呼吸器42は光によって警報を発し、無停電電源装置43は磁気によって装置の異常を伝える。これらの物理量に対応して、音を検出するセンサユニット3が医療用モニタ41、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45に取り付けられ、光を検出するセンサユニット3が人工呼吸器42に取り付けられ、磁気を検出するセンサユニット3が無停電電源装置43に取り付けられている。一般に多くの機器では、警報や異常は、音や光によって伝えられる。しかし、機器の中には、本実施形態の無停電電源装置43のように、発音・発光手段を持たない機器もあり、こうした機器に対して機器が正常な動作状態からはずれていることを機器内部に手を加えることなく検知するためには、機器表面に現れる微弱な磁界の変化を検知する必要があることが多い。このため、本実施形態の警報装置は、音や光を検出するセンサユニット3に加え、磁気の変化を検出するセンサユニット3を備えている。
【0026】
警報ユニット1には、ホストモニタ21がケーブル22を介して接続されている。ホストモニタ21は、警報ユニット1に入力される信号のもとになる物理量の種類をモニタ画面上で設定する機能を持つ。さらに、ホストモニタ21の画面上では、医療用モニタ41、人工呼吸器42、無停電電源装置(UPS)43、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45から検出信号のデータが表示され、監視対象の機器のいずれかに異常があると、対応する機器が警報を発している旨が画面上に表示されるとともに、アラーム音を発して異常を伝える。このホストモニタ21とケーブル22が、本実施形態において、本発明の検出物理量設定部の一部である。またホストモニタ21は、表示部にアラームを発するアラーム報知部であるとともにアラーム音を発生させるアラーム報知部の機能も備えている。
【0027】
図2は、図1に示されている本実施形態の警報ユニットのうち、警報ユニット本体1の外観図である。
【0028】
この警報ユニット本体1の詳細な内部構造については、後述のハードウェアの説明の際に合わせて詳説することとし、ここでは警報ユニット本体の外観に現れている部分について説明する。図2に示す本実施形態の警報ユニット本体1は、発光して異常を周囲に知らせるためのアラームランプ10を備えている。また、図1に示されているホストモニタ21と接続するためのコネクタであるシリアル通信コネクタ11が用意されている。また、ナースコールと通信するために、デジタル/アナログ入出力コネクタ12が備えられている。さらにセンサユニット接続ジャック13〜16が、図1に示されているセンサユニット3とのインターフェースとして用意されている。またセンサユニットからの入力信号を学習するため、アラーム学習ボタン13a〜16aが各々のセンサユニット接続ジャック13〜16の近傍に配置されている。またモード設定ボタン17がアラーム学習ボタン13a〜16aとは別に設けられている。
【0029】
図3は、図1に示されている本実施形態のセンサユニット3の外観図である。
【0030】
本実施形態は、複数のセンサユニット3を有し、各センサユニットのそれぞれを構成するセンサユニット本体31には、磁気センサ、音響センサ、光センサのうちいずれか1つが内蔵されている。図3に示すセンサユニット本体31には、開ロ部32aおよび開ロ部32bの2つが示されているが、音響センサを内蔵しているセンサユニット本体31のみ開ロ部32aおよび開ロ部32bの両方を備えていて、磁気センサおよび光センサをそれぞれ内蔵しているセンサユニット本体31は、開ロ部32aだけを備えており、図3では、音響センサを内蔵しているセンサユニット本体31が代表として示されている。音響センサのセンシングを行う部分は2つあり、それぞれ開ロ部32aおよび開ロ部32bの近傍に配置されている。また、磁気センサおよび光センサのセンシングを行う部分は1つであり、開ロ部32aの直下に配置されている。3種類のセンサのセンシングを行う部分をこのように配置することにより、3種類のセンサユニット本体31は、それぞれ磁気、音、および光を効率よく検出し電気信号に変換できる。また、監視したい機器にセンサユニット本体31をそのままテープで取り付けることができ、取り付け作業は、センサを直接取り付ける作業に比べて簡単である。また、センサユニット本体31には、ケーブル33の一端が接続されており、ケーブル33のもう一方の先端には接続プラグ34が備えられている。この接続プラグ34は、図2に示されているセンサユニット接続ジャック13〜16に接続される接続プラグである。本実施形態においては、この接続プラグ34が本発明の警報装置の第1の接続端子に相当する。
【0031】
また、センサユニット本体31には、図2に示されているセンサユニット接続ジャック13〜16と同一形状のセンサユニット接続ジャック35が用意されている。このセンサユニット接続ジャック35は、他の同種のセンサユニット3の接続プラグ34’を挿入することができ、これによってセンサユニット3を他の同種のセンサユニット3といわゆるカスケード接続することができる。本実施形態においては、このセンサユニット接続ジャック35が本発明の警報装置の第2の接続端子に相当する。
【0032】
接続ブラグ34には、正電源端子36、プラス信号出力端子37、マイナス信号出力端子38および負電源端子39からなる4つの端子が備えられており、正電源端子36は正電源と接続され、負電源端子39は負電源と接続される。また、プラス信号出力端子37からは、センサユニット本体31に内蔵されたセンサからのプラス出力信号が出力され、
マイナス信号出力端子38からは、そのセンサからのマイナス出力信号が出力される。
【0033】
以下、図4〜図6を参照して、センサユニット本体31に内蔵された3種類のセンサの構造を説明する。これらの図には、各センサがセンサユニット本体31に内蔵されたものであることを示すために、センサユニット本体31の外枠についても模式的に示されている。これら図4〜図6それぞれにおいて、開ロ部32a、開ロ部32bおよび4つの端子36〜39は、図3に示した開ロ部32a、開ロ部32bおよび4つの端子36〜39に相当する。
【0034】
図4は、磁気センサの構造を表した図である。
【0035】
この磁気センサにはホール素子311が使用されている。ホール素子311に、図2に示す正電源端子36と負電源端子39の間に電圧を与え抵抗312を介して電流を流すと、既知のホール効果により電流とは垂直な方向に電圧を発生するため、この電圧を抵抗313および抵抗314を介して、プラス信号出力端子37およびマイナス信号出力端子38からプラス出力信号およびマイナス出力信号をそれぞれ出力する。ホール素子311の周波数特性は500Hz〜5000Hz程度である。
【0036】
図5は、音響センサの構造を表した図である。
【0037】
開ロ部32aおよび開ロ部32bから音を検出するために、それぞれに対応してコンテンサ入力型マイクロホン321、322が1つずつ配置されている。外来ノイズの影響をキャンセルするためにこれらのマイクロホン321、322は逆並列接続されている。マイクロホンは外部から入力された音のエネルギーに対して起電力を発生するため、正電源端子36および負電源端子39は不要であり接続しない。回路は対称であり、どちらかの開ロ部を機器側に密着してもよく、プラス出力信号をプラス信号出力端子37から出力するとともに、マイナス出力信号をマイナス信号出力端子38から出力する。各マイクロフォン321、322の周波数特性は、可聴域の500Hz〜5000Hz程度、入力感度は、マイナス40dB程度である。
【0038】
図6は、光センサの構造を表した図である。
【0039】
センサとしてフォトトランジスタ331が使用されている。フォトトランジスタ331は負荷抵抗332を介して正電源端子36および負電源端子39に接続され、プラス出力信号がプラス信号出力端子37から出力する。マイナス信号出力端子38は使用されない。フォトトランジスタ331の波長特性は可視光領域すなわち400nm〜900nm程度、入力感度は50ルクス〜6000ルクス程度である。
【0040】
次に、図1に示されている警報ユニット本体1の内部構造について説明する。
【0041】
図7は、警報ユニット本体1内部のハードウェアブロック図である。
【0042】
この図7のハードウェアブロック図には、警報ユニット本体1内部の回路を表す図であることを明確にするために警報ユニット本体1の外枠が破線で示されており、さらにその外枠に取り付けられている、図2に示すアラームランプ10、シリアル通信コネクタ11、デジタル/アナログ入出力コネクタ12、センサユニット接続ジャック13〜16、モード設定ボタン17、アラーム学習ボタン13a〜16aについてもそれぞれ示されている。
【0043】
以下において、この図7に示されているハードウェアブロック図の構成要素とその機能について詳しく説明する。電源100は、装置内のすべての回路に電力を供給する。CPU101は装置内の回路を統括して制御する。リード・オンリ・メモリ(以下ROMと略す)101aは、CPU101が実行するプログラムおよび必要なデータを保持している
メモリである。ランダム・アクセス・メモリ(以下RAMと略す)101bは、CPU101が演算および一時的な記憶に使用するメモリである。アナログ・デジタル・コンバータ(以下ADCと略す)101c、タイマ101dは、CPU101に内蔵され、それぞれアナログ値からデジタル値への変換、計時を行う。また、アラーム学習ボタン13a〜16aは、センサユニット接続ジャック13〜16に入力された信号をCPU101に学習させるためのボタンであり、モード設定ボタン17はCPU102の入出カポートに接続され、起動時に読み込む設定を選択するためのボタンである。
【0044】
図3に示すセンサユニット本体31に内蔵された各種のセンサによって検出され出力された信号は、センサユニット接続ジャック13〜16に入力される。以下では、センサユニット接続ジャック13に入力される場合を例にとって説明する。センサユニット接続ジャック13からの入力信号を処理する回路には、ヘッドアンプ102〜ゲインアンプ106によって構成される、音響および磁気から得られる電気的検出信号を処理する音響・磁気処理回路と、ヘッドアンプ108〜ゲインアンプ111によって構成される、光から得られる電気的検出信号を処理する光処理回路との2種類がある。
【0045】
まず、音響・磁気処理回路について説明する。ここでは音響から得られる検出信号の場合を例にとって説明する。センサユニット本体31に内蔵された音響センサによって検出され出力された検出信号は、センサユニット接続ジャック13に入力され、ヘッドアンプ102で差動増幅され、低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104を通過する。
低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104は、振動などの低域の周波数の影響を防ぐため、および音声領域を超える不要な高域の周波数帯を遮断し信号対雑音比を向上させるために必要である。低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104のそれぞれの遮断周波数はソフトウェア的に変更される可変な定数であり、音響による入力信号の場合は、低域の遮断周波数は500Hzに設定し、高域の遮断周波数は5000Hzに設定する。低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104によって処理された信号は、平滑回路105によって整形される。整形された信号は、ゲインアンプ106により、CPU101内部のADC101cがこの信号をアナログ/デジタル変換できるレベルにまで増幅されて、マルチプレクサ107に入力される。磁気から得られる検出信号の場合の信号処理は、音響による入力信号の場合と比べ、低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104の遮断周波数が異なる以外は同じである。
【0046】
次に光処理回路について説明する。センサユニット本体31に内蔵された光センサによって検出され出力された信号は、センサユニット接続ジャック13に入力され、ヘッドアンプ108によって増幅され、低域通過フィルタ109を通過する。検出される光の周波数は通常1ヘルツ以下〜数ヘルツ程度と音や磁気の周波数に比べて非常に低いため、低域周波数を遮断する必要はないが、インバータ式蛍光灯やリモコン送信機などの影響を防ぐために低域通過フィルタのみ必要である。高域の遮断周波数は20Hzである。低域通過フィルタ109によって処理された信号は、平滑回路110を通じて整形される。さらにゲインアンプ111により、CPU101内のADC101cがこの信号をアナログ/デジタル変換できるレベルにまで増幅されて、マルチプレクサ107に入力される。
【0047】
ヘッドアンプ102〜ゲインアンプ106により構成される音響・磁気処理回路と、ヘッドアンブ108〜ゲインアンプ111により構成される光処理回路はいずれもマルチプレクサ107に導かれるが、実際の動作にあたっては、どの種類のセンサを内蔵したセンサユニットを使用するかをあらかじめ選択する作業が入るので、2つの処理回路の出力のうちCPUによって実際に処理されるのは、選択された片方の処理回路の出力のみである。また、センサユニット接続ジャック13と同形状のセンサユニット接続ジャック14〜16があり、それぞれに同じ構成の回路が存在するので、全部で4系統の処理回路が存在している。
【0048】
シリアル通信ドライバ11aは、シリアル通信コネクタ11を介して図1に示したようにケーブル22によってホストモニタ21と接続され、ホストモニタ21と通信を行う。
また、ゲートアレー12aは、デジタル/アナログ入出力コネクタ12を介してナースコールと通信する。リレー10aは、アラームランプ10を、点灯あるいは点滅させる。ブザー112は、CPU101によって駆動され、キー操作の完了やエラーを音により操作者に知らせる機能を報知する機能を持つ。
【0049】
本実施形態においては、センサユニット接続ジャック13〜16のそれぞれが本発明の警報ユニットの第3の接続端子に相当し、CPU101が本発明の警報ユニットの判定部に相当する。また、ヘッドアンプ102〜ゲインアンプ111が本発明の警報ユニットの信号処理部を構成する。さらに、アラーム学習ボタン13a〜16aおよびCPU102が本発明の警報ユニットのアラーム条件学習部に相当し、モード設定ボタン17、シリアル通信ドライバ11a、シリアル通信コネクタ11、図1に示されたホストモニタ21およびケーブル22が、本発明の警報ユニットの検出物理量設定部を構成する。また、アラームランプ10と、そのアラームランプ10を点灯・点滅させるためのリレー10aは、光によってアラームを報知するアラーム報知部である。また、ゲートアレー12aを介して、デジタル/アナログ入出力コネクタ12からアラーム信号をナースコールに送信する
アラーム報知機能が備えられており、ゲートアレー12aとデジタル/アナログ入出力コネクタ12も、本発明の警報ユニットのアラーム報知部を構成している。また、図1に示されたホストモニタ21には、その表示画面上でアラームを表示するとともに、アラーム音を発する機能があり、シリアル通信ドライバ11a、シリアル通信コネクタ11、ケーブル22、ホストモニタ21は、本発明の警報ユニットの画面上にアラームを表示するアラーム報知部の機能も兼ねている。
【0050】
図8は集中アラームシステムの動作の大まかな流れを表すメインフローチャートである。
【0051】
以下では、図8に従い、警報ユニット本体1からみた集中アラームシステムの動作の大まかな流れを説明する。まず、図1に示されているように、監視対象となる機器にそれぞれ取り付けられたセンサユニット3に関して、CPU101に蓄えられているメモリや変数などの初期化を行う(S101)。次に、モード設定を行う。モード設定の作業は、警報ユニット本体1の設定を行うために、図1に示されているホストモニタ21を使用してその画面上で行うモードを選択するか、あるいは、ホストモニタ21を使用しないで設定を行うモードを選択するかを、図2および図7に示されているモード設定ボタン17で決定する作業である。ここではホストモニタ21を使用してその画面上で警報ユニット本体1の設定を行うモードを選択する(S102)。モード設定に続いて、警報ユニット本体1が、ホストモニタ21と通信するために必要な設定を行う(S103)。次に、警報ユニット本体1において、ホストモニタ21が利用しているシリアル通信の通信ポートを監視し、ホストモニタ21から、図1に示されているセンサユニット3それぞれに関する情報が送られてきていないかを確認する(S104)。その情報が送られていなければステップS105でNoが選択され、ステップS104に戻る。ホストモニタ21からセンサユニット3それぞれに関する情報が送られていれば、センサユニット設定に必要な作業を行う(S106)。このセンサユニット設定については後述する。ここまでが起動時に一度のみ行う処理である。続いて、図1に示した、医療用モニタ41、人工呼吸器42、無停電電源装置(UPS)43、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45を監視するための作業のフローを説明する。この作業のフローのスタート時点においては、それぞれの機器からの異常や警報を伝える信号(以下、アラーム要因と呼ぶ)が検出されてはいない状況であるという前提で話を進める。まず、ホストモニタ21との通信を行い(S107)、ホストモニタ21に対してアラーム要因が検出されてはいない旨を通知し、ホストホストモニタの画面上のアラーム表示、およびアラーム音があれば、停止させる。続いて異常が発生している機器や警報を発している機器の有無を調べるため、それぞれのセンサニット3を監視する(S108)。このセンサユニット監視の作業の詳細は後述する。ここでセンサニット3のすべてにおいて、アラーム要因が検出されなければステップS109でNoが選択され、ステップS107に戻り、再び同じ処理を繰り返す。アラーム要因が検出された場合、発生源の機器を特定し(S110)、アラーム要因を検出したセンサユニット3に関するアラーム検出フラグをセットし、アラームランプ10を点灯しアラームを発生する(S111)。そして再びホストモニタ21との通信を行い、アラーム要因が発生していることをホストモニタ21に伝え(S112)、ホストモニタの画面上にアラームの発生とその内容を表示させるとともに、同時にアラーム音を発生させる。次に再びホストモニタとの通信を行い、後述のアラーム監視の作業を行い、アラーム要因を検出したセンサユニット3を監視する(S113)。この作業で、まだアラーム要因が検出される場合はステップS114でNoが選択され、ステップS112に戻り、再び同じ処理を繰り返す。アラーム要因が検出されない場合には、アラーム要因を検出したセンサユニット3に関するアラーム検出フラグをクリアし、アラームランプを消灯して(S115)、S107に戻る。
【0052】
以下、センサユニット設定の作業を説明する。センサユニット設定の作業には、ホストモニタ21が実行する作業と警報ユニット本体1のCPU101の実行する作業の2つの作業がある。まず、ホストモニタ21が実行する作業を説明する。
【0053】
図9は、ホストモニタの画面上でセンサユニット設定の作業を実行するためのメニュー操作を示す図である。
【0054】
図9(a)は、図1に示したホストモニタ21を前面から見た図である。
【0055】
ホストモニタ21は画面がタッチキーとなっており、画面の所定の場所に指で触れることにより所望の動作を実行する。ここではメニューキーK01を押す。
【0056】
図9(b)は、メニューキーK01を押すことによって現れるメニュー画面をホストモニタ21が表示している様子を表す図である。ここでP01は、図1に示した、医療用モニタ41、人工呼吸器42、無停電電源装置(UPS)43、シリンジポンプ44および輸液ポンプ45によって伝えられる情報を表示する画面の上に重ねて表示されたウィンドウである。
【0057】
図9(c)は、このウィンドウのみを切り出した図である。このウィンドウには、ウィンドウを閉じて前の画面に戻るための「戻る」キーK02が右上に配置されている。メニュー画面では様々な機能を実行するためのキーが並んでいるが、ここで機器の設定に関す
るキーであるセットアップキーK03を押す。
【0058】
図9(d)は、セットアップキーK03を押すと現れるセットアップメニューP02を表す図である。ここでは、各種モード設定に関するキーであるプリセットキーK04を押す。
【0059】
図9(e)は、プリセットキーK04を押すと現れるプリセットメニューP03を表す図である。画面右端上段に「アラーム集中システム設定」というキーK05があり、このキーK05を押す。
【0060】
図9(f)は、キーK05を押すと現れるアラーム集中システム設定メニューP04を表す図である。この画面では、図1に示す4つのセンサユニット接続端子13〜16に、
それぞれ入力端子1〜4と名前をつけ、それぞれの入力端子1〜4と接続されているセンサユニット3の個数や内蔵しているセンサの種別についてのセンサユニット情報を入力する。センサユニット3がカスケード接続されて入力端子と接続している場合は、連結されたセンサユニット3の総数をセンサユニット3の個数として入力する。センサユニット3の個数については、個数設定キーK06で、センサユニット3それぞれが内蔵しているセンサの種別については種別設定キーK07でそれぞれ入力作業を行う。例えば、図1に示したアラーム集中システムの構成では、入力端子1に音によって異常を伝える医療用モニタ41に、音響センサを内蔵しているセンサユニット3が取り付けられている。従って、入力端子1では、センサユニット個数=1、センサ種別=音を選択する。キーの左上の小
さい四角が選択の有無を示すマークであり、白い四角は選択されていない状態、黒い四角は選択されている状態をそれぞれ示している。入力端子2〜4についても同様に選択する。すべてのセンサユニットの個数とそれぞれのセンサユニットのセンサの種別の選択が済んだら、左上の「設定する」キーK08を押す。
【0061】
図9(g)は、「設定する」キーK08を押すと現れる、各入力端子ごとのセンサユニット情報が読み込まれている際の画面P05を表す図である。センサユニット設定の進行
状況はインジケータI01に反映される。ここで入力したセンサユニット情報は、警報ユニット本体1に送信され、記憶される。その実行に伴い、実行作業の各段階でのメッセージが画面上に表示される。図9(g)に示したメッセージM01はそのメッセージの一例である。
【0062】
図9(h)は、センサユニット設定の作業が正常に終わると現れる画面P06を表す図である。メッセージM02が現れ、センサユニット設定の作業が終了したことを表示する。ここで、中央下部の「戻る」キーK09を押すと図9(a)に示したセンサユニット設定の作業前のモニタ画面に戻る。
【0063】
続いて、警報ユニット本体1のCPU101の実行するセンサユニット設定の作業を説明する。
【0064】
図10は、警報ユニット本体1のCPU101の実行するセンサユニット設定の作業の流れを表すフローチャートである。
【0065】
まずホストモニタ21と通信し、アラーム集中システム設定メニュー図9(f)で設定した入力端子1〜4に接続する図1に示すセンサユニット3の個数とそれぞれのセンサ機能の種別に関する情報を取得する(S201)。ここで、入力端子1〜4に対応した変数を変数kとする。つまり、k=1ならば入力端子1、k=2ならば入力端子2、…、k=4ならば入力端子4というように一対一に対応している。以下、入力端子1についての設定を例にとって説明する。まず、変数kに1を入力し(S202)、入力端子1に接続されたセンサユニット3の個数を確認する(S203)。本実施形態では、図1に示すように入力端子1には、音によって異常を伝える医療用モニタ41を監視するため音響センサを内蔵しているセンサユニット3が接続されているが、もし、この医療用モニタ41を監視する必要がなくセンサユニット3を接続していない場合は、以下の設定は無意味なので、ステップS217にジャンプする。ここでは、音響センサを内蔵しているセンサユニット3が接続されている前提で説明する。このセンサユニット内の音響センサによって検出された音による警報が電気的出力信号として警報ユニットの入力端子1(図2および図7に示したセンサユニット接続ジャック13)に入力される。ここで入力されるセンサユニット3のセンサ機能が音響センサなので、ヘッドアンプ102〜ゲインアンプ106によって構成される磁気・音響センサを処理する回路が用いられる。この段階で、低域通過フィルタ103と高域通過フィルタ104の遮断周波数を設定する作業もあわせて行う(S204)。次に図2および図7に示した学習ボタン13aを押し(S205)、CPU101にアラームが発生していないときの周囲の音量(周囲ノイズレベル)の学習させる(S206)。このときアラームランプ10を1Hzの周期で点滅させ、学習中であることを示す。所定の時間が過ぎたら学習動作を終了しアラームランプ10を消灯する(S207)。操作を誤って13a以外の学習ボタン14a〜16aのいずれかが押されると、CPU101は、ブザー112を駆動しピープ音を鳴らして操作の誤りを告げる。続いて監視対象の医療用モニタ41が異常を伝える音を発生している状況で、学習ボタン15aを押し(S208)、モニタ41が異常を伝えている状況でのアラームの音量(アラームレベル)の学習をする(S209)。このときアラームランプ10を1Hzの周期で点滅させ学習中であることがわかるようにする。所定の時間が過ぎたら学習動作を終了し、アラームランプ10を消灯する(S210)。ステップS206で学習した周囲ノイズレベルと、ステップS209で学習したアラームレベルとから、医療用モニタ41に対する適切なアラーム閾値を算出し、図7に示したRAM102bに設定する(S211)。
【0066】
図1に示すアラーム集中システムの構成のように、入力端子1に接続するセンサユニット3の数が1個なので、これ以上設定するセンサユニット3がない場合はステップS212でYesが選択されステップS217にジャンプする。もし音響センサを内蔵しているセンサユニット3が2個カスケード接続されて、入力端子1に接続している状況では、同じ設定をもう一度する必要がある。具体的にはアラームを監視したい機器で警報を発生させておき、学習ボタン15aが押されたら(S213)、アラームレベルの学習をし(S214)、所定の時間が過ぎたら学習動作を終了し、アラームランプ10を消灯する(S215)。ステップS206で学習した周囲ノイズレベルと、ステップS214で学習したアラームレベルとから機器の適切なアラーム閾値を算出し、RAM102bに設定する
(S216)。以上の操作を、変数kが1〜4のすべての場合について行う。つまりステップS203にジャンプして、変数kが4に達するまで、以上の操作を繰り返す(S217)。最後に変数kが4に達した時に、この作業は終了する。この作業により、すべての監視対象の機器の適切なアラーム閾値が設定される。
【0067】
図11は、図8に示したステップS108で行われるセンサユニット監視の作業のフロチャートである。
【0068】
入力端子1〜4のいずれかを表す前述の変数kが1の場合からこの作業はスタートする
(S301)が、以下では、任意の変数kの場合、すなわち入力端子kの場合を想定し、話を進める。この入力端子kに接続したセンサユニット3の数が0個ならばこのセンサユニットを監視する必要がないので、ステップS302で0個が選択されステップS309にジャンプする。0個ではない場合は、図7に示したタイマ101dをセットし(S303)、入力端子kに接続したセンサユニット3による検出結果の入力を開始する(S30
4)。以下では、入力端子kに接続したセンサユニット3の個数が1個である場合の作業を説明する。まず、タイマ101dがタイムアップしていればステップS305でYesが選択され、ステップS308にジャンプし、タイムアップしていなければ、入力端子kに接続したセンサユニット3の出力する検出信号のレベルとセンサユニット設定の作業で決定したアラーム閾値を比較して、異常や警報を伝える信号(アラーム要因)が監視対象の機器から発せられていないかどうか判定する(S306)。アラーム要因が検出されている場合は、入力端子kに接続したセンサユニット3に関するアラーム出力フラグをセットして(S307)、このセンサユニット監視の作業を終了し、後述のアラーム監視の作業に進む。タイマ102dがタイムアップするまでにアラーム要因が検出されていない場合は、入力端子kに接続したセンサユニット3による検出結果の検討作業を終了する(S308)。以上は、入力端子kに接続したセンサユニット3の個数が1個の場合であるが、カスケード接続することにより、センサユニット3の個数が2個以上の場合は、以上の作業をカスケード接続したセンサユニット3すべてについて行う。変数kが4に達していればステップS309でYesが選択され、このセンサユニット監視の作業を終了する。
変数kが4に達していなければ、この変数kを1だけ増分したものを新たな変数kとして(S310)、ステップS302に戻り、新たな変数kに対応する入力端子に接続されたセンサユニットの監視をする作業を行う。
【0069】
図12は、図8に示したステップS113のアラーム監視の作業の具体的な内容を表すフロチャートである。
【0070】
このアラーム監視の作業は、図11に示したセンサユニット監視の作業のステップS307の後で行う作業である。図11に示したセンサユニット監視の作業のステップS307において、アラーム要因を検出したセンサユニットは既知である。そこで、まずタイマ101dをセットし(S401)、このセンサユニットから送られてくる検出信号を入力し(S402)、アラーム要因が検出されている状態が続いているかどうかを確認する(S403)。アラーム要因が検出されていない場合、このセンサユニットに関するアラーム検出フラグをクリアして終了する(S405)。アラーム要因が検出されている場合、
タイマ101dがタイムアップしていなければステップS404でNoが選択され、ステップS402に戻り、タイムアップするか、あるいは、アラーム要因が検出されない状態になるまでアラーム要因の検出を続ける。
【0071】
以上が医療機器と本実施形態の警報装置とを接続して医療機器の集中アラームシステムを構築した場合の動作の説明である。
【0072】
本実施形態においては、警報ユニット本体1は独立したひとつの装置であるが、これをベッドサイドモニタあるいはセントラルモニタなどのモニタに内蔵させたり、病棟やICU、あるいは手術室で使用されるような生体情報を監視する様々な装置の中に組み込んでもよい。
【0073】
また本実施形態においては、ある機器のアラーム要因がなくなるまで他の機器のアラーム信号は受けつけないが、あらかじめ監視すべき必要性の高い機器のアラーム要因を検出した場合は、そのような機器の監視作業を優先するようあらかじめCPU101に学習させてもよい。
【0074】
本実施形態では、ナースコールと通信はさせてはいないが、図7に示したデジタル/アナログ入出力コネクタ12と接続してナースコールと通信させてもよく、また、スピーカーを内蔵させ、音声によりアラームを報知させる機能を持たせてもよい。また、本実施形態のブザー112に、アラーム音を発してアラームを報知する機能を持たせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態の警報装置を使用した集中アラームシステムの構成図である。
【図2】本実施形態の警報ユニットのうち警報ユニット本体の外観である。
【図3】本実施形態のセンサユニットの外観である。
【図4】本実施形態のセンサユニットに内蔵された磁気センサの構造である。
【図5】本実施形態のセンサユニットに内蔵された音響センサの構造である。
【図6】本実施形態のセンサユニットに内蔵された光センサの構造である。
【図7】本実施形態の警報ユニットのうち警報ユニット本体の内部のハードウェブロック図である。
【図8】集中アラームシステムの動作のおおまかな流れを表すメインフローチャートである。
【図9】ホストモニタからセンサユニット設定を行う際のメニューである。
【図10】警報ユニット本体で行うセンサユニット設定のフローチャートである。
【図11】センサユニット監視の作業のフローチャートである。
【図12】アラーム監視の作業のフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 警報ユニット本体
10 アラームランプ
11 シリアル通信コネクタ
12 デジタル/アナログ入出力コネクタ
13、14、15、16 センサユニット接続ジャック
13a、14a、15a、16a アラーム学習ボタン
17 モード設定ボタン
100 電源
101 CPU
101a リード・オンリ・メモリ(ROM)
101b ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
101c アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)
102、108 ヘッドアンプ
103、109 低域通過フィルタ
104 高域通過フィルタ
105、110 平滑回路
106、111 ゲインアンプ
107 マルチプレクサ
112 ブザー
21 ホストモニタ
22 ケーブル
3 センサユニット
31 センサユニット本体
32a、31b 開口部
33 ケーブル
34、34’ 接続ブラグ
35 センサユニット接続ジャック
36 正電源端子
37 プラス信号出力端子
38 マイナス信号出力端子
39 負電源端子
311 ホール素子
312、313、314 抵抗
321、322 マイクロホン
331 フォトトランジスタ
332 抵抗
41 医療用モニタ
42 人工呼吸器
43 無停電電源装置(UPS)
44 シリンジポンプ
45 輸液ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物理量を検出して電気的な検出信号に変換するセンサを備えたセンサユニット本体と、該センサユニット本体に一端部が接続され該センサユニット本体で得られた検出信号を伝達するケーブルと、該ケーブルの他端部に接続された第1の接続端子とを備えたセンサユニットであって、
前記センサユニット本体が、同種のセンサユニットの第1の接続端子と結合する第2の接続端子を備え、該同種のセンサユニットのセンサユニット本体で得られて伝達されてきた検出信号と自分のセンサユニット本体で得られた検出信号とをマージして自分のケーブルに送り出すものものであることを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
所定の物理量を検出して電気的な検出信号に変換するセンサを備えたセンサユニット本体と、該センサユニット本体に一端部が接続され該センサユニット本体で得られた検出信号を伝達するケーブルと、該ケーブルの他端部に接続された第1の接続端子とを備えたセンサユニット、および
前記第1の接続端子と結合する第3の接続端子と、前記センサユニット本体で検出される複数種類の物理量の中から選択された、前記センサユニットによる検出対象の物理量を表す検出信号について信号処理を行う信号処理部と、前記信号処理部での信号処理後の信号が所定のアラーム条件に合致したか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記アラーム条件に合致した場合にアラームを報知するアラーム報知部とを備えた警報ユニットを具備することを特徴とする警報装置。
【請求項3】
前記第3の接続端子を複数備え、前記信号処理部は、複数の第3の接続端子それぞれに対応してそれぞれ選択された検出対象の物理量を表す各検出信号について信号処理を行うものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項4】
前記センサユニットが、種類の異なる複数の物理量を検出して電気的な検出信号に変換する複数種類のセンサそれぞれを備えたセンサユニット本体を有する複数種類のセンサユニットからなることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項5】
前記複数種類の物理量の中から検出対象の物理量を選択して、前記信号処理部に、選択した検出対象の物理量の検出信号について信号処理を行わさせる検出物理量設定部を備えたことを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項6】
検出対象の物理量について前記センサユニットが前記アラーム条件に合致しない状況の物理量を検出しているタイミングと該センサユニットが前記アラーム条件に合致した状況の物理量を検出しているタイミングの通知を受けて前記アラーム条件を学習するアラーム条件学習部を備えたことを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項7】
前記センサユニット本体が、同種のセンサユニットの第1の接続端子と結合する第2の接続端子を備え、該同種のセンサユニットのセンサユニット本体で得られて伝達されてきた検出信号と自分のセンサユニット本体で得られた検出信号とをマージして自分のケーブルに送り出すものであり、
前記アラーム条件学習部は、複数のセンサユニットからのマージされた検出信号に対しては各センサユニットごとのアラーム条件を学習するものであることを特徴とする請求項6記載の警報装置。
【請求項8】
前記センサユニットは、前記所定の物理量として音を検出するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項9】
前記センサユニットは、前記所定の物理量として光を検出するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項10】
前記センサユニットは、前記所定の物理量として磁気を検出するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項11】
画像を表示する表示部を備え、前記アラーム報知部は前記表示部への表示によりアラームを報知するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項12】
音を発する音発生部を備え、前記アラーム報知部は、前記音発生部にアラーム音を発生させることによって、アラームを報知するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。
【請求項13】
外部機器との通信を行う通信部を備え、前記アラーム報知部は、前記通信部に外部機器に向けてアラーム信号を送信させることによってアラームを報知するものであることを特徴とする請求項2記載の警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−87801(P2006−87801A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279725(P2004−279725)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】